説明

腹部インピーダンス式体組成計

【課題】使い勝手が便利であって精度よく体組成に関する指標を推定し得る腹部インピーダンス式体組成計を提供する。
【解決手段】測距体31の内側に摺動可能に挿入されているスライド体32を、測距体31の内部に引き込むように測距体31の内部に引張ばね33を備えることによって、腹部の一方の横側から支持部と押当部とにより腹部縦幅を挟み込んで支持した状態に維持して、測距体31とスライド体32とに有するエンコーダーにより腹部縦幅を測定し、腹部インピーダンス測定手段において、支持部に配設する複数の電極11a、11b、11c、11dを腹部に接触させた状態の際における腹部インピーダンスを測定し、体組成推定手段において、腹部インピーダンスと腹部縦幅とに基づいて体組成に関する指標を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腹部におけるインピーダンス(腹部インピーダンス)を測定し、体組成に関する指標を推定する腹部インピーダンス式体組成計に関する。
【背景技術】
【0002】
体組成(脂肪や筋肉、骨などの体を構成する組織)に関する指標(量、厚み、面積、率など)を推定する技術分野は、両足間、両手間又は手足間に生ずるインピーダンスを測定して体組成に関する指標の一種である身体全体の体脂肪率を推定する体脂肪計が市場に提供されて以来、更なる健康管理のための指標についての推定の研究開発が進み、腹部におけるインピーダンスを測定し、体組成に関する指標の一種である腹部における皮下脂肪量や内臓脂肪量を推定する体脂肪計が市場に提供されるといった技術情勢に発展してきている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に開示される皮下脂肪量や内臓脂肪量や内臓脂肪率を推定する脂肪測定装置(体脂肪測定装置、体内脂肪計)は、複数の電極を配設した帯類(ベルト、巻帯)を腹部に巻き付けた状態にすることによって腹部に複数の電極を配置し、この複数の電極の中における通電のための電極間に電流を流し、その際に腹部に発生する電圧を、複数の電極の中における測定のための電極間で測定するものであり、いずれもが体の内部に存在する脂肪情報を精度よく測定できるものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−369806号公報
【特許文献2】特開平11−123182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示される脂肪測定装置は、複数の電極を配設した帯類を腹部に巻き付けた状態にするため、寝たきりの人を測定する場合には、使い勝手が不便であった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題点を解決することを目的とするもので、使い勝手が便利であって精度よく体組成に関する指標を推定し得る腹部インピーダンス式体組成計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の腹部インピーダンス式体組成計は、複数の電極を配設し前記複数の電極を腹部に接触させた状態に支持する支持部を有し、前記支持部に配設する複数の電極を腹部に接触させた状態の際に腹部インピーダンスを測定する腹部インピーダンス測定手段と、前記支持部により複数の電極を腹部に接触させた状態に支持の際に、前記支持部と協働して腹部の一方の横側から腹部縦幅を挟み込むことによって前記腹部縦幅を測定する腹部縦幅測定手段と、前記腹部インピーダンス測定手段により測定した腹部インピーダンスと前記腹部縦幅測定手段により測定した腹部縦幅とに基づいて、体組成に関する指標を推定する体組成推定手段と、を備える。
【0008】
また、前記支持部は、腹部周囲に沿うように曲状を成す支持面を有し、前記複数の電極を前記支持面に配設し、前記腹部縦幅測定手段は、前記支持面に対向する押当面を有する押当部と、前記支持部と連係して、前記押当面を前記支持面の方向に引き寄せるように前記押当部に対して作用しつつ、前記押当面の停止位置に基づいて前記腹部縦幅を測定する腹部縦幅検出部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、前記体組成推定手段は、腹部全脂肪面積=a×WL+b×Z50で表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた腹部全脂肪面積と相関をもたらす定数をa、bに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として腹部全脂肪面積を推定する、ことを特徴とする。
【0010】
また、前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、前記体組成推定手段は、皮下脂肪面積=−c×ZL+d×WLで表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して求めた腹部インピーダンスをZLに、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた皮下脂肪面積と相関をもたらす定数をc、dに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として皮下脂肪面積を推定する、ことを特徴とする。
【0011】
また、前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求め、かつ前記一列に配した外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、前記体組成推定手段は、内臓脂肪面積=e−f×ZL+g×WL+h×Z50で表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して求めた腹部インピーダンスをZLに、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた内臓脂肪面積と相関をもたらす定数をe、f、g、hに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として内臓脂肪面積を推定する、ことを特徴とする。
【0012】
前記50kHzよりも低い周波数の電流が4kHz以上12.5kHz以下の電流であることを特徴とする。
【0013】
また、前記50kHzよりも低い周波数の電流が5kHzの電流であることを特徴とする。
【0014】
また、前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、前記体組成推定手段は、体幹部脂肪率=i−j×(1÷Z50÷WL)で表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた体幹部脂肪率と相関をもたらす定数をi、jに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として体幹部脂肪率を推定する、ことを特徴とする。
【0015】
また、前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、前記体組成推定手段は、全身脂肪率=k×(1÷Z50÷WL)+mで表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた全身脂肪率と相関をもたらす定数をk、mに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として全身脂肪率を推定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の腹部インピーダンス式体組成計は、腹部インピーダンス測定手段と腹部縦幅測定手段とによって、腹部の一方の横側から腹部縦幅を挟み込んで、腹部インピーダンスと腹部縦幅とを測定するため、使い勝手が便利であって精度よく体組成に関する指標を推定することができる。
【0017】
また、支持部と押当部とによって、腹部縦幅を挟み込んで支持した状態(クランプ状態)に維持しつつ、腹部インピーダンスと腹部縦幅とを測定するため、より使い勝手が便利に体組成に関する指標を推定することができる。
【0018】
また、体組成に関する指標として、腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率及び全身脂肪率を、基準手法で求めたこれらと相関性を有するこれら演算式にて求めるため、より精度よく推定することができる。
【0019】
また、皮下脂肪面積や内臓脂肪面積を推定の際には、腹部インピーダンスを求めるために流す50kHzよりも低い周波数の電流の周波数が4kHz以上12.5kHz以下の電流とすることで、確実に精度よく皮下脂肪面積や内臓脂肪面積推定することができる。
【0020】
また、皮下脂肪面積や内臓脂肪面積を推定の際には、腹部インピーダンスを求めるために流す50kHzよりも低い周波数の電流の周波数が5kHzの電流とすることで、より確実に精度よく皮下脂肪面積や内臓脂肪面積推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の腹部インピーダンス式体組成計は、腹部インピーダンス測定手段、腹部縦幅測定手段及び体組成推定手段から構成する。
【0022】
腹部インピーダンス測定手段は、複数の電極を配設しこの複数の電極を腹部に接触させた状態に支持する支持部を有し、この支持部に配設する複数の電極を腹部に接触させた状態の際に腹部インピーダンスを測定するものである。ここで、支持部についてより具体的に説明すると、支持部は、腹部周囲に沿うように曲状を成す支持面を有し、この支持面に複数の電極を配設している。
【0023】
腹部縦幅測定手段は、支持部により複数の電極を腹部に接触させた状態に支持の際に、支持部と協働して腹部の一方の横側から腹部縦幅を挟み込むことによってこの腹部縦幅を測定するものである。より具体的には、腹部縦幅測定手段は、支持面に対向する押当面を有する押当部と、支持部と連係して、押当面を支持面の方向に引き寄せるように押当部に対して作用しつつ、押当面の停止位置に基づいて腹部縦幅を測定する腹部縦幅検出部とを備えている。
【0024】
体組成推定手段は、腹部インピーダンス測定手段により測定した腹部インピーダンスと腹部縦幅測定手段により測定した腹部縦幅とに基づいて、体組成に関する指標を推定するものである。
【0025】
このように構成した腹部インピーダンス式体組成計によると、腹部の一方の横側から支持部と押当部とにより腹部縦幅を挟み込んで支持した状態(クランプ状態)に維持して、腹部インピーダンスと腹部縦幅とを測定することができる。したがって、使い勝手が便利であって精度よく体組成に関する指標を推定することができる。
【0026】
以下、上述した形態を基礎とした実施例について具体的に説明する。
【実施例】
【0027】
まず、図1に示す外観図、図2に示す測定状態図、図3に示すブロック図を主として用いながら、本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計の具体的な構成について説明する。
【0028】
本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計は、大別すると、支持部1、押当部2、腹部縦幅検出部3及び操作部4によって構成する。
【0029】
支持部1は、腹部周囲に沿うように曲状を成す支持面1aに、腹部周囲方向に4つの電極を一列に配した中空の棒状体を成す。ここで、4つの電極のうち、外側に配した2つの電極は腹部に電流を流すための通電用電極11a、11bであり、内側に配した2つの電極は腹部に生じる電位差を検出するための測定用電極11c、11dである。
【0030】
押当部2は、支持面1aに対向する押当面2aを有する棒状体を成す。
【0031】
腹部縦幅検出部3は、測距体(エンコーダー34を含む)31とスライド体(エンコーダー34を含む)32と引張ばね33とから成り、測距体31とスライド体32との位置関係の信号をエンコーダー34によって公知の電子ノギスのように検出する。
【0032】
ここで、測距体31は、中央部分から直角に曲がった中空の棒状体を成し、その一端部の内側面に、エンコーダー(位置関係検出用)34としての電極群A(図示省略)を有し、また、その外側面に把手31aを有する。スライド体32は、棒状体を成し、その一端部を押当部2の一端部に直角に結合し、その側面に、エンコーダー(位置関係検出用)34としての電極群Aと協働するエンコーダー(位置関係検出用)34としての電極群B(図示省略)を有し、その他端部側から測距体31の他端部の内側に摺動可能に挿入されている。引張ばね33は、スライド体32の他端部と測距体31の内面と結合し、スライド体32を測距体31の内部に引き込むように測距体31の内部に備わる。
【0033】
操作部4は、入力部41及び表示部42を筐体の外面に備え、電力供給部43、電流発生部44、電圧検出部45、計時部46、記憶部47、演算部48及び制御部49を筐体の内部に備える。また、押当面2aが支持面1aに引き寄せられる方向となるように支持部1と測距体31の他端部とに結合する。
【0034】
ここで、電力供給部43は、本装置の電気系統各部に電力を供給する。計時部46は、時間を計測する。入力部41は、電力供給部43からの電力供給を開始するための電源スイッチ41aと腹部縦幅及び腹部インピーダンスの測定を開始するための測定スイッチ41bから成る。
【0035】
また、ここで、電流発生部44は、制御部49からの制御に基づき、腹部に通電するための所定の周波数(50kHz、及び、4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz))の電流A50、ALを発生する。電圧検出部45は、通電用電極11a、11b間に50kHzの周波数の電流A50を流した際に測定用電極11c、11d間に生ずる電圧V50と、通電用電極11a、11b間に4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz)の周波数の電流ALを流した際に測定用電極11c、11d間に生ずる電圧VLとを検出する。
【0036】
更に、ここで、記憶部47は、通電用電極11a、11b間に50kHzの周波数の電流A50を流した際に測定用電極11c、11d間に生ずる電圧V50に基づく腹部インピーダンスZ50や通電用電極11a、11b間に4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz)の周波数の電流ALを流した際に測定用電極11c、11d間に生ずる電圧VLに基づく腹部インピーダンスZLや測距体31とスライド体32との位置関係の信号に基づく腹部縦幅WLに基づいて体組成に関する指標(腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率)を演算するための次に示す各種の演算式((1)〜(5)式)、入力情報、結果情報、プログラムその他各種各種情報を記憶する。
【0037】
腹部全脂肪面積 = a × WL + b × Z50 ・・・・・・・・・・・・ (1)
皮下脂肪面積 = −c × ZL + d × WL ・・・・・・・・・・・・・ (2)
内臓脂肪面積 =e − f × ZL + g × WL + h × Z50 ・・・・(3)
体幹部脂肪率 = i − j × (1 ÷ Z50 ÷ WL) ・・・・・・・・ (4)
全身脂肪率 = k × {i − j × (1 ÷ Z50 ÷ WL)} + m ・ (5)
【0038】
ここで、(1)式でのa、bは、基準手法であるところのDXA(Dual X-ray absorptiometry)法で求めた腹部全脂肪面積と相関をもたらす定数であり、(2)式でのc、dは、基準手法であるところのDXA法で求めた皮下脂肪面積と相関をもたらす定数であり、(3)式でのe、g、hは、基準手法であるところのDXA法で求めた内臓脂肪面積と相関をもたらす定数であり、(4)式でのi、jは、基準手法であるところのDXA法で求めた体幹部脂肪率と相関をもたらす定数であり、(5)式でのk、i、jは、基準手法であるところのDXA法で求めた全身脂肪率と相関をもたらす定数である。
【0039】
なお、上記の演算式((1)〜(4)式)により求められる腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率は、図6〜図9に示すように、一般的に推定精度が良いとされるDXA法(基準手法)により求めた腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率との相関性(R、SEE参照)が高く、また、図10に示すように、一般的に推定精度が良いとされるDXA法(基準手法)により求めた体幹部脂肪率とDXA法により求めた全身脂肪率との相関性(R、SEE参照)が高いことから、上記の演算式((5)式)により体幹部脂肪率に基づいて求められる全身脂肪率は、DXA法により求めた全身脂肪率との相関性が高い。
【0040】
演算部48は、(i)電流発生部44から発生した50kHzの周波数の電流A50及び電圧検出部45によりその際に検出した電圧V50に基づいて腹部インピーダンスZ50を演算し、(ii)電流発生部44から発生した4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz)の周波数の電流AL及び電圧検出部45によりその際に検出した電圧VLに基づいて腹部インピーダンスZLを演算し、(iii)エンコーダー34によって検出した測距体31とスライド体32との位置関係の信号に基づいて腹部縦幅WLを演算し、(iv)先に演算した腹部インピーダンスZ50や腹部インピーダンスZLや腹部縦幅WLを記憶部47に記憶している演算式((1)〜(5)式)に代入することによって体組成に関する指標(腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率)を演算し、(v)その他各種データを演算する。
【0041】
表示部42は、演算部48により演算された体組成に関する指標(腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率)の結果情報その他入力・測定・結果情報を表示する。
【0042】
制御部49は、(i)電源スイッチ41aからのオン信号に基づいて、電力供給部43から本装置の電気系統各部への電力供給を制御し、(ii)測定スイッチ41bからのオン信号に基づいて、エンコーダー34からの検出信号に基づいて演算部48による腹部縦幅WLの演算を制御し、(iii)測定スイッチ41bからのオン信号に基づいて、電流発生部44からの所定の周波数(50kHz、及び、4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz))の電流A50、ALの発生を制御し、(iv)電圧検出部45からの測定用電極11c、11d間に生じた電圧V50、VLに基づいて、演算部48による腹部インピーダンスZ50、ZLの演算を制御し、(v)演算部48により演算した腹部インピーダンスZ50、ZLと記憶部47に記憶する演算式((1)〜(5)式)とに基づいて、演算部48による体組成に関する指標(腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率)の演算を制御し、(vi)入力、測定、結果段階において、表示部42による各種の入力・測定・結果情報の表示を制御し、(vii)その他各種の情報等について制御する。
【0043】
ここで、腹部インピーダンスと腹部縦幅とを測定して体組成に関する指標を推定可能である原理について説明する。
【0044】
図11の身体の腹部の電気等価回路モデル図に示すように、身体の腹部前部の浅層組織は、皮膚表面をRs、皮下脂肪層をRf及びCf、腹筋層(細胞膜をCm、細胞内液をRi、細胞外液をRe)とした電気等価回路モデルで表すことができる。そして、測定の際には、皮膚表面と電極(通電用電極11a、11b、測定用電極11c、11d)の間に接触インピーダンスRcを加えた電気等価回路モデルで表すことができる。ここで、50kHzよりも低い周波数(好ましくは、4kHz以上12.5kHz以下(より好ましくは5kHz))が通電された場合には、皮下脂肪層において、Cfに電流は流れず、Rfだけに電流が流れ、また、腹筋層において、Cmに電流は流れず(したがって、Riにも電流は流れない。)、Reだけに電流が流れることから、皮下脂肪層を反映した腹部インピーダンスを得ることができる。また、50kHzの周波数が通電された場合には、皮下脂肪層において、Cfに電流が流れ(したがって、Rfには電流が流れない。)、また、腹筋層において、Cmに電流が流れ、Ri及びReに電流が流れることから、腹筋層を反映した腹部インピーダンス(内臓脂肪の蓄積が多いと、これに伴って腹筋が薄く伸びた状態となるために、内臓脂肪組織を反映した腹部インピーダンス)や広範囲における脂肪以外の組織を反映した腹部インピーダンス(すなわち、全体組織から脂肪以外の組織を除いた脂肪組織を反映した腹部インピーダンス)を得ることができる。
【0045】
したがって、原則として、50kHzよりも低い周波数(好ましくは、4kHz以上12.5kHz以下(より好ましくは5kHz))だけが通電された場合には、腹部皮下脂肪面積を推定することができ、また、50kHzよりも低い周波数(好ましくは、4kHz以上12.5kHz以下(より好ましくは5kHz))に加えて50kHzの周波数が通電された場合には、内臓脂肪面積を推定することができ、更に、50kHzの周波数だけが通電された場合には、腹部全脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率を推定することができる。
【0046】
また、図12(a)の脂肪組織が少ないときの腹部断面図、図12(b)の脂肪組織が多いときの腹部断面図に示すように、通電用電極11a、11b間に流れる電流は、腹側の腹筋層と背中側の腹筋層を経路(c1、c2)として流れる。通電用電極11a、11b間の位置が一定であると、腹部の大きさによって、全体の腹筋層に対する腹側の腹筋層と背中側の腹筋層との占める割合が異なり、これが誤差となる。このため、測定した腹部インピーダンスに、腹部の大きさの指標の一種である腹部縦幅を考慮することで、体組成に関する指標(腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率)を精度よく推定することができる。なお、この図12(a)、(b)において、Sは皮下脂肪、Vは内臓器及び内臓脂肪、Mは筋肉、Bは背骨を表す。
【0047】
上記において、支持部1及び操作部4による構成は、腹部インピーダンス測定手段に該当する。また、押当部2、腹部縦幅検出部3及び操作部4による構成は、腹部縦幅測定手段に該当する。更に、操作部4による構成は、体組成推定手段に該当する。
【0048】
次に、図4に示すフローチャートを主として用いながら、本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計の操作及び動作について説明する。
【0049】
まず、電源スイッチ41aがオンされると電力供給部43から各電気系統各部に電力を供給し、図5(a)に示すような初期画面を表示部42に表示する(ステップS1)。
【0050】
続いて、制御部49において、測定スイッチ41bがオンされたか否かを判定する(ステップS2)。ここで、測定スイッチ41bがオンされない場合(ステップS2でNO)には、測定スイッチ41bがオンされるまでこの測定待機の状態の処理を繰り返す。
【0051】
一方、図2に示すように、腹部の一方の横側から支持部1と押当部2とにより腹部縦幅WLを挟み込んで支持した状態(クランプ状態)に維持し、測定スイッチ41bがオンされた場合(ステップS2でYES)には、測距体31とスライド体32とに有するエンコーダー34において、測距体31とスライド体32との位置関係の信号を検出し、演算部48において、このエンコーダー34によって検出した測距体31とスライド体32との位置関係の信号に基づいて腹部縦幅WLを演算し、この演算した腹部縦幅WLを記憶部47に一時記憶する(ステップS3)。
【0052】
続いて、制御部49からの制御に基づき、電流発生部44において、50kHzの周波数の電流A50を電流用電極間に発生し、電圧検出部45において、この際に測定用電極11c、11d間に生ずる電圧V50を検出し、演算部48において、この発生した50kHzの周波数の電流A50及びこの検出した電圧V50に基づいて腹部インピーダンスZ50を演算し、この演算した腹部インピーダンスZ50を記憶部4718に一時記憶する。次いで、電流発生部44において、4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz)の周波数の電流ALを電流用電極間に発生し、電圧検出部45において、この際に測定用電極11c、11d間に生ずる電圧VLを検出し、演算部48において、この発生した4kHz以上12.5kHz以下(好ましくは5kHz)の周波数の電流AL及びこの検出した電圧VLに基づいて腹部インピーダンスZLを演算し、この演算した腹部インピーダンスZLを記憶部47に一時記憶する(ステップS4)。なお、このステップの間、すなわち、腹部インピーダンスを測定の間は、表示部42において、図5(b)に示すような表示をする。
【0053】
続いて、制御部49からの制御に基づき、演算部48において、記憶部47に一時記憶した腹部縦幅WL及び腹部インピーダンスZ50を記憶部47に記憶している演算式(1)式に代入することによって腹部全脂肪面積を演算し、この演算した腹部全脂肪面積を記憶部47に一時記憶する(ステップS5)。
【0054】
続いて、制御部49からの制御に基づき、演算部48において、記憶部47に一時記憶した腹部縦幅WL及び腹部インピーダンスZLを記憶部47に記憶している演算式(2)式に代入することによって皮下脂肪面積を演算し、この演算した皮下脂肪面積を記憶部47に一時記憶する(ステップS6)。
【0055】
続いて、制御部49からの制御に基づき、演算部48において、記憶部47に一時記憶した腹部縦幅WL、腹部インピーダンスZ50及び腹部インピーダンスZLを記憶部47に記憶している演算式(3)式に代入することによって内臓脂肪面積を演算し、この演算した内臓脂肪面積を記憶部47に一時記憶する(ステップS7)。
【0056】
続いて、制御部49からの制御に基づき、演算部48において、記憶部47に一時記憶した腹部縦幅WL及び腹部インピーダンスZ50を記憶部47に記憶している演算式(4)式に代入することによって体幹部脂肪率を演算し、この演算した体幹部脂肪率を記憶部47に一時記憶する(ステップS8)。
【0057】
続いて、制御部49からの制御に基づき、演算部48において、記憶部47に一時記憶した腹部縦幅WL及び腹部インピーダンスZ50を記憶部47に記憶している演算式(5)式に代入することによって全身脂肪率を演算し、この演算した全身脂肪率を記憶部47に一時記憶する(ステップS9)。
【0058】
続いて、制御部49からの制御に基づき、演算部48において、記憶部47に一時記憶した皮下脂肪面積と内臓脂肪面積を比較し(ステップS10)、表示部42において、この比較結果が内臓脂肪面積−皮下脂肪面積≧0であった場合には、図5(c)に示すような「内蔵脂肪型です!」のメッセージ入りの測定結果を表示し、また、内臓脂肪面積−皮下脂肪面積≧0でなかった場合には、図5(d)に示すような「皮下脂肪型です!」のメッセージ入りの測定結果を一定時間表示し、図5(e)に示すような再測定の問合せ画面を表示する(ステップS11)。
【0059】
続いて、制御部49において、測定スイッチ41bがオンされたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、測定スイッチ41bがオンされた場合(ステップS12でYES)には、初期画面(ステップS1)に戻り、一連の上述した測定処理過程が可能となる。一方、計時部46による計測が一定時間経過しても、測定スイッチ41bがオンされない場合(ステップS12でNO)には、自動的に電源をオフし、一連の操作及び動作処理過程が終了する。
【0060】
このように構成した実施例の腹部インピーダンス式体組成計によると、測距体31の内側に摺動可能に挿入されているスライド体32を、測距体31の内部に引き込むように測距体31の内部に引張ばね33が備わるため、腹部の一方の横側から支持部1と押当部2とにより腹部縦幅を挟み込んで支持した状態(クランプ状態)に簡単に維持することができ、DXA法により求めた体組成に関する指標と相関性の高い演算式((1)〜(5)式)に、測定した腹部インピーダンス及び腹部縦幅を代入して、体組成に関する指標(腹部全脂肪面積、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、体幹部脂肪率、全身脂肪率)を演算するため、使い勝手が便利であって精度よく体組成に関する指標を推定することができる。
【0061】
なお、上述した実施例においては、DXA法により求めた体組成に関する指標と相関性の高い演算式((1)〜(5)式)を用いたが、CT(Computed Tomography)法などの一般的に推定精度が高いとされる手法により求めた体組成に関する指標と相関性の高い演算式を用いてもよい。
体組成に関する指標について同様の推定精度を得ることができる。
【0062】
更に、上述した実施例においては、支持部1の支持面1aに電極を配列する態様とするものであるが、支持部1を腹部にあてがった際に、支持部1に配設する電極11a、11b、11c、11dが、腹部周囲に沿ってよりぴったりと接触するように、図13に示すように、支持部1と電極11a、11b、11c、11dとの間が柔軟弾性部(ばね、ゴム等)12a、12bで形成される態様としてもよい。また、図14に示すように、支持部1が固定部材1b、その両端に回転軸1cを介して回動する可動部材1d、及び回転軸1cを軸としてこの可動部材1dを腹部側に押付ける作用を及ぼすばね1dによって形成される態様としてもよい。電極11a、11b、11c、11dを腹部周囲に対してフィットさせることができるので、確実に精度よく体組成に関する指標を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計の構造的構成を示す外観図であり、(a)が側面図、(b)が背面図、(c)が平面図及び(d)が正面図である。
【図2】本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計を用いて測定しているときの状態を示す図である。
【図3】本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係わる腹部インピーダンス式体組成計の操作及び動作の手順を示すブロック図である。
【図5】測定開始から終了に至るまでにおける表示画面図である。
【図6】DXA法で求めた腹部全脂肪面積と演算式で求めた腹部全脂肪面積との相関関係を示すグラフである。
【図7】DXA法で求めた皮下脂肪面積と演算式で求めた皮下脂肪面積との相関関係を示すグラフである。
【図8】DXA法で求めた内臓脂肪面積と演算式で求めた内臓脂肪面積との相関関係を示すグラフである。
【図9】DXA法で求めた体幹部脂肪率と演算式で求めた体幹部脂肪率との相関関係を示すグラフである。
【図10】DXA法により求めた全身脂肪率とDXA法により求めた体幹部脂肪率との相関関係を示すグラフである。
【図11】身体の腹部の電気等価回路モデル図である。
【図12】身体の腹部の断面図であり、(a)が脂肪組織が少ない場合を示す断面図、(b)が脂肪組織が多い場合を示す断面図である。
【図13】本発明に係わる体組成計の別の外観構造を示す外観図(平面図)である。
【図14】本発明に係わる体組成計の別の外観構造を示す外観図(平面図)である。
【符号の説明】
【0064】
1 支持部
1a 支持面
1b 固定部材
1c 回転軸
1d 可動部材
1e ばね
2 押当部
2a 押当面
3 腹部縦幅検出部
4 操作部
11a、11b 通電用電極
11c、11d 測定用電極
12a、12b 柔軟弾性部
31 測距体
31a 把手
32 スライド体
33 引張ばね
34 エンコーダー
41 入力部
41a 電源スイッチ
41b 測定スイッチ
42 表示部
43 電力供給部
44 電流発生部
45 電圧検出部
46 計時部
47 記憶部
48 演算部
49 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を配設し前記複数の電極を腹部に接触させた状態に支持する支持部を有し、前記支持部に配設する複数の電極を腹部に接触させた状態の際に腹部インピーダンスを測定する腹部インピーダンス測定手段と、
前記支持部により複数の電極を腹部に接触させた状態に支持の際に、前記支持部と協働して腹部の一方の横側から腹部縦幅を挟み込むことによって前記腹部縦幅を測定する腹部縦幅測定手段と、
前記腹部インピーダンス測定手段により測定した腹部インピーダンスと前記腹部縦幅測定手段により測定した腹部縦幅とに基づいて、体組成に関する指標を推定する体組成推定手段と、
を備える腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項2】
前記支持部は、腹部周囲に沿うように曲状を成す支持面を有し、前記複数の電極を前記支持面に配設し、
前記腹部縦幅測定手段は、前記支持面に対向する押当面を有する押当部と、前記支持部と連係して、前記押当面を前記支持面の方向に引き寄せるように前記押当部に対して作用しつつ、前記押当面の停止位置に基づいて前記腹部縦幅を測定する腹部縦幅検出部とを備える、
ことを特徴とする請求項1記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項3】
前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、
前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、
前記体組成推定手段は、腹部全脂肪面積=a×WL+b×Z50で表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた腹部全脂肪面積と相関をもたらす定数をa、bに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として腹部全脂肪面積を推定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項4】
前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、
前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、
前記体組成推定手段は、皮下脂肪面積=−c×ZL+d×WLで表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して求めた腹部インピーダンスをZLに、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた皮下脂肪面積と相関をもたらす定数をc、dに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として皮下脂肪面積を推定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項5】
前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、
前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求め、かつ前記一列に配した外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、
前記体組成推定手段は、内臓脂肪面積=e−f×ZL+g×WL+h×Z50で表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzよりも低い周波数の電流を流して求めた腹部インピーダンスをZLに、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた内臓脂肪面積と相関をもたらす定数をe、f、g、hに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として内臓脂肪面積を推定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項6】
前記50kHzよりも低い周波数の電流が4kHz以上12.5kHz以下の電流であることを特徴とする請求項4又は5記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項7】
前記50kHzよりも低い周波数の電流が5kHzの電流であることを特徴とする請求項4又は5記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項8】
前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、
前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、
前記体組成推定手段は、体幹部脂肪率=i−j×(1÷Z50÷WL)で表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた体幹部脂肪率と相関をもたらす定数をi、jに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として体幹部脂肪率を推定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の腹部インピーダンス式体組成計。
【請求項9】
前記支持面は、前記複数の電極として4つの電極を腹部周囲方向に一列に配し、
前記腹部インピーダンス測定手段は、前記腹部インピーダンスの測定を、前記一列に配した外側の電極間に50kHzの電流を流して前記一列に配した内側の電極間で検出した電位差に基づいて腹部インピーダンスを求めることによって行い、
前記体組成推定手段は、全身脂肪率=k×(1÷Z50÷WL)+mで表される演算式を用い、前記外側の電極間に50kHzの電流を流して求めた腹部インピーダンスをZ50に、前記測定した腹部縦幅をWLに、基準手法で求めた全身脂肪率と相関をもたらす定数をk、mに代入して演算することによって、前記体組成に関する指標として全身脂肪率を推定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の腹部インピーダンス式体組成計。




































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−23232(P2008−23232A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201768(P2006−201768)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】