説明

腹部圧迫帯

線形弾性(20)及び支持部(30)を有する術後の圧迫性衣服(10)が提供される。支持部は、伸長20%未満の線形弾性材料特性を持つプログレッシブな弾性材料特性を有する制御された伸長-プロフィールを有する。支持部は、2つの層が異なり、かつ層の内の1つは他の層に比べてわずかに特大である材料特性を有する層状材料から構成することができる。衣服は、着用者の身体の様々な部分に適合するように構成することができ、ヘルニア及び/又は損傷決裂を予防するために手術後直ちに着用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヘルニアの対処及び予防の分野、より具体的には、ヘルニアの予防のための特定の弾性を有する術後の衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ヘルニアは、体腔の壁による臓器又はその部分の異常突出である。ヘルニアの特定の種類は、外科手術を経験したときに現われることがある切開創(腹部)ヘルニアである。それは、切開創が様々な組織を通り抜け、そのため組織は切開創によって衰弱している。切開創は、筋膜によって広がり得る皮膚内にできた任意の傷口又は孔でよい。それは、開腹中にできた中線、横軸、斜め又は他の切開創、腹腔鏡検査中にできた鍵穴、及びトロカール部位を含む。切開創ヘルニアの発生率は、外科手術(診断)、使用された手術方法及び患者の全体的な損傷治癒能力によって、数パーセントから30%超まで変動する。切開創ヘルニアは、外科手術後の比較的長時間、数ケ月又は数年でさえ、現われることがある。ヘルニアの再発率は、非常に高い可能性がある。
【0003】
外科手術後のヘルニア切開創を保護するために、圧迫性衣服が着用され得る。腹腔内圧力の一時的増加に関する損傷治癒合併症のリスクを減少させることは、特に重要である。腹腔内圧力(IAP)は、腹腔内に隠された圧力として定義され、呼吸と共に変動する。IAPの突然の大増加は、すなわち、着用者がくしゃみをし、咳をし、動き、嘔吐し又は排便し、及び重いもの持ち上げ、運動するときに、起こる。このようなIAPのピーク中に、損傷は、大きな剪断力に供され、損傷の縁を引き離す傾向があり、これは、大きな傷跡形成、損傷決裂(裂傷)、後の切開創ヘルニア形成又は他の損傷治癒合併症を生ずることがある。
【0004】
圧迫性衣服は、治癒の間に損傷の保護を助けることができるが、患者は、通常、深それらが不快であることに気付く。結果として、患者は、通常、術後の教示に従わず、代わりに衣服を取り除くことを選択し、そのため、治癒合併症のリスクを増加させることになる。
【0005】
手術損傷の広がりを予防するために衣服を取り付ける例は、手術損傷を間に挟む滑らない材料からできた支持部、及びその外面上の支持部に固定された非-伸長性のはぎ布を有する衣服を開示するWO 0024349から知られている。はぎ布の遊離の末端は、損傷方向に支持部を引き出し、それによって手術損傷の広がりを予防するように、損傷の上で互いに結合されている。
【0006】
FR2039950は、腹部部分に固定された1層の非-伸長性材料を有する弾性材料からできた包帯を開示する。当該包帯は、更に、腿の付け根部位を支える2つのストラップを取り付けるために適した3つの強化材を含む。
【0007】
ヘルニア予防及び治療具の一貫した着用を要求する術後の教示に対する着用者の追従が増加しているために、必要な圧迫を与え、同時に快適さ及び適合性を提供する効果的なヘルニア予防及び治療具の必要性が依然として存在する。
【発明の開示】
【0008】
概要
本発明は、損傷部位への保護を与える圧迫性衣服又はヘルニア予防衣服であって、同時に、服従を増加させるように着心地が快適である衣服に関する。
【0009】
本発明の目的は、損傷又はヘルニア部位を覆うための制御された伸長-プロフィールを有する材料の支持部を持つ衣服であって、患者に必要な圧迫及び快適さを提供するための弾性材料の別の部分を有する衣服を提供することである。制御された伸長-プロフィールを有する材料の支持部は、損傷を覆う材料に更なる伸長性を与えないように、損傷の回りにプレート効果を付与する。
【0010】
本発明の更なる目的は、支持部及び弾性材料の別の部分を有する様々な衣服を提供することである。様々な衣服の例は、腹部帯又はチューブ、アンダーシャツ、アンダーパンツ及びボディスーツである。
【0011】
本発明はまた、2つの異なった材料部を有する衣服を用いるヘルニア予防レジメを提供する。
【0012】
詳細な開示
本発明の主な局面は、2つの部分、すなわち線形弾性を有する材料からなる弾性部、及びプログレッシブ(progressive)弾性を有する材料から成るプログレッシブ弾性部を有する材料を含む圧迫性衣服であって、当該プログレッシブ弾性部が20%未満の伸長の線形弾性の材料特性を有する、前記圧迫性衣服に関する。
【0013】
プログレッシブ弾性部の材料特性の変化の境界は、好ましくは、5%〜25%の範囲の伸長のいずれでもよく、例えば、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%又は24%の伸長でよい。10%ほどに低くてもよく又は30%ほどに高くてもよい。この境界の別の表現は、歪みの下限である。
【0014】
本発明は、ヘルニア治療から回復し、ヘルニア形成又は他のある外科的処置を予防しようとするいずれの人によっても着用することができる。ある患者群は、損傷決裂又はヘルニア形成の平均的なリスクよりも高いリスクを有し、本発明を用いることによって特に利益があるだろう。このような高いリスク群は、肥満、糖尿病、喫煙者、慢性の閉塞性肺疾患(COLD)を有する患者、及び異状コラーゲンI/III比を有する患者(例えば、腹部大動脈瘤)を含む。しかしながら、すべての患者群は、動くときに術後の痛みを減少させ、そして高い安全性の感覚、例えば、患者の早期の運動を可能にする、本発明によって提供される快適さ及び支持性から利益を得るだろう。患者の速い運動は、術後の合併症を回避し、入院期間を短くする点で最も重要な因子である。
【0015】
長期の展望では、本発明の衣服を用いるときには、切開創ヘルニアの発症又は治癒ヘルニアの再発のリスクは減少するだろう。
【0016】
本発明に従う製品は、IAP(腹腔内圧力)の急激な増加によって起こる損傷治癒合併症を減少させるだけでなく、一定の圧力は、例えば圧迫性ストッキングから生じることが知られている水腫、血清腫及び血腫の形成を減少させる損傷部位にも適用される。
【0017】
本発明の重要な部分は、制御された伸長可能性を有する圧迫性衣服の支持部に関する。弾性生地が損傷の上に置かれる場合には、患者が動き、又は介護人によって動かされもしくは扱われるときに、生地が損傷/包帯を裂き、損傷を強くする傾向があるというリスクが存在する。対照的に、制御された伸長可能性を有する支持性生地が損傷を保護するときには、実質的に横軸の応力が存在しない。
【0018】
本発明は、材料の非-伸長部が損傷決裂又はヘルニア再発を予防する点で優れているが、腹部コンパートメントシンドロームに因って合併症を起こし、着用するのが非常に不快にもなるだろうとの認識に基づいている。しかしながら、材料の弾性又は伸長部は、損傷決裂又はヘルニア再発を予防することができないが、求められる快適さと圧迫を提供し、並びに腹部部位の必要な動きを可能にするだろう。従って、制御された伸長性を有する支持部と弾性部との組合せは、損傷部位の必要な保護を提供すると同時に、着用者に必要な快適さを与えるだろう。
【0019】
別の利点は、このような支持部を有する所定のサイズの衣服は、同じサイズの同様のすべての弾性衣服よりも高い圧迫を提供することである。従って、支持部は、より堅い圧迫を提供し、これは、プレート効果を類似する。このことは、より弾性の織物を許容し、よって、それは、すべての弾性衣服に比べて、より快適なもの、及び/又はより小さな伸長なものである。
【0020】
1つの実施態様では、支持部(プログレッシブ弾性部)は、更なる伸長が不可能である最高レベルの伸長に達している。このような支持部は、実質的に非-伸長性の部分又は部と言われる。
【0021】
本発明の1つの実施態様では、圧迫性衣服は、プログレッシブ弾性部が20%〜40%の伸長以内の高いMoEを有する非-線形弾性の材料からできており、その材料が強い力で脆く決裂する40%超の伸長を有する非-伸長性である衣服であって、決裂に必要とされる力が0.5 N/mmよりも高い衣服である。
【0022】
非-伸長性材料への非-線形の弾性材料特性の移行の上限は、30%〜50%の間のいずれかであり、例えば、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%又は45%でよい。
【0023】
圧迫性衣服の別の実施態様は、20%超の伸長以内の材料が、20%未満の伸張以内の材料のMoEよりも少なくとも3倍高いMoEを有する線形弾性材料特性を有する伸長によって、様々な線形弾性を有する材料からできている衣服である。
【0024】
20%超の伸長のプログレッシブ弾性部のMoEは、20%未満の伸長部分のMoEを超える2〜10の因子、例えば因子3、4、5、6、7、8又は9でよい。
【0025】
線形弾性部は、圧迫を得るために必要とされ、同時に衣服の着用を可能にする弾性を与える。
【0026】
プログレッシブ弾性部は、損傷部位又はヘルニア決裂を発症しそうな部位の支持及び保護を与える。このことは、プログレッシブ弾性部が、伸長に対する抵抗性がより際立った後に、材料が最大20%の伸長まで比較的容易に伸ばせることを意味する制御された伸長プロフィールを有するという事実に因るものである。結局のところ、更なる伸長は、不可能なことがある。この伸長プロフィールの結果は、本発明に従う圧迫性衣服を着用する患者が呼吸をすることができ、完全に弾性のない衣服部分に因る不快を経験しないだろうことである。しかしながら、IAPの急激な大増加が起こると、衣服は、損傷又はヘルニアの周りの弱い部位の腹壁の動きを制御することができる。よって、損傷決裂及びヘルニアの再発を予防することができる。実施例5は、プログレッシブ弾性(支持性)部及び弾性部の歪みの差を説明する。
【0027】
切開創を覆うプログレッシブ弾性部は、本質的に、衣服の均一かつ支持部を意味する。従来の衣服は、ジッパー、継ぎ目、プレート等の形状で非-伸長性部を有することがあるが、これらは、切開創から生じる損傷を覆う、制御可能な伸長可能性を有する支持部、好ましくは織物、に関する本発明には適さない。このような部分は、ジッパー、例えば、その構造が治癒プロセス及び損傷の周りの敏感な皮膚と争うもの、を含むことができない。
【0028】
2つの弾性部の組合せは、特有の衣服であって、同時に、着用するのが快適で、腹壁の弱い部位に必要な保護を与える衣服を提供する。
【0029】
1つの実施態様では、材料のプログレッシブ弾性部は、層が様々な材料特性を有する層状材料から成り、第1層は、線形の弾性材料特性を有し、別の層は、第1層に比べてわずかに大きなサイズである。特大の層の材料特性の影響が始まる伸長点で特大の程度は決定するので、この層状構造は、材料の伸長プロフィールを注意深く制御することができる。このことは、歪みの下限での移行に対応する。
【0030】
層状材料の第1層が、衣服の線形弾性部の材料に対応することが好ましい。このことは、支持性のプログレッシブ弾性部を衣服内に隠すことを可能にする。そのため、衣服を通常の非-支持性衣服のように見えさせる。
【0031】
非-伸長可能性生地、又は非常に高いMoE、例えば第1層の材料の3倍、を有する生地ら実質的に成る特大層を選択することによって、層状構造の伸長可能性を制御することができる。
【0032】
特大層は、圧迫性衣服の環状チューブ又は支持帯に両側で取り付けられる必要がある。このことは、ラジアル方向でのチューブ又は支持帯の伸長が損傷を保護することを目的とした衣服部分の顕著な伸長を起こさない、ことを確実にする。特大層が1方の側のみに取り付けられた場合には、衣服は、支持部が存在しなかったように動いただろう。特大層は、非密着成分によって取り付けられてもよい。
【0033】
特大層が、実質的に非-伸長性生地から成る場合には、わずかに材料の形を崩すことができるように、材料は孔を有することが好ましい。このことは、ほとんど目立たない衣服の第1及び第2層からの影響間の移行をつくり、そのため、衣服は着用するのがより快適になるだろう。
【0034】
好ましくは、特大層は、特大層の領域の25〜50%、より好ましくは30%、35%、40%又は45%に相当する孔を有する。
【0035】
このような非-伸長性材料をつくるための好適な糸は、ポリアミドフィラメント糸である。
【0036】
衣服の線形弾性部における線形弾性材料は、0.2-1.0 N/mmのMoEを有する。MoEは実施例1に示したようにして定義される。このオーダーのMoEは、材料を容易に伸長させることができ、同時に患者への所望の圧迫の程度を提供することができる。
【0037】
線形弾性部は、異なった線形弾性を有する区域を有し、それによって骨格適合性を確実にする3次元的効果を提供する。
【0038】
線形弾性部における伸長は、少なくとも最高100%の伸長の線形でなければならない。このことは、衣服が少なくとも2回周囲まで容易に伸長できるようにし、衣服の着用をかなり容易にさせる。
【0039】
必要な圧迫を与えるために、圧迫が1 mmHg〜40 mmHgの範囲であることが好ましい。衣服が腹部での圧迫性衣服において使用される時、腹部コンパートメントシンドロームの発生を確実に避けるために、圧迫は25 mmHg未満であることが好ましい。ヘルニア又は損傷決裂を予防するために、圧迫は、5 mmHg〜15 mmHgの範囲が好ましく、7 mmHg〜13 mmHgの範囲がより好ましい。実施例1、3及び6は、本発明に従う衣服における圧迫の計算を示す。実施例6は、誤ったサイズを使用するときでさえ、最高圧迫が25 mmHg未満であることを示す計算を提供する。正しいサイズを使用するとき、圧迫は、支持部の10〜30%の歪み及び弾性部の20〜100%の歪みで、5〜13 mmHgの範囲である。
【0040】
本発明に従う衣服のすべての種類は、環状ニットチューブを含む。
【0041】
本発明の1つの局面では、圧迫性衣服は、アンダーシャツの形状にある。衣服全体が圧迫性提供材料からなる場合には着用が非常に困難になるので、アンダーシャツは、好ましくは、アンダーシャツの上部に快適な生地を有する。着用をより容易にするために、衣服は、容易に伸長可能な生地有する。アンダーシャツは、圧迫を提供する低部、及び容易に伸長可能な生地の上部を有する。アンダーシャツ全体は、好ましくは、1つのプロセスで編まれ、好ましくは、圧迫低部から容易に伸長可能な上部への継ぎ目のない移行が存在する。このデザインによって、アンダーシャツは、特に衣服に足を踏み入れ、下から上方向に引き上げることによって、より容易に着用することができる。実施例3は、本発明のこの局面に従ってアンダーシャツを着用する結果として圧迫を説明する。本発明の別の局面では、衣服は、腹部支持帯の形状にある。好ましい実施態様では、支持帯は、背面よりも前側で高くなっている。実施例3及び6は、腹部支持帯の弾性を説明する。
【0042】
1つの実施態様では、腹部支持帯は、閉鎖構造を含み、それは、ジッパー、ストラップ、VELCRO(商標)、ホック及びループ、ボタン、磁石、並びにかぎホックを含む、当業者に周知の閉鎖の任意の手段でよい。使い捨て閉鎖構造、例えば粘着テープも使用できる。
【0043】
外科手術後の早期に、損傷は検査する必要があり、出血及び感染の危険性が存在する。よって、この時期に圧迫性衣服を着用することは、損傷に容易に接近できることを必要とする。しかしながら、慣用的な衣服を脱ぐために必要とされる動きは、損傷治癒が影響を受けるようなリスクを増加させ、損傷合併症及び損傷決裂のリスクを増加させるだろう。従って、本発明の好ましい実施態様では、支持部又はその一部は、脱ぐことが可能である。関連した実施態様では、支持部又はその一部は、置換可能である。このことは、例えば、その部分が例えば血液によって汚れた場合に、望ましい。
【0044】
支持部又はその一部が置換可能であるときには、患者を起こしたり又は横にしたりしなく済むので、圧迫性衣服のチューブ部分は、長期間使用することができ、より経済的であり、介護人にはより扱い易く、かつ患者にはより快適である。支持部は、腹部支持帯と結合して使用されるような、閉鎖構造の任意の手段によって圧迫性衣服に取り付けられていることが好ましい。
【0045】
支持部(前部分でよい)は、上部及び低部に弾性ストラップを更に含むことがある。これらのストラップは、「ハンドレス」として使用できるので、チューブ部分への支持部の取り外し及び取り付けをより容易にする。
【0046】
取り外し及び取り付けをより容易にする別の方法は、腹部支持帯に指穴を備えることである。
【0047】
衣服は、アンダーパンツ又はボクサーパンツの形状でできていてもよい。アンダーパンツ又はブリーフは、パンツの低部に快適な生地を有し、アンダーシャツについて記載されているように、圧迫生地と快適生地との間の移行は継ぎ目がないことがある。アンダーパンツは、切開創の位置及び長さによって、単独で、又はアンダーシャツもしくは腹部支持帯と組み合わせて着用されることがある。
【0048】
最適なヘルニア予防は、アンダーシャツ及びアンダーパンツと一緒に着用することが必要なことがある。
【0049】
別の実施態様では、アンダーパンツは、低い胸部に向かって伸びることがある。関連した実施態様では、アンダーパンツは、股部に開口部を有する。このことは、着用者に、切開創における衣服を取り除くことなしに、トイレに行くことを可能にする。
【0050】
本発明の別の実施態様では、圧迫性衣服は、全体的に継ぎ目がないことがある腹部チューブの形状である。最初の編んだ継ぎ目のないチューブが切断されておらず、フック・アンド・ループ状閉鎖を備えたことを除いて、チューブは、支持帯と同様である。あるいは、チューブは、支持帯と同じ支持部を備えることができる。チューブは、着用者の皮膚に向かい合う側上にシリコンパターンで容易に伸長可能な弾性トリムを更に備えることができる。
【0051】
実施例3及び6は、腹部チューブでの圧迫の計算を説明する。
【0052】
高レベルの快適さは、実質的に継ぎ目のないデザインによって本発明の圧迫性衣服で得られる。すなわち、衣服又は少なくともその管状部分は、上下続きで編まれる。横になりながら着用するときには、継ぎ目の上で休むのは快適でない。
【0053】
ボディースーツデザインも1つの選択であり、そのため、低い胸の部分に伸びる高いアンダーパンツである。
【0054】
圧迫性衣服アンダーパンツは、これらの部位への過剰な圧力を避けるために、圧迫性繊維から容易に伸長可能な生地まで、例えば、アンダーパンツの足の身体取り巻き部分から股部まで、同様の継ぎ目のない移行を有することが好ましい。
【0055】
本発明は、広い範囲の切開創の種類と関連して使用するために好適である。切開創の1種は、カエサリオン部である。ここで、好適な衣服は、パンツの前の一方又は他方にある横方向の支持部を有する、パンツの形態にある。中央のカエサリオンを有する患者のために、パンツは、前の中央部に縦方向の支持部を有するだろう。
【0056】
盲腸の除去により、斜めの切開創がつくられる。ここで、好適な衣服は、切開創を覆う前の右側にある支持部を有するアンダーシャツの形態にある。その部分は、斜め方向を有することがある。
【0057】
一般的である又は開腹手術において行われた多くの手法は、今日では腹腔鏡手術として行うことができ、その手術は、腹壁上に小さな切開創をつくり、特別に設計されたポートによって器具を挿入することによってなされる方法である。腹腔鏡手術は、胆嚢の除去、盲腸の除去、卵管結紮(消毒)及びヘルニア修復(切開的その他)のために通常使用される。ここで、所望の衣服は、おそらく1対のパンツと組み合わせたアンダーシャツの形態にあり、そこでは、1以上の四角の支持部は切開創を覆う。このような衣服はまた、診断的な腹腔鏡の後に使用することができる。
【0058】
典型的な使用では、特に手術の直後では、切開部位は、損傷被覆材でまず覆われる。この損傷被覆材は、損傷から滲出液を吸収し、好適な添加物によって治癒を促進しさえする。
【0059】
別の例は、腹部大動脈瘤(AAA)のために手術された患者である。この種の手術は、一般的に、長い中線切開創を含み、患者は、切開ヘルニア形成の高いリスクを有する。ここで、圧迫性衣服は、支持部が切開創全体を覆う、腹部支持帯又はアンダーパンツとアンダーシャツとの組み合わせのいずれかである。
【0060】
支持部は、「柔軟な」内側を有することがある。1つの好ましい実施態様では、当該部分は、いわゆる1片の「スペーサー生地」から形成される。それは、編んだ内側、編んだ外側及びパイル糸、例えば2つの側の間の柱を形成するモノフィラメント糸、を有する3層生地構造である。この構造によって、スペーサーは、圧力分布材料として働き、圧迫生地のみからできた衣服と比べて、全体的により高い平均圧迫を確実にする。
【0061】
衣服がチューブ-様衣服である本発明の1つの実施態様では、支持部は、このようなチューブの前パネルの形態で衣服に構成される。そこでは、衣服は、アンダーシャツ又はアンダーパンツであり、支持部は、取り付けられ、すなわち、例えばアンダーシャツ又はアンダーパンツの前の内側に縫い込まれている。このことは、支持部を見えなくさせ、衣服を本質的に一般的な下着のように見せる。
【0062】
ヘルニア予防で需要な局面は、術後できるだけ早くに使用することである。これは、例えば、医療関係者による扱い、圧迫レベルの監視等に関連する特定の要件を定める。本発明に従う腹部支持帯は、手術後すぐに本質的に着用することができる。結果的に、本発明の1つの実施態様では、ヘルニアの予防レジメは、腹部支持帯として形づくられた圧迫衣服形態で始まる。
【0063】
1つの実施態様では、支持部は、フック・アンド・ループ閉鎖を有さないが、チューブ部分に例えば縫って永久に取り付けられている。別の実施態様は、支持部の一方の側に沿って1列のフック・アンド・ループのみを有するチューブ様衣服である。このことは、開口部及び損傷への接近を可能にするが、別々に支持部を置換しない。
【0064】
腹部チューブは、支持及び圧迫を備え、それは、それを製造するのは非常に簡単かつ安価であり、強制的な流線型の外観を有するが、保護的な支持部を特徴付けない。
【0065】
支持部は、好ましくは、損傷を治癒する通気性材料からできている。同時に当該材料はまた、損傷液に対して水浸透性及び/又は空気浸透性及び/又は非-吸収性である。支持部は、損傷を容易に監視するために、透明又は半透明性を更に有する。1つの実施態様では、このことは、支持部上にメッシュの内側又は外側表面を用いて行われる。このことは、衣服を医療用包帯として有用にさせる。
【0066】
切開創を覆い、切開創/損傷上の剪断力を効果的に減少させるために、支持部は、損傷部位よりも1 cmよりも長く、例えば2 cmよりも長く、3 cm、4 cm、5 cm、6 cm、7 cm、8 cm、9 cm、10 cm、又は更に11 cmより長いことが好ましい。このことは、支持部の幅は、少なくとも6 cm、より好ましくは少なくとも10 cmであり、少なくとも15 cm又は更に少なくとも20 cmであることを意味する。好ましくは、幅は40 cm未満であり、15〜25 cmの範囲である。
【0067】
支持部は、任意の形状を有することがあるが、好ましくは、損傷部位に類似した形状である。このようにして、最大の快適さ及び損傷の適当な保護が得られる。支持部のサイズがどんな大きさであっても、幅広い適合性を提供するために任意の他のサイズの支持部と容易に交換することができ、同時に同一の圧迫性衣服を保持することができる。
【0068】
好ましい実施態様では、衣服は、衣服の伸長を測定するための構造、好ましくは半径の伸長を含む。伸長が実質的に得られた圧迫に比例するので、衣服の圧迫を読み取ることができるために、伸長は、看護婦又は患者のための効果的な監視手段を提供する。非常に高い圧迫を避け、適当な圧迫を確実にするのは重要である。腹部のまわりの周囲は、例えば術後の水腫形成に起因して比較的短期間に渡って増え得るので、このことは、圧迫の増加を生じ得る。伸長を監視する可能性を提供するときに、増加された圧迫に関する選択肢を考量することもでき、例えば、衣服をより大きなサイズの衣服に変更し、より大きな非-伸長性部分を挿入し、よって圧迫を減少させることを選択できる。このことはまた、患者の体重増加/減少、又は衣服のサイズの変更が適当であるかもしれない腹部の膨張に関して利点である。
【0069】
あるいは、衣服のサイズが調整可能な場合には、伸長の監視は適当な調整のために使用できる。特に好ましい実施態様では、衣服の伸長を測定する構造は、容易に見える部分、すなわち、チューブに対して横方向にある所定の長さの線を形成する管状の項目に直接編まれた着色糸である。この形成された線は、例えば、平面上に衣服が平らに置いてある時に、10 cm長であり得る。例えば、14 cm(40%の増加)までの伸長は、患者の医師によって推奨される圧迫レベルを示すかもしれない。看護婦又は患者自身は、一種の測定具、例えば、患者が衣服を着用する時に衣服の着色線に比べて許容される圧迫の間隔を示す簡単なルーラーを備えることができる。
【0070】
衣服がチューブ又は支持帯の形状にある時、衣服は容易に伸長可能な弾性トリムを有することが好ましい。関連した実施態様では、環状ニットチューブの上部及び/又は低部は、衣服と弾性トリムの下の皮膚との間の摩擦を増加するような方法で、シリコンを更に含む。
【0071】
本発明の別の局面は、支持部(プログレッシブ弾性部)及びチューブ壁を形成する弾性部を有する環状ニットチューブを含む圧迫性衣服で、腹部に切開創を有する患者のヘルニア又は損傷決裂を予防する方法に関する。本方法は、以下:
(a)術後の腹部支持帯として圧迫性衣服を、例えば、支持部が切開創上に置かれるように、適用し;及び
(b)支持部が、切開創がつくられた場所に置かれるように、圧迫性衣服、例えば腹部支持帯、アンダーパンツ及び/又はアンダーシャツによって最大1年間、切開創上に圧迫を維持すること、
を含む。
【0072】
ヘルニアを予防する方法はまた、ヘルニア予防レジメとしても知られている。
【0073】
ヘルニア予防レジメに関連して、支持帯又はチューブの支持部が全体的に取り外し可能であり、よって損傷又は切開創を覆う部分のみを変えることができることは、特に興味深い。この部分は、損傷滲出液によって汚れる可能性が最もあり、支持帯又はチューブの残りもより頻繁に変える必要があるかもしれないからである。
【0074】
支持部のあるサイズを、別のより大きなサイズ又はより小さな部分と交換することも好ましいかもしれない。支持部の交換は、支持帯又はチューブを取り除くことなしに行うことができる。それは、患者が一時的に固定される場合には有利である。
【0075】
本発明に従う衣服は、ヘルニアの予防に特に有用である。切開創ヘルニアの発生を減少させるために腹部手術後の腹部の外的圧迫を有することが重要であるのみならず、予防的効果を得るために、患者は、数ケ月又は数年の間でさえ1日に24時間、圧迫性衣服を着用する必要がある。シャワー及び衣服の着替えの間の障害は、明らかに必要とされる。着用者の服従が減少する場合には、衣服の予防的効果が減少する。高い服従を達成するためには、衣服は、快適でなければならず、患者のように見えずにそれを患者に使用させる外観を有する必要がある。好ましい継ぎ目のないニットチューブは、快適さを提供する点で1つの特徴である。
【0076】
患者が動く時に、更に必要性が生じる。とりわけ、患者は、典型的に、より可動性である。ヘルニア予防のための衣服(複数)は、好ましくは、トイレに行くことを含めて、着用者を自由にあちこち移動させることができ、同時に衣服(複数)が所定の位置に留まるようにデザインされる。慎重さ、快適さ及び使用の容易さは特に重要である。従って、1つの実施態様は、アンダーシャツの形状で形成された圧迫性衣服を使用するレジメに関する。
【0077】
好ましい実施態様の詳細な説明
図面に説明された本発明の好ましい実施態様を記載する時に、明確さのために、特定の用語を使用するだろう。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されるものではなく、各特定の用語が、同様な目的を達成するために同様な方法で働くすべての技術的等価物を含むことを理解されたい。
【0078】
図面の記載で述べた材料の材料特性のために、実施例2を参照されたい。
【0079】
プログレッシブ弾性を有する材料は、非-一定の増加するMoEを有する材料として定義され、そこでは、より高い伸長のためのMoEは、更に伸長するために高い抵抗性を有する材料部分を残し、又は非-伸長性でさえあり得る。本願で使用されるMoEの定義については、実施例1を参照されたい。このことは、材料部分が、更なる伸長が実質的に不可能である後に、あるレベル(より低い歪み限界)まで比較的自由に伸長することを示している。以下に記載のように、弾性部の伸長と比べた時に、このことは明らかである。弾性部と、曲線1〜3によって示される支持部の様々な実施態様とを比較する図15を参照されたい。
【0080】
図1、2A及び2Bは、弾性圧迫性材料C及び支持部からできた環状ニットチューブ20、又はスペーサー生地材料Aからできたフロントピース30を含む腹部支持帯10を示す。図1において、フロントピース30は、チューブ20に取り付けられ、一方、図2A及び2Bは、それぞれ、互いに離れたチューブ及びフロントピースを説明する。
【0081】
フロントピース30は、前閉鎖40の手段によって弾性チューブ20に結合され得る。開示された実施態様では、覆われたメタルアイ41を有する2列のポリアミド/ポリプロピレンのバンドは、スペーサー生地のフロントピースと一緒に縫合されている。覆われたメタルフック42を有する、対応するポリアミド/ポリプロピレンのバンドは、弾性チューブ20の端39に縫合される。好ましい実施態様では、バンド上の隣り合ったフック間の縦の分離が選ばれるが、それは、一般的に使用されるよりも大きいが、使用中に閉鎖が閉じたままであることを確実にし、更に閉じるのが比較的速い。フロントピース30の端43内で縦に伸長する補強要素を含むことは、より大きいスペースを提供することができた。
【0082】
メタルアイの水平の分離は、約2 cmであり、これは、約4 cmの総合的な調整を与え、より広い分離距離はまた、より大きな調整を提供することができた。
【0083】
閉鎖成分41は、フロントピースの両側に取り付けられている。これは、最も便利な側から損傷に近づき、そして、支持帯全体を変える必要なしに、フロントピースを変え、それによって患者を動かし又は回転させなければならない機会を提供する。
【0084】
チューブ20の上部及び下部の端、並びにフロントピース30は、着用者の皮膚の方を向く側上のシリコン点又はパターンを有する、25 mm幅の、容易に伸長可能な弾性トリム50を備える。このようなシリコン点は、使用中に衣服を隠す快適かつ非-閉塞的な手段を提供する。図1、2A及び2Bに示される実施態様では、弾性トリム50は、51をチューブ又はフロントピースに縫合される。弾性ストラップ60は、チューブを取り付け及び取り外すときに織物を隠す手段としての「ハンドレス」を与えるために、フロントピースに縫合された。ストラップ60は、衣服の内側に留め、フロントピースがチューブに取り付けられる時に、ストラップ60は、チューブを伸長するために付けることができる。
【0085】
骨格適合性を確実にする3-次元効果を得るために、チューブは、ステッチ密度を変えた様々なゾーン70〜74で編まれる。生地変形体C2の背中ゾーン70は、より締まった構造である、生地変形体C1のより弾性のフロントゾーン74に向かって移行ゾーン71、72が続く。フロントゾーン73は、着用者の腹に支持を与える中間の密度を有する。
【0086】
材料及び異なったゾーンは、その弾性によって特徴付けられ、それは、当業者に周知の引張り試験によって測定することができる。異なったゾーンに位置する生地サンプルは、図3Bに説明されるサンプルの1つの拡大図と共に、図3Aに説明される。
【0087】
最後に、支持帯は、特定の長さ、例えば10 cmで、編んだ-着色線80を備える。支持帯が使用中の時には、生地の伸長は、線の伸長から直接的に読み取ることができる。測定された伸長は、その後、図4及び5に示される引張試験結果と組み合わされて、支持帯によって与えられる圧迫を見積もることができる。
【0088】
図6A及び6Bは、それぞれ、通常のアンダーシャツの外観にできるだけ近いようにデザインされた圧迫性アンダーシャツ100の正面図及び背面図を示す。シャツは、ワンピースでの環状のニットであり、材料Dからできた上部110及び材料Cからできた低部120を含む。図6Aに示すように、低部120の前には、材料Bの生地片121が、低部120の内側に縫合される。生地片121は、非-伸長性であり、図1の腹部支持帯の実質的に非-伸長性フロントピース30と類似した機能を有する。
【0089】
アンダーシャツの低部は、異なった弾性の様々なゾーン170〜174、及び腹部支持帯のゾーン70〜74に類似した密度を有する材料Cからできている。ゾーン170は、生地変形体C2からできており、ゾーン174は、生地変形体C1からできており、これらは、腹部支持帯のゾーン71、72、73と関連して議論される中間である、他のゾーン171、172、173を有する。アンダーシャツは、低部120の低部分に、着用者の皮膚と向かい合う側上のシリコン点又はパターンを有する弾性トリム150、及び生地伸長の測定のための編んだ-着色線180を備える。
【0090】
アンダーシャツは、上部110の低密度で本質的に容易に伸長可能な快適な生地Dから、低部120の密度の高い、高弾性の圧迫性生地Cまでの、継ぎ目のない移行190を含む。上部110の快適な生地は、女性のワンピース水着のように、アンダーシャツを下から着用させる。高い弾性の圧迫性生地のみからできたアンダーシャツは、着用者には非常に不快であり、生地の圧迫力に因ってジッパーを締めることが非常に難しい、ジッパーのような開口構造なしに、任意の合理的な方法で着用することができる。
【0091】
容易に伸長可能な上部110と圧迫性低部120との組合せは、アンダーシャツを容易に着用させ、通常のアンダーパンツに非常に近い外観を与える。
【0092】
図7A及び7Bは、それぞれ、一対のボクサーブリーフ(肢付き)としてつくられた一対の男性アンダーパンツ200の正面図及び背面図を示す。アンダーパンツ200は、圧迫性生地Cの上部220及び快適生地Dの低部210を含み、2つの生地間の継ぎ目のない移行を有する。外観は、通常のアンダーパンツとできるだけ近いようにつくられる。パンツは、上部220の内側に縫合された、本質的に非-伸長性材料Bの生地片221を備える。この非-伸長性生地片221は、アンダーパンツ100の実質的に非-伸長性の生地片121として、同一の目的を果たす。
【0093】
パンツの前ウエストライン255は、後ろのウエストライン256よりも低い位置に位置し、通常のアンダーパンツの場合よりも更に低く位置する。このことは、パンツが着用者の胃よりも下に位置するだろうことを確実にする。着用者、例えば手術したばかりの患者の胃が膨張したり又は膨らんだりすることができるのは利点であるかもしれない。パンツ200が図6のアンダーパンツ100と共に使用される時には、アンダーパンツ100は、パンツをトイレの間に脱ぐ時でさえ、腹部全部を多い、圧迫を与える。
【0094】
パンツは、その上端に、着用者の皮膚に向いた側上にシリコン点又はパターンを有する弾性トリム250を備える。
【0095】
図8Aは、弾性圧迫材料Cからできた環状ニットチューブ320、及びスペーサー生地材料Aからできた実質的に非-伸長性フロントピース330を含む開放位置での腹部支持帯310を示す。図8B及び8Cは、それぞれ、着用した時に閉じた位置での支持帯310の正面図及び背面図を示す。
【0096】
フロントピース330は、前部閉鎖340の手段によって弾性チューブ320に結合され得る。示した実施態様では、フック・アンド・ループ方式は、弾性圧迫材料に取り付けられた38 mm幅のフック材料341、例えばMale VELCRO(商標)、及び支持部又はフロントピース330に取り付けられたループ材料342、例えばFemale VELCRO(商標)で使用される。
【0097】
チューブ320及びフロントピース330の上端及び下端は、着用者の皮膚に向かい合った面上のシリコン点又はパターンを有する、25 mm幅の、容易に伸長可能な弾性トリム350を備える。このようなシリコン点又はパターンは、使用中に衣服を隠す快適かつ非-閉塞的な手段を与える。図8A、8B及び8Cで示された実施態様では、弾性トリムは、チューブ及び/又はフロントピースに351を縫合する。
【0098】
骨格適合性を確実にする3-次元効果を得るために、チューブは、様々なステッチ密度の異なったゾーン370、371、372、374で編まれる。生地変形体C2の背中のゾーン370は、最も締まった構造であり、生地変体体C1のより弾性前ゾーン374に向かって移行ゾーン371、372が続く。材料及び異なったゾーンは、その弾性によって特徴付けられ、これは、当業者に周知である引張試験によって測定することができる。実施例1を参照。
【0099】
最後に、支持帯は、支持帯の後ろには、中心線をマークする、編んだ-着色線390を備える。この特徴は、着用者が寝たきりであり、介護者が支持帯を適用する時に、有用である。
【0100】
これらの図面は、フック・アンド・ループ閉鎖の解決手段によって、サイズ、圧迫及び適合性の点で大きな調整を可能にする支持帯を開示する。この実施態様によれば、支持帯の上端と下端との違いはない。すなわち、支持帯は、いずれかの端を「上」にして着用することができ、使用者が希望する腹部の左部分及び右部分の上に、フック・アンド・ループ閉鎖をおくことが可能になる。
【0101】
図9Aは、弾性圧迫材料Cからできた環状ニットチューブ420からなる開放位置での腹部支持帯410を示す(材料特性については、実施例2参照)。図9B及び9Cは、それぞれ、着用する時の閉鎖位置での支持帯410の正面図及び背面図を示す。チューブ430の前では、材料片Bが、チューブの内側に縫合される。この材料片Bは、実質的に非-伸長性であり、例えば図8Aの腹部支持帯の支持部又はフロントピース330と類似の機能を有するが、依然として薄く、外側から見えない。
【0102】
支持帯は、開くことも、閉じることもでき、サイズは、前部閉鎖440の手段によって調整することができる。示した実施態様では、フック・アンド・ループ方式は、弾性圧迫材料の1つの末端に取り付けられたフック材料(Male Velcro(商標))441及び他の末端に取り付けられたループ材料442で使用される。
【0103】
チューブ410の上端及び下端は、着用者の皮膚に向かい合った側上のシリコンパターンを有する、35 mm幅の、容易に伸長可能な弾性トリム450を備える。このようなシリコンパターンは、使用中に衣服を隠す快適かつ非-閉塞的な手段を与える。図9Aで示される実施態様では、弾性トリム451は、チューブに縫合される。
【0104】
この実施態様は、チューブ材料420の1ステッチ密度(生地変形体C1)のみを用いてなされる。しかしながら、3-次元効果は、上記のように、例えば図8Aを参考にして、様々なステッチ密度の異なったゾーンを用いて容易に得られる。チューブ材料は、当該分野で周知の引張試験によって測定することができる、その弾性によって特徴付けられる。実施例1参照。
【0105】
支持帯は、支持帯の前部にある中心線をマークする、編んだ-着色線495を備える。この特徴は、実質的に非-伸長性の保護繊維が切開創、損傷又は包帯の上に正確に置かれることを確実にする支持帯を適用する時に、有用である。
【0106】
最後に、この支持帯は、図10A及び10Bに示されるように、ループ材料442において、カット492、493及びステッチ494によってつくられた指孔を備える。これらの指孔は、支持帯を適用するために有用である。カット492によってつくられる当該孔は、支持帯を自身に適用する着用者によって使用される可能性が最も高いだろう。カット493によってつくられる当該孔は、支持帯を適用する介護者又は患者によって使用される可能性が最も高いだろう。図10Aに示されるように、カット及びステッチは、外側からほとんど見えない。図10Bは、指孔が見える内側から、カット及びステッチを示す。
【0107】
この支持帯は、フック・アンド・ループの閉鎖解決手段によって、サイズ、圧迫及び適合性の点で大きな調整を可能にする。この実施態様の支持帯のアップ及びダウンはない。よって、フック・アンド・ループ閉鎖は、着用者が希望する腹部の左部分又は右部分上に置くことができる。
【0108】
支持帯の代わりに、チューブも備えることができる。チューブは、全体的に継ぎ目がなく、チューブに欠けている支持帯のフック・アンド・ループ閉鎖を除いて、支持帯に類似する。異なった支持帯のように、チューブはまた、弾性圧迫材料Cからできた編んだチューブの前の内側に縫合された、生地B(材料特性については実施例2参照)からできた支持部を備える。チューブは、着用者の皮膚に向かい合った側上のシリコンパターンを有する容易に伸長可能な弾性トリムを更に備える。
【0109】
図11は、チューブ上での実験のために使用された引張試験の原理を説明する。引張試験は、材料に所定の力(F)を適用し、材料の伸長(Δx)を測定することによって行われる。力(F)の適用前に、サンプルの次元は、幅(w)×長さ(x)である。力(F)が適用される時に、長さは、x+Δxまで増加する。
【0110】
図12は、ウエストサイズと、長円体軸a及びbとの推定された関係を示す。Y-軸は、取るに足らない小さな長円体軸bと比べて、大きな長円体軸bである。X-軸は、ウエストサイズ(cm)である。この関係は、より環状である小さなウエストが一般的により大きなウエストよりも長円体であることを説明する。例えば、約145cmのウエストサイズについて、環状のウエストプロフィールが推定される。
【0111】
図13は、コルシーネル(Corsinel)生地の測定された弾性を説明する。材料特性については実施例2を参照。図は、歪みの関数として、N/mmで応力を示す。アップローディング(伸長)及びアンローディング(弛緩)は、図において矢印で示す。一番上の点曲線は、幅方向での力-適用の経過を示し、完全な曲線は、長さ方向の対応する経過を示す。弛緩現象は、歪みが減少するよりも増加する時に、より大きな力が測定されたので、図から明らかである。図はまた、弾性が歪みの方向に依拠することを示す。所定の歪みでの力は、生地が縦(縦糸方向)よりも幅(横糸方向)に伸長される時に大きい。
【0112】
図14は、力が適用された時に、幅(横糸)又は縦(縦糸方向)で伸長されたコルシーネル生地の計算された応力-歪み曲線を説明する。更なる計算のために使用される平均曲線も示す。実施例を参照。Y-軸は応力(N/mm)であり、X-軸は歪みである。曲線上の点は、測定された点であり、一方、線は、0.15を超える歪みの直線回帰である。一番上の半-点曲線は、幅方向を示し、一方、点曲線は、長さ方向を示す。中央の完全な線は、これら2つの間の平均を示し、更なる計算に使用される。
【0113】
図15は、応力-歪み関係を考慮する時に、3つの異なった支持部と弾性部との間の計算された差を説明する。一番下の完全な曲線は、弾性部の応力-歪み関係を示す。3つの他の曲線は、支持部の応力-歪み関係の3つの異なった可能性を示す。図面から明らかなように、支持部は、0.2の歪み下限まで、弾性部と同じ線形弾性を有することがある。曲線1は、材料が、交差で示した脆い決裂に到達するまで、歪み下限を超えて非-伸長性になる1つの極限を示す。曲線2は、材料が弾性部のMoEよりも高いMoEを有することを示す別の極限を示す。これは、弾性部の曲線よりも非常に急勾配である曲線によって示される。曲線3は、増加するMoEを示し、その後に非-伸長性となる。衣服の力は、支持部の弾性部を考慮するか否かにかかわらず、同一であろう。しかしながら、図に示すように、歪みは、顕著に異なるだろう。例えば、0.2 N/mmに等しい歪みについて、支持部の歪みは、材料によって約20〜30%であるが、弾性部の歪みは約60&である。
【0114】
図16は、コルシーネル生地の層状材料及びフロントピースとして使用した非-弾性メッシュ(材料B)について測定された弾性を説明する。図13及び14と同様に、歪みの関数として、歪み(N/mm)を示す。一番上の完全な曲線は、長さ方向について、それぞれ、アップローディング及びアンローディングを示すが、一番下の点曲線は、幅方向の対応する経過を示す。メッシュ生地は、わずかに特大であり、よって層状材料は小さな歪みを伸ばすことができる。より大きな歪み(0.15〜0.25を超える)の伸びは、応力-歪み曲線の急激な増加を引き起こすメッシュ孔構造の変形によって唯一可能である。最後には、層状構造の更なる伸長は、材料を壊すことなしに不可能となる。
【0115】
図17は、力が適用される時に、幅(横糸)又は長さ(縦糸)方向に伸長された層状材料の応力-歪み曲線を説明する。計算のために使用される平均曲線も示す。Y-軸は応力(N/mm)であり、X-軸は歪みである。曲線上の点は測定された点であり、一方、線は、0.07を超える歪みに多項式適合する。一番上の半-点曲線は、長さ方向を示し、一方、一番下の点曲線は、幅方向を示す。中央の完全な曲線は、これら2つの間の平均を示し、更なる計算のために使用される。
【0116】
図18は、層状材料(一番上の点曲線)、弾性コルシーネル材料(一番下の細い曲線)及びチューブ用のこれら2つの組合せ(中央の完全な曲)の応力-歪み関係を示す。Y-軸は計算された応力(N/mm)を示し、一方、X-軸は計算された歪みを示す。計算のために使用されたチューブは71 cmの総円周を有し、一方、層状支持部の幅は27.6 cmである。計算は、実施例6に示すように行う。
【0117】
図19は、歪み全体の関数として層状のフロントピースで計算された歪みを示す。歪みは%で示す。計算は、実施例6に示すように行う。図は、層状フロント構造が弾性コルシーネル生地よりも使用において伸長しないことを証明する。層状構造は、ある伸びまで伸長するだけであり、更なる伸び全体は、コルシーネル生地のみの伸びである、ことも証明する。
【0118】
図20は、チューブについて所定の歪み(%)で得られた応力(N/mm)を、図17(一番上の完全な曲線)に示される層状支持部及び弾性コルシーネル生地(一番下の点曲線)から全体的にできたチューブと比較する。図は、チューブが低い弾性のフロントピースを有する場合に、所定の応力(及びよって圧迫)が、低い総伸び(歪み)で得られることを証明する。同様の計算は支持帯についてもすることができる。弾性のないフック・アンド・ループ閉鎖を考慮しなければならないが、全体的な結果は同一である。支持帯が適用され、生地が伸長される時に、支持部は、コルシーネル生地よりも伸長せず、ある伸びをするのみである。支持部は、より低い弾性のフロントがない支持帯について必要とされるよりも低い総伸びで、所定の応力(圧迫)を得ることを可能にする。
【実施例】
【0119】
実施例1: 引張試験及び圧迫の計算
衣服は好適な圧迫を提供することが必須である。しかしながら、例えば腹部圧迫がどのように定義され、どのように測定されるべきかについての合意はない。ほとんどの人の胴は、例えば腹部支持帯によって提供される圧力がラプラス式に従う胴の近辺で変動することを示唆する何か長円体の形状を有する。従って、例えばプローブ及び全体的な材料特性によってつくられた局所測定間の差が必要とされる。以下に、どのようにして弾性応力を測定し、そのように本明細書で定義された圧迫に関連するのかについての指針を示す。
【0120】
弾性材料が伸長され又は伸ばされた時に、材料は弾性応力を経験する。弾性応力は、弾性材料の伸び及び基本的な性質に依拠する。当業者に周知の標準的な機械的な引張試験によって測定され得る。
【0121】
引張試験は、材料に所定の力(F)を適用し、図11で説明するように材料の伸び(Δx)を測定することによって行われる。
【0122】
測定された力及び伸びは、試験のために使用されたサンプルのサイズに依拠する。弾性生地(無視できる厚さを有する)については、以下のように定義することができる。
【0123】
【数1】

【0124】
【数2】

【0125】
生地の弾性は、力-伸び曲線又は応力−歪み曲線のいずれかによって表される。力の体系的な単位は、ニュートン(N)であり、応力は、この場合、N/m、N/cm又はN/mmで示される。力の他の単位はまた、表1に示すように使用される。歪みは、通常、パーセンテージ(%)又は数字のみで示される。
【0126】
【表1】

【0127】
応力がサンプルの幅当たりの力として定義される時、弾性生地についても、線形弾性材料の応力-歪み関係:
【0128】
【数3】

【0129】
[式中、σは応力であり、εは歪みである。]
を使用することができる。従って、Eは、通常、弾性の係数(MoE)を意味し、通常に意味でMoEでないとしても、生地の弾性の表現を示すことがある。従って、この場合、応力がサンプルの幅当たりの力として定義されることを条件に、弾性生地のMoEは、応力-歪み曲線の傾きとして定義される。
【0130】
弾性材料、例えば圧迫織物が、曲がった表面に渡って伸長される時に、得られた内側方向の力が得られる。すなわち、超過圧力又は圧迫が生じる。圧迫(Δp)は、下記式:
【0131】
【数4】

【0132】
[式中、σは、所定の伸びでの生地面での応力(N/mm)である。]
に従う曲がりのローカル半径(r)に依拠する。
【0133】
圧迫生地によって生じる圧迫が曲がりのローカル半径に依拠するという事実は、このような生地のデザインに重要な意味合いを有する。ほとんどの人々及び患者は、環状形よりも長円体形状である、腹部、すなわちウエスト周囲を有する。ウエストの長円体特徴は、小さなウエストを有する人々ではより目立つが、大きなウエストを有する人々は、プロフィールがより環状となる傾向がある。このことは、ウエスト/腹部を覆う圧迫生地を着用する人々が、曲がりの半径が大きい腹部又は背中の中心での圧迫に比べて、曲がりの半径が小さいヒップ上又はヒップを超えたところでより高い圧迫を経験するだろうことを意味している。
【0134】
より具体的には、ウエスト周囲が、当該分野において一般的に、半-長軸a及び半-短軸bの楕円によって記載される場合には、曲がりの半径は、下記式:
【0135】
【数5】

【0136】
によって、r最小からr最大まで変動する。対応する(ヒップでの)最大圧迫は、下記式:
【0137】
【数6】

【0138】
である。最小圧迫(腹部又は背中の中心線の周りの)は下記式:
【0139】
【数7】

【0140】
である。最後に、平均圧迫は、下記式:
【0141】
【数8】

【0142】
によって表される。
【0143】
これは、半軸a及びbによって定義される楕円と同じ周囲を有する環状的プロフィールの圧迫に相当する。
【0144】
従って、圧迫性衣服は、衣服の製造に使用される生地によって提供される弾性力によって特徴付けられる。人が様々なサイズの衣服を使用する時に得られる圧迫は、以下のセクションで説明する。
【0145】
圧力及び圧迫の体系的単位は、パスカル(Pa = N/m2)である。しかしながら、典型的に、他の単位、例えばmmHgも使用される。
【0146】
【表2】

【0147】
上で示すように、所定の腹部圧迫生地の圧迫の見積もりは、着用者の大きさ及びウエスト特徴に依拠する。
【0148】
更なる計算のために、ウエストサイズと楕円のa及びb軸との間の簡単な関係を推定する。これは図12に説明する。
【0149】
当該関係の好適な表現は以下:
【0150】
【数9】

【0151】
[式中、wはウエストサイズ(cm)である。]
である。
【0152】
実施例 2. 材料
材料A:スペーサー生地
縦編スペーサー生地
構成:平らな背中及び正面の孔パターンを有する二重針棒ラッシェル生地(シースルー)
糸:100%ポリエステル、フィラメント糸及び単繊維パイル糸
生地特徴:
厚さ:3.0 mm (DIN EN ISO 5084)
平方メートル重量 320 g/m2 (ISO 3801: 1997)
圧迫応力、交差方向: 40 %伸長で12.0 kPa (DIN 53 577)
この生地は、実質的に非-伸長性の緩衝生地の例である。
【0153】
材料B:トリコット生地、メッシュ生地
縦編生地
構成:孔構造を有する単一針棒縦編生地
糸:100%ポリアミド、フィラメント糸
生地特徴:
厚さ:0.33 mm (内部試験法)
2.2孔/cm(幅)、3.5孔/cm(長さ)
平方メートル重量 65.0 g/m2 (ISO 3801: 1997)
この生地は、実質的に非-伸長性の薄い生地の例である。
【0154】
材料C:サントニ圧迫生地
ボディサイズ・サントニSM 8-8環状横編生地
組成:ポリアミドで覆ったエラスタン糸、50%ポリアミド、50%エラスタン
編み構造:シングルピケ1-1
【0155】
【化1】

【0156】
生地変形体C1、コルシーネル:
生地特徴:
厚さ:1.09 mm (内部試験法)
ステッチ密度:1080 (cm2)、60コース/cm及び18うね/cm
平方メートル重量 402 g/m2 (ISO 3801: 1997)
かさ密度:0.37 g/cm3 (計算済み)
【0157】
生地変形体C2:
生地特徴:
厚さ:1.24 mm (内部試験法)
ステッチ密度:1320 (cm2)、82コース/cm及び16うね/cm
平方メートル重量 493 g/m2 (ISO 3801: 1997)
かさ密度:0.40 g/cm3 (計算済み)
C1及びC2は、高い回復「力」を有する圧迫生地の例である。
【0158】
材料D:サントニ快適生地
サントニ環状横編生地、洗浄済み。
組成:97%ポリアミド、3%エラスタン(3つの糸を併せて編んだ)
編み構造:シングルミニジャカード
【0159】
【化2】

【0160】
生地特徴:
厚さ:1.34 mm (内部試験法)
ステッチ密度:576 (cm2)、36コース/cm及び16うね/cm
平方メートル重量 327 g/m2 (ISO 3801: 1997)
かさ密度:0.24 g/cm3 (計算済み)
この材料は、容易に伸長可能な生地の例である。
【0161】
材料の弾性は、50 mm幅サンプルを用いるイギリス標準BS 4952; 1992を使用して測定した。結果を以下の表3に示す。
【0162】
【表3】

【0163】
非-伸長性生地(A又はB)は、横糸方向及び縦糸方向において60%未満で、2 kgfでの伸長を示す。
【0164】
圧迫生地(C1)は、横糸方向及び縦糸方向において60%を超えて、2 kgfでの伸長を示すが、横糸方向及び縦糸方向において、0.2 kgf超で、40%伸長での力として定義される高い回復力を有する。
【0165】
伸長性の緩衝生地(D)は、横糸方向及び縦糸方向において、60%を超えて、2 kgfでの伸長を示し、横糸方向及び縦糸方向において、0.2 kgf未満で、40%伸長での力を示す。
【0166】
表4は、圧迫性衣服、すなわちパンツ、支持帯及びチューブの組成を示す。
【0167】
【表4】

【0168】
実施例3:衣服Iの弾性
本実施例で、支持部は、得られた圧迫の計算において完全に非-伸長性であるように考えられる。
【0169】
図3Aで示される腹部支持帯は、引張試験のために使用した。
【0170】
試験サンプル1〜6は、各々、約75 mm x 25 mmのサイズを有し、図3Aで示されるように腹部支持帯から切り取った。すべての75 mm x 25 mmサンプルは、それぞれ、図3Bに示されるように、3つの25 mm x 25 mm片に切り取り、実施例1で示される引張試験に供した。
【0171】
図4は、それぞれ、生地変形体C1織物の横方向(横糸)伸長及び縦方向(縦糸)伸長に対応する、図3Aで1及び6でマークされた試験サンプルの引張試験から得られた平均応力-歪み曲線を示す。応力は、サンプルの幅当たりの力として、実施例1で示されるように定義される。図4はまた、生地変形体C1の平均(幅及び長さ)応力-歪み曲線は、20%(ε=0.2)から200%伸長(ε=2.0)までのデータに線形適合し、以下の関係:
【0172】
【数10】

【0173】
[式中、σは応力(N/mm)であり、εは伸長(絶対値)である。]
を生じることを示している。これらの測定は、実際の支持帯からの小さな生地の切断片について行った。これらの測定は、試験のために特別につくられた大きな生地片で測定された実施例2の測定とは、直接、比較できない。
【0174】
図5は、図3Aにおいて1&6、2&5、3&4でマークしたサンプルの平均応力-歪み曲線を示す。1&6でマークしたサンプルは、生地変形体C1に対応し、3&4でマークしたサンプルは、生地変形体C2に対応する。予想されるように、図5は、生地C1(サンプル1&6)が所定の歪みで最小の応力を与え、生地C2(サンプル3&4)が所定の歪みで最大の応力を与えることを証明する。実施例1で説明したように、応力と圧迫との関係は線形であり、そのため、生地C1は、生地C2と比べて、所定の歪みでより小さな圧迫を与える。
【0175】
腹部チューブIの圧迫
以下:
【0176】
【数11】

【0177】
の、全体的に圧迫生地C1からなる腹部チューブを考えると、チューブの着用者は、a=206.6 mm及びb=111.7 mmの長円体ウエストプロフィールを有すると推定される。これは、1000 mmに近いウエスト周りに相当する。非-伸長チューブが625 mmのウエスト周りを有すると推定される場合には、チューブが着用されると伸長は60%であり、弾性応力は上記の式に従って0.1939 N/mmである。実施例1で示された推定及び計算を用いて、以下の圧迫推定値が計算できる。
【0178】
【表5】

腹部チューブIIの圧迫
次に、先のセクションの腹部チューブと同様だが、170 mm幅で非-伸長性の支持部を有する腹部チューブを考慮する。この場合には、非-伸長性の織物の弾性部分は、625 mm-170 mm = 455 mmの幅を有する。伸長された時に、弾性部分は、1000 mm-170 mm = 830 mmの幅を有し、そのため、弾性織物の伸長は82%である。生地の応力は、応力-歪みの式を用いて、0.2354 N/mmである。圧迫推定値は以下のとおりである。
【0179】
【表6】

【0180】
支持部が圧迫維持のみからなる同様なチューブよりも高い圧迫を与えることは明白である。そのため、所定の圧迫が必要な場合には、支持部の使用は、全体的に弾性のチューブについて必要とされるよりも、より弾性の生地材料及び/又はより小さい伸長の使用を可能にする。
【0181】
腹部チューブIIIの圧迫
図3aの腹部支持帯によって与えられる圧迫の計算は、上に示した手段に沿って行う。170 mm幅の、実質的に非-伸長性のフロントピースであるので、3つの異なった弾性領域(1&6、2&5及び3&4)が含まれることを考慮する必要がある。着用者の長円体のウエストプロフィールを推定し、所定のウエスト周り(サイズ)に対応するa及びb軸を見積もることも必要である。簡単にするために、図12で示され、実施例1の式によって説明される関係が推定されるだろう。
【0182】
以下の表は、図3Aの腹部支持帯の計算された圧迫推定値を与える。
【0183】
【表7】

【0184】
アンダーシャツの圧迫
図6A及び6Bのアンダーシャツに関する同様な計算の結果を以下の表に示す。
【0185】
【表8】

【0186】
実施例 4:計算の試験
腹部チューブは、引張試験によって測定される、以下:
【0187】
【数12】

【0188】
の応力-歪み関係を有する圧迫生地Cから作製した。チューブは、170 mm幅の、材料Aからできた実質的に非-伸長性のフロントピースを含んだ。チューブは、860 mm(弾性幅690 mm)の総非-伸長ウエストサイズを有し、直径が400 mmの筒状プラスチックチューブ上に取り付けた。チューブの周囲は、1256.6 mmであり、これは、弾性材料の57%の伸長に相当する。計算された応力は0.210 N/mmであり、計算された圧迫は、至る所で7.8 mmHgであった(環状のプロフィール)。
【0189】
計算を試験するために、腹部支持帯とプラスチックチューブとの間の腹部チューブのフロントピースの下に圧力センサーを挿入し、圧迫を直接測定した。使用した装置は、正方形を形成し、44 x 44グリッド(1936活性測定セル)を形成する直角形のマトリックス(112 mm x 112 mm)の形態で5101型センサーを含む、Tekscan, Inc., 307 West First Street, South Boston, USA製のI-SCAN(登録商標)Lite Pressure Measurement Systemであった。フレームを得、表計算ソフトにデータを転送し、平均化した。
【0190】
この場合に測定された圧迫は、約7 mmHgであった。これは、計算された値とよく一致すると考えられる。
【0191】
実施例 5:支持部及び弾性部
本発明の衣服はすべて、編んだチューブ状の圧迫部を含み、これは、弾性部と圧迫部とを含む。本実施例では、計算のためのベースとして、線形弾性部(コルシーネル又は材料C1、実施例2参照)での測定、及び支持性又はプログレッシブ弾性部(コルシーネルの1層、材料C1、及びメッシュ生地、トリコット生地、材料Bの1層からなる層状材料、実施例2参照)の測定を用いた。測定中に、層状材料は同一のサイズを有した。
【0192】
試験セットアップ
力-伸長曲線は、BS 4952 1996、セクション2.1に従って、試験サンプルの引張試験によって得た。
【0193】
【表9】

【0194】
弾性、弾性部
図13は、伸長の方向、及びアップローディング又はアンローディングの間であるか否かによって、コルシーネル生地の弾性を示す。一番下の完全な曲線は長さ方向のデータを示し、一方、一番上の点曲線は、幅方向のデータを示す。アップローディングの間に測定された弾性は、図14に示される直線回帰曲線に使用される。この図はまた、直線回帰のために使用された実際の測定ポイントを示す。更に、一番下の曲線は長さ方向を示し、一番上の曲線は幅方向を示す。中央の完全な曲線は、これら2つの間の平均を示す。直線回帰は、エクセル(登録商標)表計算シートで、直線回帰関数を用いて行う。
【0195】
一次関数は、表10から明らかである。
【0196】
【表10】

【0197】
コルシーネル生地は、実施例3に関連して使用された生地C1と等しい。式の相違は、試験セットアップでの相違、例えば、サンプルサイズ、第1サイクルに対して第2サイクルでの測定などに起因することがある。
【0198】
弾性部は、実施例1で定義した線形弾性を有する。
【0199】
弾性、支持部
支持部は、先に説明したように、約20%の歪みの下限まで弾性部と同様の歪みを有することがある、プログレッシブ弾性を有する。1つの極限状態では、支持部は、歪みの下限を超えて、完全に非-伸長性である。別の極限状態では、支持部は、実施例1で説明したMoEの定義によって表される歪みの下限を超えて高い弾性を有する。好ましい実施態様では、生地が完全に非-伸長性になるに従って、支持部は、歪みの下限と約40%の歪み上限との間のMoEの定義によって表される増加する弾性を有する。
【0200】
図15は、支持部の異なった実施態様を説明する。図は、弾性材料、並びに3つの異なった支持部、すなわち、1つは、歪みの下限を超える非-伸長性支持部(曲線番号1)、1つは、弾性部よりも高いMoEを有する支持部(曲線番号2)、及び1つは増加するMoEを有する支持部(曲線番号3)、の応力-歪み曲線の例を示す。交差は、非-伸長性材料(番号1)及び増加するMoEを有する材料(番号3)について起こるある応力での脆い決裂を示す。
【0201】
プログレッシブ弾性材料特性を有する材料をつくる1つの実施態様は、弾性材料の第1の生地層及び別の材料の第2の特大層を有する層状材料をつくることである。第2の特大層は、第1の生地のMoEよりも非常に高いMoEを有する材料からできていることがある。これは、図15の曲線番号2に対応する。別の実施態様では、第2の特大層は、完全に非-伸長性生地(曲線番号1に対応)からできていることがあり、更に別の実施態様では、第2の特大層は、曲線番号3に対応する完全に非-伸長性である点に近づくまで増加するMoEを有する生地からできていることがある。材料の特大又は緩さを正確に調整することは、材料が性質を変えることから歪みの下限を制御させることができる。
【0202】
性質を変更する材料の別の実施態様は、完全に非-伸長性である生地からできた材料であるが、その材料は、ある量の孔及び孔サイズを有する。孔は、生地を、孔が変形するにつれてMoEが増加する後に、孔が変形し始める限界まで比較的自由に伸長させることができる効果を有するだろう。最後に、孔は、完全に変形し、材料は、更に伸長することができないだろう。
【0203】
この種の材料は、層状材料において第2の特大層として使用することもできる。この場合には、この種の材料は、歪みの下限を超えて滑らかな移行を可能にするが、一方、孔が完全に変形する時に起こる材料の非-伸長性に起因して、歪みの上限での完全な制御を依然として与えるだろう。
【0204】
図16及び17は、衣服の構成において支持部として使用される、層状材料の弾性を示す。試験で使用される層状材料は、層の同一寸法を有する。このことは、層の内の1つの特大化の遅延効果が説明されないことを意味する。図13及び14に対応して、図16は、実際の測定の結果を示し、図17は、多項式適合によって適合された結果を示す。図16において、一番下の点曲線は、幅方向出の測定を示し、一方、一番上の完全な曲線は、長さ方向での測定を示す。矢印は、アップローディング(伸長)及びアンローディング(弛緩)を示す。図17では、一番下の点曲線は、幅方向での結果の多項式適合を示し、一番上の半-点曲線は、長さ方向での結果の適合を示し、中央の完全な曲線は、平均としての結果の適合を示す。点は、実際の測定である。
【0205】
多項式は、表11から明らかである。
【0206】
【表11】

【0207】
実施例 6:衣服IIの弾性
チューブ及び支持帯の弾性
チューブの応力-歪み関係は、弾性部と支持部との対応する関係を組み合わせて計算できる。圧迫部の力は、弾性部又は支持部を考慮するか否かにかかわらず、同一でなければならない。以下において、我々は、ウエスト弾性の効果を無視し、そして、弾性部又は支持部が伸長する時に、その効果がそれらにそれぞれ従うことを推定するのみである。我々は、支持帯又はチューブが伸長する時に、コルシーネル生地、弾性部及び層状構造、支持部での応力を計算するために、平均(幅/長さ)の応力-歪み曲線(力適用)を使用するだろう。支持部及び弾性部での歪みの差は、図15に説明される。例えば、0.2 N/mmに等しい応力については、支持部の歪みは材料によって約20〜30%であるが、一方、弾性部での歪みは60%である。
【0208】
全伸長は、個々の部分の伸長の合計として見出すことができる。ここで、各伸長は、歪み×当該部分の長さである。そこで、以下の条件を使用する:
−弾性部の力は、支持部の力に等しい。
−総伸長は、個々の部分の伸長の合計に等しい。
−ある部分の伸長は、歪み×当該部分の長さに等しい。
【0209】
【数13】

【0210】
これらの条件を用いて、どのように総伸長(歪み)が弾性部と支持部とに分配されるかを数値で計算できる。チューブは、71 cm(=710 mm)の総円周、及び43.4 cm(=434 mm)の弾性部を残す27.6 cm(=276 mm)幅の層状支持部を有すると推定される。支持部は、20%(0.2)の歪みまで線形弾性材料特性を有することがあることを考慮しなければならない。この限界(20%未満の歪み)内の材料は、コルシーネル生地に対応する弾性部のような性質を有し、20%での応力は0.07 N/mmに等しい。図14を参照。このことは、表11の多項式適合に従って、0.07 N/mmを超える応力値のみが支持部の歪みを生じることを意味する。
【0211】
表12は、弾性部及び支持部における歪み及び伸長の計算を示す。チューブにおける総伸長の計算も説明する。
【0212】
【表12】

【0213】
総伸長を支持帯の初期長さ(710 mm)で割ることによって、チューブの総歪みの値を計算することができる。計算結果は図18に示す。細い曲線は弾性部の歪みを示し、点曲線は支持部の歪みを示し、完全な曲線はチューブの歪みを示す。
【0214】
表11の適合された多項式曲線及び表10の直線回帰を用いて、歪み全体の関数として、層状支持部の歪みを計算することができる。図19は、歪み全体の関数として、支持部の計算された歪みを示す。当該図は、弾性部よりも支持部が使用の際に伸長しないことを証明している。当該図は、支持部のみがある伸びまで伸長し、チューブの伸び全体は弾性部のみの伸びである、ことも証明している。図20は、チューブについて所定の歪みで得られた応力を、上記のフロントピースと比較し、弾性材料、例えばコルシーネルで全体的にできたチューブを比較する。完全な曲線は、支持部を有するチューブを示し、点曲線は、弾性部を示す。例えば、50%の歪み値は、本発明に従うチューブを考慮すると、0.20 N/mmの応力値を生じ、完全な弾性チューブを考慮すると、0.16 N/mmの応力値を生じるにすぎない。図20は、チューブが弾性の低いフロントピースを有する場合には、所定の応力(及びよって圧迫)がより低い総伸び(歪み)で得られることを証明している。いずれの場合でも、チューブの周囲は71 cmであり、組合せ材料について、支持部は27.6 cmの幅を有する。
【0215】
力-圧迫関係
我々は、様々な高さの衣服の効果を無視して、腹部の周囲の圧迫を計算する単一の1-次元モデルを考慮する。支持帯又はチューブの所定の総周囲、所定の着用者のウエストサイズを推定して、及び図12からのウエストプロフィール関係を用いて、圧迫推定値を実施例1に示したように計算した。
【0216】
支持帯の場合には、フック・アンド・ループ生地を考慮しなければならない;すなわち、どのくらい締まって支持帯が調整されるかによって3〜10 cmの範囲の周囲を考慮する。フック・アンド・ループ生地は、完全に弾性がなく、そのため、支持帯の伸び全体は、コルシーネル生地と支持フロント部とに分配される。
【0217】
支持帯及びチューブのサイズ
支持帯は、2つの高さ(低及び高)及び5つのサイズ(XS、S、M、L、XL)を生じる:パラメーター(80℃で洗浄後)は表13に示す。
【0218】
【表13】

【0219】
チューブは、初めの編んだ継ぎ目のないチューブが切断されてなく、フック・アンド・ループ閉鎖を備える以外は、支持帯と同一である。他には、チューブは、同一のサンドウィッチフロントを備え、着用者の皮膚に向かい合った側にシリコンパターンを有する容易に伸長可能な弾性トリムを備える。
【0220】
チューブは、1つの高さ及び5つのサイズ(XS、S、M、L、XL)を生じる:パラメーター(80℃で洗浄後)は表14に示す。
【0221】
【表14】

【0222】
圧迫
表15は、チューブの計算された平均圧迫を与え、一方、表16は、チューブの計算された最大及び最小圧迫を与える。圧迫の単位はmmHgである。
【0223】
【表15】

【0224】
【表16】

【0225】
平均圧迫は、0〜22 mmHgの範囲で変動するが、サイズ推奨に従う場合には、5〜13 mmHgの範囲の平均圧迫が得られる。
【0226】
【表17】

【0227】
平均圧迫は、0〜21 mmHgの範囲で変動するが、サイズ推奨に従う場合には、5〜12 mmHgの範囲の平均圧迫が得られる。
【0228】
先の説明及び図面は、本発明の趣旨の例証のみとして考慮されるべきであう。本発明は、様々な形状で構成することができ、好ましい実施態様の範囲によって限定されるものではない。本発明の多数の適用は、当業者に容易に思い浮かぶだろう。従って、開示した特定の実施例、並びに示した又は記載した正確な構成及び操作に本発明を限定するのは望ましくない。むしろ、すべての好適な変更及び均等物は、本発明の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【0229】
【図1】図1は、本発明に従う弾性部及び支持部を有する腹部支持帯の形態でのヘルニア予防衣服を説明する。
【図2A】図2Aは、図1のヘルニア予防衣服の弾性部を示す。
【図2B】図2Bは、図1のヘルニア予防衣服の支持部を示す。
【図3A】図3Aは、本発明に従う対応するヘルニア予防衣服の弾性を証明するために、引張試験に供された、腹部支持帯及び6つの生地サンプルの位置及び方向を示す。
【図3B】図3Bは、図3Aの生地サンプルの1つの拡大図である。
【図4】図4は、図3Aの生地サンプル1及び6の引張試験からの平均力-伸長曲線を示す。
【図5】図5は、図3Aの生地サンプル1&6、2&5及び3&4の引張試験からの平均力-伸長曲線を示す。
【図6A】図6Aは、本発明に従う圧迫アンダーシャツの形態でのヘルニア予防衣服の正面図を示す。
【図6B】図6Bは、本発明に従う圧迫アンダーシャツの形態でのヘルニア予防衣服の背面図を示す。
【図7A】図7Aは、本発明に従う男性用圧迫ボクサーブリーフの形態でのヘルニア予防衣服の正面図を示す。
【図7B】図7Bは、本発明に従う男性用圧迫ボクサーブリーフの形態でのヘルニア予防衣服の背面図を示す。
【図8A】図8Aは、開放状態で示す、本発明に従う腹部支持帯の実施態様を説明する。
【図8B】図8Bは、閉鎖状態で示す、本発明に従う腹部支持帯の実施態様を説明する。
【図8C】図8Cは、図8Bの閉鎖腹部支持帯の背面図を説明する。
【図9A】図9Aは、開放状態で示す、支持帯の背面が前面よりも著しく低いようにより目立った形状を有する腹部支持帯の更に別の実施態様を説明する。
【図9B】図9Bは、閉鎖状態での、図9Aの腹部支持帯の正面図を説明する。
【図9C】図9Cは、図9Bの閉鎖腹部支持帯の背面図を説明する。
【図10A】図10Aは、腹部支持帯の指孔を構成する切断及びステッチの内側図を説明する。
【図10B】図10Bは、腹部支持帯の指孔を構成する切断及びステッチの外側図を説明する。
【図11】図11は、引張試験の原理を説明する。
【図12】図12は、ウエストサイズの関数としての、長円体形ウエストにおける大軸と小軸との関係を説明する。
【図13】図13は、弾性生地、コルシーネルについて得られた力/歪み曲線を説明する。
【図14】図14は、図13に示される測定された力/歪み関係で使用された直線回帰を説明する。
【図15】図15は、応力-歪み曲線によって説明される弾性部と支持部との差を説明する。
【図16】図16は、コルシーネルの層状材料生地及び非-伸長性材料についての得られた力/歪み曲線を説明する。
【図17】図17は、図15で示される測定された力/歪み関係で使用された最良の多項式適合を説明する。
【図18】図18は、層状材料、弾性材料及びチューブについての計算を説明する。
【図19】図19は、歪み全体関数としての層状材料の歪みを説明する。
【図20】図20は、全体的に弾性材料からできたチューブと、弾性及び支持性の層状材料の組合せからできたチューブとの比較を説明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線形弾性を有する材料から成る弾性部と、プログレッシブ(progressive)弾性を有する材料から成るプログレッシブ弾性部との2つの部分を有する材料を含む圧迫性衣服であって、当該プログレッシブ弾性部が20%未満の伸長の線形弾性の材料特性を有する、前記衣服。
【請求項2】
前記プログレッシブ弾性部が、20%未満の伸長に対応するMoEに対して、20%〜40%の伸長内の高いMoEを有する非-線形弾性材料種から成り、当該材料種は、強い力で脆く決裂する40%の伸長内の非-伸長性であり、当該力は0.5 N/mm超の決裂に必要とされる、請求項1記載の圧迫性衣服。
【請求項3】
前記プログレッシブ弾性部が、伸長によって様々な線形弾性を有する材料種から成り、当該材料が、20%の伸長内の前記材料が、20%未満の伸長内の材料のMoEの少なくとも3倍のMoEを有する線形弾性材料特性を有する、請求項1記載の圧迫性衣服。
【請求項4】
前記プログレッシブ弾性部が、様々な材料特性を有する層を有する層状材料、線形弾性材料特性を有する第1層及び当該第1層に比べてわずかに特大の別の層から成る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧迫性衣服。
【請求項5】
前記第1層の材料が、第1部分の材料に対応する、請求項4記載の圧迫性衣服。
【請求項6】
前記の特大層が、実質的に非-伸長性材料を含む、請求項4又は5記載の圧迫性衣服。
【請求項7】
前記の実質的に非-伸長性材料の特大層が孔を有する、請求項6記載の圧迫性衣服。
【請求項8】
前記の実質的に非-伸長性材料の特大層が、特大層の面積の25%に相当する孔を有する、請求項7記載の圧迫性衣服。
【請求項9】
前記の実質的に非-伸長性材料の特大層が、特大層の面積の50%に相当する孔を有する、請求項7記載の圧迫性衣服。
【請求項10】
前記の実質的に非-伸長性材料が、ポリアミドフィラメント糸から成る、請求項6〜9のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項11】
前記の特大層が、弾性部のMoEの少なくとも3倍のMoEを有する線形弾性材料を含む、請求項4記載の圧迫性衣服。
【請求項12】
前記線形弾性部が、様々な線形弾性を有する小部分を含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項13】
前記線形弾性部が、少なくとも最大で100%の伸長の線形弾性である、請求項1〜12のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項14】
1 mmHg〜40 mmHgの圧迫を生じるようにつくられている、請求項1〜13のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項15】
アンダーシャツの形状にある、請求項1〜14のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項16】
前記アンダーシャツが、アンダーシャツの上部に快感な生地を含む、請求項15記載の圧迫性衣服。
【請求項17】
腹部支持帯の形状にある、請求項1〜16のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項18】
前記腹部支持帯が背中よりも前側が高い、請求項17記載の圧迫性衣服。
【請求項19】
前記腹部支持帯が閉じた構造を更に含む、請求項17又は18記載の圧迫性衣服。
【請求項20】
前記腹部支持帯が指孔を更に含む、請求項17〜19のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項21】
アンダーパンツの形状にある、請求項1〜20のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項22】
ボクサーブリーフの形状にある、請求項1〜21のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項23】
前記パンツ又はブリーフが、着用者のより低い胸部の方へ上向きに伸びている、請求項21又は22記載の圧迫性衣服。
【請求項24】
前記パンツ又はブリーフが股部に開口部を有する、請求項23記載の圧迫性衣服。
【請求項25】
前記アンダーパンツが、アンダーパンツの下部に快感な生地を更に含む、請求項21〜24のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項26】
前記2つの生地の間の移行に縫い目がない、請求項16又は25記載の圧迫性衣服。
【請求項27】
チューブの形状にある、請求項1〜25のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項28】
環状ニットチューブの形状にある、請求項1〜27のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項29】
医療用帯具である、請求項1〜28のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項30】
支持部の幅が少なくとも6 cmである、請求項1〜29のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項31】
支持帯部の幅が10 cmである、請求項1〜30のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項32】
支持帯部分の幅が15 cmである、請求項1〜31のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項33】
支持帯部分の幅が20 cmである、請求項1〜32のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項34】
支持帯部分の幅が40 cm未満である、請求項1〜33のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項35】
伸長を測定するための構造を更に含む、請求項1〜34のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項36】
前記構造が色つきの糸である、請求項35記載の圧迫性衣服。
【請求項37】
弾性のゴム状トリムを更に含む、請求項1〜36のいずれか1項記載の圧迫性衣服。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれか1項記載の圧迫性衣服を用いて腹部切開を行った患者のヘルニア又は損傷決裂を予防するための方法であって、以下のステップ:
(a) 実質的に非-伸長性部分が当該切開の部位に置かれるように、外科手術の後の腹部支持帯として圧迫性衣服を適用し;及び
(b) 腹部支持帯、アンダーパンツ及びアンダーシャツの少なくとも1つを含む圧迫性衣服を用いて、最高1年の間、切開の部位に圧迫を維持し、同時に、着用される各衣服の実質的に非-伸長性部分は、切開がなされた部位に置かれることを確実にすること、
を含む、前記方法。
【請求項39】
前記支持部が、閉鎖の手段によって圧迫性衣服に取り付けられ、前記の圧迫を維持するステップが、支持部を取り除き、それを別の支持部と置き換えることを含む、請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記の別の支持部が、取り除かれた支持部とは異なった大きさである、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記の取り除き、及び支持部を置き換えるステップが、圧迫性衣服が着用される間に行われる、請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記圧迫性衣服が、アンダーシャツの形状にある、請求項39記載の方法。
【請求項43】
へルニアのための、請求項1〜37のいずれか1項記載の圧迫性衣服の使用。
【請求項44】
損傷決裂の予防のための、請求項1〜37のいずれか1項記載の圧迫性衣服の使用。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2009−518083(P2009−518083A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543657(P2008−543657)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000690
【国際公開番号】WO2007/065435
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】