説明

膀胱癌を診断する方法

膀胱癌(BLC)を検出および診断する目的の方法を本明細書に記載する。1つの態様において、本診断法は、BLC細胞と正常細胞を識別するBLC関連遺伝子の発現レベルを決定する段階を含む。本発明はさらに、リンパ節転移を有する膀胱癌細胞において独特な発現パターン変化を有するBLC関連遺伝子を用いて、膀胱癌転移を予測および予防する手段を提供する。最終的に、本発明は、膀胱癌の治療において有用な治療薬をスクリーニングする方法、膀胱癌を治療する方法、および対象に膀胱癌のワクチン接種をする方法を提供する。特に、本出願は、膀胱癌において発現が顕著に上昇する新規ヒト遺伝子C2093、B5860N、およびC6055を提供する。これらの遺伝子およびこれらの遺伝子によってコードされるポリペプチドは、例えば膀胱癌の診断において、疾患に対する薬物を開発するための標的分子として、および膀胱癌の細胞増殖を軽減するために使用することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者由来の生体試料における膀胱癌関連遺伝子の発現レベルを決定する段階を含む、対象における膀胱癌または膀胱癌を発症する素因を診断する方法であって、該試料の発現レベルが該遺伝子の正常対照レベルと比較して上昇または低下していることにより、該対象が膀胱癌に罹患しているかまたは膀胱癌を発症するリスクがあることが示される方法。
【請求項2】
膀胱癌関連遺伝子がBLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択され、さらに試料の発現レベルが正常対照レベルと比較して上昇していることにより、対象が膀胱癌に罹患しているかまたは膀胱癌を発症するリスクがあることが示される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
試料の発現レベルが正常対照レベルより少なくとも10%高い、請求項2記載の方法。
【請求項4】
膀胱癌関連遺伝子がBLC番号395〜1666の遺伝子からなる群より選択され、さらに試料の発現レベルが正常対照レベルと比較して低下していることにより、対象が膀胱癌に罹患しているかまたは膀胱癌を発症するリスクがあることが示される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
試料の発現レベルが正常対照レベルより少なくとも10%低い、請求項4記載の方法。
【請求項6】
複数の膀胱癌関連遺伝子の発現レベルを決定する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
遺伝子発現レベルが、以下からなる群より選択される方法によって決定される、請求項1記載の方法:
(a) 膀胱癌関連遺伝子のmRNAを検出する段階、
(b) 膀胱癌関連遺伝子によってコードされるタンパク質を検出する段階、および
(c) 膀胱癌関連遺伝子によってコードされるタンパク質の生物活性を検出する段階。
【請求項8】
検出がDNAアレイ上で行われる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
患者由来の生体試料が上皮細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
患者由来の生体試料が膀胱癌細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
患者由来の生体試料が膀胱癌細胞由来の上皮細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択される2つまたはそれ以上の膀胱癌関連遺伝子の遺伝子発現パターンを含む、膀胱癌参照発現プロファイル。
【請求項13】
BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される2つまたはそれ以上の膀胱癌関連遺伝子の遺伝子発現パターンを含む、膀胱癌参照発現プロファイル。
【請求項14】
BLC番号395〜1666の遺伝子からなる群より選択される2つまたはそれ以上の膀胱癌関連遺伝子の遺伝子発現パターンを含む、膀胱癌参照発現プロファイル。
【請求項15】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
a) 被験化合物を、BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと接触させる段階;
b) ポリペプチドと被験化合物との結合活性を検出する段階;および
c) ポリペプチドに結合する被験化合物を選択する段階。
【請求項16】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
a) 候補化合物を、BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択される1つまたは複数のマーカー遺伝子を発現する細胞と接触させる段階;および
b) 被験化合物の非存在下で検出されるポリペプチドの発現レベルと比較して、BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される1つもしくは複数のマーカー遺伝子の発現レベルを低下させるか、またはBLC番号395〜1666の遺伝子からなる群より選択される1つもしくは複数のマーカー遺伝子の発現レベルを上昇させる候補化合物を選択する段階。
【請求項17】
細胞が膀胱癌細胞を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
a) 被験化合物を、BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと接触させる段階;
b) 段階(a)のポリペプチドの生物活性を検出する段階;および
c) 被験化合物の非存在下で検出される該ポリペプチドの生物活性と比較して、BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの生物活性を抑制するか、または被験化合物の非存在下で検出される該ポリペプチドの生物活性と比較して、BLC番号395〜1666の遺伝子からなる群より選択されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの生物活性を増強する被験化合物を選択する段階。
【請求項19】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
a) 候補化合物を、BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択される1つまたは複数のマーカー遺伝子の転写制御領域およびその転写制御領域の調節下で発現されるレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と接触させる段階;
b) 該レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性を測定する段階;および
c) 被験化合物の非存在下で検出される該レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性と比較して、該マーカー遺伝子がBLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される上方制御されるマーカー遺伝子である場合に、該レポーター遺伝子の発現レベルもしくは活性を低下させるか、または該マーカー遺伝子がBLC番号395〜1666の遺伝子からなる群より選択される下方制御されるマーカー遺伝子である場合に、該レポーター遺伝子の発現レベルもしくは活性を増強する候補化合物を選択する段階。
【請求項20】
(a) BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択される2つもしくはそれ以上の核酸配列、または(b) それらによってコードされるポリペプチドに結合する検出試薬を含むキット。
【請求項21】
BLC番号1〜1666の遺伝子からなる群より選択される1つまたは複数の核酸配列に結合する2つまたはそれ以上の核酸を含むアレイ。
【請求項22】
アンチセンス組成物を対象に投与する段階を含む、対象における膀胱癌を治療または予防する方法であって、該アンチセンス組成物が、BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択されるコード配列に相補的なヌクレオチド配列を含む方法。
【請求項23】
siRNA組成物を対象に投与する段階を含む、対象における膀胱癌を治療または予防する方法であって、該siRNA組成物が、BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される核酸配列の発現を低下させる方法。
【請求項24】
BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子によってコードされるタンパク質に結合する抗体またはその免疫学的活性断片の薬学的有効量を対象に投与する段階を含む、対象における膀胱癌を治療または予防する方法。
【請求項25】
(a) BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される核酸によってコードされるポリペプチド、
(b) 該ポリペプチドの免疫学的活性断片、または
(c) ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
を含むワクチンを対象に投与する段階を含む、対象における膀胱癌を治療または予防する方法。
【請求項26】
抗腫瘍免疫を誘導する方法であって、抗原提示細胞をポリペプチド、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、またはポリヌクレオチドを含むベクターと接触させる段階を含む方法であり、ポリペプチドがBLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される遺伝子によってコードされるか、またはその断片をコードする免疫原性ポリペプチドである方法。
【請求項27】
抗原提示細胞を対象に投与する段階をさらに含む、請求項26記載の抗腫瘍免疫を誘導する方法。
【請求項28】
対象における膀胱癌を治療または予防する方法であって、請求項15〜19のいずれか一項記載の方法によって得られる化合物を投与する段階を含む方法。
【請求項29】
(a) BLC番号395〜1666の遺伝子からなる群より選択されるポリヌクレオチド、または(b) それによってコードされるポリペプチドを含む物質の薬学的有効量を対象に投与する段階を含む、対象における膀胱癌を治療または予防する方法。
【請求項30】
膀胱癌を治療または予防するための組成物であって、BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択されるポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたはsiRNAの薬学的有効量を含む組成物。
【請求項31】
膀胱癌を治療または予防するための組成物であって、BLC番号1〜394の遺伝子からなる群より選択される遺伝子によってコードされるタンパク質に結合する抗体またはその断片の薬学的有効量を含む組成物。
【請求項32】
膀胱癌を治療または予防するための組成物であって、有効成分としての、請求項15〜19のいずれか一項記載の方法によって選択される化合物の薬学的有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項33】
以下からなる群より選択される、実質的に純粋なポリペプチド:
(a) SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b) SEQ ID NO:4のアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:4と少なくとも約80%の相同性を有する配列を含むポリペプチド;
(c) SEQ ID NO:4のアミノ酸配列を含むポリペプチドであって、配列内の1つまたは複数のアミノ酸が欠失、付加、挿入、および/または他のアミノ酸による置換によって修飾され、かつ変異の数が典型的に全アミノ酸の35%以下であるポリペプチドであり、SEQ ID NO:4のいずれか1つのアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド;および
(d) SEQ ID NO:3のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:4のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド。
【請求項34】
請求項33記載のポリペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
【請求項35】
請求項34記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項36】
請求項34記載のポリヌクレオチドまたは該ポリヌクレオチドを含むベクターを保有する宿主細胞。
【請求項37】
請求項33記載のポリペプチドを産生する方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 請求項33記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または該ポリヌクレオチドを含むベクターを保有する宿主細胞を培養する段階;
(b) 宿主細胞にポリペプチドを発現させる段階;および
(c) 発現されたポリペプチドを回収する段階。
【請求項38】
請求項33記載のポリペプチドに結合する抗体であって、SEQ ID NO:4の304〜588のアミノ酸配列を含む抗原決定基に結合する抗体。
【請求項39】
SEQ ID NO:3のポリヌクレオチドまたはその相補鎖と相補的であり、かつ少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであって、SEQ ID NO:3の988〜1842位を含むヌクレオチド配列とハイブリダイズするポリヌクレオチド。
【請求項40】
SEQ ID NO:3のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNAであって、アンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNAの標的配列が、SEQ ID NO:3の988〜1842位から選択されるヌクレオチド配列を含む、アンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNA。
【請求項41】
膀胱癌を診断する方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 生体試料における、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする遺伝子の発現レベルを検出する段階;および
(b) 発現レベルの上昇を膀胱癌と関連づける段階。
【請求項42】
発現レベルが以下からなる群より選択される方法のいずれか1つによって検出される、請求項41記載の方法:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするmRNAを検出する段階;
(b) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質を検出する段階;および
(c) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質の生物活性を検出する段階。
【請求項43】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 被験化合物を、以下からなる群より選択されるポリペプチドと接触させる段階:
(1) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(2) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該配列と少なくとも約80%の相同性を有する配列を含むポリペプチド;および
(3) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド;
(b) ポリペプチドと被験化合物との結合活性を検出する段階;ならびに
(c) ポリペプチドに結合する化合物を選択する段階。
【請求項44】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 被験化合物を、以下からなる群より選択されるポリペプチドと接触させる段階:
(1) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(2) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列、または該配列と少なくとも約80%の相同性を有する配列を含むポリペプチド;および
(3) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド;
(b) 段階(a)のポリペプチドの生物活性を検出する段階;ならびに
(c) 被験化合物の非存在下で検出される生物活性と比較して、ポリペプチドの生物活性を抑制する化合物を選択する段階。
【請求項45】
生物活性が細胞増殖活性である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 被験化合物を、SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む1つまたは複数のポリヌクレオチドを発現する細胞と接触させる段階;および
(b) 被験化合物の非存在下で検出される発現レベルと比較して、SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む1つまたは複数のポリヌクレオチドの発現レベルを低下させる化合物を選択する段階。
【請求項47】
細胞が膀胱癌細胞である、請求項46記載の方法。
【請求項48】
膀胱癌を治療または予防するための化合物をスクリーニングする方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 被験化合物を、SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135のヌクレオチド配列のいずれか1つを含む1つまたは複数のマーカー遺伝子の転写制御領域およびその転写制御領域の調節下で発現されるレポーター遺伝子を含むベクターを導入した細胞と接触させる段階;
(b) 該レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性を測定する段階;および
(c) 被験化合物の非存在下で検出される該レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性と比較して、該レポーター遺伝子の発現レベルまたは活性を低下させる化合物を選択する段階。
【請求項49】
膀胱癌を治療または予防するための組成物であって、当該組成物は活性成分としてのポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNAの薬学的有効量および薬学的に許容される担体を含むものであり、ポリヌクレオチドが以下からなる群より選択されるポリペプチドをコードする組成物:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;および
(c) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド。
【請求項50】
低分子干渉RNAが標的配列としてSEQ ID NO:21、25、または144のヌクレオチド配列を含む、請求項49記載の組成物。
【請求項51】
siRNAが一般式5'-[A]-[B]-[A']-3'を有し、
式中、[A]はSEQ ID NO:21、25、または144のヌクレオチド配列に対応するリボヌクレオチド配列であり、
[B]は3〜23ヌクレオチドからなるリボヌクレオチド配列であり、かつ
[A']は[A]の相補配列からなるリボヌクレオチド配列である、
請求項50記載の組成物。
【請求項52】
組成物がトランスフェクション促進剤を含む、請求項49記載の組成物。
【請求項53】
膀胱癌を治療または予防するための組成物であって、以下からなる群より選択されるポリペプチドに対する活性成分としての抗体の薬学的有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;および
(c) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド。
【請求項54】
膀胱癌を治療または予防するための組成物であって、請求項43〜48のいずれか一項記載の方法によって選択される活性成分としての化合物の薬学的有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
【請求項55】
膀胱癌を治療または予防する方法であって、以下からなる群より選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対するアンチセンスポリヌクレオチドまたは低分子干渉RNAの薬学的有効量を投与する段階を含む方法:
(1) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(2) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;および
(3) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド。
【請求項56】
siRNAが標的配列としてSEQ ID NO:21、25、または144のヌクレオチド配列を含む、請求項55記載の方法。
【請求項57】
siRNAが一般式5'-[A]-[B]-[A']-3'を有し、
式中、[A]はSEQ ID NO:21、25、または144のヌクレオチド配列に対応するリボヌクレオチド配列であり、
[B]は3〜23ヌクレオチドからなるリボヌクレオチド配列であり、かつ
[A']は[A]の相補配列からなるリボヌクレオチド配列である、
請求項56記載の方法。
【請求項58】
組成物がトランスフェクション促進剤を含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
膀胱癌を治療または予防する方法であって、以下からなる群より選択されるポリペプチドに対する抗体の薬学的有効量を投与する段階を含む方法:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(b) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;および
(c) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド。
【請求項60】
膀胱癌を治療または予防する方法であって、請求項43〜48のいずれか一項記載の方法によって選択された化合物の薬学的有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項61】
膀胱癌を治療または予防する方法であって、(a)〜(c)からなる群より選択されるポリペプチド、または該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの薬学的有効量を投与する段階を含む方法:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;
(b) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(c) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド、またはその断片。
【請求項62】
抗腫瘍免疫を誘導する方法であって、(a)〜(c)からなる群より選択されるポリペプチドを抗原提示細胞と接触させるか、またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドを含むベクターを抗原提示細胞に導入する段階を含む方法:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;
(b) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(c) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド、またはその断片。
【請求項63】
抗原提示細胞を対象に投与する段階をさらに含む、請求項62記載の抗腫瘍免疫を誘導する方法。
【請求項64】
膀胱癌を治療または予防するための薬学的組成物であって、活性成分としての、(a)〜(c)の群より選択されるポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの薬学的有効量、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物:
(a) SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはその断片;
(b) 1つまたは複数のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加され、かつSEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有する、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(c) SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドであって、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドと同等な生物活性を有するポリペプチド、またはその断片。
【請求項65】
ポリヌクレオチドが発現ベクターに組み込まれている、請求項64記載の薬学的組成物。
【請求項66】
膀胱癌を診断するための診断薬であって、試薬が、SEQ ID NO:2、4、6、130、132、134、および136からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、または該ポリペプチドに結合する抗体を含む診断薬。
【請求項67】
センス鎖およびアンチセンス鎖を含む二本鎖分子であって、センス鎖がSEQ ID NO:21、25、または144に対応するリボヌクレオチド配列を含み、かつアンチセンス鎖が該センス鎖と相補的なリボヌクレオチド配列を含み、該センス鎖と該アンチセンス鎖が相互にハイブリダイズして二本鎖分子を形成し、SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列からなる遺伝子の少なくともいずれか1つを発現する細胞に導入した場合に、該遺伝子の発現を阻害する二本鎖分子。
【請求項68】
センス鎖が、SEQ ID NO:1、3、5、129、131、133、および135からなる群より選択されるヌクレオチド配列のいずれか1つに由来する約19〜約25個の連続したヌクレオチドを含む、請求項67記載の二本鎖分子。
【請求項69】
センス鎖がSEQ ID NO:21、25、または144に対応するリボヌクレオチド配列からなる、請求項67記載の二本鎖分子。
【請求項70】
単一のリボヌクレオチド転写産物がセンス鎖およびアンチセンス鎖を含む、請求項67記載の二本鎖分子であって、該センス鎖と該アンチセンス鎖を連結する一本鎖リボヌクレオチド配列をさらに含む二本鎖分子。
【請求項71】
請求項67記載の二本鎖分子をコードするベクター。
【請求項72】
二次構造を有する転写産物をコードする請求項71記載のベクターであって、転写産物がセンス鎖およびアンチセンス鎖を含むベクター。
【請求項73】
転写産物が、センス鎖とアンチセンス鎖を連結する一本鎖リボヌクレオチド配列をさらに含む、請求項71記載のベクター。

【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図4h】
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【図4i】
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【図4j】
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【図4k】
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【図4l】
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【図4m】
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【図4n】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−532477(P2008−532477A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535933(P2007−535933)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/JP2006/302684
【国際公開番号】WO2006/085684
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(502240113)オンコセラピー・サイエンス株式会社 (142)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】