説明

膜処理でのカプロラクタムの回収

本発明は、ε−カプロラクタム、硫酸アンモニウム、カプロラクタム製造プロセスからの1種または複数種の有機不純物を含む1種または複数種の他の不純物、および任意選択により硫酸アンモニウム以外の塩を含有する水溶液を膜プロセスによって処理し、それによって濃縮水および透過水が得られる方法であって、その方法で使用される膜が、範囲100〜1000g/モルの分画分子量を有する、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜、ポリピペラジン膜、酢酸セルロース膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜および酸化アルミニウム膜の群から選択され:水溶液中のカプロラクタムの60重量%を超える量が、膜を通って透過水側へと通過し、精製カプロラクタム含有透過水ストリームが得られ;有機不純物の少なくとも50重量%が濃縮溶液に保持される、方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ε−カプロラクタム(以降、「カプロラクタム」とも呼ぶ)、硫酸アンモニウム、およびカプロラクタム製造プロセスからの1種または複数種の有機不純物を含む1種または複数種の他の不純物、および任意選択により硫酸アンモニウム以外の塩を含有する水溶液を膜プロセスによって処理し、それによって濃縮水および透過水が得られる方法に関する。
【0002】
カプロラクタムを含有する水溶液は、ベックマン転位プロセスまたはカプロラクタムを製造する他のプロセスによって製造された粗製カプロラクタムの精製に関するプロセスなど、様々なプロセスにおいて形成することができる。カプロラクタムを製造するための適切なプロセスは、例えばUllmann’s encyclopedia of Industrial Chemistry,for instance the 7th edition(2005)から当技術分野で一般に知られている。
【0003】
ベックマン転位反応混合物が一般にアンモニア水での中和にかけられる、従来のベックマン転位プロセスから得られるカプロラクタムなど、カプロラクタムを含む水溶液は通常、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物、特に他の塩、およびカプロラクタム製造プロセスからの少なくとも1種類の有機不純物を含有する。一般的な有機不純物としては、カプロラクタムよりも高い分子量の有機化合物が挙げられ、しばしば高沸点有機化合物、特にスルホン化有機化合物であり得る。「高沸点」という用語は、本明細書においてカプロラクタムよりも高い沸点を有する化合物に使用される。カプロラクタムは例えば、有機溶媒、例えばベンゼンでの液液抽出段階を最初に用いることによって、この混合物から回収することができる。公知の抽出プロセスは例えば、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,(John Wiley & Sons 4 December 2000;オンライン)、国際公開第98/49140号パンフレットおよび国際公開第2002/070475号パンフレットに記述されている。
【0004】
抽出後、カプロラクタムは通常、得られた有機相から回収される。しかしながら、実際には、すべてのカプロラクタムが抽出されるわけではない。カプロラクタムが抽出された水相はまだ、一部のカプロラクタムを通常少なくとも約0.2重量%(特に、0.2〜3重量%)含有する。この水相はさらに、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の無機および有機不純物を含む。通常、硫酸アンモニウム含有率は、少なくとも約1重量%(特に1〜5重量%)である。有機不純物含有率(例えば、スルホン化カプロラクタムの含有率)は通常、少なくとも約0.5重量%(特に1.0〜2.5重量%)である。従来のプロセスでは、例えば、中和区域を介して、水相の少量のみ、通常30重量%以下を抽出区域へと再循環することができる。他の点では、有機不純物(特にスルホン化有機化合物)がプロセス中に蓄積し、その結果、カプロラクタムの品質が許容できないほど低下すると考えられる(つまり、純度が不十分となる)。したがって、抽出区域を出る水相の大部分は一般に廃棄され、有物物質を焼却炉で燃やすことができるように任意選択により処理される。
【0005】
大量の水性廃棄物を廃棄しなければならないことは、とりわけ環境の点から、望まれていない。例えば、廃棄物ストリームが焼却炉に導入される場合には、廃棄物中の大量の水によって、水を蒸発させるのに必要なエネルギー消費が高くなる。さらに、廃棄物ストリームは通常、硫酸アンモニウムを含有し、灰化すると、二酸化硫黄、酸性雨を生じさせる危険な汚染物質へと転化され得る。したがって、硫酸アンモニウムを焼却炉に送らないことが好ましい。さらに、硫酸アンモニウムの損失は、それが有用な肥料であることから望まれない。
【0006】
ε−カプロラクタム、硫酸アンモニウム、およびカプロラクタム製造プロセスからの1種または複数種の有機不純物を含む1種または複数種の他の不純物、および任意選択により硫酸アンモニウム以外の塩を含有する水溶液を膜プロセスによって処理し、それによって濃縮水および透過水が得られる新規な方法を提供することが本発明の目的であり、その新規な方法は、公知の方法の代替方法として役立つことができる。
【0007】
エネルギー消費が少ないという点、および/またはより多くの純粋なカプロラクタムが回収されるという点、および/またはより多くの硫酸アンモニウムが回収されるという点から、上述の方法よりも効率的な新規な方法を提供することが更なる目的である。
【0008】
本発明に従って達成され得る1つまたは複数の目的は、以下の明細書および/または特許請求の範囲から明らかとなるだろう。
【0009】
現在、本発明の根底にある1つまたは複数の目的は、特定の手法で水性液を処理することによって達成されることが判明している。
【0010】
したがって、本発明は、ε−カプロラクタム、硫酸アンモニウム、およびカプロラクタム製造プロセスからの1種または複数種の有機不純物を含む1種または複数種の他の不純物、および任意選択により硫酸アンモニウム以外の塩を含有する水溶液を膜プロセスによって処理し、それによって濃縮水および透過水が得られる新規な方法であって、
使用される膜が、範囲100〜1000g/モルの分画分子量を有する、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜、ポリピペラジン膜、酢酸セルロース膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜および酸化アルミニウム膜の群から選択され;
水溶液中のカプロラクタムの60重量%を超える量が、膜を通って透過水側へと通過し、精製カプロラクタム含有透過水ストリームが得られ;
有機不純物の少なくとも50重量%が、濃縮溶液に保持される方法に関する。
【0011】
好ましくは、使用される膜の画分子量は、上述の範囲内の、より狭い範囲150〜400g/モルである。
【0012】
このようにして、不純物含有率が有効に改善された(低減された)、カプロラクタムストリームが得られる。不純物、特に少なくとも有機不純物は、濃縮水中で濃縮される。
【0013】
本発明の方法で使用される上記の膜はすべて、ポリマー、複合材および無機ナノ濾過膜の群に属し、範囲100〜1000g/モルの分画分子量を有する。
【0014】
本発明に従ってさらに、そうでなければ廃棄物ストリームとしてしばしば処理される水性ストリームから、先行技術の方法よりもかなり多くの純粋なカプロラクタムを回収することが可能であることが判明した。
【0015】
例えば、米国特許第4,634,531号明細書に記載のプロセスでは、水性カプロラクタム含有ストリームが、膜を通しての逆浸透にかけられ、水が除去される透過水ストリームと、カプロタクタムが濃縮されている濃縮水とが得られる。本発明による方法は本質的に、その逆を達成するものである。
【0016】
膜プロセスによってカプロラクタム工場設備から水性ストリームを処理するプロセスの他の例が、Hu,Yuehua et al.(Huagong Jinzhan,Vol.23,no.10,2004,pages 1135−1137)に記述されており、そのプロセスでは、予備濾過のための限外濾過段階の後に逆浸透も用いられ、かつカプロラクタムは主に、濃縮水を介して回収される。前記参考文献の処理の目的は、再使用することができる精製水ストリームを得ることである。
【0017】
Van der Brugger B.,et al.(Journal of membrane Science,Vol.156,no.1,1999,pages 29−41)は、濃縮水と透過溶液中に、特定の比で単一成分を分離するために様々な膜を使用することができることを示しているが、この文書には、より複雑な混合物について、とりわけ1種または複数種の塩および硫酸アンモニウムを含む混合物について、かかる分離の選択性に関しての教示を提供することなく、単一成分が水性溶媒中に存在する実施例のみを示していることにさらに注意されたい。
【0018】
本発明は、膜濾過段階前の水溶液中の濃度と比較して、有機不純物濃度をかなり低減することを可能にし、本発明の特定の実施形態では、透過水中の硫酸アンモニウムの濃度をかなり低減することを可能にする。
【0019】
さらに、本発明は、カプロラクタムを工業的規模で透過水から適切に回収することができ、かつ(廃棄が必要となりうる)濃縮水の量が一般に、先行技術によるプロセスで廃棄される量と比較して低減されることから、廃棄物ストリームをかなり低減することを可能にする。本発明は、廃棄水(焼却炉に導かれるか、そうでなければ廃棄されるであろう)を2分の1〜10分の1、特に3分の1〜5分の1に低減することを可能にすることが予想される。その結果、エネルギーが節減される。
【0020】
本明細書で使用される「または」という用語は、別段の指定がない限り「および/または」を意味する。
【0021】
本明細書で使用される「1つ(a)または(an)」とは、別段の指定がない限り「少なくとも1つ」を意味する。
【0022】
単数で「名詞」(例えば、化合物、添加剤等)が言及される場合、別段の指定がない限り、複数が包含されることを意味する。
【0023】
本明細書において一般に有機不純物が言及される場合、これらは原則的に、カプロラクタム以外のすべての有機化合物から、特にカプロラクタムの製造またはカプロラクタムを含む反応生成物のその後の処理で使用された、または形成された、またはかかる製造で使用される有機化合物もしくは溶媒のいずれかにおける不純物として存在している、有機化合物の群から選択され得る。有機不純物は、低沸点有機化合物、つまりカプロラクタムよりも低い沸点を有する有機化合物(いわゆる「軽質化合物」の「軽質物」(‘lights’)、または高沸点有機化合物、つまりカプロラクタムよりも高い沸点を有する有機化合物(いわゆる「重質物」(‘heavies’)または「重質化合物」)であり得る。
【0024】
本発明による方法は好ましくは、連続プロセスとして行われる。
【0025】
本発明に従って処理される水溶液は、少なくとも1種類の有機不純物、特に少なくとも1種類の硫黄含有有機化合物、さらに特には、スルホン化カプロラクタムを含有する。本明細書において、硫黄含有有機化合物の濃度が言及される場合、その濃度は、元素分析(硫黄について)によって決定することができる、化合物中の硫黄元素の重量に対するものである。元素分析については、誘導結合プラズマ原子分光分析(ICP−AES)を用いることができる。分析前に、試料が王水と混合された後、試料はマイクロ波破壊処置にかけられる。
【0026】
膜処理段階にかけられる水溶液は原則的に、前記化合物を含む任意の水溶液であり得る。特定の実施形態において、その水溶液はカプロラクタム精製プロセスから得られ、さらに特には、それはかかるプロセスにおける廃棄物ストリームと従来からみなされているストリーム、つまりそうでなければ廃棄されるか、または低いグレード品質のナイロンしかそれから製造することができない、カプロラクタム生成物の製造に使用されるストリームであることができる。特に、本発明による方法は、例えば硫酸ヒドロキシルアンモニウムまたはリン酸ヒドロキシアンモニウムを使用したオキシム化プロセス、続いてベックマン転位およびアンモニア水での中和によって、シクロヘキサノンからカプロラクタムが製造される方法であることができる。
【0027】
本発明による膜処理にかけられる水性液は通常、カプロラクタムを少なくとも0.5重量%、特にカプロラクタムを少なくとも1.0重量%、さらに特にはカプロラクタムを少なくとも1.5重量%含む。通常、膜処理段階にかけられる水性液中のカプロラクタム濃度は、15重量%未満、好ましくは10重量%以下、特に5重量%以下である。特に有利な実施形態において、本発明に従って膜処理段階にかけられる水性液中のカプロラクタム濃度は3.5重量%以下である。
【0028】
本発明に従って膜処理段階にかけられる水性液中の硫酸アンモニウム濃度は通常、15重量%未満、特に10重量%以下である。有利な透過水流束に関しては、膜処理段階にかけられる水性液中の硫酸アンモニウム濃度は、5重量%以下、特に約4重量%以下である。本発明に従って膜処理段階にかけられる水性液は通常、硫酸アンモニウムを少なくとも0.5重量%、特に硫酸アンモニウムを少なくとも1.5重量%、さらに特には硫酸アンモニウムを少なくとも2.5重量%含む。
【0029】
本発明に従って膜処理段階にかけられる水性液中の有機不純物総濃度は通常、少なくとも0.5重量%、特に少なくとも1.0重量%である。この処理にかけられる水性液中の有機不純物総濃度は通常、5重量%未満、特に3重量%以下、さらに特には2重量%以下である。その半分を超える量、特に4/5を超える、または9/10を超える量が、1種または複数種の重質物からなり、特にその場合には、スルホン化カプロラクタムなどの、1種または複数種の硫黄含有有機化合物によって、ベックマン転位でカプロラクタムが製造されている。特定の実施形態において、本発明に従って膜処理段階にかけられる水性液中の硫黄含有有機化合物濃度は、0.3〜4重量%、さらに具体的には1〜2重量%の範囲である。
【0030】
本発明による方法において、硫酸アンモニウムの好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも60重量%が、濃縮溶液中に保持される。カプロラクタムの50重量%を超える量が透過水側へと通過し、硫酸アンモニウムの50重量%を超える量が濃縮水中に保持される場合、カプロラクタム対硫酸アンモニウムの比は改善され、より高い純度のカプロラクタム含有溶液が得られる。これは、カプロラクタムに対する硫酸アンモニウムの減少のプロセスと呼ばれる(つまり、膜処理段階前の溶液中の硫酸アンモニウム含有量とカプロラクタム含有量の比が、透過水中の硫酸アンモニウム含有量とカプロラクタム含有量の比よりも高い)。したがって、カプロラクタムに対する硫酸アンモニウムは、2分の1以下、特に4分の1〜15分の1、さらに特には6分の1〜12分の1に減少しうる。
【0031】
さらに、透過溶液ストリームの少なくとも一部が、カプロラクタム製造プロセスで再使用されることが好ましい。最も適切には、次に、透過溶液ストリームを、カプロラクタム製造プロセスの精製セクションにおける、またはナイロン6製造プロセスなど、カプロラクタムを有するストリームを含有する他のプロセスのセクションにおけるストリームと合わせる。このようにして、カプロラクタムの損失は最小限に維持することができる。
【0032】
カプロラクタム精製プロセスの好ましい例は、カプロラクタムおよび不純物を含む水性ストリームを、有機相を用いた液液抽出にかけ、それによって第2水溶液が形成され、それを本発明の膜プロセスによって処理するプロセスである。当業者には理解されるように、本発明による膜処理方法は、カプロラクタムを製造および/または精製する他の種類のプロセスと併せて用いることができる。
【0033】
本発明による方法の好ましい実施形態において、処理される水性ストリームがそこから取り出されるカプロラクタムプロセスは、オキシム化プロセスによってシクロヘキサノンからオキシムを形成し、続いてオキシムをベックマン転位し、アンモニア水で中和し、得られたカプロラクタムを精製する、硫酸ヒドロキシルアンモニウムまたはホスフェートオキシムプロセスである。
【0034】
本発明に従って、カプロラクタムの60重量%を超える量が膜を通って透過水側へと通過する。特に水溶液中のカプロタクタムの少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも80重量%が、膜を通って透過水側へと通過する。
【0035】
したがって、膜段階で処理される水性ストリーム中のカプロラクタムの少なくとも60重量%を超える量、特に少なくとも75重量%が、透過水を介して回収され得る。したがって実際には、透過水は、膜処理段階前に水溶液中に存在するカプロラクタムの約80%以下を含有し得る。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、透過水ストリーム中のカプロラクタム濃度は、膜プロセスによって処理される前の水溶液中のカプロラクタム濃度よりも高い。
【0037】
更なる好ましい実施形態において、透過水ストリーム中のカプロラクタム濃度は、相対的に言うと、膜処理にかけられた溶液中のカプロラクタム濃度よりも少なくとも1%、好ましくは少なくとも3%、さらに好ましくは少なくとも5%、最も好ましくは少なくとも10%高い。例えば、供給溶液がカプロラクタムを2.0重量%含有する場合、本発明に従って得られる透過水はカプロラクタムを少なくとも2.02重量%(相対的に言うと1%を超える量を意味する)含有する。
【0038】
有機不純物の少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも75重量%が、濃縮溶液に保持されることが特に好ましい。
【0039】
本発明に非常に好ましい実施形態において、透過水中の有機不純物の総濃度は、膜プロセスによる処理前の水溶液中のその総濃度の、3分の2以下、好ましくは2分の1以下、さらに好ましくは4分の1以下、またさらに好ましくは6分の1以下、最も好ましくは10分の1以下である。
【0040】
したがって、カプロラクタムに対する有機不純物濃度(他の条件が等しければ、硫酸アンモニウムに関して上述されたのと同じ方法で定義される)は、2分の1以下、特に4分の1〜15分の1、さらに特には6分の1〜12分の1に低減され得る。
【0041】
上述のように、本発明による方法については、範囲100〜1000g/モルの分画分子量を有する、ナノ濾過膜プロセス(つまり、少なくとも1種類のナノ濾過膜を使用するプロセス)が用いられる。特に、分画分子量は、少なくとも150g/モル、さらに特には少なくとも200g/モルであり得る。特に、分画分子量は、500g/モル以下、さらに特には400g/モル以下、または350g/モル以下であり得る。本明細書で使用される、分画分子量とは、一般に膜の供給元によって指定される値である。
【0042】
したがって、特に使用される膜は、範囲100〜1000g/モルの分画分子量、好ましくは範囲150〜400g/モルの分画分子量を有する、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜、ポリピペラジン膜、酢酸セルロース膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜および酸化アルミニウム膜の群から選択される。
【0043】
本発明の膜処理には、特にナノ濾過膜処理には、任意のナノ濾過装置を用いることができる。一般に、その装置は、供給物を濃縮水および透過水セクションに分ける、少なくとも1つのナノ濾過膜要素を含む。ナノ濾過装置は通常、ポンプ、バルブ、流量計、圧力メーター等の、1つまたは複数の圧力調節器および1つまたは複数の流量調整器も含む。その装置は、並列または直列に配置された異なる組み合わせのいくつかのナノ濾過膜要素も含み得る。
【0044】
特に、市販の膜を利用することができる。かかる膜、特にナノ濾過膜は、例えばDow Water Solutions(Midland MI,USA))、GE Osmonics(Minnetonka,MN,USA)、Trisep Corporation(Goleta CA,USA)またはKoch Membrane Systems(Wilmington MA,USA;またはKoch,Germany)から入手可能である。ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜、ポリピペラジン膜および酢酸セルロース膜が、使用することができるポリマーナノ濾過膜の例である。
【0045】
無機、例えば、セラミック膜もナノ濾過に使用することができる。使用することができるセラミックナノ濾過膜の例としては、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜および酸化アルミニウム膜が挙げられる。
【0046】
特に、ナノ濾過膜処理段階のための、少なくとも1つのナノ濾過膜は、ポリアミドナノ濾過膜、ポリスルホンナノ濾過膜、酢酸セルロースナノ濾過膜、ポリピペラジンアミドナノ濾過膜、ポリスルホン化ポリエーテルスルホンナノ濾過膜、およびポリプロピレンナノ濾過膜の群から選択することができる。特に、ポリアミドナノ濾過膜で良い結果が達成されている。
【0047】
特に、界面重合によって製造された複合材膜を使用することができる。
【0048】
使用される(ナノ濾過)膜は、例えば、その流束および/または透過性を増加するため、および/またはその阻止率を高めるため、ファウリング傾向を低減するために、化学的または物理的に修飾されていてもよい。
【0049】
(ナノ濾過)膜は、イオン性膜であってもよく、つまりイオン性官能基(一般に、酸基または塩基基)を含有してもよい。そのイオン性基は、濾過される液体のpHでカチオン性またはアニオン性である官能基であることができる。さらに、イオン性官能基を含まない膜など、中性膜を使用してもよい。
【0050】
特定の実施形態において、酸基または塩基基の両方を有する膜が使用され、その場合には、透過水量の増加に関して改善が達成され得るのに対して、膜の等電点(pI)を超えるpHを有する水性液でナノ濾過が行われた場合には、重質物および硫酸アンモニウムの保持は、少なくともかなり維持される。本明細書において、pIとは一般に、膜の供給元によって提供される値である。
【0051】
本発明に従って、処理される水性液のpHより低いpIを有する特定の膜を選択することも可能である。塩基、例えば水酸化アンモニウムまたは他の水酸化物(pHを上げるため)または酸(pHを下げるため)、例えば硫酸などの強酸を添加することによって、液体のpHを調整することも可能である。
【0052】
使用される(ナノ濾過)膜は、疎水性および親水性膜、つまりその外面および/または孔表面が、それぞれ疎水性および親水性である膜から選択され得る。親水性膜は、高い流束に有利である。
【0053】
使用される膜、特にナノ濾過膜は、任意の適切な形状で用いられる。膜の形態は、例えば平膜、管状膜、および中空繊維から選択することもできる。振動膜または回転膜などの「高せん断」膜も使用することができる。
【0054】
適切な膜間差圧(ΔP)、つまり、膜の濃縮水側と透過水側の間の膜の圧力差は、広い範囲内で選択され得る。その上限は原則的に、特定のナノ濾過膜の最大限に許容可能な圧力によって決定される。特に、ΔPは、60バール以下、50バール以下、40バール以下、または35バール以下であり得る。特に、ΔPは、少なくとも10バール、少なくとも20バール、少なくとも25バールまたは少なくとも30バールであり得る。
【0055】
膜プロセスによる処理において、好ましくは、範囲5〜60バール、特に10〜50バール、さらに特には15〜40バールの膜間差圧がかけられる。
【0056】
本発明の膜プロセスにかけられる水溶液のpH値に関しても、プロセスの結果に深刻な負の効果を及ぼすことなく、かなり広い範囲が選択され得る。膜処理段階にかけられる水溶液のpHは、室温(25℃)でガラス電極pHメーターで測定することができるpHとして定義される。所望の場合には、膜処理段階の性能を改善するために、塩基または酸を添加することによって、pHを調整することができる。好ましいpHは、使用される膜に応じて異なり、膜供給元から入手可能な情報、一般知識および本明細書に開示される情報を元に選択することができる。
【0057】
好ましくは、膜プロセスによる処理にかけられる水溶液のpHは、1〜12の範囲、特に4〜8の範囲である。
【0058】
本発明による膜処理段階は通常、周囲温度といわゆる耐熱性温度(供給元によって指定される温度など)の間の温度で行われる。通常、膜処理における温度は、95℃以下である。特に、膜処理、具体的にはナノ濾過は、60℃までの温度、さらに特には50℃まで、または40℃までの温度で行うことができる。通常、膜処理は、少なくとも5℃の温度で行われる。特に、膜処理は、少なくとも15℃の温度で行うことができる。特に好ましい方法では、その温度は20〜60℃の範囲である。有利な流束については、その温度は、好ましくは少なくとも25℃、さらに特には少なくとも30℃である。
【0059】
ファウリングの傾向を低くするため、および/または良好な流束のためには、膜を通る液体のクロスフロー速度は通常、少なくとも1m/秒、特に少なくとも2m/秒である。クロスフロー速度は通常、約5m/秒以下である。より高い速度を用いることができるが、一般に、更なる流束の利益は、非常に高いクロスフロー速度での余分なエネルギー消費を上回らない。特に、クロスフロー速度は5m/秒以下であり得る。
【0060】
本発明の方法の適切な実施形態において、および特に、膜濾過段階の膜がナノ濾過膜である場合、カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する水溶液は、本発明の膜プロセスにかけられる前に、例えば、固形物質を除去するための予備濾過、精密濾過、限外濾過、pH調整、希釈(例えば、水で)およびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の前処理段階に最初にかけられる。
【0061】
1種または複数種の軽質化合物が、膜処理にかけられる水溶液中に存在し得る。しかしながら、例えば、膜との望ましくない相互作用のために、膜処理段階に化合物が悪影響を及ぼし得るような濃度である場合には、特に、カプロラクタム抽出に使用されてきたベンゼンまたは他の有機溶媒など、疎水性有機化合物が好ましくは除去される。疎水性有機化合物を除去するのに適した方法は一般に当技術分野で公知であり、ストリッピング、例えば、ベンゼンを除去するためのベンゼンストリッピングが挙げられる。したがって、好ましくは、カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する水溶液が、膜プロセスにより処理される前に、カプロラクタムの沸点よりも低い沸点を有する有機成分の除去に最初にかけられる。
【0062】
特定の実施形態において、2種類以上の異なるナノ濾過膜が使用され、一連のナノ濾過段階で使用され得る。ナノ濾過膜は、例えばそれらが異なる材料で製造されているという点で、および/または分画分子量が異なるという点で、および/または異なる官能基を有するという点で異なり得る。
【0063】
本発明による特定の実施形態の方法において、ナノ濾過は、2つ以上のナノ濾過段階を含み、第1ナノ濾過段階の透過水またはその一部は、更なるナノ濾過段階にかけられ、それによって、更なる透過水および更なる濃縮水が形成される。その更なる濃縮水は廃棄されるか、または前のナノ濾過段階に再利用される。更なる透過水またはその一部は特に、更なるナノ濾過段階にかけることができ、または、任意選択により他の処理後に、カプロラクタム精製プロセスに再利用することができる。通常、最終ナノ濾過段階後に得られた透過水またはその一部は、カプロラクタムストリームの精製プロセスに再利用される。2つ以上のナノ濾過段階の使用は特に、硫酸アンモニウムおよび重質物、特にスルホン化成分に対する透過水中の高いカプロラクタム含有率に関して有利であり得る。
【0064】
したがって、好ましくは、膜プロセスによる処理は、少なくとも2つの続く膜処理段階で行われ、第1膜処理段階の透過水の少なくとも一部が第2膜処理段階に供給され、第1膜段階の透過溶液中のカプロラクタムの60重量%を超える量が、第2膜を通って第2透過水側へと通過し、それによって第2透過水を含有する精製カプロラクタムと第2濃縮水とが形成され、第2濃縮水は廃棄されるか、または第1膜処理段階に再利用され、かつその更なる透過水ストリームは任意選択により、1つまたは複数の更なる膜処理段階にかけられて更なる濃縮水および透過水が得られる。
【0065】
複数のナノ濾過段階が用いられる場合に使用される複数の膜のうちのいずれかは、同一または異なっていてもよく、および/または同一または異なる条件下で操作され得る。
【0066】
例えば、少なくとも2つのナノ濾過段階を利用する有利な方法において、第1段階は、第2ナノ濾過段階における膜を通る流束と比較して、第1段階における膜を通過する比較的高い水性流束を有するナノ濾過であり、第2段階は、第1段階における膜と比較して、第2段階における膜を通る不純物の比較的高い阻止率を有するナノ濾過である。したがって、全体で必要とされる膜が少ないことが企図される。
【0067】
本発明は、そうでなければ廃水流とみなされていたであろう、カプロラクタムを含有する水性ストリームから、精製カプロラクタムを回収することを可能にする。特に、カプロラクタムは、精製カプロラクタム含有透過水および/または第2の、もしくは更なる透過水ストリームから回収される。
【0068】
本発明は、以下の実施例によって説明される。
【0069】
[実験パート]
[分析方法]
以下の分析技術を用いた:
a)カプロラクタム:ガスクロマトグラフィーによってカプロラクタムの分析を行った。
b)(NHSO:60℃にて窒素ガスでストリッピングした後に、硫酸アンモニウム(AS)の分析を滴定法により行った。
c)総硫黄:試料を王水でマイクロ波破壊した後に、誘導結合プラズマ原子分光分析(ICP−AES)を用いて、総硫黄濃度を決定した。
d)有機硫黄含有量:次いで、有機硫黄の含有量(スルホン化有機化合物からの)は、総硫黄含有量からAS中に存在する硫黄含有量を引くことによって計算される。
【0070】
[実施例1]
バッチ式操作されるクロスフロー濾過ユニットの恒温に保たれた供給タンクに、カプロラクタム1.5重量%、硫酸アンモニウム3.0重量%、重質物1.5重量%(主に、スルホン化カプロラクタム)および微量の有機軽質物を含む溶出液廃棄水600gを導入した。ベックマン転位し、濃塩基の添加によって中和した後に、水性カプロラクタムストリームのベンゼンでの抽出後に、この水性ストリームが得られた。供給物のpHレベルを5に上げた。このユニットは、ポリアミドXN45ナノ濾過膜(供給元Trisep;ポリアミド;カットオフ200g/モル;pI=中性;12バールおよび18℃での水流束174kg/時間/m)を備えた。容器を閉じ、循環ポンプを始動し、クロスフロー速度3.5m/秒とした。窒素ガスによって膜の供給側に一定圧力30バールをかけ、温度を30℃に設定した。透過水フローを濾過時間にわたりモニターし、重量差によって流束を決定した。透過水ならびに濃縮物の様々な試料を異なる時間間隔で採取し、カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび硫黄濃度に関して分析した。
【0071】
他の膜、つまりTFC SR2膜(供給元Koch,Germany;カットオフ:400g/モル;ポリアミド;pI:pH=3;30バールおよび20℃での水流束450kg/時間/m)でも実験を繰り返した。
【0072】
ナノ濾過試験の結果をこれらの膜について表1に示す。濃度係数4(つまり、透過水中の濃度で割られた供給物中の濃度=4)にて、XN45およびTFC SR2の流束は約10kg/時間/mであった。
【0073】
表1において、初期供給物および透過水(濃度係数4での)におけるカプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび総硫黄濃度を示す。分かるように、これらの膜のいずれも、カプロラクタムの実質的な保持を示さず、したがって、カプロラクタムの50重量%を超える量が膜を通して透過され、十分に回収された。
【0074】
【表1】



【0075】
[実施例2]
本発明による第2膜処理段階を用いたが、Trisep XN45膜を使用して、実施例1と同様な実験を行った。第1濾過段階で得られた透過水(実施例1で得られた)を第2段階の供給物として使用した。8と高い容量濃度係数でさえ、高い流束(30kg/時間/m)が得られた。表2は、初期供給物および第1および第2段階透過水におけるカプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび有機硫黄の分析濃度を示す。第2段階の透過水において、約9分の1の硫酸アンモニウム濃度、6分の1の有機硫黄濃度であり、透過水純度の向上が得られた。カプロラクタムの初期量の約70%が2段階ナノ濾過プロセスで回収され、硫酸アンモニウムの90%、スルホン化有機成分の80%を超える量が阻止された。精製カプロラクタムストリーム(透過水ストリーム)は、カプロラクタムプロセスの主要ストリームのカプロラクタム精製部分に再統合することができた。
【0076】
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプロラクタム、硫酸アンモニウム、カプロラクタム製造プロセスからの1種または複数種の有機不純物を含む1種または複数種の他の不純物、および任意に硫酸アンモニウム以外の塩を含有する水溶液を膜プロセスによって処理し、それによって濃縮水および透過水が得られる方法であって、
使用される前記膜が、範囲100〜1000g/モルの分画分子量を有する、ポリエーテルスルホン膜、スルホン化ポリエーテルスルホン膜、ポリエステル膜、ポリスルホン膜、芳香族ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜、ポリピペラジン膜、酢酸セルロース膜、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜および酸化アルミニウム膜の群から選択され:
前記水溶液中のカプロラクタムの60重量%を超える量が、膜を通って透過水側へと通過し、精製カプロラクタム含有透過水ストリームが得られ;
前記有機不純物の少なくとも50重量%が、前記濃縮溶液に保持される;ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
使用される前記膜の前記分画分子量が、150〜400g/モルの範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する前記水溶液中の硫酸アンモニウムの少なくとも50重量%が、前記濃縮溶液中に保持されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する前記水溶液が、カプロラクタム製造プロセスからの溶液であり、かつ透過溶液ストリームの少なくとも一部が、カプロラクタム製造プロセスにおいて、またはカプロラクタム含有ストリームを有する他のプロセスのセクションにおいて再利用されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記カプロラクタムプロセスが、オキシム化プロセスによってシクロヘキサノンからオキシムを形成し、続いて前記オキシムをベックマン転位し、アンモニア水で中和し、得られたカプロラクタムを精製する、硫酸ヒドロキシルアンモニウムまたはホスフェートオキシムプロセスであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する前記水溶液中のカプロラクタムの少なくとも80重量%が、前記膜を通って透過水側へと通過することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記透過水ストリーム中のカプロラクタム濃度が、前記膜処理にかけられた前記水溶液中のカプロラクタム濃度よりも高いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する前記水溶液中の前記有機不純物の少なくとも60重量%が、前記濃縮溶液中に保持されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記透過水中の有機不純物の総濃度が、前記膜プロセスによる前記処理前の前記水溶液中のその総濃度の3分の2以下であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
範囲5〜60バールの膜間差圧が、前記膜プロセスによる前記処理においてかけられることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記膜プロセスによる前記処理にかけられる前記水溶液のpHが、1〜12の範囲であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記pHが、4〜8の範囲であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する前記水溶液が、請求項1に記載の膜プロセスにかけられる前に、固形物質を除去するための予備濾過、精密濾過、限外濾過、pH調整、希釈およびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の前処理段階に最初にかけられることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
カプロラクタム、硫酸アンモニウムおよび1種または複数種の他の不純物を含有する前記水溶液が、前記膜プロセスにより処理される前に、カプロラクタムの沸点よりも低い沸点を有する有機成分の除去に最初にかけられることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記膜プロセスによる前記処理が、少なくとも2つの続く膜処理段階で行われ、前記第1膜処理段階の前記透過水の少なくとも一部が第2膜処理段階に供給され、前記第1膜段階の前記透過溶液中のカプロラクタムの60重量%を超える量が、前記第2膜を通って前記第2透過水側へと通過し、それによって第2透過水を含有する精製カプロラクタムと第2濃縮水とが形成され、前記第2濃縮水は廃棄されるか、または前記第1膜処理段階に再利用されてもよく、かつ更なる透過水ストリームが任意選択により、1つまたは複数の更なる膜処理段階にかけられて、更なる濃縮水および透過水が得られることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
カプロラクタムが、前記精製カプロラクタム含有透過水および/または第2または更なる透過水ストリームから回収されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−514335(P2013−514335A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543794(P2012−543794)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070097
【国際公開番号】WO2011/073400
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】