説明

膜分離ユニット

【課題】槽深、槽径、槽形状(円筒型、角筒型)が異なる種々の槽に対応して、複数配置された中空糸膜モジュールについて、散気管を定位置に保持し、各々の該膜モジュールの糸束内に均等な上昇流を付与させると共に、処理槽内の液流を調整することが出来る膜分離ユニットを提供する。
【解決手段】処理槽3の液中に浸漬される中空糸膜5の開口端部から吸引して該処理槽3内の液を濾過分離する複数の中空糸膜モジュール2を有する膜分離ユニット1であって、複数の中空糸膜5の端部が固定され且つ複数の中空糸膜5の端部が固定された位置を回避する所定位置に、散気用開口部7が設けられた結束部6と、該結束部6に当接して少なくとも複数の中空糸膜5の自重を受けると共に該結束部6の下方に気泡室12を形成するソケット部材11を有し、該ソケット部材11の側面部11aに散気管10を挿通すると共に該散気管10の外形よりも大きな開口部11a1を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理槽の液中に浸漬される中空糸膜の開口端部から吸引して該処理槽内の液を濾過分離する複数の中空糸膜モジュールを有する膜分離ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、処理槽の液中に膜分離ユニットを浸漬し、膜を透過した濾過処理水を得る浸漬膜装置において、処理槽内の膜分離ユニットの下方に粗大気泡の散気装置と細気泡の散気装置を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、散気管が中空糸膜モジュールに固定されて一体化しているものも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平07−185270号公報
【特許文献2】特開平07−136470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、既設槽に複数の中空糸膜モジュールを有する膜分離ユニットを設置する際に個々の既設槽の構造に合わせる必要があるため、槽深、槽径、槽形状(円筒型、角筒型)等が異なる種々の槽に対応する必要があった。
【0005】
また、例えば食品排水汚水汚泥を分解する際には処理槽内にバクテリアを生存させる必要があるため大量のエアーを処理槽内で曝気する必要があり、その際バクテリア用のエアー曝気が中空糸膜に直接作用すると該中空糸膜が破損する虞があるため該中空糸膜は、エアー曝気から保護されている。その一方で処理槽内の液を中空糸膜の開口端側から吸引して膜を透過した濾過処理水を濾過分離すると該中空糸膜の外側に懸濁物質が付着して濾過性能が低下するため適量の気体を該中空糸膜の外側に散気することによって該中空糸膜の外側に付着した懸濁物質を除去する必要がある。
【0006】
本発明は前記課題を解決するものであり、槽深、槽径、槽形状(円筒型、角筒型)等が異なる種々の槽に対応して、複数配置された中空糸膜モジュールについて、散気管を定位置に保持し、各々の該膜モジュールの糸束内に均等な上昇流を付与させると共に、処理槽内の液流を調整することが出来る膜分離ユニットを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するための本発明に係る膜分離ユニットの第1の構成は、処理槽の液中に浸漬される中空糸膜の開口端部から吸引して該処理槽内の液を濾過分離する複数の中空糸膜モジュールを有する膜分離ユニットであって、前記複数の中空糸膜の端部が固定され且つ前記複数の中空糸膜の端部が固定された位置を回避する所定位置に散気用開口部が設けられた結束部と、前記結束部に当接して少なくとも前記複数の中空糸膜の自重を受けると共に該結束部の下方に気泡室を形成するソケット部材とを有し、前記ソケット部材の側面部に散気管を挿通できる開口部を形成しており、その開口部は該散気管の外形よりも大きなことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第2の構成は、前記第1の構成において、前記ソケット部材の底面部分に底板が当接していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第3の構成は、前記第2の構成において、前記ソケット部材の側面部に挿通した散気管の吐出口が前記底板に向っていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第4の構成は、前記第3の構成において、前記散気管の下面と底板との距離δは、中空糸膜モジュールの散気用開口部の円相当径よりも小さいことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第5の構成は、前記第1の構成において、前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の総面積から挿通部分の散気管の断面積を除いた面積Sは、前記散気用開口部の総面積Sの0.5倍以上4.0倍未満を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第6の構成は、前記第1の構成において前記ソケット部材の側面部に散気管を挿通できる開口部を2箇所以上有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第7の構成は、前記第1の構成において前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の形状が、逆U字形状、三角形状、四角形状、五角形状のうちの少なくとも1つで形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第8の構成は、前記第1の構成において、前記ソケット部材の側面部に、該ソケット部材の周方向に45°ピッチで8方向、60°ピッチで6方向、あるいは90°ピッチで4方向の開口を設けたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第9の構成は、前記第1から第8の構成において、前記散気管は浮上可能に接続され、散気時に該散気管が浮上して前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の上端部に当接し、該開口部において該散気管の下部に該開口部の一部からなる隙間が形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第10の構成は、前記第9の構成において、前記散気管の下面に形成された散気吐出口に対応する位置に栓部材が設けられ、前記散気管が下降した際に該散気管の散気吐出口に前記栓部材が挿入されて該散気吐出口を閉塞することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る膜分離ユニットの第11の構成は、前記第1の構成において、前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の開口面積を調整する開口面積調整手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る膜分離ユニットの第1の構成によれば、散気管がソケット部材内部の気泡室の下方にあるため、散気管から吐出された気体を無駄なく、集めることができる。また、散気管からの気体の吐出と上昇に応じて処理槽内の液、すなわち処理液に脈動流が起こり、ソケット部材内部の気泡室にソケット部材の開口部と散気管周りの隙間から、処理液が出入りするので処理液中の沈殿物、いわゆる汚泥が気泡室内に滞留せず堆積しにくい。特に、散気管周りには開口部との間に隙間が出来るため散気管への汚泥が堆積しにくい。
【0019】
また、ソケット部材により結束部の下方に気泡室を形成することにより、散気管から散気された気体が該気泡室に導かれ、結束部に設けられた散気用開口部から複数の中空糸膜に均一に散気されるため該中空糸膜は適度に揺れて該中空糸膜の表面に付着した汚泥等の懸濁物質を剥ぎ取ることが出来、濾過性能を維持することができる。
【0020】
また、ソケット部材は結束部に当接して複数の中空糸膜モジュールの自重を受けることが出来るので、該複数の中空糸膜モジュールを自立させることが出来、該ソケット部材に結束部を嵌合させる構成とした場合には該複数の中空糸膜の運転時における横移動を防止することが出来る。
【0021】
本発明に係る膜分離ユニットの第2の構成によれば、ソケット部材の底部に底板が当接していることで、散気管から吐出された気体の振動を底板によって、増幅する結果、底板、散気管、散気用開口部、中空糸膜への汚泥の付着が抑制される。また、散気吐出口、散気用開口部が閉塞しないので安定した膜表面の気体洗浄ができる。
【0022】
本発明に係る膜分離ユニットの第3の構成によれば、散気管の気体吐出し口がソケット部材の底板に向っているので、散気吐出口と底板の間に高速の気体流ができ、汚泥が堆積しにくい。散気気体を底板に衝突させることで、底板を振動させ底板上部に振動を伝え、汚泥等が付着しにくい。また、汚泥の塊を破壊し散気管吐出口の詰まりを防ぐことができる。
【0023】
本発明に係る膜分離ユニットの第4の構成によれば、散気管の下面とソケット部材の底板までの距離δは、散気用開口部の径よりも小さく、散気吐出口近傍の流速が速いため、汚泥の付着を防止することができる。また、その水流によって堆積物の成長をδ以下に阻止でき、散気吐出口の閉塞の防止効果が高い。
【0024】
本発明に係る膜分離ユニットの第5の構成によれば、前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の総面積から挿通部分の散気管の断面積を除いた面積Sと、前記散気用開口部の総面積Sとの間には次の関係がある。
【0025】
[数1]

0.5×S ≦ S < 4.0×S
【0026】
前記面積Sが前記面積Sの0.5倍以上であれば、ソケット部材の側面の開口部での処理液の流入抵抗が少ないので、散気した気体量に対応した随伴流を得ることができ安定した上昇流によるろ過運転が可能である。前記面積Sが前記面積Sの4.0倍よりも小さい場合、ソケット部材の側面部の開口部の処理液の流入速度が高く、汚泥がソケット部材内部で堆積しない。従って、堆積した汚泥による散気用開口部の閉塞もなく安定した上昇流によるろ過運転が可能である。
【0027】
本発明に係る膜分離ユニットの第6の構成によれば、散気管を挿通できる開口部を2箇所以上側面部に有したソケット部材内に挿通させることで、散気管の拘束点はソケット部材内に2箇所設けられるため、散気管を水平に保つことができる。この結果、一定流量で偏流が無い、均一な気体の吐出しが常時可能となる。また、散気管の周りに汚泥の付着や堆積が防止でできる。
【0028】
本発明に係る膜分離ユニットの第7の構成によれば、ソケット部材の側面の開口部 に逆U字,三角形状、四角形状、五角形状の内いずれかの簡単な形状で、散気管を安定的に保持することが可能であり、散気管の周りに適度な隙間を与えて拘束することができる。また、散気管の周り及び、下部に形成される隙間により散気管への付着を防ぐことができる。
【0029】
本発明に係る膜分離ユニットの第8の構成によれば、中空糸膜モジュールを等間隔 で膜分離ユニット内に配置する際にソケット部材の周方向に形成された開口部が該ソケット部材の周方向に45°ピッチで8方向、60°ピッチで6方向、あるいは90°ピッチで4方向の開口が設けられたことで、散気管の形態に対応して開口部を適宜使用することができる。
【0030】
即ち、トーナメント形状(枝分岐形状)やループ形状(環状形状)等の種々の形状の散気管のストレート部やL字部、T字部、十字部等の種々の形状に合わせて複数のソケット部材側面の開口部を適宜使用することで種々の散気管を拘束して容易に取り付けることが出来る。中空糸膜モジュールの4角形配置、正三角形配置が容易に出来る。
【0031】
本発明に係る膜分離ユニットの第9の構成によれば、散気開始時に該散気管が浮上し、該ソケット部材の側面の開口部の上端に当接することで散気管を拘束し、散気管の下部に該ソケット部材の側面の開口部の一部からなる隙間が形成され、該隙間から処理槽内の上昇流が出来るので気泡室内の汚泥堆積が防げる。気体吐出時の振動が散気管に伝わり、汚泥が散気管に付着しにくい。
【0032】
本発明に係る膜分離ユニットの第10の構成によれば、前記散気管の下面に形成された、散気吐出口に対応する位置に栓部材が設けられ、前記散気管が下降した際に、該散気吐出口に前記栓部材が挿入されて、該散気吐出口を閉塞することができるため、汚泥や懸濁物質によって目詰りすることが無い。
【0033】
本発明に係る膜分離ユニットの第11の構成によれば、前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の開口面積を調整する手段を設けたことにより処理槽内の上昇流の液流を調整することが出来る。運転条件の最適化が更に可能となる。また、個々の中空糸膜モジュールに合わせた上昇流が設定でき、特に運転途中で1本だけ、中空糸膜モジュールを新品に交換するときに有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
図により本発明に係る膜分離ユニットの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る膜分離ユニットの構成を示す平面図、正面図及び側面図、図2は本発明に係る膜分離ユニットの中空糸膜モジュールの集水配管構造を示す図、図3及び図4は本発明に係る膜分離ユニットの散気管の配管構造の一例を示す部分説明図図5(a)はソケット部材の構成を示す斜視説明図、図5(b)はソケット部材の構成を示す三面図、図6はソケット部材の側面部に設けられる開口部の種々の形状の一例を示す図、図7及び図8はフレキシブル管を介して浮上可能に接続された散気管の動作を説明する図、図9〜図11はソケット部材の側面部に形成された開口部の開口面積を調整する種々の開口面積調整手段の構成を示す図、図12は本発明における底板との隙間δを示し、散気吐出口から吐出された気体の流れ方を示す概念図、図13は散気吐出口から吐出された気体によって、底板とソケット部材及び、当接した膜モジュールが振動していることを示す概念図、図14は本発明のソケット部材を使用しなかった場合の散気吐出口から吐出された気体の流れ方を示す概念図である。
【0035】
図1及び図2において、1は膜分離ユニットであり、上部に配置される一端が開放され且つ下部に配置される他端が閉塞された中空糸膜5が処理槽3の液中に浸漬され、その上部に配置される開口端部から吸引して該処理槽3内の液を濾過分離する複数の中空糸膜モジュール2を有して構成される。
【0036】
図1に示す膜分離ユニット1は、4本の中空糸膜モジュール2を柱梁からなる方形状の架台8に一体的に組み込んでユニット化した一例である。架台8に組み込まれる中空糸膜モジュール2同士の設置間隔は、複数の中空糸膜5の処理槽3内部での揺れを考慮して該中空糸膜モジュール2の外径の1.2倍以上且つ2倍以下程度に設定することが好ましい。例えば、中空糸膜モジュール2同士のピッチは210mm以上且つ300mm以下程度が好ましい。
【0037】
中空糸膜モジュール2同士が近すぎる場合、隣接する中空糸膜5同士がぶつかり合い、中空糸膜5の擦化が進行する可能性がある。また、中空糸膜5の揺れの幅が抑制され、汚泥の付着抑制効果が損なわれる可能性もあるため、中空糸膜モジュール2同士の設置間隔は該中空糸膜モジュール2の外径の1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上程度に設定することが好ましい。
【0038】
中空糸膜モジュール2の自重は例えば15kg〜30kg程度で、長尺方向の長さが1m〜2m程度のものが適用出来る。
【0039】
本実施形態の処理槽3には例えば食品排水を活性汚泥で分解する場合には活性汚泥が処理液として入り、処理槽内にバクテリアを生存させるために大量のエアーを処理槽3内で曝気するための図示しないエアレータが設けられている。
【0040】
複数の中空糸膜5の下部に配置される閉塞側端部5aは円筒形状の結束部6に固定されており、該閉塞側端部5aが固定された位置を回避する結束部6の所定位置に散気用開口部7が設けられている。図2及び図7に示すように、結束部6の下端部にはスカートリング部6aが設けられており、該スカートリング部6aの内部には結束部6に当接して中空糸膜モジュール2の自重を受けると共に該結束部6の下方に気泡室12を形成する円筒状のソケット部材11が嵌入されている。
【0041】
図3〜図5及び図7に示すように、ソケット部材11の側面部11aには気泡室12の下方に散気管10を挿通すると共に該散気管10の外形よりも大きな逆U字形状の開口部11a1が該ソケット部材11の周方向に例えば、90°ピッチで4方向に形成されている。
【0042】
尚、ソケット部材11の側面部11aに、該ソケット部材11の周方向に45°ピッチで8方向の開口部11a1を設けても良いし、該ソケット部材11の周方向に60°ピッチで6方向の開口部11a1を設けても良い。
【0043】
ソケット部材11は側面部11aに接続されたベース板11bが底板23を介してボルト4a及びナット4bにより台座部9に着脱可能に固定されている。ソケット部材11の底面に底板23を設けている。散気管10の下面に散気吐出口10aが底板23に向って設けられている。散気管10の下面と底板23との距離δは散気用開口部7の一つの孔の相当直径よりも小さくなっている。尚、円相当直径とは、開口面積と等しい円の直径のことを云う。本実施形態のベース板11bは図5に示すように、ソケット部材11の側面部11aに設けられた開口部11a1を避けた位置で4隅に方形状のベース板11bが4つ配置されたものである。
【0044】
尚、ソケット部材11の側面部11aに形成する開口部11a1の形状は、逆U字形状に限定されるものではなく、例えば、図6(a)に示すような逆U字形状の両側の直線部を延長した形状、図6(b)に示すような四角形状、図6(c)に示すような四角形状と三角形状とを組み合わせた五角形状(ハウス形状)、図6(d)に示すような三角形状等の種々の形状で構成することが出来る。開口部11a1の散気管10が当接する上部の高さを適宜設定することで散気管10の散気吐出口10aと結束部6との間の離間距離を適宜設定することが出来る。
【0045】
散気管10は図8に示すように、フレキシブル管24を介して浮上可能に接続されており、散気時に該散気管10が浮上してソケット部材11の側面部11aに形成した開口部11a1の上端部に当接し、図7(b)に示すように、該散気管10の下部に該開口部11a1の一部からなる隙間25が形成される。
【0046】
図8に示すように、散気管10の下面には散気吐出口10aが形成されており、ソケット部材11の底面部分に当接した底板23上の該散気吐出口10aに対応する位置には、該散気吐出口10aの開口径に対応する外形を有する栓部材26が形成されており、図8(a)に示すように、散気管10が下降した際に該散気管10の散気吐出口10aに栓部材26が挿入されて散気吐出口10aを閉塞する。
【0047】
図9から図11に示すように、ソケット部材11の内部には、該ソケット部材11の側面部11aに形成した開口部11a1の開口面積を調整する開口面積調整手段が設けられている。
【0048】
図9に示す開口面積調整手段は、ソケット部材11の側面部11aの内部にリング状の開口面積調整部材28が嵌入されており、散気管10が挿入されるソケット部材11の側面部11aの開口部11a1には開口面積調整部材28に形成された開口部28aを位置合わせすると共に、開口面積を調整する開口部11a1には開口面積調整部材28の閉塞部28bを位置合わせして開口部11a1の開口面積を適宜閉塞することでソケット部材11の側面部11aに形成した開口部11a1の開口面積を調整することが出来る。
【0049】
図10に示す開口面積調整手段は、ソケット部材11の側面部11aの開口部11a1に対応する位置に該開口部11a1を適宜閉塞して開口面積を調整し得るシャッター部材29が4枚スライド可能に設けられたものである。ソケット部材11の側面部11aの内面側には蟻溝状ガイド30が設けられており、ソケット部材11の側面部11aの曲率に対応した曲率を有するシャッター部材29が該蟻溝状ガイド30に摺動自在に支持されている。シャッター部材29をスライドして開口部11a1の開口面積を適宜閉塞することでソケット部材11の側面部11aに形成した開口部11a1の開口面積を調整することが出来る。
【0050】
図10において、31は断面L字形でリング状の高さ調整リングであり、起立部31aがスカートリング部6aの内側に嵌入されて結束部6の底部とソケット部材11の側面部11aの上端部に当接すると共に、垂下部31bが側面部11aの内側に嵌入されている。高さ調整リング31の高さを適宜選択することで、種々の長さの中空糸膜5を有する中空糸膜モジュール2に適用することが出来る。
【0051】
図11に示す開口面積調整手段は、ソケット部材11の側面部11aの開口部11a1に対応する位置に該開口部11a1を適宜閉塞して開口面積を調整し得るシャッター部材29が軸部材32を中心に回転可能に設けられたものである。ソケット部材11の側面部11aの曲率に対応した曲率を有する一対のシャッター部材29がステー33を介して軸部材32に連結されており、該軸部材32を中心にシャッター部材29を適宜回転させて開口部11a1の開口面積を適宜閉塞することでソケット部材11の側面部11aに形成した開口部11a1の開口面積を調整することが出来る。
【0052】
このような開口面積調整手段によりソケット部材11の側面部11aの開口部11a1の開口面積を調整することにより、処理液の流入速度を調整することができ、結果的に散気用開口部7を詰まらせないようにすることが出来る。
【0053】
ソケット部材11の側面部11aに形成した開口部11a1の総面積から挿通部分の散気管10の断面積を除いた面積Sは、散気用開口部7の総面積Sの0.5倍以上4.0倍未満とし、該ソケット部材11の側面部11aに散気管10を挿通できる開口部11a1を2箇所以上有する構成とする事ができる。
【0054】
図7に示すように、ソケット部材11の気泡室12の下方には散気管10の下面部に形成された散気吐出口10aが導かれており、該散気管10から気体を散気することにより気泡が気泡室12に溜まり、結束部6に設けられた散気用開口部7を介して複数の中空糸膜5の外周面に均一に散気されるため該中空糸膜5は適度に揺れて該中空糸膜5の外周面に付着した汚泥等の懸濁物質を剥ぎ取ることが出来、濾過性能を維持することが出来る。
【0055】
また、図3及び図4に示すように、各散気管10の途中には気体を均一に分岐するためのユニオン型オリフィス27が設けられていてもよい。ユニオン型オリフィス27はユニオン継ぎ手内にオリフィスプレートを挟み込んだ構造を有しており、該ユニオン型オリフィス27の前後の配管に比べて大きな圧力損失を付与することにより各中空糸膜モジュール2に対して散気管10から散気される気体の均一な分岐が可能になる。ユニオン型オリフィス27はフランジ型のオリフィスに比べてコンパクトな構造で分岐配管が可能である。
【0056】
例えば、単管で構成される散気管10に気体を均一に分配させる場合には、ユニオン型オリフィス27を設けることで気体を均一に分岐することが可能で且つコンパクトな構造に出来る。また、複数の散気吐出口10aを持つ散気管10に気体を均一に分配させる場合には図3に示すトーナメント型の散気管10や、図4に示すループ型の散気管10の構造があり、このような場合にはユニオン型オリフィス27を設けなくても散気管10に気体を均一に分配させることが出来る。ソケット部材11はトーナメント型の散気管10やループ型の散気管10を架台8に容易に固定することが出来る構造となっている。
【0057】
結束部6がソケット部材11に当接して複数の中空糸膜モジュール2の自重を受けることが出来るので、該中空糸膜モジュール2を自立させることが出来、結束部6のスカートリング部6a内にソケット部材11を嵌合させる構成としたことにより該中空糸膜モジュール2の運転時の横移動を防止することが出来る。
【0058】
架台8の側面外周には図示しない面材からなる隔壁が設けられている。この隔壁により膜分離ユニット1の側面が覆われており、この側面を覆う隔壁を設けることで、膜分離ユニット全体での上昇流と下降流を作ることができる。
【0059】
また、隔壁によりエアレータから大量の気体を噴出すことによるバクテリア用の槽曝気や槽内流動から中空糸膜5を隔離することが出来、バクテリア用の槽曝気や槽内流動が中空糸膜5に直接作用することを抑制することが出来るため該中空糸膜5が破損する虞がなく該中空糸膜5を槽曝気や槽内流動から保護することが出来る。
【0060】
尚、架台8の外周側部に設ける隔壁の代わりに、中空糸膜モジュール2毎にその外周側部を覆う外筒を設けることも出来る。中空糸膜モジュール2を覆う外筒を該中空糸膜モジュール2毎に設置した場合、中空糸膜モジュール2下部から導入され、上昇途中で中空糸膜モジュール2の外側に出た気泡を拡散させることなく該中空糸膜モジュール2付近に留まらせることが出来、中空糸膜モジュール2の外周付近の中空糸膜5の汚泥を剥ぎ取る効果が増大する。従って、このような外筒によっても膜曝気の拡散を抑制出来、中空糸膜5外周表面の汚泥を剥ぎ取ることが出来る。
【0061】
図2に示すように、中空糸膜5の上部に配置された結束部15には各中空糸膜5の内部に連通する濾過液排出用開口部16が設けられており、結束部15の上端部に設けられた鍔部15aと、結束部15の外周径に対応する外周径を有するキャップ部材17の鍔部17aとがクランプ部材18により締結されている。
【0062】
一方、架台8の上部に設けられた集液ヘッダ19からホースアダプタ20が分岐されており、該ホースアダプタ20にはホースバンドによりフレキシブルホース22が接続されている。更にフレキシブルホース22の他端にはホースバンドによりホースアダプタが接続されており、該ホースアダプタの下端部に設けられた鍔部と、キャップ部材17の上端部に設けられた鍔部とがクランプ部材18により締結されている。
【0063】
そして、集液ヘッダ19から吸引することで、処理槽3内の処理液が中空糸膜5内に吸引されて濾過され、中空糸膜5内を流通する濾過液が集液ヘッダ19に集液される。
【0064】
中空糸膜5の全長が異なる場合には中空糸膜モジュール2の上部に設けられたフレキシブルホース22が中空糸膜5の全長に対応して適宜伸縮することにより該中空糸膜5の全長の寸法差を吸収することが出来る。
【0065】
また、中空糸膜モジュール2を取り替える場合には、クランプ部材18を脱離して中空糸膜モジュール2の結束部6をソケット部材11から脱離して容易に中空糸膜モジュール2を取り替えることが出来る。
【0066】
ソケット部材11が結束部6の下端面に当接して中空糸膜モジュール2の自重を受けることが出来るので、該中空糸膜モジュール2を自立させることが出来る。特に活性汚泥槽に膜分離ユニット1を挿入する場合には、中空糸膜5の表面に徐々に汚泥が付着して中空糸膜モジュール2の自重が重くなるため該中空糸膜モジュール2を上から吊り下げる構造では中空糸膜モジュール2を吊り下げ支持するための梁材に大きな強度が求められるため架台8の構造が大型化してしまい、膜分離ユニット1の自重も大きくなって、全体的に構造が大型化してしまうという問題があるが、本実施形態のように複数の中空糸膜モジュール2を自立させることにより中空糸膜モジュール2の上部は横倒れを拘束する程度の支えで良いため架台8の構造も小型化出来、膜分離ユニット1の自重も小さく出来るので全体的構造も小型化出来る。また、中空糸膜モジュール2の上部の集液ヘッダ19は強度が必要とされないためプラスチック樹脂製の継手類で構成した配管からなる集液ヘッダ19とフレキシブルホース22を使用することが出来る。
【0067】
また、結束部6のスカートリング部6aの内部にソケット部材11を嵌合させる構成としたことにより複数の中空糸膜モジュール2の運転時の横移動を防止することが出来る。
【0068】
また、ソケット部材11により結束部6の下方に気泡室12を形成することにより、 散気管10から散気された気体が気泡室12に導かれ、結束部6に設けられた散気用開口部7から複数の中空糸膜5の各々の外周面に均一に散気されるため該中空糸膜5は適度に揺れて該中空糸膜5の外周面に付着した汚泥等の懸濁物質を剥ぎ取ることが出来、膜分離ユニット1による濾過性能を維持することが出来る。
【0069】
また、ソケット部材11が台座部9及び結束部6に対して着脱可能に構成され、該結束部6に固定される複数の中空糸膜5の長さ或いは結束部6の外径に応じて適宜変更可能に構成されたことで、結束部6に固定される複数の中空糸膜5の長さ或いは結束部6の外径に応じた異なる複数のソケット部材11を用意し、該ソケット部材11をそれ等の種々の結束部6及び共通の台座部9に対して装着して設置することが出来、脱離して交換することも容易に出来る。
【0070】
また、ソケット部材11の側面部11aに形成された開口部11a1が逆U字形状、三角形状、四角形状、五角形状のうちの少なくとも1つで形成された場合には簡単な形状で散気管10を安定的に保持することが可能であり、該散気管10の周りに適度な隙間を与えて拘束することができる。また、散気管10の周り、及び下部に形成される隙間25により散気管10への汚泥の付着を防ぐことができる。この中でも特に、逆U字型が散気管10を容易に拘束できる形状として好ましい。
【0071】
また、ソケット部材11の側面部11aに形成された開口部11a1が該ソケット部材11の周方向に90°ピッチで4方向で設けられたことで、散気管10の形態に対応して4箇所の開口部11a1を適宜使用することが出来る。即ち、図3に示すようなトーナメント形状(枝分岐形状)や、図4に示すようなループ形状(環状形状)等の種々の形状の散気管10のストレート部やL字部、T字部、十字部等の種々の形状に合わせて4箇所の開口部11a1を適宜使用することで種々の散気管10を拘束して容易に取り付けることが出来る。この中でも特に、90°ピッチが簡単で好ましい。
【0072】
また、図12に示す様に、散気管10が図8に示すフレキシブル管24を介して浮上可能に接続され、散気時に該散気管10が浮上してソケット部材11の側面部11aに形成された開口部11a1の上端部に当接して散気管10を拘束すると共に、該散気管10の下部に該開口部11a1の一部からなる隙間25が形成されることで該隙間25により処理槽3内の上昇流が出来るので気泡室12内の汚泥堆積が防げる。図13に示す様に気体吐出時の振動が散気管10に伝わり、汚泥が散気管10に付着しにくい。図14の概念図に示すように本発明のソケット部材11を用いない場合は気体吐出し口から吐出された気体が有効に使用されない事がある。
【0073】
また、散気管10の底部に形成された散気吐出口10aに対応する位置に栓部材26が設けられ、該散気管10が下降した際に該散気管10の散気吐出口10aに栓部材26が挿入されて該散気吐出口10aを閉塞することにより散気吐出口10aが処理槽3内底部に沈殿した懸濁物質により目詰まりすることがない。
【0074】
また、ソケット部材11の側面部11aに形成された開口部11a1の開口面積を調整する開口面積調整手段を設けたことにより処理槽3内の上昇流や下降流の液流を調整することが出来、散気気体による膜表面の物理洗浄を行う際に散気気体の周りの液を随伴して散気用開口部7を通過する液の上昇流と水面に到達した液の下降流を調整することが出来る。
【実施例1】
【0075】
ポリフッ化ビニリデン製の細孔径0.1μmの精密ろ過膜で、外径1.4mm,内径0.8mm、中空糸膜の有効長さが2000mmで膜面積25m2の中空糸膜モジュール2を用いた。中空糸膜モジュール2の結束部6の直径は約150mmであり、該結束部6の散気用開口部7には直径11mmの24個の貫通穴が設けてあった。中空糸膜モジュール2を互いの離間ピッチが220mmとなるように設定して、4本架台8に組み込み、膜分離ユニット1を高さ3000mm、縦520mm、横460mmの寸法で作成し、該膜分離ユニット1の下部には、直径25mmの散気管10が挿通された、直径145mm、高さ139mmの円筒型で側面部11aに逆U字形の開口部11a1を周方向90°ピッチで設けたソケット部材11をスカートリング部6aの内側に嵌め入れた。深さ8000mmの食品排水処理用活性汚泥槽からなる処理槽3内に該膜分離ユニット1を浸漬させ、散気管10からの膜曝気量が5Nm/Hr、0.4m/m/Hrの定流量濾過条件において実液運転を行った。底板23は用いず、ソケット部材11の底部は開口させた。散気管10は該散気管10の下面から散気用開口部7までの距離が100mmとなる様に架台8に固定した。膜モジュールユニットの運転条件は、9分ろ過、1分逆洗浄の連続ろ過運転を行った。ろ過と逆洗浄の流量は、等量で実施した。吸引ろ過ポンプの吸引圧力が−30Kpaに到達するまでの時間は2ヶ月であった。
【0076】
[実施例2〜4]
前記実施例1と同じ中空糸膜モジュール2を使用して、ソケット部材11の形状と散気管10の位置を以下の表1に示す条件で実験を行った。結果も表1に示す。
【比較例1】
【0077】
前記実施例1と同じ中空糸膜モジュール2を使用して、ソケット部材11を用いずに以下の表1に示す条件で実験を行った。結果も表1に示す。この方法によると、散気管10が気泡室12下方の10cm以上離れた位置に配置されていたため気体流による懸濁物質の攪拌によって、散気管10より吐出された空気が流されて気泡室12内に集める際に阻害され、中空糸膜モジュール2の糸束内に均等な上昇流を付与させる充分な洗浄用気体を供給できなかった。このため、1ヶ月に一度の割合で中空糸膜モジュール2の薬品洗浄が必要であった。
【0078】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の活用例として、処理槽の液中に浸漬される中空糸膜の開口端部から吸引して該処理槽内の液を濾過分離する複数の中空糸膜モジュールを有する膜分離ユニットに適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係る膜分離ユニットの構成を示す平面図、正面図及び側面図である。
【図2】本発明に係る膜分離ユニットの中空糸膜束の配管構造を示す図である。
【図3】本発明に係る膜分離ユニットの散気管の配管構造の一例を示す部分説明図である。
【図4】本発明に係る膜分離ユニットの散気管の配管構造の一例を示す部分説明図である。
【図5】(a)はソケット部材の構成を示す斜視説明図、(b)はソケット部材の構成を示す三面図である。
【図6】ソケット部材の側面部に設けられる開口部の種々の形状の一例を示す図である。
【図7】フレキシブル管を介して浮上可能に接続された散気管の動作を説明する図である。
【図8】フレキシブル管を介して浮上可能に接続された散気管の動作を説明する図である。
【図9】ソケット部材の側面部に形成された開口部の開口面積を調整する種々の開口面積調整手段の構成を示す図である。
【図10】ソケット部材の側面部に形成された開口部の開口面積を調整する種々の開口面積調整手段の構成を示す図である。
【図11】ソケット部材の側面部に形成された開口部の開口面積を調整する種々の開口面積調整手段の構成を示す図である。
【図12】本発明における底板との隙間δを示し、散気吐出口から吐出された気体の流れ方を示す概念図である。
【図13】散気吐出口から吐出された気体によって、底板とソケット部材及び、当接した膜モジュールが振動していることを示す概念図である。
【図14】本発明のソケット部材を使用しなかった場合の散気吐出口から吐出された気体の流れ方を示す概念図である。
【符号の説明】
【0081】
1…膜分離ユニット
2…中空糸膜モジュール
3…処理槽
4a…ボルト
4b…ナット
5…中空糸膜
5a…閉塞側端部
6…結束部
6a…スカートリング部
7…散気用開口部
8…架台
9…台座部
10…散気管
10a…散気吐出口
11…ソケット部材
11a…側面部
11a1…開口部
11b…ベース板
12…気泡室
15…結束部
15a…鍔部
16…濾過液排出用開口部
17…キャップ部材
17a…鍔部
18…クランプ部材
19…集液ヘッダ
20…ホースアダプタ
22…フレキシブルホース
23…底板
24…フレキシブル管
25…隙間
26…栓部材
27…オリフィス
28…開口面積調整部材
28a…開口部
28b…閉塞部
29…シャッター部材
30…蟻溝状ガイド
31…高さ調整リング
31a…起立部
32…軸部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽の液中に浸漬される中空糸膜の開口端部から吸引して該処理槽内の液を濾過分離する複数の中空糸膜モジュールを有する膜分離ユニットであって、前記複数の中空糸膜の端部が固定され且つ前記複数の中空糸膜の端部が固定された位置を回避する所定位置に、散気用開口部が設けられた結束部と、前記結束部に当接して少なくとも前記複数の中空糸膜の自重を受けると共に該結束部の下方に気泡室を形成するソケット部材を有し、前記ソケット部材の側面部に散気管を挿通すると共に該散気管の外形よりも大きな開口部を形成したことを特徴とする膜分離ユニット。
【請求項2】
前記ソケット部材の底面部分に底板が当接していることを特徴とする請求項1に記載の膜分離ユニット。
【請求項3】
前記ソケット部材の側面部に挿通した散気管の吐出口が前記底板に向っていることを特徴とする請求項2に記載の膜分離ユニット。
【請求項4】
前記散気管の下面と底板との距離δが前記中空糸膜モジュールの散気用開口部の円相当直径よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の膜分離ユニット。
【請求項5】
前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の総面積から挿通部分の散気管の断面積を除いた面積Sは、前記散気用開口部の総面積Sの0.5倍以上4.0倍未満を有することを特徴とする請求項1に記載の膜分離ユニット。
【請求項6】
前記ソケット部材の側面部に散気管を挿通できる開口部を2箇所以上有することを特徴とした請求項1に記載の膜分離ユニット。
【請求項7】
前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の形状が、逆U字形状、三角形状、四角形状、五角形状のうちの少なくとも1つで形成されたことを特徴とする請求項1に記載の膜分離ユニット。
【請求項8】
前記ソケット部材の側面部に、該ソケット部材の周方向に45°ピッチで8方向、60°ピッチで6方向、あるいは90°ピッチで4方向の開口部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の膜分離ユニット。
【請求項9】
前記散気管は浮上可能に接続され、散気時に該散気管が浮上して前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の上部に当接し、該開口部において、該散気管の下部に該開口部の一部からなる隙間が形成されることを特徴とする請求項1から8項の何れか1項に記載の膜分離ユニット。
【請求項10】
前記散気管の下面に形成された散気吐出口に対応する位置に栓部材が設けられ、前記散気管が下降した際に、該散気吐出口に前記栓部材が挿入されて、該散気吐出口を閉塞することを特徴とする請求項9に記載の膜分離ユニット。
【請求項11】
前記ソケット部材の側面部に形成した開口部の開口面積を調整する開口面積調整手段を設けたことを特徴とする請求項1項に記載の膜分離ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−194680(P2008−194680A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4772(P2008−4772)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】