説明

膜形成シリコーン含有組成物

本発明は基材上に接着膜を形成することができるシリコーン含有組成物に関し、典型的に、成分(a)と(d)と、(b)又は(c)の少なくとも1つと:a.1分子当たり少なくとも3つのアルケニル基(以下、「SiVi」基と称する)を有するM及びQ単位からなるポリオルガノシロキサン樹脂、b.ポリシロキサン鎖上に少なくとも2つのSi−水素結合基(以下、「SiH」基と称する)を有するポリオルガノシロキサン化合物、c.末端SiH基を有するテレケリックポリオルガノシロキサン化合物及びd.SiH基とSiVi基との反応のためのヒドロシリル化触媒、e.組成物の0〜最大40重量%の量の液体希釈剤とを含有する硬化性シリコーン組成物を含み、該成分は基材上で接触させ、硬化して基材上に連続膜を形成するとき、40℃より低い温度でヒドロシリル化により反応する。こうした製剤は室温で素早く硬化することができ、接着性と粘着性との間で良好なバランスをもたらすことができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は基材上、とくに植物又は動物基材、例えば人間の皮膚又は植物の外皮とすることができる生体基材上に塗布することができるシリコーン含有組成物に関する。
【0002】
膜形成シリコーン含有組成物は化粧品、医薬品及び医療用途分野において有用であり得る。
【0003】
シリコーン化合物を含む系は、良好な移動抵抗、とくに耐水性及び耐摩擦性の効力を長時間保つこと、皮膚上への快適な沈着、並びに、シリコーンの皮膚との良好な生体適合性のような1つ以上の有利な特性を示すことができる、化粧品又は医療組成物を得ることを可能にする。
【0004】
化粧品製品とは、1976年7月27日付欧州指令第76/768/EEC号の第1条に規定されるように、人体の各種外部器官(表皮、毛髪系、爪、唇及び外性器)と又は口腔の歯及び粘膜と、排他的に又は主にそれらの洗浄、香りづけ、それらの外観を変えること及び/又は体臭の改善及び/又はそれらの保護若しくは良好な状態での保持を目的として、接触させることを意図するいずれかの物質又は製剤を意味する。
【0005】
医薬品の分野の化粧品からの区切りはそれらの使用領域及びそれらの使用目的の両方に言及する化粧品製品の詳細な定義のみからでは得られず、いくつかの製品は化粧品製品の定義に該当し得るが、病気及び完全性の変化から保護し、完全性を回復することのみを意図しており、こうした製品はよって医薬品製品又は医療デバイスのような規制品であり、さらに、人体に摂取、吸入、注射又は注入することを意図する物質又は製剤を含有する製品は化粧品の分野に入らない。皮膚保護剤、救急絆、ガーゼ又は創傷包帯製品のような製品も医薬品分野に入る。
【0006】
医薬品又は医療製品は一般的には、医薬品又は医療活性を有する治療活性剤Xを含有するが、媒体Yは化粧品製品のものと同様であってもよい。
【0007】
医薬品の局所送達用の多くの組成物は当技術分野において知られている。これらとしては、例えば、粘膜剤形、経皮送達系、皮膚及び皮下治療、薬用創傷包帯等が挙げられる。
【0008】
既知の薬物送達組成物のいくつかは、医薬品を体表又は体内に拡散させ、治療効果を局所的に又は全身的にもたらすことができるマトリクス又は膜であるシリコーン系材料を用いる。シリコーン系材料は、体表に呼吸膜を形成することができ、活性の持続又は制御放出を可能にするので、これらの組成物において望ましい。
【0009】
膜形成用の多くの製剤は、化粧品、医療及び医薬品技術分野において知られている。これらとしては、例えば、軟膏、クリーム、ローション、ゲル、エラストマー等が挙げられる。
【0010】
例えば、欧州特許第1057476号には、化粧品に用いるのに適した安定なクリーム状ゲル組成物について記載されている。そのゲルは60%〜90%の低粘度オルガノポリシロキサン、5%〜15%のビニル官能性MQ樹脂及び1%〜8%のポリシロキサン骨格に沿ってSi−H官能基を有するSi−H官能性ポリ(メチル水素)(ジメチル)シロキサンを含む混合物から開始して調製され、ヒドロシリル化は効果的な量のヒドロシリル化触媒により促進される。混合物を70℃〜130℃の温度まで2〜5時間加熱し、硬化を引き起こす。次に得られたゲルをせん断し、分離に耐性を示すクリーム状ゲルを形成する。
【0011】
欧州特許第465744号には、放出される作用剤(A)及びそのための媒体(B)を含む持続放出製剤について記載されている。その媒体は親水性成分並びにアルキル水素単位を有するポリシロキサン、不飽和基を有するポリシロキサン及び白金又はロジウム触媒を含有する硬化性シリコーン組成物を含む。その製剤は人間若しくは動物の体又は後者の腔に塗布し、in situ硬化し、治療又は診断剤(A)の体への持続放出が可能である包帯をもたらすことができる。
【0012】
欧州特許第0865787号には、例えば人間又は動物の体への、in situ塗布に適した別のシリコーン系材料について記載されている。欧州特許第0865787号には、噴霧可能な製剤を調製すること及び噴霧可能な製剤を所望の部位に噴霧することを含む制御放出組成物の生成方法について記載されているが、該噴霧は噴霧可能な製剤の混合をもたらし、該混合した噴霧可能な製剤は所望の部位でin situ硬化し、制御放出組成物を形成する。
【0013】
国際公開第2008/057155号には、「0.7〜1.5、一般的には0.8〜0.95の平均RHAlk及び0.4〜1、一般的には0.8〜0.95の平均RHCEを有するシリコーンゲル形成組成物並びにそのゲル形成組成物を硬化することにより生成されるシリコーンゲル。これらのゲルは医療デバイスを皮膚のような生体基材に一時的に接着させることに適している」と記載されている。
【0014】
国際公開第2008074844号は、少なくとも2つの別々にパッケージングされた化粧品組成物を含む化粧品キットに関し、そのキットは少なくとも1つのシリコーン化合物X、少なくとも1つのシリコーン化合物Y及び、任意で、少なくとも1つの触媒を含むが、ただし、化合物X及びY、並びに存在する場合触媒は該組成物の1つに同時には存在せず、該化合物X及びYは触媒が存在する場合ヒドロシリル化反応により又はそれらを互いに接触させる場合縮合反応により反応することができ、第1及び第2組成物の少なくとも1つは少なくとも1つの光沢油を含み、該化合物X及びY並びに該光沢油のそれぞれの量は2つの組成物を含む沈着物の平均光沢が100のうち60以上となる程である。
【0015】
高速硬化、良好な基材への接着性、低粘着性表面及び医薬品又は化粧品製品との適切な適合性を兼ね備える膜形成組成物のin situ製造方法を提供することがいまだ望まれている。
【0016】
化粧品又は医療用途に用いられ、一般的には生体に用いられる製剤は室温、例えば20℃〜30℃、及び/又は生体の温度、例えば30℃〜40℃のような低温でin situ硬化することができ、この硬化は速く、例えば10分未満であることが望ましい。
【0017】
その態様の1つでは、本発明は局所活性送達組成物の生成方法、及び皮膚、粘膜又は創傷組織上に膜を形成して医薬品活性分子を送達するための急速に固まるシリコーン系製剤の使用に関する。
【発明の概要】
【0018】
我々は特定の量の成分を有するシリコーン含有製剤が、高速硬化、良好な接着性及び低粘着性を兼ね備える目的を達成することができることを見出した。
【0019】
我々は、向上した接着性を有する非粘着性及び弾性膜をin situ形成することができる制御放出組成物のより適切な生成方法も見出した。
【0020】
その態様の1つでは、本発明は成分(a)と、(d)と、(b)又は(c)の少なくとも1つと、
a. 1分子当たり少なくとも3つのアルケニル基(以下、「SiVi」基と称する)を有するM及びQ単位からなるポリオルガノシロキサン樹脂
b. ポリシロキサン鎖上に少なくとも2つのSi−水素結合基(以下、「SiH」基と称する)を有するポリオルガノシロキサン化合物
c. 末端SiH基を有するテレケリックポリオルガノシロキサン化合物
d. SiH基とSiVi基との反応のためのヒドロシリル化触媒
e. 組成物の0〜最大40重量%の液体希釈剤と、
を含有する硬化性シリコーン製剤を含む組成物において、該成分は基材上で接触させ、硬化して基材上に連続膜を形成するとき、40℃より低い温度でヒドロシリル化により反応する組成物を提供する。
【0021】
これらの要件を満たす製剤は基材上の膜として室温/周囲温度で素早く硬化することができ、接着性要件と粘着性要件との間の良好なバランスをもたらすことができる、すなわち膜は基材との良好な接着性を示すことができる一方、基材と反対の表面は低い粘着性を示す。
【0022】
本発明は、その態様の1つにおいて、活性剤X及び媒体Yを含有する拡散性製剤を含む医療又は医薬品用の制御放出組成物であって、該媒体が成分(a)と、(d)と、(b)又は(c)の少なくとも1つと、
a. 1分子当たり少なくとも3つのアルケニル基(以下、「SiVi」基と称する)を有するM及びQ単位からなるポリオルガノシロキサン樹脂
b. ポリシロキサン鎖上に少なくとも2つのSi−水素結合基(以下、「SiH」基と称する)を有するポリオルガノシロキサン化合物
c. 末端SiH基を有するテレケリックポリオルガノシロキサン化合物
d. SiH基とSiVi基との反応のためのヒドロシリル化触媒
e. 組成物の0〜最大40重量%の液体希釈剤と、
を含有する硬化性シリコーン製剤を含む組成物において、該成分は基材上で接触させ、硬化して基材上に連続膜を形成するとき、40℃より低い温度でヒドロシリル化により反応する組成物を提供する。
【0023】
成分(a)は1分子当たり少なくとも3つのケイ素結合アルケニル基を有するポリジオルガノシロキサン樹脂であり、好適には残りのケイ素結合有機基はアルキル及びアリール基から選択され、該ポリジオルガノシロキサン樹脂は好適には1,500ダルトン〜50,000ダルトンの分子量を有する。
【0024】
SiH含有化合物(b)又は(c)は、好適には実質的にRHSiO−基、R2ZSiO−基及び任意でR2SiO−基で構成され、好適には25℃で1,000mm/s以下の粘度を有する、1分子当たり少なくとも2つのケイ素結合水素原子を有するヒドロシリコン化合物であり、式中、Rは8個以下の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を示し、ZはH又はRを示す。
【0025】
組成物は、ヒドロシリコン化合物が1分子当たり少なくとも3つのケイ素結合水素原子を有する場合、SiVi基、とくにアルケニル末端ポリジオルガノシロキサンを有するさらなる化合物を含有することができ、好適には有機置換基は8個以下の炭素原子を有し、25℃で1〜150,000mm/sの粘度を有するアルキル又はアリール基である。
【0026】
好適には組成物中の多量のSiVi基はMQ樹脂からもたらされる。従って、好適にはRVi>0.3、より好適には>0.9であるが、RViは組成物中のビニルの総モル数ビニルに対するビニルMQ樹脂中のビニルのモル数の比である。
【0027】
RViが本発明による組成物の必須成分であるMQ樹脂が存在しないことを示す0ではあり得ないことを認識することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
媒体Yの成分材料は、複数の容器に分離して拡散前に硬化するのを阻害すること、又はヒドロシリル化触媒(d)が一時的に阻害される、ヒドロシリル化触媒(d)をカプセル化することによりあるいは一時的阻害剤を添加することによりその一時的抑制が得られる独自の容器にパッケージングすることができる。
【0029】
本発明の製剤は製剤を所望の部位に拡散することにより塗布することができるが、該拡散は製剤の混合をもたらすことができ、又は製剤の混合は製剤の拡散前に行われる。
【0030】
触媒の活性化は製剤の拡散前に起こり得、又は製剤を拡散することによりもたらすことができ、又は製剤を混合することによりもたらすことができ、又は製剤の拡散後に起こり得る。
【0031】
拡散後、製剤は所望の部位でin situ硬化し、持続放出組成物を形成する。得られる持続放出組成物はよって医薬品又は生物活性剤Xを制御速度で送達することができる。
【0032】
本発明に用いられる活性剤Xは、持続放出組成物において結合することができ、その後所望の速度で放出することができるいずれかの固体又は液体物質を含むことができる。活性剤Xはまた、シリコーン製剤の硬化を許容できない程度まで妨げるべきではない。適切な活性剤Xは化粧品及び治療又は診断物質を含む。
【0033】
本発明は持続速度での所定の時間にわたる局所送達から恩恵を受ける治療及び診断活性剤Xにとくに適用可能である。例えば、特定の薬物について、動物の体内の薬物の量が継続的に治療濃度域内にとどまることが望ましいことが知られている。本発明による製剤を調整することにより、薬物を体内のそれらの濃度を治療濃度域内に保つ速度で送達する持続放出組成物を提供することが可能である。
【0034】
用いることができる治療活性剤Xとしては、例えば、抗ニキビ剤、抗生剤、消毒剤、抗真菌剤、抗菌剤、殺生物剤、抗炎症薬、収斂剤、ホルモン、抗癌剤、禁煙組成物、心臓脈管薬、ヒスタミン遮断薬、気管支拡張薬、鎮痛薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン、アルファ遮断薬、ベータ遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、抗凝集剤、鎮静薬、精神安定剤、抗けいれん薬、抗凝血剤、ビタミン、抗老化剤、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍治療剤、抗脂肪沈着剤、タンパク質分解酵素、治癒因子、細胞増殖栄養素、ペプチド等、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
【0035】
適切な治療活性剤Xの具体例としては、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、マクロライド、エピネフリン、アンフェタミン、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール酸塩、カテコールアミン、ベンゾジアゼピン、チオペンタール、コデイン、モルフィン、プロカイン、リドカイン、ベンゾカイン、スルホンアミド、チコナゾール、ペルブテロール、フロサミド、プラゾシン、プロスタグランジン、サルブタモール、インドメチカン、ジクロフェナク、グラフェニン、ジピリダモール、テオフィリン、レチノール、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0036】
治療又は診断物質に加えて、活性剤Xは、香料、体臭防止剤、顔料、発汗抑制剤化合物、ワックス、ゲル化剤又は柔らかく滑らかな感触をもたらすことができる別のシリコーン化合物、等のような化粧品とすることができる。適切な化粧品は当業者に知られている。
【0037】
本発明に用いられる活性剤Xの割合は、持続放出組成物における提案される送達速度で要求される用量を送達するのに必要である活性剤Xの濃度に従って選択される。これは最終持続放出組成物の0.001重量パーセント〜約70重量パーセント、好適には0.01重量パーセント〜20重量パーセントのような広範囲内で変化し得る。
【0038】
本発明に用いられる媒体Yは、硬化して他の成分(例えば本発明の活性剤X)の結合剤マトリクス(すなわち、それらはこうした成分を含有する又は取り込む)を形成するシリコーン(「ポリシロキサン」)又はシリコーン系材料を含む。
【0039】
本発明に用いられるポリシロキサンは、ケイ素結合不飽和炭化水素基(a)を有するポリオルガノシロキサン樹脂、ケイ素結合水素原子(b)を有するもの及びケイ素結合不飽和炭化水素基(c)を有するものを組み合わせて含む。これらのポリシロキサンは触媒(d)の存在下でヒドロシリル化反応を受け、鎖延長又は架橋エラストマーシリコーン膜をもたらす。
【0040】
ケイ素結合水素(例えばSi−H)を有する適切なポリシロキサン(b)としては、一般式RpHSiO(3−p/2)による単位を有するものが挙げられ、式中、Rはアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチル)又はフェニル基のような8個以下の炭素原子を有するアルキル又はアリール基を示し、pは0、1又は2である。各Rはメチル基を表すことが好ましい。末端基は各Rがメチル基を表す式R3SiO1/2を有することも好ましい。
【0041】
ケイ素結合水素を有するポリシロキサン(b)としては、環状化合物を形成するもの、例えばテトラメチルシクロテトラシロキサン(D4H)又はペンタメチルシクロペンタシロキサン(D5H)を挙げることができる。
【0042】
ケイ素結合水素原子を有するポリシロキサン(b)はあるいは、例えばR2SiO及びHRSiOを含み、末端基が式R3SiO1/2又はHR2SiO1/2を有するコポリマーであってもよいが、式中、Rは上で示したとおりである。
【0043】
ケイ素結合水素を有するポリシロキサン(b)はあるいは上述のポリシロキサンの混合物を含むことができ、本発明において用いることもできる。
【0044】
好適には、ケイ素結合水素原子を有するポリシロキサン(b)は、ポリマーの重量に対して0.0001mol/g〜5mol/gの水素原子及び25℃で約0.1mm/s〜約1,000mm/sの粘度を有する。
【0045】
適切なケイ素結合水素原子末端ポリシロキサン(c)としては、一般式HR2SiO2/2による単位を有するものが挙げられ、式中、各Rはアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチル)又はフェニル基のような、1〜8個の炭素原子を含有する一価炭化水素基を表す。各Rはメチル基を表すことが好ましい。
【0046】
好適には、ケイ素結合水素原子末端ポリシロキサン(c)は、ポリシロキサンの重量に対して0.00001mol/g〜2mol/gの水素原子を有する。
【0047】
ケイ素結合水素原子を有する適切なポリシロキサン(c)としては、25℃で約0.1mm/s〜約150,000mm/sの粘度を有するものが挙げられる。
【0048】
好適には、SiH基含有化合物は主に末端Si−H基を有するテレケリックポリオルガノシロキサン化合物(c)で形成される。好適には、成分(b)は存在しない。
【0049】
好適には、液体希釈剤は組成物の30重量%未満、より好適には25重量%未満の量である。
【0050】
好適には、MQ樹脂は組成物の30重量%〜60重量%の量である。
【0051】
好適には、SiH基含有成分は組成物の5重量%〜30重量%の量である。
【0052】
ケイ素結合不飽和基(a)を有する適切なポリオルガノシロキサン樹脂は、ポリマーネットワークの形成に十分な不飽和基を有するものである。官能性シロキサン樹脂構造はRSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)を含むことができ、各Rは単独で1〜20個の炭素原子を有する線状、分岐又は環状炭化水素基である。各Rは所望のとおり同じ又は異なるものとすることができる。Rの炭化水素基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ビニル、へキセニルのようなアルキル基及びフェニルのようなアリール基を挙げることができる。
【0053】
官能性シロキサン樹脂構造はいくつかのRSiO3/2単位(別名T単位)を含むことができ、基Rは異なるシロキサン単位において異なり得、ヒドロキシル、炭化水素、置換炭化水素、ヒドロカルボノキシ及び置換ヒドロカルボノキシ基から選択される。
【0054】
RiO1/2単位及びSiO4/2単位を含む樹脂は当技術分野において周知である。これらのコポリマーについては、例えば米国特許第3,936,582号、第2,676,182号、及び第2,857,356号に記載されている。樹脂コポリマーは、4個の加水分解性基を有するシラン、例えば、四塩化ケイ素、及び1個の加水分解性基を有するトリオルガノシラン、例えば、トリメチルクロロシランの適切な比での混合物の共加水分解により調製することができる。これらの樹脂コポリマーの具体的な調製方法については、シリカヒドロゾルをヘキサオルガノジシロキサン、例えばヘキサメチルジシロキサン、若しくは加水分解性トリオルガノシラン、例えばトリメチルクロロシラン、又はこれらの混合物のようなトリオルガノシロキシ単位の供給源と酸性条件下で反応させる米国特許第2,676,182号に記載されている。
【0055】
好適には、ケイ素結合不飽和基を有するポリオルガノシロキサン樹脂は、ポリマーの重量に対して0.00001mol/g〜0.1mol/gのビニル基を有する。
【0056】
本発明に用いられる触媒(d)は、当技術分野においてヒドロシリル化反応を促進することが知られるものを含む。これらとしては、例えば、白金及びロジウム材料が挙げられる。これらの触媒は、シリカゲル若しくは粉末木炭又は塩化第二白金、白金及び塩化白金酸の塩のような他の適当な化合物のような担体上に沈着した白金又はロジウムのようないずれかの形態をとることができるが、塩化白金酸は有機ケイ素系におけるその分散しやすさ及び混合物の色へのその影響のなさのため市販の六水和物若しくは無水形態のいずれかである。白金又はロジウム錯体、例えば、塩化白金酸六水和物及びジビニルテトラメチルジシロキサンから調製されるものを用いることもできる。好適な材料はジビニルテトラメチルジシロキサンにより安定化した白金錯体である。
【0057】
本発明のポリシロキサン及び触媒を混合する場合、それらは室温(20±5℃)で10分以内又は、より好適には5分未満以内で硬化する。硬化時間を減少させることができるので、約32℃である皮膚温度のようなより高い温度が有利である。十分な硬化を達成するため、RHV、ポリシロキサンのケイ素結合水素原子の製剤中のそれらと反応するすべての基(例えば不飽和基)に対する比が所望の硬化に影響を及ぼすのに適当であることが重要である。硬化時間は、製剤中に存在する他の成分材料のタイプ及び割合を含む各種要因によって決まる。低い又は中程度の粘度の材料(<10,000mm2/s)を用いること、RHV>1.5及び10ppm〜200ppmのPtレベルを有することは、その短い硬化時間を可能にする要因である。
【0058】
制御放出組成物中の媒体Yに由来する硬化結合剤マトリクスの割合は、塗布部位及び組成物の使用方法に応じて大きく変化し得る。例えば、制御放出組成物は30〜99.99重量%のこうした硬化結合剤マトリクスを含有することができる。
【0059】
最終持続放出組成物はゲル又はエラストマーの形態とすることができ、細孔(例えば泡)を有することができ、又は細孔を含まないものとすることができる。
【0060】
硬化時間を延ばすことが望ましい場合、製剤中に環状ポリメチルビニルシロキサン化合物又はアセチレンアルコール、例えばメチルブチノールのような既知の触媒阻害剤の1つを含めることができるが、これらは本発明による製剤において一般的には好ましくない。
【0061】
製剤の発泡が望ましい場合、それは、例えば、米国特許第4,026,845号に十分に記載されているように、ケイ素結合水素原子を有するポリシロキサンと反応するケイ素結合ヒドロキシル基を有するポリシロキサンを含むことにより、引き起こすことができる。
【0062】
あるいは、例えば、米国特許第4,550,125号に十分に記載されているように、脂肪族アルコール(例えば第1級脂肪族又は最大12個の炭素原子を有する低脂肪族単官能性アルコール(例えばエタノール、n−プロパノール、又はベンジルアルコール)のような芳香脂肪族アルコール)、シラノール又は揮発性発泡材料を製剤中に含めることができる。
【0063】
好適な発泡性製剤としては、欧州特許第0865787号に従って白金触媒の存在下で発泡及び硬化するケイ素結合又は炭素結合ヒドロキシル基を有する化合物が挙げられる。
【0064】
本発明の製剤は選択された添加物で補い、製剤の成分材料又は硬化時間のいずれにも悪影響を及ぼすことなく目標とする性能をもたらすことができる。
【0065】
例えば、添加物は製剤のレオロジー挙動を調整すること又は製剤の各種成分を相溶化することを補助する化合物とすることができる。化合物は希釈剤とも呼ばれる液体物質、又はゲル若しくは固体粒子の分散物のような別の物質とすることができる。用いることができる化合物としては、シリコーン揮発物質、シリコーン溶液、炭化水素、アルコール、ケトン、エステル及びその他の液体物質のような揮発性及び非揮発性液体が挙げられる。液体化合物の例としては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及び他の線状シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンのような環状シロキサンが挙げられる。例としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、エチルアセテート、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、パルミチン酸エステル、プロピレングリコール、安息香酸C12〜15アルキル、トリカプリル/カプリン酸グリセリド、ココ−カプリレート/カプレート、アジピン酸ジイソプロピル、フマル酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、安息香酸イソステアリル、酢酸ミリスチルエーテルとプロピレングリコール、乳酸ミリスチル、ステアリン酸オクチルドデシルステアロイル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ネオペンタン酸トリデシル、クエン酸トリイソセチル、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、鉱油、ジプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセリン、ヒマシ油、ラノリン油、ヒマワリ油、イソドデカン、C11〜12イソパラフィン、ポリデセン、及びこれらの誘導体も挙げられる。
【0066】
添加物は、所謂エラストマー混合物のようなゲルエラストマーシリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーンアクリレートコポリマー分散物のような膜形成剤又はシリコーンポリアミド化合物とすることができる。
【0067】
例えば、添加物は水とすることができる。水は媒体Yの成分において乳化することができ、又は媒体Yの成分は水相において乳化することができる。
【0068】
例えば、添加物は製剤の各種成分を相溶化する界面活性剤又は乳化剤とすることができる。用いることができる界面活性剤又は乳化剤としてはシリコーンポリエーテルが挙げられる。
【0069】
例えば、添加物はレオロジー挙動又は物理的特性を調整又は製剤の各種成分を相溶化する充填剤とすることができる。充填剤の語はいずれかの固体物質を含む。用いることができる充填剤としては、未処理又はステアリン酸塩又はステアリン酸で処理することができるシロキサン樹脂、ロジン系樹脂、アクリルポリマー樹脂、ポリサッカリド、カルボマー、アルギン酸塩、酸化亜鉛、研磨、沈降、及びコロイダル炭酸カルシウム;ヒュームドシリカ、沈降シリカ、及び疎水化シリカのような補強シリカ;粉砕石英、研磨石英、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタニウム、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、並びに黒鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
例えば、充填剤は、以下の範囲:0.1%〜5%の相溶化剤及び乾燥剤/5%〜15%のレオロジー調整剤及び質感向上剤/15%〜30%の機械的強度向上剤(すべて重量パーセント)で用いると以下の利点をもたらすシリカとすることができる。
【0071】
例えば、添加物は補完的な利点をもたらす化粧品賦形剤又は医薬品賦形剤とすることができる。もたらすことができる補完的な利点としては、軟化、部分又は完全密封、感覚上の利点、色が挙げられる。用いることができる化粧品賦形剤又は医薬品賦形剤としては、着色剤、変色指示薬、他の希釈剤、医薬品において用いられる賦形剤、製剤中及び周りの環境の制御においてpH緩衝剤として作用することを意図する化合物、安定剤、防腐剤、フッ素化シリコーンのような細胞製剤の界面活性剤、創傷の吸収剤、アルギン酸塩、ポリサッカリド、ゼラチン、コラーゲン、並びに硬化膜の表面上の摩擦を減少及び/又はその光沢を変化させることができる物質が挙げられる。
【0072】
本発明に用いることができる化粧品、パーソナルケア、及び薬用化粧品材料並びに医薬品賦形剤のいくつかの追加の例は、CTFA材料データベース及び医薬品賦形剤のハンドブックに見ることができ、例えば、吸収剤、固化防止剤、抗酸化剤、帯電防止剤、収斂剤、結合剤、緩衝剤、バルク剤、キレート剤、着色剤、化粧品収斂剤、化粧品殺生物剤、体臭防止剤、軟化剤、外用鎮痛薬、膜形成剤、香料添加剤、香料材料、保湿剤、細胞融解剤、保湿剤、密封促進剤、乳白剤、酸化及び還元剤、浸透促進剤、殺虫剤、可塑剤、防腐剤、皮膚漂白剤、皮膚調整剤、皮膚保護剤、滑り調整剤、可溶化剤、溶媒、日焼け防止剤、表面修飾剤、界面活性剤及び乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、増加又は減少剤を含む粘度制御剤、UV光吸収剤を挙げることができる。
【0073】
用いることができる化粧品、パーソナルケア及び薬用化粧品材料、並びに医薬品賦形剤は、例えば以下の化学類:アルコール、脂肪アルコール及びポリオール、アルデヒド、アルカノールアミン、アルコキシル化アルコール(例えばアルコール及び脂肪アルコールのポリエチレングリコール誘導体)、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルコキシル化カルボン酸、塩を含むアミド(例えばセラミド)、アミン、塩及びアルキル置換誘導体を含むアミノ酸、エステル、アルキル置換及びアシル誘導体、ポリアクリル酸、アクリルアミドコポリマー、アジピン酸コポリマー、アルコール、アミノシリコーン、生体ポリマー及び誘導体、ブチレンコポリマー、炭水化物(例えばポリサッカリド、キトサン及び誘導体)、カルボン酸、カルボマー、エステル、エーテル及びポリマーエーテル(例えばPEG誘導体、PPG誘導体)、グリセリルエステル及び誘導体、ハロゲン化合物、塩を含む複素環式化合物、塩及びガムを含む親水コロイド及び誘導体(例えばセルロース誘導体、ゼラチン、キサンタンガム、天然ガム)、イミダゾリン、無機物(クレイ、Ti02、ZnO)、ケトン(例えばカンファー)、イセチオン酸塩、ラノリン及び誘導体、有機塩、塩を含むフェノール(パラベン)、リン化合物(例えばリン酸塩誘導体)、ポリアクリレート及びアクリレートコポリマー、タンパク質及び酵素誘導体(例えばコラーゲン)、塩を含む合成ポリマー、シロキサン及びシラン、ソルビタン誘導体、ステロール、スルホン酸及び誘導体並びにワックスから選択される。
【0074】
抗ニキビ剤のいくつかの例としてはサリチル酸及び硫黄がある。抗真菌薬のいくつかの例としてはウンデシレン酸カルシウム、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、及びポビドンヨードである。
【0075】
抗菌薬のいくつかの例としては、アルコール、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、過酸化水素、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、ポロキサマー188、及びポビドンヨードがある。抗酸化剤のいくつかの例としては、アセチルシステイン、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、ペクチン酸アスコルビルメチルシラノール、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、p−ヒドロキシアニソール、BHT、t−ブチルヒドロキノン、コーヒー酸、カメリアシネンシス油、アスコルビン酸キトサン、グリコール酸キトサン、サリチル酸キトサン、クロロゲン酸、システイン、システインHCI、デシルメルカプトメチルイミダゾール、エリソルビン酸、ジアミルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジシクロペンタジエネルt−ブチルクレゾールコポリマー、トリオレイン酸ジガロイル、チオジプロピオン酸ジセチル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、イソクエルシトリン、ジオスミン、アスコルビル硫酸二ナトリウム、ルチニル二硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、ヒドロキノン、ヒドロキシルアミンHCI、硫酸ヒドロキシルアミン、チオグリコール酸イソオクチル、コジック酸、マデカッソシド、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、メラトニン、ルチニルコハク酸メトキシ−PEG−7、メチレンジ−t−ブチルクレゾール、アスコルビン酸メチルシラノール、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、フロログルシノール、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、チオジグリコールアミド、硫酸カリウム、没食子プロピル、ロスマリン酸、ルチン、アルコルビン酸ナトリウム、アスコルビル/コレステリルリン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール、ティーツリー(メラルーカ・アルターニフォリア)油、酢酸トコフェリル、アスコルビン酸テトラへキシルデシル、テトラヒドロジフェルロイルメタン、リノール酸/オレイン酸トコフェリル、チオジグリコール、コハク酸トコフェリル、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、チオタウリン、レチノール、トコフェレス−5、トコフェレス−10、トコフェレス−12、トコフェレス−18、トコフェレス−50、トコフェロール、トコフェルソラン、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、トコキノン、o−トリルビグアニド、亜リン酸トリス(ノニルフェニル1)、ユビキノン、及びジブチルジチオカルバミン酸亜鉛がある。化粧品殺生物剤のいくつかの例としては、フェノールスルホン酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アンモニウム、バクチオール、臭化ベンズアルコニウム、セチルリン酸ベンズアルコニウム、塩化ベンズアルコニウム、サッカリン酸ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、カリウムフェノキシド、ベンゾキシキン、塩化ベンゾキソニウム、ビスピリチオン、ホウ酸、ブロモクロロフェン、メト硫酸カンファーベンズアルコニウム、キャプタン、塩化セタルコニウム、臭化セテアラルコニウム、臭化セテチルジモニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、メト硫酸セトリモニウム、サッカリン酸セトリモニウム、トシル酸セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロラミンt、クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、ジグルコン酸クロルヘキシジン、二塩酸クロルヘキシジン、p−クロロ−m−クレゾール、クロロフェン、p−クロロフェノール、クロロチモール、クロロキシレノール、クロルフェネシン、シクロピロクスオラミン、クリンバゾール、クロフルカルバン、クロトリマゾール、石炭タール、コロイド硫黄、o−シトネン−5−01、酢酸デカリニウム、塩化デカリニウム、ジイセチオン酸ジブロモプロパミジン、ジクロロベンジルアルコール、ジクロロフェン、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン、ジクロロ−m−キシレノール、ジヨードメチルトリルスルホン、ジメチロールエチレンチオ尿素、ジフェニルメチルピペラジニルベンズイミダゾール、臭化ドミフェン、7−エチルビシクロオキサゾリジン、フルオロサラン、ホルムアルデヒド、グルタラール、ヘキサクロロフェン、ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジン、ヘキサミジンジパラベン、ヘキサミジンパラベン、ヘキサチジン、過酸化水素、ジオキソアザビシクロオクタン酸ヒドロキシメチル、イクタモール、イソプロピルクレゾール、塩化ラピリウム、臭化ラウルアルコニウム、塩化ラウルアルコニウム、臭化ラウルトリモニウム、塩化ラウルトリモニウム、ラウルトリモニウムトリクロロフェノキシド、臭化ラウリルイソキノリニウム、サッカリン酸ラウリルイソキノリニウム、塩化ラウリルピリジニウム、酸化第二水銀、メテナミン、塩化メテナモニウム、塩化メチルベンズエトニウム、塩化ミリスタルコニウム、サッカリン酸ミリスタルコニウム、臭化ミルトリモニウム、ノノキシノール−9ヨード、ノノキシノール−12ヨード、塩化オレアルコニウム、オキシキノリン、安息香酸オキシキノリン、硫酸オキシキノリン、塩化PEG−2−ココ−ベンゾニウム、塩化PEG−10ココ−ベンゾニウム、ウンデシレン酸PEG−6、ウンデシレン酸PEG−8、フェノール、o−フェニルフェノール、サリチル酸フェニル、ピロクトンオラミン、スルホスクシニルウンデシレネート、カリウムo−フェニルフェナート、サリチル酸カリウム、カリウムトロクロセン、プロピオン酸、pvp−ヨウ素、カテルニウム−8、カテルニウム−14、カテルニウム−24、フェノールスルホン酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、ナトリウムo−フェニルフェナート、シェール油スルホン酸ナトリウム、ウスニン酸ナトリウム、チアベンザゾール、2,2’−チオビス(4−クロロフェノール)、チラム、トリアセチン、トリクロカルバン、トリクロサン、ホウ酸トリオクチルドデシル、酸化ウンデシレンアミドプロピルアミン、ウンデシレネス−6、ウンデシレン酸、酢酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、システイン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、乳酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、亜鉛ピリチオン、硫酸亜鉛、及びウンデシレン酸亜鉛がある。外用鎮痛薬のいくつかの例としては、ベンジルアルコール、カプシカムオレオレジン(カプシカムフルテッセンオレオレジン)、サリチル酸メチル、カンファー、フェノール、カプサイシン、ジュニパータール(ジュニペラスオキシセドラスタール)、ナトリウムフェノラート(ナトリウムフェノキシド)、カプシカム(カプシカムフルテッセン)、メントール、レゾルシノール、ニコチン酸メチル、及びテルペンチン油(テルペンチン)がある。酸化剤のいくつかの例としては、過硫酸アンモニウム、過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化マグネシウム、過酸化メラミン、臭素酸カリウム、カロン酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過酸化炭酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、二酸化ストロンチウム、過酸化ストロンチウム、過酸化ウレア、及び過酸化亜鉛がある。減少剤のいくつかの例としては、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸アンモニウム、システマインhci、システイン、システインHCl、チオグリコール酸エタノールアミン、グルタチオン、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、ヒドロキノン、p−ヒドロキシアニゾール、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸マグネシウム、メルカプトプロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、硫酸カリウム、チオグリコール酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、硫化水素ナトリウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸ストロンチウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリセリン、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、及びホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛がある。皮膚漂白剤の例はヒドロキノンがある。皮膚保護剤のいくつかの例としては、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カラミン、ココアバター、タラ肝油、コロイダルオートミール、ジメチコン、グリセリン、カオリン、ラノリン、鉱油、ペトロラタム、サメ肝油、重炭酸ナトリウム、タルク、マンサク、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛がある。日焼け防止剤のいくつかの例としては、アミノ安息香酸、シノキセート、メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン、トリオレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、アミノ安息香酸エチル4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]、アミノ安息香酸グリセリル、ホモサレート、ラウソンとジヒドロキシアセトン、アントラニル酸メチル、オクトクリレン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、パジメート0、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、レッドペトロラタム、スリソベンゾン、二酸化チタニウム、及びサリチル酸トロラミンがある。UV光吸収剤のいくつかの例としては、アセトアミノサロール、アラトインPABA、ベンザルフタリド、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン1〜12、3−ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファー加水分解コラーゲンスルホンアミド、ベンジリデンカンファースルホン酸、サリチル酸ベンジル、ボルネロン、ブメトリオゾール、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ブチルPABA、セリドシリカ、セリドシリカタルク、シノキセート、メトキシ桂皮酸dea、ジベンゾキサゾールナフタレン、ジ−t−ブチルヒドロキシベンジリデンカンファー、トリオレイン酸ジガロイル、桂皮酸ジイソプロピルメチル、トシル酸ジメチルPABAエチルセテアリルジモニウム、ジオクチルブタミドトリアゾン、ジフェニルカルボメトキシアセトキシナフトピラン、ビスエチルフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチリルビフェニルトリアミノトリアジンスチルベンジスルホン酸二ナトリウム、ジスチルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジイソプロピル桂皮酸エチル、メトキシ桂皮酸エチル、エチルPABA、ウロカニン酸エチル、エトロクリレンフェルラ酸、オクタン酸ジメトキシ桂皮酸グリセリル、グリセリルPABA、サリチル酸グリコール、ホモサレート、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、サリチル酸イソプロピルベンジル、イソプロピルジベンゾイルメタン、メトキシ桂皮酸イソプロピル、アントラニル酸メンチル、サリチル酸メンチル、6−メチルベンジリデン、カンファー、オクトクリレン、オクトリゾール、オクチルジメチルPABA、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、PABA,PEG−25PABA、ペンチルジメチルPABA、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、メトキシ桂皮酸カリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸カリウム、レッドペトロラタム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸ナトリウム、ウロカニン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸tea、サリチル酸tea、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、二酸化チタニウム、トリpabaパンテノール、ウロカニン酸、及びva/クロトネート/メタクリロキシベンゾフェノンー1コポリマーがある。
【0076】
例えば添加物は、欧州特許第465,744号に記載されているように、吸水性、膨潤性又は制御放出特性を調整しながら生体接着性をもたらすことができる親水性物質とすることができる。こうした添加物としては、カルボマー(ポリアクリル酸)、ポリサッカリド、糖及び誘導体、ポリビニルアルコール、クリセリン、ポリエーテルグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
媒体Y中の成分材料の混合が室温での硬化を引き起こすため、これらの成分材料は使用前に複数の容器中に保存し、硬化を阻害することができる。例えば、1つの容器は触媒を含有することができ、2つめの容器はポリシロキサンを含有することができる。あるいは、触媒はシロキサンの1つと1つの容器に混合することができ、他のシロキサンは2つめの容器に入れることができる。製剤中の追加成分のそれぞれは、安定性、粘度、及び相互作用のような要因に応じてもっとも望ましい容器に入れる。
【0078】
媒体Yが使用前に硬化するのを防止する別の代替方法は、ヒドロシリル化触媒(d)をカプセル化することにより又は一時的阻害剤を添加することによりヒドロシリル化触媒(d)を一時的に阻害することを含む。
【0079】
本発明の方法に従って、媒体Y、活性剤X及びその他の任意の成分を含む拡散性製剤を、成分材料の混合をもたらすように、所望の部位に送達及び拡散する。製剤は塗布後に硬化し、持続放出組成物をもたらす。好適には拡散性製剤を、これに限定されないが、動物の体(例えば人間又は他の動物)を含む生体表面上に拡散する。
【0080】
本発明における送達は当技術分野において知られる従来技術により行われる。例えば、送達系としては、当技術分野において知られるような缶、管、小袋、注射器、スティック、ペンシル、ブラシ、スポンジ、湿式スタンプ及びロールオンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの送達デバイスは製剤の成分を分離する必要に応じて1つ以上のチェンバーを備えることができる。
【0081】
上記送達手段のどれを選択しても、製剤成分は所望の部位に送達及び拡散される。製剤成分の混合は、送達パッケージング内で、所望の部位への送達中又は拡散中に行うことができる。
【0082】
例えば、混合チェンバーは送達パッケージング中に組み込むことができ、製剤成分をそれらの別々の容器から引き出し、又は押し出し、送達する前に混合する。
【0083】
実施形態では、製剤成分を脆弱な壁により分離し、容易に破って互いに接触させることができる。次に混合を手で混練することにより又は当技術分野において知られる混合器具を用いて行う。
【0084】
別の実施形態では、製剤成分を静的ミキサーのような混合デバイス中に押し出した後、部位まで送達する。
【0085】
さらに別の実施形態では、製剤成分を続けて送達した後、所望の部位上で混合することができる。
【0086】
触媒がカプセル化又は一時的に阻害されている一液系の場合、外部要因が触媒を放出することにより硬化を引き起こす。例えば、こうした要因は、これらに限定されないが、温度上昇(例えば体温又は皮膚温度、ヘアドライヤー)、せん断効果又は特定の製剤添加物(例えば希釈剤)の蒸発であり得る。
【0087】
本発明は従来技術より優れた多数の利点を提供する。本明細書に記載する方法は、顔及び従来の接着パッチ又は噴霧組成物で治療することができない領域を含む各種塗布部位への持続放出組成物の簡単な投薬を可能にする。そのようなものとして、塗布には技能を有する施術者は必要ない。同様に、選択した製剤は、簡単かつ容易に持続されるin situ方法による持続放出組成物の形成を可能にする。また、持続放出組成物はさまざまな形状に形成することができ、特性(例えば生体接着性、放出速度及び放出プロファイル)の選択された組み合わせを有することができる。好適には、本発明は基材上に接着膜を形成することができるシリコーン含有組成物を提供する。
【0088】
同様に、本明細書に記載する製剤及び持続放出組成物は、使いやすさ及び美観に関して化粧品製品の特質を容易に包含することができ、さらに活性持続放出特性とともに医薬品治療送達系の利点ももたらすことができる。
【0089】
本発明の製剤及び持続放出組成物は一般的には多くの生体膜上で許容可能である。持続放出組成物は傷のない若しくは痛んだ皮膚上、又は体の天然若しくは人工腔において形成することができる。腔は、例えば、眼腔、口腔、鼻腔、膣腔若しくは直腸腔、又は例えば歯又は開放創において形成される腔であってもよい。
【0090】
組成物を製剤し、活性剤Xの中程度〜急速な放出をもたらすることができる。本発明による組成物の薬物送達プロファイルは、成分材料のタイプ及び割合並びに用いる材料の適当な選択により予め決定することができる。
【0091】
制御放出組成物はゲルからエラストマーまでの多くの物理的特性を有することができ、発泡することができ、患者の正常の活動中にかかる圧力の多くに耐えることができることは本発明のさらなる利点である。
【実施例】
【0092】
本発明を明確にするため、本発明の方法を例示する製剤の形態である/製剤からなる実施例及びそれから生成される膜について以下に記載する。指示のない限り、すべての部は重量により、すべての粘度は25℃でのものである。
【0093】
製剤は、各表の手順内容に示すように、一部又は二部工程のいずれかにおいて調製することができる。一部又は二部工程による製剤の調製は観測する性能パラメーターにはそれほど影響しないはずである。
【0094】
生成した膜はここに概説する評価方法に従って評価される。
・ 対照カード基材(LenetaカードWP−1)への接着性の評価である接着性;硬化膜の一片を基材からヘラを用いて除去することの難しさを評価する(基準:1=除去しやすい〜3=除去しにくい)。
・ きれいな指との接着性のレベルである残留粘着性(基準:1=粘着性がない〜3=粘着性がある)
・ 膜を非粘着性とする、又はその残留粘着性レベルで安定させるために必要な時間である不粘着時間(分、To=コーティング)
・ 膜表面上で指を滑らせることに対する抵抗の評価である抵抗(基準:1=滑りやすい〜3=抵抗がある)
【0095】
本発明を例示するのに用いる製剤成分Xを表1に示す。
【表1】

【0096】
本発明を例示するのに用いる製剤F1〜F3及び比較例CF4について表2に記載する。ビニル官能性MQ樹脂を含有する製剤F1〜F3から生成される膜は、ビニル官能性MQ樹脂を含有しない製剤CF4から生成される膜と比べてより高い接着性を示した。RVi>0.90である製剤F1及びF2から生成される膜はRVi<0.90である製剤F3から生成される膜と比べてより高い接着性を示した。RHVは反応前の製剤中のビニルのモル数に対する製剤中のSiHのモル数の比である。RViは反応前の製剤中のビニルのモル数に対するビニル樹脂中のビニルのモル数の比である。
【表2】

【0097】
製剤F1〜F3及びCF4を調製する方法:
1. A部のすべての材料を計量し、回転ミキサーで一晩均質化する
2. B部のすべての材料を計量し、回転ミキサーで一晩均質化する
3. A及びB部を1:1の比で歯科用ミキサーを用いて10秒間混合する
4. 基材(100ミクロン)上に直接コーティングする
5. 1分室温で乾燥させる
6. 32℃のオーブンに入れる
【0098】
最適な製剤を特定するため、いくつかの変形物をRHV又はRViのようなパラメーターを変えて調製した。これらから生成された膜は以下の限界性能応答:不粘着時間、残留粘着性、接着性及び抵抗を用いて評価した。対応する目標は、それぞれ:低不粘着時間、低残留粘着性、高接着性及び低抵抗である。
【0099】
製剤F1の変形物、F1a〜F1fを調製し、表3に記載する。RHVを変え、不粘着時間、接着性及び抵抗のようなパラメーターに影響を及ぼした。RHVが増加すると、不粘着時間及び抵抗は減少することが見出され、一方接着性は最適条件を示すことが見出された。接着性、不粘着時間及び抵抗の間の最適な妥協はF1及びFldに見られた。
【表3】

【0100】
製剤F1a〜F1fを調製する方法:
1. 触媒以外のすべての材料を計量し、回転ミキサーで一晩均質化する
2. 触媒を計量し、歯科用ミキサーを用いて10秒間混合する
3. 基材(100ミクロン)上に直接コーティングする
4. 1分室温で乾燥させる
5. 32℃のオーブンに入れる
【0101】
製剤F1の変形物、F1g〜F1jを調製し、表4に記載する。テレケリック線状シロキサン(c)に対するポリシロキサン樹脂(a)の比が増加すると、不粘着時間及び接着性は減少することが見出され、一方抵抗は増加することが見出された。接着性、不粘着時間及び抵抗の間の最適な妥協はF1及びFlgに見られた。
【表4】

【0102】
製剤F1g〜F1jを調製する方法:
1. 触媒以外のすべての材料を計量し、回転ミキサーで一晩均質化する
2. 触媒を計量し、歯科用ミキサーを用いて10秒間混合する
3. 基材(100ミクロン)上に直接コーティングする
4. 1分室温で乾燥させる
5. 32℃のオーブンに入れる
【0103】
製剤F2のRHVについての変形、F2a〜F2dを調製し、表5に記載する。RHVに対する変形は、不粘着時間、残留粘着性、接着性及び抵抗のようなパラメーターに影響を及ぼす。RHVが増加すると、不粘着時間及び接着性は減少することが見出され、一方残留粘着性及び抵抗は増加することが見出された。接着性、残留粘着性、不粘着時間及び抵抗の間の最適な妥協はF2及びF2aに見られた。
【表5】

【0104】
製剤F2a〜F2dを調製する方法:
1. 触媒以外のすべての材料を計量し、回転ミキサーで一晩均質化する
2. 触媒を計量し、歯科用ミキサーを用いて10秒間混合する
3. 基材(100ミクロン)上に直接コーティングする
4. 1分室温で乾燥させる
5. 32℃のオーブンに入れる
【0105】
製剤F1及びF2のA部及びB部とリドカイン(活性分子:2−(ジエチルアミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアミド;局所麻酔薬、抗不整脈薬として用いられる)との相溶性を、リドカインと製剤を構成する2つの部分のそれぞれとを混合し、表6に記載する組成物F1lidA、F1lidB、F2lidA及びF2lidBを得た後、視覚的に評価した。目視観測は各製剤F1及びF2の異なるA及びB部がリドカインと相溶性であることを確認する:F1lidA及びF1lidBは均質だが乳白色であり、一方F2lidA及びF2lidBは均質かつ透明だった。
【表6】

【0106】
組成物F1lidA、F1lidB、F2lidA及びF2lidBを調製する方法:
1. リドカインをミリスチン酸イソプロピル中に溶解する予備混合物を調製する
2. 予備混合物の半分をA部の残りの成分に添加し、渦ミキサーを用いて均質化する
3. 予備混合物の残り半分をB部の残りの成分に添加し、渦ミキサーを用いて均質化する
【0107】
表7に記載される製剤F1lid及びF2lidを、上記組成物F1lidA、F1lidB、F2lidA及びF2lidBを用い、それぞれA及びB部を1/1の比(重量比)で混合することによりさらに調製し、リドカイン(既知のヒドロシリル化反応阻害剤)の存在の異なる成分の架橋反応への影響を確認した。反応性に関して、とくにF2lidの場合、ヒドロシリル化反応のいくらかの阻害が観察された。結果として、系の網状化は遅延されるが、最終的にはF1lid及びF2lid製剤をそれぞれ32℃及び45℃のオーブンに入れた際に起きた。
【0108】
製剤の生成後、膜を形成し、膜からのリドカインの放出試験を行った。次にF1lid及びF2lidをレセプター液中に入れ、レセプター液中のリドカイン濃度を観測した。リドカインは両方の製剤F1lid及びF2lidから放出されることがわかった。
【表7】

【0109】
組成物F1lidA、F1lidB、F2lidA及びF2lidBを用いて製剤F1lid及びF2lidを調製する方法の後、膜を調製し、膜上で放出試験を行う方法:
1.A及びB部を1:1の比でヘラを用いて15秒間混合する
2. 約2gの製剤をプラスチック計量セルにおいて計量し、正確な重量を記録する
3. 反応を完了させる:製剤F1及びF2は21℃で〜15分、F2lidは21℃で1時間+32℃で1時間+45℃で20分、F1lidは21℃で1時間+32℃で1時間放置する
4. 計量セル+硬化製剤を50gの25:75(重量比)のEtOH:水中に浸漬する
5. バイアルを回転ミキサー/ホモジナイザー上に置く
6. 1時間、2時間、4時間及び24時間後に1mlの試料を採り、採った試料の正確な量を記録する
7. 試料中のリドカイン濃度を分析的に測定する(HPLC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(a)と、(d)と、(b)又は(c)の少なくとも1つと、
a. 1分子当たり少なくとも3つのアルケニル基(以下、「SiVi」基と称する)を有するM及びQ単位からなるポリオルガノシロキサン樹脂
b. ポリシロキサン鎖上に少なくとも2つのSi−水素結合基(以下、「SiH」基と称する)を有するポリオルガノシロキサン化合物
c. 末端SiH基を有するテレケリックポリオルガノシロキサン化合物
d. SiH基とSiVi基との反応のためのヒドロシリル化触媒
e. 組成物の0〜最大40重量%の液体希釈剤と、
を含み、前記成分は、基材上で接触させ、硬化して基材上に連続膜を形成するとき、40℃より低い温度におけるヒドロシリル化によって互いに反応する、組成物。
【請求項2】
前記SiH基含有化合物が、主に末端Si−H基を有するテレケリックポリオルガノシロキサン化合物で形成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記液体希釈剤が、前記組成物の25重量%未満の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記MQ樹脂が、前記組成物の30〜60重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記SiH基含有成分が、前記組成物の5〜30重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記基材が、ケラチン物質である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
活性剤X及び媒体Yを含有する拡散性製剤を含む医療又は医薬品用の制御放出組成物であって、該媒体が請求項1に記載の硬化性シリコーン組成物を含む、組成物。
【請求項8】
活性剤X及び媒体Yを含有する拡散性製剤を調整するステップを含み、該媒体が請求項1に記載の硬化性シリコーン組成物を含む、医療又は医薬品用の制御放出組成物の生成方法。

【公表番号】特表2012−532222(P2012−532222A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517915(P2012−517915)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/040878
【国際公開番号】WO2011/003054
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【出願人】(511262902)ダウ コーニング フランス エスエイエス (3)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING FRANCE SAS
【Fターム(参考)】