膜応力構造物
部品のセットから容易に組み立てられる解体可能な建物構造物が開示される。この建物構造物は建物構造物の長さに沿って間隔を置かれた複数の弓形フレーム部材を含む。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は複数の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジは2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。この建物構造物はさらに、第1および第2の脚部と摺動嵌合可能な基礎、および玉縁になった縦方向のエッジを有する複数の細長の膜を含む。これらの膜は隣り合う弓形フレーム部材の間に引き伸ばされる。これらの縦方向のエッジはロープ溝の中にある。弓形フレーム部材を強制的に互いから遠く離すため、およびこれらの膜を引き伸ばした状態に保つためにスプレッダが隣り合う弓形フレーム部材の間で広がる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構造物、特に、部品のキットまたはセットから容易に組み立てられることが可能である工場生産されたモジュール式の再配置可能な膜応力構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプの解体可能な建物は、建物の横方向に延びる垂直の平面内に配置されて建物の縦方向に間隔を置かれた複数の弓形フレームを有する建物であり、各々の弓形フレームは組み立て中に隣り合う弓形フレームの対の間に作用する調節可能なスプレッダ装置によって建物の縦方向に移動可能となるように地上または地上の支持体の上に取り付けられる。この方式では、これらの対の間に布の膜が張られることが見込まれる。
【0003】
上述のタイプの建物に関して最初に発行された特許の1つは1973年11月27日に発行されたSprungのカナダ特許第937479号である。この特許は、広い基礎から頂上へと上がる複数の垂直に立てられ、平行で縦方向に間隔を置かれた弓型フレームを有する建物構造物を開示した。これらの弓形フレームは積層木材の梁で元々は作られたが、その後、これらはアルミニウムのI字型の梁で作られた。細長片で構成されるコーティングされたナイロン膜覆いが隣り合う弓型フレームの間に置かれ、反対側は付属品を一方の側で弓形フレームの外側に固定するための玉縁状のエッジを設けるために厚くされた。膜覆いが相対的に積み重ねた状態で間隔を置かれた弓型フレームに固定された後、それぞれの膜覆いを張るために弓形フレームがスプレッダを使用して広げられた。1979年8月7日に発行されたSprungのカナダ特許第1059871号明細書はそのような建物構造物の建築を記述し、具体的に示し、改善した。
【0004】
1980年10月28日に発行されたLucasの米国特許第4229914号明細書は垂直平面内に複数の弓形フレームを有する建物構造物を開示している。各々の弓形フレームは概してI字型梁の断面の複数の相互に傾いた直線部分を有する。これらの弓形フレームは、正方形の断面の管で構成される水平方向の控え柱によって固定の位置に保持される。建物のための細長片の玉縁が弓形物への取り付けを可能にする。
【0005】
1993年1月26日に発行されたFriedmanの米国特許第5181352号は膜応力構造物の組立て接合のためのレインキャップシステムを開示している。この特許に例示された弓形物は各々、複数の中空で押し出し成形された箱型梁部分を有する。この箱型梁部分は、その対向する側で縦に延び、外側に開いたロープ溝の対を備えて形成される。箱型梁部分の接合部を覆うためにアルミニウムのレインキャップが適合される。このキャップは2つのへりによって箱型梁部分を把持することを可能にする金属キャップのバネ張力によって定位置に保持される。
【0006】
弓形フレームに使用される梁のための以前のロープ溝は梁に溶接されるかまたはボルトで固定された。これらのタイプの梁に付随する弓形フレームの間隔は小さく、例えば中心で5フィートをわずかに超えるのみであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのような解体可能な構造物を断熱する知られている方法は1インチの厚さのダクト断熱を付随するフォイル裏地のエアキャップの導入を含む。これは貧弱な断熱を提供する。
【0008】
そのような解体可能な構造物のために膜覆いを設置するための好ましい知られている方法は構造物の頂上から下方向に膜を挿入する工程を含む。この方法に付随する問題点は組立て作業員を頂上へ移動させるためのリフトの必要性、増加した組立て時間、および組立て作業員に対する増大した危険性を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの実施例によると、建物構造物の長さに沿って間隔を置かれた一組の弓形フレーム部材を含む建物構造物が提供される。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は一組の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジが2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。この建物構造物はさらに、第1および第2の脚部と摺動嵌合可能な基礎、および玉縁になった縦方向のエッジを有する複数の細長の膜を含む。これらの膜は隣り合う弓形フレーム部材の間に引き伸ばされる。これらの縦方向のエッジはロープ溝の中にある。弓形フレーム部材を強制的に互いから遠く離すため、およびこれらの膜を引き伸ばした状態に保つためにスプレッダが隣り合う弓形フレーム部材の間で広がる。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、建物構造物用に意図された梁が提供される。この建物構造物は複数の弓形フレーム部材および膜の細長片を含む。これらの弓形フレーム部材は建物構造物の長さに沿って間隔を置かれる。各々の弓形フレーム部材が複数の梁を含み、これらが当該の梁を含む。各々の膜の細長片がその対向する縦方向のエッジで、建物構造物の内側と外側の間の領域のフレーム部材の隣り合う対の間に固定される。当該の梁は対向する第1および第2のフランジを含み、これらの両方が2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。これらの溝は膜の縦方向のエッジを受け入れるように構成される。
【0011】
本発明の別の実施例によると、建物の隣り合う弓形フレーム部材を引き離して移動させるための伸縮自在のスプレッダが提供される。このスプレッダは実質的に中空の棒を含み、この棒は中空の棒の中に2つの対向する溝を規定する内側の隆線を有する。平面がこの棒を縦方向に二等分する。実質的にπ字型の棒は対向するエッジを有するウェブを含む。このπ字型の棒は中空の棒の中に嵌合するようにサイズを決められる。各々のウェブのエッジは溝のうちの一方に沿って摺動可能である。このウェブは二等分平面に近接して溝の中に位置決めされる。係止用アセンブリが中空の棒に相対したπ字型の棒の位置を固定する。スプレッダの端部にある手段がスプレッダを隣接する弓形フレーム部材に固定する。
【0012】
本発明の別の実施例によると、建物構造物を建築するための方法が提供される。建築された形態にあるこの建物構造物は複数の弓形フレーム部材、基礎、細長の膜、およびスプレッダを含む。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は複数の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジが2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。細長の膜は玉縁になった縦方向エッジおよび各々の玉縁になったエッジから続く1本のロープを有する。いずれの2つの隣り合う弓形フレーム部材の少なくとも一方が頂上ローラーアセンブリをやはり有する。本方法は、
(1)基礎の下の表面に沿って自在に移動できる基礎の1つに取り付けられた各々の脚部で弓形フレーム部材を立てて間隔を置く工程、
(2)2つの隣り合う前記弓形フレーム部材の各々の間でスプレッダが広がるように弓形フレーム部材にスプレッダを取り付ける工程、
(3)脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程(この仮設のローラーアセンブリおよび前記2つの隣り合う弓形フレーム部材の頂上ローラーアセンブリが膜の前進を推進する)、
(4)複数本のロープを溝の中に配置する工程、
(5)膜を2つの隣り合う弓形フレーム部材の各々の第1の脚部から溝を通して頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する膜が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程であって、複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程、
(6)スプレッダによって、弓形フレーム部材の間隔が増大して膜が張り詰められるように2つの隣り合うフレーム部材の各々を広げる工程、
(7)弓形フレーム部材を位置固定するために基礎を基礎直下の表面に固定する工程を含む。
【0013】
本発明の別の実施例によると、並んだ弓形フレーム部材の対の間で細長の膜を前進させるための方法が提供される。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は複数の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジが2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。細長の膜は玉縁になった縦方向エッジおよび玉縁になったエッジの各々から続く1本のロープを有する。弓形フレーム部材の各々は頂上ローラーアセンブリもやはり有する。本方法は、
(1)第1の脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程(この仮設のローラーアセンブリおよび2つの隣り合う弓形フレーム部材の頂上ローラーアセンブリが膜の前進を推進する)、
(2)複数本のロープを溝と部材の中に配置し、複数本のロープがローラーアセンブリを越える工程、
(3)第1の脚部から溝を通して頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する膜が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程であって、複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程を含む。
【0014】
本発明による建物構造物はカナダのような低温気候の場所における使用にとって特に望ましい構造を作るために断熱されてもよく、または断熱されなくてもよい。
【0015】
本発明による組立ての方法は構造物の底からの進入挿入によって構造物の膜の設置を可能にし、したがって、頂上における進入挿入に付随する問題を回避する。
【0016】
本発明のこれらおよびその他の利点は以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照すると明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は例示された実施形態と結び付けて述べられるであろうが、本発明をそのような実施形態に限定するように意図されないことは理解されるであろう。逆に、添付の特許請求項で規定されるような本発明の精神と範囲の中に含まれると見込まれるすべての変形例、改造例、および同等例が網羅されることが意図される。
【0018】
以下の説明では、図中の類似した特徴は同じ参照番号または類似した参照番号を与えられていることが見込まれる。
【0019】
概して端部の丸い構造の解体可能な建物構造物10が具体的に示される。しかしながら本発明による建物構造物が異なる構造を有することが可能であり、例えば端部が角状であってもよいことは理解されるであろう。図2に見られ得るように、解体可能な建物構造物10は3つの区画、すなわち第1の端部区画14、中央区画16、および第2の端部区画18に分けられる。中央区画16は複数の縦に間隔を置かれた弓型フレーム部材または弓形フレーム20、および可撓性で非透過性の材料で作られて構造物10に包囲を提供する細長片または膜24を含む。
【0020】
場合によっては織布部材と称される膜24は玉縁になった平行の縦方向エッジを有するタイプのものである。膜24はその広げられた縦方向のエッジで、建物構造物10の内側と外側の間の領域で弓形フレーム20の隣り合う対の各々の間に固定される。
【0021】
図3を参照すると、弓形フレーム20は例示された実施形態の中で90フィートの径間Wを有する。したがって、構造物10は90フィート構造と称される。例示された弓形フレーム20の高さHは約35.4フィートである。例示された構造は30フィートから90フィートの径間にとって適しているが、たとえさらに大きい(さらに強い)弓形部材が使用されれば、より大きな径間でも本質的に同じ構造が供給されることが可能である。
【0022】
90フィート構造に適したいくつかの構造部品は100フィートを超える弓形フレーム径間を有する構造にとって適していないが、しかし90フィートに加えて、多様な他の径間幅もあり得る。他の見込まれる径間幅は、例えば特別誂えの中でも30フィート、40フィート、50フィート、60フィート、70フィートおよび80フィートである。
【0023】
各々の弓形フレーム20は第1の脚部30から頂上34へと延び、第2の脚部35へと戻る。各々の弓形フレーム20は複数の梁を含み、いくつかは屈曲し、その他は実質的に直線的である。図4に断面で例示された梁はI型の梁であり、弓形フレーム20のその他の梁もまたそうである。I型梁は構造物10を建築するために構造的に有利である。
【0024】
弓形フレーム20の正面輪郭が図3に示されている。弓形フレーム20は、頂上34に向かって内側に曲がる前に両方の脚部の基礎接触端部34、35から上に向かって、梁の外側エッジに沿って測って約4フィート延びる。弓形フレーム20の屈曲部分は外側エッジに沿って測った長さで約13.4フィートである。弓形フレーム20の屋根部分は逆V形状を有する。屋根部分の梁は約26°の角度で上に向かって傾けられる。頂上34から屈曲転移点38まで測った弓形フレーム20の部分は長さで約42.6フィートである。屋根部分のこの構成は雨および別の場合ではこの屋根部分に積もると見込まれる雪による重力の除去を容易にする勾配を与える。
【0025】
弓形フレームの他の実施形態は弓形フレーム20に関する上述の寸法とは異なる寸法を有するであろう。40フィート構造のケースでは、この構造のための1つの見込まれる弓形フレームは40フィートの径間と約21.3フィートの高さを有するであろう。この特定の弓形フレームは弓形フレームの頂上に向かって内側に曲がる前に両方の脚部の基礎接触端部から上に向かって、梁の外側エッジに沿って測って約4フィート延びる。弓形フレームの屈曲部分は外側エッジに沿って測った長さで約13.4フィートである。屋根部分の梁は約26°の角度で上に向かって傾けられるであろう。頂上から屈曲転移点38までのこの弓形フレームの部分は長さで約14.8フィートであろう。径間サイズを変えることにより設計基準に合致するように屈曲部分の長さ、上向きの傾斜、および頂上から転移点までの長さがそれ相応に変わるであろうことを当業者は認識するであろう。
【0026】
図4に例示されたI字型梁40は中央のウェブ44を有し、ウェブ44の一方の端部に外側または第1のフランジ52、ウェブ44の他方の端部に内側または第2のフランジ48を具備する。フランジ48と52はI字型梁40の対向する端部にあり、ウェブと一体になっている。ウェブ44は弓形フレームが立てられると垂直平面に平行である。
【0027】
フランジ48と52は両方共にウェブ44よりも厚く、中央通路56と60をそれぞれ有する。通路56、60は内側に入り込むリブ64によって幅を小さくされる開放部を有する。通路56、60は3/8インチの角頭ボルトが滑り入れられることを許容する。したがって、(看板などの)構造物がフランジ52の中にボルトで固定されることが可能である。同様に、構造物が他のフランジに取り付けられることが可能である。
【0028】
一実施形態では、I字型梁は5インチ×10インチの押し出し成形アルミニウムのI字型梁であるが、しかしながらI字型梁に関する他の断面寸法も見込まれることは理解されるであろう。100フィートから160フィートの弓形フレーム径間を有する構造物にとって8インチ×12インチのI字型梁が特に望ましいことが見込まれる。また、アルミニウムがI字型梁の生産にとって唯一の適切な材料であるというわけでもない。
【0029】
フランジ48および52の両方が二股に分かれた端部を有する。フランジ48の二股に分かれた端部の各々はエッジ80および81を有する。フランジ52の二股に分かれた端部の各々はエッジ83および85を有する。
【0030】
フランジ48の二股に分かれた端部の各々がC字形状のロープ溝68を規定する。フランジ52の二股に分かれた端部の各々がC字形状のロープ溝69を規定する。ロープ溝開放部74、75がロープ溝68、69にそれぞれ付随する。開放部74および75は玉縁になったエッジ72がロープ溝から出ることを阻止するように十分に収縮させられる。
【0031】
機能的恩典が本願明細書に開示された溝の形状からもたらされる。様々な先行技術による解体可能な建物構造物に見受けられるロープ溝はロープ溝−膜界面における水封じの欠如の一因となる。本発明の実施形態の二重エッジ部分は弓形フレームのロープ溝を通る玉縁になったエッジの移動に関して削減された摩擦を容易にする。
【0032】
先行技術にあるように、ロープ溝68の壁は膜24の玉縁になったエッジ72を収容できるように形作られる。各々のロープ溝68、69は開放部74、75を介してそれぞれアクセス可能である。開放部74、75は膜24の玉縁になったエッジ72がロープ溝68から外れるのを防止するように各々十分に制限される。
【0033】
フランジのエッジの形状が原因で、開放部74、75は組み立てられた配向ではI字型梁の内側76に向かって配向させられる。また、並んだ弓形フレーム部材の対の間で細長の膜を前進させるために次で検討される方法の間に、開放部74、75は削減された摩擦でロープ溝を通して膜24を引くことを可能にするような方式でフランジ48、52の線から外にそれぞれ大幅に角度を付けられる(すなわちこれらの開放部は緩んだ吊り下がり膜の自然な方向にあり、それにより、フレーム部材20に沿って引かれると膜は自然な方向に落下する)。さらに特定して述べると、開放部74、75の配向は緩んで吊り下がった膜がその付随するロープ溝開放部の中央から抜け出ることを可能にし、それにより、例えばロープ溝開放部がフランジの線から外れないように設計がなされる場合と比べると、膜の前進時の膜24と隣りの弓形フレーム部材20の間の摩擦を減らす。同様に、いったん膜が定位置になって隣り合うフレーム部材20が膜24を張るために強制的に間隔を開けられると、膜とそれに付随するフレーム部材の間の水封じは開放部74と75の配向によって向上する。
【0034】
フランジのエッジ80および83はウェブ44から外方向に延び、90度を超える角度を通じて構造物10の内部に向かって曲がる。また、開放部74を規定するフランジのエッジ80および81は先を丸められ、開放部74で相対的に広げられる。開放部75を規定するフランジのエッジ83および85もまた、先を丸められて開放部75で相対的に広げられる。
【0035】
弓形フレーム部材20のこの構成は建物構造物10が外部の単一の膜覆い、または外部と内部の両方の膜の層の二重の膜覆いのどちらかを有することを可能にする。
【0036】
保温キャップ84が通路60の中にパチンと嵌まる(クリップ88を含めた)複数の弾力性クリップによってI字型梁の外側にわたって取り付けられる。保温キャップ84は隣り合うI字型梁と同じ金属で作られてもよく、膜24と一致するように粉体塗装によって着色されてもよい。例示された実施形態では、保温キャップ84はわずかに曲げられており、端部の両方に沿って延びるシール90を有する。例示された実施形態では、保温キャップ84は隣り合うI字型梁との直接接触を避ける。
【0037】
保温キャップ84は構造物10の内部と外部の間の熱移動を削減するための手段である。保温キャップ84は構造物10の外側の空気へのI字型梁40の直接曝露を阻止する。金属が優れた熱伝導体であり、それゆえに例えば外側の空気が冷えているとき、外側空気への熱移動が前述のように隣り合うI字型梁40と直接接触していない保温キャップ84によって削減されることは理解されるであろう。
【0038】
ネオプレンで作製されることが好ましい細長のシール90は膜24の外側表面から構造物10の内側への水漏れの可能性を減らすためにフランジ52の外側表面に係合する。例示されたシール90はシールの全長に延びる中央の内部通路を有する。しかしながら、シールが完全に中実であってもよい。
【0039】
シール90によって容易にされる密閉作用は開放部75の配向によって促進される。さらに特定すると、外部の水は溝に入るために上に流れてエッジ83を越えなければならないので、この配向はロープ溝69の中への水の進入を阻止することに特に効果的である。
【0040】
弓形フレームの脚部と摺動して嵌合可能な一体型ベースプレートが図4および5に例示されている。この部品は平坦なベース部材96および一体に形成されて上方向に延びるウェブ98を有するベースプレート94を含む。ベースプレート94はアルミニウムまたはいずれかの適切な材料で作られてもよい。例示された実施形態では、ベース部材96は2つの角が欠如した1フィート×1フィート平方であり、ベース部材96は暑さ5/8インチであり、ウェブ98は厚さ3/8インチである。ベース部材96が上記で列挙された寸法とは異なる寸法を有し得ることは理解されるであろう。さらに特定すると、さらに大きいバージョンの構造物ではさらに大きい一体型ベースプレートが必要とされる。
【0041】
スラブ100の中に埋め込まれるアンカーボルト104によるコンクリートスラブまたは土台100へのベースプレート94の取り付けを可能にするためにベース部材96に開口99が設けられる。支柱基礎当たり少なくとも2つのアンカーボルトが使用される。適切な接合具アセンブリ(例示された実施形態ではこれは5/8インチ×2インチのボルト106、ナット108およびワッシャ110を含むが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい)によってI字型梁をベースプレート94に堅固に取り付けるためにウェブ98および隣り合うI字型梁の両方に開口が設けられる。
【0042】
地面および支持構造物10に固定するために弓形フレーム部材20の脚部が場合によって一体型ベースプレートと併せて使用されるピンおよび/または地中アンカーを有し得るケースではコンクリートスラブまたは土台100が利用不可能であることが見込まれる。
【0043】
同様に、例示された基礎に加えて多様な他の基礎が可能であることを当業者は理解するであろう。例えば、基礎は米国特許第4583331号明細書に例示された2ウェブの基礎に外見上さらに類似していてもよい。それでもなお、屈曲に抵抗する能力が理由で、例示された基礎は例示された実施形態において有利である。また、知られている基礎に比べて例示された基礎ではさらに少ない接続部を伴ない、建物構造物10の建立を容易にする。
【0044】
図6は図3に示された線V−Vに沿ってとられた建物構造物10の屋根部分の断面図である。スプレッダ114が隣り合う弓形フレーム20のI字型梁の間に延びる。スプレッダ114は強制的に弓形フレーム20を互いから離し、膜24を張り詰めた状態に維持する。スプレッダ114はスプレッダ接合具118によってI字型梁40に取り付けられる。これらのスプレッダ接合具118の各々が外方向に延びる部材120、部材120に直角なフランジ122、および引っ掛け部124を含む。
【0045】
スプレッダ114はいくぶん正方形で中空の棒130、およびπ字型の棒(π棒)132と136を有する。π棒132と136の外方向に延びる端部は接合具アセンブリ140(例示された実施形態ではこれは5/8インチ×(2+1/4)インチのボルト、ナットおよびワッシャを含むが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい)によってスプレッダ接合具118の部材120に付いている。他方ではスプレッダ接合具118はフランジ122およびウェブ44の開口を貫通して延びる接合具アセンブリ141によってI字型梁に取り付けられる。これらの取り付け手段はまた、引っ掛け部124を受け入れるようにサイズを決められる内側フランジ48内の通路を含む。先行技術による設計では、スプレッダはI字型梁にボルトで固定されることを必要とした。スプレッダをI字型梁にボルトで直接固定する必要性を取り除くことは建物構造物の組立てをさらに容易にする。スプレッダ接合具118の使用、および弓形フレームのI字型梁の形状がこれを可能にする。
【0046】
例示された実施形態では、スプレッダ114は接合具アセンブリ140、スプレッダ接合具118、および引っ掛け部124を含む固定手段によって隣りの弓形フレーム部材に固定される。直接ボルト固定(前の段落に述べられている)などの多様な代替固定手段が使用され得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0047】
図7は図6に示された線VI−VIに沿ってとられたスプレッダ114の断面図である。溝148がスプレッダ114の対向する壁150に形成される。特に、2本の隆線149が各々の溝148を規定する。π棒136は2つの対向するエッジ157および2つの平行するリブ158を有するウェブ154を含む。π棒136は溝148を介してスプレッダ114に摺動可能に接続される。特定すると、エッジ157が溝148に沿って摺動することができる。
【0048】
ウェブ154はスプレッダ114の壁160から十分に間隔を置かれ、ウェブ154はπ棒136を縦方向で二股に分ける平面に密接に隣接する。このπ棒はスプレッダの質量中心に近接する。スプレッダ内でのπ棒のこの配置はスプレッダの強度を上げる。
【0049】
当業者によって理解されるであろうが、弓形フレームを広げて弓形フレームの間で膜24を適切に張るためにスプレッダ114が使用される。特に、知られている水圧ラムがスプレッダ114と併せて使用されてもよい。伸長工程において、スプレッダ114のπ棒136は膜24が適切に張られるまで外方向に伸縮自在であり、このポイントで係止用アセンブリまたは係止用手段164がπ棒136の位置を中空棒130の中で固定する。伸長工程の中ではまた、構造物の膜パネルは各々のパネルが弓形の間で均等に張られることを確実にするように約±1%で補償される。
【0050】
中空棒の中の空洞170は肋状構造172を有する壁によって規定される。壁が肋状にされるので、スプレッダ114の強度が上げられる。
【0051】
例示されたスプレッダは2本のπ棒を含むが、しかしながらスプレッダ当たり2本ではなくスプレッダ当たり1本のπ棒のみがあることもあり得る。直接ボルト固定(前の段落に述べられている)などの多様な代替固定手段が使用され得ることは当業者によって理解されるであろう。この実施形態では、π棒136が取り付けられるスプレッダ接合具118は嵌めこまれた軌道および1本のボルトを含む接合具手段を使用して定位置に係止される。
【0052】
図8および9は構造物10の頂上34を例示している。単一のI字型梁40を有する頂上領域を構成することは可能であるが、例示された実施形態では頂上領域は2つのI字型梁40の端部を有する。したがって、頂上34で隣接するI字型梁を連結するために2つの頂上接合プレート176が使用される。
【0053】
例示された実施形態では、プレート176は厚さ1/2インチのアルミニウムのプレートで台形の形状を有する。プレート176のエッジ178および180はI字型梁の上端エッジ182および184にそれぞれ実質的に平行である。例示された実施形態では、プレート176の側部188は長さで約2フィート2インチである。プレート176は適切な接合具アセンブリ192(これは5/8インチ×(2+1/4)インチのボルト、ナットおよびワッシャを含んでもよいが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい)によって隣接するI字型梁に取り付けられる。
【0054】
例示された実施形態では、内側の保持子キャップ198が頂上の両側に1つで頂上に取り付けられる。図9に例示されたI字型梁の断面が図4に例示されたI字型梁の断面とはわずかに異なることが指摘される。特に、各々のロープ溝68に関してエッジ81が良好に処理されている。キャップ198は不足分のロープ溝エッジを供給し、それにより、これらの場所における膜の玉縁になったエッジの詰まりを防止する。適切な接合具アセンブリ206が内側保持子キャップ198の隣接するI字型梁への取り付けを可能にする。頂上ローラーアセンブリが適切に機能するようにロープ溝68が頂上で改造されていることは理解されるであろう。
【0055】
図10および11は構造物10の下側屋根領域におけるI字型梁の接合処理を例示している。2つの接合用プレート210がI字型梁のウェブ44の対向する側に取り付けられる。例示された実施形態では、接合用プレートは3フィート×(7+3/8)インチであり、I字型梁40と同じ材料で作られてもよく、側部に沿ってフランジ211と213を有する。これらのフランジはウェブ44から外方向に(1+7/8)インチ延びる。これらのフランジ211と213はまた、フランジ48と52にそれぞれ近接して隣接し、ロープ溝68、69のためにそれぞれ補強を提供する。接合用プレート210が上記に列挙された寸法とは異なる寸法を有し得ることは理解されるであろう。
【0056】
接合用プレート210をウェブ44に取り付けるために3つの接合具アセンブリ214の4つのセットが使用される。各々のセットにある接合具アセンブリ214は(図10に最も良好に見られるように)V字構成にある。接合具アセンブリ214は図9に示された接合具アセンブリ192と同じ構造であってもよい。建物構造物10の一実施形態では、組立ての複雑さを減らすために実質的に同じサイズと構造の接合具アセンブリが殆どの接続に使用される。例示された実施形態では、接合具アセンブリの各々のセットは隣り合う接合具アセンブリのセットから少なくとも7インチ間隔を置かれる。細い雨押さえ218がフランジ48の外側露出表面全域にわたって取り付けられる。雨押さえ218はフランジの中央通路を保護し、雨除けを容易にする。
【0057】
低温気候にとって適切にするために構造物10を断熱することが可能である。好ましい断熱システムが図12に例示されている。特に、内側と外側の膜24の間にガラス繊維の断熱材222が嵌め込まれる。この断熱システムはまた、中央に約2フィートの断熱材保持用チューブ226を含む。チューブ226はアルミニウムを含めた様々な異なる材料から作製されることが見込まれる。また、チューブ226はウェブ44に直角で伸縮自在な配列にあり、フランジの面76から外方向に所定の距離で間隔を置かれ、そのような間隔の距離は1/4インチ程度であってもよい。ボルト230はチューブ226をフランジ48に固定し、ボルト230はフランジ48内に形成されたボルト受け通路232の中に嵌まり込む。断熱材の区画はπ棒136の間にはめ込まれ、幅約7または8インチの3M(登録商標)テープの細長片が弓形フレームの一方の端部から他方の端部に延びるように内側フランジ48全域にわたって重ねられ、それによりテープと断熱材が、湿気に対する防湿を提供する。同様に、断熱材222の区画のエッジにテープを貼ることによる対応する弓形フレーム部材20への断熱で、膜を張っている過程でフレームが互いから遠ざかって外方向に広げられるとき、隣り合うフレームの間で断熱材が完全に引き伸ばされる保証が提供される。別の方法では断熱材が広がらないことも見込まれ、これらが広げられた後に区画のエッジと弓形フレーム部材の間に隙間が残ることも見込まれる。
【0058】
内側の膜と外側の膜の間の空間が断熱材で殆ど充填されるので膜の間の空気デッドスペースの量が都合良く最少限にされることは理解されるであろう。保温キャップ84およびシール90を含むI字型梁の周囲の外側シールは断熱材222への水害を阻止する。
【0059】
図13および14を参照すると、建物構造物10が建築または解体されるときに弓形フレーム20のロープ溝68、69を通じて膜24を前進させるための方法の中で頂上ローラーアセンブリが使用される。頂上ローラーアセンブリ240は3つのフェノール樹脂車輪244を含む。一実施形態では、車輪244は(3+1/4)インチ×2インチのサイズである。車輪軸受けが車輪244の各々に動作可能に付随する。接合具アセンブリ248が隣り合う車輪244の2つの上端のうちの一方を通って延び、車輪244を接合プレート252に取り付ける。接合プレート252は適切な取り付け手段によって(例えば溶接によって)接合プレート176に取り付けられる。例示された実施形態では、接合具アセンブリ248は5/8インチ×4インチのボルト、5/8インチ×3/4インチ×(2+7/16)インチのスパナブッシング、5/8インチのロックナット、およびワッシャを含むが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい。
【0060】
図14に示されるように、直角の金属ブラケット260が適切な接合具アセンブリ266によってI字型梁263の内側向きフランジ262に取り付けられる。例示された実施形態では、接合具アセンブリ266は3/8インチ×(1+1/2)インチ平方の四角ボルトとワッシャを含むが、様々な他のタイプの接合具アセンブリまたは接続手段も見込まれる。接合具アセンブリ270は車輪244のうちの1つをブラケット260に取り付ける。接合具アセンブリ270は接合具アセンブリ248と同じ接合具アセンブリであってもよい。しかしながら、接合具アセンブリ248が車輪244を通して挿入される方向とは逆の方向で接合具アセンブリ270が車輪244を通して挿入されることが指摘される。
【0061】
ロープ溝274のための境界となるであろう部分を形成する壁の一部が車輪244を収納するために取り外されている(ロープ溝275についても同様である)。車輪244の円周の周囲に形成された通路278がロープ溝274を完結させる(ロープ溝275についても同様である)。通路278とフランジ部分の両方がロープ溝274を通って前進するようにロープ282を導き、したがって、ロープ282がロープ溝274から外れるのを防止するために車輪244の通路278が隣り合うフランジのロープ溝形成部分に十分に近いことを必要とすることは理解されるであろう。同じ必要条件が、ロープがロープ溝275を通って引っ張られるときにも当てはまる。
【0062】
建物構造物10の建築後に頂上から取り外されることを必要としない(好ましくは取り外されない)という意味でローラーアセンブリ240と単一ローラー車輪は「常設」であることが理解されるであろう。
【0063】
建物構造物10を建築するための方法は以下の工程を含む。最初に、弓形フレーム部材20が立てられて間隔を設けられ、弓形フレーム部材20の各々の脚部30および35が基礎の下の表面に沿って自在に移動できるように基礎の1つに取り付けられる。スプレッダ114が弓形フレーム部材20に取り付けられ、それにより、スプレッダは隣り合うフレーム部材20の各々の対の間で延びる。仮設のローラーアセンブリが脚部30および35に設置される(これら仮設のローラーアセンブリおよび頂上ローラーアセンブリ240は膜24の前進を推進する)。次に、下記で述べられるように膜24が弓形フレーム20に取り付けられる。次に、当業者によって理解されるように膜24がウィンチで下に引き伸ばされ、次の工程に先立ってこれらを定位置に保つためにボルトが玉縁になったエッジの中に通される。次に、弓形フレーム部材20の間隔が増大して膜24が張り詰められるように各々のフレーム部材の対がスプレッダ114を使用して広げられる。その後、弓形フレーム部材20を位置固定するために(図5に例として図解されるように)基礎がスラブ100に固定される。
【0064】
膜を弓形フレームに接続するための方法の最初の工程は、ロープ溝を通る膜の玉縁になったエッジの前進に関して摩擦を減らすためにI字型梁のロープ溝に潤滑剤を加える工程である。ドライシリコーン潤滑剤が使用され得ることが好ましく、この潤滑剤はスプレー缶で販売されている。したがって都合の良いことに、潤滑剤はロープ溝の中にスプレー噴射されることが可能である。場合によっては膜の溝もやはり予め潤滑化されることが可能である。
【0065】
本発明に開示される組立て方法の好ましい実施形態では、中に膜が供給される端部に対向する弓形フレームの対の端部に電動または手動で運転される知られているロープ推進機が据え付けられる。膜応力構造物の30フィート径間バージョンについては、単純にこれらを引っ張ることによってロープ282を前進させることが可能である。
【0066】
図13を参照すると、ロープ282は膜の玉縁になったエッジ294の一方の端部と一体型であるか、またはこれに継ぎ合わされる。ロープ282が弓形フレーム298の一方の端部からローラーアセンブリ240の上に上がり、弓形フレーム298の反対側の端部へ下がって延びることが必要であることは理解されるであろう。したがって、ロープ282はオーバースローの約2倍の長さでなければならない。
【0067】
推進機が2本のロープ282を前進させることによってロープ溝を通して膜を走らせる前に、複数本のロープ282がロープ溝の中に配置され、複数本のロープがローラーアセンブリ240を越える。これは自動方式で為されることが可能である。
【0068】
膜24は弓形フレーム部材の脚部の一方からロープ溝を通って頂上ローラーアセンブリ240の上に上がり、弓形フレーム部材の脚部の他方へと下がって進められ、付随する織布がロープ溝のための開放部から外方向に広がる。膜が弓形フレーム対の中に進められるとき、2人の作業者が弓形フレーム対の基礎に立ち、ここで膜が弓形フレームのロープ溝の中に入る。作業者は、膜がロープ溝の中に適切に進むことを確実にするために膜の対向するエッジに立つ。
【0069】
2台のロープ推進機(弓形フレーム対の1つの弓形フレーム当たり1台のロープ推進機)の各々にもやはり作業者が配置される。これらの作業者はロープ推進機の動作を制御することが可能である。例えば、彼らは弓形フレーム対の反対側の基礎にいる作業者の1人によって命令されれば膜の前進を低速化することもあり得る。
【0070】
建物構造物が解体されるとき、この場合もやはりロープ推進メカニズムが使用される。特に、ロープ推進機は膜を半分外れるまで進ませる。この時点で、膜の残りの部分は単純に手動で引き出されることが可能である。
【0071】
弓形フレーム20の頂上のローラーアセンブリ240に加えて、膜24がロープ溝の中へと進められるとき、および引き出されるときにもやはりローラーアセンブリが弓形フレーム20の基礎で使用される。これらの基礎ローラーアセンブリは、もはや必要でなくなるとこれらが撤去されるという意味で「仮設」である。
【0072】
膜24を弓形フレーム20に接続するための上述の方法を要約すると、この方法は構造物10の底部からの進入挿入による膜の設置を可能にする。これは、そのような解体可能な構造物のための膜覆いを設置するための従来式の方法であって構造物の頂上から下方向に膜を挿入する工程を含む方法とは対照的である。この以前の方法に随伴する問題はリフトの必要性、増加した組立て時間、および組立て作業員に対する増大した危険性を含む。構造物の底部からの進入挿入は頂上における進入挿入に随伴する問題を克服する。
【0073】
図2を参照すると、構造物10の端部区画14および18は詳細に述べられていないが、そうすることは、構造物10の中央区画16の構築が詳細に述べられていることを前提とすると本特許出願の明細書の目的にとって不必要に冗長であるからである。端部区画は扇形の形状の膜、説明されたものと類似したスプレッダ、および図4と11に例示されたI字型梁と同じ断面を有するI字型梁を使用して構築されることが可能である。端部区画のための或る種の接合具(角度の付いたスプレッダ接合具が角の周りで使用されてもよい)、つなぎ、プレート、すじかい、ケーブルなどは端部区画の設計に応じて変わるであろう。端部区画14および18は場合によって設けられるスライド式貨物口または他のアクセス手段を随伴することもあり得る。
【0074】
端部区画14および18の端部パネルは、中央の膜に関するものと同様のシステムを使用して地面から供給され、上に頂上を通って、地面に戻ることが可能である。端部の膜パネルは地面の半径頂点の下に配置される。パネルの延ばされたロープは、円錐または半球の端部に置かれる丸い取り外し可能な軌道を通して構造物の頂上に供給される。この丸い取り外し可能な軌道は梁のロープ溝の中へと移行する。その後、ロープがロープ溝を下って手動または電気で運転されるウィンチへと供給され、この時にパネルは端部区画の中に設置される。
【0075】
換気装置が構造物10の屋根部分に設置されることもあり得る。一実施形態では、換気装置は屋根部分の頂上に取り付けられる。
【0076】
弓形フレーム20は状況に応じて、殆どの場合に中心間隔で少なくとも15フィート以上を許容する。或る種の知られている弓形フレームに付随する弓形フレーム間隔は小さく、例えば中心で5フィートをわずかに超えるに過ぎない。
【0077】
このようにして、上述の目標、目的および利点を完全に満たす建物構造物が本発明に従って提供されることは明らかである。本発明が例示された実施形態と関連付けて述べられてきたが、前述の説明を考慮に入れると多くの代替例、改造例および変形例が当業者にとって明白であることは明らかである。したがって、本発明の精神および広範な範囲に入るすべてのそのような代替例、改造例および変形例を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態による解体可能な建物構造物の切り取り透視図である。
【図2】図1の建物構造物の平面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ってとった建物構造物の断面の立面図である。
【図4】図3の線IV−IVに沿ってとった拡大断面図であり、梁のベースプレートに取り付けられた弓型フレームを例示している。
【図5】図4の線V−Vに沿ってとった断面図であり、コンクリートスラブの中に固定された梁のベースプレートを例示している。
【図6】図3の線VI−VIに沿ってとった断面図であり、弓型フレームの間のスプレッダを例示している。
【図7】図6の線VII−VIIに沿ってとった断面図であり、スプレッダのうちの1つのさらなる細部を例示している。
【図8】組み立てられた弓形フレームの頂上部分の立面図であり、頂上のローラーはこの図では示されていない。
【図9】図8の線IX−IXに沿ってとった断面図であり、頂上における梁の接合部を例示している。
【図10】弓形フレームのための梁の接合部の側面図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿ってとった断面図であり、梁の接合部のさらなる細部を例示している。
【図12】建物構造物のための断熱システムを例示する断面図である。
【図13】弓形フレームの頂上に取り付けられた頂上ローラーアセンブリを概略で例示する図である。
【図14】頂上ローラーアセンブリの立面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は構造物、特に、部品のキットまたはセットから容易に組み立てられることが可能である工場生産されたモジュール式の再配置可能な膜応力構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプの解体可能な建物は、建物の横方向に延びる垂直の平面内に配置されて建物の縦方向に間隔を置かれた複数の弓形フレームを有する建物であり、各々の弓形フレームは組み立て中に隣り合う弓形フレームの対の間に作用する調節可能なスプレッダ装置によって建物の縦方向に移動可能となるように地上または地上の支持体の上に取り付けられる。この方式では、これらの対の間に布の膜が張られることが見込まれる。
【0003】
上述のタイプの建物に関して最初に発行された特許の1つは1973年11月27日に発行されたSprungのカナダ特許第937479号である。この特許は、広い基礎から頂上へと上がる複数の垂直に立てられ、平行で縦方向に間隔を置かれた弓型フレームを有する建物構造物を開示した。これらの弓形フレームは積層木材の梁で元々は作られたが、その後、これらはアルミニウムのI字型の梁で作られた。細長片で構成されるコーティングされたナイロン膜覆いが隣り合う弓型フレームの間に置かれ、反対側は付属品を一方の側で弓形フレームの外側に固定するための玉縁状のエッジを設けるために厚くされた。膜覆いが相対的に積み重ねた状態で間隔を置かれた弓型フレームに固定された後、それぞれの膜覆いを張るために弓形フレームがスプレッダを使用して広げられた。1979年8月7日に発行されたSprungのカナダ特許第1059871号明細書はそのような建物構造物の建築を記述し、具体的に示し、改善した。
【0004】
1980年10月28日に発行されたLucasの米国特許第4229914号明細書は垂直平面内に複数の弓形フレームを有する建物構造物を開示している。各々の弓形フレームは概してI字型梁の断面の複数の相互に傾いた直線部分を有する。これらの弓形フレームは、正方形の断面の管で構成される水平方向の控え柱によって固定の位置に保持される。建物のための細長片の玉縁が弓形物への取り付けを可能にする。
【0005】
1993年1月26日に発行されたFriedmanの米国特許第5181352号は膜応力構造物の組立て接合のためのレインキャップシステムを開示している。この特許に例示された弓形物は各々、複数の中空で押し出し成形された箱型梁部分を有する。この箱型梁部分は、その対向する側で縦に延び、外側に開いたロープ溝の対を備えて形成される。箱型梁部分の接合部を覆うためにアルミニウムのレインキャップが適合される。このキャップは2つのへりによって箱型梁部分を把持することを可能にする金属キャップのバネ張力によって定位置に保持される。
【0006】
弓形フレームに使用される梁のための以前のロープ溝は梁に溶接されるかまたはボルトで固定された。これらのタイプの梁に付随する弓形フレームの間隔は小さく、例えば中心で5フィートをわずかに超えるのみであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのような解体可能な構造物を断熱する知られている方法は1インチの厚さのダクト断熱を付随するフォイル裏地のエアキャップの導入を含む。これは貧弱な断熱を提供する。
【0008】
そのような解体可能な構造物のために膜覆いを設置するための好ましい知られている方法は構造物の頂上から下方向に膜を挿入する工程を含む。この方法に付随する問題点は組立て作業員を頂上へ移動させるためのリフトの必要性、増加した組立て時間、および組立て作業員に対する増大した危険性を含む。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの実施例によると、建物構造物の長さに沿って間隔を置かれた一組の弓形フレーム部材を含む建物構造物が提供される。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は一組の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジが2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。この建物構造物はさらに、第1および第2の脚部と摺動嵌合可能な基礎、および玉縁になった縦方向のエッジを有する複数の細長の膜を含む。これらの膜は隣り合う弓形フレーム部材の間に引き伸ばされる。これらの縦方向のエッジはロープ溝の中にある。弓形フレーム部材を強制的に互いから遠く離すため、およびこれらの膜を引き伸ばした状態に保つためにスプレッダが隣り合う弓形フレーム部材の間で広がる。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、建物構造物用に意図された梁が提供される。この建物構造物は複数の弓形フレーム部材および膜の細長片を含む。これらの弓形フレーム部材は建物構造物の長さに沿って間隔を置かれる。各々の弓形フレーム部材が複数の梁を含み、これらが当該の梁を含む。各々の膜の細長片がその対向する縦方向のエッジで、建物構造物の内側と外側の間の領域のフレーム部材の隣り合う対の間に固定される。当該の梁は対向する第1および第2のフランジを含み、これらの両方が2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。これらの溝は膜の縦方向のエッジを受け入れるように構成される。
【0011】
本発明の別の実施例によると、建物の隣り合う弓形フレーム部材を引き離して移動させるための伸縮自在のスプレッダが提供される。このスプレッダは実質的に中空の棒を含み、この棒は中空の棒の中に2つの対向する溝を規定する内側の隆線を有する。平面がこの棒を縦方向に二等分する。実質的にπ字型の棒は対向するエッジを有するウェブを含む。このπ字型の棒は中空の棒の中に嵌合するようにサイズを決められる。各々のウェブのエッジは溝のうちの一方に沿って摺動可能である。このウェブは二等分平面に近接して溝の中に位置決めされる。係止用アセンブリが中空の棒に相対したπ字型の棒の位置を固定する。スプレッダの端部にある手段がスプレッダを隣接する弓形フレーム部材に固定する。
【0012】
本発明の別の実施例によると、建物構造物を建築するための方法が提供される。建築された形態にあるこの建物構造物は複数の弓形フレーム部材、基礎、細長の膜、およびスプレッダを含む。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は複数の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジが2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。細長の膜は玉縁になった縦方向エッジおよび各々の玉縁になったエッジから続く1本のロープを有する。いずれの2つの隣り合う弓形フレーム部材の少なくとも一方が頂上ローラーアセンブリをやはり有する。本方法は、
(1)基礎の下の表面に沿って自在に移動できる基礎の1つに取り付けられた各々の脚部で弓形フレーム部材を立てて間隔を置く工程、
(2)2つの隣り合う前記弓形フレーム部材の各々の間でスプレッダが広がるように弓形フレーム部材にスプレッダを取り付ける工程、
(3)脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程(この仮設のローラーアセンブリおよび前記2つの隣り合う弓形フレーム部材の頂上ローラーアセンブリが膜の前進を推進する)、
(4)複数本のロープを溝の中に配置する工程、
(5)膜を2つの隣り合う弓形フレーム部材の各々の第1の脚部から溝を通して頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する膜が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程であって、複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程、
(6)スプレッダによって、弓形フレーム部材の間隔が増大して膜が張り詰められるように2つの隣り合うフレーム部材の各々を広げる工程、
(7)弓形フレーム部材を位置固定するために基礎を基礎直下の表面に固定する工程を含む。
【0013】
本発明の別の実施例によると、並んだ弓形フレーム部材の対の間で細長の膜を前進させるための方法が提供される。各々の弓形フレーム部材は第1の脚部から頂上へと延び、第2の脚部へと戻る。各々の弓形フレーム部材は複数の梁を含む。各々の梁は2つの対向するフランジを含む。各々のフランジが2つの二股に分かれた端部を有する。これらの端部は開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定する。細長の膜は玉縁になった縦方向エッジおよび玉縁になったエッジの各々から続く1本のロープを有する。弓形フレーム部材の各々は頂上ローラーアセンブリもやはり有する。本方法は、
(1)第1の脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程(この仮設のローラーアセンブリおよび2つの隣り合う弓形フレーム部材の頂上ローラーアセンブリが膜の前進を推進する)、
(2)複数本のロープを溝と部材の中に配置し、複数本のロープがローラーアセンブリを越える工程、
(3)第1の脚部から溝を通して頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する膜が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程であって、複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程を含む。
【0014】
本発明による建物構造物はカナダのような低温気候の場所における使用にとって特に望ましい構造を作るために断熱されてもよく、または断熱されなくてもよい。
【0015】
本発明による組立ての方法は構造物の底からの進入挿入によって構造物の膜の設置を可能にし、したがって、頂上における進入挿入に付随する問題を回避する。
【0016】
本発明のこれらおよびその他の利点は以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照すると明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は例示された実施形態と結び付けて述べられるであろうが、本発明をそのような実施形態に限定するように意図されないことは理解されるであろう。逆に、添付の特許請求項で規定されるような本発明の精神と範囲の中に含まれると見込まれるすべての変形例、改造例、および同等例が網羅されることが意図される。
【0018】
以下の説明では、図中の類似した特徴は同じ参照番号または類似した参照番号を与えられていることが見込まれる。
【0019】
概して端部の丸い構造の解体可能な建物構造物10が具体的に示される。しかしながら本発明による建物構造物が異なる構造を有することが可能であり、例えば端部が角状であってもよいことは理解されるであろう。図2に見られ得るように、解体可能な建物構造物10は3つの区画、すなわち第1の端部区画14、中央区画16、および第2の端部区画18に分けられる。中央区画16は複数の縦に間隔を置かれた弓型フレーム部材または弓形フレーム20、および可撓性で非透過性の材料で作られて構造物10に包囲を提供する細長片または膜24を含む。
【0020】
場合によっては織布部材と称される膜24は玉縁になった平行の縦方向エッジを有するタイプのものである。膜24はその広げられた縦方向のエッジで、建物構造物10の内側と外側の間の領域で弓形フレーム20の隣り合う対の各々の間に固定される。
【0021】
図3を参照すると、弓形フレーム20は例示された実施形態の中で90フィートの径間Wを有する。したがって、構造物10は90フィート構造と称される。例示された弓形フレーム20の高さHは約35.4フィートである。例示された構造は30フィートから90フィートの径間にとって適しているが、たとえさらに大きい(さらに強い)弓形部材が使用されれば、より大きな径間でも本質的に同じ構造が供給されることが可能である。
【0022】
90フィート構造に適したいくつかの構造部品は100フィートを超える弓形フレーム径間を有する構造にとって適していないが、しかし90フィートに加えて、多様な他の径間幅もあり得る。他の見込まれる径間幅は、例えば特別誂えの中でも30フィート、40フィート、50フィート、60フィート、70フィートおよび80フィートである。
【0023】
各々の弓形フレーム20は第1の脚部30から頂上34へと延び、第2の脚部35へと戻る。各々の弓形フレーム20は複数の梁を含み、いくつかは屈曲し、その他は実質的に直線的である。図4に断面で例示された梁はI型の梁であり、弓形フレーム20のその他の梁もまたそうである。I型梁は構造物10を建築するために構造的に有利である。
【0024】
弓形フレーム20の正面輪郭が図3に示されている。弓形フレーム20は、頂上34に向かって内側に曲がる前に両方の脚部の基礎接触端部34、35から上に向かって、梁の外側エッジに沿って測って約4フィート延びる。弓形フレーム20の屈曲部分は外側エッジに沿って測った長さで約13.4フィートである。弓形フレーム20の屋根部分は逆V形状を有する。屋根部分の梁は約26°の角度で上に向かって傾けられる。頂上34から屈曲転移点38まで測った弓形フレーム20の部分は長さで約42.6フィートである。屋根部分のこの構成は雨および別の場合ではこの屋根部分に積もると見込まれる雪による重力の除去を容易にする勾配を与える。
【0025】
弓形フレームの他の実施形態は弓形フレーム20に関する上述の寸法とは異なる寸法を有するであろう。40フィート構造のケースでは、この構造のための1つの見込まれる弓形フレームは40フィートの径間と約21.3フィートの高さを有するであろう。この特定の弓形フレームは弓形フレームの頂上に向かって内側に曲がる前に両方の脚部の基礎接触端部から上に向かって、梁の外側エッジに沿って測って約4フィート延びる。弓形フレームの屈曲部分は外側エッジに沿って測った長さで約13.4フィートである。屋根部分の梁は約26°の角度で上に向かって傾けられるであろう。頂上から屈曲転移点38までのこの弓形フレームの部分は長さで約14.8フィートであろう。径間サイズを変えることにより設計基準に合致するように屈曲部分の長さ、上向きの傾斜、および頂上から転移点までの長さがそれ相応に変わるであろうことを当業者は認識するであろう。
【0026】
図4に例示されたI字型梁40は中央のウェブ44を有し、ウェブ44の一方の端部に外側または第1のフランジ52、ウェブ44の他方の端部に内側または第2のフランジ48を具備する。フランジ48と52はI字型梁40の対向する端部にあり、ウェブと一体になっている。ウェブ44は弓形フレームが立てられると垂直平面に平行である。
【0027】
フランジ48と52は両方共にウェブ44よりも厚く、中央通路56と60をそれぞれ有する。通路56、60は内側に入り込むリブ64によって幅を小さくされる開放部を有する。通路56、60は3/8インチの角頭ボルトが滑り入れられることを許容する。したがって、(看板などの)構造物がフランジ52の中にボルトで固定されることが可能である。同様に、構造物が他のフランジに取り付けられることが可能である。
【0028】
一実施形態では、I字型梁は5インチ×10インチの押し出し成形アルミニウムのI字型梁であるが、しかしながらI字型梁に関する他の断面寸法も見込まれることは理解されるであろう。100フィートから160フィートの弓形フレーム径間を有する構造物にとって8インチ×12インチのI字型梁が特に望ましいことが見込まれる。また、アルミニウムがI字型梁の生産にとって唯一の適切な材料であるというわけでもない。
【0029】
フランジ48および52の両方が二股に分かれた端部を有する。フランジ48の二股に分かれた端部の各々はエッジ80および81を有する。フランジ52の二股に分かれた端部の各々はエッジ83および85を有する。
【0030】
フランジ48の二股に分かれた端部の各々がC字形状のロープ溝68を規定する。フランジ52の二股に分かれた端部の各々がC字形状のロープ溝69を規定する。ロープ溝開放部74、75がロープ溝68、69にそれぞれ付随する。開放部74および75は玉縁になったエッジ72がロープ溝から出ることを阻止するように十分に収縮させられる。
【0031】
機能的恩典が本願明細書に開示された溝の形状からもたらされる。様々な先行技術による解体可能な建物構造物に見受けられるロープ溝はロープ溝−膜界面における水封じの欠如の一因となる。本発明の実施形態の二重エッジ部分は弓形フレームのロープ溝を通る玉縁になったエッジの移動に関して削減された摩擦を容易にする。
【0032】
先行技術にあるように、ロープ溝68の壁は膜24の玉縁になったエッジ72を収容できるように形作られる。各々のロープ溝68、69は開放部74、75を介してそれぞれアクセス可能である。開放部74、75は膜24の玉縁になったエッジ72がロープ溝68から外れるのを防止するように各々十分に制限される。
【0033】
フランジのエッジの形状が原因で、開放部74、75は組み立てられた配向ではI字型梁の内側76に向かって配向させられる。また、並んだ弓形フレーム部材の対の間で細長の膜を前進させるために次で検討される方法の間に、開放部74、75は削減された摩擦でロープ溝を通して膜24を引くことを可能にするような方式でフランジ48、52の線から外にそれぞれ大幅に角度を付けられる(すなわちこれらの開放部は緩んだ吊り下がり膜の自然な方向にあり、それにより、フレーム部材20に沿って引かれると膜は自然な方向に落下する)。さらに特定して述べると、開放部74、75の配向は緩んで吊り下がった膜がその付随するロープ溝開放部の中央から抜け出ることを可能にし、それにより、例えばロープ溝開放部がフランジの線から外れないように設計がなされる場合と比べると、膜の前進時の膜24と隣りの弓形フレーム部材20の間の摩擦を減らす。同様に、いったん膜が定位置になって隣り合うフレーム部材20が膜24を張るために強制的に間隔を開けられると、膜とそれに付随するフレーム部材の間の水封じは開放部74と75の配向によって向上する。
【0034】
フランジのエッジ80および83はウェブ44から外方向に延び、90度を超える角度を通じて構造物10の内部に向かって曲がる。また、開放部74を規定するフランジのエッジ80および81は先を丸められ、開放部74で相対的に広げられる。開放部75を規定するフランジのエッジ83および85もまた、先を丸められて開放部75で相対的に広げられる。
【0035】
弓形フレーム部材20のこの構成は建物構造物10が外部の単一の膜覆い、または外部と内部の両方の膜の層の二重の膜覆いのどちらかを有することを可能にする。
【0036】
保温キャップ84が通路60の中にパチンと嵌まる(クリップ88を含めた)複数の弾力性クリップによってI字型梁の外側にわたって取り付けられる。保温キャップ84は隣り合うI字型梁と同じ金属で作られてもよく、膜24と一致するように粉体塗装によって着色されてもよい。例示された実施形態では、保温キャップ84はわずかに曲げられており、端部の両方に沿って延びるシール90を有する。例示された実施形態では、保温キャップ84は隣り合うI字型梁との直接接触を避ける。
【0037】
保温キャップ84は構造物10の内部と外部の間の熱移動を削減するための手段である。保温キャップ84は構造物10の外側の空気へのI字型梁40の直接曝露を阻止する。金属が優れた熱伝導体であり、それゆえに例えば外側の空気が冷えているとき、外側空気への熱移動が前述のように隣り合うI字型梁40と直接接触していない保温キャップ84によって削減されることは理解されるであろう。
【0038】
ネオプレンで作製されることが好ましい細長のシール90は膜24の外側表面から構造物10の内側への水漏れの可能性を減らすためにフランジ52の外側表面に係合する。例示されたシール90はシールの全長に延びる中央の内部通路を有する。しかしながら、シールが完全に中実であってもよい。
【0039】
シール90によって容易にされる密閉作用は開放部75の配向によって促進される。さらに特定すると、外部の水は溝に入るために上に流れてエッジ83を越えなければならないので、この配向はロープ溝69の中への水の進入を阻止することに特に効果的である。
【0040】
弓形フレームの脚部と摺動して嵌合可能な一体型ベースプレートが図4および5に例示されている。この部品は平坦なベース部材96および一体に形成されて上方向に延びるウェブ98を有するベースプレート94を含む。ベースプレート94はアルミニウムまたはいずれかの適切な材料で作られてもよい。例示された実施形態では、ベース部材96は2つの角が欠如した1フィート×1フィート平方であり、ベース部材96は暑さ5/8インチであり、ウェブ98は厚さ3/8インチである。ベース部材96が上記で列挙された寸法とは異なる寸法を有し得ることは理解されるであろう。さらに特定すると、さらに大きいバージョンの構造物ではさらに大きい一体型ベースプレートが必要とされる。
【0041】
スラブ100の中に埋め込まれるアンカーボルト104によるコンクリートスラブまたは土台100へのベースプレート94の取り付けを可能にするためにベース部材96に開口99が設けられる。支柱基礎当たり少なくとも2つのアンカーボルトが使用される。適切な接合具アセンブリ(例示された実施形態ではこれは5/8インチ×2インチのボルト106、ナット108およびワッシャ110を含むが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい)によってI字型梁をベースプレート94に堅固に取り付けるためにウェブ98および隣り合うI字型梁の両方に開口が設けられる。
【0042】
地面および支持構造物10に固定するために弓形フレーム部材20の脚部が場合によって一体型ベースプレートと併せて使用されるピンおよび/または地中アンカーを有し得るケースではコンクリートスラブまたは土台100が利用不可能であることが見込まれる。
【0043】
同様に、例示された基礎に加えて多様な他の基礎が可能であることを当業者は理解するであろう。例えば、基礎は米国特許第4583331号明細書に例示された2ウェブの基礎に外見上さらに類似していてもよい。それでもなお、屈曲に抵抗する能力が理由で、例示された基礎は例示された実施形態において有利である。また、知られている基礎に比べて例示された基礎ではさらに少ない接続部を伴ない、建物構造物10の建立を容易にする。
【0044】
図6は図3に示された線V−Vに沿ってとられた建物構造物10の屋根部分の断面図である。スプレッダ114が隣り合う弓形フレーム20のI字型梁の間に延びる。スプレッダ114は強制的に弓形フレーム20を互いから離し、膜24を張り詰めた状態に維持する。スプレッダ114はスプレッダ接合具118によってI字型梁40に取り付けられる。これらのスプレッダ接合具118の各々が外方向に延びる部材120、部材120に直角なフランジ122、および引っ掛け部124を含む。
【0045】
スプレッダ114はいくぶん正方形で中空の棒130、およびπ字型の棒(π棒)132と136を有する。π棒132と136の外方向に延びる端部は接合具アセンブリ140(例示された実施形態ではこれは5/8インチ×(2+1/4)インチのボルト、ナットおよびワッシャを含むが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい)によってスプレッダ接合具118の部材120に付いている。他方ではスプレッダ接合具118はフランジ122およびウェブ44の開口を貫通して延びる接合具アセンブリ141によってI字型梁に取り付けられる。これらの取り付け手段はまた、引っ掛け部124を受け入れるようにサイズを決められる内側フランジ48内の通路を含む。先行技術による設計では、スプレッダはI字型梁にボルトで固定されることを必要とした。スプレッダをI字型梁にボルトで直接固定する必要性を取り除くことは建物構造物の組立てをさらに容易にする。スプレッダ接合具118の使用、および弓形フレームのI字型梁の形状がこれを可能にする。
【0046】
例示された実施形態では、スプレッダ114は接合具アセンブリ140、スプレッダ接合具118、および引っ掛け部124を含む固定手段によって隣りの弓形フレーム部材に固定される。直接ボルト固定(前の段落に述べられている)などの多様な代替固定手段が使用され得ることは当業者によって理解されるであろう。
【0047】
図7は図6に示された線VI−VIに沿ってとられたスプレッダ114の断面図である。溝148がスプレッダ114の対向する壁150に形成される。特に、2本の隆線149が各々の溝148を規定する。π棒136は2つの対向するエッジ157および2つの平行するリブ158を有するウェブ154を含む。π棒136は溝148を介してスプレッダ114に摺動可能に接続される。特定すると、エッジ157が溝148に沿って摺動することができる。
【0048】
ウェブ154はスプレッダ114の壁160から十分に間隔を置かれ、ウェブ154はπ棒136を縦方向で二股に分ける平面に密接に隣接する。このπ棒はスプレッダの質量中心に近接する。スプレッダ内でのπ棒のこの配置はスプレッダの強度を上げる。
【0049】
当業者によって理解されるであろうが、弓形フレームを広げて弓形フレームの間で膜24を適切に張るためにスプレッダ114が使用される。特に、知られている水圧ラムがスプレッダ114と併せて使用されてもよい。伸長工程において、スプレッダ114のπ棒136は膜24が適切に張られるまで外方向に伸縮自在であり、このポイントで係止用アセンブリまたは係止用手段164がπ棒136の位置を中空棒130の中で固定する。伸長工程の中ではまた、構造物の膜パネルは各々のパネルが弓形の間で均等に張られることを確実にするように約±1%で補償される。
【0050】
中空棒の中の空洞170は肋状構造172を有する壁によって規定される。壁が肋状にされるので、スプレッダ114の強度が上げられる。
【0051】
例示されたスプレッダは2本のπ棒を含むが、しかしながらスプレッダ当たり2本ではなくスプレッダ当たり1本のπ棒のみがあることもあり得る。直接ボルト固定(前の段落に述べられている)などの多様な代替固定手段が使用され得ることは当業者によって理解されるであろう。この実施形態では、π棒136が取り付けられるスプレッダ接合具118は嵌めこまれた軌道および1本のボルトを含む接合具手段を使用して定位置に係止される。
【0052】
図8および9は構造物10の頂上34を例示している。単一のI字型梁40を有する頂上領域を構成することは可能であるが、例示された実施形態では頂上領域は2つのI字型梁40の端部を有する。したがって、頂上34で隣接するI字型梁を連結するために2つの頂上接合プレート176が使用される。
【0053】
例示された実施形態では、プレート176は厚さ1/2インチのアルミニウムのプレートで台形の形状を有する。プレート176のエッジ178および180はI字型梁の上端エッジ182および184にそれぞれ実質的に平行である。例示された実施形態では、プレート176の側部188は長さで約2フィート2インチである。プレート176は適切な接合具アセンブリ192(これは5/8インチ×(2+1/4)インチのボルト、ナットおよびワッシャを含んでもよいが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい)によって隣接するI字型梁に取り付けられる。
【0054】
例示された実施形態では、内側の保持子キャップ198が頂上の両側に1つで頂上に取り付けられる。図9に例示されたI字型梁の断面が図4に例示されたI字型梁の断面とはわずかに異なることが指摘される。特に、各々のロープ溝68に関してエッジ81が良好に処理されている。キャップ198は不足分のロープ溝エッジを供給し、それにより、これらの場所における膜の玉縁になったエッジの詰まりを防止する。適切な接合具アセンブリ206が内側保持子キャップ198の隣接するI字型梁への取り付けを可能にする。頂上ローラーアセンブリが適切に機能するようにロープ溝68が頂上で改造されていることは理解されるであろう。
【0055】
図10および11は構造物10の下側屋根領域におけるI字型梁の接合処理を例示している。2つの接合用プレート210がI字型梁のウェブ44の対向する側に取り付けられる。例示された実施形態では、接合用プレートは3フィート×(7+3/8)インチであり、I字型梁40と同じ材料で作られてもよく、側部に沿ってフランジ211と213を有する。これらのフランジはウェブ44から外方向に(1+7/8)インチ延びる。これらのフランジ211と213はまた、フランジ48と52にそれぞれ近接して隣接し、ロープ溝68、69のためにそれぞれ補強を提供する。接合用プレート210が上記に列挙された寸法とは異なる寸法を有し得ることは理解されるであろう。
【0056】
接合用プレート210をウェブ44に取り付けるために3つの接合具アセンブリ214の4つのセットが使用される。各々のセットにある接合具アセンブリ214は(図10に最も良好に見られるように)V字構成にある。接合具アセンブリ214は図9に示された接合具アセンブリ192と同じ構造であってもよい。建物構造物10の一実施形態では、組立ての複雑さを減らすために実質的に同じサイズと構造の接合具アセンブリが殆どの接続に使用される。例示された実施形態では、接合具アセンブリの各々のセットは隣り合う接合具アセンブリのセットから少なくとも7インチ間隔を置かれる。細い雨押さえ218がフランジ48の外側露出表面全域にわたって取り付けられる。雨押さえ218はフランジの中央通路を保護し、雨除けを容易にする。
【0057】
低温気候にとって適切にするために構造物10を断熱することが可能である。好ましい断熱システムが図12に例示されている。特に、内側と外側の膜24の間にガラス繊維の断熱材222が嵌め込まれる。この断熱システムはまた、中央に約2フィートの断熱材保持用チューブ226を含む。チューブ226はアルミニウムを含めた様々な異なる材料から作製されることが見込まれる。また、チューブ226はウェブ44に直角で伸縮自在な配列にあり、フランジの面76から外方向に所定の距離で間隔を置かれ、そのような間隔の距離は1/4インチ程度であってもよい。ボルト230はチューブ226をフランジ48に固定し、ボルト230はフランジ48内に形成されたボルト受け通路232の中に嵌まり込む。断熱材の区画はπ棒136の間にはめ込まれ、幅約7または8インチの3M(登録商標)テープの細長片が弓形フレームの一方の端部から他方の端部に延びるように内側フランジ48全域にわたって重ねられ、それによりテープと断熱材が、湿気に対する防湿を提供する。同様に、断熱材222の区画のエッジにテープを貼ることによる対応する弓形フレーム部材20への断熱で、膜を張っている過程でフレームが互いから遠ざかって外方向に広げられるとき、隣り合うフレームの間で断熱材が完全に引き伸ばされる保証が提供される。別の方法では断熱材が広がらないことも見込まれ、これらが広げられた後に区画のエッジと弓形フレーム部材の間に隙間が残ることも見込まれる。
【0058】
内側の膜と外側の膜の間の空間が断熱材で殆ど充填されるので膜の間の空気デッドスペースの量が都合良く最少限にされることは理解されるであろう。保温キャップ84およびシール90を含むI字型梁の周囲の外側シールは断熱材222への水害を阻止する。
【0059】
図13および14を参照すると、建物構造物10が建築または解体されるときに弓形フレーム20のロープ溝68、69を通じて膜24を前進させるための方法の中で頂上ローラーアセンブリが使用される。頂上ローラーアセンブリ240は3つのフェノール樹脂車輪244を含む。一実施形態では、車輪244は(3+1/4)インチ×2インチのサイズである。車輪軸受けが車輪244の各々に動作可能に付随する。接合具アセンブリ248が隣り合う車輪244の2つの上端のうちの一方を通って延び、車輪244を接合プレート252に取り付ける。接合プレート252は適切な取り付け手段によって(例えば溶接によって)接合プレート176に取り付けられる。例示された実施形態では、接合具アセンブリ248は5/8インチ×4インチのボルト、5/8インチ×3/4インチ×(2+7/16)インチのスパナブッシング、5/8インチのロックナット、およびワッシャを含むが、しかしながら代替例の接合具アセンブリは異なるサイズの嵌合部品類を有してもよく、または異なるセットの嵌合部品類を含んでもよい。
【0060】
図14に示されるように、直角の金属ブラケット260が適切な接合具アセンブリ266によってI字型梁263の内側向きフランジ262に取り付けられる。例示された実施形態では、接合具アセンブリ266は3/8インチ×(1+1/2)インチ平方の四角ボルトとワッシャを含むが、様々な他のタイプの接合具アセンブリまたは接続手段も見込まれる。接合具アセンブリ270は車輪244のうちの1つをブラケット260に取り付ける。接合具アセンブリ270は接合具アセンブリ248と同じ接合具アセンブリであってもよい。しかしながら、接合具アセンブリ248が車輪244を通して挿入される方向とは逆の方向で接合具アセンブリ270が車輪244を通して挿入されることが指摘される。
【0061】
ロープ溝274のための境界となるであろう部分を形成する壁の一部が車輪244を収納するために取り外されている(ロープ溝275についても同様である)。車輪244の円周の周囲に形成された通路278がロープ溝274を完結させる(ロープ溝275についても同様である)。通路278とフランジ部分の両方がロープ溝274を通って前進するようにロープ282を導き、したがって、ロープ282がロープ溝274から外れるのを防止するために車輪244の通路278が隣り合うフランジのロープ溝形成部分に十分に近いことを必要とすることは理解されるであろう。同じ必要条件が、ロープがロープ溝275を通って引っ張られるときにも当てはまる。
【0062】
建物構造物10の建築後に頂上から取り外されることを必要としない(好ましくは取り外されない)という意味でローラーアセンブリ240と単一ローラー車輪は「常設」であることが理解されるであろう。
【0063】
建物構造物10を建築するための方法は以下の工程を含む。最初に、弓形フレーム部材20が立てられて間隔を設けられ、弓形フレーム部材20の各々の脚部30および35が基礎の下の表面に沿って自在に移動できるように基礎の1つに取り付けられる。スプレッダ114が弓形フレーム部材20に取り付けられ、それにより、スプレッダは隣り合うフレーム部材20の各々の対の間で延びる。仮設のローラーアセンブリが脚部30および35に設置される(これら仮設のローラーアセンブリおよび頂上ローラーアセンブリ240は膜24の前進を推進する)。次に、下記で述べられるように膜24が弓形フレーム20に取り付けられる。次に、当業者によって理解されるように膜24がウィンチで下に引き伸ばされ、次の工程に先立ってこれらを定位置に保つためにボルトが玉縁になったエッジの中に通される。次に、弓形フレーム部材20の間隔が増大して膜24が張り詰められるように各々のフレーム部材の対がスプレッダ114を使用して広げられる。その後、弓形フレーム部材20を位置固定するために(図5に例として図解されるように)基礎がスラブ100に固定される。
【0064】
膜を弓形フレームに接続するための方法の最初の工程は、ロープ溝を通る膜の玉縁になったエッジの前進に関して摩擦を減らすためにI字型梁のロープ溝に潤滑剤を加える工程である。ドライシリコーン潤滑剤が使用され得ることが好ましく、この潤滑剤はスプレー缶で販売されている。したがって都合の良いことに、潤滑剤はロープ溝の中にスプレー噴射されることが可能である。場合によっては膜の溝もやはり予め潤滑化されることが可能である。
【0065】
本発明に開示される組立て方法の好ましい実施形態では、中に膜が供給される端部に対向する弓形フレームの対の端部に電動または手動で運転される知られているロープ推進機が据え付けられる。膜応力構造物の30フィート径間バージョンについては、単純にこれらを引っ張ることによってロープ282を前進させることが可能である。
【0066】
図13を参照すると、ロープ282は膜の玉縁になったエッジ294の一方の端部と一体型であるか、またはこれに継ぎ合わされる。ロープ282が弓形フレーム298の一方の端部からローラーアセンブリ240の上に上がり、弓形フレーム298の反対側の端部へ下がって延びることが必要であることは理解されるであろう。したがって、ロープ282はオーバースローの約2倍の長さでなければならない。
【0067】
推進機が2本のロープ282を前進させることによってロープ溝を通して膜を走らせる前に、複数本のロープ282がロープ溝の中に配置され、複数本のロープがローラーアセンブリ240を越える。これは自動方式で為されることが可能である。
【0068】
膜24は弓形フレーム部材の脚部の一方からロープ溝を通って頂上ローラーアセンブリ240の上に上がり、弓形フレーム部材の脚部の他方へと下がって進められ、付随する織布がロープ溝のための開放部から外方向に広がる。膜が弓形フレーム対の中に進められるとき、2人の作業者が弓形フレーム対の基礎に立ち、ここで膜が弓形フレームのロープ溝の中に入る。作業者は、膜がロープ溝の中に適切に進むことを確実にするために膜の対向するエッジに立つ。
【0069】
2台のロープ推進機(弓形フレーム対の1つの弓形フレーム当たり1台のロープ推進機)の各々にもやはり作業者が配置される。これらの作業者はロープ推進機の動作を制御することが可能である。例えば、彼らは弓形フレーム対の反対側の基礎にいる作業者の1人によって命令されれば膜の前進を低速化することもあり得る。
【0070】
建物構造物が解体されるとき、この場合もやはりロープ推進メカニズムが使用される。特に、ロープ推進機は膜を半分外れるまで進ませる。この時点で、膜の残りの部分は単純に手動で引き出されることが可能である。
【0071】
弓形フレーム20の頂上のローラーアセンブリ240に加えて、膜24がロープ溝の中へと進められるとき、および引き出されるときにもやはりローラーアセンブリが弓形フレーム20の基礎で使用される。これらの基礎ローラーアセンブリは、もはや必要でなくなるとこれらが撤去されるという意味で「仮設」である。
【0072】
膜24を弓形フレーム20に接続するための上述の方法を要約すると、この方法は構造物10の底部からの進入挿入による膜の設置を可能にする。これは、そのような解体可能な構造物のための膜覆いを設置するための従来式の方法であって構造物の頂上から下方向に膜を挿入する工程を含む方法とは対照的である。この以前の方法に随伴する問題はリフトの必要性、増加した組立て時間、および組立て作業員に対する増大した危険性を含む。構造物の底部からの進入挿入は頂上における進入挿入に随伴する問題を克服する。
【0073】
図2を参照すると、構造物10の端部区画14および18は詳細に述べられていないが、そうすることは、構造物10の中央区画16の構築が詳細に述べられていることを前提とすると本特許出願の明細書の目的にとって不必要に冗長であるからである。端部区画は扇形の形状の膜、説明されたものと類似したスプレッダ、および図4と11に例示されたI字型梁と同じ断面を有するI字型梁を使用して構築されることが可能である。端部区画のための或る種の接合具(角度の付いたスプレッダ接合具が角の周りで使用されてもよい)、つなぎ、プレート、すじかい、ケーブルなどは端部区画の設計に応じて変わるであろう。端部区画14および18は場合によって設けられるスライド式貨物口または他のアクセス手段を随伴することもあり得る。
【0074】
端部区画14および18の端部パネルは、中央の膜に関するものと同様のシステムを使用して地面から供給され、上に頂上を通って、地面に戻ることが可能である。端部の膜パネルは地面の半径頂点の下に配置される。パネルの延ばされたロープは、円錐または半球の端部に置かれる丸い取り外し可能な軌道を通して構造物の頂上に供給される。この丸い取り外し可能な軌道は梁のロープ溝の中へと移行する。その後、ロープがロープ溝を下って手動または電気で運転されるウィンチへと供給され、この時にパネルは端部区画の中に設置される。
【0075】
換気装置が構造物10の屋根部分に設置されることもあり得る。一実施形態では、換気装置は屋根部分の頂上に取り付けられる。
【0076】
弓形フレーム20は状況に応じて、殆どの場合に中心間隔で少なくとも15フィート以上を許容する。或る種の知られている弓形フレームに付随する弓形フレーム間隔は小さく、例えば中心で5フィートをわずかに超えるに過ぎない。
【0077】
このようにして、上述の目標、目的および利点を完全に満たす建物構造物が本発明に従って提供されることは明らかである。本発明が例示された実施形態と関連付けて述べられてきたが、前述の説明を考慮に入れると多くの代替例、改造例および変形例が当業者にとって明白であることは明らかである。したがって、本発明の精神および広範な範囲に入るすべてのそのような代替例、改造例および変形例を包含することが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態による解体可能な建物構造物の切り取り透視図である。
【図2】図1の建物構造物の平面図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ってとった建物構造物の断面の立面図である。
【図4】図3の線IV−IVに沿ってとった拡大断面図であり、梁のベースプレートに取り付けられた弓型フレームを例示している。
【図5】図4の線V−Vに沿ってとった断面図であり、コンクリートスラブの中に固定された梁のベースプレートを例示している。
【図6】図3の線VI−VIに沿ってとった断面図であり、弓型フレームの間のスプレッダを例示している。
【図7】図6の線VII−VIIに沿ってとった断面図であり、スプレッダのうちの1つのさらなる細部を例示している。
【図8】組み立てられた弓形フレームの頂上部分の立面図であり、頂上のローラーはこの図では示されていない。
【図9】図8の線IX−IXに沿ってとった断面図であり、頂上における梁の接合部を例示している。
【図10】弓形フレームのための梁の接合部の側面図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿ってとった断面図であり、梁の接合部のさらなる細部を例示している。
【図12】建物構造物のための断熱システムを例示する断面図である。
【図13】弓形フレームの頂上に取り付けられた頂上ローラーアセンブリを概略で例示する図である。
【図14】頂上ローラーアセンブリの立面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物構造物であって、
建物構造物の長さに沿って間隔を置かれた複数の弓形フレーム部材を含み、前記弓形フレーム部材の各々が第1の脚部から頂上へと延びて第2の脚部へと戻り、前記弓形フレーム部材の各々が複数の梁を含み、前記梁の各々が2つの対向するフランジを含み、前記フランジの各々が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、建物構造物はまた
前記第1および第2の脚部と摺動嵌合可能な基礎と、
玉縁になった縦方向エッジを有し、隣り合う前記弓形フレーム部材の間で引き伸ばされ、前記縦方向エッジが前記ロープ溝の中にある細長の膜と、
前記弓形フレーム部材を強制的に互いから離すため、および前記膜を張り詰められた状態に維持するために隣り合う前記弓形フレーム部材の間で延びるスプレッダとを含む、
建物構造物。
【請求項2】
前記梁の各々が中央のウェブをさらに含み、2つの対向するフランジのうちの少なくとも一方のロープ溝の開放部が、構造物建築の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式でこれらのフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項1に記載の建物構造物。
【請求項3】
前記梁がI字型梁であり、前記ロープ溝からの前記縦方向エッジの逸脱を阻止するように前記開放部が十分に狭められる、請求項2に記載の建物構造物。
【請求項4】
建物構造物が内部空間を規定し、前記膜が内側および外側の膜を有し、前記外側の膜の各々が前記内側の膜のうちの1つの隣りおよび上にあり、隣り合う膜の間に空間が規定される、請求項3に記載の建物構造物。
【請求項5】
前記空間の中のガラス繊維の断熱材および前記断熱材を保持するための手段をさらに含む、請求項4に記載の建物構造物。
【請求項6】
前記断熱材保持用手段が前記I字型梁に取り付けられた断熱材保持用チューブである、請求項5に記載の建物構造物。
【請求項7】
前記溝がドライシリコーン潤滑剤でコーティングされる、請求項3に記載の建物構造物。
【請求項8】
前記頂上からの下り傾斜の角度が少なくとも26度である、請求項1に記載の建物構造物。
【請求項9】
前記スプレッダの各々が実質的に中空の棒、別の棒、および接合具を含む伸縮自在のスプレッダであり、前記中空棒が中空棒の中に2つの対向する溝を規定する内側の隆線を有し、前記別の棒が前記中空棒の中に嵌まり込むようにサイズ決定され、対向するエッジを有するウェブを含み、前記ウェブのエッジの各々が前記溝のうちの一方に沿って摺動可能であり、前記ウェブが前記中空棒を縦に二等分する平面に密接に隣接して前記溝の中に配置され、前記接合具が前記中空棒に相対した前記別の棒の位置を固定するためにある、請求項1に記載の建物構造物。
【請求項10】
前記別の棒がπ字形状の棒である、請求項9に記載の建物構造物。
【請求項11】
建物構造物のために意図された梁であって、前記建物構造物が複数の弓形フレーム部材および細長の膜を含み、前記弓形フレーム部材が建物構造物の長さに沿って間隔を置かれ、前記弓形フレーム部材の各々が前記梁を含めた複数の梁を含み、前記膜の各々がその対向する縦方向エッジによって、建物構造物の内側と外側の間の領域で前記フレーム部材の隣り合う対の間に固定され、前記梁が
対向する第1と第2のフランジを含み、両方が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、
前記溝が前記縦方向エッジを受け入れるように構成される、梁。
【請求項12】
中央のウェブをさらに含み、前記第1のフランジのロープ溝の開放部が、構造物建築の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式で前記第1のフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項11に記載の梁。
【請求項13】
前記第1と第2のフランジの各々が類似した形状の中央通路を有する、請求項12に記載の梁。
【請求項14】
前記第2のフランジが2つのボルト通路を規定する、請求項12に記載の梁。
【請求項15】
スプレッダ接合具を梁に取り付けるための手段をさらに含む、請求項11に記載の梁。
【請求項16】
前記第1のフランジの端部が前記第2のフランジの端部とは異なる形状を有する、請求項11に記載の梁。
【請求項17】
建物構造物の隣り合う弓形フレーム部材を間隔を開けるように移動させるための伸縮自在のスプレッダであって、
2つの対向する溝を内部に規定する内側の隆線を有する実質的に中空の棒と、
前記棒を縦に二等分する平面と、
対向するエッジを有するウェブを含む実質的にπ字形状の棒を含み、前記π字形状の棒は前記中空の棒の中に嵌まり込むようにサイズ決定され、前記ウェブのエッジの各々は前記溝のうちの一方に沿って摺動可能であり、前記ウェブは前記二等分平面に密接に隣接して前記溝の中に配置され、前記スプレッダはまた
前記π字形状の棒の位置を前記中空の棒に相対して固定するための係止用アセンブリと、
スプレッダの端部でスプレッダを前記隣り合う弓形フレーム部材に固定するための手段とを含む、スプレッダ。
【請求項18】
対向するエッジを有するウェブを含む別の実質的にπ字形状の棒をさらに含み、前記別のπ字形状の棒が前記中空の棒の中に嵌まり込むようにサイズ決定され、別のπ字形状の棒の前記ウェブのエッジの各々が前記溝のうちの一方に沿って摺動可能であり、別のπ字形状の棒の前記ウェブが前記二等分平面に密接に隣接して前記溝の中に配置され、前記中空の棒が2つの対向する端部を追加的に有し、前記π字形状の棒が前記端部の一方から外方向に延びることが可能であり、前記別のπ字形状の棒が前記端部の他方から外方向に延びることが可能である、請求項17に記載のスプレッダ。
【請求項19】
前記別のπ字形状の棒の位置を前記中空の棒に相対して固定するための別のナットとボルトのアセンブリをさらに含む、請求項18に記載のスプレッダ。
【請求項20】
前記中空の棒が肋状の内壁を追加的に有する、請求項19に記載のスプレッダ。
【請求項21】
前記ウェブが前記ウェブのエッジの間の中ほどに配置された少なくとも2つの開口を規定し、別のπ字形状の棒の前記ウェブもまた別のπ字形状の棒の前記ウェブのエッジの間の中ほどに配置された少なくとも2つの開口を規定する、請求項20に記載のスプレッダ。
【請求項22】
建物構造物を建築するための方法であって、建築された形態の建物構造物が複数の弓形フレーム部材、基礎、細長の膜、およびスプレッダを含み、前記弓形フレーム部材の各々が第1の脚部から頂上へと延びて第2の脚部へと戻り、前記弓形フレーム部材の各々が複数の梁を含み、前記梁の各々が2つの対向するフランジを含み、前記フランジの各々が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、前記細長の膜が玉縁になった縦方向エッジおよび前記玉縁になったエッジの各々から続く1本のロープを有し、前記弓形フレーム部材の各々が頂上ローラーアセンブリもやはり有し、
前記基礎の下の表面に沿って自在に移動できるように前記基礎の1つに取り付けられた前記脚部の各々で前記弓形フレーム部材を立てて間隔を置く工程、
2つの隣り合う前記弓形フレーム部材の各々の間でスプレッダが広がるように前記弓形フレーム部材に前記スプレッダを取り付ける工程、
前記脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程を含み、前記仮設のローラーアセンブリおよび前記2つの隣り合うフレーム部材の頂上ローラーアセンブリが膜の前進を推進し、
複数本のロープを前記溝の中に配置する工程、
前記膜を前記2つの隣り合うフレーム部材の各々の第1の脚部から前記溝を通して前記頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する膜が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程を含み、前記前進が前記複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程、
前記スプレッダによって、前記弓形フレーム部材の間隔が増大して前記膜が張り詰められるように前記2つの隣り合うフレーム部材の各々を広げる工程、および
前記弓形フレーム部材を位置固定するために前記基礎を前記基礎直下の前記表面に固定する工程を含む、方法。
【請求項23】
前記梁の各々が中央のウェブをさらに含み、2つの対向するフランジのうちの少なくとも一方のロープ溝の開放部が、構造物建築の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式でこれらのフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溝がドライシリコーン潤滑剤でコーティングされる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
並んだ弓形フレーム部材の対の間で細長の膜を前進させるための方法であって、前記弓形フレーム部材の各々が第1の脚部から頂上へと延びて第2の脚部へと戻り、前記弓形フレーム部材の各々が複数の梁を含み、前記梁の各々が2つの対向するフランジを含み、前記フランジの各々が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、前記細長の膜が玉縁になった縦方向エッジおよび前記玉縁になったエッジの各々から続く1本のロープを有し、前記弓形フレーム部材の各々が頂上ローラーアセンブリもやはり有し、
第1の脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程を含み、前記仮設のローラーアセンブリおよび2つの隣り合う前記弓形フレーム部材の頂上ローラーアセンブリが前記膜の前進を推進し、
複数本のロープが前記溝の中に配置され、前記ローラーアセンブリを越える工程、
前記膜を第1の脚部から前記溝を通して前記頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する織布が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程を含み、前記前進が複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程を含む、方法。
【請求項26】
前記梁の各々が中央のウェブをさらに含み、前記2つの対向するフランジのうちの少なくとも一方のロープ溝の開放部が、前進させる工程の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式でこれらのフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記溝にドライシリコーン潤滑剤をスプレー噴射し、前記配置する工程の前に発生する工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記前進させる工程が2台のロープ推進機によって少なくとも部分的に実行される、請求項25に記載の方法。
【請求項1】
建物構造物であって、
建物構造物の長さに沿って間隔を置かれた複数の弓形フレーム部材を含み、前記弓形フレーム部材の各々が第1の脚部から頂上へと延びて第2の脚部へと戻り、前記弓形フレーム部材の各々が複数の梁を含み、前記梁の各々が2つの対向するフランジを含み、前記フランジの各々が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、建物構造物はまた
前記第1および第2の脚部と摺動嵌合可能な基礎と、
玉縁になった縦方向エッジを有し、隣り合う前記弓形フレーム部材の間で引き伸ばされ、前記縦方向エッジが前記ロープ溝の中にある細長の膜と、
前記弓形フレーム部材を強制的に互いから離すため、および前記膜を張り詰められた状態に維持するために隣り合う前記弓形フレーム部材の間で延びるスプレッダとを含む、
建物構造物。
【請求項2】
前記梁の各々が中央のウェブをさらに含み、2つの対向するフランジのうちの少なくとも一方のロープ溝の開放部が、構造物建築の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式でこれらのフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項1に記載の建物構造物。
【請求項3】
前記梁がI字型梁であり、前記ロープ溝からの前記縦方向エッジの逸脱を阻止するように前記開放部が十分に狭められる、請求項2に記載の建物構造物。
【請求項4】
建物構造物が内部空間を規定し、前記膜が内側および外側の膜を有し、前記外側の膜の各々が前記内側の膜のうちの1つの隣りおよび上にあり、隣り合う膜の間に空間が規定される、請求項3に記載の建物構造物。
【請求項5】
前記空間の中のガラス繊維の断熱材および前記断熱材を保持するための手段をさらに含む、請求項4に記載の建物構造物。
【請求項6】
前記断熱材保持用手段が前記I字型梁に取り付けられた断熱材保持用チューブである、請求項5に記載の建物構造物。
【請求項7】
前記溝がドライシリコーン潤滑剤でコーティングされる、請求項3に記載の建物構造物。
【請求項8】
前記頂上からの下り傾斜の角度が少なくとも26度である、請求項1に記載の建物構造物。
【請求項9】
前記スプレッダの各々が実質的に中空の棒、別の棒、および接合具を含む伸縮自在のスプレッダであり、前記中空棒が中空棒の中に2つの対向する溝を規定する内側の隆線を有し、前記別の棒が前記中空棒の中に嵌まり込むようにサイズ決定され、対向するエッジを有するウェブを含み、前記ウェブのエッジの各々が前記溝のうちの一方に沿って摺動可能であり、前記ウェブが前記中空棒を縦に二等分する平面に密接に隣接して前記溝の中に配置され、前記接合具が前記中空棒に相対した前記別の棒の位置を固定するためにある、請求項1に記載の建物構造物。
【請求項10】
前記別の棒がπ字形状の棒である、請求項9に記載の建物構造物。
【請求項11】
建物構造物のために意図された梁であって、前記建物構造物が複数の弓形フレーム部材および細長の膜を含み、前記弓形フレーム部材が建物構造物の長さに沿って間隔を置かれ、前記弓形フレーム部材の各々が前記梁を含めた複数の梁を含み、前記膜の各々がその対向する縦方向エッジによって、建物構造物の内側と外側の間の領域で前記フレーム部材の隣り合う対の間に固定され、前記梁が
対向する第1と第2のフランジを含み、両方が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、
前記溝が前記縦方向エッジを受け入れるように構成される、梁。
【請求項12】
中央のウェブをさらに含み、前記第1のフランジのロープ溝の開放部が、構造物建築の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式で前記第1のフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項11に記載の梁。
【請求項13】
前記第1と第2のフランジの各々が類似した形状の中央通路を有する、請求項12に記載の梁。
【請求項14】
前記第2のフランジが2つのボルト通路を規定する、請求項12に記載の梁。
【請求項15】
スプレッダ接合具を梁に取り付けるための手段をさらに含む、請求項11に記載の梁。
【請求項16】
前記第1のフランジの端部が前記第2のフランジの端部とは異なる形状を有する、請求項11に記載の梁。
【請求項17】
建物構造物の隣り合う弓形フレーム部材を間隔を開けるように移動させるための伸縮自在のスプレッダであって、
2つの対向する溝を内部に規定する内側の隆線を有する実質的に中空の棒と、
前記棒を縦に二等分する平面と、
対向するエッジを有するウェブを含む実質的にπ字形状の棒を含み、前記π字形状の棒は前記中空の棒の中に嵌まり込むようにサイズ決定され、前記ウェブのエッジの各々は前記溝のうちの一方に沿って摺動可能であり、前記ウェブは前記二等分平面に密接に隣接して前記溝の中に配置され、前記スプレッダはまた
前記π字形状の棒の位置を前記中空の棒に相対して固定するための係止用アセンブリと、
スプレッダの端部でスプレッダを前記隣り合う弓形フレーム部材に固定するための手段とを含む、スプレッダ。
【請求項18】
対向するエッジを有するウェブを含む別の実質的にπ字形状の棒をさらに含み、前記別のπ字形状の棒が前記中空の棒の中に嵌まり込むようにサイズ決定され、別のπ字形状の棒の前記ウェブのエッジの各々が前記溝のうちの一方に沿って摺動可能であり、別のπ字形状の棒の前記ウェブが前記二等分平面に密接に隣接して前記溝の中に配置され、前記中空の棒が2つの対向する端部を追加的に有し、前記π字形状の棒が前記端部の一方から外方向に延びることが可能であり、前記別のπ字形状の棒が前記端部の他方から外方向に延びることが可能である、請求項17に記載のスプレッダ。
【請求項19】
前記別のπ字形状の棒の位置を前記中空の棒に相対して固定するための別のナットとボルトのアセンブリをさらに含む、請求項18に記載のスプレッダ。
【請求項20】
前記中空の棒が肋状の内壁を追加的に有する、請求項19に記載のスプレッダ。
【請求項21】
前記ウェブが前記ウェブのエッジの間の中ほどに配置された少なくとも2つの開口を規定し、別のπ字形状の棒の前記ウェブもまた別のπ字形状の棒の前記ウェブのエッジの間の中ほどに配置された少なくとも2つの開口を規定する、請求項20に記載のスプレッダ。
【請求項22】
建物構造物を建築するための方法であって、建築された形態の建物構造物が複数の弓形フレーム部材、基礎、細長の膜、およびスプレッダを含み、前記弓形フレーム部材の各々が第1の脚部から頂上へと延びて第2の脚部へと戻り、前記弓形フレーム部材の各々が複数の梁を含み、前記梁の各々が2つの対向するフランジを含み、前記フランジの各々が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、前記細長の膜が玉縁になった縦方向エッジおよび前記玉縁になったエッジの各々から続く1本のロープを有し、前記弓形フレーム部材の各々が頂上ローラーアセンブリもやはり有し、
前記基礎の下の表面に沿って自在に移動できるように前記基礎の1つに取り付けられた前記脚部の各々で前記弓形フレーム部材を立てて間隔を置く工程、
2つの隣り合う前記弓形フレーム部材の各々の間でスプレッダが広がるように前記弓形フレーム部材に前記スプレッダを取り付ける工程、
前記脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程を含み、前記仮設のローラーアセンブリおよび前記2つの隣り合うフレーム部材の頂上ローラーアセンブリが膜の前進を推進し、
複数本のロープを前記溝の中に配置する工程、
前記膜を前記2つの隣り合うフレーム部材の各々の第1の脚部から前記溝を通して前記頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する膜が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程を含み、前記前進が前記複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程、
前記スプレッダによって、前記弓形フレーム部材の間隔が増大して前記膜が張り詰められるように前記2つの隣り合うフレーム部材の各々を広げる工程、および
前記弓形フレーム部材を位置固定するために前記基礎を前記基礎直下の前記表面に固定する工程を含む、方法。
【請求項23】
前記梁の各々が中央のウェブをさらに含み、2つの対向するフランジのうちの少なくとも一方のロープ溝の開放部が、構造物建築の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式でこれらのフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溝がドライシリコーン潤滑剤でコーティングされる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
並んだ弓形フレーム部材の対の間で細長の膜を前進させるための方法であって、前記弓形フレーム部材の各々が第1の脚部から頂上へと延びて第2の脚部へと戻り、前記弓形フレーム部材の各々が複数の梁を含み、前記梁の各々が2つの対向するフランジを含み、前記フランジの各々が2つの二股に分かれた端部を有し、前記端部が開放部を備えたC字形状のロープ溝を規定し、前記細長の膜が玉縁になった縦方向エッジおよび前記玉縁になったエッジの各々から続く1本のロープを有し、前記弓形フレーム部材の各々が頂上ローラーアセンブリもやはり有し、
第1の脚部に仮設のローラーアセンブリを設置する工程を含み、前記仮設のローラーアセンブリおよび2つの隣り合う前記弓形フレーム部材の頂上ローラーアセンブリが前記膜の前進を推進し、
複数本のロープが前記溝の中に配置され、前記ローラーアセンブリを越える工程、
前記膜を第1の脚部から前記溝を通して前記頂上ローラーアセンブリの上へと上げ、第2の脚部へと下げ、付随する織布が前記ロープ溝の開放部から外方向に延びるように前進させる工程を含み、前記前進が複数本のロープを引っ張ることによって実行される工程を含む、方法。
【請求項26】
前記梁の各々が中央のウェブをさらに含み、前記2つの対向するフランジのうちの少なくとも一方のロープ溝の開放部が、前進させる工程の間に削減された摩擦で前記ロープ溝を通して前記膜を引くことを可能にするような方式でこれらのフランジの線の外に大幅に角度をつけられる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記溝にドライシリコーン潤滑剤をスプレー噴射し、前記配置する工程の前に発生する工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記前進させる工程が2台のロープ推進機によって少なくとも部分的に実行される、請求項25に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−519181(P2008−519181A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538232(P2007−538232)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001668
【国際公開番号】WO2006/047864
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507139513)スプラング・インスタント・ストラクチヤーズ・リミテツド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001668
【国際公開番号】WO2006/047864
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507139513)スプラング・インスタント・ストラクチヤーズ・リミテツド (1)
【Fターム(参考)】
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