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膜構造物、およびその組立方法
説明

膜構造物、およびその組立方法

【課題】構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体を設けた膜構造物において、支持体に膜体の端縁部を支持させることを容易にさせて、膜構造物の組立作業を容易にさせる。
【解決手段】膜構造物において、構造物本体3側に取り付けられて膜体6の端縁部5を支持可能とする長尺の支持体4が設けられる。支持体4は、長手方向に延びるよう形成された掛止孔30と、掛止孔30の長手方向の各部の内外を連通させるよう形成されたスリット31とを有している。膜体6の端縁部5の厚さD1は膜体6の一般部の厚さよりも大きくされ、膜体6の端縁部5はスリット31を通して掛止孔30に挿入可能とされる。スリット31の最小幅Wよりも外径D2が大きくされ、膜体6の端縁部5よりもスリット31側における掛止孔30の部分に、掛止孔30の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体36が設けられる。長尺体36が可撓性とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体を設けた膜構造物、およびその組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記膜構造物には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、膜構造物には、構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体が設けられる。この支持体は、その長手方向に延びるよう形成された掛止孔と、この掛止孔の長手方向の各部の内外を連通させるよう形成されたスリットとを有している。上記膜体の端縁部の厚さはこの膜体の一般部の厚さよりも大きくされ、上記膜体の端縁部は上記スリットを通して上記掛止孔に挿入可能とされている。また、上記スリットの最小幅よりも外径が大きくされ、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側における上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体が設けられている。
【0003】
上記膜構造物の組立方法につき説明すると、まず、上記支持体の長手方向の各部の外方から、上記膜体の端縁部を上記支持体のスリットを通し掛止孔に挿入させ、次に、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側の上記掛止孔の部分に、この掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入する。すると、上記膜体の端縁部が上記支持体のスリットを通し掛止孔から外部に抜け出ることは上記長尺体により防止されて、上記支持体により膜体の端縁部が支持される。これにより、上記膜体が張設されて、上記膜構造物の組立作業が終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭52−5443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記したように、長尺体は剛性のあるパイプ材により形成されている。このため、上記膜構造物の組立作業をする場合に、上記支持体の掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入させようとして移動させるときには、この長尺体は剛性であることにより、その移動軌跡の占有空間が大きくなりがちであると共に、この長尺体を取り扱うための作業動作も大きくなりがちである。よって、上記長尺体の取り扱いが煩雑になって、上記膜構造物の組立作業が煩雑になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体を設けた膜構造物において、上記支持体に膜体の端縁部を支持させることが容易にできるようにして、この膜構造物の組立作業が容易にできるようにすることである。
【0007】
請求項1の発明は、構造物本体3側に取り付けられて膜体6の端縁部5を支持可能とする長尺の支持体4を設け、この支持体4が、その長手方向に延びるよう形成された掛止孔30と、この掛止孔30の長手方向の各部の内外を連通させるよう形成されたスリット31とを有し、上記膜体6の端縁部5の厚さD1をこの膜体6の一般部の厚さよりも大きくし、上記膜体6の端縁部5を上記スリット31を通して上記掛止孔30に挿入可能とし、上記スリット31の最小幅Wよりも外径D2が大きくされ、上記膜体6の端縁部5よりも上記スリット31側における上記掛止孔30の部分にこの掛止孔30の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体36を設けた膜構造物において、
上記長尺体36を可撓性にしたことを特徴とする膜構造物である。
【0008】
請求項2の発明は、図6に例示するように、上記掛止孔30に挿入された上記膜体6の端縁部5と上記長尺体36とのそれぞれ自由状態(図6中二点鎖線)で、上記膜体6の端縁部5の近傍部分を挟み互いに対面する上記掛止孔30の内面の部分と上記長尺体36の外面の部分との間の最大隙間幅Cが上記膜体6の端縁部5の厚さD1よりも小さくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の膜構造物である。
【0009】
請求項3の発明は、上記長尺体36により端縁部39が構成される他の膜体38を設け、上記他の膜体38の端縁部39の近傍部分が上記スリット31を通過するようにしたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の膜構造物である。
【0010】
請求項4の発明は、上記膜体6と他の膜体38との離間距離を上記スリット31から離れるに従い大きくなるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の膜構造物である。
【0011】
請求項5の発明は、図6に例示するように、上記構造物本体3側に上記支持体4を締結により取り付ける締結具25を設け、上記支持体4の横断面視(図6)で、上記締結具25の軸心26に対し上記スリット31の開口の中心43を偏位させたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の膜構造物である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項3に記載の膜構造物の組立方法であって、
まず、上記支持体4の長手方向の各部の外方から、上記膜体6の端縁部5を上記支持体4のスリット31を通し掛止孔30に挿入し、次に、上記膜体6の端縁部5よりも上記スリット31側の上記掛止孔30の部分にこの掛止孔30の長手方向の端部から上記長尺体36を挿入することを特徴とする膜構造物の組立方法である。
【0013】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明による効果は、次の如くである。
【0015】
請求項1の発明は、構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体を設け、この支持体が、その長手方向に延びるよう形成された掛止孔と、この掛止孔の長手方向の各部の内外を連通させるよう形成されたスリットとを有し、上記膜体の端縁部の厚さをこの膜体の一般部の厚さよりも大きくし、上記膜体の端縁部を上記スリットを通して上記掛止孔に挿入可能とし、上記スリットの最小幅よりも外径が大きくされ、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側における上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体を設けた膜構造物において、
上記長尺体を可撓性にしているため、次の効果が生じる。
【0016】
即ち、上記膜構造物の組立作業をする場合には、まず、上記支持体の長手方向の各部の外方から上記膜体の端縁部を上記支持体のスリットを通し掛止孔に挿入し、次に、上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入する。
【0017】
ここで、上記発明によれば、長尺体は可撓性であるため、上記膜構造物の組立作業において、上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入するときには、この長尺体を予め小さい体積の塊となるよう纏めておき、その一端部から上記掛止孔の部分に挿入させてやればよい。よって、上記掛止孔の部分に長尺体を挿入させるときのこの長尺体の占有空間を小さく抑制できると共に、この長尺体を取り扱うための作業動作は小さくて足りることから、上記膜構造物の組立作業は容易にできる。
【0018】
請求項2の発明は、上記掛止孔に挿入された上記膜体の端縁部と上記長尺体とのそれぞれ自由状態で、上記膜体の端縁部の近傍部分を挟み互いに対面する上記掛止孔の内面の部分と上記長尺体の外面の部分との間の最大隙間幅が上記膜体の端縁部の厚さよりも小さくなるようにしている。
【0019】
このため、膜構造物の組立作業において、前記したように膜体の端縁部を支持体のスリットを通し掛止孔に挿入し、次に、この掛止孔の部分にその長手方向の端部から上記長尺体を挿入し、この挿入を進行させる場合に、上記掛止孔内で膜体の端縁部が長尺体よりもスリット側に不意に入れ替わることは上記長尺体の存在により防止される。よって、上記した掛止孔への長尺体の挿入の進行中に、上記膜体の端縁部が上記スリット側に不意に入れ替わってこのスリットを通し掛止孔の外部に抜け出してしまう、ということは確実に防止され、このため、上記膜構造物の組立作業は、より容易にできる。
【0020】
請求項3の発明は、上記長尺体により端縁部が構成される他の膜体を設け、この他の膜体の端縁部の近傍部分が上記スリットを通過するようにしている。
【0021】
このため、上記膜体と他の膜体との支持のために、一つの支持体が兼用される。よって、その分、膜構造物の構成を簡単にできると共に、膜構造物の組立作業が、より容易にできる。
【0022】
請求項4の発明は、上記膜体と他の膜体との離間距離を上記スリットから離れるに従い大きくなるようにしている。
【0023】
このため、上記膜体と他の膜体とを連続的に張設可能であることから、全体として面積が大きい膜構造物を容易に得ることができる。
【0024】
請求項5の発明は、上記構造物本体側に上記支持体を締結により取り付ける締結具を設け、上記支持体の横断面視で、上記締結具の軸心に対し上記スリットの開口の中心を偏位させている。
【0025】
このため、上記構造物本体の各所に対し支持体により膜体の端縁部と他の膜体の端縁部とを支持させる場合に、締結具の軸心と支持体のスリットの開口の中心との関連構成につき、より好ましいものを選択できる。よって、上記構造物本体の各部の種々構造にかかわらず、膜構造物の組立作業をより容易にできたり、膜構造物の膜体の外観上の見栄えをより向上させたりすることができる。
【0026】
請求項6の発明は、請求項3に記載の膜構造物の組立方法であって、
まず、上記支持体の長手方向の各部の外方から、上記膜体の端縁部を上記支持体のスリットを通し掛止孔に挿入し、次に、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側の上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入するというものである。
【0027】
このため、上記した膜構造物の組立方法において、上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入するときには、まず、上記支持体の外部で上記他の膜体を把持してこの他の膜体の端縁部の近傍部分を上記スリットに挿入すると共に、上記長尺体の端部を上記掛止孔の端部に挿入し、次に、上記のように把持した他の膜体と共に長尺体を上記掛止孔の長手方向に向かって移動させてやればよい。よって、上記掛止孔の部分への上記長尺体の挿入と、その進行とが容易にできることから、その分、膜構造物の組立作業は更に容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例1を示し、図4のI−I線矢視断面図である。
【図2】実施例1を示し、膜構造物の側面部分破断図である。
【図3】実施例1を示し、膜構造物の平面部分破断図である。
【図4】実施例1を示し、図3の部分拡大部分破断図である。
【図5】実施例1を示し、図4で示したものの斜視図である。
【図6】実施例2を示し、図1に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の膜構造物に関し、構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体を設けた膜構造物において、上記支持体に膜体の端縁部を支持させることが容易にできるようにして、この膜構造物の組立作業が容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
【0030】
即ち、膜構造物において、構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体が設けられる。この支持体は、その長手方向に延びるよう形成された掛止孔と、この掛止孔の長手方向の各部の内外を連通させるよう形成されたスリットとを有している。上記膜体の端縁部の厚さはこの膜体の一般部の厚さよりも大きくされ、上記膜体の端縁部は上記スリットを通して上記掛止孔に挿入可能とされている。また、上記スリットの最小幅よりも外径が大きくされ、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側における上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体が設けられる。上記長尺体が可撓性とされている。
【実施例1】
【0031】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1〜5に従って説明する。
【0032】
図1〜5において、図中符号1は、テント式建物で例示される膜構造物である。この膜構造物1は、地面2上に立設される構造物本体3側と、この構造物本体3側に取り付けられる支持体4と、この支持体4に面方向の端縁部5が支持され、上記構造物本体3をその上方から覆うよう張設される膜体6とを備えている。
【0033】
上記構造物本体3は、平面視(図3)で、矩形の各角部に位置するよう上記地面2上に立設される複数本(4本)の柱9と、それぞれ水平方向に延びて互いに隣り合う上記各柱9の上端部に架設され、平面視(図3)で、矩形枠状体を形成する複数本(4本)の主梁10と、平面視(図3)で、上記膜構造物1の縦向き中心線11を通り上記各柱9の上端部や各主梁10に架設される副梁12とを備えている。上記主梁10は、上、下梁部材14,15と、これら上、下梁部材14,15を互いに連結する連結材16とで構成され、全体としてトラス形状とされている。
【0034】
上記中心線11上にナット19が配置され、このナット19は上記各副梁12に支持されている。また、上記ナット19に螺合され、その捻回により昇降可能とされるジャッキボルト20が設けられ、このジャッキボルト20の上面には天板21が取り付けられている。
【0035】
前記支持体4は、上記各主梁10の上面に沿ってそれぞれ水平方向に長く延びる金属製の棒状体であり、平面視で、矩形枠状体を形成するよう複数本(4本)設けられている。上記支持体4は、この支持体4の長手方向に延び、かつ、上記中心線11側に向かって開口するよう形成される蟻溝形状の係合溝24を有している。この係合溝24に対し上記支持体4の長手方向に摺動可能に係合する締結具25が設けられ、この締結具25の軸心26は、上記支持体4の長手方向に直交して水平方向に延びている。上記主梁10の長手方向の所定間隔で、この主梁10の上面に支持片27が突設されている。これら各支持片27に対し上記各締結具25により上記各支持体4が取り付けられている。
【0036】
上記支持体4は、この支持体4の長手方向に延びるよう形成された断面円形の掛止孔30と、この掛止孔30の長手方向の各部の内外をそれぞれ連通させるよう形成されたスリット31とを有し、このスリット31は、上記締結具25の軸心26の軸方向で、上記係合溝24とは反対方向に開口している。
【0037】
上記膜体6は、平面視(図3)で、矩形状をなしている。この膜体6の各端縁部5は袋縫いされており、その内部にロープで例示される可撓性の長尺材34が挿入されている。これにより、上記膜体6の各端縁部5の厚さD1は、この膜体6の一般部の厚さよりも大きくされている。また、上記スリット31の最小幅Wよりも上記膜体6の端縁部5の厚さD1が小さくされており、つまり、この膜体6の端縁部5は、上記スリット31を通して上記掛止孔30に挿入可能とされている。例えば、上記長尺材34の直径は6mm、スリット31の最小幅Wは6.5mmとされる。
【0038】
上記膜体6は、透光性を有するものであって、基材として天然繊維、合成繊維、無機繊維等による織物と、この織物の外面に施される塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、フッ素樹脂などの合成樹脂からなるコーティング材とを備えているが、上記合成樹脂のみからなるシート材であってもよい。
【0039】
断面が円形で上記スリット31の最小幅Wよりも外径D2が大きくされ、上記膜体6の端縁部5よりも上記スリット31側における上記掛止孔30の部分に、上記支持体4の長手方向の端部側である上記掛止孔30の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体36が設けられている。この長尺体36は、上記スリット31を通し掛止孔30から抜け出ることが不可とされている。また、上記長尺体36により、上記膜体6の端縁部5が上記スリット31を通し掛止孔30から抜け出ることが防止されている。例えば、上記長尺体36の外径D2は10mmとされる。なお、上記長尺体36は可撓性のロープで構成されているが、ケーブル、ワイヤ、ゴム紐、チェーンなどであってもよい。
【0040】
上記構造物本体3の各主梁10をその外側方からそれぞれ覆う他の膜体38が設けられている。この他の膜体38は上記各主梁10に沿って長く延びる帯形状をなし、その長手方向の各部は上下方向に延びている。互いに隣り合う上記他の膜体38,38のうち、一方の他の膜体38の端部から一体的に延出する連結膜体40が設けられる。この連結膜体40は、他方の他の膜体38の端部に面ファスナー41により着脱可能に固着されて、上記両他の膜体38,38を互いに連結している。上記他の膜体38と連結膜体40との各材質は、上記膜体6のそれと同様である。
【0041】
上記他の膜体38の上側の端縁部39は、上記長尺体36により構成されている。具体的には、上記他の膜体38の端縁部39は袋縫いされており、その内部に上記長尺体36が挿入され、上記他の膜体38の端縁部39の近傍部分が上記スリット31を通過している。これにより、上記他の膜体38の上側の端縁部39が上記支持体4に支持されている。一方、上記他の膜体38の下側の端縁部は自由端とされ、この他の膜体38は上記支持体4に吊下されている。これにより、上記膜体6と他の膜体38との離間距離は、上記スリット31から離れるに従い大きくなることとされている。
【0042】
図4,5において、上記各支持体4におけるある一つの支持体4(A)とこれに隣接する他の支持体4(B)とに着目すれば、この他の支持体4(B)は、上記支持体4(A)の長手方向の一端部側から、この長手方向とは平面視(図4)で90°だけ異なる方向に延びている。上記支持体4(A)に上記膜体6の端縁部5の一部分5aが支持され、他部分5bは上記他の支持体4(B)に支持されている。
【0043】
そして、前記ジャッキボルト20は、その捻回により上昇させられて、このジャッキボルト20の上端部の天板21が上記膜体6の面方向の中央部を押し上げている。これにより、上記膜体6は、その各部に張力が与えられた状態で張設される。
【0044】
上記膜構造物1の組立方法につき説明する。
【0045】
まず、上記構造物本体3の上面に膜体6を展開させて載置する。この場合、上記ジャッキボルト20は天板21と共に予め下降させられている(図1,2中一点鎖線)。
【0046】
次に、上記支持体4の長手方向の各部の外方、かつ、上記スリット31の開口の外方に上記膜体6の端縁部5を位置させる(図1中一点鎖線)。
【0047】
次に、上記支持体4の長手方向の各部の外方から上記膜体6の端縁部5を上記支持体4のスリット31を通し掛止孔30に挿入する。次に、上記膜体6の端縁部5よりも上記スリット31側の上記掛止孔30の部分に、この掛止孔30の長手方向の端部から上記長尺体36を挿入する(図1中二点鎖線)。この場合、上記掛止孔30に挿入された上記膜体6の端縁部5と上記長尺体36とは、それぞれ外力が与えられていない自由状態とされている。
【0048】
次に、上記ジャッキボルト20を天板21と共に上昇させて上記膜体6の面方向の中央部に上方に向かう外力を与え、この中央部を押し上げる。この場合、上記膜体6の端縁部5と他の膜体38の端縁部39とが上記支持体4のスリット31を通し掛止孔30から外部に抜け出ることはそれぞれ上記長尺体36により防止される。そして、上記膜体6の端縁部5と他の膜体38の端縁部39とはそれぞれ上記支持体4の掛止孔30の内面に圧接されてこの支持体4に強固に支持される(図1中実線、図4,5)。これにより、上記膜体6は、その各部に張力が与えられた状態で張設されて、上記膜構造物1の組立作業が終了する。
【0049】
上記構成によれば、長尺体36を可撓性にしているため、次の効果が生じる。
【0050】
即ち、上記膜構造物1の組立作業をする場合には、まず、上記支持体4の長手方向の各部の外方から上記膜体6の端縁部5を上記支持体4のスリット31を通し掛止孔30に挿入し、次に、上記掛止孔30の部分にこの掛止孔30の長手方向の端部から上記長尺体36を挿入する。
【0051】
ここで、上記構成によれば、長尺体36は可撓性であるため、上記膜構造物1の組立作業において、上記掛止孔30の部分にこの掛止孔30の長手方向の端部から上記長尺体36を挿入するときには、この長尺体36を予め小さい体積の塊となるよう纏めておき、その一端部から上記掛止孔30の部分に挿入させてやればよい。よって、上記掛止孔30の部分に長尺体36を挿入させるときのこの長尺体36の占有空間を小さく抑制できると共に、この長尺体36を取り扱うための作業動作は小さくて足りることから、上記膜構造物1の組立作業は容易にできる。
【0052】
また、前記したように、長尺体36により端縁部39が構成される他の膜体38を設け、この他の膜体38の端縁部39の近傍部分が上記スリット31を通過するようにしている。
【0053】
このため、上記膜体6と他の膜体38との支持のために、一つの支持体4が兼用される。よって、その分、膜構造物1の構成を簡単にできると共に、膜構造物1の組立作業が、より容易にできる。
【0054】
また、前記したように、膜体6と他の膜体38との離間距離を上記スリット31から離れるに従い大きくなるようにしている。
【0055】
このため、上記膜体6と他の膜体38とを連続的に張設可能であることから、全体として面積が大きい膜構造物1を容易に得ることができる。
【0056】
また、前記したように、膜構造物の組立方法であって、
まず、上記支持体4の長手方向の各部の外方から、上記膜体6の端縁部5を上記支持体4のスリット31を通し掛止孔30に挿入し、次に、上記膜体6の端縁部5よりも上記スリット31側の上記掛止孔30の部分にこの掛止孔30の長手方向の端部から上記長尺体36を挿入するようにしている。
【0057】
このため、上記した膜構造物1の組立方法において、上記掛止孔30の部分にこの掛止孔30の長手方向の端部から上記長尺体36を挿入するときには、まず、上記支持体4の外部で上記他の膜体38を把持してこの他の膜体38の端縁部39の近傍部分を上記スリット31に挿入すると共に、上記長尺体36の端部を上記掛止孔30の端部に挿入し、次に、上記のように把持した他の膜体38と共に長尺体36を上記掛止孔30の長手方向に向かって移動させてやればよい。よって、上記掛止孔30の部分への上記長尺体36の挿入と、その進行とが容易にできることから、その分、膜構造物1の組立作業は更に容易にできる。
【0058】
以下の図6は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【実施例2】
【0059】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図6に従って説明する。
【0060】
図6において、上記掛止孔30に挿入された上記膜体6の端縁部5と上記長尺体36とのそれぞれ自由状態(図6中二点鎖線)で、上記膜体6の端縁部5の近傍部分を挟み、互いに平行に延びて互いに離れて対面する上記掛止孔30の内面の部分と上記長尺体36の外面の部分との間の最大隙間幅Cが上記膜体6の端縁部5の厚さD1よりも小さくなることとされている。具体的には、上記した互いに対面する掛止孔30の内面の部分と長尺体36の外面の部分とは、この長尺体36の軸心を通り上記掛止孔30の内面の部分に直交する線上に位置している。
【0061】
このため、膜構造物1の組立作業において、前記したように膜体6の端縁部5を支持体4のスリット31を通し掛止孔30に挿入し、次に、この掛止孔30の部分にその長手方向の端部から上記長尺体36を挿入し、この挿入を進行させる場合に、上記掛止孔30内で膜体6の端縁部5が長尺体36よりもスリット31側に不意に入れ替わることは上記長尺体36の存在により防止される。よって、上記した掛止孔30への長尺体36の挿入の進行中に、上記膜体6の端縁部5が上記スリット31側に不意に入れ替わってこのスリット31を通し掛止孔30の外部に抜け出してしまう、ということは確実に防止され、このため、上記膜構造物1の組立作業は、より容易にできる。
【0062】
また、上記支持体4の横断面視(図6)で、上記締結具25の軸心26に対し上記スリット31の開口の中心43は偏位させられている。
【0063】
このため、上記構造物本体3の各所に対し支持体4により膜体6の端縁部5と他の膜体38の端縁部39とを支持させる場合に、締結具25の軸心26と支持体4のスリット31の開口の中心43との関連構成につき、より好ましいものを選択できる。よって、上記構造物本体3の各部の種々構造にかかわらず、膜構造物1の組立作業をより容易にできたり、膜構造物1の膜体6の外観上の見栄えをより向上させたりすることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 膜構造物
2 地面
3 構造物本体
4 支持体
5 端縁部
5a 一部分
5b 他部分
6 膜体
24 係合溝
25 締結具
26 軸心
27 支持片
30 掛止孔
31 スリット
36 長尺体
38 膜体
39 端縁部
43 中心
D1 厚さ
D2 外径
C 最大隙間幅
W 最小幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物本体側に取り付けられて膜体の端縁部を支持可能とする長尺の支持体を設け、この支持体が、その長手方向に延びるよう形成された掛止孔と、この掛止孔の長手方向の各部の内外を連通させるよう形成されたスリットとを有し、上記膜体の端縁部の厚さをこの膜体の一般部の厚さよりも大きくし、上記膜体の端縁部を上記スリットを通して上記掛止孔に挿入可能とし、上記スリットの最小幅よりも外径が大きくされ、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側における上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から挿入可能とされる長尺体を設けた膜構造物において、
上記長尺体を可撓性にしたことを特徴とする膜構造物。
【請求項2】
上記掛止孔に挿入された上記膜体の端縁部と上記長尺体とのそれぞれ自由状態で、上記膜体の端縁部の近傍部分を挟み互いに対面する上記掛止孔の内面の部分と上記長尺体の外面の部分との間の最大隙間幅が上記膜体の端縁部の厚さよりも小さくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の膜構造物。
【請求項3】
上記長尺体により端縁部が構成される他の膜体を設け、この他の膜体の端縁部の近傍部分が上記スリットを通過するようにしたことを特徴とする請求項1、もしくは2にに記載の膜構造物。
【請求項4】
上記膜体と他の膜体との離間距離を上記スリットから離れるに従い大きくなるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の膜構造物。
【請求項5】
上記構造物本体側に上記支持体を締結により取り付ける締結具を設け、上記支持体の横断面視で、上記締結具の軸心に対し上記スリットの開口の中心を偏位させたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の膜構造物。
【請求項6】
請求項3に記載の膜構造物の組立方法であって、
まず、上記支持体の長手方向の各部の外方から、上記膜体の端縁部を上記支持体のスリットを通し掛止孔に挿入し、次に、上記膜体の端縁部よりも上記スリット側の上記掛止孔の部分にこの掛止孔の長手方向の端部から上記長尺体を挿入することを特徴とする膜構造物の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−96202(P2013−96202A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242896(P2011−242896)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【Fターム(参考)】