説明

膜Ig特異的抗体を同定する方法および免疫グロブリンを生成する前駆体細胞を標的化するための使用

本発明は、膜結合型免疫グロブリン上に存在する新規エピトープと結合する抗体、およびB細胞および形質細胞の表面上のこれらの新規エピトープと結合する前記抗体の発見に関する。さらに、本発明の抗体はADCCに介在することができ、そして本発明の新規エピトープを発現するこれらのB細胞および形質細胞を枯渇させるために有用でありうる。本発明の抗体は、B細胞介在性疾患およびB細胞のモノクローナル増殖が原因である疾患の治療に有用でありうる。従って、本発明はまた、B細胞介在性疾患およびB細胞のモノクローナル増殖が原因である疾患を予防、管理、治療または改善するための組成物および方法も提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、膜結合型免疫グロブリンE(mIgE)以外の膜結合型免疫グロブリンと結合しない前記抗体またはその断片。
【請求項2】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、配列番号1および配列番号6のポリペプチドと結合しない前記抗体またはその断片。
【請求項3】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、配列番号3および配列番号4のポリペプチドと結合しない前記抗体またはその断片。
【請求項4】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、A1c(配列番号50および51によりコードされた)およびB1(配列番号60および61によりコードされた)の可変領域を含む抗体またはその抗体断片と同じエピトープに結合しない前記抗体またはその断片。
【請求項5】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、結合がA1c(配列番号50および51によりコードされた)およびB1(配列番号60および61によりコードされた)の可変領域を含む抗体またその断片により阻害されない前記抗体またはその断片。
【請求項6】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、配列番号1のペプチドと特異的に結合する抗体またはその断片と同じエピトープに結合しない前記抗体またはその断片。
【請求項7】
配列番号5のペプチド配列と特異的に結合する抗体またはその断片であって、配列番号6のペプチドと特異的に結合する抗体またはその断片と同じエピトープに結合しない前記抗体またはその抗体断片。
【請求項8】
mIgEと特異的に結合する抗体またはその断片であって、配列番号1および配列番号6のペプチドが前記抗体またはその抗体断片の前記mIgEとの結合を阻害することができない前記抗体またはその断片。
【請求項9】
mIgEを発現するB細胞または形質細胞を枯渇させる、請求項1、2、3、4、5、6、7、または8の抗体またはその断片。
【請求項10】
ADCCを介して前記B細胞を枯渇させる、請求項9に記載の抗体またはその断片。
【請求項11】
配列番号5、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45および46からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するペプチドと特異的に結合する抗体または抗体断片。
【請求項12】
配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドに対するKdと比較して、少なくとも2、10、102、103、104、105または106倍低い配列番号5のアミノ酸配列を有するペプチドに対するKdを有する、請求項11に記載の抗体または抗体断片。
【請求項13】
配列番号6のアミノ酸配列を有するペプチドに対するKdと比較して、少なくとも2、10、102、103、104、105または106倍低い配列番号5のアミノ酸配列を有するペプチドに対するKdを有する、請求項11に記載の抗体または抗体断片。
【請求項14】
配列番号6および配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドに対するKdと比較して、少なくとも2、10、102、103、104、105または106倍低い配列番号5のアミノ酸配列を有するペプチドに対するKdを有する、請求項11に記載の抗体または抗体断片。
【請求項15】
(a)抗体D5からの少なくとも1つのCDR;
(b)抗体D5からの少なくとも2つのCDR;
(c)抗体D5からの少なくとも3つのCDR;
(d)抗体D5からの少なくとも4つのCDR;
(e)抗体D5からの少なくとも5つのCDR;および
(f)抗体D5からの6つのCDR
からなる群より選択されるメンバーを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項16】
(a)抗体F4からの少なくとも1つのCDR;
(b)抗体F4からの少なくとも2つのCDR;
(c)抗体F4からの少なくとも3つのCDR;
(d)抗体F4からの少なくとも4つのCDR;
(e)抗体F4からの少なくとも5つのCDR;および
(f)抗体F4からの6つのCDR
からなる群より選択されるメンバーを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項17】
(a)抗体D9からの少なくとも1つのCDR;
(b)抗体D9からの少なくとも2つのCDR;および
(c)抗体D9からの少なくとも3つのCDR
からなる群より選択されるメンバーを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項18】
6つのCDRを含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片であって、
(a)単離された抗体の1つのCDRがD5抗体の軽鎖CDR1と少なくとも80%同一であり;
(b)単離された抗体の第2のCDRがD5抗体の軽鎖CDR2と少なくとも80%同一であり;
(c)単離された抗体の第3のCDRがD5抗体の軽鎖CDR3と少なくとも80%同一であり;
(d)単離された抗体の第4のCDRがD5抗体の重鎖CDR1と少なくとも80%同一であり;
(e)単離された抗体の第5のCDRがD5抗体の重鎖CDR2と少なくとも80%同一であり;そして
(f)単離された抗体の第6のCDRがD5抗体の重鎖CDR3と少なくとも80%同一である前記抗体またはその抗体断片。
【請求項19】
6つのCDRを含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片であって、
(a)単離された抗体の1つのCDRがF4抗体の軽鎖CDR1と少なくとも80%同一であり;
(b)単離された抗体の第2のCDRがF4抗体の軽鎖CDR2と少なくとも80%同一であり;
(c)単離された抗体の第3のCDRがF4抗体の軽鎖CDR3と少なくとも80%同一であり;
(d)単離された抗体の第4のCDRがF4抗体の重鎖CDR1と少なくとも80%同一であり;
(e)単離された抗体の第5のCDRがF4抗体の重鎖CDR2と少なくとも80%同一であり;そして
(f)単離された抗体の第6のCDRがF4抗体の重鎖CDR3と少なくとも80%同一である前記抗体またはその抗体断片。
【請求項20】
6つのCDRを含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片であって、
(a)単離された抗体の第1のCDRがD9抗体の重鎖CDR1と少なくとも80%同一であり;
(b)単離された抗体の第2のCDRがD9抗体の重鎖CDR2と少なくとも80%同一であり;そして
(c)単離された抗体の第3のCDRがD9抗体の重鎖CDR3と少なくとも80%同一である前記抗体またはその抗体断片。
【請求項21】
抗体が配列番号9のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片。
【請求項22】
抗体が配列番号10のアミノ酸配列を含む可変重鎖を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片。
【請求項23】
抗体が配列番号72のアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む抗体のアミノ酸配列を有する可変領域を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片。
【請求項24】
抗体が配列番号73のアミノ酸配列を含む可変重鎖を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片。
【請求項25】
抗体が配列番号81のアミノ酸配列を含む可変重鎖を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の単離された抗体またはその抗体断片。
【請求項26】
配列番号9、10、72、73および81からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする単離された核酸配列。
【請求項27】
配列番号7、8、70、71および80からなる群より選択される少なくとも1つの核酸配列を含む、単離された細胞。
【請求項28】
抗体D5と同じエピトープに結合する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項29】
抗体D5と同じエピトープとの結合に対して競合する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項30】
抗体F4と同じエピトープに結合する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項31】
抗体F4と同じエピトープとの結合に対して競合する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項32】
抗体D9と同じエピトープに結合する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項33】
抗体D9と同じエピトープとの結合に対して競合する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項34】
D5の可変領域(配列番号7および8によりコードされた)を含む抗体と同じエピトープに結合しかつ
(a)少なくとも10-7M;
(b)10-7M〜10-8M;
(c)10-8M〜10-9M;
(d)10-9M〜10-10M;
(e)10-10M〜10-11M;
(f)10-11M〜10-12M;
(g)10-12M〜10-13M;および
(h)10-13M〜10-14M
からなる群より選択される解離定数(Kd)を有する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項35】
F4の可変領域(配列番号70および71によりコードされた)を含む抗体と同じエピトープに結合しかつ
(a)少なくとも10-7M;
(b)10-7M〜10-8M;
(c)10-8M〜10-9M;
(d)10-9M〜10-10M;
(e)10-10M〜10-11M;
(f)10-11M〜10-12M;
(g)10-12M〜10-13M;および
(h)10-13M〜10-14M
からなる群より選択される解離定数(Kd)を有する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項36】
D9の可変領域(配列番号80によりコードされた)を含む抗体と同じエピトープに結合しかつ
(a)少なくとも10-7M;
(b)10-7M〜10-8M;
(c)10-8M〜10-9M;
(d)10-9M〜10-10M;
(e)10-10M〜10-11M;
(f)10-11M〜10-12M;
(g)10-12M〜10-13M;および
(h)10-13M〜10-14M
からなる群より選択される解離定数(Kd)を有する、単離された抗体または抗体断片。
【請求項37】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35または36に記載の抗体または抗体断片であって、前記抗体が
(a)少なくとも10-7M;
(b)10-7M〜10-8M;
(c)10-8M〜10-9M;
(d)10-9M〜10-10M;
(e)10-10M〜10-11M;
(f)10-11M〜10-12M;
(g)10-12M〜10-13M;および
(h)10-13M〜10-14M
からなる群より選択される解離定数(Kd)を有する前記抗体または抗体断片。
【請求項38】
抗体または抗体断片がモノクローナル抗体である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36または37のいずれか1項に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項39】
モノクローナル抗体または抗体断片がヒト化抗体または抗体断片である、請求項38に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項40】
モノクローナル抗体または抗体断片がヒト抗体または抗体断片である、請求項38に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項41】
抗体または抗体断片が
(a)scFv;
(b)Fab断片;
(c)Fab'断片;
(d)F(ab)2;
(e)Fv;
(f)ジスルフィド連結されたFv;および
(g)二特異的抗体
からなる群より選択されるメンバーである、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25,28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40のいずれか1項に記載の単離された抗体または抗体断片。
【請求項42】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41に記載の単離された抗体または抗体断片を含む医薬組成物。
【請求項43】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41に記載の単離された抗体または抗体断片を製造する方法であって、
(a)選択前または後の抗体ライブラリーを、配列番号5と結合しかつ配列番号1および配列番号6に対して少なくとも5倍低いアフィニティで結合する抗体についてスクリーニングするステップ、および
(b)少なくとも1つの抗体をステップ(a)から単離するステップを含んでなる前記方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法により製造される抗体。
【請求項45】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41に記載の単離された抗体または抗体断片を発現する細胞系。
【請求項46】
(a)請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41に記載の単離された抗体または抗体断片の結合部位を含む第1ドメイン;ならびに
(b)CD3抗原を特異的に認識する免疫グロブリン鎖または抗体の結合部位を含む第2のドメインを含む、1本鎖多官能性ポリペプチド。
【請求項47】
ヒトにおけるIgE介在性疾患を予防、改善、または治療する方法であって、かかる予防、改善、または治療を必要とする個体に、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41に記載の抗体もしくは抗体断片または請求項46に記載の1本鎖多官能性ポリペプチドの有効量を投与するステップを含んでなる前記方法。
【請求項48】
IgE介在性疾患が喘息である請求項47に記載の方法。
【請求項49】
IgE介在性疾患がアレルギー性疾患である請求項47に記載の方法。
【請求項50】
優性エピトープと結合しない抗体を製造する方法であって、
(a)選択前または後の抗体ライブラリーを、ポリペプチド上に存在する優性エピトープを認識する抗体により阻害されない抗体に対する優性エピトープを含む前記ポリペプチドと結合する抗体ついて、スクリーニングするステップ;および
(b)ステップ(a)から少なくとも1つの抗体を単離するステップを含んでなる前記方法。
【請求項51】
優性エピトープと結合しない抗体を製造する方法であって、
(a)優性エピトープを含むポリペプチドと結合するクローンを抗体ライブラリーから単離するステップ;
(b)ステップ(a)で単離したクローンを、優性エピトープと特異的に結合する抗体により阻害されないこれらのクローンについてスクリーニングするステップ;および
(c)ステップ(b)から少なくとも1つの抗体を単離するステップを含んでなる前記方法。
【請求項52】
膜結合型免疫グロブリン上の優性エピトープでなくかつに隠されてないmigisエピトープと特異的に結合する抗体を製造する方法であって、
(a)migisエピトープを含むポリペプチドと結合するクローンを抗体ライブラリーから単離するステップ;
(b)ステップ(a)から単離したクローンを、migisエピトープを含む前記ポリペプチド上に存在する優性エピトープを認識する抗体により阻害されないこれらのクローンにについてスクリーニングするステップ;
(c)ステップ(b)で阻害されないクローンを、膜結合型免疫グロブリンを有する細胞と特異的に結合するこれらのクローンについてスクリーニングするステップ;
(d)ステップ(c)から少なくとも1つの抗体を単離するステップを含んでなる前記方法。
【請求項53】
膜結合型免疫グロブリン上の優性エピトープでなく、他のタンパク質により共有されることなく、かつ隠されてないmigisエピトープと特異的に結合する抗体を製造する方法であって、
(a)migisエピトープを含むポリペプチドと結合するこれらのクローンを抗体ライブラリーから単離するステップ;
(b)ステップ(a)から単離したクローンを、migisエピトープを含む前記ポリペプチド上に存在する優性エピトープを認識する抗体により阻害されないこれらのクローンについてスクリーニングするステップ;
(c)ステップ(b)で阻害されないクローンを、膜結合型免疫グロブリンを有する細胞と特異的に結合するこれらのクローンについてスクリーニングするステップ;
(d)ステップ(c)で特異的に結合するクローンを、膜結合型免疫グロブリンを有しない細胞と特異的に結合しないこれらのクローンについてスクリーニングするステップ;
;および
(e)ステップ(c)から少なくとも1つの抗体を単離するステップを含んでなる前記方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−509538(P2009−509538A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533581(P2008−533581)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/037724
【国際公開番号】WO2007/041171
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【Fターム(参考)】