膝蓋骨ドリル案内及びクランプアセンブリ
【課題】整形外科用手術器具を提供する。
【解決手段】整形外科用手術器具は、膝蓋骨ドリル案内を含む。膝蓋骨ドリル案内は、第1のブラケットと、第1のブラケットに連結され、第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットとを含む。第2のブラケットは、複数の案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含み、複数の案内穴のそれぞれは、手術用ドリルを受容するように寸法調整される。ガスケットは、第2のブラケットに枢動可能に連結され、ガスケットは、第2のブラケットの複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する。
【解決手段】整形外科用手術器具は、膝蓋骨ドリル案内を含む。膝蓋骨ドリル案内は、第1のブラケットと、第1のブラケットに連結され、第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットとを含む。第2のブラケットは、複数の案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含み、複数の案内穴のそれぞれは、手術用ドリルを受容するように寸法調整される。ガスケットは、第2のブラケットに枢動可能に連結され、ガスケットは、第2のブラケットの複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下、2011年6月30日に出願された米国特許出願第61/503,164号に対する優先権を主張し、当該出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(関連出願の相互参照)
相互参照は、Abraham Wrightらによる同時係属米国仮特許出願番号第61/503,402号、表題「PATELLA RESECTION GUIDE WITH LOCATING FEATURES AND METHOD OF USING THE SAME」(代理人整理番号第265280−211141号、DEP6294USPSP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国仮特許出願番号第61/503,159号、表題「PATELLA ORTHOPAEDIC SURGICAL METHOD」(代理人整理番号第265280−214736号、DEP6378USPSP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国仮特許出願番号第61/503,404号、表題「PATELLA ORTHOPAEDIC SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY」(代理人整理番号第265280−214740、DEP6382USPSP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国意匠特許出願番号第29/396,508号、表題「MULTIFUNCTIONAL HANDLE」(代理人整理番号第265280−215720号、DEP6378USDP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国意匠特許出願番号第29/396,512号、表題「PATELLA RESECTION GUIDE」(代理人整理番号第265280−214754号、DEP6383USDP)、及びAbraham Wrightらによる同時係属米国意匠特許出願第29/396,514号、表題「COMBINATION PATELLA DRILL GUIDE AND CLAMP」(代理人整理番号第265280−215721号、DEP6378USDP1)に対して行われ、それぞれ本出願と同一の出願人に譲渡され、それぞれ参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0003】
(発明の分野)
本開示は、概して、整形外科用手術器具に関し、より具体的には、膝蓋骨手術器具に関する。
【背景技術】
【0004】
関節形成術は、疾患及び/又は損傷した天然関節を人工関節で置き換える周知の外科手術である。通常の人工膝関節は、脛骨トレー、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレーと大腿骨コンポーネントとの間に配置されるポリマーインサート又はベアリングを含む。ある場合においては、人工膝関節は、人工膝蓋骨コンポーネントも含んでよく、このコンポーネントは、手術により準備された患者の膝蓋骨の後部側に固定される。人工装具コンポーネントを膝蓋骨に固定するために、整形外科医は、患者の天然膝蓋骨の後方側面を切除して、人工装具コンポーネントを受容するように、天然膝蓋骨を準備することができる。使用時、膝蓋骨人工装具コンポーネントは、患者の膝の伸展及び屈曲の間、患者の天然又は義足の大腿骨とともに関節接合をなす。
【0005】
天然関節を人工膝関節で置き換えることを容易にするために、整形外科医は、例えば切断ブロック、ドリル案内、ミリング案内、及び他の手術器具等の様々な整形外科用手術器具を使用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様による、整形外科用手術器具アセンブリが開示される。整形外科用手術器具アセンブリは、ハウジングと、ハウジングに移動可能に連結されたレバーと、ハウジングと選択可能に連結されるように構成された複数の手術ツールとを含む。複数の手術ツールの各手術ツールは、第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素に対して移動するように構成された第2のクランプ要素とを含む。第2のクランプ要素は、レバーをハウジングに対して移動させることが、第2のクランプ要素を第1のクランプ要素に向かって前進させて患者の骨をクランプするように、レバーに連結されるように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、各手術ツールをハウジングに固定するように構成されたロック機構を含んでもよい。ロック機構は、ロック機構が手術ツールをハウジングに固定する第1の位置と、ロック機構が手術ツールをハウジングから除去されることを許す第2の位置との間で移動可能であるロックブラケットを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ハウジングに画定された通路を有してもよい。手術ツールは、第1のクランプ要素を含む本体と、そこから下向きに伸長するシャフトとを有してもよい。シャフトは、通路において受容されるように構成されてもよい。ロックブラケットが第1の位置に配置され、手術ツールがハウジングと連結されると、ロックブラケットは、シャフトを嵌合し得る。更に、いくつかの実施形態では、手術ツールのシャフトは、シャフトに画定されたノッチを有してもよい。ロックブラケットのフランジは、ロックブラケットが第1の位置に配置されるとき、ノッチにおいて受容されてもよく、ロックブラケットが第2の位置に配置されるとき、ノッチから離間されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ロック機構は、第1の位置にあるロックブラケットを付勢する、付勢部材を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザが押すことができるボタンが、ロックブラケットに固定されてもよく、ボタンは、ボタンを押すことでロックブラケットが第1の位置から第2の位置まで前進するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハンドルのハウジングが、ハウジングに移動可能に連結されたレバーを有する上本体と、上本体から下向きに伸長するグリップとを含んでもよい。レバーは、上本体から下向きに伸長するレバーアームを含んでもよい。レバーアームは、既定量の力がレバーアームに印加されるとき、グリップに対して移動することが許されてもよい。
【0011】
更に、いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、ハウジングに対するレバーの移動を許可するように構成されたレバー解放機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、レバー解放機構は、レバーがハウジングに対して移動するのを防ぐ第1の位置と、レバーがハウジングに対して移動するのを許可する第2の位置との間で移動可能なキャッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、レバー解放機構は、レバーアーム上に形成された複数の歯を更に含んでもよい。キャッチが第1の位置に配置されるとき、複数の歯と嵌合され、キャッチが第2の位置に配置されるとき、複数の歯から離間する、フランジを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、レバー解放機構は、上本体に移動可能に連結された、ユーザが押すことができるボタンを含んでもよい。ユーザが押すことができるボタンは、ボタンが押されると、キャッチが第2の位置に配置されるように、第2の位置に固定されたキャッチを有してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、レバーのレバーアームに連結された第1の末端部と、ハウジングに連結された第2の末端部とを有する付勢部材を更に含んでもよい。レバーは、レバーアームがグリップから離間する第1の位置と、レバーアームがグリップと接触して配置される第2の位置とを有してもよい。付勢部材は、キャッチが第2の位置に配置されるとき、第1の位置においてレバーを付勢させてもよい。いくつかの実施形態では、キャッチは、既定量の力がレバーアームに印加されると、複数の歯に沿って前進され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、レバーは、上本体から外側に伸長する上レバーアームを更に含み、第2のクランプ要素は、第2のクランプ要素に画定されたスロットを有する本体を含んでもよい。スロットは、上レバーアームを受容するように寸法調整されてもよい。
【0015】
更に、いくつかの実施形態では、複数の手術ツールのうちの少なくとも1つの手術ツールが、膝蓋骨切断案内表面を画定する、実質的に平坦な上面を含む、膝蓋骨切除案内であってもよい。第1のクランプ要素は、第1の固定ジョーであってもよく、第2のクランプ要素は、第1の固定ジョーに対して移動可能な膝蓋骨切除案内の第2のジョーであってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数の手術ツールのうちの少なくとも1つの手術ツールは、膝蓋骨ドリル案内であってもよい。第1のクランプ要素は、第1の固定ブラケットであってもよく、第2のクランプ要素は、第1の固定ブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであってもよい。第2のブラケットは、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットに画定された少なくとも1つの案内穴を有してもよい。
【0017】
別の態様によると、整形外科用手術器具アセンブリは、ハウジングを有するハンドルと、ハウジングと選択的に連結されるように構成された膝蓋骨切除案内と、ハウジングと選択的に連結されるように構成された膝蓋骨ドリル案内とを含む。膝蓋骨切除案内は、患者の膝蓋骨を嵌合するように構成された1対のジョーと、膝蓋骨切断案内表面を画定する、実質的に平坦な上面とを含む。膝蓋骨ドリル案内は、患者の切除された膝蓋骨を嵌合するように構成された第1のブラケット及び第2のブラケットを含む。第1のブラケットは、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、少なくとも1つの案内穴が内部に画定される。
【0018】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、ハウジングに移動可能に連結されたレバーを更に含んでもよい。膝蓋骨切除案内の1対のジョーは、レバーをハウジングに対して移動させることで、第1のジョーを第2のジョーに対して移動させるように、レバーに連結されるように構成された第1のジョーを含んでもよい。膝蓋骨ドリル案内の第1のブラケットは、レバーをハウジングに対して移動させることで、第1のブラケットを第2のブラケットに対して移動させるように、レバーに連結されるように構成されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、レバーが、ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、第1のジョーは、1対のジョーの第2のジョーに向かって移動し得る。レバーがハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、第1のジョーは、第2のジョーから離れて移動し得る。更に、いくつかの実施形態では、レバーが、ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、第1のブラケットは、第2のブラケットに向かって移動してもよく、レバーが、ハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、第1のブラケットは、第2のブラケットから離れて移動し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、レバーは、レバーアームを含んでもよい。レバーは、既定量の力がレバーアームに印加されるとき、ハウジングに対して第1の方向に移動することが許され得る。いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、レバー解放機構を更に含んでもよい。レバー解放機構は、既定量の力がレバーアームに印加されない限り、レバーがハウジングに対して移動するのを防ぐ第1の位置と、レバーがハウジングに対して第2の方向に移動することが許される第2の位置との間で移動可能であるキャッチを含んでもよい。
【0021】
別の態様によると、整形外科用手術器具が開示される。整形外科用手術器具は、上本体と、上本体から下向きに伸長するグリップと、複数の手術ツールを上本体に選択的に固定するように構成されたロック機構と、上本体に移動可能に連結されたレバーとを含む。レバーは、ハウジングのレバー本体から下向きに伸長する第1のレバーアームを含む。第1のレバーアームは、既定量の力が第1のレバーアームに印加されるとき、グリップに対して移動することが許される。レバーはまた、上本体の上表面から外向きに伸長する第2のレバーアームを含む。第2のレバーアームは、ハウジングの上本体に固定された手術ツールに連結されるように構成される。
【0022】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、膝蓋骨切除案内を含む。膝蓋骨切除案内は、膝蓋骨切断案内表面を画定する実質的に平坦な上面と、本体を通る開口を画定する内壁とを有する本体を含む。開口は、患者の膝蓋骨を受容するように構成され、内壁は、開口の中に内側に伸長する第1の歯群を有する、第1のジョーを含む。膝蓋骨切除案内は、第1のジョーの反対側に位置付けられた第2のジョーを含む。第2のジョーは、第1のジョーに対して移動可能である。第2のジョーは、第1のジョーに向かって内側に伸長する第2の歯群を含む。第1のジョーは、第1の歯群のいずれの他の歯も超える長さを有する第1の歯群の第1の歯を含み、第2のジョーは、第2の歯群のいずれの他の歯も超える長さを有する第2の歯群の第2の歯を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の歯は、第2のジョーが沿って第1のジョーに向かって移動可能な第1の軸線を画定し得る。第2のジョーは、開口の中に前進するように移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の歯は、第1の軸線に沿って配置されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、第1の歯は、第1の軸線に対して軸線外に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョーは、開口の中に内側に伸長する第3の歯を含み得る。第3の歯は、第1の軸線に対して軸線外に配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2の歯及び第3の歯は、第1の軸線からほぼ等距離に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョーに対する第2のジョーの移動は、線状であり得る。いくつかの実施形態では、切除案内は、第2のジョーを切除案内に載置されたアームを更に含んでもよい。本体は、第1のジョーの反対側に、本体に画定されたトラックを有してもよく、アームは、アームが第1のジョーに対して第2のジョーを移動させるように、トラックに沿って摺動するように、トラックにおいて受容されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、切除案内は、本体に着脱可能に連結された鋸キャプチャを更に含んでもよく、切断スロットは、実質的に平坦な上面と鋸キャプチャとの間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の歯は、第2のジョーが沿って第1のジョーに向かって移動可能である第1の軸線を画定してもよく、切断スロットは、第1の軸線に直交して伸長する第2の軸線を画定する第1の開口を有してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、本体は、本体に画定される1対のノッチを有してもよく、鋸キャプチャは、フレームと、フレームに枢動可能に連結された1対のレバーアームとを含んでもよい。各レバーアームは、フランジを有してもよく、鋸キャプチャが本体から除去され得るように、フランジが対応するノッチにおいて受容される第1の位置と、フランジが対応するノッチから離間している第2の位置との間で移動可能であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具は、第1の位置において1対のレバーアームを付勢する、1対のバネを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、切除案内は、膝蓋骨切断案内表面から既定の距離だけ上に位置付けられたアームを含む、高さゲージを更に有してもよい。いくつかの実施形態では、既定の距離は約9mmであり得る。
【0028】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、実質的に平坦な上面を含む本体と、第1の歯を有する第1のジョーとを有する膝蓋骨切除案内を含む。膝蓋骨切除案内は、第1のジョーに向かって伸長する第2の歯を有する、第2のジョーを含む。第2のジョーは、第1のジョーに対して移動可能である。膝蓋骨切除案内はまた、本体に着脱可能に連結された鋸キャプチャを含む。切断スロットは、実質的に平坦な上面と鋸キャプチャとの間に画定される。第1の歯及び第2の歯は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨に対する回転の軸線を画定する。切断スロットは、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けるとき、患者の膝蓋骨を通って伸長する切除平面を画定する。
【0029】
いくつかの実施形態では、切除案内は、切除平面から既定の距離だけ上に位置付けられた高さゲージを更に含み得る。いくつかの実施形態では、高さゲージは、鋸キャプチャに固定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のジョーは、第1の歯及び第2の歯によって画定された回転の軸線に沿って移動可能であり得る。
【0030】
更に、いくつかの実施形態では、切除案内は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、膝蓋骨の外側面に対応する外側面と、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨の内側面に対応する内側面とを更に含み得る。第1のジョーは、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、第1の歯が患者の膝蓋骨の外側面と接触するように、切除案内の外側面上に位置付けられてもよい。第2のジョーは、第2のジョーが本体の開口部の中に進み、膝蓋骨が第1のジョーと前記第2のジョーとの間に位置付けられるとき、第2の歯が患者の膝蓋骨の内側面と接触して配置されるように、切除案内の内側面上に位置付けられてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、切除案内は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨の上側面に対応する上側面と、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨の下側面に対応する下側面とを更に備え得る。切断スロットは、切除案内の上側面上に第1の開口部を有してもよい。第一の開口部は、切断鋸刃を受容するように寸法調整され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のジョーは、第1の複数の歯を有してもよい。第1の歯は、第1の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有し得る。第2のジョーは、第2の複数の歯を有してもよい。第2の歯は、第2の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有し得る。
【0033】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、膝蓋骨切断案内表面を画定する実質的に平坦な上面と、第1の複数の歯を有する第1のジョーとを有する本体を有する、膝蓋骨切除案内を含む。第1の複数の歯の第1の歯は、第1の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有する。膝蓋骨切除案内はまた、第1のジョーの反対側に位置付けられ、第1のジョーに対して移動可能な第2のジョーを有する。第2のジョーは、第1の複数の歯に向かって伸長する第2の複数の歯を含む。第2の複数の歯の第2の歯は、第2の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有する。第2の歯は、第2のジョーが沿って第1のジョーに対して移動可能である軸線を画定する。膝蓋骨切断案内表面は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨を通って伸長する切除平面を画定し得る。
【0034】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、第1のブラケットと、第1のブラケットに対して移動可能である、第1のブラケットに連結された第2のブラケットとを有する、膝蓋骨ドリル案内を含む。第2のブラケットは、複数の案内穴が内部に画定されるドリルプレートを含み、複数の案内穴のそれぞれは、手術用ドリルを受容するように寸法調整される。ガスケットは、第2のブラケットに枢動可能に連結され、ガスケットは、第2のブラケットの複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のブラケットは、第1の側面をひ含み、第1の側面が、第1の側面から伸長する第1の複数の歯を有し、第2のブラケットは、第1の側面に面する第2の側面を有し、第1のブラケットに向かう第2のブラケットの移動によって、第1の側面に向かう第2の側面の移動をもたらし得るようになっていてもよい。第2の側面は、第2の側面から伸長する第2の複数の歯を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のブラケットの第1の側面は、第2のブラケットの第2の側面に対して実質的に平行に伸長し得る。
【0036】
更に、いくつかの実施形態では、ガスケットは、第2のブラケットの第2の側面に面する第1の表面を有し得る。第1の表面は、第1の表面から伸長する複数のプラグを有してもよく、第1の表面に画定された複数の案内穴は、第2のブラケットの第2の複数の歯を受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、第1の表面の反対側に位置付けられた第2の凹部表面を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2のブラケットは、第2のブラケットの下末端部において画定された開口を含んでもよく、ガスケットは、ガスケットの下末端部から伸長するプラグを含み得る。プラグは、ガスケットを第2のブラケットに枢動可能に連結するために、開口に受容されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットの上末端部から伸長するタブを含んでもよい。タブは、ユーザがタブを握って第2のブラケットに対してガスケットを旋回させ得るように、ユーザの指先を受容するように構成された1対の成形表面を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートと第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートから離間している第2の位置との間で移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、ガスケットは、第2のブラケットから除去可能であり得る。更に、いくつかの実施形態では、ドリルプレートの複数の案内穴が三角形のパターンに配列されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、エラストマー材から形成されてもよい。
【0039】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、ハウジングと、ハウジングに移動可能に連結されたレバーとを有するハンドルと、膝蓋骨ドリル案内とを含む。膝蓋骨ドリル案内は、第1のブラケットと、第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットとを含む。第2のブラケットは、レバーをハウジングに対して移動させることで、第2のブラケットを第1のブラケットに対して移動させるように、レバーに連結される。ガスケットは、第1のブラケット及び第2のブラケットのうちの少なくとも1つに枢動可能に連結される。第1のブラケット及び第2のブラケットは、患者の切除された膝蓋骨を嵌合するように構成される。膝蓋骨ドリル案内はまた、手術用ドリルを受容するように寸法調整され、第1のブラケット及び第2のブラケットのうちの少なくとも1つにおいて画定される、案内穴を含む。ガスケットは、案内穴に受容されるように構成されたプラグを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、第2のブラケットは、案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートと第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートから離間している第2の位置との間で移動可能であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、レバーが、ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、第2のブラケットは、第1のブラケットに向かって移動してもよく、レバーが、ハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、第2のブラケットは、第1のブラケットから離れて移動し得る。
【0042】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、膝蓋骨ドリル案内を含む。膝蓋骨ドリル案内は、第1のブラケットと、第1のブラケットに連結され、第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットとを含む。第2のブラケットは、第2のブラケットから伸長する複数の歯を有するドリルプレートと、ドリルプレートに画定された第1の複数の案内穴とを含む。第1の複数の案内穴のそれぞれは、手術用ドリルを受容するように寸法調整される。ガスケットは、第2のブラケットに枢動可能に連結され、ガスケットは、第2のブラケットの複数の歯を受容するように構成された、ガスケットに画定される第2の複数の案内穴と、第2のブラケットの第1の複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグとを有する。ガスケットは、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートと第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートから離間している第2の位置との間で移動可能である。
【0043】
別の態様によると、膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために膝蓋骨を手術により準備する方法が開示される。本方法は、膝蓋骨を膝蓋骨切除案内の1対のジョーの間に位置付けることと、上下方向に伸長する第1の軸線を中心に膝蓋骨を回転させて、膝蓋骨の内側−外側の傾斜を調整することと、第1の軸線を中心とする回転が防止されるように、1対のジョーを膝蓋骨と嵌合させることと、内外方向に伸長する第2の軸線を中心に膝蓋骨を回転させて、膝蓋骨の下側−上側の傾斜を調整することと、第1の軸線及び第2の軸線を中心とする回転が防止されるように、1対の膝蓋骨をクランプすることと、膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させることと、を含む。いくつかの実施形態では、1対のジョーは、第1の固定ジョーと、第1のジョーに対して移動可能な第2のジョーとを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、1対のジョーを嵌合することは、第1のジョーの第1のスパイクを膝蓋骨の外側面と嵌合させることと、第2のジョーの第2のスパイクを前進させて膝蓋骨の内側面と接触させることとを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の歯及び第2の歯は、第2の軸線を画定してもよく、第2の軸線を中心に膝蓋骨を回転させることは、第1の歯及び第2の歯上で膝蓋骨を回転させることを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、1対のジョーを膝蓋骨とともにクランプすることは、第1のジョーの追加の歯を膝蓋骨の外側面と嵌合させることと、第2のジョーの追加の歯を膝蓋骨の内側面と嵌合させることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1対のジョーの間に膝蓋骨を位置付けることは、膝蓋骨を膝蓋骨切除案内の高さゲージと接触させることを含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法は、鋸キャプチャを切除案内の本体に固定することを更に含み得る。本体は、本体に連結された1対のジョーを有してもよい。更に、いくつかの実施形態では、本方法は、膝蓋骨を測定して、骨切除のレベルを決定することを更に含み得る。膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させることは、膝蓋骨を骨切除のレベルまで切断することを含み得る。
【0047】
別の態様によると、膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために膝蓋骨を手術により準備する方法は、膝蓋骨切除案内をハンドルに取り付けることと、ハンドルのレバーを操作して、膝蓋骨切除案内の1対のジョーを患者の膝蓋骨と嵌合させることと、膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させて膝蓋骨を切除し、切除された膝蓋骨を形成することと、膝蓋骨切除案内をハンドルから取り外すことと、膝蓋骨ドリル案内をハンドルに取り付けることと、ハンドルのレバーを操作して、膝蓋骨ドリル案内の1対のブラケットの間にある切除された膝蓋骨をクランプすることと、切除された膝蓋骨において少なくとも1つの載置穴をドリルで開けることと、を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ハンドルのレバーを操作して、1対のジョーを嵌合することは、膝蓋骨の外側面を第1のジョーと接触させることと、ある量の力をレバーに印加して、第2のジョーを前進させて膝蓋骨の内側面と接触させることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハンドルのレバーを操作して、1対のジョーを嵌合することは、第1のジョーの第1の歯を膝蓋骨の外側面と嵌合させることと、第2のジョーの第2の歯を膝蓋骨の内側面と嵌合させることとを含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、本方法は、上下方向に伸長する第1の軸線を中心に膝蓋骨を回転させて、膝蓋骨の内側−外側の傾斜を調整することと、ハンドルのレバーを操作して、1対のジョーを膝蓋骨に対してクランプし、膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させる前に、第1の軸線を中心とする追加の回転が防止されるようにすることとを更に含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、膝蓋骨切除案内を取り外すことは、レバーを操作して、第2のジョーを切除された膝蓋骨の内側面から引き抜くことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハンドルのレバーを操作して、1対のブラケットの間の膝蓋骨をクランプすることは、切除された膝蓋骨の前方側面を第1のブラケットと接触させることと、第2のブラケットを前進させて、切除された膝蓋骨の後方側面と接触させることとを含み得る。更に、いくつかの実施形態では、切除された膝蓋骨において少なくとも1つの載置穴をドリルで開けることは、第2のブラケットにおいて画定された複数の案内穴のうちの1つを通して手術用ドリルを前進させることを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの載置穴をドリルで開けた後、レバーを操作して第2のブラケットを切除された膝蓋骨の後方側面から引き抜くことと、膝蓋骨人工装具コンポーネントを切除された膝蓋骨の後方側面上に取り付けることと、レバーを操作して、膝蓋骨人工装具コンポーネント及び切除された膝蓋骨を1対のブラケットの間にクランプすることとを含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、本方法は、レバーを操作して、膝蓋骨人工装具コンポーネント及び切除された膝蓋骨を1対のブラケットの間にクランプする前に、膝蓋骨人工装具コンポーネントと第2のブラケットとの間にガスケットを位置付けることを更に含んでもよい。
【0053】
別の態様によると、膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために膝蓋骨を手術により準備する方法は、膝蓋骨ドリル案内の第1のブラケットと第2のブラケットとの間に切除された膝蓋骨を位置付けることと、第1のブラケット及び第2のブラケットを切除された膝蓋骨と嵌合させることと、第2のブラケットにおいて画定された複数の案内穴のうちの1つを通して手術用ドリルを前進させることと、切除された膝蓋骨において少なくとも1つの載置穴をドリルで開けることと、第2のブラケットを切除された膝蓋骨から取り外すことと、膝蓋骨人工装具コンポーネントを切除された膝蓋骨に取り付けることと、第2のブラケットに連結されたガスケットを、第2のブラケットと膝蓋骨人工装具コンポーネントとの間の位置に回転して入れることと、ガスケット、膝蓋骨人工装具コンポーネント、及び切除された膝蓋骨を第1のブラケットと第2のブラケットとの間にクランプすることと、を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1のブラケット及び第2のブラケットを切除された膝蓋骨と嵌合させることは、第1のブラケット上に形成された第1の複数の歯を切除された膝蓋骨の前方側面と嵌合させることと、第2のブラケット上に形成された第2の複数の歯を切除された膝蓋骨の後方側面と嵌合させることとを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のブラケットに連結されたガスケットを回転させることは、ガスケットから伸長する複数のプラグの各プラグを、第2のブラケットの複数の案内穴の各案内穴の中に配置することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
発明を実施するための形態は、特に以下の図面を参照する。
【図1】整形外科用手術器具アセンブリの分解組立て斜視図。
【図2】図1の整形外科用手術器具アセンブリの多機能ハンドルの分解組立て斜視部分的断面図。
【図3A】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の膝蓋骨クランプの分解組立て斜視図。
【図3B】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の鋸キャプチャの分解組立て斜視図。
【図4】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨ドリル案内の分解組立て斜視図。
【図5】図1の整形外科用手術器具アセンブリの使用によって、患者の切除された膝蓋骨に取り付けられ得る、膝蓋骨人工装具コンポーネントの側面図。
【図6A】図1〜4の整形外科用手術器具アセンブリを使用するための手順の一実施形態の簡素化フローチャート。
【図6B】図1〜4の整形外科用手術器具アセンブリを使用するための手順の一実施形態の簡素化フローチャート。
【図7】多機能ハンドルに取り付けられた膝蓋骨切除案内の膝蓋骨クランプを示す、図1の整形外科用手術器具アセンブリの斜視図。
【図8】膝蓋骨切除案内の膝蓋骨クランプに取り付けられた鋸キャプチャを示す、図7に類似する斜視図。
【図9】膝蓋骨切除案内に位置付けられた患者の膝蓋骨を示す、図1の整形外科手術アセンブリの斜視図。
【図10】膝蓋骨切除案内に、膝蓋骨切除案内の高さゲージと接触して位置付けられた膝蓋骨を示す、図1の整形外科用手術器具アセンブリの側面図。
【図11】膝蓋骨切除案内のロック機構によって嵌合された膝蓋骨を示す、図9に類似する斜視図。
【図12】膝蓋骨切除案内において、内側−外側軸線を中心に回転された膝蓋骨を示す、図9に類似する斜視図。
【図13】膝蓋骨切除案内の別のロック機構及び膝蓋骨切除案内の切断スロットに進入する切断鋸刃によってクランプされた膝蓋骨を示す、図9に類似する斜視図。
【図14】多機能ハンドルに膝蓋骨取り付けられたドリル案内を示す、図1の整形外科用手術器具アセンブリの斜視図。
【図15】膝蓋骨ドリル案内に位置付けられた切除された膝蓋骨とともに、図14の膝蓋骨ドリル案内及びハンドルアセンブリを示す図。
【図16】切除された膝蓋骨と嵌合され、膝蓋骨ドリル案内の案内穴に挿入された手術用ドリルビットを示す、図14の膝蓋骨ドリル案内及びハンドルアセンブリの斜視図。
【図17】切除された膝蓋骨と嵌合された膝蓋骨ドリル案内及び膝蓋骨人工装具コンポーネントを示す、図14の膝蓋骨ドリル案内及びハンドルアセンブリの斜視図。
【図18】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の別の実施形態の斜視図。
【図19】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の別の実施形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、ここに詳しく述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべきである。
【0057】
解剖学的参照を表す前部、後部、内側部、外側部、上、下等の用語は、本明細書全体において、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び手術器具、並びに患者の天然の解剖学的形態に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的形態の研究及び整形外科の分野の両方にて十分理解される意味を有する。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解される意味と一致することが意図される。
【0058】
図1を参照して、整形外科用手術器具アセンブリ10(以下、アセンブリ10)は、多機能ハンドル12及び複数の整形外科用手術器具又はツール14を含む。例示的実施形態では、ハンドル12と選択的に連結される手術ツール14は、膝蓋骨切除案内16及び膝蓋骨ドリル案内18を含む。しかしながら、他の実施形態では、追加及び/又は他の手術ツール14は、多機能ハンドル12とともに使用されてもよい。
【0059】
以下で更に詳述されるように、整形外科用手術器具アセンブリ10を利用して、膝蓋骨人工装具コンポーネント、例えば、膝蓋骨人工装具コンポーネント610の埋め込み用の患者の膝蓋骨を外科的に準備する(図5を参照)。患者の膝蓋骨は、膝蓋骨切除案内16に位置付けられてもよく、例えば、手術用鋸の使用によって切除されてもよい。その後、切除された膝蓋骨は、膝蓋骨ドリル案内18に位置付けられてもよく、ドリル案内18を使用して、切除された膝蓋骨の中にドリルで案内穴を開けてもよい。執刀医は、ドリル案内18を使用して、膝蓋骨人工装具コンポーネントを寸法調整及び選択してもよい。膝蓋骨人工装具コンポーネントが選択されると、執刀医は、ドリル案内18を使用して、膝蓋骨人工装具コンポーネントを切除された膝蓋骨に固定してもよい。
【0060】
多機能ハンドル12は、ハウジング20と、ハウジング20に移動可能に連結されたレバー22と、各手術ツール14をハウジング20に固定するように構成されたロック機構24とを含む。ハウジング20は、上本体26と、そこから下向きに伸長する下本体28と、ユーザの手を受容するように寸法調整される、下本体28に取り付けられたグリップ30とを有する。ハンドル12の上本体26は、手術ツール14がハンドル12に連結されるときに、手術ツール14を支持する載置表面32を有する。
【0061】
ハンドル12の載置表面32は、実質的に平坦なセクション34と、セクション34に対して角度を成して下向きに伸長する傾斜セクション36を含む。開口部38は、載置表面32において画定され、ハウジング20の上本体26は、開口部38から下向きに伸長する内壁40を含む。内壁40は、閉じた末端部44及び開いた末端部46を有するチャネル42を画定する。チャネル42の閉じた末端部44は、載置表面32の実質的に平坦なセクション34に位置付けられ、チャネル42の開いた末端部46は、傾斜セクション36において画定される。
【0062】
多機能ハンドル12のレバー22は、ハウジング20の上本体26に枢動可能に連結される。レバー22は、チャネル42において受容される上レバーアーム48を有する。図1に示されるように、レバーアーム48は、載置表面32の開口部38を通って外側に伸長する。レバー22はまた、ハンドル12の上本体26から下向きに伸長する、湾曲したトリガアーム50を有する。
【0063】
使用時に、ハンドル12は、手術ツール14の操作を制御するように操作可能である。例えば、既定量の力が、トリガアーム50に矢印54によって示される方向に印加されるとき、上レバーアーム48は、チャネル42の閉じた末端部44に向かって、長手方向の軸線58に沿って直線的に前進する。ハンドル12はまた、以下で更に詳述されるように、上レバーアーム48が軸線58に沿っていずれかの方向に移動するのを可能にするように構成されたレバー解放機構56を含む。
【0064】
図1に示される手術ツール14に戻り、膝蓋骨切除案内16は、膝蓋骨クランプ52と、クランプ52に着脱可能に連結されるように構成された鋸キャプチャ64とを含む。クランプ52は、本体60と、本体60に移動可能に連結されたクランプアーム又はスライドアーム62を含む。クランプ52の本体60は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、本体60が、ポリエチレン又は超高分子量ポリプロピレン(UHMWPE)等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。本体60は、実質的に平坦な上面66と、上面66の反対側に位置付けられた下面68とを有する。ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成された載置ブラケット70は、クランプ52の下面68から下向きに伸長する。クランプ52がハンドル12に固定されるとき、クランプ52の下面68の一部分は、ハンドル12の載置表面32によって支持される。
【0065】
クランプ52の上面66は、上面66に画定される開口部72を有する。本体60は、上面66から下面68まで下向きに伸長する、曲線状内壁74を含み、それによって本体60を通る実質的に楕円形又は卵形の開口76を画定する。開口76は、以下で更に詳述されるように、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。他の実施形態では、開口76が、例えば、正方形、矩形、又は患者の膝蓋骨を受容するように適切に寸法調整された他の形状等の異なる寸法又は形状を有してもよいことが理解される。
【0066】
図3Aに最もよく見られるように、膝蓋骨クランプ52の本体60はまた、内壁74から伸長するジョー78を含む。ジョー78は、開口76の中に内側に伸長する、複数の歯80として具体化される。歯80は、細長い歯82を含む。細長い歯82が、内壁74における基部84から内壁74から離間した先端86まで測定されるとき、細長い歯82は、いずれの他の歯80も超える長さ88を有する。残りの歯80の先端92は、開口76内に円弧94を画定する。歯82の先端86は、円弧94を超えて開口76の中に伸長する。
【0067】
クランプ52の本体60は、上面66から下向きに伸長して、本体60においてトラック100を画定する、1対の内側壁96、98を更に含む。トラック100は、ジョー78の反対側に内壁74において画定された開口部102を含む。トラック100は、本体60の外壁106において画定された別の開口部104を含む。図3Aに示されるように、開口部104は、開口部102の反対側に位置付けられる。
【0068】
クランプ52のスライドアーム62は、トラック100において位置付けられ、以下で更に詳述されるように、トラック100に沿って摺動するように構成される。スライドアーム62は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、スライドアーム62は、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことを理解されたい。スライドアーム62は、本体60のジョー78の反対側に位置付けられた末端部110と、多機能ハンドル12のレバー22を嵌合するように構成された別の末端部112とを含む、主本体108を有する。スライドアーム62はまた、末端部110において形成された移動可能なジョー114を含む。
【0069】
図3Aに示されるように、移動可能なジョー114は、ジョー78の反対側に位置付けられる。ジョー114は、ジョー78と同様に、ジョー78に向かって伸長する、複数の歯116として具体化される。歯116は、細長い歯118を含む。細長い歯118は、基部120から先端122まで測定される、いずれの他の歯116も超える長さ124を有する。残りの歯の先端128は、開口76において円弧130を画定する。歯118の先端122は、円弧130を超えて伸長する。
【0070】
図1に戻り、クランプ52のスライドアーム62の本体108は、クランプ52の本体60の平面的上面66と実質的にぴったり重なる上面132を有する。スライドアーム62の上面132は、スライドアーム62の末端部112において画定される開口部134を有し、スライドアーム62は、開口部134から下向きに伸長する内壁136を含む。内壁136は、多機能ハンドル12の上レバーアーム48を受容するように寸法調整されたスライドアーム62を通るスロット138を画定する。
【0071】
使用時に、膝蓋骨切除案内16が、図7に示されるように、ハンドル12に連結されるとき、レバーアーム48は、クランプ52の内壁136に作用して、ジョー114を固定ジョー78に対して移動させるように構成される。上レバーアーム48が、ハウジング20に対して軸線58に沿って直線的に移動すると、レバーアーム48は、クランプ52の内壁136に作用し、スライドアーム62をトラック100に沿って前進させ、それによってジョー114をジョー78に対して移動させる。スライドアーム62は、移動可能なジョー114の歯118によって画定される、軸線140に沿って直線的に移動する。切除案内16がハンドル12に連結されるとき、軸線140は、軸線58と実質的に整列される。
【0072】
図9〜13を参照して以下で更に詳述されるように、ジョー78、114の歯80、116は、外科手術中に患者の膝蓋骨を嵌合して、切除手順中に膝蓋骨を適切な位置に保持するように構成される。クランプ52はまた、平面的上面66を含み、以下で更に詳述されるように、整形外科医が切除手順中に手術用鋸刃を案内するように使用することができる。そのようにして、平面的上面66は、開いた切断案内表面114である。切断案内表面144は、膝蓋骨が開口76においてジョー78、114の間に位置付けられるとき、膝蓋骨を通って伸長する切除平面142を画定する。
【0073】
上述のように、切除案内16はまた、クランプ52に着脱可能に連結されて、閉じた切断案内を形成するように構成された鋸キャプチャ64を含む。他の実施形態では、切除案内16は、鋸キャプチャ64を含まなくてもよいことを理解されたい。鋸キャプチャ64は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成されたフレーム150を含む。他の実施形態では、スライドアーム150は、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことを理解されたい。
【0074】
図1に示されるように、鋸キャプチャ64のフレーム150は、上面152と、上面152の反対側に位置付けられた実質的に平坦な下面154とを有する。フレーム150の上面152は、上面152に画定される開口部156を有する。フレーム150は、上面152から下向きに伸長する曲線状内壁158を含み、内壁158は、フレーム150を通る卵形開口160を画定する。開口160は、開口76と同様に、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。図1に示されるように、開口160の形状及び寸法は、鋸キャプチャ64がクランプ52に連結されるとき、互いにレジストリ内に位置するように、開口76、160がランプ52において画定される開口76の形状と実質的に一致する。他の実施形態では、開口160が、開口76と同様に、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整されたいずれの他の形状も取り得ることが理解される。
【0075】
切除案内16の鋸キャプチャ64はまた、鋸キャプチャ64をクランプ52に固定するように構成された取り付け機構162を含む。例示的実施形態では、取り付け機構162は、フレーム150に枢動可能に連結された1対の載置アーム164、166と、フレーム150の下面154から下向きに伸長する1対の載置ブラケット168、170を含む。以下で更に詳述されるように、アーム164、166及びブラケット168、170は、クランプ52の本体60の所定領域を嵌合して、鋸キャプチャ64をそこに固定し、アーム164、166は、フレーム150に対して旋回して、鋸キャプチャ64がクランプ52から着脱されるのを可能にする。
【0076】
図1に示されるように、膝蓋骨切除案内16はまた、鋸キャプチャ64に固定された高さゲージ172を含む。他の実施形態では、高さゲージ172は、鋸キャプチャ64ではなくクランプ52に直接固定されてもよい。高さゲージ172は、フレーム150の上面152上に形成された基部174と、基部174に枢動可能に連結されたスタイラスアーム176とを有する。スタイラスアーム176は、本体60の平面的上面66から既定の高さだけ上に位置するように構成された下面178を有する。
【0077】
上述のように、手術ツール14はまた、膝蓋骨ドリル案内18を含む。図1に示されるように、膝蓋骨ドリル案内18は、支持ブラケット180と、支持ブラケット180に移動可能に連結されたクランプブラケット又はドリルブラケット182と、ドリルブラケット182に枢動可能に連結された圧縮ガスケット184とを含む。支持ブラケット180及びドリルブラケット182は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、支持ブラケット180及び/又はドリルブラケット182が、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。
【0078】
ドリル案内18の支持ブラケット180は、ドリル案内18が支持ブラケット18に固定されるとき、ハンドル12の載置表面32によって支持される下面186を含む。切除案内16と同様に、ドリル案内18は、下面186から下向きに伸長する載置ブラケット70を含み、載置ブラケット70は、ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成される。
【0079】
ドリル案内18の支持ブラケット180はまた、下面186に対して位置付けられる上面188を含む。支持ブラケット180はまた、上面188から上向きに伸長する固定アーム190を有する。固定アーム190は、以下で更に詳述されるように、患者の膝蓋骨の前面を受容するように構成された裏プレート192を含む。
【0080】
支持ブラケット180はまた、上面188から下向きに伸長して、支持ブラケット180においてトラック200を画定する、1対の側壁196、198を含む。トラック200は、支持ブラケット180の末端部204において画定された開口部202と、反対側の末端部208において画定された別の開口部206とを含む。図1に示されるように、ドリルブラケット182は、トラック200において位置付けられ、以下で更に詳述されるように、トラック200に沿って摺動するように構成される。
【0081】
図1に示されるように、ドリル案内18のドリルブラケット182は、トラック200において位置付けられるスライドフレーム210を有する。ドリルブラケット182はまた、スライドフレーム210の上面214から上向きに伸長する可動アーム212を含む。図1に示されるように、アーム212は、支持ブラケット180のアーム190に対して平行に位置付けられる。可動アーム212は、以下で更に詳述されるように、切除された膝蓋骨上で行われるドリル操作を案内するように使用される、ドリルプレート222を含む。
【0082】
スライドフレーム210の上面214は、上面214に画定された開口部216を有する。スライドフレーム210は、開口部216から下向きに伸長して、スライドフレーム210を通るスロット220を画定する、内壁218を含む。スロット220は、ドリル案内18がスロット220に連結されるとき、ハンドル12の上レバーアーム48を受容するように寸法調整される。そのようにして、ハンドル12の上レバーアーム48がハンドル12のチャネル42内を移動すると、レバーアーム48は、スライドフレーム210に作用して、ドリルブラケット182をトラック200に沿って直線的に摺動させ、ブラケット182をブラケット180に対して移動させる。
【0083】
ここで図2〜4を参照して、多機能ハンドル12、切除案内16、及びドリル案内18が更に詳細に示される。特に図2を参照して、ハンドル12は部分的に分解して示される。上述のように、ハンドル12は、下本体28に取り付けられた上本体26を有する、ハウジング20を含む。下本体28は、基部230と、基部230から上末端234まで上向きに伸長するケーシング232とを有する。円形開口部236は、ケーシング232の上面238において画定され、下本体28は、開口部236からケーシング232の中に下向きに伸長する中空の通路240を含む。
【0084】
多機能ハンドル12のグリップ30は、下本体28のケーシング232の上に位置付けられる。グリップ30は、上末端部246から下末端部248まで伸長する外側表面244を含むシェル242を有し、シェル242は、シェル24の上末端部246において画定された開口部250を有する。円筒の通路252は、シェル242を通して開口部236から下向きに伸長する。例示的実施形態では、グリップ30は、通路252がケーシング232の周囲に形成されるように、下本体28の上に成形される。他の実施形態では、グリップ30の通路252は、シェル242がケーシング232の上を摺動して、グリップ30を下本体28とともに組み立てるように、寸法調整されてもよいことを理解されたい。グリップ30の下末端部248は、基部230の上端254と接触し、グリップ30の上末端部246は、下本体28の上末端部234と実質的にぴったり重なる。
【0085】
下本体28のケーシング232は、シリコーンから形成される。他の実施形態では、ケーシング232が、ポリエチレン若しくは超高分子量ポリプロピレン(UHMWPE)等の高分子材料、又は鋼、チタン、若しくはコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成されてもよいことが理解される。グリップ30及び基部230は、硬いエラストマー材から形成されるが、他の実施形態では、好適な高分子材料から形成されてもよい。
【0086】
図2に示されるように、多機能ハンドル12はまた、外側ケーシング256と、そこから下向きに伸長するシャフト258とを含む、上本体26を含む。上本体26が下本体28に取り付けられるとき、シャフト258は、下本体28の通路240内に受容され、上本体26の下端260は、下本体28及びグリップ30と接触する。図2に示されるように、レバー22及びレバー解放機構56は、以下で更に詳述されるように、上本体26の外側ケーシング256に連結される。
【0087】
ハンドル12のレバー22は、レバー本体262と、レバー本体262から上向きに伸長する上レバーアーム48と、レバー本体262から下向きに伸長するトリガアーム50とを含む。レバー本体262は、接合部264において、外側ケーシング256に枢動可能に連結される。接合部264は、上本体26の外側ケーシング256及びレバー本体262において画定される一式の穴268を通って伸長し、位置付けられる、円筒形旋回ピン266を含む。バネ270として例示的に具体化される、付勢要素は、レバー本体262の底面272と外側ケーシング256の内側表面274との間に位置付けられる。
【0088】
ハンドル12のレバー解放機構56は、湾曲フレーム280及びレバー本体262の上面284において画定された複数の歯282として具体化される。以下で更に詳述されるように、湾曲フレーム280を歯282との嵌合の中及び外に移動させて、レバー22の移動を許可又は阻害する。湾曲フレーム280は、上面286と、上面286の反対側に位置付けられた底面288とを有する。開口部290は、上面286において画定され、湾曲フレーム280は、開口部290から下向きに伸長する内壁292を含む。内壁292はスロット294を画定し、レバー22の上レバーアーム48は、該スロット294を通って伸長する。
【0089】
レバー解放機構56の湾曲フレーム280は、その下先端298から伸長するキャッチ296を含む。キャッチ296は、レバー本体262の歯282と嵌合するように構成される。湾曲フレーム280は、キャッチ296が歯群282との嵌合の中及び外に移動され得るように、接合部300において外側ケーシング256に枢動可能に連結される。接合部300は、外側ケーシング256において画定される穴306及び湾曲フレーム280において画定される穴308に受容される、円筒形旋回ピン302を含む。バネ304として例示的に具体化される付勢要素は、ピン302と穴308の底部との間に位置付けられる。
【0090】
レバー解放機構56はまた、湾曲フレーム280の上先端312の上に位置付けられるボタン310を含む。例示的実施形態では、ボタン310は、単一部品を形成するように、上先端312の上に成形される。他の実施形態では、ボタン310が、湾曲フレーム280とは別に形成され、後で湾曲フレーム280に取り付けられてもよいことを理解されたい。ボタン310は、ユーザの指先を受容するように構成された成形上面314と、上面314の反対側に位置付けられた下面316とを含む。バネ318として例示的に具体化される付勢要素は、ケーシング256の底面320と内側表面322との間に位置付けられ、湾曲フレーム280を接合部300を中心に旋回させて、キャッチ296が歯群282との嵌合の中に付勢されるようにする。
【0091】
使用時に、キャッチ296は歯群282との嵌合の中に付勢される。歯群282に対するキャッチ296の付勢嵌合は、レバー22が長手方向の軸線58に沿ってハウジング20に対して移動するのを防ぐ。しかしながら、既定量の力がトリガアーム50に印加されると、上レバーアーム48が長手方向の軸線58に沿って移動し、キャッチ296が歯群282に沿って段階的に前進するように、バネ318の倚が回復される。ユーザがトリガアーム50への力の印加を停止すると、バネ318は、キャッチ296を歯群282と嵌合させ、それによってレバー22の追加の移動を防ぐ。
【0092】
更に、キャッチ296は、レバー解放機構56のボタン310の上面314上に押し付けることによって、歯から解放されてもよく、それによってバネ318の付勢を回復し、湾曲フレーム280を接合部300を中心に旋回させる。キャッチ296が歯282と嵌合しないとき、レバー22はハウジング20に対して移動することが許可される。力がレバー22に印加されない場合、レバー本体262と外側ケーシング256との間に位置付けられたバネ270は、レバー22を接合部264を中心に旋回させ、それによってトリガアーム50をグリップ30の外側表面244から離すと同時に、上レバーアーム48を長手方向の軸線58に沿って、チャネル42の閉じた末端部44から離す。ユーザがボタン310を解放すると、バネ318は、湾曲フレーム280を接合部300を中心に旋回させて、キャッチ296が移動して歯282との嵌合に戻るようにする。
【0093】
上述のように、多機能ハンドル12の上本体26はまた、載置表面32を含み、手術ツール14がハンドル12に連結されるときに手術ツール14を支持する。図2に示されるように、載置表面32は、チャネル42を横断して伸長する開口部330を有する。1対の側壁332、334は、開口部330から下向きに伸長して、チャネル336を画定する。チャネル336は、外側ケーシング256の1つの壁340において画定される開口部338と、反対側の壁344において画定される別の開口部342とを含む。チャネル336はまた、側壁332、334との間のその長さを伸長する底面346を有する。
【0094】
各手術ツール14をハンドル12に固定するロック機構24は、チャネル336の底面346において画定される円形開口部350と、外側ケーシング256の壁340において画定される第2の開口部352とを含む。開口354は、開口部352から内側に伸長し、円筒形通路356は、開口部350から開口354まで下向きに伸長し、それによって、チャネル336を開口354と接続する。
【0095】
ロック機構24はまた、開口354において位置付けられるロックブラケット358を含む。ロックブラケット358は、他の外側ケーシング256の壁344に隣接して位置付けられた末端部362と、壁340の開口部352から外側に伸長する末端部364とを有する。ロックブラケット358はまた、末端部362から伸長するフランジ366と、末端部364から伸長する別のフランジ380とを有する矩形本体360を含む。本体360のフランジ366は、外側ケーシング256の壁344に面する外側表面368と、外側表面368の反対側に位置付けられる面取り内側表面370とを含む。バネ372として具体化される付勢要素は、フランジ366の外側表面368と壁344との間に位置付けられる。
【0096】
図2に示されるように、ロックブラケット358の矩形360はまた、前側表面378を有する下側壁374を含む。外側ケーシング256の開口354を通って伸長するピン376は、以下で更に詳述されるように、前側表面378と嵌合するように構成される。本体360の他のフランジ380は、フランジ380に固定されたボタン382を有する。例示的実施形態では、ボタン382は、単一部品を形成するように、フランジ380の上に成形される。他の実施形態では、ボタン382が、フランジ380とは別に形成され、後でフランジ380に取り付けられてもよいことを理解されたい。ボタン382は、ユーザの指先を受容するように構成された成形外側表面384を含む。ユーザは、図1において矢印386によって示される方向にボタン382を押してもよい。
【0097】
上述のように、ハンドル12のロック機構24は、載置ブラケット70と協働して、手術ツール14(例えば、切除案内16及びドリル案内18)をハンドル12に固定する。図1に示されるように、載置ブラケット70は、基部390と、基部390から下向きに伸長するシャフト392とを含む。シャフト392は、その外側表面396において画定されたノッチ394を有する。
【0098】
使用時に、手術ツール14がハンドル12の載置表面32上に位置付けられるとき、載置ブラケット70の基部390は、外側ケーシング256のチャネル336に受容される。載置ブラケット70のシャフト392は、ノッチ394が開口354に位置付けられるように、円筒形通路356を通って伸長する。バネ372は、ハンドル12のロックブラケット358を、手術ツール14の載置ブラケット70と嵌合させて、フランジ366の面取り表面370がシャフト392のノッチ394に受容される。そのようにして、手術ツール14は、ハンドル12に固定される。
【0099】
ユーザがボタン382を押すとき、ロックブラケット358が載置ブラケット70から解放されると、フランジ366がノッチ394から除去される。次にユーザは、手術ツール14を多機能ハンドル12から除去してもよい。手術ツール14が除去された後、ユーザがボタン382を解放すると、バネ372は、ロックブラケット358を開口354に沿って352に向かって移動させ、それによってロックブラケット358の下側壁374を前進させて、ピン376と接触させる。側壁374がピン376を嵌合すると、ロックブラケット358による更なる移動が防止される。
【0100】
ここで図3A及び3Bを参照して、膝蓋骨切除案内16は部分的に分解して示される。上述のように、切除案内16のクランプ52は、載置ブラケット70を含む。載置ブラケット70の基部390は、クランプ52の本体60の下面68に固定される。シャフト392は、基部390から下向きに伸長し、ノッチ394は、その外側表面396において画定される。図3Aに示されるように、載置ブラケット70は、別個の部品として形成され、クランプ52に組み立てられる。他の実施形態では、載置ブラケット70は、クランプ52の本体60とともに、単一の部品として形成されてもよいことを理解されたい。
【0101】
前述のように、クランプ52のスライドアーム62は、本体60のトラック100内で軸線140に沿って移動する。側壁96、98は、本体60においてトラック100を画定し、トラック100は、それぞれ側壁96、98において画定される1対の溝400、402を含む。溝400、402のそれぞれは、本体60の内壁74において画定された開口部102から外壁106において画定された開口部104まで伸長する。
【0102】
スライドアーム62の主本体108は、そこから外側に伸長する1対のフランジ404、406を含む。フランジ404、406のそれぞれは、図1に示されるように、溝400、402の対応する1つに受容される。フランジ404、406及び溝400、402は、アーム62が本体60に対して軸線140に沿って摺動し得るように寸法調整される。
【0103】
スライドアーム62の可動域は、ストップ408によって制限される。ストップ408は、トラック100の底面414において画定された穴410に位置付けられる円筒形ピン412として例示的に具体化される。ピン412は、スライドアーム62の主本体108の下面418において画定される、閉じたスロット416に受容される。スライドアーム62は、ピン412がスロット416の末端部の1つと接触するまで、本体60に対して摺動することが許される。スライドアーム62の可動域は、したがって、スロット416の長さ及びトラック100の底面414におけるピン412の位置によって制限される。
【0104】
図3Bに示されるように、切除案内16はまた、クランプ52と着脱可能に連結されるように構成された鋸キャプチャ64を含む。そのために、鋸キャプチャ64は、取り付け機構162を有し、例示的実施形態では、1対の載置アーム164、166と、1対の載置ブラケット168、170とを含む。載置アーム164、166は、鋸キャプチャ64のフレーム150の後部部分に枢動可能に連結される。載置アーム164、166のそれぞれは、接合部422においてフレーム150に枢動可能に連結された基部420を含む。接合部422は、フレーム150及び基部420において画定された一組の穴426を通って伸長し、穴426に位置付けられる旋回ピン424を含む。
【0105】
載置アーム164、166のそれぞれはまた、基部420から外側に伸長するレバーアーム428と、レバーアーム428の一部分の上に伸長するスリーブ430とを含む。例示的実施形態では、スリーブ430は、単一部品を形成するように、レバーアーム428の上に成形される。他の実施形態では、スリーブ430は、レバーアーム428とは別に形成され、後でレバーアーム428に取り付けられてもよいことを理解されたい。スリーブ430は、ユーザの指先を受容するように構成された成形外側表面432を含む。バネ434として例示的に具体化される、付勢要素は、レバーアーム428とフレーム150の下側壁436との間に位置付けられる。
【0106】
載置アーム164、166のそれぞれはまた、基部420から外側に伸長するフランジ438を含む。角度θは、フランジ438とレバーアーム428との間に画定される。例示的実施形態では、角度θは鈍角である。更に、図3に示されるように、フランジ438は、フレーム150に面する上面440を有する。載置アーム164、166のそれぞれはまた、内側壁442含む。内側壁442は、各フランジ438の上面440から下向きに伸長して、内側壁442にノッチ444を画定する。
【0107】
図3Bに示されるように、鋸キャプチャ64の取り付け機構162はまた、1対の載置ブラケット168、170を含む。載置ブラケット168、170のそれぞれは、フレーム150から末端部448まで下向きに伸長する基部446を含む。フランジ450は、フレーム150において画定された開口部160に向かって、各基部446の末端部448から内側に伸長する。他の実施形態では、鋸キャプチャ64が、追加又は少数のブラケット168、170を含んでもよいことが理解される。
【0108】
上述のように、クランプ52は、取り付け機構162によって嵌合される多数の既定領域を含む。例示的実施形態では、本体60の外壁106は、複数のアンダーカット452を含む。アンダーカット452のそれぞれは、アーム164、166のフランジ438、及びブラケット168、170のフランジ450のうちの1つを受容するように構成される。図3Bに示されるように、複数のアンダーカット452は、トラック100のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット454、456と、ジョー78のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット458、460とを含む。鋸キャプチャ64が本体60に固定されると、載置アーム164のフランジ438におけるノッチ444は、本体60のアンダーカット454に受容され、アーム166のフランジ438におけるノッチ444は、アンダーカット456に受容される。同様に、ブラケット168、170のフランジ450は、鋸キャプチャ64が本体60に固定されるとき、アンダーカット458、460にそれぞれ受容される。
【0109】
切除案内16を組み立てるために、ユーザは、鋸キャプチャ64を本体60の前側及びわずかに上に位置付ける。鋸キャプチャ64を本体60に対してスライドアーム62の末端部112に向かって摺動させることは、ブラケット168、170のフランジ450を、ジョー78のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット458、460と嵌合させる。ブラケット168、170がアンダーカット458、460に位置するとき、ユーザは、載置アーム164、166のそれぞれの成形外側表面432上を押してもよい。ユーザが載置アーム164、166上を押すと、アーム164、166は、それらそれぞれの接合部422を中心に旋回して、フランジ438を再配置する。
【0110】
ユーザは、アーム164、166を解放する前に、鋸キャプチャ64の後部分を下げて、本体60の上面66と接触させてもよい。ユーザが載置アーム164、166を解放するとき、アーム164、166に接続されたバネ434は、アームをそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回させる。フランジ438は移動して、トラック100のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット454、456と嵌合し、それによって鋸キャプチャ64をクランプ52に固定する。
【0111】
鋸キャプチャ64を本体60から取り外すために、上述のプロセスを逆に反復する。つまり、ユーザは、載置アーム164、166のそれぞれの外面432上を押して、アーム164、166をそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回させる。アーム164、166が旋回されると、フランジ438は、アンダーカット454、456から外れる。次に、ユーザは、鋸キャプチャ64の後部分を本体60の上面66の上に持ち上げ、鋸キャプチャ64を本体60に対して摺動させて、ブラケット168、170のフランジ450をアンダーカット458、460から外してもよい。
【0112】
図3Bに示されるように、鋸キャプチャ64のフレーム150はまた、開口160の外辺部の周囲に位置付けられた複数の下壁462を含む。下壁462のそれぞれは、鋸キャプチャ64が下壁462に連結されるときに、クランプ52の平面的上面66と接触する下面464を有する。以下で更に詳述されるように、クランプ52の平面的上面66、鋸キャプチャ64の下壁462、及び鋸キャプチャ64の平面的下面154は、その間に複数の切断スロット466を画定する。切断スロット466のそれぞれは、手術用鋸の切断鋸刃を受容するように寸法調整される。
【0113】
上述のように、切除案内16はまた、高さゲージ172を含む。高さゲージ172の基部174は、フレーム150から上向きに伸長する円筒形本体470を有し、本体470は、上面472を含む。上面472は、上面472に画定された開口部474を有し、本体470は、開口部474から下向きに伸長する内壁476を含む。内壁476は、底面480と協働して開口478を画定する。
【0114】
図3Bに示されるように、スタイラスアーム176は、載置ヘッド482及びプラグ484を含む。プラグ484は、上本体486と、上本体486から下向きに伸長するシャフト488とを含む。載置ヘッド482は、プラグ484の上本体486の下及び基部174の開口部474の上に位置付けられる。スペーサ490は、開口478において、スタイラスアーム176の下面178と接触して位置付けられる。ベルビルワッシャ494は、スペーサ490と開口478の底面480との間に位置付けられる。
【0115】
載置ヘッド482、スペーサ490、及びワッシャ494のそれぞれは、プラグ484のシャフト488を受容するスルーホール496を含む。本体470の内壁476及びシャフト488の下末端部において画定された穴(図示せず)に位置付けられる、円筒形ピン498は、スタイラスアーム176を高さゲージ172の基部174に固定する。スタイラスアーム176は、シャフト488によって画定された軸線500を中心に自由に回転する。
【0116】
上述のように、スタイラスアーム176の下面178は、鋸キャプチャ64がそこに連結されるとき、クランプ52の平面的上面66から既定の高さだけ上に位置するように構成される。以下で更に詳述されるように、既定の高さは、膝蓋骨切除中に切除される骨の量に対応する。例示的実施形態では、既定の高さは、約9mmである。他の実施形態では、既定の高さが、患者の骨解剖学に従って、より多くても少なくてもよいことが理解される。また、他の実施形態では、高さゲージ172が、高さが術中に調整され得るように構成されてもよいことが理解される。
【0117】
ここで図4を参照して、膝蓋骨ドリル案内18は、部分的に分解して示される。上述のように、膝蓋骨ドリル案内18は、支持ブラケット180のトラック200内を移動する、支持ブラケット180及びドリルブラケット182を含む。側壁196、198は、支持ブラケット180においてトラック200を画定し、トラック200は、それぞれ側壁196、198において画定される1対の溝510、512を含む。溝510、512のそれぞれは、支持ブラケット180の末端部204において画定された開口部202から、反対側の末端部208において画定された開口部206まで伸長する。
【0118】
ドリルブラケット182のスライドアーム210は、そこから外側に伸長する1対のフランジ514、516を含む。フランジ514、516のそれぞれは、図1に示されるように、溝400、402の対応する1つに受容される。フランジ514、516及び溝510、512は、ドリルブラケット182が支持ブラケット180に対して摺動し得るように寸法調整される。
【0119】
ドリルブラケット182の可動域は、ストップ518によって制限される。ストップ518は、トラック200の底面524において画定された穴520に位置付けられる円筒形ピン522として例示的に具体化される。ピン522は、ドリルブラケット182のスライドフレーム210の下面528において画定される、閉じたスロット526に受容される。ドリルブラケット182は、ピン522がスロット526の末端部のうちの1つと接触するまで、支持ブラケット180に対して摺動することが許される。ドリルブラケット182の可動域は、したがって、スロット526の長さ及びトラック100の底面524におけるピン522の位置によって制限される。
【0120】
図4に示されるように、ドリル案内18の固定アーム190は、支持ブラケット180の上面188から上向きに伸長する本体530を有する。本体530は、平面的側面532を有する裏プレート192を含む。プレート192の平面的側面532は、本体530の上末端部536において画定された円形開口部534を有する。裏プレート192はまた、円形開口部534から内側に伸長する内壁538を含む。内壁538は、本体530を通る開口540を画定する。複数の歯542は、開口部534の外辺部の周囲の等距離点において、側面532に位置付けられる。
【0121】
ドリルブラケット182の可動アーム212は、スライドフレーム210の上面214から上向きに伸長する本体550を有する。本体550は、切除された膝蓋骨上で行われるドリル操作を案内するために使用される、複数の案内穴560を含むドリルプレート222を含む。ドリルプレート222は、固定アーム190の側面532に面する平面的側面552を有する。ドリルプレート222の側面552は、複数の円形開口部554を有し、ドリルプレート222は、円形開口部554のそれぞれから内側に伸長する、内壁558を含む。
【0122】
各内壁558は、ドリルプレート222を通る案内穴560のうちの1つを画定する。開口部554及び案内穴560のそれぞれは、手術用ドリルビットを受容するように寸法調整される。例示的実施形態では、ドリルプレート222は、三角形のパターンで整列された3つの案内穴560を含み、他の実施形態では、ドリルプレート222は、好適な手術用ドリルビットを受容するような形状及び寸法の追加又は少数の案内穴を含んでもよいことを理解されたい。複数の歯562は、開口部554に隣接する側面552に位置付けられる。
【0123】
ドリルブラケット182の本体550はまた、本体550の下末端部566において、ドリルプレート222の下に位置付けられた追加の開口部564を含む。本体550は、開口部564から内側に伸長し、本体550を通る別の開口570を画定する、別の内壁568を含む。開口570は、開口部564から伸長する第1のセクション572と、第1のセクション572に接続された第2のセクション574とを有する。第2のセクション574は、開口570が「階段状」となるように、第1のセクション572よりも大きい直径を有する。
【0124】
図4に示されるように、ドリル案内18はまた、可動アーム212に枢動可能に連結された圧縮ガスケット184を含む。例示的実施形態では、ガスケット184は、ゴム等のエラストマー材から形成されるが、他の実施形態では、ガスケット184が高分子材料から形成されてもよいことが理解される。ガスケット184は、下末端部582から上末端部584まで伸長する本体580を有する。プラグ586は、ガスケット184の下末端部582から伸長する。プラグ586は、ドリルブラケット182の開口570に受容され、ガスケット184をドリルブラケット182に固定するように構成される。
【0125】
それを行うために、プラグ586は、開口570の第1のセクション572に位置付けられるメインシャフト588を有する。メインシャフト588から外側に伸長する周縁590は、開口570の第2のセクション574内に位置付けられる。周縁590の直径は、第1のセクション572の直径よりも大きいため、プラグ586は、開口570に維持され、それによってガスケット184を可動アーム212に固定する。
【0126】
ガスケット184の本体580はまた、ガスケット184の上末端部584から伸長する円筒形プラグ592を有する。プラグ592は、各プラグ592がドリルプレート222の対応する案内穴560に受容されて、ガスケット184を所定の位置に固定し得るように、本体580上に整列される。本体580はまた、ドリルプレート222の側面552から伸長する歯562を受容するように構成された穴576(図16を参照)を含む。
【0127】
ガスケット184の本体580は、上末端部584から伸長するタブ594を更に含む。タブ594は、ユーザの指先を受容するように構成された1対の成形表面596を含む。使用時に、ユーザは、表面596をクランプして、ガスケット184をアーム212に対して回転させてもよく、それによって切除された膝蓋骨にドリルで穴を開ける準備を行うとき、ガスケット184をドリル経路から外に移動させる。そのように、ガスケット184のプラグ592は、ドリルプレート222の案内穴560の中及び外に移動され得る。
【0128】
ガスケット184の円筒形プラグ592は、本体580の側面598上に形成される。本体580は、側面598の反対側に位置付けられる別の側面600を含む。図4に示されるように、側面600は凹部であり、以下で更に詳述されるように、埋め込み可能な膝蓋骨人工装具コンポーネントの一部分を受容するように構成される。側面600はまた、その中心において画定される開口部602を含み、開口部602は、両表面598、600を通って伸長する。
【0129】
ここで図5を参照して、手術器具アセンブリ10の使用によって、患者の切除された膝蓋骨に取り付けられ得る例示的な膝蓋骨人工装具コンポーネント610が示される。コンポーネント610は、大腿骨コンポーネント(図示せず)の顆表面と関節接合をなすように構成された後方支持表面612を有している。コンポーネント610はまた、平坦な前方表面614を有し、そこから離れて伸長する、ペグ616などの複数の固定部材を有している。以下で更に詳述されるように、ペグ616は、切除された膝蓋骨の手術で準備された後方表面の中に埋め込まれるように構成される。このように、コンポーネント610の後方支持表面612は、大腿骨コンポーネントに向かって面しており、それによって、後方支持表面612が、患者の膝の屈曲及び伸展の間に、大腿顆表面と関節接合をなすことが可能となる。
【0130】
操作中、整形外科用手術器具アセンブリ10を利用して、図6A & Bに示されるものと同様の整形外科手術を行う間に、膝蓋骨人工装具コンポーネント610等の膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために、患者の膝蓋骨を手術により準備する。図6〜13に示されるように、患者の膝蓋骨は、例えば、手術用鋸の使用によって最初に切除される。その後、膝蓋骨人工装具コンポーネントが選択され、図15及び16に示されるように、切除された膝蓋骨の中にドリルで案内穴が開けられる。案内穴人工装具コンポーネントは、図17に示されるように、切除された膝蓋骨に固定されてもよい。
【0131】
ここで図6Aを参照して、手術器具アセンブリ10を使用する例示的な整形外科手術700が示される。ブロック702において、執刀医は、1対のキャリパー又は他の測定装置を利用して、患者の天然膝蓋骨の前後の厚さを測定し、骨切除のレベルを計算する。切除される骨の量は、膝蓋骨人工装具コンポーネントの厚さにほぼ対応する。そのように、膝蓋骨人工装具コンポーネントが切除された膝蓋骨に取り付けられた後、切除された膝蓋骨及び膝蓋骨人工装具コンポーネントの厚さの合計は、天然膝蓋骨の厚さとほぼ同一であるはずである。
【0132】
手順700のブロック704では、執刀医は、切除案内16を組み立てて、図1〜3に関して前述のように、切除案内16を多機能ハンドル12に取り付ける。執刀医は、組み立てられた切除案内16をハンドル12に取り付ける前に、鋸キャプチャ64をクランプ52に取り付けることによって開始してもよい。あるいは、図7及び8に示されるように、執刀医は、鋸キャプチャ64を取り付ける前に、最初に膝蓋骨クランプ52をハンドル12に取り付けてもよい。また、いくつかの実施形態では、膝蓋骨クランプ52は、鋸キャプチャ64なしに使用されてもよいことを理解されたい。
【0133】
クランプ52をハンドル12に取り付けるために、執刀医は、クランプ52の載置ブラケット70を、ハンドル12の載置表面32において画定されたチャネル336と整列させる。執刀医はまた、クランプ52において画定されたスロット138をハンドル12の上レバーアーム48と整列させる。次に、クランプ52をハンドル12の載置表面32の上に下げて、図7に示されるように、ブラケット70の基部390がチャネル336に受容され、上レバーアーム48がスロット138に受容されるようにする。上述のように、ロック機構24は、載置ブラケット70と嵌合して、膝蓋骨クランプ52を多機能ハンドル12に固定する。
【0134】
ここで図8を参照して、鋸キャプチャ64は、クランプ52に取り付けられて切除案内16のアセンブリを完了する。これを行うために、執刀医は、鋸キャプチャ64の載置ブラケット168、170を、クランプ52のアンダーカット458、460と嵌合させる。ブラケット168、170がアンダーカット458、460に位置するとき、ユーザは、載置アーム164、166上を内側に押して、アーム164、166がそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回するようにしてもよい。載置アーム164、166上を内側に押している間、執刀医は、鋸キャプチャ64の後部分を下げてクランプ52と接触させ、載置アーム164、166を解放する。アームに接続されたバネ434は、アーム164、166をそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回させ、載置アーム164、166が、クランプ52のアンダーカット454、456と嵌合し、それによって鋸キャプチャ64をクランプ52に固定する。
【0135】
図6Aに戻り、切除案内16は、手順700のブロック706において、膝蓋骨がジョー78、114の間に位置付けられるように、患者の膝蓋骨の上に配置される。異なる寸法の膝蓋骨に対応するために、執刀医は、ジョー78、114の間の空間を増加させてもよい。これを行うために、執刀医は、レバー解放機構56を操作して、ジョー114をジョー78から離す。
【0136】
上述のように、レバー解放機構56のボタン310を押すことで、キャッチ296をレバー22上に形成された歯282から取り外す。キャッチ296が歯282と嵌合していないとき、バネ270はレバー22を回転させ、それによってトリガアーム50をグリップ30の外側表面244から離すと同時に、上レバーアーム48をチャネル42の閉じた末端部44から離す。レバーアーム48が閉じた末端部44から離れると、レバーアーム48は、スライドアーム62の内壁136に作用して、ジョー114を固定ジョー78から離す。ジョー78、114の間の空間が、患者の膝蓋骨に適合するのに十分大きいとき、執刀医は、ボタン310を解放し、バネ318はキャッチ296を歯282との嵌合に戻し、それによってスライドアーム62及びしたがってジョー114の更なる移動を防ぐ。
【0137】
ここで図9を参照して、切除案内16が患者の天然膝蓋骨630の上に位置付けられた例示的実施形態が示される。膝蓋骨628は、切除案内16の開口76に位置付けられる。その位置において、切除案内16の固定ジョー78は、膝蓋骨628の外側縁632に隣接して位置付けられ、移動可能なジョー114は、膝蓋骨628の内側縁634に隣接して位置付けられる。しかしながら、ジョー78、114の歯80、116は、最初は膝蓋骨628から離間し、接触していない。
【0138】
膝蓋骨628の後方表面636は、図10に最もよく見られるように、高さゲージ172と接触して配置される。上述のように、高さゲージ172のスタイラスアーム176の下面178は、平面的上面66から既定の高さ652だけ上に位置する。上面66は、切除平面142を画定するため、既定の高さは、膝蓋骨切除中に除去される骨の量に対応する。切除中に骨が過剰に除去された場合、骨折のリスクが増大し得る。そのリスクを低減するために、執刀医は、下面178を膝蓋骨628の最後方点638と接触させて配置する。
【0139】
他の実施形態では、執刀医は、高さゲージ172が移動するようにスタイラスアーム176を回転させてもよく、それによって、執刀医が切除案内16内の膝蓋骨628の位置を更に調整できるようになることを理解されたい。更に、他の実施形態では、高さゲージ172は、執刀医が術中にスタイラスアーム176の高さを上面66に対して変更してもよいように調整可能であり得る。更に、いくつかの実施形態では、高さゲージ172が、アセンブリ10から省略されてもよいことが理解される。
【0140】
図6Aに戻って、執刀医は、手順700のブロック708において、切除案内16内の膝蓋骨628の内側−外側の傾斜を調整してもよい。「内側−外側の傾斜」という用語は、本明細書において、切除案内の切除平面と、膝蓋骨の外側縁及び内側縁を通って伸長する二等分参照平面との間に画定される角度として定義される。例示的実施形態では、膝蓋骨628の内側−外側の傾斜は、ほぼゼロに設定される。
【0141】
例えば、膝蓋骨628の内側−外側の傾斜を調整するために、執刀医は、膝蓋骨628を通って上下方向に伸長する軸線640を中心に膝蓋骨628を回転させてもよい。図9に示されるように、外側縁632及び内側縁634によって画定される参照平面630は、膝蓋骨628を通って伸長する。例示的実施形態では、内側−外側の傾斜は、参照平面630が切除平面142と整列されるとき、その間に画定される角度がほぼゼロに設定されるように設定される。回転の程度又は量は、特定の患者の骨解剖学に依存することを理解されたい。膝蓋骨628の内側−外側の傾斜を調整した後、手順700はブロック710に続く。
【0142】
手順700のブロック710において、執刀医は膝蓋骨628の内側−外側の傾斜をロックする。これを行うために、執刀医は、レバー22を操作して、ジョー114を移動させて、膝蓋骨628をジョー78の細長い歯82及びジョー114の細長い歯118と嵌合させる。上述のように、既定量の力が、トリガアーム50に矢印54によって示される方向に印加されるとき、上レバーアーム48は、チャネル42の閉じた末端部44に向かって直線的に前進する。上レバーアーム48は、スライドアーム62の内壁136に作用して、スライドアーム62を軸線140に沿って移動させる。スライドアーム62が移動すると、ジョー114は、固定ジョー78及び膝蓋骨628に向かって前進する。
【0143】
ジョー114が固定ジョー78及び膝蓋骨628に向かって前進すると、ジョー78の細長い歯82は、膝蓋骨628の外側縁632を嵌合し、ジョー114の細長い歯118は、内側縁634を嵌合する。歯82、118の先端86、122が膝蓋骨628内に十分に埋め込まれると、執刀医はレバー22への圧力の印加を停止する。図11に例示的に示されるその位置において、ジョー78、114の残りの歯80、116は、膝蓋骨628から離間する。膝蓋骨628に埋め込まれた歯82、118を用いて、軸線640を中心とする膝蓋骨628の回転が防止され、膝蓋骨628の内側−外側傾斜がロックされる。
【0144】
手順700のブロック712において、執刀医は、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜を調整してもよい。「上側−下側の傾斜」という用語は、本明細書において、切除案内の切除平面と、膝蓋骨の上側縁及び下側縁を通って伸長する二等分参照平面との間に画定される角度として定義される。例示的実施形態では、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜は、ほぼゼロ〜10°に設定される。
【0145】
例えば、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜を調整するために、執刀医は、膝蓋骨628を通って内外方向に伸長する軸線140を中心に膝蓋骨628を回転させてもよい。膝蓋骨628は、切除案内16の歯82、116によってのみ嵌合されるため、執刀医は、膝蓋骨628を軸線140を中心として、矢印648によって示されるいずれかの方向に回転させてもよい。図11に示されるように、膝蓋骨628の上側縁644及び下側縁646によって画定された参照平面642は、膝蓋骨628を通って伸長する。膝蓋骨628が回転されると、図12に示されるように、角度650は、参照平面642と切除平面142との間に画定される。角度650の規模は、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜に対応する。例示的実施形態では、膝蓋骨628は、角度650がほぼゼロ〜10°の規模を有するまで回転される。回転の程度又は量は、特定の患者の骨解剖学に依存することを理解されたい。膝蓋骨628の上側−下側の傾斜を調整した後、手順700はブロック714に続く。
【0146】
手順700のブロック714において、執刀医は、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜をロックする。これを行うために、執刀医は、レバー22を操作して、ジョー114を移動させて、膝蓋骨628をジョー78、114の残りの歯80、116と嵌合させる。残りの歯80、116の先端92、128が膝蓋骨628内に十分に埋め込まれると、執刀医はレバー22への圧力の印加を停止する。膝蓋骨628に埋め込まれた歯80、116を用いて、軸線140、640を中心とする膝蓋骨628の更なる回転が防止され、図13に示されるように、膝蓋骨628の内側−外側の傾斜及び上側−下側の傾斜がロックされる。
【0147】
膝蓋骨628がブロック714に固定された後、図6Aに示される手術手順700は、ブロック716に続き、膝蓋骨が切除される。これを行うために、執刀医は、切断鋸刃660を、クランプ52の平面的上面66と、鋸キャプチャ64の下壁462と、鋸キャプチャ64の平面的下面154との間に画定された切断スロット466のうちの1つに挿入する。図13に示されるように、執刀医は、切断鋸刃660を、膝蓋骨628の上側668に対応する切除案内16の側面664上に形成された切断スロット662に挿入してもよい。切断スロット662は、歯82、118によって画定された軸線140に直交して伸長する軸線664を画定する。刃660は、切断スロット662を通過し、膝蓋骨628の上側668と接触する。
【0148】
クランプ52の上面66によって画定された切除平面142に続いて、執刀医は、鋸刃660を切断スロット662内で前後に動かすことによって、患者の膝蓋骨上で切除を行ってもよい。刃660が膝蓋骨を切断すると、切断スロット662の反対側に位置付けられた別の切断スロット670が刃660を受容する。図13に示されるように、切断スロット670は、膝蓋骨628の下側674に対応する切除案内16の側面672上に位置付けられる。膝蓋骨628が切除された後、膝蓋骨628の残り(以下、切除された膝蓋骨676と参照される)は、膝蓋骨切除案内16のジョー78、114の間に保持される。
【0149】
前述のように、他の実施形態では、鋸キャプチャ64が省略されてもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、執刀医は、切断鋸刃660を上面66と接触させて配置し、切除手順を通してその接触を維持する。
【0150】
図6Aに戻って、手順700は、ブロック718に続き、執刀医が切除された膝蓋骨676を切除案内16から除去する。これを行うために、執刀医は、再度レバー解放機構56を操作して、ジョー114をジョー78から離し、歯80、116を切除された膝蓋骨676から引き抜く。
【0151】
ここで図6Bを参照して、手術手順700は、ブロック720に進み、執刀医は、ドリル案内18を多機能ハンドル12に取り付けてもよい。これを行うために、執刀医は、ドリル案内18の載置ブラケット70を、ハンドル12の載置表面32において画定されたチャネル336と整列させる。執刀医はまた、ドリル案内18において画定されたスロット220をハンドル12の上レバーアーム48と整列させる。次に、ドリル案内18をハンドル12の載置表面32の上に下げて、図14に示されるように、ブラケット70の基部390がチャネル336に受容され、上レバーアーム48がスロット220に受容されるようにする。上述のように、ロック機構24は、載置ブラケット70と嵌合して、ドリル案内18を多機能ハンドル12に固定する。
【0152】
手順700のブロック722では、執刀医は、切除された膝蓋骨676を、ドリル案内18の支持ブラケット180とドリルブラケット182との間に位置付けてもよい。これを行うために、執刀医は、ドリル案内18のガスケット184を回転させて、ブラケット180、182の間の位置から外してもよい。図15に示されるように、切除された膝蓋骨676は、切除された膝蓋骨676の前方表面678が、ブラケット180の裏プレート192の平坦な表面532に面し、切除された膝蓋骨676の切除された後方表面680が、ブラケット182のドリルプレート222の平坦な表面552に面するように、ブラケット180、182の間に位置付けられてもよい。
【0153】
執刀医は、ドリル案内18を使用して、膝蓋骨人工装具コンポーネント600を寸法調整及び選択してもよい。図15に示されるように、ドリルプレート222は、それぞれ複数の膝蓋骨寸法に対応する、複数のインジケータ684を含む後面682を有する。本体550の外周686は、断面積の狭い膝蓋骨寸法を示すが、ドリルプレート222の外周688は、断面積の広い膝蓋骨寸法を示す。周囲686、688の間に位置付けられた複数のエッチングマーク690は、中間膝蓋骨寸法を示す。インジケータ684を使用して、執刀医は、切除された膝蓋骨676の切除された後方面680の最大適用範囲を提供する、膝蓋骨人工装具コンポーネント600を選択してもよい。
【0154】
手順700のブロック724では、執刀医は、切除された膝蓋骨676をブラケット180、182の間にクランプしてもよい。これを行うために、切除された膝蓋骨676は、固定アーム190の裏プレート192と接触して配置され、裏プレート192の歯542は、切除された膝蓋骨676の前方表面678と嵌合する。ブラケット180、182から出て回転されたガスケット184を用いて、執刀医は、多機能ハンドル12のレバー22を操作し、ドリルブラケット182のドリルプレート222を前進させて、切除された膝蓋骨676の切除された後方表面680と接触させてもよい。特に、執刀医は、レバー22を握り締めて、既定量の力をトリガアーム50に印加する。上レバーアーム48は、ドリルブラケット182の内壁218に作用して、可動アーム212を軸線140に沿って前進させる。ドリルブラケット182の可動アーム212が移動すると、ドリルプレート222は、前進して切除された膝蓋骨676の後方表面680と接触し、それによって、図16に示されるように、ドリルプレート222の歯562を表面680と嵌合させ、切除された膝蓋骨676をドリル案内18のブラケット180、182の間に固定する。
【0155】
手順700のブロック726では、切除された膝蓋骨676の後方表面680は、膝蓋骨人工装具コンポーネント610を受容するように手術により準備される。図16に示されるように、執刀医は、コンポーネント610のペグ616の位置に対応する、切除された膝蓋骨676の後方表面680に一連のパイロット穴をドリルで開けてもよい。これを行うために、執刀医は、ドリルプレート222において画定された案内穴560のそれぞれに手術用ドリル692を挿入してもよい。ドリル692は、案内穴560を通過し、後方表面680と接触する。執刀医は、ドリルを起動し、十分な深さのパイロット穴が切除された膝蓋骨676に形成されるまで、ドリル692を案内穴560に沿って前進させる。次に、執刀医は、必要なパイロット穴が形成されるまで、案内穴560のそれぞれにおいてドリル操作を反復してもよい。
【0156】
図6Bに戻り、手順700はブロック728に続き、執刀医は、膝蓋骨人工装具コンポーネント610を、切除された膝蓋骨676の手術により準備された後方表面680上に位置付けてもよい。執刀医は、コンポーネント610の前方表面614にセメントを塗布してもよい。コンポーネント610が切除された膝蓋骨676の上に位置付けられた後、ペグ616は、前方表面614が後方表面680と接触して配置されるまで、切除された膝蓋骨676の手術により準備された後方表面680に形成されたパイロット穴の中に進められてもよい。次に、圧縮ガスケット184を回転させて、ドリルブラケット182とコンポーネント610との間の位置に戻す。その位置において、圧縮ガスケット184のプラグ592は、ドリルプレート222の案内穴560に受容される。
【0157】
手順700のブロック730において、執刀医は、図17に示されるように、コンポーネント610を切除された膝蓋骨676に対してクランプしてもよい。これを行うために、執刀医は、レバー22を握り締めて、既定量の力をトリガアーム50に印加してもよい。上レバーアーム48は、ドリルブラケット182の内壁218に作用して、可動アーム212を軸線140に沿って前進させる。ドリルブラケット182の可動アーム212が移動すると、圧縮ガスケット184は前進して、コンポーネント610の後方支持表面612と接触する。コンポーネント610は、重合が完了し、コンポーネント610が切除された膝蓋骨676に固定されるまで、コンポーネント610が切除された膝蓋骨676に対して堅くクランプされるように、ガスケット184の凹部表面600内に配置及び固定される。
【0158】
他の実施形態では、他の膝蓋骨切除案内を多機能ハンドル12とともに使用することができることを理解されたい。ここで図18を参照して、整形外科用手術器具アセンブリ10は、膝蓋骨切除案内(以下、切除案内800と称される)の異なる実施形態とともに示される。図18に例示される実施形態のいくつかの特徴は、図1〜17の実施形態を参照して上述されるものと実質的に同様である。そのような特徴は、図18において、図1〜17で使用されるものと同一の参照番号を用いて指定される。
【0159】
切除案内800は、膝蓋骨クランプ802と、クランプ802着脱可能に連結されるように構成された鋸キャプチャ64とを含む。クランプ802は、本体804と、本体804に移動可能に連結されたスライドアーム62を含む。図1〜17の実施形態と同様に、本体804は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、本体804が、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。本体804は、実質的に平坦な上面66と、上面66の反対側に位置付けられた下面68とを有する。ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成された載置ブラケット70は、下面68から下向きに伸長する。クランプ802がハンドル12に固定されるとき、クランプ802の下面68は、載置表面32によって支持される。
【0160】
図18に示されるように、本体804の上面66がそこに画定された開口部72を有する。本体804は、上面66から下面68まで下向きに伸長する、曲線状内壁74を含み、本体804を通る楕円形の開口76を画定する。図1〜17の実施形態の開口76と同様に、開口76は、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。
【0161】
膝蓋骨クランプ802の本体804はまた、内壁74から伸長するジョー808を含む。ジョー808は、開口76の中に内側に伸長する、複数の歯810を有する。歯810は、1対の細長い歯812、814を含む。各歯812、814は、基部816と、先端818と、いずれの他の歯810をも超える基部816から先端818までの長さ820とを有する。残りの歯810の先端822は、開口76内に円弧824を画定する。歯812、814の先端818は、円弧824を超えて、開口76の中に伸長する。
【0162】
クランプ802の本体804は、トラック100を更に含む。図18に示されるように、スライドアーム62は、トラック100に位置付けられ、トラック100に沿って摺動するように構成される。スライドアーム62は、ジョー808の反対側に形成された可動ジョー114を含む、主本体108を有する。ジョー114は、ジョー808に向かって伸長する、複数の歯116を有する。歯116は、いずれの他の歯116も超える長さを有する、細長い歯118を含む。
【0163】
使用時に、膝蓋骨切除案内16が、ハンドル12に連結されるとき、レバーアーム48は、スライドアーム62に作用して、ジョー114を固定ジョー808に対して移動させるように構成される。上レバーアーム48がハウジング20に対して軸線58に沿って移動すると、スライドアーム62は、トラック100に沿って前進し、それによってジョー114は、固定ジョー78に対して移動する。図18に示されるように、スライドアーム62は、可動ジョー114の歯118によって画定された軸線140に沿って移動する。
【0164】
図18に示されるように、固定ジョー808の歯812、814は、可動ジョー114の歯118によって画定された軸線140からオフセットされる。例示的実施形態では、軸線は、歯812、814の間に位置付けられ、歯812、814は、軸線140から等距離に位置付けられる。軸線826は、歯118と歯812との間に画定され、別の軸線828は、歯119と歯814との間に画定される。軸線826、828のそれぞれは、軸線140に対して角度を成して伸長する。
【0165】
使用時に、患者の膝蓋骨は、切除案内800の開口76に位置付けられてもよい。上述のように内側−外側の傾斜を調整した後、執刀医は、レバー22を操作することによって膝蓋骨の内側−外側の傾斜をロックし、ジョー114を移動させて、膝蓋骨を細長い歯118及び細長い歯812、814のうちの1つと嵌合させてもよい。歯118及び歯812又は歯814の先端818が膝蓋骨に十分に埋め込まれると、執刀医は、レバー22への圧力の印加を停止してもよい。その位置において、ジョー114、808の残りの歯116、810は、膝蓋骨から離間する。歯118及び膝蓋骨に埋め込まれた細長い歯812、814のうちの1つを用いて、上下方向に伸長する軸線を中心とする膝蓋骨の回転が防止され、膝蓋骨の内側−外側の傾斜がロックされる。次に、執刀医は、膝蓋骨を切除案内800の残りの歯116、810と嵌合させる前に、軸線818、820のうちの1つを中心に膝蓋骨を回転させることによって、上下の傾斜を設定してもよい。
【0166】
ここで図19を参照して、膝蓋骨切除案内(以下、切除案内900と称される)の別の実施形態が示される。図19に例示される実施形態のいくつかの特徴は、図1〜17の実施形態を参照して上述されるものと実質的に同様である。そのような特徴は、図19において、図1〜17で使用されるものと同一の参照番号を用いて指定される。フレーム902を含む切除案内900は、そこから下向きに伸長する載置ブラケット70を有する。上述のように、載置ブラケット70は、ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成される。
【0167】
フレーム902は、本体904と、本体904に移動可能に連結されたクランプアーム又はスライドアーム62とを含む。フレーム902は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、本体904が、ポリエチレン又は超高分子量ポリプロピレン(UHMWPE)等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。
【0168】
切除案内900の本体904は、上面906と、底面908と、表面906、908を接続する外壁910とを有する。曲線状の内壁912は、上面906から下向きに伸長する。曲線状の内壁912は、本体904を通る実質的に楕円形又は卵形の開口914を画定する。開口914は、以下で更に詳述されるように、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。他の実施形態では、開口914が、例えば、正方形、矩形、又は患者の膝蓋骨を受容するように適切に寸法調整された他の形状等の異なる寸法又は形状を有してもよいことが理解される。
【0169】
本体904はまた、その各側面上に1対の切断案内スロット916、918を含む。溝916、918のそれぞれは、外壁910において画定された開口部920から内壁912において画定された開口部922まで伸長する。開口部920、922の間に伸長する平坦な表面924、926は、それぞれスロット916、918の底面を画定する。表面924、926は、膝蓋骨が開口914に位置付けられるとき、膝蓋骨を通って伸長する切除平面142を更に画定する。
【0170】
本体904はまた、内壁912から伸長するジョー78を含む。ジョー78は、開口914の中に内側に伸長する、複数の歯80として具体化される。歯80は、図1〜17の実施形態の細長い歯82のように、いずれの他の歯80も超える長さを有する細長い歯82を含む。ジョー78の反対側に、本体904は、本体904に画定されたトラック928を有する。トラック928は、内壁908において画定された開口部(図示せず)と外壁910において画定された開口部930との間に伸長する。
【0171】
フレーム902のスライドアーム62は、トラック928に位置付けられ、トラック928に沿って摺動するように構成される。スライドアーム62は、本体60のジョー78の反対側に位置付けられた末端部110と、多機能ハンドル12のレバー22を嵌合するように構成された別の末端部112とを含む、主本体108を有する。
【0172】
スライドアーム62はまた、ジョー78の反対側の末端部110において形成された可動ジョー114を含む。ジョー114は、ジョー78に向かって伸長する、複数の歯116として具体化される。歯116は、細長い歯118を含む。細長い歯118は、図1〜17の実施形態の細長い歯118のように、いずれの他の歯116も超える長さを有する。
【0173】
使用時に、患者の膝蓋骨は、ジョー78、114の間に位置付けられ、ジョー78、114の歯80、116は、患者の膝蓋骨を嵌合して、切除手順の間に膝蓋骨を所定の位置に保持するように構成される。平坦な表面924、926は、整形外科医が切除手順の間に手術用鋸刃を案内し、それによって膝蓋骨を通る切除平面142を画定するように使用することができる。
【0174】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変はすべて保護されることが望ましい点が理解されよう。
【0175】
本開示には、ここに述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点がある。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴のすべてを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に実施することが容易に可能であろう。
【0176】
〔実施の態様〕
(1) (i)第1のブラケットと、(ii)前記第1のブラケットに連結され、前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、複数の案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含み、前記複数の案内穴のそれぞれが、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットと、(iii)前記第2のブラケットに枢動可能に連結されたガスケットであって、前記第2のブラケットの前記複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する、ガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内を備える、整形外科用手術器具。
(2) 前記第1のブラケットが、第1の側面を含み、前記第1の側面が、前記第1の側面から伸長する第1の複数の歯を有し、
前記第2のブラケットが、前記第1の側面に面する第2の側面を有し、前記第1のブラケットに向かう前記第2のブラケットの移動が、前記第1の側面に向かう前記第2の側面の移動をもたらすようになっており、前記第2の側面が、前記第2の側面から伸長する第2の複数の歯を有する、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(3) 前記第1のブラケットの前記第1の側面が、前記第2のブラケットの前記第2の側面に実質的に平行に伸長する、実施態様2に記載の整形外科用手術器具。
(4) 前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記第2の側面に面する第1の表面を有し、前記第1の表面が、(i)前記第1の表面から伸長する前記複数のプラグと、(ii)前記第2のブラケットの前記第2の複数の歯を受容するように構成された、前記第1の表面に画定された複数の案内穴と、を有する、実施態様2に記載の整形外科用手術器具。
(5) 前記ガスケットが、前記第1の表面に対向して位置付けられる、第2の凹部表面を有する、実施態様4に記載の整形外科用手術器具。
(6) 前記第2のブラケットが、前記第2のブラケットの下末端部に画定された開口を含み、
前記ガスケットが、前記ガスケットの下末端部から伸長するプラグを含み、前記プラグが、前記ガスケットを前記第2のブラケットに枢動可能に連結するように前記開口内に受容される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(7) 前記ガスケットが、前記ガスケットの上末端部から伸長するタブを含み、ユーザが前記タブを把持して、前記第2のブラケットに対して前記ガスケットを旋回させることができるように、前記タブが、前記ユーザの指先を受容するように構成された1対の起伏のある表面を含む、実施態様6に記載の整形外科用手術器具。
(8) 前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(9) 前記ガスケットが、前記第2のブラケットから取り外し可能である、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(10) 前記ドリルプレートの前記複数の案内穴が、三角形のパターンに配置される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
【0177】
(11) 前記ガスケットが、エラストマー材から形成される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(12) ハウジングと、前記ハウジングに移動可能に連結されたレバーと、を含む、ハンドルと、
(i)第1のブラケットと、(ii)前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記レバーを前記ハウジングに対して移動させることで、前記第2のブラケットを前記第1のブラケットに対して移動させるように、前記レバーに連結される第2のブラケットと、(iii)前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットのうちの少なくとも1つに枢動可能に連結されたガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内と、を備え、
(i)前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットが、患者の切除された膝蓋骨を嵌合するように構成され、(ii)手術用ドリルを受容するように寸法調整された案内穴が、前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットのうちの少なくとも1つにおいて画定され、(iii)前記ガスケットが、前記案内穴に受容されるように構成されたプラグを有する、整形外科用手術器具。
(13) 前記第2のブラケットが、前記案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含む、実施態様12に記載の整形外科用手術器具。
(14) 前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、実施態様13に記載の整形外科用手術器具。
(15) (i)前記レバーが、前記ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、前記第2のブラケットが、前記第1のブラケットに向かって移動し、
(ii)前記レバーが、前記ハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、前記第2のブラケットが、前記第1のブラケットから離れて移動する、実施態様12に記載の整形外科用手術器具。
(16) (i)第1のブラケットと、
(ii)前記第1のブラケットに連結され、前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、ドリルプレートを含み、前記ドリルプレートが、前記ドリルプレートから伸長する複数の歯と、前記ドリルプレートに画定された第1の複数の案内穴と、を有し、前記第1の複数の案内穴のそれぞれが、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットと、
(iii)前記第2のブラケットに枢動可能に連結されるガスケットであって、前記第2のブラケットの前記複数の歯を受容するように構成された、前記ガスケットに画定される第2の複数の案内穴と、前記第2のブラケットの前記第1の複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグとを有する、ガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内を備え、
前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、整形外科用手術器具。
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下、2011年6月30日に出願された米国特許出願第61/503,164号に対する優先権を主張し、当該出願は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(関連出願の相互参照)
相互参照は、Abraham Wrightらによる同時係属米国仮特許出願番号第61/503,402号、表題「PATELLA RESECTION GUIDE WITH LOCATING FEATURES AND METHOD OF USING THE SAME」(代理人整理番号第265280−211141号、DEP6294USPSP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国仮特許出願番号第61/503,159号、表題「PATELLA ORTHOPAEDIC SURGICAL METHOD」(代理人整理番号第265280−214736号、DEP6378USPSP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国仮特許出願番号第61/503,404号、表題「PATELLA ORTHOPAEDIC SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLY」(代理人整理番号第265280−214740、DEP6382USPSP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国意匠特許出願番号第29/396,508号、表題「MULTIFUNCTIONAL HANDLE」(代理人整理番号第265280−215720号、DEP6378USDP)、Abraham Wrightらによる同時係属米国意匠特許出願番号第29/396,512号、表題「PATELLA RESECTION GUIDE」(代理人整理番号第265280−214754号、DEP6383USDP)、及びAbraham Wrightらによる同時係属米国意匠特許出願第29/396,514号、表題「COMBINATION PATELLA DRILL GUIDE AND CLAMP」(代理人整理番号第265280−215721号、DEP6378USDP1)に対して行われ、それぞれ本出願と同一の出願人に譲渡され、それぞれ参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0003】
(発明の分野)
本開示は、概して、整形外科用手術器具に関し、より具体的には、膝蓋骨手術器具に関する。
【背景技術】
【0004】
関節形成術は、疾患及び/又は損傷した天然関節を人工関節で置き換える周知の外科手術である。通常の人工膝関節は、脛骨トレー、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレーと大腿骨コンポーネントとの間に配置されるポリマーインサート又はベアリングを含む。ある場合においては、人工膝関節は、人工膝蓋骨コンポーネントも含んでよく、このコンポーネントは、手術により準備された患者の膝蓋骨の後部側に固定される。人工装具コンポーネントを膝蓋骨に固定するために、整形外科医は、患者の天然膝蓋骨の後方側面を切除して、人工装具コンポーネントを受容するように、天然膝蓋骨を準備することができる。使用時、膝蓋骨人工装具コンポーネントは、患者の膝の伸展及び屈曲の間、患者の天然又は義足の大腿骨とともに関節接合をなす。
【0005】
天然関節を人工膝関節で置き換えることを容易にするために、整形外科医は、例えば切断ブロック、ドリル案内、ミリング案内、及び他の手術器具等の様々な整形外科用手術器具を使用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様による、整形外科用手術器具アセンブリが開示される。整形外科用手術器具アセンブリは、ハウジングと、ハウジングに移動可能に連結されたレバーと、ハウジングと選択可能に連結されるように構成された複数の手術ツールとを含む。複数の手術ツールの各手術ツールは、第1のクランプ要素と、第1のクランプ要素に対して移動するように構成された第2のクランプ要素とを含む。第2のクランプ要素は、レバーをハウジングに対して移動させることが、第2のクランプ要素を第1のクランプ要素に向かって前進させて患者の骨をクランプするように、レバーに連結されるように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、各手術ツールをハウジングに固定するように構成されたロック機構を含んでもよい。ロック機構は、ロック機構が手術ツールをハウジングに固定する第1の位置と、ロック機構が手術ツールをハウジングから除去されることを許す第2の位置との間で移動可能であるロックブラケットを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ハウジングに画定された通路を有してもよい。手術ツールは、第1のクランプ要素を含む本体と、そこから下向きに伸長するシャフトとを有してもよい。シャフトは、通路において受容されるように構成されてもよい。ロックブラケットが第1の位置に配置され、手術ツールがハウジングと連結されると、ロックブラケットは、シャフトを嵌合し得る。更に、いくつかの実施形態では、手術ツールのシャフトは、シャフトに画定されたノッチを有してもよい。ロックブラケットのフランジは、ロックブラケットが第1の位置に配置されるとき、ノッチにおいて受容されてもよく、ロックブラケットが第2の位置に配置されるとき、ノッチから離間されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、ロック機構は、第1の位置にあるロックブラケットを付勢する、付勢部材を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザが押すことができるボタンが、ロックブラケットに固定されてもよく、ボタンは、ボタンを押すことでロックブラケットが第1の位置から第2の位置まで前進するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハンドルのハウジングが、ハウジングに移動可能に連結されたレバーを有する上本体と、上本体から下向きに伸長するグリップとを含んでもよい。レバーは、上本体から下向きに伸長するレバーアームを含んでもよい。レバーアームは、既定量の力がレバーアームに印加されるとき、グリップに対して移動することが許されてもよい。
【0011】
更に、いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、ハウジングに対するレバーの移動を許可するように構成されたレバー解放機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、レバー解放機構は、レバーがハウジングに対して移動するのを防ぐ第1の位置と、レバーがハウジングに対して移動するのを許可する第2の位置との間で移動可能なキャッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、レバー解放機構は、レバーアーム上に形成された複数の歯を更に含んでもよい。キャッチが第1の位置に配置されるとき、複数の歯と嵌合され、キャッチが第2の位置に配置されるとき、複数の歯から離間する、フランジを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、レバー解放機構は、上本体に移動可能に連結された、ユーザが押すことができるボタンを含んでもよい。ユーザが押すことができるボタンは、ボタンが押されると、キャッチが第2の位置に配置されるように、第2の位置に固定されたキャッチを有してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、レバーのレバーアームに連結された第1の末端部と、ハウジングに連結された第2の末端部とを有する付勢部材を更に含んでもよい。レバーは、レバーアームがグリップから離間する第1の位置と、レバーアームがグリップと接触して配置される第2の位置とを有してもよい。付勢部材は、キャッチが第2の位置に配置されるとき、第1の位置においてレバーを付勢させてもよい。いくつかの実施形態では、キャッチは、既定量の力がレバーアームに印加されると、複数の歯に沿って前進され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、レバーは、上本体から外側に伸長する上レバーアームを更に含み、第2のクランプ要素は、第2のクランプ要素に画定されたスロットを有する本体を含んでもよい。スロットは、上レバーアームを受容するように寸法調整されてもよい。
【0015】
更に、いくつかの実施形態では、複数の手術ツールのうちの少なくとも1つの手術ツールが、膝蓋骨切断案内表面を画定する、実質的に平坦な上面を含む、膝蓋骨切除案内であってもよい。第1のクランプ要素は、第1の固定ジョーであってもよく、第2のクランプ要素は、第1の固定ジョーに対して移動可能な膝蓋骨切除案内の第2のジョーであってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数の手術ツールのうちの少なくとも1つの手術ツールは、膝蓋骨ドリル案内であってもよい。第1のクランプ要素は、第1の固定ブラケットであってもよく、第2のクランプ要素は、第1の固定ブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであってもよい。第2のブラケットは、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットに画定された少なくとも1つの案内穴を有してもよい。
【0017】
別の態様によると、整形外科用手術器具アセンブリは、ハウジングを有するハンドルと、ハウジングと選択的に連結されるように構成された膝蓋骨切除案内と、ハウジングと選択的に連結されるように構成された膝蓋骨ドリル案内とを含む。膝蓋骨切除案内は、患者の膝蓋骨を嵌合するように構成された1対のジョーと、膝蓋骨切断案内表面を画定する、実質的に平坦な上面とを含む。膝蓋骨ドリル案内は、患者の切除された膝蓋骨を嵌合するように構成された第1のブラケット及び第2のブラケットを含む。第1のブラケットは、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、少なくとも1つの案内穴が内部に画定される。
【0018】
いくつかの実施形態では、ハンドルは、ハウジングに移動可能に連結されたレバーを更に含んでもよい。膝蓋骨切除案内の1対のジョーは、レバーをハウジングに対して移動させることで、第1のジョーを第2のジョーに対して移動させるように、レバーに連結されるように構成された第1のジョーを含んでもよい。膝蓋骨ドリル案内の第1のブラケットは、レバーをハウジングに対して移動させることで、第1のブラケットを第2のブラケットに対して移動させるように、レバーに連結されるように構成されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、レバーが、ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、第1のジョーは、1対のジョーの第2のジョーに向かって移動し得る。レバーがハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、第1のジョーは、第2のジョーから離れて移動し得る。更に、いくつかの実施形態では、レバーが、ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、第1のブラケットは、第2のブラケットに向かって移動してもよく、レバーが、ハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、第1のブラケットは、第2のブラケットから離れて移動し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、レバーは、レバーアームを含んでもよい。レバーは、既定量の力がレバーアームに印加されるとき、ハウジングに対して第1の方向に移動することが許され得る。いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具アセンブリは、レバー解放機構を更に含んでもよい。レバー解放機構は、既定量の力がレバーアームに印加されない限り、レバーがハウジングに対して移動するのを防ぐ第1の位置と、レバーがハウジングに対して第2の方向に移動することが許される第2の位置との間で移動可能であるキャッチを含んでもよい。
【0021】
別の態様によると、整形外科用手術器具が開示される。整形外科用手術器具は、上本体と、上本体から下向きに伸長するグリップと、複数の手術ツールを上本体に選択的に固定するように構成されたロック機構と、上本体に移動可能に連結されたレバーとを含む。レバーは、ハウジングのレバー本体から下向きに伸長する第1のレバーアームを含む。第1のレバーアームは、既定量の力が第1のレバーアームに印加されるとき、グリップに対して移動することが許される。レバーはまた、上本体の上表面から外向きに伸長する第2のレバーアームを含む。第2のレバーアームは、ハウジングの上本体に固定された手術ツールに連結されるように構成される。
【0022】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、膝蓋骨切除案内を含む。膝蓋骨切除案内は、膝蓋骨切断案内表面を画定する実質的に平坦な上面と、本体を通る開口を画定する内壁とを有する本体を含む。開口は、患者の膝蓋骨を受容するように構成され、内壁は、開口の中に内側に伸長する第1の歯群を有する、第1のジョーを含む。膝蓋骨切除案内は、第1のジョーの反対側に位置付けられた第2のジョーを含む。第2のジョーは、第1のジョーに対して移動可能である。第2のジョーは、第1のジョーに向かって内側に伸長する第2の歯群を含む。第1のジョーは、第1の歯群のいずれの他の歯も超える長さを有する第1の歯群の第1の歯を含み、第2のジョーは、第2の歯群のいずれの他の歯も超える長さを有する第2の歯群の第2の歯を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第2の歯は、第2のジョーが沿って第1のジョーに向かって移動可能な第1の軸線を画定し得る。第2のジョーは、開口の中に前進するように移動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の歯は、第1の軸線に沿って配置されてもよい。更に、いくつかの実施形態では、第1の歯は、第1の軸線に対して軸線外に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョーは、開口の中に内側に伸長する第3の歯を含み得る。第3の歯は、第1の軸線に対して軸線外に配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2の歯及び第3の歯は、第1の軸線からほぼ等距離に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のジョーに対する第2のジョーの移動は、線状であり得る。いくつかの実施形態では、切除案内は、第2のジョーを切除案内に載置されたアームを更に含んでもよい。本体は、第1のジョーの反対側に、本体に画定されたトラックを有してもよく、アームは、アームが第1のジョーに対して第2のジョーを移動させるように、トラックに沿って摺動するように、トラックにおいて受容されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、切除案内は、本体に着脱可能に連結された鋸キャプチャを更に含んでもよく、切断スロットは、実質的に平坦な上面と鋸キャプチャとの間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の歯は、第2のジョーが沿って第1のジョーに向かって移動可能である第1の軸線を画定してもよく、切断スロットは、第1の軸線に直交して伸長する第2の軸線を画定する第1の開口を有してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、本体は、本体に画定される1対のノッチを有してもよく、鋸キャプチャは、フレームと、フレームに枢動可能に連結された1対のレバーアームとを含んでもよい。各レバーアームは、フランジを有してもよく、鋸キャプチャが本体から除去され得るように、フランジが対応するノッチにおいて受容される第1の位置と、フランジが対応するノッチから離間している第2の位置との間で移動可能であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、整形外科用手術器具は、第1の位置において1対のレバーアームを付勢する、1対のバネを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、切除案内は、膝蓋骨切断案内表面から既定の距離だけ上に位置付けられたアームを含む、高さゲージを更に有してもよい。いくつかの実施形態では、既定の距離は約9mmであり得る。
【0028】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、実質的に平坦な上面を含む本体と、第1の歯を有する第1のジョーとを有する膝蓋骨切除案内を含む。膝蓋骨切除案内は、第1のジョーに向かって伸長する第2の歯を有する、第2のジョーを含む。第2のジョーは、第1のジョーに対して移動可能である。膝蓋骨切除案内はまた、本体に着脱可能に連結された鋸キャプチャを含む。切断スロットは、実質的に平坦な上面と鋸キャプチャとの間に画定される。第1の歯及び第2の歯は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨に対する回転の軸線を画定する。切断スロットは、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けるとき、患者の膝蓋骨を通って伸長する切除平面を画定する。
【0029】
いくつかの実施形態では、切除案内は、切除平面から既定の距離だけ上に位置付けられた高さゲージを更に含み得る。いくつかの実施形態では、高さゲージは、鋸キャプチャに固定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のジョーは、第1の歯及び第2の歯によって画定された回転の軸線に沿って移動可能であり得る。
【0030】
更に、いくつかの実施形態では、切除案内は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、膝蓋骨の外側面に対応する外側面と、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨の内側面に対応する内側面とを更に含み得る。第1のジョーは、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、第1の歯が患者の膝蓋骨の外側面と接触するように、切除案内の外側面上に位置付けられてもよい。第2のジョーは、第2のジョーが本体の開口部の中に進み、膝蓋骨が第1のジョーと前記第2のジョーとの間に位置付けられるとき、第2の歯が患者の膝蓋骨の内側面と接触して配置されるように、切除案内の内側面上に位置付けられてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、切除案内は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨の上側面に対応する上側面と、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨の下側面に対応する下側面とを更に備え得る。切断スロットは、切除案内の上側面上に第1の開口部を有してもよい。第一の開口部は、切断鋸刃を受容するように寸法調整され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のジョーは、第1の複数の歯を有してもよい。第1の歯は、第1の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有し得る。第2のジョーは、第2の複数の歯を有してもよい。第2の歯は、第2の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有し得る。
【0033】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、膝蓋骨切断案内表面を画定する実質的に平坦な上面と、第1の複数の歯を有する第1のジョーとを有する本体を有する、膝蓋骨切除案内を含む。第1の複数の歯の第1の歯は、第1の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有する。膝蓋骨切除案内はまた、第1のジョーの反対側に位置付けられ、第1のジョーに対して移動可能な第2のジョーを有する。第2のジョーは、第1の複数の歯に向かって伸長する第2の複数の歯を含む。第2の複数の歯の第2の歯は、第2の複数の歯のいずれの他の歯も超える長さを有する。第2の歯は、第2のジョーが沿って第1のジョーに対して移動可能である軸線を画定する。膝蓋骨切断案内表面は、膝蓋骨が第1のジョーと第2のジョーとの間に位置付けられるとき、患者の膝蓋骨を通って伸長する切除平面を画定し得る。
【0034】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、第1のブラケットと、第1のブラケットに対して移動可能である、第1のブラケットに連結された第2のブラケットとを有する、膝蓋骨ドリル案内を含む。第2のブラケットは、複数の案内穴が内部に画定されるドリルプレートを含み、複数の案内穴のそれぞれは、手術用ドリルを受容するように寸法調整される。ガスケットは、第2のブラケットに枢動可能に連結され、ガスケットは、第2のブラケットの複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のブラケットは、第1の側面をひ含み、第1の側面が、第1の側面から伸長する第1の複数の歯を有し、第2のブラケットは、第1の側面に面する第2の側面を有し、第1のブラケットに向かう第2のブラケットの移動によって、第1の側面に向かう第2の側面の移動をもたらし得るようになっていてもよい。第2の側面は、第2の側面から伸長する第2の複数の歯を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のブラケットの第1の側面は、第2のブラケットの第2の側面に対して実質的に平行に伸長し得る。
【0036】
更に、いくつかの実施形態では、ガスケットは、第2のブラケットの第2の側面に面する第1の表面を有し得る。第1の表面は、第1の表面から伸長する複数のプラグを有してもよく、第1の表面に画定された複数の案内穴は、第2のブラケットの第2の複数の歯を受容するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、第1の表面の反対側に位置付けられた第2の凹部表面を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2のブラケットは、第2のブラケットの下末端部において画定された開口を含んでもよく、ガスケットは、ガスケットの下末端部から伸長するプラグを含み得る。プラグは、ガスケットを第2のブラケットに枢動可能に連結するために、開口に受容されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットの上末端部から伸長するタブを含んでもよい。タブは、ユーザがタブを握って第2のブラケットに対してガスケットを旋回させ得るように、ユーザの指先を受容するように構成された1対の成形表面を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートと第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートから離間している第2の位置との間で移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、ガスケットは、第2のブラケットから除去可能であり得る。更に、いくつかの実施形態では、ドリルプレートの複数の案内穴が三角形のパターンに配列されてもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、エラストマー材から形成されてもよい。
【0039】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、ハウジングと、ハウジングに移動可能に連結されたレバーとを有するハンドルと、膝蓋骨ドリル案内とを含む。膝蓋骨ドリル案内は、第1のブラケットと、第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットとを含む。第2のブラケットは、レバーをハウジングに対して移動させることで、第2のブラケットを第1のブラケットに対して移動させるように、レバーに連結される。ガスケットは、第1のブラケット及び第2のブラケットのうちの少なくとも1つに枢動可能に連結される。第1のブラケット及び第2のブラケットは、患者の切除された膝蓋骨を嵌合するように構成される。膝蓋骨ドリル案内はまた、手術用ドリルを受容するように寸法調整され、第1のブラケット及び第2のブラケットのうちの少なくとも1つにおいて画定される、案内穴を含む。ガスケットは、案内穴に受容されるように構成されたプラグを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、第2のブラケットは、案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートと第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートから離間している第2の位置との間で移動可能であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、レバーが、ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、第2のブラケットは、第1のブラケットに向かって移動してもよく、レバーが、ハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、第2のブラケットは、第1のブラケットから離れて移動し得る。
【0042】
別の態様によると、整形外科用手術器具は、膝蓋骨ドリル案内を含む。膝蓋骨ドリル案内は、第1のブラケットと、第1のブラケットに連結され、第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットとを含む。第2のブラケットは、第2のブラケットから伸長する複数の歯を有するドリルプレートと、ドリルプレートに画定された第1の複数の案内穴とを含む。第1の複数の案内穴のそれぞれは、手術用ドリルを受容するように寸法調整される。ガスケットは、第2のブラケットに枢動可能に連結され、ガスケットは、第2のブラケットの複数の歯を受容するように構成された、ガスケットに画定される第2の複数の案内穴と、第2のブラケットの第1の複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグとを有する。ガスケットは、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートと第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、ガスケットが第2のブラケットのドリルプレートから離間している第2の位置との間で移動可能である。
【0043】
別の態様によると、膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために膝蓋骨を手術により準備する方法が開示される。本方法は、膝蓋骨を膝蓋骨切除案内の1対のジョーの間に位置付けることと、上下方向に伸長する第1の軸線を中心に膝蓋骨を回転させて、膝蓋骨の内側−外側の傾斜を調整することと、第1の軸線を中心とする回転が防止されるように、1対のジョーを膝蓋骨と嵌合させることと、内外方向に伸長する第2の軸線を中心に膝蓋骨を回転させて、膝蓋骨の下側−上側の傾斜を調整することと、第1の軸線及び第2の軸線を中心とする回転が防止されるように、1対の膝蓋骨をクランプすることと、膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させることと、を含む。いくつかの実施形態では、1対のジョーは、第1の固定ジョーと、第1のジョーに対して移動可能な第2のジョーとを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、1対のジョーを嵌合することは、第1のジョーの第1のスパイクを膝蓋骨の外側面と嵌合させることと、第2のジョーの第2のスパイクを前進させて膝蓋骨の内側面と接触させることとを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の歯及び第2の歯は、第2の軸線を画定してもよく、第2の軸線を中心に膝蓋骨を回転させることは、第1の歯及び第2の歯上で膝蓋骨を回転させることを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、1対のジョーを膝蓋骨とともにクランプすることは、第1のジョーの追加の歯を膝蓋骨の外側面と嵌合させることと、第2のジョーの追加の歯を膝蓋骨の内側面と嵌合させることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1対のジョーの間に膝蓋骨を位置付けることは、膝蓋骨を膝蓋骨切除案内の高さゲージと接触させることを含み得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法は、鋸キャプチャを切除案内の本体に固定することを更に含み得る。本体は、本体に連結された1対のジョーを有してもよい。更に、いくつかの実施形態では、本方法は、膝蓋骨を測定して、骨切除のレベルを決定することを更に含み得る。膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させることは、膝蓋骨を骨切除のレベルまで切断することを含み得る。
【0047】
別の態様によると、膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために膝蓋骨を手術により準備する方法は、膝蓋骨切除案内をハンドルに取り付けることと、ハンドルのレバーを操作して、膝蓋骨切除案内の1対のジョーを患者の膝蓋骨と嵌合させることと、膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させて膝蓋骨を切除し、切除された膝蓋骨を形成することと、膝蓋骨切除案内をハンドルから取り外すことと、膝蓋骨ドリル案内をハンドルに取り付けることと、ハンドルのレバーを操作して、膝蓋骨ドリル案内の1対のブラケットの間にある切除された膝蓋骨をクランプすることと、切除された膝蓋骨において少なくとも1つの載置穴をドリルで開けることと、を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ハンドルのレバーを操作して、1対のジョーを嵌合することは、膝蓋骨の外側面を第1のジョーと接触させることと、ある量の力をレバーに印加して、第2のジョーを前進させて膝蓋骨の内側面と接触させることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハンドルのレバーを操作して、1対のジョーを嵌合することは、第1のジョーの第1の歯を膝蓋骨の外側面と嵌合させることと、第2のジョーの第2の歯を膝蓋骨の内側面と嵌合させることとを含み得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、本方法は、上下方向に伸長する第1の軸線を中心に膝蓋骨を回転させて、膝蓋骨の内側−外側の傾斜を調整することと、ハンドルのレバーを操作して、1対のジョーを膝蓋骨に対してクランプし、膝蓋骨を切断鋸刃と嵌合させる前に、第1の軸線を中心とする追加の回転が防止されるようにすることとを更に含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、膝蓋骨切除案内を取り外すことは、レバーを操作して、第2のジョーを切除された膝蓋骨の内側面から引き抜くことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハンドルのレバーを操作して、1対のブラケットの間の膝蓋骨をクランプすることは、切除された膝蓋骨の前方側面を第1のブラケットと接触させることと、第2のブラケットを前進させて、切除された膝蓋骨の後方側面と接触させることとを含み得る。更に、いくつかの実施形態では、切除された膝蓋骨において少なくとも1つの載置穴をドリルで開けることは、第2のブラケットにおいて画定された複数の案内穴のうちの1つを通して手術用ドリルを前進させることを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの載置穴をドリルで開けた後、レバーを操作して第2のブラケットを切除された膝蓋骨の後方側面から引き抜くことと、膝蓋骨人工装具コンポーネントを切除された膝蓋骨の後方側面上に取り付けることと、レバーを操作して、膝蓋骨人工装具コンポーネント及び切除された膝蓋骨を1対のブラケットの間にクランプすることとを含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、本方法は、レバーを操作して、膝蓋骨人工装具コンポーネント及び切除された膝蓋骨を1対のブラケットの間にクランプする前に、膝蓋骨人工装具コンポーネントと第2のブラケットとの間にガスケットを位置付けることを更に含んでもよい。
【0053】
別の態様によると、膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために膝蓋骨を手術により準備する方法は、膝蓋骨ドリル案内の第1のブラケットと第2のブラケットとの間に切除された膝蓋骨を位置付けることと、第1のブラケット及び第2のブラケットを切除された膝蓋骨と嵌合させることと、第2のブラケットにおいて画定された複数の案内穴のうちの1つを通して手術用ドリルを前進させることと、切除された膝蓋骨において少なくとも1つの載置穴をドリルで開けることと、第2のブラケットを切除された膝蓋骨から取り外すことと、膝蓋骨人工装具コンポーネントを切除された膝蓋骨に取り付けることと、第2のブラケットに連結されたガスケットを、第2のブラケットと膝蓋骨人工装具コンポーネントとの間の位置に回転して入れることと、ガスケット、膝蓋骨人工装具コンポーネント、及び切除された膝蓋骨を第1のブラケットと第2のブラケットとの間にクランプすることと、を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1のブラケット及び第2のブラケットを切除された膝蓋骨と嵌合させることは、第1のブラケット上に形成された第1の複数の歯を切除された膝蓋骨の前方側面と嵌合させることと、第2のブラケット上に形成された第2の複数の歯を切除された膝蓋骨の後方側面と嵌合させることとを含み得る。いくつかの実施形態では、第2のブラケットに連結されたガスケットを回転させることは、ガスケットから伸長する複数のプラグの各プラグを、第2のブラケットの複数の案内穴の各案内穴の中に配置することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
発明を実施するための形態は、特に以下の図面を参照する。
【図1】整形外科用手術器具アセンブリの分解組立て斜視図。
【図2】図1の整形外科用手術器具アセンブリの多機能ハンドルの分解組立て斜視部分的断面図。
【図3A】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の膝蓋骨クランプの分解組立て斜視図。
【図3B】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の鋸キャプチャの分解組立て斜視図。
【図4】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨ドリル案内の分解組立て斜視図。
【図5】図1の整形外科用手術器具アセンブリの使用によって、患者の切除された膝蓋骨に取り付けられ得る、膝蓋骨人工装具コンポーネントの側面図。
【図6A】図1〜4の整形外科用手術器具アセンブリを使用するための手順の一実施形態の簡素化フローチャート。
【図6B】図1〜4の整形外科用手術器具アセンブリを使用するための手順の一実施形態の簡素化フローチャート。
【図7】多機能ハンドルに取り付けられた膝蓋骨切除案内の膝蓋骨クランプを示す、図1の整形外科用手術器具アセンブリの斜視図。
【図8】膝蓋骨切除案内の膝蓋骨クランプに取り付けられた鋸キャプチャを示す、図7に類似する斜視図。
【図9】膝蓋骨切除案内に位置付けられた患者の膝蓋骨を示す、図1の整形外科手術アセンブリの斜視図。
【図10】膝蓋骨切除案内に、膝蓋骨切除案内の高さゲージと接触して位置付けられた膝蓋骨を示す、図1の整形外科用手術器具アセンブリの側面図。
【図11】膝蓋骨切除案内のロック機構によって嵌合された膝蓋骨を示す、図9に類似する斜視図。
【図12】膝蓋骨切除案内において、内側−外側軸線を中心に回転された膝蓋骨を示す、図9に類似する斜視図。
【図13】膝蓋骨切除案内の別のロック機構及び膝蓋骨切除案内の切断スロットに進入する切断鋸刃によってクランプされた膝蓋骨を示す、図9に類似する斜視図。
【図14】多機能ハンドルに膝蓋骨取り付けられたドリル案内を示す、図1の整形外科用手術器具アセンブリの斜視図。
【図15】膝蓋骨ドリル案内に位置付けられた切除された膝蓋骨とともに、図14の膝蓋骨ドリル案内及びハンドルアセンブリを示す図。
【図16】切除された膝蓋骨と嵌合され、膝蓋骨ドリル案内の案内穴に挿入された手術用ドリルビットを示す、図14の膝蓋骨ドリル案内及びハンドルアセンブリの斜視図。
【図17】切除された膝蓋骨と嵌合された膝蓋骨ドリル案内及び膝蓋骨人工装具コンポーネントを示す、図14の膝蓋骨ドリル案内及びハンドルアセンブリの斜視図。
【図18】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の別の実施形態の斜視図。
【図19】図1の整形外科用手術器具アセンブリの膝蓋骨切除案内の別の実施形態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、ここに詳しく述べる。ただし、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の「特許請求の範囲」において定義される発明の趣旨及び範囲に包含されるすべての改変物、均等物及び代替物を網羅することを意図するものである点を理解すべきである。
【0057】
解剖学的参照を表す前部、後部、内側部、外側部、上、下等の用語は、本明細書全体において、本明細書に記載する整形外科用インプラント及び手術器具、並びに患者の天然の解剖学的形態に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的形態の研究及び整形外科の分野の両方にて十分理解される意味を有する。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に言及しない限り、それらの十分理解される意味と一致することが意図される。
【0058】
図1を参照して、整形外科用手術器具アセンブリ10(以下、アセンブリ10)は、多機能ハンドル12及び複数の整形外科用手術器具又はツール14を含む。例示的実施形態では、ハンドル12と選択的に連結される手術ツール14は、膝蓋骨切除案内16及び膝蓋骨ドリル案内18を含む。しかしながら、他の実施形態では、追加及び/又は他の手術ツール14は、多機能ハンドル12とともに使用されてもよい。
【0059】
以下で更に詳述されるように、整形外科用手術器具アセンブリ10を利用して、膝蓋骨人工装具コンポーネント、例えば、膝蓋骨人工装具コンポーネント610の埋め込み用の患者の膝蓋骨を外科的に準備する(図5を参照)。患者の膝蓋骨は、膝蓋骨切除案内16に位置付けられてもよく、例えば、手術用鋸の使用によって切除されてもよい。その後、切除された膝蓋骨は、膝蓋骨ドリル案内18に位置付けられてもよく、ドリル案内18を使用して、切除された膝蓋骨の中にドリルで案内穴を開けてもよい。執刀医は、ドリル案内18を使用して、膝蓋骨人工装具コンポーネントを寸法調整及び選択してもよい。膝蓋骨人工装具コンポーネントが選択されると、執刀医は、ドリル案内18を使用して、膝蓋骨人工装具コンポーネントを切除された膝蓋骨に固定してもよい。
【0060】
多機能ハンドル12は、ハウジング20と、ハウジング20に移動可能に連結されたレバー22と、各手術ツール14をハウジング20に固定するように構成されたロック機構24とを含む。ハウジング20は、上本体26と、そこから下向きに伸長する下本体28と、ユーザの手を受容するように寸法調整される、下本体28に取り付けられたグリップ30とを有する。ハンドル12の上本体26は、手術ツール14がハンドル12に連結されるときに、手術ツール14を支持する載置表面32を有する。
【0061】
ハンドル12の載置表面32は、実質的に平坦なセクション34と、セクション34に対して角度を成して下向きに伸長する傾斜セクション36を含む。開口部38は、載置表面32において画定され、ハウジング20の上本体26は、開口部38から下向きに伸長する内壁40を含む。内壁40は、閉じた末端部44及び開いた末端部46を有するチャネル42を画定する。チャネル42の閉じた末端部44は、載置表面32の実質的に平坦なセクション34に位置付けられ、チャネル42の開いた末端部46は、傾斜セクション36において画定される。
【0062】
多機能ハンドル12のレバー22は、ハウジング20の上本体26に枢動可能に連結される。レバー22は、チャネル42において受容される上レバーアーム48を有する。図1に示されるように、レバーアーム48は、載置表面32の開口部38を通って外側に伸長する。レバー22はまた、ハンドル12の上本体26から下向きに伸長する、湾曲したトリガアーム50を有する。
【0063】
使用時に、ハンドル12は、手術ツール14の操作を制御するように操作可能である。例えば、既定量の力が、トリガアーム50に矢印54によって示される方向に印加されるとき、上レバーアーム48は、チャネル42の閉じた末端部44に向かって、長手方向の軸線58に沿って直線的に前進する。ハンドル12はまた、以下で更に詳述されるように、上レバーアーム48が軸線58に沿っていずれかの方向に移動するのを可能にするように構成されたレバー解放機構56を含む。
【0064】
図1に示される手術ツール14に戻り、膝蓋骨切除案内16は、膝蓋骨クランプ52と、クランプ52に着脱可能に連結されるように構成された鋸キャプチャ64とを含む。クランプ52は、本体60と、本体60に移動可能に連結されたクランプアーム又はスライドアーム62を含む。クランプ52の本体60は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、本体60が、ポリエチレン又は超高分子量ポリプロピレン(UHMWPE)等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。本体60は、実質的に平坦な上面66と、上面66の反対側に位置付けられた下面68とを有する。ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成された載置ブラケット70は、クランプ52の下面68から下向きに伸長する。クランプ52がハンドル12に固定されるとき、クランプ52の下面68の一部分は、ハンドル12の載置表面32によって支持される。
【0065】
クランプ52の上面66は、上面66に画定される開口部72を有する。本体60は、上面66から下面68まで下向きに伸長する、曲線状内壁74を含み、それによって本体60を通る実質的に楕円形又は卵形の開口76を画定する。開口76は、以下で更に詳述されるように、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。他の実施形態では、開口76が、例えば、正方形、矩形、又は患者の膝蓋骨を受容するように適切に寸法調整された他の形状等の異なる寸法又は形状を有してもよいことが理解される。
【0066】
図3Aに最もよく見られるように、膝蓋骨クランプ52の本体60はまた、内壁74から伸長するジョー78を含む。ジョー78は、開口76の中に内側に伸長する、複数の歯80として具体化される。歯80は、細長い歯82を含む。細長い歯82が、内壁74における基部84から内壁74から離間した先端86まで測定されるとき、細長い歯82は、いずれの他の歯80も超える長さ88を有する。残りの歯80の先端92は、開口76内に円弧94を画定する。歯82の先端86は、円弧94を超えて開口76の中に伸長する。
【0067】
クランプ52の本体60は、上面66から下向きに伸長して、本体60においてトラック100を画定する、1対の内側壁96、98を更に含む。トラック100は、ジョー78の反対側に内壁74において画定された開口部102を含む。トラック100は、本体60の外壁106において画定された別の開口部104を含む。図3Aに示されるように、開口部104は、開口部102の反対側に位置付けられる。
【0068】
クランプ52のスライドアーム62は、トラック100において位置付けられ、以下で更に詳述されるように、トラック100に沿って摺動するように構成される。スライドアーム62は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、スライドアーム62は、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことを理解されたい。スライドアーム62は、本体60のジョー78の反対側に位置付けられた末端部110と、多機能ハンドル12のレバー22を嵌合するように構成された別の末端部112とを含む、主本体108を有する。スライドアーム62はまた、末端部110において形成された移動可能なジョー114を含む。
【0069】
図3Aに示されるように、移動可能なジョー114は、ジョー78の反対側に位置付けられる。ジョー114は、ジョー78と同様に、ジョー78に向かって伸長する、複数の歯116として具体化される。歯116は、細長い歯118を含む。細長い歯118は、基部120から先端122まで測定される、いずれの他の歯116も超える長さ124を有する。残りの歯の先端128は、開口76において円弧130を画定する。歯118の先端122は、円弧130を超えて伸長する。
【0070】
図1に戻り、クランプ52のスライドアーム62の本体108は、クランプ52の本体60の平面的上面66と実質的にぴったり重なる上面132を有する。スライドアーム62の上面132は、スライドアーム62の末端部112において画定される開口部134を有し、スライドアーム62は、開口部134から下向きに伸長する内壁136を含む。内壁136は、多機能ハンドル12の上レバーアーム48を受容するように寸法調整されたスライドアーム62を通るスロット138を画定する。
【0071】
使用時に、膝蓋骨切除案内16が、図7に示されるように、ハンドル12に連結されるとき、レバーアーム48は、クランプ52の内壁136に作用して、ジョー114を固定ジョー78に対して移動させるように構成される。上レバーアーム48が、ハウジング20に対して軸線58に沿って直線的に移動すると、レバーアーム48は、クランプ52の内壁136に作用し、スライドアーム62をトラック100に沿って前進させ、それによってジョー114をジョー78に対して移動させる。スライドアーム62は、移動可能なジョー114の歯118によって画定される、軸線140に沿って直線的に移動する。切除案内16がハンドル12に連結されるとき、軸線140は、軸線58と実質的に整列される。
【0072】
図9〜13を参照して以下で更に詳述されるように、ジョー78、114の歯80、116は、外科手術中に患者の膝蓋骨を嵌合して、切除手順中に膝蓋骨を適切な位置に保持するように構成される。クランプ52はまた、平面的上面66を含み、以下で更に詳述されるように、整形外科医が切除手順中に手術用鋸刃を案内するように使用することができる。そのようにして、平面的上面66は、開いた切断案内表面114である。切断案内表面144は、膝蓋骨が開口76においてジョー78、114の間に位置付けられるとき、膝蓋骨を通って伸長する切除平面142を画定する。
【0073】
上述のように、切除案内16はまた、クランプ52に着脱可能に連結されて、閉じた切断案内を形成するように構成された鋸キャプチャ64を含む。他の実施形態では、切除案内16は、鋸キャプチャ64を含まなくてもよいことを理解されたい。鋸キャプチャ64は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成されたフレーム150を含む。他の実施形態では、スライドアーム150は、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことを理解されたい。
【0074】
図1に示されるように、鋸キャプチャ64のフレーム150は、上面152と、上面152の反対側に位置付けられた実質的に平坦な下面154とを有する。フレーム150の上面152は、上面152に画定される開口部156を有する。フレーム150は、上面152から下向きに伸長する曲線状内壁158を含み、内壁158は、フレーム150を通る卵形開口160を画定する。開口160は、開口76と同様に、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。図1に示されるように、開口160の形状及び寸法は、鋸キャプチャ64がクランプ52に連結されるとき、互いにレジストリ内に位置するように、開口76、160がランプ52において画定される開口76の形状と実質的に一致する。他の実施形態では、開口160が、開口76と同様に、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整されたいずれの他の形状も取り得ることが理解される。
【0075】
切除案内16の鋸キャプチャ64はまた、鋸キャプチャ64をクランプ52に固定するように構成された取り付け機構162を含む。例示的実施形態では、取り付け機構162は、フレーム150に枢動可能に連結された1対の載置アーム164、166と、フレーム150の下面154から下向きに伸長する1対の載置ブラケット168、170を含む。以下で更に詳述されるように、アーム164、166及びブラケット168、170は、クランプ52の本体60の所定領域を嵌合して、鋸キャプチャ64をそこに固定し、アーム164、166は、フレーム150に対して旋回して、鋸キャプチャ64がクランプ52から着脱されるのを可能にする。
【0076】
図1に示されるように、膝蓋骨切除案内16はまた、鋸キャプチャ64に固定された高さゲージ172を含む。他の実施形態では、高さゲージ172は、鋸キャプチャ64ではなくクランプ52に直接固定されてもよい。高さゲージ172は、フレーム150の上面152上に形成された基部174と、基部174に枢動可能に連結されたスタイラスアーム176とを有する。スタイラスアーム176は、本体60の平面的上面66から既定の高さだけ上に位置するように構成された下面178を有する。
【0077】
上述のように、手術ツール14はまた、膝蓋骨ドリル案内18を含む。図1に示されるように、膝蓋骨ドリル案内18は、支持ブラケット180と、支持ブラケット180に移動可能に連結されたクランプブラケット又はドリルブラケット182と、ドリルブラケット182に枢動可能に連結された圧縮ガスケット184とを含む。支持ブラケット180及びドリルブラケット182は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、支持ブラケット180及び/又はドリルブラケット182が、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。
【0078】
ドリル案内18の支持ブラケット180は、ドリル案内18が支持ブラケット18に固定されるとき、ハンドル12の載置表面32によって支持される下面186を含む。切除案内16と同様に、ドリル案内18は、下面186から下向きに伸長する載置ブラケット70を含み、載置ブラケット70は、ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成される。
【0079】
ドリル案内18の支持ブラケット180はまた、下面186に対して位置付けられる上面188を含む。支持ブラケット180はまた、上面188から上向きに伸長する固定アーム190を有する。固定アーム190は、以下で更に詳述されるように、患者の膝蓋骨の前面を受容するように構成された裏プレート192を含む。
【0080】
支持ブラケット180はまた、上面188から下向きに伸長して、支持ブラケット180においてトラック200を画定する、1対の側壁196、198を含む。トラック200は、支持ブラケット180の末端部204において画定された開口部202と、反対側の末端部208において画定された別の開口部206とを含む。図1に示されるように、ドリルブラケット182は、トラック200において位置付けられ、以下で更に詳述されるように、トラック200に沿って摺動するように構成される。
【0081】
図1に示されるように、ドリル案内18のドリルブラケット182は、トラック200において位置付けられるスライドフレーム210を有する。ドリルブラケット182はまた、スライドフレーム210の上面214から上向きに伸長する可動アーム212を含む。図1に示されるように、アーム212は、支持ブラケット180のアーム190に対して平行に位置付けられる。可動アーム212は、以下で更に詳述されるように、切除された膝蓋骨上で行われるドリル操作を案内するように使用される、ドリルプレート222を含む。
【0082】
スライドフレーム210の上面214は、上面214に画定された開口部216を有する。スライドフレーム210は、開口部216から下向きに伸長して、スライドフレーム210を通るスロット220を画定する、内壁218を含む。スロット220は、ドリル案内18がスロット220に連結されるとき、ハンドル12の上レバーアーム48を受容するように寸法調整される。そのようにして、ハンドル12の上レバーアーム48がハンドル12のチャネル42内を移動すると、レバーアーム48は、スライドフレーム210に作用して、ドリルブラケット182をトラック200に沿って直線的に摺動させ、ブラケット182をブラケット180に対して移動させる。
【0083】
ここで図2〜4を参照して、多機能ハンドル12、切除案内16、及びドリル案内18が更に詳細に示される。特に図2を参照して、ハンドル12は部分的に分解して示される。上述のように、ハンドル12は、下本体28に取り付けられた上本体26を有する、ハウジング20を含む。下本体28は、基部230と、基部230から上末端234まで上向きに伸長するケーシング232とを有する。円形開口部236は、ケーシング232の上面238において画定され、下本体28は、開口部236からケーシング232の中に下向きに伸長する中空の通路240を含む。
【0084】
多機能ハンドル12のグリップ30は、下本体28のケーシング232の上に位置付けられる。グリップ30は、上末端部246から下末端部248まで伸長する外側表面244を含むシェル242を有し、シェル242は、シェル24の上末端部246において画定された開口部250を有する。円筒の通路252は、シェル242を通して開口部236から下向きに伸長する。例示的実施形態では、グリップ30は、通路252がケーシング232の周囲に形成されるように、下本体28の上に成形される。他の実施形態では、グリップ30の通路252は、シェル242がケーシング232の上を摺動して、グリップ30を下本体28とともに組み立てるように、寸法調整されてもよいことを理解されたい。グリップ30の下末端部248は、基部230の上端254と接触し、グリップ30の上末端部246は、下本体28の上末端部234と実質的にぴったり重なる。
【0085】
下本体28のケーシング232は、シリコーンから形成される。他の実施形態では、ケーシング232が、ポリエチレン若しくは超高分子量ポリプロピレン(UHMWPE)等の高分子材料、又は鋼、チタン、若しくはコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成されてもよいことが理解される。グリップ30及び基部230は、硬いエラストマー材から形成されるが、他の実施形態では、好適な高分子材料から形成されてもよい。
【0086】
図2に示されるように、多機能ハンドル12はまた、外側ケーシング256と、そこから下向きに伸長するシャフト258とを含む、上本体26を含む。上本体26が下本体28に取り付けられるとき、シャフト258は、下本体28の通路240内に受容され、上本体26の下端260は、下本体28及びグリップ30と接触する。図2に示されるように、レバー22及びレバー解放機構56は、以下で更に詳述されるように、上本体26の外側ケーシング256に連結される。
【0087】
ハンドル12のレバー22は、レバー本体262と、レバー本体262から上向きに伸長する上レバーアーム48と、レバー本体262から下向きに伸長するトリガアーム50とを含む。レバー本体262は、接合部264において、外側ケーシング256に枢動可能に連結される。接合部264は、上本体26の外側ケーシング256及びレバー本体262において画定される一式の穴268を通って伸長し、位置付けられる、円筒形旋回ピン266を含む。バネ270として例示的に具体化される、付勢要素は、レバー本体262の底面272と外側ケーシング256の内側表面274との間に位置付けられる。
【0088】
ハンドル12のレバー解放機構56は、湾曲フレーム280及びレバー本体262の上面284において画定された複数の歯282として具体化される。以下で更に詳述されるように、湾曲フレーム280を歯282との嵌合の中及び外に移動させて、レバー22の移動を許可又は阻害する。湾曲フレーム280は、上面286と、上面286の反対側に位置付けられた底面288とを有する。開口部290は、上面286において画定され、湾曲フレーム280は、開口部290から下向きに伸長する内壁292を含む。内壁292はスロット294を画定し、レバー22の上レバーアーム48は、該スロット294を通って伸長する。
【0089】
レバー解放機構56の湾曲フレーム280は、その下先端298から伸長するキャッチ296を含む。キャッチ296は、レバー本体262の歯282と嵌合するように構成される。湾曲フレーム280は、キャッチ296が歯群282との嵌合の中及び外に移動され得るように、接合部300において外側ケーシング256に枢動可能に連結される。接合部300は、外側ケーシング256において画定される穴306及び湾曲フレーム280において画定される穴308に受容される、円筒形旋回ピン302を含む。バネ304として例示的に具体化される付勢要素は、ピン302と穴308の底部との間に位置付けられる。
【0090】
レバー解放機構56はまた、湾曲フレーム280の上先端312の上に位置付けられるボタン310を含む。例示的実施形態では、ボタン310は、単一部品を形成するように、上先端312の上に成形される。他の実施形態では、ボタン310が、湾曲フレーム280とは別に形成され、後で湾曲フレーム280に取り付けられてもよいことを理解されたい。ボタン310は、ユーザの指先を受容するように構成された成形上面314と、上面314の反対側に位置付けられた下面316とを含む。バネ318として例示的に具体化される付勢要素は、ケーシング256の底面320と内側表面322との間に位置付けられ、湾曲フレーム280を接合部300を中心に旋回させて、キャッチ296が歯群282との嵌合の中に付勢されるようにする。
【0091】
使用時に、キャッチ296は歯群282との嵌合の中に付勢される。歯群282に対するキャッチ296の付勢嵌合は、レバー22が長手方向の軸線58に沿ってハウジング20に対して移動するのを防ぐ。しかしながら、既定量の力がトリガアーム50に印加されると、上レバーアーム48が長手方向の軸線58に沿って移動し、キャッチ296が歯群282に沿って段階的に前進するように、バネ318の倚が回復される。ユーザがトリガアーム50への力の印加を停止すると、バネ318は、キャッチ296を歯群282と嵌合させ、それによってレバー22の追加の移動を防ぐ。
【0092】
更に、キャッチ296は、レバー解放機構56のボタン310の上面314上に押し付けることによって、歯から解放されてもよく、それによってバネ318の付勢を回復し、湾曲フレーム280を接合部300を中心に旋回させる。キャッチ296が歯282と嵌合しないとき、レバー22はハウジング20に対して移動することが許可される。力がレバー22に印加されない場合、レバー本体262と外側ケーシング256との間に位置付けられたバネ270は、レバー22を接合部264を中心に旋回させ、それによってトリガアーム50をグリップ30の外側表面244から離すと同時に、上レバーアーム48を長手方向の軸線58に沿って、チャネル42の閉じた末端部44から離す。ユーザがボタン310を解放すると、バネ318は、湾曲フレーム280を接合部300を中心に旋回させて、キャッチ296が移動して歯282との嵌合に戻るようにする。
【0093】
上述のように、多機能ハンドル12の上本体26はまた、載置表面32を含み、手術ツール14がハンドル12に連結されるときに手術ツール14を支持する。図2に示されるように、載置表面32は、チャネル42を横断して伸長する開口部330を有する。1対の側壁332、334は、開口部330から下向きに伸長して、チャネル336を画定する。チャネル336は、外側ケーシング256の1つの壁340において画定される開口部338と、反対側の壁344において画定される別の開口部342とを含む。チャネル336はまた、側壁332、334との間のその長さを伸長する底面346を有する。
【0094】
各手術ツール14をハンドル12に固定するロック機構24は、チャネル336の底面346において画定される円形開口部350と、外側ケーシング256の壁340において画定される第2の開口部352とを含む。開口354は、開口部352から内側に伸長し、円筒形通路356は、開口部350から開口354まで下向きに伸長し、それによって、チャネル336を開口354と接続する。
【0095】
ロック機構24はまた、開口354において位置付けられるロックブラケット358を含む。ロックブラケット358は、他の外側ケーシング256の壁344に隣接して位置付けられた末端部362と、壁340の開口部352から外側に伸長する末端部364とを有する。ロックブラケット358はまた、末端部362から伸長するフランジ366と、末端部364から伸長する別のフランジ380とを有する矩形本体360を含む。本体360のフランジ366は、外側ケーシング256の壁344に面する外側表面368と、外側表面368の反対側に位置付けられる面取り内側表面370とを含む。バネ372として具体化される付勢要素は、フランジ366の外側表面368と壁344との間に位置付けられる。
【0096】
図2に示されるように、ロックブラケット358の矩形360はまた、前側表面378を有する下側壁374を含む。外側ケーシング256の開口354を通って伸長するピン376は、以下で更に詳述されるように、前側表面378と嵌合するように構成される。本体360の他のフランジ380は、フランジ380に固定されたボタン382を有する。例示的実施形態では、ボタン382は、単一部品を形成するように、フランジ380の上に成形される。他の実施形態では、ボタン382が、フランジ380とは別に形成され、後でフランジ380に取り付けられてもよいことを理解されたい。ボタン382は、ユーザの指先を受容するように構成された成形外側表面384を含む。ユーザは、図1において矢印386によって示される方向にボタン382を押してもよい。
【0097】
上述のように、ハンドル12のロック機構24は、載置ブラケット70と協働して、手術ツール14(例えば、切除案内16及びドリル案内18)をハンドル12に固定する。図1に示されるように、載置ブラケット70は、基部390と、基部390から下向きに伸長するシャフト392とを含む。シャフト392は、その外側表面396において画定されたノッチ394を有する。
【0098】
使用時に、手術ツール14がハンドル12の載置表面32上に位置付けられるとき、載置ブラケット70の基部390は、外側ケーシング256のチャネル336に受容される。載置ブラケット70のシャフト392は、ノッチ394が開口354に位置付けられるように、円筒形通路356を通って伸長する。バネ372は、ハンドル12のロックブラケット358を、手術ツール14の載置ブラケット70と嵌合させて、フランジ366の面取り表面370がシャフト392のノッチ394に受容される。そのようにして、手術ツール14は、ハンドル12に固定される。
【0099】
ユーザがボタン382を押すとき、ロックブラケット358が載置ブラケット70から解放されると、フランジ366がノッチ394から除去される。次にユーザは、手術ツール14を多機能ハンドル12から除去してもよい。手術ツール14が除去された後、ユーザがボタン382を解放すると、バネ372は、ロックブラケット358を開口354に沿って352に向かって移動させ、それによってロックブラケット358の下側壁374を前進させて、ピン376と接触させる。側壁374がピン376を嵌合すると、ロックブラケット358による更なる移動が防止される。
【0100】
ここで図3A及び3Bを参照して、膝蓋骨切除案内16は部分的に分解して示される。上述のように、切除案内16のクランプ52は、載置ブラケット70を含む。載置ブラケット70の基部390は、クランプ52の本体60の下面68に固定される。シャフト392は、基部390から下向きに伸長し、ノッチ394は、その外側表面396において画定される。図3Aに示されるように、載置ブラケット70は、別個の部品として形成され、クランプ52に組み立てられる。他の実施形態では、載置ブラケット70は、クランプ52の本体60とともに、単一の部品として形成されてもよいことを理解されたい。
【0101】
前述のように、クランプ52のスライドアーム62は、本体60のトラック100内で軸線140に沿って移動する。側壁96、98は、本体60においてトラック100を画定し、トラック100は、それぞれ側壁96、98において画定される1対の溝400、402を含む。溝400、402のそれぞれは、本体60の内壁74において画定された開口部102から外壁106において画定された開口部104まで伸長する。
【0102】
スライドアーム62の主本体108は、そこから外側に伸長する1対のフランジ404、406を含む。フランジ404、406のそれぞれは、図1に示されるように、溝400、402の対応する1つに受容される。フランジ404、406及び溝400、402は、アーム62が本体60に対して軸線140に沿って摺動し得るように寸法調整される。
【0103】
スライドアーム62の可動域は、ストップ408によって制限される。ストップ408は、トラック100の底面414において画定された穴410に位置付けられる円筒形ピン412として例示的に具体化される。ピン412は、スライドアーム62の主本体108の下面418において画定される、閉じたスロット416に受容される。スライドアーム62は、ピン412がスロット416の末端部の1つと接触するまで、本体60に対して摺動することが許される。スライドアーム62の可動域は、したがって、スロット416の長さ及びトラック100の底面414におけるピン412の位置によって制限される。
【0104】
図3Bに示されるように、切除案内16はまた、クランプ52と着脱可能に連結されるように構成された鋸キャプチャ64を含む。そのために、鋸キャプチャ64は、取り付け機構162を有し、例示的実施形態では、1対の載置アーム164、166と、1対の載置ブラケット168、170とを含む。載置アーム164、166は、鋸キャプチャ64のフレーム150の後部部分に枢動可能に連結される。載置アーム164、166のそれぞれは、接合部422においてフレーム150に枢動可能に連結された基部420を含む。接合部422は、フレーム150及び基部420において画定された一組の穴426を通って伸長し、穴426に位置付けられる旋回ピン424を含む。
【0105】
載置アーム164、166のそれぞれはまた、基部420から外側に伸長するレバーアーム428と、レバーアーム428の一部分の上に伸長するスリーブ430とを含む。例示的実施形態では、スリーブ430は、単一部品を形成するように、レバーアーム428の上に成形される。他の実施形態では、スリーブ430は、レバーアーム428とは別に形成され、後でレバーアーム428に取り付けられてもよいことを理解されたい。スリーブ430は、ユーザの指先を受容するように構成された成形外側表面432を含む。バネ434として例示的に具体化される、付勢要素は、レバーアーム428とフレーム150の下側壁436との間に位置付けられる。
【0106】
載置アーム164、166のそれぞれはまた、基部420から外側に伸長するフランジ438を含む。角度θは、フランジ438とレバーアーム428との間に画定される。例示的実施形態では、角度θは鈍角である。更に、図3に示されるように、フランジ438は、フレーム150に面する上面440を有する。載置アーム164、166のそれぞれはまた、内側壁442含む。内側壁442は、各フランジ438の上面440から下向きに伸長して、内側壁442にノッチ444を画定する。
【0107】
図3Bに示されるように、鋸キャプチャ64の取り付け機構162はまた、1対の載置ブラケット168、170を含む。載置ブラケット168、170のそれぞれは、フレーム150から末端部448まで下向きに伸長する基部446を含む。フランジ450は、フレーム150において画定された開口部160に向かって、各基部446の末端部448から内側に伸長する。他の実施形態では、鋸キャプチャ64が、追加又は少数のブラケット168、170を含んでもよいことが理解される。
【0108】
上述のように、クランプ52は、取り付け機構162によって嵌合される多数の既定領域を含む。例示的実施形態では、本体60の外壁106は、複数のアンダーカット452を含む。アンダーカット452のそれぞれは、アーム164、166のフランジ438、及びブラケット168、170のフランジ450のうちの1つを受容するように構成される。図3Bに示されるように、複数のアンダーカット452は、トラック100のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット454、456と、ジョー78のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット458、460とを含む。鋸キャプチャ64が本体60に固定されると、載置アーム164のフランジ438におけるノッチ444は、本体60のアンダーカット454に受容され、アーム166のフランジ438におけるノッチ444は、アンダーカット456に受容される。同様に、ブラケット168、170のフランジ450は、鋸キャプチャ64が本体60に固定されるとき、アンダーカット458、460にそれぞれ受容される。
【0109】
切除案内16を組み立てるために、ユーザは、鋸キャプチャ64を本体60の前側及びわずかに上に位置付ける。鋸キャプチャ64を本体60に対してスライドアーム62の末端部112に向かって摺動させることは、ブラケット168、170のフランジ450を、ジョー78のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット458、460と嵌合させる。ブラケット168、170がアンダーカット458、460に位置するとき、ユーザは、載置アーム164、166のそれぞれの成形外側表面432上を押してもよい。ユーザが載置アーム164、166上を押すと、アーム164、166は、それらそれぞれの接合部422を中心に旋回して、フランジ438を再配置する。
【0110】
ユーザは、アーム164、166を解放する前に、鋸キャプチャ64の後部分を下げて、本体60の上面66と接触させてもよい。ユーザが載置アーム164、166を解放するとき、アーム164、166に接続されたバネ434は、アームをそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回させる。フランジ438は移動して、トラック100のいずれかの側面上に位置付けられたアンダーカット454、456と嵌合し、それによって鋸キャプチャ64をクランプ52に固定する。
【0111】
鋸キャプチャ64を本体60から取り外すために、上述のプロセスを逆に反復する。つまり、ユーザは、載置アーム164、166のそれぞれの外面432上を押して、アーム164、166をそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回させる。アーム164、166が旋回されると、フランジ438は、アンダーカット454、456から外れる。次に、ユーザは、鋸キャプチャ64の後部分を本体60の上面66の上に持ち上げ、鋸キャプチャ64を本体60に対して摺動させて、ブラケット168、170のフランジ450をアンダーカット458、460から外してもよい。
【0112】
図3Bに示されるように、鋸キャプチャ64のフレーム150はまた、開口160の外辺部の周囲に位置付けられた複数の下壁462を含む。下壁462のそれぞれは、鋸キャプチャ64が下壁462に連結されるときに、クランプ52の平面的上面66と接触する下面464を有する。以下で更に詳述されるように、クランプ52の平面的上面66、鋸キャプチャ64の下壁462、及び鋸キャプチャ64の平面的下面154は、その間に複数の切断スロット466を画定する。切断スロット466のそれぞれは、手術用鋸の切断鋸刃を受容するように寸法調整される。
【0113】
上述のように、切除案内16はまた、高さゲージ172を含む。高さゲージ172の基部174は、フレーム150から上向きに伸長する円筒形本体470を有し、本体470は、上面472を含む。上面472は、上面472に画定された開口部474を有し、本体470は、開口部474から下向きに伸長する内壁476を含む。内壁476は、底面480と協働して開口478を画定する。
【0114】
図3Bに示されるように、スタイラスアーム176は、載置ヘッド482及びプラグ484を含む。プラグ484は、上本体486と、上本体486から下向きに伸長するシャフト488とを含む。載置ヘッド482は、プラグ484の上本体486の下及び基部174の開口部474の上に位置付けられる。スペーサ490は、開口478において、スタイラスアーム176の下面178と接触して位置付けられる。ベルビルワッシャ494は、スペーサ490と開口478の底面480との間に位置付けられる。
【0115】
載置ヘッド482、スペーサ490、及びワッシャ494のそれぞれは、プラグ484のシャフト488を受容するスルーホール496を含む。本体470の内壁476及びシャフト488の下末端部において画定された穴(図示せず)に位置付けられる、円筒形ピン498は、スタイラスアーム176を高さゲージ172の基部174に固定する。スタイラスアーム176は、シャフト488によって画定された軸線500を中心に自由に回転する。
【0116】
上述のように、スタイラスアーム176の下面178は、鋸キャプチャ64がそこに連結されるとき、クランプ52の平面的上面66から既定の高さだけ上に位置するように構成される。以下で更に詳述されるように、既定の高さは、膝蓋骨切除中に切除される骨の量に対応する。例示的実施形態では、既定の高さは、約9mmである。他の実施形態では、既定の高さが、患者の骨解剖学に従って、より多くても少なくてもよいことが理解される。また、他の実施形態では、高さゲージ172が、高さが術中に調整され得るように構成されてもよいことが理解される。
【0117】
ここで図4を参照して、膝蓋骨ドリル案内18は、部分的に分解して示される。上述のように、膝蓋骨ドリル案内18は、支持ブラケット180のトラック200内を移動する、支持ブラケット180及びドリルブラケット182を含む。側壁196、198は、支持ブラケット180においてトラック200を画定し、トラック200は、それぞれ側壁196、198において画定される1対の溝510、512を含む。溝510、512のそれぞれは、支持ブラケット180の末端部204において画定された開口部202から、反対側の末端部208において画定された開口部206まで伸長する。
【0118】
ドリルブラケット182のスライドアーム210は、そこから外側に伸長する1対のフランジ514、516を含む。フランジ514、516のそれぞれは、図1に示されるように、溝400、402の対応する1つに受容される。フランジ514、516及び溝510、512は、ドリルブラケット182が支持ブラケット180に対して摺動し得るように寸法調整される。
【0119】
ドリルブラケット182の可動域は、ストップ518によって制限される。ストップ518は、トラック200の底面524において画定された穴520に位置付けられる円筒形ピン522として例示的に具体化される。ピン522は、ドリルブラケット182のスライドフレーム210の下面528において画定される、閉じたスロット526に受容される。ドリルブラケット182は、ピン522がスロット526の末端部のうちの1つと接触するまで、支持ブラケット180に対して摺動することが許される。ドリルブラケット182の可動域は、したがって、スロット526の長さ及びトラック100の底面524におけるピン522の位置によって制限される。
【0120】
図4に示されるように、ドリル案内18の固定アーム190は、支持ブラケット180の上面188から上向きに伸長する本体530を有する。本体530は、平面的側面532を有する裏プレート192を含む。プレート192の平面的側面532は、本体530の上末端部536において画定された円形開口部534を有する。裏プレート192はまた、円形開口部534から内側に伸長する内壁538を含む。内壁538は、本体530を通る開口540を画定する。複数の歯542は、開口部534の外辺部の周囲の等距離点において、側面532に位置付けられる。
【0121】
ドリルブラケット182の可動アーム212は、スライドフレーム210の上面214から上向きに伸長する本体550を有する。本体550は、切除された膝蓋骨上で行われるドリル操作を案内するために使用される、複数の案内穴560を含むドリルプレート222を含む。ドリルプレート222は、固定アーム190の側面532に面する平面的側面552を有する。ドリルプレート222の側面552は、複数の円形開口部554を有し、ドリルプレート222は、円形開口部554のそれぞれから内側に伸長する、内壁558を含む。
【0122】
各内壁558は、ドリルプレート222を通る案内穴560のうちの1つを画定する。開口部554及び案内穴560のそれぞれは、手術用ドリルビットを受容するように寸法調整される。例示的実施形態では、ドリルプレート222は、三角形のパターンで整列された3つの案内穴560を含み、他の実施形態では、ドリルプレート222は、好適な手術用ドリルビットを受容するような形状及び寸法の追加又は少数の案内穴を含んでもよいことを理解されたい。複数の歯562は、開口部554に隣接する側面552に位置付けられる。
【0123】
ドリルブラケット182の本体550はまた、本体550の下末端部566において、ドリルプレート222の下に位置付けられた追加の開口部564を含む。本体550は、開口部564から内側に伸長し、本体550を通る別の開口570を画定する、別の内壁568を含む。開口570は、開口部564から伸長する第1のセクション572と、第1のセクション572に接続された第2のセクション574とを有する。第2のセクション574は、開口570が「階段状」となるように、第1のセクション572よりも大きい直径を有する。
【0124】
図4に示されるように、ドリル案内18はまた、可動アーム212に枢動可能に連結された圧縮ガスケット184を含む。例示的実施形態では、ガスケット184は、ゴム等のエラストマー材から形成されるが、他の実施形態では、ガスケット184が高分子材料から形成されてもよいことが理解される。ガスケット184は、下末端部582から上末端部584まで伸長する本体580を有する。プラグ586は、ガスケット184の下末端部582から伸長する。プラグ586は、ドリルブラケット182の開口570に受容され、ガスケット184をドリルブラケット182に固定するように構成される。
【0125】
それを行うために、プラグ586は、開口570の第1のセクション572に位置付けられるメインシャフト588を有する。メインシャフト588から外側に伸長する周縁590は、開口570の第2のセクション574内に位置付けられる。周縁590の直径は、第1のセクション572の直径よりも大きいため、プラグ586は、開口570に維持され、それによってガスケット184を可動アーム212に固定する。
【0126】
ガスケット184の本体580はまた、ガスケット184の上末端部584から伸長する円筒形プラグ592を有する。プラグ592は、各プラグ592がドリルプレート222の対応する案内穴560に受容されて、ガスケット184を所定の位置に固定し得るように、本体580上に整列される。本体580はまた、ドリルプレート222の側面552から伸長する歯562を受容するように構成された穴576(図16を参照)を含む。
【0127】
ガスケット184の本体580は、上末端部584から伸長するタブ594を更に含む。タブ594は、ユーザの指先を受容するように構成された1対の成形表面596を含む。使用時に、ユーザは、表面596をクランプして、ガスケット184をアーム212に対して回転させてもよく、それによって切除された膝蓋骨にドリルで穴を開ける準備を行うとき、ガスケット184をドリル経路から外に移動させる。そのように、ガスケット184のプラグ592は、ドリルプレート222の案内穴560の中及び外に移動され得る。
【0128】
ガスケット184の円筒形プラグ592は、本体580の側面598上に形成される。本体580は、側面598の反対側に位置付けられる別の側面600を含む。図4に示されるように、側面600は凹部であり、以下で更に詳述されるように、埋め込み可能な膝蓋骨人工装具コンポーネントの一部分を受容するように構成される。側面600はまた、その中心において画定される開口部602を含み、開口部602は、両表面598、600を通って伸長する。
【0129】
ここで図5を参照して、手術器具アセンブリ10の使用によって、患者の切除された膝蓋骨に取り付けられ得る例示的な膝蓋骨人工装具コンポーネント610が示される。コンポーネント610は、大腿骨コンポーネント(図示せず)の顆表面と関節接合をなすように構成された後方支持表面612を有している。コンポーネント610はまた、平坦な前方表面614を有し、そこから離れて伸長する、ペグ616などの複数の固定部材を有している。以下で更に詳述されるように、ペグ616は、切除された膝蓋骨の手術で準備された後方表面の中に埋め込まれるように構成される。このように、コンポーネント610の後方支持表面612は、大腿骨コンポーネントに向かって面しており、それによって、後方支持表面612が、患者の膝の屈曲及び伸展の間に、大腿顆表面と関節接合をなすことが可能となる。
【0130】
操作中、整形外科用手術器具アセンブリ10を利用して、図6A & Bに示されるものと同様の整形外科手術を行う間に、膝蓋骨人工装具コンポーネント610等の膝蓋骨人工装具コンポーネントを埋め込むために、患者の膝蓋骨を手術により準備する。図6〜13に示されるように、患者の膝蓋骨は、例えば、手術用鋸の使用によって最初に切除される。その後、膝蓋骨人工装具コンポーネントが選択され、図15及び16に示されるように、切除された膝蓋骨の中にドリルで案内穴が開けられる。案内穴人工装具コンポーネントは、図17に示されるように、切除された膝蓋骨に固定されてもよい。
【0131】
ここで図6Aを参照して、手術器具アセンブリ10を使用する例示的な整形外科手術700が示される。ブロック702において、執刀医は、1対のキャリパー又は他の測定装置を利用して、患者の天然膝蓋骨の前後の厚さを測定し、骨切除のレベルを計算する。切除される骨の量は、膝蓋骨人工装具コンポーネントの厚さにほぼ対応する。そのように、膝蓋骨人工装具コンポーネントが切除された膝蓋骨に取り付けられた後、切除された膝蓋骨及び膝蓋骨人工装具コンポーネントの厚さの合計は、天然膝蓋骨の厚さとほぼ同一であるはずである。
【0132】
手順700のブロック704では、執刀医は、切除案内16を組み立てて、図1〜3に関して前述のように、切除案内16を多機能ハンドル12に取り付ける。執刀医は、組み立てられた切除案内16をハンドル12に取り付ける前に、鋸キャプチャ64をクランプ52に取り付けることによって開始してもよい。あるいは、図7及び8に示されるように、執刀医は、鋸キャプチャ64を取り付ける前に、最初に膝蓋骨クランプ52をハンドル12に取り付けてもよい。また、いくつかの実施形態では、膝蓋骨クランプ52は、鋸キャプチャ64なしに使用されてもよいことを理解されたい。
【0133】
クランプ52をハンドル12に取り付けるために、執刀医は、クランプ52の載置ブラケット70を、ハンドル12の載置表面32において画定されたチャネル336と整列させる。執刀医はまた、クランプ52において画定されたスロット138をハンドル12の上レバーアーム48と整列させる。次に、クランプ52をハンドル12の載置表面32の上に下げて、図7に示されるように、ブラケット70の基部390がチャネル336に受容され、上レバーアーム48がスロット138に受容されるようにする。上述のように、ロック機構24は、載置ブラケット70と嵌合して、膝蓋骨クランプ52を多機能ハンドル12に固定する。
【0134】
ここで図8を参照して、鋸キャプチャ64は、クランプ52に取り付けられて切除案内16のアセンブリを完了する。これを行うために、執刀医は、鋸キャプチャ64の載置ブラケット168、170を、クランプ52のアンダーカット458、460と嵌合させる。ブラケット168、170がアンダーカット458、460に位置するとき、ユーザは、載置アーム164、166上を内側に押して、アーム164、166がそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回するようにしてもよい。載置アーム164、166上を内側に押している間、執刀医は、鋸キャプチャ64の後部分を下げてクランプ52と接触させ、載置アーム164、166を解放する。アームに接続されたバネ434は、アーム164、166をそれらそれぞれの接合部422を中心に旋回させ、載置アーム164、166が、クランプ52のアンダーカット454、456と嵌合し、それによって鋸キャプチャ64をクランプ52に固定する。
【0135】
図6Aに戻り、切除案内16は、手順700のブロック706において、膝蓋骨がジョー78、114の間に位置付けられるように、患者の膝蓋骨の上に配置される。異なる寸法の膝蓋骨に対応するために、執刀医は、ジョー78、114の間の空間を増加させてもよい。これを行うために、執刀医は、レバー解放機構56を操作して、ジョー114をジョー78から離す。
【0136】
上述のように、レバー解放機構56のボタン310を押すことで、キャッチ296をレバー22上に形成された歯282から取り外す。キャッチ296が歯282と嵌合していないとき、バネ270はレバー22を回転させ、それによってトリガアーム50をグリップ30の外側表面244から離すと同時に、上レバーアーム48をチャネル42の閉じた末端部44から離す。レバーアーム48が閉じた末端部44から離れると、レバーアーム48は、スライドアーム62の内壁136に作用して、ジョー114を固定ジョー78から離す。ジョー78、114の間の空間が、患者の膝蓋骨に適合するのに十分大きいとき、執刀医は、ボタン310を解放し、バネ318はキャッチ296を歯282との嵌合に戻し、それによってスライドアーム62及びしたがってジョー114の更なる移動を防ぐ。
【0137】
ここで図9を参照して、切除案内16が患者の天然膝蓋骨630の上に位置付けられた例示的実施形態が示される。膝蓋骨628は、切除案内16の開口76に位置付けられる。その位置において、切除案内16の固定ジョー78は、膝蓋骨628の外側縁632に隣接して位置付けられ、移動可能なジョー114は、膝蓋骨628の内側縁634に隣接して位置付けられる。しかしながら、ジョー78、114の歯80、116は、最初は膝蓋骨628から離間し、接触していない。
【0138】
膝蓋骨628の後方表面636は、図10に最もよく見られるように、高さゲージ172と接触して配置される。上述のように、高さゲージ172のスタイラスアーム176の下面178は、平面的上面66から既定の高さ652だけ上に位置する。上面66は、切除平面142を画定するため、既定の高さは、膝蓋骨切除中に除去される骨の量に対応する。切除中に骨が過剰に除去された場合、骨折のリスクが増大し得る。そのリスクを低減するために、執刀医は、下面178を膝蓋骨628の最後方点638と接触させて配置する。
【0139】
他の実施形態では、執刀医は、高さゲージ172が移動するようにスタイラスアーム176を回転させてもよく、それによって、執刀医が切除案内16内の膝蓋骨628の位置を更に調整できるようになることを理解されたい。更に、他の実施形態では、高さゲージ172は、執刀医が術中にスタイラスアーム176の高さを上面66に対して変更してもよいように調整可能であり得る。更に、いくつかの実施形態では、高さゲージ172が、アセンブリ10から省略されてもよいことが理解される。
【0140】
図6Aに戻って、執刀医は、手順700のブロック708において、切除案内16内の膝蓋骨628の内側−外側の傾斜を調整してもよい。「内側−外側の傾斜」という用語は、本明細書において、切除案内の切除平面と、膝蓋骨の外側縁及び内側縁を通って伸長する二等分参照平面との間に画定される角度として定義される。例示的実施形態では、膝蓋骨628の内側−外側の傾斜は、ほぼゼロに設定される。
【0141】
例えば、膝蓋骨628の内側−外側の傾斜を調整するために、執刀医は、膝蓋骨628を通って上下方向に伸長する軸線640を中心に膝蓋骨628を回転させてもよい。図9に示されるように、外側縁632及び内側縁634によって画定される参照平面630は、膝蓋骨628を通って伸長する。例示的実施形態では、内側−外側の傾斜は、参照平面630が切除平面142と整列されるとき、その間に画定される角度がほぼゼロに設定されるように設定される。回転の程度又は量は、特定の患者の骨解剖学に依存することを理解されたい。膝蓋骨628の内側−外側の傾斜を調整した後、手順700はブロック710に続く。
【0142】
手順700のブロック710において、執刀医は膝蓋骨628の内側−外側の傾斜をロックする。これを行うために、執刀医は、レバー22を操作して、ジョー114を移動させて、膝蓋骨628をジョー78の細長い歯82及びジョー114の細長い歯118と嵌合させる。上述のように、既定量の力が、トリガアーム50に矢印54によって示される方向に印加されるとき、上レバーアーム48は、チャネル42の閉じた末端部44に向かって直線的に前進する。上レバーアーム48は、スライドアーム62の内壁136に作用して、スライドアーム62を軸線140に沿って移動させる。スライドアーム62が移動すると、ジョー114は、固定ジョー78及び膝蓋骨628に向かって前進する。
【0143】
ジョー114が固定ジョー78及び膝蓋骨628に向かって前進すると、ジョー78の細長い歯82は、膝蓋骨628の外側縁632を嵌合し、ジョー114の細長い歯118は、内側縁634を嵌合する。歯82、118の先端86、122が膝蓋骨628内に十分に埋め込まれると、執刀医はレバー22への圧力の印加を停止する。図11に例示的に示されるその位置において、ジョー78、114の残りの歯80、116は、膝蓋骨628から離間する。膝蓋骨628に埋め込まれた歯82、118を用いて、軸線640を中心とする膝蓋骨628の回転が防止され、膝蓋骨628の内側−外側傾斜がロックされる。
【0144】
手順700のブロック712において、執刀医は、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜を調整してもよい。「上側−下側の傾斜」という用語は、本明細書において、切除案内の切除平面と、膝蓋骨の上側縁及び下側縁を通って伸長する二等分参照平面との間に画定される角度として定義される。例示的実施形態では、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜は、ほぼゼロ〜10°に設定される。
【0145】
例えば、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜を調整するために、執刀医は、膝蓋骨628を通って内外方向に伸長する軸線140を中心に膝蓋骨628を回転させてもよい。膝蓋骨628は、切除案内16の歯82、116によってのみ嵌合されるため、執刀医は、膝蓋骨628を軸線140を中心として、矢印648によって示されるいずれかの方向に回転させてもよい。図11に示されるように、膝蓋骨628の上側縁644及び下側縁646によって画定された参照平面642は、膝蓋骨628を通って伸長する。膝蓋骨628が回転されると、図12に示されるように、角度650は、参照平面642と切除平面142との間に画定される。角度650の規模は、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜に対応する。例示的実施形態では、膝蓋骨628は、角度650がほぼゼロ〜10°の規模を有するまで回転される。回転の程度又は量は、特定の患者の骨解剖学に依存することを理解されたい。膝蓋骨628の上側−下側の傾斜を調整した後、手順700はブロック714に続く。
【0146】
手順700のブロック714において、執刀医は、膝蓋骨628の上側−下側の傾斜をロックする。これを行うために、執刀医は、レバー22を操作して、ジョー114を移動させて、膝蓋骨628をジョー78、114の残りの歯80、116と嵌合させる。残りの歯80、116の先端92、128が膝蓋骨628内に十分に埋め込まれると、執刀医はレバー22への圧力の印加を停止する。膝蓋骨628に埋め込まれた歯80、116を用いて、軸線140、640を中心とする膝蓋骨628の更なる回転が防止され、図13に示されるように、膝蓋骨628の内側−外側の傾斜及び上側−下側の傾斜がロックされる。
【0147】
膝蓋骨628がブロック714に固定された後、図6Aに示される手術手順700は、ブロック716に続き、膝蓋骨が切除される。これを行うために、執刀医は、切断鋸刃660を、クランプ52の平面的上面66と、鋸キャプチャ64の下壁462と、鋸キャプチャ64の平面的下面154との間に画定された切断スロット466のうちの1つに挿入する。図13に示されるように、執刀医は、切断鋸刃660を、膝蓋骨628の上側668に対応する切除案内16の側面664上に形成された切断スロット662に挿入してもよい。切断スロット662は、歯82、118によって画定された軸線140に直交して伸長する軸線664を画定する。刃660は、切断スロット662を通過し、膝蓋骨628の上側668と接触する。
【0148】
クランプ52の上面66によって画定された切除平面142に続いて、執刀医は、鋸刃660を切断スロット662内で前後に動かすことによって、患者の膝蓋骨上で切除を行ってもよい。刃660が膝蓋骨を切断すると、切断スロット662の反対側に位置付けられた別の切断スロット670が刃660を受容する。図13に示されるように、切断スロット670は、膝蓋骨628の下側674に対応する切除案内16の側面672上に位置付けられる。膝蓋骨628が切除された後、膝蓋骨628の残り(以下、切除された膝蓋骨676と参照される)は、膝蓋骨切除案内16のジョー78、114の間に保持される。
【0149】
前述のように、他の実施形態では、鋸キャプチャ64が省略されてもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、執刀医は、切断鋸刃660を上面66と接触させて配置し、切除手順を通してその接触を維持する。
【0150】
図6Aに戻って、手順700は、ブロック718に続き、執刀医が切除された膝蓋骨676を切除案内16から除去する。これを行うために、執刀医は、再度レバー解放機構56を操作して、ジョー114をジョー78から離し、歯80、116を切除された膝蓋骨676から引き抜く。
【0151】
ここで図6Bを参照して、手術手順700は、ブロック720に進み、執刀医は、ドリル案内18を多機能ハンドル12に取り付けてもよい。これを行うために、執刀医は、ドリル案内18の載置ブラケット70を、ハンドル12の載置表面32において画定されたチャネル336と整列させる。執刀医はまた、ドリル案内18において画定されたスロット220をハンドル12の上レバーアーム48と整列させる。次に、ドリル案内18をハンドル12の載置表面32の上に下げて、図14に示されるように、ブラケット70の基部390がチャネル336に受容され、上レバーアーム48がスロット220に受容されるようにする。上述のように、ロック機構24は、載置ブラケット70と嵌合して、ドリル案内18を多機能ハンドル12に固定する。
【0152】
手順700のブロック722では、執刀医は、切除された膝蓋骨676を、ドリル案内18の支持ブラケット180とドリルブラケット182との間に位置付けてもよい。これを行うために、執刀医は、ドリル案内18のガスケット184を回転させて、ブラケット180、182の間の位置から外してもよい。図15に示されるように、切除された膝蓋骨676は、切除された膝蓋骨676の前方表面678が、ブラケット180の裏プレート192の平坦な表面532に面し、切除された膝蓋骨676の切除された後方表面680が、ブラケット182のドリルプレート222の平坦な表面552に面するように、ブラケット180、182の間に位置付けられてもよい。
【0153】
執刀医は、ドリル案内18を使用して、膝蓋骨人工装具コンポーネント600を寸法調整及び選択してもよい。図15に示されるように、ドリルプレート222は、それぞれ複数の膝蓋骨寸法に対応する、複数のインジケータ684を含む後面682を有する。本体550の外周686は、断面積の狭い膝蓋骨寸法を示すが、ドリルプレート222の外周688は、断面積の広い膝蓋骨寸法を示す。周囲686、688の間に位置付けられた複数のエッチングマーク690は、中間膝蓋骨寸法を示す。インジケータ684を使用して、執刀医は、切除された膝蓋骨676の切除された後方面680の最大適用範囲を提供する、膝蓋骨人工装具コンポーネント600を選択してもよい。
【0154】
手順700のブロック724では、執刀医は、切除された膝蓋骨676をブラケット180、182の間にクランプしてもよい。これを行うために、切除された膝蓋骨676は、固定アーム190の裏プレート192と接触して配置され、裏プレート192の歯542は、切除された膝蓋骨676の前方表面678と嵌合する。ブラケット180、182から出て回転されたガスケット184を用いて、執刀医は、多機能ハンドル12のレバー22を操作し、ドリルブラケット182のドリルプレート222を前進させて、切除された膝蓋骨676の切除された後方表面680と接触させてもよい。特に、執刀医は、レバー22を握り締めて、既定量の力をトリガアーム50に印加する。上レバーアーム48は、ドリルブラケット182の内壁218に作用して、可動アーム212を軸線140に沿って前進させる。ドリルブラケット182の可動アーム212が移動すると、ドリルプレート222は、前進して切除された膝蓋骨676の後方表面680と接触し、それによって、図16に示されるように、ドリルプレート222の歯562を表面680と嵌合させ、切除された膝蓋骨676をドリル案内18のブラケット180、182の間に固定する。
【0155】
手順700のブロック726では、切除された膝蓋骨676の後方表面680は、膝蓋骨人工装具コンポーネント610を受容するように手術により準備される。図16に示されるように、執刀医は、コンポーネント610のペグ616の位置に対応する、切除された膝蓋骨676の後方表面680に一連のパイロット穴をドリルで開けてもよい。これを行うために、執刀医は、ドリルプレート222において画定された案内穴560のそれぞれに手術用ドリル692を挿入してもよい。ドリル692は、案内穴560を通過し、後方表面680と接触する。執刀医は、ドリルを起動し、十分な深さのパイロット穴が切除された膝蓋骨676に形成されるまで、ドリル692を案内穴560に沿って前進させる。次に、執刀医は、必要なパイロット穴が形成されるまで、案内穴560のそれぞれにおいてドリル操作を反復してもよい。
【0156】
図6Bに戻り、手順700はブロック728に続き、執刀医は、膝蓋骨人工装具コンポーネント610を、切除された膝蓋骨676の手術により準備された後方表面680上に位置付けてもよい。執刀医は、コンポーネント610の前方表面614にセメントを塗布してもよい。コンポーネント610が切除された膝蓋骨676の上に位置付けられた後、ペグ616は、前方表面614が後方表面680と接触して配置されるまで、切除された膝蓋骨676の手術により準備された後方表面680に形成されたパイロット穴の中に進められてもよい。次に、圧縮ガスケット184を回転させて、ドリルブラケット182とコンポーネント610との間の位置に戻す。その位置において、圧縮ガスケット184のプラグ592は、ドリルプレート222の案内穴560に受容される。
【0157】
手順700のブロック730において、執刀医は、図17に示されるように、コンポーネント610を切除された膝蓋骨676に対してクランプしてもよい。これを行うために、執刀医は、レバー22を握り締めて、既定量の力をトリガアーム50に印加してもよい。上レバーアーム48は、ドリルブラケット182の内壁218に作用して、可動アーム212を軸線140に沿って前進させる。ドリルブラケット182の可動アーム212が移動すると、圧縮ガスケット184は前進して、コンポーネント610の後方支持表面612と接触する。コンポーネント610は、重合が完了し、コンポーネント610が切除された膝蓋骨676に固定されるまで、コンポーネント610が切除された膝蓋骨676に対して堅くクランプされるように、ガスケット184の凹部表面600内に配置及び固定される。
【0158】
他の実施形態では、他の膝蓋骨切除案内を多機能ハンドル12とともに使用することができることを理解されたい。ここで図18を参照して、整形外科用手術器具アセンブリ10は、膝蓋骨切除案内(以下、切除案内800と称される)の異なる実施形態とともに示される。図18に例示される実施形態のいくつかの特徴は、図1〜17の実施形態を参照して上述されるものと実質的に同様である。そのような特徴は、図18において、図1〜17で使用されるものと同一の参照番号を用いて指定される。
【0159】
切除案内800は、膝蓋骨クランプ802と、クランプ802着脱可能に連結されるように構成された鋸キャプチャ64とを含む。クランプ802は、本体804と、本体804に移動可能に連結されたスライドアーム62を含む。図1〜17の実施形態と同様に、本体804は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、本体804が、ポリエチレン又はUHMWPE等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。本体804は、実質的に平坦な上面66と、上面66の反対側に位置付けられた下面68とを有する。ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成された載置ブラケット70は、下面68から下向きに伸長する。クランプ802がハンドル12に固定されるとき、クランプ802の下面68は、載置表面32によって支持される。
【0160】
図18に示されるように、本体804の上面66がそこに画定された開口部72を有する。本体804は、上面66から下面68まで下向きに伸長する、曲線状内壁74を含み、本体804を通る楕円形の開口76を画定する。図1〜17の実施形態の開口76と同様に、開口76は、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。
【0161】
膝蓋骨クランプ802の本体804はまた、内壁74から伸長するジョー808を含む。ジョー808は、開口76の中に内側に伸長する、複数の歯810を有する。歯810は、1対の細長い歯812、814を含む。各歯812、814は、基部816と、先端818と、いずれの他の歯810をも超える基部816から先端818までの長さ820とを有する。残りの歯810の先端822は、開口76内に円弧824を画定する。歯812、814の先端818は、円弧824を超えて、開口76の中に伸長する。
【0162】
クランプ802の本体804は、トラック100を更に含む。図18に示されるように、スライドアーム62は、トラック100に位置付けられ、トラック100に沿って摺動するように構成される。スライドアーム62は、ジョー808の反対側に形成された可動ジョー114を含む、主本体108を有する。ジョー114は、ジョー808に向かって伸長する、複数の歯116を有する。歯116は、いずれの他の歯116も超える長さを有する、細長い歯118を含む。
【0163】
使用時に、膝蓋骨切除案内16が、ハンドル12に連結されるとき、レバーアーム48は、スライドアーム62に作用して、ジョー114を固定ジョー808に対して移動させるように構成される。上レバーアーム48がハウジング20に対して軸線58に沿って移動すると、スライドアーム62は、トラック100に沿って前進し、それによってジョー114は、固定ジョー78に対して移動する。図18に示されるように、スライドアーム62は、可動ジョー114の歯118によって画定された軸線140に沿って移動する。
【0164】
図18に示されるように、固定ジョー808の歯812、814は、可動ジョー114の歯118によって画定された軸線140からオフセットされる。例示的実施形態では、軸線は、歯812、814の間に位置付けられ、歯812、814は、軸線140から等距離に位置付けられる。軸線826は、歯118と歯812との間に画定され、別の軸線828は、歯119と歯814との間に画定される。軸線826、828のそれぞれは、軸線140に対して角度を成して伸長する。
【0165】
使用時に、患者の膝蓋骨は、切除案内800の開口76に位置付けられてもよい。上述のように内側−外側の傾斜を調整した後、執刀医は、レバー22を操作することによって膝蓋骨の内側−外側の傾斜をロックし、ジョー114を移動させて、膝蓋骨を細長い歯118及び細長い歯812、814のうちの1つと嵌合させてもよい。歯118及び歯812又は歯814の先端818が膝蓋骨に十分に埋め込まれると、執刀医は、レバー22への圧力の印加を停止してもよい。その位置において、ジョー114、808の残りの歯116、810は、膝蓋骨から離間する。歯118及び膝蓋骨に埋め込まれた細長い歯812、814のうちの1つを用いて、上下方向に伸長する軸線を中心とする膝蓋骨の回転が防止され、膝蓋骨の内側−外側の傾斜がロックされる。次に、執刀医は、膝蓋骨を切除案内800の残りの歯116、810と嵌合させる前に、軸線818、820のうちの1つを中心に膝蓋骨を回転させることによって、上下の傾斜を設定してもよい。
【0166】
ここで図19を参照して、膝蓋骨切除案内(以下、切除案内900と称される)の別の実施形態が示される。図19に例示される実施形態のいくつかの特徴は、図1〜17の実施形態を参照して上述されるものと実質的に同様である。そのような特徴は、図19において、図1〜17で使用されるものと同一の参照番号を用いて指定される。フレーム902を含む切除案内900は、そこから下向きに伸長する載置ブラケット70を有する。上述のように、載置ブラケット70は、ロック機構24を介してハンドル12に固定されるように構成される。
【0167】
フレーム902は、本体904と、本体904に移動可能に連結されたクランプアーム又はスライドアーム62とを含む。フレーム902は、鋼、チタン、又はコバルトクロム等のインプラント等級金属材料から形成される。他の実施形態では、本体904が、ポリエチレン又は超高分子量ポリプロピレン(UHMWPE)等の高分子材料から形成されてもよいことが理解される。
【0168】
切除案内900の本体904は、上面906と、底面908と、表面906、908を接続する外壁910とを有する。曲線状の内壁912は、上面906から下向きに伸長する。曲線状の内壁912は、本体904を通る実質的に楕円形又は卵形の開口914を画定する。開口914は、以下で更に詳述されるように、患者の膝蓋骨を受容するように寸法調整される。他の実施形態では、開口914が、例えば、正方形、矩形、又は患者の膝蓋骨を受容するように適切に寸法調整された他の形状等の異なる寸法又は形状を有してもよいことが理解される。
【0169】
本体904はまた、その各側面上に1対の切断案内スロット916、918を含む。溝916、918のそれぞれは、外壁910において画定された開口部920から内壁912において画定された開口部922まで伸長する。開口部920、922の間に伸長する平坦な表面924、926は、それぞれスロット916、918の底面を画定する。表面924、926は、膝蓋骨が開口914に位置付けられるとき、膝蓋骨を通って伸長する切除平面142を更に画定する。
【0170】
本体904はまた、内壁912から伸長するジョー78を含む。ジョー78は、開口914の中に内側に伸長する、複数の歯80として具体化される。歯80は、図1〜17の実施形態の細長い歯82のように、いずれの他の歯80も超える長さを有する細長い歯82を含む。ジョー78の反対側に、本体904は、本体904に画定されたトラック928を有する。トラック928は、内壁908において画定された開口部(図示せず)と外壁910において画定された開口部930との間に伸長する。
【0171】
フレーム902のスライドアーム62は、トラック928に位置付けられ、トラック928に沿って摺動するように構成される。スライドアーム62は、本体60のジョー78の反対側に位置付けられた末端部110と、多機能ハンドル12のレバー22を嵌合するように構成された別の末端部112とを含む、主本体108を有する。
【0172】
スライドアーム62はまた、ジョー78の反対側の末端部110において形成された可動ジョー114を含む。ジョー114は、ジョー78に向かって伸長する、複数の歯116として具体化される。歯116は、細長い歯118を含む。細長い歯118は、図1〜17の実施形態の細長い歯118のように、いずれの他の歯116も超える長さを有する。
【0173】
使用時に、患者の膝蓋骨は、ジョー78、114の間に位置付けられ、ジョー78、114の歯80、116は、患者の膝蓋骨を嵌合して、切除手順の間に膝蓋骨を所定の位置に保持するように構成される。平坦な表面924、926は、整形外科医が切除手順の間に手術用鋸刃を案内し、それによって膝蓋骨を通る切除平面142を画定するように使用することができる。
【0174】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したにすぎないのであって、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変はすべて保護されることが望ましい点が理解されよう。
【0175】
本開示には、ここに述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点がある。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴のすべてを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、「特許請求の範囲」において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に実施することが容易に可能であろう。
【0176】
〔実施の態様〕
(1) (i)第1のブラケットと、(ii)前記第1のブラケットに連結され、前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、複数の案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含み、前記複数の案内穴のそれぞれが、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットと、(iii)前記第2のブラケットに枢動可能に連結されたガスケットであって、前記第2のブラケットの前記複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する、ガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内を備える、整形外科用手術器具。
(2) 前記第1のブラケットが、第1の側面を含み、前記第1の側面が、前記第1の側面から伸長する第1の複数の歯を有し、
前記第2のブラケットが、前記第1の側面に面する第2の側面を有し、前記第1のブラケットに向かう前記第2のブラケットの移動が、前記第1の側面に向かう前記第2の側面の移動をもたらすようになっており、前記第2の側面が、前記第2の側面から伸長する第2の複数の歯を有する、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(3) 前記第1のブラケットの前記第1の側面が、前記第2のブラケットの前記第2の側面に実質的に平行に伸長する、実施態様2に記載の整形外科用手術器具。
(4) 前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記第2の側面に面する第1の表面を有し、前記第1の表面が、(i)前記第1の表面から伸長する前記複数のプラグと、(ii)前記第2のブラケットの前記第2の複数の歯を受容するように構成された、前記第1の表面に画定された複数の案内穴と、を有する、実施態様2に記載の整形外科用手術器具。
(5) 前記ガスケットが、前記第1の表面に対向して位置付けられる、第2の凹部表面を有する、実施態様4に記載の整形外科用手術器具。
(6) 前記第2のブラケットが、前記第2のブラケットの下末端部に画定された開口を含み、
前記ガスケットが、前記ガスケットの下末端部から伸長するプラグを含み、前記プラグが、前記ガスケットを前記第2のブラケットに枢動可能に連結するように前記開口内に受容される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(7) 前記ガスケットが、前記ガスケットの上末端部から伸長するタブを含み、ユーザが前記タブを把持して、前記第2のブラケットに対して前記ガスケットを旋回させることができるように、前記タブが、前記ユーザの指先を受容するように構成された1対の起伏のある表面を含む、実施態様6に記載の整形外科用手術器具。
(8) 前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(9) 前記ガスケットが、前記第2のブラケットから取り外し可能である、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(10) 前記ドリルプレートの前記複数の案内穴が、三角形のパターンに配置される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
【0177】
(11) 前記ガスケットが、エラストマー材から形成される、実施態様1に記載の整形外科用手術器具。
(12) ハウジングと、前記ハウジングに移動可能に連結されたレバーと、を含む、ハンドルと、
(i)第1のブラケットと、(ii)前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記レバーを前記ハウジングに対して移動させることで、前記第2のブラケットを前記第1のブラケットに対して移動させるように、前記レバーに連結される第2のブラケットと、(iii)前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットのうちの少なくとも1つに枢動可能に連結されたガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内と、を備え、
(i)前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットが、患者の切除された膝蓋骨を嵌合するように構成され、(ii)手術用ドリルを受容するように寸法調整された案内穴が、前記第1のブラケット及び前記第2のブラケットのうちの少なくとも1つにおいて画定され、(iii)前記ガスケットが、前記案内穴に受容されるように構成されたプラグを有する、整形外科用手術器具。
(13) 前記第2のブラケットが、前記案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含む、実施態様12に記載の整形外科用手術器具。
(14) 前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、実施態様13に記載の整形外科用手術器具。
(15) (i)前記レバーが、前記ハウジングに対して第1の方向に移動されるとき、前記第2のブラケットが、前記第1のブラケットに向かって移動し、
(ii)前記レバーが、前記ハウジングに対して第2の方向に移動されるとき、前記第2のブラケットが、前記第1のブラケットから離れて移動する、実施態様12に記載の整形外科用手術器具。
(16) (i)第1のブラケットと、
(ii)前記第1のブラケットに連結され、前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、ドリルプレートを含み、前記ドリルプレートが、前記ドリルプレートから伸長する複数の歯と、前記ドリルプレートに画定された第1の複数の案内穴と、を有し、前記第1の複数の案内穴のそれぞれが、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットと、
(iii)前記第2のブラケットに枢動可能に連結されるガスケットであって、前記第2のブラケットの前記複数の歯を受容するように構成された、前記ガスケットに画定される第2の複数の案内穴と、前記第2のブラケットの前記第1の複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグとを有する、ガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内を備え、
前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、整形外科用手術器具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)第1のブラケットと、(ii)前記第1のブラケットに連結され、前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、複数の案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含み、前記複数の案内穴のそれぞれが、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットと、(iii)前記第2のブラケットに枢動可能に連結されたガスケットであって、前記第2のブラケットの前記複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する、ガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内を備える、整形外科用手術器具。
【請求項2】
前記第1のブラケットが、第1の側面を含み、前記第1の側面が、前記第1の側面から伸長する第1の複数の歯を有し、
前記第2のブラケットが、前記第1の側面に面する第2の側面を有し、前記第1のブラケットに向かう前記第2のブラケットの移動が、前記第1の側面に向かう前記第2の側面の移動をもたらすようになっており、前記第2の側面が、前記第2の側面から伸長する第2の複数の歯を有する、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項3】
前記第1のブラケットの前記第1の側面が、前記第2のブラケットの前記第2の側面に実質的に平行に伸長する、請求項2に記載の整形外科用手術器具。
【請求項4】
前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記第2の側面に面する第1の表面を有し、前記第1の表面が、(i)前記第1の表面から伸長する前記複数のプラグと、(ii)前記第2のブラケットの前記第2の複数の歯を受容するように構成された、前記第1の表面に画定された複数の案内穴と、を有する、請求項2に記載の整形外科用手術器具。
【請求項5】
前記ガスケットが、前記第1の表面に対向して位置付けられる、第2の凹部表面を有する、請求項4に記載の整形外科用手術器具。
【請求項6】
前記第2のブラケットが、前記第2のブラケットの下末端部に画定された開口を含み、
前記ガスケットが、前記ガスケットの下末端部から伸長するプラグを含み、前記プラグが、前記ガスケットを前記第2のブラケットに枢動可能に連結するように前記開口内に受容される、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項7】
前記ガスケットが、前記ガスケットの上末端部から伸長するタブを含み、ユーザが前記タブを把持して、前記第2のブラケットに対して前記ガスケットを旋回させることができるように、前記タブが、前記ユーザの指先を受容するように構成された1対の起伏のある表面を含む、請求項6に記載の整形外科用手術器具。
【請求項8】
前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項9】
前記ガスケットが、前記第2のブラケットから取り外し可能である、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項10】
前記ドリルプレートの前記複数の案内穴が、三角形のパターンに配置される、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項11】
前記ガスケットが、エラストマー材から形成される、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項1】
(i)第1のブラケットと、(ii)前記第1のブラケットに連結され、前記第1のブラケットに対して移動可能な第2のブラケットであって、前記第2のブラケットが、複数の案内穴が内部に画定されたドリルプレートを含み、前記複数の案内穴のそれぞれが、手術用ドリルを受容するように寸法調整された、第2のブラケットと、(iii)前記第2のブラケットに枢動可能に連結されたガスケットであって、前記第2のブラケットの前記複数の案内穴に受容されるように構成された複数のプラグを有する、ガスケットと、を備える、膝蓋骨ドリル案内を備える、整形外科用手術器具。
【請求項2】
前記第1のブラケットが、第1の側面を含み、前記第1の側面が、前記第1の側面から伸長する第1の複数の歯を有し、
前記第2のブラケットが、前記第1の側面に面する第2の側面を有し、前記第1のブラケットに向かう前記第2のブラケットの移動が、前記第1の側面に向かう前記第2の側面の移動をもたらすようになっており、前記第2の側面が、前記第2の側面から伸長する第2の複数の歯を有する、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項3】
前記第1のブラケットの前記第1の側面が、前記第2のブラケットの前記第2の側面に実質的に平行に伸長する、請求項2に記載の整形外科用手術器具。
【請求項4】
前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記第2の側面に面する第1の表面を有し、前記第1の表面が、(i)前記第1の表面から伸長する前記複数のプラグと、(ii)前記第2のブラケットの前記第2の複数の歯を受容するように構成された、前記第1の表面に画定された複数の案内穴と、を有する、請求項2に記載の整形外科用手術器具。
【請求項5】
前記ガスケットが、前記第1の表面に対向して位置付けられる、第2の凹部表面を有する、請求項4に記載の整形外科用手術器具。
【請求項6】
前記第2のブラケットが、前記第2のブラケットの下末端部に画定された開口を含み、
前記ガスケットが、前記ガスケットの下末端部から伸長するプラグを含み、前記プラグが、前記ガスケットを前記第2のブラケットに枢動可能に連結するように前記開口内に受容される、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項7】
前記ガスケットが、前記ガスケットの上末端部から伸長するタブを含み、ユーザが前記タブを把持して、前記第2のブラケットに対して前記ガスケットを旋回させることができるように、前記タブが、前記ユーザの指先を受容するように構成された1対の起伏のある表面を含む、請求項6に記載の整形外科用手術器具。
【請求項8】
前記ガスケットが、(i)前記ガスケットが前記第2のブラケットの前記ドリルプレートと前記第1のブラケットとの間に位置付けられる第1の位置と、(ii)前記ガスケットが、前記第2のブラケットの前記ドリルプレートから離間される第2の位置との間で移動可能である、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項9】
前記ガスケットが、前記第2のブラケットから取り外し可能である、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項10】
前記ドリルプレートの前記複数の案内穴が、三角形のパターンに配置される、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【請求項11】
前記ガスケットが、エラストマー材から形成される、請求項1に記載の整形外科用手術器具。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−13733(P2013−13733A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−146666(P2012−146666)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−146666(P2012−146666)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]