膣内洗浄器


【課題】 外出先やトイレ等で手軽に行うことができ、膣内の奥まで十分に洗浄が可能な膣内洗浄具を提供することを目的とする。
【解決手段】 膣内洗浄器100は、液体を収容する液体収容部200と、噴射ノズル300とから構成され、液体収容部200内には、1〜5%程度の濃度(望ましくは2〜3%程度の濃度)のホウ酸水溶液を収容している。噴射ノズル300は、液体収容部200の送出口202に螺合して接続される。噴射ノズル300は、接続部301と、胴部302と、頭部304とがそれぞれ連接することで構成される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膣内を洗浄するための膣内洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
膣は、非常にデリケートで、生理中や生理後に不快感を感じる部位であり、痒みやかぶれが発生しやすい部位である。その痒みやかぶれの原因の一つとして考えられるカンジダ菌は、常在菌であり、誰もが保有する菌である。しかし、体調不良等によって身体の抵抗力が低下するとカンジダ菌の異常繁殖によりカンジダ膣炎を発症する。このカンジダ膣炎は、膣内を消毒することで発症を抑えることができる。
【0003】
従来、このような膣の洗浄は、ビデによる膣への水の噴射によるものや風呂場でのシャワーで行なわれていたが、これらは膣外の洗浄に限られており、膣内の洗浄は困難であった。一方で、専門医による膣内の洗浄は、膣内に洗浄具を挿入して、膣内の洗浄を行うものであるが、専門知識の無い者が洗浄を行うには、洗浄具の取り扱い等が困難であったり、洗浄が不十分であったりという問題があった。
【0004】
そこで、上記問題を解決する発明として、特許文献1に膣内洗浄具が提案されている。この膣内洗浄具は、先端部に拡開自在な弁を有する収納外筒と、この収容外筒の後端部側から挿入された押出し用内筒と、収容外筒内に収容され、水分吸収によって膨張するとともに、後方側に延長される抜取り用紐が設けられた抜取り用圧縮吸収体と、収容外筒内に収容されるとともに、押出し用内筒の押出し時に破裂させるパック洗浄水とから構成されている。
【0005】
上記構成から使い捨てビデよりも高い洗浄効果が得られるとともに、外出先のトイレ等で手軽に使用することができ、携帯や保管に便利である。さらに、専門知識が無い者でも、安全かつ容易に膣内の洗浄を行うことができる。
【特許文献1】特開2004−254716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で提案されている膣内洗浄具では、収容外筒が膣内に挿入された状態で、押出し用内筒を押出すと、パック洗浄水が破裂し封入されている洗浄水が膣内に供給される構成となっている。しかし、パック洗浄水が破裂したときの圧力で膣内に供給するものであり、破裂したときの圧力では、膣内洗浄具が挿入されている付近には十分に洗浄水が供給されるが、十分に膣内の奥まで供給するのは困難である。
【0007】
また、特許文献1で提案されている膣内洗浄具では、精製水で膣内を洗浄することが記載されているが、精製水での洗浄では、膣壁の汚れを清拭することは可能であるが、カンジダ菌の異常繁殖を抑えることは困難である。
【0008】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであって、外出先やトイレ等で手軽に行うことができ、膣内の奥まで十分に洗浄が可能な膣内洗浄具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するために、膣内を洗浄する膣内洗浄器であって、洗浄液を収容する洗浄液収容部と、一方が該洗浄液収容部に螺合され、他方が膣内に挿入されるノズルとから構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の膣内洗浄器は、洗浄液収容部が、洗浄液を送出する送出口を有し、送出口は、所定の角度で傾斜していることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の膣内洗浄器は、ノズルは、送出口と螺合して接続される接続部と、胴部、頭部とからなり、胴部の周面には、長手方向に延びる凹溝が形成され、頭部および凹溝には、洗浄液収容部から送出される洗浄液を噴出する1つまたは複数の噴射口が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の膣内洗浄器は、頭部は、胴部よりも径が大きく、かつ、先端が湾曲状の略円錐形状であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の膣内洗浄器は、ノズルの内部には、送出口から洗浄液が送出されるための流路を有し、該流路は、接続部から噴射口まで連通していることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の膣内洗浄器は、洗浄液は、1〜5%の濃度のホウ酸水溶液であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所定の角度に傾斜したノズルを有することで、膣内への挿入が容易となる。また、ノズルの先端が湾曲状であることから、挿入時における痛みや不快感を与えることなく、スムーズに膣内部まで挿入することができる。また、ホウ酸水溶液によって、膣内の洗浄することでカンジダ菌等の異常繁殖を抑制することができる。その結果、膣内を常に清浄に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、膣内洗浄器の構成を示した図である。
膣内洗浄器100は、液体を収容する液体収容部200と、噴射ノズル300とから構成されている。この液体収容部200内には、1〜5%程度の濃度(望ましくは2〜3%程度の濃度)のホウ酸水溶液が収容されている。
【0017】
噴射ノズル300は、液体収容部200の送出口202に螺合して接続される。噴射ノズル300は、接続部301と、胴部302と、頭部304とがそれぞれ連接することで構成される。接続部301は、液体収容部200の送出口202と螺合して接続する部分であり、胴部302よりも径が大きくなっている。
【0018】
胴部302は、周面に接続部301付近から頭部303に向かって凹状の溝304が複数形成され、溝304には、複数の噴射口303が設けられている。また、頭部303にも先端に噴射口306を設けている。噴射口306は、頭部303に複数設けてもよい。頭部303は、胴部302よりも径が大きく、先端に向かって湾曲を有する形状となり、先端に向かって径が小さくなる。
なお、噴射ノズル300全体の長さは、約12cmであり、胴部の径は約1.5cmである。
【0019】
なお、液体収容部200と噴射ノズル300は、合成樹脂で形成されており、液体収容部200は、ポリエチレン(PE)で形成され、噴射ノズル300は、ポリプロピレン(PP)で形成されている。また、液体収容部200は、弾性を有し、使用者が容易に押したり、握ったりすることができるようになっている。噴射ノズル300は、剛性を有し、膣内への挿入時に変形を防止する。
なお、上記の例では、液体収容部200と噴射ノズル300の成形部材としてポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)の例をとって説明しているが、他の合成樹脂を用いてもよい。
【0020】
次に、図2を参照して、膣内洗浄器100の断面について説明する。
図2(a)は、噴射ノズル300の縦断面図である。図2(b)は、図1に示すAA’における断面を示した図である。
図2(a)に示すように、噴射ノズル300の断面中央には、流路308が形成されており、接続部301から頭部303の先端に設けられている噴射口306まで連通している。接続部301内の流路307には、液体収容部200の送出口202と螺合するためのネジ308が形成されている。また、胴部302の流路307には、噴射口305と連通している。さらに、接続部301の流路307は、送出口202と螺合するため、胴部302、頭部303の流路307より径が大きくなっている。
【0021】
また、図2(b)に示すように、流路306の断面は、略十字状となっている。なお、溝302を胴体部301の周面の4箇所に設けているため、断面が略十字状となっているが、溝302を設ける数によって、断面の形状は異なる。
【0022】
次に、図3を参照して、液体収容部200の送出口202について説明する。
送出口202は、噴射ノズル300と螺合する部分にネジ203が形成され、所定の角度αで傾いている。この角度αは、30°〜60°であり、30°〜40°の範囲とするのが望ましい。そのため、噴射ノズル300の膣内への挿入が容易となり、また、膣内洗浄器100の操作が容易となる。
なお、送出口202には、キャップ(図示せず)が取り付けられており、使用する際には、キャップを取り外し、噴射ノズル300を螺合させる。
【0023】
次に、膣内洗浄器100の使用方法について説明する。
まず、前述したキャップを取り外し、噴射ノズル300を送出口202に螺合することで膣内洗浄器100を組み立てる。使用者は、風呂場やトイレといった場所で、噴射ノズル300を膣内へ挿入する。膣内へは、頭部303の先端から接続部301と胴部302との連接部分まで挿入することができる。噴射ノズル300が膣内へ挿入されると、使用者は、液体収容部200を押したり、握ったりすることで、液体収容部200内のホウ酸水溶液が送出口202から噴射ノズル300へ送出される。
【0024】
噴射ノズル300へ送出されたホウ酸水溶液は、接続部301から胴部302、頭部303を流れ、噴射口305,306から膣内へ噴射される。噴射口305から噴射されたホウ酸水溶液は、膣内の膣壁を洗浄することができ、噴射口306から噴射されたホウ酸水溶液は、子宮頸部付近までを洗浄することができる。この動作を複数回繰り返すことで、膣内を効果的に洗浄することができる。
【0025】
このように、本発明の実施形態に係る膣内洗浄器は、液体収容部200の送出口202が所定の角度で傾斜しているため、送出口202に装着した時にも噴射ノズル300が所定の角度で傾斜する。そのため、膣内の挿入が容易となる。
【0026】
また、噴射ノズル300の先端が湾曲を有する形状となっているため、痛みや不快感を与えることなく、膣内へ挿入することができる。また、噴射ノズル300の頭部303から胴部302までの長さが、膣内へ挿入した時に、子宮頸部付近まで届く長さであり、頭部303の先端に設けられている噴射口305から噴射されるホウ酸水溶液は、子宮頸部付近まで噴射することができる。さらに、胴部302に形成されている噴射口305から噴射されるホウ酸水溶液によって、膣壁を洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態に係る膣内洗浄器の構成を示した図である。
【図2】図2(a)は、図1に示す噴射ノズルの縦断面図であり、図2(b)は、図1に示すAA’における断面を示した図である。
【図3】液体収容部の構成を示した図である。
【符号の説明】
【0028】
100 膣内洗浄器
200 液体収容部
201 ホウ酸水溶液
202 送出口
203、308 ネジ
300 噴射ノズル
301 接続部
302 胴部
303 頭部
304 溝
305、306 噴射口
307 流路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
膣内を洗浄する膣内洗浄器であって、
洗浄液を収容する洗浄液収容部と、
一方が該洗浄液収容部に螺合され、他方が前記膣内に挿入されるノズルとから構成されていることを特徴とする膣内洗浄器。
【請求項2】
前記洗浄液収容部は、前記洗浄液を送出する送出口を有し、
前記送出口は、所定の角度で傾斜していることを特徴とする請求項1記載の膣内洗浄器。
【請求項3】
前記ノズルは、前記送出口と螺合して接続される接続部と、
胴部、頭部とからなり、
前記胴部の周面には、長手方向に延びる凹溝が形成され、
前記頭部および前記凹溝には、前記洗浄液収容部から送出される前記洗浄液を噴出する1つまたは複数の噴射口が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の膣内洗浄器。
【請求項4】
前記頭部は、前記胴部よりも径が大きく、かつ、先端が湾曲状の略円錐形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の膣内洗浄器。
【請求項5】
前記ノズルの内部には、前記送出口から洗浄液が送出されるための流路を有し、
該流路は、前記接続部から前記噴射口まで連通していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の膣内洗浄器。
【請求項6】
前記洗浄液は、1〜5%の濃度のホウ酸水溶液であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の膣内洗浄器。


【図1】

【図2】

【図3】


【公開番号】特開2008−167815(P2008−167815A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 物理的な治療装置,例.人体のつぼの位置を検出または刺激する装置;人工呼吸;マッサージ;特別な治療または人体の特定の部分のための入浴装置 | 人体の特殊な部分のための入浴,例.胸部灌注浴
【出願番号】特願2007−1586(P2007−1586)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(306016800)
【Fターム(参考)】
医療用入浴、洗浄装置 | 人体の浴用部位 | 性器(泌尿器を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 浴用物質(流体又は媒体) | 液状のもの | 水(冷却水、イオン水を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 浴用媒体供給加工手段 | 液体又は気体を使用する装置 | 水
医療用入浴、洗浄装置 | 入浴又は洗浄の目的又は効果 | 簡便、容易、安価等