膣洗浄具

【課題】 挿入型の膣洗浄具において、膣への挿入時の違和感や苦痛を緩和する。
【解決手段】 本願発明に係る膣洗浄具は、基端部に給排水源と連絡する導水管及び排水管が接続される棒状の膣挿入部材1を備え、膣挿入部材1には、洗浄水を膣内へ噴射する噴出口14と、膣内に噴射された洗浄水の排水口15が設けられている。膣挿入部材1の外周には、当該外周の他の部分より径が大きな大径部16が形成され、噴出口14は、大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の先端側に設けられ、排水口15は、大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の基端側に設けられ、膣挿入部材1の内部には、一端が当該大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の先端側に開口し且つ他の一端が当該大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の基端側に開口する貫通孔4が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、女性の膣を洗浄する膣洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平8−706号公報
【0003】
従来より、家庭での膣洗浄は、ビデによって行われているが、ビデは膣外より水を噴射するに止まり、膣内部までの洗浄は困難であった。他方、専門医においては、膣内に洗浄具を挿入しての洗浄が行われているが、専門的知識のない者が同様の洗浄を行うのは困難であり、危険でもあった。
このような問題を解決すべく、特許文献1に示す通り、家庭での膣洗浄を、安全に且つ一人でも簡単に行うことができ、さらに、洗浄水をこぼすことなく、室内を濡らすことなく洗浄作業をなし得る膣洗浄具が提案されている。
【0004】
この特許文献1に示された膣洗浄具は、中空の筒状部及び把手部からなる基部と、筒状部の先端側に設けられた枠部とを備える。枠部は、先端方向に伸びる複数の長手枠部材と、これらを接続する連結用枠部材とから構成される。枠部内には、水を噴射孔から吐出するノズルが配位され、また、筒状部には水の排出部が設けられている。ノズルから吐出した水が、膣内壁を洗浄し、洗浄後の水は、筒状部に集まり排出部から排出される。
【0005】
このように形成された膣洗浄具は、その基部を持って、容易に膣内に挿入できき、ノズルから吐出した水によって、膣内を洗浄することができる。膣内をある程度の範囲に渡って洗浄したい場合には、水を吐出させながら、膣洗浄具を摺動させればよく、ノズルは、枠部によって直接膣に接触しないため、細いノズルによって膣内を突いて傷つけることがない。また、膣内壁とノズルとの間には、適当な間隔が維持されるため、ノズルから吐出した水は、適度の間隔をおいて分散して膣内壁に当たり、良好な使用感を得ることができる。また、枠部材によって、膣内壁がこすられ、適当な摩擦を膣内壁に加えることができる。この洗浄中においては、膣の弾性によって、膣内壁が筒状部に密着する。そのため、洗浄した水は、膣外に流出することなく、筒状部内から排出管を通って排出され、室内をみだりに濡らすことがない。
また、単に水を膣内へ噴射させるものと異なり、上記の通り排出部を備えることにより、洗浄に使用された水は、逐次排出されるものであり、使用済みの水が膣内で滞留するといった不衛生な事態を避けることができる。
【0006】
しかし、膣内は非常にデリケートな部分であり、先端方向に伸びる複数の長手枠部材とこれらを接続する連結用枠部材とから構成される上記の枠部を、膣内へ挿入するのは、使用者にとって抵抗を感ずるものであった。
このため、当該特許文献1に示された発明の発明者であり、また、本願の発明者でもある者が、更に研究を重ねて、図7へ示す膣洗浄具を創作した。
これは、図7へ示す通り、女性の膣内へ挿入される棒状の膣挿入部材1と、一端が膣挿入部材1の基端側に接続され且つ他の一端が蛇口に接続される導水管2と、一端が膣挿入部材1の基端側に接続された排水管3とを備え、膣挿入部材1の内部には、夫々上記の導水管2及び排水管3に連絡する導水通路12及び排水通路13が形成され、膣挿入部材1には、導水管2から上記導水通路12に導入された洗浄水を膣内へ噴射する噴出口14と、膣内に噴射された洗浄水を上記排水通路13に導入する排水口15が設けられた膣洗浄具である。その膣挿入部材1については、少なくとも表面がシリコンゴムで形成された棒状体である。膣挿入部材1の外周には、当該外周の他の部分より径が大きな大径部16…16が複数形成されている。上記の大径部16は、膣挿入部材1の先端部と、当該先端部から膣挿入部材1の基端側へ間隔を開けた位置の、2箇所以上に形成されている。
【0007】
ここで、棒状の膣挿入部材1の、先端側を前方Fとし、基端側を後方Bとして説明する。
上記膣挿入部材1の先端側の大径部16(16a)は、当該膣挿入部材1の先端側から基端側へ向けて漸次径を大きくする、円錐状に形成されたものであり、上記基端側の大径部16…16(16b,16c,16d)の夫々は、鍔状に形成されたものである。
上記の噴出口14は、膣挿入部材1の先端即ち上記円錐状の先端大径部16aの頂部17aに設けられている(先端噴出口14a)。噴出口14は、当該先端大径部16と先端大径部16aに隣り合う基端側に設けられた大径部16bとの間にも設けられており、当該基端側大径部16b,16c,16d間にも形成されている(側面噴出口14b,14b)。
上記大径部16…16の間の夫々に設けられている(先端大径部16aと当該先端大径部16aと隣り合う大径部16bとの間、及び、先端大径部16aよりも後方Fに配設された大径部16b,16c,16d同士の間)。以下、必要に応じてこのような大径部16…16の間を小径部17…17と呼ぶ。
【0008】
上記のような大径部16…16の形成により、膣内を広げて、洗浄水が膣内壁に触れる空間を確保することができる。また、大径部16…16によって、特許文献1の枠部材と同様、膣内壁がこすられ、適当な摩擦を膣内壁に加えることができるものであるが、このような大径部16…16を含むものであっても、膣挿入部材1の表面は、シリコンゴムで形成され、柔軟な感触であり、挿入に際して違和感がない。また、膣挿入部材1の素材にシリコンゴムを用いることにより、大径部16…16を備えた膣挿入部材1を、成型により容易に製造することができる。
【0009】
上述の通り、小径部17…17の夫々には、噴出口14と排水口15の双方が設けられているのであるが、先端大径部16aの先端側には、噴出口14(噴出口14a)のみ形成され、排水口15は形成されてない。
この点については、噴出した洗浄水が十分な洗浄を行う前に直ちにこれを排出させないためである。但し、使用後の上記洗浄水を確実に排水し膣内にて滞留するのを防ぐために、円錐状の先端大径部16aの外周面(テーパ面)へ前後に伸びる溝mを形成している。即ち、当該溝mを通じて、膣挿入部材1の先端と膣との間で使用された水を、当該先端大径部16aと、その後ろに位置する(隣り合う)大径部16bとの間(最も先端側の小径部17)に設けられた排水口15(排水口15a)より、膣挿入部材1内の排水通路13へ導入(排出)することができるのである。
【0010】
ところが、円錐状の先端大径部16の表面にこのような溝m(割れ目)を形成すると、膣挿入部材1を膣内へ挿入する際、溝が女性の体を挟んで苦痛を生ずるものであることが分かった。特に、シリコンゴムのように弾力性のある素材に挟まれたとき、その痛みは予想を越えて大きいものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、上記の大径部を備えた挿入型の膣洗浄具において、膣への挿入時の違和感や苦痛を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、女性の膣内へ挿入される棒状の膣挿入部材1を備え、当該膣挿入部材1の基端部は、給排水源と連絡する導水管及び排水管が接続されるものであり、膣挿入部材1の内部には、夫々上記の導水管及び排水管に連絡する導水通路12及び排水通路13が形成され、膣挿入部材1には、導水管から上記導水通路12に導入された洗浄水を膣内へ噴射する噴出口14と、膣内に噴射された洗浄水を上記排水通路13に導入する排水口15が設けられた膣洗浄具について、次のものを提供する。
即ち、上記の膣挿入部材1の外周面には、当該外周面の他の部分より径が大きな大径部16が少なくとも1つ形成される。上記の噴出口14は、上記大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の先端側に設けられている。上記の排水口15は、上記大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の基端側に設けられている。上記の膣挿入部材1の内部には、一端が当該大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の先端側に開口し且つ他の一端が当該大径部16の最大径部分よりも膣挿入部材1の基端側に開口する貫通孔4が設けられている。
【0013】
本願第2の発明では、本願第1の発明にあって、次の構成を採る膣洗浄具を提供する。
即ち、上記の膣挿入部材1は、少なくとも表面がシリコンゴム又は軟質プラスチックで形成された棒状体である。上記の大径部16は、膣挿入部材の先端部と、当該先端部から膣挿入部材1の基端側へ間隔を開けた位置の、少なくとも2箇所に設けられている。上記膣挿入部材1の先端部に設けられた大径部16(16a)は、当該膣挿入部材1の先端側から基端側へ向けて漸次径を大きくする、円錐状に形成されたものである。上記の基端側に設けられた大径部16(16b)は、鍔状に形成されたものである。上記の噴出口は、膣挿入部材1の先端即ち上記膣挿入部材1の先端部に設けられた大径部16(16a)が呈する円錐の頂部と、当該大径部16(16a)とその基端側の大径部16(16b)との間の、少なくとも2箇所に設けられている。上記の排水口15は、上記両大径部16,16(16a,16b)の間に設けられている。上記貫通孔4の一端は、膣挿入部材1の先端即ち上記円錐状の大径部の頂部にて開口し、上記貫通孔4の他の一端は、上記円錐状の先端側の大径部の底面即ち、当該先端側の大径部16(16a)の膣挿入部材1の基端側を望む面にて開口する。上記先端側の大径部16(16a)が呈する円錐のテーパ面には、溝や切れ目が設けられていない。
上記の円錐状とは、円錐を含む他、円錐台を含む。また、母線が直線に限らず凸状或いは凹状に湾曲したものも含む。例えば紡錘状のものも含む。
【0014】
本願第3の発明は、本願第1又は第2の発明にあって、上記の排水通路13には、洗浄水の流れを遮断する操作弁が設けられた膣洗浄具を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本願第1〜3の発明は、膣に挿入される膣挿入部材に大径部を形成することにより、当該大径部と膣挿入部材外周面の他の部位との間の径の差によって、膣内に洗浄水を導入する空間を確保し、その上で、当該大径部が、先端大径部より前方にある噴出口から噴出された洗浄水を当該大径部の後方に形成された排水口へ確実に導入することができる。
即ち、このように、大径部を備え、当該大径部より先端側に洗浄水の噴出口を備えると共に当該大径部より基端側に排水口を備えた棒状の膣挿入部材を有する膣洗浄具において、大径部より先端側にて膣内へ噴出された洗浄水を、排水口へ導く排水路を、溝ではなく、貫通孔として形成することにより、当該大径部の後方の排水口への、使用後の洗浄水の移動を行うことができる。これによって、当該膣挿入部材を膣へ挿入する際、膣或いは膣周辺の女性の体を挟んで、利用者に苦痛を与えるということがない。
特に、本願第2の発明では、少なくとも膣挿入部材の表面を柔軟なシリンコンゴムや軟質プラスチックで形成することにより、挿入時の違和感を軽減すると共に、上記の通り、当該大径部から溝や切れ目といった女性の体を挟む部分を排除して、当該弾力性の大きな素材により挟まれるという事態を回避した。これによって、極めて円滑な膣内への膣挿入部材の挿入が行える。
また、上記本願第3の発明の実施により、洗浄水の噴出、停止が使用者の手元で行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。図1〜図5へ本願発明の一実施の形態に係る膣洗浄具を示す。
図1(A)は本願発明に係る膣洗浄具の側面図であり、図1(B)はその膣洗浄具の縦断面図である。図2は、図1(B)に示す膣洗浄具の分解断面図である。図3は図2の要部分解斜視図である。図4(A)は図1(A)に示す膣洗浄具の拡大正面図であり、図4(B)は、図1(B)の一部切欠要部拡大断面図である。図5は上記膣洗浄具の使用状態を示す略断面図である。
説明の便宜上、各図中、Fは前方を、Bは後方を、Uは上方を、Sは下方を、Lは左方を、Rは右方を、夫々示している。
【0017】
図1(A)(B)へ示す通り、この膣洗浄具は、女性の膣内へ挿入される棒状の膣挿入部材1にて構成される。この膣挿入部材1の基端部に、水道の蛇口やビデといった給水源Gと連絡する1本の導水管2と、排水源と連絡する2本の排水管3,3とが接続される(図5)。膣挿入部材1の内部には、夫々上記の導水管2及び排水管3,3に連絡する導水通路12及び排水通路13,13が形成され、膣挿入部材1には、導水管から上記導水通路12に導入された洗浄水を膣内へ噴射する噴出口14と、膣内に噴射された洗浄水を上記排水通路13に導入する排水口15が設けられている。
以下、各部の構成について、詳しく説明する。
尚、ここで、棒状の膣挿入部材1について、その先端側が前方Fを向き、基端側が後方Bを向くものとして説明する。
【0018】
図1(B)へ示す通り、膣挿入部材1は、円柱状の芯部材10と、当該芯部材10の表面を被覆する被覆部材11とにて構成されている。
図2へ示す通り、被覆部材11は、中空であり、被覆部材11の内部へ、芯部材10が挿入される。
上記の芯部材10は、1〜2cmの直径を備え、10〜20cmの長さを有する円柱状体であり、自重で撓まない程度の自立性を有する素材にて形成する。特に、このような自立性を備えたプラスチックで、芯部材10を形成するのが好ましい。例えば、芯部材10は、塩化ビニル又はポリエチレンで形成するのが好ましい。
【0019】
上記の導水通路12は、芯部材10の中心を通り、芯部材10の両底面(前後両端面)に貫通する主幹通路12aと、当該主幹通路12aから、分岐して芯部材10の外周に開口する複数の分岐通路12b…12bと備える。この実施の形態において、分岐通路12b…12bの夫々は、主幹通路12aの左右に分岐している。導水通路12の主幹通路12aの後端側は、上記の導水管2との接続部(導水接続部12d)を構成する。上記の導水管2は、ゴムチューブであり、図5へ示す通り、導水通路2の上記接続部(導水接続部12d)に接続される端部には、接続用の口金20が設けられている。
【0020】
上記の排水通路13は、芯部材10の内部において、上記導水通路12の上下に2本設けられている。この排水通路13,13も、上記の導水通路12と同様、芯部材10の両底面(前後両端面)に貫通する通路である。
排水通路13,13の夫々は、主幹通路13aと、主幹通路13aの上方又は下方へ分岐する分岐通路13b…13bを備える(導水通路12の上方へ位置する排水通路13の分岐通路13b…13bは、夫々排水通路13の主幹通路13aから上方に分岐し、導水通路12の下方に位置する排水通路13の分岐通路13b…13bは、夫々排水通路13の主幹通路13aから下方に分岐する)。
各排水通路13の主幹通路13aの後端側は、上記排水管3との接続部(排水接続部13d)を構成する。上記の排水管3は、ゴムチューブであり、図5へ示す通り、排水通路3の上記接続部(排水接続部13d)に接続される端部には、接続用の口金30が設けられている。
円柱状の芯部材10を、図3へ示す通り、円柱を縦割りにした2つの部分にて構成し、製造時において、両部分を合せた状態にして、被覆部材11に挿入するのが好ましい。このように芯部材10を縦割りに分割して構成することより、成型により、容易に、上記の導水通路12及び排水通路13(を構成する溝状部分)を形成することができるからである。
【0021】
被覆部材11は、図1及び図2へ示す通り、棒状体であり、指で押せば凹み指を離せば元の状態に戻る弾力性を備えた素材にて形成するのが好ましく、シリコンゴム又は軟質プラスチックといった素材にて形成するのが好ましい。この実施の形態では、被覆部材11は、シリコンゴムを用いて形成されている。被覆部材11は、外周面に、被覆部材11の外周面の他の部分より外径の大きな大径部16…16が、複数形成されている。
上記大径部16…16の夫々は、被覆部材11の前後に間隔を開けて設けられている(隣り合う大径部16,16の間を小径部17と呼ぶ)。
上記の大径部16…16の一つは、被覆部材11の先端部の外周に形成されている。この被覆部材11の先端部外周に形成された大径部16(以下必要に応じて先端大径部16aと呼ぶ。)は、被覆部材11の前方から後方に向けて漸次被覆部材11の外径を大きくするよう円錐状に形成されている。この円錐の最大外径(最大径部分18の径)は、被覆部分11の小径部17の外径より大きい。被覆部材11の先端、即ち、上記の円錐大径部の先端(円錐の頂部)には、噴出口14(先端噴出口14a)が設けられている。但し、上記先端大径部16aが呈する円錐のテーパ面(外周面)には、溝や切れ目が設けられていない。即ち、当該円錐をその軸方向のどの位置で切断しても、断面の輪郭形状は円である。但し当該断面は、正円に限らず、長円であってもよい。
また、上記先端大径部16aよりも後方即ち、被覆部材11の基端側に形成された大径部16b,16c,16dは、夫々鍔状に形成されている。
各大径部16…16(16a,16b,16c,16d)の夫々の最大径(最大径部18の径)は、小径部17…17の約2倍とするのが好ましい。例えば各小径部17…17の直径を1.5cmとした場合、各大径部16…16の最大径は3cm程度とするのが好ましい。但しこのような寸法比率は変更可能である。 被覆部材11の後端には、大径部16…16より外径の大きなフランジ部19が形成され、膣洗浄具が膣内へ入り込みすぎるのを防ぐ当りとされる。即ち、洗浄具の使用時において、当該フランジ部19より前方が膣内へ挿入される。
芯部材10の基部は、上記被覆部材11の後端から露出する。
【0022】
上記の芯部材10の先端には、導水通路12の主幹通路12aの開口部12cと、排水通路13の主幹通路13aの開口部13c,13cとが開口する。
導水通路12の主幹通路12aの上記先端側開口部12cは、被覆部材11内部に設けられた連絡通路5によって、上記被覆部材11の先端噴出口14aに連絡する。一方、上記の排水通路13の主幹通路13aの開口部13c,13cは、被覆部材1の内部よって塞がれる。
また、各大径部16a,16b,16c,16dの間には、上記導水通路12の分岐通路12b…12bに連絡する(上記先端噴出口14aと別途の)噴出口14…14と、上記排水通路13の分岐通路13b…13bに連絡する排水口15…15が設けられている。
【0023】
図4(B)へ示す通り、上記の先端大径部16aの内部には、当該当該大径部16aが呈する円錐の頂部から当該円錐の底面にかけて、即ち、被覆部材11の先端(先端大径部16aが呈する円錐の頂部)から、先端大径部16aの後端面にかけて貫通する貫通孔4が、2本設けられている。先端大径部16aの上記後端面というのは、先端大径部16aの最大径部分18とその後方の小径部17との段差面である。
図4(A)(B)へ示す通り、上記貫通孔4は、膣挿入部材1の先端即ちの先端大径部16aの頂部にて開口する先端開口部40と、上記先端大径部16aの最大径部分18とその後方の最小径部17との段差面にて開口する後端開口部41とを備える。この実施の形態において、上記先端開口部40,40は図4(A)へ示す通り、膣挿入部材1(被覆部材11)の先端面において、上記先端噴出口14aの上下に設けられている。
【0024】
上記の貫通孔4は、換言すると、図6に示す改良前の膣洗浄具の溝Mに対し、被覆部6を設けて、先端大径部16aが呈する円錐台のテーパ面に開放されていた部位を、被覆したものということができる。
このような被覆部6を先端大径部16aの上記テーパ面に形成することによって、既述の通り、当該テーパ面に、溝や切れ目を生じさせず、滑らかな面を構成することができるのである。
【0025】
上記の通り、被覆部材11の先端には、芯部材10の導水通路12と被覆部材11の内部(の連絡通路5)にて連絡している先端噴出口14aが設けられているが、上記排水通路13に(被覆部材11を通じて)直接連絡する排水口15は設けられていない。これは、先端噴射口14aから噴射された洗浄水が十分な洗浄に使用される前に、排水通路13内へ排水されるのを防ぐためである。このため、先端大径部16aと膣の奥(膣洗浄具の前方F側)との間に、使用済みの洗浄水が滞留するのを防止すべく、上記の貫通孔4が形成されている。図4(B)へ示す通り、上記先端大径部16aの前方に噴出された洗浄水は、この貫通孔4を通じて、先端大径部16aと、当該先端大径部16aと隣り合う大径部16bとの間に、排出される。そして、先端大径部16aと、当該先端大径部16aと隣り合う大径部16bとの間の小径部17に形成された排水口15より、上記排水通路13内へ排水される。
上記と異なり、貫通孔4を、被覆部材11内部において、直接排水通路13へ連絡するものとしてもよいが、上記の通り、一旦、先端大径部16aと、当該先端大径部16aと隣り合う大径部16bとの間に排出するほうが、膣内へ滞留する時間を稼げ、洗浄水を十分膣内の洗浄に利用することができ、無駄が少ない(既述の通り、使用された洗浄水が、膣内に滞留したまま、排出されないのは問題であるが、洗浄水を十分に洗浄に供するためには、噴出口14から噴出された後、膣内へ滞留する時間が必要だからである)。
【0026】
また、この実施の形態において、先端大径部16aが呈する円錐は、頂部17aが面を呈する円錐台である。そして、このような頂部17aが呈する面に、上記の先端噴出口14aと貫通孔4,4の先端開口部40,40とが形成されている。しかし、この先端噴出口14aと先端開口部40,40とは、当該先端大径部16aの最大径部分18よりも膣挿入部材1の先端側に設けられていれば、上記円錐の頂部に設けられたものに限定するものではない。但し、膣内壁に塞がれるのを防止するという観点から、上記先端大径部16aが呈する円錐の頂部17aに、上記先端噴出口14aと先端開口部40,40とを形成するのが好ましい。
【0027】
使用時において、図5へ示す通り、この膣洗浄具(膣挿入部材1)の基端に、前述の導水管2と排水管3のチューブを接続し、このチューブを温水器や水道の蛇口やビデの水噴出口即ち給水源Gにつなぐことによって、容易に、水或いは温水を、噴射することができる。
この実施の形態において、上記の給水圧と膣内圧とによって、排水口15…15から導水通路13,13内へ導かれ、当該導水通路13,13を経て排水管3,3から外部へ排出される。但し、このような排水を円滑に行うために、周知のポンプ、例えば周知の手動或いは電動ポンプを排水管3に接続して、膣外へ強制的に排水を行うようにしても実施可能である。
【0028】
上記の実施の形態において、導入管2を1本とし、排水管3,3を本としたが、このような本数に限定するものではなく、他の本数としても実施可能である。例えば、排水管3も1本にしたり、或いは導水管2を2本以上、排水管3を3本以上接続するものとして実施可能である。
このような導水管2及び排水管3の数量の変更に伴って、膣挿入部材1が備える導水通路12及び排水通路13の本数を変更して実施すればよい。
また、上記の実施の形態において、導入管2と排水管3,3とは、膣挿入部材1と別体に形成され、使用時に膣挿入部材1へ接続して使用するものとした。この他、導入管2と排水管3,3とは、当初より膣挿入部材1に固定されたものとしても実施可能である(膣洗浄具が導水管2と排水管3とを備えるものとしても実施可能である)。
更に、上記の実施の形態において、貫通孔4は、2本設けるものを示したが、1本としても、3本以上としても、実施可能である。各貫通孔4,4は、図示の通り、夫々独立したものとしてもよいが、この他、被覆部材11の内部で連絡するものであっても実施可能である。貫通孔4は、図示した直線的なものの他、被覆部材11内で、屈曲し、或いは湾曲するものであっても実施可能である。
また、大径部16…16については、上記の実施の形態において、4つ設けられたものを図示したが、このような数量に限定するものではなく、1〜3個設けるものであっても、5個以上設けるものであっても実施可能である。
【0029】
また、図6(A)へ示す通り、膣内へ噴出する水量を調整するための開閉弁7(操作弁)を膣挿入部材1へ設けて実施することが可能である。この開閉弁7は、この実施の形態において、上記芯部材10の導水通路12の主幹通路12aに設けられており、導水管2を通じて給水源Gから導入されてくる洗浄水の、導水通路12内への導入・遮断の操作を行うものである。開閉弁7としては、周知の構造を採用すればよい。図6(B)に示す通り、この開閉弁7は、膣挿入部材1(芯部材10)の膣外へ露出する部位に、コック70を備え、当該コック70を操作することによって、図6(C)へ示すように、導水管2に対して、導水通路12(の主幹通路12a)を遮断することができる。
また、上記の通り、コック70を配置することによって、膣洗浄具の使用者が手元で、洗浄水の膣内への噴出・停止の操作が行える。
この図6に示す実施の形態において、特に言及しなかった事項については、上記図1〜図5に示す実施の形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(A)は本願発明に係る膣洗浄具の側面図であり、(B)はその膣洗浄具の縦断面図である。
【図2】図1(B)に示す膣洗浄具の分解断面図である。
【図3】図2の要部分解斜視図である。
【図4】(A)は図1(A)に示す膣洗浄具の拡大正面図であり、(B)は、図1(B)の一部切欠要部拡大断面図である。
【図5】上記膣洗浄具の使用状態を示す略断面図である。
【図6】(A)は本願発明に係る膣洗浄具の他の実施の形態の弁体を開いた状態を示す縦断面図であり、(B)はその弁体の操作の状態を示す一部切欠側面図であり、(C)はその弁体を閉じた状態を示す一部切欠縦断面図である。
【図7】本願発明による改良前の、膣洗浄具の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 膣挿入部材
4 貫通孔
12 導水通路
13 排水通路
14 噴出口
15 排水口
16 大径部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性の膣内へ挿入される棒状の膣挿入部材を備え、当該膣挿入部材の基端部は、給排水源と連絡する導水管及び排水管が接続されるものであり、膣挿入部材の内部には、夫々上記の導水管及び排水管に連絡する導水通路及び排水通路が形成され、膣挿入部材には、導水管から上記導水通路に導入された洗浄水を膣内へ噴射する噴出口と、膣内に噴射された洗浄水を上記排水通路に導入する排水口が設けられた膣洗浄具において、
上記の膣挿入部材の外周面には、当該外周面の他の部分より径が大きな大径部が少なくとも1つ形成され、
上記の噴出口は、上記大径部の最大径部分よりも膣挿入部材の先端側に設けられ、
上記の排水口は、上記大径部の最大径部分よりも膣挿入部材の基端側に設けられ、
上記の膣挿入部材の内部には、一端が当該大径部の最大径部分よりも膣挿入部材の先端側に開口し且つ他の一端が当該大径部の最大径部分よりも膣挿入部材の基端側に開口する貫通孔が設けられたことを特徴とする膣洗浄具。
【請求項2】
上記の膣挿入部材は、少なくとも表面がシリコンゴム又は軟質プラスチックで形成された棒状体であり、
上記の大径部は、膣挿入部材の先端部と、当該先端部から膣挿入部材の基端側へ間隔を開けた位置の、少なくとも2箇所に設けられ、
上記膣挿入部材の先端部に設けられた大径部は、当該膣挿入部材の先端側から基端側へ向けて漸次径を大きくする、円錐状に形成されたものであり、
上記の基端側に設けられた大径部は、鍔状に形成されたものであり、
上記の噴出口は、膣挿入部材の先端即ち上記膣挿入部材の先端部に設けられた大径部が呈する円錐の頂部と、当該大径部とその基端側の大径部との間の、少なくとも2箇所に設けられ、
上記の排水口は、上記両大径部の間に設けられ、
上記貫通孔の一端は、膣挿入部材の先端即ち上記円錐状の大径部の頂部にて開口し、上記貫通孔の他の一端は、上記円錐状の先端側の大径部の底面即ち、当該先端側の大径部の膣挿入部材の基端側を望む面にて開口するものであり、
上記先端側の大径部が呈する円錐のテーパ面には、溝や切れ目が設けられていないことを特徴とする請求項1記載の膣洗浄具。
【請求項3】
上記の排水通路には、洗浄水の流れを遮断する操作弁が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の膣洗浄具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2006−288789(P2006−288789A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
生活必需品 | 医学または獣医学;衛生学 | 物理的な治療装置,例.人体のつぼの位置を検出または刺激する装置;人工呼吸;マッサージ;特別な治療または人体の特定の部分のための入浴装置 | 人体の特殊な部分のための入浴,例.胸部灌注浴
【出願番号】特願2005−114402(P2005−114402)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【出願人】(392036429)
【Fターム(参考)】
医療用入浴、洗浄装置 | 人体の浴用部位 | 性器(泌尿器を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 付属品(取付け、取替え品等を含む) | 通水路を有する棒、管、筒等
医療用入浴、洗浄装置 | 浴用物質(流体又は媒体) | 液状のもの | 水(冷却水、イオン水を含む)
医療用入浴、洗浄装置 | 入浴又は洗浄の目的又は効果 | 洗浄 | 清潔又は清拭(せいしき)
[ Back to top ]
