膨化発芽玄米粉末を用いた食感が改善された食品の製造方法
【課題】食感が改善された食品の製造方法の提供。
【解決手段】膨化発芽玄米粉末を食品に添加することを含んでなる、食感が改善された食品の製造方法。
【解決手段】膨化発芽玄米粉末を食品に添加することを含んでなる、食感が改善された食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨化発芽玄米粉末を用いた食感が改善された食品の製造方法に関する。本発明はまた、膨化発芽玄米粉末を用いた食品の食感改善剤にも関する。
【背景技術】
【0002】
玄米は白米には含まれないビタミン類やミネラルを豊富に含んでおり、白米と比較して栄養価が高い食品であることが知られている。特に発芽玄米は血圧上昇を抑制するなど様々な生理活性作用を有するγ−アミノ酪酸(GABA)を豊富に含むことから健康機能食品として注目されている。
【0003】
また、二軸エクストルーダを用いて膨化処理を施すことによって、GABAを高濃度で含有するとともに、発芽玄米中のグリコーゲンの溶出量が増大した膨化発芽玄米を製造できることが見出された(特許文献1)。発芽玄米の用途は大部分が炊飯用であり、精白米に比較して食味が劣るだけでなく、消化吸収し難いという問題点が指摘されていたことから、膨化発芽玄米により発芽玄米を広く普及させることができると期待されている。
【0004】
ところで、スポンジケーキのような菓子類では柔らかく、しっとりとした食感や口溶けの良い食感が求められている。また、ハンバーグのような肉類加工食品ではソフトな食感が求められるとともに、焼成時の歩留まりの良さも求められている。更に、唐揚げや揚げ春巻きのような油で調理される揚げ物類は、表面を構成する具材がカリカリとしたハードな食感を有するとともに、食した際の歯切れの良さが求められている。このような中、食品の食感を改良する様々な技術が開発されているが(特許文献2、特許文献3、特許文献4)、膨化発芽玄米やその粉末を用いた食品の食感の改善ないし改良はこれまでに報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3576114号公報
【特許文献2】特許第3683834号公報
【特許文献3】特許第4183875号公報
【特許文献4】特許第4204152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、食感が改善された食品の製造方法および食感改善剤を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、膨化発芽玄米粉末を原材料に添加してスポンジケーキ、ハンバーグ、唐揚げ、および春巻きを作製したところ、これらの食感が有意に改善されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0008】
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)膨化発芽玄米粉末を食品またはその原料に添加することを含んでなる、食感が改善された食品の製造方法、および食感の改善方法。
(2)食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、(1)に記載の方法。
(3)食品が、スポンジケーキ、ハンバーグ、唐揚げ、および揚げ春巻きからなる群から選択される、(1)に記載の方法。
(4)食品がスポンジケーキであり、食感の改善が口溶けの向上、柔らかさの向上、および/またはしっとり感の向上である、(1)に記載の方法。
(5)(4)に記載の方法により製造された、食感が改善されたスポンジケーキ。
(6)食品がハンバーグであり、食感の改善がソフト感の向上および/または繊維感の付与である、(1)に記載の方法。
(7)(6)に記載の方法により製造された、食感が改善されたハンバーグ。
(8)食品が唐揚げであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、(1)に記載の方法。
(9)(8)に記載の方法により製造された、食感が改善された唐揚げ。
(10)食品が揚げ春巻きであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、(1)に記載の方法。
(11)(10)に記載の方法により製造された、食感が改善された春巻。
(12)膨化発芽玄米粉末を含んでなる食感改善剤。
(13)食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、(12)に記載の食感改善剤。
【0009】
本発明によれば、自然素材である膨化発芽玄米粉末を原材料に単に添加することによって、スポンジケーキのような菓子類、ハンバーグのような食肉加工食品、および唐揚げや揚げ春巻きのような揚げ物類の食感を有意に改善できることから、簡便であるとともに、需要者の自然素材志向に応えることができる点で有利であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】膨化発芽玄米粉末を添加してスポンジケーキを作製した場合の官能評価試験(N=7)(評価A−1)の結果を示した図である。比較例A1を0点(基準)とした。
【図2】膨化発芽玄米粉末を添加してスポンジケーキを作製した場合の官能評価試験(N=7)(評価A−2)の結果を示した図である。比較例A2を0点(基準)とした。
【図3】膨化発芽玄米粉末を添加して作製されたスポンジケーキを冷蔵保存した場合の官能評価試験(N=7)(評価A−3)の結果を示した図である。比較例A2を0点(基準)とした。
【図4】膨化発芽玄米粉末を添加してハンバーグを作製した場合の(評価B−1)焼成歩留まりの結果を示した図である。
【図5】膨化発芽玄米粉末を添加してハンバーグを作製した場合の(評価B−2)焼成歩留まりの結果を示した図である。
【図6】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した唐揚げ用バッターを用いて唐揚げを作製した場合の官能評価試験(N=5)(評価C−1)の結果を示した図である。比較例C1を0点(基準)とした。
【図7】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した唐揚げ用バッターを用いて唐揚げを作製し、冷凍した後、レンジ加熱した場合の官能評価試験(N=5)(評価C−2)の結果を示した図である。比較例C3を0点(基準)とした。
【図8】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理した場合のフライ調理直後の官能評価試験(N=4)(評価D−1)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【図9】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理した場合のフライ調理30分後の官能評価試験(N=4)(評価D−1)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【図10】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理して揚げ春巻きを作製し、冷凍した後、レンジ加熱した場合の官能評価試験(N=4)(評価D−2)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【図11】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理して揚げ春巻きを作製し、冷凍した後、レンジ加熱した場合のレンジ加熱調理30分後の官能評価試験(N=4)(評価D−2)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【発明の具体的説明】
【0011】
本発明において使用する膨化発芽玄米粉末は、玄米、胚芽米、あるいは部分搗精米を発芽させて得られた発芽玄米を乾燥させ、粉砕し、得られた粉砕物をエクストルーダによる膨化処理に付すことにより製造することができる。(例えば、特許第3576114号公報参照)。膨化発芽玄米粉末は市販されており、市販品を用いてもよい。
【0012】
膨化発芽玄米粉末は、食感を改善する食品またはその原材料に添加して使用することができる。食品の原材料として小麦粉などの粉体原料を用いる場合には、粉体原料の一部または全部として膨化発芽玄米粉末を使用することができる。
【0013】
例えば、食感を改善する食品がスポンジケーキの場合、小麦粉などの粉体原料の一部として膨化発芽玄米粉末を添加してスポンジケーキ生地を作製し、該生地を焼成することにより、口溶け、柔らかさ、および/またはしっとり感が向上したスポンジケーキを製造することができる。なお、本明細書において「スポンジケーキ」は、カステラ、ロールケーキ、ブッセなどのスポンジ状の焼成菓子を含む意味で用いられるものとする。
【0014】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、スポンジケーキの口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、粉体原料中3〜100質量%の割合となるように膨化発芽玄米粉末をスポンジケーキ生地に添加することができる。
【0015】
食感を改善する食品がハンバーグの場合、原材料に膨化発芽玄米粉末を添加してハンバーグ生地を作製し、該生地を焼成することにより、焼成歩留まりが向上するとともに、ソフト感が向上し、および/または繊維感が付与されたハンバーグを製造することができる。ハンバーグ生地の練り不足を防止するために、ハンバーグ生地作製の最終段階で膨化発芽玄米粉末を添加することが好ましい。
【0016】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、焼成歩留まりの向上、ハンバーグのソフト感の向上、繊維感の付与が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、ハンバーグ生地の全原材料に対して0.2〜10.0質量%の割合で膨化発芽玄米粉末をハンバーグ生地の原材料に添加することができる。
【0017】
食感を改善する食品が唐揚げの場合、小麦粉などの粉体原料の一部として膨化発芽玄米粉末を添加して唐揚げバッターを作製し、該唐揚げバッターで衣付けした食肉をフライ調理することにより、歯切れ感および/またはサクみ感が向上した唐揚げを製造することができる。また、製造された唐揚げを−30℃以下で急速冷凍し、電子レンジ調理用の冷凍唐揚げを作製することもできる。本発明では、このような冷凍品を電子レンジで加熱調理した場合であっても、歯切れ感やサクみ感が失われない点で有利である。フライされる食肉は特に限定されないが、好ましくは、鶏肉である。
【0018】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、唐揚げの歯切れ感の向上、サクみ感の向上が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、粉体原料中3〜80質量%の割合となるように膨化発芽玄米粉末を唐揚げバッターに添加することができる。
【0019】
食感を改善する食品が春巻きの場合、小麦粉などの粉体原料の一部として膨化発芽玄米粉末を添加して春巻きの皮を作製し、該春巻きの皮で春巻きの具を包んでフライ調理することにより、歯切れ感および/またはサクみ感が向上した揚げ春巻きを製造することができる。また、製造された揚げ春巻きを−30℃以下で急速冷凍し、電子レンジ調理用の冷凍揚げ春巻きを作製することもできる。本発明では、このような冷凍品を電子レンジで加熱調理した場合であっても、歯切れ感やサクみ感が失われない点で有利である。
【0020】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、揚げ春巻きの歯切れ感の向上、サクみ感の向上が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、粉体原料中2〜100質量%の割合となるように膨化発芽玄米粉末を春巻きの皮の原材料に添加することができる。但し、膨化発芽玄米粉末の添加量が10%を超える場合には、必要に応じて生地の繋ぎを目的として小麦グルテンを併用することができる。
【実施例】
【0021】
本発明を下記実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0022】
実施例A:膨化発芽玄米粉末によるスポンジケーキの食感改良
(1)スポンジケーキの製造
小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末(CPA−100α、セレス・コーポレーション社)に代替したスポンジケーキを作製し、スポンジケーキの食感改良効果を評価した(評価A−1)。具体的には、オールインミックス法(食品知識ミニブックスシリーズ菓子入門、発売元:社団法人日本セルフサービス協会、発行所:株式会社日本食糧新聞社)に従って、最終生地比重を0.43(g/cm3)に調整してスポンジケーキ生地を作製し、焼成してスポンジケーキを作製した。使用した原材料と配合率(小麦粉およびCPA−100αの全粉体原料の質量を100とした場合の質量比率)は表1に記載の通りであった。
【表1】
【0023】
また、膨化発芽玄米粉末に代えて市販米粉製品を使用した場合のスポンジケーキの食感改良効果を評価するとともに(評価A−2)、製品を冷蔵した場合の食感改良効果を評価した(評価A−3)。具体的には、表2に記載された原材料と配合率(小麦粉、CPA−100α、および米粉製品の全粉体原料の質量を100とした場合の質量比率)で上記と同様の方法でスポンジケーキを作製した。
【表2】
【0024】
(2)官能評価の結果
小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末に代替した場合の官能評価(評価A−1)の結果は図1に示される通りであった。
【0025】
図1から明らかなように、膨化発芽玄米粉末を使用することにより、スポンジケーキの柔らかさ、しっとり感、口溶けなどの食感に改良効果が認められた。特に、柔らかさとしっとり感の向上効果は膨化発芽玄米粉末の添加量が15%の場合に認められ、口溶けと総合的な好みの向上効果は膨化発芽玄米粉末の添加量が5%の場合に認められた。なお、膨化発芽玄米粉末の添加はスポンジケーキの弾力には殆ど影響を与えなかった。
【0026】
膨化発芽玄米粉末の代わりに市販米粉製品を用いた場合の官能評価(評価A−2)の結果は図2に示される通りであった。
【0027】
図2から明らかなように、膨化発芽玄米粉末と同様に、リファリーヌ(比較例A3)にも柔らかさやしっとり感を増加させる効果が認められたが、口溶け効果についてはリファリーヌ(比較例A3)が膨化発芽玄米粉末と比べて劣っていた。また、リブラン(比較例A4)と上新粉(比較例A5)は食感改良効果が弱いことが明らかとなった。更に、いずれの米粉製品もスポンジケーキの弾力にはあまり影響を与えなかった。
【0028】
膨化発芽玄米粉末の代わりに市販米粉製品を用いた場合のスポンジケーキを2日間5℃で冷蔵保存した場合の官能評価(評価A−3)の結果は図3に示される通りであった。
【0029】
膨化発芽玄米粉末(実施例A3)、リファリーヌ(比較例A3)、リブラン(比較例A4)を用いたスポンジケーキは、図2と同様の官能評価の傾向を示しており、特に、膨化発芽玄米粉末は柔らかさ、しっとり感に加え口溶けの改良効果を有していることが確認された。上新粉(比較例A5)は冷蔵での老化耐性が低く、図2の結果に比べ食感の劣化が生じた。
【0030】
以上の通り、膨化発芽玄米粉末にはスポンジケーキの食感改良効果が認められ、柔らかさやしっとり感の向上に加え、口溶けの向上効果が確認された。市販の米粉製品との比較においても、口溶け向上効果は膨化発芽玄米粉末に特異的な効果であった。
【0031】
実施例B:膨化発芽玄米粉末によるハンバーグの食感改良
(1)ハンバーグの製造
下記表3に記載される原材料と配合率(質量%)に従って、原材料に膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)を添加したハンバーグを常法に従って作製し、ハンバーグの食感改良効果を評価した(評価B−1)。
【表3】
【0032】
更に、下記表4に記載される原材料と配合率(質量%)に従って、原材料に膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)や水不溶性食物繊維(セルファー、日本食品化工社製)を添加したハンバーグを作製し、ハンバーグの食感改良効果を評価した(評価B−2)。CPA−100αは乾燥パン粉と一緒に添加・混合し、それ以外の手順は、全て常法に従って作製した。
【表4】
【0033】
(2)官能評価の結果
(1)で製造されたハンバーグについて焼成歩留り(%)を評価するとともに、ハンバーグの食感について官能評価を行った。焼成歩留りの評価は、加熱後の重量測定を行い、加熱前の質量(100g/個)に対する質量%を算出する方法にて行った。
【0034】
表3に従って製造したハンバーグの焼成歩留り(%)に関する試験結果(評価B−1)は図4に示される通りであった。図4に示される通り、膨化発芽玄米粉末を添加することにより焼成時の歩留りが向上した(実施例B2、実施例B3)。また、パネラー5名により、表3に従って製造したハンバーグの食感を評価した。膨化発芽玄米粉末を添加することにより、ハンバーグはソフトになる傾向が見られたが、ソフトではあるものの肉の結着は弱く、脆い食感となった。また、膨化発芽玄米粉末添加品は膨化発芽玄米粉末無添加の比較例B1より繊維感が強くなっていた。ハンバーグの食味としては比較例B1より好ましいとはいえないが、添加することによって食感は異なったものとなった。
【0035】
膨化発芽玄米粉末を添加する時期を変更した場合の焼成歩留り(%)に関する試験結果(評価B−2)は図5に示される通りであった。図5に示される通り、膨化発芽玄米粉末を添加することにより焼成時の歩留りが向上した(実施例B5、実施例B6、実施例B7)。また、パネラー5名により、表4に従って製造したハンバーグの食感を評価した。評価B−1と同様に膨化発芽玄米粉末を添加することによりハンバーグは繊維感が強く感じられ、ソフトな食感となった。しかしながら、繊維感向上効果はセルファーを添加した比較例B3の方が強く、また、セルファーは脆さを発現しない点で好ましいと評価された。
【0036】
以上の通り、膨化発芽玄米粉末をハンバーグに添加することで、焼成時の歩留り向上効果が認められた。これ膨化発芽玄米粉末の保水性によるものである。食感はソフト感向上および繊維感の付与効果が認められた。
【0037】
実施例C:膨化発芽玄米粉末による唐揚げ衣の食感改良
(1)唐揚げバッターと唐揚げの製造
下記表5に記載される原材料と配合率(小麦粉、ハイアミ加工品、コーンスターチ、CPA−100α、ネオビスC−60、およびB.P.の全粉体原料の質量を100とした場合の質量比率)に従って、小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)に代替した唐揚げ用バッターを調製し、そのバッターを用いて唐揚げを作製し、食感改良効果を評価した(評価C−1)。
【表5】
【0038】
更に、下記表6に記載される原材料と配合率に従って、膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)に代えて上新粉やα化コーンスターチを使用した場合の唐揚げの食感改良効果を評価した(評価C−2)。
【表6】
【0039】
(2)官能評価の結果
表5に従って製造した唐揚げの官能評価(評価C−1)の結果は図6および表7に示される通りであった。
【0040】
図6はフライ直後の官能評価結果を示す。膨化発芽玄米粉末の添加量の増加に伴って、から揚げ衣の食感はサクみを増す傾向がみられた(実施例C1、実施例C2、実施例C3)。特に、膨化発芽玄米粉末を20%配合した実施例C3は歯切れ(噛み切りやすさ)、サクみ付与効果が強かった。硬さはハイアミ加工品を使用した比較例C2が最も硬くなった。
【0041】
表7は冷凍レンジ加熱後の官能評価結果を示す。評価に当たっては、各評価項目について順位付けを行い、各順位の平均値を表に示した。数値が低いものほど、その効果は他の試験区より高いことを示す。軽さは、上記官能評価における硬さの逆順より算出した。
【表7】
【0042】
フライ直後と同様に膨化発芽玄米粉末を添加した実施例C1、実施例C2、実施例C3が、衣の歯切れが良く、サクみが残っていた。特に、膨化発芽玄米粉末を20%配合した実施例C3はレンジ加熱による衣のへたり(水分が移行して衣がソフトになること)が少なかった。
【0043】
α化コーンスターチ(比較例C4)や上新粉(比較例C5)を用いた場合との比較検討(評価C−2)の結果は表8および図7に示される通りであった。
【0044】
表8はフライ直後の官能評価を示す。評価に当たっては、各評価項目についての順位付けを行い、各順位の平均値を下記に示した。数値が低いものほど、その効果は他の試験区より高いことを示す。軽さは、上記官能評価における硬さの逆順より算出した。
【表8】
【0045】
α化コーンスターチを使用すると、歯切れの良いソフトなサクみのある食感となった(比較例C4)。膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)を添加した実施例C4及び実施例C5も歯切れが良く、サクみのある衣となり、さらに、αコーンスターチ(比較例C4)より硬さのある食感のため、時間経過による衣のへたり(水分が移行して衣がソフトになること)が少なかった。上新粉を添加した比較例C5は硬くバリバリとした食感となり、対照と同じようなややひきのある衣となった。
【0046】
図7は冷凍レンジ加熱後の官能評価を示す。フライ直後は歯切れの良かった比較例C4(α化コーンスターチ)はレンジ加熱後では切れが悪くなっており、比較例C5(上新粉)と同様に比較例C3より評価が低くなった。膨化発芽玄米粉末を添加した実施例C4及び実施例C5ではサクみが残っており、レンジ耐性が良好であった。
【0047】
以上の通り、評価C−1では、膨化発芽玄米粉末を唐揚げのバッターに配合することで、衣の歯切れは良くなり、添加量が多くなるほどサクみは増す傾向がみられた。添加率の増加に従ってその効果は高くなるが、バッターの加水率も高くなることから、フライ時の吸油が多くなり、油感の強い衣となった。
【0048】
評価C−2では、コーンスターチの配合量を多くすることでバッター加水量を抑え、評価C−1の膨化発芽玄米粉末の増加水による衣の吸油を抑えることができた。α化コーンスターチは衣の軽さ、歯切れは良好であった。しかしながら、水分移行による衣のへたりが早いことが分った。米粉は水抜けが良く、歯切れやサクみが増すものと思われ、膨化している膨化発芽玄米粉末は糊化している部位がフライされることで、パリッとしたサクみのある衣を形成するものと考えられる。
【0049】
実施例D:膨化発芽玄米粉末による揚げ春巻の食感改良
(1)春巻きの皮と揚げ春巻きの製造
下記表9に記載される原材料と配合量(g)に従って、小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)に代替した春巻きの皮を調製し、その春巻きの皮を用いて春巻きを作製した。
【表9】
【0050】
春巻きの皮の製造は以下の手順で行った。
i)原料を卓上ミキサーで撹拌混合
ii)生地を冷蔵庫に一定時間置き、ガス抜き
iii)春巻の皮用銅板にて焼成(240℃、60秒間)
なお、上記手順では生地粘度がほぼ一定となるように、加水量を適宜調整した。
【0051】
次に、下記表10に記載の原材料および配合を用いて春巻の具を調製し、春巻きを作製して食感改良効果を評価した。フライ調理後の春巻きについて官能評価を行うとともに(評価D−1)、フライ調理後、冷凍処理した冷凍品をレンジ加熱調理した後の揚げ春巻きについても官能評価を行った(評価D−2)。
【表10】
【0052】
春巻きの製造は以下の手順で行った。
i)上記のように焼成した春巻きの皮に作製した具を包む
ii)フライ調理試験用は、すぐに急速冷凍(約−30℃、1時間)
iii)レンジ試験用は、フライ(160℃、3分間)し、30分間放冷後急速冷凍(約−30℃、1時間)
【0053】
(2)官能評価の結果
フライ調理後の官能評価(評価D−1)の結果は図8および図9に示される通りであった。
【0054】
図8はフライ調理直後の揚げ春巻きの官能評価結果を示す。図8から明らかなように、上新粉を添加した比較例D2と比較例D3および膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1と実施例D2ともに、サクみを向上させる食感改良効果が認められた。また、上新粉を添加した比較例D2及び比較例D3に比べ、膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1及び実施例D2の方がサクみ・歯切れ(噛み切りやすさ)ともに良好であった。
【0055】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ひく、歯に詰まる、ねっちり、表面は硬い
・比較例D3:パリパリ感あるがひきがある
・実施例D1:硬い、パリパリ、ひきがない
・実施例D2:硬い、カリカリ、ひきが少ない
図9はフライ調理30分後の官能評価結果を示す。図9から明らかなように、上新粉を添加した比較例D2及び比較例D3に比べ、膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1及び実施例D2の方が突出してサクみ・歯切れが良好であった。また、膨化発芽玄米粉末を10%添加した実施例D2よりも、5%添加した実施例D1の方がサクみ・歯切れの向上効果が高かった。
【0056】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ややパリパリ感あり、ややひく
・比較例D3:ややパリパリ感あり、ひく、
・実施例D1:バリバリ、歯切れよい、硬い
・実施例D2:バリバリ、ひきが少ない、硬い、ややオイリー
レンジ加熱調理後の官能評価(評価D−2)の結果は図10および図11に示される通りであった。
【0057】
図10はレンジ加熱調理直後の官能評価結果を示す。図10から明らかなように、膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1及び実施例D2のみ、サクみや歯切れを向上させる食感改良効果が認められた。
【0058】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ひきが強い、
・比較例D3:もちもちする、ひきがある、
・実施例D1:ややひく、ややパリパリ感あり
・実施例D2:ややひく、ソフト
図11はレンジ加熱調理30分後の官能評価結果を示す。図11から明らかなように、膨化発芽玄米粉末を5%添加した実施例D1のサクみ向上効果が最も高かった。
【0059】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ひきが強い、オイリー、ソフト
・比較例D3:ひきが強い、オイリー、ソフト、もっちり
・実施例D1:ややサクみあり、ややひく
・実施例D2:しんなり、ややひく、オイリー
以上の通り、膨化発芽玄米粉末は、揚げ春巻きにおいて市販の上新粉よりも高い食感改良効果があり、サクみの付与や歯切れの良さの向上効果が確認された。
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨化発芽玄米粉末を用いた食感が改善された食品の製造方法に関する。本発明はまた、膨化発芽玄米粉末を用いた食品の食感改善剤にも関する。
【背景技術】
【0002】
玄米は白米には含まれないビタミン類やミネラルを豊富に含んでおり、白米と比較して栄養価が高い食品であることが知られている。特に発芽玄米は血圧上昇を抑制するなど様々な生理活性作用を有するγ−アミノ酪酸(GABA)を豊富に含むことから健康機能食品として注目されている。
【0003】
また、二軸エクストルーダを用いて膨化処理を施すことによって、GABAを高濃度で含有するとともに、発芽玄米中のグリコーゲンの溶出量が増大した膨化発芽玄米を製造できることが見出された(特許文献1)。発芽玄米の用途は大部分が炊飯用であり、精白米に比較して食味が劣るだけでなく、消化吸収し難いという問題点が指摘されていたことから、膨化発芽玄米により発芽玄米を広く普及させることができると期待されている。
【0004】
ところで、スポンジケーキのような菓子類では柔らかく、しっとりとした食感や口溶けの良い食感が求められている。また、ハンバーグのような肉類加工食品ではソフトな食感が求められるとともに、焼成時の歩留まりの良さも求められている。更に、唐揚げや揚げ春巻きのような油で調理される揚げ物類は、表面を構成する具材がカリカリとしたハードな食感を有するとともに、食した際の歯切れの良さが求められている。このような中、食品の食感を改良する様々な技術が開発されているが(特許文献2、特許文献3、特許文献4)、膨化発芽玄米やその粉末を用いた食品の食感の改善ないし改良はこれまでに報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3576114号公報
【特許文献2】特許第3683834号公報
【特許文献3】特許第4183875号公報
【特許文献4】特許第4204152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、食感が改善された食品の製造方法および食感改善剤を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、膨化発芽玄米粉末を原材料に添加してスポンジケーキ、ハンバーグ、唐揚げ、および春巻きを作製したところ、これらの食感が有意に改善されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0008】
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)膨化発芽玄米粉末を食品またはその原料に添加することを含んでなる、食感が改善された食品の製造方法、および食感の改善方法。
(2)食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、(1)に記載の方法。
(3)食品が、スポンジケーキ、ハンバーグ、唐揚げ、および揚げ春巻きからなる群から選択される、(1)に記載の方法。
(4)食品がスポンジケーキであり、食感の改善が口溶けの向上、柔らかさの向上、および/またはしっとり感の向上である、(1)に記載の方法。
(5)(4)に記載の方法により製造された、食感が改善されたスポンジケーキ。
(6)食品がハンバーグであり、食感の改善がソフト感の向上および/または繊維感の付与である、(1)に記載の方法。
(7)(6)に記載の方法により製造された、食感が改善されたハンバーグ。
(8)食品が唐揚げであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、(1)に記載の方法。
(9)(8)に記載の方法により製造された、食感が改善された唐揚げ。
(10)食品が揚げ春巻きであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、(1)に記載の方法。
(11)(10)に記載の方法により製造された、食感が改善された春巻。
(12)膨化発芽玄米粉末を含んでなる食感改善剤。
(13)食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、(12)に記載の食感改善剤。
【0009】
本発明によれば、自然素材である膨化発芽玄米粉末を原材料に単に添加することによって、スポンジケーキのような菓子類、ハンバーグのような食肉加工食品、および唐揚げや揚げ春巻きのような揚げ物類の食感を有意に改善できることから、簡便であるとともに、需要者の自然素材志向に応えることができる点で有利であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】膨化発芽玄米粉末を添加してスポンジケーキを作製した場合の官能評価試験(N=7)(評価A−1)の結果を示した図である。比較例A1を0点(基準)とした。
【図2】膨化発芽玄米粉末を添加してスポンジケーキを作製した場合の官能評価試験(N=7)(評価A−2)の結果を示した図である。比較例A2を0点(基準)とした。
【図3】膨化発芽玄米粉末を添加して作製されたスポンジケーキを冷蔵保存した場合の官能評価試験(N=7)(評価A−3)の結果を示した図である。比較例A2を0点(基準)とした。
【図4】膨化発芽玄米粉末を添加してハンバーグを作製した場合の(評価B−1)焼成歩留まりの結果を示した図である。
【図5】膨化発芽玄米粉末を添加してハンバーグを作製した場合の(評価B−2)焼成歩留まりの結果を示した図である。
【図6】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した唐揚げ用バッターを用いて唐揚げを作製した場合の官能評価試験(N=5)(評価C−1)の結果を示した図である。比較例C1を0点(基準)とした。
【図7】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した唐揚げ用バッターを用いて唐揚げを作製し、冷凍した後、レンジ加熱した場合の官能評価試験(N=5)(評価C−2)の結果を示した図である。比較例C3を0点(基準)とした。
【図8】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理した場合のフライ調理直後の官能評価試験(N=4)(評価D−1)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【図9】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理した場合のフライ調理30分後の官能評価試験(N=4)(評価D−1)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【図10】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理して揚げ春巻きを作製し、冷凍した後、レンジ加熱した場合の官能評価試験(N=4)(評価D−2)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【図11】膨化発芽玄米粉末を添加して調製した春巻きの皮を用いて春巻きをフライ調理して揚げ春巻きを作製し、冷凍した後、レンジ加熱した場合のレンジ加熱調理30分後の官能評価試験(N=4)(評価D−2)の結果を示した図である。比較例D1を0点(基準)とした。
【発明の具体的説明】
【0011】
本発明において使用する膨化発芽玄米粉末は、玄米、胚芽米、あるいは部分搗精米を発芽させて得られた発芽玄米を乾燥させ、粉砕し、得られた粉砕物をエクストルーダによる膨化処理に付すことにより製造することができる。(例えば、特許第3576114号公報参照)。膨化発芽玄米粉末は市販されており、市販品を用いてもよい。
【0012】
膨化発芽玄米粉末は、食感を改善する食品またはその原材料に添加して使用することができる。食品の原材料として小麦粉などの粉体原料を用いる場合には、粉体原料の一部または全部として膨化発芽玄米粉末を使用することができる。
【0013】
例えば、食感を改善する食品がスポンジケーキの場合、小麦粉などの粉体原料の一部として膨化発芽玄米粉末を添加してスポンジケーキ生地を作製し、該生地を焼成することにより、口溶け、柔らかさ、および/またはしっとり感が向上したスポンジケーキを製造することができる。なお、本明細書において「スポンジケーキ」は、カステラ、ロールケーキ、ブッセなどのスポンジ状の焼成菓子を含む意味で用いられるものとする。
【0014】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、スポンジケーキの口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、粉体原料中3〜100質量%の割合となるように膨化発芽玄米粉末をスポンジケーキ生地に添加することができる。
【0015】
食感を改善する食品がハンバーグの場合、原材料に膨化発芽玄米粉末を添加してハンバーグ生地を作製し、該生地を焼成することにより、焼成歩留まりが向上するとともに、ソフト感が向上し、および/または繊維感が付与されたハンバーグを製造することができる。ハンバーグ生地の練り不足を防止するために、ハンバーグ生地作製の最終段階で膨化発芽玄米粉末を添加することが好ましい。
【0016】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、焼成歩留まりの向上、ハンバーグのソフト感の向上、繊維感の付与が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、ハンバーグ生地の全原材料に対して0.2〜10.0質量%の割合で膨化発芽玄米粉末をハンバーグ生地の原材料に添加することができる。
【0017】
食感を改善する食品が唐揚げの場合、小麦粉などの粉体原料の一部として膨化発芽玄米粉末を添加して唐揚げバッターを作製し、該唐揚げバッターで衣付けした食肉をフライ調理することにより、歯切れ感および/またはサクみ感が向上した唐揚げを製造することができる。また、製造された唐揚げを−30℃以下で急速冷凍し、電子レンジ調理用の冷凍唐揚げを作製することもできる。本発明では、このような冷凍品を電子レンジで加熱調理した場合であっても、歯切れ感やサクみ感が失われない点で有利である。フライされる食肉は特に限定されないが、好ましくは、鶏肉である。
【0018】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、唐揚げの歯切れ感の向上、サクみ感の向上が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、粉体原料中3〜80質量%の割合となるように膨化発芽玄米粉末を唐揚げバッターに添加することができる。
【0019】
食感を改善する食品が春巻きの場合、小麦粉などの粉体原料の一部として膨化発芽玄米粉末を添加して春巻きの皮を作製し、該春巻きの皮で春巻きの具を包んでフライ調理することにより、歯切れ感および/またはサクみ感が向上した揚げ春巻きを製造することができる。また、製造された揚げ春巻きを−30℃以下で急速冷凍し、電子レンジ調理用の冷凍揚げ春巻きを作製することもできる。本発明では、このような冷凍品を電子レンジで加熱調理した場合であっても、歯切れ感やサクみ感が失われない点で有利である。
【0020】
膨化発芽玄米粉末の添加量は、揚げ春巻きの歯切れ感の向上、サクみ感の向上が達成される限り特に限定されるものではないが、これらの効果をより良く達成する観点から、粉体原料中2〜100質量%の割合となるように膨化発芽玄米粉末を春巻きの皮の原材料に添加することができる。但し、膨化発芽玄米粉末の添加量が10%を超える場合には、必要に応じて生地の繋ぎを目的として小麦グルテンを併用することができる。
【実施例】
【0021】
本発明を下記実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0022】
実施例A:膨化発芽玄米粉末によるスポンジケーキの食感改良
(1)スポンジケーキの製造
小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末(CPA−100α、セレス・コーポレーション社)に代替したスポンジケーキを作製し、スポンジケーキの食感改良効果を評価した(評価A−1)。具体的には、オールインミックス法(食品知識ミニブックスシリーズ菓子入門、発売元:社団法人日本セルフサービス協会、発行所:株式会社日本食糧新聞社)に従って、最終生地比重を0.43(g/cm3)に調整してスポンジケーキ生地を作製し、焼成してスポンジケーキを作製した。使用した原材料と配合率(小麦粉およびCPA−100αの全粉体原料の質量を100とした場合の質量比率)は表1に記載の通りであった。
【表1】
【0023】
また、膨化発芽玄米粉末に代えて市販米粉製品を使用した場合のスポンジケーキの食感改良効果を評価するとともに(評価A−2)、製品を冷蔵した場合の食感改良効果を評価した(評価A−3)。具体的には、表2に記載された原材料と配合率(小麦粉、CPA−100α、および米粉製品の全粉体原料の質量を100とした場合の質量比率)で上記と同様の方法でスポンジケーキを作製した。
【表2】
【0024】
(2)官能評価の結果
小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末に代替した場合の官能評価(評価A−1)の結果は図1に示される通りであった。
【0025】
図1から明らかなように、膨化発芽玄米粉末を使用することにより、スポンジケーキの柔らかさ、しっとり感、口溶けなどの食感に改良効果が認められた。特に、柔らかさとしっとり感の向上効果は膨化発芽玄米粉末の添加量が15%の場合に認められ、口溶けと総合的な好みの向上効果は膨化発芽玄米粉末の添加量が5%の場合に認められた。なお、膨化発芽玄米粉末の添加はスポンジケーキの弾力には殆ど影響を与えなかった。
【0026】
膨化発芽玄米粉末の代わりに市販米粉製品を用いた場合の官能評価(評価A−2)の結果は図2に示される通りであった。
【0027】
図2から明らかなように、膨化発芽玄米粉末と同様に、リファリーヌ(比較例A3)にも柔らかさやしっとり感を増加させる効果が認められたが、口溶け効果についてはリファリーヌ(比較例A3)が膨化発芽玄米粉末と比べて劣っていた。また、リブラン(比較例A4)と上新粉(比較例A5)は食感改良効果が弱いことが明らかとなった。更に、いずれの米粉製品もスポンジケーキの弾力にはあまり影響を与えなかった。
【0028】
膨化発芽玄米粉末の代わりに市販米粉製品を用いた場合のスポンジケーキを2日間5℃で冷蔵保存した場合の官能評価(評価A−3)の結果は図3に示される通りであった。
【0029】
膨化発芽玄米粉末(実施例A3)、リファリーヌ(比較例A3)、リブラン(比較例A4)を用いたスポンジケーキは、図2と同様の官能評価の傾向を示しており、特に、膨化発芽玄米粉末は柔らかさ、しっとり感に加え口溶けの改良効果を有していることが確認された。上新粉(比較例A5)は冷蔵での老化耐性が低く、図2の結果に比べ食感の劣化が生じた。
【0030】
以上の通り、膨化発芽玄米粉末にはスポンジケーキの食感改良効果が認められ、柔らかさやしっとり感の向上に加え、口溶けの向上効果が確認された。市販の米粉製品との比較においても、口溶け向上効果は膨化発芽玄米粉末に特異的な効果であった。
【0031】
実施例B:膨化発芽玄米粉末によるハンバーグの食感改良
(1)ハンバーグの製造
下記表3に記載される原材料と配合率(質量%)に従って、原材料に膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)を添加したハンバーグを常法に従って作製し、ハンバーグの食感改良効果を評価した(評価B−1)。
【表3】
【0032】
更に、下記表4に記載される原材料と配合率(質量%)に従って、原材料に膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)や水不溶性食物繊維(セルファー、日本食品化工社製)を添加したハンバーグを作製し、ハンバーグの食感改良効果を評価した(評価B−2)。CPA−100αは乾燥パン粉と一緒に添加・混合し、それ以外の手順は、全て常法に従って作製した。
【表4】
【0033】
(2)官能評価の結果
(1)で製造されたハンバーグについて焼成歩留り(%)を評価するとともに、ハンバーグの食感について官能評価を行った。焼成歩留りの評価は、加熱後の重量測定を行い、加熱前の質量(100g/個)に対する質量%を算出する方法にて行った。
【0034】
表3に従って製造したハンバーグの焼成歩留り(%)に関する試験結果(評価B−1)は図4に示される通りであった。図4に示される通り、膨化発芽玄米粉末を添加することにより焼成時の歩留りが向上した(実施例B2、実施例B3)。また、パネラー5名により、表3に従って製造したハンバーグの食感を評価した。膨化発芽玄米粉末を添加することにより、ハンバーグはソフトになる傾向が見られたが、ソフトではあるものの肉の結着は弱く、脆い食感となった。また、膨化発芽玄米粉末添加品は膨化発芽玄米粉末無添加の比較例B1より繊維感が強くなっていた。ハンバーグの食味としては比較例B1より好ましいとはいえないが、添加することによって食感は異なったものとなった。
【0035】
膨化発芽玄米粉末を添加する時期を変更した場合の焼成歩留り(%)に関する試験結果(評価B−2)は図5に示される通りであった。図5に示される通り、膨化発芽玄米粉末を添加することにより焼成時の歩留りが向上した(実施例B5、実施例B6、実施例B7)。また、パネラー5名により、表4に従って製造したハンバーグの食感を評価した。評価B−1と同様に膨化発芽玄米粉末を添加することによりハンバーグは繊維感が強く感じられ、ソフトな食感となった。しかしながら、繊維感向上効果はセルファーを添加した比較例B3の方が強く、また、セルファーは脆さを発現しない点で好ましいと評価された。
【0036】
以上の通り、膨化発芽玄米粉末をハンバーグに添加することで、焼成時の歩留り向上効果が認められた。これ膨化発芽玄米粉末の保水性によるものである。食感はソフト感向上および繊維感の付与効果が認められた。
【0037】
実施例C:膨化発芽玄米粉末による唐揚げ衣の食感改良
(1)唐揚げバッターと唐揚げの製造
下記表5に記載される原材料と配合率(小麦粉、ハイアミ加工品、コーンスターチ、CPA−100α、ネオビスC−60、およびB.P.の全粉体原料の質量を100とした場合の質量比率)に従って、小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)に代替した唐揚げ用バッターを調製し、そのバッターを用いて唐揚げを作製し、食感改良効果を評価した(評価C−1)。
【表5】
【0038】
更に、下記表6に記載される原材料と配合率に従って、膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)に代えて上新粉やα化コーンスターチを使用した場合の唐揚げの食感改良効果を評価した(評価C−2)。
【表6】
【0039】
(2)官能評価の結果
表5に従って製造した唐揚げの官能評価(評価C−1)の結果は図6および表7に示される通りであった。
【0040】
図6はフライ直後の官能評価結果を示す。膨化発芽玄米粉末の添加量の増加に伴って、から揚げ衣の食感はサクみを増す傾向がみられた(実施例C1、実施例C2、実施例C3)。特に、膨化発芽玄米粉末を20%配合した実施例C3は歯切れ(噛み切りやすさ)、サクみ付与効果が強かった。硬さはハイアミ加工品を使用した比較例C2が最も硬くなった。
【0041】
表7は冷凍レンジ加熱後の官能評価結果を示す。評価に当たっては、各評価項目について順位付けを行い、各順位の平均値を表に示した。数値が低いものほど、その効果は他の試験区より高いことを示す。軽さは、上記官能評価における硬さの逆順より算出した。
【表7】
【0042】
フライ直後と同様に膨化発芽玄米粉末を添加した実施例C1、実施例C2、実施例C3が、衣の歯切れが良く、サクみが残っていた。特に、膨化発芽玄米粉末を20%配合した実施例C3はレンジ加熱による衣のへたり(水分が移行して衣がソフトになること)が少なかった。
【0043】
α化コーンスターチ(比較例C4)や上新粉(比較例C5)を用いた場合との比較検討(評価C−2)の結果は表8および図7に示される通りであった。
【0044】
表8はフライ直後の官能評価を示す。評価に当たっては、各評価項目についての順位付けを行い、各順位の平均値を下記に示した。数値が低いものほど、その効果は他の試験区より高いことを示す。軽さは、上記官能評価における硬さの逆順より算出した。
【表8】
【0045】
α化コーンスターチを使用すると、歯切れの良いソフトなサクみのある食感となった(比較例C4)。膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)を添加した実施例C4及び実施例C5も歯切れが良く、サクみのある衣となり、さらに、αコーンスターチ(比較例C4)より硬さのある食感のため、時間経過による衣のへたり(水分が移行して衣がソフトになること)が少なかった。上新粉を添加した比較例C5は硬くバリバリとした食感となり、対照と同じようなややひきのある衣となった。
【0046】
図7は冷凍レンジ加熱後の官能評価を示す。フライ直後は歯切れの良かった比較例C4(α化コーンスターチ)はレンジ加熱後では切れが悪くなっており、比較例C5(上新粉)と同様に比較例C3より評価が低くなった。膨化発芽玄米粉末を添加した実施例C4及び実施例C5ではサクみが残っており、レンジ耐性が良好であった。
【0047】
以上の通り、評価C−1では、膨化発芽玄米粉末を唐揚げのバッターに配合することで、衣の歯切れは良くなり、添加量が多くなるほどサクみは増す傾向がみられた。添加率の増加に従ってその効果は高くなるが、バッターの加水率も高くなることから、フライ時の吸油が多くなり、油感の強い衣となった。
【0048】
評価C−2では、コーンスターチの配合量を多くすることでバッター加水量を抑え、評価C−1の膨化発芽玄米粉末の増加水による衣の吸油を抑えることができた。α化コーンスターチは衣の軽さ、歯切れは良好であった。しかしながら、水分移行による衣のへたりが早いことが分った。米粉は水抜けが良く、歯切れやサクみが増すものと思われ、膨化している膨化発芽玄米粉末は糊化している部位がフライされることで、パリッとしたサクみのある衣を形成するものと考えられる。
【0049】
実施例D:膨化発芽玄米粉末による揚げ春巻の食感改良
(1)春巻きの皮と揚げ春巻きの製造
下記表9に記載される原材料と配合量(g)に従って、小麦粉の一部を膨化発芽玄米粉末(CPA−100α)に代替した春巻きの皮を調製し、その春巻きの皮を用いて春巻きを作製した。
【表9】
【0050】
春巻きの皮の製造は以下の手順で行った。
i)原料を卓上ミキサーで撹拌混合
ii)生地を冷蔵庫に一定時間置き、ガス抜き
iii)春巻の皮用銅板にて焼成(240℃、60秒間)
なお、上記手順では生地粘度がほぼ一定となるように、加水量を適宜調整した。
【0051】
次に、下記表10に記載の原材料および配合を用いて春巻の具を調製し、春巻きを作製して食感改良効果を評価した。フライ調理後の春巻きについて官能評価を行うとともに(評価D−1)、フライ調理後、冷凍処理した冷凍品をレンジ加熱調理した後の揚げ春巻きについても官能評価を行った(評価D−2)。
【表10】
【0052】
春巻きの製造は以下の手順で行った。
i)上記のように焼成した春巻きの皮に作製した具を包む
ii)フライ調理試験用は、すぐに急速冷凍(約−30℃、1時間)
iii)レンジ試験用は、フライ(160℃、3分間)し、30分間放冷後急速冷凍(約−30℃、1時間)
【0053】
(2)官能評価の結果
フライ調理後の官能評価(評価D−1)の結果は図8および図9に示される通りであった。
【0054】
図8はフライ調理直後の揚げ春巻きの官能評価結果を示す。図8から明らかなように、上新粉を添加した比較例D2と比較例D3および膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1と実施例D2ともに、サクみを向上させる食感改良効果が認められた。また、上新粉を添加した比較例D2及び比較例D3に比べ、膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1及び実施例D2の方がサクみ・歯切れ(噛み切りやすさ)ともに良好であった。
【0055】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ひく、歯に詰まる、ねっちり、表面は硬い
・比較例D3:パリパリ感あるがひきがある
・実施例D1:硬い、パリパリ、ひきがない
・実施例D2:硬い、カリカリ、ひきが少ない
図9はフライ調理30分後の官能評価結果を示す。図9から明らかなように、上新粉を添加した比較例D2及び比較例D3に比べ、膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1及び実施例D2の方が突出してサクみ・歯切れが良好であった。また、膨化発芽玄米粉末を10%添加した実施例D2よりも、5%添加した実施例D1の方がサクみ・歯切れの向上効果が高かった。
【0056】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ややパリパリ感あり、ややひく
・比較例D3:ややパリパリ感あり、ひく、
・実施例D1:バリバリ、歯切れよい、硬い
・実施例D2:バリバリ、ひきが少ない、硬い、ややオイリー
レンジ加熱調理後の官能評価(評価D−2)の結果は図10および図11に示される通りであった。
【0057】
図10はレンジ加熱調理直後の官能評価結果を示す。図10から明らかなように、膨化発芽玄米粉末を添加した実施例D1及び実施例D2のみ、サクみや歯切れを向上させる食感改良効果が認められた。
【0058】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ひきが強い、
・比較例D3:もちもちする、ひきがある、
・実施例D1:ややひく、ややパリパリ感あり
・実施例D2:ややひく、ソフト
図11はレンジ加熱調理30分後の官能評価結果を示す。図11から明らかなように、膨化発芽玄米粉末を5%添加した実施例D1のサクみ向上効果が最も高かった。
【0059】
[官能評価コメント]
・比較例D2:ひきが強い、オイリー、ソフト
・比較例D3:ひきが強い、オイリー、ソフト、もっちり
・実施例D1:ややサクみあり、ややひく
・実施例D2:しんなり、ややひく、オイリー
以上の通り、膨化発芽玄米粉末は、揚げ春巻きにおいて市販の上新粉よりも高い食感改良効果があり、サクみの付与や歯切れの良さの向上効果が確認された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨化発芽玄米粉末を食品またはその原料に添加することを含んでなる、食感が改善された食品の製造方法。
【請求項2】
食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
食品が、スポンジケーキ、ハンバーグ、唐揚げ、および揚げ春巻きからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
食品がスポンジケーキであり、食感の改善が口溶けの向上、柔らかさの向上、および/またはしっとり感の向上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法により製造された、食感が改善されたスポンジケーキ。
【請求項6】
食品がハンバーグであり、食感の改善がソフト感の向上および/または繊維感の付与である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法により製造された、食感が改善されたハンバーグ。
【請求項8】
食品が唐揚げであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法により製造された、食感が改善された唐揚げ。
【請求項10】
食品が揚げ春巻きであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により製造された、食感が改善された春巻。
【請求項12】
膨化発芽玄米粉末を含んでなる食感改善剤。
【請求項13】
食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、請求項12に記載の食感改善剤。
【請求項1】
膨化発芽玄米粉末を食品またはその原料に添加することを含んでなる、食感が改善された食品の製造方法。
【請求項2】
食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
食品が、スポンジケーキ、ハンバーグ、唐揚げ、および揚げ春巻きからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
食品がスポンジケーキであり、食感の改善が口溶けの向上、柔らかさの向上、および/またはしっとり感の向上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法により製造された、食感が改善されたスポンジケーキ。
【請求項6】
食品がハンバーグであり、食感の改善がソフト感の向上および/または繊維感の付与である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法により製造された、食感が改善されたハンバーグ。
【請求項8】
食品が唐揚げであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法により製造された、食感が改善された唐揚げ。
【請求項10】
食品が揚げ春巻きであり、食感の改善が歯切れ感の向上および/またはサクみ感の向上である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法により製造された、食感が改善された春巻。
【請求項12】
膨化発芽玄米粉末を含んでなる食感改善剤。
【請求項13】
食感の改善が、口溶けの向上、柔らかさの向上、しっとり感の向上、ソフト感の向上、繊維感の付与、歯切れ感の向上、およびサクみ感の向上からなる群から選択される、請求項12に記載の食感改善剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−233462(P2010−233462A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82235(P2009−82235)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000231453)日本食品化工株式会社 (68)
【出願人】(300017980)株式会社セレス・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000231453)日本食品化工株式会社 (68)
【出願人】(300017980)株式会社セレス・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】
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