説明

膨化食品包あん用フィリング

【課題】本発明の目的は、簡便にフィリングを包あんした膨化食品を製造でき、且つ、包あんしたフィリングがはみ出したりして外観を損なうことなく、食感が硬かったり、ねちゃついたりといった食感の問題を解決できる膨化食品の製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相であることを特徴とする膨化食品包あん用油脂組成物、および、当該油脂組成物に風味材を含有する包あん用フィリング、並びに、当該油脂組成物若しくは当該フィリングを澱粉含有生地に包あんし焼成することを特徴とする膨化食品の製造法、および、当該製造法によって得られる空洞を有する膨化食品である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨化食品包あん用フィリング、当該油脂組成物、ならびにこれらをフィリングとして用いた膨化食品、およびその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
食パン、菓子パン、デニッシュペストリー、パイなどのパン類、ビスケット、クッキーなどの焼菓子類に代表される膨化食品は最近、バラエティーに富み、さまざまな種類のものが売られている。中でもフィリング類を包あんしたパン、例えばあんパン、クリームパン、カレーパンなどは人気が高く、どこのパン屋さんでも置いているといっても過言ではなく、膨化小麦粉食品の中の大きなカテゴリーのひとつとなっている。
【0003】
包あんされるフィリングは1種類のものが多いが、2種類以上のフィリングを包あんしたもの、例えばクリームあんパンなどが最近人気を集めている。2種類以上のフィリングを包あんする方法としてはまず1種類のフィリングを生地に包あん、焼成し、包あんしたフィリングの上部にできた空洞に異なるフィリングを充填する。例えばクリームあんパンでは常法に従い、餡子を生地に包あん、焼成し、できた空洞にクリームを充填する。この方法は簡便であるという利点がある。しかしながら、予め生地に包あんするフィリングの風味を変える事は技術的に可能ではあるが、餡子やフラワーペーストのようにでん粉類をボディー材(可塑性に関与する主たる成分)として利用する必要があるため、食感が硬かったり、ねちゃつきが見られたりするため、食感のあわない風味のフィリングは好まれず、フィリングの風味材の選択に制限があった。例えばコーヒー味のフィリングを予め生地に包あんした場合、硬かったりねちゃつきのあるコーヒーフィリングとなり、食感が好ましくなくなってしまうという問題があった。
【0004】
食感を軟らかくする為に軟らかいペースト状のフィリングを予め生地に包あんするのは技術的に難しく、連続ラインなどでは不可能に近い。また、包あんしたとしても焼成工程を経れば、膨化食品からフィリングがはみ出してしまい外観を損ない、著しく商品価値が低下してしまう問題も抱えている。
【0005】
このような食感の問題を解決する手段としてはパンに空洞を作製し、焼成後に2種類以上のフィリングを充填する方法が考えられるが、充填ノズル、ホッパーなどを2機以上必要とし、簡便な設備とは言いがたく、各々のフィリングの物性が異なる場合、充填量の調節など大変高度な技術を要することは明らかである。
【0006】
3重包あんに関する発明としては特許文献1、特許文献2などがある。特許文献1では内容物にゲル化剤を使用する方法であるが、ゲル化した食感があわない食材には向いていないと考えられ、包あん物の種類が制限される問題がある。また、該発明の方法では包あん成型を2度以上繰り返す必要があり、簡便な方法とは言いがたい。特許文献2では3重包あん用の装置が提案されているが従来の包あん機と同様にでん粉類などボディー剤を利用したボディー性のある内包物を使用する必要があり、食感の合わないフィリングは不向きであり、内容物が制限されてしまう問題がある。
【0007】
即ち、一度の包あんという簡便な工程で膨化食品に包あんしたフィリングが焼成工程を経てもはみ出したりして外観を損なうことがなく、且つ、硬かったり、ねちゃついたりせず、軟らかく残存させるという技術はこれまで発明されておらず、包あんさせるフィリングの種類、組み合わせに制限があった。
【0008】
【特許文献1】特許第2598371号
【特許文献2】特開平7−123904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、簡便にフィリングを包あんした膨化食品を製造でき、且つ、包あんしたフィリングがはみ出したりして外観を損なうことなく、食感が硬かったり、ねちゃついたりといった食感の問題を解決できる膨化食品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意研究の結果、油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相である包あん用フィリングを用い、これを澱粉含有生地で包あんし焼成することにより、上記課題を解決できるという知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1は、油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相であることを特徴とする膨化食品包あん用油脂組成物。第2は、含有する油脂が50〜99重量%である、第1記載の膨化食品包あん用油脂組成物。第3は、含有するカゼイン類が0.3〜20重量%である、第1記載の膨化食品包あん用油脂組成物。第4は、第1〜第3何れか1に記載の油脂組成物に風味材を含有する、包あん用フィリング。第5は、第1〜第3何れか1に記載の油脂組成物を澱粉含有生地に包あんし焼成することを特徴とする膨化食品の製造法。第6は、第4記載の包あん用フィリングを澱粉含有生地に包あんし焼成することを特徴とする膨化食品の製造法。第7は、第5記載の製造法にて得られる空洞を有する膨化食品。第8は、第6記載の製造法にて得られる、空洞を有し、かつ、空洞内に風味材が残留する膨化食品。を骨子とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、包あんしたフィリングの食感が硬かったり、ねちゃついたりといった食感の問題のない膨化食品の製造が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のいう膨化食品とは発酵、焼成、蒸し、フライなど、加熱工程により澱粉含有生地が膨化してなる食品を指し、主に小麦粉類を主原料とするパン類や菓子類のことである。小麦粉類としては強力粉、薄力粉、中力粉など小麦を原料とするものの他、小麦粉と同様に用いることができるライ麦粉、米粉や、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチ、米澱粉などの澱粉類やその加工澱粉類などが使用でき、単独または複数を組み合わせて用いることができる。
【0013】
澱粉含有生地は小麦粉類以外に必要に応じて、水、糖類(ショ糖、トレハロース、果糖、ブドウ糖、乳糖、オリゴ糖、デキストリンなど)、卵、粉乳類(脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエーパウダーなど)、食塩、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、ファットスプレッド、バター、液状油など)、調味料(アミノ酸、核酸など)、化学膨張剤、香料、イースト、風味材(ココア、チョコレート、抹茶、きな粉など)を適宜選択、添加し、常法により混捏することにより得ることができる。中でもイーストを含むパン類などの澱粉含有生地は、本発明の実施に当たり最も好ましい。
【0014】
本発明のいう膨化食品としては食パン、コッペパン、菓子パン、ロール類(テーブルロール、バターロール、バンズ等)、バラエティーブレッド(レーズンパン、胚芽パン等)、ブリオッシュ、ピザ類、蒸しパン、揚げパン、デニッシュペストリー、クロワッサン等のパン類の他、パイ、ケーキ、ワッフル、クッキー、ビスケット、クラッカー、プレッツェル、マカロン、ドーナツ、シューなどが挙げられ、該澱粉含有生地がフィリング類を包あんすることができるものであれば特に限定されない。
【0015】
本発明の膨化食品包あん用フィリングは、油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相であることを特徴とするものである。通常、当該フィリングは、風味材を含有するのだが、風味材を含有しない油脂組成物を原料とし、これに風味材を混合することによって簡便に得ることができる。従って、風味材を含有しない油脂組成物も商品としての価値を有する。本発明において、油脂組成物とは、風味材を含有せず本発明の膨化食品包あん用フィリングの製造原料となるものをいう。
【0016】
(油脂組成物)
油脂組成物は、油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相であることを特徴とする。必須成分以外の成分は無くても良いが、水を含有するのが好ましく、その場合は油中水型の乳化物であることが好ましい。また、可塑性を有している必要がある。可塑性を有しない場合、風味材の混合が困難となり包あん用フィリングを製造しづらくなり好ましくない。
【0017】
使用する油脂は食用油脂であれば特に限定されず、例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等を単独または複数組み合わせて施した加工油脂などが使用できる。
【0018】
油脂組成物中の油脂のSFCは、10℃において10〜80且つ20℃において3〜70が好ましく、10℃におけるSFCが15〜75且つ20℃におけるSFCが5〜50が更に好ましく、10℃におけるSFCが20〜70且つ20℃におけるSFCが7〜40が最も好ましい。10℃において80を超えたり、20℃において70を超える場合は包あん用油脂組成物が硬くなりすぎ、可塑性を有しづらくなってしまい、風味材の混合が困難となるため好ましくない。10℃において10未満であったり、20℃において3未満の場合は得られる包あん用フィリングが軟らかくなりすぎてしまい、包あんしづらくなってしまうため好ましくない。
【0019】
上記油脂の融点は15℃〜60℃が好ましく、20℃〜50℃がより好ましく、25℃〜45℃が更に好ましく、28℃〜40℃が最も好ましい。60℃を超える場合は焼成して得られた膨化食品の口どけが悪くなってしまう為好ましくない。15℃未満の場合は風味材と混合して得られる包あん用フィリングが軟らかくなりすぎてしまい、包あんしづらくなってしまうため好ましくない。
【0020】
また、上記油脂は油脂組成物中50〜99重量%が好ましく、55〜98重量%が好ましく、60〜97重量%が最も好ましい。50重量%未満の場合、包あん用フィリングに包あん適性を付与できなくなったり、膨化食品に充分な空洞を形成させることができなくなるため好ましくない。98重量%を超える場合はカゼイン類の効果を発揮させづらくなってしまう為好ましくない。
【0021】
カゼイン類は乳蛋白質の一種であり、遊離の乳カゼインの他に、カゼインナトリウム(カゼインNa)、カゼインカルシウム(カゼインCa)、カゼインカリウム(カゼインK)等のカゼイン塩類などが例示される。カゼイン類は油脂組成物中0.3〜20重量%が好ましく、0.85〜15重量%がより好ましく、1.4〜10重量%が更に好ましく2〜7重量%が最も好ましい。0.3重量%未満の場合、焼成時に膨化食品から風味材がはみ出してしまう可能性が高くなるため好ましくない。また、20重量%を超える場合は膨化食品の空洞内に残存する風味材が硬くなってしまい好ましい食感が得られがたくなるため好ましくない。
カゼイン類は粉体であっても、水に溶解分散させても構わないが、水に溶解した状態で効果を発揮する為、予め水に溶解分散させて含有させるのが好ましい。また、溶解性の高いカゼインナトリウムがカゼイン、その他のカゼイン塩類より好ましい。カゼイン類の溶解に当たっては常法に従い、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウムなどのリン酸塩類やクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩類などを溶解塩として用いると良い。
【0022】
油脂組成物は水分を含有させることが好ましい。包あん用油脂組成物中に水分を含有させることでカゼイン類を溶解させることができよりカゼイン類の効果を発揮させやすくなる。また、混合する風味材をペースト状に軟らかく焼き残らせる効果も有する。包あん用油脂組成物中の水分は3〜40重量%含有するのが好ましく、7〜35重量%含有するのがより好ましく、10〜30重量%含有するのが更に好ましく、14〜25重量%含有するのが最も好ましい。3重量%未満の場合、充分な量のカゼインカゼイン類を溶解させることが困難になり風味材のはみ出しを充分抑制できなくなり好ましくない。また、焼成後フィリングが硬くなり好ましい食感が得られにくくなる。40重量%を超える場合は、包あん用油脂組成物が軟らかくなりすぎ、包あん用フィリングに包あん適性を付与できなかったり、焼成時に風味材がはみ出したりして外観を損ない好ましくない。
【0023】
油脂組成物は必要に応じて乳化剤を添加しても良い。乳化剤としては蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよび酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチンなどが挙げられる。
【0024】
油脂組成物は、上記の原料、添加物の他に、所望により、色素、抗酸化剤、香料などの油溶性成分、食塩、糖類、粉乳、発酵乳などの水溶性成分を使用することができる。
【0025】
本発明の油脂組成物の製造法は特に限定されないが、従来の可塑性油脂組成物の製造法に準じて製造することができる。常法通り融解した油相に、必要に応じて水相を加え混合攪拌し、パーフェクター、ボテーター、コンビネーターなどで急冷捏和することにより製造することができる。水相を含まない場合は、作業性を改善するために窒素ガスなどの不活性ガスを入れて製造するのが一般的である。この場合、カゼイン類は油相に分散させればよい。油相は、融解した油脂に必要に応じて乳化剤、色素、抗酸化剤、香料等の油溶性成分を添加、溶解/分散させ調製することができる。水相は水又は温水に水溶性の乳成分、必要に応じて食塩、糖類、無機塩類等を添加、溶解/分散させ調製することができる。
【0026】
(フィリング)
本発明の膨化食品包あん用フィリングは、油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相であることを特徴とする。また、可塑性を有することも必要である。可塑性を有しない場合は、包あんしづらくなったり、得られた膨化食品の充分な空洞が充分でなくなってしまう。
包あん用フィリングに含有する油脂は10℃におけるSFCが10〜80且つ20℃におけるSFCが3〜70が好ましく、10℃におけるSFCが15〜75且つ20℃におけるSFCが5〜50が更に好ましく、10℃におけるSFCが20〜70且つ20℃におけるSFCが7〜40が最も好ましい。10℃におけるSFCが80を超えたり20℃におけるSFCが70を超える場合は包あん用フィリングが硬くなりすぎ、包あんしづらくなってしまうため好ましくない。10℃におけるSFCが10未満であったり20℃におけるSFCが3未満の場合は包あん用フィリングが軟らかくなりすぎてしまい、包あんしづらくなってしまうため好ましくない。
【0027】
包あん用フィリングに含有する油脂の融点は15℃〜60℃が好ましく、20℃〜50℃がより好ましく、25℃〜45℃が更に好ましく、28℃〜40℃が更に好ましい。60℃を超える場合は焼成して得られた膨化食品の口どけが悪くなってしまう為好ましくない。15℃未満の場合は包あん用フィリングが軟らかくなりすぎてしまい、包あんしづらくなってしまうため好ましくない。
【0028】
包あん用フィリングに含有する油脂は6〜99重量%が好ましく、9〜98重量%が好ましく、15〜97重量%が更に好ましく、25〜96重量%が最も好ましい。6重量%未満の場合、油脂のボディー剤としての機能が失われやすく、包あんしづらくなったり、膨化食品に充分な空洞を形成させることができなくなるため好ましくない。99重量%を超える場合はカゼイン類の効果を発揮させづらくなってしまう為好ましくない。
【0029】
包あん用フィリングは油脂を連続相とするのが好ましい。包あん用フィリングが油脂を連続相としない場合、包あん適性をもたせる為には油脂の代わりに硬いボディー剤を使用せねばならず、焼成して得られたフィリングは硬いものになってしまうため好ましくない。
【0030】
包あん用フィリングは水分を含有することが好ましくその場合は、油中水型乳化物であることが好ましい。包あん用フィリング中に水分を含有させることで、膨化食品の空洞内に風味材をペースト状に軟らかく焼き残らせやすくなり好ましい食感が得られやすい。包あん用フィリング中の水分は1〜40重量%含有するのが好ましく、3〜35重量%含有するのがより好ましく、5〜30重量%含有するのが更に好ましく、8〜25重量%含有するのが最も好ましい。1重量%未満の場合、得られた膨化食品の空洞内に残存する風味材が硬くなり好ましい食感が得られにくくなる。40重量%を超える場合は、包あん用フィリングが軟らかくなりすぎ、包あん適性を失ったり、焼成時にはみ出したりして外観を損ない好ましくない。
【0031】
本発明の包あん用フィリングに含有するカゼイン類は包あん用フィリング中0.1〜20重量%が好ましく、0.3〜15重量%がより好ましく、0.7〜10重量%が更に好ましく1.2〜7重量%が最も好ましい。0.1重量%未満の場合包あんしたフィリングが焼成時に膨化食品からはみ出してしまう可能性が高くなるため好ましくない。また、20重量%を超える場合はフィリングが硬くなってしまい好ましい食感が得られがたくなるため好ましくない。
【0032】
カゼイン類は粉体であっても、水に溶解分散させても構わないが、水に溶解した状態で効果を発揮する為、予め水に溶解分散させて含有させるのが好ましい。また、溶解性の高いカゼインナトリウムの方がカゼインより好ましい。カゼイン類の溶解に当たっては常法に従い、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウムなどのリン酸塩類やクエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩類などを溶解塩として用いると良い。
【0033】
本発明の包あん用フィリングは風味材を含有することにより、より好ましい膨化食品を得ることができる。風味材を含有させずに使用することもできるが、その場合、膨化食品に空洞を形成させるのみである。風味材は粉体、ペースト、固形、液状のいずれでも構わないがペースト、液状の風味材は多量に混合するとフィリングが軟らかくなりすぎ、包あん適性を失う可能性があるため粉体、固形を使用する方がより好ましい。また、風味材が油溶性の場合、包あん用フィリングのボディーを形成する油脂と共に、焼成時にパン生地にしみこんでしまうため、得られる膨化食品の空洞内に残存させることができないため好ましくなく、風味材は水溶性及び又は難溶性及び又は不溶性である方が好ましい。風味材としては糖類、粉乳類、ココア、コーヒー、抹茶、キャラメル、きな粉、メープルシュガー、黒糖、ナッツ類、果実類などが使用でき単独または複数組み合わせることもできる。また、適宜香料などの副原料を添加することもできる。
【0034】
風味材はショ糖、トレハロース、果糖、ブドウ糖、乳糖、オリゴ糖、デキストリンなどの糖類を1種類又は2種類以上、風味材中5重量%以上含有することが好ましく、15重量%以上含有することが更に好ましく、25重量%以上含有することが最も好ましい。5重量%未満の場合、焼成後にフィリングがペースト状になりづらくなってしまい好ましい食感が得られがたい。
【0035】
包あん用フィリングは必要に応じて乳化剤を添加しても良い。乳化剤としては蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよび酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチンなどが挙げられる。
【0036】
包あん用フィリングは、上記の原料、添加物の他に、所望により、色素、抗酸化剤、香料などの油溶性成分、食塩、糖類、粉乳、発酵乳などの水溶性成分を使用することができる。
【0037】
包あん用フィリングの製造法は特に限定されないが、前記した油脂組成物に風味材を混合して製造するのが好ましい。包あん用フィリングに占める油脂組成物の割合は重量比で0.15以上が好ましく、0.25以上が更に好ましく、0.35以上が最も好ましい。油脂組成物が0.15より少ない場合は包あん時にボディーを充分形成することができず均一に包あんできなくなったり、焼成後に充分な空洞を形成できなくなるため好ましくない。
【0038】
混合する方法についても特に限定されないがミキサーなどで混合すると良い。また、風味材を水相に混合し、従来の可塑性油脂組成物の製造法に準じて製造することもできる。常法通り融解した油相に、必要に応じて水相を加え混合攪拌し、パーフェクター、ボテーター、コンビネーターなどで急冷捏和することにより製造することができる。また、水を含有させない場合は、風味材を油相に分散させ、上記方法に従い急冷捏和して製造しても良い。この場合、作業性を改善するために窒素ガスなどの不活性ガスを入れて製造するのが一般的である。また、カゼイン類も油相に分散させればよい。油相は、融解した油脂に必要に応じて乳化剤、色素、抗酸化剤、香料等の油溶性成分を添加、溶解/分散させ調製することができる。水相は水又は温水に水溶性の乳成分、必要に応じて食塩、糖類、無機塩類等を添加、溶解/分散させ調製することができる。
【0039】
(膨化食品の製造法)
以上のようにして得られた、本発明の包あん用フィリングを澱粉含有生地に包あんし焼成することによって膨化食品を得る。本発明において、包あん用フィリング中の油脂は包あん適性を有するボディー材として機能するばかりか、焼成により融解し生地にしみこむことにより混合した風味材が風味を損なわずに水溶性の場合特に空洞内に残留させる働きをする。また、空洞を形成する効果も有している。包あん用フィリング中のカゼイン類は混合した風味剤が風味を損なわずに水溶性の場合特に膨化食品からはみ出したりし外観を損なうことなく、空洞内にきれいに残留させる働きを有する。更に、フラワーペーストのようにデンプンをボディー材とするフィリングを使用した場合のように硬かったり、ねちゃついたりといった問題のない軟らかいペースト状に残留させる効果も有している。
包あんする方法としては特に限定されず常法に従い包あんすることができる。膨化食品が少量の場合、手作業でも構わないが、大量生産の場合は包あん機を用いて連続生産されるのが普通である。澱粉含有生地と包あん用フィリングの重量比についても特に限定されないが、包あん用フィリングが澱粉含有生地からはみ出さないように包あんする必要がある。はみ出さないように包あんする為には澱粉含有生地に対し重量で2倍量以下にするのが好ましい。また、包あん用フィリングが澱粉含有生地に対して少なすぎる場合、得られる空洞が小さすぎたり、包あん用フィリングに含有させた風味材の風味が弱くなったりする為、澱粉含有生地に対して重量で0.1倍以上にするのが好ましい。
【0040】
本発明の包あん用フィリングを澱粉含有生地に包あんした後、焼成する方法としては特に限定されず、常法に従いオーブンなどで焼成すると良い。また、澱粉含有生地がイーストを含む場合は常法に従い焼成前に発酵工程を取ることも随意である。また、澱粉含有生地が冷凍用である場合、常法に従い冷凍、解凍工程を取ることも随意である。
【0041】
本発明の製造法により得られる膨化食品は空洞を有するものである。この空洞にホイップクリーム等のフィリングを充填することは随意である。包あん用フィリングに風味材を含有させた場合、焼成後に得られた空洞内に包あん用フィリングに含有させた風味材と異なる風味のフィリングを充填すれば、2種類の異なる風味材が2層に分かれて入った膨化食品を得ることができる。空洞内にフィリングを充填する方法としては特に限定されず常法に従い膨化食品に穴を開け、ノズルで注入するなどすると良い。
【実施例】
【0042】
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は特に記載のない限り、いずれも重量基準を意味する。
【0043】
まず、包あん用油脂組成物に使用するための油脂として、ラード60部、パーム油分別硬質部/パーム油が66/34のランダムエステル交換油(融点48℃)10部、パーム油分別軟質部(融点21℃)10部、菜種油20部を混合し、油脂Aを作製した。油脂Aの10℃におけるSFCは42、20℃におけるSFCは23、上昇融点は34℃であった。
【0044】
次に包あん用油脂組成物1〜6を以下のように試作した。
包あん用油脂組成物1
油脂A75部に飽和モノグリセリド(『エマルジーMS』理研ビタミン株式会社製)0.5部、大豆レシチン(『SLPペースト』辻製油株式会社製)0.3部を60℃で混合し、油相を得た。20℃の水20部に食塩0.5部、クエン酸ナトリウム0.3部、カゼインナトリウム4.5部を溶解/分散させ60℃まで昇温し、60℃に保温したまま30分攪拌し水相を得た。油相と水相とを60℃で混合攪拌し予備乳化させ、コンビネーターにより急冷捏和し、可塑性を有する包あん用油脂組成物1を得た。
【0045】
包あん用油脂組成物2
包あん用油脂組成物1において、水を22.2部に、カゼインナトリウムを2.3部に代えた以外は包あん用油脂組成物1に準じて実施し、可塑性を有する包あん用油脂組成物2を得た。
【0046】
包あん用油脂組成物3
包あん用油脂組成物1において、水を23.4部に、カゼインナトリウムを1.1部に代えた以外は包あん用油脂組成物1に準じて実施し、可塑性を有する包あん用油脂組成物3を得た。
【0047】
包あん用油脂組成物4
油脂A96.4部に飽和モノグリセリド(『エマルジーMS』理研ビタミン株式会社製)0.5部、大豆レシチン(『SLPペースト』辻製油株式会社製)0.3部を60℃で混合し、油相を得た。油相に食塩0.5部、クエン酸ナトリウム0.3部、カゼインナトリウム3.0部を加え60℃で混合攪拌し分散させ、コンビネーターにより急冷捏和し、可塑性を有する包あん用油脂組成物4を得た。
【0048】
包あん用油脂組成物5
包あん用油脂組成物1において、油脂Aを79.5部に代え、カゼインナトリウムを抜いた以外は包あん用油脂組成物1に準じて実施し、可塑性を有する包あん用油脂組成物5を得た。
【0049】
包あん用油脂組成物6
包あん用油脂組成物1において、水を22.2部に、カゼインナトリウム2.3部をでん粉2.3部に代えた以外は包あん用油脂組成物1に準じて実施し、可塑性を有する包あん用油脂組成物6を得た。
【0050】
表1に包あん用油脂組成物1〜6の配合を纏めた。
【表1】

【0051】
続いて、上記包あん用油脂組成物1〜6を用いて実験例1〜7、比較実験例1〜5の包あん用フィリングを作製した。
実験例1
50部の包あん用油脂組成物1に砂糖45部、インスタントコーヒーパウダー5部を加え、ケンウッドミキサーを用い、ビーターで均一になるように混合攪拌し可塑性を有する実験例1の包あん用フィリングを得た。
【0052】
実験例2
実験例1において、砂糖を40部に、インスタントコーヒーパウダーを7.5部に代え、脱脂粉乳を2.5部加えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する実験例2の包あん用フィリングを得た。
【0053】
実験例3
実験例1において、砂糖を63部に、インスタントコーヒーパウダーを7部に、包あん用油脂組成物1を30部に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する実験例3の包あん用フィリングを得た。
【0054】
実験例4
実験例1において、砂糖を27部に、インスタントコーヒーパウダーを3部に、包あん用油脂組成物1を70部に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する実験例4の包あん用フィリングを得た。
【0055】
実験例5
実験例1において、50部の包あん用油脂組成物1を50部の包あん用油脂組成物2に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する実験例5の包あん用フィリングを得た。
【0056】
実験例6
実験例1において、50部の包あん用油脂組成物1を50部の包あん用油脂組成物3に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する実験例6の包あん用フィリングを得た。
【0057】
実験例7
実験例1において、50部の包あん用油脂組成物1を38.9部の包あん用油脂組成物4に代え、水11.1部を加えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する実験例7の包あん用フィリングを得た。
【0058】
比較実験例1
実験例1において、50部の包あん用油脂組成物1を50部の包あん用油脂組成物5に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する比較実験例1の包あん用フィリングを得た。
【0059】
比較実験例2
実験例1において、包あん用油脂組成物1を14.0部に、砂糖を70.9部に、インスタントコーヒーパウダーを7.9部に代え、水を7.2部加えた以外は実験例1に準じて実施したところ、可塑性に乏しい比較実験例2の包あん用フィリングを得た。
【0060】
比較実験例3
実験例1において、50部の包あん用油脂組成物1を50部の包あん用油脂組成物4に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する比較実験例3の包あん用フィリングを得た。
【0061】
比較実験例4
実験例1において、砂糖を27部に、インスタントコーヒーパウダーを3部に、包あん用油脂組成物1を30部に代え、水を40部加えた以外は実験例1に準じて実施したところ、軟らかい比較実験例4の包あん用フィリングを得た。
【0062】
比較実験例5
実験例1において、50部の包あん用油脂組成物1を50部の包あん用油脂組成物6に代えた以外は実験例1に準じて実施し、可塑性を有する比較実験例1の包あん用フィリングを得た。
【0063】
表2に実験例1〜7の配合を、表3に比較実験例1〜5の配合を纏めた。
【表2】


【表3】

【0064】
実験例1〜7、比較実験例1〜5を用いて膨化食品を作製、評価した。
【表4】


【表5】

【0065】
実施例1
表4の実施例1の配合において、パンパスLBM(不二製油社製ショートニング)、実験例1の包あん用フィリング以外の原料を表5のミキシング1の条件で練り上げ、パンパスLBMを加えて表5のミキシング2の条件で更に練り上げ澱粉含有生地を作製し、28℃、湿度75%の庫内にて60分間発酵させた後、50gずつに分割し、15分間ベンチタイムをとった。該澱粉含有生地を平板状に延ばし、実験例1の包あん用フィリングを手作業にて包あんした。IFトレー丸型(底部直径8cm、上部直径10cm、高さ3cm)に入れ、38℃、湿度80%の庫内で60分間発酵させた後、上火210℃、下火220℃のオーブンで12分間焼成し実施例1の膨化食品を得た。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しもなく非常に良好な外観であり、きれいな空洞が形成され、空洞内にペースト状のコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは軟らかく、ねちゃつきのない非常に良好な食感であった。
【0066】
実施例2
表4の実施例2の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しもなく非常に良好な外観であり、きれいな空洞が形成され、空洞内にペースト状のコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは軟らかく、ねちゃつきのない非常に良好な食感であった。
【0067】
実施例3
表4の実施例3の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては若干包あん用フィリングが切れやすかったが、包あんに問題なく良好であった。焼成後フィリングのはみ出しもなく非常に良好な外観であり、きれいな空洞が形成され、空洞内にペースト状のコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは軟らかく、ねちゃつきのない非常に良好な食感であった。
【0068】
実施例4
表4の実施例4の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しもなく非常に良好な外観であり、非常にきれいな空洞が形成され、空洞内に若干硬いコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは若干硬いが問題なく、ねちゃつきなく、良好な食感であった。
【0069】
実施例5
表4の実施例5の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しが見られるものが僅かにみられたが、殆どは問題なく良好な外観であり、きれいな空洞が形成され、空洞内にペースト状のコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは軟らかく、ねちゃつきのない非常に良好な食感であった。
【0070】
実施例6
表4の実施例6の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しが見られるものがややみられたが、多くは問題なくやや良好な外観であり、きれいな空洞が形成され、空洞内にペースト状のコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは軟らかく、ねちゃつきのない非常に良好な食感であった。
【0071】
実施例7
表4の実施例7の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しが見られるものが僅かにみられたが、殆どは問題なく良好な外観であり、きれいな空洞が形成され、空洞内にペースト状のコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングは軟らかく、ねちゃつきのない非常に良好な食感であった。
【0072】
実施例8
実施例1で得られた膨化食品の空洞にホイップクリーム『ニューフレッシュフィリング30V』(不二製油社製 商品名)を20g注入/充填し、実施例8の膨化食品を作製した。断面を観察すると空洞内にコーヒー風味フィリングとホイップクリームとがきれいに2層に分かれて存在し、良好な状態であった。食味評価したところ、コーヒー風味フィリングは軟らかく、ねちゃつきもなく、ホイップクリームの食感に合う良好なものであった。
【0073】
比較実施例1
表4の比較実施例1の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。しかしながら焼成後フィリングのはみ出しが殆どの個体において見られ、不良な外観であり、商品価値を著しく失うものであった。
【0074】
比較実施例2
表4の比較実施例2の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては比較実験例2の包あん用フィリングが可塑性に乏しく、包あんしづらく不良であった。
【0075】
比較実施例3
表4の実施例4の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。焼成後フィリングのはみ出しもなく非常に良好な外観であり、非常にきれいな空洞が形成され、空洞内に非常に硬いコーヒー風味のフィリングが残存していた。焼成1日後に試食したところ、フィリングが非常に硬く不良な食感であり、商品価値を著しく失うものであった。
【0076】
比較実施例4
表4の比較実施例4の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては比較実験例4の包あん用フィリングが非常に軟らかく、包あんしづらく不良であった。
【0077】
比較実施例5
表4の比較実施例5の配合において、実施例1と同様な処理を行なった。評価としては包あんしやすく非常に良好であった。しかしながら焼成後フィリングのはみ出しが殆どの個体において見られ、不良な外観であり、商品価値を著しく失うものであった。
【0078】
これらの結果を表6に纏めた。
【表6】

【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は膨化食品の製造方法に関し、該製造法によって得られる膨化食品、該製造法を実施するに適した包あん用フィリング及びその製造法、包あん用油脂組成物に関するものであり、更に詳しくは簡便にフィリングを包あんした膨化食品を製造でき、且つ、包あんしたフィリングがはみ出したりして外観を損なうことなく、食感が硬かったり、ねちゃついたりといった食感の問題を解決できる膨化食品の製造方法である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油脂、カゼイン類を必須成分とし、油相が連続相であることを特徴とする膨化食品包あん用油脂組成物。
【請求項2】
含有する油脂が50〜99重量%である、請求項1記載の膨化食品包あん用油脂組成物。
【請求項3】
含有するカゼイン類が0.3〜20重量%である、請求項1記載の膨化食品包あん用油脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜請求項3何れか1項に記載の油脂組成物に風味材を含有する、包あん用フィリング。
【請求項5】
請求項1〜請求項3何れか1項に記載の油脂組成物を澱粉含有生地に包あんし焼成することを特徴とする膨化食品の製造法。
【請求項6】
請求項4記載の包あん用フィリングを澱粉含有生地に包あんし焼成することを特徴とする膨化食品の製造法。
【請求項7】
請求項5記載の製造法にて得られる空洞を有する膨化食品。
【請求項8】
請求項6記載の製造法にて得られる、空洞を有し、かつ、空洞内に風味材が残留する膨化食品。

【公開番号】特開2008−141976(P2008−141976A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−330432(P2006−330432)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(000236768)不二製油株式会社 (386)
【Fターム(参考)】