説明

膨張させて皮膚の間隔をとる方法

外科的摘出部位に近接する組織の外表面と患者の感受性体組織との間の距離を増加させるための、摘出部位と感受性体組織との間の最小距離の部位へ、液体の蓄積により該感受性体組織が摘出部位から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
外科的摘出部位に近接する組織の外表面と患者の感受性体組織との間の距離を増加させるための、摘出部位と感受性体組織との間の最小距離の部位またはその近傍へ、液体の蓄積により該感受性体組織が摘出部位から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
悪性腫瘍は、可能な限り多くの腫瘍を除去するために、腫瘍の外科的切除によって処置されることが多い。しかし、浸潤を外科的に処置するのが困難または不可能な場合があるので、腫瘍周囲の正常組織への腫瘍細胞の浸潤は、外科的切除の治療的価値を制限する場合がある。切除後に残存する腫瘍縁を標的とすることによって外科的切除を補うために、放射線療法を用いることができるが、その目的は、そのサイズを小さくすることまたはそれを安定化させることである。いくつかの方法の一つによって、または、遠隔照射、定位的放射線手術、および永続的もしくは一時的な細胞内近接照射療法を含む方法の組み合わせによって、放射線療法を施すことができる。本明細書で用いられる用語、「近接照射療法」とは、腫瘍もしくはその他の増殖性の組織疾患部位で、またはその近傍で体に挿入された、空間的に限られた放射性物質によって送達される放射線療法を指す。放射線源が近接することにより、近接照射療法は、標的組織領域へより局所的用量を送達する利点を提供する。
【0003】
放射線源を、処置対象の組織に直接移植することによって、近接照射療法を実行することができる。近接照射療法は従来より125Iや103Pdシードなどの放射性シードを用いて行われる。しかしながら、これらのシードは、空間的に不均質な線量分布を生じる。組織の標的領域全体にわたって最小の処方用量を達成するために、多数の放射性シードを用いる必要があり、それらはその結果(健常組織の近くに放射線壊死を引き起こしうる)シードに近接する領域に送達される高用量となり、かつ比較的不十分な用量の箇所を線源の位置の間にもたらす。
【0004】
ある近接照射療法技術(即ち腔内近接照射療法)では、高用量の放射線に曝露される組織(例えば線源と接触するであろう組織)の量を減らすために、放射線源を周囲組織から分離する機械的な手段が用いられる。そのような近接照射療法の技術の1つは、腫瘤摘出術後の患者のためのバルーン近接照射療法である。現在、バルーン近接照射療法の実施には、以下の組織への過剰曝露を回避するために、外科的摘出部位に近接する組織の外表面(例えば腫瘤摘出腔の縁)と患者の感受性体組織との間に最低限の距離が必要である。
【0005】
従って、近接照射療法の処置の間、皮膚への過剰曝露を回避するために、外科的摘出部位に近接する組織の外表面と患者の皮膚との間に限界距離を生じさせることが望ましい。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明は、外科的摘出部位に近接する組織の外表面と患者の感受性体組織との間の距離を増加させるための装置および方法に関する。以下に限定する訳ではないが、より具体的には、本発明の方法は腫瘍の外科的切除によって残された腔の外表面と患者の皮膚との距離を増加させる方法に関する。
【0007】
本発明の1つの態様において、腫瘍の外科的除去によって生じた腔の外表面と患者の皮膚との距離を増加させるための方法が提示され、そのような方法は腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域に装置を挿入する段階、および腔と患者の皮膚との間の最小距離の部位へ、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積により皮膚が腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む。
【0008】
本発明の別の態様において、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との距離を増加させるための方法が提示され、そのような方法は腫瘍の少なくとも一部分を外科的に除去し、それによって患者の残存組織に腔を生じさせ、該腔内に膨らますことができる処置装置を配置することを含み、処置装置は、カテーテルで注入容器と連結され;皮下に注入容器を埋め込み;患者の体をX線、CT、または他の適切な技術によって画像化することにより注入容器の場所を確認し;注入容器から患者の皮膚までの距離を評価し;腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域に装置を挿入し、ならびに腔と患者の皮膚との間の最小距離の部位に、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積によって皮膚が腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する。
【0009】
本発明の他の多くの目的、特徴、および利点は、本発明の開示内容を添付の図面と組み合わせて読むことにより当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0010】
定義
本明細書において使用されるように、以下の用語は特記しない限りそれらに基づく意味を有するものとする。
【0011】
「生体吸収性、および/または生分解性、および/または生体内分解性」という用語は、動物またはヒトの体内に配置した場合に消滅する、または周囲の体組織へと拡散する組成物を意味する。
【0012】
「生体適合性」という用語は、特定の用途において適切な宿主反応を伴って機能する(例えば生体系に毒性または傷害性の影響を及ぼさない)組成物を意味する。生体適合性は一般に政府の規制基準によって定められる。政府の基準に対して試験されたことのない組成物であっても、動物またはヒトでの使用について試験および承認されれば生体適合性となる。
【0013】
「生体適合性ポリマー」という用語は、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリシアノールアクリレート、メチルメタクリラートポリマー、2-ヒドロキシエチルメタクリラートポリマー、シクロデキストリン、ポリデキストロース、デキストラン、ゼラチン、ポリガラクツロン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、などを含む群より選択される任意のポリマーを意味する(THE MERCK INDEX, 12th ed. 1996, Whitehouse Station, NJ.を参照されたい)。
【0014】
「生体吸収性、および/または生分解性、および/または生体内分解性のポリマー」という用語は、任意のポリマーを意味し、好ましくはD, L-ラクチド、D-ラクチド、L-ラクチド、D, L-乳酸、D-乳酸、L-乳酸、グリコリド、グリコール酸、s-カプロラクトン、s-ヒドロキシヘキサン酸、y-ブチロラクトン、y-ヒドロキシ酪酸、8-バレロラクトン、8-ヒドロキシ吉草酸、ヒドロオキシ酪酸、リンゴ酸からなる群より選択されるモノマー、ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリホスファジン、ポリ酸無水物、ポリエステルアミド、ポリアルキルシアノアクリレート、ならびにそれらの混合物およびコポリマーから合成される。適した生分解性ポリマーの例は、米国特許第5,324,519号、同第4,938,763号、同第5,702,716号、同第5,744,153号、同第5,990,194号、および同第6,773,714号に開示されている。
【0015】
「ゲル」という用語は、ゲル化状態になった場合に現れる半流動ゲル状態および高粘度状態の両方を含む、ゼラチン状、ゼリー状、またはコロイド状の性質を有する組成物を意味する。
【0016】
「ポリマーゲル」という用語は、生体環境内に投与した場合に硬直または促進的に固化するが、該環境下に存在しない状態では液体であり得る任意のポリマー、コポリマー、ブロックコポリマーなどを意味する。
【0017】
「ポリマー溶液」という用語は、水溶液などを意味し、そのような溶液中に含まれる生分解性ポリマーまたはブロックコポリマーに関して用いられる場合、機能しうる濃度でその中で溶解していて、ゲル形成が生じない非ゲル化温度で維持される、ゲル形成ブロックコポリマーを有する水ベースの溶液を意味する。
【0018】
「逆熱ゲル化(reverse thermal gelation)」という用語は、溶液の温度がポリマーのゲル化温度を超えて上昇するために、ポリマーまたはブロックコポリマーの溶液が自発的に粘度を増加させ、多くの場合半流動ゲルへと変化する現象を意味する。
【0019】
「感熱性および/または熱可塑性ポリマーゲル」という用語は、温度によって液体状態またはゲル状態で存在しうる任意のポリマーゲルを意味する。
【0020】
発明の詳細な説明
近接照射療法は、放射線源を体の特定部位に直接移植する技術である。放射性シードまたは放射線源を腫瘍自体の内部またはその近傍に配置し、周囲の健常な組織への放射線曝露を抑えながら腫瘍に高用量の放射線を与える。または、特に、局所的腫瘍再発の制御における改善のために切除腔縁を照射するために、放射線源を、腫瘍切除またはデバルキング後の外科的切除腔に移植することができる。これらの線源は、一時的に、または永続的に移植されていてもよい。近接照射療法の一時的な移植は、標的塊(放射線療法が有益な組織)の全体にわたる、多数の別々の放射線源の挿入を含む。これらの線源は、標的塊を貫くカテーテル中に収められ、所望の放射線量が送達された後(通常3〜6日)に、近接照射療法の線源に沿って取り除かれる。これらの移植は一時的低線量率(temporary Low Dose Rate)(LDR)移植と呼ばれる。永続的前立腺移植のような永続的移植の場合は組織内に残し、長期にわたって放射線を自然崩壊させる。最後に、アプリケーターシステムを標的塊の内部に移植し、短時間にわたって(通常数秒〜数分)放射線源をアプリケーターシステム内に配置する、近接照射療法移植がある。線源の配置は一度または数回行ってもよく、手順は分割高線量率(fractioned High Dose Rate)(HDR)近接照射療法と呼ばれる。近接照射療法を用いる根本的な理由は、これによってできるだけ多くの正常組織を放射線にさらされないようにしつつ、放射線を狭い領域に送達しうるためである。近接照射療法は、例えば前立腺、乳房、肺、食道、子宮頸、子宮、肝臓、頸部、鼻咽頭、脳、脊椎、口腔の腫瘍、ならびに他の軟組織の肉腫のような、多くの異なる種類の腫瘍を処置するために使用することができる。
【0021】
一時的な近接照射療法は以下の2つの方法のうち1つの方法によって送達することができる;マルチカテーテル近接照射療法およびバルーン近接照射療法。マルチカテーテル近接照射療法は、腫瘍内または腫瘍近傍の複数の(最高30までの)カテーテル(チューブ)の移植からなる。配置後、標的領域を処置するために放射性シードを各カテーテルへと送達する。バルーンカテーテル近接照射療法は、初期段階の癌を処置するための腔内バルーン照射装置である。腫瘤摘出術の間、またはその直後に、小さな切開部を通じて単一のバルーンカテーテルを腫瘍の外科的除去によって生じた腔へと挿入する。バルーンが先端についた端部を無菌液で膨張させて腔を満たし、出口部位を手当てする。次に患者を放射線療法に戻し、多くは放射線処置を1日2回、5日間にわたって受ける。標準的なγ線照射は、ワイヤの端部に取り付けられたピンの頭の約2倍ほどの極めて小さな放射性ビーズによって提供される。カテーテルの端部を、放射線源を収容する装置である高線量率アフターローダ(Afterloader)に取り付け、自動的に放射線を体へと送達する。放射線源がアフターローダから出て、膨張したバルーンの中央へカテーテルを滑り込ませて、複数の位置で停止させて様々なレベルの放射線をバルーンの内部から送達する。最終処置セッションの後、バルーンをしぼませ、カテーテルを取り除く。
【0022】
バルーンカテーテル近接照射療法の特に有望な1つの用途は、乳癌の処置におけるものであった(Dowlat K, et al.Early experience with balloon brachytherapy for breast cancer. Arch Surg. 139: 603-608; 2004; Arthur DW. Accelerated Partial Breast Irradiation: A Change in Treatment Paradigm for Early Stage Breast Cancer. J Surg Oncol. 84: 185-191; 2003を参照されたい)。バルーンカテーテル近接照射療法は、乳癌の腫瘤摘出術後の部分的乳房放射線照射の送達を容易にする。バルーンカテーテルを、套管針で作成した別の経路を通じて、または腫瘤摘出の瘢痕を介して外科手術腔へと挿入する。カテーテルのバルーン端部は生理食塩水および造影剤で膨張させ、周囲組織がバルーンに密着するようにし、出口部位を手当てし患者を家に帰す。患者が手術から十分に回復すると(典型的には翌日)、乳房のバルーンのCTおよび処置計画のために放射線の腫瘍専門医に呼ばれる。治療の間、(高線量率[HDR]リモートアフターローダに装着された)192Irシードを短期間(典型的には10分未満)にわたって、膨張させたバルーンへと挿入する。一次放射線療法として用いる場合、5日間にわたって1日に2回処置を施し、所定の放射線量(典型的にはバルーン表面から1.0cmの距離で送達された34Gy)を送達する。遠隔照射を用いたブーストとして使用する場合、典型的な処方は1〜2日間の処置を必要とする。放射線療法が終了した後、バルーンをしぼませ、カテーテルを取り除く。
【0023】
バルーン近接照射療法の処置の間、皮膚組織に対する美容上の悪影響、一時的なおよび/または永続的な毒性を回避するために、バルーン表面と患者の皮膚との間に最低限の距離を維持しなければならない。例えば、乳房腫瘍のためのMammosite(登録商標)(Cytyc Corporation, Marlborough, MA)近接照射療法処置は、腫瘤摘出部位に近接する乳房組織の外表面と患者の皮膚との間の、5mm未満の最小規定距離に対して禁忌を示している。皮膚の拒絶反応の可能性を減少させるために、皮膚とバルーン表面との間に可能な限り大きな距離を維持することが望ましい。
【0024】
感受性組織(例えば上の例では皮膚)の回避は皮膚に限定されず、近接照射療法の移植部位に近接しうる様々な放射線感受性の正常組織に適用されうる。
【0025】
放射線源と患者の感受性組織との間の距離を増加させることを目的とした多数の機械装置があるが、しかしそのような装置は、非常に複雑および/または非常に高価であることが知られている。従って、バルーン表面と患者の感受性組織との間に限界距離を生じさせる、低価格の複雑でないシステムを作製することが望ましいであろう。
【0026】
従って、本発明の方法は、外科的摘出部位に近接した組織の外表面と患者の感受性体組織との間の距離を増加させるためのシステムを提供することに関する。
【0027】
一般に、本発明の外科的摘出部位は、腫瘍切除後に残された腔を含むが、これに限定されない。本明細書において使用されるように、「腫瘍」(「過剰増殖性」および「新生物性」という用語とも互換的に使用される)という用語は、自律増殖能を有する細胞、即ち、急速に増加する細胞増殖によって特徴付けられる、異常な状態または状況を指す。癌性疾患の状態は、病理学的なものとして、即ち、疾患状態を特徴付けるもしくは構成するもの、例えば悪性腫瘍増殖として分類することができる、または、非病理学的なものとして、即ち、正常なものからは逸脱するが、疾患状態とは関連しないもの、例えば嚢胞として分類することができる。本用語は、組織病理学的種類または侵襲性の段階と関係なく、全ての種類の癌の成長または腫瘍形成の過程、転移性の組織、または悪性に癌化した細胞、組織、もしくは器官を含むことを意図する。「癌」という用語は、肺、乳房、甲状腺、リンパ、胃腸、および尿生殖管を冒すもののような、様々な器官系の悪性疾患、ならびに、ほとんどの結腸癌、腎細胞癌腫、前立腺癌および/または睾丸の腫瘍、肺の非小細胞癌、小腸の癌および食道の癌のような悪性疾患を含む腺癌を含む。
【0028】
「癌腫」という用語は、当技術分野において認識されており、呼吸器系癌腫、胃腸系癌腫、泌尿生殖器系癌腫、睾丸癌腫、乳癌腫、前立腺癌腫、内分泌系癌腫、および黒色腫を含む上皮組織または内分泌組織の悪性疾患を指す。「癌腫」という用語は、例えば癌性組織および肉腫性の組織から構成される悪性腫瘍を含む癌肉腫をも含む。「腺癌」は、腺の組織に由来する、または腫瘍細胞が、確認できる腺構造を形成しているような癌腫を指す。「肉腫」という用語は、当技術分野において認識されており、間葉由来の悪性腫瘍を指す。本方法は、非小細胞、扁平上皮、肝臓、腎臓、副腎、胃、食道、口腔、および粘膜の腫瘍、黒色腫(メラニン欠乏の亜型を含む)、眼腫瘍(網膜芽細胞腫)、筋肉の癌腫(横紋筋肉腫)、子宮内膜の腫瘍、膀胱癌、膵臓癌、肉腫、および睾丸癌に対して用いることもでき、ならびに、神経芽細胞腫のような中枢神経系の腫瘍、および脳腫瘍、および骨原性のユーイング肉腫のような骨の腫瘍に対して用いることもできる。本発明の例示的な腫瘍には、子宮頸、肺、前立腺、乳房、頭部および頸部、結腸および卵巣の組織から形成されるものを含む。
【0029】
本発明の目的のために、感受性組織は上皮、粘膜、および骨盤、腹部、胸部、および甲状腺領域の組織を含む。より具体的には、本発明は膵臓、腎臓、心臓、脳、結腸、肝臓、肺、食道、卵巣、子宮、子宮頸、膀胱、ならびに胃腸管(例えば胃、腸、および結腸)、免疫系、造血系(例えば骨髄)、および骨の組織を保護するために用いることができる。
【0030】
本発明の1つの態様において、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の距離を増加させる方法が提示され、そのような方法は、装置を、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域へと挿入する段階、および腔と患者の皮膚との間の最小距離の部位で、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積によって皮膚が腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む。
【0031】
本発明の別の態様において、腫瘤摘出の外表面と患者の皮膚との間の距離を増加させるための方法が提示され、そのような方法は、腫瘤摘出術によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域へ装置を挿入する段階、および腔と患者の皮膚との間の最小距離の部位へ、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積によって皮膚が腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む。
【0032】
本発明のさらに別の態様において、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の距離を増加させるための方法が提示され、そのような方法は、腫瘍の少なくとも一部を外科的に除去し、それによって患者の残存組織に腔を生じさせる段階、膨らますことができる処置装置を腔に配置する段階、該処置装置をカテーテルによって注入容器に連結する段階;注入容器を皮下に移植し、患者の体を画像化することによって注入容器の場所を確認する段階;注入容器から患者の皮膚までの距離を評価する段階;腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域へ装置を挿入する段階、および腔と患者の皮膚との間の最小距離の部位に、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積によって皮膚が腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む。
【0033】
本発明の1つの態様において、本発明の方法は、腫瘤摘出腔と乳房の皮膚との間の最小距離の部位に、腔と乳房の皮膚との間に限界距離が得られるように溶液の蓄積によって皮膚が腔から離れて膨らむまで、生体吸収性ポリマーで構成される溶液を注入することに関する。一旦皮下に注入されると、ポリマー溶液はゲル転移形成を経て、乳房でその部位に形成した水腫を形成する。ポリマー溶液は、適切な非プロトン性極性溶媒と組み合わせた生分解性熱可塑性ポリマーまたはコポリマーで構成されていてもよい。生分解性熱可塑性ポリマーまたはコポリマーは実質的に水および体液に不溶性であり、動物の体内において生体適合性、ならびに生分解性および/または生体分解性である。組成物は生体適合性であり、ポリマーマトリックスは注入部位で実質的な組織への放射線照射または壊死を引き起こさない。
【0034】
図1は、患者の乳房30に溶液20を皮下注入する皮下注入針10を図示している。溶液の注入は、腫瘤摘出腔と乳房の皮膚との間の最小距離の部位に、溶液を蓄積させて皮膚を腔から離して膨らませる水腫40を形成させ、腔と乳房の皮膚との間に限界距離50が得られるまで行われる。
【0035】
一般に最小限界距離は、近接照射療法の処置の間の感受性組織に対する毒性を回避するための、外科的摘出部位に近接した組織の外表面と患者の感受性体組織との間の最小必要距離として定義される。好ましくは、最小限界距離は5ミリメートルよりも大きい。
【0036】
一般に、ポリマー溶液は、患者(例えばヒト)への注入に適した液体またはゲルでありうる。本明細書で用いられるように「溶液」という用語は、媒体(例えば注射器)を介して患者の体に注入されるポリマーの性能を意味する。例えば、注射器を用いて、患者の皮膚の下に組成物を注入することができる。患者に注入される溶液の性能は、典型的には溶液の粘度に依存する。従って溶液は適切な粘度を有し、媒体(例えば注射器)を介して溶液を患者の体へと送り込むことができる。一旦体内に入ると、溶液は固体へと凝固する。溶液の1つの種類は、体液分散溶媒に溶解した非反応性の熱可塑性ポリマーまたはコポリマーを含む。このポリマー溶液は体内に配置され、溶媒が周囲の体組織へと散逸または拡散したとたんにポリマーが硬直または促進的に固化する。
【0037】
熱可塑性ポリマーが水性媒質または体液中で少なくとも実質的に不溶性であるという条件で、任意の適した熱可塑性ポリマーを用いることができる。ゲル化温度未満に冷却した場合、ゲルは自然により低粘度の溶液を再編成するように逆戻りする。溶液/ゲルの転移は、ポリマー系の化学組成物における任意の変化を含まないため、溶液とゲルとの間の循環を繰り返してもよい。ゲルを生じる全ての相互作用は、性質上物理的なものであり、共有結合の形成または切断を含まない。
【0038】
組成物は、皮下の空間を、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の距離を増加させるための組成物で部分的または完全に満たすのに有用である。必須ではないが、組成物が生体吸収性であることが好ましい。生体吸収性である組成物の場合、組成物の全体は、生体吸収性であるため、ポリマー、溶媒、およびゲル転移後に生成するゲルを含む。これらの生分解性ポリマーは、水性環境または生理的環境における酵素的または非酵素的な加水分解によって次第に分解する。分解産物はポリエチレングリコール、乳酸、およびグリコール酸である。これらの化合物は比較的無害であり、生体系によって容易に排出または吸収されうる。任意の添加物も同様に生体吸収性でなければならない。生体吸収性の組成物も非毒性であるべきであり、ポリマー、溶媒、生成ゲル、および任意の添加物もまた非毒性であることもまた含む。
【0039】
または、患者に注入された溶液のゲル転移は、インサイチューでのゲル組成物の架橋によって起こる。そのような架橋可能なゲル組成物は、架橋可能なフリーラジカル、またはカチオン性/アニオン性の架橋可能な成分を含みうる。例えば、ゲル組成物は、シアノアクリレートまたはFocalGel(商標)を含むことができる。架橋反応は化学反応、温度変化、またはエネルギーの適用(例えば光)によって活性化することができる。例えば架橋は、放射線、磁力、マイクロ波、超音波、紫外線、高周波、可視光線、および熱からなる群より選択されるエネルギー源の適用によって活性化することができる。これらのエネルギー源は、患者に投与する直前にポリマーまたは組成物に適用することができ、または組成物の投与の間、またはその直後に適用することができる。エネルギー源は、適用されるエネルギーに対して標準的な供給源に由来する。
【0040】
通常、組成物は患者への送達前は液体であり、組成物送達の約30分のうちに標的組織内部でゲル転移を起こす。ゲル転移時間は、約0〜2分、約2〜5分、約6〜10分、約11〜15分、約16〜20分、約21〜25分、または約26〜30分の範囲でありうる。ゲルはゆっくりと転移し始め、ポリマーがゲル化工程を開始させる状態に曝された数秒後にゲル化工程を開始するが、ゲル化は即座には完了しない。送達は液体形状、またはわずかに粘性形状(即ちゲル化が起こり始めた時)のポリマーを用いて促進される。ゲル転移は、最初のゲル組成物の患者への送達後約1分程度の早さで開始しうる。好ましくは、ゲル転移は、最初のゲル組成物のアリコートが送達されるまで開始しない。または、送達がわずかにまたは少し粘性のポリマーを用いて促進される場合、ゲル転移は全てまたは一部が送達される前より早く開始するが、ポリマーはまだ送達しうるのに十分な粘度である。従って、組成物の最初の送達が標的組織へと注入される時間を有した後に、ゲル組成物がゲル転移を起こすのが好ましい。ゲル組成物を液体のまま維持するのに必要な時間は、例えばゲル組成物の流速、ゲル転移が開始した後のゲル化速度、ゲル転移の原因、カテーテルへの送達用具の差し込みの深さ、送達用具の内腔のサイズ、およびゲルを送達する施術者の熟練度などのようなパラメータによって変化する。
【0041】
注射器または他の注入装置は直接液体を標的組織(例えば乳房)へと注入してもよく、または送達用具に取り付けられている場合、注射器は液体を用具の送達内腔へと注入してもよい。ゲルの投与に適した量を提供するために、ならびに一旦患者内に入ってから(であって前ではない)のゲル化を確実にするために、温度感受性ポリマーのための適切な調製物によって液体ポリマーをゲル化温度未満に冷却してもよい。例えば、投与する前にポリマーを氷上に置く、または冷蔵することによって冷却してもよい。さらに、投与用具を冷却してもよく、および/または注射部位自体を氷で冷やす、または皮膚の温度を下げる冷却布で包んでもよい。投与されると、体が加温供給源を提供し、ゲル化が可能となる。ゲル化が起こる前にポリマーが管状構造に侵入する機会を最大にするために、温度感受性でないが、投与直前に制御しうる他の変化に反応するポリマーに対しては他の方法がとられる。
【0042】
ゲル転移が起こる前に過度の時間が経過してしまった場合、処置によって溶媒が拡散し、および/または液体ポリマーと共に組織内の状態を、任意の最適なゲル転移、または最終的なゲルの硬さを変化させるポイントへ変化させるリスクにさらすことになる。さらに、ゲル組成物の患者への送達は近接照射療法の処置の実施を目的とするため、ゲル転移が完了する前の最適期間は、およそ最大で30分間である。同様に、ゲル転移前に過度の時間が経過した場合、溶液に添加される任意の添加物は周囲組織に拡散し、意図された目的の有効性を失う。例えば添加物がゲル内で検出しうるものである場合、およびゲルの場所を確認するのに必要である場合、もしその添加物が、ゲル転移が起こる前に周囲組織へ拡散する可能性があるとしたら、その添加物の有効性は大きく低下する。
【0043】
さらに、一旦ゲル転移を起こすとより液状でなくなり、より粘性を増すという前提で、ゲルを様々な硬さへと硬化させることができる。従ってゲルは、例えば周囲組織よりも硬くない、周囲の組織とほぼ同じ硬さ、周囲組織よりも多少硬直しているもしくは硬い、または周囲組織よりもずっと硬直しているもしくは硬い。主な目的は、患者に不快感を与えずに、外科的摘出部位に近接した組織の外表面と患者の感受性体組織との間の必要な限界距離を生じさせる、十分な硬さを有する、患者の組織内のゲルで満たされた嚢を提供することである。ゲルの硬さはより絶対的観点からであってあまり相対的でない観点から考えられ、実質的に粘性のゲルは本発明のために機能し、ならびにずっと硬いゲルも機能しうる。
【0044】
ゲル転移後の標的組織におけるゲル組成物は、周囲組織から区別されうる。ゲル転移を起こした組成物は、それを組織と区別しうる任意の要素、またはそれら要素の任意数もしくは組み合わせによって区別することができる。ゲルは、無色である可能性があるが、しかし例えば硬化される、および患者の組織内で硬化することによって、ゲルと周囲組織の異なる密度および抗張力によりゲルを周囲組織から区別することができる。従って、ゲルの硬さのみによって、施術者はゲルを見つけることができる。
【0045】
患者組織内のゲルを組織から区別可能にする他の手法は、ゲルに周囲組織と異なる色であって、肉眼で認識できるかまたは特殊光によって認識できる色を含ませることを含む。例えばゲルは、患者組織への送達前にゲル組成物に添加することができる、ピンク色、緑色、青色、黄色、紫色、または色素として入手可能な任意の他の色でありうる。ゲルを組織から区別可能にする他の手法は、非視覚的な方法で検出することができる添加物をゲルに入れることを含む。そのような非視覚的な方法は、例えば、周囲組織には存在しない、ゲル内の特定の添加物を感知することができる特別なセンサーによる検出を含む。従って、ポリマー溶液が患者組織に送達されてゲル転移が起こると、添加物に適したセンサーを用いて、そのような添加物を有するポリマー溶液を「読み取る」および検出することができる。
【0046】
ポリマー溶液が非常にわずかな添加物を有する、または添加物を含まない、ならびにゲルを検出するために硬化剤のみを使用することも可能だが、患者組織内のゲルの検出を助けるために、少なくとも1つの、そうでない場合は複数の他の添加物を組成物に添加することが多いであろう。添加物は、そのような添加物の存在を感知する、ならびに添加物を有する物質を検出することができ、かつそのような物質を、特定の添加物を含まない他の物質と区別することができる特別なセンサーもしくは機器または他の手法によって検出することができる。添加物は、例えば生体適合性の市販の任意の蛍光剤を含む蛍光剤でありうる。いくつかの例示的な蛍光剤には、例えばフルオレセイン、ローダミン、またはインドシアニングリーンが含まれるが、その他にもあり、オレゴン州、ユージーンのMolecular Probes、ウィスコンシン州、マディソンのPromega Corp.のような会社、および生物医学的科学研究目的の試薬を供給する他の会社から入手可能である。乳管内のゲルでの使用に適合しうる他の蛍光色素には、緑色蛍光タンパク質(GFP)または青色蛍光タンパク質(BFP)が含まれる。
【0047】
添加物は、例えばX線造影剤、放射性核種、強磁性物質、断層撮影で反射する物質、サーモグラフィーで反射する物質、インピーダンス変化分子、放射性物質、および赤外線センサーによって検出可能な物質を含むその他の方法で検出可能な物質でありうる。赤外線センサーによって検出可能な物質は、HotHands/Johnston Sales Co., Little Rock, Ark. (電話501-661-1199)から入手できる。
【0048】
ゲル充填した管を検出可能にするために複数の添加物を使用することができ、その工程において各添加物は恐らくわずかに異なる目的を果たす。例えば、ゲルを肉眼で、または特殊光(例えばUV光)によって肉眼で認識できる添加物を使用することができ、施術者が管のゲルがどこにあるか、およびどれぐらいの溶液を患者に注入したか一目で分かる。しかし、外科的摘出部位に近接する組織の外表面と患者の感受性体組織との間の距離の増加を正確に決定するために別の添加物を添加することもできる。
【0049】
検出または同定用添加物に加えて、例えば治療用添加物を含む、乳房内の管をマッピングするための添加物をゲル内に入れてもよい。治療用添加物は、例えば疼痛管理、または手術もしくは放射線処理後の回復を助けるための添加物であってもよい。添加物は生分解性ゲル内に保持されてもよく、またはゲルマトリックスおよびゲル転移化学によってゲルから周囲組織へ浸透することが可能となってもよい。患者に快適さを提供するために、例えば、リドカインまたは他の局所麻酔薬をポリマー溶液に組み入れてもよい。同様に、有害な放射線から患者の感受性組織をさらに保護するために、添加物をゲル組成物に添加してもよい。例えば、有害な放射線を患者の感受性組織から効率的に吸収する、またはそらす、有機組成物(例えばタンパク質)および/または無機組成物(例えば金属)のような保護性添加物を、ポリマー溶液内に懸濁することができる。そのような保護性添加物の添加もまた、最小限界距離に直接影響を与えうる。
【0050】
一般に、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の距離を増加させるための、皮下空間を部分的にまたは完全に満たす有用なポリマー組成物は生体吸収性である。組成物が生体吸収性である場合、ポリマー、溶媒、およびゲル転移後に生成したゲル、ならびに任意の添加物を含む、組成物全体が生体吸収性である。ゲル組成物が患者組織に吸収される期間は重要である。患者の放射線療法が終了するまで、ゲル組成物が周囲組織に実質的に吸収されないことが好ましい。ゆえに、本発明の好ましい態様において、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の患者組織への、ポリマー溶液の注射または注入によって形成されたゲル組成物は、注入後少なくとも1週間、好ましくは最低2〜3週間は実質的に周囲組織に吸収されない。生成したゲル組成物は生体吸収性であることが好ましいが、特定のゲルは生体吸収性でないか、または長期間かけてのみ生体吸収性になりうることが認められている。そのように、非吸収性ゲルを外科的処置によって患者から除去することが必要となる場合がある。
【0051】
本明細書に引用されたすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願それぞれが明確かつ個々に示されて参照により組み入れられているのと同様に、本明細書に参照により組み入れられている。上記の発明は、明確に理解できるように説明および例示を用いてやや詳細に記載されているが、本発明が示す内容を基に添付の請求項の範囲の精神および範囲を逸脱することなく特定の変更や改変を加えうることは、当業者であれば容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】腫瘍の外科的除去によって残された腔の外縁と患者の皮膚との間に限界距離を生じさせるための、溶液の皮下注入を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的摘出部位に近接した組織の外表面と感受性体組織との間の距離を増加させるための方法であって、
該組織の外表面と該感受性体組織との間の最小距離の部位またはその近傍に、液体の蓄積により該感受性体組織が該組織の外表面から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階を含む、方法。
【請求項2】
感受性体組織が皮膚である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
外科的摘出部位が腫瘤摘出腔である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
溶液がゲル転移を起こしうるポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ポリマーが生体吸収性である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
溶液がゲルの検出を助けるための添加物をさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
溶液が麻酔薬を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
以下の段階を含む、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の距離を増加させるための方法:
(a)腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域に装置を挿入する段階、および
(b)該腔と該患者の皮膚との間の最小距離の部位またはその近傍に、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積により皮膚が該腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階。
【請求項9】
限界距離が5ミリメートルよりも大きい、請求項8記載の方法。
【請求項10】
腫瘍が乳房腫瘍である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
溶液が、ゲル転移を起こしうるポリマーを含む、請求項8記載の方法。
【請求項12】
ポリマーが生体吸収性である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
溶液が、ゲルの検出を助けるための添加物をさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
溶液が麻酔薬を含む、請求項8記載の方法。
【請求項15】
以下の段階を含む、腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の距離を増加させるための方法:
(a)腫瘍の少なくとも一部を外科的に除去し、それによって患者の残存組織に腔が生じさせる段階;
(b)膨らますことができる処置装置を該腔に配置し、該処置装置をカテーテルによって注入容器と連結する段階;
(c)該注入容器を皮下に移植する段階;
(d)患者の体を画像化することによって該注入容器の場所を確認する段階;
(e)該注入容器から患者の皮膚までの距離を評価する段階;
(f)腫瘍の外科的除去によって残された腔と患者の皮膚との間の皮下領域に装置を挿入する段階;および
(g)該腔と該患者の皮膚との間の最小距離の部位に、腔と患者の皮膚との間に限界距離が得られるように液体の蓄積により皮膚が該腔から離れて膨らむまで、溶液を注入する段階。
【請求項16】
膨らますことができる処置装置が、バルーン近接照射療法のカテーテルである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
溶液が、ゲル転移を起こしうるポリマーを含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
ポリマーが生体吸収性である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
溶液が、ゲルの検出を助けるための添加物をさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
溶液が麻酔薬を含む、請求項15記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−504269(P2009−504269A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526217(P2008−526217)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/031302
【国際公開番号】WO2007/019578
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(506002993)サイティック コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】