説明

膨張したシリコーン組成物、並びにその調製方法及びそれを含む製品

【課題】膨張した架橋シリコーンポリマー網状組成物の提供。詳細には、シリコーンポリマー網状組成物と直鎖状有機シロキサンとのユニークな組合せを含んでなり、望ましい粘性及び固形含量を有する、膨張した架橋シリコーンポリマー網状組成物。
【解決手段】a)反応生成物MviM”viD”viT”と、b)膨張量のアルキルトリシロキサン(前記反応生成物が前記アルキルトリシロキサンによって膨張する第1シリコーン組成物を形成し、前記第1シリコーン組成物が、前記反応生成物及びアルキルトリシロキサン以外の直鎖状シリコーン液を含んでなる第2シリコーン組成物に存在する固形含量より低い固形含量を有し、それにより、第2シリコーン組成物と第1シリコーン組成物が同等の粘度を有する)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)本特許出願は、2005年11月15日に出願の米国特許出願第11/274450号の一部継続出願であって、35U.S.C.§120に従い、その優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)本発明は膨張したシリコーンポリマー組成物、並びにその方法及びそれを使用したパーソナルケア用調製物に関する。
【背景技術】
【0003】
パーソナルケア産業は、性能及び適合性プロフィールを有する各成分と共に、幾つかの成分の混合物を主成分とした多くの性能を有する製品を供給している。そのような成分を使用することにより、特定の最終製品に対して重要若しくは望ましい特性を付与することができる。1つの望ましい特性は、絹の感触を提供する能力である。この特性は製剤への環状シロキサンの使用に由来する。絹の感触に加えて、シリコーンゲル類において使用する環状シロキサンに使用により、同時に高い粘性を製品に付与することができ、それは様々な製品にとって望ましいと考えられる。環状シロキサンが所望の感触特徴を提供するにもかかわらず、それらは低い粘性を有する(非常に流動可能な液体である)。すなわち、それらは製剤中で維持させるのが困難であり、特定の用途で使われる場合、むしろ分離し、所定の容器から流出するか、又は皮膚を伝って流れる性質を有する。更に望ましい特性としては、絹のような触感、滑らかで速乾性の、残余感の少ない特性、並びに低い移動性などが挙げられる。
【0004】
環状シロキサンはそれらの性能及び適合性プロフィールに関して限界を有する。上記の様々な望ましい特性を有する、所望の性能及び/又は適合性プロフィールを得ることは、環状シロキサンを用いた場合、決して容易ではない。特定の用途では、環状シロキサンを用いても達成できない、様々な性能及び/又は適合性プロフィールが必要となる場合もある。
【0005】
特定の性能及び/又は適合性プロフィールを提供することに加えて、環状シロキサンはシリコーンポリマーの有効な膨張を提供する。環状シロキサンに加えて、直鎖状シロキサン液を用いることによりシリコーンポリマーを膨張させ、様々な性能及び/又は適合性プロフィールが提供され、様々なエンドユーズにおいて、環状シロキサンは有用である。これらの直鎖状シロキサン液は、平衡プロセスを介して調製され、分子量の一定の分布を有する。残念なことに今まで、直鎖状シロキサンの使用は、所望の粘度を得るためには非常に高濃度のシリコーンポリマー(固体)の使用を必要とし、それは環状シロキサンの使用により可能であった。しかしながら多量の固体を使用することは処理及びコストにとり有利ではない。加えて、多量の固体を使用することにより、皮膚上で調製物の「ダマ」が形成されることもあり、それにより触感が悪化する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の発明者らは鋭意研究の結果、1つの具体的実施形態として、膨張した架橋シリコーンポリマー網状組成物を見出すに至った。この膨張した架橋シリコーンポリマー網状組成物は、シリコーンポリマー網状組成物と直鎖状有機シロキサンとのユニークな組合せを含んでなり、望ましい粘性及び固形含量を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち一実施形態では、以下を含んでなる第1の膨張した架橋シリコーンポリマー網状組成物の提供に関する。
a)反応生成物MviM”viD”viT”
(式中、M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
vi=RSiO1/2
M”=R10R’SiO1/2
=R1112SiO1/2
D=R1314SiO2/2
=R15HSiO2/2
vi=R1617SiO2/2
D”=R18R’SiO2/2
=R19SiO2/2
T=R20SiO3/2
=HSiO3/2
vi=R21SiO3/2
T”=R’SiO3/2
=RSiO3/2及び
Q=SiO4/2であり、
、R、R、R13、R14及びR20は独立に、1〜約60の炭素原子数、好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R、R及びR15は独立に、約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基又は水素であり、Rは2〜約10の炭素原子数、より好適には2〜約8の炭素原子数、最も好適には約2〜約6の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R及びRは独立に、約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R16は、2〜約10の炭素原子、より好適には2〜約8の炭素原子、最も好適には約2〜約6の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R17は約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R21は2〜約10の炭素原子、より好適には2〜約8の炭素原子、最も好適には約2〜約6の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R、R10、R18は独立に、約1〜60の炭素原子数の、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であるか、又はR’であり、各R’は独立に、1〜約60の炭素原子、より好適には1〜約30の炭素原子、最も好適には1〜約20の炭素原子を有する一価のアルコキシ基であり、任意に2つ以上のアルコキシ基(限定されないが例えば少なくとも2又は3つのアルコキシ基)を含んでなり、R11、R12、R19は独立に、1〜約200の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であるか、又はRであり、各Rは独立に、1〜約200の炭素原子数、より好適には1〜約100の炭素原子数、最も好適には1〜約50の炭素原子数の一価のエーテル基であり、1つ以上のエーテル部分(任意にHで終了されてもよい)を含み、化学量論を示す下付文字a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、L、m、n、o及びpはゼロ又は正の数であり、但し、a+b+c+d+e>1、b+g+L≧1及びc+h+m≧1であり、及び/又は反応生成物はまた、任意に約1〜約2000の炭素原子数、より好適には1〜約10の炭素原子数、最も好適には約1〜約8の炭素原子数のアルケニル樹脂(限定されないが例えばポリブタジエン)との反応を含んでなり、但し反応生成物はポリエーテル架橋を含むポリマーを含まない)と、
b)膨張量のアルキルトリシロキサン
(前記反応生成物が前記アルキルトリシロキサンによって膨張する第1シリコーン組成物を形成し、前記第1シリコーン組成物が、前記反応生成物及びアルキルトリシロキサン以外の直鎖状シリコーン液を含んでなる第2シリコーン組成物に存在する固形含量より低い固形含量を有し、それにより、第2シリコーン組成物と第1シリコーン組成物が同等の粘度を有する)。
【0008】
他の実施形態はまた、前記第1シリコーン組成物の調製方法の提供に関し、当該方法は、前記反応生成物(a)(任意に1〜約12の炭素原子数のアルケニル樹脂との反応を含み、反応生成物(a)がポリエーテル架橋を含むポリマーとならない)と、前記膨張量のアルキルトリシロキサン(b)とを混合することを含んでなる。
【0009】
他の実施形態はまた、前記第1シリコーン組成物の調製方法の提供に関し、当該方法は、後述する反応生成物(a’)(任意に1〜約12の炭素原子数のアルケニル樹脂との反応を含む)と、前記膨張量のアルキルトリシロキサン(b)とを混合することを含んでなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明者らは鋭意研究の結果、一実施形態として、低い固形物含量を有する第1の膨張した架橋シリコーンポリマー網状組成物(第1シリコーン組成物)が、アルキルトリシロキサンを用いて反応生成物(a)又は(a’)を膨張させることにより調製できることを発見した。詳細には、反応生成物(a)又は(a’)は任意にアルケニル樹脂と反応させてもよく、なお、反応生成物(a’)は後述する。
【0011】
本発明では、トリシロキサンの用語は、具体的なトリシロキサンのことを指す場合もあり、また集合的にテトラシロキサン、ペンタシロキサンなどの、高分子量を有する公知の高いD繰り返し単位を有する直鎖状シロキサン、又は低分子量の公知の直鎖状シロキサン(例えばジシロキサン)を指す場合もある。かかる高分子量若しくは低分子量の直鎖状シロキサンは本願明細書で定義されるように、一定の粘性の現象学的な特性及びパラメータ又は容積が基準を満たす限り累積的に使用されてもよい。
【0012】
本発明の用語「ポリ有機シロキサン」及び「有機ポリシロキサン」は同義的に用いられる。
【0013】
用語「センチストーク」は、本発明では25℃における数値であることに留意すべきである。
【0014】
本願明細書に記載の全ての具体的な数値範囲は、その間の全ての部分範囲を包含することに留意すべきである。
【0015】
一実施形態では、数に関する「約…〜」及び「〜約…」の用語はそれぞれ、「整数の約…〜」及び「〜整数の約…」を包含することに留意すべきである。
【0016】
全ての%範囲は、特に明記しない限り、第1シリコーン組成物の合計重量に対する重量%であることに留意すべきである。
【0017】
本発明の用語「反応生成物(a)」又は「反応生成物(a’)」とは、相互に連結したポリシロキサンチェーンを含んでなる、3次元的に伸長した構造を意味する。一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は、架橋反応生成物(a)又は(a’)が生成する結果として存在する反応生成物(a)の割れ目の中に少なくとも1つの液成分を含む。本願明細書において用語「割れ目」は、反応生成物(a)又は(a’)に関して、反応生成物(a)又は(a’)の中で空間(すなわち反応生成物(a)又は(a’)のポリシロキサン鎖のすきま)を意味する用語として使用する。
【0018】
一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は、前記液成分に不溶性であるが、前記液成分によって膨張できる架橋シリコーンポリマー網状構造である。反応生成物(a)又は(a’)に存在する架橋の量は、液成分中の反応生成物(a)又は(a’)により示される膨張の程度に関して特徴づけられうる。一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)の架橋構造は、反応生成物(a)又は(a’)が低分子量のシリコーン液によって膨張できるのに効果的なものであり、より詳しくは、その最初の体積に対して約1.01〜約5000倍、より好適には約2〜約1000倍、最も好適には約5〜約500倍の体積まで膨張するものである。他の具体的実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)の最初の体積は、例えば、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物に存在する全ての液成分を抽出若しくは蒸発させ、最初の体積(すなわち液成分がない場合の反応生成物(a)又は(a’)の量)を残すことにより測定できる。
【0019】
他の具体的実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は、膨張性架橋シリコーンポリマー網状構造ゲル(より詳しくは上記の体積に膨張できる膨張性架橋シリコーンポリマー網状構造ゲル)である。本願明細書に記載の全てのゲルがエポキシ官能性有機シロキサンの重合の後に形成され、ポリエーテルシロキサン共重合体ネットワークを形成することに留意すべきであり、それは当業者に公知であり、米国特許第6531540号に記載されている(その全内容を本発明に援用する)。一実施形態では、2005年11月15日に出願の米国特許出願第11/274450号の全開示内容を本発明に援用する。
【0020】
一実施形態では、固体は通常、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物の液成分によって膨張するあらゆる粒子として定義することができる。一実施形態では、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物の液成分によって膨張した粒子は、反応生成物(a)又は(a’)の粒子である。他の実施形態では、上記したように、特定の用途では第2シリコーン組成物より低い固体含量の第1シリコーン組成物を必要とし、その一方で、所望の粘性を更に維持する。一実施形態では、固形含量は、第1シリコーン組成物からの全ての液成分の蒸発又は抽出により測定され、第1シリコーン組成物の合計重量に対する重量%として記載する。一実施形態では、固形物含量は、同量の反応生成物(a)又は(a’)及びアルキルトリシロキサン以外の直鎖状シリコーン液(及び/又は他の膨張用液)を含んでなる第2シリコーン組成物のそれより低い固形含量であってもよい。一実施形態では、固体レベルは、150℃でオーブンの加熱によって、液成分の蒸発で測定することができる。
【0021】
本明細書で用いられる所望の粘性は、本願明細書に記載されている第1シリコーン組成物のアプリケーションによって、非常に変化できる。1つの具体的実施形態において、本願明細書に記載されているにつれて、第1シリコーン組成物がパーソナルケア用調製物において、用いられることが可能である。パーソナルケア用調製物は、特定のパーソナルケア用調製物にとって望ましいいかなる粘性も有することもできる。
【0022】
本発明の架橋密度は、ポリシロキサン鎖間の架橋結合の程度を定義するために用いる。すなわち、「低い」架橋密度とは、ポリ有機シロキサン鎖間に多くの隙間を有するゆるい架橋構造を意味し、「高い」架橋密度とは、より少ないポリ有機シロキサン鎖間の隙間を有するきつい架橋構造を意味する。本発明の架橋構造は、相互に連結したポリエーテルシロキサン共重合体鎖を含んでなる3次元的に伸長する構造を意味する。高い架橋密度を有する架橋ポリマーは、適合性を有する溶媒の存在下で著しく膨張せず、多くの溶媒を吸収しない。
【0023】
一実施形態では、第1シリコーン組成物は、第2シリコーン組成物より低い固形物含量を有してもよい(第2シリコーン組成物が第1シリコーン組成物として同量の反応生成物(a)又は(a’)を含む)が、但しアルキルトリシロキサン(例えば限定されないが環状シロキサン)以外を含んでなる。
【0024】
本発明の他の具体的実施形態では、第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約10%低く、第1シリコーン組成物が約100,000センチストーク超の粘性を有する。
【0025】
本発明の他の具体的実施形態では、第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約25%低く、第1シリコーン組成物が約150,000センチストーク超の粘性を有する。
【0026】
本発明の他の具体的実施形態では、第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約40%低く、第1シリコーン組成物が約200,000センチストーク超の粘性を有する。
【0027】
他の一実施形態では、膨張性架橋シリコーンポリマー網状組成物に関して上記した粘度は、上記したいずれかの固形含量により得られる。
【0028】
一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)が上記の通りの膨張性体積に膨張できる場合、反応生成物(a)又は(a’)はいかなる公知の若しくは市販の反応生成物(a)又は(a’)であってもよい。他の具体的実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は有機ポリシロキサンである。更に更なる具体的実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は、共重合架橋を含む三次元有機官能性ポリ有機シロキサンであってもよい。
【0029】
更に他の具体的実施形態では、1つ以上の有機ポリシロキサンの有機基は、通常かかるポリマーと結合するいかなる有機基であってもよく、限定されないが、通常、1〜約60の炭素原子数のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル基)、シクロアルキル基(例えばシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基)、単環式アリール基(例えばフェニル、メチルフェニル、エチルフェニル基)、アルケニル基(例えばビニル及びアリル基)、アルキレンオキシド基(例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びそれらの混合物)、及び3,3,3トリフルオロプロピル基などのハロアルキル基から選択される。より多くの具体的実施形態では、有機基は、1〜8の炭素原子数のアルキル基であって、最も好適にはメチル基である。一実施形態では、ポリ有機シロキサンはポリマー中に若干のヒドロキシル基を有する。一実施形態では、有機ポリシロキサン中の有機基は、米国特許第6531540号(全開示内容を本発明に援用する)に記載されているいかなる有機官能基であってもよい。米国特許第6531540号に記載されている炭化水素基に関する命名法は、本明細書で用いられる有機基と同等であると考えられ、すなわち米国特許第6531540号に記載のいかなる炭化水素基も本発明にかかる有機基として用いることができ、ゆえに米国特許第6531540号に記載の炭化水素基に関する命名法と、本願明細書に係る有機基とは同義的に用いられる。一実施形態では、本願明細書に記載のいかなる有機基も前記有機ポリシロキサンに存在してもよく、又は有機化合物(例えば限定されないがα−オレフィン)との反応により前記有機ポリシロキサン上に付与してもよいことに留意すべきである。
【0030】
本発明の一実施形態では、以下を含んでなる、第1の膨張した架橋シリコーンポリマー網状構造組成物の提供に関する。
(a’)以下の反応生成物
M’αH1βvi1γE1δM”εζηH1θviιE1κD”λμH1πvi1E1σT”τφχ
(式中、M’=R222324SiO1/2
H1=R2526HSiO1/2
vi1=R272829SiO1/2
E1=R3031SiO1/2
M”=R10R’SiO1/2
=R1112SiO1/2
=R3233SiO2/2
H1=R34HSiO2/2
vi=R3536SiO2/2
E1=R37SiO2/2
D”=R18R’SiO2/2
=R19SiO2/2
=R38SiO3/2
H1=HSiO3/2
vi1=R39SiO3/2
E1=RSiO3/2
T”=R’SiO3/2
=RSiO3/2及び
=SiO4/2であり、
22、R23、R24、R32、R33及びR38は独立に、約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R25、R26及びR34は独立に、約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基又は水素であり、R27は2〜約10の炭素原子数、より好適には2〜約8の炭素原子数、最も好適には2〜約6の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R28及びR29は独立に、約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R35は2〜約10の炭素原子数、より好適には2〜約8の炭素原子、最も好適には2〜約6の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R36は約1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R39は2〜約10の炭素原子、より好適には2〜約8の炭素原子、最も好適には2〜約6の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R30、R31及びR37は独立に、約1〜60の炭素原子数の、より好適には1〜約30の炭素原子数の、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であるか、又はRであり、各Rは独立に、1つ以上のオキシラン部分を含んでなる、約1〜60の炭素原子数の、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R、R10、R11、R12、R18、R19、R’及びRは上記記載の通りであり、化学量論を示す下付文字α、β、γ、δ、ε、ζ、η、θ、ι、K、λ、μ、v、π、p、σ、τ、φ及びχはゼロ又は正の数であり、但し、α+β+γ+δ+ε+ζ>1、β+θ+π≧1及びγ+ι+p≧1であり、及び/又は、個々の反応生成物においては、α+β+γ+δ+ε+ζ>1及びβ+θ+π≧1であり、反応生成物は、約1〜約12の炭素原子数、より好適には1〜約10の炭素原子数、最も好適には約1〜約8つの炭素原子数のアルケニル樹脂との反応を含む)と、
b)膨張量のアルキルトリシロキサン
(前記反応生成物が前記アルキルトリシロキサンによって膨張する第1シリコーン組成物を形成し、前記第1シリコーン組成物が、前記反応生成物及びアルキルトリシロキサン以外の直鎖状シリコーン液を含んでなる第2シリコーン組成物に存在する固形含量より低い固形含量を有し、それにより、第2シリコーン組成物と第1シリコーン組成物が同等の粘度を有する)。
【0031】
本発明の更なる具体的実施形態では、上記の反応生成物(a’)は、α+β+γ+δ+ε+ζ>1、好適にはα+β+γ+δ+ε+ζ≧2、δ+κ+σ≧1及びβ+θ+π≧1であることを特徴とする。
【0032】
他の実施形態では、前記反応生成物(a)若しくは反応生成物(a’)、及び/又は前記アルケニル樹脂及び前記膨張量のアルキルトリシロキサン(b)を混合することを含んでなる前記第1シリコーン組成物の調製方法の提供に関する。
【0033】
更なる具体的実施形態では、反応生成物(a’):
M’αH1βvi1γE1δM”εζηH1θviιE1κD”λμH1πvi1E1σT”τφχ(上記の通り)
は更に、以下の式の化合物である反応生成物(I)
:MH1βηH1θH12−β
(式中、MH1、D及びDH1は上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字β、η及びθはゼロ又は正の数であり、但し、ηは10超の数、好適には約15超の数、最も好適には約20超の数であり、θは0〜約20、好適には1〜約15、最も好適には1〜約10の数であり、βは0〜2の数であり、但しβ+θが1〜約22、より好適には1〜約17、最も好適には1〜約12である)と、
(II)アルケニルシクロアルキレンオキシド(限定されないが例えばビニルシクロヘキセンオキサイド)と、
(III)α−オレフィンフラクション(例えばシェブロン社製のAlpha オレフィン Gulftene C30+、又はInnovene社製のC16−18アルファオレフィン)と、
(IV)直鎖状シロキサン及び任意に環状シロキサン(直鎖状シロキサンがアルキルトリシロキサン、限定されないが特にヘプタメチルエチルトリシロキサンなどのエチルトリシロキサン(ETS)、限定されないがヘプタメチルオクチルトリシロキサンなどのオクチルトリシロキサン(OTS)、限定されないがヘプタメチルヘキシルトリシロキサンなどのヘキシルトリシロキサン、及び他のあらゆるアルキルトリシロキサン)と、
(V)プラチナ触媒(より詳しくは)などの触媒(限定されないがカールシュテット触媒などの白金触媒)と、
(VI)エポキシド重合触媒(例えば液成分(例えば限定されないがエチルトリシロキサン及び任意にデカメチルシクロペンタシロキサン)中において、限定されないがMD50MなどのSi−H結合含有化合物とプラチナとの相互作用で生じる)と、
(VII)残余のSi−H官能基のクエンチング剤(例えば限定されないがC16−18αオレフィン)を含んでなってもよい。
【0034】
本願明細書に他の具体的実施形態では、以下の式の反応生成物(a’):
M’αH1βvi1γE1δM”εζηH1θviιE1κD”λμH1πvi1E1σT”τφχ(上記の通り)は更に、
式MH1133H12.5H1の化合物である反応生成物(I)、
(II)ビニルシクロヘキセンオキサイド、
(III)シェブロン社製アルファオレフィンGulftene C30+、
(IV)ETS及び任意にデカメチルシクロペンタシロキサン、
(V)白金触媒の溶液(Karstedt触媒)、
(VI)ETS及び任意にデカメチルシクロペンタシロキサン中のM’DH150M’、及び
(VII)C16−18アルファオレフィンを含んでなってもよい。
【0035】
更なる具体的実施形態の化合物(I)では、上記の反応生成物(a’)はエポキシ官能性性ポリオルガノシロキサン(例えば上記のエポキシ官能性ポリオルガノシロキサン)を更に含んでなる。
【0036】
一実施形態では、反応生成物(a)は、以下の式の化合物に係る反応生成物(I):
2−b
式中、M、M、D及びDは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは10〜50、好適には10〜30、最も好適には10〜25であり、gは0〜約50、好適には1〜約30、最も好適には2〜約10の数であり、bは0〜2の数であり、但しb+gが1〜約100、より好適には1〜約32、最も好適には2〜約12である)と、
(II)アルケニル樹脂(特に1〜約12の炭素原子数、より好適には1〜約10の炭素原子数、最も好適には1〜約8の炭素原子数のアルケニル樹脂)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)白金触媒と、
(VI)液成分におけるSi−H結合含有化合物と白金との相互作用によって生じた触媒と、
(VII)(I)及び/又は(II)の残余の官能基のクエンチング剤を含んでなってもよい。一実施形態では、非限定的な式(I)のM2−bの化合物はMD20Mを含んでなり、非限定的な式(II)のアルケニル樹脂は1,5−ヘキサジエンを含んでなる。
【0037】
本願明細書に他の実施形態では、反応生成物(a)は、
以下の式の化合物に係る反応生成物(I):
2−b
(式中、M、D、D、D及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f、j及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは0であるか、又は1〜500の数、好適には10〜約150、最も好適には10〜約125であり、jは0.1〜10の数、より好適には0.1〜約8、最も好適には約0.1の〜約6であり、gは0〜約50の数、好適には1〜約30、最も好適には2〜約10であり、bは0〜2の数であり、但しb+gは1〜約100、より好適には1〜32、最も好適には2〜約12である)と、
(II)Mvivi2−c及び/又は2〜約2000(好適には2〜12、最も好適には2〜8)の炭素原子数のアルケニル樹脂(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、但し、fは1〜300(好適には10〜30、最も好適には10〜25)の数であり、hはゼロ〜20(好適には1〜12、最も好適には1〜6)の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但し、c+hは1〜22(好適には1〜14、最も好適には1〜8)の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中においてSi−H結合含有化合物と白金との相互作用により形成される白金触媒と、
(VII)(I)及び/又は(II)の残余の官能基のクエンチング剤を含んでなってもよい。一実施形態では、非限定的な式(I)M2−bの化合物はMD240.33.7Mを含み、非限定的な式(II)Mvivi2−cの化合物はMvi20viを含む。他の具体的実施態様では、非限定的な式(I)M2−bの化合物はMD1001.255.4Mを含み、非限定的なアルケニル樹脂である(II)は1,5−ヘキサジエンを含む。
【0038】
更に他の一実施形態では、反応生成物(a)は、以下の式の化合物に係る反応生成物(I):
2−b
(式中、M、Q及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b及びpはゼロ又は正の数であり、但し、pは≧1、より好適にはpは≧2、最も好適にはpは≧3であり、bは1〜2であり、但しb+pは2〜約20、より好適には2〜約10、最も好適には2〜約6である)と、
(II)Mvivi2−c(式中Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、但し、fはゼロ又は1〜1200(好適には700〜1000、最も好適には800〜950)の数であり、hはゼロ〜20(好適には1〜12、最も好適には1〜6)の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但し、c+hは1〜22(好適には1〜14、最も好適には1〜8)の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中においてSi−H結合含有化合物と白金との相互作用により形成される白金触媒と、
(VII)残余の官能基のクエンチング剤を含んでなってもよい。一実施形態では、非限定的な式(I) M2−bの化合物はMQを含み、非限定的な式(II) Mvivi2−cの化合物はMvi897viを含む。
【0039】
更に他の一実施形態では、反応生成物(a)は、
以下の式の化合物に係る反応生成物(I):
D”2−b
(式中、M、M、D、D”及びDは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f、i及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは10〜50、より好適には10〜約40、最も好適には10の〜約35の数であり、iはゼロであるか、又は1〜20、より好適には1〜約12、最も好適には約1〜約8の数であり、gは0〜20、より好適には約1〜約12、最も好適には約1〜約8の数であり、bは0〜2の数であり、但し、b+gは1〜100、より好適には1〜約14、最も好適には1〜約10である)と、
(II) Mvivi2−c
(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、但し、fは10〜50(好適には10〜30、最も好適には10〜25)の数であり、hはゼロ〜20(好適には1〜12、最も好適には1〜6)の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但し、c+hは1〜22(好適には1〜14、最も好適には1〜8)の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中においてSi−H結合含有化合物と白金との相互作用により形成される白金触媒と、
(VII)残余の官能基のクエンチング剤を含んでなってもよい。一実施形態では、非限定的な式(I) MD”2−bの化合物はMD24.53.5Mを含み、非限定的な式(II) Mvivi2−cの化合物はMvi20viを含む。本発明の更に他の具体的実施形態では、非限定的な式(I) MD”2−bの化合物はMD32D”Mを含み、非限定的な式(II) Mvivi2−cの化合物はMvi20viを含む。
【0040】
本発明の他の一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は、シラン官能性シリコーンの付加重合生成物、尿素モノマー又はメラミンモノマーから及びホルムアルデヒドモノマー形成されるアミノ樹脂の縮合物、フルフリルアルコールモノマーの重合により調製されるフランポリマー、ジアルデヒドモノマー及びジアルコールモノマーから形成されるポリアセタールポリマー、アルキルブロマイドモノマー及び硫化カリウムモノマーから形成されるポリ(アルキレンスルフィド)ポリマー、二塩基酸モノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリアミドポリマー、ジアミンモノマー及び二ハロゲン化モノマーから形成されるポリアミン、二水素化物モノマー及びヒドラジンモノマーから形成されるポリアミノトリアゾールポリマー、二塩基酸モノマーの重合から形成されるポリ無水物、ジオールモノマー及びホスゲンモノマーから形成されるポリカーボネート、フェニルジエステルモノマー及びジヒドラジンモノマーから形成されるポリヒドラジドポリマー、四酸のモノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリイミド、テトラカルボニルモノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリキノキサリンポリマー、単糖モノマーの重合から形成される多糖類、二ハロゲン化モノマーから形成されるポリスルフィドポリマー、ポリスルフィドモノマー、ジアミンモノマー及びホスゲンモノマーから形成されるポリ尿素、アミノ酸モノマーの重合から形成されるタンパク質ポリマー、ジハロアルキルシランモノマー及び水から形成されるシリコーン、二官能性酸性モノマー及び二官能性アルコールモノマーから形成されるポリエステル、ジイソシアナトモノマー及びポリオールモノマーの段階重合反応生成物、並びに当該段階重合反応生成物の縮合重合生成物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される重合生成物を含んでなってもよい。具体的な一実施形態では、反応生成物(a)がポリエーテル架橋を含まない場合には、反応生成物(a)は上記の重合生成物のいずれかの重合生成物である。
【0041】
一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)は、2つ以上の架橋シリコーンポリマー、好適には2つ以上の三次元架橋シリコーンポリマーを含んでなる。一実施形態では、(a)は2つ以上の架橋ポリオルガノシロキサンを含んでなってもよく、当該ポリオルガノシロキサンの有機基は上記の有機基のいかなる1つ以上を含んでなってもよい。一実施形態では、(a’)は2つ以上のエポキシ官能性架橋ポリオルガノシロキサンを含んでなってもよく、当該エポキシ官能性ポリオルガノシロキサンの有機基は、少なくとも1つのエポキシ官能基に加えて、上記の有機基のいかなる1つ以上を含んでなってもよい。
【0042】
一実施形態では、「膨張量」とは、本願明細書に記載の反応生成物(a)又は(a’)の体積の増加を提供できる量のことを指す。一実施形態では、膨張量は、第1シリコーン組成物の合計量に対して約1〜約99重量%、より好適には約5〜約95重量%、最も好適には約10〜約90重量%の量である。一実施形態では、実質的にシリコーンゲルを構成する第1シリコーン組成物の量は、シリコーンゲルの合計量に対して約10重量%超、より好適には約50重量%超、最も好適には約90重量%超である。
【0043】
一実施形態では、アルキルトリシロキサンが第1シリコーン組成物の上記の低い固形含量及び望ましい粘性を提供する限り、上記の液成分は、いかなる公知若しくは市販のアルキルトリシロキサンであってもよい。一実施形態では、アルキルトリシロキサン(b)はアルキル置換されたトリシロキサンである。一実施形態では、用語「アルキル」とは、飽和の直鎖状若しくは分岐状の一価の炭化水素を意味する。具体的実施形態では、一価のアルキル基は、基あたり1〜60の炭素原子を含んでなる、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基から選択され、非限定的な例としてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、デシル及びドデシル基が挙げられる。他の具体的実施形態では、以下の式(A)のポリオルガノシロキサンのアルキル化により得られる高純度材料である直鎖状アルキルトリシロキサンであるアルキルトリシロキサン(b)の提供に関する:
MDM (A)
(式中、M又はMΛ=RSiO1/2であり、DΛ=RSiO2/2であり、R、R及びRは独立に、1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、Rは1〜60の炭素原子数、より好適には1〜約30の炭素原子数、最も好適には1〜約20の炭素原子数の一価の炭化水素基又は水素である。一実施形態では、本願明細書に記載する高純度材料は、実質的に式(A)のアルキル化ポリオルガノシロキサンから構成されるものと定義する。本発明の具体的実施形態では、式(A)を有するポリオルガノシロキサンのアルキル化は、式(A)のポリオルガノシロキサンを、アルケン化合物(例えば限定されないがエチレン又は上記のアルケニル化合物のいずれか)と反応させることによって実施できる。より具体的な実施形態では、高純度材料は、高純度材料の合計重量に対して、式(A)のアルキル化ポリオルガノシロキサンを約90重量%超で含む。更なる具体的実施形態では、高純度材料は、高純度材料の合計重量に対して、式(A)のアルキル化ポリオルガノシロキサンを約95重量%超で含む。とても具体的実施形態では、高純度材料は、高純度材料の合計重量に対して、式(A)のアルキル化ポリオルガノシロキサンを約97重量%超で含む。本願明細書に他の一実施形態では、少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)は、いかなる公知の方法によって調製してもよい。
【0044】
一実施形態では、少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)は以下の式で表される:
ΛΛ
(式中、M又はMΛ=RSiO1/2であり、DΛ=RSiO2/2であり、各R、各R及び各Rは独立に、1〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、それによりM及びMΛが異なり、R及びRは独立に、2〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、化学量論を示す下付文字rは正の数であり、但し、DΛのケイ素原子が水素、メチル及びポリエーテル以外のペンダント基を有し、rは1である)。
【0045】
アルキルトリシロキサン(b)の非限定的な1つの具体例は、エチルトリシロキサン(例えば限定されないが1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−エチルトリシロキサン)、オクチルトリシロキサン(例えば限定されないが1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン)、ヘキシルトリシロキサン(例えば限定されないが1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキシルトリシロキサン)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される直鎖状アルキルトリシロキサンである。本発明の一実施形態では、アルキルトリシロキサン(b)は、全開示内容を本発明に援用する米国特許出願公開第2004/0197284A1号に記載されているような少なくとも1つのアルキルトリシロキサンであってもよい。本発明の他の具体的実施形態では、アルキルトリシロキサン(b)は、全開示内容を本発明に援用する米国特許出願公開第2005/0069564A1号に記載されているような少なくとも1つのアルキルトリシロキサンであってもよい。更なる具体的実施形態では、アルキルトリシロキサン(b)は、オクタメチルトリシロキサン(表面張力=17.4mN/m)(例えば、ダウコーニング社製、商品名DC 200 Fluid 1cst)、3−ペンチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1−ヘキシル−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチル−5−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン(例えばジェネラル・エレクトリック社製、商品名「Silsoft 034」)、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキシルトリシロキサン(表面張力=20.5mN/m)(例えば、ダウコーニング社製、商品名「DC 2−1731」)、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジプロピルトリシロキサン、3−(1−エチルブチル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(1−メチルペンチル)トリシロキサン、1,5−ジエチル−l、1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(1−メチルプロピル)トリシロキサン、3−(1,1−ジメチルエチル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3,3−ビス(1−メチルエチル)トリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(1−メチルプロピル)トリシロキサン、1,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、3−(3,3−ジメチルブチル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−メチルブチル)トリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−メチルペンチル)トリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(2−メチルプロピル)トリシロキサン、1−ブチル−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−プロピルトリシロキサン、3−イソヘキシル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,3,5−トリエチル−1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、3−ブチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、3−tert−ペンチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3,3−ジプロピルトリシロキサン、3,3−ジエチル−1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン1,5−ジブチル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、3,3−ジブチル−1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、3−エチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、3−ヘプチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1−エチル−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ブチルトリシロキサン、並びにそれらの組み合わせを含んでなってもよい。一実施形態では、反応生成物(a)は好適には、本願明細書に記載されている液成分及びより詳しくは本願明細書に記載されているアルキルトリシロキサンを使用して、従来周知の方法を使用して均質にすることができる。
【0046】
一実施形態では、アルキルトリシロキサン(b)は、2つ以上のアルキルトリシロキサンを含んでなってもよい。
【0047】
本願明細書において、更なる具体的実施形態では、第1シリコーン組成物は、前記アルキルトリシロキサン以外のシリコーン液を更に含んでなってもよい。更なる具体的実施形態では、アルキルトリシロキサン以外の前記シリコーン液は、環状シロキサン及び/又は直鎖状シリコーン液(例えばそれぞれデカメチルシクロペンタシロキサン液及び/又は高分子量ポリ有機シロキサン液)であってもよい。本発明の特に好適な実施形態では、前記高分子量ポリ有機シロキサン液はアルキルトリシロキサン(b)より高い粘性を有し、特に約1〜約400、より好適には約3〜約350、最も好適には約5〜約300センチストークの粘性を有する有機ポリジメチルシロキサンから選択され、当該有機基は上記した有機基のいずれかである。一実施形態では、有機ポリジメチルシロキサンは約1〜約100センチポアズ、より好適には2〜約50センチポアズ、最も好適には5〜約10センチポアズの粘性を有してもよい。本発明の他の一実施形態では、ポリジメチルシロキサンは5センチポアズの粘性を有してもよい。本発明の他の一実施形態では、ポリジメチルシロキサンは50センチポアズの粘性を有してもよい。
【0048】
一実施形態では、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物は固体であり、典型的にはクリーム状のコンシステンシーを有し、反応生成物(a)又は(a’)は液成分をゲル化させ、可逆的に固体の特徴を液成分に付与する機能を有する。
【0049】
本発明の一実施形態では、第1シリコーン組成物から実質的に構成されるシリコーンゲルの提供に関する。一実施形態では、実質的にシリコーンゲルを構成する第1シリコーン組成物の量は、シリコーンゲルの合計重量に対して約10重量%超、より好適には約50重量%超、最も好適には約90重量超である。本願明細書に記載のシリコーンゲルはまた、上記の粘度及び固形含量を有してもよいことに留意すべきである。
【0050】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)を含んでなる他のシリコーン組成物は、当業者に公知の他の架橋結合プロセスから形成されるシリコーンポリマーを用いて調製することが可能である。本発明の一実施形態では、本願明細書に記載の少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)によって膨張できる上記の他のシリコーン組成物から実質的に構成されるシリコーンゲル類の提供に関し、その膨張は当業者に公知の他の架橋結合プロセスによって実施してもよい。
【0051】
他の一実施形態では、第1シリコーン組成物は高い安定性及びシネレシスに対する抵抗を有し、すなわち、第1シリコーン組成物は、第1シリコーン組成物から液が流れる傾向をほとんど有さず、成分として第1シリコーン組成物を含むパーソナルケア調製物に高い安定性及びシネレシス抵抗を付与する。高い安定性及びシネレシス抵抗は、かかる第1シリコーン組成物及び同じことを含んでなるパーソナルケア調製物のエージング期間を長期化させる。しかしながら、液成分は例えば、指の間で第1シリコーン組成物を摩擦して第1シリコーン組成物にせん断力をかけることによって反応生成物(a)又は(a’)から遊離させることができ、それにより第1シリコーン組成物の液成分に特有の改良された触感が付与される。一実施形態では、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物は、エマルジョン中のシリコーン成分として利用でき、その詳細は例えば、米国特許第6531540号、第6060546号及び第6271295号(これらの全開示内容を本発明に援用する)に記載されている。
【0052】
一実施形態では、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物から実質的に構成されるシリコーンゲルを含んでなるパーソナルケア用調製物の提供に関する。前記パーソナルケア用調製物は、脱臭剤、発汗抑制剤、発汗抑制剤/脱臭剤、シェービング剤、スキンローション、モイスチャライザー、トナー、入浴剤、クレンジング剤、シャンプー、コンディショナ、ムース、整髪用ジェル、ヘアスプレー、毛染め、ヘアカラー、ヘアブリーチ、パーマ液、ストレートパーマ液、縮毛矯正剤、ボリュームアップ剤などのヘアケア用品、マニキュア液、マニキュア剥離剤、ネイルクリーム及びローション剤などのマニキュア製品、皮膚軟化剤、日焼け止め、昆虫駆除剤及びアンチエイジング剤などの予防クリーム、口紅などのカラーコズメティックス、ベース、パウダー、アイライナー、アイシャドー、ブラッシェ、メイク、マスカラ、香料輸送剤及び他のパーソナルケア調製物(シリコーン成分が通常輸送される)、並びに皮膚への塗布用医薬中に含有される、有効成分の局所輸送用の薬物輸送システムなどから選択される。
【0053】
更なる具体的実施形態では、本願明細書に記載のパーソナルケア調製物は、1つ以上のパーソナルケア成分を更に含んでなる。適切なパーソナルケア成分としては、例えば緩和剤、モイスチャライザ、湿潤剤、(例えばオキシ塩化ビスマス及び二酸化チタンコーティングされた雲母を含む真珠様の光沢の)色素、着色剤、香料、殺虫剤、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗真菌剤、発汗抑制剤、洗顔料、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、多価アルコール、紫外線吸収剤、植物エキス、界面活性剤、シリコーンオイル、有機油、ワックス、被膜形成剤、増粘剤、フュームドシリカ又は水和シリカ、粒状充填剤、(例えばタルク、カオリン)、澱粉、化工デンプン、雲母、ナイロン、ベントナイト及び有機修飾粘土など粘土、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
本発明の他の一実施形態では、反応生成物(a)又は(a’)が上記のように膨張しうる限り、第1シリコーン組成物はいかなる公知若しくは市販の方法によっても形成させることができる。一実施形態では、第1シリコーン組成物の調製方法の提供に関し、当該方法は、少なくとも1つの反応生成物(a)又は(a’)と、膨張量の少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)を混合して、低い固形含量である以外は、実質的に本願明細書に記載の第2シリコーン組成物のそれと同じ粘性を有する第1シリコーン組成物を調製することを含んでなる。
【0055】
一実施形態では、第1シリコーン組成物を生産する前記方法は、付加重合、凝結重合、カチオン重合、アニオン重合及びそれらの組み合わせからなる群から選択される重合方法によって反応生成物(a)又は(a’)を形成させることを含んでなってもよい。
【0056】
一実施形態では、反応生成物(a’)はヒドロシリル化反応を用いる通常の方法で、ビニル又はアリル置換エポキシドをSi−H結合シロキサン上へ結合させることにより調製する。他の実施形態では、反応生成物(a)はヒドロシリル化反応を用いる通常の方法で、ビニル又はアリル置換エポキシドをSi−H結合シロキサン上へ結合させることにより調製する。Si−Hを含んでなるシロキサンは公知で、直鎖状、分岐状又は環状構造であってもよい。有用なビニル又はアリル置換エポキシドの例としては、限定されないが4−ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルグリシジルエーテル、リモネンオキシド、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−7−オクテン、ノルボルナジエンモノエポキシド及び1,2−エポキシ−9−デセンなどが挙げられる。更なる一実施形態では、本願明細書に記載の反応生成物(a)又は(a’)、アルキルトリシロキサン(b)及び第1シリコーン組成物を作ることに適している貴金属触媒は公知で、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び/又はプラチナの錯体が挙げられる。架橋シリコーン網状構造(a’)を形成するために用いるエポキシ−水素化物反応、及びエポキシ−水素化物反応を使用して得られる膨張した架橋シリコーン網状組成物を含んでなるゲルは米国特許第6531540号に記載のように当業者に公知であり、その全開示内容を本願明細書に援用する。架橋シリコーン網状構造(a)の形成に使用するビニル−水素化物の反応、及びビニル−水素化物によるシリル化反応を使用して得られる、膨張した架橋シリコーン網状構造を含んでなるゲルは当業者に公知である。
【0057】
一実施形態では、反応生成物(a’)は、カチオン重合条件下、及びより好適には液成分(より詳しくは低分子量のシロキサン液)の存在下で、エポキシ官能性有機シロキサン化合物の重合により形成される化合物である。一実施態様では、当該シリコーンゲル網状構造は、多官能性のSi−H液と多官能性ビニル化合物とのヒドロシリル化反応により生成し、より好適には液成分(より好適には低分子量のシロキサン液)の存在下で生成する。一実施形態では、反応生成物(a)は、液成分又は液成分混合の存在下で直接重合させて第1シリコーン組成物を形成させてもよい。他の実施形態では、反応生成物(a’)は、第1液成分又は第1液成分混合の存在下で重合させ、反応生成物(a’)である架橋ポリエーテルシロキサン共重合体ネットワークを形成させ、更にそのようにして形成させた反応生成物(a’)を第2液成分又は第2液成分混合によって膨張させ、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物を形成することができる。なお、第2液成分又は第2液成分の混合物は第1液成分又は第1液成分混合と同じであっても異なってもよいが、但し前記1つ以上の第1液成分及び/又は1つ以上の第2液成分はアルキルトリシロキサン(b)を含んでなる。他の実施形態では、反応生成物(a)は、第1液成分又は第1液成分混合の存在下で重合させ、反応生成物(a)である架橋ポリエーテルシロキサン共重合体ネットワークを形成させ、更にそのようにして形成させた反応生成物(a)を第2液成分又は第2液成分混合によって膨張させ、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物を形成することができる。なお、第2液成分又は第2液成分の混合物は第1液成分又は第1液成分混合と同じであっても異なってもよいが、但し前記1つ以上の第1液成分及び/又は1つ以上の第2液成分はアルキルトリシロキサン(b)を含んでなる。一実施形態では、1つ以上の第2液成分の添加前に、1つ以上の第1液成分を任意に、例えば蒸発によって反応生成物(a)又は(a’)から除去してもよい。更なる具体的実施形態では、架橋エポキシ官能性の反応生成物(a’)は、1つ以上の液成分の非存在下で重合させて反応生成物(a’)を形成させてもよい。更に反応生成物(a’)を、アルキルトリシロキサン(b)を含有する液成分又はその液成分の混合物を用いて膨張させ、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物を形成させる。更なる具体的実施形態では、架橋エポキシ官能性の反応生成物(a)は、1つ以上の液成分の非存在下で重合させて反応生成物(a)を形成させてもよい。更に反応生成物(a)を、アルキルトリシロキサン(b)を含有する液成分又はその液成分の混合物を用いて膨張させ、本願明細書に記載の第1シリコーン組成物を形成させる。
【0058】
他の実施形態では、エポキシ官能性有機シロキサンの重合は、過剰なヒドリドシロキサン官能基で反応させ、重合後に水素化物を残留させ、更に1つ以上のアルケニル官能性化合物によるヒドロシリル化反応に適する条件下で反応させることにより実施できる。これは、特にアルケニル官能性化合物がカチオン硬化の抑制剤として作用できるケースにおいて有利である。かかるアルケニル化合物は、カチオン硬化機構(例えば塩基)の抑制剤として機能する官能基を含む。他の実施形態では、少量の濃縮ヒドリドシロキサン又はヒドリドシラン化合物を添加して重合速度を増加させてもよい。
【0059】
一実施形態では、少なくとも1つの反応生成物(a)又は(a’)が少なくとも1つの第1液成分の存在下で形成され、その後膨張させることを含んでなる第1シリコーン組成物の調製方法の提供に関する。当該方法では、反応生成物(a)又は(a’)の膨張は、少なくとも1つの第1液成分の存在下で調製した前記反応生成物(a)又は(a’)を、少なくとも1つの第2液成分で希釈することを含んでなる(但し、少なくとも1つの第1の液成分及び/又は少なくとも1つの第2液成分がアルキルトリシロキサン(b)である)。
【0060】
一実施形態では、本願明細書に記載の方法によって調製されるシリコーンゲルの提供に関する。他の具体的実施形態では、上記の第1シリコーン組成物の調製方法によって得られる、第1シリコーン組成物から実質的に構成されるシリコーンゲルの提供に関する。更なる一実施形態では、本願明細書に記載の方法によって調製されるシリコーンゲルを含んでなるパーソナルケア調製物(例えば上記のそれら)の提供に関する。
【0061】
一実施形態では、本願明細書に記載の方法によって調製される、上記の通りに低い固形含量及び望ましい粘性を有するシリコーンゲルの提供に関する。
【0062】
一実施形態では、表Aに記載されている調製物のうちの1つ以上を含んでなる、本願明細書に記載のシリコーンゲルを含んでなる化粧用組成物の提供に関する。
【0063】
本発明の他の具体的実施形態では、本願明細書に記載のシリコーンゲルを含んでなる日焼け止め組成物の提供に関し、当該シリコーンゲルは例えば、以下の表Aの日焼け止め組成物中に含まれる。
【0064】
表A:
【表1】

【0065】
表Aにおいて用いられる重量%は、日焼け止め組成物の合計重量に対する重量%であることに留意すべきである。
【0066】
一実施形態では、表Aの日焼け止め構成は以下の手順により調製される:
1.室温のパートAの成分を混合し、75℃に加熱する。
2.パートBの成分を混合し、75℃に加熱する。
3.BをAに徐々に添加し、慎重に温度をモニターする。
4.Cを添加する。
5.適度に混合しながら30℃に冷却する。香料及び防腐剤を添加する。
6.ホモジナイズする。
表Aの日焼け止め構成物の成分は、表A中の各成分の横に示す括弧内の数により示される供給元(以下に示す)から入手できることに留意すべきである。
供給業者名:
(1)GE Advanced Materials(Silicones)
(2)ISP
(3)BASF
(4)Uniqema
(5)Seppic
表A中に用いられるように、エンドユーザによって所望の含量に適宜調製できることに留意すべきである。
【0067】
一実施形態では、反応生成物(a’)が、限定されないが、GE Advanced Materials社製のVelvesilなどの、シリコーン網状構造を有してもよいことに留意すべきである。
【0068】
以下に実施例を示し、本発明を簡便に説明する。但しそれらにより、本発明が本願明細書に記載の実施例に限定されるわけではない。全ての重量%は、特に明記しない限り、第1シリコーン組成物の合計重量に対する重量%である。
【実施例】
【0069】
第1のシリコーン組成物の液成分としてのアルキルトリシロキサンの使用により、低い固体濃度で高い粘性を有するシリコーンゲルが得られる。他の直鎖状シリコーン液と比較して、この結果は予想外であった。なぜなら、対応する環状シリコーン液より典型的にそれほど有効でないシリコーン液成分であって、したがって架橋シリコーン網状構造(例えば第1シリコーン組成物に所望の特性を提供する反応生成物(a))の量を増加させる必要があると考えられるからである。シリコーン組成物と比較して他の直鎖状ポリジメチルシロキサン液によって膨張させたとき、液成分としてのアルキルトリシロキサンの追加により多種類の調製物及び触感上の利点が提供される。多くのシリコーンゲルは、液成分としてオクチルトリシロキサン(OTS)及びエチルトリシロキサン(ETS)を使用して、それら単独で、又は他のシリコーン液との組み合わせで調製した。OTS及びETS液が他の直鎖状ポリジメチルシロキサン液より効果的なゲル液成分として機能することは、これらの研究から自明である。また、トリシロキサンを有するこれらのゲルがパーソナルケア調製物として調製されるとき、パーソナルケア調製物が他の1つ以上の液成分によって膨張させたゲルには見られない多くの機能的若しくは美的性能上の利点を示した。かかる感覚的ば利点としては、限定されないが、皮膚上でのダマの形成の減少、皮膚上のパーソナルケア調製物の触感、及びパーソナルケア調製物の粘性の増加などが挙げられる。
【0070】
比較実施例:
8.5gのビニルシクロヘキセンオキシド、21.7gのAlpha オレフィン(シェブロン社製Gulftene C30+)、630gのデカメチルシクロペンタシロキサン(D)、及び0.075gのプラチナ触媒溶液(カールシュテット触媒)を混合し、M1332.5の概算組成を有するシリコーン水素化物液260グラム(g)を得た。混合液を90℃に加熱し、45分間混合した。9.7gの更なるシリコーン水素化物液、80gのDのMD50Mを加熱した反応混合物に添加した。更に90℃で4時間の撹拌し、Innovene社製のC16−18αオレフィンを添加して末端オレフィン付加し、反応をクエンチした。得られる材料は、反応生成物(a)の合計重量に対して29.8重量%の固形含量及び20重量%の抽出物を有した。更にこの材料250gを350gのDで希釈し、更に1平方インチあたり9000ポンド(psi)で1回、Gaulinホモジナイザを通過させた。得られるゲル(サンプル1)は、第1のシリコーンゲルの合計重量に対して約12.5重量部の固形含量、及び24時間後における183,000センチポアズ(cP)の粘性を有した。
【0071】
<実施例1>:
8.5gのビニルシクロヘキセンオキシド、21.7gのαオレフィン(シェブロン社製のGulftene C30+)、630gのエチルトリシロキサン、及び0.075gのプラチナ触媒溶液(Karstead触媒)を混合し、M1332.5の概算組成を有するシリコーン水素化物液260gを得た。混合液を90℃に加熱し、45分間混合した。9.7gの更なるシリコーン水素化物液、80gのDのMD50Mを加熱した反応混合物に添加した。更に90℃で4時間撹拌し、Innovene社製のC16−18αオレフィンを添加して末端オレフィン付加し、反応をクエンチした。得られる材料は、反応生成物(a)の合計重量に対して29.8重量%の固形含量及び24.5重量%の抽出物を有した。更にこの材料250gを350gのDで希釈し、更に1平方インチあたり9000ポンド(psi)で1回、Gaulinホモジナイザを通過させた。得られるゲル(サンプル2)は、シリコーンゲルの合計重量に対して約12.5重量部の固形含量、及び24時間後における220,000センチポアズ(cP)の粘性を有した。この29.8重量%の架橋シリコーン粉の250gを350gのオクチルトリシロキサンと共に1回ホモジナイズしたとき、得られるゲル(サンプル2−a)はシリコーンゲルの合計重量に対して約12.5重量部の固形含量、及び24時間後における205,000センチポアズ(cP)の粘性を有した。
【0072】
<実施例2>:
8.5gのビニルシクロヘキセンオキシド、7.4gのC1618αオレフィン(Innovene社製)、630gのエチルトリシロキサン、及び0.075gのプラチナ触媒溶液(カールシュテット触媒)を混合し、概算組成M1332.5のシリコーン水素化物液260gを得た。混合液を90℃に加熱し、45分間混合した。9.7gの更なるシリコーン水素化物液、80gのDのMD50Mを加熱した反応混合物に添加した。更に90℃で4時間撹拌し、Innovene社製のC16−18αオレフィンを添加して末端オレフィン付加し、反応をクエンチした。得られる材料は、反応生成物(a)の合計重量に対して31重量%の固形含量及び18重量%の抽出物を有した。更にこの材料250gを350gのDで希釈し、更に1平方インチあたり9000ポンド(psi)で1回、Gaulinホモジナイザを通過させた。得られるゲル(サンプル3)は、シリコーンゲルの合計重量に対して約12.5重量部の固形含量、及び24時間後における220,000センチポアズ(cP)の粘性を有した。この31重量%の架橋シリコーン粉の250gを350gのオクチルトリシロキサンと共に1回ホモジナイズしたとき、得られるゲル(サンプル3−a)はシリコーンゲルの合計重量に対して約12.5重量部の固形含量、及び24時間後における185,000センチポアズ(cP)の粘性を有した。
【0073】
表1:実施例1及び2の結果の要約
【表2】

【0074】
表1に結果の概要を示すが、架橋ポリマーのアルキル鎖長及び抽出物量を考慮すると、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)及びエチルトリシロキサンは同程度のゲル膨張効率を示すことが解った。典型的には、高い抽出物量の場合には若干材料の粘性が高かった。またこれらの実験から、オクチルトリシロキサンがサンプル2a及びサンプル3aで示すエチルトリシロキサンより膨張剤としての効率が低かったことが解った。
【0075】
<実施例3>:
反応生成物(a’)の調製及び所定量の有機シロキサン液によるその膨張を解析した。8.5gのビニルシクロヘキセンオキシド、15.4gのC16−18αオレフィン(Innovene社製)、630gのポリジメチルシロキサン(5cP)及び0.075gのプラチナ触媒溶液(カールシュテット触媒)を混合し、概算組成M1332.5を有するシリコーン水素化物液260gを得た。混合液を90℃で加熱し、更に45分間混合した。9.7gの更なるシリコーン水素化物液、80gのDのMD50Mを加熱した反応混合物に添加した。更に90℃で4時間撹拌し、Innovene社製のC16−18αオレフィンを添加して末端オレフィン付加し、反応をクエンチした。得られる材料は、反応生成物(a’)の合計重量に対して30重量%の固形含量を有した。反応生成物(a’)の粉末と、オクチルトリシロキサン及び5cPのポリジメチルシロキサン(PDMS)との混合物を、Gaulinホモジナイザで2回、9,000psiでパスさせ、以下の膨張したシリコーンゲルを調製した。固体及び得られるシリコーンゲル(サンプル4から14)の粘度を、以下の表(表2)に示す。
【0076】
表2:膨張剤としての直鎖状シリコンを含むシリコーンゲル
【表3】

【0077】
本実施例の結果から明らかなように、オクチルトリシロキサンの比率を5cP PDMSに増やすことにより、シリコーンゲルの反応生成物(a’)固体のレベルを保ちながらシリコーンゲルの粘度を上昇させることが可能となる。したがって、アルキルトリシロキサンは直鎖状5cP PDMS液より効果的なシリコーンゲル用の液成分である。
【0078】
また、アルキルトリシロキサンの添加により、直鎖状の高分子量PDMS液の存在下で、効果的に反応生成物(a’)を増大させることが可能となる。したがって、シリコーンゲルにおけるPDMS及びアルキルトリシロキサンの組合せは、エンドユーザに対するメリットを提供し、またPDMS及びアルキルトリシロキサンの前記組合せは、PDMSの単独使用よりも効果的な反応生成物(a’)のための膨張用の液成分であると考えられる。
【0079】
<実施例4>:
8.5gのビニルシクロヘキセンオキシド、21.7gのAlpha Olefin(シェブロン社製のGulftene C30+)、630gのデカメチルシクロペンタシロキサン(D)及び0.075gのプラチナ触媒溶液(カールシュテット触媒)を混合し、概算組成M1332.5のシリコーン水素化物液260gを得た。混合液を90℃で加熱し、更に45分間混合した。9.7gの更なるシリコーン水素化物液、80gのDのMD50Mを加熱した反応混合物に添加した。更に90℃で4時間撹拌し、Innovene社製のC16−18Sαオレフィンを添加して末端オレフィン付加し、反応をクエンチした。得られる材料は、反応生成物(a’)の合計重量に対して30%の固形含量及び15重量%の抽出物を有した。オクチルトリシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンの混合液と反応生成物(a’)の粉末のブレンドを、9,000psiでGaulinホモジナイザを通過させ、以下のシリコーンゲル(サンプル15から20)を調製した。固体及び得られるゲルの粘度を以下の表3に示す。
【0080】
表3:液成分としてのトリシロキサンを含むシリコーンゲル
【表4】

【0081】
表3の結果に示するように、オクチルトリシロキサンとデカメチルシクロペンタシロキサンを混合することによりシリコーンゲルの粘性が低下し、Dがオクチルトリシロキサンよりも有効な液成分であることを意味している。
【0082】
実施例1から5の分析から、以下の傾向が理解される:
デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)≒エチルトリシロキサン>オクチルトリシロキサン>5cP PDMS液>高分子量PDMS液
(反応生成物(a’)を膨張させる能力)。
【0083】
<実施例5>:
化粧用組成物における、シリコーンゲルの増粘効果の改善:シリコーンゲルを「クリーム ツー パウダー」ファンデーションに添加したとき、アルキルトリシロキサンを含んでなるゲルでは、D5(サンプル1)単独を含んでなるゲルより非常に高い粘性を製品に付与した。それにより非常に良好な感触が付与され、製品の安定性が強化された。製剤(1から4)を表4に示す。製剤1から4に関する表4で用いられる重量%は、調製物の合計重量に対する重量%であることに留意すべきである。
【0084】
表4:ファンデーションの組成
【表5】

【0085】
パートA、B及びCの全てを、オーバーヘッド撹拌機を用いて毎分3000回転(rpm)で5〜10分間混合してこれらを調製した。最終製品の粘性測定値に明確に示されるように、シリコーンゲルへのエチルトリシロキサン又はオクチルトリシロキサンの使用により、トリシロキサン(製剤1)のないシリコーンゲルより非常に高い粘性を、クリーム ツー パウダーファンデーション(製剤2から4)へ供給する。これらのファンデーションは、細やかな感覚で塗布でき、サラサラした使用感を提供した。
【0086】
<実施例7>直鎖状水素ポリオルガノシロキサン及び直鎖状アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化:
ダウケミカル社製のCH=CHCH(OCHCHOH(APEG 350)とMD24Mとの部分的ヒドロシリル化:
【0087】
MeSiO(MeSiO)24(MeHSiO)SiMe(MD24M 340g、0.15モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサンと、CH=CHCHO(CO)H(18.51g、0.5モル)の平均的構造を有するモノアリル官能性ポリエーテルを、1リットル(L)の反応器に添加した。イソプロパノール(214g、3.56モル)を添加した。反応混合液を窒素雰囲気下で撹拌し、75℃で加熱した。Karsted触媒(10ppm)を添加した。反応はを2時間実施した。生成物を遠心乾燥機へ移し、100℃で1時間、4Torrで乾燥させた。
【0088】
ゲルBの合成:
ポリエーテル修飾シリコーン有機ポリシロキサン(336.77g)(MD240.33.7M)、CH=CHSi(CHO(MeSiO)20Si(CHCH=CH(M20、224.00g、0.13モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン(439.97g、1.19モル)を、ロスミキサー(Ross&びSon Co.Hauppauge、NY、モデルDPM−2)に添加した。低い粘性の濁った溶液を、窒素雰囲気下、50回転/分で5分間撹拌した。ケトルの温度を80℃とした。ピペットによりカールシュテット触媒(0.2mL、10重量%白金)を添加し、反応温度を90℃に上昇させた。30分以内に白色粉体が観察された。反応液を1.5時間反応させ、更に100回転/分に回転数を増加させ、30分間撹拌させた。予想値に近い定量的収率で白色粉体が得られた。
【0089】
ゲルBの懸濁:
ゲルB(101.9g)及び溶媒(ETS、D5又はSF96−5(各々348.1g))を、ウェアリングコマーシャルブレンダ(トリントン、CT)を使用して別個の懸濁液としてプレミックスした。各懸濁液の組成を表7に示す。各懸濁液は、Gaulin Homogenizerモデル15MR−8TA(APV Homogenizer Group、チーノー、CA)へ移し、8000psigでホモジナイズした。得られる各ゲルの粘性を、Brookfield Model DV−IT+Pro粘度計(Middleboro、マサチューセッツ)を使用して測定した。また各々の粘性を、表5及び6に示すように一定の時間経過後においても測定した。
【0090】
<実施例8>2つ以上のヒドリド及び更なるアルキル又はポリエーテル官能基を有する直鎖状水素ポリオルガノシロキサンと、α、ω反応性有機分子とのヒドロシリル化:
【0091】
APEG 350とMD1006.65Mの部分的ヒドロシリル化:
MeSiO(MeSiO)100(MeHSiO)6.65SiMe(MD1006.65M、300.0g、0.04モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサン、CH=CHCHO(CHCHO)Hの平均的構造を有するモノアリルポリエーテル(18.51g、0.05モル)及びイソプロパノール(136.5g、2.3モル)を、加熱マントルを有するコンデンサ、オーバーヘッド撹拌器及び温度調節器を備えた1000mlの丸底フラスコに添加した。濁った混合物を75℃に加熱し、1重量%の白金カールシュテット触媒を0.5ml添加した。混合液を2時間撹拌した。回転乾燥機において、100℃、減圧下で生成物を乾燥させた。
【0092】
ゲルCの合成:
APEG 350(194.84g)とMD1006.65Mの部分的ヒドロシリル化生成物を、1,5−ヘキサジエン(5.0g、0.06モル)及びデカメチルシクロペンタシロキサン(799.32g、2.16モル)と混合し、更にロスミキサー(Charles Ross&Son Co.Hauppauge、NY、モデルDPM−2)に添加した。低い粘性の透明溶液を、50回転/分で、窒素雰囲気下で5分間撹拌した。カールシュテット触媒(0.2mL、10重量%白金)をピペットにより添加した。10分後、白い粉末状の固体がミキサーにおいて形成された。ミキサーを停止させ、12時間静置した。再度撹拌機を始動させ、100回転/分に設定した。予想値に近い定量的収率で白色粉体が得られた。
【0093】
ゲルCの懸濁:
ゲルC(238.0g)及び溶媒(D5、ETS又はSF96−5)(各々212.0g)をウェアリングコマーシャルブレンダ(トリントン、CT)を使用して別個の懸濁液としてプレミックスした。各懸濁液の組成を表7に示す。各懸濁液は、Gaulin Homogenizerモデル15MR−8TA(APV Homogenizer Group、チーノー、CA)へ移し、8000psigでホモジナイズした。得られる各ゲルの粘性を、Brookfield Model DV−IT+Pro粘度計(Middleboro、マサチューセッツ)を使用して測定した。また各々の粘性を、表5及び6に示すように一定の時間経過後においても測定した。
【0094】
<実施例9>水素化樹脂及び直鎖状アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化:
【0095】
ゲルDの合成:
CH=CHSi(CH3)O(MeSiO)897Si(CHCH=CH(Mvi897vi、353.50g、0.005モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサン及びMQ(1.51g)及びデカメチルシクロペンタシロキサン(658.8g、1.8モル)を、ロスミキサー(Charles Ross&Son Co.Hauppauge、NY、モデルDPM−2)に添加した。ロスミキサーを80℃まで予熱した。透明溶液を、50回転/分で、N雰囲気下で5分間撹拌した。カールシュテット触媒(0.2mL、10の重量%白金)をピペットにより添加し、ミキサーの速度を100回転/分で設定した。10分後、白い粉末状の固体がミキサーにおいて形成された。反応液を更に1.5時間反応させた。予想値に近い定量的収率で白色粉体が得られた。
【0096】
ゲルDの懸濁:
ゲルD(92.1g)及び溶媒(ETS、D5又はSF96−5、各々357.9g)を、ウェアリングコマーシャルブレンダ(トリントン、CT)を使用して別個の懸濁液としてプレミックスした。各懸濁液の組成を表7に示す。各懸濁液は、Gaulin Homogenizerモデル15MR−8TA(APV Homogenizer Group、チーノー、CA)へ移し、8000psigでホモジナイズした。得られる各ゲルの粘性を、Brookfield Model DV−IT+Pro粘度計(Middleboro、マサチューセッツ)を使用して測定した。また各々の粘性を、表5及び6に示すように一定の時間経過後においても測定した。
【0097】
更に、MQをヒドロキシル含有化合物と凝縮させ、アルコキシ官能性の直鎖状ポリオルガノシロキサン又はポリオルガノシロキサン樹脂を形成することができ、それらを更に直鎖状アルケニルポリオルガノシロキサンと反応されることができる。
【0098】
<実施例10>:直鎖状水素ポリオルガノシロキサン及び直鎖状アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化:
【0099】
ゲルEの合成:
MeSiO(MeSiO)24.5(MeHSiO)3.5SiMe3(MD24.503.5M、118.95g、0.05モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサン、CH=CHSi(CHO(MeSiO)20Si(CHCH=CH(Mvi20vi、162.74g、0.10モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン(718.36g、1.94モル)を、ロスミキサー(Charles Ross&Son Co.Hauppauge、NY、モデルDPM−2)に添加した。透明溶液を、50回転/分で、N雰囲気下で5分間撹拌した。ケトルの温度を80℃とした。カールシュテット触媒(0.2mL、10の重量%白金)をピペットにより添加し、反応温度を90℃に上昇させた。30分後、白色粉体が観察された。反応液を1.5時間反応させ、更に回転数を100回転/分に増加させ、30分間撹拌した。予想値に近い定量的収率で、微小〜1cmにわたる粒子径の白色固体を得た。
【0100】
ゲルEの懸濁:
ゲルE(241.9g)及び溶媒(ETS、D5及びSF96−5、各々208.1g)を、ウェアリングコマーシャルブレンダ(トリントン、CT)を使用して別個の懸濁液としてプレミックスした。各懸濁液の組成を表7に示す。各懸濁液は、Gaulin Homogenizerモデル15MR−8TA(APV Homogenizer Group、チーノー、CA)へ移し、8000psigでホモジナイズした。得られる各ゲルの粘性を、Brookfield Model DV−IT+Pro粘度計(Middleboro、マサチューセッツ)を使用して測定した。また各々の粘性を、表5及び6に示すように一定の時間経過後においても測定した。
【0101】
<実施例11>少なくとも1つのアルコキシ基及び少なくとも2つのヒドリド官能基(好適には2つ以上のD官能基(Dが上記の通りである))を含んでなる有機ポリシロキサンと、る直鎖状アルケニルポリオルガノシロキサンのヒドロシリル化:
【0102】
ステアリルアルコールとMD32Mの部分的凝縮:
デカメチルシクロペンタシロキサン(183.26g、0.5モル)、ステアリルアルコール(25.68g、0.09モル)及びMeSiO(MeSiO)32(MeHSiO)SiMe(MD32M 102.73g、0.03モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサンを、加熱マントルを有するコンデンサ、オーバーヘッド撹拌器及び温度調節器を備えた500mLの丸底フラスコに添加した。フラスコを130℃に加熱し、1重量%のクロロ白金酸のエタノール中溶液0.1mLを添加した。エタノールで一度フラッシュした後、フラスコを水素でバブリングした。反応液を、130℃で3.5時間反応させた。反応液をFT−IRで解析し、910cm−1でのSi−Hピークの減少が観察されなくなるまで反応させた。
【0103】
ゲルFの合成:
上記の反応で調製されるステアリルアルコール修飾シリコーン(特に表5及び6のMD32D”Mシリコーン)を、95℃に設定したロスミキサー(Charles Ross&Son Co.Hauppauge、NY、モデルDPM−2)に添加した。デカメチルシクロペンタシロキサン(516.37g、0.5モル)及びCH=CHSi(CHO(MeSiO)20Si(CHCH=CH(Mvi20vi、171.60g、0.10モル)の平均的構造を有する有機ポリシロキサンを、10分間100回転/分で撹拌した。10重量%白金カールシュテット触媒0.2mLを添加した。白色粉体が10分後に形成され始めた。生成物を更に1.5時間、ロスミキサー中で撹拌した。微細な白色粉体が、予想値に近い定量的収率で得られた。
【0104】
ゲルFの懸濁:
ゲルF(226.51g)及び各溶媒(ETS、D5及びSF96−5、各々223.49g)を、ウェアリングコマーシャルブレンダ(トリントン、CT)を使用して別個の懸濁液としてプレミックスした。各懸濁液の組成を表7に示す。各懸濁液をGaulin Homogenizerモデル15MR−8TA(APV Homogenizer Group、チーノー、CA)へ移し、8000psigでホモジナイズした。得られる各ゲルの粘性を、Brookfield Model DV−IT+Pro粘度計(Middleboro、マサチューセッツ)を使用して測定した。各ゲルの粘性を、表5及び6に示すように、所定の時間の経過後に測定した。
【0105】
<実施例12>
実施例7〜11からの類推により、直鎖状アルコキシ水素化ポリオルガノシロキサンと、α、ω反応性有機ジエン分子との反応により、トリシロキサンによって事実上懸濁されうる構造が形成され、膨潤ゲルが得られると予想される。
【0106】
表5:結果の要約
【表6】

=CHSi(O)CH(CHO(CHCHO)H、
D”=CHSi(O)O(CH17CH
SF96−5は、GE Silicones社製の5cstの粘性を有する直鎖状ポリシロキサンである。
:ホモジナイズの72時間後の粘性
:ホモジナイズの48時間後の粘性
:ホモジナイズの24時間後の粘性
【0107】
表6:D5、ETS又はSF96−5を用いたときの、様々な膨張ゲルの粘性データ:
【表7】

【0108】
表7:ホモジナイズしたゲルの組成(%)
【表8】

【0109】
幾つかの詳細な例を以上で説明したが、それらは単に本発明の具体的な例を示すのみであり、これらの詳細な態様に本発明が限定されると解釈すべきではない。当業者であれば、本願明細書に添付の特許請求の範囲及び技術思想の範囲内で多くの他の実施態様を想起するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)反応生成物:MviM”viD”viT”
(式中、M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
vi=RSiO1/2
M”=R10R’SiO1/2
=R1112SiO1/2
D=R1314SiO2/2
=R15HSiO2/2
vi=R1617SiO2/2
D”=R18R’SiO2/2
=R19SiO2/2
T=R20SiO3/2
=HSiO3/2
vi=R21SiO3/2
T”=R’SiO3/2
=RSiO3/2及び
Q=SiO4/2であり、
、R、R、R13、R14及びR20は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R、R及びR15は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基又は水素であり、Rは2〜約10の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R及びRは独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R16は2〜約10の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R17は1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R21は2〜約10の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R、R10及びR18は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基又はR’であり、各R’は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価のアルコキシ基であり、R11、R12及びR19は独立に、1〜約200の炭素原子数の一価の炭化水素基又はRであり、各Rは独立に、1〜約200の炭素原子を有し、1つ以上のエーテル部分を含んでなる一価のエーテル基であり、化学量論を示す下付文字a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、L、m、n、o及びpはゼロ又は正の数であり、但し、a+b+c+d+e>1、b+g+L≧1及びc+h+m≧1であり、及び/又は反応生成物はまた、任意に約1〜約2000の炭素原子を含むアルケニル樹脂との反応を含んでなり、反応生成物はポリエーテル架橋を含むポリマーを含まない)と、
b)膨張量のアルキルトリシロキサンを含んでなり、
前記反応生成物が前記アルキルトリシロキサンによって膨張する第1シリコーン組成物を形成し、前記第1シリコーン組成物が、前記反応生成物及びアルキルトリシロキサン以外の直鎖状シリコーン液を含んでなる第2シリコーン組成物に存在する固形含量より低い固形含量を有し、それにより、第2シリコーン組成物と第1シリコーン組成物が同等の粘度を有する、第1シリコーン組成物。
【請求項2】
第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約10%低く、第1シリコーン組成物が約100,000センチストーク超の粘性を有する、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項3】
第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約25%低く、第1シリコーン組成物が約150,000センチストーク超の粘性を有する、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項4】
第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約40%低く、第1シリコーン組成物が約200,000センチストーク超の粘性を有する、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項5】
反応生成物(a)が、以下の式(I)の化合物:
2−b
(式中、M、M、D及びDは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f及びgはゼロ又は正の数であり、fは約10〜約50の数であり、gは0〜約50の数であり、bはゼロ〜2の数であり、但しb+gは1〜約100である)と、
(II)アルケニル樹脂と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)白金触媒と、
(VI)液成分中でSi−H結合含有化合物とプラチナの相互作用で形成されるエポキシド重合触媒と、
(VII)(I)及び/又は(II)の残留官能基のクエンチング剤の反応生成物を含んでなる、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項6】
式(I)の化合物がMD20Mを含んでなり、式(II)の化合物が1,5−ヘキサジエンを含んでなる、請求項5記載の第1シリコーン組成物。
【請求項7】
反応生成物(a)が、以下の式(I)の化合物:
2−b
(式中、M、D、D、D及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f、j及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは0又は1〜500の数であり、jは0.1〜10の数であり、gはゼロ〜50の数であり、bはゼロ〜2の数であり、但しb+gは1〜100である)と、
(II)Mvivi2−c及び/又は2〜約2000の炭素原子数のアルケニル樹脂
(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、但し、fは1〜300の数であり、hはゼロ〜20の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但し、c+hは1〜22の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中でSi−H結合含有化合物と白金との相互作用で形成される白金触媒と、(VII)(I)及び/又は(II)の残留官能基のクエンチング剤の反応生成物を含んでなる、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項8】
式(I)の化合物がMD240.33.7Mを含んでなり、式(II)の化合物がMvi20viを含んでなる、請求項7記載の第1シリコーン組成物。
【請求項9】
式(I)の化合物がMD1001.255.4Mを含んでなり、式(II)の化合物が1,5−ヘキサジエンを含んでなる、請求項7記載の第1シリコーン組成物。
【請求項10】
反応生成物(a)が式(I)の化合物:
2−b(式中、M、Q及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b及びpはゼロ又は正の数であり、但し、pは≧1の数であり、bは1〜2の数であり、但しb+pは2〜約20の数である)と、
(II)Mvivl2−c
(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhが0又は正の数であり、但し、fはゼロ又は約1〜約1200の数であり、hは0〜約20の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但しc+hは1〜約22の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中でSi−H結合含有化合物と白金との相互作用で形成される白金触媒と、
(VII)残留官能基のクエンチング剤との反応生成物を含んでなる、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項11】
式(I)の化合物がMQを含んでなり、式(II)の化合物がMvi897viを含んでなる、請求項10記載の第1シリコーン組成物。
【請求項12】
反応生成物(a)が式(I)の化合物:MD”2−b
(式中、M、M、D、D”及びDは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f、i及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは0から500の数であり、iはゼロ又は1〜20の数であり、gは0〜20の数であり、bは0〜2の数であり、但しb+gは1〜100の数である)と、
(II)Mvivi2−c(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、fは0〜500の数であり、hは0〜20の数であり、cは0〜2の数であり、但しc+hは1〜22の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中でSi−H結合含有化合物と白金との相互作用で形成される白金触媒と、
(VII)残留官能基のクエンチング剤との反応生成物を含んでなる、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項13】
式(I)の化合物がMD24.53.5Mを含んでなり、式(II)の化合物がMvi20viを含んでなる、請求項12記載の第1シリコーン組成物。
【請求項14】
式(I)の化合物がMD32D”Mを含んでなり、式(II)の化合物がMvi20viを含んでなる、請求項12記載の第1シリコーン組成物。
【請求項15】
反応生成物(a)が、付加重合物、尿素モノマー又はメラミンモノマーから及びホルムアルデヒドモノマー形成されるアミノ樹脂の縮合物、フルフリルアルコールモノマーの重合により調製されるフランポリマー、ジアルデヒドモノマー及びジアルコールモノマーから形成されるポリアセタールポリマー、アルキルブロマイドモノマー及び硫化カリウムモノマーから形成されるポリ(アルキレンスルフィド)ポリマー、二塩基酸モノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリアミドポリマー、ジアミンモノマー及び二ハロゲン化モノマーから形成されるポリアミン、二水素化物モノマー及びヒドラジンモノマーから形成されるポリアミノトリアゾールポリマー、二塩基酸モノマーの重合から形成されるポリ無水物、ジオールモノマー及びホスゲンモノマーから形成されるポリカーボネート、フェニルジエステルモノマー及びジヒドラジンモノマーから形成されるポリヒドラジドポリマー、四酸のモノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリイミド、テトラカルボニルモノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリキノキサリンポリマー、単糖モノマーの重合から形成される多糖類、二ハロゲン化モノマーから形成されるポリスルフィドポリマー、ポリスルフィドモノマー、ジアミンモノマー及びホスゲンモノマーから形成されるポリ尿素、アミノ酸モノマーの重合から形成されるタンパク質ポリマー、ジハロアルキルシランモノマー及び水から形成されるシリコーン、二官能性酸性モノマー及び二官能性アルコールモノマーから形成されるポリエステル、ジイソシアナトモノマー及びポリオールモノマーの段階重合反応生成物、並びに当該段階重合反応生成物の縮合重合生成物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される重合生成物を含んでなる、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項16】
少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)材料が、式(A)で表されるポリオルガノシロキサンのアルキル化により得られる、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
MDM (A)
(式中、M=RSiO1/2及びD=RHSiO2/2であり、R、R及びRは独立に、1〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、Rは1〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基又は水素である。)
【請求項17】
少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)が以下の式で表される、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
ΛΛ
(式中、M又はMΛ=RSiO1/2であり、DΛ=RSiO2/2であり、各R、各R及び各Rは独立に、1〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であって、それによりM及びMΛが異なり、R及びRは独立に、2〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、化学量論を示す下付文字rは正の数であり、但し、DΛのケイ素原子が水素、メチル及びポリエーテル以外であるペンダント基を有し、rは1である。)
【請求項18】
少なくとも1つのアルキルトリシロキサンが、エチルトリシロキサン、オクチルトリシロキサン、ヘキシルトリシロキサン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される直鎖状アルキルトリシロキサンである、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項19】
少なくとも1つのアルキルトリシロキサンが、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキシルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、3−ペンチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1−ヘキシル−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチル−5−オクチルトリシロキサン1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキシルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジプロピルトリシロキサン、3−(1−エチルブチル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(1−メチルペンチル)トリシロキサン、1,5−ジエチル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(1−メチルプロピル)トリシロキサン、3−(1,1−ジメチルエチル)−1,1,1,3(5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3,3−ビス(1−メチルエチル)トリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(1−メチルプロピル)トリシロキサン、1,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、3−(3,3−ジメチルブチル)−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−メチルブチル)トリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(3−メチルペンチル)トリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−(2−メチルプロピル)トリシロキサン、1−ブチル−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−プロピルトリシロキサン、3−イソヘキシル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,3,5−トリエチル−1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、3−ブチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、3−tert−ペンチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3,3−ジプロピルトリシロキサン、3,3−ジエチル−1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,5−ジブチル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、3,3−ジブチル−1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、3−エチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、3−ヘプチル−1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1−エチル−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ブチルトリシロキサン及びそれらの組合せからなる群から選択される直鎖状アルキルトリシロキサンである、請求項1記載の第1シリコーン組成物。
【請求項20】
実質的に請求項1記載の第1シリコーン組成物から構成されるシリコーンゲル。
【請求項21】
実質的に請求項2記載の第1シリコーン組成物から構成されるシリコーンゲル。
【請求項22】
実質的に請求項3記載の第1シリコーン組成物から構成されるシリコーンゲル。
【請求項23】
実質的に請求項4記載の第1シリコーン組成物から構成されるシリコーンゲル。
【請求項24】
実質的に請求項17記載の第1シリコーン組成物から構成されるシリコーンゲル。
【請求項25】
脱臭剤、発汗抑制剤、発汗抑制剤/デオドラント、シェービング剤、スキンローション、モイスチャライザー、トナー、入浴剤、クレンジング剤、ヘアケア用品、マニキュア、保護クリーム、カラーコズメ、芳香輸送剤、皮膚への塗布用医薬中に含有される、有効成分の局所輸送用の薬物輸送システム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20記載のシリコーンゲルを含んでなるパーソナルケア用調製物
【請求項26】
緩和剤、モイスチャライザー、湿潤剤、色素、コーティングされた雲母、着色剤、香料、殺虫剤、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗かび薬、制汗剤、洗顔料、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、ポリオール、紫外線吸収剤、植物エキス、界面活性剤、シリコーン油、有機油、ワックス、塗膜形成剤、糊料、粒状充填剤、粘土及びそれらの組み合わせからなる群から選択される個人ケア成分を更に含んでなる、請求項25記載のパーソナルケア用調製物。
【請求項27】
a)反応生成物:MbMviM”viD”viT”
(式中、M=RSiO1/2
=RHSiO1/2
vi=RSiO1/2
M”=R10R’SiO1/2
=R1112SiO1/2
D=R1314SiO2/2
=R15HSiO2/2
vi=R1617SiO2/2
D”=R18R’SiO2/2
=R19SiO2/2
T=R20SiO3/2
=HSiO3/2
vi=R21SiO3/2
T”=R’SiO3/2
=RSiO3/2及び
Q=SiO4/2であり、
、R、R、R13、R14及びR20は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R、R及びR15は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基又は水素であり、Rは2〜約10の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R及びRは独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R16は2〜約10の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R17は1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、R21は2〜約10の炭素原子数の一価の不飽和炭化水素基であり、R、R10及びR18は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価の炭化水素基又はR’であり、各R’は独立に、1〜約60の炭素原子数の一価のアルコキシ基であり、R11、R12及びR19は独立に、1〜約200の炭素原子数の一価の炭化水素基又はRであり、各Rは独立に、1〜約200の炭素原子を有し、1つ以上のエーテル部分を含んでなる一価のエーテル基であり、化学量論を示す下付文字a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、L、m、n、o及びpはゼロ又は正の数であり、但し、a+b+c+d+e>1、b+g+L≧1及びc+h+m≧1であり、及び/又は反応生成物はまた、任意に約1〜約2000の炭素原子を含むアルケニル樹脂との反応を含んでなり、反応生成物はポリエーテル架橋を含むポリマーを含まない)と、
b)膨張量のアルキルトリシロキサンを混合することを含んでなり、
前記反応生成物が前記アルキルトリシロキサンによって膨張する第1シリコーン組成物を形成し、前記第1シリコーン組成物が、前記反応生成物及びアルキルトリシロキサン以外の直鎖状シリコーン液を含んでなる第2シリコーン組成物に存在する固形含量より低い固形含量を有し、それにより、第2シリコーン組成物と第1シリコーン組成物が同等の粘度を有する、第1シリコーン組成物の調製方法。
【請求項28】
第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約10%低く、第1シリコーン組成物が約100,000センチストーク超の粘性を有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約25%低く、第1シリコーン組成物が約150,000センチストーク超の粘性を有する、請求項27記載の方法。
【請求項30】
第1シリコーン組成物が、所定の架橋構造及び所定の架橋密度を有し、第1シリコーン組成物の前記低い固形含量が、第1シリコーン組成物と同等の架橋構造を有して同等の架橋密度を有する第2シリコーン組成物の固形含量より少なくとも約40%低く、第1シリコーン組成物が約200,000センチストーク超の粘性を有する、請求項27記載の方法。
【請求項31】
反応生成物(a)が、以下の式(I)の化合物:
2−b
(式中、M、M、D及びDは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f及びgはゼロ又は正の数であり、fは約10〜約50の数であり、gは0〜約50の数であり、bはゼロ〜2の数であり、但しb+gは1〜約100である)と、
(II)アルケニル樹脂と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)白金触媒と、
(VI)液成分中でSi−H結合含有化合物とプラチナの相互作用で形成されるエポキシド重合触媒と、
(VII)(I)及び/又は(II)の残留官能基のクエンチング剤の反応生成物を含んでなる、請求項27記載の方法。
【請求項32】
式(I)の化合物がMD20Mを含んでなり、式(II)の化合物が1,5−ヘキサジエンを含んでなる、請求項31記載の方法。
【請求項33】
反応生成物(a)が、以下の式(I)の化合物:
2−b
(式中、M、D、D、D及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f、j及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは0又は1〜500の数であり、jは0.1〜10の数であり、gはゼロ〜50の数であり、bはゼロ〜2の数であり、但しb+gは1〜100である)と、
(II) Mvivi2−c及び/又は2〜約2000の炭素原子数のアルケニル樹脂(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、但し、fは1〜300の数であり、hはゼロ〜20の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但し、c+hは1〜22の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中でSi−H結合含有化合物と白金との相互作用で形成される白金触媒と、
(VII)(I)及び/又は(II)の残留官能基のクエンチング剤の反応生成物を含んでなる、請求項27記載の方法。
【請求項34】
式(I)の化合物がMD240.33.7Mを含んでなり、式(II)の化合物がMvi20viを含んでなる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
式(I)の化合物がMD1001.255.4Mを含んでなり、式(II)の化合物が1,5−ヘキサジエンを含でなる、請求項33記載の方法。
【請求項36】
反応生成物(a)が式(I)の化合物:
2−b
(式中、M、Q及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b及びpはゼロ又は正の数であり、但し、pは≧1の数であり、bは1〜2の数であり、但しb+pは2〜約20の数である)と、
(II)Mvivi2−c
(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhが0又は正の数であり、但し、fはゼロ又は約1〜約1200の数であり、hは0〜約20の数であり、cはゼロ〜2の数であり、但しc+hは1〜約22の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中でSi−H結合含有化合物と白金との相互作用で形成される白金触媒と、
(VII)残留官能基のクエンチング剤との反応生成物を含んでなる、請求項27記載の方法。
【請求項37】
式(I)の化合物がMQを含んでなり、式(II)の化合物がMvi897viを含んでなる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
反応生成物(a)が式(I)の化合物:
D”2−b
(式中、M、M、D、D”及びDは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字b、f、i及びgはゼロ又は正の数であり、但し、fは0から500の数であり、iはゼロ又は1〜20の数であり、gは0〜20の数であり、bは0〜2の数であり、但しb+gは1〜100の数である)と、
(II)Mvivi2−c
(式中、Mvi、D、Dvi及びMは上記と同様に定義され、化学量論を示す下付文字c、f及びhはゼロ又は正の数であり、fは0〜500の数であり、hは0〜20の数であり、cは0〜2の数であり、但しc+hは1〜22の数である)と、
(III)α−オレフィンフラクションと、
(IV)アルキルトリシロキサン及び任意に環状シロキサンと、
(V)液成分中でSi−H結合含有化合物と白金との相互作用で形成される白金触媒と、
(VII)残留官能基のクエンチング剤との反応生成物を含んでなる、請求項27記載の方法。
【請求項39】
式(I)の化合物がMD24.53.5Mを含んでなり、式(II)の化合物がMvi20viを含んでなる、請求項38記載の方法。
【請求項40】
式(I)の化合物がMD32D”Mを含んでなり、式(II)の化合物がMvi20viを含んでなる、請求項38記載の方法。
【請求項41】
反応生成物(a)が、付加重合物、尿素モノマー又はメラミンモノマーから及びホルムアルデヒドモノマー形成されるアミノ樹脂の縮合物、フルフリルアルコールモノマーの重合により調製されるフランポリマー、ジアルデヒドモノマー及びジアルコールモノマーから形成されるポリアセタールポリマー、アルキルブロマイドモノマー及び硫化カリウムモノマーから形成されるポリ(アルキレンスルフィド)ポリマー、二塩基酸モノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリアミドポリマー、ジアミンモノマー及び二ハロゲン化モノマーから形成されるポリアミン、二水素化物モノマー及びヒドラジンモノマーから形成されるポリアミノトリアゾールポリマー、二塩基酸モノマーの重合から形成されるポリ無水物、ジオールモノマー及びホスゲンモノマーから形成されるポリカーボネート、フェニルジエステルモノマー及びジヒドラジンモノマーから形成されるポリヒドラジドポリマー、四酸のモノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリイミド、テトラカルボニルモノマー及びジアミンモノマーから形成されるポリキノキサリンポリマー、単糖モノマーの重合から形成される多糖類、二ハロゲン化モノマーから形成されるポリスルフィドポリマー、ポリスルフィドモノマー、ジアミンモノマー及びホスゲンモノマーから形成されるポリ尿素、アミノ酸モノマーの重合から形成されるタンパク質ポリマー、ジハロアルキルシランモノマー及び水から形成されるシリコーン、二官能性酸性モノマー及び二官能性アルコールモノマーから形成されるポリエステル、ジイソシアナトモノマー及びポリオールモノマーの段階重合反応生成物、並びに当該段階重合反応生成物の縮合重合生成物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される重合生成物を含んでなる、請求項27記載の方法。
【請求項42】
少なくとも1つのアルキルトリシロキサン(b)が以下の式で表される、請求項27記載の方法。
ΛΛ
(式中、M又はMΛ=RSiO1/2であり、DΛ=RSiO2/2であり、各R、各R及び各Rは独立に、1〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であって、それによりM及びMΛが異なり、R及びRは独立に、2〜60の炭素原子数の一価の炭化水素基であり、化学量論を示す下付文字rは正の数であり、但し、DΛのケイ素原子が水素、メチル及びポリエーテル以外であるペンダント基を有し、rは1である。)
【請求項43】
反応生成物(a)が、少なくとも1つの第1液成分の存在下で調製され、その後更に膨張し、前記反応生成物(a)の膨張は、少なくとも1つの第1液成分の存在下で調製された反応生成物(a)を少なくとも1つの第2液成分で希釈することを含んでなり、但し、少なくとも1つの第1液成分及び/又は少なくとも1つの第2液成分がアルキルトリシロキサン(b)である、請求項27記載の方法。
【請求項44】
脱臭剤、発汗抑制剤、発汗抑制剤/デオドラント、シェービング剤、スキンローション、モイスチャライザー、トナー、入浴剤、クレンジング剤、ヘアケア用品、マニキュア、保護クリーム、カラーコズメ、芳香輸送剤、皮膚への塗布用医薬中に含有される、有効成分の局所輸送用の薬物輸送システム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項43記載の方法で調製される第1シリコーン組成物を含んでなるパーソナルケア調製物。
【請求項45】
緩和剤、モイスチャライザー、湿潤剤、色素、被覆雲母、着色剤、香料、殺虫剤、防腐剤、酸化防止剤、抗菌剤、抗真菌剤、発汗抑制剤、洗顔料、ホルモン、酵素、医薬化合物、ビタミン、塩、電解質、アルコール、多価アルコール、紫外線吸収剤、植物エキス、界面活性剤、シリコーンオイル、有機油、ワックス、被膜形成剤、増粘剤、粒状充填剤、粘土及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるパーソナルケア成分を更に含んでなる、請求項44記載のパーソナルケア調製物。

【公表番号】特表2009−516024(P2009−516024A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540122(P2008−540122)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2006/043314
【国際公開番号】WO2007/061623
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】