説明

膨張式ブラダー付創傷被覆材

患者の組織部位(102)に減圧治療を提供するシステムが、減圧を供給する減圧源(107)と、流体を供給する流体源(116)と、前記組織部位に隣接配置する複数の膨張式ブラダー(108)とを具える。膨張式ブラダー(108)は、流体を受け、未膨張位置から膨張位置まで膨張するよう動作可能である。システムはまた、圧縮可能な複数のチャンバ(120)を含む。複数のチャンバの少なくとも1つは、複数の膨張式ブラダーの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本発明は、米国連邦法典35セクション119(e)に基づき、2008年5月30日に出願された「減圧外科用創傷治療システム」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,807号;2008年5月30日に出願された「減圧を用いる皮下創傷治療用被覆材アセンブリ」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,798号;2008年5月30日に出願された「シースルーの減圧被覆材」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,808号;2008年5月30日に出願された「閉じる力適用時に用いる減圧被覆材アセンブリ」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,802号;2008年5月30日に出願された「減圧、線形創傷治療システム」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,803号;2008年5月30日に出願された「湾曲した身体部分に用いる減圧、圧縮システムおよび装置」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,800号;2008年5月30日に出願された「乳房組織に用いる減圧、圧縮治療システムおよび装置」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,797号;2008年5月30日に出願された「高吸水性、減圧創傷被覆材およびシステム」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,805号;2008年5月30日に出願された「関節に用いる減圧、圧縮治療システムおよび装置」なる名称の米国仮特許出願番号第61/057,810号;2008年12月10日に出願された「異方性のドレープを用いる減圧傷治療システム」なる名称の米国仮特許出願番号第61/121,362号;2009年1月12日に出願された「関節に用いる減圧、圧縮システムおよび装置」なる名称の米国仮特許出願番号第61/144,067号;の出願の利益を主張する。これらすべての仮出願は、すべての目的のため参照により本書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は一般に医療システムに関し、特に、膨張式ブラダー被覆材、システムおよび方法に関する。
【0003】
臨床的な研究および演習は、組織部位の近くに減圧を提供することが、組織部位での新しい組織の成長を増進および促進することを示してきた。この現象の適用例は多数あるが、減圧の適用は創傷治療において特に成功してきた。(医療界ではしばしば「負圧創傷治療」「減圧治療」または「真空治療」と言う)この治療は多くの利点を提供し、より迅速な治癒や肉芽組織の増加形成を含んでもよい。示されない限り、本書に用いられる際「または」は相互排他性を要求しない。さらに、創傷を閉じる助けとなる縫合、ステープル、または他の装置のような別の装置を用いるさらなるケアにより、創傷は迅速に治癒できる。
【発明の概要】
【0004】
例示的な実施例によると、患者の組織部位に減圧治療を提供するシステムは、減圧を供給する減圧源と、流体を供給する流体供給源と、組織部位に隣接配置する複数の膨張式ブラダーとを含む。これらの膨張式ブラダーは、未膨張位置から膨張位置まで膨張させるために流体を受けるよう動作可能である。このシステムはまた、圧縮可能な複数のチャンバを含む。これらの複数のチャンバの少なくとも1つは、複数の膨張式ブラダーの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置される。
【0005】
別の例示的な実施例によると、装置は組織部位に隣接配置する複数の膨張式ブラダーを含む。これらの膨張式ブラダーは、未膨張位置から膨張位置まで膨張させるために流体を受けるよう動作可能である。このシステムはまた、圧縮可能な複数のチャンバを含む。これらの複数のチャンバの少なくとも1つは、複数の膨張式ブラダーの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置される。
【0006】
別の例示的な実施例によると、患者の組織部位に減圧を提供する方法は、組織部位に多区画の被覆材を適用するステップを含む。この多区画の被覆材は、組織部位に隣接配置する複数の膨張式ブラダーを含む。これらの膨張式ブラダーは、未膨張位置から膨張位置まで膨張させるために流体を受けるよう動作可能である。多区画の被覆材はまた、圧縮可能な複数のチャンバを含む。これらの複数のチャンバの少なくとも1つは、複数の膨張式ブラダーの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置される。チャンバは膨張式ブラダーが膨張位置まで膨張する場合、または減圧がチャンバに供給される場合、圧縮される。この方法はまた、膨張式ブラダーを膨張位置まで膨張させるために、膨張式ブラダーに流体を適用するステップと、多区画の被覆材を介して減圧を組織部位にかけるステップとを含む。
【0007】
別の例示的な実施例によると、製造方法は、複数の膨張式ブラダーを形成するステップと、複数のチャンバを形成するステップとを含む。この方法はさらに、複数の膨張式ブラダーと複数のチャンバとを接続させるステップを含む。この膨張式ブラダーは、流体を受け、未膨張位置から膨張位置へと膨張させるために動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、例示的な実施例による、上面から示されたドレッシングを有する、患者に減圧治療を提供するためのシステムの概略図である。
【図2A】図2Aは、未膨張位置における、膨張式ブラダーを有する図1に示されたドレッシングの概略断面図である。
【図2B】図2Bは、未膨張位置における、膨張式ブラダーを有する図1に示されたドレッシングの概略断面図である。
【図2C】図2Cは、未膨張位置における、膨張式ブラダーを有する図1に示されたドレッシングの概略断面図であり、減圧を膨張式ブラダー間のチャンバにかける。
【図3】図3は、図1に示される膨張式ブラダーの概略斜視図である。
【図4A】図4Aは、例示的な実施例による、支柱を有し、例示的な実施例による未膨張位置に示された膨張式ブラダーの概略断面図である。
【図4B】図4Bは、膨張位置における図4Aの膨張式ブラダーである。
【図5】図5は、減圧治療を提供するためのシステムの一部の別の例示的な実施例の概略斜視図である。
【図6】図6は、膨張式ブラダーと、例示的な実施例による膨張式ブラダー間のチャンバとを有する平面構造の上面図である。
【図7A】図7Aは、線7A−7Aに沿って取られた図6の平面構造の概略断面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aに示された平面構造の概略断面図であり、減圧が膨張式ブラダー間に配置されたチャンバにかけられる間、膨張式ブラダーは膨張位置にある。
【図8】図8は、膨張式ブラダーとチャンバとを有するドレッシングの別の例示的な実施例の概略上面図である。
【図9A】図9Aは、線9A−9Aに沿って取られた図8に示されたドレッシングの概略断面図である。
【図9B】図9Bは、図9Aに示されたドレッシングの概略断面図であり、膨張式ブラダーが膨張位置にある。
【図10】図10は、線10−10に沿って取られた図8に示されたドレッシングの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の例示的な実施例の詳細な説明において、参照はその部分を形成する添付の図面になされる。これらの実施例は、当業者が発明を実施することができるよう十分に記載され、別の実施例が利用可能であり、論理的な構造、機械的、電気的、および化学的な変更が、本発明の精神と範囲を逸脱することなくなされうる。これらの当業者が本書に記載される実施例を実施するのに必要な詳細を避けるために、記載は当業者に周知の情報を省略することができる。したがって、以下の詳細な説明は限定の意味ではなく、例示的な実施例の範囲は添付の図面によってのみ定義される。
【0010】
ここで図1、図2A−図2Cを参照すると、減圧治療を患者104の組織部位102に適用するシステム100の例示的な実施例が示される。この減圧治療は、減圧治療または減圧が生成された閉じる力を含んでもよい。このシステム100は、減圧が減圧源107から供給され、流体が流体源116から供給されうる多区画ドレッシング106を含む。
【0011】
減圧源107は真空ポンプ、壁部、または他のソースといった減圧を供給するためのいかなる装置であってもよい。組織部位にかけられる減圧の量および性質は、一般的にアプリケーションによって異なり、一般的に減圧は−5mmHg乃至−500mmHgの間であり、より一般的には−100mmHg乃至−300mmHgである。
【0012】
本書に用いられるように、「減圧」とは一般に治療が行われる組織部位での雰囲気圧より低い圧力を言う。大抵の場合、この減圧は患者が置かれる雰囲気圧より低い。代替的に、減圧は組織部位での静水圧より低くなりうる。示されない限り、本書に述べられる値はゲージ圧である。送達される減圧は、一定あるいは(パターンでまたはランダムに)変化可能であり、一定または断続的に送達可能である。「真空」および「負圧」は、組織部位にかけられた圧力を記載するのに用いることができ、組織部位にかけられる実際の圧力は、完全な真空と通常関連する圧力より大きくてもよい。本書の使用と一貫して、減圧または負圧における増加は、一般に、絶対圧力の相対的な減少を言う。
【0013】
多区画ドレッシング106は、1またはそれ以上の分配管110によって互いに流体接続されうる膨張式ブラダー108を含む。この膨張式ブラダー108はまた、流体供給導管114が、流体が流体供給116によって膨張式ブラダー108に供給されるよう流体接続されうるインターフェイス112を含む。本書に用いられるように「連結された」という用語はまた、同種の材料から形成された各構成要素によって互いに連続的である2またはそれ以上の構成要素を包含する。また、「連結された」という用語は、化学結合を介するような化学的、機械的、熱的、または電気的結合を含んでもよい。流体連結は、流体が所定の部位または位置間で連通していることを意味する。
【0014】
多区画ドレッシング106はまた、複数のチャンバ120を形成するために膨張式ブラダー108を覆うドレープ118を含む。チャンバ120は各1対の膨張式ブラダー108間に配置される。このように、例えば、膨張式ブラダー108およびチャンバ120のような多区画が形成される。ドレープ118は、膨張式ブラダー108を覆い、患者の表皮125がシールされる場合、膨張式ブラダー108が配置される密閉空間122を形成する。このドレープ118は流体シールを提供するいかなる材料であってもよい。ドレープ118は、例えば、不透過性の、または半透過性の弾性材料であってもよい。「弾性的な」はエラストマの性質を有することを意味する。それは、一般にゴムのような性質を有する高分子材料を言う。より詳細には、大抵のエラストマは、100%より大きい伸び率と著しい弾性量とを有する。材料の弾性は弾性変形から戻る材料の能力を言う。エラストマの例は、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンラバー、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルフォンポリエチレン、ポリスルフィドゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリマ、およびシリコーンを含むが、これらに限定されない。ドレープ118材の特別な例は、シリコーンドレープ、3M社のTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennisonから利用可能なもののようなアクリルドレープ、またはインサイスドレープを含む。
【0015】
ドレープ118の患者の表皮125へのシールは、内側周辺端部、または組織に面する、ドレープ118側に配置される接着材124によって実現される。この接着剤124は、患者の表皮125、またはガスケットまたはさらなるドレ−プといった別の層に対してドレープ118を保持するよう用いることができる。この接着材124は多くの形態をとることができる。例えば、接着剤124は、ドレープ118の周囲あたりに延在する医療的に受け入れ可能な、感圧性の接着剤124であってもよい。
【0016】
ドレープ118はまた、減圧インターフェイス126が連結されうる(図示されない)開口を含んでもよい。この減圧導管128は減圧インターフェイス126に連結されてもよい。減圧源107からの減圧は、減圧インターフェイス126および減圧導管128を介してシールされたスペース122に伝えられてもよい。多区画ドレッシング106に伝えられる減圧の1機能は、組織部位102に減圧治療を提供することである。
【0017】
組織部位102は、骨組織、脂肪組織、筋組織、皮膚組織、繊維束組織、結合組織、軟骨組織、腱鞘組織、靭帯組織、または任意の他の組織を含む任意の人、動物、または他の生物の身体組織であってもよい。組織部位102の治療は、例えば、腹水、滲出液、または減圧の送達など流体の除去を含んでもよい。この組織部位102は、傷129であってもよいし、それを含んでもよい。組織部位102上のこの傷129は、外傷、手術などを含む様々な原因のためである。
【0018】
減圧導管128の中央部130は、装置131といった1またはそれ以上の装置を有してもよい。例えば、装置131は流体リザーバであってもよいし、滲出液および除去された他の流体を保持する収集部材であってもよい。減圧導管128の中央部130に含まれうる、あるいは減圧導管128に流体連結されうる装置131の他の例は、以下の:圧力フィードバック装置、ボリューム検出システム、血液検出システム、感染検出システム、フロー監視システム、温度監視システムなどの限定例を含む。これらの装置のいくつかは、減圧源107と一体的に形成されうる。例えば、減圧源107の減圧ポートは、例えば、臭気フィルタなどの1またはそれ以上のフィルタを含むフィルタ部材を含む。また、減圧導管128および流体供給導管114は2またはそれ以上のルーメンを有する多ルーメン導管組み込まれる。
【0019】
膨張式ブラダー108の任意の数は、多区画ドレッシング106に含まれてもよい。この膨張式ブラダー108は、互いに概ね平行であってもよい。しかしながら、別の実施例において、膨張式ブラダー108は、互いに異なる配向を有してもよい。例えば、膨張式ブラダー108は、放射状の配列、波パターンなどを有してもよい。また、膨張式ブラダー108は、膨張式ブラダー108を膨張させたり、収縮させたりできる任意の柔軟な材料から形成されてもよい。例えば、膨張式ブラダー108は、柔軟なポリマまたは他のいかなる柔軟な材料からできていてもよい。
【0020】
流体は未膨張位置から膨張位置まで、膨張式ブラダー108を膨張させるために、流体が、流体供給源116から膨張式ブラダー108に供給されてもよい。減圧はまた、チャンバ120の容量を減らし、減圧治療を組織部位102に提供するために、チャンバ120に提供されてもよい。図2A乃至図2Cは、異なる時間での多区画ドレッシング106の様々な状態を示す。図2Aにおいて、膨張式ブラダー108は未膨張状態にあり、チャンバ120に提供される減圧はない。図2Bにおいて、膨張式ブラダー108は膨張位置にあり、チャンバ120に提供される減圧はまだない。図2Cにおいて、膨張式ブラダー108は膨張位置にあり、減圧はチャンバ120に提供され、チャンバ120をつぶして、減圧治療を提供する。
【0021】
図2Bおよび2Cに示されるように、膨張式ブラダー108は、膨張位置において、より大きな内部容量とより大きな断面とを有する。隣接する膨張式ブラダー108の壁間の間隔はまた、膨張式ブラダー108が流体供給116からの流体で満たされ、これによりチャンバ120を圧縮する。このチャンバ120の容量は、ドレープ118下のシールされた空間122に減圧を適用することによりさらに減少されてもよい。膨張式ブラダー108が互いに近付くよう動くように、このような減圧が減圧源107から提供される場合、チャンバ120はつぶされる。減圧をチャンバ120に適用することは、膨張式ブラダー108間の間隔を減少させる。このように、図2Bに示される未膨張位置における間隔はdであり、図2Cに示される膨張位置における間隔はdでありd>dである。
【0022】
図2Cを特に参照すると、互いに向かう膨張式ブラダー108の動きは、傷129を閉じたり、あるいは治したりするのを助けることができる内向きの、あるいは閉じる力134を実現させる。この膨張式ブラダー108の膨張およびチャンバ120の圧縮は、双方向性矢印138によって示される方向のような、1方向に沿って、多区画ドレッシング106の全体的な圧縮を実現する。しかしながら、この多区画ドレッシング106は、他の実施例において2またはそれ以上の方向に沿って圧縮されうる。膨張式ブラダー108の膨張はまた、組織部位102上に下向きの圧縮力136を作成することを助ける。
【0023】
膨張式ブラダー108の膨張量およびチャンバ120にかけられる減圧量は、治療される組織部位102により調整されてもよい。例えば、内向きの力134の異なる大きさは、流体供給116により膨張式ブラダー108に供給される流体の量を変化させることにより作られる。同様に、内向きの力134の大きさは、減圧源107によりチャンバ120にかけられる減圧の量を調整することにより変化してもよい。多区画ドレッシング106にかけられる減圧および流体を変化させることに加えて、多区画ドレッシング106の構造はまた、異なる治療の種類のために変更されてもよい。例えば、断面領域、断面形状、および膨張式ブラダー108の長さは、図に示されるものから変更されうる。また、膨張式ブラダー108は一様である必要はなく、代わりに各々は異なる構造を有してもよく、各々が異なる流体量を受けてもよく、こうして膨張式ブラダーを異なる程度に膨張させる。似たような方法で、チャンバ120は各々、様々な量の減圧を受けることができ、これにより、異なる圧縮力136を各1対の膨張式ブラダー108間に作成する。
【0024】
多区画ドレッシング106の内向きの圧縮、および特に、互いに向かう膨張式ブラダー108の圧縮は、図1に明確に示されるような分配導管110の波型構造により実現される。特に、分配導管110のひだは、膨張式ブラダーをアコーディオンのような形態で圧縮させるようにできる。この分配導管110は、多区画ドレッシング106の機能を実現するいかなる柔軟な材料からも形成することができる。
【0025】
ヘルスケア提供者は、膨張式ブラダー108を組織部位102に提供することにより治療を実施することができる。ドレープ118は、ドレープ118が膨張式ブラダー108を覆うように膨張式ブラダー108上に提供されてもよい。減圧インターフェイス126は、ドレープ118の開口に提供される。導管128および導管114は、次に減圧インターフェイス126およびインターフェイス112にそれぞれ適用されてもよい。減圧源107により、減圧のシールされた空間122への適用前、適用中、および適用後に、流体が流体供給116により膨張式ブラダー108に供給されてもよい。減圧および流体の双方のこの適用は、組織部位102における治療を実現する。
【0026】
別の実施例において、独立して加圧される(図示されない)第3のブラダーまたはチャンバは、多区画ドレッシング106に含まれる。また、チャンバ120は減圧の代わりに陽圧を含んでもよく、変更されたドレッシング構造を作成する。膨張式ブラダー108の単層のみが示されているが、別の実施例において、膨張式ブラダー108の2またはそれ以上の層が互いにその頂部に積層されてもよい。膨張式ブラダー108の壁はまた、硬質、埋め込まれたプレートのような硬質な構造を含んでもよく、膨張位置にある場合、膨張式ブラダーの形状を変更する。傷129の治療を容易にする治癒および成長要因を含む流体は、減圧治療の間、チャンバ120に導入されてもよい。多区画ドレッシング106に供給される流体および減圧のレベルは、組織部位102の動的負荷を作成するために徐々に調整されてもよい。このような調整は、空気または他のガスのパルス波または圧力波のガス注入を含んでもよい。このような調整はまた、導かれた間質液が組織部位102に流れるのを促進するように、多区画ドレシング106の範囲上に配置されてもよい。
【0027】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、膨張式ブラダー208が別の例示的実施例により示される。この膨張式ブラダー208は、図1乃至図3のシステム100のような、減圧治療を提供するシステムの一部として用いることができる。この膨張式ブラダー208は、膨張式ブラダー208の壁245に連結される支柱240を含む。この支柱240は、膨張式ブラダー208が膨張位置にある場合、双方向の矢印242により導かれる一方向に沿った膨張式ブラダーの膨張を制限する。この膨張式ブラダー208は、図4Aの未膨張位置および図4Bの膨張位置に示される。この支柱240は、多区画ドレッシング106に配置される膨張式ブラダー208のすべて、または一部に挿入されてもよい。膨張式ブラダー208の膨張を制限することにより、組織部位にかけられる圧縮力および他の力は、組織治療を促進させるためにカスタマイズされる。
【0028】
支柱240はいかなる長さであってもよく、任意の方法で膨張式ブラダー208の壁245に取り付けられてもよい。例えば、支柱240は、膨張式ブラダー208の壁245に埋め込まれる各端部にフランジ244を有してもよい。別の実施例において、支柱240は、膨張式ブラダー208が2またはそれ以上の方向に膨張することを制限するように、複数の配向において、膨張式ブラダー208に挿入されうる。
【0029】
ここで図5を参照すると、膨張式ブラダー308の別の例示的な実施例が示される。膨張時には、概ね円形形状を有する図1乃至図3に示される膨張式ブラダー108と対照的に、膨張式ブラダー308の各々はリングまたは環形である。これらの膨張式ブラダー308は同心円を形成している。
【0030】
膨張式ブラダー308は、互いに向かう膨張式ブラダー308の動きを可能にするよう構成される分配導管310によって互いに流体接続される。この分配導管310は、流体が供給流体導管を介して適用されうるインターフェイス312を含む。図1乃至図3の膨張式ブラダー108のように、図5に示される膨張式ブラダー308は、各一対の膨張式ブラダー308間の個々のチャンバを具えるシールされた空間を形成するためにドレープにより覆われる。環形の膨張式ブラダー308の使用は、膨張式ブラダー308が提供される組織部位に特別な圧縮および治癒の特性を実現できる。例えば、膨張式ブラダー308は、複数の放射方向346に沿って圧縮されてもよい。
【0031】
図6、図7A、および図7Bを参照すると、多区画ドレッシング606の別の例示的な実施例が示される。多区画ドレッシング606は、膨張式ブラダー608およびチャンバ620を有する平面構造648を含む。この平面構造648は、上壁650および下壁652から形成される。上壁650および下壁652は、複数の区画が形成され、膨張式ブラダー608およびチャンバ620を含む複数の柔軟な側壁654によって共に連結される。図7Aに示されるように、膨張式ブラダー608が未膨張位置にあり、減圧がチャンバ620に適用されない場合、膨張式ブラダー608およびチャンバ620の双方は、概ね長方形の断面を有する。しかしながら、別の実施例において、膨張式ブラダー608およびチャンバ620は他の断面形状を有してもよい。
【0032】
流体は、流体供給導管614によって膨張式ブラダー608に供給される。減圧は減圧導管628によりチャンバ620に供給される。流体供給導管614および減圧導管628は各々、流体および減圧が各膨張式ブラダー608およびチャンバ620に供給されうるよう二又構造を有する。しかしながら、別の実施例において、二又ではない構造を有する単一の流体供給導管614および減圧導管628が用いられてもよいし、複数の個々の導管が用いられてもよい。このような二又の導管構造または個々の導管が存在しない場合、膨張式ブラダー608は互いに流体接続されてもよいし、チャンバ620は互いに流体接続されてもよい。この形態において、単一のチャンバ620に供給される減圧は、平面構造648の残りのチャンバ620に移すことができる。同様に、単一の膨張式ブラダー608に供給される流体は、残りの膨張式ブラダー608に移すことができる。
【0033】
図7Aは、流体供給がないため、未膨張領域に膨張式ブラダー608を示し、減圧不在下のチャンバ620を示す。図7Bにおいて、流体は、膨張式ブラダー608が膨張位置にあるように膨張式ブラダー608に供給された。さらに、減圧がチャンバ620にかけられたので、これによりチャンバ620をつぶし、膨張式ブラダー608が互いに近付くよう動かす。この平面構造648は、双方向の矢印638に沿って圧縮された。このような圧縮は、上述のように、組織部位の治癒を促進させる際に、望ましい圧縮力を提供することができる。いくつかの例において、平面構造648は、図1のドレープ118のようなドレープによって覆われてもよい。代替的な実施例において、開口はチャンバ620の減圧が組織部位と連通できるように下壁652に形成されてもよい。膨張式ブラダー608およびチャンバ620が、互いに概ね平行であるよう示されているが、膨張式ブラダー608およびチャンバ620は、互いに関して任意の配向を有してもよいし、任意の形状であってもよい。例えば、膨張式ブラダー608またはチャンバ620の何れか、あるいは双方は同心性のリングであってもよい。
【0034】
ここで図8乃至図10を参照すると、ドレッシング806の別の実施例が示され、これは、膨張式ブラダー808およびチャンバ820を形成するために、互いに結合部位860に連結される第1のシート856および第2のシート858を含む。図8において、単一の膨張式ブラダー808および単一のチャンバとして示されるが、複数のブラダーおよびチャンバが同様に形成されることが理解されるべきである。第1のシート856および第2のシート858は、それらから図1のドレープ118が形成されうる。上記の任意の柔軟な材料でつくられてもよい。第1のシート856および第2のシート858は、一般に膨張式ブラダー808およびチャンバ820の境界を規定する線862に沿って互いに接着されてもよい。流体はこれらの接着により、線862および863を通って流れることが防がれる。線862および線863に沿った流体の不浸透性を容易にするために、第1のシート856は、(例えば、超音波または高周波溶接のような溶接)、接着、接着剤、セメントなどを含むが、これらに限定されない任意の周知技術を用いて第2のシート858に接着されてもよい。
【0035】
膨張式ブラダー808は、分配導管810を介してインターフェイス866と流体接続されている。ドレッシング806において、分配導管810はまた、第1のシート856および第2のシート858が接着される線862の構成により形成される。
【0036】
図9Aおよび図9Bはそれぞれ、未膨張位置および膨張位置の膨張式ブラダー808を示す。流体は、導管864によって、膨張式ブラダー808に供給され、このためさらなる詳細が以下に提供されるであろう。ドレッシング806は、ドレッシング806の周辺865に配置される接着剤824により組織部位802に接着される。
【0037】
流体が、膨張式ブラダー808に供給されると、膨張式ブラダー808は膨張位置に膨張し、これによりドレッシング806を組織部位802の表面に沿って動かす。膨張式ブラダー808が膨張するときに、ドレッシング806が動く方向は、双方向矢印838によって示される。この双方向矢印838に沿った収縮力は、内向きに、閉じる力834を生じる助けとなり、この力は創傷828の閉塞または治癒に有益でありうる。接着剤824による、ドレッシング806の組織部位802への接着はまた、この内向きの力834を提供すること、または伝達する助けとなりうる。膨張式ブラダー808が膨張位置にあると、矢印836に沿った組織部位802への圧縮力がまた提供される。
【0038】
図8乃至図10によって示される実施例において、チャンバ820は、チャンバ820をつぶすよう減圧を供給しない。しかしながら、チャンバ820は、膨張式ブラダー808が膨張位置にある場合、膨張式ブラダー808が互いに近付くよう動けるよう空間領域を提供する。しかしながら、別の実施例において、減圧はチャンバ820に提供されてもよい。さらに、一実施例において、減圧がチャンバ820に送達されてもよいし、開口が、チャンバ820内の減圧が組織部位802と連通することができるドレッシング806の底面に形成されてもよい。
【0039】
流体および減圧の双方は、インターフェイス866に連結される多ルーメン導管864によってドレッシング806に供給されてもよい。このインターフェイス866は、第1のシート856および第2のシート858を通る開口868に配置されてもよい。
【0040】
多ルーメン導管864は、少なくとも流体ルーメン870および減圧ルーメン872を含む。インターフェイス866は、流体ルーメン870を通って送られた流体を、流体を膨張式ブラダー808に送る分配導管810に送るよう構成される。インターフェイス866はまた減圧ルーメン872からの減圧を、第1のシート856および第2のシート858の開口868を通して、ドレッシング806の組織に面する側874に送るよう構成される;この形態において、ガスを含む流体は、ドレッシング806の組織に面する側874から減圧ルーメン872内に引き込まれる。ドレッシング806を通って流れる際に、減圧は、組織部位または創傷用のボルスタまたはマニホルドといった別の構造により受けられてもよい。導管864の多ルーメン構造およびインターフェイス866のルーティング機能は、単一の多ルーメン導管864を用いて、減圧および流体をドレッシング806に供給できるようにする。
【0041】
別の実施例において、インターフェイス866によって減圧がチャンバ820に供給されてもよい。また、管のような別の導管は、インターフェイス866からの流体を、膨張式ブラダー808に送るために、第1のシート856と第2のシート858との間に挿入されてもよい。このような導管が用いられる場合、導管は、導管がそこに送られうるように膨張式ブラダー808内に配置されるこれらの領域に穿孔を有してもよい。ドレッシング806はまた、図1のドレープ118のような、例示的な実施例に記載された他の部分と関連して用いられてもよい。
【0042】
本発明および他の利点が、一例示的な、限定しない実施例の内容に開示されてきたが、様々な変化、代用、置換、および変更が、添付のクレームにより定義されるような本発明の範囲を逸脱することなくなされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織部位に減圧治療を提供するシステムであって、当該システムが:
減圧を供給する減圧源と;
流体を供給する流体源と;
前記組織部位に隣接配置する複数の膨張式ブラダーであって、流体を受け、未膨張位置から膨張位置まで膨張するよう動作可能な膨張式ブラダーと;
複数のチャンバであって、収縮可能であるチャンバとを具え;
前記複数のチャンバの少なくとも1つが、前記複数の膨張式ブラダーのうちの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記膨張式ブラダーが前記未膨張位置から前記膨張位置まで膨張すると、前記チャンバは収縮することを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムがさらに:
前記膨張式ブラダーが前記患者の表皮に近接して配置されたときに、密閉空間を形成するために前記膨張式ブラダーを覆うドレープを具え、前記密閉空間は前記チャンバを含み;
前記チャンバは減圧を受けるよう動作可能であり、減圧が前記チャンバをつぶし、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムがさらに:
前記膨張式ブラダーが前記患者の表皮に近接して配置されたときに、密閉空間を形成するために前記膨張式ブラダーを覆うドレープであって、前記密閉空間が前記チャンバを含むドレープと;
減圧を送る減圧導管と;
前記ドレープに連結し、前記導管と前記密閉空間との間に流体連通を提供しうる減圧接続器とを具え;
前記チャンバは減圧を受け、減圧下でつぶれるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムがさらに:
前記組織部位の近くに密閉空間を形成するために前記膨張式ブラダーを覆うドレープであって、前記密閉空間が前記チャンバを含むドレープと;
前記密閉空間の密閉を実現するために前記ドレープの周囲を前記患者に接合させる接着剤とを具え;
前記チャンバは減圧を受け、減圧下で少なくとも一部がつぶれるよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて:
前記膨張式ブラダーおよび前記チャンバは、上壁、下壁、および柔軟な側壁で形成されており、前記柔軟な側壁の少なくとも一部が、前記膨張式ブラダーと前記チャンバとを仕切り;
前記チャンバは減圧を受けて、前記チャンバが減圧下でつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて:
前記膨張式ブラダーおよび前記チャンバは、上壁、下壁、および柔軟な側壁で形成されており、前記柔軟な側壁の少なくとも一部が、前記膨張式ブラダーと前記チャンバとを仕切り;
前記チャンバは減圧を受け、減圧下でつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であり;前記膨張式ブラダーは各々、前記未膨張位置にある場合、概ね方形の断面形状を有し、前記チャンバは各々、減圧の不在下で、概ね方形の断面形状を有することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムがさらに:
第1のシートと;
前記第1のシートに連結され、前記膨張式のブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供するものであることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムがさらに:
第1のシートと;
前記第1のシートに連結され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供し;
前記チャンバは減圧を受け、減圧下でつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動くよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムがさらに:
第1のシートと;
前記第1のシートに連結され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートであって、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供する第2のシートと;
前記減圧源と、前記流体源とに流体接続されるデュアルルーメン導管であって、減圧を移送する第1のルーメンと、流体を移送する第2のルーメンとを有するデュアルルーメン導管と;
前記複数のチャンバと前記減圧源、および前記流体源と前記複数の膨張式ブラダーとに流体連結する接続器であって、減圧および流体を移送可能な接続器とを具え;
前記チャンバは減圧を受け、減圧下でつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムがさらに:
第1のシートと;
溶接線に沿って前記第1のシートに溶接され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供することを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記膨張式ブラダーの少なくとも1つが:
前記少なくとも1つの膨張式ブラダーが膨張したときに、当該少なくとも1つの膨張式ブラダーの一方向に沿った膨張を制限する支柱を具えることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムがさらに:
前記流体源と前記膨張式ブラダーとの間に流体連通を提供する流体導管と;
前記流体導管と前記膨張式ブラダーとを連結する流体接続器とを具えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムがさらに:
前記膨張式のブラダー間に流体連通を提供する分配管を具えることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムがさらに:
前記膨張式のブラダー間に流体連通を提供する分配管を具え、当該分配管が、前記膨張式ブラダーの動きを実現するよう波形であることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて:
前記膨張式ブラダーは各々、前記膨張位置にある場合、概ね円筒形であり、前記膨張式ブラダーは、互いに概ね平行であることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記膨張式ブラダーは同心円を形成することを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記チャンバは減圧を受けるよう動作可能であり、減圧がチャンバをつぶし、閉じる力が前記組織部位の創傷にかけられるように、互いに近付くよう前記膨張式ブラダーを動かすことを特徴とするシステム。
【請求項19】
患者の組織部位に減圧治療を提供する装置であって、当該装置が:
前記組織部位に隣接して配置する複数の膨張式ブラダーであって、当該膨張式ブラダーが、流体を受け、未膨張位置から膨張位置まで膨張可能である複数のブラダーと;
複数のチャンバであって、収縮可能であるチャンバとを具え;
前記複数のチャンバの少なくとも1つが、前記複数の膨張式のブラダーの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、前記膨張式ブラダーが、前記未膨張位置から前記膨張位置まで膨張すると、前記チャンバは圧縮することを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置がさらに:
前記患者の近くに複数の密閉空間を形成するために前記膨張式のブラダーを覆うドレープを具え、前記密閉空間は前記チャンバを具え;
前記チャンバが減圧を受けてつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項19に記載の装置がさらに:
前記患者の近くに複数の密閉空間を形成するために前記膨張式ブラダーを覆うドレープであって、前記密閉空間が前記チャンバを具えるドレープと;
減圧を送る減圧導管と;
前記減圧導管と前記複数の密閉空間とを流体連結させる減圧接続器とを具え;
前記チャンバが減圧を受けてつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項19に記載の装置がさらに:
前記膨張式ブラダーを覆って複数の密閉空間を形成するドレープであって、前記密閉空間が前記チャンバを含むドレープと;
前記密閉空間の密閉を実現するために、前記ドレープの周囲を前記患者に接合させる接着剤とを具え;
前記チャンバは、減圧を受けてつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項19に記載の装置において:
前記膨張式のブラダーおよび前記チャンバは、上壁、下壁、および柔軟な側壁で形成され;
前記チャンバは、減圧を受けてつぶれ、これにより前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項19に記載の装置において:
前記膨張式ブラダーおよび前記チャンバは、上壁、下壁、および柔軟な側壁で形成され;
前記チャンバは、減圧を受けてつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であり;
前記膨張式ブラダーは各々、前記未膨張位置にある場合、前記膨張式ブラダーは各々、概ね方形の断面形状を有し、前記チャンバは各々、減圧の不在下、概ね方形の断面形状を有することを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項19に記載の装置がさらに:
第1のシートと;
前記第1のシートに連結され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供することを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項19に記載の装置がさらに:
第1のシートと;
前記第1のシートに連結され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供し;
前記チャンバは、減圧を受け、減圧下でつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動くよう動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項19に記載の装置がさらに:
第1のシートと;
前記第1のシートに連結され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連結を提供する第2のシートと;
減圧を提供する減圧源と;
流体を供給する流体源と;
前記減圧源と前記流体源とに流体連結されるデュアルルーメン導管であって、減圧を移送する第1のルーメンと、流体を移送する第2のルーメンとを有するデュアルルーメン導管と;
前記複数のチャンバと前記減圧源、および前記流体源と前記複数の膨張式ブラダーとに流体連結する接続器であって、当該接続器が、減圧と流体とを移送するよう動作可能である接続器とを具え;
前記チャンバが減圧を受け、減圧下でつぶれ、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすよう動作可能であることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項19に記載の装置がさらに:
第1のシートと;
溶接線に沿って前記第1のシートに溶接され、前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成する第2のシートとを具え、前記分配管が、前記膨張式のブラダー間に流体連結を提供することを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項19に記載の装置において、前記膨張式ブラダーの少なくとも1つが:
前記少なくとも1つの膨張式ブラダーが膨張したときに、前記少なくとも1つの膨張式ブラダーの膨張を一方向に沿って制限する支柱を具えることを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項19に記載の装置がさらに:
前記流体を供給する流体源と;
前記流体源と前記膨張式ブラダーとの間に流体連通を提供する流体導管と;
前記膨張式ブラダーに前記流体導管を流体連結する流体接続器とを具えることを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項19に記載の装置がさらに:
前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供する分配管を具えることを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項19に記載の装置がさらに:
前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供する分配管を具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダーの動きを実現するよう波形であることを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項19に記載の装置において:
前記膨張式ブラダーの各々は、膨張位置にある場合、概ね円筒形であり、
前記膨張式ブラダーは、互いに概ね平行であることを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項19に記載の装置において、前記膨張式ブラダーが、同心円を形成することを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項19に記載の装置において、前記チャンバは減圧を受けるよう動作可能であり、減圧が前記チャンバをつぶし、閉じる力が前記組織部位の創傷にかけられるように、前記膨張式ブラダーが互いに近付くよう動かすことを特徴とする装置。
【請求項37】
患者の組織部位に減圧治療を提供する方法であって:当該方法が、
前記組織部位に多区画の被覆材を適用するステップであって、当該被覆材が:
前記組織部位に隣接して配置する複数の膨張式ブラダーであって、流体を受け、未膨張位置から膨張位置まで膨張するよう動作可能な膨張式ブラダーと;
複数のチャンバであって、収縮可能であるチャンバとを具え;
前記複数のチャンバの少なくとも1つが、前記複数の膨張式ブラダーのうちの第1の膨張式ブラダーと第2の膨張式ブラダーとの間に配置されるステップと;
前記膨張式ブラダーに流体を供給し、前記膨張式ブラダーを前記膨張位置まで膨張させるステップと;
前記被覆材を介して前記組織部位に減圧をかけるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法において、前記膨張式ブラダーが、前記膨張位置まで膨張すると、前記チャンバは収縮することを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項37に記載の方法がさらに:
前記チャンバがつぶれて前記膨張式ブラダーが互いに近付くように、前記チャンバに減圧かけるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項37に記載の方法において、前記被覆材を前記組織部位に適用するステップがさらに:
密閉空間を形成するために前記膨張式ブラダーをドレープで覆うステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項41】
患者の組織部位に減圧治療を提供する装置を製造する方法であって、当該方法が:
複数の膨張式ブラダーを形成するステップと;前記膨張式ブラダーに連結される複数のチャンバを形成するステップであって;前記膨張式ブラダーが流体を受け、未膨張位置から膨張位置まで膨張するよう動作可能であり、前記膨張式ブラダーがさらに、前記組織部位に隣接して配置するよう適合されるステップと;
前記複数の膨張式ブラダーおよび前記複数のチャンバを連結させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法がさらに:
分配管を提供するステップと;
前記分配管を用いて、前記膨張式ブラダーを互いに流体連結させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項41記載の方法がさらに:
分配管を提供するステップと;
前記分配管を用いて前記膨張式ブラダーを互いに流体連結させるステップと;
密閉空間を形成するために前記膨張式ブラダーを覆うよう適合したドレープを提供するステップとを含み、
前記密閉空間は前記チャンバを含むことを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法において、前記膨張式ブラダーを形成するステップが:
第1のシートを提供するステップと;
第2のシートを提供するステップと;
前記膨張式ブラダー、前記チャンバ、および前記分配管を形成するために、前記第1のシートを前記第2のシートに連結するステップとを具え、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供することを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項41に記載の方法において、前記膨張式ブラダーを形成するステップが:
第1のシートを提供するステップと;
第2のシートを提供するステップと;
前記膨張式ブラダーと、前記チャンバと、分配管とを形成するために、溶融線に沿って前記第1のシートを前記第2のシートに溶融させるステップとを含み、前記分配管が、前記膨張式ブラダー間に流体連通を提供することを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項41に記載の方法において、前記膨張式ブラダーを形成するステップが:
上壁と、下壁と、前記上壁と前記下壁とを連結する柔軟な側壁とを形成するステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2011−521742(P2011−521742A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511886(P2011−511886)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045753
【国際公開番号】WO2009/158131
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】