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膨張式剛性気柱
説明

膨張式剛性気柱

【課題】ゴム引布又はプラスチック引布からなり、容易に製造することができ、強度が大きい膨張式剛性気柱を提供する。
【解決手段】細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された管状体3〜8個を側縁を積層して重ね合わせ、積層された側縁において縫製することにより一体化してなることを特徴とする膨張式剛性気柱、及び、細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された垂直管状体4個と水平管状体4個を、垂直管状体の側縁と水平管状体の末端を一致させて交互にL字形に重ね合わせ、垂直管状体の側縁において縫製することにより一体化してなることを特徴とする膨張式剛性気柱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膨張式剛性気柱に関する。さらに詳しくは、本発明は、ゴム引布又はプラスチック引布からなり、容易に製造することができ、強度が大きい膨張式剛性気柱に関する。
【背景技術】
【0002】
細長い帯状の引布から形成される管状体が、エアーテント、脱出シュート、洋上標的などの膨張式気柱として用いられている。1個の管状体では、気柱に必要な剛性が不足する場合には、複数個の管状体を組み合わせた膨張式剛性気柱が用いられる。
図9は、従来の膨張式剛性気柱の一例の断面図である。この例の膨張式剛性気柱は、4個の管状体17を8本のV字形に折り曲げたテープ18で糊を用いて接着している。しかし、4個の管状体を8本のテープを用いて接着する作業には手間がかかる。引布の基布面の糊塗りは、糊が基布に染み込むために3〜4回塗る必要があり、ゴムが基布にコーティングされていないので接着強度が弱い。接着部を合わせるために、剥がしたり合わせたりして張り合わせていくと、剥がして合わせる段階で糊が取れてしまい、作業にならない状態になる場合もある。
垂直気柱と水平気柱を組み合わせた構造体では、特に接着強度が不十分となりやすい。図10は、垂直気柱と水平気柱の接着方法の一例を示す斜視図及び断面図である。この例では、垂直気柱19に対して水平気柱20の全円周を接着することにより、接着強度の向上が図られている。しかし、垂直気柱の円柱面に対して、水平気柱の端面を接着することは極めて複雑な作業であり、完全に歪みのない接着が行われていないと、応力集中のためにかえって接着強度が低下する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ゴム引布又はプラスチック引布からなり、容易に製造することができ、強度が大きい膨張式剛性気柱を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された管状体を重ね合わせ、側縁において縫製して一体化することにより、手間をかけることなく、極めて容易に、強度の大きい膨張式剛性気柱を製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された管状体3〜8個を側縁を積層して重ね合わせ、積層された側縁において縫製することにより一体化してなることを特徴とする膨張式剛性気柱、
(2)管状体が、細長い帯状の引布2枚の両側縁を接着して形成されてなる(1)記載の膨張式剛性気柱、
(3)細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された垂直管状体4個と水平管状体4個を、垂直管状体の側縁と水平管状体の末端を一致させて交互にL字形に重ね合わせ、垂直管状体の側縁において縫製することにより一体化してなることを特徴とする膨張式剛性気柱、及び、
(4)L字形の水平部分を構成する水平管状体の径が、接続端において大きい(3)記載の膨張式剛性気柱、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の膨張式剛性気柱は、引布からなる管状体を3〜8個重ね合わせ、一方の側縁において縫製することにより製造されるので、従来の接着による膨張式剛性気柱に比べて容易に製造することができ、しかも管状体の接合強度が大きい。垂直気柱と4本の水平気柱からなる態様の本発明の膨張式剛性気柱は、安定したピラミッド形状の構造体となり、地上仮設建造物、洋上標的などの構造体として好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の膨張式剛性気柱の第一の態様は、細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された管状体3〜8個を側縁を積層して重ね合わせ、積層された側縁において縫製することにより一体化してなる膨張式剛性気柱である。
図1は、本発明に用いる管状体の一態様の説明図である。本図は、管状体を長手方向に垂直な平面で切断した端面を示す。細長い帯状の引布1を側縁2において接着し、長手方向の両端を閉じて管状体とする。管状体の中へガスを送入することにより、管状体は膨張して断面が略円形の気柱となる。
本発明に用いる管状体は、細長い帯状の引布2枚の両側縁を接着して形成されてなることが好ましい。図2は、本発明に用いる管状体の他の態様の説明図である。本図は、管状体を長手方向に垂直な平面で切断した端面を示す。2枚の細長い帯状の引布1を両側縁において接着し、長手方向の両端を閉じて管状体とする。管状体の中へガスを送入することにより、管状体は膨張して断面が略円形の気柱となる。図1に示す態様の管状体は、膨張させたときに長手方向に曲がりを生ずるおそれがあるが、図2に示す細長い帯状の引布2枚の両側縁を接着して形成された管状体は、膨張させたときに曲がりを生ずるおそれがなく、真っ直ぐな気柱が形成される。
【0007】
本発明に用いる引布に特に制限はなく、ゴム引布、プラスチック引布のいずれをも用いることができる。引布の基布の材質に特に制限はなく、例えば、綿織物、ポリエステル織物、ポリアミド織物などを挙げることができる。ゴム引布のゴムの材質に特に制限はなく、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、EPDMエラストマーなどを挙げることができる。これらの中で、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム及びEPDMエラストマーを好適に用いることができる。プラスチック引布のプラスチックの材質に特に制限はなく、例えば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロースなどを挙げることができる。これらの中で、ポリウレタンを好適に用いることができる。
本発明の膨張式剛性気柱は、上記の管状体3〜8個、より好ましくは4〜6個を側縁を積層して重ね合わせ、積層された側縁において縫製することにより一体化してなる膨張式剛性気柱である。管状体の重ね合わせが2個であると、十分な剛性を有する気柱が形成されないおそれがある。管状体の重ね合わせが9個以上になると、構造が複雑になるばかりで、気柱の剛性は向上しないおそれがある。
図3は、本発明の膨張式剛性気柱の一態様の説明図である。本態様の膨張式剛性気柱は、4個の管状体3が側縁2を積層して重ね合わせられ、積層された側縁2において縫い目4により縫製されている。4個の管状体にガスを送入して膨張させると、膨張した4個の管状体3は縫い目4を中心として互いに押し合い、固定化されて、外力により曲がりにくい剛性の高い気柱となる。本発明の膨張式剛性気柱は、剛性が高いので、エアーテントの支柱、脱出シュート用部材などとして好適に用いることができる。
【0008】
本発明の膨張式剛性気柱は、4個の管状体からなる垂直気柱と、垂直気柱の下端部から四方に張り出す4本の水平気柱を有する構造とすることができる。本発明の膨張式剛性気柱の第二の態様は、細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された垂直管状体4個と水平管状体4個を、垂直管状体の側縁と水平管状体の末端を一致させて交互にL字形に重ね合わせ、垂直管状体の側縁において縫製することにより一体化してなる膨張式剛性気柱である。
図4は、本発明の膨張式剛性気柱の他の態様の部分側面図及びA−A線断面図である。本態様の膨張式剛性気柱は、細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された4個の垂直管状体5と、4個の水平管状体6が、垂直管状体の側縁7と水平管状体の末端8を一致させて交互にL字形に重ね合わせられ、垂直管状体の側縁において縫い目9により縫製され、一体化されている。
図5は、図4に示す態様の膨張式剛性気柱にガスを送入して膨張させた状態を示す説明図である。膨張した4個の垂直管状体5が、縫い目を中心として互いに押し合い、固定化されて、外力により曲がりにくい剛性の高い垂直気柱となる。垂直気柱の下部からは、膨張した水平管状体6が水平気柱として四方に張り出し、全体としてピラミッド形状の構造体が形成される。この構造体を用いて、地上仮設建造物、洋上標的などを作製することができる。
【0009】
本発明の膨張式剛性気柱の第二の態様においては、垂直管状体と接続する部分の水平管状体の太さを太くすることが好ましい。図6は、本発明の膨張式剛性気柱の他の態様の部分側面図及びB−B線断面図である。本態様の膨張式剛性気柱は、細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された4個の垂直管状体5と、接続端10において径が大きい4個の水平管状体11が、垂直管状体の側縁7と水平管状体の末端12を一致させて交互にL字形に重ね合わせられ、垂直管状体の側縁において縫い目9により縫製され、一体化されている。
図7は、図6に示す態様の膨張式剛性気柱にガスを送入して膨張させた状態を示す説明図である。膨張した4個の垂直管状体5が、縫い目を中心として互いに押し合い、固定化されて、外力により曲がりにくい剛性の高い垂直気柱となる。垂直気柱の下部からは、膨張した水平管状体11が水平気柱として四方に張り出し、全体としてピラミッド形状の構造体が形成される。水平管状体11は、接続端10の部分の管径が大きく、垂直気柱と水平気柱の接触面積が大きくなり、垂直気柱が水平気柱により強固に支持されて、揺らぎが少なくなり、より安定なピラミッド形状の構造体が形成される。
【実施例】
【0010】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
膨張式剛性気柱を備えた洋上標的を作製した。
ポリウレタン引布を幅65cm、長さ600cmの帯状に8枚裁断し、その2枚ずつの両側縁を接着して、図2に示す形状の垂直管状体4個を作製した。また、同じポリウレタン引布を幅65cm、長さ600cmで、その一方の端40cmが幅95cmとなっている帯状に8枚裁断し、その2枚ずつの両側端を接着して、水平管状体4個を作製した。8個の管状体に、それぞれガス送入口を加工し、両末端を閉鎖した。
垂直管状体4個と水平管状体4個を、図6に示すように、垂直管状体の側縁と水平管状体の幅の広い方の末端を一致させて交互にL字形に重ね合わせ、垂直管状体の側縁において縫製し、8個の管状体を一体化した。次いで、垂直管状体と水平管状体を2辺とする直角三角形状の縦反射幕的4枚と、2個の水平管状体を2辺とする直角三角形状の横反射幕的4枚を取り付け、さらに8個の各管状体のガス送入口に送気チューブを取り付け、8本の送気チューブを1本にまとめて、自動式ガスボンベに接続し、洋上標的を完成した。
完成した洋上標識を折り畳み、プールに投入した。洋上標識は10秒後に膨張し、図8に示す形状となって水面に浮き上がった。水平気柱13が水面に浮かび、垂直気柱14は4本の水平気柱に支えられてふらつくことなく直立し、4枚の縦反射幕的15と4枚の横反射幕的16は、安定して支持されていた。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の膨張式剛性気柱は、引布からなる管状体を側縁を積層して重ね合わせ、積層された側縁において縫製することにより製造されるので、従来の接着による膨張式剛性気柱に比べて容易に製造することができ、しかも管状体の接合強度が大きい。垂直気柱と4本の水平気柱からなる態様の本発明の膨張式剛性気柱は、安定したピラミッド形状の構造体となり、地上仮設建造物、洋上標的などの構造体として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に用いる管状体の一態様の説明図である。
【図2】本発明に用いる管状体の他の態様の説明図である。
【図3】本発明の膨張式剛性気柱の一態様の説明図である。
【図4】本発明の膨張式剛性気柱の他の態様の部分側面図及び断面図である。
【図5】膨張式剛性気柱を膨張させた状態を示す説明図である。
【図6】本発明の膨張式剛性気柱の他の態様の部分側面図及び断面図である。
【図7】膨張式剛性気柱を膨張させた状態を示す説明図である。
【図8】実施例で作製した洋上標的の側面図及び平面図である。
【図9】従来の膨張式剛性気柱の一例の断面図である。
【図10】従来の垂直気柱と水平気柱の接着方法の一例を示す斜視図及び断面図である。
【符号の説明】
【0013】
1 引布
2 側縁
3 管状体
4 縫い目
5 垂直管状体
6 水平管状体
7 垂直管状体の側縁
8 水平管状体の末端
9 縫い目
10 接続端
11 水平管状体
12 水平管状体の末端
13 水平気柱
14 垂直気柱
15 縦反射幕的
16 横反射幕的
17 管状体
18 テープ
19 垂直気柱
20 水平気柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された管状体3〜8個を側縁を積層して重ね合わせ、積層された側縁において縫製することにより一体化してなることを特徴とする膨張式剛性気柱。
【請求項2】
管状体が、細長い帯状の引布2枚の両側縁を接着して形成されてなる請求項1記載の膨張式剛性気柱。
【請求項3】
細長い帯状の引布の側縁を接着して形成された垂直管状体4個と水平管状体4個を、垂直管状体の側縁と水平管状体の末端を一致させて交互にL字形に重ね合わせ、垂直管状体の側縁において縫製することにより一体化してなることを特徴とする膨張式剛性気柱。
【請求項4】
L字形の水平部分を構成する水平管状体の径が、接続端において大きい請求項3記載の膨張式剛性気柱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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