説明

膨潤性および多孔質層を有する画像形成要素

本発明は、支持体およびインク受容層を含む画像記録要素を提供し、支持体およびインク受容層を含む画像記録要素を提供し、該インク受容層は、前記支持体に近接する少なくとも一層の多孔質層および前記多孔質層に近接し且つ前記画像記録要素の表面上にある少なくとも一層の膨潤性層を含み、前記少なくとも一層の多孔質層は、0.05〜1.0μmのメジアン孔径の孔を有し、そして前記少なくとも一層の膨潤性層は、0.5〜5μmの厚さを有する。本発明の画像記録要素は、インクジェット印刷に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質および膨潤性被膜層を有するインクジェット画像記録要素に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なインクジェット記録または印刷システムにおいて、インク液滴はノズルから高速で画像記録要素または媒体に向けて噴出されて、画像記録要素上に画像を作りだす。インク液滴、または記録液体は、一般に、染料または顔料着色剤などの記録用薬剤、および多量の溶媒を含む。溶媒、またはキャリヤ液体は、一般的に、水と、一価アルコール、多価アルコールまたはそれらの混合物などの有機材料から作製される。
【0003】
インクジェット画像記録要素は、一般的に、その少なくとも一つの表面上にインク受容層または画像受像層を有する支持体を含む。インクジェットプリンタを用いて写真品質画像を得るために、インクジェット画像記録要素は:
・ 使用者がすばやく画像を取り扱い、そして積み重ねることができるように高速インク乾燥時間を示さねばならず、
・ 環境、特に光およびオゾンに対する長期画像安定性を提供しなければならず、
・ 妥当な程度の水、汚れおよび擦過に対する耐性を提供しなければならず、
・ 高度で均一な光沢を示さなければならず、
・ 高い光学濃度および映像の鮮明さなどの優れた画質を与えねばならず、
・ ひび割れ、撥水、およびコームラインなどの不連続部または欠陥を有してはならない。
【0004】
同時に前述の特性を提供するインクジェット画像記録要素は、得ることが難しいことが分かっている。市販されている製品でさえ、深刻な欠陥を示す。困難さに対する理由は多い;恐らく最も重要なことは、インクジェット画像記録要素が今日のプリンタにより供給される広範なインク組成物およびインク容積に適合しなければならないことである。
【0005】
当該技術分野で公知のインクジェット画像記録要素は多種多様であるにもかかわらず、インク受容層は、一般に、二つのタイプ:膨潤型(非多孔質)または多孔質のいずれかである。膨潤性層を用いる画像記録要素は、一般的に、良好な画質および画像安定性を提供するが、しかし、劣ったインク乾燥時間を示す。多孔質層を用いる画像記録要素は、一般的に、優れたインク乾燥時間を示すが、しかし、良好な画質または安定性を提供しない。
【0006】
米国特許第6,238,047号明細書は、基板上に形成された水酸化アルミニウムの多孔質層、およびその上の上部層として形成された水溶性樹脂層を有するインクジェット記録媒体に関する。米国特許第6,238,047号明細書に記載されている発明によれば、この多孔質層の孔は、1〜30nm、即ち0.001〜0.03μmの孔半径を持たなければならず、本明細書において示されるような高速インク乾燥時間を提供するには小さすぎる。
【0007】
米国特許第6,472,053号B1明細書は、支持体、支持体上に塗布された第1多孔質インク受容層、および第1インク受容層上に塗布された第2膨潤性インク受容層に関する。この発明は、多孔質層において用いることができる粒子が10〜500nmの平均粒径を有する一次粒子に限定されるので不利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
デスクトップインクジェットプリンタに一般的なインクレイダウンで水系インクジェットインク組成物を用いて印刷する場合に、すばやく乾燥し、さらに同時に、優れた画質および環境、特に光およびオゾンの影響に対する安定性を有する画像を提供するインクジェット画像記録要素に対するニーズが依然として残っている。また、前述の特性を示すと共に、インクジェット印刷の技術分野で周知のすぐに利用できる材料を用いて製造されるインクジェット画像記録要素に対するニーズも依然として残っている。特に、膨潤性および多孔質層の利点を示し、さらにそれらの欠点は全くないインク受容層を有するインクジェット画像記録要素に対するニーズが依然として残っている。
【0009】
本発明の目的は、インクジェットプリンタに一般的なインクレイダウンで水系インクジェットインク組成物を用いて印刷する場合に、すばやく乾燥し、さらに同時に、優れた画質および環境、特に光およびオゾンの影響に対する安定性を有する画像を提供する改善されたインクジェット画像記録要素を提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、インクジェット印刷の技術分野で周知のすぐに利用できる材料を用いて製造されるインクジェット画像記録要素を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、膨潤性および多孔質層の利点を示し、さらにそれらの欠点は全くないインク受容層を有するインクジェット画像記録要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の画像記録要素は、支持体および支持体に近接するインク受容層を備えており、該インク受容層は前記支持体に近接する少なくとも一層の多孔質層、および前記少なくとも一層の多孔質層に近接し且つ前記画像記録要素の表面上にある少なくとも一層の膨潤性層を含み、前記少なくとも一層の多孔質層は、0.05〜1.0μmのメジアン孔径の孔を有し、そして膨潤性層は0.5〜5μmの厚さを有する。
【発明の効果】
【0013】
インクジェットプリンタに一般的なインクレイダウンで水系インクジェットインク組成物を用いるインクジェット印刷用の改善されたインクジェット画像記録要素を提供する。本発明は、特に、印刷後すばやく乾燥すると共に、優れた画質および環境、特に光およびオゾンの影響に対する安定性を有する写真品質画像を提供するインクジェット画像記録要素を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、水系インクによるインクジェット印刷において用いられる従来の画像記録要素に対して多くの利点を有する。本発明の画像記録要素は、印刷後すばやく乾燥して、印刷完了後消費者が簡単に取り扱うことができる印刷物を形成する。エプソンアメリカ(Epson America,Inc.)から市販されているスタイラス(Stylus)(商標)フォトプリンタなどのピエゾ方式印字ヘッドを有するインクジェットプリンタにおいて用いられるインク組成物で、高速インク乾燥時間を達成するには、特に難しい。ピエゾ方式印字ヘッド用のインク組成物は8cp以下の粘度を有すると共に、その結果それらは膨潤性層中にゆっくり拡散するか、または多孔質層により吸収されるのが遅い。
【0015】
本発明の画像記録要素は、それが高光学濃度(画像を鮮やかにし、かつ目に快くする特性)を有する印刷画像を提供するので、先行技術を超える利点を有する。そこから作製される印刷画像は、また、凝集(表面上でのパドリング)が最小限であり、画像鮮鋭度および観察可能な繊細な詳細部を提供するので有利である。高光学濃度を凝集および高速インク乾燥時間と組み合わせて達成することが困難であることは、インクジェット印刷の技術分野では周知のことである。
【0016】
本発明の画像記録要素は、支持体およびインク受容層を含む。インク受容層は、前記支持体に近接する少なくとも一層の多孔質層、および前記多孔質層に近接する少なくとも一層の膨潤性層を含む。この少なくとも一層の膨潤性層は画像記録要素の表面上に位置する。
【0017】
本発明において有用な多孔質インク受容層は、主として、高速インク乾燥時間を容易にするメジアン孔径を与えるようなやり方で詰め込まれた粒子からなる。メジアン孔径は、粒子間に形成される孔のメジアンサイズ(50順位)として定義され、水銀圧入法を用いて測定される。この方法は、一般に、細孔特性決定の当業者には周知であり、本質的に、所定重量の記録要素に接する水銀カラムに水圧をかけ、次に、記録要素の孔中に侵入することができる水銀量を測定することにより行われる。孔を埋めるために必要とされる圧力は、ウオッシュバーンの式:
【0018】
【数1】

【0019】
を用いて孔径、dを計算するために用いられる。
上式中、σは水銀の表面張力(485ダイン/cm)であり、θは水銀と孔表面間の接触角であり(130度であると推定される)、pは適用圧力である。
【0020】
本発明の態様では、メジアン孔径は0.05〜1.0μmにある。なぜなら、この範囲内の径を有する多孔質層が、本発明にしたがって用いられると、画質および乾燥時間の容認できる組合せを与えることが見出されたからである。好ましい態様では、メジアン孔径は、これらの範囲が一段とより良い画質およびインク乾燥時間を有する多孔質層を提供するので、0.1〜0.7μm、特に0.2〜0.5μmにある。
【0021】
画像記録要素の所定面に対する孔容積は、また、上述の水銀圧入法を用いて決定される。孔容積は、単純に、画像記録要素の所定面に侵入することができる水銀の体積である。孔容積およびメジアン孔径は、共に、画像記録要素中へのインクの浸透速度を決定する。本発明を達成するために必要な孔容積は特に限定されない;少なくとも約15cm3/m2の孔容積が、前述のメジアン孔径範囲により許容可能な性能を与えることが見出された。
【0022】
いずれの好適な粒子も、本発明の画像記録要素の多孔質層中に用いることができる。粒子の例には、炭酸カルシウム、か焼クレー、シリカ、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、無機ケイ酸塩、硫酸バリウムまたは有機粒子が挙げられる。好ましい態様では、炭酸カルシウム、か焼クレーまたはシリカが用いられる、これらの材料は安価であり、容易に利用できるからである。
【0023】
本発明の画像記録要素の多孔質層において有用な粒子は、特に限定されない平均粒径を有する;0.3〜5μmの平均粒径は当該技術分野で広く用いられ、この範囲内のいずれの径も本発明にしたがって容認可能な性能を提供する。
【0024】
本発明の画像記録要素の多孔質層において有用な粒子は、炭酸カルシウム、か焼クレーおよびシリカなどの非多孔質粒子であることができる。有用な粒子は、また、ヒュームドシリカおよびアルミナ一次粒子、またはポリマー粒子の集合体などの多孔質粒子であることができる。
【0025】
本発明の画像記録要素の多孔質層は、また結合剤を含有する。それが水性塗布液中に分散される前述の粒子と適合する限り、いずれの好適な結合剤も用いることができる。本発明において有用な結合剤には、ポリ(ビニルアルコール)などの親水性ポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、ゼラチン、セルロースエーテル、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(ビニルアセトアミド)、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル/ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキレンオキシド)、スルホン化またはリン酸ポリエステルおよびポリスチレン、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジアン、寒天、アロールート、グアール、カラゲナン、トラガカント、キサンタン、およびラムザンなどが挙げられる。好ましい態様では、親水性ポリマーは、これらのポリマーが容易に利用可能であり、安価で、多様な水性塗布液中で適合するので、ポリ(ビニルアルコール)、セルロースエーテルまたはポリ(エチレンオキシド)である。
【0026】
画像記録要素の多孔質層において有用な結合剤は、また、付加または縮合重合反応から調製されるラテックスを含み、ポリマー化学の当業者には周知である。一般的なラテックスには、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸n−ブチル)、ポリ(メタクリル酸n−ブチル)、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、ポリ(メタクリル酸メチル−コ−ブタジエン)、ポリ(アクリル酸n−ブチル−コ−アクリル酸エチル)、酢酸ビニルおよびアクリル酸n−ブチルのコポリマーなどのスチレン系、アクリルまたはアクリレートモノマーから誘導される物、酢酸ビニルおよびエチレンのコポリマー;ポリウレタン;ポリエステル;またはカルボキシル基などの官能基を含有するモノマーにより変性されるコポリマーが挙げられるがそれらに限定されない。
【0027】
好ましい態様では、ラテックス結合剤は、約100℃未満のTg値を有する。それらが多孔質層のひび割れを防止する傾向を有するからである。別の好ましい態様では、ラテックス結合剤は、これらタイプのラテックスが安価であり、多様な前述の粒子と適合する傾向があるという理由により、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)ラテックスである。
【0028】
画像記録要素の多孔質層において用いられるの量は、層に結合強度を与えるために十分であることが好ましいが、しかし、また、それがその空隙率を著しく変えないように、すなわち、前述の粒子間の孔を埋めないように最小限であることが好ましい。結合剤は、多孔質層の約20重量%以下の量で存在することができる。好ましい態様では、結合剤は、この範囲が多孔質層の気孔率にほとんど影響を及ぼさないことが見出されてきたという理由により、多孔質層の約3〜約8重量%の量で存在する。
【0029】
多孔質層の厚さは約40μm以下となることができ、一般的には、この範囲がその上に塗布される膨潤性層または複数の層と併せて最善の全体性能を与えることが見出されたという理由により、10〜20μmである。
【0030】
多孔質層の上部に位置する膨潤性層は、非イオン性セルロースエーテル、陰イオン性セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの誘導体、ポリアミド、スルホン化ポリエステル、またはポリビニルピロリドンなどの少なくとも一つの親水性ポリマーを含有する。好ましい態様では、膨潤性層は、両方ともダウケミカル(Dow Chemical Co.)から入手可能であるメトセル(Methocel)(商標)A4Mまたはメトセル(商標)A4cなどのメチルセルロースを含有する。
【0031】
膨潤性層は、また、全体層の約1〜約20重量%の量で媒染剤を含有することができる。インクジェット印刷の技術分野では、陰イオン性染料が水性インクジェットインク中に用いられるので、陽イオン性媒染剤は画像記録要素中で用いられる。媒染剤は、陽イオン変性膨潤性ポリマーまたは陽イオン性ポリマー粒子であることができる。好ましい態様では、膨潤性層は、これらのポリマーが上述の好ましいメチルセルロースポリマーと高度に適合するので、陽イオン性セルロースエーテルを含有する。陽イオン性セルロースエーテルの例には、両方ともアマーコル(Amerchol)から入手可能であるクアトリソフト(Quatrisoft)(商標)LM200およびJR400、およびナショナルスターチアンドケミカル社(National Starch and Chemical Co.)からのセルクアット(Celquat)(商標)SC240Cなどの陽イオン性ヒドロキシルエチルセルロースエーテルが挙げられる。
【0032】
膨潤性層において有用な他の媒染剤には、水分散性ポリマー、ラテックス、およびビーズの形態をとる陽イオン性ポリマー粒子が挙げられる。本発明において用いることができる陽イオン性ラテックスの例には、以下が挙げられる:
塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼンのコポリマー(87:13モル比);
スチレン、(ビニルベンジル)ジメチルベンジルアミンおよびジビニルベンゼンのターポリマー(49.5:49.5:1.0モル比);
アクリル酸ブチル、塩酸メタクリル酸2−アミノエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシエチルのターポリマー(50:20:30モル比);
スチレン、ジメチルアクリルアミド、ビニルベンジルイミダゾールおよび塩化1−ビニルベンジル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリウムのコポリマー(40:30:10:20モル比);
スチレン、4−ビニルピリジンおよび塩化N−(2−ヒドロキシエチル)−4−ビニルピリジニウムのコポリマー(30:38:32モル比);および
スチレン、塩化(ビニルベンジル)ジメチルオクチルアンモニウム、イソブトキシメチルアクリルアミドおよびジビニルベンゼンのコポリマー(40:20:34:6モル比)。
【0033】
膨潤性層の厚さは、約0.5μm〜約5μm、好ましくは約0.8〜約4μmの範囲となることができ、この範囲が最適の性能を提供することが分かっている。この膨潤性層は塗布層グラム当り約6〜60グラムの水の吸収量を有する。
【0034】
本発明において用いられる多孔質および膨潤性層組成物は、浸漬コーティング、コイル巻線材コーティング、ドクターブレードコーティング、ロッドコーティング、エアナイフコーティング、グラビアおよびリバースロールコーティング、スライドコーティング、ビーズコーティング、押出しコーティング、およびカーテンコーティングなどを含む多くの周知の技術により塗布することができる。公知のコーティング法および乾燥法は、リサーチディスクロージャ(Research Disclosure) 308119号(1989年12月発行)、1007〜1008ページにさらに詳細に記載されている。スライドコーティングが好ましく、それにより多孔質層および膨潤性層を同時に塗布することができる。塗布後、層は、一般に、簡単な蒸発により乾燥され、対流加熱などの公知の技術により速めることができる。
【0035】
本発明において用いられるインクジェット画像記録要素用の支持体は、樹脂コート紙、紙、ポリエステル、または微小孔性材料などの通常用いられるもの、例えば、ペンシルバニア州、ピッツバーグのPPGインダスツリーズ(PPG Industries,Inc.)により商品名テスリン(Teslin)(商標)で市販されているポリエチレンポリマー含有材料、Tyvek(商標)合成紙(デュポン社(DuPont Corp.))、およびOPPalyte(商標)フィルム(モビルケミカル社(Mobil Chemical Co.))および米国特許第5,244,861号明細書に列挙される他の複合フィルム等となることができる。不透明な支持体には、普通紙、コート紙、合成紙、感光紙支持体、溶融押出しコート紙、および2軸配向支持体積層板などのラミネート紙が挙げられる。2軸配向支持体積層板は、米国特許第5,853,965号、第5,866,282号、第5,874,205号、第5,888,643号、第5,888,681号、第5,888,683号、および第5,888,714号の各明細書に記載されている。これらの2軸配向支持体は、紙支持体および当該紙基材の片側または両側に積層される2軸配向ポリオレフィンシート、一般的にポリプロピレンを含む。透明な支持体には、ガラス、セルロース誘導体、例えば、セルロースエステル、3酢酸セルロース、2酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート;ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、およびそれらのコポリマーなどのポリエステル;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリスルホン;ポリアクリレート;ポリエーテルイミド;およびそれらの混合物が挙げられる。上に列挙した紙は、感光紙など高級紙から新聞印刷用紙などの低級紙までの広い範囲の紙を含む。好ましい態様では、それが極めて写真様の外観および感触を提供するので、ポリエチレンコート紙が用いられる。
【0036】
本発明において用いられる支持体は、この範囲が最適の取扱性を有する画像を与える傾向があるので、約50〜約500μm、好ましくは約75〜300μmの厚さを有することができる。酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤および他の公知の添加剤を、必要ならば、支持体中に組み込むことができる。
【0037】
インク受容層の支持体への接着性を改善するために、支持体の表面をコロナ放電処理にかけた後、画像受像層を塗布することができる。
【0038】
インクジェット画像記録要素に機械的耐久力を付与するために、上述の結合剤に作用する架橋剤を、少量添加してもよい。こうした添加剤は層の結合強度を改善する。カルボジイミド、多官能性アジリジン、アルデヒド、イソシアネート、エポキシド、および多価金属陽イオンなどの架橋剤は、すべて用いることができる。
【0039】
着色剤の褪色を改善するために、当該技術分野で周知であるように、UV吸収剤、ラジカル抑制剤または酸化防止剤は、また、画像受像層に添加することができる。他の添加剤には、pH調整剤、接着促進剤、レオロジー改良剤、界面活性剤、殺生剤、滑剤、染料、蛍光増白剤、艶消し剤、帯電防止剤などが挙げられる。十分なコータビリティを得るために、界面活性剤、消泡剤、およびアルコールなどの当業者に公知の添加剤を用いることができる。塗布助剤の一般的な量は、総溶液重量に対して0.01〜0.30%の活性塗布助剤である。これらの塗布助剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性であることができる。具体的な例は、MCCUTCHEON’s Volume 1:Emulsifiers and Detergents,1995,North American Edition に記載されている。
【0040】
塗料は水または有機溶媒から塗装することができるが、しかし、水が好ましい。固形物含量総重量%を、最も経済的な方法で有用な塗膜厚さを得るように選択することが好ましく、特定の塗膜配合物のために、10〜40%の固形物含量重量%が一般的である。
【0041】
本発明の画像記録要素の像形成するために用いられるインクジェットインクは、当該技術分野で周知である。インクジェット印刷において用いられるインク組成物は、一般的に、溶媒またはキャリヤ液体、染料または顔料着色剤、湿潤剤、有機溶媒、洗剤、増粘剤、および防腐剤などを含む液体組成物である。溶媒またはキャリヤ液体は単独に水であることができるか、または多価アルコールなどの他の水混和性溶媒と混合した水であることができる。多価アルコールなどの有機材料が主要キャリヤまたは溶媒液体であるインクも、また用いることができる。特に有用なものは、水と多価アルコールとの混合溶媒である。こうした組成物中で用いられる染料は、一般的に、水溶性の直接染料または酸タイプ染料である。こうした液体組成物は、例えば、米国特許第4,381,946号明細書、第4,239,543号明細書および第4,781,758号明細書を含めた先行技術において広範囲に記載されている。
【0042】
本明細書において開示される画像記録要素は、主としてインクジェットプリンタに有用であるとして言及されてきているが、それらは、また、ペンプロッタアッセンブリー用の記録媒体として用いることができる。ペンプロッタは、インクリザバーと接触する毛管束からなるペンを用いて記録媒体の表面に直接書きこむことにより動作する。
以下の実施例は本発明を説明するために提供される。
【実施例】
【0043】
本発明の要素1
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としての沈降炭酸カルシウム、アルバグロス(Albagloss)(商標)S(スペシャルティミネラルズ社(Specialty Minerals Inc.,)、メジアン粒径0.6μm)100ドライグラム、シリカゲル、ガシル(Gasil)(商標)23F(クロスフィールド(Crosfield Ltd.,)、平均粒径6μm)8.5ドライグラム、10%溶液としてのポリ(ビニルアルコール)、ゴーセノール(Gohsenol)(商標)GH−17(日本合成化学工業(Nippon Gohsei Co.,Ltd)0.5ドライグラムおよび50%溶液としてのスチレン−ブタジエンラテックスCP692NA(ダウケミカル)5ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0044】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0045】
膨潤性層に対する塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0046】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0047】
本発明の要素2
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としての誘導体化カオリンディジテックス(Digitex)(商標)1000(エンゲルハルト社(Engelhard Corp.,)、平均粒径1〜2μm)91.7ドライグラム、クロスフィールド(Crosfield)(商標)23F、4.6ドライグラム、および10%溶液としてのポリ(ビニルアルコール)、エアボル(Airvol)(商標)325(エアプロダクツ(Air Products))3.7ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0048】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0049】
膨潤性層に対する塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0050】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることによりこの多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃空気で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0051】
本発明の要素3
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としてのディジテックス(商標)1000、87.7ドライグラム、クロスフィールド(商標)23F、8.8ドライグラム、および10%溶液としてのエアボル(商標)325、3.5ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0052】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0053】
膨潤性層用塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。溶液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0054】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0055】
本発明の要素4
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としてのディジテックス(商標)1000、84.0ドライグラム、クロスフィールド(商標)23F、12.6ドライグラム、および10%溶液としてのエアボル(商標)325、3.4ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0056】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0057】
膨潤性層に対する塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0058】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより基材層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0059】
本発明の要素5
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としてのアルバグロス(商標)S、85.4ドライグラム、ガシル(商標)23F、7.7ドライグラム、10%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、0.7ドライグラム、および50%溶液としてのCP692NA6.1ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0060】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0061】
膨潤性層に対する塗布液を、ゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0062】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0063】
本発明の要素6
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としてのアルバグロス(商標)S、79.3ドライグラム、ガシル(商標)23F、14.4ドライグラム、10%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、0.7ドライグラム、および50%溶液としてのCP692NA、5.6ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0064】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0065】
膨潤性層に対する塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。溶液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0066】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0067】
本発明の要素7
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としてのディジテックス(商標)1000、96.5ドライグラム、および10%溶液としてのエアボル(商標)325、3.5ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0068】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0069】
膨潤性層に対する塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラムおよび14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー、10ドライグラムを混合することにより調製した。溶液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0070】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0071】
本発明の要素8
多孔質層用の水系塗布液を、70%溶液としてのアルバグロス(商標)S、79.3ドライグラム、ガシル(商標)23F、14.4ドライグラム、10%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、0.7ドライグラム、および50%溶液としてのスチレン−ブタジエンラテックスCP692NA(ダウケミカル)、5.6ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて35%に調整した。
【0072】
多孔質層塗布液を、25℃で原紙、坪量185g/m2上にビードコートし、60℃で強制空気により乾燥した。多孔質層の厚さは25μmであった。
【0073】
膨潤性層に対する塗布液を、陽イオン性ヒドロキシエチルセルロース、クアトリソフト(商標)LM200(アマーコル)30部、メチルセルロース、メトセル(商標)A4M(ダウケミカル)22部、メトセル(商標)A4C8部、およびスチレン、(ビニルベンジル)ジメチルベンジルアミン、およびジビニルベンゼン(49.5:49.5:1モル比)を混合することにより配合した。固形物最終重量%を水を加えて5%に調整した。
【0074】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を室内40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは0.86μmであった。
【0075】
本発明の要素9
要素9は、膨潤性層の厚さが1.75μmであったことを除いて要素8と同じ構造を有する。
【0076】
本発明の要素10
要素10は、膨潤性層の厚さが2.1μmであったことを除いて要素8と同じ構造を有する。
【0077】
本発明の要素11
要素11は、膨潤性層の厚さが2.8μmであったことを除いて要素8と同じ構造を有する。
【0078】
本発明の要素12
要素12は、膨潤性層の厚さが3.5μmであったことを除いて要素8と同じ構造を有する。
【0079】
本発明の要素13
要素13は、膨潤性層の厚さが4.5μmであったことを除いて要素8と同じ構造を有する。
【0080】
比較要素1(上部層が多孔質であるが膨潤性でない)
第1多孔質層用の水系塗布液を、ヒュームドアルミナCab−O−Sperse(商標)PG003(キャボット社(Cabot Corp.)、メジアン集合体径0.15μm、一次粒子径0.02μm)88部、ポリ(ビニルアルコール)ゴーセノール(商標)GH−23A10部、および2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン2部を混合することにより調製して、固形物30重量%の水性塗料を得た。
【0081】
第2多孔質層用の塗布液を、Cab−O−Sperse(商標)PG003、85部、ゴーセノール(商標)GH−23A3部、および塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー12部を混合することにより調製した。界面活性剤ゾニル(Zonyl)(商標)FSN(デュポン社(E.I.du Pont de Nemours and Co.))およびオリン(Olin)(商標)10G(ディクシーケミカル社(Dixie Chemical Co.))を、塗布助剤として少量添加した。
【0082】
上記塗布液を、40℃で、既にコロナ放電処理を受けたポリエチレンコート原紙上で同時にビードコートした。次に、塗布された要素を60℃で強制空気により乾燥して、第1および第2多孔質層の厚さがそれぞれ40μmおよび2μmである塗布された要素を得た。
【0083】
膨潤性層用の塗布液を、10.6%溶液としてのゴーセノール(商標)GH−17、90ドライグラム、および14.7%溶液としての塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼン(87:13モル比)のコポリマー10ドライグラムを混合することにより調製した。塗布液の固形物最終重量%を水を加えて9%に調整した。
【0084】
膨潤性層塗布液を、マイヤーロッドを用いることにより乾燥第2多孔質層の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0085】
比較要素2(膨潤性層のみ)
膨潤性層用の水系塗布液を、比較要素1の場合に記載したように調製し、マイヤーロッドを用いることにより市販のエプソンフォトクオリティグロッシィペーパー(Epson Photo Quality Glossy Paper)(エプソンアメリカ社(Epson America,Inc.))の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0086】
比較要素3(小さ過ぎるメジアン孔径)
膨潤性層用の水系塗布液を、比較要素1の場合に記載したように調製し、マイヤーロッドを用いることにより市販のコニカインクジェットペーパーQP(Konica Inkjet Paper QP)(コニカフォトイメージング(Konica Photo Imaging,Inc.))の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0087】
比較要素4(小さ過ぎるメジアン孔径)
膨潤性層用の水系塗布液を、比較要素1の場合に記載したように調製し、マイヤーロッドを用いることにより市販のミツビシIJ・RC・UF・170Cインクジェットペーパー(ミツビシペーパーミルズ社(Mitsubishi Paper Mills,Ltd.))の上部にハンドコートした。次に、塗布された要素を40℃で乾燥して、画像記録要素を得た。膨潤性層の厚さは4.5μmであった。
【0088】
試験
孔容積およびメジアン孔径
上述の画像記録要素の各多孔質層の孔容積およびメジアン孔径を、水銀圧入法を用いて測定した。各画像記録要素において、支持体および多孔質層(複数を含む)からなる塗布された要素に関し、乾燥後と、そして膨潤性層塗布の前に測定を行った。
【0089】
印刷
100%インクレイダウンでのシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーンおよびブルーパッチの試験画像を、カタログ番号T008を有するブラックインクカートリッジおよびカタログ番号T007を有するカラーインクカートリッジを備えるエプソンスタイラス(Epson Stylus)(商標)Photo870インクジェットプリンタを用いて上記要素上に印刷した。周囲温度および湿度で24時間かけて乾燥後、ステータスA D−max濃度をX−Rite(商標)820濃度計を用いて測定した。
【0090】
画質
画質は主観的に評価した。凝集度は固形分べた領域におけるインクの非均一性またはパッドリングを指す。主観的格付けを品質を評価するために用いる。凝集度格付け5は、それが極めて不良の品質を有するので明確に許容不可であり、1〜3の範囲にあるいずれの格付けも許容できる。
【0091】
乾燥時間
プリンタからの噴出直後、1枚のボンド紙を印刷画像上に置き、滑らかな重い重しを転がした。次に、ボンド紙を印刷画像から引き離した。ボンド紙に転写されたカラーストリップの長さを測定した。それは印刷された画像が乾燥するために必要とされる時間に比例する。乾燥時間はボンド紙へのインクの転写がない場合に1と格付けされ、優れていると考えられる。乾燥時間格付けが3未満であれば、品質は許容であるとして考えられる。少なくとも一つのカラーストリップの完全な転写がある場合、乾燥時間を5として格付けし、これは許容不可である。
以下の結果を得た。
【0092】
【表1】

【0093】
表1からの結果は、凝集度および乾燥時間により説明されるように、要素1〜7が、比較要素1〜5に比較してより良い画質を有することを示す。要素1〜7および比較要素1〜5は類似のメジアン孔径を有するが、しかし、後者は0.05μm未満のメジアン孔径を有する。
【0094】
濃度試験
100%インクレイダウンでのシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックパッチの試験画像を印刷し、周囲温度および湿度で24時間かけて乾燥後、ステータスA D−max濃度をX−ライト(商標)820濃度計を用いて測定した。パッチシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックそれぞれの濃度を測定した。以下の結果を得た。
【0095】
【表2】

【0096】
表2の結果は、本発明の要素9〜12が許容可能な凝集度、乾燥時間および濃度を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体およびインク受容層を含む画像記録要素であって、該インク受容層が、前記支持体に近接する少なくとも一層の多孔質層および前記多孔質層に近接し且つ前記画像記録要素の表面上にある少なくとも一層の膨潤性層を含み、前記少なくとも一層の多孔質層が、0.05〜1.0μmのメジアン孔径の孔を有し、そして前記少なくとも一層の膨潤性層が、0.5〜5μmの厚さを有する画像記録要素。
【請求項2】
前記少なくとも一層の多孔質層が、0.1〜0.7μmのメジアン孔径を有する請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項3】
前記少なくとも一層の多孔質層が、0.2〜0.5μmのメジアン孔径を有する請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項4】
前記少なくとも一層の多孔質層が、炭酸カルシウム、か焼クレー、およびシリカからなる群から選択される粒子を含む請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項5】
前記少なくとも一層の多孔質層が、0.3〜5μmの平均粒径を有する粒子を含む請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項6】
前記多孔質層が、結合剤を含む請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項7】
前記結合剤が、ポリ(ビニルアルコール)を含む請求項6に記載の画像記録要素。
【請求項8】
前記結合剤が、付加または縮合重合反応から調製されるラテックスを含む請求項6に記載の画像記録要素。
【請求項9】
前記結合剤が、スチレンモノマーおよび/またはアクリルモノマーから誘導される請求項8に記載の画像記録要素。
【請求項10】
前記結合剤が、約100℃未満のTg値を有する請求項8に記載の画像記録要素。
【請求項11】
前記結合剤が、前記多孔質層の3〜8重量%を構成する請求項6に記載の画像記録要素。
【請求項12】
前記膨潤性層が、0.8〜3.5μmの厚さを有する請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項13】
前記膨潤性層が、膨潤性層のグラム当り6〜60グラムの水の吸収量を有する請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項14】
前記多孔質層が、少なくとも15cm3/m2の孔体積を有する請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項15】
前記膨潤性層が、親水性ポリマーを含む請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項16】
前記膨潤性層が、親水性ポリマーおよび媒染剤を含む請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項17】
前記媒染剤が、モル比49.5:49.5:1のスチレン、(ビニルベンジル)ジメチルベンジルアミンおよびジビニルベンゼンのターポリマーを含む、請求項16に記載の画像記録要素。
【請求項18】
前記媒染剤が、モル比87:13の塩化(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムおよびジビニルベンゼンのコポリマーを含む請求項16に記載の画像記録要素。
【請求項19】
前記膨潤性層が、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール)の誘導体、セルロースエーテル、ポリアミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される親水性ポリマーを含む、請求項1に記載の画像記録要素。
【請求項20】
前記支持体が、セルロース紙を含む請求項1に記載の画像記録要素。

【公表番号】特表2007−501145(P2007−501145A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532920(P2006−532920)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/014580
【国際公開番号】WO2004/106081
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】