説明

臓器保存装置

【課題】生体から取り出した臓器を保存し、且つ保存中の臓器の状態を解析して最適な保存状態を選択できる臓器保存装置を提供すること。
【解決手段】臓器(18)を保持する臓器保持部(19)と、該臓器保持部に保持されている臓器(18)に臓器保存用の保存液を灌流させる保存液灌流部(20)と、臓器保存部の温度管理を行う温度管理部と、保存液灌流部(20)に流通させる保存液に有効成分剤を導入する導入部(21)と、臓器(18)に灌流させる保存液の流量を測定することで臓器の機能を評価する機能評価部と、機能評価により得られたデータに基づいて温度管理部の温度、並びに導入部(21)により導入される有効成分剤の種類や導入量及び該保存液の流量を調節する調整部(33)とを具備してなる臓器保存装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトなどの哺乳動物の生体から取り出した臓器を保存し、且つ保存中の臓器の状態を解析して最適な保存状態を選択できる臓器保存装置である。
【背景技術】
【0002】
生体から取り出した臓器を保存する装置は種々提案されており、例えば、特許文献1において、図1に示す保存装置が提案されている。すなわち、保存溶液中で肝臓移植片(1)を保存する、容器(2)、動脈灌流回路(3)、門脈灌流回路(5)、少なくとも1つの流量センサー(7)、及び少なくとも1つの圧力センサー(8)を備え、肝臓移植片(1)の保存を向上するために、さらに、動脈灌流回路(3)に連結した動脈酸素供給器(11)、門脈灌流回路(5)に連結した門脈酸素供給器(12)、少なくとも1つの動脈灌流ポンプ(9)、少なくとも1つの門脈灌流ポンプ(10)、容器(2)内部の温度を正常体温に維持するように構成された温度変換モジュール(13)、及び圧力及び流量制御装置(14)を備える装置が提案されている。
かかる装置では、正常体温条件において肝臓又は肝臓移植片を保存することができるように、温度や流通させる液体の圧力や流量を調節できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2011−520839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の提案にかかる臓器保存装置では、単にあらかじめ定められた条件で保存を行うのみであり、いざ使用する段階において保存した臓器の状態が移植に適していないと判明してしまう場合もあった。
すなわち、従来提案されている臓器保存装置では臓器を単に保存するのみであり、移植に適しているか否かまではわからないのが現状であり、保存している臓器が移植に適しているのか否かを判別でき、さらには移植に適した状態を保持できるようにすることができる臓器保存装置の提供が要望されている。
したがって本発明は、生体から取り出した臓器を保存し、且つ保存中の臓器の状態を解析して最適な保存状態を選択できる臓器保存装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、保存している臓器に灌流させる保存液の流量や圧力を測定し、あらかじめ設定したデータベースまたはプログラムされた制御則や評価基準に照合することで臓器の状態を把握できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の装置を提供するものである。
生体から分離した臓器を灌流保存する臓器保存装置であって、
臓器を保持する臓器保持部と、
該臓器保持部に保持されている臓器に臓器保存用の保存液を灌流させる保存液灌流部と、
臓器保存部の温度管理を行う温度管理部と、
保存液灌流部に流通させる保存液に有効成分剤を導入する導入部と、
臓器に灌流させる保存液の流量や圧力を測定することで臓器の機能を評価する機能評価部と、
機能評価により得られたデータに基づいて温度管理部の温度、並びに導入部により導入される有効成分剤の種類や導入量及び該保存液の流量を調節する調整部と
を具備してなる臓器保存装置、である。
本発明において保存することができる臓器としては、肝臓、腎臓、心臓、小腸、すい臓等が挙げられ、特に肝臓に好ましく適用できる。
また、本発明は、上記温度管理部は、上記臓器保存部内に貯留される保存液の温度を4℃〜25℃まで徐々に加温及び/又は冷却するように温度制御することを特徴とする上記臓器保存装置を提供するものである。
また、上記臓器保存装置を用いる臓器保存方法であって、臓器保存部の温度を4℃〜25℃まで徐々に加温及び/又は冷却することを特徴とする臓器保存方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の臓器保存装置によれば、生体から取り出した臓器を保存し、且つ保存中の臓器の状態を解析して最適な保存状態を選択できるので、生体から取り出した臓器を単に劣化しないように保存するのではなく、臓器が仮に劣化したとしてもかかる劣化部分の修復が可能であれば修復を行い、臓器を移植に適した状態に保持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】従来の臓器保存装置を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図3】流量計から得られる灌流流量情報及び灌流圧力情報の処理のフローである。
【図4】実施例1〜3において行った臓器保存において、保存液中に放出されたラクトースデハイドロゲナーゼ(LDH)量を示すグラフである。
【符号の説明】
【0008】
18 臓器
19 臓器保持部
20 保存液灌流部
21 導入部
22 ポンプ
23 エアトラップ
24 酸素添加管理部
25 流量計
26 圧力センサ
27 バルブ
28 エアトラップ
29 温度測定部
30 熱交換部
31 ポンプ
32 フィルター
33 調整部
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0010】
本実施形態の臓器保存装置は、生体から分離した臓器を灌流保存する臓器保存装置であり、図2に示すように、
臓器(18)を保持する臓器保持部(19)と、
該臓器保持部に保持されている臓器(18)に臓器保存用の保存液を灌流させる保存液灌流部(20)と、
臓器保存部の温度管理を行う温度管理部と、
保存液灌流部(20)に流通させる保存液に有効成分剤を導入する導入部(21)と、
臓器(18)に灌流させる保存液の流量を測定することで臓器の機能を評価する機能評価部と、
機能評価により得られたデータに基づいて温度管理部の温度、並びに導入部(21)により導入される有効成分剤の種類や導入量及び該保存液の流量を調節する調整部(33)と
を具備してなる。図2では、具体的には、門脈や肝動脈の循環ができるようにした臓器保存装置を示している。
なお、保存液としては、ウィスコンシン液[University of Wisconcin
(UW) solution](前記特許文献1、特開平7−330501)などが挙げられる。
【0011】
以下、さらに詳細に説明する。
臓器保持部(19)は、一面が開口とされており、且つ中空の長方体状の箱体からなり、内部に保存液に浸漬された臓器(本実施形態においては肝臓(18))が載置されようになされている。開口はここでは特に図示しないが開閉自在の蓋が設けられていてもよい。
また、臓器保持部(19)中の溶液のpHはpH測定器により測定され、前記臓器保持部(19)中の溶液の溶存酸素量は溶存酸素濃度計(Do計)により測定される。
【0012】
保存液灌流部(20)は、臓器(18)に保存液を導入する導入管部と臓器から保存液を排出する排出管部とからなる。
導入管部は、臓器保存部の内部に注入されている保存液を臓器内に導入するための部分であり、移送ポンプと、一端が移送ポンプに連結され且つ他端が臓器保存部内の保存液に浸漬された抽出管と、一端が移送ポンプに連結され且つ他端が臓器に連結された導入管と、抽出管に配されたエアトラップ(23、28)及び酸素添加装置(24)と、導入管に配された流量計(25)、圧力センサ(26)及びバルブ(27)とからなる。
排出管部は、臓器内部に注入された保存液を臓器外部に排出するための部分であり、移送ポンプと、一端が移送ポンプに連結され且つ他端が臓器保存部内に設けられた排出管と、一端が移送ポンプに連結され且つ他端が臓器に連結された導出管と、導出管に配されたエアトラップ(23、28)、流量計(25)、圧力センサ(26)及びバルブ(27)とからなる。
図2において、肝動脈循環用の管と門脈用循環用の管を明示した。図2において、肝動脈循環用の管と門脈用循環用の管での上述の保存液の流れを矢印で示している。
【0013】
温度管理部は、温度測定部(29)と、保存液を加熱冷却する熱交換部(30)と、温度測定部からのデータを基に設定した温度に調整するための信号を熱交換部に伝達する調整部の中央プロセッサ(図示せず)とからなる。温度測定部(29)は通常の熱電対式の温度計で構成することができ、熱交換部は、保存液を循環させるための配管を通じて保存液を加熱冷却できるようになされており、通常の加熱機構や冷却機構を特に制限なく用いることができる。また配管には、ポンプ(31)及び保存液から不純物を除去するフィルター(32)が設けられている。
この際、温度管理部(29)は、臓器保存部(19)内に貯留される保存液の温度を所定の温度に徐々に加温及び/又は冷却するように温度制御する。
上記の所定の温度は、4℃から25℃であるのが好ましい。
温度制御は、4℃の状態から25℃まで温度を徐々に上昇させることより行い、具体的には、保存液の温度上昇の速度が全温度制御時間における平均速度(全温度変化分/全温度制御時間)で0.15〜0.25℃/分、各単位時間当たりの温度変化量(ある単位分当たりの温度変化量)として1.5℃/分から0.01℃/分となるようになめらかに温度制御することが好ましい。
上記温度制御は、調整部(33)が温度管理部に指示を出し、温度管理部を作動させ熱交換部(30)により保存液を適宜加熱冷却することなどで行うことができる。
上記温度制御した保存液で臓器を灌流することにより、臓器の組織を活性化させて劣化を抑制し、劣化した細胞を活性化することができる。
【0014】
導入部(21)は、複数種類の薬剤(有効成分剤)を個別に保存しておけるように複数のタンク(22)が設けられており、それぞれのタンク(22)が導入配管部の導入管に配管及び注入ポンプを介して連結されており、各種薬剤を任意の量注入できるようになされている。
この際用いることができる薬剤(有効成分剤)としては、以下のもの等を挙げることができる。
例えば、炭水化物(グルコース、デキストロース)、酸素、水素、電解質(ナトリウム、カリウム、重炭酸塩、カルシウム、マグネシウム)、抗生物質や抗微生物剤(グラム陰性及びグラム陽性菌、ペニシリン)、ホルモン類(インシュリン、エピネフリン)、内因性代謝物質又は内因性代謝物質の前駆物質(アデノシン、L- アルギニン)、脂肪酸(飽和及び不飽和、単鎖及び長鎖)、薬学的に活性な薬剤(血管拡張剤、ヘパリン、ニトログリセリン、ACE阻害剤、ベータブロッカー、カルシウムチャンネルブロッカー、細胞保護剤、抗酸化剤、補体、抗補体、免疫抑制剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗真菌薬、抗ウイルス薬、ステロイド類、ビタミン類、酵素、補酵素など)などが挙げられるが、これらに限定されない。pHを調節したり、溶液を安定化させたり、粘性を調節したりなどする他の構成成分も用いることもできる。
【0015】
機能評価部は、上述の流量計により構成されている。流量計(25)のデータを収集することで臓器の状態を把握することができる。特に導入管に配された流量計(25)のデータにより状態を把握することが可能となる。また、補助的に圧力計(26)のデータも用いることができるので圧力計(26)も機能評価部の構成要素として用いることができる。
いずれのデータも調整部(33)の中央プロセッサに入力されて、記憶媒体(図示せず)に格納されたデータベースまたはプログラムに照合されて評価されることにより保存されている臓器の状態を把握することになる。
【0016】
調整部(33)は、特に図示しない中央プロセッサとデータベースまたはプログラムされた制御則や評価基準とが格納された記憶媒体とからなり、流量計および圧力計のデータを入力すると共に、評価を行った後、該評価に基づいて行う指示を熱交換部(30)と、導入管部及び排出管部のポンプ(図2中のPump)と、導入管部のエアトラップ(23、28)及び酸素添加管理部(24)と、導入部とに指示を出して、温度管理部の温度、並びに導入部に導入する有効成分剤の種類や導入量及び該保存液の流量を調節するようになされている。
【0017】
そして、本実施形態の臓器保存装置は、以下のようにして使用することができる。
まず、図2で示すように、人体から分離した臓器、本実施形態においては肝臓(18)を、臓器保持部(19)の内部に保存液が一様に潅流できるよう載置する。そして、図2で示すように、載置した肝臓(18)の肝動脈や門脈に導入管部の導入管の端部を連結する。また、図2で示すように臓器保持部(19)中に、排出管部の排出管の端部を連結する。
ついで、移送ポンプなどを作動させて保存液灌流部(20)を作動させ、保存液を灌流させる。この際、温度管理部も作動させて、熱交換部により保存液を適宜加熱冷却して保存液を適温に制御する。温度の制御は、上述したように好ましい温度上昇の速度で温度が上昇するように加温及び/又は冷却し、初期温度好ましくは4℃〜25℃へと温度を上昇させる。
また、機能評価部(例えば、流量計(25)や圧力センサ(26))を作動させて臓器の応対を把握し、臓器が劣化していると判断される場合には、調整部からの指示により温度管理部の温度、並びに導入部に導入する有効成分剤の種類や導入量及び該保存液の流量を調節する。
そして、機能評価部の評価と調整部による調整は、以下のようにして行われる。
図3に示すように、流量計から得られる灌流流量情報及び灌流圧力情報を中央プロセッサへと送致する。ついで、中央プロセッサであらかじめ設定されたデータベースまたはプログラムされた制御則や評価基準に照合して臓器の機能の劣化を評価し、移植に支障が生じると判断される場合には臓器の機能を改善するように移送ポンプ、導入部、熱交換部に指示を出して、各種条件(保存液の液性(pH,含有糖質鎖状長さ制御成分量,粘度,血管拡張作用薬剤量,血管収縮薬剤量,細胞栄養成分,酸素添加量,各種イオン量),保存液温度,流量,圧力を制御する。
【0018】
本実施形態の生体から取り出した臓器を保存し、且つ保存中の臓器の状態を解析して最適な保存状態を選択できる。
【0019】
なお、本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
たとえば、ヒトの臓器(肝臓など)だけでなく、哺乳動物の臓器(例えばブタの肝臓など)でも、本発明の臓器保存装置を用いることが可能である。
【実施例】
【0020】
以下、本発明について実施例及び比較例を示してさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
【0021】
〔実施例1〕温阻血処理後の肝臓を、臓器保存装置を用い、低温から徐々に復温させる灌流による臓器保存
臓器保存装置としては、図2に示す装置を用いた。
最初に保存液としてのウィスコンシン大学溶液を基本とした成分を臓器蘇生のために調整した溶液1.5リットルで臓器保存装置の臓器保持部(19)を満たした。
次に、温度管理部を4℃に設定し、作動させ、上記保存液の温度を4℃にした。
実験動物として、ブタ(大ヨークシャー種、デュロック種雑種種、体重20kg、2〜3ヶ月令)を、倫理的規則を尊守して試験に用いた。
まず、ブタを麻酔下において開腹し、門脈と肝動脈とを結紮することにより、肝臓の温阻血処理が60分間となるように肝臓600〜700gを摘出した。
次に、臨床利用されている低温単純冷却保存に相当する操作として肝臓を4℃の保存液中で2時間低温単純冷却保存を行った。低温単純冷却保存中は保存液の還流は行わなかった。
低温単純冷却保存終了後、 摘出した肝臓を、保存液を投入した臓器保持部(19)に設置し、各管を連結させた。
連結は、保存液灌流部(20)の肝動脈用の導入管の1端部を肝動脈に挿入し、保存液灌流部(20)の肝門脈用の導入管の1端部を肝門脈に挿入することにより行った。また、各導入管の他端部を保存液中に浸漬するように設置した。
低温単純冷却保存終了後、肝臓に対する保存液の灌流を行った。灌流は、臓器保存装置を用いて、以下の条件で行った。
灌流の条件:
保存液の温度:4℃から22℃に平均0.2℃/分の速度で加温(加温は、熱交換器(30)に保存液を流通させて行った)
酸素添加装置での酸素供給条件:8mg/L以上を維持(飽和溶存酸素量を維持)
ポンプ流速(肝動脈用):0.22mL/min/g
ポンプ流速(肝門脈用):0.06mL/min/g
時間:2時間
(肝臓の状態の評価)
肝臓の状態の評価は、灌流中に肝臓が保存液中に放出したラクトースデハイドロゲナーゼ(LDH)の量を指標として行った。
LDHは細胞内に存在する酵素で、細胞障害などで細胞膜が破壊されることにより細胞外に放出される酵素である。このため、放出されたLDHの量を測定することにより、細胞障害の程度を把握することができる。
LDH量の放出量を算出するために灌流開始時及び灌流開始2時間後の保存液中のLDH量を常法に従って測定した。
また、LDHの放出量を以下の式により算出した。
LDHの放出量=(灌流開始2時間後のLDH量−灌流開始時のLDH量)
LDHの放出量の結果を図4に示す。
【0022】
〔実施例2〕温阻血処理なしの条件で、臓器保存装置を用い、低温で灌流を行った臓器保存
肝臓の温阻血処理を行わず、実施例1と同様にして低温処理を行い、保存液の温度を4℃の条件で灌流を行い、実施例1と同様にしてLDHの放出量を測定した。その結果を図4に示す。
【0023】
〔実施例3〕温阻血処理後の肝臓を、臓器保存装置を用い、低温で灌流を行った臓器保存
実施例1と同様にして肝臓の温阻血処理を行い、実施例1と同様にして低温処理を行い、保存液の温度を4℃の条件で灌流を行い、実施例1と同様にしてLDHの放出量を測定した。その結果を図4に示す。
【0024】
図4に示す結果から、いずれの例も臓器保存の状態が良好であり、臓器保存装置として有用であることがわかるが、特に、本発明の臓器保存装置を用い、温阻血処理後の肝臓を低温から徐々に復温させる灌流による臓器保存を行った例(実施例1)は、低温で灌流を行った臓器保存の例(実施例3)と比較して、LDHの放出量が少なく、組織の障害が少ないことがわかる。
また、本発明の臓器保存装置を用い灌流により、温阻血処理後低温から徐々に復温した場合(実施例1)は、温阻血処理を行わず低温で灌流を行った場合(実施例2)に比しても、LDHの放出量に有意な差が見られず、組織の障害が少ないことがわかる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体から分離した臓器を灌流保存する臓器保存装置であって、
臓器を保持する臓器保持部と、
臓器保持部に保持されている臓器に臓器保存用の保存液を灌流させる保存液灌流部と、
臓器保存部の温度管理を行う温度管理部と、
保存液灌流部に流通させる保存液に有効成分剤を導入する導入部と、
臓器に灌流させる保存液の流量や圧力を測定することで臓器の機能を評価する機能評価部と、
機能評価により得られたデータに基づいて温度管理部の温度、並びに導入部により導入される有効成分剤の種類や導入量及び該保存液の流量を調節する調整部と
を具備してなる臓器保存装置。
【請求項2】
上記温度管理部は、上記臓器保存部内に貯留される保存液の温度を4℃〜25℃まで徐々に加温及び/又は冷却するように温度制御する
ことを特徴とする請求項1記載の臓器保存装置。
【請求項3】
請求項1記載の臓器保存装置を用いる臓器保存方法であって、
臓器保存部の温度を4℃〜25℃まで徐々に加温及び/又は冷却することを特徴とする
臓器保存方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−75888(P2013−75888A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197158(P2012−197158)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(305027401)公立大学法人首都大学東京 (385)
【Fターム(参考)】