説明

臨床検査情報処理装置、システム及び分析装置、並びにそれらのプログラム

【課題】 信頼性の低い検査結果が医師に報告されてしまうのを確実に防ぐことができる臨床検査情報処理装置を提供すること
【解決手段】 検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うための臨床検査情報処理装置であって、検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しない臨床検査情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臨床検査情報処理装置、システム及び分析装置、並びにそれらのプログラムに関する。さらに詳しくは、分析装置により分析された患者検体の分析結果を承認して医師等に報告する臨床検査情報処理装置、システム及び分析装置、並びにそれらのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、患者の血液や尿等の検体の検査においては、分析装置で得られた検査結果を検査技師が確認し、前記検査結果が所定の条件を満たしていれば、当該検査結果を承認し、医師に報告することが行われている。
このような検査結果の承認を行うことが可能な臨床検査システムとして、例えば特許文献1記載の臨床検査システムが知られている。この臨床検査システムによれば、検査技師による承認が終了した検査結果にはフラグが入力され、フラグが入力されている検査結果のみを、医師が参照できるようになっている。したがって、未承認の検査結果を医師が参照してしまうことが防止される。
【0003】
一方、前述した分析装置で患者検体を正確に測定するためには、メーカが定めた仕様通りの性能が発揮される状態で当該分析装置を使用する必要があり、このため所定の測定結果が得られるように作製された精度管理物質を測定し、その測定結果がターゲット値から一定の範囲(正常範囲)を超えて外れていれば、分析装置に何らかの異常が生じていると判定する精度管理が一般的に行われている。そして、精度管理物質の測定結果が正常範囲から外れている場合、このような分析装置を用いて患者の検体を測定して得られた結果は信頼性が低いため、医師には報告することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−155093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の臨床検査システムでは、分析装置の精度管理データと患者検体の測定結果とが別々に管理されており、また精度管理を行った者以外に複数の検査技師がシステムに関与している場合が多いため、確実な精度管理をして信頼性の高い測定結果だけを医師に報告するためには、手間のかかる多くの確認作業が必要であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、精度管理結果が承認された分析装置の測定結果だけを承認対象とすることで、信頼性の低い検査結果が医師に報告されてしまうのを確実に防ぐことができる臨床検査情報処理装置、システム及び分析装置、並びにそれらのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の臨床検査情報処理装置は、検体分析装置とネットワークを介して通信可能に接続されており、検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うための臨床検査情報処理装置であって、検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しないことを特徴としている。
【0007】
なお、本明細書において、分析結果及び精度管理結果の両方について「承認」という表現を用いているが、分析装置により検体を分析した結果を「承認」するとは、検査技師が分析結果を医師に見せてもよいと認めることを意味しており、また精度管理結果に関して「承認」とは、精度管理用の検体を測定した結果、分析装置が仕様通りの性能を発揮し得る状態であると認めることを意味している。
【0008】
また、本発明の臨床検査情報処理システムは、検体分析結果を外部に出力し得る検体分析装置と、検体分析装置とネットワークを介して通信可能に接続されており、検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うための臨床検査情報処理装置と、を備える臨床検査情報処理システムであって、臨床検査情報処理装置が、検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しないことを特徴としている。
【0009】
また、本発明の分析装置は、検体を分析して検体分析結果を得る分析手段と、分析手段により検体を分析して得られた検体分析結果、分析手段により精度管理用検体を分析して得られた精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しないことを特徴としている。
【0010】
また、本発明の臨床検査情報処理用のプログラムは、検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うために、検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部を備えたコンピュータに、精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行させ、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認する処理を実行させないことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の臨床検査情報処理装置、システム及び分析装置、並びにそれらのプログラムによれば、精度管理結果が承認された分析装置の測定結果だけを承認対象とすることで、信頼性の低い検査結果が医師に報告されてしまうのを確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の臨床検査情報処理装置、方法、システム及び分析装置、並びにそれらのプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る臨床検査情報処理システム(以下、単にシステムともいう)の構成を示す図である。本実施の形態に係るシステムは、患者の血液や尿等の検体を分析し、その結果を示す分析結果を外部に出力し得る分析装置10、20、30と、前記分析結果を受信し、処理する臨床検査情報処理装置であるサーバコンピュータ1と、前記サーバコンピュータ1に接続されており、検査技師が分析結果の承認等の操作を行うユーザコンピュータ3とで主に構成されている。本実施の形態では、分析結果を参照し得る端末であるクライアントコンピュータ2が院内に3台設けられており、これらのクライアントコンピュータ2は院内ホストコンピュータ4を経由して前記サーバコンピュータ1に接続されている。また、サーバコンピュータ1には、患者検体の分析結果等を出力する出力手段であるプリンタ5が接続されている。そして、サーバコンピュータ1、ユーザコンピュータ3、及びプリンタ5によりLIS(Laboratory Infomation System)が構成されており、前記院内ホストコンピュータ4及びクライアントコンピュータ2によりHIS(Hospital Infomation System)が構成されている。前記サーバコンピュータ1と院内ホストコンピュータ4との間、この院内ホストコンピュータ4とクライアントコンピュータ2との間、サーバコンピュータ1とユーザコンピュータ3との間等は、LAN等のネットワークによって結ばれている。なお、本明細書では、検体の分析や承認を行う側の検査技師等を「ユーザ」といい、検査を依頼し、得られた検査結果を参照、利用する側の医師、看護師、患者等を「クライアント」というものとする。また、本明細書で「検体」とは、「精度管理検体」又は「QC検体」という場合を除き、患者や健康診断の被験者等、ヒトや動物から提供された分析用の検体をいう。
【0013】
分析装置10は血球計数装置であり、分析装置本体11とコンピュータ12とを備えており、分析装置20は血液凝固測定装置であり、分析装置本体21とコンピュータ22とを備えており、また分析装置30は生化学測定装置であり、分析装置本体31とコンピュータ32とを備えている。前記分析装置本体11は、検体である患者の血液を装置内に取り入れるための検体吸引部と、前記検体から検出(測定)用の試料を調製するための試料調製部と、この試料から光学情報や電気情報を検出する検出部と、装置本体外部との通信をするための通信インターフェイスと、前記検体吸引部、試料調製部及び検出部の作動を制御するとともに検出部によって得られた情報に基づいて血球を計数する制御部とからなる、この種の血球計数装置の一般的な構成を備えている(図15参照)。また、図示は省略するが、分析装置本体21及び分析装置本体31も、かかる分析装置本体11と同様に一般的な構成を備えている。
【0014】
ユーザコンピュータ3は検査技師により操作され、一方、クライアントコンピュータ2は主治医により操作されるのが一般的であるが、情報の種類によっては主治医以外の医師、看護師又は患者本人がクライアントコンピュータ2を操作して、分析結果等を参照できるようにしてもよい。
【0015】
サーバコンピュータ1は、図2に示されるように、コンピュータ本体40、入力部41及び表示部42とで主に構成されており、コンピュータ本体40は、記憶手段であるROM43、RAM44及びハードディスク45と、演算や決定等の処理を行う処理手段であるCPU46と、各種インターフェイス、すなわち入出力インターフェイス47、画像出力インターフェイス48及び通信インターフェイス49とを備えている。そして、かかるサーバコンピュータ1が、本発明における、検体を分析する分析装置の精度管理の結果を示す精度管理結果情報を取得する取得手段及びこの取得手段によって取得された精度管理結果情報に基づいて、前記分析装置が検体を分析したときの分析結果を承認する検体承認手段、さらには前記取得手段によって取得された精度管理結果情報に基づいて、前記分析装置が検体を分析したときの分析結果の承認の可否を決定する承認許可手段として機能するように構成されている。
【0016】
前記ハードディスク45内には、図3に示されるように、各種データベース(以下、DBともいう)及びプログラムが格納されている。具体的には、精度管理(Quality Control。以下、単にQCともいう)の結果が格納されるQC結果DB、患者の検体の分析結果が格納される患者検体結果DB、精度管理用検体の分析結果の目標値ないしはターゲット値が格納されるQCターゲット値DB、患者検体の各測定項目について、その正常範囲を示す測定項目正常範囲DB、通信プログラム、QC結果手動承認プログラム、患者検体結果手動承認プログラム1、患者検体結果手動承認プログラム2、患者検体結果自動承認プログラム1、患者検体結果自動承認プログラム2、及び報告プログラムが格納されている。これらのDB及びプログラムについては、後に詳述する。
【0017】
本実施の形態では、分析結果の承認及び精度管理結果の承認の両方について、所望により手動又は自動のどちらでも行えるように各種のプログラムが用意されている。手動又は自動の切替えは、サーバコンピュータ1に設けた適宜のスイッチ手段(図示せず)により行うようにしてもよいし、また前記入力部41の操作により行うようにしてもよく、本発明において特に限定されるものではない。
【0018】
つぎに、本実施の形態に係るシステムにおいて、臨床検査情報を処理する方法について説明する。
前述したように、本実施の形態では、分析結果の承認及び精度管理結果の承認の両方について、所望により手動又は自動のどちらでも行えるように構成されており、具体的には、以下の4つのモードの中から所望のモードを選択することができる。
【0019】
【表1】

【0020】
[1]モード1
モード1ではQC結果承認及び患者検体結果承認の両方が手動で行われる。そして、QC結果承認にはQC結果手動承認プログラムが用いられ、患者検体結果承認には患者検体結果手動承認プログラム1が用いられる。
【0021】
(1)分析装置からのデータ通信
すべてのモードにおいて共通しているが、分析装置10、20、30での分析結果(患者検体及び精度管理用検体の両方を含む)は、サーバコンピュータ1に送信され、当該サーバコンピュータ1の所定のデータベースに格納される。図4は、このようなデータの受信を行う通信プログラム(サーバコンピュータ1にインストールされている。後述する他のプログラムも同様)による処理の手順を示すフローチャートである。
【0022】
まず、サーバコンピュータ1が分析装置10、20、30からのデータを受信する(ステップS10)と、当該サーバコンピュータ1は、前記データが依頼された内容(分析項目)についての問合せであるか否か判断する(ステップS11)。分析装置10、20、30から送信されてくるデータは、通常、依頼内容についての問合せと、分析結果との2種類であるが、サーバコンピュータ1は、まず前記データが、何を分析すべきかという分析装置からの問合せであるか否かを判断する。
【0023】
そして、依頼された内容(分析項目)についての問合せである場合は、当該分析装置10、20、30に依頼された内容(分析項目)を返答し(ステップS12)、そうでない場合は、前記データが検体の分析結果であるか否かを判断する(ステップS13)。前記データが検体の分析結果である場合は、さらに当該データがQC検体の分析結果であるか、又は患者検体の分析結果であるかの判断を行う(ステップS14)。QC検体の分析結果であると判断されると、当該データはQC結果DBに格納され(ステップS15)、一方、患者検体の分析結果であると判断されると、当該データは患者検体結果DBに格納される(ステップS16)。表2はQC結果DBの内容の一例を示しており、表3は患者検体結果DBの内容の一例を示している。なお、表2において「QC検体ID」とは、QC用の検体の識別番号のことであり、また表3において「患者ID」とは、患者の識別番号のことである。かかるデータベースの形式は、分析装置の種類や分析項目等に応じて適宜変更することができる。
【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【0026】
(2)QC結果の承認
QC結果の承認にはQC結果手動承認プログラムが用いられる。図5は、かかるQC結果手動承認プログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
このプログラムは、例えば検査技師(ユーザ)が自己の端末装置(ユーザコンピュータ3)の画面を開いたときに起動するように設定することができ、起動すると、まずQC結果承認画面が前記端末装置の表示部に表示される(ステップS20)。そして、検査技師がQC結果の承認をすべき分析装置を特定する分析装置IDを入力する(ステップS21)と、指定された分析装置のQC結果(未承認)がQC結果DBから取得される(ステップS22)。 検査技師はQC結果DBから取得され、且つQC結果承認画面上に表示されているQC結果を確認し、これが承認してもよい値であるか否かの判断をし、承認してもよい値であるときは、承認ボタンを押す(ステップS23)。図8は、このようなQC結果承認画面の一例を示しているが、図において右下の「承認」ボタン63をクリックすることでQC結果の承認が行われる。図8の例では、2つの項目(WBCとRBC)についてQC結果の承認が行われており、承認しようとするチェックボックス62に「×」印が表示されるようになっている。
【0027】
前記QC検体の承認は、1つのQC用検体で測定された全項目をまとめて承認される場合と、項目毎に承認される場合とがある。例えば、図8に示される例で精度管理の対象としている血球計数装置では、WBCやRBC等のすべての測定項目を測定し、すべての測定項目を一括して報告するのが通常であるので、WBCとRBCをまとめて承認するようにしている。したがって、この例では、QC結果承認画面が表示されると2つのチェックボックスに「×」印がデフォルトで表示されるようになっている。そして、「承認」ボタン63がクリックされると、WBC及びRBCがまとめて承認される。一方、生化学検査を行う分析装置には、2種類のQC用検体が使用され、一方のQC用検体でNA(ナトリウム)、K(カリウム)及びCL(クロール)という項目が扱われ、他方のQC用検体でNAG(アセチルグルコサミニダーゼ)という項目が扱われることがある。この場合、図10に示されるように、QC結果の承認画面では前記4つの項目が同時に表示されるが、NAGの結果がターゲット値からかけ離れている場合、検査技師は、NAGの結果を承認せずに、NA、K、CLのQC結果だけを承認する。この個別承認は、例えば承認したい項目のチェックボックス62を指定(クリック)した上で「承認」ボタン63をクリックすることで行うことができる。
【0028】
承認ボタンが押されると、QC結果DBの承認フラグが承認済の状態に更新される(ステップS24)。表2に示される例では、「1」が承認済、「0」が未承認を表わしている。QC結果DBの承認フラグの更新が完了すると、他の分析装置のQC結果を承認するか否かについての問合せがなされ(ステップS25)、引き続き承認をする場合は、ステップS22に戻り、当該他の分析装置のIDが入力され、前述した手順が繰り返される。
【0029】
なお、QC結果を承認するか否かは、当該QC結果がQC用検体のターゲット値ないしは目標値を含む一定範囲(正常範囲)から外れているか否かを基準にして行われる。例えば、承認対象のQC結果がターゲット値±2SDの範囲内にあるか否かにより判断することができる。前記SD値は、精度管理をしようとする分析装置において同一ロットのQC用検体で測定したすべての結果を考慮して、QC用検体を分析する毎に計算される。SD値は、全測定値の平均値と各測定値との差の2乗の総和を測定データ数で割り、平方根をとった値である。なお、承認の基準は、ターゲット値±2SDの範囲内以外に、例えば、より厳しい基準であるターゲット値±SDの範囲内とすることもできる。
【0030】
(3)患者検体結果の承認
患者検体結果の承認には患者検体結果手動承認プログラム1が用いられる。図6は、かかる患者検体結果手動承認プログラム1による処理の手順を示すフローチャートである。
このプログラムは、例えば一定時間毎に、又は所定の時間(例えば、午前10時、午後2時及び午後4時)に、さらには未承認の患者検体結果が患者検体結果DBに一定数蓄積される毎に起動するように設定することができる。プログラムが起動すると、患者と検査結果を検索する画面が表示される(ステップS30)。ついで、検索条件が入力されると(ステップS31)、検索が実行される(ステップS32)。検索は、適宜の条件にしたがって行うことができる。例えば、患者IDや承認の緊急度(この場合、患者検体結果の属性として緊急度を設定しておく必要がある)を検索条件とすることができる。
【0031】
検索が実行されると、患者ID、患者検体結果及びQC結果が承認されているか否かを示す情報の表示を含む患者検体結果承認画面が検査技師の端末装置(ユーザコンピュータ3)の表示部に表示される(ステップS33)。承認対象が複数存在する場合は、1件目の承認対象画面が表示される。このとき、承認画面に、承認対象の測定項目の正常範囲を表示することができる。前記正常範囲は、年齢や性別等により異なるので、前記サーバコンピュータ1のハードディスク45に格納されている測定項目正常範囲DBから該当するものが抽出されて表示される。また、当該患者の過去の測定結果をグラフ化したもの等他の情報を表示することもできる。
【0032】
図9は患者検体結果承認画面の一例を示す図であり、図11は患者検体結果承認画面の他の例を示す図である。図9に示される画面は、説明のために単純化した例であり、図11に示される画面は、これに前述した測定項目の正常範囲等の付加的情報を表示した例である。図9において、チェックボックス61はQC結果が承認されているか否かを示しており、「2」が承認済、「1」が未承認を表わしている。また、チェックボックス62は患者検体結果の承認を行うためのボックスであり、「×」印が承認済、無印が未承認を表わしている。患者検体結果の承認は、該当する測定項目のチェックボックスを選択(クリック)し、ついで承認ボタン63を押す(クリックする)ことにより行うことができる。
【0033】
図11において、70及び71は、それぞれ検体番号及び患者識別番号を示している。画面左側部分には、検査結果等が表形式で表示されており、画面右側部分には検査結果とともに分析装置から送られてくる画像データが表示されている。
表の部分は、左端から順に、QC結果の承認状況欄72、患者検体結果の承認状況欄73、検査項目欄74、検査結果欄75、上下限マーク欄76、検査結果に対するコメント欄77、再検査状態の表示欄78、単位欄79、及び基準値欄80である。QC結果の承認状況欄72において、「Y」は承認を表わしている(「N」は未承認、空白は未測定)。患者検体結果の承認状況欄73において、「1」は測定済且つ未承認を表わしている(「0」は未測定、「2」は承認済)。上下限マークは、検査結果が基準値からどの程度外れているのかを表わしており、「L」、「l」、「h」及び「H」のいずれかで表示される。「h」は検査結果が基準値よりやや大きいことを示しており、「H」は検査結果が基準値よりかなり大きいことを示しており、「l」は検査結果が基準値よりやや小さいことを示しており、「L」は検査結果が基準値よりかなり小さいことを示している。この例では、患者検体結果の承認状況欄73において該当する測定項目をクリックし、ついで画面右下の「Validation」ボタン81(承認ボタン)をクリックすることで患者検体結果の承認をすることができる。
【0034】
なお、図11に示される画面は一例に過ぎず、他の項目(例えば、同一患者の承認対象項目以外の検査結果)を表示したり、他の表示形式を採用したりすることができる。
分析結果を承認する画面中に精度管理結果の承認に関連する情報を表示することで、分析結果を承認しようとする検査技師は、分析装置の精度管理結果が承認されているか否かを確認しつつ分析結果の承認をすることができる。換言すれば、検査技師は、分析装置の精度管理の状況(分析装置がメーカの仕様通りの機能を発揮し得る状態であるか否か)を把握しつつ分析結果の承認をすることができる。
【0035】
検査技師は表示されているQC結果の承認状況を確認し、これが承認してもよいものであるか否かの判断をし、承認してもよいものであるときは、承認ボタンを押す(ステップS34)。
ついで、前記患者検体を分析した分析装置のQC結果が承認されているか否かの判断がなされる(ステップS35)。具体的には、QC結果DBにおいて承認フラグが「1」であるか否かが判断される。そして、QC結果が承認されていると判断されると、初めて患者検体結果が承認され、その結果が患者検体結果DBに反映される(ステップS36)。具体的には、承認状態を表わす承認レベルが所定の値に更新される。例えば、承認レベルとして、「0」(未測定)、「1」(未承認)及び「2」(承認済)3つのレベルを設定した場合、この承認レベルを「2」に更新することができる。なお、同じ承認であっても、複数のレベルの承認を設定することもできる。例えば、一般の検査技師とともに、この検査技師よりも経験が豊富であり検査に熟練した上位の検査技師が分析結果の承認をするような場合、一般の検査技師による承認を承認レベル2とし、上位の検査技師による承認を承認レベル3とすることで、承認の信頼性についての情報を医師等に提供することができる。
【0036】
一方、QC結果が承認されていない場合は、エラーメッセージが表示される(ステップS37)。このエラーメッセージとしては、例えば「QC結果が未承認です。QC結果の承認手続をしてください。」といった内容のものとすることができる。エラーメッセージを表示することで、検査技師は、当該分析装置の精度管理結果が承認されていないこと、すなわち分析装置に何らかのトラブルが発生して所定の精度が出ない状態であることを容易且つ確実に把握することができる。これにより、不具合が発見された分析装置の点検、補修を早期に行うことができる。
【0037】
ついで、全ての検索結果が承認されたか否かが判断され(ステップS38)、「No」の場合は、つぎの依頼の承認に移行し(ステップS39)、「Yes」の場合は患者検体結果承認プロセスが終了する。
なお、本実施の形態において、サーバコンピュータ1は、QC結果及び患者検体の承認を、ユーザコンピュータ3に承認画面を表示させることによって受け付けているが、これらの承認画面を表示部43に表示することによって承認を受け付けてもよい。
【0038】
(4)患者検体結果の報告
すべてのモードにおいて共通しているが、承認された患者検体結果は主治医等に報告される。図7は、このような患者検体結果の報告を行う報告プログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
このプログラムは、例えば検査技師が報告画面を開いたとき、又は自動的に一定時間毎に起動するように設定することができる。検査技師が患者ID、報告先等の報告条件を入力すると(ステップS40)、報告条件に合致する患者検体結果が患者検体結果DBから抽出される(ステップS41)。ついで、抽出された患者検体結果から承認済の患者検体結果だけがさらに抽出される(ステップS42)。この「承認済」とは、前述したように、QC結果及び患者検体結果の両方について承認がなされたことを意味している。
【0040】
そして、抽出された承認済の患者検体結果は、入力された報告先に出力(院内ホストコンピュータ又はプリンタ)される(ステップS43)。ついで、他の条件で引き続き報告をするか否かの問合せがなされ(ステップS44)、「Yes」の場合は、報告条件を入力するステップS40の戻り、「No」の場合は報告プロセスが終了する。
前記報告プログラムによれば、分析結果のうち承認されている分析結果だけが出力されるので、精度管理結果が承認された信頼性の高い分析装置による測定結果だけを得ることができる。
【0041】
[2]モード2
モード2ではQC結果承認が自動で行われ、患者検体結果承認が手動で行われる。そして、患者検体結果承認には患者検体結果手動承認プログラム2が用いられる(QC結果を自動承認するステップは前記患者検体結果手動承認プログラム2に組み込まれている)。なお、モード2及び後述するモード3〜4において、分析装置からのデータ通信及び患者検体結果の報告の手順はモード1と同じであるので、それらについての説明は省略する。
【0042】
(1)患者検体結果の承認
患者検体結果の承認には患者検体結果手動承認プログラム2が用いられる。図12は、かかる患者検体結果手動承認プログラム2による処理の手順を示すフローチャートである。
プログラムが起動すると、患者と検査結果を検索する画面が表示される(ステップS50)。ついで、検索条件が入力されると(ステップS51)、検索が実行される(ステップS52)。検索は、適宜の条件にしたがって行うことができる。例えば、患者IDや承認の緊急度(この場合、患者検体結果の属性として緊急度を設定しておく必要がある)を検索条件とすることができる。
【0043】
検索が実行されると、患者ID、患者検体結果、QC検体結果及びQC検体結果の正常範囲の表示を含む患者検体結果承認画面が検査技師(ユーザ)の端末装置の表示部に表示される(ステップS53)。承認対象が複数存在する場合は、1件目の承認対象画面が表示される。このとき、承認画面に、承認対象の測定項目の正常範囲を表示することができる。前記正常範囲は、年齢や性別等により異なるので、前記サーバコンピュータ1のハードディスク45に格納されている測定項目正常範囲DBから該当するものが抽出されて表示される。また、当該患者の過去の測定結果をグラフ化したものを表示することもできる。検査技師は表示されているQC検体結果を確認し、これが承認してもよいものであるか否かの判断をし、承認してもよいものであるときは、承認ボタンを押す(ステップS54)。
【0044】
ついで、前記患者検体を分析した分析装置のQC結果が正常範囲内であるか否かの判断がなされる(ステップS55)。具体的には、QC結果を前述した判断基準(ターゲット値±2SDの範囲内にあるか否か)にしたがって正常範囲内であるか否かの判断をすることができる。なお、この判断基準(ターゲット値±2SDの範囲内にあるか否か)は一例に過ぎず、他の判断基準を適宜採用することができる。
【0045】
そして、QC結果が正常範囲内であると判断されると、初めて患者検体結果が承認され、その結果が患者検体結果DBに反映される(ステップS56)。具体的には、モード1で説明したように、承認状態を表わす承認レベルが所定の値に更新される。 一方、QC結果が承認されない場合は、エラーメッセージが表示される(ステップS57)。このエラーメッセージとしては、例えば「QC結果を承認することができません。分析装置を点検してください。」といった内容のものとすることができる。
【0046】
ついで、全ての検索結果が承認されたか否かが判断され(ステップS58)、「No」の場合は、つぎの依頼の承認に移行し(ステップS59)、「Yes」の場合は患者検体結果承認プロセスが終了する。
なお、以上の説明では、ステップS54において患者検体結果の承認が行われた後に、ステップS55においてQC結果が正常範囲内であるか否かの判断がなされているが、QC結果が正常範囲内であるか否かの判断は、検索を実行した直後(ステップS52の直後)に行うようにしてもよい。
【0047】
[3]モード3
モード3ではQC結果承認が手動で行われ、患者検体結果承認が自動で行われる。そして、QC結果承認にはQC結果手動承認プログラムが用いられ、患者検体結果承認には患者検体結果自動承認プログラム1が用いられる。
なお、手動で行われるQC結果承認の手順はモード1と同じであるので、その説明を省略する。
【0048】
(1)患者検体結果の承認
患者検体結果の承認には患者検体結果自動承認プログラム1が用いられる。図13は、かかる患者検体結果自動承認プログラム1による処理の手順を示すフローチャートである。
プログラムが起動すると、まず患者検体結果DBから未承認の患者検査結果が取得される(ステップS60)。ついで、取得した患者検体結果が所定の承認条件に合致するか否かの判断がなされる(ステップS61)。具体的には、患者検体結果の各測定項目について、前記ハードディスク45に格納されている測定項目正常範囲DBを参照しつつ、正常範囲内であるか否かについての判断がなされる。そして、すべての測定項目について正常範囲内である判断されると、つぎのステップに進み、そうでない場合は、当該患者検体結果は未承認のまま、ステップS64に進む。未承認の患者検査結果は、前述したモード1における「手動」による患者検体結果の承認プロセスにより、最終的に承認するか否かの判断がなされる。検査技師が、正常範囲から外れた測定項目について、他の測定項目の検査結果等から判断して、その「外れ」が患者の疾患に起因するものと判断するときは、当該患者の検査結果の承認をする。
【0049】
取得した患者検体結果が所定の承認条件に合致すると判断された場合、つぎに前記患者検体を分析した分析装置のQC結果が承認されているか否かの判断がなされる(ステップS62)。具体的には、QC結果DBにおいて承認フラグが「1」であるか否かが判断される。そして、QC結果が承認されていると判断されると、患者検体結果が承認され、その結果が患者検体結果DBに反映される(ステップS63)。具体的には、モード1と同様にして、承認状態を表わす承認レベルが所定の値に更新される。一方、ステップS62においてQC結果が未承認と判断されると、当該患者検体は未承認のままステップS64に進む。
【0050】
ついで、報告条件に合致する患者検体結果の承認が全て終了したか否かの判断がなされ、「No」の場合はステップS60に戻って、つぎの未承認の患者検体結果が患者検体結果DBから取得され、「Yes」の場合は患者検体結果承認プロセスが終了する。
なお、以上の説明では、ステップS61において患者検体結果が所定の承認条件に合致するか否かを判断した後に、ステップS62においてQC結果が承認済であるか否かを判断しているが、これらのステップは順序を逆にしてもよい。
【0051】
[4]モード4
モード4ではQC結果承認及び患者検体結果承認の両方が自動で行われる。そして、患者検体結果承認には患者検体結果自動承認プログラム2が用いられる(QC結果を自動承認するステップは前記患者検体結果自動承認プログラム2に組み込まれている)。
【0052】
(1)患者検体結果の承認
患者検体結果の承認には患者検体結果自動承認プログラム2が用いられる。図14は、かかる患者検体結果自動承認プログラム2による処理の手順を示すフローチャートである。
プログラムが起動すると、まず患者検体結果DBから未承認の患者検査結果が取得される(ステップS70)。ついで、取得した患者検体結果が所定の承認条件に合致するか否かの判断がなされる(ステップS71)。具体的には、患者検体結果の各測定項目について、前記ハードディスク45に格納されている測定項目正常範囲DBを参照しつつ、正常範囲内であるか否かについての判断がなされる。そして、すべての測定項目について正常範囲内である判断されると、つぎのステップに進み、そうでない場合は、当該患者検体結果は未承認のまま、ステップS74に進む。未承認の患者検査結果は、前述したモード1における「手動」による患者検体結果の承認プロセスにより、最終的に承認するか否かの判断がなされる。検査技師が、正常範囲から外れた測定項目について、他の測定項目の検査結果等から判断して、その「外れ」が患者の疾患に起因するものと判断するときは、当該患者の検査結果の承認をする。
【0053】
ついで、前記患者検体を分析した分析装置のQC結果が正常範囲内であるか否かの判断がなされる(ステップS72)。具体的には、QC結果を前述した判断基準(ターゲット値±2SDの範囲内にあるか否か)にしたがって正常範囲内であるか否かの判断をすることができる。なお、この判断基準(ターゲット値±2SDの範囲内にあるか否か)は一例に過ぎず、他の判断基準を適宜採用することができる。
【0054】
そして、QC結果が正常範囲内であると判断されると、患者検体結果が承認され、その結果が患者検体結果DBに反映される(ステップS73)。具体的には、モード1で説明したように、承認状態を表わす承認レベルが所定の値に更新される。一方、ステップS72においてQC結果が正常範囲内にないと判断されると、当該患者検体は未承認のままステップS74に進む。
ついで、患者検体結果の承認が全て終了したか否かの判断がなされ、「No」の場合はステップS70に戻って、つぎの未承認の患者検体結果が患者検体結果DBから取得され、「Yes」の場合は患者検体結果承認プロセスが終了する。
なお、以上の説明では、ステップS71において患者検体結果が所定の承認条件に合致するか否かを判断した後に、ステップS72においてQC結果が正常範囲内であるか否かを判断しているが、これらのステップは順序を逆にしてもよい。
【0055】
モード4では、精度管理結果情報及び分析結果に基づいて分析結果を自動的に承認することができるため、分析結果の承認に要する検査技師の操作を簡略化することができる。
【0056】
図15は本発明のシステムの他の実施の形態の構成を示す図である。この実施の形態に係るシステムが、図1に示されるものと異なっている点は、QC結果及び患者検体結果の承認を行う機能を備えた処理手段が、分析装置内に組み込まれていることである。具体的に、本システムは、分析装置本体11及びコンピュータ12を備えた分析装置10と、前記コンピュータ12に接続されており、前記分析装置10で分析された結果を参照し得る端末装置であるクライアントコンピュータ2とで主に構成されている。本実施の形態では、3台のクライアントコンピュータ2が設けられており、これらのクライアントコンピュータ2は院内ホストコンピュータ4に接続されている。この院内ホストコンピュータ4は前記コンピュータ12に接続されている。また、コンピュータ12には、患者検体の分析結果等を出力する出力手段であるプリンタ19が接続されている。
【0057】
分析装置10は血球計数装置であり、その分析装置本体11は、検体である患者の血液を装置内に取り入れるための検体吸引部13と、前記検体から検出(測定)用の試料を調製するための試料調製部14と、この試料から光学情報や電気情報を検出する検出部15と、装置本体外部との通信をするための通信インターフェイス17と、前記検体吸引部13、試料調製部14及び検出部15の作動を制御するとともに検出部15によって得られた情報に基づいて血球を計数する制御部16とからなっている。
【0058】
また、前記コンピュータ12は、図16に示されるように、ハードディスクに格納されているプログラムのうち承認プログラムが、QC結果手動承認プログラム及び患者検体結果手動承認プログラムのみである点以外は、図2に示されるサーバコンピュータ1と同じ構成であり、かかるサーバコンピュータ1と同様の役割を果たしている。そして、前述したモード1と同様にしてQC結果及び患者検体結果の承認をすることができる。本システムでは、分析結果を処理する手段が分析装置に含まれているので、システム全体の構成を簡略化することができる。
なお、図15に示される実施の形態においても、分析装置10のコンピュータ12のハードディスクに前記サーバコンピュータ1(図2〜3参照)と同様のDB及びプログラムを格納することもできる。
【0059】
前述した臨床検査情報処理装置及びこれを含むシステム、又はこれらを用いた臨床検査情報処理方法では、検体を分析する分析装置の精度管理の結果を示す精度管理結果情報に基づいて分析結果を承認しており、所定の精度を発揮することができるものと承認された分析装置により分析された測定結果だけを承認することができる。このため、所定の精度が出ないため点検、補修を要するような分析装置で測定された分析結果が誤って医師に報告される不具合を確実に防止して、精度管理結果が承認された信頼性の高い分析結果だけを医師に報告することできる。
【0060】
また、前記臨床検査情報処理方法は、検体を分析した結果を示す分析結果を処理するために、コンピュータを、検体を分析する分析装置の精度管理の結果を示す精度管理結果情報を取得する取得手段、及びこの取得手段によって取得された精度管理結果情報に基づいて、前記分析装置が検体を分析したときの分析結果を承認する検体承認手段として作動させるプログラムにより実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の臨床検査情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】図1に示されるシステムにおけるサーバコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示されるサーバコンピュータにおけるハードディスクの内容の説明図である。
【図4】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる通信プログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる精度管理結果手動承認プログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる患者検体結果手動承認プログラム1による処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる報告プログラムによる処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図1に示されるシステムにおけるクライアントコンピュータによって表示される精度管理結果承認画面の一例を示す図である。
【図9】図1に示されるシステムにおけるクライアントコンピュータによって表示される精度管理結果承認画面の他の例を示す図である。
【図10】図1に示されるシステムにおけるクライアントコンピュータによって表示される患者検体結果承認画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示されるシステムにおけるクライアントコンピュータによって表示される患者検体結果承認画面の他の例を示す図である。
【図12】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる患者検体結果手動承認プログラム2による処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる患者検体結果自動承認プログラム1による処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図2に示されるサーバコンピュータにインストールされる患者検体結果自動承認プログラム2による処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の臨床検査情報処理システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【図16】図15に示されるシステムにおける分析装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示されるコンピュータにおけるハードディスクの内容の説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1サーバコンピュータ
2、3クライアントコンピュータ
4院内ホストコンピュータ
10、20、
30 分析装置
11、21、
31装置本体
19プリンタ
40コンピュータ本体
42表示部
45ハードディスク
46CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体分析装置とネットワークを介して通信可能に接続されており、検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うための臨床検査情報処理装置であって、
検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、
精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、
制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しないことを特徴とする臨床検査情報処理装置。
【請求項2】
記憶部は、検体分析結果を承認するための所定の条件として、検体分析結果の正常範囲(第2正常範囲)を記憶しており、制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記第2正常範囲内にある場合に、検体分析結果を自動的に承認する請求項1に記載の臨床検査情報処理装置。
【請求項3】
さらに表示部を備え、制御部は、検体分析結果が前記第2正常範囲の外にある場合に、検体分析結果の承認の入力を受け付け可能な検体分析結果承認画面を表示部に表示し、検体分析結果承認画面を介して検体分析結果の承認の入力を受け付けた場合に、精度管理分析結果が前記正常範囲内あれば検体分析結果を承認する請求項2に記載の臨床検査情報処理装置。
【請求項4】
さらに表示部を備え、制御部は、検体分析結果が前記第2正常範囲の外にある場合に、検体分析結果の承認の入力を受け付け可能な検体分析結果承認画面を表示部に表示し、検体分析結果承認画面を介して検体分析結果の承認の入力を受け付けた場合であっても精度管理分析結果が前記正常範囲の外であれば検体分析結果を承認しない請求項2に記載の臨床検査情報処理装置。
【請求項5】
制御部は、検体分析結果承認画面を介して検体分析結果の承認の入力を受け付け、且つ精度管理分析結果が前記正常範囲の外である場合に、精度管理分析結果を承認できない旨のメッセージ及び/又は分析装置の点検を促すメッセージを表示部に表示する請求項4に記載の臨床検査情報処理装置。
【請求項6】
制御部は、前記第2正常範囲を検体分析結果承認画面に表示する請求項3〜5のいずれかに記載の臨床検査情報処理装置。
【請求項7】
さらに表示部を備え、制御部は、検体分析結果が前記所定の条件に合致し、且つ精度管理分析結果が前記正常範囲の外である場合に、精度管理分析結果を承認できない旨のメッセージ及び/又は分析装置の点検を促すメッセージを表示部に表示する請求項1に記載の臨床検査情報処理装置。
【請求項8】
検体分析結果を外部に出力し得る検体分析装置と、検体分析装置とネットワークを介して通信可能に接続されており、検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うための臨床検査情報処理装置と、を備える臨床検査情報処理システムであって、
臨床検査情報処理装置が、
検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、
精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、
制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しないことを特徴とする臨床検査情報処理システム。
【請求項9】
検体を分析して検体分析結果を得る分析手段と、
分析手段により検体を分析して得られた検体分析結果、分析手段により精度管理用検体を分析して得られた精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部と、
精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行する制御部と、を備え、
制御部は、精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認しないことを特徴とする分析装置。
【請求項10】
検体分析装置が検体を分析して得られる検体分析結果の承認処理を行うために、検体分析装置から受信した検体分析結果、検体分析装置から受信した精度管理用検体の分析結果である精度管理分析結果、検体分析結果を承認するための所定の条件および精度管理分析結果の正常範囲を記憶するための記憶部を備えたコンピュータに、
精度管理分析結果が前記正常範囲内にあり、且つ、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合に、検体分析結果を承認する処理を自動的に実行させ、
精度管理分析結果が前記正常範囲の外にある場合には、検体分析結果が前記所定の条件に合致する場合であっても検体分析結果を承認する処理を実行させないことを特徴とする臨床検査情報処理用のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−81837(P2011−81837A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284119(P2010−284119)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【分割の表示】特願2008−197138(P2008−197138)の分割
【原出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】