説明

臨床検査用の分析装置

【課題】ゴミ/埃などが侵入し難い構成を有する反応槽を備えた臨床検査用の分析装置を実現する。
【解決手段】反応槽201の内部には、送風機構より反応槽201の底面部から矢印で示す方向に空気が送り込まれ、反応容器202に形成された鍔部から空気を排出する。この排出空気は、埃等の反応槽201内の液体401への侵入遮断の為の遮断用空気流層からなり、反応槽201における液体401の収容部開口に対するエアカーテンを形成している。反応槽201の、液体401を収容する底面部、内周側壁部、外周側壁部には複数の空気通路201aが一定間隔で形成されており、これら複数の空気通路201aに底面部からエアカーテン用空気が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿等の生体サンプルの定性・定量分析を行う臨床検査用の分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液、尿等の生体サンプル中の特定成分の定性・定量分析を行う臨床検査用の分析装置では、生体サンプル中の特定成分と反応し色が変るような試薬をサンプルに添加し、サンプルの色の変化(吸光度の変化)を、光度計等を用いて測定するものが一般的である。
【0003】
このような臨床検査用の分析装置に供される試薬には一般的に酵素が含まれている。試薬中の酵素は生体サンプル中に含まれる特定成分に対して反応し、反応生成物を作り出す。作り出された反応生成物は更に同じく試薬に含まれている発色剤と反応することで生体サンプル中の特定成分の濃度に比例した色の変化(吸光度の変化)を生じる。
【0004】
このとき、酵素を働かせるためには試薬と生体サンプルを混合させる反応容器を一定温度(一般的には37℃前後)に保持する必要がある。
【0005】
そこで、反応容器を一定温度に保持するための反応槽に保持する必要がある。反応槽内の温度を一定にするためには、一般的には温度をコントロールされた媒体(液体など)を循環させることで実現している。
【0006】
反応槽の一例としては、特許文献1に記載された自動分析装置の反応槽がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−181087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術における分析装置における、反応容器内の生体由来の試料あるいは生体由来の試料との反応生成物を一定の温度に保持するための反応槽は、分析装置外の外気に対してオープンであり、ゴミ/埃の量をコントロールした環境下には無いのが一般的である。
【0009】
そのため、分析装置外のゴミ/埃が反応槽内に侵入し、反応槽内を循環している媒体が汚染されてしまう可能性がある。
【0010】
また、光度計を構成する光源(ランプ)と受光側のセンサー部との間に保持された反応容器内の生体由来の試料あるいは生体由来の試料との反応生成物の吸光度を測定する事で濃度を算出していることから、反応容器を保温する反応槽内を循環する媒体が汚れていると正しい計測が行われない可能性がある。
【0011】
本発明の目的は、ゴミ/埃などが侵入し難い構成を有する反応槽を備えた臨床検査用の分析装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【0013】
本発明の臨床検査用の分析装置は、試料が収容される反応容器と、この反応容器を保持する反応ディスクと、この反応ディスクに保持された反応容器を収容するとともに、収容した反応容器内の試料を一定温度に維持するための液体を収容する液体収容部と、この液体収容部と上記反応容器との間に塵侵入遮断用の空気流層を形成する空気流層形成部とを有する反応槽と、この反応槽の液体収容部に収容された反応容器内の試料を光学的に測定する光度計とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ゴミ/埃などが侵入し難い構成を有する反応槽を備えた臨床検査用の分析装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明が適用される臨床検査用の分析装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例における侵入防止機構についての説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例における侵入防止機構についての説明図である。
【図4】本発明の第3の実施例における侵入防止機構についての説明図である。
【図5】本発明の第4の実施例における侵入防止機構についての説明図である。
【図6】本発明の第5の実施例における侵入防止機構についての説明図である。
【図7】本発明の第5の実施例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜図7を参照して、本発明による臨床検査用の分析装置の構成及び動作について説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明が適用される臨床検査用の分析装置の全体構成を示す図である。
【0018】
図1において、反応槽201は、間欠回転可能に構成されており、透光性材料からなる多数の反応容器202が回転可能な反応ディスク208の円周に沿って配置されている。
【0019】
反応容器202は、反応槽201によって所定の温度(例えば37°C)に維持される。反応槽201内における反応容器202内の生体由来の試料あるいは生体由来の試料との反応生成物は、恒温維持装置203により一定温度に調整される。
【0020】
サンプルディスク101上には、血液又は尿のような生体サンプルを収容した多数の検体容器102が配置される。可動アーム103に取り付けられたピペットノズル104は、サンプルディスク101のサンプル吸入位置に位置付けられた検体容器102から所定量のサンプルを吸入し、そのサンプルを反応槽201上の吐出位置にある反応容器202内に吐出する。
【0021】
試薬保冷庫303内には、バーコードの如き試薬識別情報を表示したラベルが貼られた複数の試薬ボトル304が配置される。
【0022】
これらの試薬ボトル304には、分析装置によって分析され得る分析項目に対応する試薬液が収容されている。試薬保冷庫303に付属された試薬識別情報読み取り装置(図示せず)は、試薬登録時に、各試薬ボトル304の外壁に表示されている試薬識別情報を読み取る。読み取られた試薬情報は、試薬保冷庫303上の配置ポジションと共に後述するメモリ6に登録される。
【0023】
試薬分注機構306における試薬用ピペットノズルは、試薬保冷庫303上の試薬ボトル304から試薬を吸引し、反応容器202内へ吐出する。反応槽201上の試薬受け入れ位置は検査項目に応じた受け入れ位置となっており、試薬保冷庫303上の試薬ボトル304は項目毎に位置付けられている。これにより、試薬分注機構306の試薬用ピペットノズルは、検査項目に応じた試薬を試薬ボトル304から吸引し、該当する反応容器202内へ吐出する。
【0024】
反応ディスク208の円周に沿って配置された反応容器202内に収容されたサンプルと試薬の混合物は、撹拌機構207により撹拌される。複数の反応容器202の列は、光源205と多波長光度計206とによって挟まれた測光位置を通るように反応ディスク208によって回転移動される。
【0025】
各反応容器202内におけるサンプルと試薬との反応液は、反応槽201の回転動作中に測光される。サンプル毎に測定されたアナログ信号は、A/D変換器12に入力される。
【0026】
反応槽201の近傍に配置されている反応容器洗浄機構204は、使用済みの反応容器202の内部を洗浄することにより、反応容器202の繰り返し使用を可能にしている。
【0027】
次に、図1に示した分析装置における制御系及び信号処理系について説明する。
【0028】
図1において、コンピュータ(制御手段)5は、インターフェース1を介して、サンプル分注制御部11、試薬分注制御部13、A/D変換器12に接続されている。
【0029】
コンピュータ5は、サンプル分注制御部11に対して指令を送り、可動アーム103及びピペットノズル104の動作を制御させ、サンプルの分注動作を制御させる。また、コンピュータ5は、試薬分注制御部13に対して指令を送り、試薬分注機構306の動作を制御させ、試薬の分注動作を制御させる。
【0030】
A/D変換器12によってディジタル信号に変換された多波長光度計206による信号測光値は、コンピュータ5に取り込まれる。
【0031】
インターフェース1には、印字するためのプリンタ4、記憶装置であるメモリ6や外部記憶媒体2、操作指令等を入力するためのキーボード7、画面表示するためのCRTディスプレイ3が接続されている。画面表示装置としては、CRTディスプレイの他に液晶ディスプレイなどを採用できる。
【0032】
また、メモリ6は、例えばハードディスクメモリ又は外部メモリにより構成される。メモリ6には、各操作者のパスワード、各画面の表示レベル、分析パラメータ、分析項目依頼内容、キャリブレーション結果、分析結果等の情報が記憶される。
【0033】
臨床検査用の分析装置によって分析可能な項目に関する分析パラメータは、予めキーボード7のような情報入力装置を介して入力されておリ、メモリ6に記憶されている。操作者は、後述する操作機能画面を用いて各サンプルに依頼されている検査項目を選択する。
【0034】
この際に、患者IDなどの情報もキーボード7から入力される。各サンプルに対して指示された検査項目を分析するために、ピペットノズル104は、分析パラメータに従って、検体容器102から反応容器202へ所定量のサンプルを分注する。
【0035】
サンプルを受け入れた反応容器202は、反応槽201の回転によって移送され、試薬受け入れ位置に停止する。試薬分注機構306のピペットノズルは、該当する検査項目の分析パラメータに従って、反応容器202に所定量の試薬液を分注する。サンプルと試薬の分注順序は、この例とは逆に、サンプルより試薬が先に分注されてもよい。
【0036】
その後、撹拌機構207により、反応容器202内のサンプルと試薬との撹拌が行われ混合される。この反応容器202が、測光位置を横切る時、多波長光度計206により反応液の吸光度が測光される。測光された吸光度は、A/D変換器12、インターフェース1を経由して、コンピュータ5に取り込まれる。
【0037】
コンピュータ5に取り込まれた吸光度は、検査項目毎に指定された分析法により予め測定しておいた検量線に基づき、濃度データに変換される。そして、各検査項目の分析結果としての成分濃度データは、プリンタ4やCRT3の画面に出力される。
【0038】
以上説明した測定動作が実行される前に、操作者は、分析測定に必要な種々のパラメータの設定や試料の登録を、操作画面を介して行う。また、操作者は、測定後の分析結果をCRT3上の操作画面により確認する。
【0039】
次に、図2〜図5を参照して図1に示した反応槽201へのゴミや埃等の侵入防止手段について説明する。
【0040】
図2は、本発明の第1の実施例における侵入防止機構であり、反応槽201内の液体に装置外の埃等が侵入することを防止するための機構についての説明図である。
【0041】
図2に示した第1の実施例では、反応槽201は一定温度にコントロールされた液体401を介して反応容器202内の液体を恒温維持装置203により定温で保温されている。反応槽201の内部には、図示されていない送風機構より反応槽201の底面部から矢印で示す方向に空気が送り込まれ、反応容器202に形成された鍔部から空気を排出する。この排出空気は、埃等の反応槽201内の液体401への侵入遮断の為の遮断用空気流層からなり、反応槽201における液体401の収容部開口に対するエアカーテンを形成している。
【0042】
つまり、反応槽201の、液体401を収容する底面部、内周側壁部、外周側壁部には、複数の空気通路201aが一定間隔で形成されており、これら複数の空気通路201aに、底面部に形成された空気流入口201bからエアカーテン用空気が供給される。そして、内周側壁部、外周側壁部の上面に形成された空気流出口201tから空気が排出される。
【0043】
なお、反応容器202の鍔部は排出された空気を反応槽201の外側に排出できるようにテーパーを形成することが望ましい。
【0044】
上記送風機機構は、分析装置に通常設置されている排熱用の送風ファンを使用することもできるし、別個専用ファンを設けてもよい。
【0045】
以上のように、本発明の第1の実施例によれば、反応槽201の側壁部から液体収容部の開口に向かう方向とは異なる方向(ゴミ等が侵入する方向とは反対方向)に空気が排出されるエアカーテンを形成するように構成したので、ゴミ/埃などが侵入し難い構成を有する反応槽を備えた臨床検査用の分析装置を実現することができる。
【0046】
なお、空気通路201aの空気流出口は、反応槽201の外周側側壁部のみに形成してもよい。
【0047】
図3は本発明の第2の実施例における侵入防止機構であり、反応槽201内の液体に装置外の埃等が侵入することを防止するための機構についての説明図である。
【0048】
その他の構成は、第1の実施例と同様であるため、その図示及び説明は省略する。
【0049】
図3に示した本発明の第2の実施例では、反応槽201の内部には、図示されていない真空ポンプ等の空気吸引機構より外気を吸引する機構を有し、空気吸引機構により埃等の侵入遮断の為の遮断用空気流層のエアカーテンを形成することで反応槽内の液体401への反応槽外の埃等の侵入を防止する。
【0050】
つまり、図2に示した第1の実施例との相違点は、空気通路201aにおける空気の通過方向が互いに逆向きとなっている点である。このため、図2に示した空気流出口201tが空気流入口となり、図2に示した空気流入口201bが空気排出口となる。
【0051】
本発明の第2の実施例においても、第1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0052】
なお、本発明の第1の実施例と第2の実施例とを組み合わせることも可能である。つまり、反応槽201の一部では、空気が反応槽201の壁部外に流れるエアカーテンを形成し、他の部では、空気が反応槽201の壁部内に流れるエアカーテンを形成して、反応槽201の液体収容部内への塵埃等の侵入を抑制することもできる。
【0053】
図4は本発明の第3の実施例における侵入防止機構であり、反応槽201内の液体に装置外の埃等が侵入することを防止するための機構についての説明図である。
【0054】
その他の構成は、第1の実施例と同様であるため、その図示及び説明は省略する。
【0055】
図4において、反応槽201の内部には、図示されていない送風機構より空気を反応槽201内に送り込むことで反応槽201と反応容器202とにより形成された空間部(空気通路)201aの内部圧力を外気に対して高く維持することで、反応槽201と反応容器202により形成された空間部201aから壁面部の内面に形成された孔(空気流出口)201hから反応槽201外への空気の流れを作り出すことで反応槽201内の液体401への埃等の侵入を防止する。
【0056】
本発明の第3の実施例においても、第1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0057】
図5は本発明の第4の実施例における侵入防止機構であり、反応槽201内の液体に装置外の埃等が侵入することを防止するための機構についての説明図である。
【0058】
その他の構成は、第1の実施例と同様であるため、その図示及び説明は省略する。
【0059】
図5において、本発明の第4の実施例では、反応槽201の液体401を収容する内面側には断熱材402が形成され、液体401とは断熱した状態で少なくとも反応槽201内の液体401の保持温度より低温の冷気(4°C〜5°C)を保持する機構(冷却機構)403を備える。
【0060】
冷却機構403を冷却するための冷気は、試薬保冷庫303から冷気を取り出しても良いし、専用の機構を有しても良い。反応槽201内の液体401の温度と冷気の温度差により高温から低温への空気の流れを形成する。これにより、反応槽201と反応容器202により形成された空間部から反応槽201外への空気の流れを作り出すことで反応槽内の液体401への埃等の侵入を防止する。
【0061】
つまり、液体401は、外気より高温であるので、液体401により加熱された空気が上昇する方向に流れている。一方、反応槽201の上面部は、冷却機構403により外気より低温となっている。このため、反応槽201の上面部には、反応槽201の液体収容部から外部方向に流れる空気層(エアカーテン)が形成され、ゴミ等の侵入が抑制される。
【0062】
本発明の第4の実施例においても、第1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0063】
図示した例では、保冷庫からの冷気を冷却機構403の冷却用とする例を示したが、冷却機構として、ペルチェ素子を用いることができる。ペルチェ素子の動作制御はコンピュータ5により行われる。
【0064】
また、反応槽201の壁部にペルチェ素子を配置し、壁部の上面を冷却する構成とすることも可能である。
【0065】
図6は、本発明の第5の実施例における侵入防止機構であり、反応槽201内の液体に装置外の埃等が侵入することを防止するための機構についての説明図である。
【0066】
その他の構成は、第1の実施例と同様であるため、その図示及び説明は省略する。
【0067】
図6において、反応槽201の外周側壁部及び内周側壁部の上面部と反応容器202に形成された鍔部との間に密着するような部材(封止部材)404(スポンジ状の部材)を設けることで反応槽内の液体401への埃等の侵入を防止する。
【0068】
部材404は、反応槽201の外周側壁部及び内周側壁部の上面部の全面に渡って形成されていてもよいし、複数に分割され、一定間隔で形成されていてもよい。また、部材404の材質は、スポンジの他にゴム等の弾性材を使用することができる。さらに、金属と弾性部材との二層構造となっていてもよい。
【0069】
反応槽201の外周側壁部及び内周側壁部の上面部と反応容器202に形成された鍔部との、部材404を介した密着は、試料の分析時には行わず、試料の分析時以外のときに行う構成となっている。
【0070】
図7は、上記密着を、試料の分析時には行わず、試料の分析時以外のときに行う構成の一例を示す図である。
【0071】
図7の(A)は、試料の分析時における状態を示し、図7の(B)は、試料の非分析時における状態を示している。
【0072】
図7に示すように、反応ディスク208の回転軸208aには、直線ギア208gが形成され、この直線ギア208gは、回転ギア209と噛合う。そして、回転ギア208gの回転方向を切り替えることにより、反応ディスク208を上下動させ、反応容器202の鍔部を部材404に密着させ、又は部材404から離間させる。
【0073】
回転ギア209の回転動作制御は、コンピュータ5が、回転ギア駆動モータ(図示せず)に指令信号を供給することにより行われる。
【0074】
以上のように、本発明の第5の実施例によれば、試料の非分析時には、反応槽201の壁部上面と反応容器の鍔部との間を部材404により密閉するように構成したので、ゴミ/埃などが侵入し難い構成を有する反応槽を備えた臨床検査用の分析装置を実現することができる。
【0075】
なお、図2〜図5に示した本発明の第1〜第4の実施例と、第5の実施例とを組み合わせた例も可能である。
【0076】
つまり、試料の分析時には、反応容器202の鍔と反応槽201の上面とを開放して、エアカーテンを形成し、試料の非分析時には、反応容器202の鍔と反応槽201の上面とを部材404を介して密着させる。この場合、部材404は、複数の部材からなり、これら複数の部材404が形成されていない箇所に、空気通路201aや冷却機構403が形成される。
【符号の説明】
【0077】
1・・・インターフェース、 5・・・コンピュータ、 12・・・A/D変換器、 101・・・サンプルディスク、 102・・・検体容器、 201・・・反応槽、 201a・・・空気通路、 201h・・・孔、 202・・・反応容器、 204・・・反応容器洗浄機構、 205・・・光源、 206・・・多波長光度計、 207・・・攪拌機構、 208・・・反応ディスク、 208a・・・回転軸、 208g・・・直線ギア、 209・・・回転ギア、 303・・・試薬保冷庫、 304・・・試薬ボトル、 306・・・試薬分注機構、 401・・・液体、 402・・・断熱材、 403・・・冷却機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料が収容される反応容器と、
上記反応容器を保持する反応ディスクと、
上記反応ディスクに保持された反応容器を収容するとともに、収容した反応容器内の試料を一定温度に維持するための液体を収容する液体収容部と、この液体収容部と上記反応容器との間に塵侵入遮断用の空気流層を形成する空気流層形成部とを有する反応槽と、
上記反応槽の液体収容部に収容された反応容器内の試料を光学的に測定する光度計と、
を備えることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記液体収容部は、底面部と壁面部とを有し、上記空気流層形成部は、上記液体収容部の底面部内及び壁面部内に形成された空気流通路であり、上記底面部に形成された空気流入口から空気が流入され、上記壁面部の上面に形成された空気流出口から空気が流出されることにより、上記空気流層が形成されることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記液体収容部は、底面部と壁面部とを有し、上記空気流層形成部は、上記液体収容部の底面部内及び壁面部内に形成された空気流通路であり、上記壁面部の上面に形成された空気流入口から空気が流入され、上記底面部に形成された空気流出口から空気が流出されることにより、上記空気流層が形成されることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項4】
請求項1に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記液体収容部は、底面部と壁面部とを有し、上記空気流層形成部は、上記液体収容部の底面部内及び壁面部内に形成された空気流通路であり、上記底面部に形成された空気流入口から空気が流入され、上記壁面部の内面に形成された空気流出口から空気が流出されることにより、上記空気流層が形成されることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項5】
請求項1に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記液体収容部は、底面部と壁面部とを有し、上記空気流層形成部は、上記液体収容部の底面部内及び壁面部内に形成された冷却機構であることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項6】
請求項5に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記反応容器内に供給される試薬を保冷する試薬保冷庫を備え、上記冷却機構は、上記試薬保冷庫の冷却庫の冷気により、冷却されることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項7】
請求項5に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記冷却機構は、ペルチェ素子を有し、このペルチェ素子により、上記壁面部の上面を冷却することにより上記空気流層が形成されることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項8】
請求項1に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記液体収容部は、底面部と壁面部とを有し、上記空気流層形成部は、上記液体収容部の底面部内及び壁面部内に形成された複数の空気流通路であり、これら複数の空気流通路の一部は、上記底面部に形成された空気流入口から空気が流入され、上記壁面部の上面に形成された空気流出口から空気が流出されることにより、上記空気流層が形成され、上記複数の空気流通路の他の一部は、上記壁面部の上面に形成された空気流入口から空気が流入され、上記底面部に形成された空気流出口から空気が流出されることにより、上記空気流層が形成されることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項9】
試料が収容される反応容器と、
上記反応容器を保持する反応ディスクと、
上記反応ディスクに保持された反応容器を収容するとともに、収容した反応容器内の試料を一定温度に維持するための液体を収容する液体収容部を有する反応槽と、
上記反応槽の液体収容部と、この液体収容部に収容された反応容器との間を封止する封止部材と、
上記反応槽の液体収容部に収容された反応容器内の試料を光学的に測定する光度計と、
を備えることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項10】
請求項9に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記反応ディスクに保持された反応容器が、上記反応槽の液体収容部から離間する方向及び上記液体収容部に接近する方向に移動するように、上記反応ディスクを移動させる反応ディスク移動手段と、
上記反応ディスク移動手段を制御し、試料を分析する動作時には、上記反応容器と上記液体収容部とを離間させて、上記封止手段による液体収容部と反応容器との封止を解除し、試料を分析する動作を行わないときは、上記封止手段により液体収容部と反応容器とを封止させる制御手段と、
を備えることを特徴とする臨床検査用の分析装置。
【請求項11】
請求項10に記載の臨床検査用の分析装置において、
上記反応槽は、上記液体収容部と上記反応容器との間に塵侵入遮断用の空気流層を形成する空気流層形成部を有し、
上記制御手段は、上記試料を分析する動作時には、上記空気流層形成部により上記液体収容部と上記反応容器との間に塵侵入遮断用の空気流層を形成させることを臨床検査用の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−127916(P2011−127916A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284106(P2009−284106)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】