説明

臨床用分析器試料プローブのすすぎ・乾燥に適応させた装置、システム及び方法

臨床用分析器プローブドレインステーションのすすぎ・乾燥装置が提供される。すすぎ・乾燥装置は、プローブ通路の長手方向軸からオフセットし、試料プローブ通路内に生じる、正接する方向に向けられた流体噴射軌道を提供するように、傾けられて方向づけられることができるノズル群を有する。本装置のオフセットされたノズル群、ノズルの方向づけ、及びキャビティの幾何学的特徴は、プローブに衝突する平面的エアナイフ噴射の乾燥能力が、局部的な内部の流体移動を安定させて、乾燥領域から離れてバキューム排出部に向かう渦を巻いた(例えば螺旋状の)ガスの流れ場を形成することによって最大化されることを可能にする。すすぎ・乾燥装置は、エアナイフ乾燥動作中の、すすぎ水の再循環による同伴及び吹上げ(スピッティング)を取り除く。したがって、本すすぎ・乾燥装置は、試料プローブへの水のキャリーアウトを著しく減少させ、これによって試料/試薬の希釈が減少する。すすぎ・乾燥を行うためのシステム及び方法、またほかの態様が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許仮出願番号第61/263,075号、発明の名称“PROBE EXTERIOR RINSE AND DRYING DEVICE FOR A CLINICAL ANALYZER”(2009年11月20日出願)の優先権を主張し、その開示は参照により全体として本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般的に、臨床用化学分析器の試料プローブをすすいで乾燥するように適応させた装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
液体試料、試薬、及び他の液体の取り扱いは、自動化された臨床用化学試験方法の実施の不可欠な部分である。従来の臨床用化学分析器では、精密試料プローブを用いて、これらの液体を吸引及び/又は分配する。経済性のために、試料プローブは再利用される。それに応じて、試料プローブは、従来の臨床用化学分析器内部の洗浄・すすぎステーション(ドレインステーションとも呼ばれる)で自動的に洗浄され、すすがれ、そして乾燥される。このことは、前の試料及び/又は試薬製品のキャリーオーバー(「持ち越し」)又は試薬及び/又は試薬を希釈するかもしれないすすぎ水のキャリーオーバー(「希釈」)の程度を制限することが意図される。そのような持ち越し及び/又は希釈は、試料に対して行われている臨床試験の精度に影響する場合がある。
【0004】
従来の化学分析器ドレインステーションによって実行される処理は、(1)試料及び/又は試薬に到達するために用いられる試料プローブを洗浄してすすぎ、キャリーオーバーを最小限にすること、及びその後(2)試料プローブを乾燥させて、試料プローブに、次の試料又は次の試料試験シーケンスでの再利用の準備をさせることである。
【0005】
そのようなドレインステーションの効率の改善は、臨床化学分析器によって行われる試験の精度を改善し得る。したがって、臨床用化学分析器ドレインステーションによって実行される洗浄、すすぎ、及び乾燥工程の効率を改善することの要望がある。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様では、本発明は、試料プローブすすぎ・乾燥装置を提供する。試料プローブすすぎ・乾燥装置は、すすぎ液を収容するように適合させたすすぎウェルを画定し、ノズル凹部を画定するドレインステーション本体と、ノズル凹部に受け入れられて、第1の環状部を形成するノズルインサートと、を含み、ノズルインサートは、長手方向軸に沿って形成され、内部に試料プローブを受け入れるように適合させたプローブ通路と、第1の環状部に入口及びプローブ通路に出口を有し、それぞれが長手方向軸からオフセットした中心軸を有する少なくとも2つのノズルとを有する。
【0007】
別の態様では、本発明はすすぎ・乾燥システムを提供する。本システムは、加圧流体源と、すすぎウェル及びノズル凹部を画定するドレインステーション本体と、ノズル凹部に受け入れられて、第1の環状部を形成するノズルインサートと、を含み、ノズルインサートは、長手方向軸に沿って形成され、内部に試料プローブを受け入れるように適合させたプローブ通路と、第1の環状部に入口及びプローブ通路に出口を有し、流体の流れをプローブ通路内に向けるように方向づけられて構成された少なくとも2つのノズルと、を有し、ノズルからの各流体の流れの一部がプローブに接触し、各流体の流れの残りの部分が、共にプローブ通路内部で実質的に螺旋状の流れ場を形成する。
【0008】
別の態様では、本発明は試料プローブのすすぎ及び乾燥方法を提供する。試料プローブのすすぎ及び乾燥方法は、試料プローブを、プローブ通路を通してすすぎウェル内に引き下げることと、プローブ通路に、及び試料プローブの周囲に実質的に螺旋状の流体の流れを提供することと、すすぎウェルから試料プローブを引き出すことであって、すすぎ液が、ガス噴射の衝突及び実質的に螺旋状の流れによって試料プローブから除去されることと、を含む。
【0009】
別の態様では、試料プローブのすすぎ及び乾燥方法が提供される。試料プローブのすすぎ及び乾燥方法は、試料プローブを、プローブ通路の長手方向軸に沿って、すすぎ液を含むすすぎウェル内に引き下げることと、流体の流れを、プローブ通路を取り囲む実質的に円筒形の環状部内に提供することと、実質的に円筒形の環状部からの流体の流れを、少なくとも2つのノズルを通して、プローブ通路内に、及び試料プローブの周囲に向けることであって、少なくとも2つのノズルのそれぞれからの流体の流れが、長手方向軸と一致した水平軸に対して、長手方向からオフセットした中心軸を有することと、すすぎウェルから試料プローブを引き出すことであって、すすぎ液がオフセットによって作り出される実質的に螺旋状の流れによる衝突及びガス噴射の拭い取りによって、試料プローブから除去されることと、を含む。
【0010】
本発明のさらなる他の態様、特徴及び利点は、本発明を実行するために考慮された最良の形態を含む、多くの例示的な実施形態及び実施を表す、以下に続く詳細な説明から容易に明白となり得る。本発明は、他の及び異なる実施形態もまた可能となり得、またそのいくつかの詳細は、すべて本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、さまざまな面で改変されることができる。したがって、図面及び記載は、現物の実例であり、限定的ではないとしてみなされるものである。図面は必ずしも原寸で描かれてはいない。本発明は、本発明の本質及び範囲に含まれるすべての改変、等価物及び代替を網羅する。
【0011】
本発明は、以下の図面と関連付けて解される詳細な説明を参照することによって、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術による試薬プローブすすぎ・乾燥システムの部分断面側平面図である。
【図2A】従来技術の実施形態による試料プローブすすぎ・乾燥装置の液体収容通路及びキャビティの斜視図である。
【図2B】従来技術の実施形態による、図2Aの試料プローブすすぎ・乾燥装置の液体収容通路及びキャビティの側面図である。
【図3A】本発明の実施形態のすすぎ・乾燥装置の断面斜視図である。
【図3B】本発明のすすぎ・乾燥装置の実施形態の、ノズル凹部内に受けられたノズルインサートの部分断面斜視図である。
【図3C】図3Aのすすぎ・乾燥装置の分解斜視図である。
【図3D】本発明の実施形態の、ノズルインサートを図示する斜視図である。
【図3E】図3Dのノズルインサートを図示する断面斜視図である。
【図3F】本発明の実施形態の改善された試料プローブすすぎ・乾燥装置の液体収容通路及びキャビティの斜視図である。
【図3G】図3Aの改善された試料プローブすすぎ・乾燥装置の液体収容通路及びキャビティの側面図である。
【図3H】図3Aの改善された試料プローブすすぎ・乾燥装置の液体収容通路及びキャビティの上面図である。
【図3I】本発明の試料プローブすすぎ・乾燥装置の実施形態の液体収容通路及びキャビティ内の流れパターンの上面図である。
【図3J】本発明の実施形態のすすぎ・乾燥装置の上面平面図である。
【図3K】本発明の、図3Jのすすぎ・乾燥装置の実施形態の左側面斜視図である。
【図3L】本発明の、図3Jのすすぎ・乾燥装置の実施形態の右側面斜視図である。
【図3M】図3Kの切断線「3M−3M」に沿って取られた、すすぎ・乾燥装置の断面上面図である。
【図3N】図3Lの切断線「3N−3N」に沿って取られた、すすぎ・乾燥装置の断面上面図である。
【図4】試料プローブすすぎ・乾燥装置の別の実施形態の液体収容通路及びキャビティの上面図である。
【図5】本発明の実施形態のすすぎ・乾燥装置の左側面斜視図である。
【図6】本発明の実施形態の方法を図示するフローチャートである。
【図7A】従来技術の方法の働きを図示するグラフである。
【図7B】本発明の実施形態の方法の働きを図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
前述の問題点、及び起こり得る持ち越し及び/又は希釈に起因する不正確な結果の傾向を考慮して、試料プローブのすすぎ及び/又は乾燥の効率の観点から、既存のすすぎ・乾燥装置及びシステム(ドレインステーション)の効率を改善するために満たされていない要望がある。この要望に対処するために、本発明の態様による実施形態は、改善されたノズル、改善されたすすぎ・乾燥装置、改善された試料プローブすすぎ・乾燥システム、及び改善されたすすぎ・乾燥方法を提供する。本すすぎ・乾燥装置及びシステムは、希釈を最大で約15倍まで改善でき、結果精度を従来の臨床用化学分析器と比較して少なくとも約2倍まで改善できる。
【0014】
図1は、従来のすすぎ・乾燥装置102(あるいは「ドレインステーション」と呼ばれる)を含む従来技術による臨床用分析器100の一部を図示する。すすぎ・乾燥装置102は、プローブ104が入る2つの場所、すなわち洗浄ウェル106及びすすぎウェル108を有する。各ウェル106、108は、洗浄液源110及びすすぎ液源112からそれぞれボトムフィードされる。洗浄液は、洗浄液源110から、ドレインステーション本体116内に形成された分配器111及び通路114を通して洗浄ウェル106に供給され、固定洗浄槽を提供する。すすぎ液は、すすぎ液源112から、分配器111及び通路118を通してすすぎウェル108に供給され、すすぎ槽を提供する。バキュームオーバーフロー機構が設けられ、ウェル106、108内部の所定の流体高さを維持し、ごみを除去し、ウェル106、108に入り込む全ての空気及び液体を排出する。所定のウェル高さでウェル106、108のそれぞれにつながれた排出ポート122、124には、好適なバキューム源120が結合され、(結合は図示せず)排出された液体、他の物質、及び空気をドレインに移送する。
【0015】
洗浄ウェル106は、通常は次亜塩素酸ナトリウムあるいは水酸化ナトリウム洗浄液を入れることができ、すすぎウェル108は水を入れることができる。ロボット126は、試料プローブ104を2又はそれ以上の座標方向(例えば、垂直及び水平)に移動させる。それに応じて、プローブ104は、第1の場所の試料、試薬、又は他の液体を、吸引/ディスペンサユニット128で吸引し、プローブ104内に収容された試料、試薬、又は他の液体を第2の場所に移動させ、試料、試薬、又は他の液体を分配することができる。任意には、又は加えて、すすぎ液源112からのすすぎ液は、試料プローブ104を通して吸引/ディスペンサ128によって分配されて、試料プローブ104の内側をすすぐことができる。
【0016】
すすぎウェル108の上端には、ノズルアセンブリ130が設けられる。ノズルアセンブリ130は、内部に2組のノズル機構を有する。機構は、エアナイフ機構132及びシャワー機構134である。ノズル機構132、134はそれぞれ、複数の空気及び水の噴射を方向づけて、すすぎウェル108内に受け入れられた試料プローブ104を洗い、乾燥させる。すすぎ・乾燥装置102のすすぎウェル108の形状と一体となった従来のノズルのノズル機構132、134の形状及び構造は、高い度合いの乱流の再循環を作り出す。その結果、このことは、結果としてすすぎウェル浸漬後にプローブ104を引き出して乾燥させる工程の間、水滴の軌道の挙動が予測できず、試料プローブ104の表面上に水滴が付着することになる。
【0017】
すすぎ・乾燥装置102は、以下の定型的なシーケンスの範囲内で機能する。試料プローブ104は、ロボット126によって洗浄ウェル106の中に引き下げられて、その外表面を浸す。洗浄溶液は、吸引/ディスペンサ128によってプローブ104の中に吸引されて、プローブ104の内表面を浸すことができる。プローブ104は、ロボット126によって洗浄ウェル106から引き出され、すすぎウェル108の上に再配置される。プローブ104は、ロボット126によってすすぎウェル108の中に引き下げられる。プローブ104と、すすぎウェル108の上部セクションとは、すすぎ液源112からの水で(シャワー機構134を介して)シャワーされることができる。すすぎ溶液は、吸引/ディスペンサ128を用いて、プローブ104の内側を通して流されることができる。すすぎ溶液は、すすぎウェル108の底に注入されて、固定すすぎ槽を流して補充する。プローブ104は、ロボット126によってすすぎウェル108から引き出され、一方でエアナイフ噴射は、プローブ104の外表面から(エアナイフ機構132を介して)残りの水滴を拭い去ろうと試みる。
【0018】
しかし、本発明者らは、この点において、そのような従来のすすぎ・乾燥装置及びシステムの動作中に、すすぎ液の「キャリーアウト」及び「スピッティング」効果が生じることを発見した。そのような効果は、すすぎウェル108の内部キャビティ形状に加えて、空気噴射ノズル設計及び構造によって引き起こされた乱流の結果である。図2A及び2Bは、シャワー機構134のキャビティの形状及び流体を収容している通路とエアナイフ機構とを図示し、明確にするために本体116は図示しない。通路136A、138Bは、エアナイフ機構132に、空気供給部136(図1)からの空気を提供する。エアナイフ機構132は、すすぎウェル108の上部の左右側に位置づけられた第1のエアナイフ132A及び第2のエアナイフ132Bを含む。すすぎウェル108の矩形形状の水槽138は一般的に、そのさまざまな水平断面で矩形の断面を含む。第1のエアナイフ132A及び第2のエアナイフ132Bは、プローブ104がロボット126によってすすぎウェル108の上部138から引き出されるときに、プローブ104の外表面上に対向する平面状の空気噴射をそれぞれ渡すように方向づけられる。このことは、試料プローブ104上に残存しているあらゆるすすぎ液又は試料物質を取り除くことが意図される。しかし、以下でわかるように、この取り除き動作は、最適とは言えない場合がある。
【0019】
シャワー機構134は、エアナイフ機構132の下に位置づけられ、すすぎウェル108の上部を実質的に取り囲む、実質的に直角の通路134A、134B等を含む。シャワー機構134は、通路134A、134B等と流体連通して位置付けられてた複数のすすぎ噴射通路から、プローブ104の外表面上に、及びすすぎウェル108の矩形形状の水槽138の内側上に、水の噴射を噴霧するように動作可能である。すすぎ液は、シャワー機構134の下に位置するすすぎウェル108の矩形形状の水槽138の中に集められる。シャワー機構134から射出されたすすぎ液及びプローブ104から除去されたあらゆる物質は、バキューム排出ポート122を通して排除される。
【0020】
動作のアイドルモード中、シャワー機構134及びエアナイフ機構132が動作しておらず、バキュームポート122への流れのみが提供されている場合、すすぎウェル108の矩形形状水槽138を唐突に膨張させる、大気からの空気の侵入が、矩形形状の水槽138内で、主に一対の大きくかつ定在し、反対方向に回転する渦として再循環する。これらの反対方向に回転する渦は、ウェル壁、シャワー機構134、及びすすぎウェル108の矩形形状の水槽138のすすぎウェル槽から、あらゆる残存する水を同伴する。この効果は、エアナイフ機構132が、試料プローブ104を乾燥させるために用いられる2つの対向する、傾斜した平面状のエアナイフ噴射からの増大した容積測定の空気の流れ及び速度に起因して動作可能な場合に増幅される。さらに、試料プローブ104が引き出されると、エアナイフ噴射は合流する場合があり、すすぎウェル固定槽の表面を直撃して、垂直の流れ場へのすすぎ液(例えば水)の吹き上げを作り出す。この液体は、エアナイフ機構132の噴射の下側へ、そしてその後プローブ104の上へと送り込まれる。これらの流体流動ダイナミクスにより、ドレインシステムからすすぎ液滴の射出(スピッティング)及びプローブ104上へのすすぎ液のキャリーアウトの傾向が高くなり、そしてその結果、試料及び/又は試薬の希釈ならびにそのような希釈を原因とする分析結果の精度が低くなる傾向につながる。
【0021】
このように、より効果的な流体力学的挙動、例えば制御された流体対構造の相互作用、及びプローブ乾燥動作のためのプローブへの噴射の衝突の相互作用を作り出す、すすぎ・乾燥装置(例えば、ドレインステーション)の構造に対する要望が依然としてある。特に、すすぎウェルの上部に流体の流れが作り出されて、上述のスピッティング及び/又はキャリーアウトの問題が最小限になるか又は解消されることが望ましい。
【0022】
本発明のこれら及び他の態様及び特徴は、本明細書において図3A〜7Bを参照して説明される。
【0023】
ここで図3Aを参照すると、本発明の実施態様の改善されたすすぎ・乾燥システム300が図示されている。本発明は、すすぎウェル及び/又はエアナイフ機構の上部の改善された形状を提供し、これにより、すすぎ・乾燥シーケンスの最終乾燥工程が、相対的により効率的に実行されることを可能にすることができる。本発明のすすぎウェルの上部内の水槽の寸法形状及びエアナイフ機構の改善された寸法形状/構成は、全体的な流体ダイナミクス及び流体構造の相互作用を改善して、相対的により効果的なプローブの乾燥に加えて、全ての液体及び他の物質をバキューム排出ポートに直接除去することを可能にする。
【0024】
より詳細には、プローブ乾燥動作のための信頼性のある流体構造相互作用(平面状の対プローブ噴射衝突)及び改善されたすすぎ・乾燥装置のための安定した内部流体ダイナミクス(例えば、再循環が少ないか又はない)を生成するために、特定の幾何学的特徴が開発された。第1の態様では、2又はそれ以上のノズル群(例えば、傾斜したノズル)が、試料プローブを受け入れるように適合させたプローブ通路の長手方向軸から水平方向のオフセットをもって方向づけられる。第2の態様では、プローブ通路の形状が改善されている。別の態様では、プローブ通路の下の水槽の形状が改善されている。これらの特徴の1又はそれ以上は、相対的により静的な渦の流れ場を作り出すように機能する改善された動的な流体の動きを作り出し、効率的な試料プローブ乾燥のために、ガス噴射によるプローブからの液体の拭いとりを改善することができる。
【0025】
ここで図3A〜3Nを参照して、本発明の一実施形態がここで説明される。本発明の1つの態様では、試料プローブすすぎ・乾燥装置300が提供される。試料プローブすすぎ・乾燥装置300は、すすぎ液305を収容するように適合させたすすぎウェル304を画定するドレインステーション本体302(すすぎ液305の深さは点線で示される)、及びノズル凹部306を含む。ノズル凹部306は、異なる直径で数多くの段を含むことができる。ドレインステーション本体302は、任意の好適なポリマー材料、例えばアクリル樹脂材料から製造されてもよい。他の好適な材料を用いてもよい。ノズルインサート308は、ノズル凹部306の中に受け入れられ、ノズルインサート308及び凹部306の構造は、協同して第1の環状部310を形成する。ノズルインサート308は、長手方向軸314に沿って、そして好ましくはそれを中心として形成されたプローブ通路312を有する。プローブ通路312は、内部に試料プローブ316を受け入れるように適合している(試料プローブ316は仮想線で示される)。装置300は、第1の環状部310に入口318A、320Aを、そしてプローブ通路312に出口318B、320Bを有する少なくとも2つのノズル318、320をさらに含む。ノズル318、320はそれぞれ、長手方向軸314から水平方向321Aにオフセットした、その幾何学的中心に位置する中心軸318C、320Cを含む(図3H参照)。ノズル318、320及び第1の環状部310は、エアナイフ機構325をなす。
【0026】
図示された実施形態では、すすぎウェル304は、実質的に円筒形を有する下方ウェル部304Lを含み、下方ウェル部304Lは、長手方向軸314と実質的に垂直かつ実質的に平行である方向に延びる。すすぎウェル304は、ノズル凹部306の下に上方ウェル部304Uを含むことができ、下方ウェル部304Lの横断寸法(例えば、直径)よりも大きな横断寸法を有する一部分を少なくとも有する。図示された実施形態では、上方ウェル部304Uは円錐台形を有し、実質的に円錐形の下方ウェル部304Lに、滑らかな移行を提供する。図示された実施形態では、排出ポート322は、上方ウェル部304Uの真下で下方ウェル部304Lに結合される(図3B参照)。図3A、3B、及び3F〜3Iに示されるように、排出ポート322は、下方ウェル部304Lの外壁に対して実質的に接線方向に方向づけられ得る中心軸322Cを有する。
【0027】
ドレインステーション本体302は、すすぎウェル304の隣に位置づけられて、洗浄液を収容することができる洗浄ウェル323をさらに含むことができる。洗浄ウェル323の付近に、洗浄ウェル排出ポート323Aが設けられてもよい。排出ポート322と同様に、排出ポート323Aを用いて、使用済みの洗浄液を排除して、洗浄槽レベルを制御する。
【0028】
より詳細には、各ノズル318、320は、入口318A、320Aから下向きの角度に方向付けされて構成されることができ、各ノズル318、320の中心軸318C、320Cは、図3G及び3Hに示されるように長手方向軸314に対して直角であり、さらに図3Hに示されるように水平軸321Aに対して直角である、実質的に水平な第2の軸321Bとは非平行な状態である。例えば、長手方向軸314と各中心軸318C、320Cの夫々との間の角度φは、約30°〜75°の間にすることができ、あるいは、例えば約45°〜75°の間にすることができる。好ましくは、各ノズル318、320に対する角度φは、ほぼ等しい。他の角度を用いてもよい。ノズル318、320の出口318B、320Bでは、プローブ通路312は、実質的に円筒形であってもよい。図示された実施形態では、第1の環状部310は、円筒形の環状部を含む。環状部310の断面形状は、正方形、矩形、三角形、円形、半円形、又は他の多角形であってもよい。図示された実施形態では、第1の環状部310の内側部分にV字型点が設けられる。ノズル318、320は、好ましくは断面が矩形であり、断面で幅約2mm〜約4mm及び厚さ約0.1mm〜約0.3mmを有する。
【0029】
図示された装置300では、環状部310への流体導入ポート324は、環状部310に対して実質的に正接に方向づけられた中心軸324Cを有する(図3F〜3H参照)。このように、加圧流体は、相対的に低い流体絞りによって環状部310内に提供される。ノズルインサート308は、環状部310の上下に位置付けられた溝に受けられた第1及び第2のOリング326A、326Bをさらに含むことができる(図3B参照)。ノズルインサート308は、チタン材料又は他の耐食性材料から製造されてもよく、ドレインステーション本体302内のノズル凹部306の中に挿入されることができる。ノズルインサート308は、凹部329を通して受けられたピン328によってノズル凹部306内に保持されて、上部溝330と係合されることができる(図3C及び3E参照)。ピン328は、プレス嵌めによって凹部329内に留め付けられるか、あるいは機械的留め具、止めねじ、接着剤、溶接等によって凹部329内に保持されることができる。
【0030】
すすぎ・乾燥装置300は、第1の環状部310の下に位置づけられた第2の環状部332を含むことができる。第2の環状部332は、ノズルインサート308及びノズル凹部306の形状寸法を連係させることによって形成されることができる(図3A)。第2の環状部332は、ノズルインサート308の下部で第2の環状部332からプローブ通路312の下部312Lに延びる複数のシャワー通路334と流体結合している(図3B参照)。複数のシャワー通路334及び第2の環状部332は、シャワー機構335をなす。下部312Lは、円錐台形部を含んでもよい。設置されるときに、すすぎウェル304の上部及びプローブ通路312の下部312Lは、協働して水槽336を形成してもよく、その中にシャワー機構335からのすすぎ液のシャワーが向けられてもよい。図示された実施形態では、対向した円錐台形部312L、304Uは、水槽336を形成する。しかし、急な膨張のない他の円形水槽形を用いてもよい。円錐台形角度は、例えば長手方向軸314から約45°よりも大きくならないようにすべきである。
【0031】
図3Iは、本発明の態様による、試料プローブ316の周囲に作り出される渦流路(仮想線で示される)を図示する。プローブ通路312の寸法形状は、一般的にはノズル出口で円筒形である場合があり、流体(例えば空気)は、第1及び第2のノズル318、320によって、プローブ通路312の外壁312Wと試料プローブ316との間の空間の中に導入されることができる。ノズル318、320は、プローブ通路312の円筒壁312Wに対して実質的に正接である流体噴射軌道を提供するように方向づけられることができる。ノズル318、320からの噴射は、正反対ではなく、長手方向軸314(点線として図示される)からオフセットして(例えば、均等にオフセットして)、それぞれからの流れが渦を巻いて交互配置し、ほぼ並行な螺旋経路をたどるようにさせる。流体(例えば空気)がノズル318、320を出ると、各流体噴射の一部が試料プローブ316に衝突し、その間各噴射の残りの部分は互いに、試料プローブ316の周囲の、実質的に安定して渦を巻いた流れ場の生成に寄与する。このように、流体の流れは、比較的高い運動量を有し、試料プローブ316の表面上のいくらかの液体及び周囲の液体(例えば、通路312の壁面312W上のいくらかの液体)を同伴する。バキューム源510(図5)からのバキュームは、排出ポート322で加えられて、試料プローブ316及び壁312Wから払われたあらゆる液体及び他の物質を集める。
【0032】
例えば、流体(例えば空気)の流れは、流体導入ポート324から第1の環状部310に、実質的に正接に入り、環状部310の周囲を、例えば反時計回り方向に回る場合がある。そして、流体は各々の入口でノズル318、320に入り、各々の出口で、壁312Wと試料プローブ316との間の空間に出る。空間内部で、流体の流れは、プローブ316の周囲で、比較的高速で渦を巻いている。空間内での流体(例えば空気)速度は、例えば約10m/s〜約50m/sの間である場合がある。流量は、例えば約10〜20リットル/分である場合がある。ノズル318、320が、各自の出口で下向きの方向を含んでもよい範囲で、流体の流れは、試料プローブ316の周囲に渦を巻いたり、実質的に螺旋状の流れパターンを作り出すように下向きに方向づけられたりすることがある。
【0033】
図4は、本発明の態様のすすぎ・乾燥装置400の別の実施形態を図示する。プローブ通路412、第1の環状部410、導入ポート424、及び排出ポート422の寸法形状は、前に説明されたものと同じである。しかし、本実施形態は、3つのノズル418、420、421を含み、これらはプローブ通路412の円筒壁412Wに対して実質的に正接である流体噴射軌道を提供するように方向づけられることができる。前と同様に、ノズル418、420、421からのそれぞれの噴射の幾何学的中心軸は、正反対ではなく、長手方向軸414(点線として図示される)からオフセットして(例えば、均等にオフセットして)、各ノズルからの流れが渦を巻いて交互配置し、ほぼ並行な螺旋経路をたどるようにさせる。流体(例えば空気)がノズル418、420、421を出ると、各流体噴射の一部が試料プローブ316に衝突し、その間各噴射の残りの部分は互いに、試料プローブ316の周囲の、実質的に安定して渦を巻いた流れ場に寄与する。このように、本機能はここまでに説明された通りである。ノズル418、420、421はそれぞれ、上述のように下向きに方向づけられることができ、それによってプローブ316の周囲に、実質的に螺旋の流れ起動を与えることができる。
【0034】
ここで図5を参照すると、本発明の別の形態のすすぎ・乾燥システム500が開示される。システム500は、加圧された流体源502、例えば加圧空気を含む。空気は、例えば約20psiの圧力で提供されることができる。他の圧力が用いられてもよい。分配器504に好適な導管が接続されてもよく、それによって導管505内のすすぎ・乾燥装置300、400のエアナイフ機構325、425(図3B及び4参照)に、加圧空気を供給することができる。分配器504は、さまざまな環状部及びウェルへの流体及び液体の流れを選択的に生じさせるように適合させた好適な一連の弁および通路であってもよい。システム500は、上述のようなドレインステーション本体302、及びノズルインサート308、408を含む。上述でも記載されたように、ノズルインサート308、408は、試料プローブ316を受け入れるように適合させたプローブ通路312、412を含む。
【0035】
作動中、システム500は、任意の好適な可動コンポーネント、例えば試料プローブ316の運動を実行するためのロボット506を含んでもよい。ロボット506は、試料プローブ316を搭載することができる好適なロボットコンポーネント(例えば、1又はそれ以上のロボットアーム、光線、又はガントリ)を含んでもよい。ロボット506によって、プローブ316に好適な運動、例えば一軸、二軸、又は三軸運動を与えることができる。ロボット506は、好適な制御部507からのコマンドによって作動してもよい。
【0036】
1つの実施形態では、試料プローブ316はロボット506によって、まず洗浄ウェル323の上に動かされ、そしてその中に引き下げられて、少なくとも部分的に浸漬する。洗浄ウェル323内に浸漬される間、吸引/ディスペンサ508は、いくらかの洗浄液を、プローブ316の内側に引き入れてそれを洗浄する。吸引/ディスペンサ508は、圧力のレベルを制御して、所望の量の試料流体、試薬、洗浄液等を、プローブ316の中に引き入れ、さらにプローブ316によって行われる分配動作を制御するように適合させ、かつ動作可能にすることができる。吸引/ディスペンサ508は、液体吸引/ディスペンシング動作を実現するための好適な圧力センサ、弁、アキュムレータ、又は他の空気圧又は水圧コンポーネント(図示せず)を含んでもよい。流体をプローブ316の中に引き入れるための任意の好適な装置を用いてもよい。例えば、本発明と共に用いられてもよい吸引・ディスペンシングシステムは、米国特許番号第7,634,378号、7,477,997号、及び7,150,190号に記載されており、これらはここにおいて、参照により本明細書に組み入れられる。先端の洗浄後、試料プローブ316は、排出ポート323A(図3A)の位置に引き込まれることができ、洗浄液は、吸引/ディスペンサ508によって排出ポート323Aの中に分配されることができる。その後、用いられた洗浄液は、例えば導管512内でドレイン510Aに排出されることができる。洗浄の後、洗浄液は、分配器504及び導管513を通して、洗浄液源507から補充されることができる。
【0037】
洗浄に続いて、試料プローブ316は、ロボット506によって、すすぎウェル304(図3A)の上に動かされて、プローブ通路312、412を通して中に引き下げられることができる。試料プローブ316は、プローブ通路312、412内で中央に位置されるか、あるいはわずかに位置ずれになる場合がある。いくつかの実施形態では、プローブ316の先端が排出ポート323Aに近接して位置づけられると、すすぎ液源509からのすすぎ液が吸引/ディスペンサ508によって分配されて、プローブ316の内側をすすぐことができる。バキューム源510は、使用済みすすぎ液を、導管512を通して排出ポート322内に、及びドレイン510Aに排除する。いくつかの実施形態では、装置300、400のシャワー機構(例えば、335、435)を使用して、すすぎ液源509及び分配器504から、導管511内にすすぎ液を受けて、プローブ316がプローブ通路312、412に入るか又はそこから引き出されるときに、プローブ316の外側をすすぐことができる。好適な導管515、513は、それぞれすすぎ液源509及び洗浄液源507からのすすぎ液及び洗浄液の供給を、すすぎウェル及び洗浄ウェル304、323の底に提供することができる(図3A参照)。
【0038】
プローブ316はすすがれた後、プローブ316は、すすぎウェル304から引き出され、加圧流体(空気)源502から、分配器504及び導管505を通して、流体(例えば、空気)の流れが導管505内に提供されて、プローブ316の外側に渦を巻いた流体噴射(例えば、空気噴射)を作り出すことができる。流体噴射(例えば、空気噴射)乾燥動作の間、流体ダイナミクスは、実質的にプローブ316とプローブ通路312、412の壁との間の環状の空間内の乱流渦(螺旋状)流のそれである。また、動作のアイドルモード中の流体の動きは、実質的に安定しており、続いてプローブ通路312、412から排出ポート322までの実質的に真っ直ぐな軌道をたどり、流体の渦(例えば、空気の渦)の再循環又はすすぎ液の吹き上げが実質的にほとんどないか又は全くない。
【0039】
このように、まとめると、試料プローブをすすぎ、乾燥させる方法は、図6に最もよく表されるように、プローブ通路を通して、602のすすぎウェルの中に試料プローブを引き下げることと、プローブ通路に、及び604の試料プローブの周囲に、実質的に螺旋状の流体の流れを提供することと、及びすすぎウェルから試料プローブを引き出すこととを含み、すすぎ液は、ガス噴射の衝突及び606の実質的に螺旋状の流れによって、試料プローブから除去される。
【0040】
図7は、従来技術の方法の働きを図示するグラフである。より詳細には、グラフは
希釈対試料のレプリカを図表化して表している。点在し、やや不規則に分布した分析結果は、従来の方法を用いたすすぎ液滴の軌道及び試料プローブ上への付着の挙動が、通常は予測不可能であり、試験間の希釈パーセンテージに幅広い不均衡を含むことを示す。加えて、図示された希釈パーセンテージは、名目上は約2%〜約6%の間である。
【0041】
動作中、記載された装置300、400及びシステム500は、すすぎ液滴の軌道及び付着の予測不可能な挙動について、著しい減少を作り出し、このことは、より均一かつ狭い範囲で分布する分析結果に反映される(図7B参照)。制御された実験で観察された衝撃は、図7Bにデータによって図示され、希釈パーセンテージ対試料レプリカを図表化して図示している。図示されるように、試料/試薬の希釈は、従来技術と比較して最大で約15倍まで減少し、結果として精度は少なくとも約2倍上がっている。特に、実質的に螺旋状の流れ及び改善されたエアナイフを含む改善された装置300、400及びシステム500を利用した希釈パーセンテージは、約0.5%〜約1%の間の範囲の公称希釈パーセンテージまで劇的に減少する。さらに、希釈パーセンテージへの影響は、ほとんどの臨床用分析器が複数の試料・試薬ドレインを有することができることによって増幅される。
【0042】
本発明は、有利には臨床用分析器と接続して利用することができ、ロボットの位置付けの不確かさに対応するため、適正なすすぎ通路のゆとりを必要とすることがある半可撓性の試料プローブを有するものについて特に有用である。当然ながら、本発明は、プローブの乾燥を改善する、安定した実質的に螺旋状の流れ場を作り出すことに加えて、プローブのオフセットに対応する。
【0043】
好ましい実施形態を示してきたが、当業者においては、依然として主張された発明の範囲及び本質の範囲内であろう多くの変形が可能であることが理解されよう。したがって、本発明を、請求の範囲によって示されるようにのみ制限することを意図する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
すすぎ液を収容するように適合させたすすぎウェルを画定し、ノズル凹部を画定するドレインステーション本体と、
前記ノズル凹部に受け入れられて、第1の環状部を形成するノズルインサートと、
を含み、
前記ノズルインサートは、
長手方向軸に沿って形成され、内部に試料プローブを受け入れるように適合させたプローブ通路と、
前記環状部に入口及び前記プローブ通路に出口を有し、それぞれが長手方向軸からオフセットした中心軸を有する少なくとも2つのノズルと、
を有する、試料プローブすすぎ・乾燥装置。
【請求項2】
前記すすぎウェルが、
実質的に円筒形状を有し、前記長手方向軸と実質的に垂直かつ平行である方向に延びる下方ウェル部と、
円錐台形を有する、前記ノズル凹部の下の上方ウェル部と、
を含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項3】
前記長手方向軸に対して直角であり、実質的に水平な軸と非平行である、各々の前記中心軸に対して、前記入口から下向きの角度方向に設けられている各ノズルをさらに含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項4】
約30°〜約75°の間の前記長手方向軸に対する角度φで設けられている各ノズルをさらに含む、請求項3記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項5】
前記プローブ通路が、前記ノズルの出口にシリンダを含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項6】
前記第1の環状部が円筒形の環状部を含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項7】
前記第1の環状部に実質的に正接して方向付けられた中心軸を有する第1の環状部への流体導入ポートを含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項8】
前記第1の環状部の上下の溝内に位置付けられた第1及び第2のOリングを含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項9】
前記第1の環状部の下の第2の環状部と、前記ノズルインサートの下方部分で、前記第2の環状部から、前記プローブ通路の円錐台形部分に延びる複数のシャワー通路とを含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項10】
下方ウェル部に結合され、前記下方ウェル部に実質的に正接する方向に向けられた中心軸を有する排出ポートを含む、請求項1記載のすすぎ・乾燥装置。
【請求項11】
加圧流体源と、
すすぎウェル及びノズル凹部を画定するドレインステーション本体と、
ノズル凹部に受け入れられて、第1の環状部を形成するノズルインサートと、
を含み、
前記ノズルインサートは、
長手方向軸に沿って形成され、内部に試料プローブを受け入れるように適合させたプローブ通路と、
前記第1の環状部に入口及び前記プローブ通路に出口を有し、流体の流れを前記プローブ通路内に向けるように方向づけられて構成された少なくとも2つのノズルと、
を有し、
前記ノズルからの各流体の流れの一部が前記プローブに接触し、各流体の流れの残りの部分が、共に前記プローブ通路内部で実質的に螺旋状の流れ場を形成する、すすぎ・乾燥システム。
【請求項12】
前記長手方向軸に対して直角である、実質的に水平な軸と非平行である各々の中心軸に対して前記入口から下向きの角度方向に設けられている各ノズルをさらに含む、請求項11記載のすすぎ・乾燥ステーション。
【請求項13】
各ノズルの前記中心軸が、前記長手方向軸から水平にオフセットし、各ノズルからの流体の流れが、前記プローブ通路の内部壁に対して実質的に正接するパターンに向けられる、請求項11記載のすすぎ・乾燥ステーション。
【請求項14】
すすぎウェル及びノズル凹部を画定するドレインステーション本体と、
ノズル凹部に受け入れられて環状部を形成するノズルインサートであって、
長手方向軸に沿って形成され、内部に試料プローブを受け入れるように適合させたプローブ通路と、
前記環状部に入口及び前記プローブ通路に出口を有し、それぞれが流体の流れを前記プローブ通路の中に向けるように方向づけられて構成される少なくとも2つのノズルと、
を有する、ノズルインサートと、
前記環状部に流体結合された加圧流体源と、
前記すすぎウェルに結合されたバキューム源と、を含み、
前記ノズルからの各流体の流れの一部が前記プローブに接触するように動作可能であり、各流体の流れの残りの部分が、共に前記プローブ通路内部で実質的に螺旋状の流れ場を形成する、試料プローブすすぎ・乾燥システム。
【請求項15】
試料プローブを、プローブ通路を通してすすぎウェル内に引き下げることと、
前記プローブ通路に、及び前記試料プローブの周囲に実質的に螺旋状の流体の流れを提供することと、
前記すすぎウェルから前記試料プローブを引き出すことであって、すすぎ液が、ガス噴射の衝突及び実質的に螺旋状の流れによって前記試料プローブから除去されることと、
を含む、試料プローブのすすぎ及び乾燥方法。
【請求項16】
シャワー機構からの液体によって前記試料プローブをシャワーすることを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記すすぎウェルを通してすすぎ液を流すことを含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記試料プローブの内側を通してすすぎ液を流すことを含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記試料プローブを洗浄ウェル内に引き下げることと、
前記試料プローブの内側に洗浄溶液を吸引することと、
前記洗浄ウェルから前記試料プローブを引き出すことと、
を含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
試料プローブを、プローブ通路の長手方向軸に沿って、すすぎ液を含むすすぎウェル内に引き下げることと、
流体の流れを、前記プローブ通路を取り囲む実質的に円筒形の環状部内に提供することと、
実質的に円筒形の前記環状部からの流体の流れを、少なくとも2つのノズルを通して、前記プローブ通路内に、及び前記試料プローブの周囲に向けることであって、少なくとも2つのノズルのそれぞれからの流体の流れが、前記長手方向軸と一致した水平軸に対して、長手方向からオフセットした中心軸を有することと、
前記すすぎウェルから前記試料プローブを引き出すことであって、前記すすぎ液が前記オフセットによって作り出される実質的に螺旋状の流れによる衝突及びガス噴射の拭い取りによって、試料プローブから除去されることと、
を含む、試料プローブのすすぎ及び乾燥方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図3I】
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【図3J】
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【図3K】
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【図3L】
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【図3M】
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【図3N】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2013−511721(P2013−511721A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540000(P2012−540000)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/057021
【国際公開番号】WO2011/062982
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】