説明

臨床試験における動的な安全性監視

関係書類の作成に伴い、臨床試験の際の患者のイベントについて記述した関係書類を初期検討チームのメンバに対して送付する臨床試験用の動的な安全性報告システムである。既定の期間内において、初期検討チームは、検討を完了させるようにすることが可能であり、初期検討チームのメンバ間において合意できない場合には、フォローアップ検討チームに付託可能である。検討の結果を含む症例報告書は、データベース内に保存可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は安全性の監視であり、更に詳しくは、臨床試験における医療装置、手順又は治療薬の安全性に関するデータの動的な監視である。
【背景技術】
【0002】
医療装置、手順又は治療薬(以下、これらを「医療製品又は手順」と呼ぶ)の製品の法規制上の承認には、臨床試験が必要である。臨床試験の目的は、医療製品又は手順の安全性と有効性を判定するためのデータの生成にある。臨床試験は、医療製品又は手順を実際に試験するアクティブフェーズと、アクティブフェーズからのデータを分析及び解釈する分析フェーズという2つのフェーズを具備していると考えられる。アクティブフェーズにおいては、臨床スタッフ(「治験担当医(investigators)」)が製品又は手順を使用して患者を治療又は診断し、結果を監視する。通常、製品又は手順は、様々な地理的場所(例えば、国内の多数の病院やその他の医療施設)において使用される。
【0003】
治験担当医は、患者の特性、その患者に使用した製品又は手順の投与量の詳細、製品又は手順が使用された際及び/又はその後の患者の健康状態の変化などの関連データを記録及び報告する。多くの場合に、検討対象の製品又は手順に帰することが可能な患者の健康状態の変化に対して特別な注意が払われる。具体的には、臨床スタッフは、装置又は手順の安全性に関係し得る特定のイベントや影響(例えば、試験に参加している患者の健康状態が、製品又は手順の使用に関係し得る理由から悪化したというイベントや影響)について報告する必要がある。医療装置の試験の場合には、例えば、米国のFDA(U.S. Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)の規則は、治験担当医が、調査の最中に発生したすべての「予期せぬ不都合な装置の影響」について試験のスポンサー及び審査を担当するIRB(Institutional Review Board:治験審査委員会)に報告することを求めている(連邦規則集第21編第812部150(a)(i):21C.F.R.§812.150(a)(i))。例えば、冠動脈ステントの臨床試験における不都合なイベント(「イベント(event)」)は、心筋梗塞、血栓症、死亡などであろう。報告を要する不都合なイベントのリストは、臨床試験について事前に規定される。
【0004】
治験担当医は、一般に、データ収集用の規定されたフィールドを有するフォーム上にそれぞれのイベントのデータの組を記録する。このようなデータは、イベントの説明やイベントの強度の標識などを包含可能である。又、治験担当医師は、イベントの原因に関する予備的な所見と、特に、イベントが試験の対象である製品又は手順に関係していたかどうかに関しても報告可能である。例えば、治験担当医は、イベントが、製品又は手順の使用に「恐らく関係していたかどうか」、「関係している可能性があるかどうか」、又は「関係していないかどうか」を通知可能であり、且つ、自身の結論に到達するに至った自身の理論的な説明に関する簡潔な記述を包含可能である。
【0005】
治験担当医の報告は、スポンサーによって指定された安全性事務所(safety office)に送付される(この事務所は、例えば、スポンサー内部の事務所であるか、或いは、例えば、請負業者の外部事務所であってもよい)。安全性事務所は、FDAやその他の政府機関及び団体などに対する必要な報告を処理している。又、安全性事務所は、イベントに関する情報を含む「関係書類(dossier)」をも作成可能である。本明細書において使用されている「関係書類」とは、イベントが製品又は手順の使用に関係している有り様に関する少なくとも初期の理解を形成するのに十分な情報を提供する臨床イベントに関係したデータの報告書であってよい。
【0006】
関係書類は、CEC(Clinical Events Committee)と呼ばれる専門家(通常は、医師である)のパネルに報告される。CECは、治験担当医及び製品のスポンサーのいずれからも独立しているため、イベントに関する公平な意見を提供する。又、CECは、多数の場所から収集された様々な治験担当医によってまずは評価されたデータを検討する単一のグループであるため、イベントに関する評価における統一性をも提供している。
【0007】
それぞれのイベントは、CECによって「裁定」され、CECは、関係書類を使用して症例報告書を作成する。症例報告書は、一般に、イベントが調査対象の製品又は手順によって引き起こされたかどうかに関するCECの結論を通知することになる。CECの結論は、治験担当医の予備的な所見と合致することもあり、合致しない場合もある。CECの症例報告書は、臨床試験データベースに入力され、監督機関は、製品又は手順の安全性及び有効性を評価し、製造、販売、及び/又は使用についてそれを承認するかどうかを判定する際に、このデータベースを使用可能である。CECのメンバは、関係書類を裁定するべく、通常は、臨床上の主要管理点の終了時点において、例えば、数週間又は数ヶ月ごとに、直接会合している。イベントの発生に伴って作成された関係書類は、特定の既知のシステムにおいては、CECが会合し、それらを検討する準備が整うまで、蓄積される。従って、個々の関係書類が作成される時点と、それがCECによって裁定される時点の間には、遅延が存在し得る。CECメンバに対する支払いは、彼らが症例を裁定するべく出席するそれぞれの会合ごとに実行されている。
【0008】
図1は、従来技術による関係書類の裁定プロセスを示している。イベントが試験において発生し101、イベントの予備的な分析を包含し得る関係書類が作成される102。関係書類は、CECによる検討を待っている関係書類のコレクションに追加される103。CECが関係書類を検討する試験の主要管理点に到達した場合に104、CECは会合し、蓄積されている関係書類を検討し105、その結果を症例報告書として報告する106。本明細書において使用されている「試験の主要管理点(trial milestone)」とは、試験のすべて又は一部の完了、既定期間の満了、特定日付の到来などであってよい。段階104において試験の主要管理点に到達していない場合には、試験の主要管理点に到達し、CECが会合してそれらを検討するまで、関係書類の蓄積が継続される107。次いで、症例報告書は、スポンサー及び/又は監督機関が使用可能で臨床試験データベースに保存される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
検討手順は、治験担当医による安全性イベントの迅速な(通常は、イベント発生の24時間以内における)報告を必要としているが、CECは、通常、検討が完了した際に(例えば、数ヶ月(又は、場合によっては、数年)後に)、イベントを裁定し、症例報告書を作成している。この結果、イベントが最初に報告される時点と、評価済みのイベント情報が臨床試験データベースに追加される時点の間には、大きな遅延が存在し得る。従って、製品のスポンサーと監督機関に対するフォードバックにも大きな遅延が生じ、多くの場合に、検討において実行を要する是正及び/又は予防アクションが不可能になっている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、主要管理点によって起動される検討者又は裁定者の直接的な会合を待つことなしに、イベントの迅速な検討又は裁定を実現するシステム及び方法を提供可能である。本発明の一実施例によれば、関係書類は、作成された際にCECのメンバに送付され、CECメンバは、それらを、別個に、且つ、同期することなしに、検討可能である。この結果、裁定された結果を、早期に、且つ、連続した方式で、監督機関及び/又はスポンサーに対して提供可能であり、これにより、特定の既知の方式とは異なり、監督機関及び/又はスポンサーは、検討参加者の健康及び安寧を保護する是正及び/又は予防アクションを実施可能である。又、この裁定済みの結果の迅速な提供により、検討の対象である治療法に関係した迅速且つ正確な許可/不許可の決定を下す機会をも提供可能である。この結果、治療法が適切ではないことをデータが通知した後の検討の継続に伴う費用を回避することにより、資金を節約可能である。又、この結果、必要に応じて、結果に基づいて、製品、手順、及び/又は試験に対して迅速に変更を加えることをも可能になる。この結果、監督機関及びスポンサーは、製品、手順、及び/又は試験との関連において生じ得る安全性の問題に対処するべく迅速に行動可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施例によれば、関係書類は、作成された際にCECの1人又は複数のメンバに対して電子的に送付可能であり、これらのメンバのそれぞれは、同期することなしに関係書類を検討し、自身の結果を電子的に提出可能である。患者の秘密保持、企業秘密、及び/又はその他の考慮事項に起因し、関係書類は、例えば、暗号化された状態で、ウェブサイトなどを介し、SSLによって保護されたダウンロードにより、安全に配布可能である。関係書類の取得を可能にする前に、例えば、ユーザーID及びパスワードを提供し、又信頼できる第三者によって認証されるセキュアトークンを使用するなどの方法により、関係書類を保存しているサーバーに対してメンバが自らを認証することを要するようにすることができる。或いは、この代わりに、例えば、宅配便、ファックス、速達などの迅速な配送を提供可能なその他の好適な通信手段を介して、関係書類を1人又は複数のメンバに送付することも可能である。
【実施例】
【0012】
図2は、本発明の一実施例による方法を示している。イベント201の後に、関係書類が作成される202。一実施例においては、関係書類は、治験担当医によって電子的に作成される。関係書類は、作成されると、検討のために、例えば、CECの複数のメンバなどの初期検討者に対して送付可能である。関係書類は、安全なエクストラネットや電子メールなどを通じて検討メンバに電子的に送付可能である。関係書類が検討を待っていること示す通知を、それらの検討者のそれぞれに対して(例えば、電子メール、ポケットベル(登録商標)、電話による通話などによって)送付可能である。この結果、検討者は、例えば、エクストラネットなどにログオンし、検討用の関係書類を取得可能である。一実施例においては、関係書類は、例えば、PDFフォーマットを有する文書であってよい。別の実施例においては、関係書類は、ウェブページのコレクションであってよく、これは、テキスト、グラフ、放射線画像、サウンドクリップ、ビデオクリップなどのオブジェクトを包含可能である。
【0013】
それぞれの初期検討者には、それぞれの検討を完了させることを要する既定量の時間(例えば、24時間、48時間など)又は特定の日付(例えば、2003年4月14日など)を付与可能である。又、関係書類を検討するべく選定された初期検討者の組(「初期検討チーム」)に対して、最終的な症例報告書の提出を要する既定量の時間又は特定の日付を付与することも可能である。関係書類の検討の際には、イベントが発生したかどうか、イベントのタイプ、イベントの1つ又は複数の原因などを判定することを検討者に要求可能である。この結果、関係書類が裁定される204。検討の結果に応じて次の段階を判定するための規則を適用可能である。例えば、事前に設定された合意レベルを規定可能であり205、そのレベルに到達していない場合には、更なる検討を起動可能である206。例えば、検討者のすべてが前述の3つのポイント(即ち、イベントが発生したかどうか、イベントのタイプ、及びその原因)に関して合意している場合には、症例報告書を生成可能であり207、裁定済みのイベントのデータベースに、そのデータを追加可能である208。検討者のすべてが合意していない場合には、1人又は複数のフォローアップ検討者を(例えば、タイブレーカとして)チームに追加可能である206。但し、フォローアップ検討者の使用は、適切な後続手順の一例に過ぎない。例えば、別の実施例においては、初期検討者が合意できない場合には、(CEC以外の)別のエンティティによる検討を実施可能である。
【0014】
症例報告書207に進むための必要なレベルの合意205は、検討者の単純な過半数、検討者の規定された最小圧倒的多数、検討者の規定された最小多数などであってよい。段階203及び206における検討者の数の変動も可能である。例えば、最初に、2人を上回る又はこれを下回る数の初期検討者に関係書類を送付可能である。様々なレベルの意見の相違により、更なる検討を起動可能であり、更なる検討を、例えば、CEC全体などの複数のその他のフォローアップ検討者によって実行することも可能である。CECの1人又は複数のメンバに対して、初期検討の結果に関する拒否権を付与することも可能である。更には、検討者の中の1人又は複数の者が、任意の時点において、CEC全体による検討を要求する規則を設けることも可能である。同様に、初期検討者及び/又はフォローアップ検討者の結論をスポンサーに送付することも可能であり、スポンサーが、特定のタイプの検討(例えば、CEC全体によるもの)を要求できるようにすることも可能である。又、後続の検討階層を設けることも可能である。即ち、フォローアップ検討者間における合意を必要とするようにすることも可能であり、これが得られない場合には、更なる分析のためにフォローアップ検討者の別のグループに対して関係書類を送付可能である。任意の適切な方式を使用して「合意」を形成可能であり、この方式は、CECについて合意された設立綱領によって確立可能であり、この設立綱領は、検討の開始時点又はこの前後において公表可能である。
【0015】
検討の結果に基づいて症例報告書が作成され207、裁定済みのイベントのデータベースに保存される208。更なる検討を起動することにより206、タスクを完了させるべく1人又は複数の検討者及び/又は検討チームに付与されている既定の時間の1つ又は複数のものを調節可能である。すべての検討者が最初に合意できない場合には、例えば、症例報告書を作成するための検討チームの期限を延長可能である。検討チームの最終的な目的は、イベントに関するチームの分析の全体的な結果を記述した症例報告書を作成することであってよい。
【0016】
本発明の一実施例による方法においては、定期的な主要管理点によって起動されるCECの直接的な会合を待つことなしに、試験の進行に伴って関係書類を検討可能であり、イベントを動的に裁定可能である。又、メンバは、その他の検討者と同期して作業を進めることなしに、関係書類を検討し、自身の結果を提出可能である。この意味において、検討者は、従来技術において周知の同時検討プロセスとは対照的に、非同期状態にあってよい。例えば、2人の検討者は、月曜日に関係書類を受領可能であり、彼らに対して、その検討のために48時間を付与可能である。第1の検討者は、それを月曜日に検討し、結果を月曜日の夕方に提出可能である。第2検討者は、それを火曜日に検討し、火曜日の午後に検討結果を提出可能である。検討の結果が一致した場合には、症例報告書を作成し、データベースに追加可能である。この結果、それぞれの検討者は、要求された期間内において、自身の都合に合わせて作業することが可能であり、症例報告書を作成するべく両者が協議することも可能である(但し、これは必須ではない)。同様に、それぞれの検討者は、それぞれの場所において作業可能であり、症例報告書を作成するべく物理的に会合する必要はない。当然のことながら、本発明の一実施例によれば、検討者は、必要に応じて、関係書類に関して協議可能であり、同一の場所において会合することも可能である。
【0017】
試験の進行に伴い、初期検討者と1人又は複数のフォローアップ検討者は、異なる人々であってよい。例えば、特定の症例、症例の組、又は、特定の期間において、特定の人々を初期検討者及び/又は1人又は複数のフォローアップ検討者として指定可能である。
【0018】
試験データベースは、満足された場合に別の段階(例えば、DMC(Data Monitoring Committee:データ監視委員会)の緊急会合)を起動する試験の前に規定された1つ又は複数の閾値を包含可能である。DMCの目的は、安全性の理由から試験の緊急な変更を必要とし得る裁定済みのデータによって生じる問題に対処することにある。例えば、試験における予期せぬ高い死亡率は、製品又は手順が死亡率に寄与しているかどうか、その寄与の大きさ、試験を停止又は変更するべきかどうかなどを判定するべく、このような会合を起動可能である。本発明の一実施例による裁定プロセスの動的な特性により、特定の従来技術によるシステムよりも迅速にDMCを召集可能である。本発明の一実施例は、患者間において閾値に到達する時点と、その閾値への到達がDMCに報告される時点の間の期間を短縮可能である。この結果、試験における現在及び将来の参加者の全体的な安全性が向上する。
【0019】
本発明の一実施例による可能なDMCによる検討のための連続したCECによる検討と試験データベースに対するデータの連続した入力により、CEC及びDMCの両方のレベルおける作業の停滞が低減又は除去されることを理解されたい。又、この連続した検討の結果、一般に、イベントに時間的に近接した状態で検討が行われることになる。一般に、医師やその他の証人の記憶は、イベントに時間的に近接しているほど良好であるため、これは、フォローアップデータの収集に有利である。
【0020】
本発明の一実施例によれば、CECメンバに対する支払いは、特定の既知の方式において実行されているように彼らが出席するそれぞれの会合ごとにではなく、彼らが裁定するそれぞれの症例ごとに実行可能である。これは、単に会合に出席するだけではなく、症例を検討するためのインセンティブを提供可能であり、この結果、CECメンバの相対的に高い生産性に結びつく。
【0021】
本発明の一実施例は、電子的に実装可能である。図3に示されているように、本発明の一実施例によるシステムは、治験担当医302及びCECのメンバ303などのユーザーによって操作されるクライアントコンピュータに対してネットワークを通じてグラフィカルユーザーインターフェイスを提供可能なサーバーコンピュータ301を包含可能である。サーバーコンピュータ301は、症例報告書データを、裁定済みのイベントのデータベース304に送付可能であり、且つ、データベース304と、スポンサー305及び/又は監督機関306によって操作されるコンピュータの間のインターフェイスとして機能可能である。ネットワークは、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、エクストラネット、イントラネットなどの任意の適切なネットワークであってよい。
【0022】
図4には、本発明の一実施例による装置が示されている。サーバー401は、プロセッサ402によって実行されるべく適合されたイベント命令404を保存するメモリ403に結合されたプロセッサ402を包含可能である。プロセッサ402は、カリフォルニア州サンタクララのインテル株式会社(Intel Corporation)社によって製造されたペンティアム(登録商標)4(Pentium(登録商標)IV)プロセッサなどの汎用マイクロプロセッサであってよい。プロセッサ402は、本発明による方法の少なくとも一部を実行するべく適合されたハードウェア及びファームウェアを包含可能なASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。ASICの一例がDSP(Digital Signal Processor)である。又、プロセッサ402は、いくつかの異なるプラットフォーム上に実装されたプロセッサの分散システムであってもよい。
【0023】
メモリ403は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク、フラッシュメモリ、書き換え可能なコンパクトディスク、又は、これらの組み合わせなどのデジタル情報を保存するべく適合された任意の装置であってよい。
【0024】
イベント命令404は、本発明による方法の少なくとも一部を実行するように、プロセッサ402によって実行されるべく適合可能である。例えば、イベント命令404は、治験担当医が、治験担当医のクライアントコンピュータ(図3の参照符合302を参照されたい)を使用して入力した際に患者のイベントに関する情報を収集するフォームを含むGUI(Graphical User Interface)を治験担当医に提供可能である。命令404は、この情報を受領し、フォーマッティング可能であり、情報をCECメンバのコンピュータ(図3の参照符合303を参照されたい)に送信可能である。命令404は、関係書類情報を、CECメンバのコンピュータ303上において、例えば、PDFファイル、ウェブページのコレクション(これは、テキスト、画像、グラフなどを含んでいる)、又は任意の適切なフォーマットとして表示可能である。
【0025】
又、イベント命令404は、検討者303が入力した際に関係書類の検討結果を有する情報を収集するフォームを含むGUIを検討者303に提供することも可能である。命令404は、第1検討者からの検討情報を、その他の検討者と共有させることができる。命令404は、症例報告書を有する情報を収集可能なGUIを提供可能である。命令404は、症例報告書情報をデータベース304内に保存可能であり、且つ、クライアント302、303、305、及び306とデータベース304の間の仲介者として機能可能である。
【0026】
イベント命令404は、本発明による方法の少なくとも一部を実行するように、プロセッサ402によって実行されるべく適合可能である。例えば、イベント命令404をプロセッサ402によって実行することにより、不都合なイベントの関係書類の作成に参加し、追加の関係書類の作成やなんらかの期限又は主要管理点の到来を待つことなしに検討のために何人かの初期検討者に対して関係書類を送信し、検討者からの入力に基づいて症例報告書を作成し、症例報告書からの情報をデータベース内に保存可能である。
【0027】
配布、コンピュータ上におけるインストール及び/又は実行のために、イベント命令404の一部又はすべてを媒体上に保存可能である。媒体は、CD−ROMやフラッシュメモリなどの携帯型の物理的な装置であってよい。又、媒体は、発信元コンピュータから宛先コンピュータにダウンロードされる際に命令を搬送する通信チャネルであってもよい。
【0028】
以上の説明は、特許請求対象の本発明の範囲の例示を意図したものであり、制限を意図したものではない。当業者には、前述の例から、添付の請求項の範囲に属するその他の実施例が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例による方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床試験の際の不都合なイベントの動的な安全性監視方法であって、
イベント報告書が完成した後に、既定の期間内において関係書類を完成させ、
前記試験のアクティブフェーズにおいて、検討のために複数の初期検討者に対して前記関係書類を送付し、
前記試験の前記アクティブフェーズにおいて少なくとも1つの後続のイベントが発生する前に、前記関係書類の裁定を完了させ、症例報告書を作成する、のを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−527580(P2007−527580A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500915(P2007−500915)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/005489
【国際公開番号】WO2005/083611
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(506383711)ボストン サイエンティフィック リミティド (36)