説明

臨床試験装置におけるプローブ洗浄方法

【課題】臨床試験装置におけるサンプルキャリーオーバーの減少のための当技術分野における必要性に対応する、流体を吸引するためのプローブを含む臨床試験装置を提供する。
【解決手段】プローブ114は、キャリーオーバーを減少するために吸引間において洗浄される。洗浄動作は、外部洗浄を終了する前に内部洗浄動作が終了される、内部および外部洗浄の両方を含む。一つの実施形態において、プローブ洗浄は、統合された臨床化学/免疫測定試験装置102、104上において実施されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に臨床試験装置に関し、特に本発明は臨床試験装置におけるサンプルキャリーオーバーの減少に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプルの化学、免疫化学、および生物学試験のための様々な既知の臨床分析器が利用可能であるが、サービスの新しい水準を提供するための、臨床研究所においてますます増える需要のため、臨床技術は急速に変化している。サービスのこれらの新しい水準は、労働コスト等のような運営経費を減少するために、より費用効率が高くなければならず、試験結果のより短い所要時間を提供しなければならない。分析装置および手順の近代化は、臨床研究所にかけられる増加する課題に対応するために、ワークステーションの統合を要求する。
【0003】
一般的に試験サンプルの分析は、一つ以上のアナライトに対する一つ以上の試薬との試験サンプルの反応を含み、試験サンプルそれぞれに対する選択基準に基づき、分析が実施されることがしばしば望ましい。自動臨床分析システムは、一つ以上の特性に対し試験サンプルを分析する。自動臨床分析器はまた、操作者または技術者の誤りをしばしば回避し、したがって様々な試験の正確度および再現性を強調しつつ、更に速く結果を提供する。日常検査で現在利用できる自動臨床分析器は、サンプル液体の容器を様々な操作ステーションの間に運ぶよう設計された、輸送または運搬システムを含む。
【0004】
自動免疫測定分析器(automated immunoassay analyzers)のような、現在利用できる自動臨床分析器のいくつかは、様々な異なる分析ステップを含む手順を利用する。ロボットアームは、プローブおよびカルーセル、または処理のためにサンプルを位置決めするロボットトラックにより、自動的に試験サンプルを処理する。一般的な試験装置は、流体をサンプリングし、反応槽にサンプルを堆積させるための、サンプルプローブアームを有する。一つ以上の試薬は、試薬プローブアームを使用して槽に加えられる。サンプルおよび試薬プローブアームは、サンプルまたは試薬の位置、試薬槽、および洗浄ステーションの間を移動することができる、プローブを含む。
【0005】
臨床化学および免疫測定試験装置は従来、独立したシステムである。これらのシステムは、より効率の良い統合システムを提供するために、共通輸送システムを使用して結合されることができる。先の独立した化学分析器は、統合された臨床化学および免疫測定システムの、サンプルからサンプルへのキャリーオーバー性能必要条件を必要としなかった。研究所は自動分析システムを統合するので、サンプル間のキャリーオーバーは重要な目標となる。多くの会社は、使い捨てのプローブチップの使用によりこの問題を克服することを選択したが、この方法は費用がかかり、不経済および不確実である。別の予防手段は、免疫測定サンプリングが全ての化学試験の前に為されるように、試験順序に優先順位をつけることである。この方法は、化学所要時間に影響を与え、全体のワークフロー処理量を低下する。サンプルキャリーオーバーを減らすための、また別の方法は、多量の流体(バッファ、水、浄化剤)でシステムを洗い流すことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上に言及した理由、および、本明細書を読み、理解することにより当業者にとって明白である、以下に述べる別の理由のため、臨床試験装置におけるサンプルキャリーオーバーの減少のための当技術分野における必要性がある。
【0007】
サンプルキャリーオーバーに関する上述の問題および別の問題は、本発明により説明され、下の明細書を読み、研究することにより理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの実施形態において、流体試験装置は、内部領域および外部表面を有するプローブを備える。プローブは、流体を内部領域内へ選択的に吸引するために使用される。第一洗浄メカニズムは、第一所定期間において、プローブの内部領域を通って洗浄流体を分配するために、プローブに結合される。第二洗浄メカニズムは、第二所定期間において、プローブの外部表面上に洗浄流体を分配するよう置かれる。第二所定期間は第一所定期間を越える長さである。
【0009】
別の実施形態において、プローブを洗浄する方法は、プローブの内部領域をX秒の間洗浄流体で洗い流すこと、および同時に、プローブの外部表面をY秒の間洗浄流体で洗い流すことを備え、YはXよりも大きい。
【0010】
統合された化学および免疫測定分析器におけるサンプルキャリーオーバーの方法は、プローブを使用して第一サンプル容器から第一試験サンプルを吸引することと、第一試験サンプルを反応槽内へ堆積させることと、試験サンプルの化学分析を実施すること、を備える。プローブは、洗浄流体をプローブの内部領域を通って注入し、およびプローブの外部上に洗浄流体を注入することにより、洗浄される。洗浄流体の注入は、外部の注入を終了する前に内部領域から終了される。第二試験サンプルは次いで、プローブを使用して第二サンプル容器から吸引される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の実施形態の臨床試験装置の斜視図である。
【図1B】図1Aの試験装置の臨床化学分析器である。
【図1C】図1Aの試験装置の免疫測定分析器である。
【図2】図1の臨床試験装置のプローブアームを説明する図である。
【図3】洗浄ステーションにおけるプローブの簡略化した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
好ましい実施形態の下記の詳細な説明において、本明細書の一部を形成し、本発明が実行されてよい特定の好ましい実施形態が例証として示される、添付の図面を参照とする。これらの実施形態は、当業者が本発明を実行するのを可能にするために十分に詳細に説明され、および、別の実施形態が利用されてよく、論理的、機械的および電気的な変更が、本発明の精神と範囲から外れることなく為されてよいことが理解される。下記の詳細な説明は、したがって、限定を意図するものではなく、本発明の範囲は請求項によってのみ定義される。
【0013】
ここで使用される「試験サンプル」という用語は、源から直接得られて使用されることができるか、または、サンプルの特性を修正するために予備処理の後に使用されることができる、試験材料を指す。試験サンプルは、全血、血清、血漿、唾液、接眼鏡液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水、ローカス(raucous)、滑液、腹膜液、羊水、等を含む、生理液のような、任意の生物源から引き出されることができる。
【0014】
「キャリーオーバー」という用語は、試験サンプルの間の交差汚染または接触移動を指す。キャリーオーバーは、多数の試験サンプルのために共通サンプルプローブを使用することの副産物である。
【0015】
サンプル間のキャリーオーバーは、自動分析システム上の結果完全性を確保するための重要な要素である。免疫測定分析器は従来、0.1ppmより少ない、サンプルからサンプルへのキャリーオーバー目標を満たす。臨床化学システムは、この水準へのキャリーオーバー必要条件を使用して、感度が低く、めったに特徴付けられない方法論を利用する。しかしながら、研究所は分析システムを統合するので、サンプル間キャリーオーバーは、免疫測定分析器が、臨床化学システムにも適用可能になることを要求する。統合された免疫測定および臨床化学システムのために、0.1ppmより少ないサンプル間キャリーオーバー目標を達成することは、標本処理量、システム消耗品、試験優先順位、およびサンプルの事前等分を含む、別の変数の市場性に影響を与えることができる。
【0016】
本発明の実施形態の統合システムについての広範囲の研究は、サンプルからサンプルへのキャリーオーバーに関連付けられる重要な変数を認識した。肝炎表面抗原(HbsAg)の濃縮されたサンプルは、キャリーオーバー性能を量的に評価するのに使用された一方、高速ビデオは、サンプルプローブ洗浄の質的特徴づけのために使用された。本発明の実施形態のプローブ洗浄プロトコルは、サンプルの事前等分、追加の消耗品の使用、試験優先順位、またはシステム標本処理量への顕著な影響なしに、0.1ppmのサンプル間キャリーオーバー限界に合格する。重要な変数は、臨床化学サンプリング/吸引量および外部サンプルプローブ洗浄期間、内部サンプルプローブ洗浄に対する順序を含む。別の変数は、サンプル洗浄カップ内のサンプルプローブの位置決め、サンプル洗浄カップの設計および外部サンプル洗浄流量/速度、を含む。
【0017】
洗浄プロトコルの実施形態は、臨床化学サンプリング量に基づく、サンプル間洗浄メカニズムを定める。洗浄は、サンプルプローブの外部洗浄および内部洗浄を含む。(15μL以下のような)所定の閾値以下の最大化学サンプリング量を有する全ての標本は、延長された単一サイクル洗浄メカニズムを使用して効率的に洗浄される。「ダミー」流体量は、流体サンプル量に加えて吸引されてよいことが留意される。ダミー量は、プローブにおけるサンプル流体および残余流体の間のバッファを提供する。ダミー量は、ここに説明されるサンプル量水準に含まれない。延長された単一サイクル洗浄メカニズムは、内部プローブ洗浄の100ms後に終了する、一秒間外部プローブ洗浄を利用する。内部および外部洗浄の順序の間のこのタイミングの関係は、許容できるキャリーオーバー性能にとって特に重大である。閾値(15.1μL以上)を超過する化学サンプリング量で処理される標本は、同じ延長された単一サイクル洗浄メカニズムを使用して洗浄されるが、更に3.2秒の補足の外部洗浄もまた受ける。下記に説明されるように、本発明の洗浄プロトコルは、内部および外部洗浄の終了の間の、特定のタイミング期間またはオーバーラップ時間に限定されない。
【0018】
サンプル間キャリーオーバーは、プールされたヒト血清マトリクスにおける濃縮された肝炎表面抗原(HbsAg)の組み換え型サンプルを使用して、量的に評価された。(約4mg/mLの免疫反応性を有する)濃縮されたHbsAgサンプルそれぞれの後に、(事前に選別された、HbsAgに反応しない)プールされた正常ヒト血清が続き、化学分析器上に処理された。プールされたヒト血清サンプルは、HbsAg活性のために免疫測定分析器上で評価された。結果は、濃縮されたストックの連続希釈法に対して比較された。プールされたヒト血清の結果が濃縮されたストックの0.1ppm希釈のそれを超過した場合、テストランは失敗とみなされた。失敗の大きさは、報告された血清希釈剤の濃度を、参照希釈剤からppm単位に変換することにより、計算された。試験条件は、最悪の場合の性能および試験結果の確かさを表すよう作られた。臨床化学サンプル量は、化学適用のための一般的な最大サンプル量である35μLと定義された。HbsAgサンプルは結果完全性を確保するために重複して処理された。
【0019】
結果は、サンプルプローブ吸引量に関連付けられるサンプルキャリーオーバー性能傾向を説明した。臨床化学サンプル量が増加すると、サンプル間キャリーオーバー失敗もまた増加する。ほとんどのシステムは、35μLの最大臨床化学サンプリング量において、(最適化重要パラメータなしで)50%より高い頻度でサンプル間キャリーオーバーを失敗する。サンプル量、およびサンプルからサンプルへのキャリーオーバー性能の間の関係は、失敗の状態を理解するのに重要である。このことは、サンプルプローブの内部汚染がサンプルからサンプルへのキャリーオーバー上に影響を与えることを、傾向が説明するためである。サンプルプローブは試験サンプルをサンプル管から吸引し、洗浄ステーション内へ入る前に、サンプル量を反応槽内へすぐ分配する。過剰な吸引またはダミー量は、洗浄ステーションにおいて分配されるが、この量は一貫しており、(プロトコル試験条件のもと)化学サンプル量から独立している。キャリーオーバーの頻度が化学サンプル量と共に増加し、このサンプル量がプローブの外部洗浄の前に分配されるため、(サンプル間失敗を導く)キャリーオーバーの源が、サンプルプローブの内部汚染から引き起こされたことが理論づけられた。この理論は、任意のダミー/超過の吸引がサンプル洗浄ステーションに分配されることなく、キャリーオーバー失敗が未だに一般的であることを説明した、補足的調査により支持された。プローブが、任意の濃縮されたサンプルを洗浄ステーションにおいて分配しなかった場合でさえ、残余のキャリーオーバーは、サンプルプローブ洗浄の後サンプルプローブの外部表面上に残存した。サンプルキャリーオーバー失敗の頻度は、補足プローブ洗浄を使用して減少されることができる。残念ながら、補足洗浄は、システム標本処理量を低下させ得る、追加の装置サイクルを要求する。
【0020】
キャリーオーバー性能への第二変数は、サンプル洗浄ステーションでの洗浄順序である。サンプル洗浄ステーションでの洗浄条件の更なる分析は、内部洗浄に関する外部洗浄順序を評価する研究に導く。プローブ洗浄の成功は、内部洗浄に対する外部洗浄の終了の順序に依存したよりも、外部洗浄の期間にはそれほど依存しなかった。内部洗浄が外部洗浄の後に終了する場合、外部洗浄が内部洗浄の後に終了する場合よりも、キャリーオーバー性能は著しく悪化する。この関係は、プローブの内部汚染が、外部サンプル間キャリーオーバーの原因であるという理論を支持する。一つの洗浄プロトコルは、低いサンプル量におけるキャリーオーバー性能を改善するために、内部洗浄の終了時間を越える長さである、一秒間外部プローブ洗浄を利用する。追加の装置サイクルを要求したであろう補足洗浄は、キャリーオーバー性能標準を満たすためには要求されない。
【0021】
更なる研究は、サンプル間キャリーオーバー性能に関連付けられる追加の変数を説明した。これらは、洗浄カップ設計、サンプル洗浄ステーションにおけるハードウェア配列、および洗浄流速/量を含む。これらの変数は重要であり、キャリーオーバー性能のための最適化を要求する。これらのパラメータの最適化の失敗は、キャリーオーバー失敗の原因となり得る。しかしながら、これらのパラメータの最適化は、化学サンプリング量および洗浄順序の重大な変数の制御なしに、合格条件を作らないであろう。
【0022】
図1Aは、本発明の実施形態の、簡略化された、統合臨床試験システム100の斜視図である。試験システムは、臨床化学試験装置102および免疫測定試験装置104を含む。更なる詳細は図1Bおよび1Cを参照されたい。二つの試験装置は、二つの試験装置の間の試験サンプル管108の直線移動を許す、共通サンプル輸送装置106を共有する。
【0023】
試験装置それぞれは、プローブ114(図2を参照)を含む、サンプルプローブアーム110/112を有する。アームは、水平弧および垂直方向の両方に移動することができる。プローブは、輸送装置106上に配置される管108から試験サンプルを吸引する。プローブアームは次いで、サンプル槽(図示せず)に移動し、吸引されたサンプルを堆積する。サンプルがプローブから排出された後、アームは、プローブが洗浄される洗浄ステーション120に移動する。サンプル槽は、試薬アーム122により試薬がサンプルに加えられる位置へ移動される。試薬アームは、試薬位置、サンプル槽および洗浄ステーションの間を動くことができる。サンプル槽は、追加の試薬を収容してもよく、当業者に既知であるように、次いで化学試験にかけられる。第二試薬アーム123は、第二試薬をサンプル槽に提供するために含まれてよい。
【0024】
輸送装置106上に置かれるサンプル管108は次いで、図1Cの免疫測定試験装置104の近くの位置に移動される。免疫測定試験装置は、サンプル管からの試験サンプルが、サンプルプローブアーム112のサンプルプローブ114を使用して吸引されるということにおいて、臨床化学試験装置と動作において同様である。サンプルアームは次いで、サンプル槽(図示せず)に移動し、吸引されたサンプルを堆積する。サンプルがプローブから排出された後、アームは、プローブが洗浄される洗浄ステーション(図示せず)に移動する。サンプル槽は、試薬プローブアーム115により試薬がサンプルに加えられる位置へ、移動される。試薬アームは、試薬位置、サンプル槽および洗浄ステーションの間を動くことができる。サンプル槽は、追加の試薬を収容してよく、当業者に既知であるように、次いで試験にかけられる。サンプルプローブが異なる試験サンプルの吸引間において洗浄されない場合、サンプルキャリーオーバー、または汚染が生じ得ることは明白である。
【0025】
図2はプローブアーム110の例を説明する。アームは、ほぼ水平弧および垂直方向に移動されることができるプローブ114を含む。プローブは、流体の吸引および後に続く洗浄流体の導入を可能にする、中空の中心を有する。プローブアームの機構はここに詳細に説明されないが、一般的に当業者に既知である。本発明を理解する目的のために、アームは、吸引されるサンプルの量、およびプローブを通って流れる洗浄流体の量および持続期間を調整するよう、制御可能である。
【0026】
図3を参照すると、プローブ114および洗浄カップ126の断面図が説明される。プローブおよび洗浄カップの寸法および形状が説明されるのみであり、実際の設計または寸法を反映することを意図するものではない。当業者は本説明の利益により、プローブおよび洗浄カップの設計が、本発明から逸脱することなく変化してよいことを認識するであろう。プローブは実質的に管形状を有し、外部表面132および内部表面130を含む。内部洗浄分配装置136、またはノズルは、洗浄流体をプローブの内部領域に排出するよう配置される。洗浄動作の間、プローブは洗浄カップにおいて垂直に位置決めされる。洗浄カップは、洗浄流体をカップの中心領域の方へ、およびプローブの外部上へスプレーするよう位置決めされる、一つ以上の外部洗浄分配装置138、またはノズルを含む。
【0027】
プローブを通り、およびその外部上に注入される洗浄流体は同じ流体であり、プローブから取り除かれる物質に依存する。洗浄流体は、共通リザーバ140に配置され、別々のポンプ142および144を使用してノズルへ注入されることができる。あるいは、単一のポンプおよび制御可能バルブは、洗浄流体をノズルへ注入するのに使用されることができる。本発明は、内部流体および外部流体の終了が、一つまたは複数のポンプ制御150により別々に制御されることができるという条件で、特定のポンプ設計に限定されるものではない。「ポンプ」という用語は、洗浄流体のような液体の制御された移動を可能にする、任意のメカニズムを含むことを意図する。上に説明したように、プローブは、サンプルキャリーオーバーを減少するために、サンプル吸引間において十分に洗浄されることが必要である。サンプルキャリーオーバーは、プローブに応じて試験サンプルまたは試薬でよい。内部洗浄は、外部洗浄を終了する前に終了される。この終了の重複はサンプルキャリーオーバーを顕著に減少し、臨床化学試験装置が免疫測定試験装置の制限的仕様を満たすのを可能にする。(15μL以下のような)所定の閾値以下の化学サンプリング量のための一つの例の洗浄は、内部サンプルプローブ洗浄の100ms後に終了する、一秒間の外部サンプルプローブ洗浄を含む。外部洗浄は、本発明から逸脱することなく、内部洗浄の前に開始することができる。
【0028】
本発明は、統合された臨床化学/免疫測定試験装置に限定されるものではなく、および、別の分析システムは、サンプル洗浄パラメータを改善するために、サンプル間キャリーオーバー性能の関係を利用することができる。このことは、血液学および別の方法論のみならず、別の臨床化学および免疫測定システムも含む。洗浄方法はまた、試薬キャリーオーバー洗浄、サンプル予備処理計装のために、および研究所自動化システムと共に、利用されることもできる。
【0029】
流体を吸引するためのプローブを含む、臨床試験装置が説明されている。プローブはキャリーオーバーを減少するために吸引間において洗浄される。洗浄動作は、外部洗浄を終了する前に内部洗浄動作が終了される、内部および外部洗浄の両方を含む。一つの実施形態において、プローブ洗浄は、統合された臨床化学/免疫測定試験装置上で実施されることができる。
【0030】
特定の実施形態がここに例示され説明されたが、同じ目的を達成するために計算される任意の配列は、示される特定の実施形態に置き換えられてよいことが、当業者により認識されるであろう。本願は、本発明の任意の適応または変更を補うことを意図する。したがって、本発明は請求項およびその等価物によってのみ限定されることが、明らかに意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部領域および外部表面を有するプローブであって、サンプルプローブが、流体を内部領域内へ選択的に吸引するように使用される、プローブと、
第一所定期間において、プローブの内部領域を通って洗浄流体を分配するように、プローブに結合される、第一洗浄メカニズムと、
第二所定期間において、プローブの外部表面上に洗浄流体を分配するよう配置される、第二洗浄メカニズムであって、第二所定期間は第一所定期間を越えて延長する、第二洗浄メカニズムと、
を備える、流体試験装置。
【請求項2】
吸引された流体は量において15μL以下であり、第二所定期間は約1秒であり、第二所定期間は第一所定期間を約0.1秒超える長さである、請求項1に記載の流体試験装置。
【請求項3】
第二洗浄メカニズムは、カップの中心領域の方へ向けられる少なくとも一つの洗浄流体ノズルを有するカップである、請求項1に記載の流体試験装置。
【請求項4】
内部領域および外部表面を有するプローブを備えるサンプルプローブアームであって、プローブは、試験サンプルを内部領域内へ選択的に吸引するように使用される、サンプルプローブアームと、
第一所定期間において、プローブの内部領域を通ってサンプル洗浄流体を分配するように、サンプルプローブアームに結合される、サンプル洗浄メカニズムと、
プローブを収容し、第二所定期間において、プローブの外部表面上にサンプル洗浄流体を分配する、サンプル洗浄ステーションであって、第二所定期間は第一所定期間を越える長さである、サンプル洗浄ステーションと、
を備える、臨床分析器。
【請求項5】
試薬を吸引するための試薬プローブアームを更に備える、請求項4に記載の臨床分析器。
【請求項6】
第三所定期間において、試薬プローブの内部領域を通って試薬洗浄流体を分配するように、試薬プローブアームに結合される、試薬洗浄メカニズムと、
試薬プローブを収容し、第四所定期間において、試薬プローブの外部表面上に試薬洗浄流体を分配する、試薬洗浄ステーションであって、第四所定期間は第三所定期間を越えて延長する、試薬洗浄ステーションと、
を更に備える、請求項5に記載の臨床分析器。
【請求項7】
第二所定期間は約1秒であり、第二所定期間は第一所定期間を約0.1秒超える長さである、請求項4に記載の臨床分析器。
【請求項8】
試験サンプルを吸引するように使用される、試験流体を含むサンプル容器を運ぶサンプル輸送装置と、
サンプル輸送装置上に配置される試験流体を、サンプリングするように結合される化学分析器と、
サンプル輸送装置上に配置される試験流体を、サンプリングするように結合される免疫測定分析器と、
を更に備える、請求項4に記載の臨床分析器。
【請求項9】
免疫測定分析器は、
内部領域および外部表面を有する第二プローブを備える第二サンプルプローブアームであって、第二プローブは、第二試験サンプルを第二プローブの内部領域内へ選択的に吸引するように使用される、第二サンプルプローブアームと、
第三所定期間において、第二プローブの内部領域を通ってサンプル洗浄流体を分配するように、第二サンプルプローブアームに結合される、第二サンプル洗浄メカニズムと、
第二プローブを収容し、第四所定期間において、第二サンプルプローブの外部表面上にサンプル洗浄流体を分配する、第二サンプル洗浄ステーションであって、第四所定期間は第三所定期間を越える長さである、第二サンプル洗浄ステーションと、
を備える、請求項4に記載の臨床分析器。
【請求項10】
第一所定期間において、プローブの内部領域を通って洗浄流体を分配するように結合される、洗浄ポンプと、
第二所定期間において、プローブの外部表面上に洗浄流体を分配するよう置かれる、第二洗浄ポンプであって、第二所定期間は第一所定期間を越えた長さである、第二洗浄ポンプと、
を備える、プローブ洗浄システム。
【請求項11】
第一所定期間の終了時間と第二所定期間の終了時間の間の差異は、第二所定期間の約十パーセント(10%)である、請求項10に記載のプローブ洗浄システム。
【請求項12】
流体プローブの内部領域をX秒の間洗浄流体で洗い流すことと、
同時に、流体プローブの外部表面をY秒の間洗浄流体で洗い流すことにおいて、YはXよりも大きいことと、
を備える、流体プローブを洗浄する方法。
【請求項13】
内部領域洗浄の終了時間と外部表面洗浄の終了時間の間の差異は、約0.1Yである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
Yは約一秒である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
統合された化学および免疫測定分析器におけるサンプルキャリーオーバーを減少する方法であって、
プローブを使用して第一サンプル容器から第一試験サンプルを吸引することと、
第一試験サンプルを反応槽内へ堆積させることと、
試験サンプルの臨床分析を実施することと、
洗浄流体をプローブの内部領域を通って注入し、およびプローブの外部上に洗浄流体を注入することにより、プローブを洗浄することであって、洗浄流体の注入は、外部の注入を終了する前に内部領域から終了されることと、
プローブを使用して第二サンプル容器から第二試験サンプルを吸引することと、
を備える、方法。
【請求項16】
洗浄流体の外部上への注入は、洗浄流体を内部領域を通って注入する前に開始する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
洗浄流体は約一秒間外部上に注入される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
洗浄流体の内部領域を通る注入は、洗浄流体の外部上への注入を終了する約0.1秒前に終了される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第二プローブを使用して第一サンプル容器から第二試験サンプルを吸引することと、
第二試験サンプルを第二反応槽内へ堆積させることと、
第二試験サンプルの免疫測定分析を実施することと、
を更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
臨床分析は化学または免疫測定分析のいずれかである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
洗浄流体をプローブの内部領域を通って注入するように、第一ポンプを作動することと、
洗浄流体をプローブの外部領域上に注入するように、第二ポンプを作動することと、
第一所定期間の後、第一ポンプを停止することと、
第二所定期間の後、第二ポンプを停止することにおいて、第二所定期間は第一所定期間より長いことと、
を備える、プローブを洗浄する方法。
【請求項22】
プローブ内に吸引される流体の量を決定することと、
プローブ内に吸引される流体の量に応じて、外部洗浄プロファイルを選択することと、
を備える、プローブを洗浄する方法。
【請求項23】
洗浄プロファイルは、内部および外部プローブ洗浄の両方を有する第一洗浄順序と、吸引された流体の量が所定の閾値を超過する場合の、延長された外部洗浄とを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
延長された外部洗浄は第一洗浄順序の約3倍の長さである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
外部プローブ汚染の結果としての、臨床試験装置におけるキャリーオーバーを減少する方法であって、
流体内にプローブを挿入することと、
プローブ内に吸引される流体の量を決定することと、
吸引された流体を分配することと、
プローブの内部を洗浄することと、
流体プローブ内に吸引される流体の量に応じて、外部洗浄プロファイルを選択することであって、吸引された流体の量が所定の量を超過する場合、延長された外部洗浄が提供されることと、
を備える、方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−117378(P2010−117378A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−46040(P2010−46040)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【分割の表示】特願2004−514403(P2004−514403)の分割
【原出願日】平成15年5月29日(2003.5.29)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】