自動インラインフィルタ交換装置
【課題】流体ライン内において動作する1以上の既存フィルタを1以上の未使用のフィルタと取り替えるための自動装置を提供する。
【解決手段】フィルタ繰出装置と、アクチュエータと、第1のアームであって、第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えた第1のアームと、アクチュエータに可動係合して設けられた第2のアームであって、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備え、第1のアームと第2のアームとの間の距離であって第1のアームおよび第2のアームに垂直な方向の距離がアクチュエータにより調節されるようになっている第2のアームと、フィルタ繰出装置と連通し、第1の取付具と第2の取付具との間に介在する軌道とを備えた自動フィルタ交換装置。
【解決手段】フィルタ繰出装置と、アクチュエータと、第1のアームであって、第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えた第1のアームと、アクチュエータに可動係合して設けられた第2のアームであって、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備え、第1のアームと第2のアームとの間の距離であって第1のアームおよび第2のアームに垂直な方向の距離がアクチュエータにより調節されるようになっている第2のアームと、フィルタ繰出装置と連通し、第1の取付具と第2の取付具との間に介在する軌道とを備えた自動フィルタ交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、流体の調整、サンプリング、分配、検査プロセスに係わる媒体または流体の濾過に関する。特に、本発明は、使用済または消費済フィルタと未使用または新品のフィルタとの自動的なインラインでの取替または交換に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプのフィルタ素子が、流体ハンドリングシステムの一部を構成する流体ラインや流体回路を流れる媒体または流体を濾過するために利用されている。流体システムは、1以上の調整、サンプリング、分析作業を含む数多くのプロセスに役立っている。例示すると、高効率液体試料分析や、高圧液体クロマトグラフィ、溶解テストがある。フィルタ素子は、この様なシステムにインラインで装着されている場合が多く、この目的のために、流体が内部を移動する回路に着脱可能な取付具を備えたある種のフィルタユニット中に収容可能となっている。大抵の工学装置と同様に、フィルタ素子も使用寿命が限られていることは周知である。すなわち、耐用期間の後、フィルタは、劣化や閉塞など、もはや使いものにならなくなったり、少なくともフィルタを装着した流体ラインの性能の劣化、制約が起こるような状態となる。したがって、定期的に、好ましくは所定の保守計画に従ってフィルタを交換しなければならない。流体の搬送、濾過に係わるプロセスによっては、フィルタ交換に要する労力やダウンタイムが、重要な基準となり得る。したがって、フィルタ交換作業を自動化する手段、あるいはフィルタ交換の自動化を改善する手段は、関連産業に歓迎される。
【0003】
認識されているフィルタ交換に関する問題点の一解決策が、Van DenOeverに付与された下記特許文献1に開示されている。この特許に開示されている実施形態では、円筒形フィルタ繰出装置と、円筒形フィルタクランプ装置と、円筒形フィルタ排出装置と、これらの装置に個々のフィルタを搬送する手段とを備えた自動フィルタ交換装置が提供されている。これらの装置は、直線的あるいは回転式に配列されている。直線的配列においては、電動式リードネジおよび関連摺動部材を利用してフィルタを搬送する。回転式配列においては、摺動部材の代わりに回転部材が設けられている。
【0004】
上記の開示によれば、フィルタの垂直スタックが、フィルタ繰出装置の中空シリンダ内に装填され、搬送手段が適当な位置に達すると、最下位のフィルタが搬送手段の開口部内に落下する。そして、搬送手段は、フィルタをクランプ装置の下方位置に移動させる。クランプ装置は、流体サンプリングラインの一部が通る空圧ラムである。ラムは、フィルタを圧下し、フィルタと流体サンプリングラインとの接続を確立するので、サンプリングラインを流れる流体はフィルタを通過し濾過される。そして、フィルタは、排出装置へと搬送され、そこで、フィルタは、中空シリンダの下方の第2の空圧ラムの上方に位置決めされる。第2の空圧ラムは、フィルタを中空シリンダ内へと上方に移動させ、フィルタは、そこに保持リングの補助により保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,450,982号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルタ交換、特に流体回路のインラインで動作するタイプのフィルタの交換のための自動的な方法および装置を提供する、より実用的かつ効果的な解決策が必要であると考えられている。特に、ハウジングから外方に延びるインレット取付具およびアウトレット取付具を有するフィルタの交換を自動化する必要性がある。この様なフィルタは、スタック状または柱状の形態で供給される場合が多く、スタック中の各フィルタが、隣接するフィルタの取付具の接合によって隣接フィルタと接続されている。したがって、本発明は、後述するように、フィルタ、特にインラインフィルタの交換または取替のための新規な自動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般的に、フィルタ繰出アセンブリおよび/またはフィルタクランプアセンブリを備えたフィルタ交換または取替システムを提供する。各装置は、制御自動フィルタ交換プロセスを成功裏に実施できる新規な特性を備えている。フィルタ繰出装置は、例えば、モータおよび関連シャフトの使用により回転可能である。フィルタ繰出装置は、フィルタ貯蔵ユニット、例えば、複数のフィルタが最初は接続スタックとして貯蔵される1以上のマガジンを受けるようになっている。フィルタ繰出装置は、静止部を有するフィルタ分離装置を備えている。フィルタ分離装置は、1以上のフィルタスタックを個々のフィルタユニットに分離する動作を行い、個々のフィルタをフィルタ繰出装置から順次搬送して、好ましくはフィルタ位置決め装置が設けられている側方ガイド軌道へと搬送するようになっている。
【0008】
フィルタクランプアセンブリは、フィルタ繰出装置と協動し、そこから繰り出される1以上の個々のフィルタユニットを受け取るようになっており、1以上の流体ラインと流体連通する1以上の連結サイトを提供する。フィルタクランプアセンブリは、モータおよび関連リードネジなどの手段によって駆動され、作動する。フィルタクランプ装置の交互または周期的な動作によって、使用済フィルタを流体ラインに関連して設けられた取付具から離脱させ、未使用のフィルタを取付具に装着する。
【0009】
好ましくは、フィルタ位置検出装置が、例えば、側方ガイド軌道に取り付けられてクランプアセンブリに設けられており、クランプ位置検出装置が、クランプアセンブリの可動部の位置を監視するために別に設けられている。この様にすると、位置検出装置およびモータに電気的に接続するように電子制御ユニットを配置して、フィルタ繰出装置およびフィルタクランプ装置の各動作を監視、制御することができ、これらの装置の動作を調整することもできる。
【0010】
フィルタ繰出装置は、長手軸を有する回転部材と静止部材とを備えていてもよい。この場合、静止部材は、回転部材と同軸に配置された環状の内面を備えていてもよい。この場合、静止部材は、インレット開口部と、インレット開口部から軸方向に離間して設けられたアウトレット開口部と、前記内面に形成されたチャネルとを備えていてもよい。この場合、チャネルは、前記長手軸に対して略螺旋状の通り道に沿って延び、そのピッチは一様ではないものとすることができる。この場合、チャネルのピッチは、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっていてもよい。この場合、チャネルは、インレット開口部およびアウトレット開口部と連通していてもよい。
【0011】
フィルタ繰出装置は、回転シャフトと、前記シャフトに取り付けられフィルタの第1の通り道を構成するフィルタハンドリング装置と、フィルタ分離装置とを備えていてもよい。この場合、フィルタ分離装置は、前記シャフトと同軸に固定配置された環状の内面を有していてもよい。この場合、フィルタ分離装置は、フィルタの第1の通り道と連通して配置された入口位置と、この入口位置から軸方向に離間して配置された出口位置と、前記内面に形成されフィルタの第2の通り道を構成するチャネルとを備えていてもよい。この場合、チャネルは、前記シャフトに対して略螺旋状に配向して延びていてもよく、この場合、チャネルのピッチは一様ではなくともよく、この場合、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっていてもよい。この場合、チャネルは、入口位置および出口位置と連通していてもよい。
【0012】
フィルタクランプアセンブリは、アクチュエータと、第1のアームと、第2のアームと、軌道と、フィルタ位置決め摺動部とを備えていてもよい。この場合、第1のアームは、第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えていてもよい。この場合、第2のアームは、アクチュエータに可動係合して設けられてもよく、この場合、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備えていてもよい。この場合、アクチュエータは、第1のアームと第2のアームとの間の距離であって第1のアームおよび第2のアームに垂直な方向の距離を調節するようになっていてもよい。この場合、軌道は、第1の取付具と第2の取付具との間に介在し、軌道方向に沿って延びていてもよい。この場合、フィルタ位置決め摺動部は、軌道方向を横断する摺動方向に沿って摺動可能であってもよい。
【0013】
フィルタクランプアセンブリは、アクチュエータと、第1のアームと、第2のアームと、軌道と、複数の第1の付勢部材と、複数の第2の付勢部材とを備えていてもよい。この場合、第1のアームは、複数の第1の取付具を備えていてもよく、この場合、第1の取付具は、それぞれ、第1のアームに対して移動可能に設けられていてもよい。この場合、第2のアームは、アクチュエータに可動係合して設けられていてもよく、この場合、複数の第2の取付具を備えていてもよく、この場合、第2の取付具は、それぞれ、第2のアームに対して移動可能に設けられていてもよい。この場合、アクチュエータは、第1のアームと第2のアームとの間の軸方向距離を調節するようになっていてもよい。この場合、軌道は、第1の取付具と第2の取付具との間に介在していてもよい。この場合、第1の付勢部材は、それぞれ、対応する第1の取付具に係合して、第1のアームに対して当該第1の取付具の移動を付勢してもよい。この場合、第2の付勢部材は、それぞれ、対応する第2の取付具に係合して、第2のアームに対して当該第2の取付具の移動を付勢してもよい。
【0014】
自動フィルタ交換装置は、フィルタ分離装置とフィルタクランプ装置とを備えていてもよい。この場合、フィルタ分離装置は、回転部と、回転部と同軸に配置された静止部とを備えていてもよい。この場合、静止部は、環状の内面と、出口位置と、前記内面に形成されたチャネルとを備えていてもよい。この場合、チャネルは、回転部に対して螺旋状の通り道に沿って延びていてもよく、この場合、チャネルのピッチは一様ではなくともよく、この場合、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっていてもよい。この場合、チャネルは、出口位置と連通していてもよい。この場合、フィルタクランプ装置は、出口位置と連通するフィルタガイド部と、第1の取付具と、この第1の取付具に対して移動可能な第2の取付具とを備えていてもよい。
【0015】
本発明の第1の実施形態によれば、自動フィルタ交換装置は、フィルタ繰出装置と、アクチュエータと、第1のアームと、第2のアームと、軌道とを備えている。第1のアームは、第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えている。第2のアームは、アクチュエータに可動係合して設けられており、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備えている。アクチュエータは、第1のアームと第2のアームとの間の軸方向距離(第1のアームおよび第2のアームに垂直な方向の距離)を調節するようになっている。軌道は、フィルタ繰出装置と連通しており、第1の取付具と第2の取付具との間に介在している。
【0016】
本発明の第2の実施形態によれば、自動フィルタ交換装置は、フィルタ繰出装置と、フィルタ位置決め軌道と、フィルタ連結装置とを備えている。フィルタ位置決め軌道は、フィルタ繰出装置と連通しており、側方に離間配置された複数のフィルタ連結サイトを構成している。フィルタ連結装置は、複数の第1の流体用取付具と、複数の第2の流体用取付具とを備えている。第1の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの上方に配置され、第2の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの下方に配置されている。
【0017】
本発明の第3の実施形態によれば、自動フィルタ交換装置は、フィルタ繰出装置と、フィルタ位置決め軌道と、フィルタクランプ装置と、第1の位置検出装置と、第2の位置検出装置と、前記第1および第2の位置検出装置と接続された電子制御ユニットとを備えている。フィルタ位置決め軌道は、フィルタ繰出装置と動作接続して設けられており、複数の側方に離間配置されたフィルタ連結サイトを構成している。フィルタクランプ装置は、可動部材と、略対向配置された複数の第1および第2の流体用取付具とを備えている。第1の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの上方に配置され、第2の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの下方に配置されている。第1の位置検出装置は、連結サイトの1つに動作整合して配置されている。第2の位置検出装置は、フィルタクランプ装置の可動部材に動作整合して配置されている。
【0018】
本発明の第4の実施形態によれば、流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置は、回転フィルタハンドリング装置と、静止フィルタハンドリング装置と、フィルタガイド装置と、フィルタクランプ装置とを備えている。回転フィルタハンドリング装置は、略下流側のフィルタの第1の通り道を構成している。静止フィルタハンドリング装置は、フィルタの第1の通り道と連通する略螺旋状のフィルタの第2の通り道を構成している。フィルタガイド装置は、フィルタの第3の通り道を構成している。フィルタの第3の通り道は、フィルタの第2の通り道と連通しており、フィルタの第1の通り道をほぼ横断する向きとなっている。フィルタクランプ装置は、流体ラインと連通し、フィルタガイド装置内に配置されたフィルタと離脱可能に係合するようになっている。
【0019】
本発明の第5の実施形態によれば、流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置は、フィルタ貯蔵装置と、フィルタクランプ装置と、複数のフィルタをフィルタ貯蔵装置内でのスタック配列からフィルタクランプ装置内での連続側方配列へと搬送する手段とを備えている。
本発明の第6の実施形態によれば、複数のフィルタを複数の対応する流体ラインに接続するための装置は、フィルタ貯蔵装置と、フィルタクランプ装置と、フィルタ搬送手段と、クランプ力分配手段とを備えている。フィルタクランプ装置は、複数対のインレット/アウトレット取付具を備えており、インレット/アウトレット取付具の各対は、流体ラインと連通するようになっている。フィルタクランプ装置は、フィルタクランプ装置内に受け取られた複数のフィルタに総クランプ力を付与して、総クランプ力の分力の影響下において、各フィルタを対応するインレット/アウトレット取付具対と流体連通するように接続する。フィルタ搬送手段は、フィルタ貯蔵装置からフィルタクランプ装置へと複数のフィルタを搬送する。クランプ力分配手段は、総クランプ力を複数のフィルタに分配して、フィルタクランプ装置によって各フィルタに付与された総クランプ力の分力のバラツキを減少させる。
【0020】
本発明の第7の実施形態によれば、流体ラインにフィルタを接続するための装置は、フィルタ貯蔵装置と、フィルタクランプ装置と、フィルタ搬送手段と、フィルタ位置決め手段とを備えている。フィルタクランプ装置は、流体ラインと連通するようにしたインレット取付具とアウトレット取付具とを備えている。フィルタ搬送手段は、第1および第2の取付具を有するフィルタをフィルタ貯蔵装置からフィルタクランプ装置へと搬送する。フィルタ位置決め手段は、フィルタの第1の取付具をフィルタクランプ装置のインレット取付具に整合させ、フィルタの第2の取付具をフィルタクランプ装置のアウトレット取付具に整合させる。
【0021】
フィルタを流体ラインまたは流体回路に順次連結する装置に1以上のフィルタを繰り出すための装置が提供される。
また、当初スタック状に設けられた複数のフィルタを繰り出すための装置であって、スタックの各フィルタの取付具が、通常、隣接するフィルタの取付具と接合しており、フィルタスタックが分離装置に出会うと、各フィルタが他のフィルタから分離され、結果的に、各フィルタが他のフィルタに対して別個に繰り出される装置が提供される。
【0022】
本発明の目的は、個々の未使用のフィルタをフィルタクランプ装置に繰り出し、既存のフィルタを流体ラインから離脱させ、流体ラインの適切な連結サイトに未使用のフィルタを位置決めし、未使用のフィルタを連結サイトにおいて流体ラインに連結することによって、流体ライン内において動作する1以上の既存フィルタを1以上の未使用のフィルタと取り替えるための自動装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、クランプ装置に装填される個々のフィルタの数をカウントし、クランプ装置が使用済フィルタを新品フィルタと交換可能な開放状態に達した時点を決定することによって、フィルタ繰出装置の動作をフィルタクランプ装置と連携させるフィルタ交換装置を提供することである。
本発明の更なる目的は、使用済フィルタを流体ラインから離脱させ、次に未使用のフィルタと交換するためのフィルタクランプ装置であって、各フィルタを対応する流体ラインのインレット/アウトレット取付具に接続するために必要なクランプ力を均一に分配することができるフィルタクランプ装置を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、フィルタ交換装置によって搬送されてきたフィルタがフィルタクランプ装置と適切に整合するようにしたフィルタ位置決め装置を備えたフィルタ交換装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係るフィルタ交換装置を組み立てた状態で示す斜視図である。
【図2】図2A、図2Bは、それぞれ、図1に示すフィルタ交換装置と共に好適に用いられるフィルタユニットの分解側面図と組立側面図である。
【図3】図1に示すフィルタ交換装置の一部を構成するフィルタユニット分離アセンブリの回転部の斜視図である。
【図4】図1に示すフィルタ交換装置と共に用いられる、接続フィルタユニットのスタックが内部に保持されているフィルタユニット貯蔵マガジンの側面図である。
【図5】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細な斜視図であり、フィルタユニット分離アセンブリが一部破断図で示されており、フィルタ交換装置の作動中に一連のフィルタユニットが移動する螺旋の通り道とそれに続く側方の通り道を示すために、フィルタ交換装置の一部部材が取り除かれている。
【図6】フィルタユニット分離アセンブリの静止部の斜視図であり、内部のネジ切りまたは溝切り設計を示す。
【図7】図6に示す静止部の一部破断斜視図である。
【図8】図1に示すフィルタ交換装置の一部を構成するフィルタユニットクランプアセンブリの斜視図である。
【図9】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、図8に示すフィルタユニットクランプアセンブリがフィルタ交換装置に取り付けられている。
【図10】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、フィルタ交換装置の一部を構成する側方軌道と、側方軌道内にフィルタユニットを位置決めするために利用される部材とを強調するために、フィルタユニットクランプアセンブリの一部が取り除かれている。
【図11】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、本発明に従って検出装置が設けられている。
【図12】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、本発明に従って別の検出装置が設けられている。
【図13】本発明と共に用いられる電子制御回路の簡略概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上記およびその他の本発明の目的の一部は、以下に示す添付図面を参照しながら説明が進むにつれて明らかになるであろう。
図1を参照して、全体的に10で示す自動インラインフィルタ交換装置が組み立てられた状態で示されている。例示として、フィルタ交換装置10は、通常、上部デッキ12と下部デッキ14とを備えた構造的な枠組みを有する。上部デッキ12は、1以上のスペーサ部材16によって下部デッキ14の上方に支持されている。広義に言えば、フィルタ交換装置10は、全体的に50で示すフィルタユニット貯蔵/分離/繰出アセンブリ(以降「フィルタ分離アセンブリ50」と称する)と、全体的に100で示されているフィルタユニットクランプアセンブリと、全体的に200で示す電子制御ユニットとを備えている。図1に示す実施形態において、フィルタ分離アセンブリ50およびフィルタクランプアセンブリ100は、上部デッキ12上に支持されている。また、フィルタ交換装置10は、全体的に130で示すフィルタユニット位置決め軌道(以下、「側方軌道130」という。)を備え、これも上部デッキ12上に取り付けられている。1以上の一連の流体ライン取付具18は、下部デッキ14に取り付けられたブラケット21内に取り付けられており、流体回路(図示せず)の導管に連結されるようになっている。フィルタ交換装置10は、全体的に23で示すフィルタユニット位置センサと、全体的に25で示すフィルタユニットクランプアセンブリ位置センサとを更に備えており、その詳細と機能については後述する。図1に示すフィルタ交換装置10の種々の部材の多くは、フィルタ分離アセンブリ50の上部を除き、着脱可能な上部カバーを有するハウジング構造内に収容されていることが好ましく、分かり易くするために図示されていない。
【0027】
本発明の好適な実施において、フィルタ分離アセンブリ50、フィルタクランプアセンブリ100、および電子制御ユニット200は、「インライン」型フィルタユニットの交換を自動化するために相互に協動する。この様なフィルタユニットは、通常、流体サンプリングシステムまたは流体分配システムに用いられているものとすることができる。適切なフィルタユニットは、Millipore社で製造されており、VanKel Technology GroupからPart No.17−4220として入手できる。図2A、図2Bの分解図および組立図は、全体的に30で示す適切なフィルタユニットの一例を示す。フィルタユニット30は、Luer型取付具を有し、これは可撓性導管または配管に取り付けた時に適切な封止の確立に軸方向の負荷しか必要としない。典型的なフィルタユニット30は、中空の雌型取付具32Aを有する上部シェル部32と、中空の雄型取付具34Aを有する下部シェル部34と、その間に収容されるフィルタ素子36とを備えている。図1に示すフィルタ交換装置10の実施は、数々の化学関連プロセスに有用であり、この様なプロセスにおいては、フィルタユニット30が閉塞や薬品の残留、その他、フィルタ交換を要する状態に陥りやすく、この様な交換を他の装置または器具と関連付けて制御したり時期設定することが好適である。
【0028】
図3〜図7を参照して、フィルタ分離アセンブリ50と関連部材に関する様々な詳細事項が示されている。ここに示されている典型的なアセンブリ50は、未使用のフィルタユニット30の供給の貯蔵や、個々のフィルタユニット30の分離、およびフィルタクランプアセンブリ100への個々のフィルタユニット30の配送といった機能を果たす。好適な実施形態において、これらの機能は、回転部および静止部を有する単一のアセンブリに組み込まれているが、本発明によれば構造的に別個の貯蔵サブアセンブリ、分離サブアセンブリ、繰出サブアセンブリで実施可能であると理解される。
【0029】
特に図3を参照して、フィルタ分離アセンブリ50は、全体的に55で示すフィルタユニットマガジン回転台の形態のフィルタユニットマガジン保持/支持装置と、これに取り付けられたロータ60とを備えている。図4を参照して、マガジン回転台55は、全体的に40で示す1以上のフィルタユニットマガジン、例えば、好ましくは管状または円筒状の8個のマガジン40を保持、支持するようになっている。図4に示すように、フィルタユニットマガジン40は、マガジン壁42と、上部および下部開口端部42A、42Bを有する。マガジン壁42は、透明な素材で構成されていることが好ましい。フィルタユニットマガジン40は、スタック配列のフィルタユニット30などの複数のフィルタユニットを受け取り、貯蔵するようになっており、1以上のフィルタユニット30の雄型取付具34Aを隣接フィルタユニット30の雌型取付具32Aに挿入することによって、各フィルタユニット30は、少なくとも1つの隣接するフィルタユニット30と接続または接合している。ある典型的な実施形態において、各マガジン40は、25個のフィルタユニット30のスタックまたはカラムを貯蔵し、8個のマガジン40を用いた場合に、合計200個の未使用のフィルタユニット30をフィルタ分離アセンブリ50に装填できるようになっている。必要であれば、更に多くのフィルタユニット30を保持するためにマガジン40を延長することもできる。端部キャップ44が各マガジン40の上端部42Aに取り付けられ、上端部42Aを閉鎖している。別の端部キャップ(図示せず)が下端部42Bに取り付けられ、マガジン40がマガジン回転台55に装着されていない時に、フィルタユニット30のスタックをマガジン40内に完全に閉じ込めるようになっている。
【0030】
図3を再び参照して、マガジン回転台55は、1以上の長尺スペーサ部材59によってロータ60から離間配置された上部ラック57を備えている。上部ラック57は、マガジン回転台55に装着された各マガジン40の外形を側方に支持、あるいは少なくとも収容するような形状の凹部57Aが形成されている。1以上のマガジン40は、その下端部42Bをバレル部70の内孔70Aに挿入することによってフィルタ分離アセンブリ50に装着される。実施される特定の設計にもよるが、バレル部70は、マガジン回転台55またはロータ60の一部を構成するものと考えられる。さらに図3に示すように、ロータ60は、バレル部70の上方に位置する上部凹部60Aと、バレル部70の下方に位置する下部凹部60Bとを備えている。上部凹部60Aは、マガジン40の形状を収容するような形状であり、下部凹部60Bは、後で詳述するように、バレル部70から搬出されるフィルタユニット30の形状を収容するような形状である。
【0031】
図1および図5の破断図を参照して、フィルタ分離アセンブリ50は、内部螺装の環状のベースブロックまたは鍔部80が、バレル部70下方の上部デッキ12上に取り付けられており、少なくともロータ60の下部を取り囲んでいる。マガジン回転台55およびロータ60は、ロータシャフト65の軸を中心に、図5中矢印Aで示す反時計回りの方向に共回転する一方、ベースブロック80は、静止したままである。図1を再び参照して、ロータシャフト65は、フィルタユニット交換装置10の上部および下部デッキ12、14の間に収容されたステッパモータ67によって駆動される。モータ67は、ブラケット67Aにより支持されており、上部デッキ12の下に配置された適切なギアまたは伝達手段(特に図示せず)が、モータ67とロータシャフト65との間の機械的な連結および回転速度調節を提供する。
【0032】
図6および図7を参照して、ベースブロック80は、ベースブロック80の上部付近の始点Bからベースブロック80の底部付近の終点(特に図示せず)まで延びる略螺旋状または渦巻状通り道に沿って配向する螺旋状または渦巻状の連続溝またはチャネル82(以下、「螺旋溝82」という。)を備えている。下記のような目的のために、螺旋溝82は、矢印Cで示す軸方向に増加するピッチにより特徴付けられる。ピッチの増加は、図7において、ベースブロック80の断面に沿って示す軸方向に離間する高度点E1、E2、E3、E4における螺旋溝82の下面82A間の距離D1、D2、D3、D4の増加を観察することにより説明される。螺旋溝82およびベースブロック80への個々のフィルタユニット30の入口点およびそこからの出口点を提供するために、ベースブロック80には、84で示すフィルタユニット入口位置および86で示すフィルタユニット出口位置が形成されている。入口位置84は、通常、点Bとリップ88との間に形成されており、リップ88は、ベースブロック80の上面80Aに形成され、ロータシャフト65の軸に向かって半径方向内方に突出している。出口位置86は、多数の面または縁部、例えば、そこから排出されるフィルタユニット30の外形を収容するように部分的に設計された面80Bおよび80Cによって形成されている。
【0033】
図8〜図10を参照して、フィルタ交換装置10のフィルタユニットクランプアセンブリ100および関連部材について更に詳しく説明する。下記から明らかなように、フィルタクランプアセンブリ100の主要な機能は、フィルタ分離アセンブリ50から繰り出される1以上の新品フィルタユニット30を、フィルタクランプアセンブリ100と連通する流体回路に連結し、これを介して1以上の流路を確立することと、この様なフィルタユニット30が所定の期間または所定のサイクル数使用した後、使用済フィルタユニット30を流体回路から離脱することである。説明の目的で、フィルタクランプアセンブリ100は、全体的にCS1〜CS8で示す1以上の流体連結サイトが形成されている(図10参照)。ここで参照する流体回路は、流体ポンプ、溶解試験ステーション、液体クロマトグラフィ装置など、フィルタ交換装置10の上流側および下流側に配置された様々な装置を含む数々の様々なタイプのプロセスの一部とすることができる。
【0034】
フィルタユニットクランプアセンブリ100は、上部アーム102と、下部アーム104と、1以上の縦レール106とを備え、この縦レール106に沿って上部アーム102が下部アーム104に対して摺動する。図1および図9に示す典型的な実施形態において、下部アーム104は、フィルタ交換装置10の上部デッキ12の下面に固定されている。1以上の上部雄型取付具108が、上部アーム102の厚さ方向に貫通して移動可能に支持され、荷重スプリング110によって付勢されている。同様に、1以上の対応する下部雌型取付具112が、上部取付具108に同軸整合するように下部アーム104の厚さ方向に貫通して移動可能に支持され、荷重スプリング114によって付勢されている。したがって、各連結サイトCS1〜CS8に対して1対の上部および下部取付具108、112が存在し、上部取付具108は側方軌道130の略上方に配置され、下部取付具112は側方軌道130の略下方に配置されている。下部アーム104に対する上部アーム102の変位は、図1に示すようにフィルタ交換装置10の上部および下部デッキ12、14の間に取り付けられたステッパモータ116および関連のリードネジ118によって駆動される。
【0035】
図示の駆動手段は、クランプ力の維持のために連続的な動力を必要としないので、その強度、速度、信頼性、制御性、静寂性にとって好適である。しかし、必要なクランプ力によるクランプ動作を行うために、空圧またはソレノイド型のアクチュエータなど、その他の公知の手段をステッパモータ116とリードネジ118の代わりに設けてもよいと理解される。
【0036】
荷重スプリング110、114によって、クランプアセンブリ100により付与される過剰なクランプ力でフィルタユニット30の取付具32A、34Aの破損やフィルタユニット30の圧壊が起こらず、使用時に1を越えるフィルタユニット30をフィルタクランプアセンブリ100に配置した時に、側方軌道130に存在する幾つかのフィルタユニット30にクランプ力が均一に分配される。すなわち、典型的な実施形態において、上部取付具108が全て単一の上部アーム102内に支持され、下部取付具112が全て単一の下部アーム104内に支持されるので、クランプアセンブリ100によって生成される総クランプ力の一部が、連結サイトCS1〜CS8に存在する各フィルタユニット30に伝達される。しかし、本発明に係るクランプアセンブリ100の設計によって、この総クランプ力が各フィルタユニット30にほぼ均一に分配されるので、あるフィルタユニット30に付与されるクランプ分力は、その他各フィルタユニット30に付与されるクランプ分力とほぼ等しくなる。
【0037】
図1および図9〜図11を参照して、側方軌道130および関連のフィルタユニット位置センサ23が示されている。側方軌道130は、フィルタ分離アセンブリ50に対して側方に設けられている。側方軌道130、上部取付具108、下部取付具112は、直線的に配置されていることが好ましいが、フィルタクランプアセンブリ100へのフィルタユニット30の連続的な横並びの装填に影響を及ぼさない限り、曲線的な配向を採用してもよいと理解される。側方軌道130は、フィルタ交換装置10の上部デッキ12上に互いに対向して取り付けられた前部ガイドレール132および後部ガイドレール134を備えている。前部および後部ガイドレール132、134は、それぞれ、対向するチャネルまたは溝132A、134Aを有し、前部および後部ガイドレール132、134の間の間隙と共に、フィルタユニット30の横断面形状を収容する横断形状を有する開放軌道空間を提供する。この様に、フィルタユニット30は、その雌型取付具32Aを上に向けて側方軌道130を側方に摺動して案内される。さらに、各連結サイトCS1〜CS8において、フィルタユニット30の雌型取付具32Aは、対応するフィルタクランプアセンブリ100の雄型取付具108と整合可能となり、そして、フィルタユニット30の各雄型取付具34Aは、フィルタクランプアセンブリ100の対応する雌型取付具112と整合可能となる。開放軌道空間は、ベースブロック80の出口位置86と直接的または間接的に連通する側方軌道130の導入端部(特に図示せず)で始まり、138で示す排出端部で終わる。排出端部138から排出されるフィルタユニット30を受けるために、廃棄物受口(図示せず)を設けてもよい。
【0038】
前部ガイドレール132は、着脱可能な上部部材141を備えていることが好ましい(図1および図11参照)。図9および図10で示すように上部部材141が取り除かれた状態において、前部ガイドレール132が、複数のフィルタユニット保持素子または位置決め摺動部160を受ける複数の凹部を有することが分かる。各連結サイトCS1〜CS8に対して少なくとも1つのフィルタ位置決め摺動部160が存在することが好ましい。位置決め摺動部160は、前部ガイドレール132の凹部内で側方軌道130の方向を横断する方向に沿って移動し、それぞれ支柱162に沿って案内される。各位置決め摺動部160は、切込み又は凹み内縁部160Aを有し、スプリング164が対応する支柱162に外装されて、位置決め摺動部160を側方軌道130に向かって内方に付勢している。この様な構成によって、各位置決め摺動部160は、各フィルタユニット30の取付具32A、34Aをフィルタクランプアセンブリ100の対応位置の取付具108、112に整合させる補助を行い、1以上のフィルタユニット30を、連結サイトCS1〜CS8に連続的または逐次的に割り出し、位置決めすることができる。
【0039】
図11によく示されているように、少なくとも1つのフィルタユニット位置決めセンサ23が、第1の位置決め摺動部(ここでは特に160’で示されている)の上方において、フィルタクランプアセンブリ100の第1の連結サイトCS1、すなわち、フィルタユニット30がフィルタ分離アセンブリ50から側方軌道130内へと出る時に出会う第1の連結サイトに隣接する前部ガイドレール132の上部部材141の切欠き部内に設けられている。好ましくは、フィルタユニット位置決めセンサ23は、LED装置であり、光線が通過する構造間隙23Aと、導管(図示せず)を通って電子制御ユニット200と接続する導電性リード23Bとを備えている。フィルタユニット位置決めセンサ23は、ホームセンサフラグ170と協動して、第1の連結サイトCS1におけるフィルタユニット30の到着と適切な整合を検知する機能を果たす。ホームセンサフラグ170は、図9および図10に示すように、実質的に長尺の構造部材として設けられており、第1の位置決め摺動部160’から上方に突出している。
【0040】
ホームセンサフラグ170は、第1の位置決め摺動部160’と共に移動する。したがって、フィルタユニット30が側方軌道130に沿って第1の連結サイトCS1の位置に向かって移動すると、フィルタユニット30は、先ず第1の位置決め摺動部160’を側方軌道130から外方に押圧して、対応するスプリング164に蓄えられた潜在的なエネルギーを増大させる。フィルタユニット30が引き続き第1の連結サイトCS1に近接すると、第1の位置決め摺動部160’の切込み縁部160Aによりスプリング164が弛緩する。すなわち、第1の位置決め摺動部160’の切込み縁部160Aとスプリング164は、協動してフィルタユニット30を第1の連結サイトCS1における適切な整合位置に付勢し、フィルタユニット30の取付具32A、34Aは、フィルタクランプアセンブリ100の対応する取付具108、112と整合する。側方軌道130および前部ガイドレール132に対する第1の位置決め摺動部160’の変位によって、ホームセンサフラグ170は、フィルタユニット位置センサ23により生成され間隙23Aを横切る光線を遮断し、フィルタユニット位置センサ23は、フィルタユニット30が第1の連結サイトCS1における適切な整合「ホーム」位置に達したことを検出する。1以上のフィルタユニット30を側方軌道130に沿って用いる場合は、フィルタユニット位置センサ23およびホームセンサフラグ170を利用して、側方軌道130に沿って連結サイトCS1〜CS8に直線的に整合して前進したフィルタユニット30の数をカウントする。したがって、所定の数のフィルタユニット30がフィルタクランプアセンブリ100に位置決めされた後、適切な信号を電子制御ユニット200により生成して、フィルタ分離アセンブリ50の回転を停止し、側方軌道130へのフィルタユニット30の前進を停止することができる。
【0041】
図12を参照して、クランプアセンブリ位置センサ25は、フィルタクランプアセンブリ100の上部アーム102に取り付けられており、リードネジ118が回転自在に支持されている螺装リードネジナット175を跨いでいる。好ましくは、クランプアセンブリ位置センサ25は、フィルタユニット位置センサ23と同じ設計であり、光線が通過する構造間隙25Aと、導管(図示せず)を通って電子制御ユニット200と接続する導電性リード25Bとを備えている。リードネジ118は、クランプアセンブリ位置センサ25用のホームセンサフラグとしての役割を果たす。上部アーム102が下部アーム104に対して最上位に達すると、リードネジの上面は、間隙25Aの下方に位置し、この位置では、光線は遮断されず、クランプアセンブリ位置センサ25は上部アーム102が「ホーム」にあることを検出する。
【0042】
図13を参照して、電子制御ユニット200およびその関連回路の簡略概要図が示されている。電子制御ユニット200の主要な機能は、当業で公知の原理に従って、フィルタ分離アセンブリ50およびクランプアセンブリ100の相対的な動作を制御、調整することである。電子制御ユニット200は、図1に示すように、フィルタ交換装置10に組み込んで適切な位置に配置してもよいが、電子制御ユニット200は、フィルタ交換装置10から離れた位置に配置してもよい。電子制御ユニット200は、フィルタユニット位置センサ23からライン202を介して、クランプアセンブリ位置センサ25からライン204を介して、信号を受信するようになっている。また、電子制御ユニット200は、ライン206を介してフィルタ分離アセンブリ50に関連するモータ67へ、ライン208を介してフィルタクランプアセンブリ100に関連するモータ116へ、信号を送信するようになっている。電子制御ユニット200は、コンピュータコード化コマンドと、好ましくはRS232およびRS485シリアルコマンドを副制御ユニット220からライン210を介して受け取るようにしてもよい。または、電子制御ユニット200自体が、入力コマンドの処理と信号の調整との両方を行うようにしてもよい。副制御ユニット220は、リモートコンピュータ端末など、CPUベースの装置として設けてもよく、フィルタ交換装置10と連通する流体ラインの上流側または下流側に配置された別の装置の一部としての電子制御装置であってもよい。
【0043】
動作において、フィルタ交換装置10は、フィルタユニット30のスタックを収容する所定数のマガジン40(例えば、1〜8個のマガジン40)を取り扱うように構成されている。そして、1以上のマガジン40は、フィルタ分離アセンブリ50のバレル部70の内孔70A内に装填される。この時点で、ベースブロック80に対するロータ60およびマガジン40の回転位置にもよるが、スタックの一つの最下位のフィルタユニット30が、ベースブロック80の上面80Aに載置されるか、または入口位置84内の螺旋溝82の開始部に直接載置される(図6および図7参照)。通常の使用時には、所定数の使用済フィルタユニット30が、側方軌道130に沿って連結サイトCS1〜CS8に動作状態で位置し、クランプアセンブリ100は、完全閉鎖位置すなわちクランプ位置にある。したがって、各使用済フィルタユニット30の雄型および雌型取付具34A、32Aは、クランプアセンブリ100の対応する雌型および雄型取付具112、108と接合しており、フィルタ交換装置10が動作している流体回路は閉鎖状態であり、したがって、流体流路は動作状態である。
【0044】
動作中のフィルタユニット30を新品フィルタユニット30と交換すべきであると(手動またはプログラムされた計画により)決定されると、電子制御ユニット200は、フィルタニット30を交換するコマンドを生成するか、または副制御ユニット220からこの様なコマンドを受信する。フィルタ交換のためのこの様なコマンドに従って、電子制御ユニット200は、クランプアセンブリモータ116を起動するために適切な制御信号を送信する。モータ116は、リードネジ118を起動し、クランプアセンブリ100の上部アーム102を上方に移動させ、クランプアセンブリ100を開放し、側方軌道130に存在するフィルタユニット30をクランプアセンブリ100の取付具108、112から離脱させ、最終的に流体回路を開放回路状態に切り替える。上部アーム102が図12に示す最上位の「ホーム」位置に到達すると、上記のように、この事が、クランプアセンブリ位置センサ25によって検出され、クランプアセンブリ位置センサ25は、電子制御ユニット200に変換信号を送信する。これに応答して、電子制御ユニット200は、適切な制御信号を送信してフィルタ分離アセンブリモータ67を起動し、これにより、ロータ60は、ロータシャフト65の軸を中心に反時計回りにフィルタ分離アセンブリ50を回転させる。
【0045】
ロータ60がフィルタ分離アセンブリ50のマガジン回転台55を回転させると、少なくとも1つのマガジン40の最下位のフィルタユニット30がバレル部70から入口位置84を通って螺旋溝82へと重力により落下し、ロータ60の下部凹部60Bの1つによって案内される。図5に全体的に示されているように、他のマガジン40のフィルタニット30は、同じ通り道を辿り始める。ベースブロック80の突起リップ88によって、最下位のフィルタユニット30が螺旋溝82の曲線の通り道に沿って適切に移動し始め、最下位のフィルタユニットの上部シェル部32がリップ88の下を通過する。ロータ60が回転し続けると、図7を参照して上記に記載したとおり、螺旋溝82のピッチが増加していく。結果的に、螺旋溝82に対するロータ60の回転によって、最下位のフィルタユニット30と、最下位のフィルタユニット30に連結されたフィルタユニットとの間隔が大きくなる。ベースブロック80のある地点において、最下位のフィルタユニット30は、関連するフィルタスタックから完全に切り離される。更に回転すると、分離されたフィルタユニット30は、出口位置86を通ってベースブロック80(そして、フィルタ分離アセンブリ50)から排出され、側方軌道130に入る。
【0046】
図5、図9、図10を参照して、例示として、8個の新品フィルタユニット30を8個の古いフィルタユニット30と交換すると仮定すると、側方軌道130に沿って移動しているフィルタユニット30は、後続のフィルタユニット30に押され、連結サイトCS1〜CS8を通って割り出されて引き続き前進する。フィルタユニット位置センサ23は、第1の連結サイトCS1で拘束されて通過する各フィルタユニット30の存在を上記のような方法で検出する。したがって、各フィルタユニット30が第1の連結サイトCS1を通過すると、フィルタユニット位置センサ23は、電子制御ユニット200に変換信号を送信し、電子制御ユニット200は、側方軌道130に入るフィルタユニット30の数(したがって、クランプアセンブリ100に装填されているフィルタユニット30の数)をカウントする。さらに、次に割り出される連結サイトCS2〜CS8に各フィルタユニット30が前進すると、1つの使用済フィルタユニット30が、側方軌道130の排出端部138を通ってフィルタ交換装置10から押し出され、必要であれば廃棄物受口に収集される。8個のフィルタユニット30がカウントされると、電子制御ユニット200は、適切な制御信号を生成して、フィルタ分離アセンブリモータ67を停止する。この時点で、上記のようなフィルタユニット位置決め摺動部160の動作によって、側方軌道130に存在する各フィルタユニット30は、図10〜図12によく示されているように、クランプアセンブリ100の取付具108、112に適切に整合して対応する連結サイトCS1〜CS8に位置決めされる。最後に、電子制御ユニット200によって、クランプアセンブリ100は、新たに装填されたフィルタユニット30の取付具32A、34Aとクランプアセンブリ100の対応する取付具108、112とを接合し、自動的にインラインで装着された新品フィルタユニット30との連続流体回路が再度確立される。
【0047】
フィルタ交換装置10が、1以上のフィルタユニット30をスタック状または柱状の配列から、個別化あるいは割り出された横並びの配列に変換するために有用であることは、上記の説明から明らかであろう。さらに、上記のようなフィルタ交換装置10の設計、その様々な部材の設計、そして、様々な部材の相互作用によって、フィルタ交換装置10の動作および機能は、フィルタ交換装置10の使用において直面すると予想される様々な状況の悪影響を受けなくて済む。この様な状況には、(1)マガジン回転台55において異なる数のフィルタユニット30を複数のマガジン40に装填した場合、(2)バレル部70の1以上の内孔70Aにマガジン40が存在しない場合、(3)フィルタ分離アセンブリ50の回転中に、スタックの最下位のフィルタユニット30がベースブロック80の入口位置84へとうまく落下しなかった場合がある。
【0048】
本発明の様々な詳細事項は、本発明の範囲を逸脱することなく変更することができると理解される。さらに、上記の説明は、単なる例示であって、請求項により定義される本発明を制約するものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、流体の調整、サンプリング、分配、検査プロセスに係わる媒体または流体の濾過に関する。特に、本発明は、使用済または消費済フィルタと未使用または新品のフィルタとの自動的なインラインでの取替または交換に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプのフィルタ素子が、流体ハンドリングシステムの一部を構成する流体ラインや流体回路を流れる媒体または流体を濾過するために利用されている。流体システムは、1以上の調整、サンプリング、分析作業を含む数多くのプロセスに役立っている。例示すると、高効率液体試料分析や、高圧液体クロマトグラフィ、溶解テストがある。フィルタ素子は、この様なシステムにインラインで装着されている場合が多く、この目的のために、流体が内部を移動する回路に着脱可能な取付具を備えたある種のフィルタユニット中に収容可能となっている。大抵の工学装置と同様に、フィルタ素子も使用寿命が限られていることは周知である。すなわち、耐用期間の後、フィルタは、劣化や閉塞など、もはや使いものにならなくなったり、少なくともフィルタを装着した流体ラインの性能の劣化、制約が起こるような状態となる。したがって、定期的に、好ましくは所定の保守計画に従ってフィルタを交換しなければならない。流体の搬送、濾過に係わるプロセスによっては、フィルタ交換に要する労力やダウンタイムが、重要な基準となり得る。したがって、フィルタ交換作業を自動化する手段、あるいはフィルタ交換の自動化を改善する手段は、関連産業に歓迎される。
【0003】
認識されているフィルタ交換に関する問題点の一解決策が、Van DenOeverに付与された下記特許文献1に開示されている。この特許に開示されている実施形態では、円筒形フィルタ繰出装置と、円筒形フィルタクランプ装置と、円筒形フィルタ排出装置と、これらの装置に個々のフィルタを搬送する手段とを備えた自動フィルタ交換装置が提供されている。これらの装置は、直線的あるいは回転式に配列されている。直線的配列においては、電動式リードネジおよび関連摺動部材を利用してフィルタを搬送する。回転式配列においては、摺動部材の代わりに回転部材が設けられている。
【0004】
上記の開示によれば、フィルタの垂直スタックが、フィルタ繰出装置の中空シリンダ内に装填され、搬送手段が適当な位置に達すると、最下位のフィルタが搬送手段の開口部内に落下する。そして、搬送手段は、フィルタをクランプ装置の下方位置に移動させる。クランプ装置は、流体サンプリングラインの一部が通る空圧ラムである。ラムは、フィルタを圧下し、フィルタと流体サンプリングラインとの接続を確立するので、サンプリングラインを流れる流体はフィルタを通過し濾過される。そして、フィルタは、排出装置へと搬送され、そこで、フィルタは、中空シリンダの下方の第2の空圧ラムの上方に位置決めされる。第2の空圧ラムは、フィルタを中空シリンダ内へと上方に移動させ、フィルタは、そこに保持リングの補助により保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,450,982号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィルタ交換、特に流体回路のインラインで動作するタイプのフィルタの交換のための自動的な方法および装置を提供する、より実用的かつ効果的な解決策が必要であると考えられている。特に、ハウジングから外方に延びるインレット取付具およびアウトレット取付具を有するフィルタの交換を自動化する必要性がある。この様なフィルタは、スタック状または柱状の形態で供給される場合が多く、スタック中の各フィルタが、隣接するフィルタの取付具の接合によって隣接フィルタと接続されている。したがって、本発明は、後述するように、フィルタ、特にインラインフィルタの交換または取替のための新規な自動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般的に、フィルタ繰出アセンブリおよび/またはフィルタクランプアセンブリを備えたフィルタ交換または取替システムを提供する。各装置は、制御自動フィルタ交換プロセスを成功裏に実施できる新規な特性を備えている。フィルタ繰出装置は、例えば、モータおよび関連シャフトの使用により回転可能である。フィルタ繰出装置は、フィルタ貯蔵ユニット、例えば、複数のフィルタが最初は接続スタックとして貯蔵される1以上のマガジンを受けるようになっている。フィルタ繰出装置は、静止部を有するフィルタ分離装置を備えている。フィルタ分離装置は、1以上のフィルタスタックを個々のフィルタユニットに分離する動作を行い、個々のフィルタをフィルタ繰出装置から順次搬送して、好ましくはフィルタ位置決め装置が設けられている側方ガイド軌道へと搬送するようになっている。
【0008】
フィルタクランプアセンブリは、フィルタ繰出装置と協動し、そこから繰り出される1以上の個々のフィルタユニットを受け取るようになっており、1以上の流体ラインと流体連通する1以上の連結サイトを提供する。フィルタクランプアセンブリは、モータおよび関連リードネジなどの手段によって駆動され、作動する。フィルタクランプ装置の交互または周期的な動作によって、使用済フィルタを流体ラインに関連して設けられた取付具から離脱させ、未使用のフィルタを取付具に装着する。
【0009】
好ましくは、フィルタ位置検出装置が、例えば、側方ガイド軌道に取り付けられてクランプアセンブリに設けられており、クランプ位置検出装置が、クランプアセンブリの可動部の位置を監視するために別に設けられている。この様にすると、位置検出装置およびモータに電気的に接続するように電子制御ユニットを配置して、フィルタ繰出装置およびフィルタクランプ装置の各動作を監視、制御することができ、これらの装置の動作を調整することもできる。
【0010】
フィルタ繰出装置は、長手軸を有する回転部材と静止部材とを備えていてもよい。この場合、静止部材は、回転部材と同軸に配置された環状の内面を備えていてもよい。この場合、静止部材は、インレット開口部と、インレット開口部から軸方向に離間して設けられたアウトレット開口部と、前記内面に形成されたチャネルとを備えていてもよい。この場合、チャネルは、前記長手軸に対して略螺旋状の通り道に沿って延び、そのピッチは一様ではないものとすることができる。この場合、チャネルのピッチは、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっていてもよい。この場合、チャネルは、インレット開口部およびアウトレット開口部と連通していてもよい。
【0011】
フィルタ繰出装置は、回転シャフトと、前記シャフトに取り付けられフィルタの第1の通り道を構成するフィルタハンドリング装置と、フィルタ分離装置とを備えていてもよい。この場合、フィルタ分離装置は、前記シャフトと同軸に固定配置された環状の内面を有していてもよい。この場合、フィルタ分離装置は、フィルタの第1の通り道と連通して配置された入口位置と、この入口位置から軸方向に離間して配置された出口位置と、前記内面に形成されフィルタの第2の通り道を構成するチャネルとを備えていてもよい。この場合、チャネルは、前記シャフトに対して略螺旋状に配向して延びていてもよく、この場合、チャネルのピッチは一様ではなくともよく、この場合、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっていてもよい。この場合、チャネルは、入口位置および出口位置と連通していてもよい。
【0012】
フィルタクランプアセンブリは、アクチュエータと、第1のアームと、第2のアームと、軌道と、フィルタ位置決め摺動部とを備えていてもよい。この場合、第1のアームは、第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えていてもよい。この場合、第2のアームは、アクチュエータに可動係合して設けられてもよく、この場合、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備えていてもよい。この場合、アクチュエータは、第1のアームと第2のアームとの間の距離であって第1のアームおよび第2のアームに垂直な方向の距離を調節するようになっていてもよい。この場合、軌道は、第1の取付具と第2の取付具との間に介在し、軌道方向に沿って延びていてもよい。この場合、フィルタ位置決め摺動部は、軌道方向を横断する摺動方向に沿って摺動可能であってもよい。
【0013】
フィルタクランプアセンブリは、アクチュエータと、第1のアームと、第2のアームと、軌道と、複数の第1の付勢部材と、複数の第2の付勢部材とを備えていてもよい。この場合、第1のアームは、複数の第1の取付具を備えていてもよく、この場合、第1の取付具は、それぞれ、第1のアームに対して移動可能に設けられていてもよい。この場合、第2のアームは、アクチュエータに可動係合して設けられていてもよく、この場合、複数の第2の取付具を備えていてもよく、この場合、第2の取付具は、それぞれ、第2のアームに対して移動可能に設けられていてもよい。この場合、アクチュエータは、第1のアームと第2のアームとの間の軸方向距離を調節するようになっていてもよい。この場合、軌道は、第1の取付具と第2の取付具との間に介在していてもよい。この場合、第1の付勢部材は、それぞれ、対応する第1の取付具に係合して、第1のアームに対して当該第1の取付具の移動を付勢してもよい。この場合、第2の付勢部材は、それぞれ、対応する第2の取付具に係合して、第2のアームに対して当該第2の取付具の移動を付勢してもよい。
【0014】
自動フィルタ交換装置は、フィルタ分離装置とフィルタクランプ装置とを備えていてもよい。この場合、フィルタ分離装置は、回転部と、回転部と同軸に配置された静止部とを備えていてもよい。この場合、静止部は、環状の内面と、出口位置と、前記内面に形成されたチャネルとを備えていてもよい。この場合、チャネルは、回転部に対して螺旋状の通り道に沿って延びていてもよく、この場合、チャネルのピッチは一様ではなくともよく、この場合、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっていてもよい。この場合、チャネルは、出口位置と連通していてもよい。この場合、フィルタクランプ装置は、出口位置と連通するフィルタガイド部と、第1の取付具と、この第1の取付具に対して移動可能な第2の取付具とを備えていてもよい。
【0015】
本発明の第1の実施形態によれば、自動フィルタ交換装置は、フィルタ繰出装置と、アクチュエータと、第1のアームと、第2のアームと、軌道とを備えている。第1のアームは、第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えている。第2のアームは、アクチュエータに可動係合して設けられており、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備えている。アクチュエータは、第1のアームと第2のアームとの間の軸方向距離(第1のアームおよび第2のアームに垂直な方向の距離)を調節するようになっている。軌道は、フィルタ繰出装置と連通しており、第1の取付具と第2の取付具との間に介在している。
【0016】
本発明の第2の実施形態によれば、自動フィルタ交換装置は、フィルタ繰出装置と、フィルタ位置決め軌道と、フィルタ連結装置とを備えている。フィルタ位置決め軌道は、フィルタ繰出装置と連通しており、側方に離間配置された複数のフィルタ連結サイトを構成している。フィルタ連結装置は、複数の第1の流体用取付具と、複数の第2の流体用取付具とを備えている。第1の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの上方に配置され、第2の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの下方に配置されている。
【0017】
本発明の第3の実施形態によれば、自動フィルタ交換装置は、フィルタ繰出装置と、フィルタ位置決め軌道と、フィルタクランプ装置と、第1の位置検出装置と、第2の位置検出装置と、前記第1および第2の位置検出装置と接続された電子制御ユニットとを備えている。フィルタ位置決め軌道は、フィルタ繰出装置と動作接続して設けられており、複数の側方に離間配置されたフィルタ連結サイトを構成している。フィルタクランプ装置は、可動部材と、略対向配置された複数の第1および第2の流体用取付具とを備えている。第1の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの上方に配置され、第2の流体用取付具は、それぞれ、連結サイトの下方に配置されている。第1の位置検出装置は、連結サイトの1つに動作整合して配置されている。第2の位置検出装置は、フィルタクランプ装置の可動部材に動作整合して配置されている。
【0018】
本発明の第4の実施形態によれば、流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置は、回転フィルタハンドリング装置と、静止フィルタハンドリング装置と、フィルタガイド装置と、フィルタクランプ装置とを備えている。回転フィルタハンドリング装置は、略下流側のフィルタの第1の通り道を構成している。静止フィルタハンドリング装置は、フィルタの第1の通り道と連通する略螺旋状のフィルタの第2の通り道を構成している。フィルタガイド装置は、フィルタの第3の通り道を構成している。フィルタの第3の通り道は、フィルタの第2の通り道と連通しており、フィルタの第1の通り道をほぼ横断する向きとなっている。フィルタクランプ装置は、流体ラインと連通し、フィルタガイド装置内に配置されたフィルタと離脱可能に係合するようになっている。
【0019】
本発明の第5の実施形態によれば、流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置は、フィルタ貯蔵装置と、フィルタクランプ装置と、複数のフィルタをフィルタ貯蔵装置内でのスタック配列からフィルタクランプ装置内での連続側方配列へと搬送する手段とを備えている。
本発明の第6の実施形態によれば、複数のフィルタを複数の対応する流体ラインに接続するための装置は、フィルタ貯蔵装置と、フィルタクランプ装置と、フィルタ搬送手段と、クランプ力分配手段とを備えている。フィルタクランプ装置は、複数対のインレット/アウトレット取付具を備えており、インレット/アウトレット取付具の各対は、流体ラインと連通するようになっている。フィルタクランプ装置は、フィルタクランプ装置内に受け取られた複数のフィルタに総クランプ力を付与して、総クランプ力の分力の影響下において、各フィルタを対応するインレット/アウトレット取付具対と流体連通するように接続する。フィルタ搬送手段は、フィルタ貯蔵装置からフィルタクランプ装置へと複数のフィルタを搬送する。クランプ力分配手段は、総クランプ力を複数のフィルタに分配して、フィルタクランプ装置によって各フィルタに付与された総クランプ力の分力のバラツキを減少させる。
【0020】
本発明の第7の実施形態によれば、流体ラインにフィルタを接続するための装置は、フィルタ貯蔵装置と、フィルタクランプ装置と、フィルタ搬送手段と、フィルタ位置決め手段とを備えている。フィルタクランプ装置は、流体ラインと連通するようにしたインレット取付具とアウトレット取付具とを備えている。フィルタ搬送手段は、第1および第2の取付具を有するフィルタをフィルタ貯蔵装置からフィルタクランプ装置へと搬送する。フィルタ位置決め手段は、フィルタの第1の取付具をフィルタクランプ装置のインレット取付具に整合させ、フィルタの第2の取付具をフィルタクランプ装置のアウトレット取付具に整合させる。
【0021】
フィルタを流体ラインまたは流体回路に順次連結する装置に1以上のフィルタを繰り出すための装置が提供される。
また、当初スタック状に設けられた複数のフィルタを繰り出すための装置であって、スタックの各フィルタの取付具が、通常、隣接するフィルタの取付具と接合しており、フィルタスタックが分離装置に出会うと、各フィルタが他のフィルタから分離され、結果的に、各フィルタが他のフィルタに対して別個に繰り出される装置が提供される。
【0022】
本発明の目的は、個々の未使用のフィルタをフィルタクランプ装置に繰り出し、既存のフィルタを流体ラインから離脱させ、流体ラインの適切な連結サイトに未使用のフィルタを位置決めし、未使用のフィルタを連結サイトにおいて流体ラインに連結することによって、流体ライン内において動作する1以上の既存フィルタを1以上の未使用のフィルタと取り替えるための自動装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、クランプ装置に装填される個々のフィルタの数をカウントし、クランプ装置が使用済フィルタを新品フィルタと交換可能な開放状態に達した時点を決定することによって、フィルタ繰出装置の動作をフィルタクランプ装置と連携させるフィルタ交換装置を提供することである。
本発明の更なる目的は、使用済フィルタを流体ラインから離脱させ、次に未使用のフィルタと交換するためのフィルタクランプ装置であって、各フィルタを対応する流体ラインのインレット/アウトレット取付具に接続するために必要なクランプ力を均一に分配することができるフィルタクランプ装置を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、フィルタ交換装置によって搬送されてきたフィルタがフィルタクランプ装置と適切に整合するようにしたフィルタ位置決め装置を備えたフィルタ交換装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に係るフィルタ交換装置を組み立てた状態で示す斜視図である。
【図2】図2A、図2Bは、それぞれ、図1に示すフィルタ交換装置と共に好適に用いられるフィルタユニットの分解側面図と組立側面図である。
【図3】図1に示すフィルタ交換装置の一部を構成するフィルタユニット分離アセンブリの回転部の斜視図である。
【図4】図1に示すフィルタ交換装置と共に用いられる、接続フィルタユニットのスタックが内部に保持されているフィルタユニット貯蔵マガジンの側面図である。
【図5】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細な斜視図であり、フィルタユニット分離アセンブリが一部破断図で示されており、フィルタ交換装置の作動中に一連のフィルタユニットが移動する螺旋の通り道とそれに続く側方の通り道を示すために、フィルタ交換装置の一部部材が取り除かれている。
【図6】フィルタユニット分離アセンブリの静止部の斜視図であり、内部のネジ切りまたは溝切り設計を示す。
【図7】図6に示す静止部の一部破断斜視図である。
【図8】図1に示すフィルタ交換装置の一部を構成するフィルタユニットクランプアセンブリの斜視図である。
【図9】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、図8に示すフィルタユニットクランプアセンブリがフィルタ交換装置に取り付けられている。
【図10】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、フィルタ交換装置の一部を構成する側方軌道と、側方軌道内にフィルタユニットを位置決めするために利用される部材とを強調するために、フィルタユニットクランプアセンブリの一部が取り除かれている。
【図11】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、本発明に従って検出装置が設けられている。
【図12】図1に示すフィルタ交換装置の一部分の詳細斜視図であって、本発明に従って別の検出装置が設けられている。
【図13】本発明と共に用いられる電子制御回路の簡略概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
上記およびその他の本発明の目的の一部は、以下に示す添付図面を参照しながら説明が進むにつれて明らかになるであろう。
図1を参照して、全体的に10で示す自動インラインフィルタ交換装置が組み立てられた状態で示されている。例示として、フィルタ交換装置10は、通常、上部デッキ12と下部デッキ14とを備えた構造的な枠組みを有する。上部デッキ12は、1以上のスペーサ部材16によって下部デッキ14の上方に支持されている。広義に言えば、フィルタ交換装置10は、全体的に50で示すフィルタユニット貯蔵/分離/繰出アセンブリ(以降「フィルタ分離アセンブリ50」と称する)と、全体的に100で示されているフィルタユニットクランプアセンブリと、全体的に200で示す電子制御ユニットとを備えている。図1に示す実施形態において、フィルタ分離アセンブリ50およびフィルタクランプアセンブリ100は、上部デッキ12上に支持されている。また、フィルタ交換装置10は、全体的に130で示すフィルタユニット位置決め軌道(以下、「側方軌道130」という。)を備え、これも上部デッキ12上に取り付けられている。1以上の一連の流体ライン取付具18は、下部デッキ14に取り付けられたブラケット21内に取り付けられており、流体回路(図示せず)の導管に連結されるようになっている。フィルタ交換装置10は、全体的に23で示すフィルタユニット位置センサと、全体的に25で示すフィルタユニットクランプアセンブリ位置センサとを更に備えており、その詳細と機能については後述する。図1に示すフィルタ交換装置10の種々の部材の多くは、フィルタ分離アセンブリ50の上部を除き、着脱可能な上部カバーを有するハウジング構造内に収容されていることが好ましく、分かり易くするために図示されていない。
【0027】
本発明の好適な実施において、フィルタ分離アセンブリ50、フィルタクランプアセンブリ100、および電子制御ユニット200は、「インライン」型フィルタユニットの交換を自動化するために相互に協動する。この様なフィルタユニットは、通常、流体サンプリングシステムまたは流体分配システムに用いられているものとすることができる。適切なフィルタユニットは、Millipore社で製造されており、VanKel Technology GroupからPart No.17−4220として入手できる。図2A、図2Bの分解図および組立図は、全体的に30で示す適切なフィルタユニットの一例を示す。フィルタユニット30は、Luer型取付具を有し、これは可撓性導管または配管に取り付けた時に適切な封止の確立に軸方向の負荷しか必要としない。典型的なフィルタユニット30は、中空の雌型取付具32Aを有する上部シェル部32と、中空の雄型取付具34Aを有する下部シェル部34と、その間に収容されるフィルタ素子36とを備えている。図1に示すフィルタ交換装置10の実施は、数々の化学関連プロセスに有用であり、この様なプロセスにおいては、フィルタユニット30が閉塞や薬品の残留、その他、フィルタ交換を要する状態に陥りやすく、この様な交換を他の装置または器具と関連付けて制御したり時期設定することが好適である。
【0028】
図3〜図7を参照して、フィルタ分離アセンブリ50と関連部材に関する様々な詳細事項が示されている。ここに示されている典型的なアセンブリ50は、未使用のフィルタユニット30の供給の貯蔵や、個々のフィルタユニット30の分離、およびフィルタクランプアセンブリ100への個々のフィルタユニット30の配送といった機能を果たす。好適な実施形態において、これらの機能は、回転部および静止部を有する単一のアセンブリに組み込まれているが、本発明によれば構造的に別個の貯蔵サブアセンブリ、分離サブアセンブリ、繰出サブアセンブリで実施可能であると理解される。
【0029】
特に図3を参照して、フィルタ分離アセンブリ50は、全体的に55で示すフィルタユニットマガジン回転台の形態のフィルタユニットマガジン保持/支持装置と、これに取り付けられたロータ60とを備えている。図4を参照して、マガジン回転台55は、全体的に40で示す1以上のフィルタユニットマガジン、例えば、好ましくは管状または円筒状の8個のマガジン40を保持、支持するようになっている。図4に示すように、フィルタユニットマガジン40は、マガジン壁42と、上部および下部開口端部42A、42Bを有する。マガジン壁42は、透明な素材で構成されていることが好ましい。フィルタユニットマガジン40は、スタック配列のフィルタユニット30などの複数のフィルタユニットを受け取り、貯蔵するようになっており、1以上のフィルタユニット30の雄型取付具34Aを隣接フィルタユニット30の雌型取付具32Aに挿入することによって、各フィルタユニット30は、少なくとも1つの隣接するフィルタユニット30と接続または接合している。ある典型的な実施形態において、各マガジン40は、25個のフィルタユニット30のスタックまたはカラムを貯蔵し、8個のマガジン40を用いた場合に、合計200個の未使用のフィルタユニット30をフィルタ分離アセンブリ50に装填できるようになっている。必要であれば、更に多くのフィルタユニット30を保持するためにマガジン40を延長することもできる。端部キャップ44が各マガジン40の上端部42Aに取り付けられ、上端部42Aを閉鎖している。別の端部キャップ(図示せず)が下端部42Bに取り付けられ、マガジン40がマガジン回転台55に装着されていない時に、フィルタユニット30のスタックをマガジン40内に完全に閉じ込めるようになっている。
【0030】
図3を再び参照して、マガジン回転台55は、1以上の長尺スペーサ部材59によってロータ60から離間配置された上部ラック57を備えている。上部ラック57は、マガジン回転台55に装着された各マガジン40の外形を側方に支持、あるいは少なくとも収容するような形状の凹部57Aが形成されている。1以上のマガジン40は、その下端部42Bをバレル部70の内孔70Aに挿入することによってフィルタ分離アセンブリ50に装着される。実施される特定の設計にもよるが、バレル部70は、マガジン回転台55またはロータ60の一部を構成するものと考えられる。さらに図3に示すように、ロータ60は、バレル部70の上方に位置する上部凹部60Aと、バレル部70の下方に位置する下部凹部60Bとを備えている。上部凹部60Aは、マガジン40の形状を収容するような形状であり、下部凹部60Bは、後で詳述するように、バレル部70から搬出されるフィルタユニット30の形状を収容するような形状である。
【0031】
図1および図5の破断図を参照して、フィルタ分離アセンブリ50は、内部螺装の環状のベースブロックまたは鍔部80が、バレル部70下方の上部デッキ12上に取り付けられており、少なくともロータ60の下部を取り囲んでいる。マガジン回転台55およびロータ60は、ロータシャフト65の軸を中心に、図5中矢印Aで示す反時計回りの方向に共回転する一方、ベースブロック80は、静止したままである。図1を再び参照して、ロータシャフト65は、フィルタユニット交換装置10の上部および下部デッキ12、14の間に収容されたステッパモータ67によって駆動される。モータ67は、ブラケット67Aにより支持されており、上部デッキ12の下に配置された適切なギアまたは伝達手段(特に図示せず)が、モータ67とロータシャフト65との間の機械的な連結および回転速度調節を提供する。
【0032】
図6および図7を参照して、ベースブロック80は、ベースブロック80の上部付近の始点Bからベースブロック80の底部付近の終点(特に図示せず)まで延びる略螺旋状または渦巻状通り道に沿って配向する螺旋状または渦巻状の連続溝またはチャネル82(以下、「螺旋溝82」という。)を備えている。下記のような目的のために、螺旋溝82は、矢印Cで示す軸方向に増加するピッチにより特徴付けられる。ピッチの増加は、図7において、ベースブロック80の断面に沿って示す軸方向に離間する高度点E1、E2、E3、E4における螺旋溝82の下面82A間の距離D1、D2、D3、D4の増加を観察することにより説明される。螺旋溝82およびベースブロック80への個々のフィルタユニット30の入口点およびそこからの出口点を提供するために、ベースブロック80には、84で示すフィルタユニット入口位置および86で示すフィルタユニット出口位置が形成されている。入口位置84は、通常、点Bとリップ88との間に形成されており、リップ88は、ベースブロック80の上面80Aに形成され、ロータシャフト65の軸に向かって半径方向内方に突出している。出口位置86は、多数の面または縁部、例えば、そこから排出されるフィルタユニット30の外形を収容するように部分的に設計された面80Bおよび80Cによって形成されている。
【0033】
図8〜図10を参照して、フィルタ交換装置10のフィルタユニットクランプアセンブリ100および関連部材について更に詳しく説明する。下記から明らかなように、フィルタクランプアセンブリ100の主要な機能は、フィルタ分離アセンブリ50から繰り出される1以上の新品フィルタユニット30を、フィルタクランプアセンブリ100と連通する流体回路に連結し、これを介して1以上の流路を確立することと、この様なフィルタユニット30が所定の期間または所定のサイクル数使用した後、使用済フィルタユニット30を流体回路から離脱することである。説明の目的で、フィルタクランプアセンブリ100は、全体的にCS1〜CS8で示す1以上の流体連結サイトが形成されている(図10参照)。ここで参照する流体回路は、流体ポンプ、溶解試験ステーション、液体クロマトグラフィ装置など、フィルタ交換装置10の上流側および下流側に配置された様々な装置を含む数々の様々なタイプのプロセスの一部とすることができる。
【0034】
フィルタユニットクランプアセンブリ100は、上部アーム102と、下部アーム104と、1以上の縦レール106とを備え、この縦レール106に沿って上部アーム102が下部アーム104に対して摺動する。図1および図9に示す典型的な実施形態において、下部アーム104は、フィルタ交換装置10の上部デッキ12の下面に固定されている。1以上の上部雄型取付具108が、上部アーム102の厚さ方向に貫通して移動可能に支持され、荷重スプリング110によって付勢されている。同様に、1以上の対応する下部雌型取付具112が、上部取付具108に同軸整合するように下部アーム104の厚さ方向に貫通して移動可能に支持され、荷重スプリング114によって付勢されている。したがって、各連結サイトCS1〜CS8に対して1対の上部および下部取付具108、112が存在し、上部取付具108は側方軌道130の略上方に配置され、下部取付具112は側方軌道130の略下方に配置されている。下部アーム104に対する上部アーム102の変位は、図1に示すようにフィルタ交換装置10の上部および下部デッキ12、14の間に取り付けられたステッパモータ116および関連のリードネジ118によって駆動される。
【0035】
図示の駆動手段は、クランプ力の維持のために連続的な動力を必要としないので、その強度、速度、信頼性、制御性、静寂性にとって好適である。しかし、必要なクランプ力によるクランプ動作を行うために、空圧またはソレノイド型のアクチュエータなど、その他の公知の手段をステッパモータ116とリードネジ118の代わりに設けてもよいと理解される。
【0036】
荷重スプリング110、114によって、クランプアセンブリ100により付与される過剰なクランプ力でフィルタユニット30の取付具32A、34Aの破損やフィルタユニット30の圧壊が起こらず、使用時に1を越えるフィルタユニット30をフィルタクランプアセンブリ100に配置した時に、側方軌道130に存在する幾つかのフィルタユニット30にクランプ力が均一に分配される。すなわち、典型的な実施形態において、上部取付具108が全て単一の上部アーム102内に支持され、下部取付具112が全て単一の下部アーム104内に支持されるので、クランプアセンブリ100によって生成される総クランプ力の一部が、連結サイトCS1〜CS8に存在する各フィルタユニット30に伝達される。しかし、本発明に係るクランプアセンブリ100の設計によって、この総クランプ力が各フィルタユニット30にほぼ均一に分配されるので、あるフィルタユニット30に付与されるクランプ分力は、その他各フィルタユニット30に付与されるクランプ分力とほぼ等しくなる。
【0037】
図1および図9〜図11を参照して、側方軌道130および関連のフィルタユニット位置センサ23が示されている。側方軌道130は、フィルタ分離アセンブリ50に対して側方に設けられている。側方軌道130、上部取付具108、下部取付具112は、直線的に配置されていることが好ましいが、フィルタクランプアセンブリ100へのフィルタユニット30の連続的な横並びの装填に影響を及ぼさない限り、曲線的な配向を採用してもよいと理解される。側方軌道130は、フィルタ交換装置10の上部デッキ12上に互いに対向して取り付けられた前部ガイドレール132および後部ガイドレール134を備えている。前部および後部ガイドレール132、134は、それぞれ、対向するチャネルまたは溝132A、134Aを有し、前部および後部ガイドレール132、134の間の間隙と共に、フィルタユニット30の横断面形状を収容する横断形状を有する開放軌道空間を提供する。この様に、フィルタユニット30は、その雌型取付具32Aを上に向けて側方軌道130を側方に摺動して案内される。さらに、各連結サイトCS1〜CS8において、フィルタユニット30の雌型取付具32Aは、対応するフィルタクランプアセンブリ100の雄型取付具108と整合可能となり、そして、フィルタユニット30の各雄型取付具34Aは、フィルタクランプアセンブリ100の対応する雌型取付具112と整合可能となる。開放軌道空間は、ベースブロック80の出口位置86と直接的または間接的に連通する側方軌道130の導入端部(特に図示せず)で始まり、138で示す排出端部で終わる。排出端部138から排出されるフィルタユニット30を受けるために、廃棄物受口(図示せず)を設けてもよい。
【0038】
前部ガイドレール132は、着脱可能な上部部材141を備えていることが好ましい(図1および図11参照)。図9および図10で示すように上部部材141が取り除かれた状態において、前部ガイドレール132が、複数のフィルタユニット保持素子または位置決め摺動部160を受ける複数の凹部を有することが分かる。各連結サイトCS1〜CS8に対して少なくとも1つのフィルタ位置決め摺動部160が存在することが好ましい。位置決め摺動部160は、前部ガイドレール132の凹部内で側方軌道130の方向を横断する方向に沿って移動し、それぞれ支柱162に沿って案内される。各位置決め摺動部160は、切込み又は凹み内縁部160Aを有し、スプリング164が対応する支柱162に外装されて、位置決め摺動部160を側方軌道130に向かって内方に付勢している。この様な構成によって、各位置決め摺動部160は、各フィルタユニット30の取付具32A、34Aをフィルタクランプアセンブリ100の対応位置の取付具108、112に整合させる補助を行い、1以上のフィルタユニット30を、連結サイトCS1〜CS8に連続的または逐次的に割り出し、位置決めすることができる。
【0039】
図11によく示されているように、少なくとも1つのフィルタユニット位置決めセンサ23が、第1の位置決め摺動部(ここでは特に160’で示されている)の上方において、フィルタクランプアセンブリ100の第1の連結サイトCS1、すなわち、フィルタユニット30がフィルタ分離アセンブリ50から側方軌道130内へと出る時に出会う第1の連結サイトに隣接する前部ガイドレール132の上部部材141の切欠き部内に設けられている。好ましくは、フィルタユニット位置決めセンサ23は、LED装置であり、光線が通過する構造間隙23Aと、導管(図示せず)を通って電子制御ユニット200と接続する導電性リード23Bとを備えている。フィルタユニット位置決めセンサ23は、ホームセンサフラグ170と協動して、第1の連結サイトCS1におけるフィルタユニット30の到着と適切な整合を検知する機能を果たす。ホームセンサフラグ170は、図9および図10に示すように、実質的に長尺の構造部材として設けられており、第1の位置決め摺動部160’から上方に突出している。
【0040】
ホームセンサフラグ170は、第1の位置決め摺動部160’と共に移動する。したがって、フィルタユニット30が側方軌道130に沿って第1の連結サイトCS1の位置に向かって移動すると、フィルタユニット30は、先ず第1の位置決め摺動部160’を側方軌道130から外方に押圧して、対応するスプリング164に蓄えられた潜在的なエネルギーを増大させる。フィルタユニット30が引き続き第1の連結サイトCS1に近接すると、第1の位置決め摺動部160’の切込み縁部160Aによりスプリング164が弛緩する。すなわち、第1の位置決め摺動部160’の切込み縁部160Aとスプリング164は、協動してフィルタユニット30を第1の連結サイトCS1における適切な整合位置に付勢し、フィルタユニット30の取付具32A、34Aは、フィルタクランプアセンブリ100の対応する取付具108、112と整合する。側方軌道130および前部ガイドレール132に対する第1の位置決め摺動部160’の変位によって、ホームセンサフラグ170は、フィルタユニット位置センサ23により生成され間隙23Aを横切る光線を遮断し、フィルタユニット位置センサ23は、フィルタユニット30が第1の連結サイトCS1における適切な整合「ホーム」位置に達したことを検出する。1以上のフィルタユニット30を側方軌道130に沿って用いる場合は、フィルタユニット位置センサ23およびホームセンサフラグ170を利用して、側方軌道130に沿って連結サイトCS1〜CS8に直線的に整合して前進したフィルタユニット30の数をカウントする。したがって、所定の数のフィルタユニット30がフィルタクランプアセンブリ100に位置決めされた後、適切な信号を電子制御ユニット200により生成して、フィルタ分離アセンブリ50の回転を停止し、側方軌道130へのフィルタユニット30の前進を停止することができる。
【0041】
図12を参照して、クランプアセンブリ位置センサ25は、フィルタクランプアセンブリ100の上部アーム102に取り付けられており、リードネジ118が回転自在に支持されている螺装リードネジナット175を跨いでいる。好ましくは、クランプアセンブリ位置センサ25は、フィルタユニット位置センサ23と同じ設計であり、光線が通過する構造間隙25Aと、導管(図示せず)を通って電子制御ユニット200と接続する導電性リード25Bとを備えている。リードネジ118は、クランプアセンブリ位置センサ25用のホームセンサフラグとしての役割を果たす。上部アーム102が下部アーム104に対して最上位に達すると、リードネジの上面は、間隙25Aの下方に位置し、この位置では、光線は遮断されず、クランプアセンブリ位置センサ25は上部アーム102が「ホーム」にあることを検出する。
【0042】
図13を参照して、電子制御ユニット200およびその関連回路の簡略概要図が示されている。電子制御ユニット200の主要な機能は、当業で公知の原理に従って、フィルタ分離アセンブリ50およびクランプアセンブリ100の相対的な動作を制御、調整することである。電子制御ユニット200は、図1に示すように、フィルタ交換装置10に組み込んで適切な位置に配置してもよいが、電子制御ユニット200は、フィルタ交換装置10から離れた位置に配置してもよい。電子制御ユニット200は、フィルタユニット位置センサ23からライン202を介して、クランプアセンブリ位置センサ25からライン204を介して、信号を受信するようになっている。また、電子制御ユニット200は、ライン206を介してフィルタ分離アセンブリ50に関連するモータ67へ、ライン208を介してフィルタクランプアセンブリ100に関連するモータ116へ、信号を送信するようになっている。電子制御ユニット200は、コンピュータコード化コマンドと、好ましくはRS232およびRS485シリアルコマンドを副制御ユニット220からライン210を介して受け取るようにしてもよい。または、電子制御ユニット200自体が、入力コマンドの処理と信号の調整との両方を行うようにしてもよい。副制御ユニット220は、リモートコンピュータ端末など、CPUベースの装置として設けてもよく、フィルタ交換装置10と連通する流体ラインの上流側または下流側に配置された別の装置の一部としての電子制御装置であってもよい。
【0043】
動作において、フィルタ交換装置10は、フィルタユニット30のスタックを収容する所定数のマガジン40(例えば、1〜8個のマガジン40)を取り扱うように構成されている。そして、1以上のマガジン40は、フィルタ分離アセンブリ50のバレル部70の内孔70A内に装填される。この時点で、ベースブロック80に対するロータ60およびマガジン40の回転位置にもよるが、スタックの一つの最下位のフィルタユニット30が、ベースブロック80の上面80Aに載置されるか、または入口位置84内の螺旋溝82の開始部に直接載置される(図6および図7参照)。通常の使用時には、所定数の使用済フィルタユニット30が、側方軌道130に沿って連結サイトCS1〜CS8に動作状態で位置し、クランプアセンブリ100は、完全閉鎖位置すなわちクランプ位置にある。したがって、各使用済フィルタユニット30の雄型および雌型取付具34A、32Aは、クランプアセンブリ100の対応する雌型および雄型取付具112、108と接合しており、フィルタ交換装置10が動作している流体回路は閉鎖状態であり、したがって、流体流路は動作状態である。
【0044】
動作中のフィルタユニット30を新品フィルタユニット30と交換すべきであると(手動またはプログラムされた計画により)決定されると、電子制御ユニット200は、フィルタニット30を交換するコマンドを生成するか、または副制御ユニット220からこの様なコマンドを受信する。フィルタ交換のためのこの様なコマンドに従って、電子制御ユニット200は、クランプアセンブリモータ116を起動するために適切な制御信号を送信する。モータ116は、リードネジ118を起動し、クランプアセンブリ100の上部アーム102を上方に移動させ、クランプアセンブリ100を開放し、側方軌道130に存在するフィルタユニット30をクランプアセンブリ100の取付具108、112から離脱させ、最終的に流体回路を開放回路状態に切り替える。上部アーム102が図12に示す最上位の「ホーム」位置に到達すると、上記のように、この事が、クランプアセンブリ位置センサ25によって検出され、クランプアセンブリ位置センサ25は、電子制御ユニット200に変換信号を送信する。これに応答して、電子制御ユニット200は、適切な制御信号を送信してフィルタ分離アセンブリモータ67を起動し、これにより、ロータ60は、ロータシャフト65の軸を中心に反時計回りにフィルタ分離アセンブリ50を回転させる。
【0045】
ロータ60がフィルタ分離アセンブリ50のマガジン回転台55を回転させると、少なくとも1つのマガジン40の最下位のフィルタユニット30がバレル部70から入口位置84を通って螺旋溝82へと重力により落下し、ロータ60の下部凹部60Bの1つによって案内される。図5に全体的に示されているように、他のマガジン40のフィルタニット30は、同じ通り道を辿り始める。ベースブロック80の突起リップ88によって、最下位のフィルタユニット30が螺旋溝82の曲線の通り道に沿って適切に移動し始め、最下位のフィルタユニットの上部シェル部32がリップ88の下を通過する。ロータ60が回転し続けると、図7を参照して上記に記載したとおり、螺旋溝82のピッチが増加していく。結果的に、螺旋溝82に対するロータ60の回転によって、最下位のフィルタユニット30と、最下位のフィルタユニット30に連結されたフィルタユニットとの間隔が大きくなる。ベースブロック80のある地点において、最下位のフィルタユニット30は、関連するフィルタスタックから完全に切り離される。更に回転すると、分離されたフィルタユニット30は、出口位置86を通ってベースブロック80(そして、フィルタ分離アセンブリ50)から排出され、側方軌道130に入る。
【0046】
図5、図9、図10を参照して、例示として、8個の新品フィルタユニット30を8個の古いフィルタユニット30と交換すると仮定すると、側方軌道130に沿って移動しているフィルタユニット30は、後続のフィルタユニット30に押され、連結サイトCS1〜CS8を通って割り出されて引き続き前進する。フィルタユニット位置センサ23は、第1の連結サイトCS1で拘束されて通過する各フィルタユニット30の存在を上記のような方法で検出する。したがって、各フィルタユニット30が第1の連結サイトCS1を通過すると、フィルタユニット位置センサ23は、電子制御ユニット200に変換信号を送信し、電子制御ユニット200は、側方軌道130に入るフィルタユニット30の数(したがって、クランプアセンブリ100に装填されているフィルタユニット30の数)をカウントする。さらに、次に割り出される連結サイトCS2〜CS8に各フィルタユニット30が前進すると、1つの使用済フィルタユニット30が、側方軌道130の排出端部138を通ってフィルタ交換装置10から押し出され、必要であれば廃棄物受口に収集される。8個のフィルタユニット30がカウントされると、電子制御ユニット200は、適切な制御信号を生成して、フィルタ分離アセンブリモータ67を停止する。この時点で、上記のようなフィルタユニット位置決め摺動部160の動作によって、側方軌道130に存在する各フィルタユニット30は、図10〜図12によく示されているように、クランプアセンブリ100の取付具108、112に適切に整合して対応する連結サイトCS1〜CS8に位置決めされる。最後に、電子制御ユニット200によって、クランプアセンブリ100は、新たに装填されたフィルタユニット30の取付具32A、34Aとクランプアセンブリ100の対応する取付具108、112とを接合し、自動的にインラインで装着された新品フィルタユニット30との連続流体回路が再度確立される。
【0047】
フィルタ交換装置10が、1以上のフィルタユニット30をスタック状または柱状の配列から、個別化あるいは割り出された横並びの配列に変換するために有用であることは、上記の説明から明らかであろう。さらに、上記のようなフィルタ交換装置10の設計、その様々な部材の設計、そして、様々な部材の相互作用によって、フィルタ交換装置10の動作および機能は、フィルタ交換装置10の使用において直面すると予想される様々な状況の悪影響を受けなくて済む。この様な状況には、(1)マガジン回転台55において異なる数のフィルタユニット30を複数のマガジン40に装填した場合、(2)バレル部70の1以上の内孔70Aにマガジン40が存在しない場合、(3)フィルタ分離アセンブリ50の回転中に、スタックの最下位のフィルタユニット30がベースブロック80の入口位置84へとうまく落下しなかった場合がある。
【0048】
本発明の様々な詳細事項は、本発明の範囲を逸脱することなく変更することができると理解される。さらに、上記の説明は、単なる例示であって、請求項により定義される本発明を制約するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)フィルタ繰出装置と、
(b)アクチュエータと、
(c)第1のアームであって、この第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えた第1のアームと、
(d)前記アクチュエータに可動係合して設けられた第2のアームであって、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備え、前記第1のアームと前記第2のアームとの間の距離であって前記第1のアームおよび前記第2のアームに垂直な方向の距離が前記アクチュエータにより調節されるようになっている第2のアームと、
(e)前記フィルタ繰出装置と連通し、前記第1の取付具と前記第2の取付具との間に介在する軌道と
を備えた自動フィルタ交換装置。
【請求項2】
前記フィルタ繰出装置が、前記フィルタ繰出装置の長手軸と同軸に配置された環状の内面と、フィルタ入口位置と、前記入口位置から軸方向に離間して設けられたフィルタ出口位置と、前記内面に形成されたチャネルとを備え、前記チャネルが前記長手軸に対して螺旋方向に沿って延びており、前記チャネルのピッチは一様ではなく、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっており、前記チャネルが前記入口位置および前記出口位置と連通する請求項1の装置。
【請求項3】
(a)フィルタ繰出装置と、
(b)前記フィルタ繰出装置と連通し、側方に離間配置された複数のフィルタ連結サイトを構成するフィルタ位置決め軌道と、
(c)複数の第1の流体用取付具と、複数の第2の流体用取付具とを備えたフィルタ連結装置であって、前記第1の流体用取付具がそれぞれ前記連結サイトの上方に配置され、前記第2の流体用取付具がそれぞれ前記連結サイトの下方に配置されているフィルタ連結装置と
を備えた自動フィルタ交換装置。
【請求項4】
前記フィルタ繰出装置と連通して設けられたフィルタ貯蔵装置を備えた請求項3の装置。
【請求項5】
前記フィルタ貯蔵装置が長尺のマガジンである請求項4の装置。
【請求項6】
前記連結サイトの1つに設けられ、前記フィルタ位置決め軌道に向かって移動可能なフィルタ位置決め摺動部を備えた請求項3の装置。
【請求項7】
(a)フィルタ繰出装置と、
(b)前記フィルタ繰出装置と動作接続して設けられ、複数の側方に離間配置されたフィルタ連結サイトを構成するフィルタ位置決め軌道と、
(c)可動部材と、対向配置された複数の第1および第2の流体用取付具とを備えたフィルタクランプ装置であって、前記第1の流体用取付具がそれぞれ前記連結サイトの上方に配置され、前記第2の流体用取付具がそれぞれ連結サイトの下方に配置されているフィルタクランプ装置と、
(d)前記連結サイトの1つに動作整合して配置された第1の位置検出装置と、
(e)前記可動部材に動作整合して配置されている第2の位置検出装置と、
(f)前記第1および第2の位置検出装置と接続された電子制御ユニットと
を備えた自動フィルタ交換装置。
【請求項8】
流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置であって、
(a)下流側のフィルタの第1の通り道を構成する回転可動フィルタハンドリング装置と、
(b)前記フィルタの第1の通り道と連通する螺旋状の、フィルタの第2の通り道を構成する静止フィルタハンドリング装置と、
(c)フィルタの第3の通り道を構成するフィルタガイド装置であって、前記フィルタの第3の通り道が、前記フィルタの第2の通り道と連通しており、前記フィルタの第1の通り道を横断する向きとなっているフィルタガイド装置と、
(d)流体ラインと連通し、前記フィルタガイド装置内に配置されたフィルタと離脱可能に係合するようになっているフィルタクランプ装置と
を備えた装置。
【請求項9】
流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置であって、
(a)フィルタ貯蔵装置と、
(b)フィルタクランプ装置と、
(c)複数のフィルタを前記フィルタ貯蔵装置内でのスタック配列から前記フィルタクランプ装置内での連続側方配列へと搬送する手段と
を備えた装置。
【請求項10】
複数のフィルタを複数の対応する流体ラインに接続するための装置であって、
(a)フィルタ貯蔵装置と、
(b)複数対のインレット/アウトレット取付具を備えたフィルタクランプ装置であって、前記インレット/アウトレット取付具の各対が流体ラインと連通し、フィルタクランプ装置内に受け取られた複数のフィルタに総クランプ力を付与して、前記総クランプ力の分力の影響下において、各フィルタを対応する前記インレット/アウトレット取付具対と流体連通するように接続するフィルタクランプ装置と、
(c)前記フィルタ貯蔵装置から前記フィルタクランプ装置へと複数のフィルタを搬送する手段と、
(d)前記総クランプ力を前記複数のフィルタに分配して、前記フィルタクランプ装置によって各フィルタに付与された前記総クランプ力の分力のバラツキを減少させる手段と
を備えた装置。
【請求項11】
流体ラインにフィルタを接続するための装置であって、
(a)フィルタ貯蔵装置と、
(b)インレット取付具とアウトレット取付具とを備えたフィルタクランプ装置であって、前記インレットおよびアウトレット取付具が流体ラインと連通するようになっているフィルタクランプ装置と、
(c)第1および第2の取付具を有するフィルタを前記フィルタ貯蔵装置から前記フィルタクランプ装置へと搬送する手段と、
(d)前記第1の取付具を前記インレット取付具に整合させ、前記第2の取付具を前記アウトレット取付具に整合させるフィルタ位置決め手段と
を備えた装置。
【請求項1】
(a)フィルタ繰出装置と、
(b)アクチュエータと、
(c)第1のアームであって、この第1のアームに対して移動可能に設けられた第1の取付具を備えた第1のアームと、
(d)前記アクチュエータに可動係合して設けられた第2のアームであって、第2のアームに対して移動可能に設けられた第2の取付具を備え、前記第1のアームと前記第2のアームとの間の距離であって前記第1のアームおよび前記第2のアームに垂直な方向の距離が前記アクチュエータにより調節されるようになっている第2のアームと、
(e)前記フィルタ繰出装置と連通し、前記第1の取付具と前記第2の取付具との間に介在する軌道と
を備えた自動フィルタ交換装置。
【請求項2】
前記フィルタ繰出装置が、前記フィルタ繰出装置の長手軸と同軸に配置された環状の内面と、フィルタ入口位置と、前記入口位置から軸方向に離間して設けられたフィルタ出口位置と、前記内面に形成されたチャネルとを備え、前記チャネルが前記長手軸に対して螺旋方向に沿って延びており、前記チャネルのピッチは一様ではなく、前記内面の軸長方向に沿って大きくなっており、前記チャネルが前記入口位置および前記出口位置と連通する請求項1の装置。
【請求項3】
(a)フィルタ繰出装置と、
(b)前記フィルタ繰出装置と連通し、側方に離間配置された複数のフィルタ連結サイトを構成するフィルタ位置決め軌道と、
(c)複数の第1の流体用取付具と、複数の第2の流体用取付具とを備えたフィルタ連結装置であって、前記第1の流体用取付具がそれぞれ前記連結サイトの上方に配置され、前記第2の流体用取付具がそれぞれ前記連結サイトの下方に配置されているフィルタ連結装置と
を備えた自動フィルタ交換装置。
【請求項4】
前記フィルタ繰出装置と連通して設けられたフィルタ貯蔵装置を備えた請求項3の装置。
【請求項5】
前記フィルタ貯蔵装置が長尺のマガジンである請求項4の装置。
【請求項6】
前記連結サイトの1つに設けられ、前記フィルタ位置決め軌道に向かって移動可能なフィルタ位置決め摺動部を備えた請求項3の装置。
【請求項7】
(a)フィルタ繰出装置と、
(b)前記フィルタ繰出装置と動作接続して設けられ、複数の側方に離間配置されたフィルタ連結サイトを構成するフィルタ位置決め軌道と、
(c)可動部材と、対向配置された複数の第1および第2の流体用取付具とを備えたフィルタクランプ装置であって、前記第1の流体用取付具がそれぞれ前記連結サイトの上方に配置され、前記第2の流体用取付具がそれぞれ連結サイトの下方に配置されているフィルタクランプ装置と、
(d)前記連結サイトの1つに動作整合して配置された第1の位置検出装置と、
(e)前記可動部材に動作整合して配置されている第2の位置検出装置と、
(f)前記第1および第2の位置検出装置と接続された電子制御ユニットと
を備えた自動フィルタ交換装置。
【請求項8】
流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置であって、
(a)下流側のフィルタの第1の通り道を構成する回転可動フィルタハンドリング装置と、
(b)前記フィルタの第1の通り道と連通する螺旋状の、フィルタの第2の通り道を構成する静止フィルタハンドリング装置と、
(c)フィルタの第3の通り道を構成するフィルタガイド装置であって、前記フィルタの第3の通り道が、前記フィルタの第2の通り道と連通しており、前記フィルタの第1の通り道を横断する向きとなっているフィルタガイド装置と、
(d)流体ラインと連通し、前記フィルタガイド装置内に配置されたフィルタと離脱可能に係合するようになっているフィルタクランプ装置と
を備えた装置。
【請求項9】
流体ライン中でフィルタを取り替えるための装置であって、
(a)フィルタ貯蔵装置と、
(b)フィルタクランプ装置と、
(c)複数のフィルタを前記フィルタ貯蔵装置内でのスタック配列から前記フィルタクランプ装置内での連続側方配列へと搬送する手段と
を備えた装置。
【請求項10】
複数のフィルタを複数の対応する流体ラインに接続するための装置であって、
(a)フィルタ貯蔵装置と、
(b)複数対のインレット/アウトレット取付具を備えたフィルタクランプ装置であって、前記インレット/アウトレット取付具の各対が流体ラインと連通し、フィルタクランプ装置内に受け取られた複数のフィルタに総クランプ力を付与して、前記総クランプ力の分力の影響下において、各フィルタを対応する前記インレット/アウトレット取付具対と流体連通するように接続するフィルタクランプ装置と、
(c)前記フィルタ貯蔵装置から前記フィルタクランプ装置へと複数のフィルタを搬送する手段と、
(d)前記総クランプ力を前記複数のフィルタに分配して、前記フィルタクランプ装置によって各フィルタに付与された前記総クランプ力の分力のバラツキを減少させる手段と
を備えた装置。
【請求項11】
流体ラインにフィルタを接続するための装置であって、
(a)フィルタ貯蔵装置と、
(b)インレット取付具とアウトレット取付具とを備えたフィルタクランプ装置であって、前記インレットおよびアウトレット取付具が流体ラインと連通するようになっているフィルタクランプ装置と、
(c)第1および第2の取付具を有するフィルタを前記フィルタ貯蔵装置から前記フィルタクランプ装置へと搬送する手段と、
(d)前記第1の取付具を前記インレット取付具に整合させ、前記第2の取付具を前記アウトレット取付具に整合させるフィルタ位置決め手段と
を備えた装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−67817(P2011−67817A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265436(P2010−265436)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2008−201078(P2008−201078)の分割
【原出願日】平成13年10月1日(2001.10.1)
【出願人】(599060928)バリアン・インコーポレイテッド (81)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【分割の表示】特願2008−201078(P2008−201078)の分割
【原出願日】平成13年10月1日(2001.10.1)
【出願人】(599060928)バリアン・インコーポレイテッド (81)
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