説明

自動カバースリッピングのための方法と装置

【課題】 顕微鏡を通して標本を視認する目的で、簡便にスライド上で標本の上のカバーガラスを選択し、放出するために役立つ手段の提供
【解決手段】 カバーガラスを保持するカートリッジに於いて、該カートリッジが該カバーガラスを位置内に押すフオークが入ることを可能にするために該カートリッジの底部端部内に1つ以上のアパーチャーを具備することを特徴とする該カートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顕微鏡スライド(microscope slide)上で検査(examine)される標本(specimen)を組織カバーガラス(tissue cover
glass)で自動的にカバー(cover)するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学者はスライド(slide)上に置かれた多数の標本を顕微鏡を使って検査する。典型的に、標本は薄く透明なカバーガラスでカバーされている。これが行われるのは幾つかの理由による。該カバーガラスは該標本を平らにすることが出来るので、該標本は同じ視認面(viewing plane)内にあり、それにより人が該標本をより良く見ることを可能にする。該カバーガラスは、万一該顕微鏡の対物レンズが該スライドに近過ぎて置かれても、該レンズからの該標本の保護を提供する。該カバーガラスは更に、該標本が該スライド上に恒久的に保持されるハウジング構造体(housing structure)又は範囲(area)を提供する。又該カバーガラスは、液体接着剤(liquid adhesive)と組み合わされて、保管目的(archiving purposes)で該標本を保存(preserve)するのに役立つ。
【0003】
該カバーガラスは典型的にガラス又はプラスチックの薄い、長方形か、正方形か又は円い断片(piece)であり、それはスライド上の標本と直接接触してその上に置かれる。該カバーガラスは種々の寸法と形状となる。1例のカバーガラスは約25.4mm(1インチ)×約50.8mm(2インチ)の寸法で、厚さは0.127mm(0.005インチ)から0.229mm(0.009インチ)である。それらは垂直の堆積品にスタックされてパッケージされる(packaged stacked in a vertical pile)。このスタッキング(stacking)は問題を提起するが、すなわちそれらが壊れやすく(fragile)、容易く一緒に付着(stick)するので、該カバーガラスは取り扱ったり、該スタック(stack)から分離して取り外したり(remove)するのが難しい。典型的に、該スタックから1枚のカバーガラスを取り外すために、該カバーガラスの中部(middle)に可成りの量の曲げモーメント(bending moment)が印加される。例えば、特許文献1で示される様な、或る従来技術のシステムはカバーガラス上の2つの吸引カップデバイスを使用するが、それらは該カバーガラスの該中部の両側に置かれる。該吸引カップはその後該カバーガラスを曲げ(bend)、該カバーガラスのスタックから該カバーガラスを分離するために該カバーガラスの該中部内に大きな応力(great stress)を創る。しかしながら、この作用は多数のカバーガラス破損に帰着するが、何故ならばそれらは非常に壊れやすく、印加される力がそのガラスのスタビリテイ(stability)より大きいからである。該曲げ力は該カバーガラスの中央で不均衡な量の応力(disproportionate amount of stress)を引き起こす。更に、該曲げ作用は唯1枚のカバーガラスが選択されることを保証しない。
【0004】
1つのカバーガラスを選択した後、次いで該カバーガラスは液体接着剤のあるところで(in the presence of a liquid adhesive)スライド上の該標本の上に置かれる。これは他の問題を提起する。例えば、それが該スライド上に置かれる時該カバーガラスの下に空気バブル(air bubbles)がトラップされないことが重要である。又該カバーガラスを該スライド上に位置付ける時該標本を何れの仕方でも傷つけない(not to harm)ことが重要である。該カバーガラスを付ける(apply)1つの方法は該スライド上に該カバーガラスを置き、次いでトラップされた空気バブルを除去するために圧縮する圧力をカバーガラス上に印加することで
ある。加えて、時々該カバーガラスを取り扱い、分離することはそれらを静電気(static electricity)で荷電する可能性がある。静電気力は、その機構をオフに切り替えた後でも、該カバーガラスを吸引カップの方へ保持する可能性があり、該カバーガラスを該スライドへ付けることを難しくさせる。更に、空気バブルを除去するために該カバーガラスを圧縮することは組織サンプル上の接着剤を外方へ追い出させ(expel outward)、それにより、ことによると他のスライド又はその機械の他の部分を汚損する。
【0005】
かくして、従来技術の自動カバースリッパー(automated cover slipper)の問題を避けるより良い自動カバースリッパーを提供するニーヅが存在する。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5、989、386号明細書、Elliott
【特許文献2】米国特許出願公開第60/372,506号明細書
【特許文献3】米国特許第6、045、759号明細書
【特許文献4】米国特許第6、296、809号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第08/995、052号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第09/716,344号明細書、Crouch et al.
【発明の開示】
【0007】
1の態様では、本発明はカバーガラスのスタックから少なくとも1枚のカバーガラスを取り外すための方法と装置に向けられている。1側面では、本方法と装置は単一シーリング部材(a single sealing member)を使って該カバーガラスを取り外す。該シーリング部材は該カバーガラスの周囲に沿ったシール(a seal along a circumference of the cover glass)を形成する(例えば、該カバーガラスのエッジに沿うか又はそれに近接したシールを提供する)。その時該カバーガラスは該単一シーリング部材を使って曲げられてもよい。その曲げ(bending)は、該カバーガラスが一定の又は一定に近い曲げ半径(bend
radius)を有するよう{すなわち、該カバーガラスの曲率(curvature)は該カバーガラスのエッジ、好ましくはその縦のエッジ、に沿って近似的に一定である}該カバーガラスを変形すること(deforming)を含んでもよい。
【0008】
1の態様では、該カバーガラスの該曲げは吸引ブロックと組み合わせて該シーリング部材を使って行われる。該吸引ブロックは変形中該カバーガラス用の支持として使われてもよく、そして該カバーガラスが変形される時その形状が一定の(又は実質的に一定の)曲げ半径を有するよう一定曲率で形作られてもよい。他の範囲に過大応力を掛けずにより大きい分離力が該エッジに沿って発生し、それは該カバーガラスを破りにくく、一層該カバーガラスの分離に帰着しそうである。この仕方で、該装置と方法はカバーガラスのスタックからのカバーガラスの分離を可能にする。カバーガラスの選択後、残りカバーガラスのスタックは下げられ、該曲がったカバーガラスの形状に整合したカーブしたバリヤは、存在するかも知れぬ何等かの付着したカバーガラスを取り外すために選択デバイスの下をワイプする。該選択された1つの下からワイプされた何等かのカバーガラスは残るスタック上に戻されるであろう。
【0009】
もう1つ態様は、該カバーガラスが該スタックから成功裡に取り外された後該カバーガラスを該スライド上に放出(dispensing)するための自動化されたデバイスと方法である。1側面では、該カバーガラスを接着させる液体は該スライドのエッジに沿って付けられる。第1の好ましい実施例では、該液体は、カバースリップ上の接着剤の予め付けられた層(pre−applied layer of adhesive)を溶解
(dissolve)させるよう機能する、キシレン(xylene)又はトルエン(toluene)の様な接着剤賦活液体(adhesive−activating liquid)である。
【0010】
第2の好ましい態様では、該液体はそれ自身接着剤であり、標準的カバースリップに付けられる。該液体は滴(drops)又は連続ビーヅ(continuous bead)の形であってもよい。カバーガラスのエッジは次いで、該スライド上に前に置かれた該液体の近くの標本のエッジに(好ましくは該スライドの該長い端部の所に)レリースされる(例えば、重力を介して、置かれる)。かくして、該カバーガラスと該スライドの表面とは”V”型を形成してもよい。1実施例では、該カバーガラスの1つのエッジは該スライドに接触しつつありながら、その反対の縁が下げられる(該反対のエッジが該スライドに接触する点へではないが)。その後該カバーガラスの残るエッジはレリースされ、それが該スライド上のサンプル組織上に定在する(settle)のを可能にする。この仕方では、該カバーガラスと該スライドの間の交線(intersection)に流体の連続ビーヅが存在する。
【0011】
該カバーガラスが吸引機構を介して保持される実施例では、該吸引機構はオフに切り替えられ、該カバーガラスが重力を介して該スライド上に降下可能にする。ばね部材(Spring member)(複数を含む)が柔軟なバッキングプレート(flexible backing plate)内に配置されてもよい。該カバーガラスの力により該柔軟なバッキングプレートに対し圧縮された、該ばね部材は、それがレリースされた時該カバーガラス上に小さな回復力(restoring force)を印加し、該カバーガラスの該シーリング部材からの解放(disengagement)を保証する。更に、該カバーガラスは導電性シーリング部材(conductive sealing member)により保持されてもよい。この仕方で、該シーリング部材は大地(ground)に接続されてもよく、それにより該吸引機構がオフに切り替えられた後、該カバーガラスを付着させる静電気の可能性を減じる。
【0012】
本発明のなおもう1つの側面はカバーガラスのスタック用カートリッジ(cartridge for a stack of cover glasses)である。該カートリッジは、端部の開いた(open−ended)実質的に直方体状の箱(box)で、該開いた端部がその長い軸線の少なくとも1つに沿って実質的に凹である、該箱と、該カートリッジを位置内へ整合させ次いで導くための1つ以上の整合リップ(alignment lips)と、1つ以上のプランジャーを配置しそれにより該カートリッジを場所内に取り付けるための1つ以上の戻り止め(detents)と、そして該カバーガラスを位置内に押すためにフオーク(fork)が入ることを可能にするための該箱の底部端部内の1つ以上のアパーチャーと、を含んでもよい。該整合リップは該箱の閉じた端部に隣接して配置されてもよい。更に、該デテントは該整合リップ上に配置されてもよい。加えて、該カートリッジはタッチメモリーボタン(touch memory button)を含んでもよい。更に、該カートリッジは少なくとも1つのカットアウト(cutout)を含んでもよく、該カットアウトは側壁の2枚が出会う該直方体状の箱の内部内に配置される。
【0013】
本発明のこれらのみならず他の特徴と利点は、付属する図面の適当な参照を伴う、次の詳細な説明を読むことにより当業者には明らかになるであろう。
【実施例1】
【0014】
図1を参照すると、自動化されたカバースリッパーモジュール(automated cover slipper module)18の斜視図が示されている。該自動カバースリッパーモジュール18はヘッド部分(head portion)20(例えば図
3を参照)と、カートリッジ供給放出デバイス(cartridge supply and dispense device)22(例えば図7を参照)と、そしてその上にトレイ26(例えば図9を参照)が座る平坦部分(flat portion)24と、を含む。該ヘッド部分20はモーター28を使用して1方向に動き、レール30沿いに動く。
【0015】
図2を参照すると、該自動カバースリッパーモジュール18のブロック線図が示されている。該自動カバースリッパーモジュールは入力/出力32,34を含む。1実施例では、該自動カバースリッパーモジュールは組織染色器具(tissue staining
instrument)の他の部品と一体である(すなわち単一デバイス内に含まれる)。2002年4月15日に出願され、その全体が引用により組み入れられる特許文献2参照。代わりの実施例では、該自動カバースリッパーモジュールは、組織染色器具の他のモジュールと相互作用し、物理的に分離されているが、なお電子的に結合されたデバイスであってもよい。組織染色機械(tissue staining machine)の例は特許文献3及び4に開示されており、それら両者はそれらの全体について引用によりここに組み入れられる。
【0016】
下記で論じられる該入力32及び出力34は該自動組織染色機械の中央プロセサー(central processor)(示されてない)と通信してもよい。入力の例は、各々が次に説明される、(ヘッド組立体をx方向に動かすための)図1のモーター28、(該ヘッド組立体をz方向に動かすための)図3のモーター46そして(カバーガラスのスタックを上方及び下方に動かすための)図6のモーター92の様な、モーターの制御を含む。出力の例は、(1)液体の該スライド上への放出の指示{例えば、グルー(glue)及び/又は溶媒(solvent)(複数を含む)}、(2)液体のポンピング(pumping)の指示、(3)真空が達成されたかどうかの指示そして(4)該シーリング部材組立体(sealing member assembly)(図4及び5参照)が曲げられた又はツイストされたことの指示、を含む。
【0017】
該自動カバースリッパーモジュールはプロセサー36とメモリーデバイス38を含む。下記でより詳細に説明する様に、該自動カバースリッパーモジュール18は更に(図1及び3に示す、28及び46の様な)モーター40,(図3に示す、該液体のノズル54を通しての放出を制御するための様な)バルブ42,真空ポンプ43そして(図7及び9に示すセンサーの様な)センサー44を含む。該プロセサー36は、該入力/出力から直接受信されるか又は該メモリーデバイス内に記憶されるか何れかのコマンドを実行するマイクロプロセサーであってもよい。該メモリーデバイス38は(読み出し専用メモリーの様な)恒久的メモリーデバイスか、(ランダムアクセスメモリーの様な)1時的記憶デバイスか又は両者の組合せか何れかを含んでもよい。1実施例では、該メモリーデバイス38は該自動カバースリッパーモジュール18を動作させるためのインストラクション(instructions)を含んでもよく、該インストラクションは該入力32により送られ、該メモリーデバイス38内に1時的に記憶される。代わりに、該メモリーデバイス38は、そのインストラクションにアクセスするプロセサー36による該モーター40,バルブ42、そしてセンサー44の操作用に該インストラクションを恒久的に記憶してもよい。ここに説明されるこの及び他の配備は単に図解の目的用に示されており、当業者は、他の配備及び他の要素(例えば、プロセサー、メモリーデバイス、入力、出力他の種類、それらが別々に当該技術で公知であろうと、なかろうと)が代わりに使用され得ることそして或る要素は一緒に省略されてもよいこと、を評価するであろう。
【0018】
図3を参照すると、該自動カバースリッパーモジュールのヘッド部分の斜視図が示されている。該ヘッド部分20はトレイ26の各側に1つとして、2つのヘッド組立体を含む(図9に示す様に)。該ヘッド部分20は特定のシステムのニーヅに依って、単一ヘッド
組立体又は多数ヘッド組立体を含んでもよい。更に、該ヘッド組立体は該自動カバースリッパーモジュール18内で動かされてもよい。1実施例では、該ヘッド組立体は2つの方向、x方向(上記で論じた様に、モーター28により)及びz方向(モーター46により)、に動かされてもよい。代わりの実施例では、該ヘッド組立体は該x、y、及びz方向に動かされてもよい。
【0019】
該ヘッド組立体は、(1)シーリング部材組立体48(例えば図4及び5参照),(2)支持ブロック50(例えば図4参照),(3)少なくとも1つのスペーサーアーム52,そして好ましくは2つのスペーサーアーム、(4)液体を放出するための少なくとも1つのノズル54と付随する配管(tubing)及びバルブ、(5)該シーリング部材組立体を動かすデバイス56,そして(6)モーター46、を含む。図3に示す様に、液体を放出するために複数のノズル54がある。1側面では、該ノズルは約50μlの液体を放出する。しかしながら、より多く又はより少ない液体が放出されてもよい。ノズル54は放出される液体に依って種々の材料から成ってもよい。1側面では、放出される液体は設置用媒体(mounting media)である(例えば、グルーとキシレンの様な溶媒との組合せ)。もう1つの側面では、該放出される液体はキシレンの様な溶媒である。好ましい実施例では、該ノズル54はテフロン(Teflon)(R)コーテイングの外径を有するステンレス鋼から成る。該ノズルは配管(示されてない)と図2の少なくとも1つのバルブとを介して液体コンテナーに接続される。液体の該ノズル54への転送は該少なくとも1つのバルブ42を制御するプロセサー36により制御される。
【0020】
1実施例では、該バルブ42は“吸い戻し(suck back)”の特徴を有する。ノズル54は、液体の放出後に、垂れる滴(hanging drop)を有するかも知れない。この垂れる滴は、それがスライド上のサンプルの1つ上に落下するかも知れないので、望ましくない。該垂れる滴を除去するために、“吸い戻し”の特徴が使われる。該“吸い戻し”の特徴は、動作時、該液体の流れを逆流させ、それにより過剰流体をノズル54内へ引き戻す。該吸い戻しの特徴は種々の仕方で実施されてもよい。1例は、ノズル54へ液体を供給する配管に接続された膜(membrane)を使用することに依る。垂れる滴をノズル54から引くよう空気シリンダーが該膜を賦活する。商業的に入手可能な膜はモデル番号エルブイ23−2エス06(LV23−2S06)で、エスエムシー社(SMC Corporation)により販売されている。もう1つの例は該垂れる滴をノズル54のエッジから汲み出すために第2ポンプを使用することに依る。なおもう1つの例はバルブ42を変型(modifying)することに依る。
【0021】
1態様では、該バルブ42は1方向ソレノイドバルブ(one−way solenoid valve)であるので液体は該コンテナーから該ノズルへ流れる。該ソレノイドバルブは、該バルブが該ノズル54へ流体を送りそして又該ノズル54から流体を引くよう、2方向バルブ(two−way valve)と取り替えられてもよい。該ノズルから引かれる流体の量は少量であり、典型的には、ノズル上で垂れるどんな滴も考慮するために2,3滴以下である。
【0022】
該シーリング部材組立体を動かすためのデバイス56は、1実施例では、空気シリンダー(air cylinder)である。該空気シリンダーは該シーリング部材組立体48、特にブラケット66を動かす。次に図4に関連して開示される様に、該ブラケット66は、カバーガラスをカバーガラスのスタックから分離するために、上方に動かされる。
【0023】
図4を参照すると、ヘッド部分20(図3で示される)用の支持ブロック50とシーリング部材組立体48とを含むカバースリップグリッパー組立体47の斜視図が示されている。支持ブロック50は種々の形状から成ってもよい。図4の実施例で示される様に、支持ブロック50は、真空発生器43の配管60{又は他の導管(conduit)}用空
間が挿入されるようにするために内部部分58が除去された直方体状(rectangular)の形状である。代わりの実施例では、円柱形の孔を有する導管が真空の連通用に該支持ブロック内に孔あけされるか(drilled)又は他の仕方で形成されてもよい。該支持ブロック50は切削可能なポリマー、セラミック又は金属の材料で作られてもよい。該カバーガラスと該シーリング部材72との間には完全なシール(complete
seal)、空気の漏らない接続(air tight connection)が作られるべきである(図5に示される)。支持ブロック50の下部部分62はカーブした形状である。好ましい実施例では、該カーブした形状は一定の(又は概略一定の)半径である。次に論じられる様に、該シーリング部材組立体の柔軟なバッキングプレート64は(カバーガラス68を保持する間)該支持ブロック50の該下部部分62に適合するため曲げられる。
【0024】
図5を参照すると、柔軟なバッキングプレート64とブラケット66とを含む該シーリング部材組立体48が示される。該シーリング部材組立体48は該柔軟なバッキングプレート64を介するか又は該支持ブロック50の各側に位置付けられるブラケット66に依る(例えば支持ブロックの下部部分へ)か何れかで支持ブロック50に設置されてもよい。該ブラケット66は結合用孔70を有する。該ブラケット66は金属材料で作られてもよく、或いはそれらは該柔軟なバッキングプレート64と同じ材料で作られてもよい。好ましい実施例では、該ブラケット66と該柔軟なバッキングプレート64とはそれら間に結合部を有しない1つの一体の部品(one integral piece)である。代わりの実施例では、該ブラケット66と該柔軟なバッキングプレート64とは一緒に結合された別々の部品(separate pieces)を含む。該カバーガラス68は、次の詳細に説明される様に、選択され、柔軟なバッキングプレート64により保持される。
【0025】
カバースリップグリッパー(cover slip gripper)の第2の好ましい実施例は該シーリング部材組立体48と該支持ブロック50の組合せを含む。主要な部品、すなわち、支持ブロック50,柔軟なバッキングプレート64,ブラケット66,そしてシーリング部材72、はインジェクションモールデイング(injection molding)の様な、当該技術で公知の過程を通して1つの品物(one article)として製造されてもよい。又該カバースリップグリッパーは、該シーリング部材が該柔軟なバッキングプレート64と一体である時シーリング部材72の機能を有する。
【0026】
シーリング部材組立体の底面図が図5で示される。シーリング部材72は該柔軟なバッキングプレート64の下に結合される。最も好ましい実施例では、該シーリング部材72はエラストマー性(elastomeric)でありカバーガラス68と接触時圧縮されてもよい。又該シーリング部材72はソフトプラスチック(soft plastic)の様な、他の材料から成ってもよい。該シーリング部材72は約6.35mm(0.25インチ)より薄い厚さでもよい。該柔軟なバッキングプレート64は該エラストマー性シーリング部材72が接着(bonded)された柔軟な材料{シート状金属ステンレス鋼バッキング(sheet metal stainless steel backing)}であってもよい。好ましい実施例では、該柔軟なバッキングプレート64は該カバーガラス68に比肩される寸法を有して長方形に形作られる。該シーリング部材72は該カバーガラスの幾何学的中心をカバーする、好ましくは該カバーガラスの周囲(perimeter)を又はそれの近くをカバーする、どんな形状でもよい。次に説明する様に、該シーリング部材72は該カバーガラスの周囲への均等に分布した力を見越している。最も好ましい実施例では、柔軟なバッキングプレート64に接着(adhered)又は固定(affixed)される該シーリング部材72用に導電性材料(conductive material)が使用されてもよい。次いで該シーリング部材72は、該シーリング部材72上に形成される静電気を除去するために、該柔軟なバッキングプレート64
への接続によるか又は直接に大地への接続によるか何れかで接地されてもよい。該シーリング部材72のゴム混合物へのカーボン又は他の導電性材料の付加がそれを導電性にして、次いでそれは接地され得て、静電荷形成の問題を解決するが、何故なら該シーリング部材72が該静電荷を放電するからである。これは選択されたカバーガラス68が、該カバーガラス68の放出後、該柔軟なバッキングプレート64に付着する可能性を減じる。又これは第2のカバーガラスが該選択されたカバーガラス68に付着する可能性を減じる。該シーリング部材72は該柔軟なバッキングプレート64のエッジの近くに位置付けられる。長方形の柔軟なバッキングプレート64用に、該シーリング部材72は円い隅部を有する長方形である。
【0027】
該シーリングシステムの支持部74は該柔軟なバッキングプレート64の下で該シーリング部材72の周囲の内部に設置される。好ましい実施例では、該支持部74は該シーリング部材72の各遠位の端部の近くまで延びる。該好ましい実施例は該シーリング部材72の周囲の内部に等しく隔てられた2つの支持部を置いている。代わりの実施例は該シーリング部材72内に置かれた種々の長さのより多くの又はより少ない支持部を使用してもよい。該支持部74は剛性を提供し、吸引が行われた時該カバーガラス68の変形を最小化する。これは、標本上にカバーガラスを置いた後空気バブルを作る該カバーガラスの”杯状化(cupping)”を減じる。又該支持部74は、該カバーガラス68が、曲げ軸線を除けば、それに対しその元の形を保持する、堅い構造体を提供する。更に、該支持部74はスタック182から選択されたカバーガラス68に剛性を提供する。該支持部74は該シーリング部材72が作られると同じエラストマー性材料で作られてもよい。
【0028】
シーリング部材72はトップのカバーガラス68の周りに完全なシールを提供し、スタック182からそれを吸引する時、真空ポンプ43が該カバーガラス68の全面積に対し等しい力を発生することを可能にする。真空通路(vacuum passage)78の位置付けの1実施例は図5に示す様に該柔軟なバッキングプレート64の中央である。該真空通路78は1つの、小さな円い形状であってもよい。代わりに、該真空通路78は全てが真空に接続された孔のシリーズでもよい。
【0029】
図6を参照すると、カートリッジ80,カートリッジホルダー82、そしてフオーク84,リードねじ(lead screw)86、シャフト88,ベルト90及びモーター92の斜視図が示されている。カバーガラスのスタック(示されてない)はカートリッジ80内に含まれる。更に、該カートリッジ80はカートリッジホルダー82内に保持される。該カートリッジホルダーは該カートリッジを少なくとも1つの方向に取り付けるよう作用する。1実施例では、該カートリッジ80は、少なくとも1つのスロット96(そして、図6に示す様に、好ましくは2つのスロットがよい)内への挿入用に少なくとも1つの整合リップ94(そして、図6,8a及び8bに示す様に、好ましくは2つのリップがよい)を有する。更に、該カートリッジホルダー82は、少なくとも1つのスロット(そして、好ましくは2つのスロットがよい、図8a参照)と契合するように該カートリッジホルダーの1つの又は両方の側にプランジャー98を有してもよい。かくして該カートリッジホルダー82はx−y−z配向用デバイス(x−y−z orienting device)として役立ってもよい。
【0030】
該カバーガラスは、該シーリング部材組立体48を該カバーガラスの方へ動かすことによるか、該カバーガラスを該シーリング部材組立体48の方へ動かすことによるか又は両者の組合せか何れかで、該シーリング部材組立体48と接触すべきである。1実施例では、該カートリッジホルダー80内のカバーガラスは、トップのカバーガラスが選択されるように該シーリング部材72の方へ固定量だけ揚げられる。フオークを上方と下方へ動かすためのモーター92、ベルト90,シャフト88,リードねじ86及びフオーク84が図6で示される。該フオークは、揚げられると、該カートリッジ80の底部部分内の細長
い孔(slotted holes)118(図8bに示す)内に挿入される。該フオークは、該カートリッジ80内に入ると、カバーガラスのスタックを揚げる。該モーター92はトップのカバーガラスが吸引サップ組立体(suction sup assembly)48に接触するまで該フオーク84を上方へ動かす。該モーター92はその停止する。予め決められた時間の後、該モーター92は逆転され、フオーク84は下方へ動かされ、それによりカバーガラスのスタックを動かす。
【0031】
図7を参照すると、カートリッジ供給、放出デバイス(cartridge supply and dispense device)22の斜視図が示されている。カートリッジ80はコンベイヤー100を介して供給され、チャンネル102内に置かれる。図7に示す様に、カートリッジが停止部110に対して整列するようコンベイヤー100を回転させるためモーター108が使用される。2つのヘッド組立体を有する図3に示す実施例では、該カートリッジ80が置かれる2つのステーション107が存在する。各ステーション107では、前に論じた様にカートリッジがカートリッジホルダー82により保持される。該カートリッジホルダー82内のカートリッジが動かされる必要があると、次に論じる様に、ピストン104が使われる。ピストン104はコンベイヤー100上のカートリッジを押し、該カートリッジは今度は該カートリッジホルダー82内のカートリッジを処分用コンベイヤー106上へ押す。コンベイヤー106は次いでカートリッジを処分するため動かされる。1実施例では、1つのモーター(例えば、モーター108)が該コンベイヤー100及び106をリンクするカム(示されてない)を介してコンベイヤー100とコンベイヤー106の両者を動作させる。代わりに、コンベイヤー100とコンベイヤー106は別々のモーターを使って動作させられてもよい。
【0032】
カートリッジがコンベイヤー100上に置かれるべきかどうかを決定するために、センサー112がコンベイヤー100の近くに置かれてもよい。センサー112は、もしカートリッジがセンサー112に隣接する又は近くにあるかどうかを検出するための光学的センサーであってもよい。もしセンサー112がカートリッジが無いことを検出するならば、プロセサー36が知らされて、オペレーターにコンベイヤー100上へカートリッジを置くよう知らせるメッセージが出力34を経由して送られる。
【0033】
典型的に、カバーガラスが空であると信じられるまで、又はそのカートリッジ内のカバーガラスが破損したことが決定されるまで、カートリッジは使われる。1実施例では、何時カートリッジを取り替えるかを決定するために、シーリング部材組立体48が使われる。普通の動作時、モーター92は、トップのカバーガラスが該柔軟なバッキングプレート72に接触するようカバーガラスのスタックを動かす。カバーガラスとの接触の後そして吸引ポンプをオンに切り替えた後、真空シールが形成されるべきである。このシールはセンサー44で検出されてもよい。センサー44がシールが形成されたことを検出しない場合、プロセサー36は知らされる。シールすることの失敗は、カートリッジのカバーガラスが空であるか、又は(柔軟なバッキングプレート72にか又はスタックのトップ上にか、何れかに付いている)該カバーガラスが破れた又は破損したか、何れかを指示する。該プロセサーは該モーター92にカバーガラスのスタックを下げるよう命じる。モーター28と46は下に該トレイ26が無い場所までヘッド組立体を動かし、該シーリング部材組立体から真空を除去する。この仕方で、もし破損したカバーガラスが該シーリング部材組立体48に付着(clinging)しているならば、それは何等かの組織サンプルの上に落下し、次にそれを破損することなく、除去され得る。その後モーター28と46はヘッド組立体を位置内へ戻るよう動かすのでモーター92は該柔軟なバッキングプレート72に接触するようカバーガラスのスタックを揚げてもよい。もし真空シールがなお再び発生されないならば、モーター28と46を使用して該ヘッド組立体を予め決められた位置へ動かし、該シーリング部材組立体48から真空を除去するこの過程が再び繰り返されてもよい。
【0034】
第2の好ましい実施例ではカートリッジ80は該カートリッジに関連したデータの経過を追うためにそれに付加された自己充足型読み出し書き込みメモリーデバイス(self−contained read−write memory device)を有する。該メモリーデバイスはデーエス1985エフ5の16キロビット加算専用タッチメモリーデバイス(DS1985 F5 16Kbit add−only touch memory device)としてダラスセミコンダクター(Dallas Semiconductor)により販売されるEPROMの様な“タッチメモリー(touch memory)”デバイスであってもよい。アールエフアイデー(RFID){テキサス州、ダラス市、テキサスインスツルメント社のタグイットエイチエフ−アイトランスポンダーインレイレクタングル(Tag−It HF−I Transponder Inlay Rectangle, Texas Instruments, Dallas, TX)}の様な他のメモリーデバイスがその情報を記憶するため、そしてエンドユーザーに該情報を検索出来るようにさせるため使用されてもよい。図8bに示す様に、該タッチメモリーデバイス119は該カートリッジ80内に組み込まれ、カバースリップ残り数(number of cover slips remaining)、種類、ロット番号、期限(expiration)、そして関連情報、の様な該カートリッジの中味に関する情報を含む。該メモリーデバイスは該カートリッジと該システムプロセサーの間の通信を可能にして、かくしてその全体システムに知能の要素(element of intelligence)を付加する。データフイーチャー(data feature)は、該装置のカバースリップ装着及び取り外し操作に干渉しない位置で該カートリッジに設置されるメモリーデバイス119,該メモリーデバイスと通信しながら該デバイスの動作を進めさせるために自動カバースリッパー内に含まれたオンボードピーアイシーマイクロコントローラー(on−board PIC microcontroller)、そしてデータボタン(data button)用のコンタクトリーダー(contact
reader)、を含むことである。同様なメモリーデバイスはその全体が引用によりここに組み入れられる、1997年12月19日出願の特許文献5に説明されている。その主要な機能は、その自動カバースリッパーに与えられる各新しいカバースリップカートリッジ用に該システムを初期化し、残っている数の経過を追うことである。該メモリーデバイスは、カバースリップの数、それらが予めグルーを付けられているか否か(whether they are pre−glued or not)、期限日付(date
of expiration)、ロット番号他、の様な情報を含む。動作時、該メモリーデバイスは、工場でカバースリップと共に装着される時に、該カートリッジ内のカバースリップ数を最初に読み込まされる。該カートリッジが該カバースリッパー上の供給位置内へ装着されると、該カートリッジホルダー82上の接点(contacts)(示されてない)は該メモリーデバイスと接触するか、又は該メモリーデバイス119自身がメモリーリーダー(示されてない)と直接的電気接触を行い、該メモリーリーダーが上側段内に組み込まれているのでカートリッジは位置内へスライドされると該メモリーリーダーと接触する。該マイクロコントローラーはその時該カートリッジが空になるまで該カートリッジ内に残されたカバースリップの数を追う。次いで該オンボードマイクロコントローラーは如何に多くのカバースリップが残っているかについてインターフエースを通してユーザーに知らせる。該オンボードマイクロコントローラーは各放出過程の後にカバースリップの数を該メモリーに書き込むので、停電(power loss)又は器具の閉止(instrument shutdown)の場合に、その特定のカートリッジ内に残るカバースリップの総数は失われない。
【0035】
図8a及び8bを参照すると、図6のカートリッジの(それぞれ)平面斜視図と底面斜視図が示されている。該カートリッジは底部120及び側壁122を有する端の開いた箱を備える。該底部120と該側壁122は内部(interior)114を形成する。好ましい実施例では、該端の開いた箱は形状が直方体である。この直方体状の形状である
ので該箱は、形状が典型的に長方形の該カバーガラスを収容出来る。しかしながら、該カートリッジ80は中に該カバーガラスを収容するためにどんな形状でもよい。
【0036】
該カートリッジは更に1つ以上の整合リップ(alignment lips)94を有する。該整合リップ94は該カートリッジ80の底部120の1つ以上の側にあってもよい。図8a及び8bで示す様に、2つの整合リップがあり、各々は該箱の閉じた端部に隣接して配置されている。該整合リップ94は、該カートリッジ80をカートリッジホルダー82内へ契合するために、上記で論じた様に、スロット96と連携して使用されてもよい。該整合リップ94は少なくとも1つのより狭い部分124を有してもよい。図8a及び8bに示す様に、該より狭い部分124は整合リップ94のエッジにある。該より狭い部分124は該整合リップ94がスロット96内へ入ることを容易にする。加えて、該整合リップ94は少なくとも1つの戻り止め(detent)126を有してもよい。該戻り止め126は該整合リップ94のどんな部分に置かれてもよい。好ましい実施例では、該戻り止め126は図8aに示す様に整合リップ94の中央に置かれている。前に論じた様に、戻り止め126はカートリッジホルダー82のプランジャー98と契合する。
【0037】
更に該カートリッジ80は該底部内に1つ以上のアパーチャーを有してもよい。該箱の底部端部内の該1つ以上のアパーチャーはカバーガラスを位置内へ押すフオークが入ることを可能にするためである。好ましい実施例では、該底部120は形状が長方形の2つのアパーチャーを有する。この仕方で、フオーク84は、カートリッジ80の内部114内に含まれるカバーガラスのスタックを揚げるために底部120に入る。
【0038】
加えて、該カートリッジ80の開いた端部はその軸線の1つに沿って実質的に凹である又はカーブしている。好ましい実施例では、該カートリッジの該開いた端部はその長い軸線に沿ってカーブしている。特に、図8a及び8bに示す様に、該側壁122の2つはカーブした又は凹の上面を有する。次に図11a−dで論じる様に、該カーブした上面128はカバーガラスに対する整合し、カーブしたバリヤとして作用し、それにより何れかの付着するカバーガラスに対し突き当たる(bumping)。
【0039】
更に、該カートリッジの該側壁122が会合する場所の少なくとも1部分に沿って少なくとも1つのカットアウト(cutout)116がある。好ましい実施例では、図8aに示す様に、該カットアウト116は該側壁122が会合する交線全体(すなわち、内部114の隅部の各々で)に沿っている。該カットアウトはどんな形状であってもよい。1実施例では、該カットアウト116は形状がカーブしている。該カットアウト116は該カバーガラスのエッジが砕ける(shattering)ことから保護されることを可能にする。典型的に、該カバーガラスのエッジは破損し勝ちである。該カットアウト116のために、該カバーガラスのエッジは側壁122に触れないようになり、それにより該エッジで割れる(cracking)可能性を減じる。
【0040】
図9aを参照すると、スライドホルダー及びスライドを有するトレイの平面斜視図が示されている。図9bは図9aの該トレイの部分的組立分解図である。図9bに示す様に、該スライドは脊椎構造体(vertebrae structure)129により該トレイ26内に保持される。好ましい実施例では、該脊椎構造体129は該スライドの各々を保持する個別部分(individual sections)を有する。1実施例では、該脊椎構造体の該個別部分(図9cで斜視図で示される)は主ポスト(main post)130,静止側方ポスト(stationary side post)132,クリップ134,ばね136そして歯部138を有する。該静止側方ポスト132,クリップ134,ばね136そして歯部138は該主ポストに取り付けられるか又はそれと一体である。1実施例では、該脊椎構造体129の幾つか又は全部はインジェクションモールデイングにより製造される。代わりに、該脊椎構造体129の幾つか又は全部は該主
ポスト130に結合された又は取り付けられた部品から成っている。
【0041】
該クリップ134及び該ばね136は、該スライドを安定させるためそして該スライドのエッジを該静止ポスト132に対して座らせるため連携して働く。特に、該スライドのエッジ(好ましい実施例では縦のエッジ)は該ばねにより押されるので反対のエッジは該静止ポストの面140に対し押される。該歯部138は断面が長方形であり、そして該歯部は、該スライドが挿入された時、該歯部の少なくとも1つが該スライドのトップ面に隣接しそして該歯部の少なくとも1つが該スライドの底面に隣接するように、置かれる。従って、該スライドが該脊椎構造体内に挿入された時、該スライドは確実に保持される。
【0042】
該主ポストはトレイ26内に置かれる。1実施例では、該主ポストは、該トレイに取り付けられか又はそれと一体である、足部144と契合する側方アーム142を有する。該側方アーム142は、該側方アームの2つのエッジが該足部144により支持されるように、置かれる。該トレイ26は更に該スライドの底部側を支持する支持部146を有する。
【0043】
図10a−10bを参照すると、カバーガラスを分離し、放出する過程のフローチャートが示されている。該カバーガラス適用ルーチン(cover glass application routine)はブロック150に示す様にアクセスされる。前に論じた様に、該カバーガラス適用ルーチンは自動カバースリッパーモジュール18のメモリー38からアクセスされてもよい。該カバーガラス適用ルーチンは、該ルーチンをホストコンピュータからダウンロードすることに依るか、又はメモリー38内に該ルーチンを恒久的に(又は半恒久的に)記憶することに依るか、何れかでメモリー38内に置かれる。該カバーガラスに付ける液体は、ブロック152に示す様に、プライム(primed)される。ヘッド部分20が2つのヘッド組立体を有する実施例では、液体バルブと、液体の容器を該ヘッド組立体の各々用ノズル54へ接続する付随配管と、がある。ヘッド組立体の各々へのプライム作用は別々に行われるが、それは第1ヘッド組立体のバルブをオンに替え第2ヘッド組立体のバルブをオフに替えオフに替えた儘にしておき(turning
off the valve of the second head assembly being turned off)、予め決められた時間だけ待ち、該第1ヘッド組立体のバルブをオフに替え第2ヘッド組立体のバルブをオンに替えオンに替えた儘にしておき(turning on the valve of the second head assembly being turned on)、予め決められた時間だけ待ち、そして該第2ヘッド組立体のバルブをオフに替えオフに替えた儘にしておく(turning off the valve of the second head
assembly being turned off)、ことに依る。
【0044】
該ヘッド組立体は、ブロック154で示す様に、ホーム位置(home position)に動かされる。典型的に、モーター28と46は該ヘッド部分20を予め決められた位置へ動かすために使われる。1実施例では、該ヘッド部分20は次いで該ホーム位置からカバーガラスのスタックを含むカートリッジ80上の位置へ動かされる。代わりの実施例では、該ヘッド組立体20のホーム位置はカートリッジ80の上の位置にある。次いでカバーガラスの該スタックは、ブロック156で示す様に、該柔軟なバッキングプレートと接触するまで上方にモーター92により動かされる。ブロック158で示す様に、真空ポンプ43がオンに切り替えられる。次いでブロック160で示す様に、自動カバースリッパーモジュール18のプロセサー36は予め決められた量の時間だけ待つ。次いでカバーガラスのスタックは、ブロック162で示す様に、モーター92により下方へ動かされる。1実施例では、該スタックは約2.54mm(10分の1インチ)下方へ動かされる。ブロック164で示す様に、該柔軟なバッキングプレート64は曲げられ、それにより該柔軟なバッキングプレート64により保持されたカバーガラスを曲げる(図11bで
可視的に示される)。次いで、ブロック166で示す様に、該柔軟なバッキングプレート64が曲げられている間に、支持ブロック50はカートリッジ80のカーブした上面128を過ぎて動かされる(図11c−dで可視的に示される)。
【0045】
次いで該カバーガラスはスライド上に放出される。ブロック168で示す様に、該ヘッド組立体は液体の放出用位置内へ動かされる。次いで、ブロック170で示す様に、該液体は該スライド上へ放出される。次いで、ブロック172で示す様に、該ヘッド組立体は、柔軟なバッキングプレート64に取り付けられたカバーガラスの放出用位置内へ動かされる。代わりに、液体の放出及びカバーガラスの放出用の該ヘッド組立体の位置は同じでもよく、それは液体の放出の後該ヘッド組立体を動かすニーヅを無くする。ブロック174で示す様に真空ポンプ43がオフに切り替えられる。これは重力により該カバーガラスの少なくとも1部分を該スライド上に落下させる。1実施例では、該カバーガラスの1つのエッジが該スライド上に落下する(図12bに示す様に)。好ましい実施例では、カバーガラスの縦のエッジの1つが該スライド上に落下する。ブロック176で示す様に、該ヘッド組立体は下方へ動かされる。1実施例では、該カバーガラスの1つのエッジのみが該スライドに接触する間に該ヘッド組立体は下方へ動かされる。この仕方で、該スライドに接触するエッジと反対のエッジが該スライドと接触することなく該スライドの近く{例えば、該スライドの面から約1.52mm(0.06インチ)から2.54mm(0.1インチ)の間で}へ動かされる。下方への該ヘッド組立体(そして翻って該カバーガラス)のこの動きは該カバーガラスの破壊と、該カバーガラスの下に空気バブルをトラップすること、の可能性を減じる。ブロック178で示す様に、該ヘッド組立体が下方へ動かされた後、スペーサーアーム(複数を含む)が動かされてもよい。この仕方で、前に該スペーサーアーム(複数を含む)により保持されたエッジは該スライド上に落とされる。代わりの実施例では、該カバーガラスの1つのエッジが該スライド上に落とされた後、該スペーサーアーム(複数を含む)により保持されたエッジが落とされ、該ヘッド組立体を下方へ動かす過程をバイパスしてもよい。ブロック180で示す様に、該ヘッド組立体は次いで上方へ動かされる。
【0046】
図11a−dを参照すると、カバーガラスを選択する1つの方法の側面図が示されている。1実施例では、カバーガラスのスタック182はモーター92によりシーリング部材72まで揚げられる。該モーター92は固定時間間隔の間運転し、それにより該スタック182が支持ブロック50と接触すると停止する。該シーリング部材72が該スタック182のトップのカバーガラスと結合した後、該スタック182は該モーターにより下げられてもよい。該スタック182を下げるために、該モーター92は逆に運転される。代わりの実施例では、カバーガラスのスタックは静止した儘でもよく、支持ブロック50が該スタックと接触するため動かされる。
【0047】
図11aに示す様に、該カバーガラスはカバーガラスのスタック182からそれを吸引することにより選択される。スタック182のトップのカバーガラスはシーリング部材と接触する。該カバーガラスはシーリング部材72の少なくとも1部分と、好ましくは全体のシーリング部材72に亘り接触するのがよい。該シールは該カバーガラスの周囲までずっと(all the way)延びてよい。該支持部74は凹の杯状化(concave cupping)の可能性を減じるため該シーリング部材72を平らに保つ。好ましくは、該吸引機構(例えば、真空ポンプ)は該シーリング部材72が該スタック182と接触した後オンに替えられ得るのがよい。代わりの実施例では、該吸引機構は該スタック182に接触する前にオンに切り替えられ得る。該シーリング部材72と接触した後、ばね部材(複数を含む)76は圧縮され、ポテンシャルのばねエネルギーを蓄える(store potential spring energy)。
【0048】
図11bに示す様に、カバーガラス68を選択した後、該柔軟なバッキングプレート6
4と該シーリング部材72は、カバーガラス68の1つの軸線に沿い、そして1実施例では、選択されたカバーガラス68に付着する何れかの付着カバーガラス188からそれを分離するために一定半径でそれを僅かに曲げるために、該カバーガラス68の該長い軸線に沿い、力を印加する。これは該カバーガラス68の各端部に力を印加する従来技術のデバイスと対照的である。この力は該支持ブロック50の各側上で該ブラケット66を揚げることにより印加される。該ブラケット66と該柔軟なバッキングプレート64とが動き、曲げ作用(flex bending action)を創る。該曲げ作用は該トップのカバーガラスを該スタック内の他のカバーガラスから剥がれ去らせる(peel away)。該シールは該カバーガラスの外側周囲まで延びてもよいので、分離時に材料に過大な応力を掛ける(overstressing)ことなく該カバーガラスの外側のエッジでのより大きい曲げが達成される。これは、該カバーガラスの中部に大きな量の曲げモーメント(そして該カバーガラスのエッジにより小さい量の力)を印加するため吸引機構を使う従来技術の或るデバイスと対照的である。
【0049】
該カバーガラス68は、起こる均等な(又は概略均等な)曲げ作用のためにスムーズな、カーブした形状を取ってもよい。該カバーガラス68は、該シーリング部材72と該カバーガラス68の間に形成されるシールのために該カバーガラス68の全体の面積に亘り印加された等しい量の応力を受けるだろう。それをスタック182から分離するために該スタック182上でトップのガラスを曲げることは該カバーガラスを分離する信頼性のある方法である。もう1つの実施例は、付着するカバーガラスのレリースを仕向ける(instigate)ためにツイスト作用(twisting action)を用いる該柔軟なバッキングプレート64を有する。該カバーガラス68を1時的に形を直す(reshaping)何等かの方法は分離過程に役立つであろう。
【0050】
信頼性のある分離の機会を更に増すために、該曲がったカバーガラスがカーブした上面128を通過させられる(又、図8a及び8bで示される)。該カーブした上面128は該カバーガラス用の整合し(又は概略整合し)、カーブしたバリヤとして作用し、それによりどんな付着するカバーガラス188に対しも突き当たる(bumping)。図11c及び11dで示す様に、支持ブロック50の下をワイプするために使われる該カーブした上面128は該曲がった又はツイストされたカバーガラスの形状と整合(matched)するのが好ましい。もう1つの実施例は該カーブした上面128に固定支持ブロック50の下を通過させてもよい。図11cは付着するカバーガラス188が選択されたカバーガラス68に付着する第1配向(first orientation)を示す。図11dは付着するカバーガラス188が選択されたカバーガラス68に付着する第2配向(second orientation)を示す。その図でカーブした上面128の側部プロフアイルにより表された、整合しカーブしたバリヤは、シーリング部材組立体が該スタック182から離れるよう回される時図11c及び11dに示す様にこれらの付着カバーガラス188を拒絶(reject)するであろう。このワイプ作用(wiping action)はどんな付着するカバーガラス188も取り除き、選択されたカバーガラスに付着(clinging)するカバーガラスを将来の選択用として残りスタック182上へ戻し置く。
【0051】
図11c及び図11dに示す該カーブした上面128の側部プロフアイルは1時的に形を直されたカバーガラス(temporarily reshaped cover glass)68の形状と整合するよう種々の形状を取ってもよい。該選択されたカバーガラスは、何れかの付着するカバーガラス188を除去するために該カーブした上面128に充分近く送られる。もう1つの実施例は、モーター駆動デバイスで支持ブロック50の下で起こるワイプ作用を有しており、該1時的に形を直されたカバーガラスの形状に整合する。
【0052】
図12a−cを参照すると、スライド上にカバーガラスをレリースする方法の側面図が示されている。1側面では、図3に示す様に、接着用流体ノズル(bonding fluid nozzles)54により接着用流体(bonding fluid)が該スライドの1部分上に置かれる。前に述べた様に、該接着用流体は、好ましい実施例ではグルー溶媒(glue sovent)、又はグルー(glue)でもよい。予めグルーを付けられたカバースリップ(Pre−glued cover slips)がその全体が引用によりここに組み入れられる同時係属中の出願である特許文献6で開示されている。該カバーガラスの第1エッジは該カバーガラスが該スライドに対し“V”型を形成する(図12b参照)よう該接着用流体が置かれる該スライドの部分上にレリースされる。
【0053】
その後該カバーガラスの、該第1の反対の、第2エッジが該スライドをカバーするようレリース(又は下方へ強制)される(図12c参照)。この仕方で、該カバーガラスの下にトラップされるガスバブルの数を最小化出来る。
【0054】
最初に、標本は接着用流体を該スライド上に付けることにより準備される。該接着用流体は該スライドの縦のエッジの1つのところの又はその近くの該スライドの面上に付けられるのが好ましい。1実施例では、接着用流体の4つ又は5つの個別滴が付けられてもよい。代わりに、該縦のエッジに沿って接着用流体のビーヅが付けられてもよい。該スライドの相対位置内への該カバーガラスの配置は、支持ブロック50を動かすか、該スライド190を動かすか、又は両者の組合せか何れかにより達成されてもよい。好ましい実施例では、該スライド190は静止した儘である。次いで該カバーガラスは該スライド上に落とされ、該カバーガラスのエッジの1つは該スライドに接触する。これは真空ポンプをオフに替え、重力に該カバーガラスのエッジを該スライド上に運ばせる、ことにより行われてもよい。好ましい実施例では、該カバーガラスの縦のエッジが該スライド上に落とされる。1実施例では、フック(例えば図3のスペーサーアーム32を参照)の様な外部デバイスが該カバーガラスの1つのエッジを該スライド上に落とすために使われてもよい。代わりの実施例では、該カバーガラスが該支持ブロック50によりなお保持されつつある間に、カバーガラス68のエッジが該スライド190上に降ろされるように、該支持ブロック50が旋回(pivoted)させられてもよい。
【0055】
図12aは放出位置でのカバーガラス68を有する支持ブロック50を示す。スペーサーアーム32は該カバーガラス68の1つのエッジと該スライド190の間に置かれる。該スペーサーアームは、それが下降位置にある(in a down position)時シーリング部材組立体から離れるよう旋回する(pivots)ように該シーリング部材組立体に旋回可能に(pivotally)取り付けられている。該スペーサーアーム32は、真空が除去された時該カバーガラス68の1端を捕まえるフックとして作用する。該スペーサーアーム32は約6.35mm(0.25インチ)より小さい幅の、好ましくは金属のバーであるのがよい。好ましい実施例では、該スペーサーアーム32は該シーリング部材組立体に旋回可能に結合されてもよい。該スペーサーアーム32の配置後、吸引機構がオフに替えられ、該カバーガラス68が前に述べた様に重力を介して自由に降下出来るようにして、そしてばね部材(複数を含む)76により印加される力で該カバーガラス68は該シーリング部材組立体から離れるよう押されてもよい。
【0056】
該ばね部材(複数を含む)76を設置する1実施例は、図5に示す様に、該シーリング部材72の周囲内で該柔軟なバッキングプレート64の各隅の近くに1つ置くことである。代わりに、該ばね部材(複数を含む)76は該シーリング部材72の周囲の外に置かれてもよい。好ましい実施例は該シーリング部材72の各隅の近くに1つのばね部材76が置かれた、4つのばね部材76を含むが、代わりの実施例はより多い又はより少ないばね部材76を含んでもよい。該ばね部材(複数を含む)76は該カバーガラス68が該シーリング部材72へ吸引された時圧縮される。真空発生器(vacuum generat
or)をオフに切り替えることを介した該カバーガラス68のレリース時、該ばね部材(複数を含む)76は該カバーガラス68に回復力(restoring force)を印加し、それを該シーリング部材72から離すよう押しそしてそれが該スライド190上に降下する又は引かれることを可能にする。これは該カバーガラス68の該シーリング部材72からの解除を保証する。
【0057】
該ばね部材(複数を含む)76は円錐又は球の形状であってもよく、弾性のあるエラストマー性材料を含んでもよい。好ましい実施例では、円錐形状の4つのばね部材76が該シーリング部材72の隅に置かれる。全て4つのばね部材76は、ポテンシャルのばねエネルギーの形成のために、時刻の同じ瞬間に、又はその近くで、該カバーガラス68上に力を印加する。該円錐形ばね部材(複数を含む)76は好ましくは、該円錐の先端が該カバーガラス68に接触し、該円錐の基部が該柔軟なバッキングプレート64の下側上で該シーリング部材72の周囲内に設置されるよう位置付けられた、円錐形を呈するのがよい。該カバーガラス68と接触する該円錐の先端を使うことは該円錐ばね部材(複数を含む)76と、接触するであろう該カバーガラス68と、の間の表面積を下げる。これは該円錐に付着するカバーガラス68の可能性を下げる。好ましくは、それらはシーリング部材72上に溶接(welded)されるのがよい。
【0058】
図12bを参照すると、該カバーガラス68が該シーリング部材72からレリースされると、該カバーガラス68の少なくとも1つのエッジは落ちて、該スライド190の少なくとも1つのエッジと接触し、そして該カバーガラス68のもう1つのエッジは落ちて該スペーサーアーム32と接触する。これは該スライド190と該カバーガラス68の間に楔型のギャップを創る。
【0059】
前に論じた様に、液体は、図12で示す様に、該液体が該カバーガラス68と該スライド190とにより形成される“V”型のノッチ(notch)又はアペックス(apex)内にあるように、該スライドの1つの部分上に置かれる。長方形に形作られたカバーガラス68のより長いエッジか又はより短いエッジか何れかがスライド190と接触してもよい。本発明の背景技術で論じた様に、カバーガラスは典型的に約25.4mm(1インチ)×約50.8mm(2インチ)である。好ましい実施例では、該カバーガラスのより長いエッジ{約50.8mm(2インチ)}がスライドと接触する。代わりに、該カバーガラス68を該スライド190と接触させることは該スライド190に対し支持ブロック50をチルト(tilting)することにより達成されてもよい。この実施例では、スペーサーアーム32は必要でない。更に、この実施例では、該カバーガラス68が該シーリング部材72からレリースされる時、1つのエッジが該スライド190に最初に接触し、前に論じた楔型ギャップ(wedge shaped gap)を創る。もう1つの実施例は該支持ブロック50に対しチルトされたスライド190を有してもよい。再び、この実施例では、該カバーガラス68が該シーリング部材72からレリースされた後、その1つのエッジが該スライド190に最初に接触し、該2つの間に望ましい楔型ギャップを創る。
【0060】
一旦該カバーガラス68が該スライド190に接触すると、該ヘッド組立体は下方へ動かされてもよい。1つの側面では、該ヘッド組立体は、該スライドに最初に接触したエッジと反対のエッジが該スライドに近いが、接触しないように{例えば、約1.52mm(0.06インチ)−約2.54mm(0.1インチ)}下方へ動かされる。その後、該スペーサーアーム32は除去され、該支持ブロック50は揚げられ、該カバーガラス68の反対のエッジが該スライド190上に完全に降下出来るようにする。これは図12cに示される。好ましい実施例では、該スペーサーアーム32は、それを該支持ブロック50から離れるようスイング(swinging)するか又はそれを離れるよう旋回(pivoting)させるか何れかにより除去される。もう1つの実施例は該カバーガラス68が
該スライド190上に降下出来るようにするために該スペーサーアーム32を少なくとも90゜回転させてもよい。代わりの実施例では、該スペーサーアーム32は静止した儘である一方該スライド190は、該カバーガラス68が該スペーサーアーム32から離れ、該スライド190上へ降下するに充分な大きさの距離だけ、該支持ブロック50に対し下げられる。該スペーサーアーム32が除去され、該カバーガラス68が自由に降下出来るようにすると、該カバーガラス68は該スライド190から離れるよう該スペーサーアーム32により引かれることはなく、何故ならば該標本上の接着用流体が場所内に該カバーガラス68を保持する保持力(retaining force)を有するからである。更に代わりの実施例では、該スペーサーアーム32が除去された時、もし該カバーガラス68がスペーサーアームに付着するならば該カバーガラス68が機械的停止部(mechanical stop)を打つように機械的停止部が置かれてもよい。
【0061】
該カバーガラス68の第1エッジが該スライド190上の該標本と接着用流体とに最初に接触した後、毛管作用(capillary action)が該カバーガラス68と該スライド190の間の楔ギャップのシャープな隅に接着用流体を引くであろう。接着用流体の初期の3つ又は4つの個別滴はそれら間にギャップのない連続ビーヅ(continuous bead)を形成するであろう。該接着用流体は該カバーガラスと該スライドとを一緒に引くよう作用するであろう。ヘッド組立体が下方に動くと及び/又は該レリースされたカバーガラスが標本上で下へチルトすると、該カバーガラス68が下がるにつれて、前進する接着用流体のライン(advancing bonding fluid
line)は該カバーガラス68の下から空気を押し出す。該カバーガラス68と該スライド190の間の空間内の接着用流体の動きは毛管作用の力のために起こる。最終結果は、トラップされた空気ポケットを少ししか有せずに又は無しで、該スライド190上で標本を完全にカバーするカバーガラス68を置けることである。
【0062】
本発明の例示的実施例が図解され、説明された。しかしながら、上記請求項により規定された本発明の範囲から逸れることなしに本発明に変更及び変型が行われ得ることは理解されるであろう。更に、該請求項はその効果に言及されてないならば、要素の説明された順序に限定されると読まれるべきでない。従って、上記請求項とその均等物の範囲と精神内に入る全ての実施例は本発明として請求される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】自動カバースリッパー装置の正面斜視図である。
【図2】自動カバースリッパー装置のブロック線図である。
【図3】図1の自動カバースリッパーのヘッド部分の斜視図である。
【図4】図3に示す支持ブロック及びシーリング部材組立体の1実施例の斜視図である。
【図5】図4に示すシーリング部材組立体の底面斜視図である。
【図6】カートリッジ、カートリッジホルダー、そしてチューニングフオーク、リードねじ、シャフト、ベルト及びモーターの斜視図である。
【図7】図1のカートリッジ供給及び放出デバイスの斜視図である。
【図8a】図6のカートリッジの平面斜視図である。
【図8b】図6のカートリッジの底面斜視図である。
【図9a】脊椎構造体スライドホルダー及びスライドを有するトレイの平面斜視図である。
【図9b】図9aのトレイの部分的組立分解図である。
【図9c】該脊椎構造体スライドホルダーの個別部分である。
【図10a】カバーガラスを分離、放出する過程のフローチャートである。
【図10b】カバーガラスを分離、放出する過程のフローチャートである。
【図11a】カバーガラスを分離する方法を示す。
【図11b】カバーガラスを分離する方法を示す。
【図11c】カバーガラスを分離する方法を示す。
【図11d】カバーガラスを分離する方法を示す。
【図12a】カバーガラスをスライド上へ放出する方法を描く略図を示す。
【図12b】カバーガラスをスライド上へ放出する方法を描く略図を示す。
【図12c】カバーガラスをスライド上へ放出する方法を描く略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーガラスを保持するカートリッジに於いて、該カートリッジが該カバーガラスを位置内に押すフオークが入ることを可能にするために該カートリッジの底部端部内に1つ以上のアパーチャーを具備することを特徴とする該カートリッジ。
【請求項2】
前記カートリッジが実質的に直方体状の端部の開いた箱の形状を具備しており、前記開いた端部が実質的に凹である少なくとも1つの側を有することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジが該カートリッジを位置内に整合し、ガイドするために1つ以上の整合リップを具備することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジが1つ以上のプランジャーを配置するために1つ以上の戻り止めを具備し、それにより該カートリッジを位置内に取り付けることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
更にメモリーデバイスを具備することを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記整合リップが該箱の閉じた端部に隣接して配置されることを特徴とする請求項3記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記戻り止めが該整合リップ上に配置されることを特徴とする請求項4記載のカートリッジ。
【請求項8】
該直方体状の箱が内部と、側壁とそして該底部端部とを備えており、そして該カートリッジは更に少なくとも1つのカットアウトを具備しており、該カットアウトが該側壁の少なくとも2つが隣接する該直方体状の箱の該内部内に配置されることを特徴とする請求項2の該カートリッジ。
【請求項9】
4つのカットアウトがあり、該カットアウトの各々が該側壁が隣接するところに配置されており、該カットアウトが形状がカーブしていることを特徴とする請求項2記載カートリッジ。
【請求項10】
カバーガラスをスライド上に自動的に放出する方法に於いて、該方法が、
該スライドの1部分に接触するよう該カバーガラスの第1エッジをレリースする過程と、そして
該カバーガラスの第2エッジを該スライド上にレリースする過程とを具備しており、該第2エッジは該カバーガラスの該第1エッジの反対であることを特徴とする該方法。
【請求項11】
該スライドの1部分に接触するよう該カバーガラスの第1エッジをレリースする該過程が、該カバーガラスと該スライドとが“V”型を形成するよう該カバーガラスを位置付けする過程を備えることを特徴とする請求項10の該方法。
【請求項12】
更に液体を該スライド上に放出する過程を具備しており、該液体を放出する過程が、該スライドの1部分に接触するよう該カバーガラスの第1エッジを置く該過程の前に行われることを特徴とする請求項10の該方法。
【請求項13】
該カバーガラスの該第1エッジと該スライドとが1つのラインを形成するよう交叉しており、そして
該液体が該ラインの近くに放出されることを特徴とする請求項12の該方法。
【請求項14】
該カバーガラスが2つのより短い辺と2つのより長い辺とを有する長方形の形状を有し、そして
重力により置かれる該第1エッジが該2つのより長い辺の1つであることを特徴とする請求項10の該方法。
【請求項15】
該カバーガラスが支持ブロックへ吸引され、そして
該スライド上に第1エッジを、重力により、置く該過程が該カバーガラスの該第1エッジが該スライド上に降下するように該吸引作用を取り除く過程を有することを特徴とする請求項10の該方法。
【請求項16】
該支持ブロックが少なくとも1つのスペーサーアームを含んでおり、そして
該カバーガラスの該第2エッジが該吸引作用を取り除いた後に該スペーサーアームにより保持されることを特徴とする請求項15の該方法。
【請求項17】
該カバーガラスの第2エッジを該スライド上にレリースする又は降ろす該過程が該カバーガラスの該第2エッジが該スライド上に降下するよう該スペーサーアームを動かす過程を有することを特徴とする請求項16の該方法。
【請求項18】
該スライドの1部分に接触するよう該カバーガラスの第1エッジをレリースする該過程の後、該カバーガラスとスライドとは第1角を形成し、該第1角は90度より小さく、そして該方法は更に、
該カバーガラスとスライドとが第2角を形成するよう該支持ブロックとスライドとを相互に対し動かす過程を具備しており、該第2角は該第1角より小さくなっており、
該支持ブロックとスライドとを相互に対し動かす該過程は、該カバーガラスの第1エッジを置く該過程の後でそして該カバーガラスの第2エッジを置く該過程の前に行われることを特徴とする請求項15の該方法。
【請求項19】
支持ブロックとスライドとを相互に対し動かす該過程が該支持ブロックを下方へ動かす過程を有することを特徴とする請求項18の該方法。
【請求項20】
カバーガラスのスタックからカバーガラスを放出する方法に於いて、該方法が、
該カバーガラスをシーリング部材に接触させる過程と、
該シーリング部材を接地する過程と、そして
該カバーガラスを放出する過程とを具備することを特徴とする該方法。
【請求項21】
該シーリング部材を接地する該過程が該シーリング部材を導電性材料と接触させる過程を備えており、そして該導電性材料が接地されることを特徴とする請求項20の該方法。
【請求項22】
該シーリング部材が該カバーガラスとシールを形成することを特徴とする請求項21の該方法。
【請求項23】
該カバーガラスを放出する該過程が、
該スライドの1部分と接触するよう該カバーガラスの第1エッジを置く過程と、そして
該カバーガラスの第2エッジを該スライド上に置く過程とを備えており、該第2エッジが該カバーガラスの第1エッジの反対であることを特徴とする請求項20の該方法。
【請求項24】
該第1エッジを置く過程が重力により行われ、そして
該第2エッジを置く該過程が重力により行われることを特徴とする請求項23の該方法


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【公開番号】特開2008−77107(P2008−77107A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305649(P2007−305649)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【分割の表示】特願2003−587713(P2003−587713)の分割
【原出願日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願人】(599075070)ベンタナ・メデイカル・システムズ・インコーポレーテツド (31)
【Fターム(参考)】