説明

自動テンション機が装着された撚糸機

本発明は複数のボビンを回転させるためのベルトが巻かれるドラムの外被をシリコーンコーティングしてベルトとドラムとの摩擦力を減らし、自動テンション機を装着して上記ベルトに所定大きさの張力が作用するようにする撚糸機に関する。このために、本発明は原糸が巻かれている複数のボビンと;駆動装置と駆動軸で連結されて、上記駆動軸によって回転運動をする駆動プーリーと;上記駆動プーリーのドラム周りに巻かれ、上記駆動プーリーの回転運動によって動いて上記複数のボビンを回転させるベルトと;上記駆動装置に連結されて上記ベルトに所定の張力を加える自動テンション機と;を含み、ここで、上記駆動プーリーのドラムの外被は所定厚さにシリコーンコーティングされて、上記ベルトとの摩擦力が減少されることを特徴とする自動テンション機が装着された撚糸機を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動テンション機が装着された撚糸機に関し、さらに詳しくは、原糸が巻かれた複数のボビンを回転させるためのベルトが取り巻かれたドラム外被をシリコーンコーティングしてベルトとドラムとの摩擦力を減少し、自動テンション機を装着して上記ベルトに所定大きさの張力が作用するようにする撚糸機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、撚糸機は精紡機で紡ぎ出した単糸を二本またはそれ以上の本数に合わせて撚る機械を言う。図1は従来技術(出願番号90−17706)である撚糸機に関し、図1に示すように、駆動プーリー5の回転運動によってベルト6が回転することによって原糸が巻かれたポビン7が回転する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記のような従来技術では、ベルト6が巻かれる駆動プーリー5のドラムが金属素材からなっていて、ベルト6とドラムとの間の摩擦熱によってベルトが容易に損傷される問題点があった。
【0004】
また、ベルト6に加えられる張力が一定でなくて、昼と夜、夏と冬による温度変化によってベルト6に加えられる張力の変化を一定にすることができないという短所があって、ベルト6の寿命が短くなり、単位時間当りボビン7の回転数が一定でないという問題点があった。
【0005】
また、ボビン7に巻かれたデニールの異なる2つの原糸を合糸する過程で、1つの糸案内口9を通じてデニールの異なる2つの原糸が送出されるので、中間に互いに撚れる現象が発生して、単位時間当り2つの原糸が送出される長さも互いに違う問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような問題点を解決するために、本発明はベルトが巻かれるドラムの外被にシリコーンコーティングをすることでベルトとドラムとの間の摩擦力を減少し、自動テンション機を装着してベルトに所定張力が加えられるようにすることによって、ベルトの寿命が大きく向上される撚糸機を提供することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は送出口を2つにしてデニールの異なる2つの原糸を合糸する時、中間に互いに撚れないで、互いに異なる2つの原糸が単位時間当り所定長さに送り出しされる撚糸機を提供することをその目的とする。
【0008】
上記目的を果たすために、本発明は原糸が巻かれている複数のボビン400と;駆動装置700と駆動軸710で連結されて、上記駆動軸710によって回転運動をする駆動プーリー100と;上記駆動プーリー100のドラム200の周りに巻かれ、上記駆動プーリー100の回転運動によって動いて上記複数のボビン400を回転させるベルト300と;上記駆動装置700に連結されて、上記ベルト300に所定張力を加える自動テンション機500とを含み、上記駆動プーリー100のドラム200の外被は所定厚さにシリコーンコーティングされて上記ベルト300との摩擦力が減少されることを特徴とする自動テンション機が装着された撚糸機を提供する。
【0009】
上記自動テンション機が装着された撚糸機は、複数の送出ローラー500と;上記複数のボビン400に巻かれた原糸が上記複数の送出ローラー500に伝達されるための送出口510と;をさらに含み、上記送出口510は各送出ローラー500に対して2つずつ形成され、上記複数の送出ローラー500に巻かれた原糸が上記2つの送出口を通じて上記各送出ローラー500に伝達されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明はベルトが巻かれるドラムの外被にシリコーンコーティングをすることで、ドラムとベルトとの間の摩擦によって発生する熱を除去し、自動テンション機を装着してベルトに所定張力が加えられるようにして、ベルトの交換時期を画期的に延長することができる効果を奏する。
【0011】
また、2つの送出口を装着してデニールと物性の異なる2つの原糸を分離して送出させることで、互いに異なる2つの原糸が中間に互いに撚れないで、単位時間当り所定長さに送出される効果を奏する。
【0012】
実際に本発明を人絹糸75デニールとDTY75デニールの混糸撚糸加工を通じる高級原緞生産に利用した。その結果、撚糸不良が1ヤードも発生しない優れた効果があり、150デニール以下の全ての複合撚糸(S.Z.撚糸)加工が可能であった。現在(シルクとポリエステル糸、シルクと人絹糸)撚糸加工して試験検証を受け在職中である。また、作業の時の糸切れ発生率を5%から0.5%に激減し、通常4%のロス率を2%に減少させた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は従来の撚糸機を示す例示図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態による自動テンション機が装着された撚糸機の平面図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態による自動テンション機が装着された撚糸機の正面図である。
【図4】図4は本発明の一実施形態による自動テンション機の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明で用いられる用語はできるだけ現在広く使われる一般的な用語を選択したが、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合は対応する発明の詳細な説明部分でその意味を記載したので、単純な用語の名称ではない用語が有する意味で本発明を把握すべきである。
【0015】
以下、上記の目的を具体的に実現することができる本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。ただし、本発明が上記実施形態によって制限されたり限定されるのではない。
【0016】
図2は本発明の一実施形態による自動テンション機が装着された撚糸機の平面図である。図2によれば、本発明による撚糸機は従来の撚糸機のように、駆動プーリー100、ドラム200、ベルト300、複数のボビン400及び自動テンション機500を含む。
【0017】
図2において点線で示す部分は駆動プーリー100及び複数のボビン400で隠れているベルト300を示す。駆動プーリー100の回転によってヘルト300が動き、ベルト300との摩擦によって原糸が巻かれている複数のボビン400が回転する。
【0018】
一般的に、従来の複合撚糸機は、金属材質からなるドラム200とベルトとの摩擦によって摩擦熱が発生し、上記摩擦熱によってベルト300が膨脹して正回転することができなくて不安定な撚糸によって糸切りの原因になる。
【0019】
本発明による自動テンション機が装着された撚糸機は、ドラム200の外被に所定の厚さにシリコーンコーティング処理をして熱の発生要因を根本的に解決し、摩擦力を革新的に減少させた。また、従来の撚糸機は、ベルト300の張力を感覚によって調節するため、適正な張力を持続させることが困難であり、モーター負荷及びベルト300の膨脹でベルトの寿命短縮及びスピンドル摩耗の原因となった。本発明による自動テンション機が装着されたベルト駆動装置に自動テンション機500を装着してベルトの張力を温度、湿度、季節にかかわらず常に一定するように保持することができる。
【0020】
それによって従来の撚糸機を用いる時には5KWのモーターを用いたが、本発明による自動テンション機が装着された撚糸機を用いる時には3.5KWのモーターを用いても同じ機能をすることができて、電力消耗量を25%節減することができる。
【0021】
また数千個のスピンドルの摩耗を減少して、ベルト交換時期を延長させることができる。
【0022】
図3は本発明の一実施形態による自動テンション機が装着された撚糸機の正面図である。図3によれば、本発明による自動テンション機が装着された撚糸機は2つの原糸を合糸する時、2つの送出口510、520を利用する。
【0023】
従来の撚糸機は1つの送出口のみを有して、2つのボビン400からデニール及び物性の異なる2つの原糸を合糸する時、1つの送出口を通過する時、撚れるか混じられて、単位時間に同じ長さが送出されないという短所があった。即ち、従来の撚糸機は一つの送出口に依存するためデニール及び物性の異なる2合糸加工が不可能であり、送出する時、2合糸が重なって所定の送出が困難であった。それによって撚数も不確定な問題点があった。
【0024】
本発明による自動テンション機が装着された撚糸機は、送出ローラー500の上部及び下部に2つの送出口510、520を設置して、デニール及び物性の異なる2つの原糸がそれぞれ異なる送出口を通じて送出ローラー500に送出されて、所定の送出と撚数が正確になった。上記送出ローラー500を通過した2つの原糸は下部のボビン600に巻かれる。
【0025】
図4は本発明の一実施形態による自動テンション機の詳細図である。図4によれば、本発明による自動テンション機が装着された撚糸機は、ドラム200の下部に駆動装置700が連結され、上記駆動装置700は駆動軸710によってドラム200と連結される。駆動軸710の両端にはベアリング730、740が連結され、駆動装置700の下部にもベアリング750が設置されることができる。上記駆動装置700には自動テンション機500が連結されてベルト300に所定張力が加えられることができるようにする。
【0026】
以上、本発明について実施例を挙げて具体的に説明したが、上記実施形態は本発明を理解するための説明のために提示されたもので、本発明の範囲が上記実施形態に制限されるのではない。当業者であれば、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であることを理解すべきであり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって解釈すべきである。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
原糸が巻かれている複数のボビン(400)と;
駆動装置(700)と駆動軸(710)で連結されて、上記駆動軸(710)によって回転運動をする駆動プーリー(100)と;
上記駆動プーリー(100)のドラム(200)の周りに巻かれ、上記駆動プーリー(100)の回転運動によって動いて上記複数のボビン(400)を回転させるベルト(300)と;
上記駆動装置(700)に連結されて、上記ベルト(300)に所定張力を加える自動テンション機(500)と;を含み、
上記駆動プーリー(100)のドラム(200)の外被は所定厚さにシリコーンコーティングされて上記ベルト(300)との摩擦力が減少されることを特徴とする自動テンション機が装着された撚糸機。
【請求項2】
複数の送出ローラー(500)と;
上記複数のボビン(400)に巻かれた原糸が上記複数の送出ローラー(500)に伝達されるための送出口(510)と;をさらに含み、
上記送出口(510)は各送出ローラー(500)に対して2つずつ形成され、上記複数の送出ローラー(500)に巻かれた原糸が上記2つの送出口を通じて上記各送出ローラー(500)に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の自動テンション機が装着された撚糸機。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−528950(P2012−528950A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513863(P2012−513863)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003399
【国際公開番号】WO2010/140793
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511292253)
【Fターム(参考)】