説明

自動ドア装置の防振構造

【課題】扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備える自動ドア装置の防振構造において、火災時等における安全性を向上させることが可能な自動ドア装置の防振構造を提供する。
【解決手段】枠体側部材61は、ドア体3,3の厚み方向に間隔をあけて配置され、躯体7側に延び且つ該ドア体3,3に平行な一対の側板部61b,61bを有し、躯体側部材62は、上記一対の側板部61b,61bの間に配置され、自動ドア枠2側に延び且つ該ドア体3,3に平行な縦板部62bを有し、防振ゴム63,63は、上記一対の側板部61b,61bと上記縦板部62bとの間に配設され、両者を弾性連結している。第2規制手段92は、防振ゴム63,63が焼失した場合に、側板部61bが縦板部62bに当接して自動ドア枠2が傾くのを規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備える自動ドア装置の防振構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、バリアフリーの普及並びにオートロックマンション及び高層住宅等の増加により、住宅に自動ドア装置が取り付けられるようになってきている。この種の自動ドア装置は、ドア体(扉体)を開閉させるエンジンに起因する振動やドア体の開閉に起因する振動が例えば直上の居室に伝わるのを防止するために、防振構造を備えている。
【0003】
この種の防振構造として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この防振構造では、駆動装置を備えた横長のエンジンケース(枠体)の上部に水平の支承部を有した吊金具を取付け、この支承部を、建物開口部の上縁側躯体に取付けた第1取付金具に上向きに設けた防振ゴムに載置して連結し、エンジンケースの上下中間部を、建物開口部の上縁側躯体に取付けた第2取付金具に横向きに設けた防振ゴムに当接して連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2515664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された防振構造では、例えば火災時に枠体と躯体とを連結する防振ゴムが焼失した場合には、枠体を躯体に支持する機能が失われ、枠体と共に扉体が大きく傾いて開き難くなると予想され、安全性が十分ではなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備える自動ドア装置の防振構造において、火災時等における安全性を向上させることが可能な自動ドア装置の防振構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、自動ドア装置の枠体と建物の躯体とを弾性連結する防振ゴムが消失又は破断した場合に、該枠体が傾くのを規制することを特徴とする。ここで「消失」とは、焼失に限らず、火災以外の原因によって防振ゴムがきえてなくなることも含む。
【0008】
具体的には、本発明は、扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備える自動ドア装置の防振構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
第1の発明は、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記枠体が上記扉体の厚み方向に傾くのを規制する規制手段を更に備えることを特徴とするものである。
【0010】
これによれば、扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備え、更に、防振ゴムが消失又は破断した場合には、枠体が扉体の厚み方向に傾くのを規制する規制手段を備えるため、枠体が傾くのを規制することができる。このため、火災時等に扉体を開くことが可能となって安全性を向上させることが可能となる。
【0011】
第2の発明は、上記防振ゴムが焼失又は破断した場合には、上記枠体が上記扉体の厚み方向に傾くのを規制する規制手段と、上記枠体と上記躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段と、を更に備えることを特徴とするものである。
【0012】
これによれば、第1の発明と同様に、火災時等に扉体を開くことが可能となって安全性を向上させることが可能となる。更に、これによれば、枠体と躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段を備えるため、火災時に炎がこの空間を通り抜けるのを防止することができ、安全性を更に向上させることが可能となる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、上記規制手段は、上記枠体に設けられた当接部材と、上記躯体に設けられた被当接部材とを有していて、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記当接部材が上記被当接部材に当接することによって上記枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
これによれば、規制手段は、枠体に設けられた当接部材と、躯体に設けられた被当接部材とを有していて、防振ゴムが消失又は破断した場合には、当接部材が被当接部材に当接することによって枠体が扉体の厚み方向に傾くのを規制するように構成されているため、枠体及び躯体にそれぞれ設けられた部材という簡単な構成で枠体が傾くのを規制することが可能となる。
【0015】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記枠体と上記躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段を更に備えることを特徴とするものである。
【0016】
これによれば、枠体と躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段を更に備えるため、火災時に炎がこの空間を通りぬけるのを防止することができ、安全性を更に向上させることが可能となる。
【0017】
第5の発明は、上記第4の発明において、上記当接部材又は上記被当接部材は、上記閉塞手段の一部を構成することを特徴とするものである。
【0018】
これによれば、当接部材又は被当接部材が閉塞手段の一部を構成する。すなわち、当接部材又は被当接部材が閉塞手段の一部に兼用されるため、部品点数を少なくして製造コストを抑制することが可能となる。
【0019】
第6の発明は、上記第3又は第4の発明において、上記当接部材又は上記被当接部材は、上記防振装置の一部を構成することを特徴とするものである。
【0020】
これによれば、当接部材又は被当接部材が防振装置の一部を構成する。すなわち、当接部材又は被当接部材が防振装置の一部に兼用されるため、部品点数を少なくして製造コストを抑制することが可能となる。特に上記第4の発明においては、当接部材又は被当接部材が防振装置の一部だけでなく閉塞手段の一部にも兼用されるため、製造コストを更に抑制することが可能となる。
【0021】
第7の発明は、上記第5又は第6の発明において、上記当接部材は、上記枠体の上記躯体に対向する面における上記防振装置の上記厚み方向外側に該躯体側に延びるように配置された一対の第1当接板部を有しており、上記被当接部材は、上記躯体の上記枠体に対向する面における上記一対の第1当接板部よりも上記厚み方向外側に上記枠体側に延びるように配置された一対の第1被当接板部を有しており、上記規制手段は、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記第1当接板部が上記第1被当接板部に当接することによって上記枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されていることを特徴とするものである。
【0022】
これによれば、当接部材は、枠体の躯体に対向する面における防振装置の扉体の厚み方向外側に該躯体側に延びるように配置された一対の第1当接板部を有しており、被当接部材は、躯体の枠体に対向する面における該一対の第1当接板部よりも該厚み方向外側に枠体側に延びるように配置された一対の第1被当接板部を有しており、規制手段は、防振ゴムが消失又は破断した場合には、第1当接板部が第1被当接板部に当接することによって枠体が該厚み方向に傾くのを規制するように構成されているため、防振装置とは別に上記のような第1当接板部及び第1被当接板部をそれぞれ有する当接部材及び被当接部材を設けることによって枠体が傾くのを規制することが可能となる。
【0023】
更に、これによれば、上記第1当接板部及び第1被当接板部がそれぞれ枠体と躯体との間の空間を塞ぐように設けられている場合には、これら第1当接板部及び第1被当接板部が閉塞手段の一部を構成する。従って、製造コストを抑制することが可能となる。
【0024】
第8の発明は、上記第5乃至第7のいずれかの発明において、上記防振装置は、上記当接部材と、上記被当接部材と、該当接部材と該被当接部材との間に配設されて両者を弾性連結する上記防振ゴムと、を有することを特徴とするものである。
【0025】
これによれば、防振装置は、当接部材と、被当接部材と、該当接部材と該被当接部材との間に配設されて両者を弾性連結する防振ゴムと、を有しており、規制手段は、該防振ゴムが消失又は破断した場合には、該当接部材が該被当接部材に当接することによって枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されているため、防振装置の構成を利用して枠体が傾くのを規制することができる。従って、防振構造の簡素化及び製造コストの抑制が可能となる。
【0026】
第9の発明は、上記第8の発明において、上記被当接部材は、上記躯体の上記枠体に対向する面における上記一対の第2当接板部の間に上記枠体側に延びるように配置された第2被当接板部を有しており、上記防振ゴムは、上記各第2当接板部と上記第2被当接板部との間に配設され、該第2当接板部側に行くに従って上記躯体に近づくように傾斜して両者を弾性連結しており、上記規制手段は、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記第2当接板部が上記第2被当接板部に当接することによって上記枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されていることを特徴とするものである。
【0027】
これによれば、当接部材は、枠体の躯体に対向する面に扉体の厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され且つ躯体側に延びる一対の第2当接板部を有しており、被当接部材は、躯体の枠体に対向する面における該一対の第2当接板部の間に枠体側に延びるように配置された第2被当接板部を有しており、上記防振ゴムは、各第2当接板部と第2被当接板部との間に配設され、該第2当接板部側に行くに従って躯体に近づくように傾斜して両者を弾性連結しており、規制手段は、防振ゴムが消失又は破断した場合には、第2当接板部が第2被当接板部に当接することによって枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されている。これにより、防振ゴムは、上記厚み方向におけるばね定数が、枠体と躯体とが互いに対向する方向におけるばね定数よりも大きいため、扉体が風圧を受けても枠体を安定して支持すると共に、枠体から躯体への振動の伝達を効果的に抑制することが可能となる。
【0028】
また、これによれば、上記のように防振ゴムが上記第2当接板部側に行くに従って躯体に近づくように傾斜しているため、枠体と躯体とが互いに対向する方向における防振ゴムの大きさを抑制することが可能となり、防振装置をコンパクトにすることが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備え、防振ゴムが消失又は破断した場合には、枠体が扉体の厚み方向に傾くのを規制する規制手段を更に備えるため、枠体が傾くのを規制することができる。このため、火災時等に扉体を開くことが可能となって安全性を向上させることが可能となる。また、枠体と躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段を備えるため、火災時に炎がこの空間を通り抜けるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態1に係る自動ドア装置の防振構造を備える自動ドア装置を示す正面図である。
【図2】実施形態1に係る自動ドア装置の防振構造を備える自動ドア装置を示す図であって、同図(a)は図1におけるIIa-IIa線矢視断面図であり、同図(b)は図1におけるIIb-IIb線矢視断面図である。
【図3】図1におけるIII-III線矢視断面図である。
【図4】図1におけるIV-IV線矢視断面図である。
【図5】実施形態1に係る自動ドア装置の防振構造に用いられる防振装置を示す図であって、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)の矢印b方向から見た側面図であり、同図(c)は同図(a)の矢印c方向から見た側面図である。
【図6】実施形態2に係る自動ドア装置の防振構造に用いられる防振装置を示す断面図である。
【図7】実施形態3に係る自動ドア装置の防振構造に用いられる防振装置を示す断面図である。
【図8】実施形態4に係る自動ドア装置の防振構造に用いられる防振装置を示す断面図である。
【図9】実施形態5に係る自動ドア装置の防振構造に用いられる防振装置を示す断面図である。
【図10】その他の実施形態に係る自動ドア装置の防振構造を示す断面図である。
【図11】その他の実施形態に係る自動ドア装置の防振構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0032】
(実施形態1)
−自動ドア装置の全体構成−
図1は、本発明の実施形態1に係る自動ドア装置の防振構造Vを備える自動ドア装置1を示す正面図である。図2(a)は図1におけるIIa-IIa線矢視断面図であり、図2(b)は図1におけるIIb-IIb線矢視断面図である。図3は、図1におけるIII-III線矢視断面図である。図4は、図1におけるIV-IV線矢視断面図である。
【0033】
この自動ドア装置1は、防火地域内の建物の出入口に設けられたものであって、この出入口に嵌め込まれる自動ドア枠(枠体)2と、この自動ドア枠2の開口部を開閉する一対のドア体(扉体)3,3とを備えている。自動ドア枠2は、図1に示すように、上記開口部の上部において幅方向(以下、左右方向という)に延びる略直方体状のケース体4と、このケース体(当接部材)4の左右両端から下方に延びて下端が床面に固定された一対の角柱状の縦枠(当接部材)5,5とを備えている。
【0034】
上記自動ドア枠2は、複数の防振装置6を介して、建物の躯体7に打ち込まれたアンカーボルト7a及び固定補助部材(等辺山型鋼の小片等)7bによって躯体7に固定された固定枠(被当接部材)8に連結されている。そして、自動ドア枠2の周囲には、化粧パネル材7c及びこの化粧パネル材7cと自動ドア枠2との間の空間を塞ぐシール材7dが設けられている。尚、図1において、化粧パネル材7c、シール材7d及び後述するモルタル7eを説明の便宜上省略している。また、図3及び図4では、アンカーボルト7a及び固定補助部材7bを省略している。
【0035】
自動ドア枠2と躯体7との間の空間を以下に示す構造で塞ぐことによって火災時に炎が通り抜けるのを防止している。まず、躯体7と固定枠8との間の空間Aは、モルタル7eや耐火ボード等の不燃材料で塞がれている。
【0036】
次に、自動ドア枠2と固定枠8との間の空間Bは、自動ドア枠2の外周、つまり自動ドア枠2の上側及び左右両側の全周に亘って、自動ドア枠2から固定枠8側に延びる金属製板部材と、固定枠8から自動ドア枠2側に延びる金属製板部材とがドア体3,3の厚み方向(以下、単に厚み方向という)から見てオーバーラップする構造によって塞がれている。以下、このオーバーラップ構造の詳細について説明する。
【0037】
上記固定枠8は、図1に示すように、自動ドア枠2の上側及び左右両側にそれぞれ配置される水平固定枠81と、一対の縦固定枠82,82と、を有している。この一対の縦固定枠82,82は、自動ドア枠2の一対の縦枠5,5の左右方向外側にそれぞれ配置されていて、下端が床面に固定され、上方に延びて水平固定枠81の左右両端部に突き当たっている。また、水平固定枠81の左右両端面には、それぞれ塞ぎ板83,83が固定されていて、水平固定枠81の左右両端部が塞がれている。
【0038】
水平固定枠81及び縦固定枠82の断面形状は互いに同一であって、図3及び図4に示すように、躯体7に固定され、自動ドア枠2の躯体7側の側面に平行な固定部81a,82aと、この固定部81a,82aの厚み方向両端部が自動ドア枠2側に折り曲げられてドア体3,3に平行に延びる躯体側防火板部81b,81b及び82b,82bと、を有している。一方、ケース体4及び縦枠5の躯体7に対向する面には、上記躯体側防火板部81b,81b及び82b,82bよりも厚み方向内側にそれぞれ配置されてドア体3,3に平行に延びる一対の枠体側防火板部4a,4a及び5a,5aが躯体7側に延びている。枠体側防火板部4a,4aは、水平固定枠81と同様に、左側の縦固定枠82から右側の縦固定枠82まで水平に延びている。そうして、躯体側防火板部81b,81b及び枠体側防火板部4a,4a並びに躯体側防火板部82b,82b及び枠体側防火板部5a,5aがそれぞれ厚み方向から見てオーバーラップしている。これにより、空間Bが塞がれている。
【0039】
このように、空間A及び空間Bを塞いで火災時に炎が通り抜けるのを防止する防火手段(閉塞手段)90は、上記モルタル7e、上記躯体側防火板部81b,81b及び82b,82b並びに上記枠体側防火板部4a,4a及び5a,5aによって構成されている。尚、本実施形態では、空間Bにおける自動ドア枠2の両斜め上側部分を、上記水平固定枠81及び枠体側防火板部4a,4aを左側の縦固定枠82から右側の縦固定枠82まで延ばすことによって塞いでいるが、例えば、一対の縦固定枠82,82及び一対の枠体側防火板部5a,5aを水平固定枠81まで上方に延ばして塞いでもよい。また、本実施形態では、厚み方向両側において一対の躯体側防火板部81b,81bと一対の枠体側防火板部4a,4aとをオーバーラップさせることで空間Bを塞いでいるが、例えば、厚み方向一方側だけ躯体側防火板部81bと枠体側防火板部4aとをオーバーラップさせるだけでもよい。更に、本実施形態では、空間Bの自動ドア枠2上側部分が左右両側と同様のオーバーラップ構造で塞がれていたが、異なる構造で塞がれてもよい。
【0040】
上記複数の防振装置6は、図1において四角形の破線で模式的に示す位置にそれぞれ1台ずつ配置されている。具体的には、自動ドア枠2の上側に配置される10台の防振装置6は、図2(a)に模式的に示すように、自動ドア装置1の内部側及び外部側に交互に、すなわち千鳥状にそれぞれ配置され、自動ドア枠2の右側に配置される6台の防振装置6も、図2(b)に模式的に示すように、千鳥状に配置されている。尚、自動ドア枠2の左側にも右側と同様に6台の防振装置6が千鳥状に配置されている。このように防振装置6を千鳥状に配置することによって、相当の重量を有する自動ドア装置1を安定して取り付けることが可能となる。尚、自動ドア装置1の機種によってサイズや重量が異なるため、例えば、各列同数の防振装置6を2列配置してもよいし、又は、1列だけ配置してもよい。
【0041】
ここで、自動ドア装置1の躯体7への取付方法を簡単に説明する。躯体7には、予め自動ドア枠2よりも一回り大きい開口が設けられている。先ず、工場又は取付現場において、上記ケース体4に防振装置6及び水平固定枠81を取り付け、また、左右縦枠5,5に防振装置6及び縦固定枠82,82を取り付ける。次に、ケース体4と左右縦枠5,5をネジ止め(図示せず)して自動ドア枠2を組み立て、躯体7の開口に仮固定して位置決めを行い、躯体7に所定間隔で固定された打ち込みアンカーボルト7aと、固定枠8及び固定補助部材7bを用いて溶接固定する。その後、躯体7と固定枠8との間の空間Aをモルタル7eで塞ぎ、更に躯体7に化粧パネル材7cを取り付け、最後に自動ドア枠2と化粧パネル材との間をシール材7dで塞ぐ。以上で自動ドア装置1が躯体7に取り付けられる。
【0042】
上記各位置に配置された防振装置6は、図2(a),(b)に示すように、ケース体4の躯体7に対向する面における上記一対の枠体側防火板部4a,4aの厚み方向内側、及び、縦枠5,5の躯体7に対向する面における上記一対の枠体側防火板部5a,5aの厚み方向内側に、厚み方向に並ぶように配置されている。図2に示すように、ドア体3,3の上端の左右両端部には支持ブラケット30を介して左右一対のローラ30aがそれぞれ転動自在に軸承されており、これらローラ30aがケース体4内に敷設されたガイドレール40を走行するように構成されている。尚、図3には、一組の支持ブラケット30及びローラ30aのみ図示されている。
【0043】
ケース体4には、ドア体3,3を左右方向に移動させる駆動部アッシー41が格納されている。この駆動部アッシー41は、ケース体4の右側に配置され、例えば超音波モータ等で構成されたモータ41aと、このモータ41aの近傍においてケース体4に軸承され、モータ41aの出力軸に連動連結された駆動プーリ41bと、ケース体4内の左側に回動自在に軸承された従動プーリ(図示せず)と、これら両プーリ間に懸回され、駆動プーリ41bの回転駆動に伴い両プーリ間を移送されるタイミングベルト(図示せず)とを備えている。各ドア体3に取り付けられた左右一対の支持ブラケット30のうち、左側のドア体3に設けられた右側の支持ブラケット30は、タイミングベルトの上側に位置する部位に一体的に連結され、右側のドア体3に設けられた左側の支持ブラケット30は、タイミングベルトの下側に位置する部位に一体的に連結されている。
【0044】
そして、ケース体4に設けられた図示しないセンサが物体の接近を検知すると、モータ41aの正逆何れかの駆動がなされてタイミングベルトが両プーリ間を反時計回り方向に移送され、一対のドア体3,3は、図1に示す全閉状態から互いに離間する方向へ移動して全開状態となり、タイミングベルトが両プーリ間を時計回り方向に移送されると、全開状態から互いに近接する方向へ移動して全閉状態となる。自動ドア装置1は、このようにしてドア体3,3による開口部の開閉がなされるように構成されている。
【0045】
−自動ドア装置の防振構造の構成−
次に、本実施形態に係る自動ドア装置の防振構造V(以下、単に防振構造Vという)の具体的な構成について主に図3乃至図5を参照して説明する。図5は防振装置6を示す図であって、同図(a)は平面図であり、同図(b)は同図(a)の矢印b方向から見た側面図であり、同図(c)は同図(a)の矢印c方向から見た側面図である。尚、図5(b)において、紙面左から紙面右に向かう方向をX方向とし、紙面手前から紙面奥に向かう方向をY方向とし、紙面の上下方向をZ方向とする。
【0046】
上記した防火手段90の一部を構成する上記枠体側防火板部(第1当接板部)4a,4a及び5a,5a並びに上記躯体側防火板部(第1被当接板部)81b,81b及び82b,82bは、自動ドア枠2が傾くのを規制する第1規制手段91を構成する。
【0047】
一方、自動ドア枠2は複数の防振装置6を介して躯体7と連結しており、各防振装置6は、図5(b)に示すように、Z方向に延びる中心軸Cを含むYZ平面に対して対称な構成を有しており、自動ドア枠2に固定される枠体側部材(当接部材)61と、躯体7に固定される躯体側部材(被当接部材)62と、枠体側部材61と躯体側部材62との間に配設されて両者を弾性連結する一対の防振ゴム63,63とを有している。
【0048】
上記枠体側部材61は、断面U字状の鋼板で構成され、躯体側部材62に向かって開口している。この枠体側部材61は、自動ドア枠2(ケース体4又は縦枠5,5)に固定される矩形状の固定部61aと、この固定部61aのX方向両端から互いにX方向に対向するようにZ方向の躯体側部材62側にZ方向に延びる一対の側板部(第2当接板部)61b,61bとを有している。固定部61aのY方向両端には、枠体側部材61を自動ドア枠2に固定するためのボルト孔が設けられている。
【0049】
上記躯体側部材62は、一対の断面L字状の鋼板を組み合わせて断面T字状にしたものであって、躯体7に固定され、上記枠体側部材61の固定部61aにZ方向に対向する矩形状の固定部62aと、この固定部62aのX方向中央からZ方向の枠体側部材61側にZ方向に延びる縦板部(第2被当接板部)62bとを有している。固定部62aは、上記枠体側部材61の固定部61aよりもX方向長さが長く、該固定部61aよりもY方向長さが短く、また、そのY方向両端には躯体側部材62を躯体7に固定するためのボルト孔が設けられている。縦板部62bは、上記枠体側部材61の一対の側板部61b,61bの間に配置され、そのX方向両側面は、該一対の側板部61b,61bにそれぞれX方向に対向している。
【0050】
上記一対の防振ゴム63,63は、それぞれ横断面が平行四辺形の略直方体状のゴムで構成され、上記枠体側部材61の一対の側板部61b,61bと、上記躯体側部材62の縦板部62bとの間にそれぞれ配設されている。各防振ゴム63は、そのX方向両側面が側板部61b及び縦板部62bの各X方向の側面に固着していて、図5(b)に示すように、側板部61b側に行くに従って躯体側部材62の固定部62aに近づくように傾斜している。
【0051】
防振装置6は、図3及び図4に示すように、X方向が厚み方向に、Y方向がドア体3,3に平行な方向に、Z方向が自動ドア枠2から躯体7に向かう方向に一致するように、自動ドア枠2及び固定枠8を介して躯体7に固定されている。このように両部材61,62が固定された状態で、上記一対の防振ゴム63,63は、自動ドア枠2と躯体7との間に配設され、自動ドア枠2と躯体7とを弾性連結している。そして、上記枠体側部材61の一対の側板部61b,61bは、厚み方向に間隔をあけて配置され、躯体7側にドア体3,3に平行に延びている。また、上記躯体側部材62の縦板部62bは、自動ドア枠2側にドア体3,3に平行に延びている。更に、各防振ゴム63は、縦板部62b側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜している。自動ドア枠2が厚み方向に傾くのを規制する第2規制手段92は、上記枠体側部材61の一対の側板部61b,61b及び上記躯体側部材62の縦板部62bによって構成されている。
【0052】
次に、火災によって防振ゴム63が焼失した場合における上記規制手段91,92の動作について説明する。尚、防振装置6は、上記のように自動ドア枠2の上側及び左右両側の各所に設けられているが、本実施形態においては、同一の防振装置6が採用されており、いずれの防振装置6の動作も互いにほぼ同一なため、例示として図3に示す防振装置6の各構成の動作について説明する。
【0053】
火災によって防振装置6の一対の防振ゴム63,63が焼失すると、自動ドア枠2と躯体7とを連結するものが無くなるため、自動ドア枠2はドア体3,3が風圧を受けると厚み方向一方側に傾き始める。そして、自動ドア枠2に設けられた枠体側防火板部4a,4a及び5a,5aもこの自動ドア枠2と共に傾くものの、枠体側防火板部4a,4aのうち厚み方向他方側の枠体側防火板部4aが固定枠8の該他方側の躯体側防火板部8aに当接し、且つ、一対の枠体側防火板部5a,5aのうち厚み方向他方側の枠体側防火板部5aが該他方側の躯体側防火板部8aに当接する。このように、第1規制手段91は、自動ドア枠2が厚み方向一方側に傾くのを規制するように構成されている。
【0054】
更に、仮に上記第1規制手段91によって規制することができない場合でも、自動ドア枠2に固定された枠体側部材61も自動ドア枠2と共に傾くものの、この枠体側部材61の一対の側板部61b,61bのうち厚み方向他方側の側板部61bが躯体側部材62の縦板部62bに当接する。このように、第2規制手段92は、自動ドア枠2が厚み方向一方側に傾くのをより確実に規制するように構成されている。
【0055】
≪効果≫
本実施形態の防振構造Vでは、自動ドア枠2と躯体7との間に配設されて両者を弾性連結する防振ゴム63,63を有する防振装置6を備え、防振ゴム63,63が消失又は破断した場合には、自動ドア枠2がドア体3,3の厚み方向に傾くのを規制する第1規制手段91及び第2規制手段92を更に備えるため、自動ドア枠2が傾くのを規制することができる。このため、火災時等にドア体3,3を開くことが可能となって安全性を向上させることが可能となる。更に、自動ドア枠2と躯体7との間の空間を塞ぐ防火手段90を備えるため、火災時に炎がこの空間を通り抜けるのを防止することができ、安全性を更に向上させることが可能となる。
【0056】
また、本実施形態の防振構造Vでは、固定枠8の躯体側防火板部81b,82bの厚み方向内側に防振装置6及び枠体側防火板部4aが配置されているため、モルタル7eを充填する際に、自動ドア枠2に誤ってモルタル7eを付着させて躯体7に自動ドア枠2を固定してしまうのを回避することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態の防振構造Vでは、第1規制手段91の一対の枠体側防火板部4a,4、一対の枠体側防火板部50a,50a及び一対の躯体側防火板部8a,8a、並びに、第2規制手段92の一対の側板部61b,61b及び縦板部62bといった自動ドア枠2及び躯体7にそれぞれ設けられた部材という簡単な構成で自動ドア枠2が傾くのを規制することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態の防振構造Vでは、規制手段91を構成する枠体側防火板部4a,5a及び枠体側防火板部81b,82bが防火手段90の一部を構成している。すなわち、枠体側防火板部4a,5a及び枠体側防火板部81b,82bが防火手段90の一部に兼用されるため、部品点数を少なくして製造コストを抑制することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態の防振構造Vでは、第1規制手段91を構成する一対の枠体側防火板部4a,4a、一対の枠体側防火板部50a,50a及び一対の躯体側防火板部8a,8aを防振装置6とは別に設けることによって自動ドア枠2が傾くのを規制することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態の防振構造Vでは、防振装置6が、枠体側部材61と、躯体側部材62と、該枠体側部材61と該躯体側部材62との間に配設されて両者を弾性連結する一対の防振ゴム63,63とを有しており、第2規制手段92は、該防振ゴム63,63が消失又は破断した場合には、該枠体側部材61の一対の側板部61b,61bが該躯体側部材62の縦板部62bに当接することによって自動ドア枠2が傾くのを規制するように構成されているため、防振装置6の構成を利用して自動ドア枠2が傾くのを規制することができる。従って、防振構造Vの簡素化及び製造コストの抑制が可能となる。
【0061】
また、本実施形態の防振構造Vでは、防振装置6の枠体側部材61は、自動ドア枠2の躯体に対向する面に厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され且つ躯体7側に延びる一対の側板部61b,61bを有しており、防振装置6の躯体側部材62は、躯体7の自動ドア枠2に対向する面における上記一対の側板部61b,61bの間に自動ドア枠2側に延びるように配置された縦板部62bを有しており、一対の防振ゴム63,63は、各側板部61bと縦板部62bとの間に配設され、該側板部61b側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜して両者を弾性連結している。これにより、防振ゴム63は、厚み方向におけるばね定数が、自動ドア枠2と躯体7とが互いに対向する方向におけるばね定数よりも大きいため、ドア体3,3が風圧を受けても自動ドア枠2を安定して支持すると共に、自動ドア枠2から躯体7への振動の伝達を効果的に抑制することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態の防振構造Vでは、防振ゴム63,63が枠体側部材61及び躯体側部材62によって覆われるため、仮に溶接によって防振装置6を自動ドア枠2に固定する場合に防振ゴム63,63に火花がかかり難くなる。従って、防振ゴム63,63の防振性能の低下を抑制することが可能となる。
【0063】
更に、本実施形態の防振構造Vでは、上記のように防振ゴム63が側板部61b側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜しているため、Z方向における防振ゴム63の大きさを抑制することが可能となり、防振装置6をコンパクトにすることが可能となる。
【0064】
また、前述したように防振ゴム63が傾斜しているため、ケース体4の上面に設置した防振装置6に対してケース体4及びドア体3の重量によって下方向への力が加わり、枠体側部材61と躯体側部材62とを離間させるように働いたとき、防振ゴム63を押し縮め圧縮するように作用し、好適である。そのため、本実施形態では、ケース体4及び縦枠5にそれぞれ用いる防振装置6を同じものとすることが可能となった。
【0065】
(実施形態2)
本実施形態の防振構造Vは、防振装置の構成が上記実施形態1の防振構造Vと異なる。以下、本実施形態の防振構造について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の防振構造Vに用いられる防振装置200を示す断面図である。尚、図6において、紙面左から紙面右に向かう方向をX方向とし、紙面手前から紙面奥に向かう方向をY方向とし、紙面の上下方向をZ方向とする。
【0066】
防振装置200は、Z方向に延びる中心軸Cを含むYZ平面に対して対称な構成を有しており、自動ドア枠2に固定される一対の枠体側部材(当接部材)210,210と、躯体7に固定される躯体側部材(被当接部材)220と、一対の防振ゴム230,230とを有している。
【0067】
上記一対の枠体側部材210,210は、X方向に間隔をあけて配置された一対の断面略L字状の鋼板で構成されている。各枠体側部材210は、自動ドア枠2(ケース体4又は縦枠5,5)に固定される矩形状の固定部210aと、この固定部210aのX方向内側端からX方向内側に行くに従ってZ方向の躯体側部材220に近づくように一旦傾斜し、更にX方向内側に該固定部210aに平行に延びる湾曲板部(第2当接板部)210bとを有している。各固定部210aのY方向両端には、枠体側部材210を自動ドア枠2に固定するためのボルト孔が設けられている。また、一対の湾曲板部210b,210bのX方向内側の端面210c,210cは互いにX方向に対向している。
【0068】
上記躯体側部材220は、断面略十字状の鋼板で構成され、Z方向において上記一対の枠体側部材210,210の湾曲板部210b,210bが湾曲する側に配置されている。この躯体側部材220は、上記固定枠8に固定される断面逆T字状の固定部220aと、この固定部220aの上記枠体側部材210,210側端面のX方向中央からZ方向の上記枠体側部材210,210側にZ方向に延びる縦板部(第2被当接板部)220bとを有している。この縦板部220bは、上記一対の湾曲板部210b,210bの端面210c,210cの間を通っている。
【0069】
上記一対の防振ゴム230,230は、各枠体側部材210と躯体側部材220との間に配設されて両者を弾性連結しており、具体的には、上記一対の湾曲板部210b,210bの上記躯体側部材220に対向する面と、これら湾曲板部210b,210bの上記各端面210c,210cと、上記躯体側部材220の固定部220aの枠体側部材510側の面と、上記縦板部220bのX方向両端面とにそれぞれ固着している。
【0070】
防振装置200は、上記実施形態1と同様に、X方向がドア体3,3の厚み方向に、Y方向がドア体3,3に平行な方向に、Z方向が自動ドア枠2から躯体7に向かう方向に一致するように、自動ドア枠2及び固定枠8に固定されている。この固定状態で、上記一対の防振ゴム230,230は、自動ドア枠2と躯体7との間に配設され、自動ドア枠2と躯体7とを弾性連結している。更に、上記各枠体側部材210の湾曲板部210bは、厚み方向に間隔をあけて配置され、上記厚み方向内側に行くに従って躯体7に近づくように一旦傾斜し、更に該厚み方向内側に自動ドア枠2の躯体7に対向する面に平行に延びている。
【0071】
第2規制手段94は、上記一対の枠体側部材210,210の湾曲板部210b,210b及び上記躯体側部材220の縦板部220bによって構成されている。火災によって防振ゴム230,230が焼失すると、自動ドア枠2と躯体7とを連結するものが無くなるため、自動ドア枠2はドア体3,3が風圧を受けると厚み方向一方側に傾き始める。そして、この自動ドア枠2に固定された枠体側部材210も自動ドア枠2と共に傾くものの、一対の湾曲板部210b,210bのうち上記厚み方向他方側の湾曲板部210bの上記端面210cが縦板材220bの該厚み方向他方側の側面に当接する。このように、第2規制手段94は、自動ドア枠2が上記厚み方向一方側に傾くのを規制するように構成されている。
【0072】
≪効果≫
本実施形態の防振構造Vでは、第2規制手段94が防振装置200の構成要素によって構成されているため、上記実施形態1の防振構造Vと同様に、防振構造Vの簡素化及び製造コストの抑制が可能となる。また、本実施形態の防振構造Vでは、本発明の最良の実施形態を実現することが可能となる。
【0073】
(実施形態3)
本実施形態の防振構造は、上記実施形態2の防振装置200に対して、X方向のばね定数の改善を図ったものである。以下、本実施形態の防振構造について図7を参照して説明する。図7は、本実施形態の防振構造Vに用いられる防振装置300を示す断面図である。尚、図7において、紙面左から紙面右に向かう方向をX方向とし、紙面手前から紙面奥に向かう方向をY方向とし、紙面の上下方向をZ方向とする。
【0074】
防振装置300は、Z方向に延びる中心軸Cを含むYZ平面に対して対称な構成を有しており、自動ドア枠2に固定される枠体側部材(当接部材)310と、躯体7に固定される躯体側部材(被当接部材)320と、枠体側部材310と躯体側部材320との間に配設され両者を弾性連結する一対の防振ゴム330,330とを有している。
【0075】
上記枠体側部材310は、自動ドア枠2(ケース体4又は縦枠5,5)に固定される矩形状の固定部310aと、この固定部310aのZ方向における躯体側部材320側の面においてX方向に間隔をあけてそれぞれ配置され、X方向外側に行くに従って躯体側部材220に近づくように傾斜して延びる一対の傾斜板部(第2当接板部)310b,310bとを有している。固定部310aのY方向両端には、枠体側部材310を自動ドア枠2に固定するためのボルト孔が設けられている。
【0076】
上記躯体側部材320は、上記固定枠8に固定されるX方向から見て矩形状の固定部320aと、この固定部320aのX方向の枠体側部材310側端に設けられ、Y方向から見てZ方向上記枠体側部材310側に突出する二等辺三角形状の角柱部(被当接部)320bとを有している。この角柱部320bの二等辺部分の一対の側面(被当接面)320c,320cは、上記枠体側部材310の一対の傾斜板部310b,310bとそれぞれ平行になっており、該一対の傾斜板部310b,310bにおけるZ方向躯体側部材320側の側面310c,310cにそれぞれ対向している。
【0077】
上記一対の防振ゴム330,330は、それぞれ直方体状のゴムで構成され、各防振ゴム330は、上記各傾斜板部310bの側面310cと上記角柱部320の各側面320cとの間に配設され、両面を弾性連結している。
【0078】
防振装置300は、上記実施形態1と同様に、X方向が厚み方向に、Y方向がドア体3,3に平行な方向に、Z方向が自動ドア枠2から躯体7に向かう方向に一致するように、自動ドア枠2及び固定枠8に固定されている。この固定状態で、上記一対の防振ゴム330,330は、自動ドア枠2と躯体7との間に配設され、自動ドア枠2と躯体7とを弾性連結している。更に、上記枠体側部材310の一対の傾斜板部310b,310bは、厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され、該厚み方向外側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜している。
【0079】
第2規制手段96は、上記枠体側部材310の一対の傾斜板部310b,310b及び上記躯体側部材320の角柱部320bによって構成されている。火災によって防振ゴム330,330が焼失すると、自動ドア枠2と躯体7とを連結するものが無くなるため、自動ドア枠2はドア体3,3が風圧を受けると厚み方向一方側に傾き始める。この自動ドア枠2に固定された枠体側部材310も自動ドア枠2と共に傾くものの、一対の傾斜板部310b,310bのうち上記厚み方向他方側の傾斜板部310bが躯体側部材320の角柱部320bの側面320cに当接する。このように、第2規制手段96は、自動ドア枠2が上記厚み方向一方側に傾くのを規制するように構成されている。
【0080】
≪効果≫
本実施形態の防振構造Vでは、第2規制手段96が防振装置300の構成要素によって構成されているため、上記実施形態1,2の各防振構造Vと同様に、防振構造Vの簡素化及び製造コストの抑制が可能となる。
【0081】
また、本実施形態の防振構造Vでは、枠体側部材310は、自動ドア枠2の躯体7に対向する面に厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され且つ該厚み方向外側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜した一対の傾斜板部310b,310bを有しており、躯体側部材320は、各傾斜板部310bに平行な一対の側面320c,320cを含む角柱部320bを有しており、防振ゴム330,330は、各傾斜板部310bと角柱部320bとの間に配設され、該各傾斜板部310bと各側面320cとを弾性連結している。従って、防振ゴム330,330は、上記厚み方向に傾斜しているため、該厚み方向におけるばね定数が自動ドア枠2と躯体7とが互いに対向する方向におけるばね定数よりも大きい。よって、上記実施形態2の防振装置200と比較してドア体3,3が風圧を受けても自動ドア枠2を一層安定して支持すると共に、自動ドア枠2から躯体7への振動の伝達を効果的に抑制することが可能となる。
【0082】
(実施形態4)
本実施形態の防振構造Vは、上記実施形態3と同じくX方向のばね定数の改善を図ったものである。以下、本実施形態の防振構造について図8を参照して説明する。図8は、本実施形態の防振構造Vに用いられる防振装置400を示す断面図である。尚、図8において、紙面左から紙面右に向かう方向をX方向とし、紙面手前から紙面奥に向かう方向をY方向とし、紙面の上下方向をZ方向とする。
【0083】
防振装置400は、Z方向に延びる中心軸Cを含むYZ平面に対して対称な構成を有しており、自動ドア枠2に固定される一対の枠体側部材(当接部材)410,410と、躯体7に固定される躯体側部材(被当接部材)420と、各枠体側部材410と躯体側部材420との間に配設されて両者を弾性連結する一対の防振ゴム430,430とを有している。
【0084】
上記一対の枠体側部材410,410は、X方向に間隔をあけて配置された一対の断面略L字状の鋼板で構成されている。各枠体側部材410は、自動ドア枠2(ケース体4又は縦枠5,5)に固定される矩形状の固定部410aと、この固定部410aのX方向内側端からX方向内側に行くに従ってZ方向の躯体側部材420に近づくように傾斜して延びる矩形状の傾斜板部(第2当接板部)410bとを有している。各固定部410aのY方向両端には、枠体側部材410を自動ドア枠2に固定するためのボルト孔が設けられている。
【0085】
上記躯体側部材420は、上記枠体側部材410の一対の傾斜板部410b,410bを覆うように配置されている。この躯体側部材420は、上記固定枠8に固定される矩形状の固定部420aと、この固定部420aのX方向両端からX方向外側に上記一対の傾斜板部410b,410bに平行に延びる一対の矩形状の傾斜板部(被当接部)420b,420bとを有している。固定部420aのY方向両端には、躯体側部材420を上記固定枠8に固定するためのボルト孔が設けられ、Z方向枠体側部材410側の面に該ボルト孔と同軸のナットが固設されている。また、各傾斜板部420bは、上記枠体側部材410の傾斜板部410bに平行な側面(被当接面)420cを有している。各側面420cは、上記傾斜板部410b,410bにおけるZ方向の躯体側部材420の側面410cに対向している。
【0086】
上記一対の防振ゴム430,430は、それぞれ直方体状のゴムで構成され、各防振ゴム430は、上記各傾斜板部410bの側面410cと上記各傾斜板部420の側面420cとの間に配設され、両面を弾性連結している。
【0087】
防振装置400は、上記実施形態1と同様に、X方向が厚み方向に、Y方向がドア体3,3に平行な方向に、Z方向が自動ドア枠2から躯体7に向かう方向に一致するように、自動ドア枠2及び固定枠8に固定されている。この固定状態で、上記一対の防振ゴム430,430は、自動ドア枠2と躯体7との間に配設され、自動ドア枠2と躯体7とを弾性連結している。更に、上記各枠体側部材410の傾斜板部410bは、厚み方向に間隔をあけて配置され、上記厚み方向内側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜している。
【0088】
第2規制手段98は、上記一対の枠体側部材410,410の傾斜板部410b,410b及び上記躯体側部材420の一対の傾斜板部420b,420bによって構成されている。火災によって防振ゴム430,430が焼失すると、自動ドア枠2と躯体7とを連結するものが無くなるため、自動ドア枠2はドア体3,3が風圧を受けると厚み方向一方側に傾き始める。そして、この自動ドア枠2に固定された一対の枠体側部材410,410も自動ドア枠2と共に傾くものの、一対の傾斜板部410b,410bのうち上記厚み方向他方側の傾斜板部410bが躯体側部材420の側面420cに当接する。このように、第2規制手段98は、自動ドア枠2が上記厚み方向一方側に傾くのを規制するように構成されている。
【0089】
≪効果≫
本実施形態の防振構造Vでは、第2規制手段98が防振装置400の構成要素によって構成されているため、上記実施形態1乃至3の各防振構造Vと同様に、防振構造Vの簡素化及び製造コストの抑制が可能となる。
【0090】
また、本実施形態の防振構造Vでは、枠体側部材410は、自動ドア枠2の躯体7に対向する面に厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され且つ該厚み方向内側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜した一対の傾斜板部410b,410bを有しており、躯体側部材420は、各傾斜板部410b,410bに平行な一対の側面420c,420cを含む傾斜板部420b,420bを有しており、一対の防振ゴム430,430は、各傾斜板部410bと各傾斜板部420bとの間に配設され、各傾斜板部410bと各側面420cとを弾性連結している。従って、防振ゴム430は、上記厚み方向に傾斜しているため、該厚み方向におけるばね定数が自動ドア枠2と躯体7とが互いに対向する方向におけるばね定数よりも大きい。よって、上記実施形態2の防振装置200と比較してドア体3,3が風圧を受けても自動ドア枠2を一層安定して支持すると共に、自動ドア枠2から躯体7への振動の伝達を効果的に抑制することが可能となる。
【0091】
更に、本実施形態の防振構造Vでは、防振ゴム430,430は、枠体側部材410の一対の傾斜板部410b,410bとこれに平行な一対の側面420c,420cを含む傾斜板部420b,420bとの間に配設されていて、枠体側部材410及び躯体側部材420によって覆われるため、仮に溶接によって防振装置400を自動ドア枠2に固定する場合に防振ゴム430,430に火花がかかり難くなる。従って、防振ゴム430,430の防振性能の低下を抑制することが可能となる。
【0092】
(実施形態5)
本実施形態の防振構造は、上記実施形態3,4の防振装置300,400に対して、X方向のばね定数の更なる改善を図ったものである。以下、本実施形態の防振構造について図9を参照して説明する。図9は、本実施形態の防振装置500を示す断面図である。尚、図9において、紙面左から紙面右に向かう方向をX方向とし、紙面手前から紙面奥に向かう方向をY方向とし、紙面の上下方向をZ方向とする。
【0093】
防振装置500は、Z方向に延びる中心軸Cを含むYZ平面に対して対称な構成を有しており、自動ドア枠2に固定される一対の枠体側部材(当接部材)510,510と、躯体7に固定される躯体側部材(被当接部材)520と、枠体側部材510と躯体側部材520との間に配設されて両者を弾性連結する一対の防振ゴム530,530とを有している。
【0094】
上記一対の枠体側部材510,510は、X方向に間隔をあけて配置された一対の断面L字状の鋼板で構成され、各枠体側部材510は、自動ドア枠2(ケース体4又は縦枠5,5)の躯体7に対向する面に固定される矩形状の固定部510aと、この固定部510aのX方向内側端からZ方向の躯体側部材520側にZ方向に延びる縦板部(第2当接板部)510bとを有している。各固定部510aのY方向両端には、枠体側部材510を自動ドア枠2に固定するためのボルト孔が設けられている。
【0095】
上記躯体側部材520は、断面逆U字状の鋼板で構成され、X方向において上記一対の枠体側部材510,510の間に配置されている。各躯体側部材520は、上記固定枠8に固定される矩形状の固定部520aと、この固定部520aのX方向両端から互いにX方向に対向するようにZ方向の枠体側部材510側にZ方向に延びる一対の側板部(第2被当接板部)520b,520bとを有している。固定部520aのY方向両端には、躯体側部材520を上記固定枠8に固定するためのボルト孔が設けられている。
【0096】
上記一対の防振ゴム530,530は、それぞれ横断面が平行四辺形の略直方体状のゴムで構成され、上記一対の枠体側部材510,510の各縦板部510b,510bと、上記躯体側部材520の一対の側板部520b,520bとの間にそれぞれ配設されている。各防振ゴム530は、そのX方向両側面が上記縦板部510b及び上記側板部520bの各X方向の側面に固着していて、側板部520b側に行くに従って躯体側部材520の固定部520aに近づくように傾斜している。
【0097】
防振装置500は、上記実施形態1と同様に、X方向が厚み方向に、Y方向がドア体3,3に平行な方向に、Z方向が自動ドア枠2から躯体7に向かう方向に一致するように、自動ドア枠2及び固定枠8に固定されている。この固定状態で、上記一対の防振ゴム530,530は、自動ドア枠2と躯体7との間に配設され、自動ドア枠2と躯体7とを弾性連結している。更に、上記枠体側部材510の一対の縦板部510b,510bは、厚み方向に間隔をあけて配置され、躯体7側にドア体3,3に平行に延びている。また、上記躯体側部材520の一対の側板部520b,520bは、自動ドア枠2側にドア体3,3に平行に延びている。そして、各防振ゴム530は、躯体側部材510の側板部510b側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜している。
【0098】
第2規制手段100は、上記一対の枠体側部材510,510の縦板部510b,510b及び上記躯体側部材520の一対の側板部520b,520bによって構成されている。火災によって一対の防振ゴム530,530が焼失すると、自動ドア枠2と躯体7とを連結するものが無くなるため、自動ドア枠2はドア体3,3が風圧を受けると厚み方向一方側に傾き始める。そして、この自動ドア枠2に固定された一対の枠体側部材510も自動ドア枠2と共に傾くものの、一対の枠体側部材510の縦板部510b,510bのうち上記厚み方向他方側の縦板部510bが躯体側部材520の側板部520bに当接する。このように、第2規制手段100は、自動ドア枠2が上記厚み方向一方側に傾くのを規制するように構成されている。
【0099】
≪効果≫
本実施形態の防振構造Vでは、第2規制手段100が防振装置500の構成要素によって構成されているため、上記実施形態1乃至4の各防振構造Vと同様に、防振構造Vの簡素化及び製造コストの抑制が可能となる。
【0100】
また、本実施形態の防振構造Vでは、枠体側部材510は、自動ドア枠2の躯体7に対向する面に厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され且つ躯体7側に延びる一対の縦板部510b,510bを有しており、躯体側部材520は、躯体7の自動ドア枠2に対向する面における一対の縦板部510b,510bの間に自動ドア枠2側に延びるように配置された一対の側板部520b,520bを有しており、一対の防振ゴム530,530は、各縦板部510bと各側板部520bとの間に配設され、該縦板部510b側に行くに従って躯体7に近づくように傾斜して両者を弾性連結している。このように、上記実施形態3,4の防振装置300,400に対して、防振ゴム530、枠体側部材510及び躯体側部材520の配置を変更しているため、防振ゴム530の上記厚み方向における安定性を更に向上させることが可能となる。従って、ドア体3,3が風圧を受けても自動ドア枠2を一層安定して支持すると共に、自動ドア枠2から躯体7への振動の伝達を効果的に抑制することが可能となる。
【0101】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、上記規制手段91,92,94,96,98,100は、自動ドア枠2に固定された部材が躯体7に固定された部材に当接することによって自動ドア枠2が傾くのを規制したが、これに限定されず、上記規制手段91,92,94,96,98,100は、防振ゴムが焼失した場合に自動ドア枠2が傾くのを規制することが可能な構成を備えていればよい。例えば、図10に示すように、防振装置600は、一対の断面略U字状の板部材で構成され、互いに上下方向に対向する枠体側部材610及び躯体側部材620と、両者を弾性連結する断面矩形状の防振ゴム630と、を備え、上記両部材610,620は、それぞれの厚み方向一方側の垂直片に設けられた孔に難燃性樹脂で被覆された鋼製ワイヤロープ640を通し、このワイヤロープ640の両端を金属製スリーブによって固着してリング状とすることによって連結されている。規制手段102は、このワイヤロープ640で構成され、防振ゴム630が焼失した場合には、ワイヤーロープ640が枠体側部材610を躯体側部材620に連結することによって、自動ドア枠2が傾くのを規制する。
【0102】
また、上記実施形態1では、防振装置6が自動ドア枠2の上側及び左右両側に千鳥状に配置されていたが、これに限定されず、例えばケース体4の上方に2箇所、又は、左右両縦枠5,5の各上端に配置されてもよい。また、防振装置6を長尺状にして、ケース体4の上側及び左右両縦枠の左右方向外側に上記空間Bを塞ぐようにそれぞれ1台ずつ配置してもよい。このように配置することによって、防振装置6は、第2規制手段92及び防火手段を兼ねることとなる。従って、防振構造Vの構造が簡素化されるため、自動ドア装置1の設置作業が簡略化され、製造コストを更に抑制することが可能となる。
【0103】
更に、上記実施形態1では、防火地域内の建物に取り付けられた自動ドア装置1に対応する防振構造Vについて説明したが、図11に示すように、防火手段を兼ねる第1規制手段91を備えていなくてもよい。この場合、第2規制手段92が自動ドア枠2が傾くのを規制する。この第2規制手段92のみ具備する防振構造Vは、防火地域外の建物に適用することができ、また、防振構造Vの簡素化及び製造コストの抑制が可能である。尚、図11に示す防振構造Vでは、枠体側部材61の側板部61bを躯体側部材62の縦板部62bに当接させたが、これに限定されない。例えば該側板部61bが固定枠8の躯体側防火板部8aに当接することによって自動ドア枠2が傾くのを規制してもよい。また、図11では、アンカーボルト7a及び固定補助部材7bを省略している。
【0104】
また、上記実施形態では、図5(b)及び図6乃至図9に示すように、各防振装置が中心軸Cを通るYZ平面に対して対称な構成であったが、これに限定されず、中心軸C周りに回転させてなる回転体で構成されてもよい。この場合、各防振装置は、中心軸Cに対して回転対称であるため、取り付け方向に依らずにストッパー機能を果たすことが可能となる。
【0105】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0106】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上説明したように、本発明に係る自動ドア装置の防振構造は、火災時等における安全性を向上させる用途等に適用することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 自動ドア装置
2 自動ドア枠(枠体)
3 ドア体(扉体)
4 ケース体(当接部材)
5 縦枠(当接部材)
4a,5a 枠体側防火板部(第1当接板部)
6,200,300,400,500 防振装置
61,210,310,410,510 枠体側部材(当接部材)
61b 側板部(第2当接板部)
210b 湾曲板部(第2当接板部)
310b,410b 傾斜板部(第2当接板部)
510b 縦板部(第2当接板部)
62,220,320,420,520 躯体側部材(被当接部材)
62b,220b 縦板部(第2被当接板部)
320b 角柱部(被当接部)
420b 傾斜板部(被当接部)
520b 側板部(第2被当接板部)
320c,420c 側面(被当接面)
63,230,330,430,530 防振ゴム
7 躯体
7e モルタル(閉塞手段)
8 固定枠(被当接部材)
8a 躯体側防火板部(第1被当接板部)
90 防火手段(閉塞手段)
91 第1規制手段
92,94,96,98,100 第2規制手段
102 規制手段
V 自動ドア装置の防振構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備える自動ドア装置の防振構造であって、
上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記枠体が上記扉体の厚み方向に傾くのを規制する規制手段を更に備えることを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項2】
扉体が開閉する開口部を有する枠体と建物の躯体との間に配設され、該枠体と該躯体とを弾性連結する防振ゴムを有する防振装置を備える自動ドア装置の防振構造であって、
上記防振ゴムが焼失又は破断した場合には、上記枠体が上記扉体の厚み方向に傾くのを規制する規制手段と、
上記枠体と上記躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段と、を更に備えることを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項3】
請求項1記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記規制手段は、上記枠体に設けられた当接部材と、上記躯体に設けられた被当接部材とを有していて、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記当接部材が上記被当接部材に当接することによって上記枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されていることを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項4】
請求項3記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記枠体と上記躯体との間における上記厚み方向一方側から他方側に貫通する空間を塞ぐ閉塞手段を更に備えることを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項5】
請求項4記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記当接部材又は上記被当接部材は、上記閉塞手段の一部を構成することを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項6】
請求項3又は4記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記当接部材又は上記被当接部材は、上記防振装置の一部を構成することを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項7】
請求項5又は6記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記当接部材は、上記枠体の上記躯体に対向する面における上記防振装置の上記厚み方向外側に該躯体側に延びるように配置された一対の第1当接板部を有しており、
上記被当接部材は、上記躯体の上記枠体に対向する面における上記一対の第1当接板部よりも上記厚み方向外側に上記枠体側に延びるように配置された一対の第1被当接板部を有しており、
上記規制手段は、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記第1当接板部が上記第1被当接板部に当接することによって上記枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されていることを特徴とする自動ドア装置の防止構造。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記防振装置は、上記当接部材と、上記被当接部材と、該当接部材と該被当接部材との間に配設されて両者を弾性連結する上記防振ゴムと、を有することを特徴とする自動ドア装置の防振構造。
【請求項9】
請求項8記載の自動ドア装置の防振構造において、
上記当接部材は、上記枠体の上記躯体に対向する面に上記厚み方向に間隔をあけてそれぞれ配置され且つ上記躯体側に延びる一対の第2当接板部を有しており、
上記被当接部材は、上記躯体の上記枠体に対向する面における上記一対の第2当接板部の間に上記枠体側に延びるように配置された第2被当接板部を有しており、
上記防振ゴムは、上記各第2当接板部と上記第2被当接板部との間に配設され、該第2当接板部側に行くに従って上記躯体に近づくように傾斜して両者を弾性連結しており、
上記規制手段は、上記防振ゴムが消失又は破断した場合には、上記第2当接板部が上記第2被当接板部に当接することによって上記枠体が上記厚み方向に傾くのを規制するように構成されていることを特徴とする自動ドア装置の防振構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−113037(P2013−113037A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261691(P2011−261691)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【特許番号】特許第5095005号(P5095005)
【特許公報発行日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【出願人】(591276558)三和タジマ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】