説明

自動二輪車

【課題】充電用電線の長さを短くできる自動二輪車を提供する。
【解決手段】車体2、前輪WF、後輪WR、モータ31、及びモータに電力を供給するバッテリを備え、モータによる駆動力を利用して走行する自動二輪車1であって、側面視において前輪WFと後輪WRとの間に配置され、運転者の足を載せるステップ14と、車体2の側方を覆うサイドカバー17と、自動二輪車1の外部から充電するための充電用電線41と、充電用電線41を車体2に収納する電線収納部20であって充電用電線41が電線収納部20の内部において車体2に接続されている電線収納部20と、電線収納部20から充電用電線41の先端部42を出し入れするために開口された収納開口部21と、を備える自動二輪車1において、収納開口部21を塞ぐ開口部リッド22を更に備え、収納開口部21は、少なくともステップ14の下方に位置し、サイドカバー17に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータによる駆動力を利用して走行する自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータによる駆動力を利用して走行する自動二輪車において、シートの下のコード収納部に充電用コード(電線)を収納し、充電時には、充電用コードをコード収納部の開口部とシートとの隙間から車体の外部に取り出して充電を行う構造を有する自動二輪車が開示されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−243677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された自動二輪車においては、充電時に、車体の比較的上の方から充電用コードを延ばすことになるので、外部電源のコンセントの位置が床又はその近傍に場合を考慮して、充電用コードの長さを長くしなければならない。充電用コードを長くする分、コストが高くなる。また、長い充電用コードを収納するスペースを車体に確保する必要があり、車体が大型化する。
【0005】
本発明は、充電用電線の長さを短くできる自動二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車体、前輪、後輪、モータ、及び前記モータに電力を供給するバッテリを備え、前記モータによる駆動力を利用して走行する自動二輪車であって、側面視において前記前輪と前記後輪との間に配置され、運転者の足を載せるステップと、前記車体の側方を覆うサイドカバーと、自動二輪車の外部から充電するための充電用電線と、前記充電用電線を前記車体に収納する電線収納部であって前記充電用電線が前記電線収納部の内部において前記車体に接続されている電線収納部と、前記電線収納部から前記充電用電線の先端部を出し入れするために開口された収納開口部と、を備える自動二輪車において、前記収納開口部を塞ぐ開口部リッドを更に備え、前記収納開口部は、少なくとも前記ステップの下方に位置し、前記サイドカバーに設けられることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記開口部リッドの開閉状態を検知するリッドセンサを更に備え、前記開口部リッドは、前記充電用電線が前記収納開口部から外部に出ている状態では、閉状態を形成できないように構成されており、前記リッドセンサにより前記開口部リッドの開状態が検知される場合に、前記開口部リッドの開状態を運転者に報知することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加えて、前記モータの出力を下げることにより、前記開口部リッドの開状態を運転者に報知することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の構成に加えて、前記ステップの近傍に配置されるサイドスタンドを更に備え、前記収納開口部及び前記開口部リッドは、車両左右方向における前記サイドスタンドが位置する側であって前記サイドスタンドの回動支点であるサイドスタンドピボットよりも後方に、配置されており、前記サイドスタンドを後方に跳ね上げて格納状態にした場合に、格納状態の前記サイドスタンドは、前記開口部リッドが開くことを規制することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明においては、請求項4に記載の構成に加えて、前記ステップの近傍に配置されるサイドスタンドを更に備え、前記開口部リッドが開状態の場合には、前記開口部リッドが前記サイドスタンドに当接することにより、前記サイドスタンドは、起立状態から格納状態へ回動できないように構成され、前記サイドスタンドは、格納状態であるか否かを検知するサイドスタンドセンサを有し、前記サイドスタンドセンサにより前記サイドスタンドが格納状態ではないことが検知される場合に、前記モータの出力を下げることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、前記ステップの近傍に配置されるサイドスタンドを更に備え、前記開口部リッドは、前記サイドスタンドに取り付けられることにより、前記サイドスタンドの起立動作又は格納動作によって開閉されるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明においては、請求項6の構成に加えて、前記開口部リッドは、前記充電用電線が前記収納開口部から外部に出ている状態では、閉状態を形成できないように構成されており、前記電線収納部又は前記サイドスタンドの一方に、前記開口部リッドの開閉状態を検知するセンサが設けられ、前記センサにより前記開口部リッドの開状態が検知される場合に、前記モータの出力を下げることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明においては、請求項6又は7に記載の構成に加えて、前記電線収納部の内部に設けられ、前記電線収納部の内部に収納されている前記充電用電線を覆うインナーリッドを更に備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明においては、請求項1から8のいずれかに記載の構成に加えて、前記充電用電線の長さは、前記後輪における接地部に届かない長さに設定されることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明においては、請求項1から9のいずれかに記載の構成に加えて、前記充電用電線の長さは、前記前輪における接地部及びに届かない長さに設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、収納開口部は、少なくともステップの下方に位置し、サイドカバーに設けられる。そのため、ステップの下方から充電用電線を取り出すことができるので、電線収納部から充電用電線を取り出すにあたり、ステップが邪魔になり難い。また、ステップの下方から充電用電線を取り出すことができるので、取り出された充電用電線は、外部電源のコンセントが通常配置される地面の近くに、配置されることになる。従って、充電用電線の長さを短くできる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、開口部リッドは、充電用電線が収納開口部から外部に出ている状態では、閉状態を形成できない。また、リッドセンサにより開口部リッドの開状態が検知される場合に、開口部リッドの開状態を運転者に報知する。そのため、充電用電線を電線収納部に収納し忘れることや、開口部リッドの閉め忘れを防止できる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、モータの出力を下げることにより、開口部リッドの開状態を運転者に報知する。そのため、開口部リッドの開状態を運転者に報知するためのインジケータ等を別途設ける必要がない。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、サイドスタンドを後方に跳ね上げて格納状態にした場合に、格納状態のサイドスタンドは、開口部リッドが開くことを規制する。そのため、自動二輪車が走行しているときに、格納状態のサイドスタンドにより、開口部リッドが開くことを防止できる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、サイドスタンドセンサによりサイドスタンドが格納状態ではないことが検知される場合に、モータの出力を下げる。そのため、サイドスタンドセンサを利用して、開口部リッドが閉状態であるか否かを検知することができる。また、サイドスタンドが格納状態ではないことを運転者に報知するためのインジケータ等を別途設ける必要がない。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、開口部リッドは、サイドスタンドの起立動作又は格納動作によって開閉されるように構成されている。そのため、開口部リッドの開閉操作が容易である。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、電線収納部又はサイドスタンドの一方に設けられた開口部リッドの開閉状態を検知するセンサにより、開口部リッドの開状態が検知される場合に、モータの出力を下げる。そのため、サイドスタンド及び開口部リッドの状態を運転者に報知することができる。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、サイドスタンドを起立させ、開口部リッドを開けた状態においても、電線収納部の内部に収納されている充電用電線は、インナーリッドにより覆われている。そのため、充電用電線を保護することができる。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、充電用電線が収納開口部から外部に出ている状態で、自動二輪車を前方に押し歩いたとしても、後輪で充電用電線を踏むことがない。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、充電用電線が収納開口部から外部に出ている状態で、自動二輪車を後方に押し歩いたとしても、前輪で充電用電線を踏むことがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にし、充電用コードをコード収納部から取り出した状態を示す左側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを格納状態にし、充電用コードをコード収納部に収納した状態を示す左側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、バッテリ、BMU及びECUを示す左側面図である。
【図4】起立状態のサイドスタンド及び開状態の開口部リッドを示す斜視図である。
【図5】格納状態のサイドスタンド及び閉状態の開口部リッドを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の自動二輪車の動力発生機構を示す機能ブロック図である。
【図7】図4に示すA−A断面図である。
【図8】図5に示すB−B断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、充電用コードを延ばした状態を示す左側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にし、充電用コードをコード収納部から取り出した状態を示す左側面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にした状態を示す左側面図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にし、充電用コードをコード収納部から取り出した状態を示す左側面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを格納状態にし、充電用コードをコード収納部に収納した状態を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の第1実施形態の自動二輪車について、図1から図9を参照しながら説明する。本実施形態においては、自動二輪車として、モータによる駆動力を利用して走行するスクータ型の自動二輪車を例にして説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にし、充電用コードをコード収納部から取り出した状態を示す左側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを格納状態にし、充電用コードをコード収納部に収納した状態を示す左側面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、バッテリ、BMU及びECUを示す左側面図である。
【0028】
図4は、起立状態のサイドスタンド及び開状態の開口部リッドを示す斜視図である。図5は、格納状態のサイドスタンド及び閉状態の開口部リッドを示す斜視図である。図6は、第1実施形態の自動二輪車の動力発生機構を示す機能ブロック図である。図7は、図4に示すA−A断面図である。図8は、図5に示すB−B断面図である。図9は、本発明の第1実施形態に係る自動二輪車について、充電用コードを延ばした状態を示す左側面図である。
なお、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方を示し、矢印LHは車両の左方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
【0029】
まず、本実施形態の自動二輪車1の全体構成について説明する。図1から図3に示すように、本実施形態の自動二輪車1は、車体フレーム5と、前輪WFと、後輪WRと、前輪WFを下端部で軸支するフロントフォーク3と、前輪WFを操舵するハンドル4と、車体フレーム5にリヤクッション9を介して懸架されるユニットスイング式のスイングアーム10と、運転者が着座するシート13と、運転者の足を載せるステップ14と、車両の各部を覆うカバー部材15と、サイドスタンド50と、モータ31及びバッテリ32を含んで構成される動力発生機構30と、を主体として構成される。
【0030】
車体2は、車体フレーム5、フロントフォーク3、ハンドル4、リヤクッション9、スイングアーム10と、カバー部材15等を主体として、構成される。
【0031】
車体フレーム5は、複数種の鋼材が溶接等により一体的に結合されて構成される。車体フレーム5は、ヘッドパイプ6と、左右一対のメインフレーム7と、複数のクロスメンバ(図示せず)と、を主体として構成される。
ヘッドパイプ6は、車体フレーム5の前端部に配置され、前輪WFを軸支する一対のフロントフォーク3を支持する。メインフレーム7は、左右に一対設けられる(図1から図3においては、一方のメインフレーム7のみを図示)。一対のメインフレーム7は、側面視で、ヘッドパイプ6から斜め下後方に延びた後、ほぼ水平に後方に延び(この水平に延びる部分は、図1から図3では不図示)、更に後ろ上がりに傾斜して延びている。クロスメンバは、左右一対のメインフレーム7の適宜箇所を車幅方向において連結する。
【0032】
フロントフォーク3は、左右に一対設けられている。一対のフロントフォーク3の上端部は、ヘッドパイプ6等を介してハンドル4に連結されており、このハンドル4によって操舵されるようになっている。一対のフロントフォーク3の下端部は、前輪WFを回転自在に軸支する。
スイングアーム10は、車体フレーム5に上下に揺動自在に取り付けられ、モータ31を支持する。
【0033】
シート13は、車体フレーム5の前後方向における略中央部に配置される。
ステップ14は、運転者が足を載置する部位であり、側面視において、シート13とハンドル4との間の下方であって前輪WFと後輪WRとの間に、配置される。
シート13及びステップ14により、運転者は、いわゆるシットインの乗車姿勢を取ることができる。
【0034】
カバー部材15は、ハンドル4の前方及び前輪WFの上方を覆うフロントカバー16と、フロントフォーク3の側部やステップ14の側部等の車体2の側方を覆うサイドカバー17と、車両の後部及び後輪WRの上方を覆うリヤカバー18と、シート13の下方において車体フレーム5を覆うセンターカバー19と、を主体として構成される。
【0035】
サイドスタンド50は、車体2の左側におけるステップ14の下方であってステップ14の近傍に、配置される。
【0036】
図1から図5に示すように、サイドスタンド50は、サイドスタンド本体51と、サイドスタンド取り付け部52と、サイドスタンドピボット53と、サイドスタンド接地部54と、コイルスプリング55と、取り付け部側突起57aと、接地部側突起57bと、規制部56と、サイドスタンドセンサ59と、を備える。
【0037】
サイドスタンド本体51は、基端部51a及び先端部51bを有する棒状の部材からなる。
サイドスタンド取り付け部52は、車体フレーム5に連結されている。
サイドスタンドピボット53は、サイドスタンド取り付け部52及びサイドスタンド本体51の基端部51aを貫通しており、サイドスタンド取り付け部52に対するサイドスタンド本体51(サイドスタンド50)の回動支点として機能する。
【0038】
サイドスタンド接地部54は、サイドスタンド本体51の先端部51bに連結されており、サイドスタンド50を起立状態にしたときの接地する部分として機能する。
起立状態は、自動二輪車1の停車時に自動二輪車1の起立状態を維持するための状態である。格納状態は、自動二輪車1の走行時や押し歩き時にサイドスタンド50を接地させないための状態である。
【0039】
コイルスプリング55の一端部及び他端部は、それぞれフック部55a及び55bを形成している。
取り付け部側突起57aは、サイドスタンド取り付け部52から車体左右方向外側(本実施形態では左側)に突出している。接地部側突起57bは、サイドスタンド本体51から車体左右方向外側(本実施形態では左側)に突出している。
【0040】
コイルスプリング55は、フック部55aにおいて取り付け部側突起57aに連結されており、また、フック部55bにおいて接地部側突起57bに連結されている。
コイルスプリング55は、ある一定の角度を境界として、サイドスタンド50が起立状態又は格納状態のいずれかの状態になるように、サイドスタンド本体51を付勢している
【0041】
サイドスタンド本体51には、車体左右方向内側(本実施形態では右側)に突出するように、規制部56が設けられている。規制部56は、サイドスタンド本体51に固定される金属製の剛体部56aと、剛体部56aに固定される弾性部56bと、を備える。サイドスタンド50を格納状態にし、開口部リッド22を閉状態にした場合に、弾性部56bは、車体左右方向において、開口部リッド22の外面と対向する。
【0042】
第1実施形態においては、弾性部56bと開口部リッド22の外面とは、図5及び図8に示すように当接(接触)している。そのため、第1実施形態においては、開口部リッド22が開状態の場合に、サイドスタンド50を起立状態から格納状態へ回動させようとしても、開口部リッド22がサイドスタンド50に当接する。従って、サイドスタンド50を起立状態から格納状態へ回動できない。
なお、弾性部56b(サイドスタンド50)と開口部リッド22とは、当接しなくてもよい(若干、間隔をあけていてもよい。図示せず)。
【0043】
サイドスタンドセンサ59は、サイドスタンド50の角度により、サイドスタンド50が起立状態であるか格納状態であるかを、又は、サイドスタンド50が格納状態であるか否かを検知するセンサである。サイドスタンドセンサ59は、サイドスタンド取り付け部52における車体左右方向外側(本実施形態では左側)に、取り付けられている。
【0044】
動力発生機構30は、後輪WRを回転駆動させるための動力を発生させる。動力発生機構30は、図3に示すように、後輪WRを駆動するモータ31と、モータ31に電力を供給するバッテリ32と、BMU34(battery managing unit)と、ECU36(electric control unit)と、を備える。
【0045】
モータ31は、スイングアーム10に取り付けられる。
バッテリ32は、ステップ14の下方に配置され、車体フレーム5に連結されて支持される。
BMU34及びECU36は、ステップ14の下方であってバッテリ32の後方に配置され、車体フレーム5に連結されて固定される。
【0046】
動力発生機構30の機能的な構成について、図6を参照しながら説明する。
動力発生機構30は、図6に示すように、バッテリ32と、チャージャ(充電器)110と、モータ31と、PDU(power control unit)125と、コンタクタ120と、BMU34と、スロットルセンサ130と、ECU36と、を備える。
【0047】
バッテリ32は、複数のバッテリセルが結合されて構成される。バッテリ32は、外部電源から供給される電力を蓄電する。
チャージャ110は、バッテリ32の一次側に接続される。このチャージャ110は、充電用電線としての充電用コード41(図1参照)を介して、外部電源(不図示)に接続される。チャージャ110は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換して、バッテリ32に供給する。また、チャージャ110は、バッテリ32の充電状態を制御する。
モータ31は、バッテリ32から供給される電力により、駆動力を発生させる。
PDU125は、バッテリ32とモータ31との間に配置される。このPDU125は、バッテリ32からモータ31に供給される電流及び電圧を調整する。
【0048】
コンタクタ120は、ECU36の制御に応じて、バッテリ32とPDU125とを電気的に接続又は遮断する。
BMU34は、バッテリ32に接続されて、バッテリ32の充放電状況やバッテリ32の温度等を監視する。
スロットルセンサ130は、ハンドル4aに設けられた操作子(スロットルグリップ)の操作状態を検出するセンサである。
リッドセンサ23は、開口部リッド22の開閉状態を検知するセンサである。
【0049】
ECU36は、スロットルセンサ130から入力される信号に基づいて、動力発生機構30の動作を制御する。具体的には、ECU36は、コンタクタ120を制御して、バッテリ32からPDU125(モータ31)に対しての電力の供給を実行又は停止させる。また、ECU36は、PDU125を制御して、モータ31の駆動状態を制御する。
バッテリ32に対する充電及びバッテリ32からの放電は、BMU34及びECU36の制御に基づいて実行される。
【0050】
また、この動力発生機構30には、ライトやインジケータ140等の低電圧の電力を使用する機器に電力を供給する構成として、DC−DCコンバータ150及びサブバッテリ160が接続されている。
DC−DCコンバータ150は、コンタクタ120に接続される。このDC−DCコンバータ150は、バッテリ32から供給される高圧(例えば72V)の直流電力の電圧を、低圧の電圧(例えば、12V)に変換する。
サブバッテリ160は、DC−DCコンバータ150に接続され、DC−DCコンバータ150で変換された低電圧の電力を蓄電する。
【0051】
以上の動力発生機構30により発生したモータ31の駆動力は、スイングアーム10と共に後輪WRを回転自在に支持する動力伝達装置(図示せず)を介して、後輪WRに伝達される。
【0052】
次に、充電用コード41及びこれを収納するコード収納部20について詳述する。
図1に示すように、充電用コード41は、自動二輪車1の外部からバッテリ32に充電を行うための充電用電線である。充電用コード41の先端部42は、外部電源のコンセントと接続するプラグからなる。なお、充電用コード41に代えて、コード以外の各種電線を用いてもよい。
【0053】
図1、図2、図4、図5,図7及び図8に示すように、電線収納部としてのコード収納部20は、充電用コード41を車体2に収納する収納部である。
充電用コード41は、コード収納部20の内部において車体2に接続されている。ここで、「車体2に接続」には、充電用コード41が車体2に着脱不能に固定されている場合のみならず、充電用コード41が車体2に着脱自在に接続されている場合も含む。
【0054】
収納開口部21は、コード収納部20から充電用コード41の先端部42を出し入れするために開口された開口部である。収納開口部21は、少なくともステップ14の下方に位置し、サイドカバー17に設けられる。
開口部リッド22は、収納開口部21を塞ぐ蓋部材であり、下向きに回動しながら開く。
【0055】
収納開口部21及び開口部リッド22は、車両左右方向におけるサイドスタンド50が位置する側であってサイドスタンドピボット53よりも後方に、配置されている。
サイドスタンド50を後方に跳ね上げて格納状態にした場合に、格納状態のサイドスタンド50は、開口部リッド22が開くことを規制する。具体的には、サイドスタンド50が格納状態の場合には、開口部リッド22を開こうとしても、サイドスタンド50が邪魔をして、開口部リッド22を開くことができない。サイドスタンド50のコイルスプリング55による付勢力は、通常非常に強いため、開口部リッド22が開くことに対して、十分な規制力を発揮する。
【0056】
図7及び図8に示すように、開口部リッド22の内側には、ヒンジアーム25が連結される。ヒンジアーム25の一端部25aは、開口部リッド22の内側に固定されている。ヒンジアーム25の他端部25bは、サイドカバー17の内側に設けられた台座部17aに、回動自在に連結されている。
【0057】
開口部リッド22は、ヒンジアーム25を介してサイドカバー17の内側に回動自在に連結されているため、図7に示す開状態と、図8に示す閉状態とに変移することができる。ヒンジアーム25は、開口部リッド22が開状態と閉状態とを変移する過程において、収納開口部21に干渉しないように、湾曲形状を有する。
【0058】
開口部リッド22は、その閉状態において、左右方向内側に突出する突出縁部22aを有する。
収納開口部21は、その縁部に、開口部リッド22の突出縁部22aを収容する収容凹部21aを有する。
この収容凹部21aに突出するように、リッドセンサ23が設けられる。リッドセンサ23は、いわゆる押しボタンスイッチを主体として構成され、基部23aと、ボタン部23bとを備える。
基部23aは、コード収納部20を区画する収納部壁部20aに固定されている。ボタン部23bは、基部23aから収容凹部21aに向けて突出自在に、基部23aに設けられる。
【0059】
図8に示すように、開口部リッド22が閉状態となり、突出縁部22aが収容凹部21aに収容された状態になると、突出縁部22aは、ボタン部23bを基部23aに向けて押圧する。この状態においてのみ、押しボタンスイッチがONとなり、このON信号が、ECU36に出力される。押しボタンスイッチのON信号がECU36に入力されると、ECU36は、開口部リッド22が閉状態であることを判別する。
【0060】
開口部リッド22は、閉状態以外の状態では、開状態となる。つまり、開口部リッド22は、閉状態(押しボタンスイッチがONとなる状態)以外の状態では、全開した状態から閉状態に近い状態まで含めて、すべて「開状態」となる。
開口部リッド22は、充電用コード41が収納開口部21から外部に出ている状態では、閉状態を形成できないように構成されている。具体的には、充電用コード41が収納開口部21から外部に出ている状態で、開口部リッド22の閉状態を形成しようとしても、収納開口部21と開口部リッド22との間に、充電用コード41を挟むことになるため、開口部リッド22の閉状態を形成することができない。
【0061】
インナーリッド24は、コード収納部20の内部に設けられ、コード収納部20の内部に収納されている充電用コード41を覆う。インナーリッド24は、コード収納部20の内部を収納開口部21側と奥側とに区画する。
インナーリッド24も、開口部リッド22と同様に、不図示のヒンジアームを介してサイドカバー17の内側に回動自在に連結されている。
【0062】
第1実施形態の自動二輪車1は、リッドセンサ23により開口部リッド22の開状態が検知される場合に、開口部リッド22の開状態を運転者に報知する。具体的には、図7に示すように、開口部リッド22が開状態となり、突出縁部22aが収容凹部21aに収容されていない状態になると、突出縁部22aは、ボタン部23bを押圧しない。この状態では、押しボタンスイッチがOFFであり、ON信号は、ECU36に出力されない。つまり、押しボタンスイッチのON信号がECU36に入力されないため、ECU36は、開口部リッド22が開状態であることを判別できる。
【0063】
ECU36は、開口部リッド22が開状態であることを判別した場合に、モータ31が駆動されたとしても、モータ31の出力を下げることにより、開口部リッド22の開状態を運転者に報知する。「モータ31の出力を下げる」には、モータ31の出力を停止する(走行不能となる)、モータ31の回転数に上限を設ける(速度リミット機能)等が含まれる。
【0064】
第1実施形態においては、サイドスタンドセンサ59をリッドセンサとして利用することができる。つまり、第1実施形態においては、開口部リッド22が閉状態を形成していないと、サイドスタンド50を完全に格納状態にすることができない。そのため、サイドスタンドセンサ59は、サイドスタンド50が格納状態であることを検知しているときには、同時に、開口部リッド22が閉状態であることも検知できる。
【0065】
第1実施形態の自動二輪車1は、サイドスタンドセンサ59によりサイドスタンド50が起立状態であること(格納状態ではないこと)が検知される場合に、モータ31の出力を下げる。なお、本発明において、「モータ31の出力を下げる」には、「モータ31の出力を停止する」を含むものとする。
【0066】
図9に示すように、充電用コード41の長さは、前輪WFにおける接地部WF1及び後輪WRにおける接地部WR1に届かない長さに設定される。前輪WFにおける接地部WF1とは、前輪WFの外面における地面Gなどに実際に接する部位であり、通常ほぼ矩形状となる。後輪WRにおける接地部WR1についても、同様である。
【0067】
以上説明した第1実施形態の自動二輪車1によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態においては、収納開口部21は、少なくともステップ14の下方に位置し、サイドカバー17に設けられる。そのため、ステップ14の下方から充電用コード41を取り出すことができるので、コード収納部20から充電用コード41を取り出すにあたり、ステップ14が邪魔になり難い。また、ステップ14の下方から充電用コード41を取り出すことができるので、取り出された充電用コード41は、外部電源のコンセントが通常配置される地面Gの近くに、配置されることになる。従って、充電用コード41の長さを短くできる。
【0068】
第1実施形態においては、開口部リッド22は、充電用コード41が収納開口部21から外部に出ている状態では、閉状態を形成できない。また、リッドセンサ23により開口部リッド22の開状態が検知される場合に、開口部リッド22の開状態を運転者に報知する。そのため、充電用コード41をコード収納部20に収納し忘れることや、開口部リッド22の閉め忘れを防止できる。
【0069】
第1実施形態においては、モータ31の出力を下げることにより、開口部リッド22の開状態を運転者に報知する。そのため、開口部リッド22の開状態を運転者に報知するためのインジケータ等を別途設ける必要がない。
【0070】
第1実施形態においては、サイドスタンドセンサ59によりサイドスタンド50が起立状態であること、つまり、サイドスタンド50が格納状態ではないことが検知される場合に、モータ31の出力を下げる(停止を含む)。そのため、サイドスタンド50が起立状態であること、つまり、サイドスタンド50が格納状態ではないことを、運転者を確実に認識させることができる。また、サイドスタンド50が格納状態ではないことを運転者に報知するためのインジケータ等を別途設ける必要がない。
【0071】
第1実施形態においては、サイドスタンド50を後方に跳ね上げて格納状態にした場合に、格納状態のサイドスタンド50は、開口部リッド22が開くことを規制する。そのため、自動二輪車1が走行しているときに、格納状態のサイドスタンドに50より、開口部リッド22が開くことを防止できる。
【0072】
第1実施形態においては、サイドスタンド50を起立させ、開口部リッド22を開けた状態においても、コード収納部20の内部に収納されている充電用コード41は、インナーリッド24により覆われている。そのため、充電用コード41を保護することができる。
【0073】
第1実施形態においては、充電用コード41が収納開口部21から外部に出ている状態で、自動二輪車1を前方に又は後方に押し歩いたとしても、後輪WR又は前輪WFで充電用コード41を踏むことがない。
【0074】
第1実施形態においては、ECU36がステップ14の下方に設けられている。そのため、ステップ14の下方に位置する収納開口部21の近傍に通常位置するリッドセンサ23(サイドスタンドセンサ59)から出力される信号を伝達する信号線の長さを短くすることができる。
【0075】
次に、本発明の自動二輪車の他の実施形態(第2から第4実施形態)について、図面を参照しながら説明する。なお、他の実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成要件については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0076】
〔第2実施形態〕
図10は、本発明の第2実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にし、充電用コードをコード収納部から取り出した状態を示す左側面図である。図10に示すように、第2実施形態の自動二輪車1Aは、第1実施形態と比べて、主として、サイドスタンド50に対する収納開口部21の位置(車体前後方向の位置)、及び開口部リッド22の開閉方向について異なる。
具体的には、第2実施形態では、収納開口部21は、サイドスタンド50に対して、前方に設けられている。また、開口部リッド22は、上方に回動しながら開く。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0077】
第2実施形態の自動二輪車1Aによれば、上述した第1実施形態と同様の効果を奏する他、例えば、以下のような効果を奏する。
第2実施形態によれば、デットスペースとなりやすいサイドスタンド50の前方の領域を、収納開口部21に利用して、有効に活用することができる。また、収納開口部21の配置の自由度が高い。
【0078】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態について、図11を参照しながら説明する。図11は、本発明の第3実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にした状態を示す左側面図である。
図11に示すように、第3実施形態の自動二輪車1Bは、第2実施形態と比べて、主として、サイドスタンド50に対する収納開口部21の位置(車体左右方向の位置)について異なる。
【0079】
具体的には、第3実施形態では、サイドスタンド50は、車体左側に設けられているのに対し、収納開口部21(開口部リッド22)は、車体右側に設けられている(図11では、収納開口部21を破線で示す)。つまり、第3実施形態では、収納開口部21(開口部リッド22)とサイドスタンド50とは、車体左右方向において互いに反対側に配置されている。
【0080】
第3実施形態の自動二輪車1Bによれば、上述した第2実施形態と同様の効果を奏する。
なお、第3実施形態において、収納開口部21とサイドスタンド50との車体左右方向位置及び車体前後方向位置は、図11に示す態様に制限されない。
【0081】
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態について、図12及び図13を参照しながら説明する。図12は、本発明の第4実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを起立状態にし、充電用コードをコード収納部から取り出した状態を示す左側面図である。図13は、本発明の第4実施形態に係る自動二輪車について、サイドスタンドを格納状態にし、充電用コードをコード収納部に収納した状態を示す左側面図である。
図12及び図13に示すように、第4実施形態の自動二輪車1Cは、第1実施形態1と比べて、主として、開口部リッド22が設けられる位置について異なる。
【0082】
具体的には、開口部リッド22は、サイドスタンド50における車体左右方向の内側(第4実施形態においては、右側)に取り付けられている。開口部リッド22は、このような構成を有することにより、サイドスタンド50の起立動作又は格納動作によって開閉されるように構成されている。
【0083】
詳細には、図12に示すサイドスタンド50の起立状態においては、開口部リッド22は、サイドスタンド50と共に、収納開口部21から離れる。これにより、収納開口部21か開放される。この状態において、充電用コード41の先端部42をコード収納部20から取り出すことができる。
一方、図13に示すサイドスタンド50の格納状態においては、開口部リッド22は、サイドスタンド50と共に収納開口部21に接近し、収納開口部21を閉じる。この状態において、充電用コード41の先端部42をコード収納部20から取り出すことはできない。
また、開口部リッド22は、充電用コード41が収納開口部21から外部に出ている状態では、閉状態を形成できないように構成されている。
【0084】
図示しないが、コード収納部20には、第1実施形態の同様に、開口部リッド22の開閉状態を検知するリッドセンサ23が設けられている。
第4実施形態の自動二輪車1は、リッドセンサ23により開口部リッド22の開状態が検知される場合に、モータ31の出力を下げる(停止を含む)。詳細には、リッドセンサ23により開口部リッド22の開状態が検知されると、押しボタンスイッチのON信号がECU36に出力されない。押しボタンスイッチのON信号が入力されないと、ECU36は、モータ31が駆動されそうになったとしても、PDU125を介して、モータ31の出力を下げる(停止を含む)。
【0085】
第4実施形態の自動二輪車1Cによれば、上述した第1実施形態と同様の効果を奏する他、例えば、以下のような効果を奏する。
第4実施形態においては、開口部リッド22は、サイドスタンド50の起立動作又は格納動作によって開閉されるように構成されている。そのため、開口部リッド22の開閉操作が容易である。
【0086】
第4実施形態においては、コード収納部20に設けられているリッドセンサ23を、サイドスタンドの起立・格納状態を検知するサイドスタンドセンサとして利用することができる。
反対に、既存のサイドスタンドセンサを利用して、開口部リッド22の開閉状態を検知することができる。そして、コード収納部20又はサイドスタンド50の一方に設けられた開口部リッド22の開閉状態を検知するセンサにより、開口部リッド22の開状態が検知される場合に、モータ31の出力を下げる。そのため、サイドスタンド50及び開口部リッド22の状態を運転者に報知することができる。
【0087】
以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態はスクータ型であったが、サイドカバーを有していれば、その他のタイプの自動二輪車に本発明を適用することもできる。
開口部リッド22の開閉方向に制限はない。開口部リッド22は、開閉構造ではなく、サイドカバー17に着脱可能な構造でもよい。
リッドセンサ23の構成に制限はない。リッドセンサ23により開口部リッド22の開状態が検知された場合に、音や光を発生させて、運転者に報知することもできる。
【0088】
前述の実施形態では、本発明を、モータ31による駆動力のみにより後輪WRを回転駆動させて走行する自動二輪車1に適用したが、これに限らない。即ち、本発明を、内燃機関で発生させた動力、及びモータの動力の2つの動力を組み合わせて後輪を回転駆動させて走行するハイブリッド型の自動二輪車に適用してもよい。
詳述すると、「モータ」とは、電気のみにより動力を得る電動モータ、この電動モータと内燃機関とを組み合わせたハイブリッドのパワーユニット等を含む概念である。つまり、動力の全部又は一部を電動モータにより得るパワーユニットであれば、モータは特に制限されない。
【符号の説明】
【0089】
1 自動二輪車
2 車体
14 ステップ
17 サイドカバー
20 電線収納部
21 収納開口部
22 開口部リッド
23 リッドセンサ
24 インナーリッド
31 モータ
32 バッテリ
41 充電用電線
42 先端部
50 サイドスタンド
53 サイドスタンドピボット
59 サイドスタンドセンサ
WF 前輪
WF1 接地部
WR 後輪
WR1 接地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(2)、前輪(WF)、後輪(WR)、モータ(31)、及び前記モータ(31)に電力を供給するバッテリ(32)を備え、前記モータ(31)による駆動力を利用して走行する自動二輪車(1,1A,1B,1C)であって、
側面視において前記前輪(WF)と前記後輪(WR)との間に配置され、運転者の足を載せるステップ(14)と、
前記車体(2)の側方を覆うサイドカバー(17)と、
自動二輪車(1,1A,1B,1C)の外部から充電するための充電用電線(41)と、
前記充電用電線(41)を前記車体(2)に収納する電線収納部(20)であって前記充電用電線(41)が前記電線収納部(20)の内部において前記車体(2)に接続されている電線収納部(20)と、
前記電線収納部(20)から前記充電用電線(41)の先端部(42)を出し入れするために開口された収納開口部(21)と、を備える自動二輪車(1,1A,1B,1C)において、
前記収納開口部(21)を塞ぐ開口部リッド(22)を更に備え、
前記収納開口部(21)は、少なくとも前記ステップ(14)の下方に位置し、前記サイドカバー(17)に設けられる
自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項2】
前記開口部リッド(22)の開閉状態を検知するリッドセンサ(23)を更に備え、
前記開口部リッド(22)は、前記充電用電線(41)が前記収納開口部(21)から外部に出ている状態では、閉状態を形成できないように構成されており、
前記リッドセンサ(23)により前記開口部リッド(21)の開状態が検知される場合に、前記開口部リッド(22)の開状態を運転者に報知する
請求項1に記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項3】
前記モータ(31)の出力を下げることにより、前記開口部リッド(22)の開状態を運転者に報知する
請求項2に記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項4】
前記ステップ(14)の近傍に配置されるサイドスタンド(50)を更に備え、
前記収納開口部(21)及び前記開口部リッド(22)は、車両左右方向における前記サイドスタンド(50)が位置する側であって前記サイドスタンド(50)の回動支点であるサイドスタンドピボット(53)よりも後方に、配置されており、
前記サイドスタンド(50)を後方に跳ね上げて格納状態にした場合に、格納状態の前記サイドスタンド(50)は、前記開口部リッド(22)が開くことを規制する
請求項1から3のいずれかに記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項5】
前記ステップ(14)の近傍に配置されるサイドスタンド(50)を更に備え、
前記開口部リッド(22)が開状態の場合には、前記開口部リッド(22)が前記サイドスタンド(50)に当接することにより、前記サイドスタンド(50)は、起立状態から格納状態へ回動できないように構成され、
前記サイドスタンド(50)は、格納状態であるか否かを検知するサイドスタンドセンサ(59)を有し、
前記サイドスタンドセンサ(59)により前記サイドスタンド(50)が格納状態ではないことが検知される場合に、前記モータ(31)の出力を下げる
請求項4に記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項6】
前記ステップ(14)の近傍に配置されるサイドスタンド(50)を更に備え、
前記開口部リッド(22)は、前記サイドスタンド(50)に取り付けられることにより、前記サイドスタンド(50)の起立動作又は格納動作によって開閉されるように構成されている
請求項1に記載の自動二輪車(1C)。
【請求項7】
前記開口部リッド(22)は、前記充電用電線(41)が前記収納開口部(21)から外部に出ている状態では、閉状態を形成できないように構成されており、
前記電線収納部(20)又は前記サイドスタンド(50)の一方に、前記開口部リッド(22)の開閉状態を検知するセンサが設けられ、
前記センサにより前記開口部リッド(22)の開状態が検知される場合に、前記モータ(31)の出力を下げる
請求項6に記載の自動二輪車(1C)。
【請求項8】
前記電線収納部(20)の内部に設けられ、前記電線収納部(20)の内部に収納されている前記充電用電線(41)を覆うインナーリッド(24)を更に備える
請求項6又は7に記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項9】
前記充電用電線(41)の長さは、前記後輪(WR)における接地部(WR1)に届かない長さに設定される
請求項1から8のいずれかに記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。
【請求項10】
前記充電用電線(41)の長さは、前記前輪(WF)における接地部(WF1)に届かない長さに設定される
請求項1から9のいずれかに記載の自動二輪車(1,1A,1B,1C)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−158289(P2012−158289A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20572(P2011−20572)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】