説明

自動仕分け装置

【課題】簡便な構成にてトレイを所望状態に段積みすることができる自動仕分け装置を提供する。
【解決手段】製品2が搭載されているトレイ1から製品2を取出して仕分けし、他のトレイ1がそれぞれ配置されている複数の仕分け棚13のトレイ1に搬送して搭載し、仕分けされた製品2が搭載されたトレイ1を段積みして外部に排出するものにおいて、製品2の搭載されていない空のトレイ1を保管するバッファ部14と、空のトレイ1を水平方向に任意の角度回転可能であるとともに、投入部5からバッファ部14または仕分け棚13へ、または、バッファ部14から仕分け棚13へ移動するトレイ回転移動手段30と、トレイ1の方向情報を管理するトレイ方向管理部15と、トレイ方向管理部15の方向情報および空のトレイ1の移動情報に基づいてトレイ1の回転角度を判断してトレイ回転移動手段30を制御するトレイ方向移動制御部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トレイに収納された状態で供給された電子部品等の製品を仕分けしトレイに収納する自動仕分け装置に関し、特に、簡便な構成にてトレイを所望状態に段積みすることができるものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動仕分け装置は、トレイに収納した電子部品等の製品をピックアップして評価装置に搬送し、特性評価後に各特性に対応する棚に仕分けてトレイに再度収納する動作を自動的に行う装置に関する技術である。まず、装置で取扱うトレイの一般的な例について説明する。電子部品等の収納・搬送に使用するトレイの材料には、ポリプロピレンやポリスチレン等が用いられる。これらのトレイは、真空成型により製作されることが多く、成型後に金型から分離しやすくするため、トレイ外周部がテーパ形状となっている。
【0003】
次に、装置の動作について説明する。まず、装置に投入したトレイを効率的に利用するために、製品をピックアップ後に空となったトレイは製品と別経路で搬送し、トレイの過不足を調整するためのバッファ部に蓄えた後、特性評価後の製品を収納するための収納用トレイとして再使用する。よって、動作開始前に各仕分け棚に空トレイをあらかじめセットしない場合は、動作開始後に仕分け棚に供給する1枚目の収納用トレイは必ずバッファ部から取出す。そして、仕分け棚内の各特性に対応した収納用トレイに製品が満載状態になると、バッファ部から空トレイを1枚取出して満載となったトレイの上に供給する。そして、仕分け動作が完了した際、同じ特性の製品を収納したトレイが2枚以上ある場合、2枚目以降のトレイは上に段積みした状態で装置外に取出す。製品の投入・取出の際にトレイを段積みして、一度により多くの枚数を処理することで、作業者の作業負荷を低減するとともに、装置が連続運転できる時間を長くしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−41182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の自動仕分け装置は、トレイを装置から取出す際、トレイ外周部のテーパ部同士が重なって噛み込みやすく分離しにくくなる。そのため、トレイの一部に噛み込み防止部を備えても、従来はトレイ方向を管理・制御する機能がないため、トレイが噛み込まないようにトレイの段積み状態を管理することができない。もし、従来のものにてトレイ方向を管理する場合、装置にセットした各トレイのトレイ方向情報を装置に教示する機能、および、トレイ方向を管理する機能が必要となる。そして、トレイ方向情報を装置に教示するために、センサやカメラ等のトレイ方向を識別する機器を追加する必要がある。また、トレイ側にも、トレイ方向識別用のタグやバーコード等を設ける、あるいは、トレイの一部にセンサ検知用の開口部を追加工する必要がある。また、トレイ方向を検知するための専用のステージも必要となる。以上のことから、機器や部材の追加が必要となり、装置コストが高くなるという問題点があった。
【0006】
また、トレイ方向を制御するために、仕分け部に製品収納用として供給する空トレイは常に2方向分用意しておかねばならず、空トレイを一時保管するバッファ部はトレイ方向別に2箇所必要となる。さらに、バッファ部から仕分け部に空トレイを供給する際、2つのバッファ部から空トレイを取出すため、2つの搬送経路が必要となる。この場合、搬送路を2本設ける、あるいは、各バッファ部からトレイを取出して現行の搬送路に供給する搬送ハンドを設けるといった機能の追加が必要である。以上のことから、装置サイズが大型化するという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡便な構成にてトレイを所望状態に段積みすることができる自動仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の自動仕分け装置は、製品が搭載されているトレイを投入する投入部の上記トレイから上記製品を取出して仕分けし、他のトレイがそれぞれ配置されている複数の仕分け棚の該当トレイに搬送して搭載し、仕分けされた上記製品が搭載された上記トレイを段積みして外部に排出する自動仕分け装置において、
上記製品の搭載されていない空の上記トレイを保管するバッファ部と、
空の上記トレイを水平方向に任意の角度回転可能であるとともに、上記投入部から上記バッファ部または上記仕分け棚へ、または、上記バッファ部から上記仕分け棚へ移動するトレイ回転移動手段と、
上記トレイの方向情報を管理するトレイ方向管理部と、
上記トレイ方向管理部の方向情報および空の上記トレイの上記投入部から上記バッファ部または上記仕分け棚へ、または、上記バッファ部から上記仕分け棚へ移動する移動情報に基づいて上記トレイの回転角度を判断して上記トレイ回転移動手段を制御するトレイ方向移動制御部とを備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の自動仕分け装置は、製品が搭載されているトレイを投入する投入部の上記トレイから上記製品を取出して仕分けし、他のトレイがそれぞれ配置されている複数の仕分け棚の該当トレイに搬送して搭載し、仕分けされた上記製品が搭載された上記トレイを段積みして外部に排出する自動仕分け装置において、
上記製品の搭載されていない空の上記トレイを保管するバッファ部と、
空の上記トレイを水平方向に任意の角度回転可能であるとともに、上記投入部から上記バッファ部または上記仕分け棚へ、または、上記バッファ部から上記仕分け棚へ移動するトレイ回転移動手段と、
上記トレイの方向情報を管理するトレイ方向管理部と、
上記トレイ方向管理部の方向情報および空の上記トレイの上記投入部から上記バッファ部または上記仕分け棚へ、または、上記バッファ部から上記仕分け棚へ移動する移動情報に基づいて上記トレイの回転角度を判断して上記トレイ回転移動手段を制御するトレイ方向移動制御部とを備えているので、
簡便な構成にてトレイを所望状態に段積みすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1の自動仕分け装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した自動仕分け装置に使用するトレイの構成を示した斜視図である。
【図3】図2に示したトレイを段積みした状態を示す断面図である。
【図4】図2に示したトレイを段積みした状態を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2の自動仕分け装置の構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3の自動仕分け装置の構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態4の自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態5の自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態6の自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。
【図10】この発明の実施の形態7の自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態8の自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1における自動仕分け装置の構成を示す図、図2は図1に示した自動仕分け装置に使用するトレイの構成を示した斜視図、図3および図4は図2に示したトレイを段積みした状態を示す断面図である。
【0012】
図1において、自動仕分け装置100は、製品2が搭載されているトレイ1から、製品2を取出し外部に配設されている特性評価装置17にて特性を評価して仕分けした後、あらかじめ配置されている他のトレイ1に載置するためのものである。そして、製品2が搭載されているトレイ1を投入する投入部5と、製品2の搭載されていない空のトレイ1を保管するバッファ部14と、仕分けられた製品2を搭載するためのトレイ1がそれぞれ配置されている複数の仕分け棚13と、バッファ部14および複数の仕分け棚13内の内容を表示するためにそれぞれ配設された表示部10と、製品2をトレイ1から取上げ特性評価装置17に搬送して、仕分けされた製品2を該当する仕分け棚13に搬送する製品搬送経路Cを搬送可能な製品搬送手段31とを備える。
【0013】
さらに、空のトレイ1を水平方向に任意の角度回転可能であるとともに、投入部5からバッファ部14または仕分け棚13へ、または、バッファ部14から仕分け棚13へ移動するトレイ搬送経路A、Bを移動可能なトレイ回転移動手段30と、トレイ1の方向情報を管理するトレイ方向管理部15と、トレイ方向管理部15の方向情報および空のトレイ1の投入部5からバッファ部14または仕分け棚13へ、または、バッファ部14から仕分け棚13へ移動する移動情報に基づいてトレイ1の回転角度を判断してトレイ回転移動手段30を制御するトレイ方向移動制御部16とを備える。
【0014】
そして、投入部5は、製品2が搭載されているトレイ1を投入する投入位置32と、投入位置32から製品2が搭載されているトレイ1を搬送する搬送コンベア6と、搬送コンベア6にて製品2が搭載されているトレイ1が搬送され、製品2が取上げられる取上げ位置7とにて構成されている。また、製品搬送手段31は、製品2をトレイ1から取上げ、再び他のトレイ1に搭載するための製品搬送ハンド8と、製品2を搬送するための製品搬送路33とにて構成されている。そして、製品搬送路33は、製品2を投入部5の取上げ位置7から特性評価装置17、そして、仕分け棚13へ搬送可能に形成されている。
【0015】
また、トレイ回転移動手段30は、取上げ位置7から空のトレイ1を取上げ、再び所定の位置にトレイ1を配置するための空トレイ搬送ハンド9と、空トレイ搬送ハンド9に配設され、空のトレイ1を水平方向に任意の角度に回転可能なトレイ回転機構部12と、空のトレイ1を搬送するためのトレイ搬送路34とにて構成されている。そして、トレイ搬送路34は、空のトレイ1を投入部5の取上げ位置7からバッファ部14または仕分け棚13、または、バッファ部14から仕分け棚13へ搬送可能に形成されている。
【0016】
また、トレイ1は、図2に示すように、例えば、電子部品等の製品2を搭載するためのもので、搬送効率、収納効率等を考慮して、複数段に段積み可能となるように、トレイ1の外周は例えば、テーパ部4が形成されている。さらに、トレイ1を段積みした場合に、トレイ1同士が噛み込まないように、テーパ部4の一部に例えば、切り欠きまたは段差等にて構成される噛み込み防止部3を備えている。ここでは、トレイ1が矩形にて形成されており、噛み込み防止部3はその一辺に形成されている。よって、トレイ1を図3に示すように、上下のトレイ1の噛み込み防止部3を同一方向で段積みした場合は、上下のトレイ1のテーパ部4同士が重なって噛み込みやすく、分離しにくい状態となる。
【0017】
しかし、図4に示すように、トレイ1を1枚毎に水平方向に対して180度回転させて、噛み込み防止部3が180度異なる方向に存在する状態にて交互に段積みすると、上側のトレイ1の一部が下側のトレイ1の噛み込み防止部3の上に載る、あるいは、上側のトレイ1の噛み込み防止部3が下側のトレイ1の一部に載ることで、トレイ1同士が厚み方向に一定の距離を保ち、かつ、トレイ1同士の噛み込みを防ぐことができる。以下、この状態を「トレイ1を交互に段積み」と称す。
【0018】
次に、上記のように構成された実施の形態1の自動仕分け装置の動作について説明する。まず、自動仕分け装置100においては、トレイ1を交互に段積みして使用するものとする。そして、複数の仕分け棚13はどの棚にどの特性の製品2を搭載するようにあらかじめ割付されており、それは任意に設定可能である。例えば、全3段の仕分け棚13であれば、2段分を特性a、1段分を特性bに割り当てる等、1つの特性の割付を重複して複数段に設定することができる。また、全ての仕分け棚13を使用する必要はなく、必要な棚数分を選択して使用することができる。また、各仕分け棚13の表示部10には、収納するための製品2の特性の分類、例えば、先に示した特性「a」、特性「b」などを示す記号や数字等を表示することが考えられる。また、バッファ部14の表示部10にはこの部分がバッファ部14であることが表示されているものである。
【0019】
また、製品2が搭載されて投入部5に投入されるトレイ1、および、バッファ部14にあらかじめ配置されている空のトレイ1は、図4に示したようにトレイ1を交互に段積みされているものとし、各トレイ1の方向情報はあらかじめトレイ方向管理部15に格納され記録・管理されているものである。また、あらかじめ各仕分け棚13に空のトレイ1が配置されている場合は、そのトレイ1の方向情報はあらかじめトレイ方向管理部15に格納され記録・管理されている。また、バッファ部14には空のトレイ1を段積みして必要枚数セットする。このバッファ部14への空のトレイ1のセット枚数は、仕分け棚13にあらかじめトレイ1が配置されていない場合には、仕分け棚13の棚数以上(本実施の形態1においては3枚以上)セットされていることが望ましい。
【0020】
そして、仕分け棚13にあらかじめ空のトレイ1が配置されていない場合には、バッファ部14に配置されたトレイ1をバッファ部14から各仕分け棚13に移動して配置する。この際、トレイ方向移動制御部16ではトレイ方向管理部15において仕分け棚13にはトレイ1が存在しないため方向情報が存在しない。よって、バッファ部14のトレイ1を回転させることなく仕分け棚13にそれぞれ配置するか、または、トレイ1の方向が各仕分け棚13において一定の方向となるように、トレイ1の回転方向を制御して配置するかいずれの方法でも行うことができる。そして、トレイ回転移動手段30を制御して、所望の仕分け棚13にトレイ1を所望の方向にて配置する。この際、各仕分け棚13のトレイ1の方向情報はトレイ方向管理部15に格納され記録・管理される。
【0021】
そして、製品2を搭載し、段積みされたトレイ1を投入部5の投入位置32に投入し搬送コンベア6の上にセットする。そして、投入部5では、トレイ1が搬送コンベア6により搬送されて取上げ位置7まで移動する。次に、取上げ位置7では、製品搬送ハンド8が製品2を1個ずつピックアップして製品搬送路33を介して製品搬送経路Cにて特性評価装置17まで搬送され、特性が評価される。尚、特性評価装置17が一度に複数の製品2を評価できるような場合であれば、複数の製品2をピックアップして仕分けすることも考えられる。
【0022】
そして、製品2は特性評価装置17で特性の評価が完了すると、再び製品搬送ハンド8にピックアップされ製品搬送路33を介して仕分け棚13へ搬送される。そして、特性に対応した所望の仕分け棚13のトレイ1の中に搭載される。そして、製品搬送ハンド8がトレイ1内の製品2を全てピックアップして空になった最上段のトレイ1は、空トレイ搬送ハンド9で取上げられ、トレイ搬送経路Aで搬送してバッファ部14に蓄えられる。
【0023】
この際、トレイ方向管理部15に管理されている取上げ位置7の空のトレイ1の方向情報およびバッファ部14の最上段のトレイ1の方向情報に基づいてトレイ方向移動制御部16はトレイ1を180度回転するか否かを判断して、それに応じてトレイ回転移動手段30を制御してトレイ1をトレイ搬送経路Aにて搬送し、バッファ部14にトレイ1を交互に段積みして供給する。
【0024】
また、仕分け棚13のトレイ1に製品2が満載状態になり、または、製品2が所定の数搭載される、空のトレイ1の供給が必要になった場合、トレイ方向管理部15に管理されているバッファ部14の最上段のトレイ1の方向情報および仕分け棚13の最上段のトレイ1の方向情報に基づいて、仕分け棚13においてトレイ1を交互に段積み状態となるようにトレイ方向移動制御部16はトレイ1を180度回転するか否かを判断して、それに応じてトレイ回転移動手段30を制御してトレイ1をトレイ搬送経路Bにて搬送して、仕分け棚13にトレイ1を交互に段積みして供給する。
【0025】
また、取上げ位置7から空のトレイ1をバッファ部14に搬送するタイミングが、仕分け棚13への空のトレイ1の供給のタイミングと同じになった場合は、トレイ方向管理部15に管理されている取上げ位置7の空のトレイ1の方向情報および仕分け棚13の最上段のトレイ1の方向情報に基づいて、仕分け棚13においてトレイ1を交互に段積み状態となるようにトレイ方向移動制御部16はトレイ1を180度回転するか否かを判断して、それに応じてトレイ回転移動手段30を制御して取上げ位置7から空のトレイ1を直接仕分け棚13に搬送して供給してもよい。
【0026】
そして、仕分け棚13内のトレイ1の枚数が、収容可能な上限数に達した場合、また、自動仕分け装置100に投入した製品2が全て仕分け完了した場合、例えば、表示部10による表示や、ブザー等の音声を使った手段等により、作業者にトレイ1の取出要求のオペコールを出す。尚、オペコールを出すトレイ枚数は任意に設定できる。オペコールを受けた作業者は、製品2を収納して交互に段積みした状態のトレイ1を自動仕分け装置100外に排出する。
【0027】
上記のように構成された実施の形態1の自動仕分け装置によれば、トレイの方向情報を管理し、トレイ回転移動手段の最小限の操作・機能によりトレイを交互に段積みすることにより、トレイを所望の状態にて排出することができる。よって、例えば、確実にトレイを交互に段積み状態となるように管理して、トレイ同士の噛み込みを防止することができ、後工程において段積みトレイ、および、製品の取扱いが容易になる。
【0028】
また、トレイを180度回転させることにより制御を行うようにしているため、制御が簡便となる。尚、本実施の形態1においてはトレイを180度回転させることによりトレイを交互に段積みする例を示したが、これに限られることなく、トレイを交互に段積みできるものであれば同様に行うことができ、同様の効果を奏することができる。但し、180度や90度などにて行うことができれば、トレイ回転移動手段の制御が簡便となり、また、トレイの構成が単純であり作成しやすい。
【0029】
尚、上記実施の形態1においては、仕分け棚13とバッファ部14とは同様の構成にて形成することが可能であり、現時点にて仕分け棚13として使用している箇所をバッファ部14として、または、現時点にてバッファ部14として使用している箇所を仕分け棚13として設定することが可能である。また、このことは以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜する。
【0030】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2における自動仕分け装置の構成を示す図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。自動仕分け装置100のトレイ方向管理部15に、例えば、タッチパネル式のトレイ1の方向情報を入力ための入力手段18を備える。そして、この入力手段18により、トレイ1が交互に段積みして投入された投入部5に供給する最上段のトレイ1の方向情報と、バッファ部14の空のトレイ1の最上段の方向情報はトレイ方向管理部15に格納される。そして、実施の形態2によれば、入力手段18から入力されたトレイ1の方向情報により、上記実施の形態1と同様に動作を行うことができる。
【0031】
上記のように構成された実施の形態2の自動仕分け装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんこと、入力手段から入力される最小限のトレイの方向情報のみにて、自動仕分け装置内のトレイの方向を管理し、トレイを交互に段積みした状態で取扱うことができる。
【0032】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3における自動仕分け装置の構成を示す図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。投入部5およびバッファ部14に、例えば、センサやカメラ等によりトレイ1の状態を識別してトレイ1方向情報を読み取る読み取り手段19を備える。そして、この読み取り手段19により、トレイ1が交互に段積みして投入された投入部5の最上段のトレイ1の方向情報と、バッファ部14の空のトレイ1の最上段の方向情報はトレイ方向管理部15に格納される。そして、実施の形態3によれば、読み取り手段19から入力されたトレイ1の方向情報により、上記実施の形態1と同様に動作を行うことができる。
【0033】
上記のように構成された実施の形態3の自動仕分け装置によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するのはもちろんこと、読み取り手段から自動的に入力される最小限のトレイの方向情報のみにて、自動仕分け装置内のトレイの方向を管理し、トレイを交互に段積みした状態で取扱うことができる。尚、トレイが透明な材質で成型されている場合、センサなどの読み取り手段でのトレイの方向情報の読み取りは難しいため、例えば、トレイの方向を識別可能なタグやバーコード等をトレイに取付け、そのタグやバーコード等を読み込むようにしてもよい。
【0034】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4における自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。仕分け棚13のトレイ1の取出側に、第1検知手段としてのエリアセンサ20または開閉検知機能付きの取出し扉21を設け、トレイ1の排出を検知、例えば、作業者が仕分け棚13へアクセスしたことを検知して、この排出情報をトレイ方向管理部15に格納する。尚、取出し扉21の丁番は、取出し扉21の上部、下部、側面部のいずれの位置でもよい。また、取出し扉21は引き戸やシャッター等の形状でもよい。
【0035】
次に、上記のように構成された実施の形態4の自動仕分け装置の動作について説明する。まず、仕分け棚13からトレイ1を排出する以外は上記各実施の形態と同様に行うことができる。ここでは、例えば、作業者が仕分け棚13にアクセスしたことをエリアセンサ20または取出し扉21が検知すると、この排出情報をトレイ方向管理部15に送信し、対応する仕分け棚13内に収容したトレイ1の枚数のカウント情報が0枚にリセットされる。よって、このことにより、トレイ1の移動時における水平方向の回転角度を設定することができる。
【0036】
上記のように構成された実施の形態4の自動仕分け装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんこと、第1検知手段から仕分け棚からの排出情報をトレイ方向管理部に送信されるため、仕分け棚内のトレイの方向が自動仕分け装置の管理下におくことができる。
【0037】
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5における自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。第1検知手段がトレイの排出を検知した後に、仕分け棚13内にトレイ1が残っていないかを自動的に検知するセンサやカメラ等の第2検知手段22を設ける。
【0038】
次に、上記のように構成された実施の形態5の自動仕分け装置の動作について説明する。まず、仕分け棚13から作業者がトレイ1を排出するためにアクセスしたこと検知するまでは上記実施の形態4と同様に行うことができる。ここでは、第2検知手段22が、第1検知手段がトレイの排出を検知した後に、仕分け棚13内にトレイ1が残っていないかを自動的に検知する。そして、トレイ1が残っていることを検知すると、この情報をトレイ方向管理部15に送信し、トレイ方向管理部15は、仕分け棚13内のトレイ1の方向が自動仕分け装置の管理下から外れていると判定することができる。
【0039】
上記のように構成された実施の形態5の自動仕分け装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんこと、第2検知手段からトレイが残っていることの情報をトレイ方向管理部に送信されるため、仕分け棚内のトレイの方向が自動仕分け装置の管理下にないことを判定することができる。
【0040】
実施の形態6.
図9はこの発明の実施の形態6における自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。第2検知手段22は、トレイ1が残っていることを検知すると、トレイ1の排出要求信号を例えば仕分け棚13に配設されているオペコール部23または表示部10に出力する。そして、オペコール部23が外部にブザー等にて知られるか、表示部10に排出要求のメッセージを表示する。そして、作業者はこの内容に応じて、トレイ1を排出することができる。
【0041】
上記のように構成された実施の形態6の自動仕分け装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんこと、第2検知手段からトレイが残っていることの情報を外部に知らせることができるため、作業者にトレイ取出要求を出してトレイを取出すことで仕分け棚内を初期状態に戻し、トレイの方向を管理可能な状態に戻すことができる。
【0042】
実施の形態7.
図10はこの発明の実施の形態4における自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。仕分け棚13のトレイ1に取出し扉21にロック機能24を備え、第2検知手段22は、トレイ1が残っていることを検知すると、トレイ1の取出し扉21のロック機能24に取出し扉21を開放状態に維持させる。よって、仕分け棚13のトレイ1を取出し扉21を作業者が開けて、さらに扉を閉める際に、仕分け棚13内にトレイ1が残っていること第2検知手段22が検知すると、ロック機能24により取出し扉21が閉まらない。これにより、作業者は仕分け棚13内のトレイ1が残っていることを知ることができ、作業者が仕分け棚13内にトレイ1を排出することができる。
【0043】
上記のように構成された実施の形態7の自動仕分け装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんこと、第2検知手段からトレイが残っていると取出し扉が開放状態を維持するため、作業者のトレイの取出し忘れを防止し、トレイを取出すことで仕分け棚内を初期状態に戻し、トレイ方向を管理可能な状態に戻すことができる。
【0044】
実施の形態8.
図11はこの発明の実施の形態8における自動仕分け装置の仕分け棚の構成を示す斜視図である。図において、上記各実施の形態と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。取出し扉21のロック機能24は、製品2の仕分け中は取出し扉21が開かないよう機能する。そして、仕分けが完了したトレイ1をモータやエアシリンダ等を用いて自動で排出する自動排出手段26を設ける。
【0045】
次に、上記のように構成された実施の形態8の自動仕分け装置の動作について説明する。まず、上記各実施の形態と同様に、トレイ1に製品2を仕分けして、そのトレイ1を段積みすることができる。そして、ここでは、製品2の仕分け動作が完了するまで仕分け扉21はロック機能24により閉状態となり、トレイ1の排出作業ができないように設定されている。そして、仕分け棚13のトレイ1が設定の枚数になると、自動排出手段26により段積みされたトレイ1が排出される。
【0046】
上記のように構成された実施の形態8の自動仕分け装置によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するのはもちろんこと、製品の仕分け中は取出し扉が閉状態となり、トレイを取出すことができないため、トレイの方向の管理を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
1 トレイ、2 製品、3 噛み込み防止部、4 テーパ部、5 投入部、
13 仕分け棚、14 バッファ部、15 トレイ方向管理部、
16 トレイ方向移動制御部、17 特性評価装置、18 入力手段、
19 読み取り手段、20 エリアセンサ、21 取出し扉、22 第2検知手段、
24 ロック機能、30 トレイ回転移動手段、31 製品移動手段、
100 自動仕分け装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が搭載されているトレイを投入する投入部の上記トレイから上記製品を取出して仕分けし、他のトレイがそれぞれ配置されている複数の仕分け棚の該当トレイに搬送して搭載し、仕分けされた上記製品が搭載された上記トレイを段積みして外部に排出する自動仕分け装置において、
上記製品の搭載されていない空の上記トレイを保管するバッファ部と、
空の上記トレイを水平方向に任意の角度回転可能であるとともに、上記投入部から上記バッファ部または上記仕分け棚へ、または、上記バッファ部から上記仕分け棚へ移動するトレイ回転移動手段と、
上記トレイの方向情報を管理するトレイ方向管理部と、
上記トレイ方向管理部の方向情報および空の上記トレイの上記投入部から上記バッファ部または上記仕分け棚へ、または、上記バッファ部から上記仕分け棚へ移動する移動情報に基づいて上記トレイの回転角度を判断して上記トレイ回転移動手段を制御するトレイ方向移動制御部とを備えていることを特徴とする自動仕分け装置。
【請求項2】
上記トレイ回転移動手段は、任意の角度として、180度または90度が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の自動仕分け装置。
【請求項3】
上記トレイの方向情報を入力する入力手段を備え、上記入力手段からの上記トレイの方向情報を上記トレイ方向管理部に格納することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動仕分け装置。
【請求項4】
上記トレイの方向情報を読み取る読み取り手段を備え、上記読み取り手段からの上記トレイの方向情報を上記トレイ方向管理部に格納することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動仕分け装置。
【請求項5】
上記仕分け棚の上記トレイの排出を検知して排出情報を上記トレイ方向管理部に格納する第1検知手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動仕分け装置。
【請求項6】
上記第1検知手段にて上記トレイの排出を検知した後、上記仕分け棚内の上記トレイの有無を検知する第2検知手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の自動仕分け装置。
【請求項7】
上記第2検知手段は、上記トレイが残っていることを検知すると、上記トレイの排出要求信号を出力することを特徴とする請求項6に記載の自動仕分け装置。
【請求項8】
上記仕分け棚に上記トレイの取出し扉を備え、
上記取出し扉は、上記第2検知手段が上記トレイが残っていることを検知すると開放状態を維持することを特徴とする請求項6に記載の自動仕分け装置。
【請求項9】
上記仕分け棚に上記トレイの取出し扉を備え、
上記取出し扉は、上記製品の仕分け中は閉状態を維持することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の自動仕分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−250790(P2012−250790A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123135(P2011−123135)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)