説明

自動倉庫設備

【課題】消火手段に消火剤を供給する消火剤供給体を設置することによる収納効率の低下を極力抑制することができる自動倉庫設備を提供すること。
【解決手段】物品保管棚2と物品保管棚よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分Ktを有する形態で物品保管棚の前面側に設けられた移動空間Kを移動自在で、かつ、物品収納部17に対して物品を移載自在なスタッカークレーン3と、火災が発生すると消火剤を散布して消火する消火手段とが備えられ、消火剤を消火手段に供給する消火剤供給体24を設置する消火剤保管箇所Hが、移動空間の突出部分に対向しかつ棚左右方向で物品保管棚に隣接する箇所に配置されている自動倉庫設備。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する物品収納部が上下左右に複数並べて備えられた物品保管棚と、前記物品保管棚よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分を有する形態で前記物品保管棚の前面側に設けられた移動空間を移動自在で、かつ、前記物品収納部に対して物品を移載自在なスタッカークレーンと、火災が発生すると消火剤を散布して消火する消火手段とが備えられた自動倉庫設備に関する。
【背景技術】
【0002】
スタッカークレーンを利用した自動倉庫設備として、可燃性固体や引火性液体等の消防法上の危険物を保管及び取り扱うものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この種の自動倉庫設備は消防法上の危険物設備のうち屋内貯蔵所に該当するため、法令上、火災が発生すると消火剤を散布して消火する消火手段を設けることが義務付けられるとともに、床面積や軒高さ等の建物構造について法令上の制限が課されている。例えば、消防法で定める危険物のうち第2類危険物(可燃性固体)及び第4類危険物(引火性液体)を貯蔵又は取り扱う屋内貯蔵所においては、建物の構造制限として、床面積が1,000[m2]以下、かつ、軒高さが20[m]未満の独立専用平屋棟としなければならない。
【0004】
このように自動倉庫設備にて危険物を保管及び取り扱う場合には、自動倉庫設備における建物の床面積及び軒高さが制限されるため、建物内に設置される物品保管棚により多くの物品を収納するために、物品保管棚が占める床面積以外の床面積、例えば、設備の管理・制御をする制御装置が設置される操作室の床面積や消火剤を供給する消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所の床面積といったように、付帯設備が占める床面積をできるだけ小さくすることで物品保管棚が占める床面積をできるだけ大きくすることが行われる。
【0005】
危険物を保管及び取り扱う自動倉庫設備に設けられる消火手段としては、例えば、消火剤としての二酸化炭素をガス状にて散布することで酸素濃度を下げて窒息消火させる二酸化炭素消火設備や、消火剤としての約3%合成界面活性剤を散布することで、水の500倍の泡を発生させ、燃焼面を覆い空気の供給を遮断して窒息消火させる高発泡消火設備などがある。そして、自動倉庫設備に消火手段を設ける場合には、消火剤又はその原材料を貯留して消火剤を消火手段に供給する消火剤供給体が設置される。そして、従来では、この消火剤供給体を設置するために、例えば、自動倉庫設備の物品保管棚の背面側にて隣接する箇所等に消火剤保管箇所として専用に確保し、この消火剤保管箇所に消火剤供給体を設置していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−115611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動倉庫設備にて危険物を保管及び取り扱う場合のように、自動倉庫設備の床面積が制限される場合には、従来では、消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所を専用に確保していたため、自動倉庫設備の床面積のうち消火剤保管箇所が占める床面積を差し引いた残りの床面積の範囲内で物品保管棚やスタッカークレーンや設備の操作室等を配置しなければならない。そのため、物品保管棚を設置するための床面積を十分確保できず、物品保管棚の容量が抑制される結果、自動倉庫設備の物品収納数を多くできないという問題があった。
【0008】
また、自動倉庫設備の床面積が制限されない場合であっても、消火手段を備えるに当って、この消火手段に消火剤を供給する消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所を専用に確保すると、物品保管棚の保管容量の割に自動倉庫設備の床面積が大きくなってしまい収納効率が悪くなるという問題があった。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、消火手段に消火剤を供給する消火剤供給体を設置することによる収納効率の低下を極力抑制することができる自動倉庫設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明に係る自動倉庫設備の第1特徴構成は、物品を収納する物品収納部が上下左右に複数並べて備えられた物品保管棚と、前記物品保管棚よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分を有する形態で前記物品保管棚の前面側に設けられた移動空間を移動自在で、かつ、前記物品収納部に対して物品を移載自在なスタッカークレーンと、火災が発生すると消火剤を散布して消火する消火手段とが備えられた自動倉庫設備において、
前記消火剤を前記消火手段に供給する消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所が、前記移動空間の前記突出部分に対向しかつ棚左右方向で前記物品保管棚に隣接する箇所に配置されている点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、スタッカークレーンの移動空間が物品保管棚の前面側に設けられている。例えば、スタッカークレーンが、フォーク装置等の物品移載装置を搭載した昇降台の棚左右方向での両脇に昇降台を昇降案内する一対の昇降マストが並ぶ状態で備えられているものであると、スタッカークレーンの棚左右方向(走行方向)での全長が、物品収納部の棚左右方向での長さよりも長くなることから、スタッカークレーンの移動空間は、一対の物品保管棚よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分を有することになる。したがって、移動空間の突出部分に対向しかつ棚左右方向で物品保管棚に隣接する箇所には突出部分の突出長さ分の空き領域が形成される。そこで、消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所を、この空き領域に配置することで、スタッカークレーンを備えた自動倉庫設備であれば形成されることになる空き領域を利用して消火剤供給体を設置することができる。そのため、消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所を専用に確保せずに済む、又は、確保すべき領域が小さくて済む。
【0012】
したがって、自動倉庫設備にて危険物を保管及び取り扱う場合のように、自動倉庫設備の床面積が制限される場合に、消火手段を備えるに当って、消火剤保管箇所を専用に確保せずに済む、又は、確保すべき領域が小さくて済むので、物品保管棚を設置するための床面積を極力大きく確保して物品保管棚の容量をできるだけ大きくすることができる。こうすることで、消火剤保管箇所を設けても設備全体の床面積に対する物品保管棚の占める床面積の割合を極力維持できるので収納効率の低下を極力抑制することができる。
【0013】
また、自動倉庫設備の床面積が制限されない場合であっても、消火手段を備えるに当って、消火剤保管箇所を専用に確保せずに済む、又は、確保すべき領域が小さくて済むので、物品保管棚の保管容量の割に自動倉庫設備の床面積が大きくならないようにすることができる。こうすることで、消火剤保管箇所を設けても設備全体の床面積に対する物品保管棚の占める床面積の割合を極力維持できるので収納効率の低下を極力抑制することができる。
【0014】
このように、消火手段に消火剤を供給する消火剤供給体を設置することによる収納効率の低下を極力抑制することができる自動倉庫設備を得るに至った。
【0015】
本発明に係る自動倉庫設備の第2特徴構成は、前記消火剤保管箇所には、上下方向に間隔を隔てて設置される複数の架台が備えられている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、複数の架台のそれぞれに対して消火剤供給体を設置することができるので、移動空間の突出部分に対向しかつ棚左右方向で物品保管棚に隣接する箇所が占める床面積を使って設置できる消火剤供給体の分量が、架台の数だけ増えることになる。したがって、消火剤保管箇所の床面積の拡大を抑制して設備全体の床面積に対する物品保管棚の占める床面積の割合を極力維持しながらより多くの消火剤供給体を設置できる。
【0017】
本発明に係る自動倉庫設備の第3特徴構成は、前記消火剤保管箇所が、棚左右方向で前記物品保管棚側に拡張する拡張部分を備えて構成され、前記物品保管棚の棚左右方向で最外方に位置する物品収納部が、前記拡張部分と上下方向視で重なる位置に配設されている点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、消火剤保管箇所は棚左右方向で物品保管棚側に拡張する拡張部分を備えているので、消火剤保管箇所が占める床面積が拡大する。そのため、消火剤保管箇所が備える複数の架台のそれぞれにて形成される消火剤供給体設置用の領域面積が大きくなり、一つの架台に対して設置できる消火剤供給体の分量が多くなる又は大型化できる。したがって、所定量の消火剤を保管する場合に必要となる架台の数が少なくて済み、消火剤供給体を複数の架台のそれぞれに分散して設置する場合の設置作業や設置後のメンテナンス作業において作業者が上下方向に移動することが少なくて済むので作業性が良いものとなる。
【0019】
一方、棚左右方向で前記物品保管棚側に拡張する拡張部分を備えることで、物品保管棚における拡張部分が位置する領域には、収納部が備えられないことになるので、物品保管設備の収納効率を悪化させるが、物品保管棚の棚左右方向で最外方に位置する物品収納部が、拡張部分と上下方向視で重なる位置、例えば、拡張部分よりも上方の位置に配設されるので、拡張部分が占有する床面積を有効に使って、設備全体の床面積に対する物品保管棚の占める床面積の割合を維持したまま、より多くの収納部が配設されることになる。したがって、消火剤保管箇所を棚左右方向で物品保管棚側に拡張させる場合の収納効率の低下を極力抑制することができる。
【0020】
このように、本特徴構成によれば、消火剤保管箇所に備えられる架台の数を少なくして消火剤供給体の設置作業や設置後のメンテナンス作業の作業性を良いものとすることができるとともに、消火剤保管箇所を棚左右方向で物品保管棚側に拡張させる場合の収納効率の低下を極力抑制することができる。
【0021】
本発明に係る自動倉庫設備の第4特徴構成は、倉庫空間と外部空間とを棚左右方向で仕切る外壁が、棚前後方向に沿う状態で前記突出部分よりもさらに棚左右方向で棚外方側に設けられ、前記複数の架台のそれぞれは、棚左右方向における一方側の端部が、前記物品保管棚の棚左右方向の端部に位置している棚構成用支柱に支持され、かつ、棚左右方向における他方側の端部が、前記外壁が備える外壁構成用部材に支持されている点にある。
【0022】
本特徴構成によれば、架台の棚左右方向における一方側の端部が、物品保管棚の棚左右方向の端部に位置している棚構成用支柱に支持され、棚左右方向における他方側の端部が、外壁が備える外壁構成用部材に支持されているので、架台を支持するための支柱等を殊更に設けることなく自動倉庫設備であれば備えられている棚構成用支柱及び外壁構成用部材を用いて、上下に間隔を隔てて複数の架台を備えることができる。そのため、簡素な構成により複数の架台を設けることができる。
【0023】
また、棚構成用支柱及び外壁構成用部材にて架台を支持するので、架台を支持するための支柱等を殊更に設ける場合に比べて、物品保管棚の棚左右方向の端部と棚前後方向に沿う外壁との間の領域において棚左右方向でより長い範囲に架台を設けることができる。これにより、物品保管棚の棚左右方向の端部と外壁との間の領域における床面積を維持したままで、複数の架台のそれぞれにて形成される消火剤供給体設置用の領域面積を大きくすることができる。したがって、消火剤保管箇所を設けても設備全体の床面積に対する物品保管棚の占める床面積の割合を維持したまま消火剤保管箇所における消火剤の保管容量を大きくできる。
【0024】
このように、本特徴構成によれば、収納効率を低下させずに保管容量の大きな消火剤保管箇所を簡素な構成により設けることができる。
【0025】
本発明に係る自動倉庫設備の第5特徴構成は、前記棚構成用支柱には、物品支持用の物品載置部材が、上下に間隔を隔てて複数設けられ、前記複数の架台のそれぞれが、前記物品載置部材が設けられている高さとは異なる高さにて、前記棚構成用支柱に接続されている点にある。
【0026】
本特徴構成によれば、棚構成用支柱において物品載置部材が設けられている部分を避けて、複数の架台のそれぞれが棚構成用支柱に接続されるので、複数の架台及び複数の物品載置部材は、棚構成用支柱に上下方向に分散して接続される。したがって、複数の架台を棚構成用支柱に接続するに当って、特定の箇所に荷重が集中することを回避できるので、棚構成用支柱として特別に強度の高いものを用いることなく、物品保管棚を構成できる。
【0027】
本発明に係る自動倉庫設備の第6特徴構成は、前記物品収納部が、複数の物品を棚前後方向に並ぶ状態で収納自在に構成され、前記消火剤保管箇所が、前記物品保管棚の棚前後方向の全長に亘って配置されている点にある。
【0028】
本特徴構成によれば、物品保管棚の棚前後方向の長さは物品収納部の奥行き方向の長さであり、物品収納部の奥行き方向の長さは複数の物品を棚前後方向に並ぶ状態で収納できるだけの長さとなっている。したがって、物品保管棚の棚前後方向の全長に亘って消火剤保管箇所を設置することで、物品保管棚の棚前後方向に関して、複数の物品を並べた長さに亘って消火剤保管箇所が配置されることになるので、消火剤保管箇所は広いものとなり、消火剤供給体として多数又は大型のものを設置してより多くの消火剤を保管することができる。
【0029】
さらに、消火剤保管箇所に、上下方向に間隔を隔てて設置される複数の架台が備えられる場合には、各架台において、物品保管棚の棚前後方向に関して、複数の物品を並べた長さに亘って消火剤供給体を設置できるので、各架台に設置される消火剤供給体として多数又は大型のものを設置できる。これにより、所定量の消火剤を保管する場合に必要となる架台の数が少なくて済み、消火剤供給体を複数の架台のそれぞれに分散して設置する場合の設置作業や設置後のメンテナンス作業において作業者が上下方向に移動することが少なくて済むので作業性が良いものとなる。
【0030】
本発明に係る自動倉庫設備の第7特徴構成は、前記消火手段が、前記消火剤としての二酸化炭素をガス状にて散布するように構成され、前記消火剤供給体が、前記二酸化炭素が封入された炭酸ガスボンベを複数本整列したボンベ群を備えて構成され、前記ボンベ群の荷重を支持する棒状部材が、前記ボンベ群における前記複数本の炭酸ガスボンベの並び方向に沿って前記消火剤保管箇所において前記ボンベ群の下方に配設されている点にある。
【0031】
本特徴構成によれば、消火剤としての二酸化炭素は炭酸ガスボンベに封入されて、この炭酸ガスボンベが複数本整列されて炭酸ガスボンベ群を構成する。そして、自動倉庫設備の建物内において火災が発生した場合に、消火剤供給体が炭酸ガスボンベ群から消火剤としての二酸化炭素を消火手段に供給することで、消火手段にて二酸化炭素をガス状に散布して酸素濃度を下げることにより消火することができる。
【0032】
ボンベ群を構成する複数の炭酸ガスボンベのそれぞれは、棒状部材にて支持されるが、この棒状部材は、これらの炭酸ガスボンベの並び方向に沿って消火剤保管箇所においてボンベ群の下方に配設されているので、各炭酸ガスボンベの荷重を的確に支持することができる。
【0033】
本発明に係る自動倉庫設備の第8特徴構成は、前記物品保管棚が、互いに背面を対向近接させた状態で一対設けられ、前記スタッカークレーンが、前記一対の物品保管棚のそれぞれについて設けられ、前記一対の物品保管棚のそれぞれについての前記消火剤保管箇所が、棚前後方向で互いに連接している点にある。
【0034】
本特徴構成によれば、一対の物品保管棚を互いに背面を対向近接させた状態で設けることで、一対の物品保管棚のそれぞれについて設けられたスタッカークレーンについての消火剤保管箇所が棚前後方向で隣接することになる。そして、これらの消火剤保管箇所を棚前後方向で互いに連接させることで、消火剤保管箇所として大きな保管箇所を確保できる。したがって、一対の消火剤保管箇所に対してそれぞれ独立して消火剤供給体を設置するのではなく、互いに連接させた大きな消火剤保管箇所に対して消火剤供給体を設置できるので、消火剤供給体をまとめて多量に設置できる又は大型のものを設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】自動倉庫設備の縦断側面図
【図2】図1のA−A矢視横断平面図
【図3】図1のB−B矢視横断平面図
【図4】消火剤保管箇所の拡大側面図
【図5】架台の縦断側面図
【図6】架台の支持グレーチングを設置する様子を示す平面図
【図7】架台のエキスパンドメタルを設置する様子を示す平面図
【図8】架台に設置されたボンベ群を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係る自動倉庫設備の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の自動倉庫設備Sは、第2種危険物(可燃性固体)や第4種危険物(引火性液体)が入った18リットル缶(いわゆる一斗缶)やドラム缶やペール缶の複数個を物流パレットに載置した状態のものを物品Wとして保管及び取り扱う設備である。
【0037】
図1〜図3に示すように、自動倉庫設備Sは、建物1、物品保管棚2、スタッカークレーン3、入出庫設備(図示せず)、消火設備4、換気設備(図示せず)などを備えている。
【0038】
〔建物〕
建物1は、コンクリート床5からなる基礎上に外部空間と倉庫内空間とを仕切る平面視矩形状の外壁6と、この外壁6にて囲まれる倉庫内空間の上部を覆う平屋根7とを設けた独立専用平屋棟形式に構成されている。
【0039】
外壁6は、倉庫内空間に対する物品の搬出入が行われる搬出入口8が配置される搬出入側外壁6aと、この搬出入側外壁6aに対向する位置に配置される倉庫奥側に位置する奥側外壁6bと、建物1の長手方向に沿って配置され搬出入側外壁6a及び奥側外壁6bに接続される一対の側部外壁6cとを備えている。
【0040】
コンクリート床5には、図4に示すように、外部空間から倉庫内空間への水の浸入及び倉庫内空間から外部空間への油等の流出を防ぐための防油堤9が、外壁6の下部外側に設けられている。倉庫内空間で漏れた油等を集油桝に集める集油溝10が、倉庫内空間の適宜箇所に設けられている。また、搬出入口8には上下方向に開閉する巻き上げ式のシャッター11が設けられている。
【0041】
〔物品保管棚〕
図2及び図3に示すように、物品Wを保管する物品保管棚2として、第1物品保管棚2a〜第4棚2dの4つの棚が棚前後方向に並ぶ状態で4つ設けられている。図2及び図3に示すように、4つの物品保管棚2のうち、第2物品保管棚2bと第3物品保管棚2cとは、互いに背面を対向近接させた状態で設けられている。なお、図2は、図1におけるA−A矢視(建物1の天井高さ)での横断平面図であり、図3は、図1におけるB−B矢視(後述する第1架台と第2架台の中間高さ)での横断平面図である。
【0042】
各物品保管棚2は、図2〜図6に示すように、棚前後方向に間隔を空けて並ぶ一対の棚構成用支柱12をさらに棚前後方向に並べて配置し、棚前後方向に並ぶこれら4本の棚構成用支柱12を、棚横幅方向に間隔を空けて複数組並べて配置し、棚背面側の棚構成用支柱12の背面において上下複数箇所に取り付けられたガゼット板13に対して接続される水平連結材14にて隣接する棚構成用支柱12同士を上下複数箇所で連結して構成されている。また、棚背面側の前記ガゼット板13同士は垂直ブレース材15によっても連結されており、物品保管棚2の強度が補強されている。
【0043】
前後一対の棚構成用支柱12には物品支持用の物品載置部材としての腕木16が、棚左右方向に張り出す状態で上下に間隔を隔てて複数設けられている。そして隣接する棚構成用支柱12の対抗する一対の腕木16にて物品Wを支持するようになっている。前後一対の棚構成用支柱12を棚前後方向に並べて配置することにより一対の腕木16が、棚前後方向に並ぶことになる。このようにして、一対の腕木16が棚前後方向に並ぶ構造をとることにより一つの物品収納部17が形成されており、一つの物品収納部17は、2つの物品Wを棚前後方向に並ぶ状態で収納できるようになっている。そして、物品保管棚2には、物品収納部17が上下左右に複数並べて備えられることになる。なお、各物品収納部17は、スタッカークレーン3の移動空間K側に物品Wが落下することを防止するストッパー(図示せず。)が設けられている。
【0044】
前記奥側外壁6bは、棚前後方向に沿う状態で、スタッカークレーン3の移動空間Kの突出部分Ktよりもさらに棚左右方向で物品保管棚2よりも棚外方側に位置している。そして、奥側外壁6bと、物品保管棚2の棚左右方向で奥側での最外方に位置する奥側最外方物品収納部17e(奥側外壁6bに棚左右方向で最も近接する物品収納部17)とが、棚固定連結材18にて上下複数箇所で連結されている。
【0045】
棚固定連結材18は、図2及び図3に示すように、棚前後方向及び棚左右方向の何れに対しても傾斜する向きに水平方向に沿って配設されている。棚固定連結材18の物品保管棚2の端部は物品保管棚2の棚構成用支柱12に連結されているが、腕木16が取り付けられている高さと異なる高さにて連結されている。また、棚固定連結材18の奥側外壁6b側の端部は、奥側外壁6bが備える外壁構成用部材としてのラーメン材に設けられた水平方向に沿った連結用横部材に連結されている。なお、搬出入側外壁6aと、物品保管棚2の棚左右方向で搬出入側での最外方に位置する搬出入側最外方物品収納部17s(搬出入側外壁6aに棚左右方向で最も近接する物品収納部17)とが、同様に、搬出入側外壁6aの棚固定連結材18にて上下複数箇所で連結されている。
【0046】
第2物品保管棚2bと第3物品保管棚2cの奥側最外方物品収納部17eの下方空間には、後述する消火剤保管箇所Hの拡張部分Hexが位置している。つまり、第2物品保管棚2bと第3物品保管棚2cの奥側最外方物品収納部17eは、棚左右方向で奥側最外方物品収納部17eが位置する奥側最外方位置では、物品保管棚2の高さ方向で上方側の部分にだけ物品収納部17が設けられており、物品保管棚2の高さ方向で下方側の部分には、物品収納部17を設けずに、消火剤保管箇所Hの拡張部分Hexを配置している。このように、第2物品保管棚2bと第3物品保管棚2cでは、奥側最外方物品収納部17eが消火剤保管箇所Hの拡張部分Hexと上下方向視で重なる位置に配設されている。
【0047】
第2物品保管棚2bや第3物品保管棚2cのコンクリート床5に立設された棚構成用端部支柱12のうち、棚左右方向で奥側外壁6b側の端部に位置している棚構成用端部支柱12eよりも棚左右方向で棚外方側に、前記奥側最外方物品収納部17eが配設されている。つまり、奥側最外方物品収納部17eは、第2物品保管棚2bや第3物品保管棚2cの棚上下方向で上側部分において、棚構成用端部支柱12eよりも棚左右方向で棚外方側に突出する状態で配設された棚左右方向で片側(棚内方側)だけがコンクリート床5に立設された棚構成用端部支柱12に直接支持された吊り下げ形式の収納部となっている。
【0048】
〔スタッカークレーン〕
スタッカークレーン3は、物品保管棚2よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分Ktを有する形態で物品保管棚2の前面側に設けられた移動空間Kを移動自在で、かつ、物品収納部17に対して物品Wを移載自在に構成されている。図1及び図3に示すように、棚前面側の移動空間Kのコンクリート床5上に敷設された軌道18に沿って走行自在な走行台車19と、この走行台車19の走行方向(棚左右方向)の前後に間隔を空けて立設された前後一対の昇降マスト20と、この前後一対の昇降マスト20の間に形成される昇降経路に沿って昇降自在に設けられかつ物品Wを移載するためのフォーク装置など移載装置を装備した昇降台21とを備えて構成されている。
【0049】
スタッカークレーン3が、搬出入側最外方物品収納部17sや奥側最外方物品収納部17eに対して物品Wを移載する場合、昇降台20が棚横幅方向で移載対象の収納部17の正面に位置するので、スタッカークレーン3の昇降台20よりも走行方向(棚左右方向)の前後側に延出する部分が移動空間Kの棚横幅方向の端部を形成することになる。そのため、スタッカークレーン3の移動空間Kは、物品保管棚2よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分Ktを有することになる。
【0050】
本実施形態における自動倉庫設備では、第1物品保管棚2a及び第2物品保管棚2bの間に形成される第1移動空間Kaを移動自在な第1スタッカークレーン3aと、第3物品保管棚2c及び第4物品保管棚2dの間に形成される第2移動空間Kbを移動自在な第2スタッカークレーン3bとの2基のスタッカークレーン3が設けられている。すなわち、互いに背面を対向近接させた状態で設けられている第2物品保管棚2bと第3物品保管棚2cのそれぞれについてスタッカークレーン3が設けられている。
【0051】
なお、第1スタッカークレーン3aと第2スタッカークレーン3bは、走行台車19の走行作動、昇降台21の昇降作動、移載装置の移載作動に必要な電力の給電や、各種作動の制御に必要な制御信号の伝送は、コンクリート床5上に軌道18に沿って設けられたケーブベアを用いた給電線及び信号線を用いている。
【0052】
図示は省略しているが、スタッカークレーン3により物品保管棚2から入出庫される物品Wを外部との間で搬出入するための搬出入用搬送設備(例えば、搬出入コンベヤや自走台車等で構成される)が、物品保管棚2の棚左右方向で搬出入側の端部に隣接する箇所に設けられている。
【0053】
スタッカークレーン3や搬出入用搬送設備の作動を制御する図外の制御装置が、搬出入側外壁6aと、搬出入側最外方物品収納部17sとの間に設けられた非防爆場所としての管理室22に設置されている。この管理室22に設置されている制御装置は、外部と搬出入用搬送設備との間での物品Wの搬送、及び、搬出入用搬送設備と物品収納部17との間での物品Wの搬送を処理するべく、スタッカークレーン3の走行作動、昇降作動及び移載作動、並びに、搬出入用搬送設備の搬送作動を制御する。
【0054】
このように、本実施形態の自動倉庫設備Sでは、電気設備のうち、制御回路や電力回路類は基本的に非防爆場所としての管理室22に設置されている。また、スタッカークレーン3や搬出入用搬送設備等の作動機器に設置されているセンサーやモータ等の電気機器は必要に応じて防爆構造のものを用いている。
【0055】
〔消火設備〕
自動倉庫設備Sには、火災が発生すると自動的に消火作動する消火設備4が設けられている。消火設備4は、火災が発生すると消火剤としての二酸化炭素ガスを散布して消火する消火手段としてのガス散布ノズル23と、ガス散布ノズル23に対して二酸化炭素ガスを供給する消火剤供給体としての複数の炭酸ガスボンベ24と、複数の炭酸ガスボンベ24から供給される二酸化炭素ガスを、建物1の倉庫内空間の天井側で移動経路Kに沿って配置された複数のガス散布ノズル23まで通流させる配管群25とを備えて構成されている。
【0056】
〔消火剤保管箇所〕
消火剤である二酸化炭素ガスは、自動倉庫設備Sにて保管される危険物の種類や量に応じて定められる規定量以上の量を保管しておく必要があるが、本実施形態では、圧縮されて液化した二酸化炭素ガスが約200本の炭酸ガスボンベ24に封入された状態で保管されている。これらの多数の炭酸ガスボンベ24を設置する消火剤保管箇所Hが、スタッカークレーン3の移動空間Kの突出部分Ktに対向しかつ棚左右方向で物品保管棚2に隣接する箇所に配置されている。
【0057】
図3及び図6〜図8に示すように、本実施形態の自動倉庫設備Sでは、第1スタッカークレーン3aの移動空間Kaの突出部分Ktに対向しかつ棚左右方向で第2物品保管棚2bに隣接する消火剤保管箇所Hである第1消火剤保管箇所H1、及び、第2スタッカークレーン3bの移動空間Kbの突出部分Ktに対向しかつ棚左右方向で第3物品保管棚2cに隣接する消火剤保管箇所Hである第2消火剤保管箇所H2が、棚前後方向で互いに連接して平面視で大きな一つの領域からなる消火剤保管箇所Hを形成している。
【0058】
消火剤保管箇所Hは、物品保管棚2の棚前後方向の全長に亘って配置されている。すなわち、第1消火剤保管箇所H1は、第2物品保管棚2bの棚前後方向の全長に亘って配置され、同じく、第2消火剤保管箇所H2は、第2物品保管棚2bの棚前後方向の全長に亘って配置されている。第1消火剤保管箇所H1及び第2消火剤保管箇所H2のそれぞれが棚前後方向の全長に亘って配置されて、これらが棚前後方向で互いに連接しているので、消火剤保管箇所Hは、第2物品保管棚2bの前面から第3物品保管棚2cの前面までの棚前後方向で長い範囲に亘って配置されることになる。
【0059】
消火剤保管箇所Hは、棚左右方向で物品保管棚2側に拡張する拡張部分Hexを備えて構成されている。すなわち、第1消火剤保管箇所H1は、棚左右方向で第2物品保管棚2b側に拡張する拡張部分Hexを備えており、同様に、第2消火剤保管箇所H2は、棚左右方向で第3物品保管棚2c側に拡張する拡張部分Hexを備えている。第1消火剤保管箇所H1及び第2消火剤保管箇所H2のそれぞれが物品保管棚2側に拡張する拡張部分Hexを備えており、これらが棚前後方向で互いに連接しているので、消火剤保管箇所Hは、棚左右方向での長さが長い領域となっている。しかも、それぞれの拡張部分Hexもそれぞれの物品保管棚2の棚前後方向の全長に亘って配置されているので、消火剤保管箇所Hの拡張部分Hexも、第2物品保管棚2bの前面から第3物品保管棚2cの前面までの棚前後方向で長い範囲に亘って配置されることになる。
【0060】
要するに、第1消火剤保管箇所H1及び第2消火剤保管箇所H2の双方が物品保管棚2の棚前後方向の全長に亘って配置され、かつ、棚左右方向で物品保管棚2側に拡張する拡張部分Hexを備えており、互いに棚前後方向で互いに連接しているので、平面視で大きな一つの矩形状の領域からなる消火剤保管箇所Hが形成されている。
【0061】
第1消火剤保管箇所H1及び第2消火剤保管箇所H2はいずれも同様の構成であるので第1消火剤保管箇所H1を例に、これらの消火剤保管箇所Hの具体的構成について詳説する。
【0062】
第1消火剤保管箇所H1には、上下方向に間隔を隔てて設置される複数(本実施形態では3層)の架台26が備えられている。複数の架台26のそれぞれは、棚左右方向における一方側の端部が、第2物品保管棚2bの棚左右方向の端部に位置している棚構成用端部支柱12eに支持され、かつ、棚左右方向における他方側の端部が、奥側外壁6bが備える外壁構成用部材としてのラーメン材に支持されている。
【0063】
すなわち、図4及び図5〜図8(特に図5)に示すように、第2物品保管棚2bの棚左右方向の端部に位置している棚構成用端部支柱12eには、腕木16が設けられている高さとは異なる高さに、棚前後方向に並ぶ棚構成用端部支柱12e同士を連結する水平方向に沿った架台取付用アーム27が溶着されている。また、奥側外壁6cのラーメン材としての複数の外壁支柱28を水平方向で連結する梁部材29に架台取付用ブラケット29が溶着されている。そして、棚構成用端部支柱12eに取り付けられた架台取付用アーム27に対して架台26の棚左右方向における一方側の端部がボルト連結され、奥側外壁6cのラーメン材に取り付けられた架台取付用ブラケット29に対して架台26の棚左右方向における他方側の端部がボルト連結されている。
【0064】
各架台26は、架台取付用アーム27及び架台取付用ブラケット29に連結支持される棚左右方向に沿った棚前後方向に並んで配置される一対のベースアーム26bと、これらのベースアーム26b同士をベースアーム26bの端部付近において棚前後方向で連結する棚左右方向に並ぶ一対の支持部材取付用フレーム26fと、複数の炭酸ガスボンベ24を載置支持する複数形態(図6参照)の支持グレーチング26gとを備えて構成されている。
【0065】
支持グレーチング26gは、長手方向視がコの字状で棚左右方向に沿う複数の棒状部材31を棚前後方向で並べた状態で棚左右方向の複数箇所で棚前後方向に沿う補強フレーム32にて連結して構成されており、支持部材取付用フレーム26fにて棒状部材31が溶接により固定されている。そして、炭酸ガスボンベ24は、ボンベ群24Gを為すように棒状部材31の上にこの棒状部材31の長手方向(棚左右方向)に複数本整列して配置される。したがって、支持グレーチング26gの棒状部材31はボンベ群24Gの荷重を支持している。このように、ボンベ群24Gの荷重を支持する棒状部材31が、ボンベ群24Gにおける複数本の炭酸ガスボンベ24の並び方向に沿って消火剤保管箇所Hにおいてボンベ群24Gの下方に配設されている。
【0066】
架台26をこのように構成することで、第1消火剤保管箇所H1が、第2物品保管棚2bの棚前後方向の全長に亘って配置されることになる。同様に、第2消火剤保管箇所H2が、第3物品保管棚2cの棚前後方向の全長に亘って配置されることになる。そして、第2物品保管棚2bに設けられた一対のベースアーム26bのうち棚背面側に寄っているものと、第3物品保管棚2cに設けられた一対のベースアーム26bのうち棚背面側に寄っているものとを支持部材取付用中間フレーム26mにて接続することで、第1消火剤保管箇所H1及び第2消火剤保管箇所H2のそれぞれが棚前後方向の全長に亘って配置されて、これらが棚前後方向で互いに連接して、消火剤保管箇所Hは、第2物品保管棚2bの前面位置から第3物品保管棚2cの前面までの長い範囲に亘って配置されることになる。
【0067】
図8に示すように、架台26において、ボンベ群24がその下端部の裏面に位置する支持グレーチング30の棒状部材31にて支持されている。1層の架台26につき、10本の棒状部材31が配設されており、1層の架台26当り70本近い炭酸ガスボンベ24を設置することができるようになっている。
【0068】
このような状態で設置される複数の炭酸ガスボンベ24に対する設置作業や点検等のメンテナンス作業を行えるように、支持グレーチング26gのうちボンベ群24が載置されない領域には図7に示すようなエキスパンドメタル30が敷設されている。作業者は、梯子33を用いて、支持グレーチング26g及びエキスパンドメタル30に形成された各架台26の作業者用開口Zをくぐることで、コンクリート床5から第1〜第3の各層の架台26上に登って、作業対象の層におけるエキスパンドメタル30上に起立できるようになっている。このように起立姿勢でメンテナンス作業を行うことが可能であることから作業性が良いものとなっている。
【0069】
本実施形態の自動倉庫設備Sの床面積は1,000[m2]以下となっており、この床面積のうち、消火剤保管箇所Hが占める床面積のうちの拡張部分Hexの床面積を除いた床面積は、もともと、自動倉庫を設置すると必然的に発生するスタッカークレーン3の移動空間Kの突出部分Ktに起因する空き領域の床面積であるから、複数の炭酸ガスボンベ24を設置するための箇所を専用に設ける場合よりも、炭酸ガスボンベ24の保管箇所を設けることによる床面積の増加が抑えられている。さらに、消火剤保管箇所Hに、多層の架台26を備えることで、消火剤保管箇所Hの占める床面積を極力小さくして、物品保管棚2の占める床面積を極力大きくしている。これらの構成により、複数の炭酸ガスボンベ23を設置することによる自動倉庫設備Sの収納効率の低下を極力抑制することに成功している。
【0070】
〔別の実施形態〕以下、本発明の別実施形態について説明する。
【0071】
(1)上記実施形態では、自動倉庫設備にて保管すべき消火剤の全てを消火剤保管箇所に保管しているが、消火剤保管箇所に加えて、別の専用の保管箇所を設けて、消火剤を複数箇所に分散保管してもよい。
【0072】
(2)消火剤保管箇所が拡張部分を備えないものであってもよい。この場合、架台の層数が増えることが考えられる反面、物品保管棚の収納部の数をより多くできる。
【0073】
(3)消火手段としては、消火剤として二酸化炭素ガスを散布するものではなく、たとえば、約3%合成界面活性剤を散布するものであってもよい。この場合、消火剤供給体は、合成界面活性剤タンク、貯水槽、混合器、発生器などを備えればよい。
【0074】
(4)上記実施形態では、物品収納部が、複数の物品を棚前後方向に並ぶ状態で収納自在に構成されたものを例示したが、これに代えて、物品収納部が、単一の物品だけを収納自在に構成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
2 物品保管棚
3 スタッカークレーン
6b 外壁
12 棚構成用支柱
16 物品載置部材
17 物品収納部
17e 最外方に位置する物品収納部
23 消火手段
24 炭酸ガスボンベ(消火剤供給体)
24G ボンベ群(消火剤供給体)
26 架台
28、29 外壁構成用部材
31 棒状部材
K 移動空間
Kt 突出部分
H 消火剤保管箇所
Hex 拡張部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する物品収納部が上下左右に複数並べて備えられた物品保管棚と、
前記物品保管棚よりも棚左右方向で外方に突出する突出部分を有する形態で前記物品保管棚の前面側に設けられた移動空間を移動自在で、かつ、前記物品収納部に対して物品を移載自在なスタッカークレーンと、
火災が発生すると消火剤を散布して消火する消火手段とが備えられた自動倉庫設備であって、
前記消火剤を前記消火手段に供給する消火剤供給体を設置する消火剤保管箇所が、前記移動空間の前記突出部分に対向しかつ棚左右方向で前記物品保管棚に隣接する箇所に配置されている自動倉庫設備。
【請求項2】
前記消火剤保管箇所には、上下方向に間隔を隔てて設置される複数の架台が備えられている請求項1記載の自動倉庫設備。
【請求項3】
前記消火剤保管箇所が、棚左右方向で前記物品保管棚側に拡張する拡張部分を備えて構成され、
前記物品保管棚の棚左右方向で最外方に位置する物品収納部が、前記拡張部分と上下方向視で重なる位置に配設されている請求項2記載の自動倉庫設備。
【請求項4】
倉庫空間と外部空間とを棚左右方向で仕切る外壁が、棚前後方向に沿う状態で前記突出部分よりもさらに棚左右方向で棚外方側に設けられ、
前記複数の架台のそれぞれは、棚左右方向における一方側の端部が、前記物品保管棚の棚左右方向の端部に位置している棚構成用支柱に支持され、かつ、棚左右方向における他方側の端部が、前記外壁が備える外壁構成用部材に支持されている請求項2又は3記載の自動倉庫設備。
【請求項5】
前記棚構成用支柱には、物品支持用の物品載置部材が、上下に間隔を隔てて複数設けられ、
前記複数の架台のそれぞれが、前記物品載置部材が設けられている高さとは異なる高さにて、前記棚構成用支柱に接続されている請求項4記載の自動倉庫設備。
【請求項6】
前記物品収納部が、複数の物品を棚前後方向に並ぶ状態で収納自在に構成され、
前記消火剤保管箇所が、前記物品保管棚の棚前後方向の全長に亘って配置されている請求項1〜5の何れか1項記載の自動倉庫設備。
【請求項7】
前記消火手段が、前記消火剤としての二酸化炭素をガス状にて散布するように構成され、
前記消火剤供給体が、前記二酸化炭素が封入された炭酸ガスボンベを複数本整列したボンベ群を備えて構成され、
前記ボンベ群の荷重を支持する棒状部材が、前記ボンベ群における前記複数本の炭酸ガスボンベの並び方向に沿って前記消火剤保管箇所において前記ボンベ群の下方に配設されている請求項1〜6のいずれか1項記載の自動倉庫設備。
【請求項8】
前記物品保管棚が、互いに背面を対向近接させた状態で一対設けられ、
前記スタッカークレーンが、前記一対の物品保管棚のそれぞれについて設けられ、
前記一対の物品保管棚のそれぞれについての前記消火剤保管箇所が、棚前後方向で互いに連接している請求項1〜7の何れか1項記載の自動倉庫設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−32016(P2011−32016A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−178192(P2009−178192)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】