自動倉庫
【課題】荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫を提供する。
【解決手段】自動倉庫100は、複数の荷物450を保持するためのラックと、ラックに沿って荷物450を搬送する搬送車150と、搬送車150とはラックと挟んで反対側に設けられ、ラックに対する位置が固定され、かつ、荷物450が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベア400と、搬送車150に配置され、ラックからコンベア400に荷物450を押し出す移載装置155とを備える。
【解決手段】自動倉庫100は、複数の荷物450を保持するためのラックと、ラックに沿って荷物450を搬送する搬送車150と、搬送車150とはラックと挟んで反対側に設けられ、ラックに対する位置が固定され、かつ、荷物450が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベア400と、搬送車150に配置され、ラックからコンベア400に荷物450を押し出す移載装置155とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載装置を用いて荷物の出庫を行う自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の棚を有するラックと荷物の移載を行う移載装置とを備える自動倉庫が存在する。このような自動倉庫では、移載装置を有する搬送車により荷物の搬送およびラックとの間での荷物の受け渡しが行われる。このような自動倉庫の運用には、時間的な効率性が求められる。そこで、荷物の出庫を効率よく行うための構成を備える搬送車についての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の技術によれば、ある一つの棚段に沿って左右方向に移動する搬送車に、移載装置を有する昇降台が備えられる。これにより、当該搬送車は当該棚段に対する荷物の受け渡しだけでなく、当該棚段の1段下または2段下の棚段に対する荷物の受け渡しが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−278607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、荷物を出庫する能力は昇降台が荷物を搬送する能力に依存するため、荷物を効率よく出庫することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る自動倉庫は、複数の荷物を保持するためのラックと、前記ラックに沿って前記荷物を搬送する搬送車と、前記搬送車とは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記ラックに対する位置が固定され、かつ、前記荷物が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベアと、前記搬送車に配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置とを備える。
【0008】
これにより、搬送車に配置されている移載装置でラックに保持されている荷物をコンベアに押し出すことにより、荷物を効率よく出庫することができる。例えば、出庫すべき荷物を搬送車で搬送する必要がなく、連続して複数の荷物を効率よく出庫することができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記移載装置は、前記ラックに保持されている前記荷物を前記搬送車の方向にずらして移載するためのフックを備え、前記フックを用いることにより、前記ラックに保持されている前記荷物を前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出すとしてもよい。
【0010】
これにより、搬送車に荷物を移載するためのフックでラックに保持されている荷物をコンベアに押し出すことにより、荷物を効率よく出庫することができる。例えば、移載装置の移載ストロークを変えることなく、複数の荷物の出庫が可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記コンベアは、さらに、前記荷物の自重により、前記荷物を搬送する傾斜部を有するとしてもよい。
【0012】
これにより、コンベアに駆動源を備えることなく、荷物を効率よく出庫することができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、左右方向に並べられた一連の棚を有する棚段を上下方向に複数備え、前記搬送車は、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数配置されており、前記棚段に沿って前記荷物を搬送するとしてもよい。
【0014】
これにより、左右方向に並べられた一連の棚を有する棚段を上下方向に複数備えるラックに対し、複数の搬送車に配置されている移載装置でラックに保持されている荷物をコンベアに効率よく押し出すことができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記コンベアは、さらに、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数設けられているとしてもよい。
【0016】
これにより、多量の荷物を効率よく出庫することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫は、複数の荷物を保持するためのラックと、前記ラックに沿って前記荷物を搬送するスタッカクレーンと、前記スタッカクレーンとは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記スタッカクレーンの動作に連動して移動するコンベアと、前記スタッカクレーンに配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置とを備えるとしてもよい。
【0018】
これにより、スタッカクレーンに配置されている移載装置でラックに保持されている荷物を、コンベアに押し出すことにより、荷物を効率よく出庫することができる。また、スタッカクレーンの移動と連動してコンベアが移動するので、一台のコンベアで荷物を効率よく出庫することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【図1B】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【図1C】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す上面図である。
【図2A】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す背面図である。
【図2B】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す背面図(変形例)である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置の構成概要を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るスタッカクレーンに配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態1および2に係る自動倉庫について、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。また、以下で説明する各実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下、各実施の形態で示される数、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の各実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0022】
(実施の形態1)
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【0023】
図1Bは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【0024】
図1Cは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す上面図である。
【0025】
これらの図に示すように、本発明の実施の形態の自動倉庫100は、ラック200と、複数の搬送車150と、移載装置155と、コンベア400とを備える。
【0026】
ラック200は、左右方向(X軸方向、以下同じ)に並べられた一連の棚210を有する棚段220を上下方向(Z軸方向、以下同じ)に複数備えている。また、ラック200には、複数の荷物450が保持可能である。
【0027】
なお、複数の棚210のそれぞれは別体であってもよく、一体に形成されていてもよい。つまり、棚段220を構成する1枚の棚板が区分されることで複数の棚210が棚段220に形成されていてもよい。
【0028】
また、複数の搬送車150のそれぞれは、一対のレールを有する走行路160に沿って左右方向に互いに独立して移動し、ラック200に対する荷物450を搬送する。また、複数の搬送車150のそれぞれは、複数の棚段220のそれぞれに対応して配置されている。つまり、複数の搬送車150は複数の棚段220と一対一で対応している。
【0029】
また、搬送車150は、ラック200との間で荷物450の移載を行うとともに、ラック200からコンベア400に荷物450を押し出すことのできる移載装置155を有している。移載装置155の詳細については、図3および図4を用いて後述する。
【0030】
なお、自動倉庫100は、これら搬送車150等の動作を制御する構成要素としてコントローラを備えている。搬送車150等は無線通信または有線通信によりコントローラから送信される制御信号に従って動作する。
【0031】
コンベア400は、図1Bおよび図1Cに示すように、コンベア400は、搬送車150とはラック200を挟んで反対側に設けられており、本実施の形態においては、ラック200に対する位置が固定されている。
【0032】
なお、コンベア400は、荷物が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベアの一例である。つまり、コンベア400による荷物の搬送方向は、水平方向および水平方向に対して傾斜した方向の少なくとも一方を含んでいる。
【0033】
また、複数のコンベア400のそれぞれは、複数の棚段220のそれぞれに対応して設置されている。つまり、複数のコンベア400は複数の棚段220と一対一で対応している。
【0034】
棚段220に載置された荷物450は、移載装置155により、コンベア400に押し出される。
【0035】
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す背面図である。
【0036】
図2Aに示すように、コンベア400は、水平部410と、傾斜部420とを備える。水平部410は、駆動式のコンベアである。つまり、水平部410は、モータ等の駆動源によって荷物450を搬送する。傾斜部420は、水平部410と連結しており、水平方向に対して傾斜がつけられている。したがって、傾斜部420は、荷物450の自重により、荷物450を搬送することができる。つまり、傾斜部420の駆動源は不要である。
【0037】
棚段220に載置された荷物450は、移載装置155により、水平部410に押し出され、駆動式のコンベアである水平部410によって、荷物450が傾斜部420に搬送される。その後、傾斜部420が、荷物450の自重により、荷物450を搬送することによって荷物450が出庫される。なお、傾斜部420は、水平部410と同様に、駆動源を備えていてもよい。
【0038】
なお、コンベア400は、図2Bに示すように水平部410と傾斜部420とが連結されて構成されていてもよい。図2Bに示すように、棚段220に載置された荷物aは、移載装置155により、傾斜部420に押し出される。その後、傾斜部420は、荷物450の自重により、荷物aを水平部410に搬送する。荷物aは、駆動式のコンベアである水平部410によって出庫される。また、荷物bおよび荷物cも同様に出庫される。このように、一台のコンベア400でラック200に保持される複数の荷物450を効率よく出庫することができる。
【0039】
なお、図2Bでは省略しているが図2Aと同様に各段の棚に合わせてコンベア400は上下に複数設けられる。
【0040】
また、コンベア400のX軸方向の位置を変更することで、または、コンベア400を複数設置することで、より多くの荷物450を効率よく出庫することも可能である。
【0041】
また、コンベア400は、X軸方向の位置を変更することにより、または、複数のコンベア400を設置することにより、より多くの荷物450を効率よく出庫することが可能である。
【0042】
以下、移載装置155の構成概要および動作について、図3および図4を参照しながら説明する。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置の構成概要を示す図である。
【0044】
図3に示す、移載装置155は、アーム110と、アーム110の先端部に設けられたフック102とを備える。
【0045】
また、移載装置155は、2つのアーム110を備え、これらは左右方向(X軸方向)に所定の間隔をあけて配置されている。これらアーム110には、上記の先端部のフック102に加え、後端部のフック103も備えられている。なお、先端部のフック102および後端部のフック103は、本来、搬送車150とラック200との間で荷物450を移載するために用いられるものである。
【0046】
先端部のフック102および後端部のフック103はそれぞれ、図3におけるY軸方向に平行な回動軸を中心に回動することで、アーム110から出退することができる。
【0047】
また、アーム110は、トップ部111と、ミドル部112と、ベース部113とを有し、これらによって、テレスコピック構造が構成されている。つまり、駆動装置(図示せず)によってベース部113に対してミドル部112を突出するようにスライドさせると、当該動作に連動してトップ部111がミドル部112に対して突出するようにスライドする。これにより、アーム110は全体として伸長する。
【0048】
また、このようにアーム110を伸長させることで、例えば、後端部のフック103によって、搬送車150に載置されている荷物をラック200に押し出すことができる。
【0049】
また、伸長したアーム110を縮める場合、駆動装置によって、ベース部113に対してミドル部112を収めるようにスライドさせると、当該動作に連動してトップ部111もミドル部112に対して収まるようにスライドする。これにより、伸長したアーム110は縮められる。
【0050】
また、このようにアーム110を縮めることで、例えば、先端部のフック102によって、ラック200に載置されている荷物を搬送車150に引き入れることができる。
【0051】
なお、アーム110は、トップ部111、ミドル部112、およびベース部113を有し、これらによって、テレスコピック構造が構成されているとした。しかしながら、アーム110は、荷物の移載方向に対して伸縮可能であれば、伸縮のための構造は特定の構造に限定されない。
【0052】
また、アーム110は、荷物の移載方向に対して直線的に伸縮するのではなく、回動することで荷物の移載方向に対して伸縮してもよい。
【0053】
このように伸縮するアーム110の動作は、自動倉庫100が備えるコントローラによって制御される。
【0054】
なお、このように伸縮するアーム110の動作は、移載装置155が備えるコントローラによって制御されていてもよい。
【0055】
次に、移載装置155が行う、本実施の形態における特徴的な動作を、図4を用いて説明する。
【0056】
なお、2つのアーム110はともに同じ動作を行うため、以下、1つのアーム110についてのみ説明する。
【0057】
図4は、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【0058】
図4に示すように、アーム110の先端部のフック102が荷物450の方向に突出した状態で、アーム110が伸ばされる。これにより、ラック200が備える棚210上に載置されていた荷物450は、コンベア400まで押し出される。コンベア400まで押し出された荷物450は、水平部410によって傾斜部420まで搬送される。傾斜部420まで搬送された荷物450は、自重によって、所定の場所まで傾斜部420上を移動する。
【0059】
なお、本実施の形態では、アーム110の先端部のフック102が荷物450をコンベア400まで押し出した。しかし、例えば、荷物450は、アーム110の後端部のフック103によってコンベア400まで押し出されてもよい。
【0060】
また、アーム110には、先端部のフック102および後端部のフック103のうち一方が備えられていなくてもよい。また、荷物450は、アーム110のトップ部111の端部によって、荷物450をコンベア400まで押し出されてもよい。
【0061】
また、移載装置155は左右一対のアーム110を備えるとしたが、少なくとも1つのアーム110を備えていれば、扱う荷物450の寸法等によっては、荷物450の安全かつ効率のよい出庫は可能である。
【0062】
以上のように、実施の形態1に係る自動倉庫100によれば、搬送車150に配置されている移載装置155でラック200に保持されている荷物450をコンベア400に押し出すことにより、荷物450を効率よく出庫することができる。
【0063】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【0064】
図6は、本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【0065】
これらの図に示すように、本発明の実施の形態の自動倉庫500は、ラック530と、スタッカクレーン510と、移載装置525と、コンベア600とを備える。
【0066】
ラック530は、左右方向(X軸方向、以下同じ)に並べられた一連の棚540を有する棚段550を上下方向(Z軸方向、以下同じ)に複数備えている。また、ラック530には、複数の荷物650が保持可能である。
【0067】
なお、複数の棚540のそれぞれは別体であってもよく、一体に形成されていてもよい。つまり、棚段550を構成する1枚の棚板が区分されることで複数の棚540が棚段550に形成されていてもよい。
【0068】
スタッカクレーン510は、搬送車の一例であり、ラック530との間で荷物650の移載を行うとともに、ラック530からコンベア600に荷物650を押し出すことのできる移載装置525を有している。移載装置525の詳細については、図7を用いて後述する。
【0069】
自動倉庫500はさらに、スタッカクレーン510の移動のための走行レール570を備えている。具体的には、スタッカクレーン510は、走行レール570に沿って左右方向に移動し、移載装置525が備えられた昇降台520を昇降させることにより、移載装置525は上下方向に移動させることができる。
【0070】
コンベア600は、スタッカクレーン510とはラック530を挟んで反対側に設けられている。コンベア600は、図6に示すように、スタッカクレーン510の動作に連動して移動する。例えば、スタッカクレーン510が走行レール570に沿って左右方向に移動した場合、コンベア600もそれに連動して左右方向に移動する。また、昇降台520が上下方向に移動した場合、コンベア600もそれに連動して上下方向に移動する。また、コンベア600には、水平方向に対して傾斜がつけられており、昇降台520のZ軸方向の位置に応じて、コンベア600の傾斜も連動して変化することができる。コンベア600には傾斜がつけられているので、コンベア600は、荷物650の自重により、荷物650を搬送することができる。つまり、コンベア600に、荷物の搬送のための駆動源は不要である。
【0071】
棚段550に載置された荷物650は、移載装置525により、コンベア600に押し出される。その後、コンベア600が、荷物650の自重により、荷物650を搬送することによって荷物650が出庫される。なお、コンベア600は、荷物の搬送のための駆動源を備えていてもよい。
【0072】
自動倉庫500は、スタッカクレーン510、昇降台520およびコンベア600の動作を制御する構成要素としてコントローラを備えている。スタッカクレーン510、昇降台520およびコンベア600は無線通信または有線通信によりコントローラから送信される制御信号に従って動作する。具体的には、スタッカクレーン510の移動と連動してコンベア600が移動する、昇降台520の移動と連動してコンベア600が移動する、コンベア600の傾斜が変化する等である。
【0073】
以下、移載装置525の構成概要および動作について、図7を参照しながら説明する。
【0074】
なお、本実施の形態に係る移載装置525は、昇降台520とラック530との間で、荷物650を移載するための装置であり、その構成は、図3を参照しながら説明した、実施の形態1に係る移載装置155と同様の構成である。したがって、本実施の形態に係る移載装置525の構成概要についての説明は省略する。なお、伸縮するアーム110の動作は、自動倉庫500が備えるコントローラまたは移載装置525が備えるコントローラによって制御される。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態2に係るスタッカクレーンに配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【0076】
図7に示すように、アーム110の先端部のフック102が荷物650の方向に突出した状態で、アーム110が伸ばされる。これにより、ラック530が備える棚540上に載置されていた荷物650は、コンベア600まで押し出される。
【0077】
なお、本実施の形態では、アーム110の先端部のフック102が荷物650をコンベア600まで押し出した。しかし、例えば、荷物650は、アーム110の後端部のフック103によってコンベア600まで押し出されてもよい。コンベア600まで押し出された荷物650は、自重によって、所定の場所までコンベア600上を移動する。
【0078】
また、アーム110には、先端部のフック102および後端部のフック103のうち一方が備えられていなくてもよい。また、荷物650は、アーム110のトップ部111の端部によって、荷物650をコンベア600まで押し出されてもよい。
【0079】
また、移載装置525は左右一対のアーム110を備えるとしたが、少なくとも1つのアーム110を備えていれば、扱う荷物650の寸法等によっては、荷物650の安全かつ効率のよい出庫は可能である。
【0080】
以上のように、実施の形態2に係る自動倉庫500によれば、スタッカクレーン510に配置されている移載装置525でラック530に保持されている荷物650を、コンベア600に押し出すことにより、荷物650を効率よく出庫することができる。また、スタッカクレーン510の移動と連動してコンベア600が移動するので、一台のコンベア600で荷物650を効率よく出庫することができる。
【0081】
以上、本発明の自動倉庫について、実施の形態1および2に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫である。したがって、工場および物流倉庫等で荷物の保管を行う自動倉庫等として有用である。
【符号の説明】
【0083】
100、500 自動倉庫
102、103 フック
110 アーム
111 トップ部
112 ミドル部
113 ベース部
150 搬送車
155、525 移載装置
160 走行路
200、530 ラック
210、540 棚
220、550 棚段
400、600 コンベア
410 水平部
420 傾斜部
450、650 荷物
510 スタッカクレーン
520 昇降台
570 走行レール
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載装置を用いて荷物の出庫を行う自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の棚を有するラックと荷物の移載を行う移載装置とを備える自動倉庫が存在する。このような自動倉庫では、移載装置を有する搬送車により荷物の搬送およびラックとの間での荷物の受け渡しが行われる。このような自動倉庫の運用には、時間的な効率性が求められる。そこで、荷物の出庫を効率よく行うための構成を備える搬送車についての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の技術によれば、ある一つの棚段に沿って左右方向に移動する搬送車に、移載装置を有する昇降台が備えられる。これにより、当該搬送車は当該棚段に対する荷物の受け渡しだけでなく、当該棚段の1段下または2段下の棚段に対する荷物の受け渡しが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−278607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、荷物を出庫する能力は昇降台が荷物を搬送する能力に依存するため、荷物を効率よく出庫することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る自動倉庫は、複数の荷物を保持するためのラックと、前記ラックに沿って前記荷物を搬送する搬送車と、前記搬送車とは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記ラックに対する位置が固定され、かつ、前記荷物が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベアと、前記搬送車に配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置とを備える。
【0008】
これにより、搬送車に配置されている移載装置でラックに保持されている荷物をコンベアに押し出すことにより、荷物を効率よく出庫することができる。例えば、出庫すべき荷物を搬送車で搬送する必要がなく、連続して複数の荷物を効率よく出庫することができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記移載装置は、前記ラックに保持されている前記荷物を前記搬送車の方向にずらして移載するためのフックを備え、前記フックを用いることにより、前記ラックに保持されている前記荷物を前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出すとしてもよい。
【0010】
これにより、搬送車に荷物を移載するためのフックでラックに保持されている荷物をコンベアに押し出すことにより、荷物を効率よく出庫することができる。例えば、移載装置の移載ストロークを変えることなく、複数の荷物の出庫が可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記コンベアは、さらに、前記荷物の自重により、前記荷物を搬送する傾斜部を有するとしてもよい。
【0012】
これにより、コンベアに駆動源を備えることなく、荷物を効率よく出庫することができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記ラックは、左右方向に並べられた一連の棚を有する棚段を上下方向に複数備え、前記搬送車は、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数配置されており、前記棚段に沿って前記荷物を搬送するとしてもよい。
【0014】
これにより、左右方向に並べられた一連の棚を有する棚段を上下方向に複数備えるラックに対し、複数の搬送車に配置されている移載装置でラックに保持されている荷物をコンベアに効率よく押し出すことができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫において、前記コンベアは、さらに、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数設けられているとしてもよい。
【0016】
これにより、多量の荷物を効率よく出庫することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る自動倉庫は、複数の荷物を保持するためのラックと、前記ラックに沿って前記荷物を搬送するスタッカクレーンと、前記スタッカクレーンとは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記スタッカクレーンの動作に連動して移動するコンベアと、前記スタッカクレーンに配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置とを備えるとしてもよい。
【0018】
これにより、スタッカクレーンに配置されている移載装置でラックに保持されている荷物を、コンベアに押し出すことにより、荷物を効率よく出庫することができる。また、スタッカクレーンの移動と連動してコンベアが移動するので、一台のコンベアで荷物を効率よく出庫することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【図1B】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【図1C】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す上面図である。
【図2A】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す背面図である。
【図2B】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す背面図(変形例)である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置の構成概要を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るスタッカクレーンに配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態1および2に係る自動倉庫について、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。また、以下で説明する各実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下、各実施の形態で示される数、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の各実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0022】
(実施の形態1)
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【0023】
図1Bは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【0024】
図1Cは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す上面図である。
【0025】
これらの図に示すように、本発明の実施の形態の自動倉庫100は、ラック200と、複数の搬送車150と、移載装置155と、コンベア400とを備える。
【0026】
ラック200は、左右方向(X軸方向、以下同じ)に並べられた一連の棚210を有する棚段220を上下方向(Z軸方向、以下同じ)に複数備えている。また、ラック200には、複数の荷物450が保持可能である。
【0027】
なお、複数の棚210のそれぞれは別体であってもよく、一体に形成されていてもよい。つまり、棚段220を構成する1枚の棚板が区分されることで複数の棚210が棚段220に形成されていてもよい。
【0028】
また、複数の搬送車150のそれぞれは、一対のレールを有する走行路160に沿って左右方向に互いに独立して移動し、ラック200に対する荷物450を搬送する。また、複数の搬送車150のそれぞれは、複数の棚段220のそれぞれに対応して配置されている。つまり、複数の搬送車150は複数の棚段220と一対一で対応している。
【0029】
また、搬送車150は、ラック200との間で荷物450の移載を行うとともに、ラック200からコンベア400に荷物450を押し出すことのできる移載装置155を有している。移載装置155の詳細については、図3および図4を用いて後述する。
【0030】
なお、自動倉庫100は、これら搬送車150等の動作を制御する構成要素としてコントローラを備えている。搬送車150等は無線通信または有線通信によりコントローラから送信される制御信号に従って動作する。
【0031】
コンベア400は、図1Bおよび図1Cに示すように、コンベア400は、搬送車150とはラック200を挟んで反対側に設けられており、本実施の形態においては、ラック200に対する位置が固定されている。
【0032】
なお、コンベア400は、荷物が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベアの一例である。つまり、コンベア400による荷物の搬送方向は、水平方向および水平方向に対して傾斜した方向の少なくとも一方を含んでいる。
【0033】
また、複数のコンベア400のそれぞれは、複数の棚段220のそれぞれに対応して設置されている。つまり、複数のコンベア400は複数の棚段220と一対一で対応している。
【0034】
棚段220に載置された荷物450は、移載装置155により、コンベア400に押し出される。
【0035】
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成概要を示す背面図である。
【0036】
図2Aに示すように、コンベア400は、水平部410と、傾斜部420とを備える。水平部410は、駆動式のコンベアである。つまり、水平部410は、モータ等の駆動源によって荷物450を搬送する。傾斜部420は、水平部410と連結しており、水平方向に対して傾斜がつけられている。したがって、傾斜部420は、荷物450の自重により、荷物450を搬送することができる。つまり、傾斜部420の駆動源は不要である。
【0037】
棚段220に載置された荷物450は、移載装置155により、水平部410に押し出され、駆動式のコンベアである水平部410によって、荷物450が傾斜部420に搬送される。その後、傾斜部420が、荷物450の自重により、荷物450を搬送することによって荷物450が出庫される。なお、傾斜部420は、水平部410と同様に、駆動源を備えていてもよい。
【0038】
なお、コンベア400は、図2Bに示すように水平部410と傾斜部420とが連結されて構成されていてもよい。図2Bに示すように、棚段220に載置された荷物aは、移載装置155により、傾斜部420に押し出される。その後、傾斜部420は、荷物450の自重により、荷物aを水平部410に搬送する。荷物aは、駆動式のコンベアである水平部410によって出庫される。また、荷物bおよび荷物cも同様に出庫される。このように、一台のコンベア400でラック200に保持される複数の荷物450を効率よく出庫することができる。
【0039】
なお、図2Bでは省略しているが図2Aと同様に各段の棚に合わせてコンベア400は上下に複数設けられる。
【0040】
また、コンベア400のX軸方向の位置を変更することで、または、コンベア400を複数設置することで、より多くの荷物450を効率よく出庫することも可能である。
【0041】
また、コンベア400は、X軸方向の位置を変更することにより、または、複数のコンベア400を設置することにより、より多くの荷物450を効率よく出庫することが可能である。
【0042】
以下、移載装置155の構成概要および動作について、図3および図4を参照しながら説明する。
【0043】
図3は、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置の構成概要を示す図である。
【0044】
図3に示す、移載装置155は、アーム110と、アーム110の先端部に設けられたフック102とを備える。
【0045】
また、移載装置155は、2つのアーム110を備え、これらは左右方向(X軸方向)に所定の間隔をあけて配置されている。これらアーム110には、上記の先端部のフック102に加え、後端部のフック103も備えられている。なお、先端部のフック102および後端部のフック103は、本来、搬送車150とラック200との間で荷物450を移載するために用いられるものである。
【0046】
先端部のフック102および後端部のフック103はそれぞれ、図3におけるY軸方向に平行な回動軸を中心に回動することで、アーム110から出退することができる。
【0047】
また、アーム110は、トップ部111と、ミドル部112と、ベース部113とを有し、これらによって、テレスコピック構造が構成されている。つまり、駆動装置(図示せず)によってベース部113に対してミドル部112を突出するようにスライドさせると、当該動作に連動してトップ部111がミドル部112に対して突出するようにスライドする。これにより、アーム110は全体として伸長する。
【0048】
また、このようにアーム110を伸長させることで、例えば、後端部のフック103によって、搬送車150に載置されている荷物をラック200に押し出すことができる。
【0049】
また、伸長したアーム110を縮める場合、駆動装置によって、ベース部113に対してミドル部112を収めるようにスライドさせると、当該動作に連動してトップ部111もミドル部112に対して収まるようにスライドする。これにより、伸長したアーム110は縮められる。
【0050】
また、このようにアーム110を縮めることで、例えば、先端部のフック102によって、ラック200に載置されている荷物を搬送車150に引き入れることができる。
【0051】
なお、アーム110は、トップ部111、ミドル部112、およびベース部113を有し、これらによって、テレスコピック構造が構成されているとした。しかしながら、アーム110は、荷物の移載方向に対して伸縮可能であれば、伸縮のための構造は特定の構造に限定されない。
【0052】
また、アーム110は、荷物の移載方向に対して直線的に伸縮するのではなく、回動することで荷物の移載方向に対して伸縮してもよい。
【0053】
このように伸縮するアーム110の動作は、自動倉庫100が備えるコントローラによって制御される。
【0054】
なお、このように伸縮するアーム110の動作は、移載装置155が備えるコントローラによって制御されていてもよい。
【0055】
次に、移載装置155が行う、本実施の形態における特徴的な動作を、図4を用いて説明する。
【0056】
なお、2つのアーム110はともに同じ動作を行うため、以下、1つのアーム110についてのみ説明する。
【0057】
図4は、本発明の実施の形態1に係る自動倉庫の構成要素である搬送車に配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【0058】
図4に示すように、アーム110の先端部のフック102が荷物450の方向に突出した状態で、アーム110が伸ばされる。これにより、ラック200が備える棚210上に載置されていた荷物450は、コンベア400まで押し出される。コンベア400まで押し出された荷物450は、水平部410によって傾斜部420まで搬送される。傾斜部420まで搬送された荷物450は、自重によって、所定の場所まで傾斜部420上を移動する。
【0059】
なお、本実施の形態では、アーム110の先端部のフック102が荷物450をコンベア400まで押し出した。しかし、例えば、荷物450は、アーム110の後端部のフック103によってコンベア400まで押し出されてもよい。
【0060】
また、アーム110には、先端部のフック102および後端部のフック103のうち一方が備えられていなくてもよい。また、荷物450は、アーム110のトップ部111の端部によって、荷物450をコンベア400まで押し出されてもよい。
【0061】
また、移載装置155は左右一対のアーム110を備えるとしたが、少なくとも1つのアーム110を備えていれば、扱う荷物450の寸法等によっては、荷物450の安全かつ効率のよい出庫は可能である。
【0062】
以上のように、実施の形態1に係る自動倉庫100によれば、搬送車150に配置されている移載装置155でラック200に保持されている荷物450をコンベア400に押し出すことにより、荷物450を効率よく出庫することができる。
【0063】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す正面図である。
【0064】
図6は、本発明の実施の形態2に係る自動倉庫の構成概要を示す側面図である。
【0065】
これらの図に示すように、本発明の実施の形態の自動倉庫500は、ラック530と、スタッカクレーン510と、移載装置525と、コンベア600とを備える。
【0066】
ラック530は、左右方向(X軸方向、以下同じ)に並べられた一連の棚540を有する棚段550を上下方向(Z軸方向、以下同じ)に複数備えている。また、ラック530には、複数の荷物650が保持可能である。
【0067】
なお、複数の棚540のそれぞれは別体であってもよく、一体に形成されていてもよい。つまり、棚段550を構成する1枚の棚板が区分されることで複数の棚540が棚段550に形成されていてもよい。
【0068】
スタッカクレーン510は、搬送車の一例であり、ラック530との間で荷物650の移載を行うとともに、ラック530からコンベア600に荷物650を押し出すことのできる移載装置525を有している。移載装置525の詳細については、図7を用いて後述する。
【0069】
自動倉庫500はさらに、スタッカクレーン510の移動のための走行レール570を備えている。具体的には、スタッカクレーン510は、走行レール570に沿って左右方向に移動し、移載装置525が備えられた昇降台520を昇降させることにより、移載装置525は上下方向に移動させることができる。
【0070】
コンベア600は、スタッカクレーン510とはラック530を挟んで反対側に設けられている。コンベア600は、図6に示すように、スタッカクレーン510の動作に連動して移動する。例えば、スタッカクレーン510が走行レール570に沿って左右方向に移動した場合、コンベア600もそれに連動して左右方向に移動する。また、昇降台520が上下方向に移動した場合、コンベア600もそれに連動して上下方向に移動する。また、コンベア600には、水平方向に対して傾斜がつけられており、昇降台520のZ軸方向の位置に応じて、コンベア600の傾斜も連動して変化することができる。コンベア600には傾斜がつけられているので、コンベア600は、荷物650の自重により、荷物650を搬送することができる。つまり、コンベア600に、荷物の搬送のための駆動源は不要である。
【0071】
棚段550に載置された荷物650は、移載装置525により、コンベア600に押し出される。その後、コンベア600が、荷物650の自重により、荷物650を搬送することによって荷物650が出庫される。なお、コンベア600は、荷物の搬送のための駆動源を備えていてもよい。
【0072】
自動倉庫500は、スタッカクレーン510、昇降台520およびコンベア600の動作を制御する構成要素としてコントローラを備えている。スタッカクレーン510、昇降台520およびコンベア600は無線通信または有線通信によりコントローラから送信される制御信号に従って動作する。具体的には、スタッカクレーン510の移動と連動してコンベア600が移動する、昇降台520の移動と連動してコンベア600が移動する、コンベア600の傾斜が変化する等である。
【0073】
以下、移載装置525の構成概要および動作について、図7を参照しながら説明する。
【0074】
なお、本実施の形態に係る移載装置525は、昇降台520とラック530との間で、荷物650を移載するための装置であり、その構成は、図3を参照しながら説明した、実施の形態1に係る移載装置155と同様の構成である。したがって、本実施の形態に係る移載装置525の構成概要についての説明は省略する。なお、伸縮するアーム110の動作は、自動倉庫500が備えるコントローラまたは移載装置525が備えるコントローラによって制御される。
【0075】
図7は、本発明の実施の形態2に係るスタッカクレーンに配置されている移載装置がラックからコンベアに荷物を押し出す際の動作を示す図である。
【0076】
図7に示すように、アーム110の先端部のフック102が荷物650の方向に突出した状態で、アーム110が伸ばされる。これにより、ラック530が備える棚540上に載置されていた荷物650は、コンベア600まで押し出される。
【0077】
なお、本実施の形態では、アーム110の先端部のフック102が荷物650をコンベア600まで押し出した。しかし、例えば、荷物650は、アーム110の後端部のフック103によってコンベア600まで押し出されてもよい。コンベア600まで押し出された荷物650は、自重によって、所定の場所までコンベア600上を移動する。
【0078】
また、アーム110には、先端部のフック102および後端部のフック103のうち一方が備えられていなくてもよい。また、荷物650は、アーム110のトップ部111の端部によって、荷物650をコンベア600まで押し出されてもよい。
【0079】
また、移載装置525は左右一対のアーム110を備えるとしたが、少なくとも1つのアーム110を備えていれば、扱う荷物650の寸法等によっては、荷物650の安全かつ効率のよい出庫は可能である。
【0080】
以上のように、実施の形態2に係る自動倉庫500によれば、スタッカクレーン510に配置されている移載装置525でラック530に保持されている荷物650を、コンベア600に押し出すことにより、荷物650を効率よく出庫することができる。また、スタッカクレーン510の移動と連動してコンベア600が移動するので、一台のコンベア600で荷物650を効率よく出庫することができる。
【0081】
以上、本発明の自動倉庫について、実施の形態1および2に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、荷物を効率よく出庫することができる自動倉庫である。したがって、工場および物流倉庫等で荷物の保管を行う自動倉庫等として有用である。
【符号の説明】
【0083】
100、500 自動倉庫
102、103 フック
110 アーム
111 トップ部
112 ミドル部
113 ベース部
150 搬送車
155、525 移載装置
160 走行路
200、530 ラック
210、540 棚
220、550 棚段
400、600 コンベア
410 水平部
420 傾斜部
450、650 荷物
510 スタッカクレーン
520 昇降台
570 走行レール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の荷物を保持するためのラックと、
前記ラックに沿って前記荷物を搬送する搬送車と、
前記搬送車とは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記ラックに対する位置が固定され、かつ、前記荷物が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベアと、
前記搬送車に配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置と
を備える自動倉庫。
【請求項2】
前記移載装置は、前記ラックに保持されている前記荷物を前記搬送車の方向にずらして移載するためのフックを備え、前記フックを用いることにより、前記ラックに保持されている前記荷物を前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す
請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記コンベアは、さらに、前記荷物の自重により、前記荷物を搬送する傾斜部を有する
請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記ラックは、左右方向に並べられた一連の棚を有する棚段を上下方向に複数備え、
前記搬送車は、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数配置されており、前記棚段に沿って前記荷物を搬送する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記コンベアは、さらに、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数設けられている
請求項4に記載の自動倉庫。
【請求項6】
複数の荷物を保持するためのラックと、
前記ラックに沿って前記荷物を搬送するスタッカクレーンと、
前記スタッカクレーンとは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記スタッカクレーンの動作に連動して移動するコンベアと、
前記スタッカクレーンに配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置と
を備える自動倉庫。
【請求項1】
複数の荷物を保持するためのラックと、
前記ラックに沿って前記荷物を搬送する搬送車と、
前記搬送車とは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記ラックに対する位置が固定され、かつ、前記荷物が搬送される方向が少なくとも水平方向成分を有するコンベアと、
前記搬送車に配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置と
を備える自動倉庫。
【請求項2】
前記移載装置は、前記ラックに保持されている前記荷物を前記搬送車の方向にずらして移載するためのフックを備え、前記フックを用いることにより、前記ラックに保持されている前記荷物を前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す
請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記コンベアは、さらに、前記荷物の自重により、前記荷物を搬送する傾斜部を有する
請求項1または2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記ラックは、左右方向に並べられた一連の棚を有する棚段を上下方向に複数備え、
前記搬送車は、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数配置されており、前記棚段に沿って前記荷物を搬送する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記コンベアは、さらに、複数の前記棚段のそれぞれに対応して複数設けられている
請求項4に記載の自動倉庫。
【請求項6】
複数の荷物を保持するためのラックと、
前記ラックに沿って前記荷物を搬送するスタッカクレーンと、
前記スタッカクレーンとは前記ラックと挟んで反対側に設けられ、前記スタッカクレーンの動作に連動して移動するコンベアと、
前記スタッカクレーンに配置され、前記ラックから前記コンベアに前記荷物を押し出す移載装置と
を備える自動倉庫。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2013−86917(P2013−86917A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228324(P2011−228324)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]