説明

自動分析装置、試薬補充装置および試薬オートローディング方法

【課題】試薬容器交換の時間を短縮して分析効率の向上を図る自動分析装置、試薬容器補充装置および試薬オートローディング方法を提供する。
【解決手段】試薬を収容する試薬容器30を収納して保冷する試薬庫2、3と、補充交換用の試薬を収容した試薬容器30を収納して保冷する予備試薬庫21と、予備試薬庫21に収納された交換用の試薬容器30を試薬庫2、3に搬送し、空の試薬容器30を試薬庫2、3から予備試薬庫21に搬送する搬送装置22と、を備える自動分析装置1において、予備試薬庫21は試薬庫2、3に隣接配置されるとともに、予備試薬庫21への試薬容器30の収納および/または排出を行なうための開閉部を備えた蓋部21bを有し、該開閉部は、自動分析装置1の外部カバーの一部であり、該自動分析装置1駆動中に自動分析装置1外部から試薬容器30の収納および/または排出を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置、試薬補充装置および試薬オートローディング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動分析装置は、血液や尿等の検体を試薬と反応させ、反応液の光学的特性を測定することにより検体を分析しており、分析に使用される試薬は試薬容器に収容されて試薬庫に格納されている。
【0003】
近年、自動分析装置での分析速度の向上に伴って試薬の消費量が多くなり、試薬の補充のために頻繁に試薬容器を補充交換する必要がある。そこで、補充用の試薬を保管する補充用試薬保管庫と、分析に使用する試薬を有する試薬ディスクに対して補充用試薬保管庫から試薬容器を搬送する試薬搬送手段とを備えて、該補充用試薬保管庫および搬送装置を試薬ディスク上に跨ぐように設けた自動分析装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、補充用の試薬を保管する補充用試薬保管庫と、前記の保管された試薬容器を試薬格納部に搬送する搬送部とを備えて、試薬保管庫および搬送部を自動分析装置に対して着脱可能に設けるとともに、交換する試薬容器をほぼ面一な面上で搬送する試薬補充装置が開示される(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−37171号公報
【特許文献2】特開2007−303879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示される自動分析装置では、補充用試薬保管庫および搬送装置を試薬ディスク上に跨ぐように設けられているため、メンテナンス等の邪魔になることがある。また、空の試薬容器を廃棄するための廃棄口の設置が必要であり、省スペース化を妨げる。さらに、試薬ディスクへの試薬容器の補充と、試薬ディスクからの試薬容器の廃棄は同時に行なうことができず、試薬交換に長い時間を要するという問題がある。
【0007】
一方、特許文献2に開示される試薬補充装置も、試薬保管部および搬送部を着脱可能として、試薬保管部と試薬格納部をほぼ面一な面上に設けているため、搬送距離が長くなり、試薬容器の交換に長い時間を要するという問題がある。また、空の試薬容器の回収部の設置が必要とされ、省スペース化を妨げる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、試薬容器交換の時間を短縮して分析効率の向上を図ることができる自動分析装置、試薬容器補充装置および試薬オートローディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる自動分析装置は、検体と試薬とを反応させ、反応物を光学的に分析する自動分析装置であって、前記試薬を収容する試薬容器を収納して保冷する試薬庫と、補充交換用の試薬を収容した試薬容器を収納して保冷する予備試薬庫と、前記予備試薬庫に収納された補充交換用の試薬容器を前記試薬庫に搬送し、廃棄する空の試薬容器を前記試薬庫から前記予備試薬庫に搬送する搬送装置と、を備え、前記予備試薬庫は前記試薬庫に隣接配置されるとともに、前記予備試薬庫への試薬容器の収納および/または排出を行なうための開閉部を備えた蓋部を有し、該開閉部は、前記自動分析装置の外部カバーの一部であって、前記自動分析装置外部から該自動分析装置稼働中に試薬容器の収納および/または排出を可能とすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記搬送装置は、前記予備試薬庫から補充交換用の試薬容器を前記試薬庫への搬送と、前記試薬庫から空の試薬容器の前記予備試薬庫への搬送を同時に行なうことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記搬送装置は、独立して回動する2本の駆動アームを備え、該駆動アームに支持手段を介してそれぞれ支持された把持手段が前記予備試薬庫からの試薬容器の前記試薬庫への搬送と、前記試薬庫からの試薬容器の前記予備試薬庫への排出を分担することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記把持手段は、搬送する試薬容器の試薬分注口の内側または外側を把持することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記予備試薬庫は、前記蓋部に前記搬送装置による試薬容器の搬入・搬出用の開閉可能な開口部を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記搬送装置は、基準位置に対して同じ位置に設けられた前記試薬容器の試薬分注口を、前記把持手段により把持して内容量が異なる前記複数の試薬容器を個々に把持して搬送することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の試薬補充装置は、検体と試薬とを反応させ、反応物を光学的に分析する自動分析装置の試薬補充装置であって、補充交換用の試薬を収容する試薬容器を収納して保冷する予備試薬庫と、前記予備試薬庫から試薬庫への補充交換用の試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への空の試薬容器の搬送を同時に行なう搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の試薬補充装置は、上記発明において、前記予備試薬庫は、前記試薬庫に隣接配置されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の試薬補充装置は、上記発明において、前記予備試薬庫は、前記搬送装置による試薬容器の搬入・搬出用の開閉可能な開口部を有する蓋部を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の試薬補充装置は、上記発明において、前記蓋部は、前記開口部とは別に、試薬容器の収納および/または排出を行なう開閉部を備え、該開閉部は、前記自動分析装置のカバー外部の一部であって、前記自動分析装置外部から該自動分析装置稼働中に試薬容器の収納および/または排出を可能とすることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の試薬補充装置は、上記発明において、前記搬送装置は、独立して回動する2本の駆動アームを備え、支持手段を介して該駆動アームに個々に支持された把持手段が前記予備試薬庫から前記試薬庫への試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への試薬容器の搬送を分担して行なうことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の試薬補充装置は、上記発明において、前記把持手段は、搬送する試薬容器の試薬分注口の内側または外側を把持することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の試薬補充装置は、上記発明において、前記搬送装置は、基準位置に対して同じ位置に設けられた前記試薬容器の試薬分注口を、前記把持手段により把持して内容量が異なる前記複数の試薬容器を個々に把持して搬送することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の試薬オートローディング方法は、検体と試薬とを反応させ、反応物を光学的に分析する自動分析装置の試薬オートローディング方法であって、試薬庫に収納される試薬容器内の試薬残量を確認し、試薬交換が必要か否か判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて試薬の交換が必要と判定された場合、前記試薬庫および予備試薬庫内の試薬トレイを回動して、前記試薬庫から排出する空の試薬容器と前記予備試薬庫から補充交換する試薬容器とを所定位置にそれぞれ搬送する搬送ステップと、搬送装置を用いて、前記予備試薬庫から前記試薬庫への補充交換用の試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への空の試薬容器の搬送を同時に行なう試薬容器交換ステップと、を含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の試薬オートローディング方法は、上記発明において、前記予備試薬庫は、前記試薬庫に隣接配置されることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の試薬オートローディング方法は、上記発明において、前記予備試薬庫は、試薬容器把持装置による試薬容器の搬入・搬出用の開閉可能な開口部を有する蓋部を備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の試薬オートローディング方法は、上記発明において、前記蓋部は、前記開口部とは別に、試薬容器の収納および/または排出を行なう開閉部を備え、該開閉部は、前記自動分析装置のカバー外部の一部であって、前記自動分析装置外部から該自動分析装置稼動中に直接的に試薬容器の収納および/または排出を可能とすることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の試薬オートローディング方法は、上記の発明において、前記試薬容器交換ステップは、前記搬送装置が、独立して回動する2本の駆動アームを備え、支持手段を介して該駆動アームに個々に支持された把持手段が前記予備試薬庫から前記試薬庫への試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への試薬容器の搬送を分担して行なうことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の試薬オートローディング方法は、上記発明において、前記把持手段は、搬送する試薬容器の試薬分注口の内側または外側を把持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、予備試薬庫を試薬庫に隣接配置させて、2本の駆動アームを備える搬送装置により試薬容器の交換を同時に行なわせることにより、試薬容器交換の時間を短縮して分析効率の向上を可能にするという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の自動分析装置、試薬補充装置および試薬オートローディング方法にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本明細書の記載により本発明が限定されるものではない。図1は、本発明の自動分析装置を示す概略構成図である。図2は、図1の自動分析装置で使用する試薬庫を示す斜視図である。図3は、図1の自動分析装置で使用する試薬容器の例を示す斜視図である。図4は、図1の自動分析装置で使用する予備試薬庫を示す斜視図である。図5は、図4の予備試薬庫のA−A線断面図である。図6は、図1の自動分析装置で使用する搬送装置を示す斜視図である。
【0030】
図1に示すように、自動分析装置1は、検体および試薬を反応容器5にそれぞれ分注し、分注した反応容器5内で生じる反応を光学的に測定する測定機構40と、測定機構40を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構40における測定結果の分析を行う制御機構50とを備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う。
【0031】
測定機構40は、大別して第1および第2試薬庫2、3、反応テーブル4、第1および第2試薬分注装置6、7、検体容器移送機構8、ラック9、分析光学系11、洗浄機構12、第1および第2攪拌装置13、14、検体分注装置20、予備試薬庫21および搬送装置22を備える。測定機構40および制御機構50が備えるこれらの各部は、制御部15に電気的に接続されている。
【0032】
第1および第2試薬庫2、3は、図1に示すように、それぞれ試薬容器30が周方向に複数配置され、駆動手段により回転されて試薬容器30を周方向に搬送する。複数の試薬容器30は、それぞれ検査項目に応じた試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が付加されている。ここで、第1および第2試薬テーブル2、3の外周には、試薬容器30に付加した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置(図示せず)が設置されている。また、第1および第2試薬庫2、3の下方には、それぞれ保冷槽が設けられている。第1および第2試薬庫2、3内に試薬容器30がそれぞれ収納され、蓋が閉じられたときに、前記保冷槽により試薬容器30内に収容された試薬を一定の温度状態に保ち、試薬容器30内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制する。
【0033】
また、第1試薬庫2(第2試薬庫3も同様)は、図2に示すように、通常は上部に蓋2bが被着され、蓋2bにはアクチュエータによって蓋面方向に沿って矢印方向にスライドさせて開口2cを開閉するシャッタ2dが取り付けられている。シャッタ2dは、試薬を分注する際のほか、試薬容器30内の試薬残量が減少した場合に試薬容器30を交換する際に開放される。シャッタ2dには、後述する第2試薬分注装置6の分注プローブ6bが、試薬分注を行う際に挿通する分注用の孔を設けていてもよい。
【0034】
第1試薬庫2内に収納される複数の試薬容器30は、図3に示すように、上部に試薬を分注する円筒状の試薬分注口30aが設けられ、試薬分注口30aはアルミ箔等のシール部材30bで封印されている。試薬容器30は、例えば、図3に示すように、内容量120mLの試薬容器30A、内容量60mLの試薬容器30B、内容量30mLの試薬容器30Cのように複数の種類があり、これら以外の内容量のものもある。このため、第1および第2試薬庫2、3は、大型の試薬容器30Aを収納するときには通常使用される試薬容器30Bを保持する仕切り板を外し、大きな収納スペースを確保する。また、小型の試薬容器30Cを収容するときは仕切り板を追加して、小さな収容スペースを確保する。
【0035】
試薬容器30A〜30Cは、4面の外側壁のうち分注口30a側の端面に対応する外側壁30cを基準位置として試薬分注口30aが同じ位置に設けられている。この場合、試薬容器30A〜30Cは、試薬分注口30aの大きさも同じであると、後述する搬送装置22の把持部材22b(図6参照)による把持動作を画一的に統一することができるのでより好ましい。また、試薬容器30Aは、上部に分注口30aの他に摘み片30dが設けられている。
【0036】
第1試薬分注装置6は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム6aを備える。このアーム6aの先端部には、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブ6bが取り付けられている。第1試薬分注装置6は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第1試薬分注装置6は、上述した第1試薬庫2上の所定位置に移送された試薬容器30の中からプローブ6bによって第1試薬を吸引し、アーム6aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に第1試薬を吐出して分注を行なう。
【0037】
第2試薬分注装置7は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム7aを備える。このアーム7aの先端部には、第2試薬の吸引および吐出を行なうプローブ7bが取り付けられている。第2試薬分注装置7は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第2試薬分注装置7は、上述した第2試薬庫3上の所定位置に移送された試薬容器30の中からプローブ7bによって第2試薬を吸引し、アーム7aを図中反時計回りに旋回させ、反応容器5に第2試薬を吐出して分注を行なう。
【0038】
反応テーブル4は、図1に示すように、複数の反応容器5が周方向に沿って配列されており、第1および第2試薬庫2、3を駆動する駆動手段とは異なる駆動手段によって矢印で示す方向に回転されて反応容器5を周方向に移動させる。反応テーブル4の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽とがそれぞれ設けられている。恒温槽は、反応容器5に分注される検体と試薬の反応を促進させる温度に加温調整される。反応テーブル4は、光源11aと分光部11bとの間に配置され、反応容器5を保持する保持部4aと光源11aが出射した光束を分光部11bへ導く円形の開口からなる光路4bとを有している。保持部4aは、反応テーブル4の外周に周方向に沿って所定間隔で配置され、保持部4aの内周側に半径方向に延びる光路4bが形成されている。
【0039】
反応容器5は、分析光学系11から出射された分析光(340〜800nm)に含まれる光の80%以上を透過する光学的に透明な素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等によって四角筒状に成形されたキュベットと呼ばれる容器である。反応容器5は、近傍に設けた第1および第2試薬分注装置6、7によって第1および第2試薬庫2、3内に収納される試薬容器30から試薬が分注される。ここで、第1および第2試薬分注装置6、7は、それぞれ水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム6a、7aに、試薬を分注するプローブ6b、7bが設けられる。
【0040】
検体容器移送機構8は、図1に示すように、配列された複数のラック9を矢印方向に沿って1つずつ歩進させながら移送する。ラック9は、検体を収容した複数の検体容器9aを保持している。ここで、検体容器9aは、収容した検体の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が貼付され、検体容器移送機構8によって移送されるラック9の歩進が停止するごとに、検体分注装置20によって検体が各反応容器5へ分注される。検体分注装置20は、水平面内を回動すると共に、上下方向に昇降されるアーム20aに試薬を分注する分注プローブ20bが設けられる。ここで、ラックの近傍には、検体容器9aに貼付された情報記録媒体に記録された、検体情報や検体容器9aの容器情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置(図示せず)が設置されている。
【0041】
検体分注装置20は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアーム20aを備える。このアーム20aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なうプローブ20bが取り付けられている。検体分注装置20は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注装置20は、上述した検体移送機構8上の所定位置に移送された検体容器9aの中からプローブ20bによって検体を吸引し、アーム20aを図中時計回りに旋回させ、反応容器5に検体を吐出して分注を行なう。
【0042】
分析光学系11は、試薬と検体とが反応した反応容器5内の液体試料に分析光(340〜800nm)を透過させて分析するための光学系であり、光源11a、分光部11b及び受光部11cを有している。光源11aから出射された分析光は、反応容器5内の液体試料を透過し、分光部11bと対向する位置に設けた受光部11cによって受光される。受光部11cは、制御部15と接続されている。
【0043】
洗浄機構12は、ノズル12aによって反応容器5内の液体試料を吸引して排出した後、ノズル12aによって洗剤や洗浄水等の洗浄液等を繰り返し注入し、吸引することにより、分析光学系11による分析が終了した反応容器5を洗浄する。この洗浄した反応容器5は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器5を廃棄してもよい。
【0044】
第1および第2攪拌装置13、14は、反応容器5に分注された検体と試薬とを攪拌棒13a、14aによって攪拌し、反応を均一化させる。
【0045】
予備試薬庫21は、補充交換用の試薬を収容する試薬容器30を保冷して収納する。予備試薬庫21は、第1および第2試薬庫2、3に収納される試薬容器30内の試薬残量が試薬の分注により減少した場合に、補充交換する試薬容器30を収納するが、予備試薬庫21下部には、第1および第2試薬庫2、3と同様に保冷槽が設けられ、試薬容器の補充交換後直ちに分析に使用できるように、前記保冷槽により予備試薬庫21内部が第1および第2試薬庫2、3と略同温に冷却される。予備試薬庫21には、試薬容器30が周方向に複数配置され、駆動手段により回転されて試薬容器30を周方向に搬送する。複数の試薬容器30は、補充交換用の試薬が満たされ、外面には収容した試薬の種類、ロット及び有効期限等の情報を記録した情報記録媒体(図示せず)が付加されている。ここで、予備試薬庫21の外周には、試薬容器30に付加した情報記録媒体に記録された試薬情報を読み取り、制御部15へ出力する読取装置(図示せず)が設置されている。また、予備試薬庫21は、図1に示すように、第1および第2試薬庫2、3に隣接配置される。
【0046】
さらに、図4に示すように、予備試薬庫21は自動分析装置1の外部カバー(図示せず)の一部である開閉部21eを備える蓋部21bを有する。開閉部21eの表面側には開閉部21eの開閉用の取手21fが配設され、取手21fを上方向に引張操作することにより、ヒンジ部21gを回動軸として開閉部21eを移動させて開閉する。開閉部21eは、図5に示すように自動分析装置1の外部カバー102の一部をなす上部カバー101の外部に突出した構造をとり、当該構造とすることにより突出した開閉部21eの開閉によって、自動分析装置1の駆動中に自動分析装置1外部から試薬容器30の補充および/または排出を行なうことが可能となる。また蓋部21bには、アクチュエータによって蓋面方向に沿って矢印方向にスライドさせて開口21cを開閉するシャッタ21dが取り付けられ、シャッタ21dは、第1および第2試薬庫2、3内の試薬容器30内の試薬残量が減少した場合に、予備試薬庫21内に収納される試薬容器30と補充交換する際に開放される。
【0047】
搬送装置22は、図1及び図6に示すように、第1試薬庫2(第2試薬庫3でも同様)内の試薬容器交換位置に搬送された試薬容器30と、予備試薬庫21内の試薬容器交換位置に搬送された試薬容器30との間を水平方向に回動すると共に、上下方向に昇降する駆動アーム22a−1、22a−2と、駆動アーム22a−1、22a−2に支持部材22d−1、22d−2を介して支持された把持部材22b−1、22b−2と、駆動アーム22a−1、22a−2を支持する支柱22c−1、22c−2とを有している。搬送装置22は、2本の駆動アーム22a−1、22a−2を昇降させると共に独立して回動させるために、図6に示すように、回動モータ24−1、24−2と昇降モータ25を有する駆動機構23を備える。回動モータ24−1、24−2は、回転軸24a−1、24a−2に取り付けたホイール24b−1、24b−2と支柱22c−1、22c−2に取り付けたホイール22f−1、22f−2との間にタイミンベルト24c−1、24c−2が巻き掛けられている。昇降モータ25は、タイミンベルト25cによってねじ軸25eを回転し、昇降ブロック25dをねじ軸25eに沿って上下動させる。タイミンベルト25cは、昇降モータ25の回転軸25a(図示せず)に取り付けたホイール25bとねじ軸25eの下端に取り付けたホイール25fとの間に巻き掛けられている。ここで、昇降ブロック25dは、支柱22c−1の下端に取り付けて支柱22c−1、22c−2を支持しており、ねじ軸25eと共にボールねじを構成している。図6では、搬送装置22の把持部材22b−1、22b−2は試薬容器30の回転機構を有していないが、第1試薬庫2および第2試薬庫3と、予備試薬庫21の設置位置との関係を考慮すると、把持部材22b−1、22b−2は試薬容器30の回転機構を有しているものが好ましい。
【0048】
把持部材22b−1、22b−2は、円筒状のゴム製の中空体であって、空気の注入により膨張して試薬容器30の試薬分注口30aを、内側あるいは外側から把持する。試薬分注口30aを外側から把持する場合には、ゴム製の把持部材22b−1、22b−2はその外部に自身の外側への膨らみを規制するカバーを備える。また、試薬容器30が、例えば、図3に示す試薬容器30A、試薬容器30B、試薬容器30Cのように内容量が異なる複数の種類の試薬容器が併用されている場合であっても、試薬容器30A〜30Cの、4面の外側壁のうち試薬分注口30a側の端面に対応する外側壁30cを基準位置として試薬分注口30aが同じ位置に設けられ、試薬分注口30aの大きさを同じにすることにより、搬送装置22の把持部材22b−1、22b−2による把持動作を画一的に統一することができる。
【0049】
つぎに、制御機構50について説明する。制御機構50は、制御部15と、入力部16と、出力部17と、分析部18と、記憶部19とを備える。制御部15は、測定機構40および制御機構50が備える各部と接続される。これら各部の作動を制御するため、制御部15には、マイクロコンピュータ等が使用される。制御部15は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部15は、自動分析装置1の各部の作動を制御すると共に、前記情報記録媒体から読み取った情報に基づき、試薬のロットや有効期限等が設定範囲外の場合、分析作業を停止するように自動分析装置1を制御し、或いはオペレータに警告を発する。また、制御部15は、試薬残量算出部15aと、試薬交換判定部15bとを有する。試薬残量算出部15aは、第1および第2試薬庫2、3に収納される試薬容器30内の試薬残量を検出し、試薬交換判定部15bは、試薬残量算出部15aにより検出された試薬残量に基づき、試薬交換が必要か否かを判定する。ここで、制御部15は、搬送装置22の作動を制御する搬送制御部としての機能も備えている。
【0050】
入力部16は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部18は、分析光学系11から取得した測定結果に基づいて吸光度等を演算し、検体の成分分析等を行う。記憶部19は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部19は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。出力部17は、プリンタ、通信機構等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。
【0051】
以上のように構成された自動分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器5に対して、第1試薬分注装置6が試薬容器30中の第1試薬を分注した後、検体分注装置20が検体容器9a中の検体を分注し、さらに第2試薬分注装置7が試薬容器30中の第2試薬を分注して、分析光学系11が検体と試薬とを反応させた状態の試料の分光強度測定を行い、この測定結果を分析部18が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄機構12が分析光学系11による測定が終了した後に搬送される反応容器5を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0052】
次に、搬送装置22による試薬容器30の交換について、図7に示す試薬容器交換のフローチャートを参照して説明する。以下、第1試薬庫2と予備試薬庫21との間で行なわれる試薬容器30の補充交換について説明するが、第2試薬庫3と予備試薬庫21との間で行なわれる試薬容器30の補充交換も同様にして行なう。
【0053】
まず、制御部15の制御のもと、第1試薬庫2に設けた読取装置(図示せず)で試薬容器30内の試薬に関する諸情報を読取り、該情報は記憶部19に記憶される。試薬残量算出部15aは、第1試薬庫2(第2試薬庫3でも同様)に収納される各試薬容器30内の試薬残量を検出する(ステップS100)。試薬残量は、例えば、試薬容器30の試薬情報と、過去の試薬使用量とを比較することにより算出する。試薬交換判定部15bは、試薬残量算出部15aにより算出した試薬残量に基づき、試薬交換が必要か否かを判定する(ステップS101)。
【0054】
ここで、予備試薬庫21には、検査オーダーの受付の際に試薬不足になると予測された試薬を収容した試薬容器30を、オペレータが予め保管させるのが好ましい。試薬不足の予測は試薬残量算出部15aで行い、記憶部19に記憶された過去に分析された分析項目(実績)と、過去の使用時期毎の試薬の使用量(実績)をもとに、前日までの試薬残量と、所定期間(例えば、1日、1週間等)の試薬使用実績とに応じた分析項目推定値から試薬使用量を予測して試薬残量を算出してもよく、あるいは、検査オーダーを受付後、受け付けられた各分析項目に応じた試薬使用量を算出することにより試薬残量を算出してもよい。試薬交換が必要と予測される場合には、出力部17により、試薬不足となる試薬についてオペレータに警告し、オペレータはこれにより、試薬不足になると予測される試薬を収容する試薬容器30を予備試薬庫21に予め補充しておく。なお、予備試薬庫21に試薬容器30が補充された場合、該試薬容器30の識別コードは読取装置(図示しない)により読み取られ、読み取られた試薬情報は、記憶部19に記憶される。
【0055】
分析の進行により、試薬交換判定部15bが試薬交換の必要ありと判定すると(ステップS101、Yes)、制御部15は、試薬交換が必要と判定された試薬容器30を収納する第1試薬庫2(第2試薬庫3でも同様)の試薬トレイを回転させて、該試薬容器30を試薬容器交換位置に搬送する(ステップS102)。試薬容器交換位置は、シャッタ2dの開閉により開放される開口2c下部である。また、これと同時に、予備試薬庫21の試薬トレイ21iを回転させて、交換補充する試薬容器30を試薬容器交換位置に搬送する(ステップS103)。試薬容器交換位置は、シャッタ21dの開閉により開放される開口21c下部である。試薬交換判定部15bにより試薬交換が必要とされない場合は(ステップS101、No)、ステップS100〜101を繰り返す。
【0056】
第1試薬庫2内の空の試薬容器30と予備試薬庫21内の補充交換用の試薬容器30が、それぞれ試薬容器交換位置に搬送されるとともに、搬送装置22の2本の駆動アーム22a−1、22a−2は、回動モータ24によりそれぞれ第1試薬庫2および予備試薬庫21の試薬容器交換位置に搬送される。試薬容器交換位置に駆動アーム22a−1、22a−2が搬送されると、第1試薬庫2の蓋部2bのシャッタ2dおよび予備試薬庫21の蓋部21bのシャッタ21dの開放により開口2cおよび開口21cが開かれる。駆動アーム22a−1、22a−2に支持部材22d−1、22d−2を介して支持される把持部材22b−1、22b−2は、昇降モータ25により試薬容器30の試薬分注口30aまで開口2cまたは開口21cから降下される。把持部材22b−1、22b−2は、エアーの注入により膨張して試薬容器30の試薬分注口30aの内側または外側をそれぞれ把持する。把持部材22b−1、22b−2による試薬分注口30aの把持後、試薬容器30をそれぞれ把持した把持部材22b−1、22b−2は昇降モータ25により上昇され、各回動モータ24により予備試薬庫21から第1試薬庫2への試薬容器30の補充搬送と、第1試薬庫2から予備試薬庫21への試薬容器30の排出搬送を、分担して同時に行なう(ステップS104)。試薬容器30の補充交換後、開口2cおよび開口21cは、シャッタ2dおよびシャッタ21dの閉鎖により閉じられる。
【0057】
第1試薬庫2に補充交換された試薬容器30内に収容される試薬のロットが、それまで使用していた試薬と同じ場合には、そのまま交換した試薬が分析に使用される。一方、ロットが異なる場合には、検体容器移送機構8により標準検体を移送して、当該標準検体を用いて検量線作成の後、補充された試薬が分析に使用される。
【0058】
このように、本発明によれば、第1および第2試薬庫2、3から予備試薬庫21への空の試薬容器30の排出搬送と、予備試薬庫21から第1および第2試薬庫2、3への試薬容器30の補充搬送を同時に行なうことができるため、試薬容器交換に要する時間を大幅に低減できる。また、空の試薬容器30を一旦予備試薬庫21に排出するため、試薬容器30の回収部を設置する必要がなく自動分析装置1の省スペース化を図ることが可能となる。さらに、予備試薬庫21の開閉部21eは、自動分析装置1の外部カバー102の一部としたことにより、自動分析装置1外部から開閉部21eの開閉が可能となり、自動分析装置1の稼動中に自動分析装置1の上部カバー101を開閉することなく予備試薬庫21に試薬容器30の収納および/または排出することができるため、追加の検査オーダーにより予期しない試薬の残量不足が発生した場合などに、自動分析装置1の分析を中断することなく試薬の補充交換を行なうことができ、さらなる分析効率の向上が図れるという効果を奏する。
【0059】
また、自動分析装置1は、分析中に試薬容器30を交換する場合について説明したが、自動分析装置1は、分析開始前に試薬残量、使用期限、検体数や検査項目数等の情報に基づいて確認した結果、使用期限の経過や試薬切れ等によって試薬容器30の交換が必要になる場合がある。このような場合にも、分析開始前に上述の手順の下に試薬容器30の交換を行うことができる。
【0060】
なお、本発明の実施の形態では、把持部材22b−1、22b−2として円筒状のゴム製中空体を採用する場合について説明したが、本発明の変形例として、試薬容器の外壁側上部で重心が取れる位置に引掛部を設け、搬送装置の駆動アームはフック部を支持部材により支持させて、該フック部を前記試薬容器の引掛部に引っ掛ける方式としてもよく、また、引掛部は試薬容器に直接取り付ける場合のほか、引掛部を備える搬送用のアダプターを使用して、アダプターの引掛部に前記フック部を引っ掛けてアダプターごと試薬容器を搬送する方式を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の自動分析装置を示す概略構成図である。
【図2】図1の自動分析装置で使用する試薬庫を示す斜視図である。
【図3】図1の自動分析装置で使用する試薬容器の例を示す斜視図である。
【図4】図1の自動分析装置で使用する予備試薬庫を示す斜視図である。
【図5】本発明の自動分析装置の一部を表す斜視図である。
【図6】図1の自動分析装置で使用する搬送装置を示す斜視図である。
【図7】本発明にかかる試薬容器交換のフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 自動分析装置
2、3 第1および第2試薬庫
2b 蓋部
2c 開口
2d シャッタ
30、30A、30B、30C 試薬容器
30a 試薬分注口
4 反応テーブル
4a 保持部
4b 光路
5 反応容器
6、7 第1および第2試薬分注装置
8 検体容器移送機構
9 ラック
9a 検体容器
11 分析光学系
12 洗浄機構
13、14 第1および第2攪拌装置
15 制御部
15a 試薬残量算出部
15b 試薬交換判定部
16 入力部
17 出力部
18 分析部
19 記憶部
20 検体分注装置
21 予備試薬庫
21b 蓋部
21c 開口
21d シャッタ
21e 開閉部
21f 取手
21g ヒンジ部
21h 本体部
21i 試薬トレイ
22 搬送装置
22a−1、22a−2 駆動アーム
22b−1、22b−2 把持部材
22c−1、22c−2 支柱
22d−1、22d−2 支持部材
22f−1、22f−2 ホイール
23 駆動機構
24−1、24−2 回動モータ
24a−1、24a−2、25a 回転軸
24b−1、24b−2、25b、25f ホイール
24c−1、24c−2、25c タイミンベルト
25 昇降モータ
25e ねじ軸
25d 昇降ブロック
40 測定機構
50 制御機構
101 上部カバー
102 外部カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応させ、反応物を光学的に分析する自動分析装置であって、
前記試薬を収容する試薬容器を収納して保冷する試薬庫と、
補充交換用の試薬を収容した試薬容器を収納して保冷する予備試薬庫と、
前記予備試薬庫に収納された補充交換用の試薬容器を前記試薬庫に搬送し、空の試薬容器を前記試薬庫から前記予備試薬庫に搬送する搬送装置と、
を備え、前記予備試薬庫は前記試薬庫に隣接配置されるとともに、前記予備試薬庫への試薬容器の収納および/または排出を行なうための開閉部を備えた蓋部を有し、該開閉部は、前記自動分析装置の外部カバーの一部であって、該自動分析装置稼動中に前記自動分析装置外部から試薬容器の収納および/または排出を可能とすることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記搬送装置は、前記予備試薬庫から前記試薬庫への補充交換用の試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への空の試薬容器の搬送を同時に行なうことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記搬送装置は、独立して回動する2本の駆動アームを備え、支持手段を介して該駆動アームに個々に支持された把持手段が前記予備試薬庫から前記試薬庫への試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への試薬容器の搬送を分担して行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記把持手段は、搬送する試薬容器の試薬分注口の内側または外側を把持することを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記予備試薬庫は、前記蓋部に前記搬送装置による試薬容器の搬入・搬出用の開閉可能な開口部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記搬送装置は、基準位置に対して同じ位置に設けられた試薬容器の試薬分注口を、前記把持手段により把持して内容量が異なる前記複数の試薬容器を個々に把持して搬送することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
検体と試薬とを反応させ、反応物を光学的に分析する自動分析装置の試薬補充装置であって、
補充交換用の試薬を収容した試薬容器を収納して保冷する予備試薬庫と、
前記予備試薬庫から試薬庫への補充交換用の試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への空の試薬容器の搬送を同時に行なう搬送装置と、
を備えることを特徴とする試薬補充装置。
【請求項8】
前記予備試薬庫は、前記試薬庫に隣接配置されることを特徴とする請求項7に記載の試薬補充装置。
【請求項9】
前記予備試薬庫は、前記搬送装置による試薬容器の搬入・搬出用の開閉可能な開口部を有する蓋部を備えることを特徴とする請求項7または8に記載の試薬補充装置。
【請求項10】
前記蓋部は、前記開口部とは別に、試薬容器の収納および/または排出を行なう開閉部を備え、該開閉部は、前記自動分析装置の外部カバーの一部であって、前記自動分析装置外部から該自動分析装置稼働中に試薬容器の収納および/または排出を可能とすることを特徴とする請求項9に記載の試薬補充装置。
【請求項11】
前記搬送装置は、独立して回動する2本の駆動アームを備え、支持手段を介して該駆動アームに個々に支持された把持手段が前記予備試薬庫から前記試薬庫への試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への試薬容器の搬送を分担して行なうことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の試薬補充装置。
【請求項12】
前記把持手段は、搬送する試薬容器の試薬分注口の内側または外側を把持することを特徴とする請求項11に記載の試薬補充装置。
【請求項13】
前記搬送装置は、基準位置に対して同じ位置に設けられた試薬容器の試薬分注口を、前記把持手段により把持して内容量が異なる前記複数の試薬容器を個々に把持して搬送することを特徴とする請求項7〜12のいずれか一つに記載の試薬補充装置。
【請求項14】
検体と試薬とを反応させ、反応物を光学的に分析する自動分析装置の試薬オートローディング方法であって、
試薬庫に収納される試薬容器内の試薬残量を確認し、試薬交換が必要か否か判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて試薬の交換が必要と判定された場合、前記試薬庫および前記試薬庫に隣接配置される予備試薬庫内の試薬トレイを回動して、前記試薬庫から排出する空の試薬容器と前記予備試薬庫から補充交換する試薬容器とを所定位置にそれぞれ搬送する搬送ステップと、
搬送装置を用いて、前記予備試薬庫から前記試薬庫への補充交換用の試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への空の試薬容器の搬送を同時に行なう試薬容器交換ステップと、
を含むことを特徴とする試薬オートローディング方法。
【請求項15】
前記予備試薬庫は、前記試薬庫に隣接配置されることを特徴とする請求項14に記載の試薬オートローディング方法。
【請求項16】
前記予備試薬庫は、前記搬送装置による試薬容器の搬入・搬出用の開閉可能な開口部を有する蓋部を備えることを特徴とする請求項14または15に記載の試薬オートローディング方法。
【請求項17】
前記蓋部は、前記開口部とは別に、試薬容器の収納および/または排出を行なう開閉部を備え、該開閉部は、前記自動分析装置の外部カバーの一部であって、該自動分析装置稼動中に前記自動分析装置外部から試薬容器の収納および/または排出をする試薬容器補充ステップを含むことを特徴とする請求項16に記載の試薬オートローディング方法。
【請求項18】
前記試薬容器交換ステップは、前記搬送装置が、独立して回動する2本の駆動アームを備え、支持手段を介して該駆動アームに個々に支持された把持手段が前記予備試薬庫から前記試薬庫への試薬容器の搬送と、前記試薬庫から前記予備試薬庫への試薬容器の搬送を分担して行なうことを特徴とする請求項14〜17のいずれか一つに記載の試薬オートローディング方法。
【請求項19】
前記把持手段は、搬送する試薬容器の試薬分注口の内側または外側を把持することを特徴とする請求項18に記載の試薬オートローディング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−85249(P2010−85249A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254680(P2008−254680)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】