説明

自動分析装置およびプローブ洗浄方法

【課題】プローブの外側洗浄を適量かつ効果的に行なうことのできる自動分析装置を提供すること。
【解決手段】上層と下層との二層に分離した液体を収容した検体容器21a内から、いずれか一方の液体を吸引するプローブを有する自動分析装置1において、検体容器21aに収容された液体の液面を検出する液面検出手段と、液面検出手段が検出した液面の情報をもとに検体プローブ22d,22eに所望の液体の吸引を行わせる分注制御部38と、検体プローブ22d,22eの洗浄を行なうプローブ洗浄部28,29と、所望の液体吸引時における検体プローブ22d,22eの移動に伴うプローブの各層に対する浸漬量と各層の洗浄難度とをもとに、プローブ洗浄部28,29による洗浄能力を調節する洗浄制御部37と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応容器に収容された検体と試薬との反応物を測定して検体の分析処理を行う自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿などの検体を分析する自動分析装置では、先に分注した検体が分注プローブに付着したまま次に分注する検体に持ち越されることで、分析結果に影響を及ぼすキャリーオーバーを回避するため、分注プローブを洗浄するプローブ洗浄部を備えている。このプローブ洗浄部は、検体を吸引する位置と検体を吐出する位置との間の分注プローブの移動軌跡の途中に配置され、分注プローブに対して洗浄液を供給するように構成されている。また、分析の精度の向上のため、サンプリング回数またはサンプリング量によって、洗浄回数または洗浄時間のどちらか一方を変更して洗浄する洗浄方法が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−225608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上層に血漿または血清、下層に血球と2層に分かれた検体容器中の血球を吸引する場合、プローブが上層の血漿または血清内を通過して血球の吸引を行なうため、サンプリング回数またはサンプリング量による洗浄制御では、血漿量または血清量によって変わるプローブ外側の汚れの度合いまたは範囲を判断できず、洗浄液を過剰に使用する、または洗浄力が不足するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プローブの外側洗浄を適量かつ効果的に行なうことのできる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる自動分析装置は、上層と下層との二層に分離した液体を収容した容器内から、いずれか一方の液体を吸引して反応容器に吐出する分注プローブを有する自動分析装置において、前記容器に収容された前記上層および/または下層の液面を検出する液面検出手段と、前記液面検出手段が検出した液面の情報をもとに前記分注プローブに所望の前記液体の吸引を行わせる分注制御手段と、前記分注プローブの洗浄を行なうプローブ洗浄手段と、前記所望の液体吸引時における前記分注プローブの移動に伴う該分注プローブの各層に対する浸漬量と各層の洗浄難度とをもとに、前記プローブ洗浄手段による洗浄能力を調節する洗浄制御手段と、を備えたこと特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記洗浄制御手段は、前記プローブ洗浄手段に供給される洗浄液の流量を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記洗浄制御手段は、前記プローブ洗浄手段による洗浄時間を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記洗浄制御手段は、洗浄力の異なる洗浄液を前記プローブ洗浄手段に切替供給することによって前記洗浄能力を調節することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記上層は、前記下層に比して洗浄難度が高く、前記洗浄制御手段は、前記下層の液体を吸引する場合、前記上層の液体を吸引する場合に比して高い洗浄能力で前記分注プローブを洗浄させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記上層は、血漿又は血清であり、前記下層は、血球であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上層と下層との二層に分離した液体の少なくとも一方の液面を検出し、この液面検出結果をもとに、いずれか一方の液体を吸引して反応容器に吐出する分注プローブを有する自動分析装置のプローブ洗浄方法において、前記液面検出結果をもとに前記分注プローブを移動させて所望の層の液体を吸引して前記反応容器に分注する分注ステップと、前記所望の層の液体吸引時における前記分注プローブの移動に伴う該分注プローブの各層に対する浸漬量と各層の洗浄難度とをもとに、プローブの洗浄能力を調節して分注後の前記分注プローブを洗浄する洗浄ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるプローブ洗浄方法は、上記の発明において、前記洗浄ステップは、供給される洗浄液の流量を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるプローブ洗浄方法は、上記の発明において、前記洗浄ステップは、洗浄時間を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかるプローブ洗浄方法は、上記の発明において、前記洗浄ステップは、洗浄力の異なる洗浄液を切替供給することによって前記洗浄能力を調節することを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかるプローブ洗浄方法は、上記の発明において、前記上層は、前記下層に比して洗浄難度が高く、前記洗浄ステップは、前記下層の液体を吸引する場合、前記上層の液体を吸引する場合に比して高い洗浄能力で前記分注プローブを洗浄させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかるプローブ洗浄方法は、上記の発明において、前記上層は、血漿又は血清であり、前記下層は、血球であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プローブ洗浄部に供給する洗浄液の液量または供給時間を、検体の洗浄難度に応じて調節するようにしたので、プローブの外側洗浄を適量かつ効果的に行なうことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0020】
図1は、本実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる自動分析装置1は、分析対象である検体および試薬を、マイクロプレート10の所定のウェルW(反応容器)にそれぞれ分注し、ウェルW内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定機構2における測定結果の分析を行う制御機構3とを備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の免疫学的な分析を自動的に行う。なお、マイクロプレート10は、アクリル等の透明な材料によって構成したプレートで、その表面に開口したウェルWと称する孔を多数有する。ウェルWは、検体を収容するもので傾斜面が形成された孔であり、マイクロプレート10の表面にマトリクス状に配列されている。
【0021】
測定機構2は、大別してプレート搬送レーン20、検体移送部21、検体分注機構22、試薬移送部23、試薬分注機構24、反応促進部25、測光部26およびプレート回収部27を備える。また、制御機構3は、制御部31、入力部32、分析部33、記憶部34、送受信部35および出力部36を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0022】
プレート搬送レーン20は、マイクロプレート10における各ウェルWへの検体や試薬の分注、ウェルW内の液体の反応促進および測光を行うためにマイクロプレート10を所定の位置まで搬送する。このプレート搬送レーン20は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、たとえば図1中の矢印に示すように左方向にマイクロプレート10を搬送する。
【0023】
検体移送部21は、検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック21bを備える。検体容器21aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液に抗凝固剤を加え遠心分離を行い、上澄み液となる血漿と堆積物となる血球(赤血球)粒子とに分離したものである。検体移送部21上の所定位置に移送された検体容器21a内の検体は、検体分注機構22によって、プレート搬送レーン20上に配列して搬送されるマイクロプレート10の所定のウェルWに分注される。
【0024】
検体容器21aの側面部には、検体容器21aに収容された検体に関する検体情報が記録された記録媒体が付されている。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。検体情報は、たとえば、検体を提供した患者の氏名、性別、年齢、分析項目などがある。
【0025】
検体移送部21の対応箇所には、この記録媒体を光学的に読み取る検体読取部21cが設けられている。検体読取部21cは、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、検体読取部21cは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。検体読取部21cは、この検体読取部21cの前を通過する際に、検体容器21aに付された記録媒体の情報を読み取る。
【0026】
検体分注機構22は、検体の吸引および吐出を行う検体プローブ22d,22eが先端部に取り付けられたアーム22aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注機構22は、上述した検体移送部21上の所定位置に移送された検体容器21aの中から検体プローブ22d,22eによって検体を吸引し、アーム22aを図中、上下方向に移動させ、各ウェルWに検体を吐出して分注を行う。なお、検体プローブ22d,22eは、検体容器21a内の血清または血球粒子を吸引および吐出する。
【0027】
試薬移送部23は、マイクロプレート10中における各ウェルWに分注される試薬がそれぞれ収容された試薬セット23aを試薬分注機構24による試薬吸引位置まで移送する。試薬セット23aには、各種の分析項目に応じて所要の試薬がそれぞれ所定量収容され、1セットの試薬セット23aに含まれる各試薬は、所定回数の分注に対応する場合のほか、一度の分注に対応する場合もある。試薬移送部23は、所定回数の分注処理が終了した試薬セット23aを回収し、次に分注対象となる試薬セット23aを試薬吸引位置まで移送する。
【0028】
試薬セット23aの側面部には、試薬セット23aに収容された各試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。試薬移送部23の対応箇所には、この記録媒体を光学的に読み取る試薬読取部23bが設けられている。試薬読取部23bは、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、試薬読取部23bは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。
【0029】
試薬分注機構24は、試薬の吸引および吐出を行うプローブが先端部に取り付けられたアーム24aを備える。アーム24aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。試薬分注機構24は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。試薬分注機構24は、試薬移送部23上の所定位置に移動された試薬セット23a内の試薬を対応する各プローブによって吸引し、アーム24aを図中反時計回りに旋回させ、プレート搬送レーン20上の所定位置に搬送されたマイクロプレート10の各ウェルWに対応する各試薬を吐出して分注を行う。
【0030】
反応促進部25は、マイクロプレート10に分注された検体および試薬の反応を促進し、抗原抗体反応を行わせ、マイクロプレート10の各ウェルW底面に凝集パターンを形成させる。反応促進部25は、たとえば、マイクロプレート10を振動させてウェルW内の検体および試薬を攪拌する。また、反応促進部25は、たとえば、分析方法の内容に対応させた所定時間の間、マイクロプレート10を静置し、血球粒子の自然沈降などを促進する。また、反応促進部25は、たとえば、所定の磁場を印加することによってウェルW内に存在する微粒子を操作する。
【0031】
測光部26は、反応促進部25において形成された凝集パターンを測光検出する。測光部26は、たとえばCCDカメラによって構成され、マイクロプレート10の各ウェルWを上方から撮像し、各ウェルWに形成された凝集パターンを撮像した画像情報を出力する。また、測光部26は、マイクロプレート10の各ウェルWに所定の光を照射する発光部と各ウェルW内の検液に発生する光を受光する受光部とを備え、検液に発生した光の輝度を測光結果として出力してもよい。
【0032】
プレート回収部27は、測光部26による測光処理が終了したマイクロプレート10を回収する。回収されたマイクロプレート10は、図示しない洗浄部によって、各ウェルWの混合液の吸引および排出、洗浄液の注入および吸引によって洗浄される。洗浄されたマイクロプレート10は再利用される。なお、検査内容によっては1回の測定終了後にマイクロプレート10が廃棄される場合もある。
【0033】
プローブ洗浄部28,29は、アーム22aの検体プローブ22d,22eの軌跡上に配置され、検体プローブのプローブ内側とプローブ外側との洗浄を行う。
【0034】
つぎに、制御機構3について説明する。制御部31は、CPU等を用いて構成され、自動分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行う。また、制御部31は、洗浄制御部37と分注制御部38とを有する。洗浄制御部37は、検体プローブ22d,22eのプローブ洗浄を行うプローブ洗浄部28,29の制御を行い、分注制御部38は、検体分注機構22または試薬分注機構24の吸引・吐出にかかる分注制御を行なう。
【0035】
入力部32は、キーボード、マウス、マイクロフォン等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、分析部33が生成した分析情報を含む諸情報を出力する。
【0036】
分析部33は、測光部26によって測定された測光結果をもとに抗原抗体反応を分析する。なお、分析部33は、測光部26が画像情報を出力する場合、測光部26によって出力された画像情報を処理し、検体の輝度に応じた測光値を取得する。また、分析部33は、凝集反応の陰性、陽性の判定に用いる、SPC(中心部の像のエッジの明りょうさ)、P(周辺部の明るさ)、C(中心部の明るさ)、LIA(中心部の像の面積)等のパラメータを算出し、記憶されているSPC,P,C,LIAの各パラメータの閾値と比較する。なお、SPC,P,Cのパラメータは、0〜99の値で求められ、LIAのパラメータは0〜999の値で求められる。算出したパラメータの数値と、パラメータの閾値とを比較して、検査項目ごとに+(陽性)、−(陰性)、不明(陽性と陰性の間であってどちらとも判定できない場合)に判定可能である。
【0037】
記憶部34は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成される。記憶部34は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。送受信部35は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行うインターフェースとしての機能を有する。
【0038】
以上のように構成された自動分析装置1では、順次搬送される複数のマイクロプレート10に対して、検体分注機構22が検体容器21a中の検体を分注し、試薬分注機構24が試薬セット23a中の各試薬を分注した後、測光部26が検体と試薬とを反応させた状態の検体の輝度測定を行い、この測定結果を分析部33が分析することで、検体の抗原抗体反応分析等が自動的に行われる。
【0039】
ここで、検体分注機構22が検体容器21aから検体を分注する機構について、図2を参照して説明する。図2は、検体分注機構22と検体容器21aとを模式的に示す模式図である。検体分注機構22は、昇降モータ41によって昇降駆動される柱状の支柱22bと、モータ42の動力によって図中矢印方向に伸縮自在なアーム22aとを備える。このアーム22aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう検体プローブ22d,22eが取り付けられている。アーム22aが昇降することによって、アーム22a先端の検体プローブ22d,22eも昇降することとなる。検体プローブ22d,22e先端には、検体容器21a内の検体の液面高さを検出する液面検出器22f,22gが設けられている。この液面検出器22f,22gは、液面に接触することによって静電容量またはノズルに加わる圧力値が変化することを利用して、検体プローブ22d,22e先端が検体の液面に接触したか否かを検出し、検出結果を制御部31に出力する。制御部31は、検出結果を分注制御部38に送信し、分注制御部38は、検出結果をもとに、昇降モータ41を駆動させる。また、検体容器21a内には血漿BPと血球BCとに分離された検体が収容され、液面検出器22fは、血漿BPの液面と、血球BCの液面とを検出する。
【0040】
なお、支柱22bは、下部側面に歯部22cを有する。歯部22cは、昇降モータ41に接続されたギア41aと歯合することによって、支柱22bを昇降駆動させる。また、モータ42の駆動による動力が支柱22b内で水平方向に変換され、アーム22aを伸縮駆動させる。昇降モータ41およびモータ42は、パルスモータであることが好ましく、分注制御部38は、昇降モータ41およびモータ42からパルス数を得ることで、検体プローブ22dの移動量を把握する。分注制御部38は各モータから得たパルス数を分析部33に送信し、分析部33が、得られたパルス数をもとに、検体プローブ22dが血漿BP及び血球BCに浸漬した各浸漬量を演算する。得られた浸漬量は、分析部33から記憶部34へ送信され、記憶される。
【0041】
つぎに、検体プローブ22dの洗浄について、図3を参照して説明する。図3は、検体プローブ22dの洗浄機構を示す模式図である。図3に示すように、プローブ洗浄部29は、上部に開口部をもつ略円柱状の液受け容器29aと、液受け容器29a内部に設けられた上部に開口部をもつ略円柱状であって、検体プローブ22dを収容してプローブの洗浄を行なうプローブ洗浄容器29bとを有する。また、液受け容器29aは、底部に廃液タンク29gと連結された廃液管29cを設け、液受け容器29aに入り込んだ洗浄液等が排出される。プローブ洗浄容器29bは、底部に廃液管29cと連結された廃液管29dが設けられ、廃液管29dは、洗浄制御部37のよる電磁弁29eの開閉によって、廃液が制御される。プローブ洗浄容器29b側面には、液受け容器29aを貫通してプローブ洗浄容器29bに連結される洗浄液供給管29fが設けられ、この洗浄液供給管を介して洗浄液若しくは水がプローブ洗浄容器29b内に送り込まれる。
【0042】
また、洗浄液供給管29fの他方端部は、三方弁51と連結されており、三方弁51は、配管52aと配管52bとを接続している。また、配管52a,52bの他方端部は、洗浄液タンク54、水タンク55内部に接続され、配管52a,52bに設けられたポンプ53a,53bによって洗浄液タンク54および水タンク55内の液体を送り出す。洗浄制御部37は、適宜三方弁51の切り替えを行い、プローブ洗浄容器29b内に供給する液体を変更する。なお、洗浄液タンク54には、プローブ洗浄用の洗浄液が収容され、水タンク55には洗浄用または濯ぎ用の水が収容される。
【0043】
ここで、洗浄制御部37が行うプローブ洗浄処理を、図4を用いて説明する。図4は、プローブ洗浄処理を示すフローチャートである。先ず、洗浄制御部37は、制御部31から洗浄指示を受けると、電磁弁29eが閉鎖されているか否かを確認する。電磁弁29eが閉鎖されている場合(ステップS102:Yes)、洗浄制御部37は、ステップS106へ移行して記憶部34から使用した検体の洗浄難度とプローブが検体中に浸漬した浸漬量との情報を取得する。また、ステップS102において、電磁弁29eが閉鎖されていない場合(ステップS102:No)、洗浄制御部37は、ステップS104に移行して電磁弁29eを閉鎖して、ステップS106に移行する。洗浄制御部37は、記憶部34から洗浄難度と浸漬量情報とを取得すると、洗浄難度と浸漬量情報とをもとに、洗浄能力の決定を行なう(ステップS108)。その後、洗浄制御部37は、三方弁51の切替処理を行い、洗浄液タンク54からの液の供給を行なう(ステップS110)。洗浄制御部37は、洗浄能力に対応してプローブ洗浄容器29b内に供給する洗浄液量を制御して、プローブの洗浄を行なう(ステップS112)。プローブ洗浄処理が終了すると、洗浄制御部37は、電磁弁29eを開放して、プローブ洗浄容器29b内に貯留されている洗浄液の廃棄処理を行う(ステップS114)。洗浄制御部37は、洗浄液の廃棄完了の旨の情報を受けると(ステップS116:Yes)、電磁弁29eを閉鎖し(ステップS118)、水タンク55側に三方弁51を切り替える(ステップS120)。その後、洗浄制御部37は、水タンク55内の水をプローブ洗浄容器29b内に供給して、プローブの濯ぎ処理を行い(ステップS122)、所定時間の水を供給後、電磁弁29eを開放して、水の廃棄を行なう(ステップS124)。上述した処理を洗浄制御部37が行うことによってプローブの洗浄を行なう。
【0044】
なお、ステップS116において、洗浄液の廃棄が完了していない場合(ステップS116:No)、洗浄制御部37は、完了したか否かの判断を繰り返す。ここで、洗浄液が廃棄されたか否かの判断は、液面検出器22fによる液面情報から判断してもよく、プローブ洗浄容器29b底部に液位センサを設けて、液位センサによる液位情報によって洗浄液が廃棄されたか否かの判断を行ってもよい。
【0045】
また、洗浄制御部37は、図4に示すステップS108において、検体を吸引した際に検体プローブ22dが検体に浸った範囲と、検体の洗浄難度とをもとに洗浄能力を決定する。図5は、検体プローブ22dと検体容器21aとを示す模式図である。上述したように、検体プローブ22dが検体を吸引する場合、液面検出器22fの情報をもとに分注制御部38がアームを移動させて検体の吸引を行なう。ここで、検体容器21a内に血漿BPと血球BCとが、上層と下層とに分離し、検体プローブ22dが血漿BPを吸引する場合、分注制御部38は、検体プローブ22dを浸漬領域EA内まで下降させて、血漿BPの吸引を行なう。このときの検体プローブ22dの浸漬量は、浸漬領域EAで示す範囲となり、洗浄制御部37は、浸漬領域EAと血漿BPの洗浄難度とをもとに洗浄能力の決定を行う。ここで、洗浄能力に対応する洗浄液の流量の調節は、洗浄制御部37が図3に示した三方弁51を制御することによって、プローブ洗浄容器29b内に供給する洗浄液の流量を制御して検体プローブ22dの洗浄を行なう。洗浄難度は、各液体に設定された洗浄の難易度を示し、値が大きいほど洗浄の困難性が高くなっていることを示す。なお、ポンプ53aを用いて流量の制御を行なってもよい。
【0046】
一方、血球BCを吸引する場合、分注制御部38は、検体プローブ22dを浸漬領域ECまで下降させて血球BCの吸引を行なう。この場合、検体プローブ22dの浸漬量は、浸漬領域ECと、浸漬領域EA,EBとの和となる。また、浸漬領域EAと浸漬領域EBとの和は、血漿BPに対応した浸漬領域を示し、洗浄制御部37は、浸漬領域(EA+EB)と、血球BCの浸漬領域を示す浸漬領域ECとをもとに洗浄能力の決定を行う。ここで、血漿BPが血球BCと比して洗浄難度が高い場合、洗浄制御部37は、血漿BPの浸漬量を示す浸漬領域(EA+EB)を加味した洗浄能力の決定を行う。
【0047】
また、浸漬量と洗浄能力との関係を、図6を用いて説明する。図6は、浸漬量と洗浄能力との関係を示すグラフである。図6は、上層の液体が下層の液体に比して洗浄難度が高い場合のグラフであり、点Xにおいて検体プローブの浸漬が上層から下層に移行していることを示している。また、直線WLaの傾きは、上層の液体の洗浄難度を示し、直線WLbの傾きは、下層の液体の洗浄難度を示している。洗浄制御部37は、上述した浸漬量をもとに、対応する洗浄能力直線WL0上の値を読むことによって洗浄能力を決定する。ここで、洗浄制御部37は、得られた洗浄難度と直線WLaおよび直線WLbの傾きが一致しているか否かを確認する。洗浄難度と傾きとの確認によって、より精度の高い洗浄を行なうことを可能とする。
【0048】
つぎに、図6に示すグラフから求められた洗浄能力に対応するプローブ洗浄容器29b内に供給する洗浄液の流量について、図7を参照して説明する。図7は、洗浄能力と洗浄液の流量との関係を示すグラフである。洗浄制御部37は、図6に示すグラフから求められた洗浄能力に対応した流量直線WL1上の値を読むことによって、使用する洗浄液の流量を求めることができる。なお、洗浄能力がほぼゼロに近い値であったとしても、図3のプローブ洗浄機構に示すように、プローブ洗浄容器29b底部と検体プローブ22d先端との間には若干の空間が存在するため、グラフ上の切片にある程度の流量を付加しておくことが好ましい。
【0049】
ここで、プローブ洗浄部29における検体プローブ22dのプローブの内側洗浄について、図8を参照して説明する。図8は、アーム22aとプローブ洗浄部29とを示す模式図である。図8において、アーム22aの設置された検体プローブは、破線で示す軌跡L上を移動する。プローブ洗浄部29は、この軌跡Lが通過する軌跡上に配置され、検体プローブの外側洗浄は、プローブ洗浄容器29b内の、例えば洗浄ポイントC1において行われる。また、検体プローブの内側洗浄は、洗浄用の水または洗浄液が、アーム22a内部から図示しない配管を経由して検体プローブに送液され、検体プローブが水または洗浄液を吐出することでプローブの内部洗浄が行われる。なお、内部洗浄における水または洗浄液の吐出液中には洗浄されたプローブ内部の残留検体が含まれており、吐出液をプローブ洗浄容器29b内に吐出すると、残留検体によってプローブの外部洗浄の洗浄精度が低下してしまうおそれがあるため、吐出液は、液受け容器29a内の、例えば洗浄ポイントW1またはW2に吐出することが好ましい。プローブの外部洗浄と内部洗浄との洗浄ポイントを分けることによって、プローブ洗浄の精度を向上させることができる。
【0050】
また、プローブの洗浄は、汚れの度合いにより水のみでの洗浄を行ってもよい。図9は、洗浄能力と、水または洗浄液の流量との関係を示すグラフである。図9において、流量直線WL2は、洗浄能力に対応した水の流量を示し、流量直線WL3は、洗浄能力に対応した洗浄液の流量を示している。洗浄制御部37は、図6に示すグラフから求められた洗浄能力をもとに、水または洗浄液の流量を確認する。なお、水の流量直線WL2と洗浄液の流量直線WL3とが交わっている洗浄能力A1〜A2の範囲では、対応する水の流量でも洗浄可能となるが、通常、洗浄液を用いた洗浄を行い、予備的な対応として水を使用することが好ましい。
【0051】
ここで、図3に示す検体プローブ洗浄機構の変形例1を、図10を用いて説明する。図10は、図3に示す検体プローブ洗浄機構の変形例1を示す模式図である。図10に示す洗浄制御部67は、三方弁51の開閉を時間で制御して検体プローブ22dの洗浄を行う。図4に示すフローチャートのステップS112のプローブ洗浄処理において、洗浄制御部67は、三方弁51の開放を時間によって制御する。洗浄難度が高く、浸漬量が多いほど、開放時間を長くして洗浄を行なう。
【0052】
また、プローブ洗浄容器29b内に供給する洗浄液の供給時間は、図11に示すグラフから求めることができる。図11は、洗浄能力と洗浄液の供給時間との関係を示すグラフである。図7に示したグラフと同様に、洗浄制御部67が、図6に示すグラフから求められた洗浄能力をもとに、対応する供給時間直線WL4上の値を読むことによって供給時間を確認する。なお、供給時間を制御するプローブ洗浄においては、洗浄液の流量は一定の流量に設定される。また、図9に示したグラフのように、水の供給時間直線を作成して、水と洗浄液とを洗浄に用いてもよい。さらに、洗浄時間を予め設定し、図11によって決定された洗浄液の供給時間と洗浄時間との差から得られる残時間を水による洗浄時間としてもよい。たとえば、洗浄時間を500msとし、洗浄液の供給時間が200msである場合、残りの300msを水による洗浄時間としてもよい。
【0053】
さらに、図3に示す検体プローブ洗浄機構の変形例2を、図12を用いて説明する。図12は、図3に示す検体プローブの洗浄機構の変形例2を示す模式図である。図12に示す検体プローブ洗浄機構は、第1洗浄液タンク54aと第2洗浄液タンク54bとを設け、第1洗浄液タンク54aと第2洗浄液タンク54bとは、内部に設置された配管52c,52dからポンプ52a,52cによってプローブ洗浄容器29bに洗浄液を供給する。洗浄制御部77は、三方弁51aを制御して洗浄液および水を切り替えるとともに、三方弁51bを制御して第1洗浄液タンク54aおよび第2洗浄液タンク54bに収容された洗浄液の供給を制御する。なお、第1洗浄液タンク54aに通常使用する洗浄液を収容し、第2洗浄液タンク54bに、第1洗浄液タンク54aに収容した洗浄液と同種類であって、高濃度に調製した洗浄液を収容して、検体の洗浄難度によって三方弁51bを切り替えてプローブの洗浄を行ってもよく、第2洗浄液タンク54bに種類の異なる洗浄液を収容してもよい。また、第1洗浄液タンク54a、第2洗浄液タンク54bに同種類、同一濃度の洗浄液を収容して、第2洗浄液タンク54bを予備の洗浄液タンクとして用いてもよい。
【0054】
また、変形例2にかかるプローブ洗浄容器29b内に供給する洗浄液の流量について、図13を参照して説明する。図13は、変形例2にかかる洗浄能力と洗浄液の流量との関係を示すグラフである。図13は、図12に示す第2洗浄液タンク54bに収容された洗浄液が、第1洗浄液タンク54aに収容された洗浄液と同種類であって、第1洗浄液タンク54aの洗浄液と比して高濃度の洗浄液である場合であり、流量直線WL5は、第一洗浄液タンク54aに収容された洗浄液の流量直線を示し、流量直線WL6は、第2洗浄液タンク54bに収容された洗浄液の流量直線を示している。洗浄制御部77は、図6に示すグラフから得られた洗浄能力をもとに、図13に示すグラフを参照して使用する洗浄液タンクと洗浄液の流量を確認する。なお、流量直線WL5と流量直線WL6とが交わっている洗浄能力A3〜A4の範囲では、対応する第1洗浄液タンク54aに収容された洗浄液の流量でも洗浄可能となるが、通常、第2洗浄液タンク54bに収容された洗浄液を用いた洗浄を行い、予備的な対応として第1洗浄液タンク54aに収容された洗浄液を使用することが好ましい。
【0055】
ここで、洗浄制御部77は、図11に示すグラフのように、洗浄液の供給時間で制御してもよい。また、図13に示すような複数の濃度の洗浄液を有する、洗浄能力と洗浄液供給時間と関係を示すグラフを、単位時間当たりの流量毎に作成し、洗浄制御部77は、流量の選択と供給時間の確認と組み合わせてプローブの洗浄を行なってもよい。
【0056】
なお、通常の分析において、通常洗浄として、水タンク55の洗浄水を用いて検体プローブ22dを洗浄し、所定回の分注経過時に洗浄液を用いた洗浄を特別洗浄として行ってもよい。このとき、洗浄制御部は、前回の特別洗浄直後の分注を行ったときの検体プローブ22dの浸漬量をもとに、洗浄液洗浄を行う。前回の特別洗浄直後の分注時の浸漬量を用いることで、より確実に検体プローブ22dのプローブ汚れを除去することが可能となる。
【0057】
また、プローブ洗浄部を、図1に示す試薬分注機構24に設けて、試薬を吸引するプローブの洗浄を行ってもよい。使用する試薬の種類が複数ある場合においても、洗浄制御部による三方弁の切り替えによって、プローブの洗浄に対応可能となる。
【0058】
なお、上述した実施の形態において、検体プローブ22eにおいても同様の構成によって、プローブ洗浄部28が検体プローブ22eの洗浄を行なう。また、検体プローブは複数本備えてもよく、1本のみでもよい。このとき、検体プローブの本数に合わせてプローブ洗浄部を設けることが好ましい。
【0059】
本実施の形態にかかる自動分析装置においては、検体プローブの浸漬量からプローブ外側の洗浄能力を調節するため、プローブ外側の汚れた部位に対する洗浄をより確実に行なうことができる。また、洗浄液または水によるプローブの洗浄の選択や洗浄液の濃度を変更して洗浄できるため、分析処理にかかる処理時間の増大を抑制し、かつプローブの洗浄精度を保つことが可能となる。
【0060】
なお、上述した実施の形態に限らず、たとえば、検体の免疫学的または生化学的な分析を行う自動分析装置に対して適用することも可能である。すなわち、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す検体分注機構と検体容器とを模式的に示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる検体プローブの洗浄機構を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるプローブ洗浄処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態にかかる検体プローブと検体容器とを示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる浸漬量と洗浄能力との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態にかかる洗浄能力と洗浄液の流量との関係を示すグラフである。
【図8】図1に示すアームとプローブ洗浄部とを示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかる洗浄能力と水または洗浄液の流量との関係を示すグラフである。
【図10】図3に示す検体プローブの洗浄機構の変形例1を示す模式図である。
【図11】変形例1にかかる洗浄能力と洗浄液の供給時間との関係を示すグラフである。
【図12】図3に示す検体プローブの洗浄機構の変形例2を示す模式図である。
【図13】変形例2にかかる洗浄能力と洗浄液の流量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0062】
1 自動分析装置
2 測定機構
3 制御機構
10 マイクロプレート
20 プレート搬送レーン
21 検体移送部
21a 検体容器
21b 検体ラック
21c 検体読取部
22 検体分注機構
22a,24a アーム
22b 支柱
22c 歯部
22d,22e 検体プローブ
22f,22g 液面検出器
23 試薬移送部
23a 試薬セット
23b 試薬読取部
24 試薬分注機構
25 反応促進部
26 測光部
27 プレート回収部
28,29 プローブ洗浄部
29a 液受け容器
29b プローブ洗浄容器
29c,29d 廃液管
29e 電磁弁
29f 洗浄液供給管
29g 廃液タンク
31 制御部
32 入力部
33 分析部
34 記憶部
35 送受信部
36 出力部
37,67,77 洗浄制御部
38 分注制御部
41 昇降モータ
41a ギア
42 モータ
51,51a,51b 三方弁
52a〜52d 配管
53a〜53c ポンプ
54 洗浄液タンク
54a 第1洗浄液タンク
54b 第2洗浄液タンク
55 水タンク
A1〜A4 洗浄能力
BC 血球
BP 血漿
C1,W1,W2 洗浄ポイント
EA,EB,EC 浸漬領域
L 軌跡
W ウェル
WL0 洗浄能力直線
WL1〜WL3,WL5,WL6 流量直線
WL4 供給時間直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上層と下層との二層に分離した液体を収容した容器内から、いずれか一方の液体を吸引して反応容器に吐出する分注プローブを有する自動分析装置において、
前記容器に収容された前記上層および/または下層の液面を検出する液面検出手段と、
前記液面検出手段が検出した液面の情報をもとに前記分注プローブに所望の前記液体の吸引を行わせる分注制御手段と、
前記分注プローブの洗浄を行なうプローブ洗浄手段と、
前記所望の液体吸引時における前記分注プローブの移動に伴う該分注プローブの各層に対する浸漬量と各層の洗浄難度とをもとに、前記プローブ洗浄手段による洗浄能力を調節する洗浄制御手段と、
を備えたこと特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記洗浄制御手段は、前記プローブ洗浄手段に供給される洗浄液の流量を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記洗浄制御手段は、前記プローブ洗浄手段による洗浄時間を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記洗浄制御手段は、洗浄力の異なる洗浄液を前記プローブ洗浄手段に切替供給することによって前記洗浄能力を調節することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記上層は、前記下層に比して洗浄難度が高く、
前記洗浄制御手段は、前記下層の液体を吸引する場合、前記上層の液体を吸引する場合に比して高い洗浄能力で前記分注プローブを洗浄させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記上層は、血漿又は血清であり、前記下層は、血球であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
上層と下層との二層に分離した液体の少なくとも一方の液面を検出し、この液面検出結果をもとに、いずれか一方の液体を吸引して反応容器に吐出する分注プローブを有する自動分析装置のプローブ洗浄方法において、
前記液面検出結果をもとに前記分注プローブを移動させて所望の層の液体を吸引して前記反応容器に分注する分注ステップと、
前記所望の層の液体吸引時における前記分注プローブの移動に伴う該分注プローブの各層に対する浸漬量と各層の洗浄難度とをもとに、プローブの洗浄能力を調節して分注後の前記分注プローブを洗浄する洗浄ステップと、
を含むことを特徴とするプローブ洗浄方法。
【請求項8】
前記洗浄ステップは、供給される洗浄液の流量を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする請求項7に記載のプローブ洗浄方法。
【請求項9】
前記洗浄ステップは、洗浄時間を変化させて前記洗浄能力を調節することを特徴とする請求項7または8に記載のプローブ洗浄方法。
【請求項10】
前記洗浄ステップは、洗浄力の異なる洗浄液を切替供給することによって前記洗浄能力を調節することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載のプローブ洗浄方法。
【請求項11】
前記上層は、前記下層に比して洗浄難度が高く、
前記洗浄ステップは、前記下層の液体を吸引する場合、前記上層の液体を吸引する場合に比して高い洗浄能力で前記分注プローブを洗浄させることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載のプローブ洗浄方法。
【請求項12】
前記上層は、血漿又は血清であり、前記下層は、血球であることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一つに記載のプローブ洗浄方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−210596(P2010−210596A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60180(P2009−60180)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】