説明

自動分析装置および測定方法

【課題】簡易な構成で複数項目の分析処理を行うことが可能な自動分析装置および測定方法を提供すること。
【解決手段】検体と試薬との反応を光学的に測定して検体の分析処理を行う自動分析装置1において、測定対象の標識物質を結合した磁性粒子Bを含む流体を収容した反応容器12内から磁性粒子Bを集磁して保持する磁性体を配置した集磁部材24を有し、磁性粒子Bを反応容器12の外部に取り出す磁性粒子取出部2と、磁性粒子取出部2によって反応容器12の外部に取り出された磁性粒子Bに結合した標識物質の光学測定を行なう磁性粒子測定部10と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と磁性粒子を含む試薬との反応物の光学的特性を測定して検体の分析処理を行う自動分析装置および測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、検査室の省力化の流れに伴い、生化学的分析装置に各種の免疫学的分析項目に対応するモジュールを搭載した生化学分析および免疫学的分析の統合装置や、自動分析装置に生化学的分析用モジュールおよび免疫学的分析用モジュールを組み込んだ複合装置が開発されている。
【0003】
さらに、濁度メータ、比濁メータ等の検出器を一つの分析ユニット内に備え、複数項目の分析処理を1つのシステムで行うことが可能な自動分析装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−536500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す自動分析装置は、各測定項目に対してそれぞれの項目に対応する反応容器を用いる必要があった。そのため、複数の種類の反応容器を配置しなければならず、装置構成が複雑化していた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で複数項目の分析処理を行うことが可能な自動分析装置および測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測定対象の磁性粒子を含む流体を収容した反応容器内から前記磁性粒子を集磁して保持する磁性体を配置した集磁部材を有し、前記磁性粒子を前記反応容器外に取り出す磁性粒子取出部と、前記磁性粒子取出部によって前記反応容器外に取り出された前記磁性粒子に結合した標識物質の光学測定を行なう磁性粒子測定部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記磁性体は、永久磁石であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記磁性体は、電磁石であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記集磁部材は、前記磁性体を覆う被覆部材であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記磁性体は、前記被覆部材内を移動可能であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記被覆部材は、前記磁性体に対して脱着可能であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、検体と試薬との反応を光学的に測定して前記検体の分析処理を行う自動分析装置において、第1の分析処理のための前記検体および前記試薬、または第2の分析処理のための前記検体および磁性粒子を含む前記試薬を収容可能な複数の同一の反応容器を保持する反応テーブルと、前記第1の分析処理のための前記検体および前記試薬、または前記第2の分析処理のための前記検体および磁性粒子を含む前記試薬を分注する分注部と、前記反応容器内の磁性粒子を集磁して保持する磁性体を配置した集磁部材を有し、前記磁性粒子を前記反応容器外に取り出す磁性粒子取出部と、前記磁性粒子取出部によって取り出された前記磁性粒子を用いて前記第2の分析処理に対する光学測定を行なう磁性粒子測定部と、前記第1の分析処理に対する光学測定を行なう測定部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記集磁部材を洗浄する集磁部材洗浄部をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記集磁部材は、前記磁性体を覆い、該磁性体と脱着可能な被覆部材であって、前記被覆部材を廃棄する被覆部材廃棄部と、新たな被覆部材を供給する被覆部材供給部と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記反応テーブルは、前記複数の同一の反応容器を所定間隔で配列し、処理に応じて駆動することで各反応容器を順次各処理位置に移動させ、前記分注部は、前記第2の分析処理用の反応容器に対する分注間隔を、前記磁性粒子測定部が光学測定に要する時間に対する前記測定部が光学測定に要する時間の比以上の整数値とすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる測定方法は、反応容器内に収容された流体中の磁性粒子を集磁して保持する集磁ステップと、集磁された前記磁性粒子を前記反応容器外の所定の測定位置に移送する移送ステップと、前記測定位置に移送された前記磁性粒子に結合した標識物質の光学測定を行なう測定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる自動分析装置および測定方法は、反応容器内に収容された磁性粒子を集磁して保持し、反応容器外に取り出して光学測定するようにしたので、簡易な構成で複数項目の分析処理を効率的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す集磁部材の断面を示す断面図である。
【図3】図3は、従来の免疫分析処理を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態にかかる免疫分析処理を示す模式図である。
【図5】図5は、図2に示す集磁部材の変形例1を示す断面図である。
【図6】図6は、図2に示す集磁部材の変形例2を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、図7に示す磁性粒子洗浄部の構成を示す模式図である。
【図9】図9は、図8に示す磁性粒子洗浄部の変形例を示す模式図である。
【図10】図10は、図7に示す反応テーブルの反応容器に対する分析周期例1を示す模式図である。
【図11】図11は、図7に示す反応テーブルの反応容器に対する分析周期例2を示す模式図である。
【図12】図12は、図7に示す自動分析装置が行なう分析処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図7に示す自動分析装置の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の自動分析装置および磁性粒子測定方法を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に例示する実施の形態や変形例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。また、図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。図1に示す自動分析装置1は、反応容器12内に収容された磁性粒子を取り出す磁性粒子取出部2と、磁性粒子取出部2によって取り出された磁性粒子と結合している標識物質の測光を行なう磁性粒子測定部10とで構成される。
【0022】
磁性粒子取出部2は、駆動部22によって昇降および回動可能な支柱21と、一方が支柱21に支持され、他方に磁性粒子を集磁して保持する集磁部材24を有するアーム23とを備え、制御部11の制御のもと、駆動部22が支柱21を昇降または回動駆動させることで集磁部材24を移動させる。反応容器12内に収容された磁性粒子Bは、集磁部材24の先端に集磁され、磁性粒子測定部10に移送される。なお、集磁部材24は、磁性体をテフロン(登録商標)等の、耐薬性のある樹脂によって被覆されている。
【0023】
磁性粒子測定部10は、PDAなどの受光素子による各波長光の強度測定が可能な測定機構を内部に有し、磁性粒子Bを集磁した集磁部材24は、測定孔10aから内部に挿入され、磁性粒子Bに対して直接測定処理が行われる。ここで、集磁部材24には、鍔部24aが設けられ、鍔部24aは、測定孔10aと比して若干小さい径の円形であって、集磁部材24が測定孔10aに挿入された場合に、測定孔10aを塞ぐ。これにより、測定孔10a内への外部からの光の侵入を防ぐことが可能となる。測定された光量情報は、制御部11に出力され、制御部11が得られた光量情報をもとに分析値の算出を行なう。
【0024】
上述した自動分析装置1は、制御部11の制御のもと、磁性粒子取出部2の集磁部材24が反応容器12内に収容された磁性粒子Bを集磁して保持し、駆動部22による支柱21の駆動によって集磁された磁性粒子Bが磁性粒子測定部10に移送され、磁性粒子測定部10が測定処理を行う。これにより、測定対象である磁性粒子のみを取り出すことが可能となり、高い精度の分析処理を行うことができる。この自動分析装置1の構成を他の分析装置に組み込むことによって、順次搬送される反応容器に対し、磁性粒子を用いた分析処理を個別に行なうことができるため、磁性粒子を用いる独自の処理を反応容器内で行う必要なく、反応容器が同一であっても分析可能となる。
【0025】
ここで、集磁部材24について、図2を参照して説明する。図2は、図1に示す集磁部材24の断面を示す断面図である。集磁部材24は、テフロン(登録商標)等の耐薬性の樹脂を用いて形成され、内部に磁性体241が挿入されている。磁性体241には、永久磁石が用いられ、図2に示すように、底部先端を錐状に形成し、集磁する磁性粒子が一塊に集合するようになっている。なお、柱状の永久磁石の先端に、錐状に加工された金属等の磁性材料を用いてもよく、磁性体に電磁石を用いてもよい。また、鍔部24aは、テフロン(登録商標)を用いて形成してもよく、他の耐薬性樹脂を用いてもよく、別体として形成してもよい。別体として形成された場合、鍔部24aは上下に移動可能となるため、測定孔10aの高さに対応して、鍔部24aの高さを調節することが可能となる。
【0026】
つぎに、従来の免疫分析処理および本発明の実施の形態にかかる免疫分析処理について説明する。まず、従来の免疫分析処理について、図3を参照して説明する。従来の免疫分析処理は、図3(1)に示すように、反応容器30内に抗体固相磁性粒子41を含む第1試薬が分注される第1試薬分注処理が行なわれる。その後、図3(2)に示すように、反応容器30内に分析対象である抗原42を含む検体が分注される検体分注処理が行なわれる。なお、抗体固相磁性粒子41は磁性粒子担体に検体中の抗原42に対する抗体が固相されている。そして、図3(3)に示すように、反応容器30は、攪拌された後、所定の反応時間経過によって、検体中の抗原42と抗体固相磁性粒子41とが結合した反応物44が生成される。
【0027】
つぎに、従来の分析においては、BF洗浄機構における1回目の第1BF洗浄処理が行なわれる。第1BF洗浄処理においては、図3(3)に示すように、磁性体を集磁する集磁機構31近傍に反応物44および抗体固相磁性粒子41を集磁した状態でBF洗浄ノズル32による洗浄液の注入および吸引を行なうことによって、反応容器30内の未反応物質43が除去される。この結果、図3(4)に示すように、反応容器30内には、未反応物質43が分離除去され、抗体固相磁性粒子41と反応物44が残る。
【0028】
そして、従来の分析においては、図3(4)に示すように、第1BF洗浄処理後の反応容器30内に標識物質45を含む試薬を第2試薬として分注する第2試薬分注処理が行なわれる。所定の反応時間経過によって、図3(5)に示すように、反応物44と標識物質45とが結合した免疫複合体46が生成される。
【0029】
そして、従来の分析においては、図3(5)に示すように、BF洗浄機構における2回目の第2BF洗浄処理が行なわれる。第2BF洗浄処理においては、第1BF洗浄処理と同様に、集磁機構31近傍に磁性体を集磁した状態で、BF洗浄ノズル32による洗浄液の注入および吸引が行なわれる。言い換えると、第2BF洗浄処理においては、集磁機構31近傍に免疫複合体46と抗体固相磁性粒子41を集磁した状態で、BF洗浄ノズル32による洗浄液の注入および吸引を行なうことによって、反応容器30内の未結合の標識物質45が除去される。この結果、反応容器30内には、抗体固相磁性粒子41と免疫複合体46が残る。
【0030】
そして、反応容器30に、励起させる標識物質45に対応した励起光Leの照射処理が行なわれる。反応容器30においては、免疫複合体46として結合している標識物質45の量に比例して光L1を発する。つぎに、免疫複合体46から発せられる光L1の光量を測定する測定処理が行なわれ、測定処理において測定された標識物質45の発光量をもとに抗原42の濃度を求める演算処理が行なわれる(図3(6))。
【0031】
このように、従来の分析においては、BF洗浄処理を2度行なうことによって、検体内の未反応物質43および反応物44と未結合である標識物質45を除去し、測定対象である免疫複合体46のみを取得して測定処理を行なっている。
【0032】
続いて、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置を用いた免疫分析処理について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる免疫分析処理を示す模式図である。まず、抗体固相磁性粒子41を含む第1試薬、分析対象である抗原42を含む検体および標識物質45を含む第2試薬を反応容器30にそれぞれ分注する(図4(a))。検体、第1試薬および第2試薬を分注後、攪拌および反応処理を行い、抗体固相磁性粒子41、分析対象の抗原42および標識物質45を結合させる(図4(b))。この反応処理によって、反応容器30内には、反応した免疫複合体46、未反応の抗体固相磁性粒子41、検体に含まれる未反応物質43および未反応の標識物質45が存在する。
【0033】
図4(b)における反応処理終了後、反応容器30内に集磁部材24を挿入する(図4(c))。所定位置まで集磁部材24を下降後、所定時間、反応容器30内で集磁部材24を停止させて、免疫複合体46および抗体固相磁性粒子41を集磁する(図4(d))。所定時間集磁した後、集磁部材24を反応容器30内から抜出する(図4(e))。集磁部材24を抜出すると、免疫複合体46と抗体固相磁性粒子41とが反応容器30外に取り出され、測定対象外である未反応物43および標識物質45が反応容器30内に残る。
【0034】
図4(e)で反応容器30の外部に取り出された免疫複合体46と抗体固相磁性粒子41とは、測定部に移送され(図4(f))、測定部において免疫複合体46に結合する標識物質45に励起光Leが照射されて励起された標識物質45が発する光L2の光量を測定する(図4(g))。
【0035】
上述した一連の免疫分析処理を行うことで、BF洗浄処理を行うことなく測定対象の免疫複合体46を回収し、未反応の標識物質45を除去して測定処理を行うことができるため、精度の高い分析処理を行うことが可能となる。また、反応容器30の側面からの集磁と比して流体内で集磁できるため、集磁効率が向上し、分析処理に要する時間を短縮することができる。
【0036】
ここで、図2に示す集磁部材24の変形例について、図5,6を参照して説明する。図5は、図2に示す集磁部材24の変形例1を示す断面図である。図5に示す変形例1は、集磁部材25の底部が略錐状に形成されている。底部が略錐状に形成されることによって、反応容器内の流体中に浸入した場合に流体の乱流を抑制し、結合力の弱い反応に対しても解離することなく分析処理を行うことができる。
【0037】
また、測定処理が終了すると、集磁部材24を洗浄剤により洗浄して集磁した磁性粒子を取り除く。なお、磁性粒子の洗浄を一層容易にするため、集磁部材内部の磁性体を内部で移動可能にし、磁性体と磁性粒子との間に距離を持たせてもよい。図6は、図2に示す集磁部材24の変形例2を示す断面図である。図6に示す集磁部材26は、磁性体241が集磁部材26内部を移動可能な構成となっている。磁性体241が集磁部材26の内部を上方に移動することにより、底部に集磁されている磁性粒子の集磁部材26に対する付着力が低下し、磁性粒子の洗浄が容易となる。磁性体241の移動は、たとえば、集磁部材26内部またはアーム23先端に、磁性体241を把持する複数のローラーを設け、ローラーを電気的に回転させることによって集磁部材26内部を磁性体241が昇降移動可能となる。なお、集磁部材を磁性体と着脱可能な被覆部材として、使用毎に被覆部材を取り替えるようにしてもよい。さらに、磁性体または集磁部材の液侵入部分のみに被覆部材を装着するようにしてもよい。ここで、磁性体挿入穴26aは、磁性体241の挿脱を円滑に行なうため、磁性体241と若干の空間をもつように形成されることが好ましい。
【0038】
さらに、上述した磁性粒子取出部と測定部とを、生化学分析を行う自動分析装置に組み込んで分析処理を行なう場合は、図7に示す構成で適用することができる。図7は、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置5の構成を示す模式図である。図7に示す自動分析装置5は、分析対象である検体および試薬を反応容器51にそれぞれ分注し、反応容器51内で生じる反応を光学的に測定する測定機構6と、測定機構6を含む自動分析装置5全体の制御を行なうとともに測定機構6における測定結果の分析を行なう制御機構7とを備える。自動分析装置5は、これらの二つの機構が連携することによって検体内における検出対象物の濃度を検出する生化学分析を順次自動的に行なう。
【0039】
まず、測定機構6について説明する。測定機構6は、大別して反応テーブル60、第1試薬庫61、第1試薬分注機構62、検体移送部63、検体分注機構64、第2試薬庫65、第2試薬分注機構66、攪拌部67、測定部68および洗浄部69を備える。
【0040】
反応テーブル60は、反応容器51への検体や試薬の分注、反応容器51の攪拌、洗浄または測光を行なうために反応容器51を所定の位置まで移送する。この反応テーブル60は、制御部71の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル60の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応テーブル60の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0041】
第1試薬庫61は、反応容器51内に分注される2種類の試薬のうち、最初に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器61aを複数収納できる。第1試薬庫61には、複数の収納室が等間隔で配置されており、各収納室には第1試薬容器61aが着脱自在に収納される。第1試薬庫61は、制御部71の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、第1試薬庫61の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第1試薬容器61aを第1試薬分注機構62による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬庫61の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられている。また、第1試薬庫61は保冷されている。このため、第1試薬庫61内に第1試薬容器61aが収納され、蓋が閉じられたときに、第1試薬容器61a内に収容された試薬を保冷状態に保ち、第1試薬容器61a内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0042】
第1試薬容器61aの側面部には、第1試薬容器61aに収容された試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。たとえば、記録媒体は、第1試薬容器61aに収容された試薬が使用される分析項目、試薬の名称、Lot情報、ボトル情報などを記録する。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。
【0043】
第1試薬庫61の外周部には、この記録媒体を光学的に読み取る第1試薬読取部61bが設けられている。第1試薬読取部61bは、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、第1試薬読取部61bは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。第1試薬読取部61bは、読み取った記録媒体の情報を、この記録媒体が付された第1試薬容器61aの第1試薬庫61内のポジションに対応づけて制御部71に出力する。
【0044】
第1試薬分注機構62は、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられたアーム62aを備える。アーム62aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。第1試薬分注機構62は、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第1試薬分注機構62は、第1試薬庫61上の所定位置に移動された分析対象である検体に指示された分析項目に対応する第1試薬容器61a内の試薬をプローブ内に吸引し、アーム62aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル60上の所定位置に搬送された反応容器51に分注する。また、第1試薬分注機構62は、プローブ先端に静電容量変化などを利用して液面高さを検出できるセンサーが設けられており、検出した各第1試薬容器61aに収容された試薬の液面高さを制御部71に出力する。
【0045】
検体移送部63は、血液や尿等、液体である検体を収容した複数の検体容器63aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック63bを備える。検体移送部63上の所定位置に移送された検体容器63a内の検体は、検体分注機構64によって、反応テーブル60上に配列して搬送される反応容器51に分注される。検体容器63aの側面部には、検体容器63aに収容された検体に関する検体情報が記録された記録媒体が付されている。検体情報として、検体を提供した提供者に関する情報、検体容器63aに収容された検体に対して分析を指示された分析項目、該検体の採取日などがある。
【0046】
検体移送部63外には、この検体容器63aに付された記録媒体を光学的に読み取る検体読取部63cが設けられている。この検体読取部63cは、第1試薬読取部61bと同様に、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、検体読取部63cは、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。検体読取部63cは、読み取った検体情報を制御部71に出力する。
【0047】
検体分注機構64は、第1試薬分注機構62と同様に、検体の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられたアーム64aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。検体分注機構64は、上述した検体移送部63上の所定位置に移送された検体容器63aの中からプローブ内に検体を吸引し、アーム64aを図中反時計回りに旋回させ検体を分注する。
【0048】
第2試薬庫65は、反応容器51内に分注される2種類の試薬のうち検体が分注された後に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器65aを複数収納できる。第2試薬庫65には、第1試薬庫61と同様に、第2試薬容器65aが着脱自在に収納される複数の収納室が設けられている。第2試薬庫65は、第1試薬庫61と同様に、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第2試薬容器65aを第2試薬分注機構66による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬庫61と同様に、第2試薬庫65の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられ、第2試薬庫65は保冷されている。第2試薬容器65aの側面部には、第1試薬容器61aと同様に、第2試薬容器65aに収容された第2試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。また、第2試薬庫65の外周部には、第1試薬読取部61bと同様の機能を有し第2試薬容器65aに付された記録媒体を光学的に読み取る第2試薬読取部65bが設けられている。
【0049】
第2試薬分注機構66は、第1試薬分注機構62と同様に、第2試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられたアーム66aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備え、第2試薬庫65上の所定位置に移動された分析対象である検体に指示された分析項目に対応する第2試薬容器65a内の試薬をプローブ内に吸引後、反応テーブル60上の所定位置に搬送された反応容器51に分注する。また、第2試薬分注機構66は、プローブ先端に静電容量変化などを利用して液面高さを検出できるセンサーが設けられており、検出した各第2試薬容器65aに収容された試薬の液面高さを制御部71に出力する。攪拌部67は、反応容器51に分注された第1試薬、検体および第2試薬の攪拌を行ない、反応を促進させる。
【0050】
測定部68は、所定波長の光を反応容器51に発し、この反応容器51内の試薬と検体との反応液を通過した光を受光して分光強度測定を行なって、吸光度等を測定する。測定部68による測定結果は、制御部71に出力され、分析部73において分析される。測定部68は、反応容器51に白色光を照射し、反応液を透過後に分光して所定波長の出力を検出するようにしたものでもよい。
【0051】
洗浄部69は、図示しないノズルによって、測光部68による測定が終了した反応容器51内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄した反応容器51は再利用される。検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器51を廃棄し、図示しないが、新たな反応容器51を自動供給するようにしてもよい。
【0052】
つぎに、制御機構7について説明する。制御機構7は、制御部71、入力部72、分析部73、記憶部74、送受信部75および出力部76を備える。測定機構6および制御機構7が備えるこれらの各部は、制御部71に電気的に接続されている。
【0053】
制御部71は、CPU等を用いて構成され、自動分析装置5の各部の処理および動作を制御する。制御部71は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部71は、また、第1試薬分注機構62および第2試薬分注機構66によって検出された各第1試薬容器61aおよび各第2試薬容器65aに収容された試薬の液面高さをもとに、自動分析装置5内に設置された各第1試薬容器61a内および各第2試薬容器65a内の試薬量を検出する。
【0054】
入力部72は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部73は、測定部68によって測光された吸光度などをもとに、検体内における検出対象物の濃度を求め、検体の成分分析等を行なう。記憶部74は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置5が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部74は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0055】
送受信部75は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。出力部76は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。出力部76は、ディスプレイを用いて構成され、検体の分析結果や各種選択メニューを表示出力する表示部を備える。
【0056】
上述したように、自動分析装置5は、制御部71の制御の下に作動し、回転する反応テーブル60によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器51に、検体分注機構64によって検体ラック63bに保持された複数の検体容器63aから検体が順次分注される。検体が順次分注された反応容器51には、試薬分注機構62,66が試薬容器61a,65aから順次試薬が分注される。試薬と検体とが分注された反応容器51は、反応テーブル60が停止する都度、攪拌部67によって順次攪拌されて試薬と検体とが反応し、反応テーブル60が再び回転したときに測定部68を通過する。このとき、反応容器51内の試薬と検体とが反応した反応液は、測定部68で測光され、分析部73によって成分濃度等が分析される。そして、反応液の測光が終了した反応容器51は、洗浄部69に移送されて洗浄された後、再度検体の分析に使用される。
【0057】
以上の構成によって、生化学分析処理が進められる。さらにここで、測定機構6には、磁性粒子取出部52および磁性粒子測定部53が設けられ、免疫分析処理等、磁性粒子を用いる分析処理を行う場合に駆動する。
【0058】
磁性粒子取出部52は、図1に示す磁性粒子取出部2と同様に、制御部71の制御のもと、先端に集磁部材を備えたアーム52aが昇降駆動または回動することによって、反応容器51内の磁性粒子を反応容器51の外部に取り出す。
【0059】
磁性粒子測定部53は、図1に示す磁性粒子測定部10と同様に、磁性粒子取出部52によって移送される磁性粒子に結合した標識物質の測定を行なう。集磁部材は測定孔53aを介して磁性粒子測定部53内に挿入され、測定が行なわれ、測定結果は、制御部71に出力され、分析部73において分析される。
【0060】
上述した構成により生化学分析処理と免疫分析処理とを同一反応テーブルおよび同一反応容器を用いて行なうことができる。同一の反応容器を用いて分析処理が可能なため、簡易な装置構成で複数の分析項目の分析処理を行うことが可能となる。なお、第1試薬庫61および第2試薬庫65には、生化学用および免疫用の試薬が収容される。また、第1試薬分注機構62、第2試薬分注機構66の各プローブには、各試薬の分注時にディスポーザブルのチップが装着され、コンタミネーションを防止する。
【0061】
ここで、磁性粒子測定部53において測定処理の終了した磁性粒子は、磁性粒子洗浄部54で洗浄される。図8は、図7に示す磁性粒子洗浄部54の構成を示す模式図である。図8に示す磁性粒子洗浄部54は、集磁部材52bを収容し、内部に洗浄液等を収容可能な液受け容器540と、液受け容器540側部に設けられた液流入口541と、液受け容器540の底部に設けられた液排出口542とを有する。また、液流入口541は、送液管541aと連結し、送液管541aの他方端部は三方弁543に連結している。三方弁543は、洗浄液送液管541dおよび水送液管541eをそれぞれ連結し、制御部71が、各管の開閉を切り替えて、ポンプ544,545を駆動して洗浄液タンク541b、水タンク541c内の各液体を液受け容器540に送り込む。
【0062】
また、液排出口542は、排出管542aを連結し、液受け容器540内の液体を廃液タンク542bに送り込む。ここで、排出管542aには電磁弁542cが設けられ、制御部71の制御によって弁の開閉が行われ、液受け容器540に収容される液体の調節を行なう。なお、鍔部52cは、図7における磁性粒子測定部53の測定孔53aに対応して形成され、測定における外部からの光を遮蔽する。
【0063】
さらに、洗浄効率を向上させるため、集磁部材52b内部にある磁性体52dを移動させて洗浄してもよい。図9は、図8に示す磁性粒子洗浄部54の変形例を示す模式図である。図9に示す変形例は、アーム52aに固定された磁性体52dが、アーム52aの上昇に従って上方に移動することによって、集磁部材52bの底部から離れる。このとき、アーム52a先端に集磁部材52bを把持する把持機構を設け、洗浄を行なう場合に集磁部材52bの把持を解除することで、磁性体52dのみを液受け容器540内から抜出し、磁性粒子の集磁部材52bに対する付着力を低下させて洗浄を一層容易にする。ここで、集磁部材52b底部は、鍔部52cが液受け容器540端部に支持されることで、液受け容器540底部内壁と接触しないようになっている。
【0064】
次に、反応テーブル60に配置される反応容器51に対する各分析項目の分析周期について、図10,11を参照して説明する。図10は、図7に示す反応テーブルの反応容器に対する分析周期例1を示す模式図であり、図11は、図7に示す反応テーブルの反応容器に対する分析周期例2を示す模式図である。分析周期例1,2は、ともに生化学分析処理A1と、免疫分析処理A2とを自動分析装置5で行うことを前提とする。
【0065】
図10に示す分析周期例1は、免疫分析処理A2における光学測定時間が生化学分析処理A1の光学測定時間の3倍要する場合を示す周期例であって、分析項目に応じた検体および試薬が分注される反応容器配置例である。反応テーブル60が回転することで、測定部68によって生化学分析処理A1に対する測定が順次行われる。ここで、生化学分析処理A1を行う反応容器の間に、免疫分析処理A2を行なう反応容器が設定されると、次に免疫分析処理A2を行う反応容器を、生化学分析処理A1を2回行うよう設定する。免疫分析処理A2の間に2つの生化学分析処理A1を行なうことで、順次搬送される反応容器に対して、図7の反応テーブル60の回転と、磁性粒子取出部52の取出し間隔(分析間隔)が揃い、反応テーブル60の回転を停止させずに、連続的に分析処理を行うことができる。なお、集磁処理に要する時間は、分注処理に要する時間と同一であることが好ましい。
【0066】
また、図11に示す分析周期例2は、免疫分析処理A2における光学測定時間が生化学分析処理A1の光学測定時間と比して4倍要する場合を示す周期例であって、分析項目に応じた検体および試薬が分注される反応容器配置例である。図11も同様に、免疫分析処理A2を行う間に、生化学分析処理A1を3回行うよう設定される。上述したように、免疫分析処理A2と生化学分析処理A1との測定時間比がn倍である場合は、免疫分析処理A2を行う間にn−1回の生化学分析処理A1を行うことで、複数の分析項目であっても連続的な分析処理を行うことができる。なお、洗浄時間等を考慮した分析周期を設定することも可能である。
【0067】
つづいて、自動分析装置5が行なう分析処理について、図12を参照して説明する。図12は、図7に示す自動分析装置5が行なう分析処理を示すフローチャートである。まず、制御部71は、分析処理を行う項目に、免疫分析を含む分析であるか否かを確認する(ステップS102)。入力部72から免疫分析を行う旨の情報がある場合(ステップS102:Yes)、制御部71は、上述した分析周期に対応させて、分析項目に対応した検体および試薬を反応容器51に分注するよう、各分注機構に指示する(ステップS106)。検体および試薬の分注が終了すると、各反応容器51の攪拌および反応処理を行う(ステップS108)。なお、入力部72から免疫分析を含まない分析である旨の情報があった場合(ステップS102:No)、制御部71は、ステップS104に移行して生化学分析処理を行う。
【0068】
ステップS108の反応処理が終了すると、順次搬送される各反応容器51に対する測定対象が免疫分析か否かを判断する(ステップS110)。ここで、測定対象の反応容器51が免疫分析である場合(ステップS110:Yes)、制御部71は、磁性粒子取出部52および磁性粒子測定部53に、集磁して測光処理を行なうよう指示する(ステップS112)。また、ステップS110において、測定対象の反応容器51が生化学分析である場合(ステップS110:No)、制御部71は、測定部68に対象の反応容器51の測光処理を行うよう指示する(ステップS114)。
【0069】
ステップS112,S114における測光処理が終了すると、制御部71は、次に測定を行なう反応容器51があるか否かを確認する(ステップS116)。ここで、次に測定を行なう反応容器51がある場合(ステップS116:Yes)、制御部71は、ステップS110に移行して、対象の反応容器51の分析項目を判断する。また、次に測定を行なう反応容器51がない場合(ステップS116:No)、制御部71は、次の分析処理指示があるか否かを確認し(ステップS118)、分析指示があれば(ステップS118:Yes)、ステップS102に移行して上述した処理を繰り返し、分析指示がない場合(ステップS118:No)、分析処理を終了する。
【0070】
上述した一連の分析処理を行うことによって、複数項目の分析処理を連続的に行うことができる。また、反応容器51は、同種の反応容器を用いることが可能であり、適宜項目に応じた検体および試薬を各反応容器51に割付するのみで対応できるため、簡易な装置構成で効率良く分析処理を行うことができる。
【0071】
また、集磁部材がディスポーザブルであって、使用毎に取り替える場合は、図13に示すように、集磁部材廃棄部55と、集磁部材供給部56とを設けることで対応可能である。さらに、図7に示す集磁部材洗浄部54を設け、使用回数を設定し、使用回数以内であれば洗浄を行ない、使用回数を過ぎた場合に集磁部材を取り替えるようにしてもよい。
【0072】
上述した自動分析装置および測定方法を用いることによって、磁性粒子および検体と結合した標識物質を確実に捕捉し、未反応の標識物質を排除して測定処理を行うことができるうえ、専用の反応容器を用いる必要がないため、容易に他の自動分析装置に組み込み、各分析処理を効率よく行なうことができる。なお、種々の分析処理に対応可能であり、分析項目としては、化学発光、蛍光発光、ラマン分光、赤外分光、紫外分光等が挙げられ、分析項目に対応して、取出部および測定部を追加することで対応できる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
以上のように、本発明にかかる自動分析装置および測定方法は、磁性粒子を用いた分析処理を行うのに有用であり、特に、生化学分析等と同一テーブル上で分析処理を行う統合型分析装置に適している。
【符号の説明】
【0074】
1,5 自動分析装置
2,52 磁性粒子取出部
6 測定機構
7 制御機構
10,53 磁性粒子測定部
10a,53a 測定孔
11,71 制御部
12,30,51 反応容器
21 支柱
22 駆動部
24,25,26,52b 集磁部材
24a,52c 鍔部
241,52d 磁性体
23,52a,62a,64a,66a アーム
31 集磁機構
32 BF洗浄ノズル
54 磁性粒子洗浄部
55 集磁部材廃棄部
56 集磁部材供給部
60 反応テーブル
61 第1試薬庫
62 第1試薬分注機構
63 検体移送部
64 検体分注機構
65 第2試薬庫
66 第2試薬分注機構
67 攪拌部
68 測光部
69 洗浄部
72 入力部
73 分析部
74 記憶部
75 送受信部
76 出力部
B 磁性粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の磁性粒子を含む流体を収容した反応容器内から前記磁性粒子を集磁して保持する磁性体を配置した集磁部材を有し、前記磁性粒子を前記反応容器外に取り出す磁性粒子取出部と、
前記磁性粒子取出部によって前記反応容器外に取り出された前記磁性粒子に結合した標識物質の光学測定を行なう磁性粒子測定部と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記磁性体は、永久磁石であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記磁性体は、電磁石であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記集磁部材は、前記磁性体を覆う被覆部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記磁性体は、前記被覆部材内を移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記被覆部材は、前記磁性体に対して脱着可能であることを特徴とする請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項7】
検体と試薬との反応を光学的に測定して前記検体の分析処理を行う自動分析装置において、
第1の分析処理のための前記検体および前記試薬、または第2の分析処理のための前記検体および磁性粒子を含む前記試薬を収容可能な複数の同一の反応容器を保持する反応テーブルと、
前記第1の分析処理のための前記検体および前記試薬、または前記第2の分析処理のための前記検体および磁性粒子を含む前記試薬を分注する分注部と、
前記反応容器内の磁性粒子を集磁して保持する磁性体を配置した集磁部材を有し、前記磁性粒子を前記反応容器外に取り出す磁性粒子取出部と、
前記磁性粒子取出部によって取り出された前記磁性粒子を用いて前記第2の分析処理に対する光学測定を行なう磁性粒子測定部と、
前記第1の分析処理に対する光学測定を行なう測定部と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
前記集磁部材を洗浄する集磁部材洗浄部をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記集磁部材は、前記磁性体を覆い、該磁性体と脱着可能な被覆部材であって、
前記被覆部材を廃棄する被覆部材廃棄部と、
新たな被覆部材を供給する被覆部材供給部と、
を備えたことを特徴とする請求項7または8に記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記反応テーブルは、前記複数の同一の反応容器を所定間隔で配列し、処理に応じて駆動することで各反応容器を順次各処理位置に移動させ、
前記分注部は、前記第2の分析処理用の反応容器に対する分注間隔を、前記磁性粒子測定部が光学測定に要する時間に対する前記測定部が光学測定に要する時間の比以上の整数値とすることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項11】
反応容器内に収容された流体中の磁性粒子を集磁して保持する集磁ステップと、
集磁された前記磁性粒子を前記反応容器外の所定の測定位置に移送する移送ステップと、
前記測定位置に移送された前記磁性粒子に結合した標識物質の光学測定を行なう測定ステップと、
を含むことを特徴とする測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−13042(P2011−13042A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156233(P2009−156233)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】