説明

自動分析装置および自動分析装置における検体の分注制御方法

【課題】検体の無駄な消費を防止すること。
【解決手段】反応容器C内に試薬の分注を行った後、攪拌棒121によって反応容器C内の液体を攪拌するが、液面検知装置20は、この攪拌棒121と反応容器C内の液体との接触を検知する。そして、判定部161が、反応容器Cの液面を検知し、検知した反応容器Cの液面をもとに、反応容器C内の液量が所定量か否かを判定する。判定部161によって反応容器C内の液量が所定量でないと判定された場合には、検体の分注動作を中断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置および自動分析装置における検体の分注制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、検体と試薬とを反応容器内に分注し、反応容器内で生じた反応を光学的に測定することによって検体の分析を行う自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、検体や試薬を正確に分注するため、また検体や試薬の残量を把握するため、分注装置に液面検知装置を設けて検体容器や試薬容器に保持された検体や試薬の液面を検知している。例えば、特許文献1には、検知した試薬液の液面の位置情報と、試薬液槽底面の位置情報とから、試薬液槽内の試薬液の残量を算出する手法が開示されている。特許文献2には、基準位置から液面を検知するまでの分注プローブの移動距離を算出して前回値として保持しておき、この前回値と前回の分注量に応じた液面の下降量とをもとに現時点の液面位置を推定し、分注プローブの移動距離を算出する手法が開示されている。また、特許文献3に開示されているように、液面位置の変化量を用いて分注の成否を判断するものもある。
【0003】
【特許文献1】特公平01−47744号公報
【特許文献2】特許第3859555号公報
【特許文献3】特開平09−127136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の手法を用いた液面検知では、検体容器や試薬容器の液面を検知するため、実際に検体や試薬が反応容器内に正しく分注されたかどうかを把握することができなかった。このため、例えば液面検知不良が生じて液面を正しく検知できなかった場合や、分注プローブの吸引不良や吐出不良が生じた場合等、反応容器内に正確量の検体や試薬が分注されないまま分析が行われてしまう事態が生じ得る。この場合には、検体の分析を再度行わなければならず、検体を無駄に消費してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検体の無駄な消費を防止することができる自動分析装置および自動分析装置における検体の分注制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、反応容器内に試薬を分注する試薬分注手段と、前記試薬分注手段によって試薬が分注された反応容器内に検体を分注する検体分注手段と、前記反応容器内に攪拌棒を挿入して前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段とを備え、前記反応容器内で試薬と検体とを混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置であって、前記試薬分注手段が試薬の分注を行った後、前記検体分注手段が検体の分注を行う前に、前記攪拌手段が具備する前記攪拌棒を前記反応容器内に挿入し、前記攪拌棒の先端と前記反応容器内の液体との接触を検出して液面を検知する液面検知手段と、前記液面検知手段によって検知された液面をもとに、前記反応容器内の液量が所定量か否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記検体分注手段による検体の分注動作を停止する制御を行う検体分注停止制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の自動分析装置は、上記の発明において、前記検体分注停止制御手段が検体の分注停止を制御した場合に、検体の分注を停止した旨の警告を報知する警告報知手段を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の自動分析装置は、上記の発明において、試薬の分注を前記試薬分注手段に指示する試薬分注指示手段を備え、前記判定手段によって前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段に試薬の分注を再度指示して前記反応容器とは別の反応容器に分注させ、前記判定手段によって前記別の反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段による試薬の分注動作を停止する制御を行う試薬分注停止制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の自動分析装置は、上記の発明において、検体に設定された分析項目に応じた試薬の分注を前記試薬分注手段に指示する試薬分注指示手段を備え、前記判定手段によって前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段に前記分析項目とは別の分析項目に応じた試薬の分注を指示して前記反応容器とは別の反応容器に分注させ、前記判定手段によって前記別の反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段による試薬の分注動作を停止する制御を行う試薬分注停止制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の自動分析装置は、上記の発明において、前記判定手段によって前記別の反応容器内の液量が所定量と判定された場合に、前記検体分注手段による検体の分注動作を再開する制御を行う検体分注再開制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の自動分析装置は、上記の発明において、前記攪拌棒は、導電性を有する素材で形成され、前記液面検知手段は、前記攪拌棒の先端と前記反応容器内の液体との間の静電容量の変化から液面を検知することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動分析装置における検体の分注制御方法は、反応容器内に試薬を分注する試薬分注手段と、前記試薬分注手段によって試薬が分注された反応容器内に検体を分注する検体分注手段と、前記反応容器内に攪拌棒を挿入して前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段とを備え、前記反応容器内で試薬と検体とを混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置における検体の分注制御方法であって、前記試薬分注手段が試薬の分注を行った後、前記検体分注手段が検体の分注を行う前に、前記攪拌手段が具備する前記攪拌棒を前記反応容器内に挿入し、前記攪拌棒の先端と前記反応容器内の液体との接触を検出して液面を検知する液面検知工程と、前記液面検知工程で検知された液面をもとに、前記反応容器内の液量が所定量か否かを判定する判定工程と、前記判定手段で前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記検体分注手段による検体の分注動作を停止する制御を行う検体分注停止制御工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、反応容器内に試薬を分注した後、この反応容器内に検体を分注する前に、反応容器の液面を検知し、検知した液面から反応容器内の液量が所定量か否かを判定することができる。そして、試薬が正しく分注されず、反応容器内の液量が所定量でない場合には、検体の分注動作を停止することができる。したがって、試薬が正しく分注されなかった反応容器内に検体を分注して分析を行うことがなく、検体の無駄な消費を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態の自動分析装置1の内部構成の一例を示す概略斜視図であり、図2は、自動分析装置1で使用する液面検知装置20の概略構成を示すブロック図である。自動分析装置1は、複数の検体の生化学的、免疫学的あるいは遺伝学的な分析を自動的に行う装置であり、検体供給装置2、反応テーブル5、2つの試薬テーブル8,9、攪拌手段としての2つの攪拌装置12,13、測定光学系14、洗浄装置15、液面検知手段としての液面検知装置20等を備える。検体供給装置2と反応テーブル5との間には検体分注手段としての検体分注装置4が設けられ、反応テーブル5と試薬テーブル8,9との間にはそれぞれ試薬分注手段としての試薬分注装置6,7が設けられている。また、自動分析装置1は、装置を構成する各部を制御する検体分注停止制御手段、警告報知手段、試薬分注指示手段、試薬分注停止制御手段、試薬分注停止制御手段、検体分注再開制御手段としての制御部16を備え、各部への動作タイミングの指示やデータの転送等を行って装置全体の動作を統括的に制御する。
【0016】
検体供給装置2は、血液や尿等の検体を収容した複数の検体容器2bが搭載された複数のラック2aを収納する。この検体供給装置2は、図1中の矢印で示す移動経路に沿ってラック2aを順次移送し、ラック2a上の各検体容器2bを順次所定位置に搬送する。そして、この所定位置に搬送された検体容器2b内の検体が、検体分注装置4によって反応テーブル5上を配列して搬送される反応容器(キュベット)Cに分注される。
【0017】
検体供給装置2によって移送されるラック2aの移動経路上には、検体読取装置3が設置されている。検体読取装置3は、例えばバーコードリーダであって、検体容器2bに付された不図示のバーコードを読み取って検体番号等の検体情報を取得し、制御部16に出力する。検体容器2bに付されるバーコードは、検体情報を所定の規格に従ってコード化したものである。この検体読取装置3によって取得される検体情報に基づいて、検体容器2b内の検体の認識・選別が行われる。
【0018】
検体分注装置4は、検体の吸引および吐出を行う分注プローブ41を有し、検体供給装置2によって所定位置に搬送された検体容器2bから分注プローブ41によって検体を吸引する。そして、反応テーブル5上の検体分注位置に搬送された反応容器C内に検体を吐出して分注を行う。検体分注装置4の分注プローブ41は、分注終了後、洗浄水が供給される不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0019】
反応テーブル5は、キュベットホイール51と保温部材53とを有する。キュベットホイール51は、検体や試薬が分注される複数の反応容器Cを保持し、不図示の駆動機構によってその中心を回転軸として回転する。例えば、一周期で反時計方向に(1周−1キュベット)/4分回転し、四周期で時計方向に1キュベット分回転する。このキュベットホイール51の回転によって、各反応容器Cは、第1試薬分注位置や検体分注位置、第2試薬分注位置、第1〜第3攪拌位置、測定位置、洗浄位置等の各位置に順次搬送される。保温部材53は、キュベットホイール51の半径方向内側および外側に配置され、反応容器C内の液体を体温程度の温度に保温する。この保温部材53には、測定光学系14と対応する測定位置に搬送された反応容器C内の液体に、分析光を照射するための開口55が形成されている。
【0020】
試薬テーブル8,9は、それぞれ分析項目に応じた所定の試薬が収容された試薬容器8a,9aを収納する。例えば、一方の試薬テーブル8には、第1試薬を収容した試薬容器8aが収納され、他方の試薬テーブル9には、第2試薬を収容した試薬容器9aが収納される。各試薬テーブル8,9は、それぞれ不図示の駆動機構によってその中心を回転軸とした間欠的な回動が可能に構成されており、所望の試薬容器8a,9aを所定位置に搬送する。また、各試薬テーブル8,9の下方には、それぞれ不図示の恒温槽が設けられており、試薬容器8a,9aに収容された試薬を保冷する。これにより、試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0021】
各試薬テーブル8,9の外周側には、それぞれバーコードリーダ等の試薬読取装置10,11が設置されている。試薬読取装置10,11は、各試薬テーブル8,9にそれぞれ収納された試薬容器8a,9aに付された不図示のバーコードを読み取って試薬情報を取得し、制御部16に出力する。試薬情報には、例えば、試薬の名称、ロット番号、有効期限等の情報が適宜含まれる。この試薬読取装置10,11によって取得される試薬情報に基づいて、試薬容器8a,9a内の試薬の認識・選別が行われる。
【0022】
試薬分注装置6は、試薬の吸引および吐出を行う分注プローブ61を有し、試薬テーブル8上の所定位置に搬送された試薬容器8aから分注プローブ61によって第1試薬を吸引する。そして、反応テーブル5上の第1試薬分注位置に搬送された反応容器C内に第1試薬を吐出して分注を行う。同様にして、試薬分注装置7は、分注プローブ71を有し、試薬テーブル9上の所定位置に搬送された試薬容器9aから分注プローブ71によって第2試薬を吸引する。そして、反応テーブル5上の第2試薬分注位置に搬送された反応容器C内に第2試薬を吐出して分注を行う。各試薬分注装置6,7の分注プローブ61,71は、分注終了後、洗浄水が供給される不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0023】
攪拌装置12,13は、それぞれその中心を軸中心として回転するとともに、ステッピングモータによって精密に上下動し、装置下方に搬送された反応容器C内の液体の攪拌を行う。具体的には、攪拌装置12は、攪拌棒121,123を有し、攪拌棒121によってこの攪拌棒121下方の第1攪拌位置に搬送された反応容器C内の液体を攪拌するとともに、攪拌棒123によってこの攪拌棒123下方の第2攪拌位置に搬送された反応容器C内の液体を攪拌する。また、攪拌装置13は、攪拌棒131を有し、攪拌棒131によってこの攪拌棒131下方の第3攪拌位置に搬送された反応容器C内の液体を攪拌する。なお、各攪拌棒121,123,131は、攪拌終了後、洗浄水が供給される不図示の洗浄槽で流水・洗浄される。
【0024】
測定光学系14は、測定位置に搬送された反応容器Cに分析光を照射し、この反応容器C内の反応液を透過した光を受光して分光強度測定を行う。例えば、図1に示すように、反応容器C内の反応液を分析するための分析光(340〜800nm)を出射する光源141と、光源141から出射されて反応容器C内の反応液を透過した光量を測光する測光センサ145とを有する。この測定光学系14による測定結果は、制御部16に出力され、制御部16と接続された分析部171によって分析される。
【0025】
洗浄装置15は、測定光学系14による測定が終了して装置下方の洗浄位置に搬送された反応容器Cを洗浄対象として、この反応容器C内部の反応液を吸引して排出するとともに、反応容器C内に洗浄水等の洗浄液を吐出および吸引することによってその内部を洗浄・乾燥する。洗浄・乾燥された反応容器Cは、再び分析に使用される。
【0026】
液面検知装置20は、撹拌装置12の攪拌棒121を用い、その先端と第1攪拌位置の反応容器C内に分注された第1試薬との接触を検出することによって液面を検知する。例えば、図2に示すように、液面検知装置20は、撹拌装置12の構成要素である攪拌棒121およびステッピングモータMsの他に、発振器21と、増幅器23と、ダイオード24と、コンデンサ25と、コンパレータ26とを有し、反応容器Cの液面を静電容量方式で検知する。
【0027】
ここで、攪拌棒121の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、攪拌棒121は、例えば、ステンレス(SUS)等の導電性金属からなり、その表面に、カーボンファイバを含有するフッ素樹脂あるいは有機導電透明シート等の検体や試薬に対して疎液性を有する被覆層122が形成されて構成されている。「疎液性」とは、撹拌する液体との接触角が大きいことを意味し、具体的には、接触角が60度以上であることをいう。攪拌棒121に施す疎液性処理の素材としては、例えば、水との接触角が約110度のテトラフルオロエチレン、約90度のトリフルオロエチレン,クロロトリフルオロエチレン,ポリエチレン、約95度のポリプロピレン、60〜70度のナイロン等が好ましい。特に、フッ素系の合成樹脂は、耐熱性や化学的耐性に優れているので素材としてより好ましい。このようにして攪拌棒121の表面に疎液性を有する被覆層122を形成することによって、攪拌棒121は、撹拌後に検体や試薬が液切れし易くなっている。
【0028】
発振器21は、図2に示すように、固定電極22に液面検知のための交流信号を印加する。固定電極22は、反応テーブル5の下方であって、撹拌装置12の近傍位置、より具体的には攪拌棒121による第1攪拌位置の近傍位置に配置されている。このとき、攪拌棒121は、固定電極22に誘導される発振信号の受信電極となる。すなわち、攪拌棒121が第1攪拌位置に搬送された反応容器C内に下降し、その先端が反応容器C内の第1試薬Rの液面に接触すると、発振器21によって固定電極22に印加された発振信号が、第1試薬Rを通じて攪拌棒121に伝達されて増幅器23に導入される。なお、固定電極22の配置位置はこれに限定されるものではなく、反応テーブル5を構成する保温部材53の内周側や外周側において、第1攪拌位置の近傍位置に配置することとしてもよい。あるいは、固定電極22を反応容器Cと一体に設ける構成としてもよい。
【0029】
増幅器23は、ダイオード24およびコンパレータ26を介して攪拌棒121と制御部16とを接続しており、攪拌棒121の先端が反応容器C内の第1試薬Rの液面に接触することによって固定電極22から攪拌棒121に伝達される発振信号を増幅する。
【0030】
ダイオード24は、増幅器23で増幅された発振信号をコンデンサ25と協働して整流、平滑化し、平滑化信号をコンパレータ26に出力する。図4は、横軸を時間、縦軸を平滑化信号の出力(電圧)として、ダイオード24からコンパレータ26に出力される平滑化信号の一例を示している。図4に示すように、攪拌棒121の先端が反応容器C内の第1試薬Rの液面に接触すると、ダイオード24からの出力が変化する。この出力変化をもとに、攪拌棒121による液面検知の状況(液面検知の有無)を判定することができる。
【0031】
コンパレータ26は、ダイオード24から入力される平滑化信号(電圧)と別途入力される基準値信号(電圧)の大小を比較し、平滑化信号と基準値信号のうち、値の大きい信号値を液面検知信号として制御部16の判定部161に出力する。
【0032】
制御部16は、マイクロコンピュータ等で構成され、装置内の適所に収められる。この制御部16は、図1に示すように、液面検知装置20のコンパレータ26から入力される液面検知信号をもとに第1攪拌位置の反応容器Cの液面を検知し、検知した液面からこの反応容器C内の液量を判定する判定手段としての判定部161を備える。具体的には、判定部161は、コンパレータ26から基準値信号が入力されている間は液面を検知していないと判定し、基準信号値より大きい値(すなわち、ダイオード24から入力される平滑化信号)が入力された時点で、液面を検知したと判定する。また、予め反応容器Cの液面の高さとその液量との対応関係を定義して記憶部177に格納しておき、判定部161は、液面を検知した時点でステッピングモータMsに出力されたパルス数(攪拌棒121の下降量)から反応容器Cの液面の高さを求め、反応容器C内の液量が所定量か否かを判定する。
【0033】
また、制御部16は、分析部171と接続されており、測定光学系14による測定結果が適宜出力されるようになっている。分析部171は、測定光学系14による測定結果をもとに検体の成分濃度等を分析し、分析結果を制御部16に出力する。また、制御部16は、検体数や分析項目等、分析に必要な情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力装置で構成される入力部173や、分析結果画面や警告表示画面、各種設定入力のための入力画面等を表示するためのLCDやELD等の表示装置で構成される表示部175、自動分析装置1の動作に必要な各種データや分析結果等を記憶する記憶部177と接続されている。
【0034】
そして、制御部16は、自動分析装置1の各部の動作を制御し、反応容器Cを第1試薬分注位置や検体分注位置、第2試薬分注位置、第1〜第3攪拌位置、測定位置、洗浄位置の各位置に順次搬送して分析処理を行う。すなわち、一の反応容器Cに着目すれば、反応容器Cは先ず、第1試薬分注位置に搬送され、試薬分注装置6がこの反応容器C内に試薬容器8a内の第1試薬を分注する。続いて反応容器Cは、第1攪拌位置に搬送される。この第1攪拌位置では、液面検知装置20が攪拌棒121と反応容器C内の液体(第1試薬)との接触を検出して液面を検知するとともに、攪拌装置12がこの反応容器C内の液体(第1試薬)を攪拌棒121で攪拌する。続いて反応容器Cは、検体分注位置に搬送され、検体分注装置4が検体容器2b内の検体をこの反応容器C内に分注する。続いて反応容器Cは、第2攪拌位置に搬送され、攪拌装置12がこの反応容器C内の液体(第1試薬および検体)を攪拌棒123で攪拌する。続いて反応容器Cは、第2試薬分注位置に搬送され、試薬分注装置7が試薬容器7a内の第2試薬をこの反応容器C内に分注する。続いて反応容器Cは、第3攪拌位置に搬送され、攪拌装置13がこの反応容器C内の液体(第1試薬、検体および第2試薬)を攪拌棒131で攪拌する。また、第1攪拌位置で攪拌された反応容器Cや、第2攪拌位置で攪拌された反応容器C、第3攪拌位置で攪拌された反応容器Cは、キュベットホイール51の回転に伴って測定位置を通過するが、このとき、測定光学系14がこの反応容器C内の液体の分光強度測定を行う。測定結果は分析部171に出力され、分析される。第3攪拌位置での攪拌の後、測定光学系14によって反応容器C内の反応液が測定されたならば、反応容器Cは洗浄位置に搬送され、洗浄装置15がこの反応容器C内の反応液を排出し、内部の洗浄・乾燥を行う。洗浄位置で洗浄・乾燥された反応容器Cは再び第1試薬分注位置に搬送され、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0035】
ここで、制御部16が行う分析処理の手順について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図5は、一の検体を分析対象として行う分析処理の手順を示しており、実際には、分析を行う全ての検体について、図5の手順に従った分析処理が順次実行される。また、分析処理に先立ち、制御部16は、各検体の分析項目の入力を受け付ける。そして、制御部16は、入力部173を介して入力された各検体の分析項目を、その検体番号と対応付けて記憶部177に格納しておく。
【0036】
先ず、制御部16は、検体読取装置3から入力される分析対象の検体の検体番号をもとに、記憶部177から分析項目を読み出す。そして、制御部16は、図5に示すように、分析項目を識別するための変数nを「1」に初期化し(ステップS1)、n番目の分析項目(第n項目)について処理を行う。すなわち先ず、制御部16は、第1試薬分注位置の反応容器Cを処理対象とし、第n項目の第1試薬の分注を指示する(ステップS3)。以下、処理対象の反応容器Cを「処理容器C」と呼ぶ。これにより、試薬分注装置6が、第1試薬分注処理を行って処理容器Cに第1試薬を分注する(ステップS5)。
【0037】
続いて制御部16は、キュベットホイール51の回転を制御するが、これによって処理容器Cが第1攪拌位置に搬送される。制御部16は、液面検知装置20による液面検知処理を開始させて(ステップS7)、攪拌棒121を処理容器C内に下降させる(ステップS9)。そして、判定部161が、液面検知装置20からの入力をもとに処理容器Cの液面を検知し、処理容器C内の液量が所定量か否かを判定する。そして、判定部161が液面を検知し、液量を判定した結果、所定量の液量が検知された場合は(ステップS11:Yes)、ステップS25に移行する。所定量の液量が検知されない場合、すなわち、液量が所定量に満たない場合や液量が所定量より多い場合、あるいは液面を検知できない場合には(ステップS11:No)、処理容器C内に正確量の第1試薬が分注されていないので、ステップS13に移行する。ここで、所定量の液量とは、ステップS5で分注される第1試薬の規定量に相当する。
【0038】
ステップS13では、制御部16は、検体分注装置4による検体分注動作を中断する制御を行う。処理容器C内に所定量の液量が検知されず、第1試薬が正確量分注されなかった場合、その要因として、例えば、第1試薬を分注する際に試薬容器8a内の泡や容器開口等に付着した水滴に試薬分注装置6の分注プローブ61が接する等して液面を正しく検知できず、あるいは試薬容器8a内の第1試薬の残量不足によって液面検知不良が生じた場合や、分注プローブ61の詰まり等が原因で吸引不良や吐出不良等の分注不良が生じた場合等が挙げられる。分注不良が生じた場合には、分注処理を終了してメンテナンスを行う必要があるが、ここで、先ず検体分注装置4による検体分注動作を中断することによって、検体の無駄な消費を防止する。
【0039】
そして、制御部16は、警告表示処理を行って第1試薬の分注が異常である旨を表示部175に表示させる(ステップS15)。そして、制御部16は、ここで発生した第1試薬の分注異常が1回目の場合には(ステップS17:Yes)、次に第1試薬分注位置に搬送される別の反応容器Cを処理容器Cとして再度第n項目の第1試薬の分注を指示し(ステップS19)、ステップS5に戻る。一方、制御部16は、分注異常が連続して発生し、発生した第1試薬の分注異常が2回目の場合には(ステップS17:No)、試薬分注装置6による第1試薬分注動作を停止する制御を行い(ステップS21)、警告表示処理を行って分析処理を終了する旨を表示部175に表示させる(ステップS23)。例えば、液面検知不良または分注不良によって第1試薬の分注異常が生じ、メンテナンスが必要である旨のメッセージ表示を行う。またこのとき、第n項目の第1試薬の試薬切れの確認を促すメッセージや、試薬分注装置6の分注プローブ61の洗浄を促すメッセージを表示することとしてもよい。そして、既に第1試薬や検体、第2試薬が分注されている反応容器Cに対する分析処理を終えた時点で、処理を終える。これによれば、発生した第1試薬の分注異常が1回目の場合には第1試薬の分注を続行し、別の反応容器Cにこの第1試薬を再度分注することができる。そして、この別の反応容器C内の液量が所定量でなければ、第1試薬の分注を停止して分析処理を終了することができる。
【0040】
また、ステップS25では、先ず、制御部16が、検体分注装置4に対して中断している検体分注動作の再開を指示する。これは、ステップS13において検体分注動作を中断する制御を行った場合に行う。すなわち、ステップS19の制御によって別の反応容器Cに第1試薬を分注し、ステップS11でこの別の反応容器C内の液量を判定した結果、所定量の液量を検知した場合であれば、検体の分注を再開することができる。そして、制御部16は、攪拌装置12の攪拌棒121による攪拌処理を制御し、処理容器C内の第1試薬の攪拌を行う(ステップS27)。そして、制御部16は、キュベットホイール51の回転を制御して処理容器Cを検体分注位置、第2攪拌位置、第2試薬分注位置、第3攪拌位置、洗浄位置に順次搬送し、検体分注装置4による検体分注処理(ステップS29)、攪拌装置12の攪拌棒123による攪拌処理(ステップS31)、試薬分注装置7による第2試薬分注処理(ステップS33)、攪拌装置13の攪拌棒131による攪拌処理(ステップS35)、洗浄装置15による洗浄処理(ステップS37)を制御する。
【0041】
そして、制御部16は、n=N(分析対象の検体に設定された分析項目数)か否かを判定する。n=Nでなければ(ステップS39:No)、制御部16は、nをインクリメントしてn=n+1とし(ステップS41)、ステップS3に戻って次の分析項目について上記した処理を行う。一方、n=Nの場合には(ステップS39:Yes)、分析対象の検体に対しての全ての分析項目について分析処理を行ったので、処理を終えて、次に分析対象とする検体があればその検体についての分析処理に移る。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態によれば、反応容器C内に第1試薬が分注された後、検体が分注される前に、攪拌装置12の攪拌棒121によって反応容器Cの液面を検知し、検知した液面をもとに反応容器C内の液量が所定量か否かを判定することができる。そして、反応容器C内の液量が所定量でない場合に、分注異常が発生したとして検体分注装置4による検体分注動作を中断することができる。したがって、第1試薬の分注異常をリアルタイムに判定し、分注異常が発生した場合には検体の分注を中断することができるので、試薬が正確量分注されないまま分析が続行されることがなく、検体の無駄な消費を防止することができる。また、第1試薬を撹拌する攪拌棒121によって第1試薬の液面を検知し、液量が所定量か否かを判定することができるので、液面検知時のコンタミネーションを考慮する必要がなく、迅速かつ効率的に液面を検知し、分注異常を判定することができる。
【0043】
なお、上記した実施の形態では、分注異常が2回発生した場合に分析処理を終了する場合について説明したが、これに限定されるものではない。図6は、分析処理の手順の変形例を示すフローチャートである。なお、図6において、図5と同様のステップには同一の符号を付する。また、以下の説明において、上記した実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付する。
【0044】
本変形例では、制御部は、ステップS15で警告表示処理を行った後、発生した第1試薬の分注異常が2回目の場合に(ステップS17:No)、続いて、直前の分析処理の第1試薬分注時において分注異常が発生していたか否かを判定する。そして、制御部は、発生していない場合には(ステップS51:No)、制御部は、警告表示処理を行い、分析対象の検体について第n項目の分析処理を中止した旨や、第n項目の第1試薬の試薬切れの確認を促すメッセージ等を表示部175に表示させる(ステップS53)。そして、制御部は、n=N(分析対象の検体に設定された分析項目数)か否かを判定する。n=Nでなければ(ステップS55:No)、制御部は、nをインクリメントしてn=n+1とする(ステップS57)。そして、制御部は、次に第1試薬分注位置に搬送される別の反応容器Cを処理容器Cとして次の分析項目の第1試薬の分注を指示し(ステップS59)、ステップS5に戻る。
【0045】
一方、直前の分析処理の第1試薬分注時において分注異常が発生していた場合であれば(ステップS51:Yes)、制御部は、試薬分注装置6による第1試薬分注動作を停止する制御を行う(ステップS61)。そして、制御部は、警告表示処理を行って、試薬分注装置6の分注プローブ61による分注不良が原因で第1試薬の分注が異常であり、分析処理を終了する旨を表示部175に表示させる(ステップS63)。そして、既に第1試薬や検体、第2試薬が分注されている反応容器Cに対する分析処理を終えた時点で、処理を終える。
【0046】
本変形例によれば、第1試薬の分注異常が連続して発生した場合に、別の反応容器Cに別の分析項目の第1試薬を分注することができる。そして、この別の反応容器C内の液量が所定量であれば、前回の分注異常が、試薬切れ等による液面検知不良によるものと判断し、検体の分注を再開することができる。前回の分析項目については、試薬を補充した後等に別途行えばよい。一方、別の分析項目の第1試薬を分注した反応容器C内の液量が所定量でない場合には、試薬分注装置6の分注プローブ61の詰まり等による分注不良が生じたとして第1試薬の分注を停止し、分析処理を終了することができる。したがって、試薬切れ等が原因で分注異常が発生した場合には、装置を停止することなく分析処理を続行することができる。
【0047】
また、上記した実施の形態では、第1試薬の液面を検知し、液量が所定量か否かを判定する場合について説明したが、撹拌装置12の撹拌棒123を導電性とし、この攪拌棒123を構成要素とした液面検知装置を備えることとしてもよい。これによれば、検体を分注した後の反応容器の液面を検知し、検体が正確量分注されているか否かを判定することができる。また、攪拌装置13の攪拌棒131を導電性とし、この攪拌棒131を構成要素とした液面検知装置を備えることとしてもよい。これによれば、第2試薬を分注した後の反応容器の液面を検知し、第2試薬が正確量分注されているか否かを判定することができる。
【0048】
また、上記した実施の形態では、第1試薬の分注後に検体を分注する構成の自動分析装置について説明したが、第1試薬を分注した後さらに第2試薬を分注し、第2試薬の分注後に検体を分注する構成の自動分析装置の場合には、第2試薬の分注後に行う攪拌に用いる攪拌棒によって液面検知を行うように構成し、反応容器内の液量が所定量か否かを判定することによって第1試薬または第2試薬の分注異常を判定するように構成してもよい。
【0049】
また、上記した実施の形態では、静電容量方式によって液面を検知する場合について説明したが、例えば、検液の導電性を利用して液面を検知する実開昭54−19790号公報に開示された検知針を使用して液面を検知してもよい。
【0050】
また、液面検知装置の構成要素として適用可能な攪拌棒は、試薬や検体の液面を検知することができればよく、図3に示した構成の攪拌棒121に限定されるものではない。例えば、図7に示す攪拌棒221のように、ステンレス(SUS)等の導電性金属の表面に、先端面において金属が露出するように、カーボンファイバを含有するフッ素樹脂等の検体や試薬に対して疎液性を有する被覆層222を形成してもよい。また、図8に示す撹拌棒321のように、カーボンファイバを含有し、検体や試薬に対して疎液性を有する合成樹脂で形成してもよい。あるいは、図9に示す撹拌棒421のように、検体や試薬に対して疎液性を有する素材で形成し、先端面に液面検知装置と電気的に接続されるITO膜等からなる導電性の膜422を形成してもよい。
【0051】
また、上記した実施の形態では、分注異常が発生した旨を表示部175に表示して警告表示を行う場合について説明したが、分注異常が発生した旨をプリンタ等の出力装置に出力する構成としてもよいし、スピーカ等の出力装置によって警告音を出力して分注異常の発生を報知する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施の形態の自動分析装置の内部構成の一例を示す概略斜視図である。
【図2】自動分析装置で使用する液面検知装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】液面を検知する撹拌棒の構成を説明する図である。
【図4】液面検知装置においてダイオードからコンパレータに出力される平滑化信号の一例を示す図である。
【図5】分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】分析処理の手順の変形例を示すフローチャートである。
【図7】液面を検知する撹拌棒の構成の変形例を説明する図である。
【図8】液面を検知する撹拌棒の構成の他の変形例を説明する図である。
【図9】液面を検知する撹拌棒の構成の他の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
【0053】
1 自動分析装置
2 検体供給装置
3 検体読取装置
4 検体分注装置
5 反応テーブル
6,7 試薬分注装置
8,9 試薬テーブル
10,11 試薬読取装置
12,13 攪拌装置
14 測定光学系
15 洗浄装置
20 液面検知装置
121 攪拌棒
Ms ステッピングモータ
21 発振器
22 固定電極
23 増幅器
24 ダイオード
25 コンデンサ
26 コンパレータ
16 制御部
161 判定部
171 分析部
173 入力部
175 表示部
177 記憶部
2a ラック
2b 検体容器
C 反応容器
8a,9a 試薬容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内に試薬を分注する試薬分注手段と、前記試薬分注手段によって試薬が分注された反応容器内に検体を分注する検体分注手段と、前記反応容器内に攪拌棒を挿入して前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段とを備え、前記反応容器内で試薬と検体とを混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置であって、
前記試薬分注手段が試薬の分注を行った後、前記検体分注手段が検体の分注を行う前に、前記攪拌手段が具備する前記攪拌棒を前記反応容器内に挿入し、前記攪拌棒の先端と前記反応容器内の液体との接触を検出して液面を検知する液面検知手段と、
前記液面検知手段によって検知された液面をもとに、前記反応容器内の液量が所定量か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記検体分注手段による検体の分注動作を停止する制御を行う検体分注停止制御手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記検体分注停止制御手段が検体の分注停止を制御した場合に、検体の分注を停止した旨の警告を報知する警告報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
試薬の分注を前記試薬分注手段に指示する試薬分注指示手段を備え、前記判定手段によって前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段に試薬の分注を再度指示して前記反応容器とは別の反応容器に分注させ、
前記判定手段によって前記別の反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段による試薬の分注動作を停止する制御を行う試薬分注停止制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
検体に設定された分析項目に応じた試薬の分注を前記試薬分注手段に指示する試薬分注指示手段を備え、前記判定手段によって前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段に前記分析項目とは別の分析項目に応じた試薬の分注を指示して前記反応容器とは別の反応容器に分注させ、
前記判定手段によって前記別の反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記試薬分注手段による試薬の分注動作を停止する制御を行う試薬分注停止制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記判定手段によって前記別の反応容器内の液量が所定量と判定された場合に、前記検体分注手段による検体の分注動作を再開する制御を行う検体分注再開制御手段を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記攪拌棒は、導電性を有する素材で形成され、
前記液面検知手段は、前記攪拌棒の先端と前記反応容器内の液体との間の静電容量の変化から液面を検知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
反応容器内に試薬を分注する試薬分注手段と、前記試薬分注手段によって試薬が分注された反応容器内に検体を分注する検体分注手段と、前記反応容器内に攪拌棒を挿入して前記反応容器内の液体を攪拌する攪拌手段とを備え、前記反応容器内で試薬と検体とを混合して反応させた反応液を分析する自動分析装置における検体の分注制御方法であって、
前記試薬分注手段が試薬の分注を行った後、前記検体分注手段が検体の分注を行う前に、前記攪拌手段が具備する前記攪拌棒を前記反応容器内に挿入し、前記攪拌棒の先端と前記反応容器内の液体との接触を検出して液面を検知する液面検知工程と、
前記液面検知工程で検知された液面をもとに、前記反応容器内の液量が所定量か否かを判定する判定工程と、
前記判定手段で前記反応容器内の液量が所定量でないと判定された場合に、前記検体分注手段による検体の分注動作を停止する制御を行う検体分注停止制御工程と、
を含むことを特徴とする自動分析装置における検体の分注制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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