説明

自動分析装置および自動分析装置の精製水管理方法

【課題】分析装置内で使用される精製水中の細菌や微生物の増殖を抑制して、配管洗浄に要する時間を削減することができる自動分析装置および精製水の管理方法を提供する。
【解決手段】本発明は、検体と試薬との反応により生じる反応物を光学的に分析する自動分析装置1において、分注部28等の圧力伝達用媒体、および分注部28のプローブ洗剤の希釈水および洗浄水として使用される精製水を貯留する精製水タンク104と、前記プローブ洗剤の洗剤原液を貯留する洗剤原液タンク131と、精製水タンク104と洗剤原液タンク131とを接続する配管108と、配管108に配設され、前記洗剤原液を精製水タンク104内に所定量供給するハイセラポンプ132と、精製水タンク104に精製水原液を供給する給水源と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精製水を使用して検体に対する分析処理を行なう自動分析装置および自動分析装置の精製水管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分析装置は、血液や尿などの多数の検体に対する分析処理を同時に行い、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫学検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている。このような分析装置において、検体や試薬を分注して分析を行う反応キュベットの洗浄に、アルカリおよび界面活性剤を主成分とする洗浄剤を使用する分析装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような分析装置は、検体や試薬の分注圧力伝達、各部材の洗浄などのために精製水を用いており、分析装置内に精製水を保持するタンクを設けた構造を有する。しかしながら、精製水内に菌が存在しない状態で精製水が精製された場合であっても、精製水が空気に触れることで精製水内に細菌や微生物が混入してしまい、時間の経過にともなって細菌や微生物が増殖し、精製水が汚染されてしまうという問題があった。特に、反応系にALPを使用する免疫学検査装置では、細菌汚染による影響を受けやすかった。さらに、このような分析装置における分析対象となる検体は、患者の血液や尿などの生体液試料であり、この分析結果が疾病の診断や治療方針の決定のもととなるため、分析結果の高信頼性が求められている。
【0004】
このため、検体や試薬を分注するノズル内の洗浄に用いる洗浄水の電気伝導率を測定するセンサを設け、測定した洗浄水の電気伝導率をもとに洗浄水の汚染の有無を判断する分析装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−292387号公報
【特許文献2】特開平9−127131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の分析装置は、精製水の水質汚染があった場合には、分析装置の保守管理者自身が、複雑な配管構成を有する分析装置内部の各部材を操作して分析装置内の精製水を排出し、新たな精製水に入れ替えるという煩雑な処理を行なわなければならなかった。さらに、従来の分析装置においては、精製水の水質汚染を判断するために、専用の測定機構を新たに設ける必要があったため、分析装置の装置構成が複雑化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、分析装置内で使用される精製水中の細菌や微生物の増殖を抑制して、配管洗浄に要する時間を削減することができる自動分析装置および精製水の管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、検体と試薬との反応により生じる反応物を光学的に分析する自動分析装置において、分注装置の圧力伝達用媒体、および前記分注装置のプローブ洗剤の希釈水および洗浄水として使用される精製水を貯留する精製水貯留手段と、前記プローブ用の洗剤原液を貯留する洗剤原液貯留手段と、前記精製水貯留手段と前記洗剤原液貯留手段とを接続する配管と、前記配管に配設され、前記洗剤原液を前記精製水貯留手段内に所定量供給する洗剤原液供給手段と、前記精製水貯留手段に精製水原液を供給する精製水原液供給手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記精製水貯留手段内に貯留される精製水量を検出する液面検出手段と、前記液面検出手段が検出した精製水量が所定量より低下した場合に、前記精製水貯留手段に前記洗剤原液および前記精製水原液を供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水を調整するよう制御する濃度制御手段と、を備える。
【0010】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記精製水貯留手段内または前記精製水貯留手段から前記精製水を供給する配管に配設され、前記精製水の洗剤原液濃度を測定する濃度測定手段と、前記濃度測定手段により測定された洗剤原液濃度が所定範囲外の場合、前記洗剤原液または前記精製水原液を前記精製水貯留手段に供給して、前記精製水の洗剤原液濃度を所定範囲内となるよう制御する濃度制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記精製水貯留手段内に貯留される精製水量を検出する液面検出手段を備え、前記濃度制御手段は、前記液面検出手段が精製水量低下と判断した場合に、前記洗剤原液および前記精製水原液を供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の前記精製水を調整するよう制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記洗剤原液は、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物と、一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、を含有する水溶液であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記洗剤原液は、アルカリ金属水酸化物と、一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数0〜12)と、アルキルスルホン酸またはアルキルスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数1〜18)と、を含有する水溶液であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、免疫分析装置であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の自動分析装置の精製水管理方法は、検体と試薬との反応により生じる反応物を光学的に分析する自動分析装置の精製水管理方法において、精製水貯留手段内に貯留される精製水量を検出する液面検出ステップと、前記液面検出ステップにより検出した精製水量が所定量より低下した場合に、プローブ洗浄に使用される洗剤原液を貯留する洗剤原液貯留手段から、前記精製水貯留手段と前記洗剤原液貯留手段とを接続する配管を介し、洗剤原液供給手段により前記洗剤原液を前記精製水貯留手段内に所定量供給するとともに、精製水原液供給手段により精製水原液を所定量供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水を調整するよう制御する精製水調整ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の自動分析装置の精製水管理方法は、上記発明において、前記精製水貯留手段内または前記精製水貯留手段から前記精製水を供給する配管に配設される濃度測定手段により、前記精製水の洗剤原液濃度を測定する濃度測定ステップと、前記濃度測定ステップにより測定された洗剤原液濃度が所定範囲外の場合、前記洗剤原液または前記精製水原液を前記精製水貯留手段に供給して、前記精製水の洗剤原液濃度を所定範囲内となるよう制御する濃度制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の自動分析装置の精製水管理方法は、上記発明において、前記洗剤原液は、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物と、一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、を含む水溶液であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の自動分析装置の精製水管理方法は、上記発明において、前記洗剤原液は、アルカリ金属水酸化物と、一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数0〜12)と、アルキルスルホン酸またはアルキルスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数1〜18)と、を含む水溶液であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、洗剤原液貯留手段と精製水貯留手段とを配管で接続して、洗剤原液供給手段により所定量の洗剤原液を前記精製水貯留手段に供給し、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水を圧力伝達媒体等に使用することにより、精製水中の細菌および微生物の増殖を抑制することが可能となる。また、これにより、配管および精製水貯留手段の洗浄に要する時間を削減するとともに、分析精度の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置内の配管構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、図1および図2に示す自動分析装置における精製水LWの液量および洗剤濃度管理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置内の配管構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2にかかる精製水LWの液量および洗剤濃度管理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明にかかる自動分析装置、および自動分析装置の精製水管理方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる自動分析装置1は、検体と試薬との間の反応物の作用による発光基質の発光量を測定する測定機構20と、測定機構20を含む自動分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構20における測定結果の分析を行なう制御機構40とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の免疫学的な分析を自動的に行なう。
【0023】
まず、測定機構20について説明する。測定機構20は、大別して検体移送部21、チップ格納部22、検体分注部23、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、第1試薬庫26、第2試薬庫27、第1試薬分注部28、第2試薬分注部29、酵素反応テーブル30、測光部31、第1反応容器移送部32および第2反応容器移送部33を備える。測定機構2の各構成部位は、所定の動作処理を行なう単数または複数のユニットを備える。
【0024】
検体移送部21は、検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック21bを備える。検体容器21aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液または尿などである。
【0025】
チップ格納部22は、複数のチップを整列したチップケースを設置しており、このケースからチップを供給される。このチップは、感染症項目測定時のキャリーオーバー防止のため、検体分注部23のノズル先端に装着され、検体分注ごとに交換されるディスポーザブルのサンプルチップである。
【0026】
検体分注部23は、検体の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられ、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。検体分注部23は、検体移送部21によって所定位置に移動された検体容器21a内の検体をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送された反応容器10に分注して検体を所定タイミングでBFテーブル25上の反応容器10内に移送する。
【0027】
免疫反応テーブル24は、それぞれ配置された反応容器10内で検体と分析項目に対応する所定の試薬とを反応させるための反応ラインを有する。免疫反応テーブル24は、免疫反応テーブル24の中心を通る鉛直線を回転軸として反応ラインごとに回動自在であり、免疫反応テーブル24に配置された反応容器10を所定タイミングで所定位置に移送する。免疫反応テーブル24においては、図1に示すように、前処理、前希釈用の外周ライン24a、検体と固相担体試薬との免疫反応用の中周ライン24bおよび検体と標識試薬との免疫反応用の内周ライン24cを有する3重の反応ライン構造を形成してもよい。
【0028】
BFテーブル25は、所定の洗浄液を吸引吐出して検体または試薬における未反応物質を分離するBF(bound−free)分離を実施するBF洗浄処理を行なう。BFテーブル25は、BFテーブル25の中心を通る鉛直線を回転軸として図1の矢印の方向に回動自在であり、BFテーブル25に配置された反応容器10を所定タイミングで所定位置に移送する。BFテーブル25は、BF分離に必要な磁性粒子を集磁する集磁機構と、BF洗浄液を反応容器内に吐出・吸引してBF分離を実施するBF洗浄プローブを有するBF洗浄部251と、集磁された磁性粒子を分散させる攪拌機構とを有する。このBFテーブル25におけるBF洗浄処理として、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理が行われる。なお、BF洗浄部251は、複数のBF洗浄液吐出プローブと、各BF洗浄液吐出プローブに対応する複数のBF液吸引プローブとを有する。
【0029】
第1試薬庫26は、BFテーブル25に配置された反応容器10内に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器26aを複数収納できる。第2試薬庫27は、BFテーブル25に配置された反応容器10内に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器27aを複数収納できる。第1試薬庫26および第2試薬庫27は、図示しない駆動機構が駆動することによって、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器を第1試薬分注部28または第2試薬分注部29による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬は、分析対象である検体内の抗原または抗体と特異的に結合する反応物質を固相した不溶性担体である磁性粒子を含む試薬である。第2試薬は、磁性粒子と結合した抗原または抗体と特異的に結合する標識物質(たとえば酵素)を含む試薬である。また、第2試薬庫27は、標識物質との酵素反応によって発光する基質を含む基質液が収容された基質液容器27bを収納し、時計回りまたは反時計回りに回動して所定の基質液容器27bを第1試薬分注部28による基質液吸引位置まで搬送する。
【0030】
第1試薬分注部28は、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられ、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。第1試薬分注部28は、第1試薬庫26によって所定位置に移動された第1試薬容器26a内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって第1試薬吐出位置に搬送された反応容器10に分注する。また、第1試薬分注部28は、第2試薬庫27によって所定位置に移動された基質液容器27b内の基質液をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって基質液吐出位置に搬送された反応容器10に分注する。
【0031】
第2試薬分注部29は、第1試薬分注部と同様の構成を有し、第2試薬庫27によって所定位置に移動された第2試薬容器27a内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送された反応容器10に分注する。
【0032】
酵素反応テーブル30は、反応容器10内に注入された基質液内の基質が発光可能となる酵素反応処理を行なうための反応ラインである。
【0033】
測光部31は、反応容器10内の反応液内の基質から発する発光を測定する。測光部31は、たとえば、化学発光で生じた微弱な発光を検出する光電子倍増管を有し、カウント法を用いて発光量を測定する。また、測光部31は、光学フィルターを保持し、発光強度に応じて光学フィルターにより減光された測定値によって真の発光強度を算出する。
【0034】
第1反応容器移送部32は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行ない、液体を収容した反応容器10を所定タイミングで、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、酵素反応テーブル30、図示しない反応容器供給部および図示しない反応容器廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。また、第2反応容器移送部33は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行ない、液体を収容した反応容器10を所定タイミングで、酵素反応テーブル30、測光部31、図示しない反応容器廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。
【0035】
つぎに、制御機構40について説明する。制御機構40は、制御部41、入力部42、分析部43、記憶部44、出力部45および送受信部47を備える。測定機構20および制御機構40が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。制御機構40は、一または複数のコンピュータシステムを用いて実現され、測定機構20に接続する。制御機構40は、分析装置1の各処理にかかわる各種プログラムを用いて、測定機構20の動作処理の制御を行なうとともに測定機構20における測定結果の分析を行なう。
【0036】
制御部41は、制御機能を有するCPU等を用いて構成され、自動分析装置1の各構成部位の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部41は、記憶部44が記憶するプログラムをメモリから読み出すことにより分析装置1の制御を実行する。また、制御部41は、後述する精製水タンク104内の精製水量が所定量より低下した場合に、精製水タンク104に洗剤原液タンク131に貯留される洗剤原液DSおよび精製水原液を供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水LWを調整するよう制御する濃度制御部48を有する。
【0037】
入力部42は、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部45を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。分析部43は、測定機構20から取得した測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行なう。
【0038】
記憶部44は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部45は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0039】
出力部45は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、制御部41の制御のもと、分析に関する諸情報を出力する。出力部45は、ディスプレイ等を用いて構成された表示部46を備える。送受信部47は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。
【0040】
この免疫検査を行なう自動分析装置1においては、この反応容器10内に磁性粒子を含む第1試薬が第1試薬分注部28によって分注される第1試薬分注処理、チップ格納部22から供給されたチップを装着した検体分注部23によってBFテーブル25上の反応容器10内に検体が分注される検体分注処理、BFテーブル25において反応物を集磁させた状態で反応容器10内から未反応物質を除去する第1BF洗浄処理、第2試薬分注部29によって反応容器10内に標識試薬が分注される第2試薬分注処理、BFテーブル25において免疫複合体を集磁させた状態で反応容器10内から未結合である標識抗体を除去する第2BF洗浄処理、反応容器10内に基質液が分注される基質液分注処理、基質からの発光を測定する測定処理および測定された光量をもとに検出対象である抗原量を求める分析処理が行われる。
【0041】
次に、本発明の実施の形態にかかる精製水LWの液量および濃度の管理について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置1内の配管構成の一例を示す図である。
【0042】
図2に示すように、図1に示す自動分析装置1は、精製水LWを貯留する精製水タンク104を有する。この精製水LWは、精製水原液にプローブ洗剤に使用される洗剤原液DSを所定濃度で添加したものである。ここで、精製水原液は、給水源から供給され、イオン交換水、蒸留水、超ろ過水またはこれらの組み合わせにより精製された水である。精製水原液は、濃度制御部48の制御によって、配管105に設けられた電磁弁103が開けられたときに、配管105を介して、給水源から精製水タンク104内に供給される。また、配管105には流量計102が配設され、精製水タンク104に供給される精製水原液量を監視する。
【0043】
精製水タンク104は、精製水タンク104内の精製水液量を検出する液位センサ101を有する。液位センサ101は、たとえば、サーミスタを自己発熱させて、液体の有無によって変わるサーミスタの温度変化特性を利用して液体の有無を判定するものでもよく、液体による圧力変化を電気信号に変換して液位を判定してもよい。液位センサ101による液量情報は、濃度制御部48に出力され、精製水タンク104内の精製水LWが所定量より少ない場合、濃度制御部48は、精製水タンク104に洗剤原液タンク131に貯留される洗剤原液DSおよび精製水原液を供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水LWを調整するよう制御する。
【0044】
精製水タンク104には精製水LWを自動分析装置1の各機構に圧送する配管109およびポンプ106が接続されている。配管109は、検体分注部23、第1試薬分注部28および第2試薬分注部29の圧力伝達媒体、ならびに第1試薬分注部28および第2試薬分注部29のプローブ内部洗浄水として使用される精製水LWを圧送する配管である。配管109から、第1試薬分注部28および第2試薬分注部29のプローブの外部を洗浄するプローブ洗剤の希釈液として使用される精製水LWを圧送する配管113が分岐し、配管113から、BF洗浄液の希釈水として使用される精製水LWを圧送する配管114が分岐する。配管113および配管114には、電磁弁124および電磁弁115がそれぞれ配設される。また、配管113には流量計110が配設され、プローブ洗剤タンク125またはBF洗浄液タンク119に供給される精製水量を監視する。
【0045】
BF洗浄液タンク119は、BF分離に使用されるBF洗浄液を貯留する。BF洗浄液量はBF洗浄液タンク119内に設置される図示しない液位センサにより検出され、BF洗浄剤が所定量より低下した場合、制御部41は、BF原液タンク120に貯留されるBF原液と精製水LWとをBF洗浄液タンク119に供給して、BF洗浄液を調整するよう制御する。BF洗浄液タンク119には、図1に示すBF洗浄部251にBF洗浄液を圧送する配管121、ポンプ122およびハイセラポンプ123が接続され、BF洗浄部251からの戻りBF洗浄液は、配管121から分岐する配管116によりBF洗浄液タンク119に戻される。BF原液は、配管118を介してハイセラポンプ117により所定量BF洗浄液タンク119内に供給され、精製水LWは、配管109、配管113および配管114を介しポンプ106によりBF洗浄液タンク119内に供給される。ポンプ106による精製水LWの供給は、電磁弁115を開き、その他の電磁弁124、112、ならびに三方弁136および137が閉状態で行なわれ、流量計110で供給量がモニタされる。
【0046】
プローブ洗剤タンク125は、第1試薬分注部28および第2試薬分注部29のプローブの外部を洗浄するプローブ洗剤を貯留する。プローブ洗剤液量はプローブ洗剤タンク125内に設置される図示しない液位センサにより検出され、プローブ洗剤が所定量より低下した場合、制御部41は、洗剤原液タンク131に貯留される洗剤原液DSと精製水LWとをプローブ洗剤タンク125に供給して、プローブ洗液を調整するよう制御する。プローブ洗剤タンク125には、プローブ洗浄槽にプローブ洗液を圧送する配管129、ポンプ130および電磁弁133が接続され、プローブ洗浄槽からの戻りプローブ洗剤は、配管129から分岐する配管126によりプローブ洗剤タンク125に戻される。洗剤原液DSは、配管127を介してハイセラポンプ128により所定量プローブ洗剤タンク125内に供給され、精製水LWは、配管109、配管113および電磁弁124を介しポンプ106によりプローブ洗剤タンク125内に供給される。ポンプ106による精製水LWの供給は、電磁弁124を開き、その他の電磁弁115、112、ならびに三方弁136および137が閉状態で行なわれ、流量計110で供給量がモニタされる。
【0047】
また、洗剤原液タンク131内に貯留される洗剤原液DSは、精製水タンク104と洗剤原液タンク131とを接続する配管108を介し、ハイセラポンプ132により、精製水タンク104内に所定量供給される。
【0048】
精製水タンク104内に所定量供給されるプローブ洗剤用の洗剤原液DSは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等のアルカリと、一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、を含む水溶液が好ましく使用される。
【0049】
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示される。アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウム等が例示され、単独または混合での使用も可能である。水酸化ナトリウムが好ましい。
【0050】
(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルは、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンを共に含むブロックコポリマーが好ましい。
【0051】
さらに、洗剤原液は、アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数0〜12)と、アルキルスルホン酸またはアルキルスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数1〜18)と、を含むものが、より好適である。
【0052】
アルキルベンゼンスルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、p−トシルベンゼンスルホン酸、クメンスルホン酸などが例示され、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩としては、ベンゼンスルホン酸、p−トシルベンゼンスルホン酸、クメンスルホン酸等のカリウムまたはナトリウム塩が例示される。クメンスルホン酸カリウムまたはクメンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0053】
アルキルスルホン酸としては、ラウリルスルホン酸、ミリスチルスルホン酸、セチルスルホン酸またはステアリルスルホン酸などが例示され、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩としては、ラウリルスルホン酸、ミリスチルスルホン酸、セチルスルホン酸またはステアリルスルホン酸などのカリウムまたはナトリウム塩が例示される。ラウリルスルホン酸、ミリスチルスルホン酸、セチルスルホン酸またはステアリルスルホン酸のナトリウム塩、またはこれらの混合物が好ましい。このような洗剤原液DSとして、たとえば、OLYMPUS AU3000i Wash Solutionを使用することができる。
【0054】
精製水LWの洗剤原液濃度は、使用する洗剤原液DSにより多少の変動はあるものの、0.05〜0.5%程度の濃度の範囲となるよう調整される。精製水LWの洗剤原液濃度を0.05〜0.5%とすることにより、バクテリアの増殖抑制効果が認められ、0.05%以下ではバクテリアの増殖抑制効果があまり認められず、0.5%より大きくしてもその効果の向上は認められない。また、精製水LWの洗剤原液濃度は、プローブ洗剤の洗剤原液濃度(1%)より低濃度であることが好ましく、この点からも、0.05〜0.5%程度の濃度範囲で使用するのが好ましい。好ましくは、0.1〜0.3%の濃度範囲である。
【0055】
一方、ポンプ106により配管109に供給された精製水LWは、脱気装置111により精製水LWに溶解する気体を脱気後、配管139および三方弁136を介し、第1試薬分注部28および第2試薬分注部29内に充填され、圧力伝達媒体として作用する。第1試薬分注部28および第2試薬分注部29内に精製水LWが充填された後、ハイセラポンプ138により負圧が印加され、試薬を吸引する。試薬吸引後、ハイセラポンプ138により正圧が印加され、反応容器10に試薬を吐出する。また、試薬分注後、ポンプ134により試薬プローブに精製水LWを供給して、試薬プローブ内洗浄を行なう。試薬プローブからの戻り精製水LWは、三方弁136と接続される配管140、および三方弁137と接続される配管107を介して精製水タンク104に戻される。
【0056】
図3は、図1および図2に示す自動分析装置1における精製水LWの液量および洗剤濃度管理の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
液位センサ101は、精製水タンク104内の精製水LWの液位をモニタし、液位が所定量より低くなった場合に、濃度制御部48の当該液位情報が出力される(ステップS101)。濃度制御部48は、液位センサ101から液位情報を受信すると、洗剤原液DSが所定濃度の精製水LWを調整するよう制御する。まず、濃度制御部48は、電磁弁103を開き、給水源から精製水原液を送液するよう制御する(ステップS102)。精製水原液の供給量を流量計102でモニタし、所定量の精製水原液が精製水タンク104に供給されるまで(ステップS103、No)、精製水原液を供給する(ステップS102)。所定量の精製水原液が精製水タンク104に供給されたことを確認後(ステップS103、Yes)、精製水原液の供給を停止する。一方、濃度制御部48は、ハイセラポンプ132により洗剤原液タンク131から所定量洗剤原液DSを精製水タンク104に送液し(ステップS104)、処理を終了する。ハイセラポンプ等を使用して洗剤原液DSの送液量を厳密に管理することにより、精製水LW中の洗剤原液濃度を所定範囲に維持することが可能となり、精製水LW中の細菌等の繁殖を効果的に防止することが可能となる。
【0058】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置は、精製水LWを供給する配管または精製水タンク内に洗剤原液濃度を測定する洗剤濃度センサを設置し、精製水LWの洗剤原液濃度が所定範囲外となった場合に適宜洗剤原液濃度を調整して、バクテリアの増殖を効果的に防止することができるものである。
【0059】
図4は、本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置内の配管構成の一例を示す図である。図5は、本発明の実施の形態2にかかる精製水LWの液量および洗剤濃度管理の処理手順を示すフローチャートである。
【0060】
図4に示すように、実施の形態2にかかる自動分析装置では、精製水タンク104から分注装置等に精製水LWを供給する配管109に洗剤濃度センサ141が設置される。洗剤濃度センサ141としては、洗剤成分由来の波長成分を吸光度測定して定量分析する吸光度計や、導電率を測定するための電極などが用いられる。
【0061】
実施の形態2にかかる自動分析装置では、図5に示すように、まず、洗剤濃度センサ141により精製水LWの洗剤原液濃度を測定し(ステップS201)、濃度制御部48が
洗剤原液濃度が所定範囲であると判定した場合(ステップS201、Yes)、液位センサ101により、精製水タンク104内の精製水LWの液位をモニタする(ステップS202)。一方、洗剤原液濃度が所定範囲でないと判定した場合(ステップS201、No)、洗剤原液濃度が所定範囲の上限値より大きいか否かを判定する(ステップS203)。上限値より大きい場合(ステップS203、Yes)、濃度制御部48は、電磁弁103を開き、給水源から精製水原液を送液するよう制御する(ステップS207)。洗剤原液濃度が所定範囲となるまで精製水原液を精製水タンク104に供給し(ステップS208、No)、所定量の精製水原液が精製水タンク104に供給されたことを確認後(ステップS208、Yes)、精製水原液の供給を停止して、精製水LWの濃度管理を終了する。
【0062】
一方、洗剤原液濃度が上限値より大きくない、すなわち下限値より小さい場合は(ステップS203、No)、濃度制御部48は、ハイセラポンプ132により洗剤原液タンク131から洗剤原液DSを精製水タンク104に所定濃度範囲となるまで供給する(ステップS209)。
【0063】
洗剤原液濃度が所定範囲であることを確認後(ステップS201、Yes)、液位センサ101により精製水LWの液位が所定量より低いと確認された場合(ステップS202、Yes)、濃度制御部48は、洗剤原液DSが所定濃度の精製水LWを調整するよう制御する。濃度制御部48は、電磁弁103を開き、給水源から精製水原液を送液するよう制御するとともに(ステップS204)、ハイセラポンプ132により洗剤原液タンク131から所定量洗剤原液DSを精製水タンク104に送液する(ステップS206)。精製水原液の供給は、所定量の精製水原液が精製水タンク104に供給されるまで続行される(ステップS205、Yes)。
【0064】
洗剤濃度センサ141により精製水LWの洗剤原液濃度をモニタすることにより、精製水LW中の洗剤原液濃度を所定範囲に維持することが可能となり、精製水LW中の細菌等の繁殖を効果的に防止することができるとともに、ハイセラポンプ132または給水源から精製水原液を送液するポンプ(図示しない)等が故障した場合であっても、精製水LWの洗剤原液濃度異常を検出でき、早期の対応が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明にかかる自動分析装置、および精製水の管理方法は、装置内で使用する精製水のバクテリアの増殖を抑制するのに有用であり、特に、血液や体液を含む免疫学的分析で使用する自動分析装置に適している。
【符号の説明】
【0066】
1 自動分析装置
20 測定機構
10 反応容器
21 検体移送部
21a 検体容器
21b 検体ラック
22 チップ格納部
23 検体分注部
24 免疫反応テーブル
24a 外周ライン
24b 中周ライン
24c 内周ライン
25 BFテーブル
26 第1試薬庫
26a 第1試薬容器
27 第2試薬庫
27a 第2試薬容器
27b 基質液容器
28 第1試薬分注部
29 第2試薬分注部
30 酵素反応テーブル
31 測光部
32 第1反応容器移送部
33 第2反応容器移送部
40 制御機構
41 制御部
42 入力部
43 分析部
44 記憶部
45 出力部
46 表示部
47 送受信部
48 濃度制御部
101 液位センサ
102、110、135 流量計
103、112、115、124、133 電磁弁
104 精製水タンク
105、107、108、109、113、114、116、118、121、126、127、129、139、140 配管
106、122、130、134 ポンプ
111 脱気装置
117、123、128、132、138 ハイセラポンプ
119 BF洗浄液タンク
120 BF原液タンク
125 プローブ洗剤タンク
131 洗剤原液タンク
136、137 三方弁
141 洗剤濃度センサ
251 BF洗浄部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬との反応により生じる反応物を光学的に分析する自動分析装置において、
分注装置の圧力伝達用媒体、および前記分注装置のプローブ洗剤の希釈水および洗浄水として使用される精製水を貯留する精製水貯留手段と、
前記プローブ洗剤の洗剤原液を貯留する洗剤原液貯留手段と、
前記精製水貯留手段と前記洗剤原液貯留手段とを接続する配管と、
前記配管に配設され、前記洗剤原液を前記精製水貯留手段内に所定量供給する洗剤原液供給手段と、
前記精製水貯留手段に精製水原液を供給する精製水原液供給手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記精製水貯留手段内に貯留される精製水量を検出する液面検出手段と、
前記液面検出手段により検出した精製水量が所定量より低下した場合に、前記精製水貯留手段に前記洗剤原液および前記精製水原液を供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水を調整するよう制御する濃度制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記精製水貯留手段内または前記精製水貯留手段から前記精製水を供給する配管に配設され、前記精製水の洗剤原液濃度を測定する濃度測定手段と、
前記濃度測定手段により測定された洗剤原液濃度が所定範囲外の場合、前記洗剤原液または前記精製水原液を前記精製水貯留手段に供給して、前記精製水の洗剤原液濃度を所定範囲内となるよう制御する濃度制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記精製水貯留手段内に貯留される精製水量を検出する液面検出手段を備え、
前記濃度制御手段は、前記液面検出手段が精製水量低下と判断した場合に、前記洗剤原液および前記精製水原液を供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の前記精製水を調整するよう制御することを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記洗剤原液は、
アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物と、
一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、
を含有する水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記洗剤原液は、
アルカリ金属水酸化物と、
一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数0〜12)と、
アルキルスルホン酸またはアルキルスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数1〜18)と、
を含有する水溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
免疫分析装置であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項8】
検体と試薬との反応により生じる反応物を光学的に分析する自動分析装置の精製水管理方法において、
精製水貯留手段内に貯留される精製水量を検出する液面検出ステップと、
前記液面検出ステップにより検出した精製水量が所定量より低下した場合に、プローブ洗浄に使用される洗剤原液を貯留する洗剤原液貯留手段から、前記精製水貯留手段と前記洗剤原液貯留手段とを接続する配管を介し、洗剤原液供給手段により前記洗剤原液を前記精製水貯留手段内に所定量供給するとともに、精製水原液供給手段により精製水原液を所定量供給して、洗剤原液濃度が所定範囲の精製水を調整するよう制御する精製水調整ステップと、
を含むことを特徴とする自動分析装置の精製水管理方法。
【請求項9】
前記精製水貯留手段内または前記精製水貯留手段から前記精製水を供給する配管に配設される濃度測定手段により、前記精製水の洗剤原液濃度を測定する濃度測定ステップと、
前記濃度測定ステップにより測定された洗剤原液濃度が所定範囲外の場合、前記洗剤原液または前記精製水原液を前記精製水貯留手段内に供給して、前記精製水の洗剤原液濃度を所定範囲内となるよう制御する濃度制御ステップと、
を含むことを特徴とする請求項8に記載の自動分析装置の精製水管理方法。
【請求項10】
前記洗剤原液は、
アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物と、
一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、
を含む水溶液であることを特徴とする請求項8または9に記載の自動分析装置の精製水管理方法。
【請求項11】
前記洗剤原液は、
アルカリ金属水酸化物と、
一般式(1)
R−O−(CO)(CO)−H (1)
(式中、Rは炭素数0〜20のアルキル基、nはエチレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、mはプロピレンオキサイドの付加数を示し、0〜12の整数であり、かつn+mが12以下である。)で示される(ポリオキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)アルキルエーテルと、
アルキルベンゼンスルホン酸またはアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数0〜12)と、
アルキルスルホン酸またはアルキルスルホン酸アルカリ金属塩(アルキル基は炭素数1〜18)と、
を含む水溶液であることを特徴とする請求項8または9に記載の自動分析装置の精製水管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−7524(P2011−7524A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149085(P2009−149085)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】