説明

自動分析装置および試薬容器保管装置

【課題】自動分析装置の試薬庫へ試薬を補充する操作者の負担を軽減させること。
【解決手段】本実施形態に係る自動分析装置は、複数種類の試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器を保持する試薬庫と、前記複数の試薬容器それぞれの試薬残量を検出する残量検出部と、前記試薬庫へ補充される補充用試薬容器を保持する補充庫と、前記補充用試薬容器に収容された試薬と同じ種類の試薬を収容する試薬容器の試薬残量を、前記残量検出部の出力に基づいて特定する残量特定部と、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、血液や尿などの被検試料に含まれる成分の濃度や活性値などを、検査試薬の化学反応を利用して光学的または電気的に測定する自動分析装置と検査試薬容器を保管する試薬容器保管装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動分析装置の試薬容器投入口にセットされた試薬容器を、自動的に自動分析装置の試薬庫へ移送する機構(試薬自動ローディング機構)がある。この機構と試薬容器を試薬庫内に装填するタイミングを制御することとにより、試薬容器投入口にセットされた試薬容器は、適切なタイミングで試薬庫に移送される。これにより、自動分析装置における測定を中断することなく、試薬庫に試薬容器を補充することが可能となる。
【0003】
しかしながら、自動分析装置の試薬庫における試薬容器の設置可能数(以下、試薬架設数と呼ぶ)には限りがある。このため、操作者は、試薬庫に配置されている試薬容器の試薬の残量をモニタの画面で確認しながら、適切なタイミングで適切な試薬容器を試薬容器投入口へ投入する必要がある。また、操作者は、試薬容器投入口に投入されている試薬容器が補充を必要とする試薬容器か否かを、モニタの画面と照らし合わせて確認する必要がある。適切なタイミングで適切な試薬容器を試薬容器投入口へ投入することと、モニタの画面と照らし合わせて確認することとは、操作者にとって負担となる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−37171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、自動分析装置の試薬庫へ試薬を補充する操作者の負担を軽減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る自動分析装置は、複数種類の試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器を保持する試薬庫と、前記複数の試薬容器それぞれの試薬残量を検出する残量検出部と、前記試薬庫へ補充される補充用試薬容器を保持する補充庫と、前記補充用試薬容器に収容された試薬と同じ種類の試薬を収容する試薬容器の試薬残量を、前記残量検出部の出力に基づいて特定する残量特定部と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る自動分析装置装置の構成の一例を示す図である。
【図2】図1の自動分析装置の反応機構の外観を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る自動分析装置の残量表示部に、試薬残量を表示させる手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る自動分析装置の試薬庫と試薬容器保管装置との上面図の一例を、試薬容器保管装置における残量表示部の正面図の一例とともに示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る試薬容器保管装置の補充庫を残量表示部とともに示す図である。
【図6】第1の実施形態に係る自動分析装置の試薬庫に試薬容器を装填する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる自動分析装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、第1の実施形態を説明する。
図1は本実施形態に係る自動分析装置のブロック構成図を示している。図1に示すよう
に、自動分析装置100は、反応機構30、残量検出部40、分析部50、出力部60、入力部70、システム制御部80、移送機構90、試薬容器保管装置110、インターフェース(以下I/Fと呼ぶ)700を備える。
【0009】
反応機構30は、測光部32と試薬庫300と反応機構制御部36とを有する。反応機構30は、血液や尿などの被検試料を検査項目ごとに試薬を用いて測定し、当該被検試料に関する測定データを発生する。
【0010】
測光部32は、被検試料と試薬の混合物(以下被検混合物と呼ぶ)に光を照射する。測光部32は、被検混合物を透過した光を吸光度に変換し、被検試料に関する吸光度のデータを発生する。測光部32は、発生した吸光度のデータをデータ記憶部52へ出力する。測光部32は、標準物質と試薬の混合物(以下標準混合物と呼ぶ)に光を照射する。標準物質とは、測定する物質と同じか共通の性質を有する物質または、試薬との反応に共通性のある物質のことである。測光部32は、標準混合物を透過した光を吸光度に変換し、標準物質に関する吸光度のデータを発生する。測光部32は、標準物質に関する吸光度のデータをデータ記憶部52へ出力する。
【0011】
試薬庫300は、図2に示す第1試薬庫350および第2試薬庫370とを有する。なお、試薬庫300は、第1試薬庫350と第2試薬庫370とに加えて、さらに他の試薬庫を有していてもよい。試薬庫300は、被検試料の複数の測定項目に対応する複数の試薬容器を保持する。試薬庫300は、保持された複数の試薬容器を保冷する。試薬庫300は、複数の試薬容器を保持するための複数の区画を有する。なお、試薬庫300は、複数の区画それぞれに対して、重量計を有していてもよい。重量計は、区画に配置された試薬容器に収容されている試薬の重量を計測する。重量計は、計測された試薬容器に収容されている試薬の重量を後述する残量検出部40へ出力する。
【0012】
試薬容器の外表面には、測定項目名、試薬容器のサイズ、試薬の種類、試薬の有効期限等の情報(以下試薬情報と呼ぶ)を含む1次元コード(バーコード)もしくは2次元コード(スタック型2次元コード、マトリックス型2次元コードなど)が設けられている。なお、試薬容器の外表面には、1次元コードもしくは2次元コードの替わりに、IC(Integrated Circuit)タグなどの記憶媒体が設けられてもよい。以下、説明の便宜上、試薬容器にはバーコードが設けられているものとする。バーコードは、図示していないバーコードリーダにより読み取られる。バーコードを読み取ったバーコードリーダは、後述する試薬情報記憶部116に試薬情報を出力する。なお、バーコードを読み取ったバーコードリーダは、後述する容器特定部118および図示していない記憶部に試薬情報を出力してもよい。
【0013】
反応機構制御部36は、入力部70を介して操作者により入力された分析項目、分析手順等に関するシステム制御部80からの信号に基づいて、図2に示す反応機構30の各要素に対してシーケンスを組む。反応機構制御部36は、組まれたシーケンスに基づいて、図2に示す反応ディスク310、ディスクサンプラ330、第1試薬庫350、第2試薬庫370をそれぞれ所定のタイミングで所定の角度で回転させる。反応機構制御部36は、組まれたシーケンスに基づいて、図2に示すサンプルプローブ334、第1試薬プローブ354、第2試薬プローブ374をそれぞれ回動および上下動させる。反応機構制御部36は、組まれたシーケンスに基づいて、図2に示す攪拌子324、洗浄部325の洗浄ノズルおよび乾燥ノズルをそれぞれ上下動させる。反応機構制御部36は、組まれたシーケンスに基づいて、図示していないサンプル分注ポンプ、第1試薬分注ポンプ、第2試薬分注ポンプ、洗浄ポンプ、乾燥ポンプをそれぞれ駆動する。反応機構制御部36は、組まれたシーケンスに基づいて、図2に示す攪拌子324を振動させる。
【0014】
反応機構制御部36は、試薬庫300の複数の区画に関する試薬容器の配置情報を、後述する容器特定部118と移送機構90とに出力する。試薬容器の配置情報は、複数の区画における複数の試薬容器の配置と、複数の試薬容器それぞれが有する試薬の種類とを示す情報である。なお、配置情報は、後述する試薬情報記憶部116および図示していない記憶部に記憶されてもよい。
【0015】
残量検出部40、試薬庫300に保持された複数の試薬容器それぞれの試薬残量を検出する。具体的には、残量検出部40は、第1試薬プローブ354の下動により第1試薬の液面を検出する。残量検出部40は、検出された第1試薬の液面から第1試薬プローブ354の待機位置までの距離(以下第1下動距離と呼ぶ)を計算する。残量検出部40は、第1試薬容器352の内底面の位置から第1試薬プローブ354の待機位置までの距離(以下第1待機距離と呼ぶ)を計算する。残量検出部40は、第1待機距離から第1下動距離を減算することにより、第1試薬容器352の内底面から第1試薬の液面までの距離(以下第1試薬深さと呼ぶ)を計算する。残量検出部40は、第1試薬を用いた1回の検査における第1試薬の液面の低下量(以下、第1試薬低下量と呼ぶ)を検出する。残量検出部40は、第1試薬深さを、第1試薬低下量で除することにより、第1試薬に対応する測定項目の検査可能な回数を計算する。以下、この検査可能な回数を試薬残量と呼ぶ。なお、第1待機距離および第1試薬低下量は、図示していない記憶部に記憶されていてもよい。このとき残量検出部40は、記憶部から第1待機距離および第1試薬低下量を読み出す。
【0016】
残量検出部40は、検出された第2試薬の液面から第2試薬プローブ374の待機位置までの距離(以下第2下動距離と呼ぶ)を計算する。残量検出部40は、第2試薬容器372の内底面の位置から第2試薬プローブ374の待機位置までの距離(以下第2待機距離と呼ぶ)を計算する。残量検出部40は、第2待機距離から第2下動距離を減算することにより、第2試薬容器372の内底面から第2試薬の液面までの距離(以下第2試薬深さと呼ぶ)を計算する。残量検出部40は、第2試薬を用いた1回の検査における第2試薬の液面の低下量(以下、第2試薬低下量と呼ぶ)を検出する。残量検出部40は、第2試薬深さを、第2試薬低下量で除することにより、検査可能な回数である試薬残量を計算する。なお、第2待機距離および第2試薬低下量は、図示していない記憶部に記憶されていてもよい。このとき残量検出部40は、記憶部から第2待機距離および第2試薬低下量を読み出す。
【0017】
なお、残量検出部40は、試薬庫300に保持された複数の試薬容器それぞれに対する第1試薬プローブ354および第2試薬プローブ374の下動回数をカウントしてもよい。残量検出部40は、図示していない記憶部に記憶された試薬容器ごとの検査可能回数からカウントされた下動回数を減算することにより、試薬残量を計算してもよい。また、残量検出部40は、1回の検査における試薬の重量の減少量を検出する。残量検出部40は、重量計により出力された試薬の重量を、検出された重量の減少量で除することにより、試薬残量を計算してもよい。残量検出部40は、複数の試薬容器それぞれの検出した試薬残量を後述する試薬情報記憶部116と残量特定部120とに出力する。
【0018】
分析部50は、試料分析部51とデータ記憶部52とを有する。試料分析部51は、データ記憶部52に記憶された吸光度のデータと分析項目とに基づいて、検量線のデータを発生する。発生された検量線のデータは、データ記憶部52に記憶されるとともに、出力部60へ出力される。試料分析部51は、当該検量線のデータとデータ記憶部52に記憶された被検試料に関する吸光度のデータとに基づいて、検査項目に対応する成分の濃度および活性値などに関する分析データを発生する。発生された分析データは、データ記憶部52に記憶されるとともに、出力部60へ出力される。
【0019】
データ記憶部52は、ハードディスク等の記憶媒体を有する。データ記憶部52は、反応機構30の測光部32により発生された吸光度のデータを記憶する。データ記憶部52は、試料分析部51により発生された検量線のデータを、標準物質ごとに記憶する。データ記憶部52は、試料分析部51により発生された分析データを、被検試料ごとに記憶する。
【0020】
出力部60は、印刷部61と表示部62とを有する。出力部60は、分析部50で発生された検量線と分析データを、印刷または表示として出力する。印刷部61は、例えばプリンタ等の出力デバイスを用いて、分析部50で発生された検量線と分析データを、プリンタ用紙に所定のレイアウトで印刷する。表示部62は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスを用いて、分析部50で発生された検量線と分析データを所定のレイアウトで表示する。また、表示部62は、各測定項目に関する被検試料の液量、試薬の液量、測光ビームの波長等の分析条件を設定するための分析条件設定画面、被検試料に関して被検体IDや被検体名等を設定するための被検体情報設定画面、被検試料ごとの測定項目を選択するための測定項目選択画面等を表示する。
【0021】
入力部70は、キーボード、マウス、各種ボタン、タッチキーパネル等の入力デバイスを有する。入力部70は、入力デバイスを介して操作者により入力された各測定項目の分析条件、被検試料ごとに測定する測定項目、試薬残量に対する閾値、後述する補充庫112に補充された補充用試薬容器に収容された試薬の種類または測定項目、被検試料に関する被検体IDや被検体名等を、操作信号としてシステム制御部80へ出力する。なお、試薬残量に対する閾値は、複数種類の試薬に対してそれぞれ入力されてもよい。また、入力部70を介して操作者により入力された情報は、図示していない記憶部に記憶されてもよい。入力される閾値は、例えば、一つの試薬容器に収容された試薬の残量に対する検査可能な回数であるとする。なお、入力される閾値は、残量検出部40により検出される試薬残量が体積または質量である場合、それぞれ体積または質量に対する閾値となる。また、入力された閾値は、後述する試薬情報記憶部116に記憶されてもよい。
【0022】
システム制御部80は、CPU(Central Processing Unit)を有する。システム制御部80は、自動分析装置100における各部を統括して制御する。システム制御部80は、入力部70から供給される操作信号、被検試料ごとに測定する測定項目、各測定項目の分析条件、被検体情報等に基づいて、各部を制御する。
【0023】
I/F700には、例えばネットワークが接続される。ネットワークを介して自動分析装置100は、PACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)等に接続されてもよい。
【0024】
試薬容器保管装置110は、補充庫112、コードリーダ114、試薬情報記憶部116、容器特定部118、残量特定部120、判定部122、残量表示部124とを有する。
【0025】
補充庫112は、補充用試薬容器を投入するための複数の区画(以下、試薬容器投入口と呼ぶ)と、試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器を検出する検出器とを有する。補充庫112は、試薬庫300へ補充するための少なくとも一つの補充用試薬容器を保持する。なお、補充庫112は、複数の補充用試薬容器を保持するための試薬ラックを有していてもよい。補充庫112は、保持した補充用試薬容器および試薬ラックに保持された複数の補充用試薬容器を保冷する。なお、補充庫112は、少なくとも一つの検体試料を保持することも可能である。補充用試薬容器の外表面には、測定項目名、試薬容器のサイズ、試薬の種類、試薬の有効期限等の情報(以下試薬情報と呼ぶ)を含む1次元コード(バーコード)もしくは2次元コード(スタック型2次元コード、マトリックス型2次元コードなど)が設けられている。なお、補充用試薬容器の外表面には、1次元コードもしくは2次元コードの替わりに、IC(Integrated Circuit)タグなどの記憶媒体が設けられてもよい。以下、説明の便宜上、補充用試薬容器にはバーコードが設けられているものとする。また、試薬容器と補充用試薬容器とは、同じ形状を有する容器である。なお、試薬容器と補充用試薬容器とは、異なる形状を有する容器であってもよい。
【0026】
コードリーダ114は、バーコードリーダ(Bar Code Reader:以下BCRと呼ぶ)と2次元コードを読み取る読み取り機とIC(Integrated Circuit)タグなどの記憶媒体から試薬情報を読み取る読み取り機とのうち少なくとも一つを有する。コードリーダ114は、BCRを介して、補充用試薬容器に設けられたバーコードから試薬情報(測定項目名、試薬容器のサイズ、試薬の種類、試薬の有効期限等の情報)を取得する。コードリーダ114は、BCRにより取得された試薬情報を、後述する容器特定部118に出力する。なお、コードリーダ114は、BCRにより取得された試薬情報を、試薬情報記憶部116などに出力してもよい。
【0027】
試薬情報記憶部116は、BCRから出力された試薬情報と残量検出部40により出力された試薬残量とを記憶する。具体的には、試薬情報記憶部116は、補充用試薬容器に収容された試薬の種類と、試薬庫300に保持された複数の試薬容器それぞれが有する試薬の種類と、試薬庫300に保持された複数の試薬容器それぞれに収容された試薬の種類と、複数の試薬容器それぞれの試薬残量と、複数種類の試薬それぞれに対応する閾値とを記憶する。なお、試薬情報記憶部116は、試薬庫300の複数の区画に関する試薬容器の配置情報を記憶してもよい。試薬情報記憶部116は、試薬と閾値との対応表を記憶してもよい。
【0028】
容器特定部118は、BCRにより取得された試薬の種類を、複数の試薬容器それぞれが有する試薬の種類と照合する。容器特定部118は、照合結果に基づいて、BCRにより取得された試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬庫300に保持された試薬容器を特定する。
【0029】
残量特定部120は、特定された試薬容器の試薬残量を、残量検出部40からの出力に基づいて特定する。残量特定部120は、測定項目名と試薬の種類との少なくとも一方と、特定された試薬残量とを、後述する判定部122と残量表示部124とへ出力する。なお、残量特定部120は、特定された試薬容器の試薬残量を、試薬情報記憶部116から読み出すことにより、この試薬残量を特定してもよい。
【0030】
判定部122は、特定された試薬残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する。具体的には、判定部122は、特定された試薬残量の試薬の種類に対応する閾値を、試薬情報記憶部116から読み出す。判定部122は、特定された試薬残量を、読み出された閾値と比較する。判定部116は、後述する残量表示部124へ判定結果を出力する。
【0031】
残量表示部124は、補充庫112近傍に配置される。残量表示部124は、残量特定部120から出力された測定項目名と試薬の種類との少なくとも一方と、この試薬の種類に対応する試薬残量と、判定部122の判定結果による表示態様とを表示する。判定結果による表示態様とは、具体的には、判定部122により試薬残量が閾値以下であると判定されたとき、警告を表示する態様のことをいう。警告は、例えば、赤色の表示、点滅などの表示態様である。なお、図示していない音声出力部は、警告音を、警告の表示とともに出力してもよい。また、残量表示部124は、補充庫112近傍に以外に配置されてもよい。
【0032】
残量表示部124は、判定部122により試薬残量が閾値以下でないと判定されたとき、警告を表示しない。なお、残量表示部124は、判定部122により試薬残量が閾値以下でないと判定されたとき、警告を表示しない替わりに、例えば、青色の表示、黄色の表示、点灯などの表示態様を、試薬残量と対応付けて出力してもよい。なお、残量表示部124は、試薬庫300における試薬容器の試薬残量が試薬情報記憶部116に記憶された閾値に近づき、かつ試薬容器投入口にこの試薬を有する補充用試薬容器が投入されていない場合、この試薬の測定項目名と試薬の種類との少なくとも一方と、試薬残量と、警告とを表示してもよい。
【0033】
移送機構90は、補充庫112に配置された補充用試薬容器を移送するためのピックアップアームを有する。なお、移送機構90は、補充用試薬容器を移送させる手段として、ピックアップアームを以外の手段を用いることも可能である。具体的には、移送機構90は、試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器が補充庫112の検出器により検出されたとき、検出された補充用試薬容器を、コードリーダ114のBCR近傍に移送する。移送機構90は、検出された補充用試薬容器のバーコードがBCRで読み取られると、検出された補充用試薬容器を、投入された試薬容器投入口に移送する。
【0034】
移送機構90は、反応機構制御部36により出力された配置情報と判定部122による判定結果とに基づいて、補充庫112に配置された補充用試薬容器を、試薬庫300に移送する。具体的には、移送機構90は、試薬庫300に試薬容器を配置させる区画があり、かつ試薬残量が閾値以下である場合、試薬容器投入口に配置された補充用試薬容器を、試薬庫300の区画に移送する。移送機構90は、試薬庫300に試薬容器を配置させる区画があり、かつ試薬投入口に投入された補充用試薬容器に収容された試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬容器が試薬庫300に配置されていない場合、試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器を、試薬庫300の区画に移送する。
【0035】
なお、移送機構90は、反応機構制御部36により出力された配置情報と判定部122による判定結果とに基づいて、補充庫112に配置された補充用試薬容器に収容された試薬を、補充庫112に投入された補充用試薬容器から、この試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬庫300の試薬容器に移送してもよい。具体的には、移送機構90は、試薬庫300に配置された試薬容器の試薬残量が閾値以下である場合、試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器に収容された試薬を、試薬庫300に配置された試薬容器に移送する。移送機構90は、補充庫112の試薬容器投入口に複数の補充用試薬容器が配置され、かつ閾値以下となっている試薬残量を有する複数の試薬容器を試薬庫300が保持する場合、補充用試薬容器に収容された試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬容器を、試薬残量の小さい順に、補充庫112から試薬庫300に移送する。
【0036】
図2は、反応機構30の外観を示す斜視図である。図2に示すように反応機構30は、
反応ディスク310、ディスクサンプラ330、第1試薬庫350、第2試薬庫370、サンプルプローブ334、サンプルアーム336、第1試薬プローブ354、第1試薬アーム356、第2試薬プローブ374、第2試薬アーム376、攪拌部320、洗浄部325、測光部32を有する。
【0037】
反応ディスク310は、円周上に複数配置された反応容器312を回転可能に保持する。反応容器312は、反応ディスク310内の恒温槽に収容されている。反応ディスク310は、分析サイクルごとに所定の角度で回転した後、停止する。これにより、反応容器312は、所定の角度だけ回転される。
【0038】
ディスクサンプラ330は、サンプル容器332を回動可能に保持する。サンプル容器332は、標準物質や被検試料などのサンプルを収容する。
【0039】
第1試薬庫350は、複数の第1試薬容器352を有する。第2試薬庫370は、複数の第2試薬容器372を有する。第1試薬容器352および第2試薬容器372には、各検査項目の成分と反応する試薬が納められている。
【0040】
サンプルプローブ334は、サンプルアーム336の先端に取り付けられている。サンプルアーム336は、サンプルプローブ334を回動可能に支持する。サンプルプローブ334は、ディスクサンプラ330上におけるサンプルを吸引する位置にあるサンプル容器332から、サンプル分注ポンプによりサンプルを吸引する。サンプルプローブ334は、吸引したサンプルを、反応ディスク310上のサンプルが吐出される位置にある反応容器312に吐出する。
【0041】
第1試薬プローブ354は、第1試薬アーム356の先端に取り付けられている。第1試薬アーム356は、第1試薬プローブ354を回動可能および上下動可能に支持する。第1試薬プローブ356は、待機位置から、第1試薬庫350上における第1試薬を吸引する位置にある第1試薬容器352内へ降下し、液面を検知すると、さらに所定量だけ降下する。検知された第1試薬の液面に関する情報(以下第1液面情報と呼ぶ)は、残量検出部40に出力される。第1液面情報とは、第1試薬プローブ356が待機位置から液面まで降下する距離または降下時間等である。残量検出部40は、第1液面情報に基づいて、第1試薬の残量を計算する。第1試薬プローブ354は、第1試薬分注ポンプにより、第1試薬容器352から第1試薬を所定量だけ吸引する。第1試薬プローブ354は、所定量の吸引を終えると上記待機位置まで上昇する。なお、第1液面情報として、吸引された吸引量を用いることも可能である。第1試薬プローブ354は、吸引した第1試薬を、反応ディスク310上の第1試薬が吐出される位置にある反応容器312に吐出する。
【0042】
第2試薬プローブ374は、第2試薬アーム376の先端に取り付けられている。第2試薬アーム376は、第2試薬プローブ374を回動可能および上下動可能に支持する。第2試薬プローブ374は、待機位置から、第2試薬庫370上における第2試薬を吸引する位置にある第2試薬容器372内へ降下し、液面を検知すると、さらに所定量だけ降下する。検知された第2試薬の液面に関する情報(以下第2液面情報と呼ぶ)は、残量検出部40に出力される。第2液面情報とは、第2試薬プローブ374が待機位置から液面まで降下する距離または降下時間等である。残量検出部40は、第2液面情報に基づいて、第2試薬の残量を計算する。第2試薬プローブ374は、第2試薬分注ポンプにより、第2試薬容器372から第2試薬を所定量だけ吸引する。第2試薬プローブ374は、所定量の吸引を終えると上記待機位置まで上昇する。なお、第2液面情報として、吸引された吸引量を用いることも可能である。第2試薬プローブ374は、吸引した第2試薬を、反応ディスク310上の第2試薬が吐出される位置にある反応容器312に吐出する。
【0043】
攪拌部320は、攪拌アーム322と攪拌子324とを有する。攪拌子324は、攪拌アーム322の先端に取り付けられている。攪拌アーム322は、攪拌子324を回動可能および上下動可能に支持する。攪拌アーム322は、反応ディスク310上における反応容器312内の被検混合物を攪拌する位置に停止した反応容器312内に、攪拌子324を待機位置から下降させて挿入する。攪拌子324の先端が反応容器312の内底面の近傍まで下降すると、攪拌アーム322は、攪拌子324の下降を停止させる。攪拌子324の停止後、攪拌子324は、反応機構制御部36の制御により振動する。攪拌子324が振動することにより、反応容器312内の混合液(サンプルと第1試薬、サンプルと第2試薬、サンプルと第1試薬と第2試薬など)は、攪拌される。攪拌後、攪拌アーム322は、攪拌子324を待機位置まで上昇させる。
【0044】
測光部32は、反応ディスク310により回転させられている反応容器312に光を照射する。測光部32は、反応容器312内の混合液を透過した光を吸光度に変換することにより、吸光度のデータを発生する。測光部32は、発生された吸光度のデータをデータ記憶部52に出力する。
【0045】
洗浄部325は、図示していない支持機構と洗浄ノズルと乾燥ノズルとを有する。支持機構は、洗浄ノズルと乾燥ノズルとを、それぞれ上下移動可能に支持する。洗浄ノズルは、反応ディスク310上における反応容器312を洗浄する位置にある反応容器312から、洗浄ポンプにより混合液を吸引する。混合液を吸引後、洗浄ノズルは純水を吐出して、反応容器312内を洗浄する。乾燥ノズルは、反応ディスク310上における反応容器312を乾燥する位置にある反応容器312内を、乾燥ポンプにより乾燥させる。
【0046】
(試薬残量表示機能)
試薬残量表示機能とは、自動分析装置100の試薬庫300に配置された試薬容器の試薬残量を表示する機能である。以下、試薬残量表示機能に従う処理(以下試薬残量表示処理と呼ぶ)を説明する。
【0047】
図3は、試薬残量表示処理の手順を示すフローチャートである。
被検試料に対する自動分析に先立って、操作者により入力部70の入力デバイスを介して入力された各測定項目の分析条件の設定、被検試料ごとに測定する測定項目の決定、被検試料に関する被検体IDや被検体名等は、システム制御部80へ出力される。これら分析条件、測定項目、被検体IDや被検体名等は、図示していない記憶部に記憶される。これらの入力/設定が終了したならば、被検試料に対する自動分析が開始される。自動分析が実行されているとき、または自動分析装置100に電力が供給されているときに、補充庫112の試薬容器投入口に補充用試薬容器が投入されると、投入された補充用試薬容器(以下投入試薬容器と呼ぶ)が検出される(ステップSa1)。
【0048】
投入試薬容器は、移送機構90によりコードリーダ114のBCR近傍に移送される。BCR近傍に移送された投入試薬容器に設けられたバーコードは、BCRにより読み取られる。BCRによるバーコードの読み取りにより、投入試薬容器の試薬に関する情報(例えば、試薬の種類、測定項目名など)が、コードリーダ114により取得される(ステップSa2)。
【0049】
投入試薬容器に収容された試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬容器(以下、同じ試薬容器と呼ぶ)が、試薬庫300内にあるか否かが照合される(ステップSa3)。具体的には、ステップSa2で取得された試薬の種類と、反応機構制御部36から出力される配置情報とを照合させることにより、同じ試薬容器が試薬庫300内にあるか否かが判定される。同じ試薬容器が試薬庫300内になければ、投入試薬容器の試薬の種類と測定項目名との少なくとも一方が、残量表示部124へ出力される(ステップSa4)。
【0050】
同じ試薬容器が試薬庫300内にあれば、残量検出部40の出力に基づいて、同じ試薬容器の試薬残量が、残量特定部120により特定される(ステップSa5)。特定された試薬残量は、判定部122へ出力される。出力された試薬残量が試薬情報記憶部116から読み出された閾値以下であるか否かが、判定部122により判定される(ステップSa6)。出力された試薬残量が試薬情報記憶部116から読み出された閾値以下でない場合、同じ試薬容器に収容された試薬に関する情報(測定項目名、試薬の残量など)が、残量表示部124へ出力される(ステップSa7)。出力された試薬残量が試薬情報記憶部116から読み出された閾値以下である場合、同じ試薬容器に収容された試薬に関する情報(測定項目名、試薬の残量など)と、所定の警告とが、残量表示部124へ出力される(ステップSa8)。ステップSa4またはステップSa7またはステップSa8から出力された情報が、残量表示部124に表示される(ステップSa9)。
【0051】
図4は、第1の実施形態に係る自動分析装置100の試薬庫300と試薬容器保管装置110との上面図の一例を、試薬容器保管装置100における残量表示部124の正面図の一例とともに示す図である。補充庫112の第1試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器Aは、移送機構(ピックアップアーム)90により、BCR近傍まで移送される。移送機構(ピックアップアーム)90は、補充用試薬容器AのバーコードがBCRで読み取られると、補充用試薬容器Aを、第1試薬容器投入口に移送する。補充庫112の第2試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器Bは、移送機構(ピックアップアーム)90により、BCR近傍まで移送される。移送機構(ピックアップアーム)90は、補充用試薬容器BのバーコードがBCRで読み取られると、補充用試薬容器Bを、第2試薬容器投入口に移送する。
【0052】
図5は、第1の実施形態に係る試薬容器保管装置110の補充庫112を残量表示部124とともに示す図である。残量表示部124における、TP、AST、Caは、測定項目名である。測定項目名の下部に表示されて数字(例えば、TPの下部に表示されている5)は、試薬庫300に配置された試薬容器に収容された試薬に関する測定項目および、試薬残量である検査可能な回数(以下残テスト数と呼ぶ)である。以下説明の便宜上、試薬情報記憶部116に記憶された閾値(残テスト数)は10であるとする。測定項目TPの残テスト数が5であるとすると、残量表示部124は、補充用試薬容器が投入されていない試薬容器投入口下部に、測定項目(TP)と残テスト数とを表示するとともに、警告(図5におけるTPと5とにおける斜線)を表示する。
【0053】
図5における第1試薬容器投入口下部の残量表示部124に表示された測定項目名ASTおよび残テスト数106は、第1試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器Aの検出をトリガとして、ステップSa1乃至ステップSa3と、ステップSa5乃至ステップSa7と、ステップSa9との処理が実行された結果の表示である。なお、第1試薬容器投入口に配置されている補充用試薬容器Aに収容された試薬に関する測定項目名はASTであるが、補充用試薬容器Aの検査可能な回数は105ではない。すなわち、図5の残量表示部124に表示されている検査項目名ASTの検査可能な回数は、試薬庫112に保持された試薬容器に収容されている試薬の残テスト数である。
【0054】
図5における第2試薬容器投入口下部の残量表示部124に表示された測定項目名Caおよび残テスト数15は、第2試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器Bの検出をトリガとして、ステップSa1乃至ステップSa3と、ステップSa5乃至ステップSa7と、ステップSa9との処理が実行された結果の表示である。なお、第2試薬容器投入口の配置されている補充用試薬容器Bに収容されている試薬に関する測定項目名はCaであるが、補充用試薬容器Bの検査可能な回数は15ではない。すなわち、図5の残量表示部124に表示されている検査項目名Caの検査可能な回数は、試薬庫112に保持された試薬容器に収容されている試薬の残テスト数である。
【0055】
(試薬容器装填機能)
試薬容器装填機能とは、試薬容器保管装置110の補充庫112に配置された補充用試薬容器を、試薬庫300の区画に装填する機能である。以下、試薬容器装填機能に従う処理(以下試薬容器装填処理と呼ぶ)を説明する。
【0056】
図6は、試薬容器装填処理の手順を示すフローチャートである。
ステップSa1およびステップSa2の後、試薬庫300の複数の区画に関する試薬容器の配置情報に基づいて、試薬容器投入口に投入された補充用試薬容器(以下投入試薬容器と呼ぶ)を試薬庫300に配置させることができる区画の有無が判定される(ステップSb3)。投入試薬容器を試薬庫300に配置させる区画がなければ、投入試薬容器は、試薬庫300に装填されない。投入試薬容器を試薬庫300に配置させる区画があれば、投入試薬容器に収容された試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬容器(以下、同じ試薬容器と呼ぶ)が、試薬庫300にあるか否かが照合される(ステップSa3)。
【0057】
同じ試薬容器が試薬庫300内にあれば、残量検出部40の出力に基づいて、同じ試薬容器の試薬残量が、残量特定部120により特定される(ステップSa5)。特定された試薬残量は、判定部122へ出力される。出力された試薬残量が試薬情報記憶部116から読み出された閾値以下であるか否かが、判定部122により判定される(ステップSa6)。出力された試薬残量が試薬情報記憶部116から読み出された閾値以下でない場合、投入試薬容器は、試薬庫300に装填されない。
【0058】
ステップSa3において同じ試薬容器が試薬庫300内になければ、またはステップSa5において、出力された試薬残量が試薬情報記憶部116から読み出された閾値以下である場合、投入試薬容器は、試薬庫300の区画に装填される(ステップSb4)。なお、補充庫112の試薬容器投入口に複数の補充用試薬容器が配置され、かつ閾値以下となっている試薬残量を有する複数の試薬容器を試薬庫300が保持する場合、補充用試薬容器に収容された試薬の種類と同じ種類の試薬を有する試薬容器は、試薬残量の小さい順に、試薬庫300の区画に装填される。
【0059】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本自動分析装置によれば、補充庫112の試薬容器投入口に試薬容器が投入されると、投入された試薬容器に収容されている試薬の種類と同じ種類の試薬を収容する試薬容器の試薬残量を、補充庫112近傍の残量表示部124に表示させることができる。これにより、操作者は、補充庫112の試薬容器投入口に投入すべき補充用試薬容器を容易に判断できるようになる。また、閾値より大きい試薬残量に関する試薬の種類と同じ種類の試薬を収容する補充用試薬容器を、試薬容器投入口から取り除き、さらに閾値以下である試薬残量に関する試薬の種類と同じ種類の試薬を収容する補充用試薬容器を、試薬投入口に投入することが容易となる。加えて、操作者は、表示部62の試薬一覧の残量表示と、残量表示部124による表示とを参照することにより、閾値以下である試薬残量に関する試薬と同じ試薬を有する補充用試薬容器を、優先的に補充庫112の試薬投入口へ投入することができる。
【0060】
加えて本自動分析装置によれば、試薬庫300に試薬容器を配置させることができる区画が有り、かつ試薬残量が閾値以下である場合、投入された補充用試薬容器は、試薬庫300の区画に装填される。また、試薬庫300に試薬容器を配置させることができる区画が有り、かつ投入された補充用試薬容器の試薬と同じ試薬を有する試薬容器が試薬庫300内にない場合、投入された補充用試薬容器は、試薬庫300の区画に装填される。これにより、試薬架設数に関係なく補充用試薬容器が試薬庫300に補充されるため、操作者は試薬残量を表示部62の画面で確認する必要がなくなる。これらのことから、操作者の負担が軽減され、補充用試薬容器を効率よく試薬庫300へ補充することが可能となる。
【0061】
さらに本自動分析装置100のよれば、検査を停止させることなく、補充用試薬容器の試薬庫300への補充が可能となる。また、補充庫112に複数の試薬容器を配置させることが可能なため、実質的に試薬架設数が増加する。加えて、補充庫112が補充用試薬容器と被検試料とを共用して保持することにより、自動分析装置100の小型化が可能となる。なお、上記実施形態の変形例として、本自動分析装置の技術的思想を試薬容器保管装置110で実現する場合には、例えば図1の構成図における点線内の構成要素を有するものとなる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
30…反応機構、32…測光部、36…反応機構制御部、40…残量検出部、50…分析部、51…試料分析部、52…データ記憶部、60…出力部、61…印刷部、62…表示部、70…入力部、80…システム制御部、90…移送機構、100…自動分析装置、110…試薬容器保管装置、112…補充庫、114…コードリーダ、116…試薬情報記憶部、118…容器特定部、120…残量特定部、122…判定部、124…残量表示部、300…試薬庫、310…反応ディスク、312…反応容器、320…攪拌部、322…攪拌アーム、324…攪拌子、325…洗浄部、330…ディスクサンプラ、332…サンプル容器、334…サンプルプローブ、336…サンプルアーム、350…第1試薬庫、352…第1試薬容器、354…第1試薬プローブ、356…第1試薬アーム、370…第2試薬庫、372…第2試薬容器、374…第2試薬プローブ、376…第2試薬アーム、700…I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器を保持する試薬庫と、
前記複数の試薬容器それぞれの試薬残量を検出する残量検出部と、
前記試薬庫へ補充される補充用試薬容器を保持する補充庫と、
前記補充用試薬容器に収容された試薬と同じ種類の試薬を収容する試薬容器の試薬残量を、前記残量検出部の出力に基づいて特定する残量特定部と、
を具備することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記試薬容器の試薬残量を表示する残量表示部をさらに具備すること、
を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記残量特定部で特定された試薬残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定部をさらに具備し、
前記残量表示部は、前記判定部により所定の閾値以下であると判定された試薬残量を警告して表示すること、
を特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記補充庫に保持された補充用試薬容器を前記試薬庫に移送する移送機構をさらに具備し、
前記移送機構は、前記判定部により所定の閾値以下であると判定された試薬残量における試薬の種類と同じ種類の試薬を収容する補充用試薬容器を、前記補充庫から前記試薬庫へ移送すること、
を特徴とする請求項3記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記補充庫に保持された補充用試薬容器を前記試薬庫に移送する移送機構をさらに具備し、
前記移送機構は、前記判定部により所定の閾値以下であると判定された試薬残量における試薬の種類と同じ種類の試薬を収容する補充用試薬容器の試薬を、前記補充用試薬容器から前記補充用試薬容器に収容された試薬と同じ種類の試薬を収容する試薬容器へ、移送すること、
を特徴とする請求項3記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記所定の閾値を入力する入力部をさらに具備すること、
を特徴とする請求項3記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記試薬容器に収容された試薬の種類を表すコードと前記補充用試薬容器に収容された試薬の種類を表すコードとを読み取るコードリーダと、
前記コードリーダの出力に基づいて、前記補充用試薬容器に収容された試薬と同じ種類の試薬を収容する試薬容器を特定する容器特定部とをさらに具備し、
前記残量特定部は、前記残量検出部の出力に基づいて、前記特定された試薬容器の試薬残量を特定すること、
を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記補充庫は、前記試薬容器を保冷する機能をさらに有すること、
を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記補充庫は、前記被検試料を有するサンプル容器をさらに保持すること、
を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記補充庫は、複数の試薬容器を保持するための試薬ラックをさらに具備し、前記試薬ラックを保冷する機能をさらに有すること、
を特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項11】
複数種類の試薬をそれぞれ収容する複数の試薬容器を保持する試薬庫へ補充される補充用試薬容器を保持する補充庫と、
前記試薬庫に保持された複数の試薬容器にそれぞれ収容された試薬の種類と前記複数の試薬容器それぞれの試薬残量とを記憶する試薬情報記憶部と、
前記補充用試薬容器に収容された試薬と同じ種類の試薬を収容する試薬容器の試薬残量を、前記記憶部に記憶された前記試薬の種類に基づいて特定する残量特定部と、
を具備することを特徴とする試薬容器保管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−117953(P2012−117953A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269186(P2010−269186)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】