説明

自動分析装置及びその洗浄方法

【課題】 簡単な構成で汚れを強力に落とすことができる自動分析装置及びその洗浄方法を提供する。
【解決手段】 被検試料と試薬とを及び洗浄液を反応容器4に分注するサンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、及び第2試薬分注プローブ15と、反応容器4に分注された被検試料と試薬との混合液を撹拌する撹拌ユニット11の撹拌子と、反応容器4内の混合液を測定温度に設定する恒温部23と、測定温度に設定した混合液を測定する測定ユニット13と、測定後の混合液が入った反応容器4を洗浄する洗浄ユニット12とを備え、恒温部23を用いて洗浄液を測定温度よりも高温の洗浄温度に設定して、反応容器4、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、撹拌ユニット11の撹拌子の少なくとも1つを洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検試料の成分を分析する自動分析装置及びその洗浄方法に係り、特に、ヒトの血清や尿などの体液中に含まれる成分を分析する自動分析装置及びその洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置としては、被検体から採取された被検試料と試薬とを反応容器に分注して混合した混合液の反応によって生ずる色調の変化を、光の透過量を測定することにより、被検試料中の様々な成分(項目)の濃度や活性を測定する装置が知られている。
【0003】
この自動分析装置では、被検試料毎に分析条件の設定により測定可能になった多数の項目の中から検査に応じて選択された測定項目の測定が行われる。そして、被検試料及び項目に該当する試薬はサンプル及び試薬分注プローブを使用して反応容器に分注され、反応容器に分注された被検試料及び試薬は撹拌子を使用して混合され、混合された混合液は恒温ユニットを使用して反応容器を介して測定するための測定温度に保持されてから測定され、更に被検試料及び試薬に接触したサンプル及び試薬分注プローブ、混合液に接触した反応容器及び撹拌子は繰り返して測定に使用される。
【0004】
そこで、被検試料間、試薬間、及び混合液間のクロスコンタミネーションを防ぐために、サンプル及び試薬分注プローブ、撹拌子は、一般には被検試料及び試薬の分注毎、混合液の撹拌毎に常温の水などを使用して洗浄が行われ、更に検査が終了すると、常温の洗浄液などを用いて自動洗浄が行われる。また、反応容器は、混合液間のクロスコンタミネーションを防ぐために、一般には混合液の測定終了毎に測定温度の反応容器に常温の洗浄液、水などを吐出及び吸引させて洗浄が行われ、更に検査が終了すると、測定終了後毎と同様の洗浄や、測定温度の反応容器内に所定時間洗浄液を入れた自動洗浄が行われる。
【0005】
しかしながら、多数の被検試料をしかも多項目に亘って測定する自動分析装置においては、長期間使用する間にサンプル及び試薬分注プローブ、撹拌子、及び反応容器に、測定中の洗浄や自動洗浄だけでは除去しきれない汚れが蓄積して、被検試料間、試薬間、混合液間のクロスコンタミネーションを大きくさせて測定結果に悪影響を及ぼす問題があった。
【0006】
そこで、サンプル及び試薬分注プローブにおいては、サンプル及び試薬分注プローブの近傍、サンプル及び試薬分注プローブに通じる配管流路内の洗浄液を加熱して強力に洗浄する高温加熱装置を設けた自動分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−94843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、高温加熱装置を設けた自動分析装置においては、サンプル及び試薬分注プローブの強力な洗浄は行えるが、撹拌子、反応容器に対しては、自動洗浄のなどの通常の洗浄では完全に除去しきれない汚れが蓄積して、測定時の混合液間のクロスコンタミネーションを大きくさせて測定結果に悪影響を及ぼす問題がある。また、専用の高温加熱装置を設ける必要もあり装置が大掛かりになり、コストが掛かってしまう問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、簡単な構成で汚れを強力に落とすことができる自動分析装置及びその洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の自動分析装置は、反応容器に被検試料を分注するサンプル分注プローブと、前記反応容器に試薬を分注する試薬分注プローブと、前記反応容器に分注された前記被検試料と前記試薬との混合液を撹拌する撹拌子と、前記撹拌子で撹拌された前記反応容器内の前記混合液を、前記反応容器を介して測定温度に設定する温度設定手段と、前記温度設定手段により前記測定温度に設定された前記混合液を測定する測定手段と、前記測定温度よりも高温の洗浄温度で、前記反応容器、前記サンプル分注プローブ、前記試薬分注プローブ、及び前記撹拌子の少なくとも1つを洗浄するように前記温度設定手段を制御する高温洗浄制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項8に係る本発明の自動分析装置の洗浄方法は、反応容器にサンプル分注プローブを用いて被検試料を分注し、前記反応容器に試薬分注プローブを用いて試薬を分注し、前記反応容器に分注された前記被検試料と前記試薬との混合液を撹拌子を用いて撹拌し、前記撹拌子で撹拌された前記反応容器内の前記混合液を測定温度に設定し、前記測定温度に設定された前記混合液を測定し、測定された前記混合液の入った前記反応容器を洗浄した後に、前記測定温度よりも高温の洗浄温度で、前記反応容器、前記サンプル分注プローブ、前記試薬分注プローブ、及び前記撹拌子の少なくとも1つを洗浄することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構成で通常の洗浄では除去できない汚れを強力に落とすことが可能となり、クロスコンタミネーションによる影響を受けることなく分析データの測定精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図10を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、被検試料やキャリブレータの測定を行う分析部19と、分析部19の測定動作、高温洗浄動作などの制御を行う分析制御部30と、分析部19から出力された分析信号を処理して分析データを算出する分析データ処理部40と、分析データ処理部40からの分析データを出力する出力部50と、分析条件、高温洗浄条件、各種コマンド信号などを入力する操作部60と、上述したこれらのユニットを統括して制御するシステム制御部70とを備えている。
【0013】
分析部19は、項目毎のキャリブレータ、被検体から得られた被検試料などのサンプルを取り扱うサンプル部20と、サンプルと化学反応させるための試薬を取り扱う試薬部21と、サンプル及び試薬の混合液を取り扱う反応部22と、混合液及び様々なユニットを洗浄するための洗浄液を、測定するための測定温度に、又高温洗浄するための洗浄温度に上げることが可能な恒温部23とを備えている。
【0014】
分析制御部30は、分析部19のサンプル部20、試薬部21、及び反応部22に含まれる各ユニットを駆動する各機構を備えた機構部31と、恒温部23に含まれる各ユニットを駆動する各機構及び機構部31の各機構を制御する制御部32とを備えている。
【0015】
分析データ処理部40は、分析部19から出力されたキャリブレータ信号、分析信号などからキャリブレーションテーブルの作成、分析データの算出などを行う演算部41と、演算部41で作成されたキャリブレーションテーブルや算出された分析データなどを保存する記憶部42とを備えている。
【0016】
演算部41は、分析部19から出力された各項目のキャリブレータ信号から各項目のキャリブレーションテーブルを作成して出力部50に出力すると共に記憶部42に保存する。また、演算部41は、分析部19から出力された各項目の分析信号に対して、その分析信号の項目に対応したキャリブレーションテーブルを記憶部42から読み出した後、このキャリブレーションテーブルを用いて分析データを算出して出力部50に出力すると共に記憶部42に保存する。
【0017】
記憶部42は、ハードディスクなどを備え、演算部41から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどを被検試料毎に保存する。
【0018】
出力部50は、分析データ処理部40から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどを印刷出力する印刷部51及び表示出力する表示部52を備えている。そして、印刷部51は、プリンタなどを備え、分析データ処理部40から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどを予め設定されたフォーマットに基づいて、プリンタ用紙に印刷出力する。また、表示部52は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、分析データ処理部40から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどの表示や、システム制御部60からの指示により分析条件を設定するための画面、分析部19を高温洗浄する高温洗浄条件を設定するための画面などの表示を行う。
【0019】
操作部60は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、分析条件の設定、高温洗浄条件の設定、被検体の被検体IDや被検体名などの被検体情報の入力、被検体の被検試料毎の測定項目の選択、各項目のキャリブレーション操作、被検試料分析操作などの様々な操作が行われる。
システム制御部70は、図示しないCPUと記憶回路を備え、操作部60から供給される操作者のコマンド信号、分析条件、高温洗浄条件、被検体情報、被検試料毎の測定項目などの情報を記憶した後、これらの情報に基づいて、分析部19を構成する各ユニットを一定サイクルの所定のシーケンスで測定動作させる制御、分析部19を構成する各ユニットを高温洗浄動作させる制御、キャリブレーションテーブルの作成、分析データの算出と出力に関する制御などシステム全体の制御を行う。
【0020】
次に、分析部19及び分析制御部30の詳細を図2乃至図3を参照して説明する。
図2は、分析部19のサンプル部20、試薬部21、及び反応部22の構成を説明するための斜視図である。
【0021】
サンプル部20は、被検試料、キャリブレータなどのサンプルを納める試料容器17と、試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ6と、試料容器17からサンプルを吸引して反応部22に吐出するサンプル分注プローブ16と、サンプル分注プローブ16をディスクサンプラ6と反応部22間の回動、ディスクサンプラ6と反応部22における上下動を可能に保持するサンプル分注アーム10とを備えている。
【0022】
サンプル分注プローブ16は、同一試料容器17からの被検試料の吸引を終え、新たな試料容器17からの被検試料の吸引前毎に、被検試料間のクロスコンタミネーションを防ぐためにその内外壁が洗浄される。
【0023】
試薬部21は、サンプルに対して選択的に反応する複数の第1試薬、第1試薬と対の複数の第2試薬、洗浄液などを納める試薬ボトル7a,7bと、試薬ボトル7a,7bを夫々収納する試薬ラック1a,1bと、第1試薬及び洗浄液用の試薬ボトル7aを収納した試薬ラック1aを回動可能に保持する試薬庫2と、第2試薬及び洗浄液用の試薬ボトル7bを収納した試薬ラック1bを回動可能に保持する試薬庫3とを備えている。
【0024】
また、試薬部21は、第1及び第2試薬吸引位置にある試薬ボトル7a,7bから第1及び第2試薬や、洗浄液を吸引して反応部22に吐出する第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15と、第1及び第2試薬吸引位置と反応部22間で回動させ、又第1及び第2試薬吸引位置と反応部22で第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の上下動を可能に保持する第1試薬分注アーム8及び第2試薬分注アーム9とを備えている。
【0025】
第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15は、試薬庫2及び3の試薬ボトル7から第1及び第2試薬を吸引及び吐出毎に、第1及び第2試薬間のクロスコンタミネーションを防ぐために内外壁が洗浄される。
【0026】
反応部22は、サンプル部20のディスクサンプラ6から反応部22のサンプル吐出位置に回動したサンプル分注プローブ16により吐出されたサンプル、試薬部21の第1及び第2試薬吸引位置から反応部22の第1及び第2試薬吐出位置に回動した第1試薬プローブ14及び第2試薬プローブ15により吐出された第1試薬及び第2試薬や洗浄液を納める反応容器4と、円周上に配置された複数の反応容器4を回転可能に保持する反応ディスク5と、反応部22の撹拌位置に停止した反応容器4内のサンプルと試薬の混合液、洗浄液などを撹拌する撹拌子を持つ上下動可能な撹拌ユニット11とを備えている。
【0027】
また、反応部22は、撹拌後の混合液の入った測光位置に移動された反応容器4に光を照射して、透過した光から設定波長における吸光度を測定する測光ユニット13と、洗浄・乾燥位置に停止した反応容器4の測定を終えた混合液の吸引及び洗浄・乾燥を行う洗浄ノズルや乾燥ノズルを有した上下動可能な洗浄ユニット12とを備えている。
【0028】
反応容器4は、混合液の測定終了毎に、混合液間のクロスコンタミネーションを防ぐために洗浄ユニット12によりその内側が洗浄・乾燥され、再び測定に使用される。
【0029】
測光ユニット13は、回転移動する反応容器4に測光位置から光を照射して混合液の吸光度変化を測定し、その測定から得られた被検試料或いはキャリブレータの分析信号或いはキャリブレーション信号を分析データ処理部40に出力する。
【0030】
撹拌ユニット11は、反応容器4内の混合液の撹拌毎に、混合液間のクロスコンタミネーションを防ぐために撹拌子の表面が洗浄される。
【0031】
図3は、分析部19の恒温部23の構成を説明するための図である。この恒温部23は、反応部22の反応容器4に熱を伝達する熱媒体81と、反応容器4及び熱媒体81の温度を一定に保持する恒温槽82と、熱媒体81を加熱或いは冷却して反応容器4内の混合液或いは洗浄液を測定温度或いは洗浄温度に制御する恒温ユニット83と、恒温槽82内に収納した熱媒体81の液面の位置を検出する位置センサ89と、外部に配置された熱媒体81を恒温槽82内に供給する供給ポンプ90とを備えている。
【0032】
熱媒体81は、比熱が大きく且つ流動性のある水などが使用され、恒温ユニット83からの熱を反応容器4の側面及び底面を介して反応容器4内に吐出された混合液や洗浄液に伝達する。
【0033】
恒温槽82は、回転移動する反応容器4の円軌道に合わせて上側が開口した円形の流路を形成し、その流路内に反応容器4が配置される。
【0034】
恒温ユニット83は、熱媒体81を冷却する冷却器84と、冷却器84からの熱媒体81を加熱する加熱器85と、冷却器84、加熱器85、及び恒温槽82内の熱媒体81を循環させるための循環ポンプ86とを備え、システム制御部70からの測定指示或いは高温洗浄指示に基づく分析制御部30における制御部32の制御により、測定時には反応容器4内の混合液を例えば37℃の測定温度に、また高温洗浄時には反応容器4内の洗浄液を例えば70〜80℃と測定温度よりも高い洗浄温度に上げて保持する。
【0035】
冷却器84は、熱媒体81を冷却する冷却フィンと、この冷却フィンを冷却するファンとを備え、制御部32の制御により、熱媒体81が測定温度或いは洗浄温度よりも高いときにファンを回して強制的に冷却する。
【0036】
加熱器85は、循環ポンプ86から送り込まれた熱媒体81を加熱するヒータ87と、熱媒体81の温度を検出する温度センサ88とを備え、温度センサ88は加熱器85内の検出された温度を温度検出信号として制御部32に出力し、温度センサ88からの温度検出信号に基づく制御部32の制御により、熱媒体81が測定温度或いは洗浄温度よりも低いときにヒータ87で加熱する。
【0037】
循環ポンプ86は、恒温槽82から熱媒体81を吸引すると共に、吸引した熱媒体81を冷却器84、加熱器85、及び恒温槽82等に送り込む。恒温槽81内においては熱媒体81を反応容器4の回転方向と逆方向に流す。
【0038】
恒温槽82における熱媒体81の液面の位置を検出する位置センサ89は、その位置検出信号を分析制御部30に出力する。
【0039】
供給ポンプ90は、位置センサ89からの位置検出信号に基づく制御部32の制御により、恒温槽82内の熱媒体81の液面の位置が正常の高さよりも低いときに、正常の高さになるまで外部からの熱媒体を恒温槽82内に供給する。
【0040】
次に、分析制御部30の構成を詳細に説明する。分析制御部30の機構部31は、分析部19のディスクサンプラ6や試薬庫2及び3の各回動、反応ディスク5の回転、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、及び第2試薬分注アーム9の各回動及び上下動、撹拌ユニット11及び洗浄ユニット12の各上下動を行う機構を備えている。
【0041】
また、機構部31は、サンプル分注プローブ16を介してサンプルの吸引及び吐出を行うサンプル分注ポンプ、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15を介して第1及び第2試薬や洗浄液の吸引及び吐出を行う第1及び第2試薬ポンプ、洗浄ユニット12の複数の洗浄ノズルを介して反応容器4内の混合液や洗浄液の吸引、反応容器4内に対して反応容器洗浄液や純水の吐出及び吸引を行う洗浄ポンプ、乾燥ノズルを介して洗浄後の残存液の吸引を行う乾燥ポンプなどの機構を備えている。
【0042】
更に、機構部31は、撹拌ユニット11の撹拌子を駆動する機構を備えている。
【0043】
制御部32は、機構部31のディスクサンプラ6、試薬庫2及び3、反応ディスク5、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、撹拌ユニット11、洗浄ユニット12、サンプル分注ポンプ、第1及び第2試薬ポンプ、洗浄ポンプ、乾燥ポンプなどの各機構を制御する制御回路を備えている。
【0044】
また、制御部32は、分析部19の恒温部23における温度センサ88や位置センサ89から出力された温度検出信号や位置検出信号に基づいて恒温部23のヒータ87、冷却器84のファンや供給ポンプ90を制御する制御回路を備えている。
【0045】
次に、図1乃至図10を参照して自動分析装置100の高温洗浄動作について説明する。
【0046】
図4は、高温洗浄条件を設定する画面の一例を示した図である。この高温洗浄条件設定画面53は、高温洗浄条件を表示する洗浄条件表示エリア54と、この洗浄条件表示エリア54に表示された各高温洗浄条件を選択して設定するための設定エリア55から構成され、操作部60からの洗浄条件設定画面表示操作により表示部52に表示される。
【0047】
洗浄条件表示エリア54には、分析部19の反応容器4の高温洗浄に対応した「反応容器の洗浄」、サンプル分注プローブ16の高温洗浄に対応した「サンプル分注プローブの洗浄」、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄に対応した「試薬分注プローブの洗浄」、撹拌ユニット11の撹拌子の高温洗浄に対応した「撹拌子の洗浄」、及び反応容器4の「反応容器の洗浄」よりも強力な高温洗浄に対応した「反応容器洗浄液入れ洗浄」が表示される。
【0048】
設定エリア55には、高温洗浄条件を選択して設定するための四角枠55a乃至55eが表示され、夫々洗浄条件表示エリア54に表示された「反応容器の洗浄」、「サンプル分注プローブの洗浄」、「試薬分注プローブの洗浄」、「撹拌子の洗浄」、「反応容器洗浄液入れ洗浄」に対応している。
【0049】
そして、操作部60からの高温洗浄条件設定操作により、システム制御部70は、表示部52における高温洗浄条件設定画面53の設定エリア55の四角枠55a乃至55e内に「レ」を表示させると共に、選択設定した高温洗浄条件を内部の記憶回路に保存する。
【0050】
図5は、表示部52に表示された高温洗浄条件設定画面53の各高温洗浄条件に対応した自動分析装置100の高温洗浄動作を示したフローチャートである。
【0051】
図5(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示した高温洗浄動作の各工程は、高温洗浄条件設定画面53の設定エリア55の夫々四角枠55a、55b、55c、55d、55eを選択設定することにより実行される。
【0052】
図5(a)は、反応容器4の高温洗浄動作に対応し、分析部19の恒温槽82内の熱媒体81を洗浄温度に上げるまでの洗浄温度設定工程S1と、反応容器4を洗浄温度の状態で高温洗浄する反応容器洗浄工程S10から構成される。
【0053】
図5(b)は、サンプル分注プローブ16の高温洗浄動作に対応し、洗浄温度設定工程S1と、サンプル分注プローブ16を洗浄温度の洗浄液を用いて高温洗浄するサンプル分注プローブ洗浄工程S20から構成される。
【0054】
図5(c)は、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄動作に対応し、洗浄温度設定工程S1と、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15を洗浄液温度の洗浄液を用いて高温洗浄する試薬分注プローブ洗浄工程S30から構成される。
【0055】
図5(d)は、撹拌ユニット11の撹拌子の高温洗浄動作に対応し、洗浄温度設定工程S1と、撹拌ユニット11の撹拌子を洗浄温度の洗浄液を用いて高温洗浄する撹拌子洗浄工程S40から構成される。
【0056】
図5(e)は、反応容器4内への洗浄液入れによる高温洗浄動作に対応し、洗浄温度設定工程S1と、反応容器4に洗浄液を入れて洗浄温度になった洗浄液で高温洗浄する反応容器洗浄液入れ洗浄工程S50から構成される。
【0057】
図6は、反応容器4の高温洗浄動作の詳細を示したフローチャートである。予め操作部60を操作して表示部52の高温洗浄条件設定画面53から四角枠55a内に選択設定し、更に高温洗浄開始操作により、自動分析装置100は、高温洗浄動作を開始する(ステップS0)。
【0058】
まず洗浄温度設定工程S1では、システム制御部70からの分析制御部30の制御部32への高温洗浄の指示により、制御部32は、分析部19の恒温部23における位置センサ89からの液面検出信号から恒温槽82内の熱媒体81の液面が正常の高さになっているか否かを判定する(ステップS2)。
【0059】
そして、恒温槽82内の熱媒体81の液面が正常の高さになっている場合(ステップS2のはい)、制御部32は、恒温部23のヒータ87に恒温槽82内の熱媒体81を洗浄温度まで上げさせる(ステップS4)。
【0060】
また、恒温槽82内の熱媒体81の液面が正常の高さよりも低い場合(ステップS2のいいえ)、制御部32は、恒温部23の供給ポンプ90に液面が正常の高さになるまで恒温槽82内に熱媒体81を供給させる(ステップS3)。その後、ステップS4へ移行する。
【0061】
洗浄温度設定工程S1の後に引き続き行われる反応容器洗浄工程S10では、制御部32は、機構部31の洗浄ユニット12の機構、洗浄ポンプ、乾燥ポンプなどの各ユニットの駆動機構を駆動し、反応部22の洗浄・乾燥位置の反応容器4を高温洗浄させる(ステップS11)。そして、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、高温洗浄を終えた反応容器4を回転方向の隣の反応容器4の位置に回転(1ピッチ)移動させる。
【0062】
そして、洗浄・乾燥位置の反応容器4が高温洗浄されていない場合(ステップS12のいいえ)、ステップS11に戻る。また、洗浄乾燥位置の反応容器4が高温洗浄されていた場合(ステップS12のはい)、反応容器洗浄工程S10が終了する。反応容器洗浄工程S10の終了により、システム制御部70は、制御部32に指示をして機構部31及び恒温部23の各ユニット駆動機構による高温洗浄動作を停止させる(ステップS100)。
【0063】
以上の洗浄ユニット12を用いた反応容器4の高温洗浄により、汚れの1成分である油脂成分が溶けたり汚れの粘度が低下して動きやすくなり除去しやすくなる、熱エネルギーによって反応容器4表面から汚れを引き離しやすくなるなどの作用で、反応容器4の内壁に付着した汚れを強力に落とすことができる。
【0064】
図7は、サンプル分注プローブ16の高温洗浄動作の詳細を示したフローチャートである。予め操作部60を操作して表示部52の高温洗浄条件設定画面53から四角枠55b内に選択設定しておくことにより、サンプル分注プローブ16の高温洗浄が行われる。なお、前述した工程については説明を省略する。
【0065】
洗浄温度設定工程S1に引き続き行われるサンプル分注プローブ洗浄工程S20では、まず制御部32は、機構部31の洗浄ユニット12及び反応ディスク5の駆動機構、洗浄ポンプ、乾燥ポンプなどの各ユニット駆動機構を駆動し、サンプル分注プローブ16の高温洗浄用のL個の反応容器4を洗浄ユニット12を用いた高温洗浄をさせる(ステップS21)。
【0066】
次に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、高温洗浄を終えた反応容器4を反応部22の第1試薬吐出位置に回転移動させた後、機構部31の試薬庫2及び第1試薬分注アーム8の機構、第1試薬ポンプに、試薬庫2に配置された例えば界面活性剤を含むアルカリ系洗剤、酸性洗剤などの用途に応じた洗浄液が収納された試薬ボトル7から洗浄液を吸引させて、第1試薬吐出位置の反応容器4内に吐出させる。この動作をL回繰り返して、高温洗浄を終えたL個の反応容器4に洗浄液を吐出させる(ステップS22)。
【0067】
L個の反応容器4内の洗浄液が洗浄温度に達した所定時間後に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、洗浄液の入った反応容器4を反応部22のサンプル吐出位置に回転移動させる(ステップS23)。次いで、機構部31のサンプル分注アーム10の機構、サンプル分注ポンプを駆動してサンプル分注プローブ16を反応容器4内の洗浄液に浸漬させた状態で洗浄液を複数回吸引及び吐出させて高温洗浄を行う(ステップS24)。
【0068】
そして、サンプル分注プローブ16の高温洗浄がL個の反応容器4の洗浄液を用いてL回の高温洗浄に達してない場合(ステップS25のいいえ)、ステップS23に戻る。また、サンプル分注プローブ16の高温洗浄がL個の反応容器4の洗浄液を用いてL回の高温洗浄を終えた場合(ステップS25のはい)、サンプル分注プローブ洗浄工程S20が終了する。
【0069】
以上の洗浄温度の洗浄液を用いたサンプル分注プローブ16の高温洗浄により、反応容器4の高温洗浄と同様の作用で、サンプル分注プローブ16の内外壁に付着した汚れを強力に落とすことができる。
【0070】
図8は、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄動作の詳細を示したフローチャートである。予め操作部60を操作して表示部52の高温洗浄条件設定画面53から四角枠55c内に選択設定しておくことにより、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄が行われる。なお、前述した工程については説明を省略する。
【0071】
洗浄温度設定工程S1に引き続き行われる試薬分注プローブ洗浄工程S30では、制御部32は、機構部31の洗浄ユニット12及び反応ディスク5の各駆動機構を駆動し、洗浄ポンプ、乾燥ポンプの各ユニット駆動機構を駆動し、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄用の2M個の反応容器4を洗浄ユニット11を用いた高温洗浄をさせる(ステップS31)。
【0072】
次に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、高温洗浄を終えた反応容器4を反応部22の第1及び第2試薬吐出位置に回転移動させた後、機構部31の試薬庫2及び3の各駆動機構、第1試薬分注アーム8及び第2試薬分注アーム9の各駆動機構、更には第1及び第2試薬ポンプを駆動して、試薬庫2及び3に配置された洗浄液を収納した試薬ボトル7から洗浄液を吸引させて、第1及び第2試薬吐出位置の反応容器4に吐出させる。この動作をM回繰り返して、高温洗浄を終えた2M個の反応容器4に洗浄液を吐出させる(ステップS32)。
【0073】
2M個の反応容器4内の洗浄液が洗浄温度に達した所定時間後に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、洗浄液の入った反応容器4を反応部22の第1及び第2試薬吐出位置に回転移動させる(ステップS33)。次いで、機構部31の第1試薬分注アーム8及び第2試薬分注アーム9の各駆動機構、第1及び第2試薬ポンプを駆動して、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15を反応容器4内の洗浄液に浸漬させた状態で洗浄液を複数回吸引及び吐出させて高温洗浄を行う(ステップS34)。
【0074】
そして、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄が2M個の反応容器4の洗浄液を用いて各M回の高温洗浄に達してない場合(ステップS35のいいえ)、ステップS33に戻る。また、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄が2M個の反応容器4の洗浄液を用いて各M回の高温洗浄を終えた場合(ステップS35のはい)、試薬分注プローブ洗浄工程S30が終了する。
【0075】
以上の洗浄温度の洗浄液を用いた第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の高温洗浄により、反応容器4の高温洗浄と同様の作用で、第1試薬分注プローブ14及び第2試薬分注プローブ15の内外壁に付着した汚れを強力に落とすことができる。
【0076】
図9は、撹拌ユニット11の撹拌子の高温洗浄動作の詳細を示したフローチャートである。予め操作部60を操作して表示部52の高温洗浄条件設定画面53から四角枠55d内に選択設定しておくことにより、撹拌子の高温洗浄が行われる。なお、前述した工程については説明を省略する。
【0077】
洗浄温度設定工程S1に引き続き行われる撹拌子洗浄工程S40では、制御部32は、機構部31の洗浄ユニット12及び反応ディスク5の駆動機構を駆動し、洗浄ポンプ、乾燥ポンプの各ユニット駆動機構を駆動し、撹拌子の高温洗浄用のN個の反応容器4を洗浄ユニット11を用いた高温洗浄をさせる(ステップS41)。
【0078】
次に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、高温洗浄を終えた反応容器4を反応部22の第1試薬吐出位置に回転移動させた後、機構部31の試薬庫2及び第1試薬分注アーム8の各駆動機構、第1試薬ポンプを駆動して、試薬庫2に配置された洗浄液を収納した試薬ボトル7から洗浄液を吸引させて、第1試薬吐出位置の反応容器4に吐出させる。この動作をN回繰り返して、高温洗浄を終えたN個の反応容器4に洗浄液を吐出させる(ステップS42)。
【0079】
N個の反応容器4内の洗浄液が洗浄温度に達した所定時間後に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、洗浄液の入った反応容器4を反応部22の撹拌位置に回転移動させる(ステップS43)。次いで、機構部31の撹拌ユニット11の各駆動機構を駆動して撹拌子を反応容器4内の洗浄液に浸漬させた状態で撹拌動作させて高温洗浄を行う(ステップS44)。
【0080】
そして、撹拌ユニット11の撹拌子の高温洗浄がN個の反応容器4の洗浄液を用いてN回の高温洗浄に達してない場合(ステップS45のいいえ)、ステップS43に戻る。また、撹拌子の高温洗浄がN個の反応容器4の洗浄液を用いてN回の高温洗浄を終えた場合(ステップS45のはい)、撹拌子洗浄工程S40が終了する。
【0081】
以上の洗浄温度の洗浄液を用いた撹拌ユニット11の撹拌子の高温洗浄動作により、反応容器4の高温洗浄と同様の作用で、撹拌子の表面に付着した汚れを強力に落とすことができる。
【0082】
図10は、反応容器4内への洗浄液入れによる高温洗浄動作の詳細を示したフローチャートである。予め操作部60を操作して表示部52の高温洗浄条件設定画面53から四角枠55e内に選択設定しておくことにより、反応容器4内への洗浄液入れによる高温洗浄が行われる。なお、前述した工程については説明を省略する。
【0083】
洗浄温度設定工程S1に引き続き行われる反応容器洗浄液入れ洗浄工程S50では、制御部32は、機構部31の洗浄ユニット12及び反応ディスク5の各駆動機構、洗浄ポンプ、乾燥ポンプの各ユニット駆動機構を駆動し、反応部22の洗浄・乾燥位置に停止した反応容器4を洗浄ユニット11を用いた高温洗浄をさせる(ステップS51)。
【0084】
次に、制御部32は、機構部31の反応ディスク5の駆動機構を駆動し、高温洗浄を終えた反応容器4を1ピッチ移動させる。そして、高温洗浄を終えた反応容器4が反応部22の第1或いは第2試薬吐出位置に停止したときに、機構部31の試薬庫2或いは3、第1試薬分注アーム8或いは第2試薬分注アーム9の各駆動機構、第1或いは第2試薬ポンプの駆動機構を駆動して、試薬庫2或いは3に配置された洗浄液を収納した試薬ボトル7から洗浄液を吸引させて、第1及び第2試薬吐出位置の反応容器4に吐出させる(ステップS52)。
【0085】
そして、同様の動作を繰り返して全ての反応容器4に洗浄液を入れ終えた後、制御部32は、例えば5〜15分間の所定時間、反応容器4に洗浄液を入れて洗浄温度に保った状態で高温洗浄させる(ステップS53)。
【0086】
前記所定時間経過後、制御部32は、機構部31の洗浄ユニット12及び反応ディスク5の各駆動機構、洗浄ポンプ、乾燥ポンプの各ユニット駆動機構を駆動して、洗浄ユニット12に全ての反応容器4から洗浄液を吸引させると共に高温洗浄させる(ステップS54)。そして、全ての反応容器4の高温洗浄が終了した時点で、反応容器洗浄液入れ洗浄工程S50が終了する。
【0087】
以上の反応容器4への洗浄液入れによる高温洗浄により、反応容器4の高温洗浄と同様の作用で、図6に示した反応容器4の高温洗浄動作による高温洗浄よりも強力に反応容器4の内壁に付着した汚れを落とすことができる。
【0088】
以上述べた本発明の実施例によれば、被検試料及び試薬の混合液を測定温度に保持するための恒温部23を使用して、測定温度よりも高い洗浄温度に上げた洗浄液を用いて反応容器4、サンプル分注プローブ、第1試薬分注プローブ、第2試薬分注プローブ、撹拌ユニット11の撹拌子などを高温洗浄することにより、これらのユニットに付着した汚れを強力に洗い落とすことができるので、分析データの測定精度の向上を図ることができる。
【0089】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、表示部52の高温洗浄条件設定画面53から複数の洗浄条件を選択設定して、反応容器4、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、及び撹拌ユニット11の撹拌子の中から複数のユニットを高温洗浄させるように実施してもよい。
【0090】
このように、複数のユニットを同時に選択設定して高温洗浄させることにより、各ユニットを個々に選択設定して高温洗浄させるよりも共通の洗浄工程を減らすことができ洗浄時間を短縮することができる。
【0091】
また、反応部22に洗浄液を分注する洗浄液分注部を設け、反応容器4、サンプル分注プローブ16、第1試薬分注プローブ14、第2試薬分注プローブ15、及び撹拌ユニット11の撹拌子を高温洗浄するための洗浄液を洗浄液分注部から反応容器4に分注させて実施するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す図。
【図3】本発明の実施例に係る恒温部の構成を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る高温洗浄条件設定画面の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る高温洗浄工程を示す図。
【図6】本発明の実施例に係る反応容器の高温洗浄動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブの高温洗浄動作を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施例に係る試薬分注プローブの高温洗浄動作を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施例に係る撹拌子の高温洗浄動作を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例に係る反応容器の洗浄液入れ高温洗浄動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0093】
19 分析部
20 サンプル部
21 試薬部
22 反応部
23 恒温部
30 分析制御部
31 機構部
32 制御部
40 分析データ処理部
41 演算部
42 記憶部
50 出力部
51 印刷部
52 表示部
60 操作部
70 システム制御部
100 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器に被検試料を分注するサンプル分注プローブと、
前記反応容器に試薬を分注する試薬分注プローブと、
前記反応容器に分注された前記被検試料と前記試薬との混合液を撹拌する撹拌子と、
前記撹拌子で撹拌された前記反応容器内の前記混合液を、前記反応容器を介して測定温度に設定する温度設定手段と、
前記温度設定手段により前記測定温度に設定された前記混合液を測定する測定手段と、
前記測定温度よりも高温の洗浄温度で、前記反応容器、前記サンプル分注プローブ、前記試薬分注プローブ、及び前記撹拌子の少なくとも1つを洗浄するように前記温度設定手段を制御する高温洗浄制御手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記温度設定手段により設定された前記測定温度で、前記測定手段により測定された前記混合液の入った前記反応容器を一定のサイクルで洗浄する洗浄ユニットを有し、
前記高温洗浄手段は、前記洗浄ユニットを用いて前記反応容器を洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記温度設定手段は、前記反応容器に熱を伝達する熱媒体と、この熱媒体の温度を前記測定温度及び前記洗浄温度に設定する恒温ユニットとを有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記高温洗浄手段は、前記反応容器に分注された洗浄液を前記温度設定手段で前記洗浄温度に設定し、前記洗浄温度に設定された前記洗浄液を前記サンプル分注プローブ内に吸引させて高温洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記高温洗浄手段は、前記反応容器に分注された洗浄液を前記温度設定手段で前記洗浄温度に設定し、前記洗浄温度に設定された前記洗浄液を前記試薬分注プローブ内に吸引させて高温洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記高温洗浄手段は、前記反応容器に分注された洗浄液を前記温度設定手段で前記洗浄温度に設定し、前記洗浄温度に設定された前記洗浄液が分注された前記反応容器内に前記撹拌子を入れて高温洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記高温洗浄手段は、前記反応容器に分注された洗浄液を前記温度設定手段で前記洗浄温度に設定した後、前記反応容器内に洗浄時間保持させて高温洗浄するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項8】
反応容器にサンプル分注プローブを用いて被検試料を分注し、
前記反応容器に試薬分注プローブを用いて試薬を分注し、
前記反応容器に分注された前記被検試料と前記試薬との混合液を撹拌子を用いて撹拌し、
前記撹拌子で撹拌された前記反応容器内の前記混合液を測定温度に設定し、
前記測定温度に設定された前記混合液を測定し、
測定された前記混合液の入った前記反応容器を洗浄した後に、
前記測定温度よりも高温の洗浄温度で、前記反応容器、前記サンプル分注プローブ、前記試薬分注プローブ、及び前記撹拌子の少なくとも1つを洗浄することを特徴とする自動分析装置の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−47027(P2007−47027A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231980(P2005−231980)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】