自動分析装置
【課題】分注する複数のプローブを有効に使用でき、分注時間の短縮を図ることができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【解決手段】自動分析装置は、反応ディスク1上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、反応ディスク1の内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスク4−1と、第1試薬庫ディスク4−1の内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスク4−2と、第1試薬庫ディスク4−1の試薬容器と第2試薬庫ディスク4−2の試薬容器とから試薬を吸引し、吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブ6、7とを具備する。
【解決手段】自動分析装置は、反応ディスク1上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、反応ディスク1の内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスク4−1と、第1試薬庫ディスク4−1の内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスク4−2と、第1試薬庫ディスク4−1の試薬容器と第2試薬庫ディスク4−2の試薬容器とから試薬を吸引し、吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブ6、7とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検試料を収納した複数の被検試料容器、被検試料と試薬とを反応させるための反応セル、被検試料容器から反応セルへ被検試料を分注するサンプルプローブ、試薬を収納した試薬ビン、この試薬ビンから反応セルへ試薬を分注する試薬プローブ、反応セルにおける被検試料と試薬との反応を検出する光学式検出部、この光学式検出部による検出結果に基づいて被検試料の成分分析を行う分析部を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置においては、被検試料と試薬とを反応セルに分注して、被検試料と試薬との反応変化( 吸光率の変化 )を測定することにより、試薬に対応する成分の成分量の測定を行う。例えば、図10は、従来の自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図である。被検試料は検体から採取された後、被検試料容器に収納され、サンプルディスク101に配置される。試薬は試薬ビンに収納され、試薬庫102,103に配置される。一方、反応セルは反応ディスク104に配置される。
【0003】
そこで、サンプルディスク101に配置された被検試料容器から反応ディスク104に配置された反応セルに分注するサンプルプローブ105が設けられ、試薬庫102,103に配置された試薬ビンから反応ディスク104に配置された反応セルに分注する試薬プローブ106,107が設けられている。
【0004】
サンプルプローブ105は、サンプルアーム108により固定支持されており、このサンプルアーム108の回動により、サンプルディスク101と反応ディスク104と間を往復するようになっている。また、試薬プローブ106,107は、試薬アーム109,110により固定支持されており、この試薬アーム109,110の回動により、試薬庫102,103と反応ディスク104との間と往復するようになっている。各プローブ105〜107は、それぞれ各アーム108〜110に設けられた昇降機構により上下方向に移動する。
【0005】
これららのプローブ105( 〜107 )による分注は、まず、サンプルディスク101の被検試料容器( 又は試薬庫102,103の試薬ビン )への移動、被検試料容器( 又は試薬ビン )での吸引動作、サンプルディスク101の被検試料容器( 又は試薬庫102,103の試薬ビン )から反応ディスク104の反応セルへの移動、反応セルでの吐出動作、反応ディスク104の反応セルから洗浄位置への移動、プローブ105( 〜107 )の内側及び外側の洗浄、サンプルディスク101の被検試料容器( 又は試薬庫の試薬ビン )への移動、…といように多くの工程( 動作 )を通過しなければならず、分注に時間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで、これらの分注にかかる時間を短縮するため、従来の自動分析装置ではプローブを複数にして同時に複数の項目分の分注を行うものがある。すなわち、複数のプローブを束状に固定して、1つの被検試料容器( 又は試薬ビン )の内部に挿入し、同時に吸引動作を行う。
【0007】
例えば図11に示すように、4本のサンプルプローブ121〜124を使用する。この4本のサンプルプローブ121〜124を、サンプルディスク上の1個の被検試料容器125に挿入し( 降下により挿入し )、同時に吸引動作を行って、その後反応ディスク104上に移動して、4個の反応セル126〜129に被検試料を分注する。
【0008】
しかし、被検試料に対して測定する項目の数が4の倍数とは限らないので、図12に示すように、被検試料に対する残りの測定項目数が2個の場合には、4本のサンプルプローブ121〜124を、1個の被検試料容器125に挿入するが、2本のサンプルプローブ121,123のみが同時に吸引動作を行い、他の2本のサンプルプローブは吸引動作を停止する。その後反応ディスク104上に移動して、2本のサンプルプローブ121,123が被検試料を2個の反応セル126,128に分注する。
【0009】
また、図13に示すように、2本の試薬プローブ131,132及び2個1組として2列に配列された試薬ビン133-1,133-2、134-1,134-2、135-1,135-2、136-1,136-2、…を使用する。この2本の試薬プローブ131,132は、列で向かい合った1つの組、ここでは、第1の組の試薬ビン133-1,133-2へ挿入し( 降下により挿入し )、同時に吸引動作を行い、その後反応ディスク104上に移動して、2個の反応セル141,142にそれぞれの試薬を分注する。すなわち、試薬プローブ131は、試薬ビン133-1の試薬を反応セル141に分注し、試薬プローブ132は、試薬ビン133-2の試薬を反応セル142に分注する。
【0010】
しかし、必ずしも常に組になった試薬ビンの試薬を使用するとは限らないので、被検試料の測定項目の関係で場合によっては、前述したサンプルプローブの例のように、2本の試薬プローブ131,132のうち一方の試薬プローブのみが吸引動作・分注を行って、他方の試薬プローブは吸引動作停止して分注は行わないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、従来の自動分析装置では、複数のプローブを使用しても、被検試料の測定項目の数及び内容により、複数のプローブの全てを有効に使用できない場合があるという問題があった。複数のプローブの全てを有効に使用できないと、分注時間の短縮を図るという初期の目的が達成できないという問題があった。
【0012】
そこでこの発明は、分注する複数のプローブを有効に使用でき、分注時間の短縮を図ることができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1局面に係る自動分析装置は、反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、前記第1試薬庫ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備する。
本発明の第2局面に係る自動分析装置は、反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、前記反応ディスクの外側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備する。
【発明の効果】
【0014】
以上詳述したようにこの発明によれば、複数のプローブを有効に使用でき、分注時間の短縮を図ることができる自動分析装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は、この発明を適用した自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図である。円周上に複数個の反応セルが配列された円板状の反応ディスク1は、ある一定のサイクルで所定の角度だけ回転して停止する間欠的回転動作を行う。被検試料が収容されたサンプル容器( 被検試料容器( 採血管を含む )、図示せず )がセットされるサンプルディスク2は、前記反応ディスク1の近傍に所定間隔をおいて配置されている。
【0016】
各種成分と反応する試薬が収容された試薬ビンがセットされる第1試薬庫3は、前記反応ディスク1の内側に配置され、また、前記第1試薬庫3と同様に試薬ビンがセットされる第2試薬庫4は、前記反応ディスク1の近傍に所定間隔をおいて配置されている。
【0017】
前記サンプルディスク2、前記第1試薬庫3及び前記第2試薬庫4は、それぞれ所定の指定制御により前記サンプルディスク2にセットされた指定のサンプル容器( 採血管 )又は前記第1試薬庫3及び前記第2試薬庫4にセットされた指定の試薬容器が所定位置に位置決めされるように回転動作する。
【0018】
前記反応ディスク1と前記サンプルディスク2との間にはサンプルアーム5が配置され、その先端には2本のサンプルプローブ6,7が取付けられている。前記サンプルアーム5は、前記サンプルプローブ6,7を前記サンプルディスク2の所定位置にセットされているサンプル容器上に位置させる。ここで、前記サンプルプローブ6,7は、そのサンプル容器内へ降下して、その上液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して被検試料を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0019】
前記サンプルプローブ6,7の上昇が終了すると、前記サンプルアーム5は回動して、前記サンプルプローブ6,7を前記反応ディスク1のサンプル分注位置上へ位置させる。ここで、前記サンプルプローブ6,7はそれぞれ、そのサンプル分注位置にセットされている2本の反応セルに被検試料を予め設定された量だけ分注する。
【0020】
前記反応ディスク1の外周近傍には第1試薬アーム8が配置され、その先端には第1試薬プローブ9が取付けられている。前記第1試薬アーム8は、前記第1試薬プローブ9を前記第1試薬庫3の所定位置にセットされている試薬ビン上に位置させる。ここで、前記第1試薬プローブ9は、その試薬ビン内へ降下して、その上液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0021】
前記第1試薬プローブ9の上昇が終了すると、前記第1試薬アーム8は回動して、前記第1試薬プローブ9を前記反応ディスク1の第1試薬分注位置上へ位置させる。ここで、前記第1試薬プローブ9は、その第1試薬分注位置にセットされている反応セルに前記試薬を予め設定された量だけ分注する。
【0022】
前記反応ディスク1と前記第2試薬庫4との間には第2試薬アーム10が配置され、その先端には第2試薬プローブ11が取付けられている。前記第2試薬アーム10は、前記第2試薬プローブ11を前記第2試薬庫4の所定位置にセットされている試薬ビン上に位置させる。ここで、前記第2試薬プローブ11は、その試薬ビン内へ降下して、その上液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0023】
第2試薬プローブ11の上昇が終了すると、前記第2試薬アーム10は回動して、前記第2試薬プローブ11を前記反応ディスク1の第2試薬分注位置上へ位置させる。ここで、前記第2試薬プローブ11は、その第2試薬分注位置にセットされている反応セルに前記試薬を予め設定された量だけ分注する。
【0024】
また、前記反応ディスク1の外周近傍には、第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13が配置され、それぞれの先端には撹拌子が取付けられている。この第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13は、それぞれ前記反応ディスク1の第1撹拌位置及び第2撹拌位置にセットされている反応セル内の溶液( 被検試料及び試薬 )を、撹拌子により撹拌するようになっている。
【0025】
さらに、前記反応ディスク1の外周近傍には洗浄ユニット14が配置され、この洗浄ユニット14には、複数本の洗浄ノズルと、乾燥ノズルとが取付けられている。この洗浄ユニット14は、前記反応ディスク1の洗浄位置にセットされている各反応セルに対してそれぞれ洗浄ノズル又は乾燥ノズルにより洗浄又は乾燥を行うようになっている。また、前記反応ディスク1の外周近傍には、オプションとして電解質ユニット15が配置可能になっており、電解質の分析を行うことができる。
【0026】
前記反応ディスク1の1カ所には、測光部16が設けられている。この測光部16は、発光部を備え、発光部からの光を前記反応ディスク1の測光位置にセットされた反応セルに照射し、その透過光の光量を測定して、反応セル内のサンプルの試薬による変化量を測定するようになっている。この測定された変化量により、被検試料の成分分析( 定量分析・定性分析 )が行える。
【0027】
なお、前記反応ディスク1は、反応セルの温度を予め設定された温度に保つため恒温槽( 恒温水槽 )構造になっており、前記第1試薬庫3及び前記第2試薬庫4は、試薬ビン( 試薬 )の温度を予め設定された温度に保つための冷却構造となっている。
【0028】
図2は、この自動分析装置の要部回路構成を示すブロック図である。21は、制御部本体を構成するCPU(central processing unit )である。このCPU21が行う処理のプログラムデータが記憶されたROM(read onlymemory)22、前記CPU21が処理を行う時に使用する各種メモリのエリアが形成されたRAM(random access memory)23、データ等を記憶する記憶装置24とのデータの伝送制御を行う記憶装置インターフェイス25、データから被検試料の成分分析等を行うデータ処理装置26とのデータの伝送制御を行うデータ処理装置インターフェイス27はそれぞれ、システムバス28を介して前記CPU21と接続されている。
【0029】
また、前記CPU21は前記システムバス28を介して、増幅器及びアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換器等を備え、前記測光部16からの検出信号を入力する測光部インターフェイス29、後述する各種機構部30を制御する各種制御部31と接続されている。
【0030】
図3は、前記各種機構部30及び前記各種制御部31の要部構成を示すブロック図である。前記各種機構部30は、前記サンプルディスク1を駆動するサンプルディスク部41と、前記サンプルアーム5及び前記サンプルプローブ6,7を駆動するサンプルプローブ部42と、前記反応ディスク1を駆動する反応ディスク部43と、前記第1試薬アーム8及び前記第1試薬プローブ9を駆動する第1試薬プローブ部44と、前記第1試薬庫3を駆動する第1試薬庫部45と、前記第2試薬アーム10及び第2試薬プローブ11を駆動する第2試薬プローブ部46と、前記第2試薬庫4を駆動する第2試薬庫部47と、前記第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13及びそれらの撹拌子を駆動する撹拌子部48と、前記洗浄ユニット部14を駆動する洗浄ユニット部49と、前記電解質ユニット15を駆動する電解質ユニット部50等とから構成されている。
【0031】
前記各種制御部31は、前記サンプルディスク部41を制御するサンプルディスク制御部51と、前記サンプルプローブ部42を制御するサンプルプローブ制御部52と、前記反応ディスク部43を制御する反応ディスク制御部53と、前記第1試薬プローブ部44を制御する第1試薬プローブ制御部54と、前記第1試薬庫部45を制御する第1試薬庫制御部55と、前記第2試薬プローブ部46を制御する第2試薬プローブ制御部56と、前記第2試薬庫部47を制御する第2試薬庫制御部57と、前記撹拌子部48を制御する撹拌子制御部58と、前記洗浄ユニット部49を制御する洗浄ユニット制御部59と、前記電解質ユニット部50を制御する電解質ユニット制御部60等とから構成されている。
【0032】
さらに図4は、前記サンプルプローブ部42及び前記サンプルプローブ制御部52の要部構成を示すブロック図である。前記サンプルプローブ部42は、前記サンプルアーム5を駆動するサンプルアーム機構71と、前記サンプルアーム5内部に設けられ前記サンプルプローブ6,7の各位置( それらの間の間隔 )を調節するサンプルプローブ位置調節機構72と、前記第1のサンプルプローブ6の吸引・分注動作を駆動する第1のサンプルプローブ機構73と、前記第2のサンプルプローブ7の吸引・分注動作を駆動する第2のサンプルプローブ機構74とから構成されている。
【0033】
前記サンプルプローブ制御部52は、前記サンプルアーム機構71を制御するサンプルアーム制御部75と、前記サンプルプローブ位置調節機構72を制御するサンプルプローブ位置制御部76と、前記第1のサンプルプローブ機構73を制御する第1のサンプルプローブ制御部77と、前記第2のサンプルプローブ機構74を制御する第2のサンプルプローブ制御部78とから構成されている。
【0034】
このような構成のこの第1の実施の形態においては、図5に示すように、前記CPU21によりサンプリング処理が行われる。まず、ステップ1( ST1 )の処理として、当該サンプル( これから分析( 測定 )しようとする被検試料 )のすでに設定されている測定項目数をRAM23に形成された格納エリアTに設定する。
【0035】
次に、ステップ2( ST2 )の処理として、格納エリアTに設定されている数値Tが2以上か否かを判断する。ここでその数値Tが2未満と判断すると、ステップ3( ST3 )の処理として、その数値は1か否かを判断する。
【0036】
前述のステップ2の処理で、格納エリアTに設定されている数値Tが2以上と判断すると、ステップ4( ST4 )の処理として、両方のサンプルプローブ6,7を、サンプルディスク2の当該サンプルのサンプル容器に挿入して、両方のサンプルプローブ6,7で同時に被検試料の吸引を行い、この両方のサンプルプローブ6,7により、反応ディスク1の異なる反応セルに同時に被検試料の分注を行う。
【0037】
次に、ステップ5( ST5 )の処理として、格納エリアTに設定されている数値Tに対して−2の減算更新処理を行い、再び前述のステップ2の処理へ戻るようになっている。前述のステップ3の処理で、格納エリアTに設定されている数値Tが1と判断すると、ステップ6( ST6 )の処理として、次に分析するサンプル( 被検試料)があるか否かを判断する。
【0038】
ここで、次に分析するサンプルがあると判断すると、ステップ7( ST7 )の処理として、当該サンプルのサンプル容器と次のサンプルのサンプル容器との位置関係に応じてサンプルプローブ位置制御部76及びサンプルプローブ位置調節機構72により各サンプルプローブ6,7のそれぞれ位置を調節して( 当該サンプルのサンプル容器と次のサンプルのサンプル容器との間の間隔だけ開いて )、第1のサンプルプローブ6又は第2のサンプルプローブ7のいずれか一方をサンプルディスク2の当該サンプルのサンプル容器に挿入し、他方を次のサンプルのサンプル容器に挿入し、同時に被検試料の吸引を行い、反応ディスク1の異なる反応セルに同時に被検試料の分注を行う。
【0039】
この時、図6に示すように、異なるサンプル容器において、被検試料の上液面の高さが異なっても、第1のサンプルプローブ制御部77及び第1のサンプルプローブ機構73と第2のサンプルプローブ制御部78及び第2のサンプルプローブ機構74とにより第1のサンプルプローブ6と第2のサンプルプローブ7とをそれぞれ独立に駆動制御して、適切に被検試料に対して水面に対する適切な深さ位置にサンプルプローブを挿入して吸引動作を行うことができる。
【0040】
次に、ステップ8( ST8 )の処理として、次のサンプルを当該サンプルとする移行処理を行い、ステップ( ST9 )の処理として、当該サンプルのすでに設定されている測定項目数をRAM23の格納エリアTに設定する。次に、ステップ10( ST10 )の処理として、格納エリアTに設定されている数値Tに対して−1の減算更新処理を行い、再び前述のステップ2の処理へ戻るようになっている。
【0041】
前述のステップ6の処理で、次に分析するサンプルがないと判断すると、ステップ11( ST11 )の処理として、第1のサンプルプローブ6又は第2のサンプルプローブ7の両方をサンプルディスク2の当該サンプルのサンプル容器に挿入するが、そのうちのいずれか一方( 当該サンプルのサンプル容器の位置に応じて選択された方 )のサンプルプローブのみ吸引動作を行い、他方は吸引動作を中止する。そして、その一方のサンプルプローブのみにより、反応ディスク1の1つの反応セルに被検試料の分注を行い、このサンプリング処理を終了するようになっている。
【0042】
前述のステップ3の処理で、格納エリアTに設定されている数値Tが1でない( 0である )と判断すると、ステップ12( ST12 )の処理として、次に分析するサンプルがあるか否かを判断する。ここで、次に分析するサンプルがあると判断すると、ステップ13( ST13 )の処理として、次のサンプルを当該サンプルとする移行処理を行い、再び前述のステップ1の処理へ戻るようになっている。また、次に分析するサンプルがないと判断すると、このサンプリング処理を終了するようになっている。
【0043】
例えば、Aという検体( 被検試料 )について測定項目数が5であり、さらにBという次の検体がある時、まず1番目のサンプリングでは、第1と第2の項目に対する分注がサンプルプローブ6,7により同時に行われる。2番目のサンプリングでは、第3と第4の項目に対する分注がサンプルプローブ6,7により同時に行われる。3番目のサンプリングでは、第5の項目とBという検体の第1の項目に対する分注がサンプルプローブ6,7により行われる。
【0044】
そして、サンプルプローブ6,7のうちいずれか一方が吸引・分注動作を中止するときは、最後の検体( 次の検体がない )について、未測定の項目が1個残った場合だけである。
【0045】
このようにこの第1の実施の形態によれば、2本のサンプルプローブ6,7の位置を制御するサンプルプローブ位置制御部76及びサンプルプローブ位置調節機構72と、2本のサンプルプローブ6,7をそれぞれ独立して制御する第1のサンプルプローブ制御部77及び第1のサンプルプローブ機構73と第2のサンプルプローブ制御部78及び第2のサンプルプローブ機構74とを設け、当該サンプルに対する残りの項目数が1となったときには、この当該サンプルと次のサンプルの分注を2本のサンプルプローブ6,7により同時に行うことにより、同時分注する2本のサンプルプローブ6,7の全てを有効に使用することができ、完全に分注時間の短縮を図ることができる。なお、この第1の実施の形態では、同時分注するサンプルプローブの数を2本としたが、この発明はこれに限定されるものではなく、3本以上でも良いものである。
【0046】
この発明の第2の実施の形態を図7乃至図9を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に加えて、第2試薬庫4( 第1試薬庫3乃至第2試薬庫4及び第1試薬庫3の両方でも良い )を第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2から構成したもので、2項目分の試薬の分注を同時に1度で行うものである。なお、サンプルプローブ等の他の構成については、前述した第1の実施の形態と同じであるので、ここではその説明は省略する。
【0047】
図7は、第2試薬庫4の概略の構成を示す上面図である。第2試薬プローブ11が第2試薬用外側プローブ及び第2試薬用内側プローブ( 図示せず )の2本のプローブから構成され、第2試薬庫4は、第2試薬庫外側ディスク4-1と第2試薬庫内側ディスク4-2とから構成されており、前記第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2はそれぞれ独立して回転するようになっており、所定の吸引位置へそれぞれ所望の試薬ビンを移動させることができるようになっている。
【0048】
なお、前記第2試薬庫外側ディスク4-1及び前記第2試薬庫内側ディスク4-2には、最も効率を高めるためには、両方のディスク4-1,4-2に、使用する全ての試薬を収納した方がよいが、必ずしもそうする必要はなく、例えば、使用頻度の高い試薬は両方のディスク4-1,4-2に収納しておき、使用頻度の低い試薬はそれぞれ分担して収納しても良いものである。
【0049】
図8は、第2試薬プローブ部46及び第2試薬プローブ制御部56の要部構成を示すブロック図である。前記第2試薬プローブ部46は、第2試薬用外側プローブを駆動する第2試薬用外側プローブ機構81と、第2試薬用内側プローブを駆動する第2試薬用内側プローブ機構82とから構成されている。前記第2試薬プローブ制御部56は、前記第2試薬用外側プローブ機構81を制御する第2試薬用外側プローブ制御部83と、前記第2試薬用内側プローブ機構82を制御する第2試薬用内側プローブ制御部84とから構成されている。
【0050】
図9は、前記第2試薬庫部47及び前記第2試薬庫制御部57の要部構成を示すブロック図である。前記第2試薬庫部47は、前記第2試薬庫外側ディスク4-1を駆動する第2試薬庫外側ディスク機構85と、前記第2試薬庫内側ディスク4-2を駆動する第2試薬庫内側ディスク機構86とから構成されている。前記第2試薬庫制御部57は、前記第2試薬庫外側ディスク機構85を制御する第2試薬庫外側ディスク制御部87と、前記第2試薬庫内側ディスク機構86を制御する第2試薬庫内側ディスク制御部88とから構成されている。
【0051】
このような構成の第2の実施の形態においては、前述した第1の実施の形態で説明したように、検体( 被検試料 )がある間は、サンプリングにおいて、サンプルプローブ6,7は、最後の測定項目が1項目残った場合の最後のサンプリングを除いて、常に両方が被検試料の同時分注を行う。
【0052】
一方、試薬の分注においても、サンプルプローブで分注した2つの反応セルに対して、その測定項目に対応する試薬ビンを、第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2がそれぞれ独立して回転して吸引位置へ移動させる。この吸引位置に移動した試薬ビンは、2本の第2試薬用外側プローブ及び第2試薬用内側プローブにより同時に吸引し、2つの上記反応セルに同時に分注する。
【0053】
このようにこの第2の実施の形態によれば、前述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができると共に、さらに、第2試薬庫4を第2試薬庫外側ディスク4-1と第2試薬庫内側ディスク4-2とから構成し、2本の第2試薬用プローブをそれぞれ独立して制御する第2試薬用外側プローブ機構81及び第2試薬用外側プローブ制御部83と第2試薬用内側プローブ機構82及び第2試薬用内側プローブ制御部84と、第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2の2個の試薬用ディスクをそれぞれ独立して制御する第2試薬庫外側ディスク機構85及び第2試薬庫外側ディスク制御部87と第2試薬庫内側ディスク機構86及び第2試薬庫内側ディスク制御部88とを設けたことにより、分注すべき試薬ビンを所定の吸引位置へ移動させることができ、従って、分注すべき試薬を同時に2項目分、分注することができる。その結果、分注する2本の第2試薬用プローブを有効に使用することができ、分注時間の短縮を図ることができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の第1の実施の形態の自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態の自動分析装置の要部回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態の自動分析装置の各種機構部及び各種制御部の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態の自動分析装置のサンプルプローブ部及びサンプルプローブ制御部の要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態の自動分析装置で行なうサンプリング処理の流れを示す図。
【図6】同実施の形態の自動分析装置のサンプルプローブによる異なるサンプル容器における吸引動作を説明するための図。
【図7】この発明の第2の実施の形態の自動分析装置の第2試薬庫の概略の構成を示す上面図。
【図8】同実施の形態の自動分析装置の第2試薬プローブ部及び第2試薬プローブ制御部の要部構成を示すブロック図。
【図9】同実施の形態の自動分析装置の第2試薬庫部及び第2試薬庫制御部の要部構成を示すブロック図。
【図10】従来例の自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図。
【図11】同従来例の自動分析装置での4本のサンプルプローブによる分注動作の一例を示す図。
【図12】同従来例の自動分析装置での4本のサンプルプローブによる分注動作の他の一例を示す図。
【図13】同従来例の自動分析装置での2本の試薬プローブによる分注動作を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1…反応ディスク、2…サンプルディスク、3,4…試薬庫、4-1…第2試薬庫外側ディスク、4-2…第2試薬庫内側ディスク、5…サンプルアーム、6,7…サンプルプローブ、8,10…試薬アーム、9,11…試薬プローブ、21…CPU、72…サンプルプローブ位置調節機構、73…第1のサンプルプローブ機構、74…第2のサンプルプローブ機構、76…サンプルプローブ位置制御部、77…第1のサンプルプローブ制御部、78…第2のサンプルプローブ制御部、81…第2試薬用外側プローブ機構、82…第2試薬用内側プローブ機構、83…第2試薬用外側プローブ制御部、84…第2試薬用内側プローブ制御部、85…第2試薬庫外側ディスク機構、86…第2試薬庫内側ディスク機構、87…第2試薬庫外側ディスク制御部、88…第2試薬庫内側ディスク制御部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検試料を収納した複数の被検試料容器、被検試料と試薬とを反応させるための反応セル、被検試料容器から反応セルへ被検試料を分注するサンプルプローブ、試薬を収納した試薬ビン、この試薬ビンから反応セルへ試薬を分注する試薬プローブ、反応セルにおける被検試料と試薬との反応を検出する光学式検出部、この光学式検出部による検出結果に基づいて被検試料の成分分析を行う分析部を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置においては、被検試料と試薬とを反応セルに分注して、被検試料と試薬との反応変化( 吸光率の変化 )を測定することにより、試薬に対応する成分の成分量の測定を行う。例えば、図10は、従来の自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図である。被検試料は検体から採取された後、被検試料容器に収納され、サンプルディスク101に配置される。試薬は試薬ビンに収納され、試薬庫102,103に配置される。一方、反応セルは反応ディスク104に配置される。
【0003】
そこで、サンプルディスク101に配置された被検試料容器から反応ディスク104に配置された反応セルに分注するサンプルプローブ105が設けられ、試薬庫102,103に配置された試薬ビンから反応ディスク104に配置された反応セルに分注する試薬プローブ106,107が設けられている。
【0004】
サンプルプローブ105は、サンプルアーム108により固定支持されており、このサンプルアーム108の回動により、サンプルディスク101と反応ディスク104と間を往復するようになっている。また、試薬プローブ106,107は、試薬アーム109,110により固定支持されており、この試薬アーム109,110の回動により、試薬庫102,103と反応ディスク104との間と往復するようになっている。各プローブ105〜107は、それぞれ各アーム108〜110に設けられた昇降機構により上下方向に移動する。
【0005】
これららのプローブ105( 〜107 )による分注は、まず、サンプルディスク101の被検試料容器( 又は試薬庫102,103の試薬ビン )への移動、被検試料容器( 又は試薬ビン )での吸引動作、サンプルディスク101の被検試料容器( 又は試薬庫102,103の試薬ビン )から反応ディスク104の反応セルへの移動、反応セルでの吐出動作、反応ディスク104の反応セルから洗浄位置への移動、プローブ105( 〜107 )の内側及び外側の洗浄、サンプルディスク101の被検試料容器( 又は試薬庫の試薬ビン )への移動、…といように多くの工程( 動作 )を通過しなければならず、分注に時間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで、これらの分注にかかる時間を短縮するため、従来の自動分析装置ではプローブを複数にして同時に複数の項目分の分注を行うものがある。すなわち、複数のプローブを束状に固定して、1つの被検試料容器( 又は試薬ビン )の内部に挿入し、同時に吸引動作を行う。
【0007】
例えば図11に示すように、4本のサンプルプローブ121〜124を使用する。この4本のサンプルプローブ121〜124を、サンプルディスク上の1個の被検試料容器125に挿入し( 降下により挿入し )、同時に吸引動作を行って、その後反応ディスク104上に移動して、4個の反応セル126〜129に被検試料を分注する。
【0008】
しかし、被検試料に対して測定する項目の数が4の倍数とは限らないので、図12に示すように、被検試料に対する残りの測定項目数が2個の場合には、4本のサンプルプローブ121〜124を、1個の被検試料容器125に挿入するが、2本のサンプルプローブ121,123のみが同時に吸引動作を行い、他の2本のサンプルプローブは吸引動作を停止する。その後反応ディスク104上に移動して、2本のサンプルプローブ121,123が被検試料を2個の反応セル126,128に分注する。
【0009】
また、図13に示すように、2本の試薬プローブ131,132及び2個1組として2列に配列された試薬ビン133-1,133-2、134-1,134-2、135-1,135-2、136-1,136-2、…を使用する。この2本の試薬プローブ131,132は、列で向かい合った1つの組、ここでは、第1の組の試薬ビン133-1,133-2へ挿入し( 降下により挿入し )、同時に吸引動作を行い、その後反応ディスク104上に移動して、2個の反応セル141,142にそれぞれの試薬を分注する。すなわち、試薬プローブ131は、試薬ビン133-1の試薬を反応セル141に分注し、試薬プローブ132は、試薬ビン133-2の試薬を反応セル142に分注する。
【0010】
しかし、必ずしも常に組になった試薬ビンの試薬を使用するとは限らないので、被検試料の測定項目の関係で場合によっては、前述したサンプルプローブの例のように、2本の試薬プローブ131,132のうち一方の試薬プローブのみが吸引動作・分注を行って、他方の試薬プローブは吸引動作停止して分注は行わないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、従来の自動分析装置では、複数のプローブを使用しても、被検試料の測定項目の数及び内容により、複数のプローブの全てを有効に使用できない場合があるという問題があった。複数のプローブの全てを有効に使用できないと、分注時間の短縮を図るという初期の目的が達成できないという問題があった。
【0012】
そこでこの発明は、分注する複数のプローブを有効に使用でき、分注時間の短縮を図ることができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1局面に係る自動分析装置は、反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、前記第1試薬庫ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備する。
本発明の第2局面に係る自動分析装置は、反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、前記反応ディスクの外側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備する。
【発明の効果】
【0014】
以上詳述したようにこの発明によれば、複数のプローブを有効に使用でき、分注時間の短縮を図ることができる自動分析装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は、この発明を適用した自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図である。円周上に複数個の反応セルが配列された円板状の反応ディスク1は、ある一定のサイクルで所定の角度だけ回転して停止する間欠的回転動作を行う。被検試料が収容されたサンプル容器( 被検試料容器( 採血管を含む )、図示せず )がセットされるサンプルディスク2は、前記反応ディスク1の近傍に所定間隔をおいて配置されている。
【0016】
各種成分と反応する試薬が収容された試薬ビンがセットされる第1試薬庫3は、前記反応ディスク1の内側に配置され、また、前記第1試薬庫3と同様に試薬ビンがセットされる第2試薬庫4は、前記反応ディスク1の近傍に所定間隔をおいて配置されている。
【0017】
前記サンプルディスク2、前記第1試薬庫3及び前記第2試薬庫4は、それぞれ所定の指定制御により前記サンプルディスク2にセットされた指定のサンプル容器( 採血管 )又は前記第1試薬庫3及び前記第2試薬庫4にセットされた指定の試薬容器が所定位置に位置決めされるように回転動作する。
【0018】
前記反応ディスク1と前記サンプルディスク2との間にはサンプルアーム5が配置され、その先端には2本のサンプルプローブ6,7が取付けられている。前記サンプルアーム5は、前記サンプルプローブ6,7を前記サンプルディスク2の所定位置にセットされているサンプル容器上に位置させる。ここで、前記サンプルプローブ6,7は、そのサンプル容器内へ降下して、その上液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して被検試料を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0019】
前記サンプルプローブ6,7の上昇が終了すると、前記サンプルアーム5は回動して、前記サンプルプローブ6,7を前記反応ディスク1のサンプル分注位置上へ位置させる。ここで、前記サンプルプローブ6,7はそれぞれ、そのサンプル分注位置にセットされている2本の反応セルに被検試料を予め設定された量だけ分注する。
【0020】
前記反応ディスク1の外周近傍には第1試薬アーム8が配置され、その先端には第1試薬プローブ9が取付けられている。前記第1試薬アーム8は、前記第1試薬プローブ9を前記第1試薬庫3の所定位置にセットされている試薬ビン上に位置させる。ここで、前記第1試薬プローブ9は、その試薬ビン内へ降下して、その上液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0021】
前記第1試薬プローブ9の上昇が終了すると、前記第1試薬アーム8は回動して、前記第1試薬プローブ9を前記反応ディスク1の第1試薬分注位置上へ位置させる。ここで、前記第1試薬プローブ9は、その第1試薬分注位置にセットされている反応セルに前記試薬を予め設定された量だけ分注する。
【0022】
前記反応ディスク1と前記第2試薬庫4との間には第2試薬アーム10が配置され、その先端には第2試薬プローブ11が取付けられている。前記第2試薬アーム10は、前記第2試薬プローブ11を前記第2試薬庫4の所定位置にセットされている試薬ビン上に位置させる。ここで、前記第2試薬プローブ11は、その試薬ビン内へ降下して、その上液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0023】
第2試薬プローブ11の上昇が終了すると、前記第2試薬アーム10は回動して、前記第2試薬プローブ11を前記反応ディスク1の第2試薬分注位置上へ位置させる。ここで、前記第2試薬プローブ11は、その第2試薬分注位置にセットされている反応セルに前記試薬を予め設定された量だけ分注する。
【0024】
また、前記反応ディスク1の外周近傍には、第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13が配置され、それぞれの先端には撹拌子が取付けられている。この第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13は、それぞれ前記反応ディスク1の第1撹拌位置及び第2撹拌位置にセットされている反応セル内の溶液( 被検試料及び試薬 )を、撹拌子により撹拌するようになっている。
【0025】
さらに、前記反応ディスク1の外周近傍には洗浄ユニット14が配置され、この洗浄ユニット14には、複数本の洗浄ノズルと、乾燥ノズルとが取付けられている。この洗浄ユニット14は、前記反応ディスク1の洗浄位置にセットされている各反応セルに対してそれぞれ洗浄ノズル又は乾燥ノズルにより洗浄又は乾燥を行うようになっている。また、前記反応ディスク1の外周近傍には、オプションとして電解質ユニット15が配置可能になっており、電解質の分析を行うことができる。
【0026】
前記反応ディスク1の1カ所には、測光部16が設けられている。この測光部16は、発光部を備え、発光部からの光を前記反応ディスク1の測光位置にセットされた反応セルに照射し、その透過光の光量を測定して、反応セル内のサンプルの試薬による変化量を測定するようになっている。この測定された変化量により、被検試料の成分分析( 定量分析・定性分析 )が行える。
【0027】
なお、前記反応ディスク1は、反応セルの温度を予め設定された温度に保つため恒温槽( 恒温水槽 )構造になっており、前記第1試薬庫3及び前記第2試薬庫4は、試薬ビン( 試薬 )の温度を予め設定された温度に保つための冷却構造となっている。
【0028】
図2は、この自動分析装置の要部回路構成を示すブロック図である。21は、制御部本体を構成するCPU(central processing unit )である。このCPU21が行う処理のプログラムデータが記憶されたROM(read onlymemory)22、前記CPU21が処理を行う時に使用する各種メモリのエリアが形成されたRAM(random access memory)23、データ等を記憶する記憶装置24とのデータの伝送制御を行う記憶装置インターフェイス25、データから被検試料の成分分析等を行うデータ処理装置26とのデータの伝送制御を行うデータ処理装置インターフェイス27はそれぞれ、システムバス28を介して前記CPU21と接続されている。
【0029】
また、前記CPU21は前記システムバス28を介して、増幅器及びアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換器等を備え、前記測光部16からの検出信号を入力する測光部インターフェイス29、後述する各種機構部30を制御する各種制御部31と接続されている。
【0030】
図3は、前記各種機構部30及び前記各種制御部31の要部構成を示すブロック図である。前記各種機構部30は、前記サンプルディスク1を駆動するサンプルディスク部41と、前記サンプルアーム5及び前記サンプルプローブ6,7を駆動するサンプルプローブ部42と、前記反応ディスク1を駆動する反応ディスク部43と、前記第1試薬アーム8及び前記第1試薬プローブ9を駆動する第1試薬プローブ部44と、前記第1試薬庫3を駆動する第1試薬庫部45と、前記第2試薬アーム10及び第2試薬プローブ11を駆動する第2試薬プローブ部46と、前記第2試薬庫4を駆動する第2試薬庫部47と、前記第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13及びそれらの撹拌子を駆動する撹拌子部48と、前記洗浄ユニット部14を駆動する洗浄ユニット部49と、前記電解質ユニット15を駆動する電解質ユニット部50等とから構成されている。
【0031】
前記各種制御部31は、前記サンプルディスク部41を制御するサンプルディスク制御部51と、前記サンプルプローブ部42を制御するサンプルプローブ制御部52と、前記反応ディスク部43を制御する反応ディスク制御部53と、前記第1試薬プローブ部44を制御する第1試薬プローブ制御部54と、前記第1試薬庫部45を制御する第1試薬庫制御部55と、前記第2試薬プローブ部46を制御する第2試薬プローブ制御部56と、前記第2試薬庫部47を制御する第2試薬庫制御部57と、前記撹拌子部48を制御する撹拌子制御部58と、前記洗浄ユニット部49を制御する洗浄ユニット制御部59と、前記電解質ユニット部50を制御する電解質ユニット制御部60等とから構成されている。
【0032】
さらに図4は、前記サンプルプローブ部42及び前記サンプルプローブ制御部52の要部構成を示すブロック図である。前記サンプルプローブ部42は、前記サンプルアーム5を駆動するサンプルアーム機構71と、前記サンプルアーム5内部に設けられ前記サンプルプローブ6,7の各位置( それらの間の間隔 )を調節するサンプルプローブ位置調節機構72と、前記第1のサンプルプローブ6の吸引・分注動作を駆動する第1のサンプルプローブ機構73と、前記第2のサンプルプローブ7の吸引・分注動作を駆動する第2のサンプルプローブ機構74とから構成されている。
【0033】
前記サンプルプローブ制御部52は、前記サンプルアーム機構71を制御するサンプルアーム制御部75と、前記サンプルプローブ位置調節機構72を制御するサンプルプローブ位置制御部76と、前記第1のサンプルプローブ機構73を制御する第1のサンプルプローブ制御部77と、前記第2のサンプルプローブ機構74を制御する第2のサンプルプローブ制御部78とから構成されている。
【0034】
このような構成のこの第1の実施の形態においては、図5に示すように、前記CPU21によりサンプリング処理が行われる。まず、ステップ1( ST1 )の処理として、当該サンプル( これから分析( 測定 )しようとする被検試料 )のすでに設定されている測定項目数をRAM23に形成された格納エリアTに設定する。
【0035】
次に、ステップ2( ST2 )の処理として、格納エリアTに設定されている数値Tが2以上か否かを判断する。ここでその数値Tが2未満と判断すると、ステップ3( ST3 )の処理として、その数値は1か否かを判断する。
【0036】
前述のステップ2の処理で、格納エリアTに設定されている数値Tが2以上と判断すると、ステップ4( ST4 )の処理として、両方のサンプルプローブ6,7を、サンプルディスク2の当該サンプルのサンプル容器に挿入して、両方のサンプルプローブ6,7で同時に被検試料の吸引を行い、この両方のサンプルプローブ6,7により、反応ディスク1の異なる反応セルに同時に被検試料の分注を行う。
【0037】
次に、ステップ5( ST5 )の処理として、格納エリアTに設定されている数値Tに対して−2の減算更新処理を行い、再び前述のステップ2の処理へ戻るようになっている。前述のステップ3の処理で、格納エリアTに設定されている数値Tが1と判断すると、ステップ6( ST6 )の処理として、次に分析するサンプル( 被検試料)があるか否かを判断する。
【0038】
ここで、次に分析するサンプルがあると判断すると、ステップ7( ST7 )の処理として、当該サンプルのサンプル容器と次のサンプルのサンプル容器との位置関係に応じてサンプルプローブ位置制御部76及びサンプルプローブ位置調節機構72により各サンプルプローブ6,7のそれぞれ位置を調節して( 当該サンプルのサンプル容器と次のサンプルのサンプル容器との間の間隔だけ開いて )、第1のサンプルプローブ6又は第2のサンプルプローブ7のいずれか一方をサンプルディスク2の当該サンプルのサンプル容器に挿入し、他方を次のサンプルのサンプル容器に挿入し、同時に被検試料の吸引を行い、反応ディスク1の異なる反応セルに同時に被検試料の分注を行う。
【0039】
この時、図6に示すように、異なるサンプル容器において、被検試料の上液面の高さが異なっても、第1のサンプルプローブ制御部77及び第1のサンプルプローブ機構73と第2のサンプルプローブ制御部78及び第2のサンプルプローブ機構74とにより第1のサンプルプローブ6と第2のサンプルプローブ7とをそれぞれ独立に駆動制御して、適切に被検試料に対して水面に対する適切な深さ位置にサンプルプローブを挿入して吸引動作を行うことができる。
【0040】
次に、ステップ8( ST8 )の処理として、次のサンプルを当該サンプルとする移行処理を行い、ステップ( ST9 )の処理として、当該サンプルのすでに設定されている測定項目数をRAM23の格納エリアTに設定する。次に、ステップ10( ST10 )の処理として、格納エリアTに設定されている数値Tに対して−1の減算更新処理を行い、再び前述のステップ2の処理へ戻るようになっている。
【0041】
前述のステップ6の処理で、次に分析するサンプルがないと判断すると、ステップ11( ST11 )の処理として、第1のサンプルプローブ6又は第2のサンプルプローブ7の両方をサンプルディスク2の当該サンプルのサンプル容器に挿入するが、そのうちのいずれか一方( 当該サンプルのサンプル容器の位置に応じて選択された方 )のサンプルプローブのみ吸引動作を行い、他方は吸引動作を中止する。そして、その一方のサンプルプローブのみにより、反応ディスク1の1つの反応セルに被検試料の分注を行い、このサンプリング処理を終了するようになっている。
【0042】
前述のステップ3の処理で、格納エリアTに設定されている数値Tが1でない( 0である )と判断すると、ステップ12( ST12 )の処理として、次に分析するサンプルがあるか否かを判断する。ここで、次に分析するサンプルがあると判断すると、ステップ13( ST13 )の処理として、次のサンプルを当該サンプルとする移行処理を行い、再び前述のステップ1の処理へ戻るようになっている。また、次に分析するサンプルがないと判断すると、このサンプリング処理を終了するようになっている。
【0043】
例えば、Aという検体( 被検試料 )について測定項目数が5であり、さらにBという次の検体がある時、まず1番目のサンプリングでは、第1と第2の項目に対する分注がサンプルプローブ6,7により同時に行われる。2番目のサンプリングでは、第3と第4の項目に対する分注がサンプルプローブ6,7により同時に行われる。3番目のサンプリングでは、第5の項目とBという検体の第1の項目に対する分注がサンプルプローブ6,7により行われる。
【0044】
そして、サンプルプローブ6,7のうちいずれか一方が吸引・分注動作を中止するときは、最後の検体( 次の検体がない )について、未測定の項目が1個残った場合だけである。
【0045】
このようにこの第1の実施の形態によれば、2本のサンプルプローブ6,7の位置を制御するサンプルプローブ位置制御部76及びサンプルプローブ位置調節機構72と、2本のサンプルプローブ6,7をそれぞれ独立して制御する第1のサンプルプローブ制御部77及び第1のサンプルプローブ機構73と第2のサンプルプローブ制御部78及び第2のサンプルプローブ機構74とを設け、当該サンプルに対する残りの項目数が1となったときには、この当該サンプルと次のサンプルの分注を2本のサンプルプローブ6,7により同時に行うことにより、同時分注する2本のサンプルプローブ6,7の全てを有効に使用することができ、完全に分注時間の短縮を図ることができる。なお、この第1の実施の形態では、同時分注するサンプルプローブの数を2本としたが、この発明はこれに限定されるものではなく、3本以上でも良いものである。
【0046】
この発明の第2の実施の形態を図7乃至図9を参照して説明する。なお、この第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に加えて、第2試薬庫4( 第1試薬庫3乃至第2試薬庫4及び第1試薬庫3の両方でも良い )を第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2から構成したもので、2項目分の試薬の分注を同時に1度で行うものである。なお、サンプルプローブ等の他の構成については、前述した第1の実施の形態と同じであるので、ここではその説明は省略する。
【0047】
図7は、第2試薬庫4の概略の構成を示す上面図である。第2試薬プローブ11が第2試薬用外側プローブ及び第2試薬用内側プローブ( 図示せず )の2本のプローブから構成され、第2試薬庫4は、第2試薬庫外側ディスク4-1と第2試薬庫内側ディスク4-2とから構成されており、前記第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2はそれぞれ独立して回転するようになっており、所定の吸引位置へそれぞれ所望の試薬ビンを移動させることができるようになっている。
【0048】
なお、前記第2試薬庫外側ディスク4-1及び前記第2試薬庫内側ディスク4-2には、最も効率を高めるためには、両方のディスク4-1,4-2に、使用する全ての試薬を収納した方がよいが、必ずしもそうする必要はなく、例えば、使用頻度の高い試薬は両方のディスク4-1,4-2に収納しておき、使用頻度の低い試薬はそれぞれ分担して収納しても良いものである。
【0049】
図8は、第2試薬プローブ部46及び第2試薬プローブ制御部56の要部構成を示すブロック図である。前記第2試薬プローブ部46は、第2試薬用外側プローブを駆動する第2試薬用外側プローブ機構81と、第2試薬用内側プローブを駆動する第2試薬用内側プローブ機構82とから構成されている。前記第2試薬プローブ制御部56は、前記第2試薬用外側プローブ機構81を制御する第2試薬用外側プローブ制御部83と、前記第2試薬用内側プローブ機構82を制御する第2試薬用内側プローブ制御部84とから構成されている。
【0050】
図9は、前記第2試薬庫部47及び前記第2試薬庫制御部57の要部構成を示すブロック図である。前記第2試薬庫部47は、前記第2試薬庫外側ディスク4-1を駆動する第2試薬庫外側ディスク機構85と、前記第2試薬庫内側ディスク4-2を駆動する第2試薬庫内側ディスク機構86とから構成されている。前記第2試薬庫制御部57は、前記第2試薬庫外側ディスク機構85を制御する第2試薬庫外側ディスク制御部87と、前記第2試薬庫内側ディスク機構86を制御する第2試薬庫内側ディスク制御部88とから構成されている。
【0051】
このような構成の第2の実施の形態においては、前述した第1の実施の形態で説明したように、検体( 被検試料 )がある間は、サンプリングにおいて、サンプルプローブ6,7は、最後の測定項目が1項目残った場合の最後のサンプリングを除いて、常に両方が被検試料の同時分注を行う。
【0052】
一方、試薬の分注においても、サンプルプローブで分注した2つの反応セルに対して、その測定項目に対応する試薬ビンを、第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2がそれぞれ独立して回転して吸引位置へ移動させる。この吸引位置に移動した試薬ビンは、2本の第2試薬用外側プローブ及び第2試薬用内側プローブにより同時に吸引し、2つの上記反応セルに同時に分注する。
【0053】
このようにこの第2の実施の形態によれば、前述の第1の実施の形態と同様な効果を得ることができると共に、さらに、第2試薬庫4を第2試薬庫外側ディスク4-1と第2試薬庫内側ディスク4-2とから構成し、2本の第2試薬用プローブをそれぞれ独立して制御する第2試薬用外側プローブ機構81及び第2試薬用外側プローブ制御部83と第2試薬用内側プローブ機構82及び第2試薬用内側プローブ制御部84と、第2試薬庫外側ディスク4-1及び第2試薬庫内側ディスク4-2の2個の試薬用ディスクをそれぞれ独立して制御する第2試薬庫外側ディスク機構85及び第2試薬庫外側ディスク制御部87と第2試薬庫内側ディスク機構86及び第2試薬庫内側ディスク制御部88とを設けたことにより、分注すべき試薬ビンを所定の吸引位置へ移動させることができ、従って、分注すべき試薬を同時に2項目分、分注することができる。その結果、分注する2本の第2試薬用プローブを有効に使用することができ、分注時間の短縮を図ることができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の第1の実施の形態の自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態の自動分析装置の要部回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態の自動分析装置の各種機構部及び各種制御部の要部構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態の自動分析装置のサンプルプローブ部及びサンプルプローブ制御部の要部構成を示すブロック図。
【図5】同実施の形態の自動分析装置で行なうサンプリング処理の流れを示す図。
【図6】同実施の形態の自動分析装置のサンプルプローブによる異なるサンプル容器における吸引動作を説明するための図。
【図7】この発明の第2の実施の形態の自動分析装置の第2試薬庫の概略の構成を示す上面図。
【図8】同実施の形態の自動分析装置の第2試薬プローブ部及び第2試薬プローブ制御部の要部構成を示すブロック図。
【図9】同実施の形態の自動分析装置の第2試薬庫部及び第2試薬庫制御部の要部構成を示すブロック図。
【図10】従来例の自動分析装置の概略の要部構成を示す斜視図。
【図11】同従来例の自動分析装置での4本のサンプルプローブによる分注動作の一例を示す図。
【図12】同従来例の自動分析装置での4本のサンプルプローブによる分注動作の他の一例を示す図。
【図13】同従来例の自動分析装置での2本の試薬プローブによる分注動作を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1…反応ディスク、2…サンプルディスク、3,4…試薬庫、4-1…第2試薬庫外側ディスク、4-2…第2試薬庫内側ディスク、5…サンプルアーム、6,7…サンプルプローブ、8,10…試薬アーム、9,11…試薬プローブ、21…CPU、72…サンプルプローブ位置調節機構、73…第1のサンプルプローブ機構、74…第2のサンプルプローブ機構、76…サンプルプローブ位置制御部、77…第1のサンプルプローブ制御部、78…第2のサンプルプローブ制御部、81…第2試薬用外側プローブ機構、82…第2試薬用内側プローブ機構、83…第2試薬用外側プローブ制御部、84…第2試薬用内側プローブ制御部、85…第2試薬庫外側ディスク機構、86…第2試薬庫内側ディスク機構、87…第2試薬庫外側ディスク制御部、88…第2試薬庫内側ディスク制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、
前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記第1、第2試薬庫ディスクの両方に配置される試薬と、前記第1、第2試薬庫ディスクの一方に配置される試薬とが前記複数の試薬容器に収容されることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、
前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、
前記反応ディスクの外側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備することを特徴とする自動分析装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、
前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記第1、第2試薬庫ディスクの両方に配置される試薬と、前記第1、第2試薬庫ディスクの一方に配置される試薬とが前記複数の試薬容器に収容されることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記反応ディスクの外側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた試薬庫ディスクとを設けたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項1】
反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、
前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記第1、第2試薬庫ディスクの両方に配置される試薬と、前記第1、第2試薬庫ディスクの一方に配置される試薬とが前記複数の試薬容器に収容されることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、
前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、
前記反応ディスクの外側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備することを特徴とする自動分析装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ディスク上に円周上に配列された反応容器に分注された被検試料と試薬との反応を検出しその検出結果に基づいて前記被検試料の成分分析を行う自動分析装置において、
前記反応ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第1試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの内側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた第2試薬庫ディスクと、
前記第1試薬庫ディスクの試薬容器と第2試薬庫ディスクの試薬容器とから試薬を吸引し、前記吸引した試薬を2つの反応容器に分注するための2つのプローブとを具備することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記第1、第2試薬庫ディスクの両方に配置される試薬と、前記第1、第2試薬庫ディスクの一方に配置される試薬とが前記複数の試薬容器に収容されることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記反応ディスクの外側に配置され、複数の試薬容器を保持して回転可能に設けられた試薬庫ディスクとを設けたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−119156(P2006−119156A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19164(P2006−19164)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【分割の表示】特願平7−256300の分割
【原出願日】平成7年10月3日(1995.10.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【分割の表示】特願平7−256300の分割
【原出願日】平成7年10月3日(1995.10.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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