説明

自動分析装置

【課題】 試薬不足になる前にその状況を報知して、試薬をタイミングよく補充できる自動分析装置を提供する。
【解決手段】 被検試料及び試薬を吸引して反応管4に分注するサンプル分注アーム10及びプローブ16、第1試薬分注アーム8及びプローブ14、第2試薬分注アーム9及びプローブ15と、反応管4に分注された被検試料及び試薬の混合液を測定する測定ユニット13と、被検試料毎に測定する項目を設定する測定項目設定画面48と、試薬ボトル7a,7b内の試薬量を検出する試薬量検出部71と、試薬情報を算出する試薬情報算出部72とを備える。試薬情報算出部72は、試薬吸引時刻及びこの試薬吸引時刻に対応して試薬量検出部71から検出される試薬量の関係に基づいて、試薬不足量に減少するまでの試薬残量有効時間を算出し、この試薬残量有効時間を含む試薬情報をリアルタイムで出力部40に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検試料の成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトの血液や尿などの体液中に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置には、被検体から採取された被検試料及び試薬を反応管に分注して混合された混合液の反応によって生ずる色調の変化を光の透過量を測定することにより、被検試料中の様々な成分(項目)の濃度や活性を測定する装置がある。
【0003】
この自動分析装置では、予め項目毎に測定に使用される被検試料及び試薬の量、混合液の反応時間、光の波長などの分析条件を項目毎に予め設定しておき、更に検査開始前に被検試料毎に測定する項目を設定することにより、多数の被検試料毎に設定された項目の測定を行うことができる。
【0004】
近年、自動分析装置で測定可能な項目数が増加する傾向にあり、しかも多くは第1及び第2の対になった試薬ボトルを試薬庫に設置できるようになっている。しかし、試薬を設置できるスペースには制限があるので、試薬ボトルのサイズも制限があり、多数の被検試料を多数の項目に亘って測定すると検査中に試薬が不足する問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、検査中に試薬ボトル内の試薬残量及び被検試料毎に設定された測定項目の未測定被検試料の数から求められた試薬必要量などを表示部に表示する自動分析装置が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この自動分析装置の操作者は、検査中に表示部にリアルタイム表示された試薬残量や試薬必要量を見て、試薬が不足するか否かを予測し、試薬不足が予測される試薬に対してはタイミングを見計らって補充すること等の対策を講じる必要がある。
【特許文献1】特許第3043155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では表示部に試薬残量や試薬必要量が表示されるだけであるので、試薬不足直前の場合はともかく、検査中の追加検査依頼など他の作業に気を取られて試薬を補充するタイミングを逃してしまう恐れがある。
【0008】
このような場合、自動分析装置は試薬不足を検出した時点でその試薬の項目だけ測定を止めて、その他の項目を継続して測定する。そして、検査が終了した後に、試薬不足を生じた項目の試薬を補充した後、試薬不足で測定できなかった被検試料の項目だけを再測定することになり、検査に時間と手間が掛かってしまう問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、試薬をタイミングよく補充できる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、試薬容器から試薬を吸引して反応容器に分注する分注手段と、前記反応容器内の被検試料、及び前記分注手段により分注された前記試薬の混合液を測定する測定手段と、前記測定手段における前記被検試料毎の測定する項目を設定する測定項目設定手段と、前記試薬容器内の前記試薬の量を検出する試薬量検出手段と、前記分注手段が前記試薬を吸引した時の試薬吸引時刻と、それに対応して前記試薬量検出手段により検出された前記試薬量とに基づいて、試薬不足量に減少するまでの試薬残量有効時間を算出する試薬情報算出手段と、前記試薬情報算出手段により算出された前記試薬残量有効時間を含む試薬情報をリアルタイムで出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多数の検査依頼があった場合でも、試薬不足になる前にその状況を報知することから、試薬を補充するタイミングを容易に判断できる。従って、試薬不足による再測定を防ぐことができ、効率よく被検試料の分析を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図10を参照して説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、様々な項目のキャリブレータや被検試料を項目毎に測定する分析部19と、分析部19の制御を行う分析制御部20と、分析部19から出力された分析信号を処理して分析データを算出する分析データ処理部30と、分析データ処理部30からの分析データを出力する出力部40と、分析条件の設定や各種コマンド信号を入力する操作部50と、分析部19に配置された測定項目の試薬情報を処理する試薬情報処理部70と、上述したこれらのユニットを統括して制御するシステム制御部60とを備えている。
【0014】
図2は、分析部19の斜視図である。この分析部19は、検査における項目毎のキャリブレータ、被検体から採取した被検試料などのサンプルに係るサンプル系と、キャリブレータ及び被検試料の項目の成分と化学反応させるための試薬に係る試薬系と、試薬とサンプルの混合液に係る反応系から構成される。
【0015】
サンプル系は、キャリブレータ、被検試料などのサンプルが入った試料容器17と、ササンプル設定位置に配置された試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ6と、サンプル設定位置からサンプルを吸引して反応系のサンプル分注位置から吐出するサンプル分注プローブ16と、このサンプル分注プローブ16をディスクサンプラ6と反応系のサンプル分注位置間の回動、及びディスクサンプラ6と反応系のサンプル分注位置での上下移動を可能に保持するサンプル分注アーム10とを備えている。
【0016】
試薬系は、サンプルに対して選択的に反応する第1試薬やこの第1試薬と対の第2試薬が入った試薬ボトル7a,7bと、試薬ボトル7aを収納する試薬ラック1aと、第1試薬の試薬ボトル7aを収納した試薬ラック1aを回動可能に保持する試薬庫2と、第2試薬の試薬ボトル7bを収納した試薬ラック1bを回動可能に保持する試薬庫3とを備えている。
【0017】
また、試薬系は、第1及び第2試薬吸引位置の試薬ボトル7a,7bから第1及び第2試薬を吸引して、反応系の第1及び第2試薬分注位置から吐出する第1及び第2試薬分注プローブ14,15と、この第1及び第2試薬分注プローブ14,15を第1及び第2試薬吸引位置と反応系の第1及び第2試薬分注位置の間で回動、及び第1及び第2試薬吸引位置で上下移動を可能に保持する第1及び第2試薬分注アーム8,9とを備えている。
【0018】
更に、試薬系は、試薬ボトル7a,7b内の第1及び第2試薬の液面を検出する第1及び第2試薬液面検出器18a,18bを備える。そして、この第1及び第2試薬液面検出器18a,18bにおいて検出された各項目の第1及び第2試薬液面検出信号は、分析制御部20に出力される。
【0019】
反応系は、サンプル分注プローブ16から吐出されたサンプルをサンプル分注位置において受入れ、次いで第1試薬プローブ14から吐出された第1試薬を第1試薬分注位置において受入れ、更に第2試薬プローブ15から吐出された第2試薬を第2試薬分注位置において受入れる反応管4と、円周上に配置した複数の反応管4を回転可能に保持する反応ディスク5と、撹拌位置に停止した反応管4内のサンプルと試薬の混合液を撹拌する撹拌子を上下移動可能に保持する撹拌ユニット11とを備えている。
【0020】
また、反応系は、測光位置における撹拌後の混合液を含む反応管4に光を照射して、透過した光から設定波長の吸光度を測定する測光ユニット13と、洗浄・乾燥位置に停止した反応管4内の測定を終えた混合液を吸引すると共に、反応管4内を洗浄・乾燥する洗浄・乾燥ノズルを上下移動可能に保持する洗浄ユニット12とを備えている。
【0021】
そして、測光ユニット13は、吸光度測定により得た各項目のキャリブレータや被検試料のキャリブレータ信号や分析信号を分析データ処理部30に出力する。
【0022】
図1の分析制御部20は、図2に示した分析部19の各ユニットを駆動する各機構を有する機構部21と、機構部21の各機構を制御する制御部22とを備えている。
【0023】
機構部21は、ディスクサンプラ6や試薬庫2及び試薬庫3を各回動する機構、反応ディスク5を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、及び第2試薬分注アーム9を各回動及び上下移動する機構、撹拌ユニット11及び洗浄ユニット12を各上下移動する機構等を備えている。
【0024】
また、機構部21は、サンプル分注プローブ16からサンプルの吸引及び吐出を行う分注ポンプを駆動する機構、第1及び第2試薬分注プローブ14,15から第1及び第2試薬の吸引及び吐出を行う第1及び第2試薬ポンプを駆動する機構、洗浄ユニット12の洗浄ノズルから洗浄液の吐出及び吸引を行う洗浄ポンプを駆動する機構、洗浄ユニット12の乾燥ノズルから吸引を行う乾燥ポンプを駆動する機構等を備えている。
【0025】
更に、機構部21は、撹拌ユニット11の撹拌子を撹拌駆動する機構を備えている。
【0026】
制御部22は、機構部21の第1試薬分注アーム8、第1試薬ポンプなどの各機構を制御する制御回路を備えている。
【0027】
制御部22の第1試薬分注アーム8の制御回路は、第1試薬分注アーム8を上死点の高さで試薬庫2の第1試薬吸引位置まで回動させた後、上下移動機構に下移動駆動パルスを供給して第1試薬分注アーム8を降下させる。そして、第1試薬分注アーム8の制御回路は、第1試薬分注プローブ14の先端が試薬ボトル7a内の第1試薬の液面から所定の深さに達した液面検出位置において、分析部19の第1試薬液面検出器18aで検出した第1試薬液面検出信号を受信して第1試薬分注アーム8を停止させる。次いで、第1試薬ポンプの制御回路が、第1試薬ポンプを制御して第1試薬分注プローブ14から第1試薬を吸引させる。
【0028】
また、制御部22の第2試薬分注アーム9の制御回路は、第2試薬分注アーム9を上死点の高さで試薬庫3の第2試薬吸引位置まで回動させた後、上下移動機構に下移動駆動パルスを供給して第2試薬分注アーム9を降下させる。そして、第2試薬分注アーム9の制御回路は、第2試薬分注プローブ15の先端が試薬ボトル7内の第2試薬の液面から所定の深さに達した液面検出位置において、分析部19の第2試薬液面検出器18bで検出した第2試薬液面検出信号を受信して、第2試薬分注アーム9を停止させる。次いで、第2試薬ポンプの制御回路が、第2試薬ポンプを制御して第2試薬分注プローブ15から第2試薬を吸引させる。
【0029】
更に、制御部22の第1及び第2試薬分注アーム8,9の制御回路は、各試薬分注アーム8,9の上死点から液面検出位置までに供給した各下移動駆動パルスの情報を試薬情報処理部70に出力し、第1及び第2試薬ポンプの制御回路は、第1及び第2試薬を吸引させた各試薬の吸引時刻の情報を試薬情報処理部70に出力する。
【0030】
なお、制御部22の第1及び第2試薬分注アーム8,9の制御回路は、各試薬分注アーム8,9の上下移動機構に下移動駆動パルスを供給して降下させ下死点まで達した位置において、第1及び第2試薬分注プローブ14,15の先端が試薬ボトル7内の第1及び第2試薬の液面から所定の深さに達していない時には、第1及び第2試薬液面検出器18a,18bから第1及び第2試薬液面検出信号を得られず、試薬ボトル7a,7b内の試薬に対して試薬不足量と判断して、試薬不足エラー信号をシステム制御部60に出力する。
【0031】
分析データ処理部30は、分析部19から出力されたキャリブレータ信号、分析信号などから各項目のキャリブレーションテーブルの作成、各被検試料の各項目の分析データの算出などを行う演算部31と、演算部31で作成されたキャリブレーションテーブルや算出された分析データなどを保存する記憶部32とを備えている。
【0032】
演算部31は、分析部19の測光ユニット13から出力された各項目のキャリブレータ信号から各項目のキャリブレーショテーブルを作成して出力部40に出力すると共に記憶部32に保存する。また、演算部31は、分析部19から出力された各被検試料の各項目の分析信号に対して、記憶部32から測定項目のキャリブレーションテーブルを読み出した後、このキャリブレーションテーブルを用いて分析データを算出して出力部40に出力すると共に記憶部32に保存する。
【0033】
記憶部32は、ハードディスクなどを備え、演算部31から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどを被検試料毎に保存する。
【0034】
出力部40は、分析データ処理部30から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどを印刷出力する印刷部41及び表示出力する表示部42と、システム制御部60を介して出力される試薬情報処理部70からの試薬情報に基づいて音声出力する音声部43とを備えている。
【0035】
印刷部41は、プリンタなどを備え、分析データ処理部30から出力されたキャリブレーションテーブル、分析データなどを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷出力する。
【0036】
表示部42は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、分析データ処理部30から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データの表示、各項目の試薬条件、波長、サンプル量などの分析条件を設定するための試薬条件設定画面などの分析条件設定画面、被検体のIDや氏名などの被検体情報入力画面及び被検体の被検試料毎の測定する項目を設定するための測定項目設定画面、試薬情報を表示するための試薬情報表示画面などの表示を行う。
【0037】
音声部43は、スピーカやブザーなどを備え、試薬情報処理70からの試薬情報に基づくシステム制御部60からの指示により、例えば「総蛋白測定用試薬が不足するMM分前です」のように、測定項目の試薬を特定して警告する音声や警告ブザーなどの警告出力を行う。
【0038】
図3は、表示部42に表示される分析条件の一つである試薬条件を設定する試薬条件設定画面の一例を示した図である。この試薬条件設定画面44は、項目名を表示する「項目名」の欄と、「項目名」の欄に表示された項目の第1及び第2試薬の試薬条件を設定するための試薬条件設定エリア44aから構成される。
【0039】
そして、操作部50からの操作により、表示部42に分析条件設定画面を表示させて項目名として例えばGOTを設定した後、GOTの試薬条件設定画面を表示させると、この試薬条件設定画面44の「項目名」の欄に「GOT」が表示される。
【0040】
試薬条件設定エリア44aは、「第1試薬」及び「第2試薬」の欄と、この欄に対応した「試薬名」、「試薬位置」、及び「試薬量」の欄から構成される。
【0041】
「試薬名」の欄には、「第1試薬」及び「第2試薬」の欄に対応した試薬名の略称を設定するための試薬略称設定エリア45が設けられ、この試薬略称設定エリア45には、文字、数字などを所定の桁数で入力可能な四角枠45a及び45bが表示されている。そして、操作部50からGOTの第1及び第2試薬の試薬略称としてGOT−1及びGOT−2を設定したとすると、四角枠45a及び45b内に「GOT−1」及び「GOT−2」が表示される。
【0042】
「試薬位置」の欄には、「第1試薬」及び「第2試薬」の欄に対応し、分析部19の試薬庫2,3の第1及び第2試薬位置を設定するための試薬位置設定エリア46が設けられ、この試薬位置設定エリア46には、第1及び第2試薬位置を入力可能な四角枠46a及び46bが表示されている。そして、操作部50から第1及び第2試薬位置としてA07及びA05を設定したとすると、四角枠46a及び46b内に「GOT」の第1及び第2試薬位置を表す「A07」及び「A05」が表示される。
【0043】
「試薬量」の欄には、「第1試薬」及び「第2試薬」の欄に対応し、1サンプル当たりの測定に使用される第1及び第2試薬の量を設定するための試薬量設定エリア47が設けられ、この試薬量設定エリア47には、第1及び第2試薬の量をμL単位で入力可能な四角枠47a及び47bが表示されている。そして、操作部50から第1及び第2試薬量として150及び75を設定したとすると、四角枠47a及び47b内に「GOT」の第1及び第2試薬量を表す「150」及び「75」が表示される。
【0044】
そして、試薬条件設定画面44を用いて操作部50から設定した試薬条件の情報は、システム制御部60に保存される。
【0045】
図4は、表示部42に表示される測定項目設定画面の一例を示した図である。この測定項目設定画面48は、被検体情報入力画面で入力された被検体のIDを表示する「ID」の欄と、分析条件設定画面で設定された項目の項目名を表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示された被検体のID毎に「項目」の欄に表示された項目名の項目を設定するための測定項目設定エリア48aから構成される。
【0046】
「ID」の欄には、例えば「1」乃至「n+m+5」の被検体のIDが表示されている。また、「項目」の欄には、例えば「GOT」、「GPT」、「TP」などの項目名が表示されている。
【0047】
測定項目設定エリア48aには、「ID」の欄の各被検体のIDに対応した「項目」の欄の項目名が設定された場合には「○」が表示され、設定されない場合には「・」が表示される。そして、操作部50から例えば「ID」の欄に表示された「1」乃至「n+m+5」の内、「1」乃至「n+m」に対して「GOT」が設定されたとすると、測定項目設定エリア48aに1乃至(N+M)テストの「○」が表示され、「GOT」が設定されなかった「n+m+1」乃至「n+m+5」に対しては(N+M+1)乃至(N+M+5)テストの「・」が表示される。そして、測定項目設定画面48から設定入力された測定項目設定情報は、システム制御部60に保存される。
【0048】
なお、被検試料の測定は、測定項目設定画面48から設定入力された測定項目設定情報に基づいて行われる。「ID」の最上段の「1」に対応した被検試料から順に、各被検体のIDの左の設定された項目(測定項目)から順に測定されることになる。
【0049】
図1の試薬情報処理部70は、分析制御部20からの分析部19の試薬ボトル7に含まれる試薬の量を検出する試薬量検出部71と、試薬量検出部71から検出された試薬量から様々な試薬情報を算出する試薬情報算出部72とを備えている。
【0050】
試薬量検出部71は、操作部50から試薬条件設定画面44を利用して設定された試薬条件であって、分析部19の試薬庫2,3に配置された各項目の試薬ボトル7a,7b内の第1及び第2試薬の量を検出する機能を有する。
【0051】
そして、試薬量検出部71は、制御部22の第1試薬分注アーム8及び第2試薬分注アーム9の各制御回路からの各項目の第1及び第2試薬の下移動駆動パルス情報から試薬ボトル7a,7b内の第1及び第2試薬の液面の高さを計算し、更に予めシステム制御部60に保存されている試薬ボトル7a,7b内の試薬液面積から第1及び第2試薬の量を算出することにより検出する。
【0052】
また、試薬量検出部71は、検出した第1及び第2試薬の試薬量の情報を、制御部22から出力された各試薬量情報の試薬の試薬吸引時刻情報と共に試薬情報算出部72に出力する。
【0053】
試薬情報算出部72は、内部に保存されている試薬ボトル7a,7bの試薬不足量の情報、及び試薬量検出部71から出力される試薬吸引時刻及び試薬量に基づいて、試薬庫2,3の試薬ボトル7a,7bに含まれる試薬が試薬不足予測時刻になるまでの時間を算出する「試薬残量有効時間」算出機能と、この試薬が単位時間当たりに減少する量(減少率)を算出する「試薬残量減少率」算出機能とを有する。
【0054】
また、試薬情報算出部72は、試薬庫2,3の試薬ボトル7a,7bに試薬の補充が可能な時間だけ前の警告を出力するための警告時刻を算出する「警告時刻」算出機能と、試薬庫2,3の試薬ボトル7a,7bに含まれる試薬が試薬不足量になるまでに測定できる回数を算出する「試薬残量有効測定回数」算出機能と、この試薬が試薬不足量になるまでの残量を算出する「試薬残量有効量」算出機能とを有する。
【0055】
そして、試薬情報算出部72は、測定項目の第1試薬及び第2試薬の吸引毎に算出した「試薬残量有効時間」、「試薬残量減少率」、「警告時刻」、「試薬残量有効測定回数」、「試薬残量有効量」などの試薬情報をシステム制御部60に出力する。
【0056】
次に、試薬情報算出部72において算出される「試薬残量有効時間」、「試薬残量減少率」、及び「警告時刻」の算出例を、図4乃至図8を参照して説明する。
【0057】
図5のX、Y軸に表された回帰式Aは、測定中に同一試薬ボトル7a,7bからのN回の試薬吸引により、試薬量検出部71から出力されたN回の試薬吸引時刻及び試薬量の関係を表している。
【0058】
試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からN回目の試薬量の情報を受信した時点で、試薬量検出部71からのN回に亘る試薬吸引時刻及び試薬量の関係から最小二乗法などにより回帰式Aを求めた後、この回帰式Aから試薬不足量になるまでの試薬不足予測時刻を算出する。なお、試薬不足量は、予め操作部50から入力されシステム制御部60を介して供給された第1及び第2試薬分注アーム8,9の下死点位置、試薬ボトル7a,7bの寸法及びその底部の位置などの情報に基づいて試薬情報算出部70で求められ保存されている。
【0059】
そして、試薬情報算出部72は、試薬不足予測時刻からN回目の試薬吸引時刻を差し引いた「試薬残量有効時間」、回帰式Aの傾きに相当する「試薬残量減少率」、及び試薬不足予測時刻から警告時間を差し引いた「警告時刻」を算出してシステム制御部60に出力する。
【0060】
図6のX、Y軸に表された回帰式A1は、測定開始後、同一試薬ボトル7a,7bから(N−1)回の試薬吸引後に試薬が補充された後、試薬量検出部71から出力されたN回の試薬吸引時刻及び試薬量の関係を表している。
【0061】
試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からN回目の試薬量の情報を受信した時点で、試薬量検出部71からのN回に亘る試薬吸引時刻及び試薬量の関係の内、試薬補充前の1乃至(N−1)回の試薬量については各回の試薬量を試薬補充量で加算補正した補正試薬量を用いた関係から最小二乗法などにより回帰式A1を求めた後、この回帰式A1から試薬不足量になるまでの試薬不足予測時刻を算出する。
【0062】
また、試薬情報算出部72は、試薬補充量を、試薬量検出部71からの(N−1)回目に検出された試薬量から(N−1)回目の試薬吸引後の試薬量を求め、この求めた試薬量をN回目の試薬量から差し引くことにより求める。
【0063】
更に、試薬情報算出部72は、(N−1)回目の試薬吸引後の試薬量を、(N−1)回目に検出された試薬量から、試薬条件設定画面44から設定してシステム制御部60に保存されている試薬量を差し引いて求める。
【0064】
そして、試薬情報算出部72は、試薬不足予測時刻からN回目の試薬吸引時刻を差し引いた「試薬残量有効時間」、回帰式A1の傾きに相当する「試薬残量減少率」、及び試薬不足予測時刻から警告時間を差し引いた「警告時刻」を算出してシステム制御部60に出力する。
【0065】
図7及び図8は、試薬情報算出部72の試薬残量有効時間を算出する他の例を説明するための図である。
【0066】
図7のX、Y軸に表された回帰式Bは、測定中に同一試薬ボトル7a,7bからの試薬吸引により試薬量検出部71から出力されたN回の試薬吸引時刻及び試薬量に加えて、N回目の試薬吸引後に、システム制御部60から供給される測定項目設定情報に基づき測定項目の試薬吸引が予定されている(N+1)乃至(N+M)回に亘る予定試薬吸引時刻及び予定試薬量の関係を表している。
【0067】
例えば、測定項目が図4に示した測定項目設定画面48の「GOT」とすると、N回の試薬吸引が1乃至Nテストの「○」に対応し、(N+1)乃至(N+M)回の予定試薬吸引が(N+1)乃至(N+M)テストの「○」に対応している。
【0068】
試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からN回目の試薬量の情報を受信した時点で、試薬量検出部71からのN回に亘る試薬吸引時刻及び試薬量に加えて、システム制御部60から供給される測定項目設定情報に基づいて、測定項目の1乃至(N+M)回に亘る全ての試薬吸引時刻及び試薬量の関係から最小二乗法などを用いて求めた後、この回帰式Bから試薬不足量になるまでの試薬不足予測時刻を算出する。例えば、N回目の試薬吸引時刻を「T」とし、図4の「GOT」のNテストと(N+1)テスト間に測定項目がLテスト分含まれ、各測定項目が予め設定された一定の「t」時間で測定されているとすると、(N+1)回目の予定試薬吸引時刻は「T+(L+1)t」になる。
【0069】
そして、試薬情報算出部72は、試薬不足予測時刻からN回目の試薬吸引時刻を差し引いた「試薬残量有効時間」、回帰式Bの傾きに相当する「試薬残量減少率」、及び試薬不足予測時刻から警告時間を差し引いた「警告時刻」を算出してシステム制御部60に出力する。
【0070】
図8のX、Y軸に表された回帰式Cは、図7で説明したN回目の試薬吸引後に、測定予定の測定項目の(N+1)乃至(N+M)回に亘る予定試薬吸引時刻及び予定試薬量の関係を表している。
【0071】
試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からN回目の試薬量の情報を受信した時点で、システム制御部60から供給される測定項目設定情報に基づき測定項目の試薬吸引が予定されている(N+1)乃至(N+M)回に亘る全ての予定試薬吸引時刻及び予定検出試薬量の関係から最小二乗法などを用いて求めた後、この回帰式Bから試薬不足量になるまでの試薬不足予測時刻を算出する。
【0072】
そして、試薬情報算出部72は、試薬不足予測時刻からN回目の試薬吸引時刻を差し引いた「試薬残量有効時間」、回帰式Cの傾きに相当する「試薬残量減少率」、及び試薬不足予測時刻から警告時間を差し引いた「警告時刻」を算出してシステム制御部60に出力する。
【0073】
次に、試薬情報算出部72において算出される試薬残量有効測定回数、試薬残量有効量の算出例について説明する。
【0074】
試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からN回目の試薬量の情報を受信した時点で、試薬量検出部71からのN回目の試薬量から試薬不足量を差し引いた後、試薬条件設定画面44から設定されシステム制御部60に保存されている試薬量で除した「試薬残量有効測定回数」をシステム制御部60に出力する。
【0075】
また、試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からN回目の試薬量の情報を受信した時点で、試薬量検出部71からのN回目の試薬量から試薬不足量を差し引いた「試薬残量有効量」をシステム制御部60に出力する。
【0076】
操作部50は、キーボード、マウス、ボタンなどの入力デバイスを備え、第1及び第2試薬の設定位置や試薬量などの分析条件の設定、被検体のIDや氏名などの被検体情報の入力、被検体の被検試料毎の測定項目の設定、各項目のキャリブレーション操作、被検試料分析操作、試薬情報表示画面の表示操作などの様々な操作が行われる。
【0077】
システム制御部60は、図示しないCPUと記憶回路M1,M2を備え、操作部50から供給される操作者のコマンド信号、試薬条件などの分析条件、被検体情報及び被検試料毎の測定項目設定などの情報を記憶した後、これらの情報に基づいて、分析部19を構成する各ユニットを一定サイクルの所定のシーケンスで動作させる制御、或いはキャリブレーションテーブルの作成、分析データの算出と出力、試薬情報に関する演算と出力などシステム全体の制御を行なう。
【0078】
図9は、測定を開始して終了するまでの自動分析装置100の動作の一例を示したフローチャートである。
【0079】
操作部50からの試薬条件などの分析条件設定操作入力により、システム制御部60の内部記憶回路M1には測定項目の分析条件が保存されている。また、分析部19の試薬庫2,3には測定項目の第1試薬及び第2試薬が入った試薬ボトル7a,7bが試薬条件設定画面44から設定した試薬位置に配置されている。また、操作部50からのキャリブレーション操作により、分析データ処理部30の記憶部32には測定項目のキャリブレーションテーブルが保存されている。更に、操作部50からの測定項目設定操作入力により、システム制御部60の内部記憶回路M2には、被検試料毎に測定項目が保存されている。
【0080】
まず、操作部50からの測定開始操作により、自動分析装置100は、測定動作を開始する(ステップS1)。
【0081】
システム制御部60は、分析制御部20、分析データ処理部30、出力部40、及び試薬情報処理部70に指示をして、内部記憶回路M2に保存されている被検試料毎の測定項目を測定するための動作をさせ、分析制御部20は、システム制御部60からの指示により分析部19の各ユニットを制御して測定動作をさせる。
【0082】
分析制御部20の制御により、分析部19の第1及び第2試薬分注アーム8,9は、試薬庫2,3に配置された測定項目の第1及び第2の試薬ボトル7a,7bの第1及び第2試薬の吸引位置の上死点から第1試薬及び第2試薬の液面検出位置まで降下し、引き続き第1及び第2試薬ポンプが第1及び第2試薬分注プローブ14,15を介して第1及び第2の試薬ボトル7a,7bから第1及び第2試薬を吸引する。
【0083】
分析制御部20の制御部22は、上記オペレーション時に得られる各試薬分注アーム8,9の上死点から各試薬液面の検出位置まで移動した時の各下移動駆動パルス情報及び第1及び第2の試薬ボトル7a,7bから吸引した第1及び第2試薬の吸引時刻の情報を試薬情報処理部70の試薬量検出部71に出力する(ステップS2)。
【0084】
試薬量検出部71は、分析制御部20からの下移動駆動パルス情報から各試薬の試薬ボトル7内の試薬量を検出して、試薬吸引時刻の情報と共に試薬情報算出部72に出力する(ステップS3)。
【0085】
試薬情報算出部72は、試薬量検出部71からの試薬吸引時刻及び試薬量から試薬情報を算出してシステム制御部60に出力する(ステップS4)。
【0086】
そして、試薬情報算出部72からの試薬情報に含まれる「警告時刻」が現在の時刻と同じもしくは以前の場合(ステップS5のいいえ)、システム制御部60は、出力部40の表示部42に試薬情報算出部72からの試薬情報を出力すると共に、「警告時刻」対象の試薬情報に対しては識別表示し、また音声部43から「警告時刻」対象の試薬情報に対応する試薬の不足を警告する音声や警告ブザーなどを出力する(ステップS6)。
【0087】
また、試薬情報処理部70の試薬情報算出部72からの試薬情報に含まれる警告時刻が現在の時刻よりも後の場合(ステップS5のはい)、システム制御部60は、出力部40の表示部42に試薬情報算出部72からの試薬情報を出力する(ステップS7)。
【0088】
ステップS6においてシステム制御部60から出力された試薬情報や指示により、出力部40の表示部42の試薬情報表示画面49に「警告時刻」対象の試薬情報だけが識別表示される。また、音声部43から「警告時刻」対象の試薬情報の試薬の不足を警告する音声或いは警告ブザーなどが出力される(ステップS8)。
【0089】
一方、ステップS7においてシステム制御部60から出力された試薬情報は、表示部42の試薬情報表示画面49にリアルタイムに表示される(ステップS9)。
【0090】
図10は、表示部42に表示された試薬情報表示画面の一例を示した図である。この試薬情報表示画面49は、「試薬名」、「有効時間」、「試薬減少率」、「有効測定回数」、「有効量」などの欄と、各欄に対応した試薬名表示エリア51、有効時間表示エリア52、試薬減少率表示エリア53、有効測定回数表示エリア54、有効量表示エリア55などの試薬情報表示エリアから構成される。
【0091】
試薬名表示エリア51には、試薬条件設定画面44から設定され、且つ測定項目設定画面48から設定された項目の第1及び第2試薬の合計がk種類であったとすると、試薬名表示エリア511乃至51kが横並びに配置される。例えば、試薬条件設定画面44の試薬略称設定エリア45にて設定された「GOT−1」、「GOT−2」などの試薬名の略称が試薬名表示エリア511乃至51kに表示される。
【0092】
有効時間表示エリア52は、試薬名表示エリア51の下側に設けられ、試薬名表示エリア511乃至51kに対応した有効時間表示エリア521乃至52kが横並びに配置されている。そして、有効時間表示エリア521乃至52kには、試薬情報処理部70から出力された測定項目の第1及び第2試薬の「試薬残量有効時間」がリアルタイム表示される。
【0093】
試薬減少率表示エリア53は、有効時間表示エリア52の下側に設けられ、試薬名表示エリア511乃至51kに対応した試薬減少率表示エリア531乃至53kが横並びに配置されている。そして、試薬減少率表示エリア531乃至53kには、試薬情報処理部70から出力された測定項目の第1及び第2試薬の「試薬残量減少率」がリアルタイム表示される。
【0094】
有効測定回数表示エリア54は、試薬減少率表示エリア53の下側に設けられ、試薬名表示エリア511乃至51kに対応した有効測定回数表示エリア541乃至54kが横並びに配置されている。そして、有効測定回数表示エリア541乃至54kには、試薬情報処理部70から出力された測定項目の第1及び第2試薬の「試薬残量有効測定回数」がリアルタイム表示される。
【0095】
有効量表示エリア55は、有効測定回数表示エリア54の下側に設けられ、試薬名表示エリア511乃至51kに対応した有効量表示エリア551乃至55kが横並びに配置されている。そして、有効量表示エリア551乃至55kには、試薬情報処理部70から出力された測定項目の第1及び第2試薬の「試薬残量有効量」がリアルタイム表示される。
【0096】
そして、表示部42の試薬情報表示画面49には、システム制御部60から出力された試薬情報が一定のサイクルで試薬が吸引された試薬毎にリアルタイムで表示される。そして、一旦表示された各測定項目の第1或いは第2試薬の試薬情報は、次にシステム制御部60からその第1或いは第2試薬の更新された試薬情報が出力されるまで継続して表示される。
【0097】
また、システム制御部60からの識別表示指示により、表示部42の試薬情報表示画面49に表示される識別対象の試薬名の略称、試薬残量有効時間、試薬残量減少率、試薬残量有効測定回数、試薬残量有効量などの試薬情報に対して、赤色などの色、強調などによる識別表示が行われる。
【0098】
図9に戻り、ステップS9で表示部42の試薬情報表示画面49に表示された試薬残量有効時間などの試薬情報により、試薬を補充するタイミングが判断される。そして、試薬情報表示画面49に識別表示された試薬情報や、音声部43から警告出力された試薬情報があった場合、その試薬から優先的に補充される。
【0099】
一方、分析部19は、分析制御部20の制御により、被検試料毎に測定項目を測定して得られた分析信号を分析データ処理部30の演算部31に出力する。
【0100】
演算部31は、分析部19から出力された測定項目の分析信号に対して、記憶部32からその測定項目のキャリブレーションテーブルを読み出した後、このキャリブレーションテーブルを用いて分析信号から分析データを算出して出力部40に出力する。
【0101】
出力部40の印刷部41は、分析データ処理部30の演算部31から出力された分析データを印刷出力する。
【0102】
そして、測定のための試薬吸引動作を引き続き行う場合(ステップS10のはい)、ステップS2に戻る。
【0103】
また、測定のための試薬吸引動作を終えた場合(ステップS10のいいえ)、出力部40に分析データ処理部30から全ての被検試料の分析データが出力された時点で、システム制御部60が分析制御部20、分析データ処理部30、出力部40、及び試薬情報処理部70に測定動作停止の指示をして、自動分析装置100は測定動作を終了する(ステップS11)。
【0104】
以上述べた本発明の実施例によれば、測定項目の試薬毎に試薬残量有効時間を含む試薬情報を算出して表示部にリアルタイム表示させることにより、試薬残量を時間で把握することができるので試薬を補充するタイミングを容易に判断することができる。
【0105】
また、「警告時刻」対象の試薬情報を表示部に識別表示させることにより、試薬不足予測時刻に近づいた試薬を容易に判断でき、「警告時刻」からでも試薬を補充して測定を継続させることができる。
【0106】
更に、表示部に識別表示された試薬情報を見落としても、「警告時刻」対象の試薬情報を特定して音声或いは警告ブザーなどの警報が発せられることから、試薬不足予測時刻に近づいた試薬を容易に判断でき、「警告時刻」からでも試薬を補充して測定を継続させることができる。
【0107】
このことにより、試薬不足による再測定を防ぎ、余計な時間を費やすことなく検査を行うことができる。
【0108】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、第1試薬及び第2試薬に加えて第3試薬以上を有する3試薬系以上から構成される試薬を用いて測定する分析部及び分析制御を備えた装置に実施するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す図。
【図3】本発明の実施例に係る試薬条件設定画面の一例を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る測定項目設定画面の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る試薬残量有効時間を算出する例を説明するための図。
【図6】本発明の実施例に係る試薬補充後の試薬残量有効時間を算出する例を説明するための図。
【図7】本発明の実施例に係る試薬残量有効時間を算出する他の例を説明するための図。
【図8】本発明の実施例に係る試薬残量有効時間を算出する他の例を説明するための図。
【図9】本発明の実施例に係る自動分析装置の動作の一例を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施例に係る試薬情報表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0110】
19 分析部
20 分析制御部
21 機構部
22 制御部
30 分析データ処理部
31 演算部
32 記憶部
40 出力部
41 印刷部
42 表示部
43 音声部
50 操作部
60 システム制御部
70 試薬情報処理部
71 試薬量検出部
72 試薬情報算出部
100 自動分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬容器から試薬を吸引して反応容器に分注する分注手段と、
前記反応容器内の被検試料、及び前記分注手段により分注された前記試薬の混合液を測定する測定手段と、
前記測定手段における前記被検試料毎の測定する項目を設定する測定項目設定手段と、
前記試薬容器内の前記試薬の量を検出する試薬量検出手段と、
前記分注手段が前記試薬を吸引した時の試薬吸引時刻と、それに対応して前記試薬量検出手段により検出された前記試薬量とに基づいて、試薬不足量に減少するまでの試薬残量有効時間を算出する試薬情報算出手段と、
前記試薬情報算出手段により算出された前記試薬残量有効時間を含む試薬情報をリアルタイムで出力する出力手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記試薬情報算出手段は、前記試薬吸引時刻と前記試薬量に基づいて前記試薬不足量になる試薬不足予測時刻を求め、この試薬不足予測時刻から現在の時刻を差し引いて前記試薬残量有効時間を算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記試薬情報算出手段は、前記試薬吸引時刻及び前記試薬量の関係に加えて、前記測定項目設定手段により設定された測定項目の情報に基づき試薬吸引が予定されている予定試薬吸引時刻及び予定試薬量の関係式から前記試薬残量有効時間を求め、更にこの式を用いて前記試薬不足量になる試薬不足予測時刻を求め、この試薬不足予測時刻から現在の時刻を差し引いて算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記試薬情報算出手段は、前記測定項目設定手段により設定された測定項目の情報に基づき試薬吸引が予定されている予定試薬吸引時刻及び予定試薬量の関係式から前記試薬残量有効時間を求め、更にこの式を用いて前記試薬不足量になる試薬不足予測時刻を求め、この試薬不足予測時刻から現在の時刻を差し引いて算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記試薬情報算出手段は、更に前記試薬の単位時間当たりに減少する試薬量減少率の試薬情報を算出するようにしたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記試薬情報算出手段は、更に前記試薬不足予測時刻から所定の時間を差し引いて警告時刻を求め、この警告時刻が現在の時刻と同じもしくは以前の場合、前記出力手段から警告出力するようにしたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記出力手段は表示手段を含み、この表示手段に前記試薬残量有効時間が表示されると共に、前記警告時刻に対応した試薬情報が識別表示されて警告出力されることを特徴とする請求項6に記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記出力手段は音声手段を含み、前記警告時刻に対応した試薬情報が音声で警告出力されることを特徴とする請求項6に記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−275962(P2006−275962A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99294(P2005−99294)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】