説明

自動分析装置

【課題】
オペレータが事前に精度管理試料の準備をしておけば、外部からの要因によって精度管理試料の分析を行えるようにすることで、オペレータの負担を低減させることが可能で、かつ精度管理を行わなければならない適切な時期に必ず精度管理を実現することが出来、測定精度を自動で維持できる自動分析装置を提供することにある。
【解決手段】
装置内に精度管理試料を保持し、標準試料の投入、分析中の試薬の残数が所定の条件を満たした(0になった、指定値を下回った)、日付が変わった、指定時刻になった、操作者が変わった、検体数が超過した、時間が経過した、新規試薬が登録された、測定異常を検出した、等の要因により、保持している精度管理試料に対する分析依頼を生成し、精度管理試料の搬送をすることで、精度管理試料の分析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液,尿等の生体試料の定量,定性分析を行う自動分析装置に係り、特に試料容器を分析装置に搬送する搬送装置を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿の如き生体試料の定量,定性分析を自動で行う自動分析装置は、多くの患者検体試料を短時間で処理する必要のある大病院,臨床検査センターを中心に普及が著しく、処理能力により、大型,中型,小型の各種の自動分析装置が開発されている。特に多数の検体試料を分析処理する大型の分析装置の場合には、検体試料の入った検体容器を、検体ラックと呼称されるホルダーに保持した状態で搬送ライン(搬送装置)を介して複数の分析装置に搬送し、検査技師が検体ラック投入口にラックを投入するだけで、分析結果の出力まで自動で実行するものもある。
【0003】
その場合、検体ラックはベルトコンベア状の搬送ラインで検体ラック投入口に投入されたラックを搬送し、搬送途中にライン上のバーコード読取り装置により、ラック種別、および検体を認識し、分析される。このような自動分析システムとして例えば特許文献1記載のようなものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−325839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような大規模システムでは濃度などが予め分かっている標準試料,精度管理試料を検体ラックに設置し、定期的に分析を実施することでシステムの測定精度(定量性)を維持する必要がある。これらの標準試料,精度管理試料は検体ラック投入口に投入された順番に従い分析が実施される。また標準試料,精度管理試料は1つで全ての項目(TP,
GOT等の分析項目)をカバーできないため、複数の標準試料,精度管理試料を測定することになる。
【0006】
中型,小型の自動分析装置では、測定試料を収容した検体容器がディスク状のサンプルディスクに載置されているので、装置オペレータは測定の指示を装置に対して入力するだけでキャリブレーション,精度管理を実行することができた。
【0007】
しかし、ラックを搬送ラインを用いて分析装置に搬送する方式の大型の自動分析装置では、標準試料,精度管理試料を収容する検体容器を搭載した検体ラックを装置オペレータが自ら装置のラック投入部に設置する必要がある。
【0008】
このため、オペレータが標準試料,精度管理試料を搭載したラックを投入しないことには、キャリブレーション,精度管理を実行することができない。
【0009】
このような場合、オペレータにとっては一般検体の分析中にも関わらず、標準試料,精度管理試料を準備しなければならず、本来の分析装置の目的である一般検体の分析という業務の妨げになる恐れがある。
【0010】
本発明の目的は、オペレータが精度管理試料の投入という行為を行わなくとも、精度管理を実現することが出来る自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の構成は以下の通りである。
【0012】
生体試料の分析を行う分析ユニットと、検体ラックを該分析機構に搬送し、かつ試料分注が終了した検体ラックを該分析機構から搬送する搬送機構と、前記検体バッファに検体を供給する検体供給部と、前記検体バッファから検体を収容する検体収納部とを備えた自動分析装置。
【0013】
搬送機構は例えばベルトコンベアのようなラックを載置するスペース自体が移動するものや、ベースは移動させず、アーム,爪のようなもので検体ラックを把持してベース上を滑らせる構造のものが代表的であるが、検体ラックを物理的に移動できるものであれば何でも良い。
【0014】
前記検体バッファに投入された精度管理試料を保持し続けることが可能な機構を設けた。
【0015】
もしくは、各分析ユニットに精度管理試料を保持し続けることが可能な第2の検体架設部を設けた。
【発明の効果】
【0016】
精度管理試料を装置内に保持し続けることにより、標準試料の投入,試薬の残数が所定の条件を満たした(0になった、指定値を下回った)、検体数が超過した、時間が経過した等の要因により、自動的に精度管理試料の分析が可能となるため、精度管理を適切なタイミングで容易に実現でき、オペレータの負担を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1〜図9を用いて、本発明の一実施検体による自動分析システムの構成及び動作について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例である自動分析装置の全体概略構成図である。
【0019】
本実施例による自動分析システムとは、検体ラック投入部10と、検体ラック収納部
11と、ID読取り部12と、搬送ライン13と、検体ラックバッファ部21と、分析モジュール31,32と管理用コンピュータ1,2を備えている。
【0020】
検体ラック投入部10は、それぞれ検体(試料)を保持する検体ラックを投入する部分である。分析モジュール31,32は、搬送ライン13に沿って配置されているとともに、搬送ライン13に取り外し可能な接続になっている。分析モジュールの数は任意に設定でき、本実施形態では、モジュール数2個の場合を示している。
【0021】
搬送ライン13は、検体ラック投入部10から検体ラックを、分析依頼に従って分析モジュール31,32への搬送、または、分析モジュール31,32での分析が終了した検体を保持する検体ラックバッファ部21へ搬送、もしくは分析依頼がなかった検体ラックを、検体ラック収納部11に搬送する。
【0022】
標準試料,精度管理試料や一般検体を搭載したラックが搬送される搬送ライン13に設置される検体ラックバッファ部21は、1つ以上の検体ラックを保持できるライン機構であり、搬送ライン13により搬送される任意の試料を搭載したラックを任意の時間保持し、任意のタイミングにて再びラックを分析モジュールもしくは検体ラック収納部11に対して供給することができる。
【0023】
検体ラック投入部10は、検体ラック投入部10,検体ラック収納部11,ID読取り部12,搬送ライン13,検体ラックバッファ部21の必要な制御を行う管理用コンピュータを備えている。また管理用コンピュータ1,2には、入出力される情報を保持する管理用コンピュータ1の記憶部と、情報を入力し、分析結果を表示する表示部2が接続されている。
【0024】
検体ラックによって保持された検体には、検体に関する属性情報(受付番号,患者氏名,依頼分析項目等)を示す検体IDを有し、さらに、検体ラックには、ラック番号等のラック識別情報を示すラックIDを有する。検体ラック投入部10に置かれた検体ラックは、搬送ライン13によって搬送されるが、検体ラックが搬送ライン13に移った際に、検体IDや検体ラックIDが、ID読取り部12で読み取られ、全体管理用コンピュータ1,2に送られる。全体管理用コンピュータ1,2は、その属性情報に基づいて、依頼された分析項目からどの分析モジュールで実施するかを決定する。
【0025】
ここで言う検体(試料)とは、被検液である血清が代表的であるが、全血や希釈処理済みの液検体でも実施できる。また、検体ラックとは検体(試料)を収容できる試料容器を1つ、または複数個設置可能なラックを意味する。試料容器としては試験管,採血容器等、サンプルが収容できるものであれば何でも良い。
【0026】
次に図2,図3,図4を用いて、本実施形態による自動分析システムにおける精度管理試料を装置内に保持する処理について説明する。
【0027】
検体ラック投入部10から投入されたラックは、ID読取り部12で読取られた検体
IDや検体ラックIDによって検体の種別が判定される。
【0028】
この際、認識した検体ラックが精度管理試料を設置した検体で、精度管理試料保持設定111aで保持が設定されていて、保持数112aが1以上で、精度管理試料保持領域
21aが空いている場合、ラック毎装置内に保持する。
【0029】
精度管理試料でない場合や、設定が無効になっている場合等では、通常の分析処理が行われ、通常に検体ラック収納部11に回収される。
【0030】
次に図5を用いて、本実施形態による自動分析システムにおける標準試料の投入によって、装置内に保持している精度管理試料の分析処理について説明する。
【0031】
前記のとおり、ID読取り部12で読み取られた検体IDや検体ラックIDによって、検体の種別が判定された際、標準試料であると認識した場合、更に装置内に有効な精度管理試料が保持されている場合、前記精度管理試料に対して、標準試料で分析すべき項目に対して所定の項目(例えば同じ項目)の分析依頼を生成する。
【0032】
標準試料の搬送後に、保持している精度管理試料を続けて搬送し、測定を行う。
【0033】
標準試料でない場合や、有効な精度管理試料が保持されていない場合、標準試料に対してのみ、通常の測定処理が行われる。
【0034】
これによって、標準試料での精度管理試料の測定を実施することが可能になるので、オペレータが精度管理試料の依頼の生成や、試料の準備を省くことが可能となる。
【0035】
次に図6を用いて、本実施形態による自動分析システムにおける待機試薬に対する、装置内に保持している精度管理試料の分析処理について説明する。本実施例では、現使用中の試薬の残数が無くなった時に待機中の試薬に自動で切り替わる自動分析装置を想定し、前記試薬の残数が閾値を下回った場合に自動で精度管理試料の測定を行う場合について説明する。
【0036】
項目が割付けられ、分析モジュール31,32に搬送された検体を保持するラックは、項目の分析のため、検体に対して分注されることになる。
【0037】
これにより、その項目の分析が開始され、その後、分析モジュール31,32から試薬を消費した時点で試薬残分析可能数の更新が報告され、全体管理用コンピュータ1,2が分析可能数を更新する。
【0038】
この時、更新した試薬残分析可能数が待機試薬分析条件112cで指示された残分析可能数を下回ったと判断され、かつ、該検査項目に対して交換可能な試薬が待機しており、かつ、装置内に保持している精度管理試料がある場合、保持している精度管理試料に対して、所定の分析依頼を生成し、保持している精度管理試料を搬送し、分析を行う。
【0039】
更新された試薬残分析可能数が指示された待機試薬分析条件112cで指示された残分析可能数を下回らなかったり、該検査項目に対して交換可能な試薬が待機してなかったり、保持している精度管理試料がない場合、精度管理試料の分析は行われない。
【0040】
これによって、待機している試薬が切り替わる直前に精度管理試料の測定を実施することが可能になるので、検査項目の測定精度を維持することが容易に実現できる。
【0041】
次に図7を用いて、本実施形態による自動分析システムにおける、装置内に保持している精度管理試料での各条件での分析処理について説明する。
【0042】
日付変更時の分析設定111dが有効に設定されている状態で、日付が変わった時、精度管理測定時刻設定111e1,111e2が有効に設定されている状態で、精度管理測定時刻112e1,112e2で設定された時刻になった時、操作者変更時の分析設定
111fが有効に設定されている状態で、操作者が変わった時、精度管理測定間隔(時間)
設定111gが有効に設定されている状態で、前回の測定時間から精度管理測定間隔(時間)設定112gを越えた時、精度管理測定間隔(検体数)設定111hが有効に設定されている状態で、前回の精度管理の測定から患者検体の測定した検体数が精度管理測定間隔(検体)112hを越えた時、新規試薬登録時の分析設定111kが有効に設定されている状態で、新規に試薬が登録された時、検量線手動変更時の分析設定111lが有効に設定されている状態で、検量線を手動で変更した時、所定の分析依頼を生成し、保持されている精度管理試料を搬送し、分析を行う。
【0043】
これによって、各条件での精度管理試料の測定を実施することが可能になるので、オペレータが精度管理試料の依頼の生成や、試料の準備を省き、適切なタイミングでの精度管理試料の測定が可能となる。
【0044】
次に図8を用いて、本実施形態による自動分析システムにおける、精度管理測定時の異常検出による、装置内に保持している異なる精度管理試料での分析処理について説明する。
【0045】
精度管理試料を測定した時に、その精度管理試料自体が劣化していると、濃度が変化しており、測定結果が異常な値を示すことがある。このとき、異常検出時の異試料分析設定111jが有効に設定されている状態で、前記精度管理試料で異常値を検出した依頼項目を分析可能な、別な精度管理試料が装置内に保持されている場合、前記依頼項目を保持されている別な精度管理試料に対して生成し、精度管理試料を搬送し、分析を行う。
【0046】
これによって、異常を検出した測定項目が本当に異常なのか、それとも、異常を検出した精度管理試料自体が劣化しているのかを判断することが可能となる。
【0047】
次に図9を用いて、本実施形態による自動分析システムにおける、装置内に保持している精度管理試料の有効期限管理について説明する。
【0048】
一般的に精度管理試料は有効期限が設けられており、その有効期限を超過した場合、試料の成分の一部が変動し、期待した濃度値を得ることが出来なくなる。このため、該試料に対して有効期限を設け、管理しなければならないが、成分の違い、つまり、試料の違いによって異なった有効期限となる。
【0049】
また、試料によっては成分の変動が非常に少なく、装置内に保持している間の変動が生じるよりも、検体を消費されることも考えられるため、有効期限管理を行わないように設定することも可能とする。
【0050】
精度管理試料が投入された時刻を管理用コンピュータ1,2に記憶しておき、現在の時刻が精度管理試料有効期限112iを越えた場合、該精度管理試料を使用不可として無効に設定する。これ以降、前記精度管理試料を、使用不可能にすることで、劣化した精度管理試料での分析を禁止するが可能となる。
【0051】
以上の説明では、装置内に精度管理試料をラックに載置された状態で保持する自動分析装置の例について記載してきたが、分析ユニットの第2検体架設部に精度管理試料を設置した場合でも同様の制御をすることで可能となる。
【0052】
以上の説明により、オペレータが事前に精度管理試料を準備しておけば、外部からの要因によって精度管理試料の分析を行えるようになり、オペレータの負担を低減させることが可能である。かつ精度管理を行わなければならない適切な時期に必ず精度管理を実現することが出来、測定精度を自動で維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を適用した自動分析装置の、一実施形態を示した図。
【図2】本発明を適用した自動分析装置の、精度管理試料を保持する領域を示した図。
【図3】本発明を適用した自動分析装置において、保持する精度管理試料に対して各種設定を登録する画面の図。
【図4】本発明を適用した自動分析装置において、装置内に保持する精度管理試料を投入された時のフローを示す図。
【図5】本発明を適用した自動分析装置において、標準試料を投入された時に、装置内に保持する精度管理試料を用いて精度管理を行う時のフローを示す図。
【図6】本発明を適用した自動分析装置において、試薬を使用した時に、残数が所定の条件が成立した時に、装置内に保持する精度管理試料を用いて精度管理を行う時のフローを示す図。
【図7】本発明で適用した自動分析装置において、各条件が成立した時に、装置内に保持する精度管理試料を用いて精度管理を行う時のフローを示す図。
【図8】本発明を適用した自動分析装置において、測定異常が検出された時に、装置内に保持する精度管理試料を用いて精度管理を行う時のフローを示す図。
【図9】本発明を適用した自動分析装置において、装置内に保持された精度管理試料の有効な期間が切れた時のフローを示す図。
【符号の説明】
【0054】
1 管理用コンピュータ
2 管理用コンピュータの表示部
10 検体ラック投入部
11 検体ラック収納部
12 ID読取り部
13 搬送ライン
21 検体ラックバッファ部
21a 検体ラックバッファ部における精度管理試料を保持する領域
31,32 分析モジュール
100 精度管理測定設定画面
111a 精度管理試料保持設定
112a 精度管理試料保持数
111b 標準試料の投入による測定の設定
111c 待機試薬に対する測定の設定
112c 待機試薬分析条件(残数の閾値)
111d 日付変更時の測定の設定
111e1,111e2 指定時刻での測定の設定
112e1,112e2 指定時刻
111f 操作者変更時の測定の設定
111g 時間間隔での測定の設定
112g 時間間隔
111h 検体数での測定の設定
112h 検体数
111i 保持している精度管理試料の有効期限設定
112i 有効期限
111j 異常検出時の異試料での測定の設定
111k 新規試薬登録時の測定の設定
111l 検量線の手動変更時の測定の設定

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
標準試料が装置内に投入された場合、標準試料の依頼項目に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された精度管理試料を標準試料の後に分析するように搬送する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構と、複数の同一項目の試薬を設置することが可能で、現在使用している試薬が第1の所定の条件になった時点で、待機中の他の試薬に自動で切り替えることが可能な自動分析装置において、
現在使用している試薬の残数が第2の所定の条件になった時点で、待機中の試薬に対して、精度管理試料の測定依頼を生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析するように搬送をする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
日付が変わったことを認識した時点で、装置内に保持された精度管理試料に応じた所定の測定依頼を生成し、前記精度管理試料を分析するように搬送をする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
所定の時刻になったことを認識した時点で、装置内に保持された精度管理試料に応じた所定の測定依頼を生成し、前記精度管理試料を分析するように搬送をする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
装置の操作者が変わったことを認識した時点で、装置内に保持された精度管理試料に応じた所定の測定依頼を生成し、前記精度管理試料を分析するように搬送をする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
検査項目毎に、前回精度管理試料が分析された時刻から所定時間を経過したことを認識して、待機中の精度管理試料の測定依頼を生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析するように搬送をする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
検査項目毎に、前回精度管理試料が分析された時点から所定検体数を分析したことを認識して、待機中の精度管理試料の測定依頼を生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析するように搬送をする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
装置内に保持された精度管理試料毎に、前記精度管理試料が投入された時点から所定時間を経過したことを認識して、該精度管理試料の分析を行わないようにする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
ある依頼項目の精度管理試料の測定結果が異常であった場合、異常を検出した依頼項目に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された異なる精度管理試料を分析するように搬送する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項10】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
新たに試薬を登録した時点で、その試薬に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析するように搬送する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項11】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構と、キャリブレーションの検量線を手動で変更する機能を備えた自動分析装置において、
検量線を手動で変更した時点で、その検量線に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析するように搬送する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項12】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックに設置した状態で装置内に保持する機構を備えた自動分析装置において、
保持する精度管理試料の品質を維持するために、精度管理試料の保持区画に対して、保冷する機構を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項13】
請求項12記載の自動分析装置において、
保冷保持した検体を搬送するために、保冷された区画から保冷されていない区画に搬出することで生じる結露によって精度管理試料の品質を劣化させないために、一時的に昇温する機構を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項14】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
標準試料が装置内に投入された場合、標準試料の依頼項目に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された精度管理試料を標準試料の後に分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項15】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構と、複数の同一項目の試薬を設置することが可能で、現在使用している試薬が第1の所定の条件になった時点で、待機中の他の試薬に自動で切り替えることが可能な自動分析装置において、
現在使用している試薬の残数が第2の所定の条件になった時点で、待機中の試薬に対して、精度管理試料の測定依頼を生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析するよう制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項16】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
日付が変わったことを認識した時点で、装置内に保持された精度管理試料に応じた所定の測定依頼を生成し、前記精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項17】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
所定の時刻になったことを認識した時点で、装置内に保持された精度管理試料に応じた所定の測定依頼を生成し、前記精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項18】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
装置の操作者が変わったことを認識した時点で、装置内に保持された精度管理試料に応じた所定の測定依頼を生成し、前記精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項19】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
検査項目毎に、前回精度管理試料が分析された時刻から所定時間を経過したことを認識して、待機中の精度管理試料の測定依頼を生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項20】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
検査項目毎に、前回精度管理試料が分析された時点から所定検体数を分析したことを認識して、待機中の精度管理試料の測定依頼を生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項21】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
装置内に保持された精度管理試料毎に、前記精度管理試料が投入された時点から所定時間を経過したことを認識して、該精度管理試料の分析を行わないようにする制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項22】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
ある依頼項目の精度管理試料の測定結果が異常であった場合、異常を検出した依頼項目に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された異なる精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項23】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構を備えた自動分析装置において、
新たに試薬を登録した時点で、その試薬に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項24】
検体を分析する分析ユニットと、前記検体を保持する検体容器を載置する検体ラックを前記分析ユニットに搬送するラック搬送装置と、検体ラックを該ラック搬送装置に投入するラック投入口と、精度管理試料を前記ラックとは別の分析ユニット内の第2の検体架設部に保持する機構と、キャリブレーションの検量線を手動で変更する機能を備えた自動分析装置において、
検量線を手動で変更した時点で、その検量線に応じた所定の測定依頼を精度管理試料に対して生成し、装置内に保持された精度管理試料を分析する制御手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−209338(P2008−209338A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48387(P2007−48387)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】