自動分析装置
【課題】分注機構により試料、試薬を分注し撹拌機構により撹拌した後、分光光度計により吸光度を測定する自動分析装置において、測定結果に異常が認められた場合に、測定異常の原因を究明するために必要な情報の収集を容易に入手できるようにする。
【解決手段】測定結果に対してその該当する項目に関する分析情報、すなわち試料番号あるいはID番号情報、測定日時情報、測定項目の試料量、試薬量、測定波長等の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌俸攪拌順序情報、使用した反応容器の番号とその使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、精度管理情報、アラーム情報を一画面で確認することができる分析情報画面を有する自動分析装置。
【解決手段】測定結果に対してその該当する項目に関する分析情報、すなわち試料番号あるいはID番号情報、測定日時情報、測定項目の試料量、試薬量、測定波長等の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌俸攪拌順序情報、使用した反応容器の番号とその使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、精度管理情報、アラーム情報を一画面で確認することができる分析情報画面を有する自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿等の生体サンプルの定性、定量分析を行う自動分析装置に係り、特に測定異常の原因を究明するための分析情報を確認する機能を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置では、測定結果を予め設定されている測定値のチェック機能を用いてチェックする。例えば反応過程吸光度情報から吸光度変化の直線性チェック、分光光度計の性能より設定されている吸光度の上限値チェック、演算して求められた測定結果に対する臨床的基準値を用いた基準値チェックなどである。これらのチェックで異常が認められた場合は、測定結果にそれに該当するアラームコメントを付加する。
【0003】
また、このような装置が有しているチェック機能でチェックされない場合でも、その試料を供する被検者の前回検査時の測定結果と今回の測定結果を比べて、その差が大きい場合は再検査を実施しその妥当性を確認する。
【0004】
自動分析使用者は、このように測定結果に異常が認められた場合は、その原因を究明し同様の異常が発生しないように適切な処置を行う必要がある。
【0005】
測定結果が異常である場合、その原因として考えられるのは1.試料に由来する原因、2.試薬に由来する原因、3.装置に由来する原因の3つが挙げられる。試料に由来する原因としては、血漿等の試料中にフィブリンが析出し所定の試料量が分注されなかった、試料表面に気泡があり所定の試料量が分注されなかった、個々の試料に起因する溶血、黄色、にごり等による影響等が考えられる。試薬に由来する原因としては、試薬が劣化して所定の分析性能が得られなかった、試薬の架設ミス、調整ミスがあり所定の分析性能が得られなかった、等が考えられる。自動分析装置に由来する原因としては、試料、試薬分注時にその直前に分注した他の試料、試薬からのキャリーオーバにより分析化学的に影響を受けた、反応液の撹拌時にその直前に攪拌した他の試薬からのキャリーオーバにより分析化学的に影響を受けた、吸光度測定において反応容器の汚れ等により分析化学的に影響を受けた、等が考えられる。測定値の信頼性を確保するには、測定結果に異常が認められた場合にその原因が何であるかを究明し対処することが重要である。
【0006】
しかし、試料を装置に架設し分析が開始されれば、測定は自動分析装置が全ての分析動作を自動的に行うため、自動分析装置の使用者はその原因を究明するために分析が行われた時の分析状況を把握する必要がある。そのために使用者は、自動分析装置の測定原理について熟知する必要があること、また大量の情報群から探したい情報を摘出するまでに多大な時間を要するため、原因を解析することが困難であった。あるいは分析状況を確認しようとしたときにはそれらの情報が既に消去され確認することができない場合があった。そのため、分析異常の原因を特定できず、その結果として測定結果の信頼性の確保が困難となる場合があった。
【0007】
装置に異常が発生した場合の使用者への通知方法については例えば特許文献1、2に記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−066051号公報
【特許文献2】特開2003−107093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来技術は、異常個所の原因究明を行うための関連する様々な情報を整理して提供するという点について配慮がされておらず、自動分析装置使用者が多大な労力をかけて情報を収集しなければならないという問題があった。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決すべく、分析異常が発生した場合の原因究明に必要な各種情報を、自動分析装置使用者が多大な時間をかけて収集することなく、容易に入手できるようにする機能を備えた自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、測定結果に対してその該当する項目に関する分析情報、すなわち試料番号あるいはID番号情報、測定日時情報、測定項目の試料量、試薬量、測定波長等の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌俸攪拌順序情報、使用した反応容器の番号とその使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、精度管理情報、アラーム情報を自動的に収集し一画面で表示することができる分析情報画面を有することで、自動分析装置について詳細を知らない人でも情報を収集することが可能となり、容易にその情報を確認するができるものである。また測定結果に異常を示すコメントが付加した場合、再検査を実施した場合、自動分析使用者が必要と認めた場合は、上記情報を自動的に分析情報専用の記憶装置に記憶する。この専用の情報記憶装置に記憶された情報は、通常の測定データが記憶されている記憶装置とは異なり、使用者は勝手にこれら情報を削除、編集することはできない。これにより、分析状況を確認しようとしたときにはそれらの情報が既に消去され確認することができないなどの問題がなくなり、その分析が行われた際の必要な情報を容易に入手することが可能となる。本発明により使用者は簡潔にその原因究明を行い対処することによって自動分析装置の信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上説明したように測定結果に異常が認められた場合に、その原因究明に必要な情報が一括して自動的に確認できるため、自動分析装置使用者がその原因を究明する際に、あるいは自動分析装置製造メーカのサービス担当者に対処を依頼する場合の情報提供時に、正確な情報を簡便に短時間で確認、提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
本発明を実施可能な生化学自動分析装置の例を図1に示す。
【0015】
図1において、20は操作部であり、操作部20は、データを入力するためのキーボード26、マウス27、データを表示するための表示装置23、データを印刷するための印刷装置19、分析部と接続するためのインターフェース25、表示した画面、入力内容、設定パラメータなど自動分析装置固有の動作状況、分析情報を記憶するための記憶装置28、有線または無線通信で操作部20に接続されている電話機42などの周辺機器で構成されている。
【0016】
41は分析部であり、分析部41は、インターフェース25を介して操作部20と接続されている。
【0017】
分析部41は、複数のサンプルカップ1が架設でき採取位置に移動する機能を有するサンプルディスク2,試料を所定量採取するサンプルプローブ3を備えたサンプリング機構4,試薬を所定量採取する試薬プローブ24a,24bを備えた複数の試薬分注を行う試薬ピペッティング機構5a,5bおよび試薬ボトルの架設および分注位置に移動する機能を有する試薬ディスク6a,6b,複数の直接測光用反応容器7を保持した反応ディスク8,攪拌機構9a,9b,反応容器洗浄機構10,光度計11,機構系全体のせいぎょを行わせるための中央処理装置(マイクロコンピュータ)12などを主要に構成されている。複数の反応容器を保持した反応ディスク8は、反応容器を試料採取位置および試薬分注位置への搬送と、反応容器内の反応液の吸光度を測定するために光度計11の光軸上に移動するための回転動作を行う。光度計11は複数の検知器を有する多波長光度計が用いられており、光源ランプ13と相対し反応ディスク8が回転状態にあるとき反応容器7の列が光源ランプ13からの光束14を通過するように構成されている。光束14の位置と試料吐出位置15の間には反応容器洗浄機構10が配備されており、反応容器7を洗浄する。さらに波長を選択するマルチプレクサ16,対数変換増幅器17,A/D変換器18,試薬分注機構駆動回路21などから構成され、これらはいずれもインターフェース22を経て中央処理装置12に接続されている。この中央処理装置は機構系全体の制御を含めた装置全体の制御と濃度あるいは酵素活性値演算などのデータ処理も行う。
【0018】
上記の構成における動作原理を以下に説明する。
【0019】
キーボード26、マウス27を使い表示装置23にあるスタートスイッチを実行すると反応容器洗浄機構10により反応容器7の洗浄が開始され、さらに水ブランクの測定が行われる。この値は反応容器7で以後測定される吸光度の基準となる。反応ディスク8が反回転して一時停止すると試料吐出位置15まで進み、サンプルカップ1はサンプリング位置に移動する。同様に2つの試薬ディスク6a,6bも試薬ピペッティング位置に移動する。この間にサンプリング機構4が動作し、サンプルカップ1の試料液面を検知、液面から一定の距離だけ試料中に突込み、例えば分析項目A測定用の試料をサンプルプローブ3で吸引しその後、反応容器7に吐出する。試料の吐出が完了すると反応ディスク8が半回転し停止する。一方試薬ピペッティング機構はサンプリング機構が反応容器7に試料の吐出を行っているとき、試薬ピペッティング機構5aが動作を開始し試薬ディスク6aに架設した分析項目Aの第一試薬を試薬プローブ24aによって吸引する。反応ディスク8が停止すると試薬プローブ24aは反応容器7上に移動して吸引した試薬を吐出した後、攪拌機構9aが作動して試料と試薬を攪拌する。試薬プローブ24aはプローブ洗浄槽でプローブの内壁と外壁が洗浄され、次の分析項目Bの第一試薬分注に備える。試薬の吐出が完了すると反応ディスク8が半回転+1反応容器分回転する。測光は反応ディスク8の回転時、反応容器7が光束14を横切ったときに行われる。第一試薬が添加されてから反応ディスクが1回転+1反応容器分回転すると攪拌機構9aが作動して試料と試薬を攪拌する。反応容器7が試料分注位置から10回転+10反応容器分回転した位置、すなわち第二試薬分注位置まで進むと第二試薬が試薬プローブ24bから添加されその後攪拌機構9bにより攪拌が行われる。反応ディスク8によって反応容器7は次々と光束14を横切りそのつど吸光度が測定される。これらの吸光度は10分の反応時間において計20回の測光が行われる。測光を終えた反応容器7は反応容器洗浄機構10により洗浄され次の試料の測定に備える。測定した吸光度は中央処理装置12で濃度あるいは酵素活性値に換算されプリンタ19から分析結果が出力される。
【0020】
以上の動作、操作において、分析部41の動作内容、分析情報や状態は、インターフェース25を介して操作部20に送信され、記憶装置28に記憶させる。また、操作部20で表示した画面、入力内容、設定パラメータなどの操作内容も記憶装置28に記憶させる。
【0021】
一方、図1において36は、サービスセンターのサポート部である。
【0022】
サポート部36は、データを入力するためのキーボード38、マウス39、データを表示するための表示装置37、操作部で表示した画面、入力内容、設定パラメータなどの自動分析装置固有の動作状況、分析情報などを記憶するための記憶装置40、有線または無線通信でサポート部36に接続されている電話機43などの周辺機器で構成されている。
【0023】
操作部20は、モデム、ダイヤルアップ・ルーター等の公衆回線/専用線接続通信機器30に有線または無線インターフェース29を介して接続され、公衆回線/専用線接続通信機器30は、インターフェース31を介して公衆回線(または専用線)32に接続される。サポート部36から、モデム、ダイヤルアップ・ルーター等の公衆回線/専用線接続通信機器34に有線または無線インターフェース35を介して接続され、公衆回線/専用線接続通信機器34は、インターフェース33を介して公衆回線(または専用線)32に接続される。これらの接続形態により、操作部20とサポート部36の分析情報の送受信を行う。
【0024】
このような自動分析装置における本発明の実施例を説明する。
【0025】
測定結果が異常である場合、その原因として考えられるのは1.試料に由来する原因、2.試薬に由来する原因、3.装置に由来する原因の3つが挙げられる。試料に由来する原因としては、サンプルカップ1の試料中にフィブリンが析出しサンプルプローブ3が所定の試料量を吸引する際に所定量を吸引できなかった、サンプルカップ1の試料表面に気泡がありサンプルプローブ3が試料液面を検知した際に気泡の表面を液面と誤検知し所定の試料量を吸引できなかった、等が考えられる。試薬に由来する原因としては、試薬ディスク6a、6bに架設されている試薬が劣化して所定の分析性能が得られなかった、試薬ディスク6a、6bに試薬を架設する際に架設位置を間違えた等の架設ミス、試薬そのものの調整ミスがあり所定の分析性能が得られなかった、等が考えられる。自動分析装置に由来する原因としては、試薬ピペッティング機構5a、5bにより試薬プローブ24a、24bを介して試薬の吸引、反応容器7への吐出を行う際に、試薬プローブ24a、24bが当該試薬を吸引する直前に吸引、吐出した他の試薬が、試薬プローブ24a、24b内に残留し当該試薬にキャリーオーバすることにより分析化学的に影響を受けた、反応容器7内の反応液を撹拌機構9a、9bが撹拌する際に、撹拌機構9a、9bが当該反応液を撹拌する直前に撹拌した他項目の反応液が、撹拌機構9a、9b表面に残留し当該反応液にキャリーオーバすることにより分析化学的に影響を受けた、反応容器7を用いて分析を行う際に、当該反応容器でその前に分析されていた他項目の反応液が反応容器洗浄機構10で洗浄された後も反応容器7内に残留し当該反応液にキャリーオーバすることにより分析化学的に影響を受けた、等が考えられる。
【0026】
図2は試薬分注順序の一例を示す図である。試薬分注順序201にしたがって昇順に分注される。
【0027】
図2を使い実際の試薬キャリーオーバについて説明する。試料番号1の項目C 202での測定結果に異常が認められた場合、試薬のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられる試薬は項目B 203であり、試料番号3の項目B204での測定結果に異常が認められた場合、試薬のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられる、試料番号2の試薬は項目G 205になる。
【0028】
このように異常が認められた項目の前に分注されている項目がすぐにわかれば、異常がある項目が全て項目Cであった場合、その項目に関して調べていきその項目の分注前には必ず項目Bが来ていたならば原因が項目Bから項目Cに対する試薬キャリーオーバが原因だと推定でき、早期問題解決に結びつけることができる。
【0029】
図3は反応容器の使用来歴の一例を示す図である。
【0030】
図3を使いセルキャリーオーバについて説明する。反応容器ラウンド2の反応容器番号3での項目G 301測定結果に異常が認められた場合、反応容器のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられるのは項目C302であり、反応容器ラウンド3の反応容器番号4での項目D303測定結果に異常が認められた場合、反応容器のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられるのは項目A304になる。
【0031】
例えば、異常がある項目が全て項目Gであった場合、図2で説明した試薬キャリーオーバに関して調査した結果共通性が見出されなかった場合、次にセルキャリーオーバに着眼して調査した結果必ず1ラウンド前に同じ反応容器に項目Cが使用されていたならば原因が試薬Cから試薬Gに対するセルキャリーオーバが原因だと推定できる。
【0032】
また、反応容器番号6番305の反応容器だけがヒビ割れ、曇りなどの劣化する現象が発生したならばその原因として考えられるのは、反応容器番号6番305で使用されている項目は、ラウンド1〜3まではすべて項目Fであることから、項目Fの試薬成分が反応容器に対して悪影響を及ぼしていることが推定できる。以上のように反応容器の使用来歴情報は、異常データの原因を推測する上で重要なファクターになる。
【0033】
図4は分析条件表示内容の一例を示す図である。
【0034】
測定項目の分析条件として重要なのは試料量401、試薬量402、測定波長403であり、特に試料量401は条件により標準量404、減量405、増量406の3条件から任意に選択することが可能であり、当該項目の測定時にどのような条件で測定したかは重要な情報となる。図4では当該測定検体の測定項目Aの試料量が減量405モードつまり、2.5ul分注で測定されたことからがわかるように反転表示されている。
【0035】
図5は反応過程吸光度情報表示の一例を示す図である。
【0036】
反応過程吸光度情報は反応時間内つまり測光ポイント501がどのように吸光度502が変化していったのかを示す重要な情報である。例えば、攪拌不良による攪拌不足を生じれば反応過程吸光度503は乱れた挙動を示すことから原因を突き止められる。
【0037】
図6は、測定結果異常が発生した場合に原因を解析するために必要な情報内容の一例を示す図である。
【0038】
使用者は測定結果異常が発生した場合、図2〜図5で説明した理由により、各分析情報を駆使しいち早く原因究明し、対策対応しなければならない。
【0039】
以上のような背景から自動分析装置は測定情報を測定した全ての検体、測定項目において、測定結果の分析情報として記憶し、これら情報を簡潔に確認できなければならない。
【0040】
図7は、図6に示した各種分析情報を一画面に集約して一括で確認することが可能な画面の一例を示す図である。
【0041】
試料番号、試料ID番号701は、測定した試料の試料番号あるいは試料のID番号を表示する。測定日時702は、本測定項目を測定したときの日時を表示する。測定項目703は本測定項目名例えばASTを表示する。分析条件704は「表示する」ボタンを入力することにより、図4で示した分析条件を表示する。試薬分注順序情報は、本項目試薬分注前に分注された項目名を表示する。例えば本項目であるASTの第一試薬分注前に分注された項目はBUN705であり、第二試薬分注前に分注された項目はBUN706であることを示している。攪拌俸攪拌順序情報は、本項目の試料と試薬を攪拌する前に攪拌した項目名を表示する。本例の場合は、本項目ASTの試料と試薬を攪拌する前の項目は、第一、第二試薬分注後の攪拌ともにBUN707、708を示す。反応容器番号と使用来歴は、本項目で使用した反応容器番号709は115番であり、115番の反応容器において本項目に使用する前のラウンドでの測定項目710を意味し、本例ではTGを測定したことを示す。反応過程吸光度情報は「表示する」711を入力することにより図5で示した情報を表示する。試薬ロット、試薬ボトルサイズ、有効期限情報は、本項目AST試薬のロット番号712、試薬ボトルサイズ(容量)713、試薬の有効期限714を表示する。試薬残テスト情報715は、本試料測定時のAST試薬の測定可能な残テスト数を示す。キャリブレーション情報は、本試料測定時のAST項目のキャリブレーション値を示す。S1ABS値716とKファクタ値717を表示する。キャリブレーション実施情報は、キャリブレーション716、717が実施された日付を示す。精度管理試料測定結果、日時は、本項目ASTのリアルタイムQCで登録されているニ種類の精度管理試料の測定値719,720と日付721を表示する。精度管理試料測定結果と日時は、キャリブレーション情報716、717適用時の最新の精度管理試料測定結果を意味する。アラーム情報は、本試料における本項目測定時に発生したアラーム情報722を表示する。なお複数発生した場合はプールダウンキーを押すことにより表示される。
【0042】
この一画面に集約された分析情報画面により使用者は、異常データの原因を究明するための分析情報を、安易に早く収集することができる。
【0043】
図8は、システムパラメータ画面の一例を示す図である。
【0044】
本画面の分析詳細データ設定801を入力することで図9に示す分析詳細データ設定を表示する。
【0045】
図9は分析情報表示内容確認画面の一例である。
【0046】
本画面は、図6で示した各種分析情報内容で必要な情報だけを一つあるいは二つ以上選択して、その情報だけを測定結果毎に図7で示した画面に表示させるための、選択内容確認画面である。
【0047】
本画面の一括詳細名901に設定した組合せ名を表示するリストボックス902を示し、リストボックス902上ではカーソル903が表示され、そのカーソルが表示されている組合せ内容が分析情報項目904としてリストボックス905に表示されている。各種分析情報の選択方法は、リストボックス902上の例えばカーソル903に合わせ、編集906を入力し、編集画面を表示させる。
【0048】
図10は、図9で示した各種分析情報内容を選択するための画面の一例を示す図である。
【0049】
本画面の一括詳細名1001で、使用者は設定名を自由に入力する。分析情報項目リスト1002のリストボックス1003上から設定したい項目をカーソル1004で選択する。一括詳細データリスト1006上に表示させたい順番の個所にカーソル1007を合わせてから追加1005を入力すると一括詳細データリスト1006上のリストボックス1007に移動する。項目を削除させたい場合は削除させたい項目をリストボックス1007上からカーソル1007で選択し、削除1009を入力し削除する。一通り編集が終了し項目を登録したい場合は登録1010を入力し、設定内容を無効にしたい場合は削除1011を入力する。
【0050】
これにより使用者は、分析情報として図7で示した画面に必要な情報だけを測定結果毎に一画面に簡潔表示できる。
【0051】
図11は、指定した分析項目に関しての各分析情報を、通常の記憶装置に記憶される測定結果とは別に専用の分析情報記憶装置に強制的に保存するための画面の一例を示す図である。
【0052】
専用の情報記憶装置に保存された情報は電源の切断による消去、通常の記憶装置のようなデータの上書きあるいは使用者によるデータ削除などハード的制約または使用者によるデータの削除・編集が通常の操作画面からはできないようになっている。アプリケーション画面の分析項目のリストボックス1101上から設定したい項目1102にカーソルを合わせるとアプリケーション情報1103として表示される。専用メモリ格納のラジオボタン1104をチェックすると、当該項目1102の分析情報が、専用の分析情報記憶装置に保存される。なお本設定をむやみに開放すると専用の分析情報記憶装置の記憶容量オーバーをまねく恐れがあるため、例えば設定許可者は自動分析設計者、サービスマンなど認められた使用者にか開放しない。これにより異常原因解析時に既に分析情報が消去されてしまっていたなどの理由により、原因を特定できなくなることを防ぐことができる。
【0053】
図12は、自動分析装置で測定した結果を表示する測定結果画面の一例を示す図である。
【0054】
まず測定結果画面に表示するデータが保存されている記憶装置を選択する。記憶装置選択ボックス1201から「通常」、「専用」、「両方」を選択できる。通常は通常の記憶装置に保存された測定データ、専用は異常データ、再検データ、指定項目のデータを強制的に保存するための専用の記憶装置で使用者は勝手に消去できない測定データ、両方は両方の記憶装置に保存されている全ての測定データを意味する。試料情報リストボックス1202には、検体番号、患者ID、日付/時刻を表示し、リストボックス1202上にはカーソル1203が表示され、カーソルが表示されている試料の測定結果がリストボックス1204に表示される。表示内容は項目名、結果、アラーム、単位が表示される。リストボックス1204上のカーソル1205で選択されている項目の分析情報を確認するには詳細情報1206を入力することにより、図7に示した分析情報を1画面で簡潔に確認できる。また測定データ検索1207を入力すると図13に示す測定データ検索画面が表示される。
【0055】
図13は、各分析情報を一つあるいは二つ以上選択して、その組合せでの情報をキーとして該当する測定結果を測定結果のなかから抽出し、図12示す画面に表示させるための測定データ検索画面の一例を示す図である。
【0056】
使用者は、表示のラジオボタン1301から「検索結果」または「全て」を選択することができる。検索項目のラジオボタン1302では、記憶装置の種類を、通常、専用、両方から選択できる。以下検索したい検索条件のラジオボタンのチェックマークを付け条件を絞り、最後に実行ボタン1303を入力する。例えば測定データの異常原因が図2で示した試薬キャリーオーバが疑わしい場合、今まで測定した結果から影響を与える項目「BUN」から影響を受ける項目「AST」の組合せのデータを調査したいとする。この場合、測定項目のラジオボタン1304をチェックし、コンボボックスで「AST」1305を選択し、同じく試薬分注順序情報のラジオボタン1306をチェックし、コンボボックスで「BUN」1307、1308を選択し、実行ボタン1303を入力すると、BUNからASTの組合せがあった試料のデータが抽出され図12の測定結果画面に表示される。
【0057】
このように使用者は、異常データの原因の調査や検証などを目的に、測定結果から指定した分析条件で測定された結果を簡単に抽出することができる。
【0058】
図14に、分析情報の記憶装置への格納フローについて以下に説明する。
【0059】
まずステップ1401、1402として、測定を実施し測定結果に関する分析情報が得られる。
【0060】
ステップ1403として、再検査を実施した項目の有無を確認する。具体的に再検査とは、その試料を供する被検者の前回検査時の測定結果と今回の測定結果を比べ、その差が大きい理由などにより再検査を実施する。再検査を実施するか否かは予め分析パラメータで再検を実施する濃度範囲を設定しておく。
【0061】
ステップ1404として、測定結果に予め設定しておいたチェック機能において異常が認められアラームが付加されているかの有無を確認する。
【0062】
ステップ1405として、図11に示した専用の分析情報格納記憶装置への保存指定項目かどうかを確認する。なお本設定は記憶装置の情報格納容量の関係から認められた使用者にしか開放しない。例えば、パスワードで制限されたサービスマンモードでログオンしたときまたはディップSWの「ON」「OFF」により開放するようにする。
【0063】
ステップ1406、1407、1408、1409として、ステップ1403、1404、1405で“YES”になった情報に関して後日詳細を確認する必要が生じることが考えられるため、自動的に専用の測定情報格納メモリ上にコピー記憶され、通常の記憶装置に測定データとして記憶されている測定結果を消去しても分析情報は消去されない。
【0064】
ステップ1410として、記憶装置の記憶容量の関係から測定結果の累積データ数が例えば10000検体以上かどうか判定する。10000検体以上の場合、ステップ1411に進み測定データを削除しなければそれ以上データを格納することができない。これによりステップ1412として、削除された検体の分析情報は閲覧不可となる。
【0065】
10000検体未満であればステップ1413に進み、任意で分析データ削除の実施可否を選択できる。削除しなかった場合ステップ1414として、図13に示す「詳細情報」1306を入力することにより図7に示す各種分析情報を一画面で簡潔に確認することができる。
【0066】
また、使用者が異常原因を特定できないため、原因究明をサービスセンターに依頼した場合、正確な情報を迅速、簡便に提供する必要がある。サービスセンターへ送るべき分析情報を図13の測定データ検索画面で設定したのち、図12に抽出された測定データが表示される。サービスセンターに送信したい試料の範囲をリストボックス1302上のカーソル1303で範囲指定し送信1308を入力することにより、抽出された試料の必要な情報がサービスセンターのサポート部に送信され、サービスセンターにあるサポート部36の表示装置37で図7に示した各種分析情報を確認することができる。このようにサービスマンは現地に行かなくても必要な分析情報を迅速・正確に収集でき原因を究明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の試薬分注順序例。
【図3】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の反応容器使用来歴例。
【図4】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の項目Aの分析条件例。
【図5】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の反応過程吸光度情報例。
【図6】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の測定異常の原因を究明するために必要な情報例。
【図7】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報の画面表示例。
【図8】本発明の実施形態に係わる自動分析装置のシステムパラメータの画面表示例。
【図9】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報表示内容の確認画面表示例。
【図10】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報内容を選択するための画面表示例。
【図11】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報専用の記憶装置に記憶させるための画面表示例。
【図12】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の測定結果の画面表示例。
【図13】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の測定データ検索画面表示例。
【図14】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報の記憶装置への格納するためのフロー図。
【符号の説明】
【0068】
1…サンプルカップ、2…サンプルディスク、3…サンプルプローブ、4…サンプリング機構、5…試薬ピペッティング機構、6…試薬ディスク、7…反応容器、8…反応ディスク、9…攪拌機構、10…反応容器洗浄機構、11…光度計、12…中央処理装置(マイクロコンピュータ)、13…光源ランプ、14…光束、15…試料吐出位置、16…マルチプレクサ、17…対数変換増幅器、18…A/D変換器、19…印刷装置、20…操作部、21…試薬分注機構駆動回路、22,25,31,33…インターフェース、23…表示装置、24…試薬プローブ、26…キーボード、27…マウス、28…記憶装置、29,35…有線または無線インターフェース、30,34…公衆回線/専用線接続通信機器、32…公衆回線または専用線、36…サービスセンターのサポート部、37…サービスセンターサポート部の表示装置、38…サービスセンターサポート部のキーボード、39…サービスセンターサポート部のマウス、40…サービスセンターサポート部の記憶装置、41…分析部、42…電話機、43…サービスセンターサポート部の電話機、201…試薬分注順序、202…試料番号1の項目C、203…試料番号1の項目B、204…試料番号3の項目B、205…試料番号2の項目G、301…反応容器番号3のラウンド2の項目G、302…反応容器番号3のラウンド1の項目C、303…反応容器番号4のラウンド3の項目D、304…反応容器番号4のラウンド2の項目A、305…反応容器番号6、306…反応容器番号6のラウンド1の項目F、307…反応容器番号6のラウンド2の項目F、308…反応容器番号6のラウンド3の項目F、401…試料量、402…試薬量、403…測定波長、404…標準モード、405…減量モード、406…増量モード、501…測光ポイント、502…吸光度、503…反応過程吸光度、701…試料番号、試料ID番号、702…測定日時、703…測定項目、704…分析条件、705…試薬分注順序情報 第1試薬 BUN、706…試薬分注順序情報 第2試薬 BUN、707…攪拌俸攪拌順序情報 第1試薬分注後 BUN、708…攪拌俸攪拌順序情報 第2試薬分注後 BUN、709…反応容器番号、710…反応容器の使用来歴、711…反応過程吸光度情報、712…試薬ロット、713…試薬ボトルサイズ、714…有効期限情報、715…試薬残テスト情報、716…キャリブレーション情報 S1ABS、717…キャリブレーション情報 Kファクタ、718…キャリブレーション実施情報、719…精度管理試料測定結果 C1、720…精度管理試料測定結果 C2、721…精度管理試料測定結果日時、722…アラーム日時、801…分析詳細データ編集キー、901,1001…一括詳細名、902…一括詳細名のリストボックス、903…一括詳細名のリストボックス上のカーソル、904…分析情報項目、905…分析情報項目のリストボックス、906…編集、1002…分析情報項目リスト、1003…分析情報項目リストのリストボックス、1004…分析情報項目リストのリストボックス上のカーソル、1005…リストの追加、1006…一括詳細データリスト、1007…一括詳細データリストのリストボックス、1008…一括詳細データリストのリストボックス上のカーソル、1009…リストの削除、1010…登録、1011…削除、1101…分析項目のリストボックス、1102…分析項目のリストボックス上のカーソル、1103…アプリケーション情報のリストボックス、1104…専用メモリ格納、1201…記憶装置選択ボックス、1202…試料情報リストボックス、1203…試料情報リストボックス上のカーソル、1204…結果のリストボックス、1205…結果のリストボックス上のカーソル、1206…詳細情報、1207…測定データ検索、1208…送信、1301…表示、1302…検索項目、1303…実行、1304…測定項目のラジオボタン、1305…試薬分注順序情報のラジオボタン、1306…測定項目名、1307…試薬分注順序情報の第1試薬名、1308…試薬分注順序情報の第2試薬名、1401〜14142…フローステップ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿等の生体サンプルの定性、定量分析を行う自動分析装置に係り、特に測定異常の原因を究明するための分析情報を確認する機能を備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置では、測定結果を予め設定されている測定値のチェック機能を用いてチェックする。例えば反応過程吸光度情報から吸光度変化の直線性チェック、分光光度計の性能より設定されている吸光度の上限値チェック、演算して求められた測定結果に対する臨床的基準値を用いた基準値チェックなどである。これらのチェックで異常が認められた場合は、測定結果にそれに該当するアラームコメントを付加する。
【0003】
また、このような装置が有しているチェック機能でチェックされない場合でも、その試料を供する被検者の前回検査時の測定結果と今回の測定結果を比べて、その差が大きい場合は再検査を実施しその妥当性を確認する。
【0004】
自動分析使用者は、このように測定結果に異常が認められた場合は、その原因を究明し同様の異常が発生しないように適切な処置を行う必要がある。
【0005】
測定結果が異常である場合、その原因として考えられるのは1.試料に由来する原因、2.試薬に由来する原因、3.装置に由来する原因の3つが挙げられる。試料に由来する原因としては、血漿等の試料中にフィブリンが析出し所定の試料量が分注されなかった、試料表面に気泡があり所定の試料量が分注されなかった、個々の試料に起因する溶血、黄色、にごり等による影響等が考えられる。試薬に由来する原因としては、試薬が劣化して所定の分析性能が得られなかった、試薬の架設ミス、調整ミスがあり所定の分析性能が得られなかった、等が考えられる。自動分析装置に由来する原因としては、試料、試薬分注時にその直前に分注した他の試料、試薬からのキャリーオーバにより分析化学的に影響を受けた、反応液の撹拌時にその直前に攪拌した他の試薬からのキャリーオーバにより分析化学的に影響を受けた、吸光度測定において反応容器の汚れ等により分析化学的に影響を受けた、等が考えられる。測定値の信頼性を確保するには、測定結果に異常が認められた場合にその原因が何であるかを究明し対処することが重要である。
【0006】
しかし、試料を装置に架設し分析が開始されれば、測定は自動分析装置が全ての分析動作を自動的に行うため、自動分析装置の使用者はその原因を究明するために分析が行われた時の分析状況を把握する必要がある。そのために使用者は、自動分析装置の測定原理について熟知する必要があること、また大量の情報群から探したい情報を摘出するまでに多大な時間を要するため、原因を解析することが困難であった。あるいは分析状況を確認しようとしたときにはそれらの情報が既に消去され確認することができない場合があった。そのため、分析異常の原因を特定できず、その結果として測定結果の信頼性の確保が困難となる場合があった。
【0007】
装置に異常が発生した場合の使用者への通知方法については例えば特許文献1、2に記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2003−066051号公報
【特許文献2】特開2003−107093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来技術は、異常個所の原因究明を行うための関連する様々な情報を整理して提供するという点について配慮がされておらず、自動分析装置使用者が多大な労力をかけて情報を収集しなければならないという問題があった。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決すべく、分析異常が発生した場合の原因究明に必要な各種情報を、自動分析装置使用者が多大な時間をかけて収集することなく、容易に入手できるようにする機能を備えた自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、測定結果に対してその該当する項目に関する分析情報、すなわち試料番号あるいはID番号情報、測定日時情報、測定項目の試料量、試薬量、測定波長等の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌俸攪拌順序情報、使用した反応容器の番号とその使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、精度管理情報、アラーム情報を自動的に収集し一画面で表示することができる分析情報画面を有することで、自動分析装置について詳細を知らない人でも情報を収集することが可能となり、容易にその情報を確認するができるものである。また測定結果に異常を示すコメントが付加した場合、再検査を実施した場合、自動分析使用者が必要と認めた場合は、上記情報を自動的に分析情報専用の記憶装置に記憶する。この専用の情報記憶装置に記憶された情報は、通常の測定データが記憶されている記憶装置とは異なり、使用者は勝手にこれら情報を削除、編集することはできない。これにより、分析状況を確認しようとしたときにはそれらの情報が既に消去され確認することができないなどの問題がなくなり、その分析が行われた際の必要な情報を容易に入手することが可能となる。本発明により使用者は簡潔にその原因究明を行い対処することによって自動分析装置の信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上説明したように測定結果に異常が認められた場合に、その原因究明に必要な情報が一括して自動的に確認できるため、自動分析装置使用者がその原因を究明する際に、あるいは自動分析装置製造メーカのサービス担当者に対処を依頼する場合の情報提供時に、正確な情報を簡便に短時間で確認、提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
本発明を実施可能な生化学自動分析装置の例を図1に示す。
【0015】
図1において、20は操作部であり、操作部20は、データを入力するためのキーボード26、マウス27、データを表示するための表示装置23、データを印刷するための印刷装置19、分析部と接続するためのインターフェース25、表示した画面、入力内容、設定パラメータなど自動分析装置固有の動作状況、分析情報を記憶するための記憶装置28、有線または無線通信で操作部20に接続されている電話機42などの周辺機器で構成されている。
【0016】
41は分析部であり、分析部41は、インターフェース25を介して操作部20と接続されている。
【0017】
分析部41は、複数のサンプルカップ1が架設でき採取位置に移動する機能を有するサンプルディスク2,試料を所定量採取するサンプルプローブ3を備えたサンプリング機構4,試薬を所定量採取する試薬プローブ24a,24bを備えた複数の試薬分注を行う試薬ピペッティング機構5a,5bおよび試薬ボトルの架設および分注位置に移動する機能を有する試薬ディスク6a,6b,複数の直接測光用反応容器7を保持した反応ディスク8,攪拌機構9a,9b,反応容器洗浄機構10,光度計11,機構系全体のせいぎょを行わせるための中央処理装置(マイクロコンピュータ)12などを主要に構成されている。複数の反応容器を保持した反応ディスク8は、反応容器を試料採取位置および試薬分注位置への搬送と、反応容器内の反応液の吸光度を測定するために光度計11の光軸上に移動するための回転動作を行う。光度計11は複数の検知器を有する多波長光度計が用いられており、光源ランプ13と相対し反応ディスク8が回転状態にあるとき反応容器7の列が光源ランプ13からの光束14を通過するように構成されている。光束14の位置と試料吐出位置15の間には反応容器洗浄機構10が配備されており、反応容器7を洗浄する。さらに波長を選択するマルチプレクサ16,対数変換増幅器17,A/D変換器18,試薬分注機構駆動回路21などから構成され、これらはいずれもインターフェース22を経て中央処理装置12に接続されている。この中央処理装置は機構系全体の制御を含めた装置全体の制御と濃度あるいは酵素活性値演算などのデータ処理も行う。
【0018】
上記の構成における動作原理を以下に説明する。
【0019】
キーボード26、マウス27を使い表示装置23にあるスタートスイッチを実行すると反応容器洗浄機構10により反応容器7の洗浄が開始され、さらに水ブランクの測定が行われる。この値は反応容器7で以後測定される吸光度の基準となる。反応ディスク8が反回転して一時停止すると試料吐出位置15まで進み、サンプルカップ1はサンプリング位置に移動する。同様に2つの試薬ディスク6a,6bも試薬ピペッティング位置に移動する。この間にサンプリング機構4が動作し、サンプルカップ1の試料液面を検知、液面から一定の距離だけ試料中に突込み、例えば分析項目A測定用の試料をサンプルプローブ3で吸引しその後、反応容器7に吐出する。試料の吐出が完了すると反応ディスク8が半回転し停止する。一方試薬ピペッティング機構はサンプリング機構が反応容器7に試料の吐出を行っているとき、試薬ピペッティング機構5aが動作を開始し試薬ディスク6aに架設した分析項目Aの第一試薬を試薬プローブ24aによって吸引する。反応ディスク8が停止すると試薬プローブ24aは反応容器7上に移動して吸引した試薬を吐出した後、攪拌機構9aが作動して試料と試薬を攪拌する。試薬プローブ24aはプローブ洗浄槽でプローブの内壁と外壁が洗浄され、次の分析項目Bの第一試薬分注に備える。試薬の吐出が完了すると反応ディスク8が半回転+1反応容器分回転する。測光は反応ディスク8の回転時、反応容器7が光束14を横切ったときに行われる。第一試薬が添加されてから反応ディスクが1回転+1反応容器分回転すると攪拌機構9aが作動して試料と試薬を攪拌する。反応容器7が試料分注位置から10回転+10反応容器分回転した位置、すなわち第二試薬分注位置まで進むと第二試薬が試薬プローブ24bから添加されその後攪拌機構9bにより攪拌が行われる。反応ディスク8によって反応容器7は次々と光束14を横切りそのつど吸光度が測定される。これらの吸光度は10分の反応時間において計20回の測光が行われる。測光を終えた反応容器7は反応容器洗浄機構10により洗浄され次の試料の測定に備える。測定した吸光度は中央処理装置12で濃度あるいは酵素活性値に換算されプリンタ19から分析結果が出力される。
【0020】
以上の動作、操作において、分析部41の動作内容、分析情報や状態は、インターフェース25を介して操作部20に送信され、記憶装置28に記憶させる。また、操作部20で表示した画面、入力内容、設定パラメータなどの操作内容も記憶装置28に記憶させる。
【0021】
一方、図1において36は、サービスセンターのサポート部である。
【0022】
サポート部36は、データを入力するためのキーボード38、マウス39、データを表示するための表示装置37、操作部で表示した画面、入力内容、設定パラメータなどの自動分析装置固有の動作状況、分析情報などを記憶するための記憶装置40、有線または無線通信でサポート部36に接続されている電話機43などの周辺機器で構成されている。
【0023】
操作部20は、モデム、ダイヤルアップ・ルーター等の公衆回線/専用線接続通信機器30に有線または無線インターフェース29を介して接続され、公衆回線/専用線接続通信機器30は、インターフェース31を介して公衆回線(または専用線)32に接続される。サポート部36から、モデム、ダイヤルアップ・ルーター等の公衆回線/専用線接続通信機器34に有線または無線インターフェース35を介して接続され、公衆回線/専用線接続通信機器34は、インターフェース33を介して公衆回線(または専用線)32に接続される。これらの接続形態により、操作部20とサポート部36の分析情報の送受信を行う。
【0024】
このような自動分析装置における本発明の実施例を説明する。
【0025】
測定結果が異常である場合、その原因として考えられるのは1.試料に由来する原因、2.試薬に由来する原因、3.装置に由来する原因の3つが挙げられる。試料に由来する原因としては、サンプルカップ1の試料中にフィブリンが析出しサンプルプローブ3が所定の試料量を吸引する際に所定量を吸引できなかった、サンプルカップ1の試料表面に気泡がありサンプルプローブ3が試料液面を検知した際に気泡の表面を液面と誤検知し所定の試料量を吸引できなかった、等が考えられる。試薬に由来する原因としては、試薬ディスク6a、6bに架設されている試薬が劣化して所定の分析性能が得られなかった、試薬ディスク6a、6bに試薬を架設する際に架設位置を間違えた等の架設ミス、試薬そのものの調整ミスがあり所定の分析性能が得られなかった、等が考えられる。自動分析装置に由来する原因としては、試薬ピペッティング機構5a、5bにより試薬プローブ24a、24bを介して試薬の吸引、反応容器7への吐出を行う際に、試薬プローブ24a、24bが当該試薬を吸引する直前に吸引、吐出した他の試薬が、試薬プローブ24a、24b内に残留し当該試薬にキャリーオーバすることにより分析化学的に影響を受けた、反応容器7内の反応液を撹拌機構9a、9bが撹拌する際に、撹拌機構9a、9bが当該反応液を撹拌する直前に撹拌した他項目の反応液が、撹拌機構9a、9b表面に残留し当該反応液にキャリーオーバすることにより分析化学的に影響を受けた、反応容器7を用いて分析を行う際に、当該反応容器でその前に分析されていた他項目の反応液が反応容器洗浄機構10で洗浄された後も反応容器7内に残留し当該反応液にキャリーオーバすることにより分析化学的に影響を受けた、等が考えられる。
【0026】
図2は試薬分注順序の一例を示す図である。試薬分注順序201にしたがって昇順に分注される。
【0027】
図2を使い実際の試薬キャリーオーバについて説明する。試料番号1の項目C 202での測定結果に異常が認められた場合、試薬のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられる試薬は項目B 203であり、試料番号3の項目B204での測定結果に異常が認められた場合、試薬のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられる、試料番号2の試薬は項目G 205になる。
【0028】
このように異常が認められた項目の前に分注されている項目がすぐにわかれば、異常がある項目が全て項目Cであった場合、その項目に関して調べていきその項目の分注前には必ず項目Bが来ていたならば原因が項目Bから項目Cに対する試薬キャリーオーバが原因だと推定でき、早期問題解決に結びつけることができる。
【0029】
図3は反応容器の使用来歴の一例を示す図である。
【0030】
図3を使いセルキャリーオーバについて説明する。反応容器ラウンド2の反応容器番号3での項目G 301測定結果に異常が認められた場合、反応容器のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられるのは項目C302であり、反応容器ラウンド3の反応容器番号4での項目D303測定結果に異常が認められた場合、反応容器のキャリーオーバによる影響があったとすればその原因として考えられるのは項目A304になる。
【0031】
例えば、異常がある項目が全て項目Gであった場合、図2で説明した試薬キャリーオーバに関して調査した結果共通性が見出されなかった場合、次にセルキャリーオーバに着眼して調査した結果必ず1ラウンド前に同じ反応容器に項目Cが使用されていたならば原因が試薬Cから試薬Gに対するセルキャリーオーバが原因だと推定できる。
【0032】
また、反応容器番号6番305の反応容器だけがヒビ割れ、曇りなどの劣化する現象が発生したならばその原因として考えられるのは、反応容器番号6番305で使用されている項目は、ラウンド1〜3まではすべて項目Fであることから、項目Fの試薬成分が反応容器に対して悪影響を及ぼしていることが推定できる。以上のように反応容器の使用来歴情報は、異常データの原因を推測する上で重要なファクターになる。
【0033】
図4は分析条件表示内容の一例を示す図である。
【0034】
測定項目の分析条件として重要なのは試料量401、試薬量402、測定波長403であり、特に試料量401は条件により標準量404、減量405、増量406の3条件から任意に選択することが可能であり、当該項目の測定時にどのような条件で測定したかは重要な情報となる。図4では当該測定検体の測定項目Aの試料量が減量405モードつまり、2.5ul分注で測定されたことからがわかるように反転表示されている。
【0035】
図5は反応過程吸光度情報表示の一例を示す図である。
【0036】
反応過程吸光度情報は反応時間内つまり測光ポイント501がどのように吸光度502が変化していったのかを示す重要な情報である。例えば、攪拌不良による攪拌不足を生じれば反応過程吸光度503は乱れた挙動を示すことから原因を突き止められる。
【0037】
図6は、測定結果異常が発生した場合に原因を解析するために必要な情報内容の一例を示す図である。
【0038】
使用者は測定結果異常が発生した場合、図2〜図5で説明した理由により、各分析情報を駆使しいち早く原因究明し、対策対応しなければならない。
【0039】
以上のような背景から自動分析装置は測定情報を測定した全ての検体、測定項目において、測定結果の分析情報として記憶し、これら情報を簡潔に確認できなければならない。
【0040】
図7は、図6に示した各種分析情報を一画面に集約して一括で確認することが可能な画面の一例を示す図である。
【0041】
試料番号、試料ID番号701は、測定した試料の試料番号あるいは試料のID番号を表示する。測定日時702は、本測定項目を測定したときの日時を表示する。測定項目703は本測定項目名例えばASTを表示する。分析条件704は「表示する」ボタンを入力することにより、図4で示した分析条件を表示する。試薬分注順序情報は、本項目試薬分注前に分注された項目名を表示する。例えば本項目であるASTの第一試薬分注前に分注された項目はBUN705であり、第二試薬分注前に分注された項目はBUN706であることを示している。攪拌俸攪拌順序情報は、本項目の試料と試薬を攪拌する前に攪拌した項目名を表示する。本例の場合は、本項目ASTの試料と試薬を攪拌する前の項目は、第一、第二試薬分注後の攪拌ともにBUN707、708を示す。反応容器番号と使用来歴は、本項目で使用した反応容器番号709は115番であり、115番の反応容器において本項目に使用する前のラウンドでの測定項目710を意味し、本例ではTGを測定したことを示す。反応過程吸光度情報は「表示する」711を入力することにより図5で示した情報を表示する。試薬ロット、試薬ボトルサイズ、有効期限情報は、本項目AST試薬のロット番号712、試薬ボトルサイズ(容量)713、試薬の有効期限714を表示する。試薬残テスト情報715は、本試料測定時のAST試薬の測定可能な残テスト数を示す。キャリブレーション情報は、本試料測定時のAST項目のキャリブレーション値を示す。S1ABS値716とKファクタ値717を表示する。キャリブレーション実施情報は、キャリブレーション716、717が実施された日付を示す。精度管理試料測定結果、日時は、本項目ASTのリアルタイムQCで登録されているニ種類の精度管理試料の測定値719,720と日付721を表示する。精度管理試料測定結果と日時は、キャリブレーション情報716、717適用時の最新の精度管理試料測定結果を意味する。アラーム情報は、本試料における本項目測定時に発生したアラーム情報722を表示する。なお複数発生した場合はプールダウンキーを押すことにより表示される。
【0042】
この一画面に集約された分析情報画面により使用者は、異常データの原因を究明するための分析情報を、安易に早く収集することができる。
【0043】
図8は、システムパラメータ画面の一例を示す図である。
【0044】
本画面の分析詳細データ設定801を入力することで図9に示す分析詳細データ設定を表示する。
【0045】
図9は分析情報表示内容確認画面の一例である。
【0046】
本画面は、図6で示した各種分析情報内容で必要な情報だけを一つあるいは二つ以上選択して、その情報だけを測定結果毎に図7で示した画面に表示させるための、選択内容確認画面である。
【0047】
本画面の一括詳細名901に設定した組合せ名を表示するリストボックス902を示し、リストボックス902上ではカーソル903が表示され、そのカーソルが表示されている組合せ内容が分析情報項目904としてリストボックス905に表示されている。各種分析情報の選択方法は、リストボックス902上の例えばカーソル903に合わせ、編集906を入力し、編集画面を表示させる。
【0048】
図10は、図9で示した各種分析情報内容を選択するための画面の一例を示す図である。
【0049】
本画面の一括詳細名1001で、使用者は設定名を自由に入力する。分析情報項目リスト1002のリストボックス1003上から設定したい項目をカーソル1004で選択する。一括詳細データリスト1006上に表示させたい順番の個所にカーソル1007を合わせてから追加1005を入力すると一括詳細データリスト1006上のリストボックス1007に移動する。項目を削除させたい場合は削除させたい項目をリストボックス1007上からカーソル1007で選択し、削除1009を入力し削除する。一通り編集が終了し項目を登録したい場合は登録1010を入力し、設定内容を無効にしたい場合は削除1011を入力する。
【0050】
これにより使用者は、分析情報として図7で示した画面に必要な情報だけを測定結果毎に一画面に簡潔表示できる。
【0051】
図11は、指定した分析項目に関しての各分析情報を、通常の記憶装置に記憶される測定結果とは別に専用の分析情報記憶装置に強制的に保存するための画面の一例を示す図である。
【0052】
専用の情報記憶装置に保存された情報は電源の切断による消去、通常の記憶装置のようなデータの上書きあるいは使用者によるデータ削除などハード的制約または使用者によるデータの削除・編集が通常の操作画面からはできないようになっている。アプリケーション画面の分析項目のリストボックス1101上から設定したい項目1102にカーソルを合わせるとアプリケーション情報1103として表示される。専用メモリ格納のラジオボタン1104をチェックすると、当該項目1102の分析情報が、専用の分析情報記憶装置に保存される。なお本設定をむやみに開放すると専用の分析情報記憶装置の記憶容量オーバーをまねく恐れがあるため、例えば設定許可者は自動分析設計者、サービスマンなど認められた使用者にか開放しない。これにより異常原因解析時に既に分析情報が消去されてしまっていたなどの理由により、原因を特定できなくなることを防ぐことができる。
【0053】
図12は、自動分析装置で測定した結果を表示する測定結果画面の一例を示す図である。
【0054】
まず測定結果画面に表示するデータが保存されている記憶装置を選択する。記憶装置選択ボックス1201から「通常」、「専用」、「両方」を選択できる。通常は通常の記憶装置に保存された測定データ、専用は異常データ、再検データ、指定項目のデータを強制的に保存するための専用の記憶装置で使用者は勝手に消去できない測定データ、両方は両方の記憶装置に保存されている全ての測定データを意味する。試料情報リストボックス1202には、検体番号、患者ID、日付/時刻を表示し、リストボックス1202上にはカーソル1203が表示され、カーソルが表示されている試料の測定結果がリストボックス1204に表示される。表示内容は項目名、結果、アラーム、単位が表示される。リストボックス1204上のカーソル1205で選択されている項目の分析情報を確認するには詳細情報1206を入力することにより、図7に示した分析情報を1画面で簡潔に確認できる。また測定データ検索1207を入力すると図13に示す測定データ検索画面が表示される。
【0055】
図13は、各分析情報を一つあるいは二つ以上選択して、その組合せでの情報をキーとして該当する測定結果を測定結果のなかから抽出し、図12示す画面に表示させるための測定データ検索画面の一例を示す図である。
【0056】
使用者は、表示のラジオボタン1301から「検索結果」または「全て」を選択することができる。検索項目のラジオボタン1302では、記憶装置の種類を、通常、専用、両方から選択できる。以下検索したい検索条件のラジオボタンのチェックマークを付け条件を絞り、最後に実行ボタン1303を入力する。例えば測定データの異常原因が図2で示した試薬キャリーオーバが疑わしい場合、今まで測定した結果から影響を与える項目「BUN」から影響を受ける項目「AST」の組合せのデータを調査したいとする。この場合、測定項目のラジオボタン1304をチェックし、コンボボックスで「AST」1305を選択し、同じく試薬分注順序情報のラジオボタン1306をチェックし、コンボボックスで「BUN」1307、1308を選択し、実行ボタン1303を入力すると、BUNからASTの組合せがあった試料のデータが抽出され図12の測定結果画面に表示される。
【0057】
このように使用者は、異常データの原因の調査や検証などを目的に、測定結果から指定した分析条件で測定された結果を簡単に抽出することができる。
【0058】
図14に、分析情報の記憶装置への格納フローについて以下に説明する。
【0059】
まずステップ1401、1402として、測定を実施し測定結果に関する分析情報が得られる。
【0060】
ステップ1403として、再検査を実施した項目の有無を確認する。具体的に再検査とは、その試料を供する被検者の前回検査時の測定結果と今回の測定結果を比べ、その差が大きい理由などにより再検査を実施する。再検査を実施するか否かは予め分析パラメータで再検を実施する濃度範囲を設定しておく。
【0061】
ステップ1404として、測定結果に予め設定しておいたチェック機能において異常が認められアラームが付加されているかの有無を確認する。
【0062】
ステップ1405として、図11に示した専用の分析情報格納記憶装置への保存指定項目かどうかを確認する。なお本設定は記憶装置の情報格納容量の関係から認められた使用者にしか開放しない。例えば、パスワードで制限されたサービスマンモードでログオンしたときまたはディップSWの「ON」「OFF」により開放するようにする。
【0063】
ステップ1406、1407、1408、1409として、ステップ1403、1404、1405で“YES”になった情報に関して後日詳細を確認する必要が生じることが考えられるため、自動的に専用の測定情報格納メモリ上にコピー記憶され、通常の記憶装置に測定データとして記憶されている測定結果を消去しても分析情報は消去されない。
【0064】
ステップ1410として、記憶装置の記憶容量の関係から測定結果の累積データ数が例えば10000検体以上かどうか判定する。10000検体以上の場合、ステップ1411に進み測定データを削除しなければそれ以上データを格納することができない。これによりステップ1412として、削除された検体の分析情報は閲覧不可となる。
【0065】
10000検体未満であればステップ1413に進み、任意で分析データ削除の実施可否を選択できる。削除しなかった場合ステップ1414として、図13に示す「詳細情報」1306を入力することにより図7に示す各種分析情報を一画面で簡潔に確認することができる。
【0066】
また、使用者が異常原因を特定できないため、原因究明をサービスセンターに依頼した場合、正確な情報を迅速、簡便に提供する必要がある。サービスセンターへ送るべき分析情報を図13の測定データ検索画面で設定したのち、図12に抽出された測定データが表示される。サービスセンターに送信したい試料の範囲をリストボックス1302上のカーソル1303で範囲指定し送信1308を入力することにより、抽出された試料の必要な情報がサービスセンターのサポート部に送信され、サービスセンターにあるサポート部36の表示装置37で図7に示した各種分析情報を確認することができる。このようにサービスマンは現地に行かなくても必要な分析情報を迅速・正確に収集でき原因を究明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の試薬分注順序例。
【図3】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の反応容器使用来歴例。
【図4】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の項目Aの分析条件例。
【図5】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の反応過程吸光度情報例。
【図6】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の測定異常の原因を究明するために必要な情報例。
【図7】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報の画面表示例。
【図8】本発明の実施形態に係わる自動分析装置のシステムパラメータの画面表示例。
【図9】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報表示内容の確認画面表示例。
【図10】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報内容を選択するための画面表示例。
【図11】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報専用の記憶装置に記憶させるための画面表示例。
【図12】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の測定結果の画面表示例。
【図13】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の測定データ検索画面表示例。
【図14】本発明の実施形態に係わる自動分析装置の分析情報の記憶装置への格納するためのフロー図。
【符号の説明】
【0068】
1…サンプルカップ、2…サンプルディスク、3…サンプルプローブ、4…サンプリング機構、5…試薬ピペッティング機構、6…試薬ディスク、7…反応容器、8…反応ディスク、9…攪拌機構、10…反応容器洗浄機構、11…光度計、12…中央処理装置(マイクロコンピュータ)、13…光源ランプ、14…光束、15…試料吐出位置、16…マルチプレクサ、17…対数変換増幅器、18…A/D変換器、19…印刷装置、20…操作部、21…試薬分注機構駆動回路、22,25,31,33…インターフェース、23…表示装置、24…試薬プローブ、26…キーボード、27…マウス、28…記憶装置、29,35…有線または無線インターフェース、30,34…公衆回線/専用線接続通信機器、32…公衆回線または専用線、36…サービスセンターのサポート部、37…サービスセンターサポート部の表示装置、38…サービスセンターサポート部のキーボード、39…サービスセンターサポート部のマウス、40…サービスセンターサポート部の記憶装置、41…分析部、42…電話機、43…サービスセンターサポート部の電話機、201…試薬分注順序、202…試料番号1の項目C、203…試料番号1の項目B、204…試料番号3の項目B、205…試料番号2の項目G、301…反応容器番号3のラウンド2の項目G、302…反応容器番号3のラウンド1の項目C、303…反応容器番号4のラウンド3の項目D、304…反応容器番号4のラウンド2の項目A、305…反応容器番号6、306…反応容器番号6のラウンド1の項目F、307…反応容器番号6のラウンド2の項目F、308…反応容器番号6のラウンド3の項目F、401…試料量、402…試薬量、403…測定波長、404…標準モード、405…減量モード、406…増量モード、501…測光ポイント、502…吸光度、503…反応過程吸光度、701…試料番号、試料ID番号、702…測定日時、703…測定項目、704…分析条件、705…試薬分注順序情報 第1試薬 BUN、706…試薬分注順序情報 第2試薬 BUN、707…攪拌俸攪拌順序情報 第1試薬分注後 BUN、708…攪拌俸攪拌順序情報 第2試薬分注後 BUN、709…反応容器番号、710…反応容器の使用来歴、711…反応過程吸光度情報、712…試薬ロット、713…試薬ボトルサイズ、714…有効期限情報、715…試薬残テスト情報、716…キャリブレーション情報 S1ABS、717…キャリブレーション情報 Kファクタ、718…キャリブレーション実施情報、719…精度管理試料測定結果 C1、720…精度管理試料測定結果 C2、721…精度管理試料測定結果日時、722…アラーム日時、801…分析詳細データ編集キー、901,1001…一括詳細名、902…一括詳細名のリストボックス、903…一括詳細名のリストボックス上のカーソル、904…分析情報項目、905…分析情報項目のリストボックス、906…編集、1002…分析情報項目リスト、1003…分析情報項目リストのリストボックス、1004…分析情報項目リストのリストボックス上のカーソル、1005…リストの追加、1006…一括詳細データリスト、1007…一括詳細データリストのリストボックス、1008…一括詳細データリストのリストボックス上のカーソル、1009…リストの削除、1010…登録、1011…削除、1101…分析項目のリストボックス、1102…分析項目のリストボックス上のカーソル、1103…アプリケーション情報のリストボックス、1104…専用メモリ格納、1201…記憶装置選択ボックス、1202…試料情報リストボックス、1203…試料情報リストボックス上のカーソル、1204…結果のリストボックス、1205…結果のリストボックス上のカーソル、1206…詳細情報、1207…測定データ検索、1208…送信、1301…表示、1302…検索項目、1303…実行、1304…測定項目のラジオボタン、1305…試薬分注順序情報のラジオボタン、1306…測定項目名、1307…試薬分注順序情報の第1試薬名、1308…試薬分注順序情報の第2試薬名、1401〜14142…フローステップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、測定項目の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌順序情報、使用した反応容器の番号情報、反応容器の使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、アラーム情報のうちから、表示する情報を選択する選択手段と、
該選択手段により選択された情報を試料番号あるいはID番号をキー情報として測定結果毎に同一画面上に表示する表示手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
試料番号、ID番号情報、測定項目の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌順序情報、使用した反応容器の番号情報、反応容器の使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、アラーム情報の中から一つあるいは二つ以上の条件を設定する設定手段と、該設定手段により設定された条件に該当する検体番号、ID番号または分析項目を抽出する抽出手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動分析装置において、
自動分析装置の操作部に外部との通信回線を備え、操作部から収集した一連の情報を外部に送信する送信手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項1】
少なくとも、測定項目の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌順序情報、使用した反応容器の番号情報、反応容器の使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、アラーム情報のうちから、表示する情報を選択する選択手段と、
該選択手段により選択された情報を試料番号あるいはID番号をキー情報として測定結果毎に同一画面上に表示する表示手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
試料番号、ID番号情報、測定項目の分析条件情報、試薬分注順序情報、攪拌順序情報、使用した反応容器の番号情報、反応容器の使用来歴情報、反応過程吸光度情報、使用した試薬の試薬情報、キャリブレーション情報、アラーム情報の中から一つあるいは二つ以上の条件を設定する設定手段と、該設定手段により設定された条件に該当する検体番号、ID番号または分析項目を抽出する抽出手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動分析装置において、
自動分析装置の操作部に外部との通信回線を備え、操作部から収集した一連の情報を外部に送信する送信手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−58129(P2008−58129A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234856(P2006−234856)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【出願人】(000233550)株式会社日立ハイテクサイエンスシステムズ (112)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【出願人】(000233550)株式会社日立ハイテクサイエンスシステムズ (112)
【Fターム(参考)】
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