説明

自動分析装置

【課題】分析パラメータの設定が容易な自動分析装置を提供する。
【解決手段】分析部18で使用可能な試薬を識別するための試薬情報に、この試薬情報の試薬を用いて測定するための前記試薬情報の試薬の量を含む分析パラメータを関連付けて保存する分析情報記憶部21と、第1試薬を収容する試薬容器6に記されたその試薬容器6内の試薬を識別するための試薬情報を読み取るリーダ1bと、分析部18で測定するために用いる試薬に関連する分析パラメータを設定する分析パラメータ設定部23とを備え、分析パラメータ設定部23は、リーダ1bにより読み取られた試薬情報と同じ情報が分析情報記憶部21に保存されている場合、その同じ情報に関連する分析パラメータを分析情報記憶部21から読み出して設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体から採取された被検試料の成分を分析する自動分析装置に係り、特にヒトの血液や尿などの体液中に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は生化学検査項目や免疫検査項目などを対象とし、被検試料と各検査項目に該当する試薬との混合液を、反応によって生ずる色調などの変化を測定することにより、被検試料中の様々な成分の濃度や酵素の活性を求める。そして、測定の手順は、先ず各検査項目の試薬を収容した試薬容器を試薬庫内の設定位置へ収納してから、検査に応じて選択された検査項目の測定が開始される。被検試料及び試薬をサンプル及び試薬分注プローブを用いて反応容器に分注し、反応容器に分注された被検試料及び試薬の混合液を撹拌子で撹拌し、撹拌された混合液を測光部等で測定する。
【0003】
この自動分析装置では、測定可能な検査項目の数の増加に伴い、試薬庫へ収納する試薬容器の数が増加しているため、試薬不足の試薬容器を取り外して、未使用の試薬容器を試薬庫内へ収納するときに設置位置を間違えてしまう問題が発生している。この問題に対して、試薬の情報に対応したバーコードラベルを試薬容器に貼付し、これを試薬庫に備えたバーコードリーダが読み取ることによって試薬庫のどの位置に試薬容器を置いても、正しく試薬を選別できる自動分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、検査項目毎に多数のメーカで製造された多数の試薬が市販されている。このため、自動分析装置を導入した施設では、据付時に多数の検査項目の多数の試薬の中からその施設に適切な試薬の選定作業が行われる。また、自動分析装置で検査が行われている施設においても、自動分析装置で使用可能になった新しい検査項目への取り組みが行われている。そして、自動分析装置で新たな試薬を用いて測定できるようにするためには使用する被検試料等のサンプルの量、試薬の量、波長等の分析パラメータを設定する必要がある。市販化された試薬には、試薬毎にこの試薬に最適な分析パラメータが準備されており、この分析パラメータを装置に設定して各検査項目の測定が行われる。
【特許文献1】特許第3300704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、試薬毎に分析パラメータを手入力で行う必要があり、入力操作に手間が掛かる問題がある。また、多数の試薬を使用する場合には分析パラメータの入力ミスを犯す恐れがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、分析パラメータの設定が容易な自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、被検試料及びこの被検試料の検査項目に該当する試薬の混合液を測定する分析手段を備えた自動分析装置において、前記分析手段で使用可能な試薬を識別するための試薬情報に、この試薬情報の試薬を用いて測定するための分析パラメータを関連付けて保存する分析情報記憶手段と、前記試薬を収容する試薬容器に記されたその試薬容器内の試薬を識別するための試薬情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた試薬情報と同じ情報が前記分析情報記憶手段に保存されている場合、その同じ情報に関連する分析パラメータを前記分析情報記憶手段から読み出して、前記同じ情報の試薬を用いて前記分析手段で測定するためのパラメータとして設定する分析パラメータ設定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用可能な試薬を識別するための試薬情報にこの試薬を用いて測定するための分析パラメータを関連付けて保存する記憶部を設け、測定に使用する試薬容器に記された試薬情報を読み取ることにより、読み取った試薬情報に関連する分析パラメータを前記記憶部から読み出して設定することができる。これにより、分析パラメータを設定する手間を削減することができる。また、分析パラメータを設定するときの入力ミスを防ぐことが可能となり、精度よく測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図10を参照して説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料、各検査項目のデータを管理するための管理試料、被検体から採取された被検試料等のサンプルを検査項目毎に該当する試薬を用いて測定するための分析ユニットを有する分析部18と、分析部18で使用可能な試薬を識別するための試薬情報の登録及び登録した試薬情報に関連するサンプルの量や試薬の量等の分析パラメータを設定する分析情報部20と、分析部18における各分析ユニットを分析情報部20で設定された分析パラメータに基づいて制御する分析制御部40とを備えている。
【0011】
また、標準試料、管理試料、被検試料等の測定により分析部18から出力される標準試料データ、管理試料データ、被検試料データ等を処理して検量線の作成や分析データの生成を行うデータ処理部50と、データ処理部50で作成された検量線や、生成された分析データを出力する出力部60と、各種コマンド信号の入力などを行う操作部70と、分析情報部20、分析制御部40、データ処理部50、及び出力部60を統括して制御するシステム制御部80とを備えている。
【0012】
図2は、分析部18の構成を示した斜視図である。この分析部18は、標準試料、管理試料、被検試料等のサンプルを収容した試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ5と、サンプルに含まれる各検査項目の成分と反応する1試薬系及び2試薬系の第1試薬を収容した試薬容器6を回動可能に保持するラック1a、及びこのラック1aに保持された試薬容器6に記されたこの試薬容器6内の第1試薬を識別するための検査項目の識別情報(検査項目情報)を含む複数の識別情報により構成される試薬情報を読み取るリーダ1bを有する第1試薬庫1とを備えている。
【0013】
また、2試薬系における第1試薬と対をなす第2試薬を収容した試薬容器7を回動可能に保持するラック2a、及びこのラック2aに保持された試薬容器7に記されたこの試薬容器7内の第2試薬を識別するための検査項目情報を含む複数の識別情報により構成される試薬情報を読み取るリーダ2bを有する第2試薬庫2と、試料容器17からサンプルを吸引して反応容器3に吐出する分注を行うサンプル分注プローブ16と、第1試薬庫1の試薬容器6から第1試薬を吸引して反応容器3に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ14とを備えている。
【0014】
更に、第2試薬庫2の試薬容器7から第2試薬を吸引してこの第2試薬と対を成す第1試薬が収容された反応容器3に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ15と、サンプル分注プローブ16並びに第1及び第2試薬分注プローブ14,15を夫々回動及び上下動可能に保持するサンプル分注アーム10並びに第1及び第2試薬分注アーム8,9とを備えている。そして、第1及び第2試薬庫1,2の各リーダ1b,2bにより読み取られた各試薬情報は分析情報部20に出力される。
【0015】
更に、サンプル及び第1試薬、又はサンプル、第1試薬、及び第2試薬を収容する反応容器3と、円周上に複数配置された反応容器3を回転移動可能に保持する反応ディスク4と、反応容器3に収容されたサンプル及び第1試薬の混合液や、サンプル、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する撹拌ユニット11と、各混合液を収容した反応容器3を測定する測光部13と、反応容器3内の測定を終えた各混合液を吸引すると共に反応容器3内を洗浄する洗浄ノズル及び乾燥する乾燥ノズルを上下移動可能に保持する洗浄ユニット12とを備えている。
【0016】
そして、測光部13は回転移動している測光位置の反応容器3に光を照射し、設定された観測時間(測光ポイント)に標準試料を含む混合液を透過した光の設定波長における吸光度(標準試料データ)を生成する。また、管理試料や被検試料を含む混合液を透過した光の設定波長における吸光度(管理試料データや被検試料データ)を生成する。生成した標準試料データ、管理試料データ、被検試料データはデータ処理部50に出力される。更に、測定後の反応容器3、サンプル分注プローブ16、第1及び第2試薬分注プローブ14,15、撹拌ユニット11などの各分析ユニットは、洗浄された後、再び測定に使用される。
【0017】
図1の分析情報部20は、分析部18で使用可能な試薬の試薬情報にこの試薬情報の試薬を用いて測定するための分析パラメータを関連付けて保存する分析情報記憶部21と、分析部18における各第1及び第2試薬庫1,2のリーダ1b,2bから出力された試薬情報を登録する登録部22と、登録部22で登録された試薬情報の試薬を用いて分析部18で測定するための分析パラメータを設定する分析パラメータ設定部23とを備えている。
【0018】
各検査項目の試薬を用いて分析データを生成した場合、例えば試薬の粘性や泡立ち等の物性や、試薬がサンプル中の検査項目成分と反応したときの化学的性質等の試薬特性により、分析データが許容範囲から外れる試薬がある。このような分析データを生成する試薬を、分析部18で使用不可能な試薬とする。また、分析データが許容範囲に入る試薬を使用可能な試薬とする。使用可能か否かを予め確認して、分析部18で使用が可能であると判断した試薬の試薬情報及び分析部18で使用可能と判断したときの分析パラメータが分析情報記憶部21に保存されている。
【0019】
登録部22は、リーダ1b,2bからの検査項目名である総蛋白質(TP)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)等の検査項目情報を含む複数の識別情報により構成される試薬情報と同じ情報が分析情報記憶部21に保存されていない場合、その試薬情報の試薬を測定に使用することができないことを知らせるための警告情報をシステム制御部80に出力する。システム制御部80では、登録部22からの警告情報を出力部60に出力する。
【0020】
分析パラメータ設定部23は、登録部22から出力された試薬情報が複数であり、同じ検査項目情報を2つ以上の試薬情報が含んでいる場合、警告するために同じ検査項目情報を含む複数の試薬情報をシステム制御部80に出力する。システム制御部80では、分析パラメータ設定部23からの警告情報である同じ検査項目情報を含む複数の試薬情報を出力部60に出力する。
【0021】
分析制御部40は、分析部18の各分析ユニットを駆動する機構を備えた機構部41と、分析情報部20の分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータに基づいて、機構部41の各機構を駆動させて分析部18の各分析ユニットを制御する制御部42とを備えている。
【0022】
機構部41は、第1試薬庫1のラック1a、第2試薬庫2のラック2a、及びディスクサンプラ5を夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、及び撹拌ユニット11を夫々回動及び上下移動する機構、洗浄ユニット12を上下移動する機構等を備えている。
【0023】
また、サンプルの吸引及び吐出をサンプル分注プローブ16に行わせるサンプル分注ポンプを吸引及び吐出駆動する機構、第1及び第2試薬の吸引及び吐出を第1及び第2試薬分注プローブ14,15に行わせる第1及び第2試薬ポンプを夫々吸引及び吐出駆動する機構、撹拌ユニット11の撹拌子を撹拌駆動する機構、洗浄ユニット12の洗浄ノズルに混合液の吸引や洗浄液の吐出及び吸引を行わせる洗浄ポンプを駆動する機構、洗浄ユニット12の乾燥ノズルに吸引を行わせる乾燥ポンプを駆動する機構等を備えている。
【0024】
データ処理部50は、分析部18から出力された標準試料データ、管理試料データ、被検試料データ等から検量線の作成や分析データの生成を行う演算部51と、演算部51で作成された検量線や生成された分析データなどを保存するデータ記憶部52とを備えている。
【0025】
演算部51は、分析部18の測光部13から出力された各検査項目の標準試料データから検量線を作成してデータ記憶部52に保存すると共に出力部60に出力する。なお、厳密には分析情報部20の分析パラメータ設定部23により設定された分析パラメータ毎に検量線を作成してデータ記憶部52に保存する。
【0026】
また、分析部18の測光部13から出力された管理試料データや被検試料データの検査項目に対応する検量線をデータ記憶部52から読み出す。次いで、読み出した検量線を用いてその管理試料データや被検試料データから濃度や活性値などの分析データを生成し、生成した分析データをデータ記憶部52に保存すると共に出力部60に出力する。
【0027】
データ記憶部52は、ハードディスクなどを備え、演算部51から出力された検量線を検査項目毎に保存し、演算部51から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
【0028】
出力部60は、データ処理部50から出力された検量線や分析データなどを印刷出力する印刷部61及び表示出力する表示部62と、システム制御部80から出力された警告情報等を音声出力する音声部63とを備えている。そして、印刷部61は、プリンタなどを備え、データ処理部50から出力された検量線、分析データなどを予め設定されたフォーマットに基づいて、プリンタ用紙に印刷出力する。
【0029】
表示部62は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、データ処理部50から出力された検量線や分析データを表示する。また、分析情報部20の分析情報記憶部21に保存された試薬情報及び分析パラメータにより構成される分析情報一覧画面、分析情報部20の登録部22で登録された試薬情報により構成される試薬情報登録画面、分析情報部20の分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータにより構成される分析パラメータ設定画面、管理試料や被検試料毎に分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータを選択するための分析パラメータ選択画面等を表示する。更に、システム制御部80から出力される登録部22や分析パラメータ設定部23の警告情報を表示する。
【0030】
音声部63は、スピーカやブザーなどを備え、システム制御部80から出力される警告情報を音声やブザー音により出力する。
【0031】
操作部70は、キーボード、マウス、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスを備え、各種コマンド信号、被検試料を採取した被検体の被検体IDや被検体名などの被検体情報、管理試料や被検試料毎に選択された検査項目の情報等を入力する。
【0032】
システム制御部80は、CPUと記憶回路を備え、操作部70から供給されるコマンド信号、被検体情報、管理試料や被検試料毎に選択された検査項目の情報等を記憶する。そして、これらの情報や分析情報部20の分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータに基づいて、分析部18の各ユニットを一定分析サイクルの所定の条件で動作させる制御などシステム全体の制御を行なう。
【0033】
以下、図1乃至図10を参照して、自動分析装置100の動作の一例を説明する。図3は、分析情報部20の分析情報記憶部21に保存された試薬情報及び分析パラメータにより構成される分析情報の一例を示す図である。図4は、表示部62に表示された分析情報一覧画面の一例を示す図である。図5は、分析部18における第1試薬庫1の構成を示す上面図である。図6は、試薬容器6の外観を示す図である。図7は、自動分析装置の動作を示すフローチャートである。図8は、表示部62に表示された試薬情報登録画面の一例を示す図である。図9は、表示部62に表示された分析パラメータ設定画面の一例を示す図である。図10は、表示部62に表示された分析パラメータ選択画面の一例を示す図である。
【0034】
先ず分析情報部20の分析情報記憶部21に保存された分析情報について説明する。
図3において、分析情報記憶部21には、検査項目別に分類された各検査項目A乃至Nの欄にコード化された分析情報A1乃至N1が保存されている。なお、分析部18で新たに使用可能になった分析情報を、ネットワークや、フロッピー(R)ディスク、光ディスク等の記憶媒体を介して更に保存することができるようになっている。
【0035】
検査項目Aの欄には、検査項目Aに対応する例えばk種類の試薬の分析情報A1乃至Akが保存されている。分析情報A1は、検査項目Aの例えば検査項目名の情報である検査項目情報a10a、検査項目Aの試薬を製造するメーカ名の情報であるメーカ情報a10b、並びに検査項目Aが例えば2試薬系の場合における例えばメーカの第1試薬の情報である第1試薬情報a10c及び第1試薬と対を成す第2試薬の情報である第2試薬情報a10d等の試薬情報により構成される。また、第1及び第2試薬情報a10c,a10dの試薬を用いて測定する場合のサンプル量の情報であるサンプル情報a11、第1試薬の量の情報である第1試薬量情報a12、第2試薬の量の情報である第2試薬量情報a13、2波長で測定する場合の第1波長の情報である第1波長情報a14及び第2波長の情報である第2波長情報a15、測光ポイントの情報である測光情報a16等の分析パラメータにより構成される。
【0036】
また、分析情報A2は、検査項目情報a10a、分析情報A1のメーカとは異なるメーカ名の情報であるメーカ情報a20b、第1試薬情報a20c、第2試薬情報a20d等の試薬情報により構成される。また、第1及び第2試薬情報a20c,a20dに対応するサンプル情報a21、第1試薬量情報a22、第2試薬量情報a23、第1波長情報a24、第2波長情報a25、測光情報a26等の分析パラメータにより構成される。
【0037】
更に、分析情報Akは、検査項目情報a10a、検査項目A1乃至A(k−1)のメーカとは異なるメーカ名の情報であるメーカ情報ak0b、第1試薬情報ak0c、第2試薬情報ak0d等の試薬情報により構成される。また、第1及び第2試薬情報ak0c,ak0dに対応するサンプル情報ak1、第1試薬量情報ak2、第2試薬量情報ak3、第1波長情報ak4、第2波長情報ak5、測光情報ak6等の分析パラメータにより構成される。
【0038】
検査項目Nの欄には、検査項目Aに対応する例えば1種類の分析情報N1が保存されている。分析情報N1は、検査項目Nの検査項目名の情報である検査項目情報n10a、メーカ情報n10b、検査項目Nが1試薬系である場合の第1試薬の情報である第1試薬情報n10c等の試薬情報により構成される。また、第1試薬情報nk0cに対応するサンプル情報n11、第1試薬量情報n12、試薬量が0の情報である第2試薬量情報n13、第1波長情報n14、第2波長情報n15、測光情報n16等の分析パラメータにより構成される。
【0039】
そして、分析情報記憶部21に保存された各分析情報は、操作部70からの操作により表示部62に表示される。操作部70から分析情報表示操作を行った後、例えば検査項目、メーカ、及び分析パラメータの中から少なくとも1つを選択する。そして、検査項目を選択した場合には、所望の検査項目名を選択する。また、メーカを選択した場合には、所望のメーカ名を選択する。更に、分析パラメータを選択した場合には、分析パラメータに含まれる例えばサンプル量、第1試薬量等の所望のパラメータを選択する。
【0040】
ここで、操作部70から分析情報表示操作を行った後、検査項目及びメーカを選択する。次いで、検査項目に関しては検査項目名である例えば「TP」及び「AST」等を選択し、メーカに関してはメーカ名である例えば「WJ社」及び「DS社」等を選択する操作が行われると、選択された各メーカに対応する選択された各検査項目の試薬情報により構成される分析情報一覧画面が表示部62に表示される。
【0041】
図4は、表示部62に表示された分析情報一覧画面の一例を示した図である。この分析情報一覧画面64は、「項目」及び「メーカ」の欄により構成され、「項目」の欄には検査項目名である「TP」、「AST」等が表示されている。また、「メーカ」の欄にはメーカ名である「WJ社」、「DS社」等が表示されている。
【0042】
更に「メーカ」の欄の「WJ社」に対応する「項目」の欄の「TP」のエリアには、試薬情報である「4810131・・2」が表示され、「WJ社」に対応する「AST」のエリアには「4810331・・5」が表示されている。また、「DS社」に対応する「TP」のエリアには「5030131・・4」が表示され、「DS社」に対応する「AST」のエリアには「5030331・・3」が表示されている。
【0043】
このように、分析情報記憶部21に保存された分析情報の中から所望の検査項目の試薬情報や分析パラメータを表示部62に表示させて閲覧することができる。
【0044】
次に、第1試薬庫1の構成の詳細を説明する。
図5は、第1試薬庫1の構成を示した上面図である。第1試薬庫1は、分析部18の反応ディスク4の内周の内側に配置され、円周上に放射状に載置された複数の試薬容器6を矢印R1方向に回動可能に保持する円盤状のラック1aと、試薬容器6及びラック1aを収容する試薬ケース1cと、試薬ケース1cの外側に配置され、ラック1aに保持された試薬容器6から試薬情報を読み取る例えばバーコードリーダなどのリーダ1bとを備えている。試薬容器6の外周側の面には、図6に示すように、この試薬容器6内の試薬の試薬情報が例えば一次元又は二次元バーコード表示されたラベル6aが貼付されている。
【0045】
なお、第2試薬庫2が、第1試薬庫1と異なる点は、反応ディスク4の外周の外側に配置される点と試薬容器7を収容する点である。第2試薬庫2は、第1試薬庫1と同様に構成されるので、その構成の説明を省略する。また、第2試薬庫2のラック2aに保持される試薬容器7には、試薬容器6と同様に試薬情報が表示されたラベルが貼付されている。
【0046】
次に、自動分析装置100の動作を説明する。
図7は、自動分析装置100の動作を示すフローチャートである。自動分析装置100を据付けたとき、検査項目を追加するとき、各検査項目の試薬を変更するときなど、初めて使用する第1試薬を収容した試薬容器6や第2試薬を収容した試薬容器7を第1試薬庫1のラック1aや第2試薬庫2のラック2a上に置いた後、操作部70から試薬情報登録操作が行われると、自動分析装置100は動作を開始する(ステップS1)。
【0047】
システム制御部80は、分析情報部20、分析制御部40、及び出力部60を制御して、登録動作を行わせる。なお、分析情報部20及び出力部60は、第2試薬庫2の動作に応じて第1試薬庫1の場合と同様に動作するので、以下では第2試薬庫2の動作に応じた分析情報部20及び出力部60の動作の説明を省略する。
【0048】
分析制御部40の制御部42は、機構部41を作動させて分析部18を制御する。分析部18における第1試薬庫1のラック1aは、R1方向に回動する。リーダ1bは、回動しながら通過するラック1a上の全ての試薬容器6のラベル6aから試薬情報を読み取って分析情報部20の登録部22に出力する(ステップS2)。
【0049】
登録部22は、リーダ1bから出力された例えば検査項目情報、メーカ情報、及び第1試薬情報の試薬情報と同じ情報を分析情報記憶部21に保存された各分析情報の中から検索する。そして、リーダ1bから出力された試薬情報と同じ情報が分析情報記憶部21に保存されている場合(ステップS3のはい)、その試薬情報を分析パラメータ設定部23に出力すると共にその試薬情報の試薬を分析部18で使用可能な試薬として、内部のメモリに保存して登録する(ステップS4)。リーダ1bから出力された試薬情報と同じ情報を内部メモリに保存して既に登録している場合、リーダ1bから出力された試薬情報を登録しない。また分析パラメータ設定部23へ出力しない。
【0050】
このように、初めて使用する試薬を収容した試薬容器6を第1試薬庫1のラック1a上に置いて、操作部70から登録操作を行うだけの簡単な操作で、未登録の試薬情報を登録することができる。
【0051】
また、リーダ1bから出力された試薬情報と同じ情報が分析情報記憶部21に保存されていない場合(ステップS3のいいえ)、その試薬情報の試薬を用いて測定することができないことを知らせるための警告情報を出力部60の表示部62及び音声部63に出力する(ステップS5)。その後、ステップS2へ戻る。
【0052】
なお、分析部18で使用可能な試薬の試薬情報及び分析パラメータ保存した分析情報記憶部21を備えた分析情報記憶装置を自動分析装置100の外部に設け、分析情報記憶装置と自動分析装置100間をネットワークで接続する。そして、ネットワークを介して交信してステップS3を実行するように実施してもよい。
【0053】
登録動作が終了した後、操作部70から登録情報表示操作が行われると、登録部22で登録された試薬情報が表示部62に表示される。
【0054】
図8は、表示部62に表示された試薬情報登録画面の一例を示した図である。この試薬情報登録画面65は、「項目」及び「メーカ」の欄により構成される。「項目」の欄には、登録された検査項目名である例えば「TP」、「AST」等が表示されている。また、「メーカ」の欄には、登録されたメーカ名である例えば「WJ社」、「DS社」等が表示されている。
【0055】
更に「メーカ」の欄の「WJ社」に対応する「項目」の欄の「TP」のエリアには試薬情報である「4810131・・2」が表示され、「WJ社」に対応する「AST」のエリアには登録されていないことを表す「−」が表示されている。また、「DS社」に対応する「TP」のエリアには登録されていないことを表す「―」が表示され、「DS社」に対応する「AST」のエリアには試薬情報である「5030331・・3」が表示されている。
【0056】
なお、操作部70から更新操作を行うことにより、表示部62に表示された試薬情報登録画面65に表示された試薬情報を更新し、更新した試薬情報を登録部22の内部メモリに保存することができる。
【0057】
このように、登録部22で登録された試薬情報を表示させて、分析部18で使用する試薬情報を確認することができる。
【0058】
ステップS4の後に、分析パラメータ設定部23は、登録部22から出力された試薬情報に基づいて、その試薬情報に関連する分析パラメータを設定する。そして、登録部22から出力された試薬情報が複数であり、同じ検査項目情報を2つ以上の試薬情報が含んでいる場合(図7のステップS6のはい)、警告するために同じ検査項目情報を含む複数の試薬情報を表示部62に出力する(図7のステップS7)。
【0059】
また、登録部22から出力された試薬情報が1つである場合又は登録部22から出力された試薬情報が複数であり、複数の試薬情報に含まれる検査項目情報が全て異なる場合(図7のステップS6のいいえ)、ステップS9へ移行する。
【0060】
ステップS7の後に、表示部62に表示された複数の試薬情報含まれる全ての検査項目情報が異なるように、操作部70から試薬情報に含まれる検査項目名変更操作が行われると、分析パラメータ設定部23は、同じ検査項目情報を含む試薬情報の検査項目情報を変更する(図7のステップS8)。
【0061】
なお、分析パラメータ設定部23で設定した分析パラメータが出力部60に出力されたとき、そのパラメータを検査項目情報以外で識別するのが困難なため、出力部60への出力を可能とする前にステップS6乃至S8を実行する。このステップの実行を必要とする一例をあげると、自動分析装置100に今まで検査対象外であった検査項目を導入する場合、1つの検査項目に対して例えば複数メーカの試薬を評価してから1種類の試薬を選定することがある。このとき、複数の分析パラメータに対して同じ検査項目名が出力されるのを防ぐことができる。
【0062】
ステップS6の「いいえ」又はステップS8の後に、分析パラメータ設定部23は、ステップS6の「いいえ」の場合に登録部22から出力された試薬情報、又はステップS6の「はい」で同じ検査項目情報を含んでいない試薬情報及びステップS8で表示部62に表示した試薬情報の変更操作が行われた後の試薬情報に関連する分析パラメータを分析情報記憶部21から読み出す。次いで、読み出した分析パラメータと共にこの分析パラメータの識別が可能なように登録部22から出力された試薬情報又は検査項目情報を変更した試薬情報を内部のメモリに保存して、分析部18で使用する試薬の分析パラメータとして設定する(図6のステップS9)。
【0063】
次に、操作部70から図8の試薬情報登録画面65に表示された例えば「WJ社」の「AST」の分析パラメータ設定画面を表示する操作が行われると、分析パラメータ設定部23により設定された分析パラメータ及び検査項目情報が表示部62の分析パラメータ設定画面に表示される。
【0064】
図9は、表示部62に表示された分析パラメータ設定画面の一例を示した図である。この分析パラメータ設定画面66は、「項目」、「サンプル量」、「試薬量」、「波長」、及び「測光ポイント」等の欄と、分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータを各欄に表示する各ダイアログボックス661乃至668等とにより構成される。なお、各ダイアログボックス661乃至668等に表示された各分析パラメータを、操作部70からの操作により変更することができるようになっている。
【0065】
「項目」の欄のダイアログボックス661内には、分析パラメータ設定部23で設定された試薬情報に含まれる検査項目情報である例えば「AST」が表示されている。
【0066】
「サンプル量」の欄のダイアログボックス662内には、「WJ社」の「AST」の試薬を用いて測定するときにサンプル分注プローブ16により反応容器3に分注するサンプル量(μL)である「5.0」が表示されている。
【0067】
「試薬量」の欄における「第1試薬」の欄のダイアログボックス663内には、第1試薬分注プローブ14により反応容器3に分注する第1試薬の量(μL)である「150」が表示されている。また、「第2試薬」の欄のダイアログボックス664内には、第2試薬分注プローブ15により反応容器3に分注する第2試薬の量(μL)である「50」が表示されている。
【0068】
「波長」の欄における「波長1」の欄のダイアログボックス665内には、「WJ社」の「AST」の色調の変化に対応する第1波長(nm)である「340」が表示されている。また、「波長2」の欄のダイアログボックス666内には、第2波長(nm)である「380」が表示されている。
【0069】
「測光ポイント」の欄のダイアログボックス667内には、「20」が表示され、ダイアログボックス668内に「29」が表示されている。ここでは、例えば被検試料を反応容器3に分注した後、その反応容器3が回転移動して1回目に分析部18の測光位置を通過するときを第1の測光ポイントとする。そして、被検試料を含む混合液を収容した反応容器3が測光位置を20回目乃至29回目に通過する各第20乃至第29の測光ポイントでの測定により測光部13で生成された10個の被検試料データに基づいて分析データが生成される。
【0070】
このように、操作部70から登録操作を行うだけの簡単な操作で、登録された試薬情報の試薬を用いて分析部18で測定するための分析パラメータとして設定することができる。
【0071】
次に、分析パラメータ設定部23により設定された分析パラメータに基づいて、この分析パラメータに対応する各検査項目の標準試料を測定することにより、作成された検量線がデータ処理部50のデータ記憶部52に保存される。そして、登録した試薬情報の試薬を確認するためのサンプルとして例えば管理試料をサンプル情報設定画面で設定した後、操作部70から分析パラメータ選択画面を表示する操作が行われると、表示部62に分析パラメータ選択画面が表示される。
【0072】
図10は、表示部62に表示された分析パラメータ選択画面の一例を示した図である。この分析パラメータ選択画面67は、サンプル情報設定画面で設定された管理試料の例えばサンプルIDを表示する「ID」の欄と、分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータに関連する試薬情報に含まれる検査項目情報を表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示されたサンプルID毎に測定する検査項目を、「項目」の欄の中から選択設定するための測定項目設定エリア67aとにより構成される。
【0073】
「ID」の欄には、サンプル情報設定画面で設定された例えば「1」及び「2」のサンプルIDが表示されている。また、「項目」の欄には、「TP」、「AST」等の検査項目名が表示されている。
【0074】
測定項目設定エリア67aにおける「ID」の欄の選択されたサンプルIDに対応する「項目」の欄の選択された検査項目名のエリアに「○」が表示され、選択されないエリアには「・」が表示される。そして、操作部70から「1」のサンプルIDに対して「TP」の検査項目名が選択されると、測定項目設定エリア67aにおける「ID」の欄の「1」に対応する「項目」の欄の「TP」のエリアに1テスト目に当たる「○」が表示される。また、「2」のサンプルIDに対して「AST」の検査項目が選択されると、「ID」の欄の「2」に対応する「項目」の欄の「AST」のエリアに2テスト目の「○」が表示される。
【0075】
分析パラメータ選択画面67で選択された後、操作部70から管理試料を測定するための測定開始操作が行われると、システム制御部80は、制御部42に管理試料の測定を指示する。分析部18は、制御部42の制御により、分析パラメータ設定部23で設定された各分析パラメータに基づいて、分析パラメータ選択画面67で設定された検査項目を測定する。
【0076】
分析部18のサンプル分注プローブ16は、分析パラメータ選択画面67で設定された1テスト及び2テスト目に対応する管理試料を各試料容器17から反応容器3に分注する。管理試料の分注後、第1試薬分注プローブ14は、1テスト及び2テスト目の検査項目に該当する第1試薬を第1試薬庫1の試薬容器6から、1テスト及び2テスト目の管理試料を収容した反応容器3に分注する。第1試薬の分注後、撹拌ユニット11は、1テスト及び2テスト目の管理試料及び第1試薬を収容した反応容器3内の混合液を撹拌する。この混合液の撹拌後、第2試薬分注プローブ15は、2試薬系の検査項目に対応する第2試薬を第2試薬庫2の試薬容器7から、管理試料及び第1試薬を収容した反応容器3に分注する。第2試薬の分注後、撹拌ユニット11は、管理試料、第1試薬、及び第2試薬を収容した反応容器3内の混合液を撹拌する。この混合液の撹拌後、測光部13は、1テスト及び2テスト目に対応する反応容器3内の混合液を測定する。そして、生成した各管理試料データをデータ処理部50の演算部51に出力する。
【0077】
演算部51は、予め作成された各検査項目の検量線をデータ記憶部52から読み出す。次いで読み出した検量線を用いて測光部13から出力された管理試料データから分析データを生成し、生成した分析データをデータ記憶部52に保存すると共に出力部60に出力する。
【0078】
洗浄ユニット12は、反応容器3内の測定を終えた混合液を吸引すると共に、反応容器3内を洗浄及び乾燥する。全ての反応容器3の洗浄及び乾燥が終了し、サンプルID「1」及び「2」の各検査項目の分析データが出力部60に出力された時点で、自動分析装置100は、動作を終了する(図7のステップS10)。
【0079】
以上述べた本発明の実施例によれば、分析部18で使用可能な試薬の試薬情報にこの試薬を用いて測定するための分析パラメータを関連付けて保存した分析情報記憶部21を設け、分析部18で使用する試薬を収容した試薬容器6を登録する操作により、その試薬容器6のラベル6aに記された試薬情報をリーダ1bにより読み取ることができる。
【0080】
そして、リーダ1bにより読み取られた試薬情報と同じ情報が分析情報記憶部21に保存されている場合で且つ登録部22で未登録である場合にその試薬情報を登録することができる。また、リーダ1bにより読み取られた試薬情報と同じ情報が分析情報記憶部21に保存されていない場合、その試薬情報の試薬を用いて測定することができないことを知らせるための警告情報を出力部60に出力することができる。
【0081】
次いで、登録部22で登録された試薬情報が複数であり、同じ検査項目情報を2つ以上の試薬情報が含んでいる場合、警告するために同じ検査項目情報を含む複数の試薬情報を表示部62に出力することができる。これにより、分析パラメータ設定部23で設定された分析パラメータを識別するための検査項目情報が複数存在することになるのを未然に防ぐことができる。
【0082】
また、登録部22で登録された試薬情報が1つである場合又は試薬情報が複数であり、複数の試薬情報に含まれる検査項目情報が全て異なる場合、登録された試薬情報に関連する分析パラメータを分析情報記憶部21から読み出して、分析部18で測定するために使用する試薬のパラメータとして設定することができる。
【0083】
これにより、分析部18で使用する試薬の試薬情報を登録する手間や、その試薬に関連する分析パラメータを設定する手間を削減することができる。また、試薬情報を登録するときの入力ミスを防ぐことが可能となり、試薬情報を正しく管理することができる。更に、分析パラメータを設定するときの入力ミスを防ぐことが可能となり、精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る分析情報記憶部に保存された分析情報の構成を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る表示部に表示された分析情報一覧画面の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る第1試薬庫の構成を示す上面図。
【図6】本発明の実施例に係る試薬容器の外観を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【図8】本発明の実施例に係る表示部に表示された試薬情報登録画面の一例を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る表示部に表示された分析パラメータ設定画面の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係る表示部に表示された分析パラメータ選択画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0085】
18 分析部
20 分析情報部
21 分析情報記憶部
22 登録部
23 分析パラメータ設定部
40 分析制御部
41 機構部
42 制御部
50 データ処理部
51 演算部
52 データ記憶部
60 出力部
61 印刷部
62 表示部
63 音声部
70 操作部
80 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料及びこの被検試料の検査項目に該当する試薬の混合液を測定する分析手段を備えた自動分析装置において、
前記分析手段で使用可能な試薬を識別するための試薬情報に、この試薬情報の試薬を用いて測定するための分析パラメータを関連付けて保存する分析情報記憶手段と、
前記試薬を収容する試薬容器に記されたその試薬容器内の試薬を識別するための試薬情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取られた試薬情報と同じ情報が前記分析情報記憶手段に保存されている場合、その同じ情報に関連する分析パラメータを前記分析情報記憶手段から読み出して、前記同じ情報の試薬を用いて前記分析手段で測定するためのパラメータとして設定する分析パラメータ設定手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記同じ情報が前記分析情報記憶手段に保存されていない場合、その同じ情報の試薬を測定に使用することができないことを知らせるための警告情報を表示出力又は音声出力する出力手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記同じ情報が前記分析情報記憶手段に保存されている場合にその同じ情報を登録する試薬情報登録手段、及び前記試薬情報登録手段により登録された試薬情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記試薬情報は、前記検査項目を識別するための検査項目情報を含む複数の識別情報により構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記読み取り手段により読み取られた試薬情報が複数であり、同じ検査項目情報を2つ以上の試薬情報が含んでいる場合、前記2つ以上の試薬情報を出力して警告する出力手段を有することを特徴とする請求項4に記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記2つ以上の試薬情報の検査項目情報の変更が可能な変更操作手段を有することを特徴とする請求項5に記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記分析パラメータ設定手段により設定された分析パラメータ選択する分析パラメータ選択手段を有し、
前記分析手段は、前記分析パラメータ選択手段により選択された分析パラメータに基づいて、その分析パラメータに関連する試薬の混合液を測定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−168619(P2009−168619A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7119(P2008−7119)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】