説明

自動分析装置

【課題】自動分析装置とは別体の残量保持手段を設け、自動分析装置の電源入力後等の待機時間に消耗品残量および廃棄物残余量を確認しうる自動分析装置を提供する。
【解決手段】消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を記憶する残量記憶部408と、前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を送受信する送受信部406と、最新の前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を受信し、記憶および/または出力して前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を保持しうる残量保持部500と、送受信部406を介した残量保持部500への前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報の送信を制御する送信制御部409と、を備え、残量保持部500は、自動分析装置1と別体とすることにより、自動分析装置1の立ち上げ時やシャットダウン時を含む電源オフ時にも前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を出力しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学分析、免疫検査等の分析を自動で行う自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
血液または尿等の検体の分析を自動で行う自動分析装置が広く知られている。自動分析装置は、検体供給機構、測定機構、制御機構を有している。検体供給機構は、検体容器を搭載したラックを逐次供給するものである。測定機構は、反応テーブルおよび試薬保冷庫を有している。反応テーブルは、内部にキュベットホイールと測定光学系を備え、試薬保冷庫には、検体と反応する試薬を収容した試薬容器が収納してある。また、キュベットホイールには、キュベット(反応容器)が収容してあり、試薬容器から試薬を分注する一方、試薬容器から検体を分注する。そして、測定光学系を用いてキュベットにおいて反応させた検液(試薬と検体とからなる混合液)を測定する。そして、測定値から制御機構が分析結果を取得する。そして、分析開始から分析終了までの間に試薬などの消耗品が不足した場合には、分析を中断し、試薬容器を交換することにより試薬を補充する必要がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−303884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された装置は、試薬容器の交換のタイミングを報知するためユーザは試薬補充の準備を行なうことができ、試薬交換をスムーズに行なうことができるという利点を有するものの、個々の試薬についてその都度補充するため、手間がかかるだけでなく、補充の間、分析装置の運転を中断するため分析効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動分析装置とは別体の残量保持手段を設けることにより、自動分析装置の電源入力後等の待機時間を利用して消耗品残量および廃棄物残余量を確認することが可能となり、消耗品の補充および廃棄物の廃棄を効率的に行なうことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、試薬と検体とを反応させた反応物を分析する自動分析装置において、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を記憶する残量記憶手段と、前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を送受信する送受信手段と、最新の前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を受信し、記憶および/または出力して前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を保持しうる残量保持手段と、前記送受信手段を介した前記残量保持手段への前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報の送信を制御する送信制御手段と、を備え、前記残量保持手段は、自動分析装置と別体であって、自動分析装置の立ち上げ時およびシャットダウン時を含む電源オフ時に前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を出力しうることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記送信制御手段は、ユーザにより定められた所定期間および前記自動分析装置のシャットダウン時に、前記送受信手段を介して前記残量保持手段に前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を送信するよう制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記送信制御手段は、前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報に時刻情報を付加することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記残量保持手段は、印刷紙、ソーラーパネルまたはバッテリー電源を備えるEL素子、電子ペーパー、音声録音であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記消耗品残量情報は、試薬、ディスポーザブルチップ、ディスポーザブルキュベットまたは洗浄液の残量情報であり、前記廃棄物残余量情報は、チップディスポーザ、キュベットディスポーザまたは廃液タンクの残余量情報であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記消耗品残量情報は、試薬、ディスポーザブルチップ、ディスポーザブルキュベットまたは洗浄液の残分析回数であり、前記廃棄物残余量情報は、チップディスポーザ、キュベットディスポーザまたは廃液タンクの残廃棄回数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、受け付けた検査オーダーを記憶する検査オーダー記憶手段と、前記検査オーダー記憶手段から分析項目毎に残分析回数を積算し、前記残量記憶手段に記憶された消耗品残分析回数と廃棄物残廃棄回数との差分値を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定する判定手段と、を備え、前記送信制御手段は、前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報に前記判定手段が判定した消耗品補充情報および廃棄物廃棄情報を付加することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、過去に分析された分析項目毎の累積分析回数データを記憶するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記憶された累積分析回数データから分析項目毎に分析予定数を予測する予測手段と、を備え、前記算出手段は、前記予測手段が予測した分析予定数と、前記残量記憶手段に記憶された前記消耗品残分析回数と前記廃棄物残廃棄回数との差分値を算出し、前記判定手段は、前記差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の自動分析装置は、上記発明において、前記判定手段は、前記差分値に基づく消耗品補充と廃棄物廃棄の優先順位を判定し、前記送信制御手段は、前記優先順位の順番に並び替えた消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を前記送受信手段を介して送信するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる自動分析装置は、自動分析装置とは別体の残量保持手段を設けているので、自動分析装置の電源オフ時であっても消耗品残量および廃棄物残余量を確認することができ、また、自動分析装置の電源入力後、自動分析装置が稼動できるまでの待機時間を利用して、残量保持手段により消耗品残量および廃棄物残余量を確認して消耗品補充および廃棄物廃棄を行なうことが可能となり、分析中に行われる消耗品補充および廃棄物廃棄の回数を低減して分析効率を向上しうるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。さらに、各図では、構成の明瞭化のため、断面におけるハッチングの一部が省略されている。
【0017】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による自動分析装置1を図面と共に詳細に説明する。なお、本実施の形態において例示する自動分析装置1は、例えば被検者から採取した血液もしくは尿などの検体に関する免疫項目について測定するための分析装置であるが、本発明はこれに限定されず、例えば生化学に関する項目について分析するための自動分析装置など、種々の分析装置に本実施の形態を適用することが可能である。
【0018】
図1は、本実施の形態による自動分析装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、自動分析装置1は、測定機構100と、測定機構100に接続された制御機構400とを備える。測定機構100は、検体と試薬とを反応させ、これにより生成された反応生成物の作用による発光基質の発光量を測定するための装置である。また、制御機構400は、測定機構100の制御や測定機構100によって測定された結果の分析などを実行するための装置である。自動分析装置1は、これら2つの装置が連携することによって複数の検体の免疫学的な分析を自動的に行なう。
【0019】
ここで、まず、測定機構100について説明する。測定機構100は、大別して、BF(Bound−Free)処理槽110と、キュベット供給ユニット120と、検体供給ユニット130と、検体分注ユニット140と、第1キュベット移送ユニット150と、免疫反応槽160と、第1試薬分注ユニット170と、第1試薬保冷庫180と、第2試薬分注ユニット190と、第2試薬保冷庫200と、第2キュベット移送ユニット210と、酵素反応槽220と、測光ユニット230と、キュベット廃棄ユニット240と、を備える。
【0020】
BF処理槽110は、検体と試薬とを混合させた混合液から未反応の検体および/または試薬(以下、単に未反応物質という)を分離する所謂BF洗浄処理を行なうための槽である。このBF処理槽110は、図示しない駆動機構によって中心112を軸として回動する回転テーブル111を有する。回転テーブル111は、外周内側に沿って複数のキュベットホルダ(不図示)が配列された第1反応ライン113と、第1反応ライン113の内側に沿って複数のキュベットホルダ(不図示)が配置された第2反応ライン114と、を含む。各キュベットホルダにはキュベットCが適宜セットされる。したがって、回転テーブル111が中心112を軸として回動することで、目的のキュベットホルダまたはこれにセットされたキュベットCが所定の位置(キュベット脱離位置113a、検体分注位置113b、第1試薬分注位置113c、第1キュベット入出位置113d、第2キュベット入出位置114aまたは第2試薬分注位置114b)に配置される。なお、第1反応ライン113には、キュベットC内の混合液を攪拌するための不図示の攪拌部が設けられる。第2反応ライン114には、キュベットC内の混合液を攪拌するための不図示の攪拌部およびキュベットC内の混合液に対してBF処理を実行するためのBF処理部115が設けられる。BF処理部115は、後述する第1試薬に含まれる磁性粒子を集磁する集磁機構を含み、これを用いて反応物質を集磁し、BF洗浄ノズル(不図示)で未反応物質を吸引、BF洗浄液を吐出することにより反応物質と未反応物質とを分離するBF処理を行なう。BF洗浄ノズルの吸引ノズルは、配管を介して真空ポンプ(不図示)および廃液タンク(不図示)と接続され、吐出ノズルは、配管を介して真空ポンプ(不図示)およびBF洗浄液タンクと接続される。
【0021】
キュベット供給ユニット120は、キュベットストック部124にストックされているキュベットCをBF処理槽110へ供給するための機構である。このキュベット供給ユニット120は、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸121として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部122と、アーム部122の他方の端に設けられたキュベット保持部123と、を有する。アーム部122は、図示しない駆動機構によって棒状部材が回転することで枢軸121を中心として枢回し、不図示の駆動機構によって棒状部材が突出入することによって上下する。また、キュベット保持部123は、先端がキュベットCの上部開口に嵌合することでこれを保持し、キュベットCの上部開口端を押進することでこれを脱離させる。この構成を利用することで、キュベット供給ユニット120は、キュベットストック部124のキュベット嵌合125に配置されているキュベットCをキュベット保持部123で保持し、また、保持したキュベットCをキュベット脱離位置113aに配置された回転テーブル111のキュベットホルダにセットする。
【0022】
検体供給ユニット130は、分析対象の検体がそれぞれ入れられる1つ以上の検体容器134を保持可能な検体ラック133を1つ以上収容する検体収容部131と、検体ラック133が搬送される搬送レール132と、を有する。検体収容部131に収容された検体ラック133は、不図示の搬送機構によって搬送レール132の第1搬送経路135または第2搬送経路136上を搬送される。また、第1搬送経路135上を搬送される検体ラック133は、第1検体分取位置135aに一旦停止し、適宜、自身が保持する検体容器134内の検体が後述の検体分注ユニット140によって分取される。同様に、第2搬送経路136上を搬送される検体ラック133は、第2検体分取位置136aに一旦停止し、適宜、自身が保持する検体容器134内の検体が検体分注ユニット140によって分取される。なお、第1/第2搬送経路135/136上を搬送された検体ラック133は、不図示の搬送機構によって検体収容部131に戻されるか、あるいは、図示しない収容部に送られる。
【0023】
検体分注ユニット140は、第1検体分取位置135aまたは第2検体分取位置136aにおいて分取した検体をBF処理槽110における所定のキュベットC内へ分注するための機構である。この検体分注ユニット140は、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸141として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部142と、アーム部142の他方の端に設けられた分注チップ保持部143と、を有する。アーム部142は、図示しない駆動機構によって棒状部材が回転することで枢軸141を中心として枢回し、不図示の駆動機構によって棒状部材が突出入することによって上下動する。また、分注チップ保持部143には、ディスポーザブルな分注チップ146が取り付けられると共に、不図示の吸引ポンプと連結されており、この吸引ポンプを駆動することで検体の吸引および吸引した検体の吐出が可能となっている。この構成を利用することで、検体分注ユニット140は、第1または第2検体分取位置135aまたは136aにおいて分取した検体を、BF処理槽110の検体分注位置113bに配置されたキュベットC内に分注する。なお、検体分注ユニット140は、検体を分注するたびに分注チップ廃棄位置147に設けられた穴内に分注チップ146を廃棄し、分注チップストック部144の分注チップ嵌合位置145において新たな分注チップ146を分注チップ保持部143に取り付ける。分注チップ廃棄位置147において廃棄された分注チップ146は、不図示のチップディスポーザに収容される。
【0024】
第1キュベット移送ユニット150は、BF処理槽110と免疫反応槽160と後述する酵素反応槽220との間でキュベットCを移送するための機構である。この第1キュベット移送ユニット150は、キュベット供給ユニット120と同様に、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸151として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部152と、アーム部152の他方の端に設けられたキュベット保持部153と、を有する。この構成を利用することで、第1キュベット移送ユニット150は、目的のキュベットCをBF処理槽110の第1キュベット入出位置113dから取り出し、これを後述する免疫反応層160のキュベット入出位置163a、164aおよび165aのいずれかに配置されたキュベットホルダ(不図示)にセットする。また、第1キュベット移送ユニット150は、免疫反応槽160において処理されたキュベットCをキュベット入出位置163a、164aまたは165aにおいて取り出し、これをBF処理槽110の第2キュベット入出位置114aに配置されたキュベットホルダ(不図示)にセットする。さらに、第1キュベット移送ユニット150は、BF処理槽110において処理されたキュベットCを第2キュベット入出位置114aから取り出し、これを酵素反応槽220のキュベット入出位置223aに配置されたキュベットホルダ(不図示)にセットする。
【0025】
免疫反応槽160は、キュベットC内に注入された検体に所定の前処理等をするため、または、検体と試薬との反応を促進するための機構である。この免疫反応槽160は、図示しない駆動機構によって中心162を軸として回動する回転テーブル161を有する。回転テーブル161は、最外周に位置し、前処理および前希釈用の外周ライン163と、外周ライン163よりも内側に位置し、検体と第1試薬である固相担体試薬との免疫反応を促進するための中周ライン164と、最内周に位置し、検体と第2試薬の一つである標識抗体との免疫反応を促進するための内周ライン165と、を含む。各ライン(163、164、165)には、複数のキュベットホルダ(不図示)が配列されており、これに適宜キュベットCがセットされる。したがって、回転テーブル161が中心162を軸として回動することで、目的のキュベットホルダまたはこれにセットされたキュベットCが所定のキュベット入出位置163a、164aまたは165aに配置される。なお、本発明は、外周ライン163と中周ライン164と内周ライン165との3重に限らず、適宜変更できることは言うまでもない。
【0026】
第1試薬分注ユニット170は、後述の第1試薬保冷庫180において保管されている固相担体試薬(第1試薬)または第2試薬保冷庫200において保管されている標識抗体が含まれる第2試薬(以下、これを標識試薬という)を分取し、これをBF処理槽110における所定のキュベットC内へ分注するための機構である。この第1試薬分注ユニット170は、検体分注ユニット140と同様に、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸171として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部172と、アーム部172の他方の端に設けられ、不図示の吸引ポンプと連結された第1試薬分注プローブ173と、を有する。この構成を利用することで、第1試薬分注ユニット170は、第1試薬分取位置183において第1試薬保冷庫180から固相担体試薬(第1試薬)を分取し、分取した固相担体試薬(第1試薬)を第1試薬分注位置113cにおいて目的のキュベットC内に分注する。また、第1試薬分注ユニット170は、第2試薬分取位置203aにおいて第2試薬保冷庫200から標識試薬(第2試薬)を分取し、分取した標識試薬(第2試薬)を第1試薬分注位置113cにおいて目的のキュベットC内に分注する。なお、第1試薬分注プローブ173は、ディスポーザブルでなくともよい。その代わり、第1試薬分注ユニット170は、第1試薬分注プローブ173を洗浄するための洗浄部174を備え、固相担体試薬(第1試薬)を分注するたびに、洗浄部174において第1試薬分注プローブ173を洗浄する。
【0027】
第1試薬保冷庫180は、分析対象である検体内の抗原または抗体と特異的に結合する反応物質を固相した不溶性担体である磁性粒子を含む固相担体試薬(BF液とも言う)である第1試薬を温度管理の下で保管するための機構である。この第1試薬保冷庫180は、図示しない駆動機構によって中心182を中心として回動する回転テーブル181を有する。回転テーブル181には、外周内側に沿って複数の第1試薬容器184が配列される。したがって、回転テーブル181が中心182を軸として回動することで、目的の固相担体試薬(第1試薬)を蓄える第1試薬容器184が第1試薬分取位置183に配置される。なお、第1試薬保冷庫180には、不図示のバーコードリーダが設けられており、これを用いて第1試薬容器184の側面に貼り付けられているバーコードを読み取る。また、読み取った内容に基づいて、第1試薬保冷庫180が保管する固相担体試薬(第1試薬)が管理される。
【0028】
第2試薬分注ユニット190は、後述する第2試薬保冷庫200において保管されている第2試薬である基質液を分取し、これをBF処理槽110における所定のキュベットC内へ分注するための機構である。この第2試薬分注ユニット190は、第1試薬分注ユニット170と同様に、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸191として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部192と、アーム部192の他方の端に設けられ、不図示の吸引ポンプと連結された第2試薬分注プローブ193と、を有する。この構成を利用することで、第2試薬分注ユニット190は、第2試薬分取位置203bにおいて第2試薬保冷庫200から基質液(第2試薬)を分取し、分取した基質液(第2試薬)を第2試薬分注位置114bにおいて目的のキュベットC内に分注する。なお、第2試薬分注プローブ193は、ディスポーザブルでなくともよい。その代わり、第2試薬分注ユニット190は、第2試薬分注プローブ193を洗浄するための洗浄部194を備え、基質液(第2試薬)を分注するたびに、洗浄部194において第2試薬分注プローブ193を洗浄する。
【0029】
第2試薬保冷庫200は、磁性粒子と結合した抗原または抗体と特異的に結合する標識抗体(例えば酵素)を含む標識試薬(第2試薬)と、基質を含む基質液(第2試薬)と、を温度管理の下で保管するための機構である。この第2試薬保冷庫200は、第1試薬保冷庫180と同様に、図示しない駆動機構によって中心202を中心として回動する回転テーブル201を有する。回転テーブル201には、外周内側に沿って複数の第2試薬容器204が配列される。したがって、回転テーブル201が中心202を軸として回動することで、目的の第2試薬(標識試薬または基質液)が第2試薬分取位置203aまたは203bに配置される。なお、第2試薬保冷庫200には、不図示のバーコードリーダが設けられており、これを用いて第2試薬容器204の側面に貼り付けられているバーコードを読み取る。また、読み取った内容に基づいて、第2試薬保冷庫200が保管する第2試薬(標識試薬または基質液)が管理される。
【0030】
第2キュベット移送ユニット210は、後述する酵素反応槽220から測光ユニット230へキュベットCを移送するための機構である。この第2キュベット移送ユニット210は、第1キュベット移送ユニット150と同様に、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸211として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部212と、アーム部212の他方の端に設けられたキュベット保持部213と、を有する。この構成を利用することで、第2キュベット移送ユニット210は、目的のキュベットCを酵素反応槽220のキュベット取出位置223bから取り出し、これを測光ユニット230のキュベット入出位置233に設けられたキュベットホルダ(不図示)にセットする。
【0031】
酵素反応槽220は、キュベット内に注入された基質液(第2試薬)内の基質が発光可能な状態となる酵素反応を促進するための槽である。この酵素反応槽220は、免疫反応層160と同様に、図示しない駆動機構によって中心222を軸として回動する回転テーブル221を有する。回転テーブル221は、外周内側に沿って複数のキュベットホルダ(不図示)が配列された酵素反応ライン223を含む。各キュベットホルダにはキュベットCが適宜セットされる。したがって、回転テーブル221が中心222を軸として回動することで、目的のキュベットホルダまたはこれにセットされたキュベットCが所定の位置(キュベット入出位置223a、キュベット取出位置223b)に配置される。
【0032】
測光ユニット230は、例えばキュベットC内における化学反応により生じた微弱な光を計測するための機構である。この測光ユニット230は、キュベットC内の反応液から出力された光、もしくは、キュベットC内の反応液を透過した光を増幅された電気信号に変換するための光電子増倍管を含む受光部232を含む。また、測光ユニット230は、キュベットCへ光を照射する光源部231を含んでもよい。測光ユニット230に設けられたキュベットホルダは、不図示の光学窓を1つ以上備え、この光学窓を介して光の入射および取り出しを行なうことが可能となっている。
【0033】
キュベット廃棄ユニット240は、測定が終了した反応液(以下、廃液という)が入っているキュベットCを廃棄するための機構である。このキュベット廃棄ユニット240は、第1キュベット移送ユニット150と同様に、測定機構100上面に対して突出入可能な枢軸241として機能する棒状部材(不図示)に一方の端が枢持されたアーム部242と、アーム部242の他方の端に設けられたキュベット保持部243と、を有する。この構成を利用することで、キュベット廃棄ユニット240は、測定完了後のキュベットCを測光ユニット230のキュベット入出位置233から取り出し、これをキュベット廃棄位置244に設けられた穴から測定機構100内のディスポーザ(不図示)へ廃棄する。
【0034】
制御機構400は、制御部401、分析部402、入力部403、出力部404、記憶部405、および送受信部406を備える。測定機構100および制御機構400が備える上述した各部は、制御部401に電気的に接続されている。制御機構400は、一または複数のコンピュータシステムを用いて実現され、測定機構100に接続する。制御機構400は、自動分析装置1の各処理にかかわる各種プログラムを用いて、測定機構100の動作処理の制御を行なうとともに測定機構100における測定結果の分析を行なう。
【0035】
制御部401は、制御機能を有するCPU等を用いて構成され、自動分析装置1の各構成部位の処理および動作を制御する。制御部401は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部401は、記憶部405が記憶するプログラムをメモリから読み出すことにより自動分析装置1の制御を実行する。また、制御部401は、後述する残量保持部500に、試薬やディスポーザブルチップなどの消耗品の残量情報および廃棄チップや廃液などの廃棄物の残余量情報を、送受信部406を介して送信するよう制御する送信制御部409を備える。分析部402は、測定機構100から取得した測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行なう。入力部403は、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部404を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。なお、入力部403の情報入力は、タッチパネルによって実現するようにしてもよい。
【0036】
出力部404は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、制御部401の制御のもと、分析に関する諸情報を出力する。出力部404は、ディスプレイ等を用いて構成された表示部407を備え、表示部407はタッチパネルによって実現するようにしてもよい。記憶部405は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部405は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。記憶部405は、試薬やディスポーザブルチップ等の消耗品残量情報、および廃液や使用済みチップ等の廃棄物残余量情報を記憶する残量記憶部408を備える。試薬の残量情報は、試薬分注プローブ173、193が備える液面検知手段を用いて試薬残量を検出するか、試薬の分注開始からの分注回数を記憶することにより残量を算出する。ディスポーザルチップおよびディスポーザルキュベットの残量情報は、分注チップストック部144への分注チップ146の補充時およびキュベットストック部124へのキュベットCの補充時からの分析回数を記憶することにより算出する。B/F洗浄液の残量情報は、B/F洗浄液タンク内に液面検知センサを設置して残量を検出するか、B/F洗浄液タンク交換時からの分析回数を記憶することにより算出する。チップディスポーザおよびキュベットディスポーザの廃棄物の残余量は、ディスポーザ内の廃棄物排出後の分析回数を記憶することにより算出する。廃液タンクの残余量は、タンク内に液面検知センサを設置して残量を検出する。送受信部406は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。また、上述したように、送受信部406は、送信制御部409の制御のもと、残量記憶部408に記憶される最新の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を残量保持部500に送信する。
【0037】
自動分析装置1は、測定機構100および制御機構400とは別体の残量保持部500を備える。残量保持部500は、制御機構400と接続され、送信制御部409の制御の元、所定のタイミングで送受信部406を介して残量記憶部408に記憶される最新の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を受信し、記憶および/または出力して、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を保持する。消耗品残量情報および廃棄物残余量情報の送受信のタイミングは、自動分析装置1の電源が切られるシャットダウン時のほか、消耗品補充および廃棄物廃棄後等、ユーザが定める任意の時間であってよい。残量保持部500がシャットダウン時に最新の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を受信し、記憶および/または出力することにより、分析再開後、自動分析装置1の立ち上げにかかる待機時間に、該出力情報に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄を行なうことが可能となる。残量保持部500は、印刷紙、ソーラーパネルまたはバッテリー電源を備えるEL素子、電子ペーパー、音声録音などから構成され、自動分析装置1と別体であるため、自動分析装置1の立ち上げ時やシャットダウン時を含む自動分析装置1の電源オフ時にも消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を記憶および/または出力することができる。ここで、印刷紙とは、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報をプリントアウトされた紙を意味し、プリンタは、自動分析装置1の出力部404として選択されるプリンタと同一でもよい。印刷紙の紛失を防止して消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を保持し続けるために、プリンタはプリントアウトされた印刷紙を保持するホルダーを備えるか、その他の印刷物と区別するために印刷物の搬送経路を他の印刷物と別にすることが好ましい。音声録音は、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を音声データとして記憶し、ユーザの出力指示に基づき記憶する音声データを音声出力する。
【0038】
次に、図2〜図7を参照して、実施の形態1にかかる自動分析装置1による消耗品および廃棄物の管理について説明する。図2は、実施の形態1における残量保持部500への消耗品残量情報および廃棄物残余量情報送信のフローチャート、図3は、実施の形態1における残量保持部500の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報出力のフローチャート、図4は、実施の形態1における第1試薬保冷庫180内の試薬残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図、図5は、実施の形態1における第2試薬保冷庫200内の試薬残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図、図6は、実施の形態1におけるその他の消耗品残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図、図7は、実施の形態1におけるその他の廃棄物残余量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【0039】
図2に示すように、まず、送信制御部409は、残量保持部500への消耗品残量情報および廃棄物残余量情報送信のタイミングか否かを確認する(ステップS101)。情報送信は、自動分析装置1のシャットダウン時や、ユーザが定める所定のタイミングで行なわれる。情報送信のタイミングである場合(ステップS101、Yes)、送信制御部409は、残量記憶部408が記憶する最新の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報に時刻情報を付加し、送受信部406を介して該情報を残量保持部500に送信するよう制御する(ステップS102)。消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を受信した残量保持部500は、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を記憶および/または出力して保持する(ステップS103)。残量保持部500として、印刷紙、EL素子、電子ペーパーなどが選択される場合には、プリントアウトされた用紙、ディスプレイ表示または電子ペーパー表示が消耗品残量情報および廃棄物残余量情報の記憶および出力であって、印刷紙保管、ディスプレイ表示および電子ペーパー表示の維持により情報を保持する。
【0040】
一方、残量保持部500として音声録音が選択される場合は、音声録音が消耗品残量情報および廃棄物残余量情報の記憶であり(ステップS103)、情報の出力は、図3に示すように、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報の出力指示があった場合に(ステップS201、Yes)、残量保持部500が記憶保持する音声録音を音声出力する(ステップS202)。情報の出力指示は、自動分析装置1の立ち上げ時やユーザが指定するタイミングで行なわれる。上記したいずれの構成が残量保持部500として選択された場合であっても、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を、自動分析装置1の稼動如何にかかわらずユーザが望むいかなるタイミングでも出力し、確認することが可能となる。
【0041】
図4〜図6は、残量保持部500が記憶および/または出力する消耗品残量情報の構成例である。試薬残量情報テーブル501、502は、第1試薬保管庫180および第2試薬保管庫200内の試薬容器184、204の試薬残量情報であり、試薬保管庫毎に設置位置、分析項目、試薬容器ID、試薬のロットNo、有効期限、試薬容器の容量に対する残量(%)に加えて、該試薬残量情報の記憶および/または出力時間が付加される。消耗品残量情報テーブル503には、試薬以外の他の消耗品について項目毎に残量が記憶される。ユーザは、残量保持部500が出力した試薬残量情報テーブル501、502および消耗品残量情報テーブル503を参照して、試薬、ディスポーザブルチップ等の消耗品補充の必要性を判断する。一方、図7の廃棄物残余量情報テーブル504には、チップディスポーザ、キュベットディスポーザなど廃棄物の項目毎に廃棄物の廃棄可能数である残余量が記憶され、ユーザは残量保持部500が出力した廃棄物残余量情報テーブル504を参照して廃棄物廃棄の必要性を判断する。なお、上記の試薬残量情報テーブル501、502、消耗品残量情報テーブル503および廃棄物残余量情報テーブル504はあくまで例示であって、残量保持部500の構成によって記憶および/または出力される項目を変更するものとする。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる自動分析装置1Aは、検査オーダーの残分析回数と、消耗品残分析回数および廃棄物残廃棄回数とを対比して差分値を算出することにより、消耗品補充および廃棄物廃棄の必要な項目を明示する点で実施の形態1にかかる自動分析装置と異なる。実施の形態2にかかる自動分析装置1Aは、消耗品補充および廃棄物廃棄が必要な項目を明示するため、補充等の判断がより容易になる。
【0043】
図8は、実施の形態2にかかる自動分析装置1Aの構成を示す概略図である。自動分析装置1Aにおいて、記憶部405aは、残量記憶部408aに加えて、検査オーダー記憶部414、データ記憶部415を備える。残量記憶部408aは、消耗品残量情報を消耗品残分析回数、廃棄物残余量情報を廃棄物残廃棄回数として記憶する。検査オーダー記憶部414は、入力部403を介して受け付けた検査オーダーを記憶する。データ記憶部415は、過去に分析された分析項目毎の累積分析回数データを記憶する。また、実施の形態2にかかる自動分析装置1Aは、算出部412と、予測部413とを有する判定部411を備える。算出部412は、検査オーダー記憶部414から分析項目毎に残分析回数を抽出し、残量記憶部408aに記憶された消耗品残分析回数と廃棄物残廃棄回数との差分値を算出する。判定部411は、算出部412が算出した差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定する。送信制御部409aは、所定のタイミングで前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報に判定部411が判定した消耗品補充および廃棄物廃棄の必要性の有無を加えた該情報を、送受信部406を介して残量保持部500aに送信するよう制御する。
【0044】
一方、分析終了後、自動分析装置1Aのシャットダウン時の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報は、次のようにして取得する。自動分析装置1Aのシャットダウン時は、受け付けた検査オーダーについて分析は終了しているため、データ記憶部415に記憶された分析項目毎の累積分析回数データに基づき分析予定数を予測する。分析予定数の予測は予測部413が行なう。例えば、累積分析回数データを基に1日あたりの平均分析回数や、曜日ごとの平均分析回数を算出して分析予定数とする。算出部412は、予測部413が予測した分析予定数と、残量記憶部408aに記憶された消耗品残分析回数と廃棄物残廃棄回数との差分値を算出する。判定部411は、前記差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定する。判定部411による判定は、通常前記差分値がマイナスの場合(閾値0)、消耗品補充および廃棄物廃棄が必要と判定するが、予測部413による分析予定数はあくまで予測値であるため、閾値を補正して判定してもよい。
【0045】
図9は、実施の形態2における残量保持部500aへの消耗品残量情報および廃棄物残余量情報送信のフローチャートである。まず、送信制御部409aは、残量保持部500aへの消耗品残量情報および廃棄物残余量情報送信のタイミングか否かを確認する(ステップS301)。情報送信のタイミングである場合(ステップS301、Yes)、自動分析装置1Aの電源オフが選択されているか確認する(ステップS302)。電源オフが選択されていない場合(ステップS302、No)、算出部412は、残量記憶部408aから消耗品残分析回数および廃棄物残廃棄回数を抽出し(ステップS303)、抽出した消耗品残分析回数および廃棄物残廃棄回数と、検査オーダー記憶部414から抽出した分析項目毎の残分析回数(ステップS304)との差分値を算出する(ステップS307)。一方、電源オフが選択されている場合(ステップS302、Yes)、算出部412は、残量記憶部408aから消耗品残分析回数および廃棄物残廃棄回数を抽出し(ステップS305)、抽出した消耗品残分析回数および廃棄物残廃棄回数と、予測部413がデータ記憶部415に記憶される累積分析回数データに基づき予測した分析予定数(ステップS306)との差分値を算出する(ステップS307)。
【0046】
判定部411は、算出部412が算出した前記差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定する(ステップS308)。送信制御部409aは、残量記憶部408aに記憶された前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報に、判定部411による消耗品補充および廃棄物廃棄の判定結果を付加した情報を、送受信部406を介して残量保持部500aに送信するよう制御する(ステップS309)。消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を受信した残量保持部500aは、消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を記憶および/または出力して保持する(ステップS310)。残量保持部500aによる消耗品残量情報および廃棄物残余量情報の出力は実施の形態1と同様である。
【0047】
図10〜図12は、残量保持部500aが記憶および/または出力する消耗品残量情報の構成例である。試薬残量情報テーブル505、506は、第1試薬保管庫180および第2試薬保管庫200内の試薬容器184、204の試薬残量情報であり、設置位置、分析項目、残分析回数のほか、予測部413または算出部412が予測または算出した分析予定数、および差分値が記憶され、判定部411により補充が必要と判定された項目の差分値の欄は、色付けにより明示されている。消耗品残量情報テーブル507には、試薬以外の他の消耗品について、項目毎に残分析回数と、分析予定数および差分値が記憶され、補充が必要と判定された項目の差分値の欄は色付けにより明示されている。ユーザは、試薬残量情報テーブル505、506および消耗品残量情報テーブル507の前記色付けにより、消耗品補充の必要性が容易に判断できる。一方、図13の廃棄物残余量情報テーブル508には、チップディスポーザ、キュベットディスポーザなど廃棄物の項目毎に廃棄物の廃棄可能数である残廃棄回数と、予測部413または算出部412が予測または算出した分析予定数、および差分値が記憶され、判定部411により補充が必要と判定された項目の差分値の欄は、色付けにより明示されている。ユーザは、廃棄物残余量情報テーブル508の前記色付けにより、廃棄物廃棄の必要性が容易に判断できる。
【0048】
また、実施の形態2の変形例として、算出部412が算出した前記差分値に基づき、判定部411は各項目について消耗品補充と廃棄物廃棄の優先順位をつけて判定し、送信制御部409aは、判定部411が判定した優先順位の順番に各項目を並び替えた消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を、送受信部406を介して送信するよう制御する自動分析装置が例示される。該変形例では、例えば、図13に示す廃棄物残余量情報テーブル508は、判定部411により差分値に基づき優先順位がつけられ、図14に示す廃棄物残余量情報テーブル509のように並び替えた消耗品残量情報および廃棄物残余量情報が残量保持部500aに送信される。差分値が最も小さなもの(キュベットディスポーザ、差分値−300)が廃棄が最も必要なものである。優先順位の順番に各項目を並び替えた消耗品残量情報および廃棄物残余量情報が残量保持部500aに送信され、記憶および/または出力、保持されることにより、ユーザは該順番に消耗品補充または廃棄物廃棄を行なえばよく、消耗品補充または廃棄物廃棄がより簡易に行なえる。さらにまた、判定部411により消耗品補充および廃棄物廃棄が必要な項目のみを抽出して、該情報を消耗品残量情報および廃棄物残余量情報として残量保持部500aに送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示す概略図である。
【図2】実施の形態1における残量保持部への消耗品残量情報および廃棄物残余量情報送信のフローチャートである。
【図3】実施の形態1における残量保持部の消耗品残量情報および廃棄物残余量情報出力のフローチャートである。
【図4】実施の形態1における第1試薬保冷庫内の試薬残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図5】実施の形態1における第2試薬保冷庫内の試薬残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図6】実施の形態1におけるその他の消耗品残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図7】実施の形態1における廃棄物残余量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかる自動分析装置の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかる残量保持部への消耗品残量情報および廃棄物残余量情報送信のフローチャートである。
【図10】実施の形態2における第1試薬保冷庫内の試薬残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図11】実施の形態2における第2試薬保冷庫内の試薬残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図12】実施の形態2におけるその他の消耗品残量についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図13】実施の形態2における廃棄物の残廃棄回数についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【図14】実施の形態2の変形例における廃棄物の残廃棄回数についての記憶および/または出力情報の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1、1A 自動分析装置
100 測定機構
110 BF処理槽
120 キュベット供給ユニット
124 キュベットストック部
130 検体供給ユニット
140 検体分注ユニット
144 分注チップストック部
147 分注チップ廃棄位置
150 第1キュベット移送ユニット
160 免疫反応槽
170 第1試薬分注ユニット
180 第1試薬保冷庫
190 第2試薬分注ユニット
200 第2試薬保冷庫
210 第2キュベット移送ユニット
220 酵素反応槽
230 測光ユニット
240 キュベット廃棄ユニット
244 キュベット廃棄位置
C キュベット
400、400a 制御機構
401、401a 制御部
402 分析部
403 入力部
404 出力部
405 記憶部
406 送受信部
407 表示部
408、408a 残量記憶部
409、409a 送信制御部
411 判定部
412 算出部
413 予測部
414 検査オーダー記憶部
415 データ記憶部
500、500a 残量保持部
501、502、505、506 試薬残量情報テーブル
503、507 消耗品残量情報テーブル
504、508 廃棄物残余量情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬と検体とを反応させた反応物を分析する自動分析装置において、
消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を記憶する残量記憶手段と、
前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を送受信する送受信手段と、
最新の前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を受信し、記憶および/または出力して前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を保持しうる残量保持手段と、
前記送受信手段を介した前記残量保持手段への前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報の送信を制御する送信制御手段と、
を備え、前記残量保持手段は、自動分析装置と別体であって、自動分析装置の立ち上げ時およびシャットダウン時を含む電源オフ時に前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を出力しうることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記送信制御手段は、ユーザにより定められた所定期間および前記自動分析装置のシャットダウン時に、前記送受信手段を介して前記残量保持手段に前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報を送信するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記送信制御手段は、前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報に時刻情報を付加することを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記残量保持手段は、印刷紙、ソーラーパネルまたはバッテリー電源を備えるEL素子、電子ペーパー、音声録音であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記消耗品残量情報は、試薬、ディスポーザブルチップ、ディスポーザブルキュベットまたは洗浄液の残量情報であり、前記廃棄物残余量情報は、チップディスポーザ、キュベットディスポーザまたは廃液タンクの残余量情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記消耗品残量情報は、試薬、ディスポーザブルチップ、ディスポーザブルキュベットまたは洗浄液の残分析回数であり、前記廃棄物残余量情報は、チップディスポーザ、キュベットディスポーザまたは廃液タンク残廃棄回数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
受け付けた検査オーダーを記憶する検査オーダー記憶手段と、
前記検査オーダー記憶手段から分析項目毎に残分析回数を積算し、前記残量記憶手段に記憶された消耗品残分析回数と廃棄物残廃棄回数との差分値を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定する判定手段と、
を備え、前記送信制御手段は、前記消耗品残量情報および前記廃棄物残余量情報に前記判定手段が判定した消耗品補充情報および廃棄物廃棄情報を付加することを特徴とする請求項5に記載の自動分析装置。
【請求項8】
過去に分析された分析項目毎の累積分析回数データを記憶するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶された累積分析回数データから分析項目毎に分析予定数を予測する予測手段と、
を備え、前記算出手段は、前記予測手段が予測した分析予定数と、前記残量記憶手段に記憶された前記消耗品残分析回数と前記廃棄物残廃棄回数との差分値を算出し、前記判定手段は、前記差分値に基づき消耗品補充および廃棄物廃棄が必要か否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記判定手段は、前記差分値に基づく消耗品補充と廃棄物廃棄の優先順位を判定し、前記送信制御手段は、前記優先順位の順番に並び替えた消耗品残量情報および廃棄物残余量情報を、前記送受信手段を介して送信するよう制御することを特徴とする請求項7または8に記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−151672(P2010−151672A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331196(P2008−331196)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(510005889)ベックマン・コールター・インコーポレーテッド (174)
【Fターム(参考)】