説明

自動分析装置

【課題】反応容器の内壁を効率的に洗浄することを可能とする。
【解決手段】自動分析装置100は、被検試料と試薬との反応液を収容するための内部空間を有した反応容器31と、反応容器31における被検試料と試薬との反応の度合いを測定する測光ユニット34と、測光ユニットによる測定が終了したのちの反応容器31を、その内壁のうちの洗浄対象領域に対して洗浄液を直接的に噴射することによって洗浄する洗浄ユニット35とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応容器における被検試料と試薬との反応の度合いを測定することによって被検試料を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の自動分析装置では、反応容器を何度も繰り返し使用する。このために、測定の終了後に反応容器を洗浄している。
【0003】
従来の自動分析装置では、反応容器内に上方から洗浄液を注入するとともに、この洗浄剤を反応容器内の下方から吸引することによって反応容器を洗浄する洗浄ユニットを備えている。
【特許文献1】特開平5−297006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが上記の洗浄ユニットであると、反応容器の内壁は、その壁面を伝い落ちる洗浄液あるいは反応液に溜まった洗浄液により洗浄される。このため、反応容器の内壁は、主に科学的な作用により洗浄されるのであって、洗浄すべき反応液が粘性の高いものや洗浄液との親和性の低いものである場合には、十分に洗浄し切れない恐れがあった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、反応容器の内壁を効率的に洗浄することが可能な自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様による自動分析装置は、被検試料と試薬との反応液を収容するための内部空間を有した反応容器と、前記反応容器における前記被検試料と前記試薬との反応の度合いを測定する測定ユニットと、前記測定ユニットによる測定が終了したのちの前記反応容器を、その内壁のうちの洗浄対象領域に対して洗浄液を直接的に噴射することによって洗浄する洗浄ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、反応容器の内壁を効率的に洗浄することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係る自動分析装置100の構成を示したブロック図である。
【0010】
自動分析装置100は図1に示すように、測定部110、分析制御部120、分析データ処理部130、出力部140、操作部150およびシステム制御部160を含む。
【0011】
測定部110はさらに、サンプル部111、試薬部112および反応部113を含む。サンプル部111は、測定項目毎のキャリブレータや、被検体から採取された被検試料(サンプル)を管理する。試薬部112は、測定項目に応じたサンプルの成分と化学反応させるための試薬を管理する。反応部113は、サンプルと試薬との反応液に関して、測定項目に応じた測定を行う。反応部113は、キャリブレータおよび被検試料についての測定結果をそれぞれ表すキャリブレータ信号および分析信号を分析データ処理部130に出力する。
【0012】
分析制御部120はさらに、機構部121および機構制御部122を含む。機構部121は、測定部110に含まれた後述する各種の可動要素を駆動する。機構制御部122は、機構部121の動作を制御する。
【0013】
分析データ処理部130はさらに、演算部131および記憶部132を含む。演算部131は、測定部110から出力されたキャリブレータ信号に基づいて、測定項目毎のキャリブレーションテーブルを作成する。演算部131は、測定部110から出力された分析信号とキャリブレーションテーブルとに基づいて、測定項目毎の分析データを算出する。記憶部132はハードディスクなどを備え、キャリブレーションテーブルや分析データなどを記憶する。演算部131は、キャリブレーションテーブルや分析データを、必要に応じて出力部140へ出力する。
【0014】
出力部140はさらに、印刷部141、表示部142およびオンライン部143を含む。印刷部141はプリンタなどを備え、演算部131から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データを予め設定されたフォーマットでプリンタ用紙などに印刷する。表示部142はCRT(cathode-ray tube)やLCD(liquid crystal display)などを備え、演算部131から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データを表示する。表示部142は、被検体のIDおよび氏名などを入力するための被検体情報入力画面、測定項目毎の分析条件を設定するための分析条件設定画面、被検試料毎の測定項目を選択設定するための測定項目設定画面などを、システム制御部160の制御の下に表示する。オンライン部143は、演算部131から出力されたキャリブレーションテーブルや分析データを、ネットワークを介して他の装置へ送信する。
【0015】
操作部150は、キーボード、マウス、ボタン、あるいはタッチキーパネルなどの入力デバイスを備える。操作部150は、測定項目毎の分析条件の設定、被検体の被検体IDや被検体名などの被検体情報の入力、被検試料毎の測定項目の選択入力、各測定項目のキャリブレーションや被検試料測定などのために操作者により操作される。操作部150は、操作者による操作の内容を表すコマンド信号をシステム制御部160へ出力する。
【0016】
システム制御部160は、CPUと記憶回路とを備え、自動分析装置100の各部を統括して制御する。具体的にはシステム制御部160は、操作部150から供給されるコマンド信号に基づいて、測定項目の分析条件、被検体情報、被検試料毎の測定項目などを判定し、これらを情報を記憶しておく。そしてシステム制御部160は、これらの情報に基づいて、一定サイクルの中の所定のシーケンスで測定を行うように測定部110の動作を制御する。システム制御部160は、所要のキャリブレーションテーブルの作成や所要の分析データの算出を行うように分析データ処理部130を制御する。さらにシステム制御部160は、キャリブレーションテーブルや分析データを所要の形態で出力するように出力部140を制御する。
【0017】
図2はサンプル部111、試薬部112および反応部113の構成を示す斜視図である。
【0018】
サンプル部111は、試料容器11a,11b、サンプラ12a,12b、ラック13、アーム14、サンプルプローブ15、ポンプ16、洗浄ユニット17、流路形成ユニット18およびポンプ19を含む。
【0019】
試料容器11a,11bは、キャリブレータ、精度管理用試料、あるいは被検試料などのサンプルを収容する。試料容器11bは、小児などから採取した微量の被検試料を吸引可能に収容する。つまり試料容器11bは、試料容器11aよりも水平断面が小さく、収容された微量の被検試料の水面を試料容器11aよりも高くすることができる。
【0020】
サンプラ12aは、多数の試料容器11aを円周状に2列配列してセットできる。サンプラ12aは、回転することによって、セットされている試料容器11aを上記の円周に沿って移動させる。サンプラ12aにおける試料容器11aをセットする位置のそれぞれは、キャリブレータ用のセット位置または精度管理用試料のセット位置に予め割り当てられている。キャリブレータを収容した試料容器11aは前者のセット位置にセットされ、精度管理用試料を収容した試料容器11aは後者のセット位置にセットされる。
【0021】
サンプラ12bは、多数のラック13をセットできる。ラック13は、複数の試料容器11a,11bを直線状に配列してセットできる。ラック13は、試料容器11a,11bの配列方向に直交する方向に沿って配列される。サンプラ12bは、ラック13をその配列方向に移動させる。またサンプラ12bは、サンプル吸引位置においては、ラック13をその配列方向に直交する方向にも移動させる。ラック13における試料容器11a,11bをセットする位置のそれぞれは、被検試料のセット位置に予め割り当てられており、被検試料を収容した試料容器11a,11bがこのセット位置にセットされる。
【0022】
アーム14は、回動が可能なように一端において支持されている。アーム14の他端には、サンプルプローブ15が取り付けられている。アーム14は、サンプルプローブ15を鉛直方向に移動させるために鉛直方向に移動可能である。かくしてアーム14は、サンプルプローブ15を円弧状の軌道に沿って移動させたり上下動させる。
【0023】
サンプルプローブ15は、内部に細い空洞を有していて、この空洞にアーム14の内部空間およびチューブを介してポンプ16が接続されている。サンプルプローブ15は、ポンプ16によって空洞内が負圧とされることによって、サンプルを吸引する。そしてサンプルプローブ15は、ポンプ16によって空洞内の負圧が解消されることによって、空洞内に保持していたサンプルを吐出する。サンプルプローブ15の先端には、サンプルの液面を検出するためのセンサが設けられており、サンプルプローブ15の先端がサンプルの液面から所定の深さまで入った際に液面を検出するようになっている。
【0024】
ポンプ16は、水などの圧力伝達媒体を吸引することによってサンプルプローブ15の空洞内を負圧とし、上記の圧力伝達媒体を吐出することによってサンプルプローブ15の空洞内の負圧を解消する。
【0025】
試薬部112は、試薬ボトル21、試薬ラック22a,22b、アーム23a,23b,24a,24b、脚部25a,25b,26a,26bおよび試薬プローブ27a,27b,28a,28bを含む。
【0026】
試薬ボトル21は、サンプルに対して選択的に反応する試薬を収容する。
【0027】
試薬ラック22a,22bは、それぞれ複数の試薬ボトル21を収納する。試薬ラック22a,22bはそれぞれ、上面を開口したほぼ円柱状の容器である。試薬ラック22a,22bはそれぞれ、複数の試薬ボトル21を円周状に2列配列した状態で収容できる。試薬ラック22a,22bは、図1では示されていない後述する回転機構によってそれぞれ回転される。
【0028】
アーム23a,23b,24a,24bは、その一端が脚部25a,25b,26a,26bによってそれぞれ支持されている。アーム23a,23b,24a,24bの他端には、試薬プローブ27a,27b,28a,28bがそれぞれ取り付けられている。
【0029】
脚部25a,25b,26a,26bは、図1では図示されていない周知の構造の回転機構によってそれぞれ回転されることによって、アーム23a,23b,24a,24bをそれぞれ回動させる。脚部25a,25b,26a,26bは、図1においてはその一部のみが示されていて、実際には図示されているよりも長い。そして脚部25a,25b,26a,26bは、図1では図示されていない周知の構造の直線移動機構によってそれぞれに鉛直方向に直線移動される。
【0030】
試薬プローブ27a,27b,28a,28bは、アーム23a,23b,24a,24bおよび脚部25a,25b,26a,26bによって、それぞれ円弧状の軌道に沿って移動されたり、上下動される。試薬プローブ27a,27b,28a,28bは、内部に細い空洞を有していて、この空洞にアーム23a,23b,24a,24bおよび脚部25a,25b,26a,26bを介して図示しないポンプがそれぞれに接続されている。試薬プローブ27a,27b,28a,28bは、サンプルプローブ15と同様の動作により、試薬を吸引・吐出する。
【0031】
反応部113は、反応容器31、ディスク32、撹拌ユニット33a,33b、測光ユニット34および洗浄ユニット35を含む。
【0032】
反応容器31は、多数が円周状に配列されている。反応容器31は、サンプルと試薬との反応液を収容する。
【0033】
ディスク32は、反応容器31を回転可能に保持する。ディスク32は、反時計回りに、一定角度を4分析サイクルの間に回転する。1分析サイクルは、例えば4.5秒である。ディスク32は、時計回りに回転させるようにしてもよい。
【0034】
撹拌ユニット33aは、2つの撹拌子を備える。撹拌ユニット33aは、反応容器31の上方にそれぞれ相当する2つの撹拌位置と、これとは異なる2つの洗浄位置との間で2つの撹拌子を移動させることができる。また撹拌ユニット33aは、2つの撹拌子を鉛直方向に移動させることができる。撹拌ユニット33aは、2つの洗浄位置において2つの撹拌子をそれぞれ洗浄する機能を備える。この撹拌ユニット33aは、反応容器31に分注されたサンプルと第1の試薬とを撹拌するために使用される。
【0035】
撹拌ユニット33bは、2つの撹拌子を備える。撹拌ユニット33bは、反応容器31の上方にそれぞれ相当する2つの各半日と、これとは異なる2つの洗浄位置との間で2つの撹拌子を移動させることができる。また撹拌ユニット33bは、2つの撹拌子を鉛直方向に移動させることができる。撹拌ユニット33bは、2つの洗浄位置において2つの撹拌子をそれぞれ洗浄する機能を備える。この撹拌ユニット33bは、反応容器31に分注されたサンプルと第1の試薬と第2の試薬とを撹拌するために使用される。
【0036】
測光ユニット34は、反応容器31が測光位置を通過する時に光を照射して、透過した光から設定波長の吸光度を測定する。そして測光ユニット34は、測定した吸光度を表す信号として分析信号を生成する。
【0037】
洗浄ユニット35は、洗浄ノズルおよび乾燥ノズルを備える。洗浄ユニット35は、洗浄ノズルにより、反応容器31内の反応液を吸引するとともに洗浄する。また洗浄ユニット35は、洗浄後の反応容器31内を乾燥ノズルにより乾燥する。洗浄ユニット35で洗浄および乾燥された反応容器31は、測定に再び使用される。
【0038】
(第1の実施形態)
図3は第1の実施形態における洗浄ユニット35の一部の構造を示す斜視図である。
【0039】
図3において、洗浄ユニット35の洗浄ノズルを符号1を付して示す。洗浄ノズル1は、細長い円筒状をなし、その長手方向がほぼ鉛直方向となる姿勢でディスク32の上方に配置されている。洗浄ノズル1は、保持部2を貫通する状態で配置される。また洗浄ノズル1の上端は、ガイド部3に取り付けられている。
【0040】
保持部2は、洗浄ユニット35のベース部4に固定されている。保持部2は、洗浄ノズル1をその長手方向に往復移動が可能なように保持する。保持部2の内部には、例えばラック&ピニオンなどの周知の直線運動機構が配置されている。この直線運動機構は、洗浄ノズル1をその長手方向に沿って往復移動させる。この直線運動機構は、機構部121に属する。
【0041】
ガイド部3はベース部4にほぼ鉛直方向に沿って形成されたガイド溝4aに案内されて移動する。この移動によりガイド部3は、洗浄ノズル1をほぼ鉛直方向に移動させるようにガイドする。
【0042】
図4は洗浄ノズル1の第1の実施形態における構造をその長手方向に沿って破断して示す図である。図5は洗浄ノズル1の第1の実施形態における構造を図4中のA−A位置にて水平方向に沿って破断して示す図である。
【0043】
これら図4および図5に示すように、第1の実施形態における洗浄ノズル1は外筒1aおよび内筒1bを含む。外筒1aは、その長手方向のほぼ全長に渡って延びる内部空間を有する。内筒1bは、外筒1aの内部空間に配置されている。外筒1aと内筒1bとは、それぞれの長手方向がほぼ一致する。そして、外筒1aと内筒1bとは、それぞれの中心軸が互いにほぼ一致することが望ましい。内筒1bは、その長手方向のほぼ全長に渡って延びる内部空間を有する。
【0044】
内筒1bの先端の外側面は、内筒1bの外側に向かって突出している。そしてこの突出量は、内筒1bの先端に近づくほど大きくなっている。外筒1aと内筒1bとは、内筒1bの先端が外筒1aの先端から下方に突出する位置関係で、互いにあるいはガイド部3に固定されている。かくして洗浄ノズル1の先端には、横方向に向いたスリット1eが形成されている。
【0045】
かくして洗浄ノズル1は、外筒1aを外部壁とするとともに、内筒1bを内部壁とした第1の空間1cと、内筒1bの内部の第2の空間1dとを有する。第1の空間1cには、ガイド部3の内部を介して洗浄ノズル1の上方側から図示しないポンプにより洗浄液が供給される。第1の空間1cに供給された洗浄液は、その供給圧と自重とによって第1の空間内1c内を下方に流れる。そして洗浄液は、スリット1eを介して洗浄ノズル1の外部に放出される。つまり第1の空間1cは、洗浄剤の供給流路となる。第2の空間1dは、図示しないポンプにより必要に応じて減圧される。このときに内筒1bの先端の近傍に液体(反応液および洗浄液)が存在すれば、その液体は負圧によって第2の空間1dに吸い上げられる。つまり第2の空間1dは、反応液および洗浄液の回収経路となる。
【0046】
次に以上のように構成された洗浄ノズル1を用いての反応容器31の洗浄過程について説明する。
【0047】
まず、反応液の入った洗浄すべき反応容器31が洗浄ノズル1の下方に位置する状態でディスク32が停止する。この状態で機構制御部122は、保持部2の内部に配置された直線移動機構を動作させて、洗浄ノズル1を降下させる。これにより洗浄ノズル1は図6に示すように、矢印MAのように移動され、反応容器31の内部に挿入される。このときに、機構制御部122は、図示しないポンプを動作させて、第2の空間1dを減圧する。このため、洗浄ノズル1の先端が反応液L1に到達すると、反応液L1は矢印A1で示すように第2の空間1dに吸い上げられる。洗浄ノズル1の先端が反応容器31の底の近傍まで到達すれば、反応容器31に収容されていた反応液L1が反応容器31から排出される。そこでこの状態になったならば機構制御部122は、洗浄ノズル1の降下を停止させる。
【0048】
続いて機構制御部122は、図示しないポンプを動作させて、第1の空間1cへの洗浄液の供給を開始する。そうすると、洗浄液は第1の空間1cを図7に矢印A2で示すように流れて、スリット1eから矢印A3で示すように放出される。このとき、スリット1eは洗浄ノズル1の側方に向いて形成されているために、洗浄ノズル1から放出された洗浄液は反応容器31の内壁に直接的に噴射されることになる。そしてこの状態で機構制御部122は、保持部2の内部に配置された直線移動機構を動作させて、洗浄ノズル1を上昇させる。これにより、洗浄ノズル1は図7に示すように、矢印MBのように移動され、反応容器31の内壁に対する洗浄液の噴射位置が変化する。そして、予め定められた洗浄範囲に洗浄液を噴射し終えたならば、機構制御部122は、洗浄ノズル1の上昇を停止させる。
【0049】
続いて機構制御部122は、洗浄ノズル1を降下させるとともに、第2の空間1dを減圧する。これにより、反応容器31の内部に溜まった洗浄液L2は図8に矢印A4で示すように第2の空間1dに吸い上げられる。洗浄ノズル1の先端が反応容器31の底の近傍まで到達すれば、反応容器31に溜まった洗浄液L2が反応容器31から排出される。そこでこの状態になったならば機構制御部122は、洗浄ノズル1の降下を停止させる。
【0050】
そして最後に機構制御部122は、洗浄ノズル1が反応容器31から完全に抜けるまで洗浄ノズル1を上昇させる。
【0051】
かくして第1の実施形態によれば、反応容器31の内壁を洗浄剤を直接的に噴射しながら洗浄することができ、効率的な洗浄が達成される。
【0052】
なお、スリット1eは、洗浄液の放出方向が、水平方向を0度、鉛直方向下方を90度とした場合に1〜89度の方向となるように形成することが好ましい。洗浄液の放出方向が0度以下であると、洗浄液によって洗浄された反応液が跳ね上がり、洗浄ノズル1に付着してしまう恐れが生じるからである。このように洗浄ノズル1に反応液が付着すると、別の反応容器31を洗浄する際に当該反応容器31に洗浄ノズル1に付着していた反応液が付着してしまう恐れがある。また、洗浄液の放出方向が90度以上であると、反応容器31の内壁に洗浄剤を直接的に噴射することが困難となるからである。
【0053】
また第2の実施形態によれば、洗浄ノズル1が洗浄液の吐出のための機能と、反応液および洗浄液の吸引のための機能との双方を兼ね備えている。このため、前述したような効率的な洗浄動作が可能である。
【0054】
(第2の実施形態)
第2の実施形態においても図3に示す構造は共通である。
【0055】
図9は洗浄ノズル1の第2の実施形態における構造をその長手方向に沿って破断して示す図である。図10は洗浄ノズル1の第2の実施形態における構造を図9中のB−B位置にて水平方向に沿って破断して示す図である。なお、図9および図10において、図4および図5に示されるのと同一の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0056】
これら図9および図10に示すように、第2の実施形態における洗浄ノズル1は、外筒1aおよび内筒1bの他に内内筒1fを含む。内内筒1fは、その長手方向に関しての内筒1bに対する相対的な位置を変更可能な程度の遊びを持って内筒1bの内部空間に配置されている。内内筒1fは、その長手方向が外筒1aおよび内筒1bの長手方向とほぼ一致する。本実施形態では、内内筒1fの外径は、内筒1bの内径よりも僅かに小さい。従って内内筒1fは、その姿勢が内筒1bによって規定される。ただし、内内筒1fの外径は、内内筒1fと内筒1bとの間に空間が形成される程度であっても良い。内内筒1fは、その長手方向のほぼ全長に渡って延びる内部空間を有する。
【0057】
上記のような構成により、内内筒1fの内部空間が第2の空間1dとして機能する。
【0058】
さて、保持部2の内部に配置された直線移動機構は、ラック&ピニオンなどのを少なくとも2組含むか、あるいはラック&ピニオンにクラッチを組み合わせるなどの周知の構造をもち、外筒1aおよび内筒1bと内内筒1fとをそれぞれ個別に移動させる。
【0059】
なお、内内筒1fは、それらが形成する空間内を圧力によって洗浄液や反応液を送液するために、耐薬品性があり、剛性があり、錆等の経年劣化が小さく、さらには−20〜60℃程度の温度範囲で形状が安定している材質を用いることが望ましい。このような条件に合致する材質としては、例えばステンレスが考えられる。
【0060】
次に以上のように構成された洗浄ノズル1を用いての反応容器31の洗浄過程について説明する。
【0061】
まず、反応液の入った洗浄すべき反応容器31が洗浄ノズル1の下方に位置する状態でディスク32が停止する。この状態で機構制御部122は、保持部2の内部に配置された直線移動機構を動作させて、外筒1a、内筒1bおよび内内筒1fを、外筒1aおよび内筒1bと内内筒1fとの位置関係を図9に示す状態に保ったまま降下させる。これにより洗浄ノズル1は図11に示すように、矢印MDのように移動され、反応容器31の内部に挿入される。このときに、機構制御部122は、図示しないポンプを動作させて、第2の空間1dを減圧する。このため、洗浄ノズル1の先端が反応液L1に到達すると、反応液L1は矢印A5で示すように第2の空間1dに吸い上げられる。洗浄ノズル1の先端が反応容器31の底の近傍まで到達すれば、反応容器31に収容されていた反応液L1が反応容器31から排出される。そこでこの状態になったならば機構制御部122は、洗浄ノズル1の降下を停止させる。
【0062】
続いて機構制御部122は、図示しないポンプを動作させて、第1の空間1cへの洗浄液の供給を開始する。そうすると、洗浄液は第1の空間1cを図12に矢印A6で示すように流れて、スリット1eから矢印A7で示すように放出される。このとき、スリット1eは洗浄ノズル1の側方に向いて形成されているために、洗浄ノズル1から放出された洗浄液は反応容器31の内壁に直接的に噴射されることになる。そしてこの状態で機構制御部122は、保持部2の内部に配置された直線移動機構を動作させて、内内筒1fは静止させたままで外筒1aおよび内筒1bを上昇させる。これにより、外筒1aおよび内筒1bが、図12に示すように内内筒1fとの位置関係を変化させながら矢印MEのように移動され、反応容器31の内壁に対する洗浄液の噴射位置が変化する。そして、予め定められた洗浄範囲に洗浄液を噴射し終えたならば、洗浄液の供給を停止する。また機構制御部122は、外筒1aおよび内筒1bを上昇を停止させる。
【0063】
上記のように洗浄液の噴射が行われているのと並行して、あるいは上記のような洗浄液の噴射の停止後に、第2の空間1dを減圧する。これにより、反応容器31の内部に噴射された洗浄液は図12に矢印A8で示すように第2の空間1dに吸い上げられる。反応容器31から排出される。
【0064】
そして最後に機構制御部122は、洗浄ノズル1が反応容器31から完全に抜けるまで洗浄ノズル1を上昇させる。
【0065】
かくして第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、効率的な洗浄が達成される。
【0066】
さらに第2の実施形態によれば、反応容器31に溜まる洗浄液を速やかに排出することができる。このため、反応容器31に溜まった洗浄液が後から放出される洗浄液が反応容器31の壁面に噴射されることを妨げてしまうことが無くなる。かつ、洗浄開始直後に反応容器31に溜まる洗浄液は反応液を高濃度で含むため、これを反応容器31内に留めておくことは洗浄効率の低下を来すが、上記のように反応容器31に溜まる洗浄液を速やかに排出することによって回避できる。
【0067】
また第2の実施形態によれば、洗浄ノズル1が洗浄液の吐出のための機能と、反応液および洗浄液の吸引のための機能との双方を兼ね備えている。このため、前述したような効率的な洗浄動作が可能である。特に第2の実施形態では、第1の空間を形成する外筒1aおよび内筒1bと、第2の空間を形成する内内筒1fとを個別に移動可能としているので、第1の実施形態では洗浄ノズル1を2往復させなければならないのに対して、第2の実施形態では洗浄ノズル1を1往復させれば良く、さらなる効率化が達成される。
【0068】
なお、先に内内筒1fの先端を反応容器31の底面の近傍まで降下させておき、内内筒1fは静止させた状態で、洗浄液を噴射しながら外筒1aおよび内筒1bを降下させても良い。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態においても図3に示す構造は共通である。
【0070】
ただし第3の実施形態においては、ガイド部3の内部には、例えばモータなどの周知の回転機構が配置されている。この回転機構は、後述するように洗浄ノズル1の一部をその長手方向に沿った回転軸周りで回転させる。この回転機構は、機構部121に属する。
【0071】
図13は洗浄ノズル1の第3の実施形態における構造をその長手方向に沿って破断して示す図である。図14は洗浄ノズル1の第3の実施形態における外観を示す平面図である。図15は洗浄ノズル1の第3の実施形態における構造を図14中のC−C位置にて水平方向に沿って破断して示す図である。なお、図13乃至図15において、図4、図5、図9および図10に示されるのと同一の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0072】
これら図13乃至図15に示すように、第3の実施形態における洗浄ノズル1は、内筒1bおよび内内筒1fおよび外筒1gを含む。すなわち第3の実施形態における洗浄ノズル1は、第2の実施形態における外筒1aに代えて外筒1gを備える。外筒1gには、下側の端部近傍に、外筒1gの長手方向に沿って延びる細長いスリット1hが2つ形成されている。スリット1hの高さは、洗浄範囲の高さと同程度である。2つのスリット1hの相対的な位置関係は任意であって良いが、例えば図15に示すように外筒1gの長手方向に沿った軸心を挟んで対象な位置関係とする。なお、スリット1hは、1つのみとしても良い。
【0073】
上記のような構成により、内筒1bと外筒1gとの間の空間が第1の空間1cとして機能する。
【0074】
さて、保持部2の内部に配置された回転機構は、少なくとも外筒1gをその長手方向に沿った軸心を回転軸として図15に矢印RAで示すように回転させる。回転機構は、外筒1gのみを回転させても良いが、内筒1bおよび内内筒1fのいずれかまたは双方を同時に回転させても良い。
【0075】
なお、外筒1gは、それが形成する空間内を圧力によって洗浄液や反応液を送液するために、耐薬品性があり、剛性があり、錆等の経年劣化が小さく、さらには−20〜60℃程度の温度範囲で形状が安定している材質を用いることが望ましい。このような条件に合致する材質としては、例えばステンレスが考えられる。
【0076】
次に以上のように構成された洗浄ノズル1を用いての反応容器31の洗浄過程について説明する。
【0077】
まず、反応液の入った洗浄すべき反応容器31が洗浄ノズル1の下方に位置する状態でディスク32が停止する。この状態で機構制御部122は、保持部2の内部に配置された直線移動機構を動作させて、洗浄ノズル1を降下させる。このときに、機構制御部122は、図示しないポンプを動作させて、第2の空間1dを減圧する。このため、洗浄ノズル1の先端が反応液に到達すると、反応液は第2の空間1dに吸い上げられる。洗浄ノズル1の先端が反応容器31の底の近傍まで到達すれば、反応容器31に収容されていた反応液が反応容器31から排出される。そこでこの状態になったならば機構制御部122は、洗浄ノズル1の降下を停止させる。
【0078】
続いて機構制御部122は、図示しないポンプを動作させて、第1の空間1cへの洗浄液の供給を開始する。そうすると、洗浄液は第1の空間1cを流れて、スリット1hから図15に矢印A8で示すように放出される。このとき、スリット1hは洗浄ノズル1の側方に向いて形成されているために、洗浄ノズル1から放出された洗浄液は反応容器31の内壁に直接的に噴射されることになる。スリット1hは、その高さが洗浄範囲と同程度であるから、スリット1hから放出された洗浄液は高さ方向についての洗浄範囲のほぼ全域に噴射される。ただし、スリット1hは水平方向の幅が小さいから、洗浄ノズル1の周方向については狭い範囲にしか洗浄液を放出できない。そこで回転機構により外筒1gを回転させる。これにより、スリット1hの向きが洗浄ノズル1の周方向について変化し、洗浄範囲のほぼ全域に洗浄液を噴射できる。
【0079】
上記のように洗浄液の噴射が行われているのと並行して、あるいは上記のような洗浄液の噴射の停止後に、第2の空間1dを減圧する。これにより、反応容器31の内部に噴射された洗浄液は第2の空間1dに吸い上げられる。反応容器31から排出される。
【0080】
そして最後に機構制御部122は、洗浄ノズル1が反応容器31から完全に抜けるまで洗浄ノズル1を上昇させる。
【0081】
かくして第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、効率的な洗浄が達成される。
【0082】
また第3の実施形態によれば、洗浄ノズル1が洗浄液の吐出のための機能と、反応液および洗浄液の吸引のための機能との双方を兼ね備えている。このため、前述したような効率的な洗浄動作が可能である。特に第3の実施形態では、外筒1gを回転させることにより洗浄液の噴射位置を変化させるので、第1の実施形態では洗浄ノズル1を2往復させなければならないのに対して、第2の実施形態では洗浄ノズル1を1往復させれば良く、さらなる効率化が達成される。
【0083】
(第1の変形例)
第1の変形例は、第3の実施形態についての変形例である。図16は洗浄ノズル1の第1の変形例における構造をその長手方向に沿って破断して示す図である。図17は洗浄ノズル1の第1の変形例における外観を示す平面図である。なお、図16および図17において、図4、図5、図9、図10および図13に示されるのと同一の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0084】
これら図16および図17に示すように、第1の変形例における洗浄ノズル1は、内筒1bおよび内内筒1fおよび外筒1iを含む。すなわち第1の変形例における洗浄ノズル1は、第3の実施形態における外筒1gに代えて外筒1iを備える。外筒1iには、外筒1gに形成されていたスリット1hの一部を閉じることにより形成されるのと等価な複数の開口1jの列が形成されている。
【0085】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第3の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。
【0086】
(第2の変形例)
第2の変形例は、第3の実施形態についての変形例である。図18は洗浄ノズル1の第2の変形例における外観を示す平面図である。
【0087】
第2の変形例における洗浄ノズル1は、第3の実施形態における外筒1gに代えて外筒1kを備える。外筒1kは、外筒1gに形成されていたスリット1hに代えてスリット1mを形成した構造を持つ。スリット1mは、外筒1kの長手方向に対して傾いている。
【0088】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第3の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。
【0089】
なお、スリット1mに代えて図17に示される開口1jの列を形成するようにさらに変形することも可能である。
【0090】
(第3の変形例)
第3の変形例は、第3の実施形態についての変形例である。図19は洗浄ノズル1の第3の変形例における外観を示す平面図である。
【0091】
第3の変形例における洗浄ノズル1は、第3の実施形態における外筒1gに代えて外筒1nを備える。外筒1nは、外筒1gに形成されていたスリット1hの数を増加した構造を持つ。外筒1nには、3つ以上のスリット1hが、外筒1nの周方向にほぼ平行に並ぶ状態で形成されている。
【0092】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第3の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。なお、スリット1hの数を十分に増やせば、洗浄ノズル1の回転を省略することもできる。
【0093】
(第4の変形例)
第4の変形例は、第1の変形例についてのさらなる変形例である。図20は洗浄ノズル1の第4の変形例における外観を示す図である。
【0094】
第4の変形例における洗浄ノズル1は、第1の変形例における外筒1iに代えて外筒1oを備える。外筒1oは、開口1jの列の数を増加した構造を持つ。外筒1oには、開口1jの列が3列以上、外筒1oの周方向にほぼ平行に並ぶ状態で形成されている。
【0095】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第3の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。なお、開口1jの列の数を十分に増やせば、洗浄ノズル1の回転を省略することもできる。
【0096】
(第5の変形例)
第5の変形例は、第1の実施形態についての変形例である。図21は洗浄ノズル1の第5の変形例における外観を示す図である。
【0097】
第5の変形例における洗浄ノズル1は、第1の実施形態における外筒1aに代えて外筒1pを備える。外筒1pは、外筒1aに形成されていたスリット1eの数を増加した構造を持つ。外筒1pには、3つ以上のスリット1eが、外筒1pの長手方向にほぼ平行に並ぶ状態で形成されている。
【0098】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第1の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。さらに第5の変形例では、洗浄液を噴射しながらの洗浄ノズル1の移動量を第1の実施形態に比べて小さくすることができる。なお、スリット1eの数を十分に増やせば、洗浄液を噴射しながらの洗浄ノズル1の移動を省略することもできる。
【0099】
(第6の変形例)
第6の変形例は、第3の実施形態についての変形例である。図22は洗浄ノズル1の第6の変形例における構造をその長手方向に沿って破断して示す図である。図23は洗浄ノズル1の第6の変形例における構造を図22中のD−D位置にて水平方向に沿って破断して示す図である。なお、図22および図23において、図4、図5、図9および図10に示されるのと同一の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0100】
第6の変形例における洗浄ノズル1は、第3の実施形態における内筒1bおよび外筒1gに代えて、細長いパイプ1qを備える。パイプ1qは、その長手方向が内内筒1fの長手方向とほぼ平行する状態で内内筒1fに近接して配置されている。パイプ1qの内部空間は、パイプ1qの長手方向のほぼ全長に渡って延びる。この内部空間は、第1の空間1cとして機能する。パイプ1qには、その内部空間とパイプ1qの外部とを連通するスリット1hが形成されている。このスリット1hの長手方向は、パイプ1qの長手方向とほぼ一致する。
【0101】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第3の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。
【0102】
(第7の変形例)
第7の変形例は、第6の変形例のさらなる変形例である。図24は洗浄ノズル1の第7の変形例における構造を図22中のD−D位置に相当する位置にて水平方向に沿って破断して示す図である。なお、図24において図22および図23と同一部分には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0103】
第7の変形例における洗浄ノズル1は、第6の変形例における洗浄ノズル1に加えて、パイプ1qをもう1本備えている。
【0104】
以上のような構造の洗浄ノズル1を用いても、第3の実施形態と同様な動作によって反応容器31を洗浄できる。
【0105】
この第7の変形例における洗浄ノズル1ではさらに、回転させることなく洗浄液の噴射を行うことにより、特定の一方向についてのみ反応容器31の壁面を洗浄することも可能である。これは例えば、測光ユニット34での光路となる部分のみ反応容器31の壁面を洗浄すれば十分な測定精度が得られる場合に適用可能である。
【0106】
(その他の変形例)
第2の空間1dを介して洗浄液を放出することにより、反応容器31の底面に対しても洗浄液を直接的に噴射しても良い。
【0107】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施形態に係る自動分析装置100の構成を示したブロック図。
【図2】図1中のサンプル部111、試薬部112および反応部113の構成を示す斜視図。
【図3】第1の実施形態における図1中の洗浄ユニット35の一部の構造を示す斜視図。
【図4】図3中の洗浄ノズル1の第1の実施形態における構造をその長手方向に沿って破断して示す図。
【図5】洗浄ノズル1の第1の実施形態における構造を図4中のA−A位置にて水平方向に沿って破断して示す図。
【図6】第1の実施形態における洗浄動作の一工程を示す図。
【図7】第1の実施形態における洗浄動作の一工程を示す図。
【図8】第1の実施形態における洗浄動作の一工程を示す図。
【図9】図3中の洗浄ノズル1の第2の実施形態における構造をその長手方向に沿って破断して示す図。
【図10】洗浄ノズル1の第2の実施形態における構造を図9中のB−B位置にて水平方向に沿って破断して示す図。
【図11】第2の実施形態における洗浄動作の一工程を示す図。
【図12】第2の実施形態における洗浄動作の一工程を示す図。
【図13】図3中の洗浄ノズル1の第3の実施形態における構造をその長手方向に沿って破断して示す図。
【図14】図3中の洗浄ノズル1の第3の実施形態における外観を示す平面図。
【図15】洗浄ノズル1の第3の実施形態における構造を図14中のC−C位置にて水平方向に沿って破断して示す図。
【図16】図3中の洗浄ノズル1の第1の変形例における構造をその長手方向に沿って破断して示す図。
【図17】図3中の洗浄ノズル1の第1の変形例における外観を示す平面図。
【図18】図3中の洗浄ノズル1の第2の変形例における外観を示す平面図。
【図19】図3中の洗浄ノズル1の第3の変形例における外観を示す平面図。
【図20】図3中の洗浄ノズル1の第4の変形例における外観を示す図。
【図21】図3中の洗浄ノズル1の第5の変形例における外観を示す図。
【図22】図3中の洗浄ノズル1の第6の変形例における構造をその長手方向に沿って破断して示す図。
【図23】洗浄ノズル1の第6の変形例における構造を図22中のD−D位置にて水平方向に沿って破断して示す図。
【図24】洗浄ノズル1の第7の変形例における構造を図22中のD−D位置に相当する位置にて水平方向に沿って破断して示す図。
【符号の説明】
【0109】
1…洗浄ノズル、1a,1g,1i,1k,1n,1o,1p…外筒、1b…内筒、1e,1h,1m…スリット、1j…開口、1f…内内筒、1q…パイプ、2…保持部、3…ガイド部、4…ベース部、4a…ガイド溝、11a,11b…試料容器、12a,12b…サンプラ、13…ラック、14…アーム、15…サンプルプローブ、16…ポンプ、17…洗浄ユニット、18…流路形成ユニット、19…ポンプ、21…試薬ボトル、22a,22b…試薬ラック、23a,23b,24a,24b…アーム、25a,25b,26a,26b…脚部、27a,27b,28a,28b…試薬プローブ、31…反応容器、32…ディスク、33a,33b…撹拌ユニット、34…測光ユニット、35…洗浄ユニット、100…自動分析装置、110…測定部、111…サンプル部、112…試薬部、113…反応部、120…分析制御部、121…機構部、122…機構制御部、130…分析データ処理部、131…演算部、132…記憶部、140…出力部、141…印刷部、142…表示部、143…オンライン部、150…操作部、160…システム制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料と試薬との反応液を収容するための内部空間を有した反応容器と、
前記反応容器における前記被検試料と前記試薬との反応の度合いを測定する測定ユニットと、
前記測定ユニットによる測定が終了したのちの前記反応容器を、その内壁のうちの洗浄対象領域に対して洗浄液を直接的に噴射することによって洗浄する洗浄ユニットとを具備したことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記洗浄ユニットは、
前記内部空間に挿入可能で、内部流路へと供給される前記洗浄液を噴射口から前記洗浄対象領域の一部に噴射するノズルと、
前記ノズルからの前記洗浄剤の噴射位置を変化させるように前記ノズルを移動させる移動機構とをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記ノズルは、前記内部流路とは別の第2の内部流路と、この第2の内部流路に連通した吸引口を有し、
前記洗浄ユニットは、前記吸引口から前記第2の内部流路を介して前記反応容器内から前記反応液および前記洗浄液を吸引する吸引ユニットをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記ノズルは、前記ノズルを前記内部空間に挿入する方向である第1の方向に交差する第2の方向についての前記洗浄対象領域の全幅に渡り同時に前記洗浄液を噴射し、
前記移動機構は、前記第1の方向についての前記洗浄対象領域の全幅に渡り前記洗浄液が噴射されるように前記ノズルを前記第1の方向に移動させることを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記ノズルは、前記ノズルを前記内部空間に挿入する方向である第1の方向についての前記洗浄対象領域の全幅に渡り同時に前記洗浄液を噴射し、
前記移動機構は、前記ノズルを前記第1の方向に沿った回転軸周りで回転させることを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−164421(P2010−164421A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6793(P2009−6793)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】