自動分析装置
【課題】B/F分離の動作を単純化することのできる自動分析装置を提供する。
【解決手段】キュベットと、前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、反応した検出試薬を定量する検出器とを備え、前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在する。
【解決手段】キュベットと、前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、反応した検出試薬を定量する検出器とを備え、前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫測定法において、固相抗体(または固相抗原)に結合しなかった目的の抗原(または抗体)、及び目的の抗原(または抗体)に結合しなかった標識抗体(または標識抗原)を反応容器から分離除去するB/F分離技術に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫測定法は、「鍵と鍵穴」に例えられる特異的な抗原抗体反応を利用して、生体内の特定の抗原または抗体を定量する測定法である。検出感度が極めて高いので、癌マーカー、各種感染症の抗原、ホルモン等、生体内に微量に存在する物質の定量に幅広く利用されている。測定対象となる試料は、血液(特に血清)、尿、唾液、髄液などの体液である。免疫測定法としては、化学発光免疫測定法(CLIA法)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)、酵素免疫測定法(EIA法)等が臨床検査分野で利用されている。
【0003】
図1は、EIA法の原理の一例を示したものである。図1(a)は、EIA法の最初の状態を示している。図中1はビーズ固相である。例えば、ポリスチレンなどの材質で作られたビーズが用いられる。ビーズ固相1の表面には、抗体(たんぱく質の一種)が吸着されていて、固相抗体2を形成している。そこに、測定したい抗原3を含んだ試料を添加して、ビーズ固相1と一定時間反応させると、抗原3は固相抗体2と抗原抗体反応を起こして、ビーズ固相1の表面に結合し、図1(b)のように、抗原-抗体複合物4を形成する。この状態の抗原を、結合型抗原5(Bound form、Bと略す)と呼び、ビーズ固相1の洗浄によっても結合が切られることはない。一方、固相抗体2に対して未結合の抗原3は遊離型抗原(Free form、Fと略す)と呼ばれ、ビーズ固相1を洗浄することによって容易に反応容器の中から取り除くことができる。この結合型抗原5と遊離型抗原3を洗浄によって分ける操作をB/F分離と呼ぶ。B/F分離後は、図1(c)に示すように、結合型抗原5のみが反応容器中に残ることになる。
【0004】
次に、EIA法では、抗原-抗体複合物4を形成している結合型抗原5に対して、適当な酵素によって標識された抗体(酵素標識抗体)6を抗原抗体反応で結合させ、結合型抗原5を酵素で標識する操作を行なう。図1(d)は、その様子を示したものである。標識酵素7で標識された酵素標識抗体6を反応容器に添加し、ビーズ固相1と一定時間反応させると、酵素標識抗体6は、結合型抗原5を固相抗体2との間でサンドイッチ状に挟んで、酵素標識抗体-抗原-抗体複合物8を形成する。このとき、EIA法では、固相抗体2に結合した結合型抗原5を十分に標識化するために、過剰量の酵素標識抗体6を添加するのを通例としている。従って、結合型抗原5と酵素標識抗体6の抗原抗体反応によって結合型抗原5の標識化を行なった後には、抗原に結合した酵素標識抗体9と抗原に結合しなかった余分の遊離型酵素標識抗体6とを分ける操作、即ちB/F分離を再び行なう必要がある。このB/F分離後は、図1(e)に示すように、酵素によって標識化された酵素標識抗体-抗原-抗体複合物8のみがビーズ固相1の表面に残ることになる。これは、ビーズ固相1の表面に残った結合型抗原5の数だけ標識酵素7が残っていることを意味する。
【0005】
ビーズ固相1の表面に結合された標識酵素7の量は、図1(f)に示すように、該酵素の基質となり得る発色試薬10を加えて標識酵素7と反応させ、生成する発色後の発色試薬10’の量を測定することにより、定量することができる。
【0006】
尚、上記の例では、固相抗体と酵素標識抗体を用いて抗原を定量する方法について説明したが、固相抗体と酵素標識抗体の代わりに固相抗原と酵素標識抗原を用いて同様の操作を行なえば、試料中の抗体を定量することもできる。
【0007】
以上に説明したように、EIA法においては、抗原抗体反応によってビーズ固相に結合した抗原(または抗体)と未結合の遊離した抗原(または抗体)を分離するB/F分離、及び、抗原抗体複合物に結合した標識抗体(または標識抗原)と未結合の遊離した標識抗体(または標識抗原)を分離するB/F分離が測定の精度を決める重要な鍵となっている。
【0008】
通常、B/F分離は、前記固相の入った反応容器に洗浄水を注水し、遊離の抗原(または抗体)及び標識抗体(または標識抗原)を洗い落とすことによって行なわれる。そして、洗浄後の残水は、吸引ノズルで吸い取ることによって反応容器から取り除かれる。
【0009】
【特許文献1】特開平7−318559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このようなB/F分離を行なわせる従来の自動分析装置では、反応容器内で検体と試薬を反応させる反応部と、被検出物質もしくは試薬の未結合物を除去するB/F分離部とを、ひとつのラインもしくはターンテーブルの上に配置することを基本構成としている。
【0011】
そのため、ひとつのターンテーブル上にB/F分離部を併設すると、検査項目によってはB/F分離のタイミングが異なるため、洗浄の際に複数のノズル、磁石、攪拌機構はそれぞれ別々の動きをする必要が出てくる。
【0012】
また、B/F分離工程を含まない一般的な生化学分析と、B/F分離工程を含む免疫分析との兼ね合いがあって、複数のノズル、磁石、攪拌機構の動作がきわめて複雑になってしまうという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、B/F分離に用いられる複数のノズル、磁石、攪拌機構の動作を単純化することのできる自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を達成するため、本発明にかかる自動分析装置は、
(1)サンプルと試薬を反応させるキュベットと、
(2)前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、
(3)前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、
(4)前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、
(5)反応した検出試薬を定量する検出器と
を備え、
前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在することを特徴としている。
【0015】
また、前記B/F分離テーブルは、
(1)磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程と、
集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程と、
洗浄水を注入する工程と、
磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程と
を行なう複数のB/F分離位置と、
(2)洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程と、
注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程と
を行なう検出試薬注入および攪拌位置と
を備えたことを特徴としている。
【0016】
また、前記B/F分離テーブルは、前記磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程を、前記磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程、集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程、および洗浄水を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴としている。
【0017】
また、前記B/F分離テーブルは、注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程を、前記洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴としている。
【0018】
また、前記B/F分離テーブルのうち、初回のB/F分離位置の手前に、固相の予備集合を行なわせる位置を設けたことを特徴としている。
【0019】
また、前記B/F分離テーブルでの攪拌は、2枚の弾性体でキュベットを挟んで回転させることによって行なわせることを特徴としている。
【0020】
また、前記B/F分離テーブルから前記検出器の位置へキュベットを移送する第2のキュベット移送手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自動分析装置によれば、
(1)サンプルと試薬を反応させるキュベットと、
(2)前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、
(3)前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、
(4)前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、
(5)反応した検出試薬を定量する検出器と
を備え、
前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在するので、
B/F分離に用いられる複数のノズル、磁石、攪拌機構の動作を単純化することのできる自動分析装置を提供することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0023】
図2は、本発明にかかる新しい自動分析装置の一実施例である。以下、1ステップ反応と2ステップ反応について、装置と反応・検出工程の連携を記述する。尚、B/F分離までの反応時間は、測定項目ごとに異なり、B/F分離のタイミングが違う。本発明では、反応ターンテーブル上で数周反応させ、B/F分離を行なわせるタイミングになったキュベットをB/F分離テーブルに運ぶことでB/F分離が完了するので、多様な分析工程に対応しやすくなっている。
【0024】
《1ステップ反応・検出工程の場合》
(1)反応ターンテーブル11に配置されている反応管(以下、キュベット)にサンプルターンテーブル12からサンプルを分注する。
【0025】
(2)試薬1ターンテーブル13から試薬1を分注する。
【0026】
(3)試薬2ターンテーブル14から試薬2を分注する。
【0027】
(4)反応後、キュベット移送ハンド15でキュベットをB/F分離テーブル16(B/F分離装置)に移送し、B/F分離を行なう。
【0028】
(5)キュベット移送ハンド15でB/F分離テーブル16から発光検出器17にキュベットを移送し、発光量の測定を行なう。
【0029】
(6)キュベット移送ハンド15で発光検出器17からキュベットダスト18にキュベットを移送し、キュベットを廃棄する。
【0030】
《2ステップ反応・検出工程の場合》
(1)反応ターンテーブル11に配置されている反応管(以下、キュベット)にサンプルターンテーブル12からサンプルを分注する。
【0031】
(2)試薬1ターンテーブル13から試薬1を分注する。
【0032】
(3)反応後、キュベット移送ハンド15でキュベットをB/F分離テーブル16(B/F分離装置)に移送し、B/F分離を行なう。
【0033】
(4)キュベット移送ハンド15でB/F分離テーブル16から反応ターンテーブル11にキュベットを移送し、試薬2ターンテーブル14から試薬2を分注する。
【0034】
(5)反応後、キュベット移送ハンド15でキュベットをB/F分離テーブル16(B/F分離装置)に移送し、B/F分離を行なう。
【0035】
(6)キュベット移送ハンド15でB/F分離テーブル16から発光検出器17にキュベットを移送し、発光量の測定を行なう。
【0036】
(7)キュベット移送ハンド15で発光検出器17からキュベットダスト18にキュベットを移送し、キュベットを廃棄する。
【0037】
図3と図4は本発明にかかるB/F分離装置である。尚、図に示すB/F分離の回数、磁石、ノズル、攪拌位置の個数はあくまでも一例であって、図中に記載された個数に限定されるものではない。
【0038】
キュベット移送テーブル26の円周上のカラー28内にキュベット21が配置されている。B/F分離を行なう位置には、キュベット21の側方向に前後に移動可能な磁石22を3個配置する。3個の磁石は1台のモータで前後に移動する。
【0039】
磁石22が配置されたB/F分離位置の上には、吸引ノズル23と洗浄液を注入する注入ノズル24、または発光補助試薬A液を注入する発光補助試薬A液注入ノズル25を設け、すべてのノズルを1枚の板等に固定し、1台のモータにより上下させる。
【0040】
磁石22が配置されたB/F分離位置の下には、攪拌台27を設け、ギヤ等を利用して3個の攪拌台が1台のモータで回転できるようにしている。
【0041】
尚、図3と図4の中の数字が指し示しているものを整理しておく。
【0042】
21:キュベット−反応液を入れる反応管。
【0043】
22:磁石−キュベット内の磁性ビーズを壁面に集合させる。磁性ビーズを集合させる際に、キュベット側面に接近し、洗浄液の分注と攪拌の際にはキュベットから離れるため、前後に移動できるようになっている。
【0044】
23:吸引ノズル−キュベット内の廃液を吸引する。注入ノズルとともに固定されており、上下に移動できるようになっている。
【0045】
24:注入ノズル−キュベット内に洗浄液を注入する。吸引ノズルとともに固定されており、上下に移動できるようになっている。
【0046】
25:発光補助試薬A液注入ノズル−キュベット内に発光補助試薬A液を注入する。吸引ノズルとともに固定されており、上下に移動できるようになっている。
【0047】
26:キュベット移送テーブル−キュベットを周囲に保持し、回転動作によってキュベットを次のポートに送る。
【0048】
27:攪拌台−キュベットを掴むように切り欠きされたスポンジが設けられている台で、回転することでキュベット内の溶液を回転攪拌する。
【0049】
28:カラー−キュベット表面に傷をつきにくくするために、キュベットよりも柔らかい材質で作られ、キュベットとの接触面を小さくした形状のもの。変形例として、2枚の平行配置された板バネでキュベットを挟む形状の弾性部材によってキュベットを挟む方式によっても代用が可能である。
【0050】
本発明にかかるB/F分離装置の動作は次の通りである。
【0051】
(1)ターンテーブル26が回転してキュベット21を移送し、B/F分離位置で磁石22がキュベット側面に接近する。
【0052】
(2)吸引ノズル23によりキュベット内の廃液を吸引した後、磁石22がキュベット21から離れる。
【0053】
(3)注入ノズル24によりキュベット内に洗浄液を注入する。
【0054】
(4)攪拌台26がキュベット21の底部を掴んで回転し、キュベット内壁、磁性ビーズ表面を洗浄する。
【0055】
(5)(1)に戻って、同じ工程を2回繰り返す。
【0056】
(6)尚、B/F分離位置は、図4の例では3つあり、キュベット21はそこをステップ送りされて1つずつ進むので、B/F分離が3回目になったキュベットには、洗浄液の代わりに、発光補助試薬A液注入ノズル25より発光補助試薬A液が注入される。
【0057】
さて、本実施例でB/F分離を行なう位置は、上記説明と図5において示したように、ポジション3、4、5の3ヶ所であり、その各々のポジションでそれぞれ4つの工程が行なわれる。図6は、その4つの工程に要する時間を図示したものである。
【0058】
まず、第1の工程では、磁石をキュベットの側壁に接近させて、磁性ビーズを集合させる。この工程に5秒を要している。
【0059】
次に、第2の工程では、磁石で磁性ビーズをキュベットの側壁に集合させたまま、吸引ノズルでキュベット内の廃液を吸引除去する。この工程に3秒を要している。
【0060】
次に、第3の工程では、磁石をキュベットの側壁から遠ざけて、注入ノズルから洗浄水をキュベット内に注入する。この工程に1秒を要している。
【0061】
最後に、第4の工程では、攪拌台を回転させて、磁性ビーズを攪拌洗浄する。この工程に5秒を要している。
【0062】
これらの所要時間は、小型軽量の磁石(特開2006−218442)により実現される時間であり、従来の磁石では、分離時間が更に2倍近くかかる。結局、本実施例では、1つのB/F分離位置(キュベット停止位置)でB/F分離操作を行なうのに、都合14秒を要していることになる。
【0063】
尚、上記B/F分離工程においては、3回繰り返される磁石によるB/F分離工程のうち、初回のB/F分離工程が最も長い時間を要する。というのは、初回のB/F分離では試料中にタンパク質が多く含まれているために試料に粘性があり、磁石による吸引に時間を要するためである。従って、B/F分離を短時間に効率良く行なうためには、初段の工程(1回目の磁石による吸引)をいかに効率良く行なうかが1つのポイントとなる。
【0064】
そこで、この初回のB/F分離効率を高めるために、図5のB/F分離テーブルのポジション2において、別途用意した磁石によって固相の予備集合をあらかじめ行なわせるように構成しても良い。これにより、初回のB/F分離効率を高めることができる。
【0065】
また、本実施例ではキュベット21がターンテーブル26に保持されて回転移送される例を上げたが、キュベット21は、図7に示すように直線状の反応テーブルに保持させて移送しても良い。
【0066】
本実施例の結果、B/F分離を行なうための専用のテーブルを設け、B/F分離を行なう部分と反応を行なう部分を切り離すことができ、単純動作の繰り返しでB/F分離が行なえるようになった。
【0067】
これにより、複数の磁石、複数のノズル、複数の攪拌台をそれぞれ1つの動力で動かすことができるようになり、可動軸が削減されてコストの低減になった。
【0068】
また、B/F分離を行なうタイミングになったキュベットをB/F分離部に移送するだけでB/F分離が完了するので、生化学分析方法の多様化が容易になった。
【0069】
また、B/F分離の最後に発光補助試薬A液注入ノズルを配置したことにより、試薬分注に必要なノズルを上下に移動させる動力が不要になり、コストの低減になった。
【実施例2】
【0070】
実施例1のB/F分離装置では、キュベット停止位置の1ヶ所で、4つの分離工程を処理していたため、長い停止時間が必要であった。この停止時間は15〜30秒であり、スループットに換算すると120〜240検体/時間である。
【0071】
このサイクルタイムが15〜30秒/検体から9秒/検体に短縮されると、B/F分離装置のスループットが240検体/時間から400検体/時間にアップする。そこで、B/F分離装置の移送ステップ数を増やし、各ポジションでの待機時間を短縮平準化して、各ポジションでの待機時間(サイクルタイム)を短縮するように工夫したものが実施例2である。
【0072】
本実施例では、実施例1では1つの停止位置で行なっていた4つの工程を、前工程1〜3と後工程4の2つに2分割し、2つのポジションで並行させて実行する。図8に2分割されたB/F分離工程を示す。前工程1〜3は、磁性ビーズの集合、廃水の吸引、洗浄水の注入で、後工程4は、再懸濁より成る。前工程1〜3と後工程4を併せて、B/F分離の1回分とする。
【0073】
図9にB/F分離装置の一実施例を示す。実施例1のB/F分離装置の停止位置が全部で8ポジションだったのに対して、本実施例では2つ増えて、10ポジションとなっている。すなわち、図9では、図5のポジション3、4が前工程と後工程にそれぞれ2分割され、ポジション4、6が新たに増設されている。また、図5のポジション5での攪拌は、図9のポジション8での高速攪拌に置き換えることにより、後工程のポジション増設を省略している。
【0074】
図9に基づいて、本B/F分離装置の動作を説明する。図中、ポジション1はキュベット脱着位置である。キュベットは最初ポジション1にセットされ、ここを起点にしてターンテーブルの周上を一周する。
【0075】
この間に、図8で示した前工程1〜3に当たる磁性ビーズの集合、洗浄水の吸引、洗浄水の注入を、ポジション3、5、7で行なう。また、後工程の再懸濁を、ポジション4、6で行なう。ポジション7での発光補助試薬A液注入後の攪拌は、ポジション8の高速攪拌で兼用する。
【0076】
キュベットがターンテーブルの周上を一周する間に、ポジション3、4、ポジション5、6、ポジション7、8でB/F分離を各1回ずつ、合計3回行なう。これにより、前工程と後工程を同時並行的に行なわせ、トータルの所要時間を短縮することが可能になる。
【0077】
尚、本実施例には、変形が可能である。すなわち、本実施例ではキュベットがターンテーブルに保持されて周上を回転移送される例を上げたが、キュベットは、図7からの類推により、直線状の反応テーブルに保持させて移送しても良い。
【0078】
また、図8で示したような工程の分割ではなく、図10に示すように、B/F分離の際に磁石を使用するか使用しないかで工程を前工程と後工程とに2分割しても良い。
【0079】
また、上記B/F分離工程においては、3回繰り返される磁石によるB/F分離工程のうち、初回のB/F分離工程が最も長い時間を要する。というのは、初回のB/F分離では試料中にタンパク質が多く含まれているために試料に粘性があり、磁石による吸引に時間を要するためである。従って、B/F分離を短時間に効率良く行なうためには、初段の工程(1回目の磁石による吸引)をいかに効率良く行なうかが1つのポイントとなる。
【0080】
そこで、この初回のB/F分離効率を高めるために、図9のB/F分離テーブルのポジション2において、別途用意した磁石によって固相の予備集合をあらかじめ行なわせるように構成しても良い。これにより、初回のB/F分離効率を高めることができる。
【0081】
結局、本実施例では、キュベットの停止位置を8ポジションから10ポジションに増やし、特に時間的な負荷のかかるB/F分離ポジションを2分割した。これにより、キュベットが1ポジションに停止している時間を15秒から9秒に短縮したので、キュベットの停止位置が8ヶ所から10ヶ所に増えたにも関わらず、最終的なスループットを240検体/時間から400検体/時間にまで向上させることができた。
【実施例3】
【0082】
図3と図4のカラー28の変形例について説明しておく。図11は、2枚の平行配置された板バネでキュベットを挟む形状の弾性部材によってキュベットを挟む方式を例示したものである。
【0083】
これは、両端が開いた角度に加工され中央部にキュベットを挟み込めるような空間的なふくらみを持たせた2枚の板バネでキュベットを挟むことにより、柔らかいカラーよりも耐久性に富んだキュベット攪拌機構を提供しようとするものである。
【0084】
キュベットは、B/F分離テーブルの回転とともに、2枚の板バネの左側開放端より中央のふくらみの部分に搬送され、板バネに挟み込まれることにより固定される。固定後、回転角度を制御できるモータで板バネをキュベットごと回転させることにより、キュベット内の試料を攪拌させる。
【0085】
モータは回転角度が制御可能なので、攪拌終了時に2枚の板バネの方向をキュベットの移動方向に向けて停止させることができる。これによりキュベットは、B/F分離テーブルの回転とともに、2枚の板バネの右側開放端方向に搬送されて行き、B/F分離テーブルの次のポジションに移動することができる。
【0086】
このような板バネによる攪拌機構は、図5のポジション3、4、5、および、図9のポジション4、6にそれぞれ設けられる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
自動分析装置に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】EIA法の測定原理を示す図である。
【図2】本発明にかかる自動分析装置の一実施例を示す図である。
【図3】本発明にかかるB/F分離装置の一実施例を示す側面図である。
【図4】本発明にかかるB/F分離装置の一実施例を示す平面図である。
【図5】本発明にかかるB/F分離装置の一実施例を示す平面工程図である。
【図6】本発明にかかるB/F分離工程の所要時間を示す図である。
【図7】本発明にかかるB/F分離装置の変形例を示す図である。
【図8】本発明にかかるB/F分離工程の所要時間を示す図である。
【図9】本発明にかかるB/F分離装置の別の実施例を示す平面工程図である。
【図10】本発明にかかるB/F分離工程の所要時間を示す別の図である。
【図11】本発明にかかる攪拌機構の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1:固相(ビーズ固相)、2:固相抗体、3:固相抗体に未結合の抗原、4:抗原-抗体複合物、5:固相抗体に結合した抗原、6:抗原-抗体複合物に未結合の酵素標識抗体、7:標識酵素、8:酵素標識抗体-抗原-抗体複合物、9:抗原-抗体複合物に結合した酵素標識抗体、10:発色試薬(発色前)、10’:発色試薬(発色後)、11:反応ターンテーブル、12:サンプルターンテーブル、13:試薬1ターンテーブル、14:試薬2ターンテーブル、15:キュベット移送ハンド、16:B/F分離テーブル、17:発光検出器、18:キュベットダスト、21:キュベット、22:磁石、23:吸引ノズル、24:注入ノズル、25:発光補助試薬A液注入ノズル、26:キュベット移送テーブル、27:攪拌台、28:カラー
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫測定法において、固相抗体(または固相抗原)に結合しなかった目的の抗原(または抗体)、及び目的の抗原(または抗体)に結合しなかった標識抗体(または標識抗原)を反応容器から分離除去するB/F分離技術に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫測定法は、「鍵と鍵穴」に例えられる特異的な抗原抗体反応を利用して、生体内の特定の抗原または抗体を定量する測定法である。検出感度が極めて高いので、癌マーカー、各種感染症の抗原、ホルモン等、生体内に微量に存在する物質の定量に幅広く利用されている。測定対象となる試料は、血液(特に血清)、尿、唾液、髄液などの体液である。免疫測定法としては、化学発光免疫測定法(CLIA法)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)、酵素免疫測定法(EIA法)等が臨床検査分野で利用されている。
【0003】
図1は、EIA法の原理の一例を示したものである。図1(a)は、EIA法の最初の状態を示している。図中1はビーズ固相である。例えば、ポリスチレンなどの材質で作られたビーズが用いられる。ビーズ固相1の表面には、抗体(たんぱく質の一種)が吸着されていて、固相抗体2を形成している。そこに、測定したい抗原3を含んだ試料を添加して、ビーズ固相1と一定時間反応させると、抗原3は固相抗体2と抗原抗体反応を起こして、ビーズ固相1の表面に結合し、図1(b)のように、抗原-抗体複合物4を形成する。この状態の抗原を、結合型抗原5(Bound form、Bと略す)と呼び、ビーズ固相1の洗浄によっても結合が切られることはない。一方、固相抗体2に対して未結合の抗原3は遊離型抗原(Free form、Fと略す)と呼ばれ、ビーズ固相1を洗浄することによって容易に反応容器の中から取り除くことができる。この結合型抗原5と遊離型抗原3を洗浄によって分ける操作をB/F分離と呼ぶ。B/F分離後は、図1(c)に示すように、結合型抗原5のみが反応容器中に残ることになる。
【0004】
次に、EIA法では、抗原-抗体複合物4を形成している結合型抗原5に対して、適当な酵素によって標識された抗体(酵素標識抗体)6を抗原抗体反応で結合させ、結合型抗原5を酵素で標識する操作を行なう。図1(d)は、その様子を示したものである。標識酵素7で標識された酵素標識抗体6を反応容器に添加し、ビーズ固相1と一定時間反応させると、酵素標識抗体6は、結合型抗原5を固相抗体2との間でサンドイッチ状に挟んで、酵素標識抗体-抗原-抗体複合物8を形成する。このとき、EIA法では、固相抗体2に結合した結合型抗原5を十分に標識化するために、過剰量の酵素標識抗体6を添加するのを通例としている。従って、結合型抗原5と酵素標識抗体6の抗原抗体反応によって結合型抗原5の標識化を行なった後には、抗原に結合した酵素標識抗体9と抗原に結合しなかった余分の遊離型酵素標識抗体6とを分ける操作、即ちB/F分離を再び行なう必要がある。このB/F分離後は、図1(e)に示すように、酵素によって標識化された酵素標識抗体-抗原-抗体複合物8のみがビーズ固相1の表面に残ることになる。これは、ビーズ固相1の表面に残った結合型抗原5の数だけ標識酵素7が残っていることを意味する。
【0005】
ビーズ固相1の表面に結合された標識酵素7の量は、図1(f)に示すように、該酵素の基質となり得る発色試薬10を加えて標識酵素7と反応させ、生成する発色後の発色試薬10’の量を測定することにより、定量することができる。
【0006】
尚、上記の例では、固相抗体と酵素標識抗体を用いて抗原を定量する方法について説明したが、固相抗体と酵素標識抗体の代わりに固相抗原と酵素標識抗原を用いて同様の操作を行なえば、試料中の抗体を定量することもできる。
【0007】
以上に説明したように、EIA法においては、抗原抗体反応によってビーズ固相に結合した抗原(または抗体)と未結合の遊離した抗原(または抗体)を分離するB/F分離、及び、抗原抗体複合物に結合した標識抗体(または標識抗原)と未結合の遊離した標識抗体(または標識抗原)を分離するB/F分離が測定の精度を決める重要な鍵となっている。
【0008】
通常、B/F分離は、前記固相の入った反応容器に洗浄水を注水し、遊離の抗原(または抗体)及び標識抗体(または標識抗原)を洗い落とすことによって行なわれる。そして、洗浄後の残水は、吸引ノズルで吸い取ることによって反応容器から取り除かれる。
【0009】
【特許文献1】特開平7−318559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このようなB/F分離を行なわせる従来の自動分析装置では、反応容器内で検体と試薬を反応させる反応部と、被検出物質もしくは試薬の未結合物を除去するB/F分離部とを、ひとつのラインもしくはターンテーブルの上に配置することを基本構成としている。
【0011】
そのため、ひとつのターンテーブル上にB/F分離部を併設すると、検査項目によってはB/F分離のタイミングが異なるため、洗浄の際に複数のノズル、磁石、攪拌機構はそれぞれ別々の動きをする必要が出てくる。
【0012】
また、B/F分離工程を含まない一般的な生化学分析と、B/F分離工程を含む免疫分析との兼ね合いがあって、複数のノズル、磁石、攪拌機構の動作がきわめて複雑になってしまうという問題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、B/F分離に用いられる複数のノズル、磁石、攪拌機構の動作を単純化することのできる自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を達成するため、本発明にかかる自動分析装置は、
(1)サンプルと試薬を反応させるキュベットと、
(2)前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、
(3)前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、
(4)前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、
(5)反応した検出試薬を定量する検出器と
を備え、
前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在することを特徴としている。
【0015】
また、前記B/F分離テーブルは、
(1)磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程と、
集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程と、
洗浄水を注入する工程と、
磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程と
を行なう複数のB/F分離位置と、
(2)洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程と、
注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程と
を行なう検出試薬注入および攪拌位置と
を備えたことを特徴としている。
【0016】
また、前記B/F分離テーブルは、前記磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程を、前記磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程、集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程、および洗浄水を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴としている。
【0017】
また、前記B/F分離テーブルは、注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程を、前記洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴としている。
【0018】
また、前記B/F分離テーブルのうち、初回のB/F分離位置の手前に、固相の予備集合を行なわせる位置を設けたことを特徴としている。
【0019】
また、前記B/F分離テーブルでの攪拌は、2枚の弾性体でキュベットを挟んで回転させることによって行なわせることを特徴としている。
【0020】
また、前記B/F分離テーブルから前記検出器の位置へキュベットを移送する第2のキュベット移送手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自動分析装置によれば、
(1)サンプルと試薬を反応させるキュベットと、
(2)前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、
(3)前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、
(4)前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、
(5)反応した検出試薬を定量する検出器と
を備え、
前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在するので、
B/F分離に用いられる複数のノズル、磁石、攪拌機構の動作を単純化することのできる自動分析装置を提供することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0023】
図2は、本発明にかかる新しい自動分析装置の一実施例である。以下、1ステップ反応と2ステップ反応について、装置と反応・検出工程の連携を記述する。尚、B/F分離までの反応時間は、測定項目ごとに異なり、B/F分離のタイミングが違う。本発明では、反応ターンテーブル上で数周反応させ、B/F分離を行なわせるタイミングになったキュベットをB/F分離テーブルに運ぶことでB/F分離が完了するので、多様な分析工程に対応しやすくなっている。
【0024】
《1ステップ反応・検出工程の場合》
(1)反応ターンテーブル11に配置されている反応管(以下、キュベット)にサンプルターンテーブル12からサンプルを分注する。
【0025】
(2)試薬1ターンテーブル13から試薬1を分注する。
【0026】
(3)試薬2ターンテーブル14から試薬2を分注する。
【0027】
(4)反応後、キュベット移送ハンド15でキュベットをB/F分離テーブル16(B/F分離装置)に移送し、B/F分離を行なう。
【0028】
(5)キュベット移送ハンド15でB/F分離テーブル16から発光検出器17にキュベットを移送し、発光量の測定を行なう。
【0029】
(6)キュベット移送ハンド15で発光検出器17からキュベットダスト18にキュベットを移送し、キュベットを廃棄する。
【0030】
《2ステップ反応・検出工程の場合》
(1)反応ターンテーブル11に配置されている反応管(以下、キュベット)にサンプルターンテーブル12からサンプルを分注する。
【0031】
(2)試薬1ターンテーブル13から試薬1を分注する。
【0032】
(3)反応後、キュベット移送ハンド15でキュベットをB/F分離テーブル16(B/F分離装置)に移送し、B/F分離を行なう。
【0033】
(4)キュベット移送ハンド15でB/F分離テーブル16から反応ターンテーブル11にキュベットを移送し、試薬2ターンテーブル14から試薬2を分注する。
【0034】
(5)反応後、キュベット移送ハンド15でキュベットをB/F分離テーブル16(B/F分離装置)に移送し、B/F分離を行なう。
【0035】
(6)キュベット移送ハンド15でB/F分離テーブル16から発光検出器17にキュベットを移送し、発光量の測定を行なう。
【0036】
(7)キュベット移送ハンド15で発光検出器17からキュベットダスト18にキュベットを移送し、キュベットを廃棄する。
【0037】
図3と図4は本発明にかかるB/F分離装置である。尚、図に示すB/F分離の回数、磁石、ノズル、攪拌位置の個数はあくまでも一例であって、図中に記載された個数に限定されるものではない。
【0038】
キュベット移送テーブル26の円周上のカラー28内にキュベット21が配置されている。B/F分離を行なう位置には、キュベット21の側方向に前後に移動可能な磁石22を3個配置する。3個の磁石は1台のモータで前後に移動する。
【0039】
磁石22が配置されたB/F分離位置の上には、吸引ノズル23と洗浄液を注入する注入ノズル24、または発光補助試薬A液を注入する発光補助試薬A液注入ノズル25を設け、すべてのノズルを1枚の板等に固定し、1台のモータにより上下させる。
【0040】
磁石22が配置されたB/F分離位置の下には、攪拌台27を設け、ギヤ等を利用して3個の攪拌台が1台のモータで回転できるようにしている。
【0041】
尚、図3と図4の中の数字が指し示しているものを整理しておく。
【0042】
21:キュベット−反応液を入れる反応管。
【0043】
22:磁石−キュベット内の磁性ビーズを壁面に集合させる。磁性ビーズを集合させる際に、キュベット側面に接近し、洗浄液の分注と攪拌の際にはキュベットから離れるため、前後に移動できるようになっている。
【0044】
23:吸引ノズル−キュベット内の廃液を吸引する。注入ノズルとともに固定されており、上下に移動できるようになっている。
【0045】
24:注入ノズル−キュベット内に洗浄液を注入する。吸引ノズルとともに固定されており、上下に移動できるようになっている。
【0046】
25:発光補助試薬A液注入ノズル−キュベット内に発光補助試薬A液を注入する。吸引ノズルとともに固定されており、上下に移動できるようになっている。
【0047】
26:キュベット移送テーブル−キュベットを周囲に保持し、回転動作によってキュベットを次のポートに送る。
【0048】
27:攪拌台−キュベットを掴むように切り欠きされたスポンジが設けられている台で、回転することでキュベット内の溶液を回転攪拌する。
【0049】
28:カラー−キュベット表面に傷をつきにくくするために、キュベットよりも柔らかい材質で作られ、キュベットとの接触面を小さくした形状のもの。変形例として、2枚の平行配置された板バネでキュベットを挟む形状の弾性部材によってキュベットを挟む方式によっても代用が可能である。
【0050】
本発明にかかるB/F分離装置の動作は次の通りである。
【0051】
(1)ターンテーブル26が回転してキュベット21を移送し、B/F分離位置で磁石22がキュベット側面に接近する。
【0052】
(2)吸引ノズル23によりキュベット内の廃液を吸引した後、磁石22がキュベット21から離れる。
【0053】
(3)注入ノズル24によりキュベット内に洗浄液を注入する。
【0054】
(4)攪拌台26がキュベット21の底部を掴んで回転し、キュベット内壁、磁性ビーズ表面を洗浄する。
【0055】
(5)(1)に戻って、同じ工程を2回繰り返す。
【0056】
(6)尚、B/F分離位置は、図4の例では3つあり、キュベット21はそこをステップ送りされて1つずつ進むので、B/F分離が3回目になったキュベットには、洗浄液の代わりに、発光補助試薬A液注入ノズル25より発光補助試薬A液が注入される。
【0057】
さて、本実施例でB/F分離を行なう位置は、上記説明と図5において示したように、ポジション3、4、5の3ヶ所であり、その各々のポジションでそれぞれ4つの工程が行なわれる。図6は、その4つの工程に要する時間を図示したものである。
【0058】
まず、第1の工程では、磁石をキュベットの側壁に接近させて、磁性ビーズを集合させる。この工程に5秒を要している。
【0059】
次に、第2の工程では、磁石で磁性ビーズをキュベットの側壁に集合させたまま、吸引ノズルでキュベット内の廃液を吸引除去する。この工程に3秒を要している。
【0060】
次に、第3の工程では、磁石をキュベットの側壁から遠ざけて、注入ノズルから洗浄水をキュベット内に注入する。この工程に1秒を要している。
【0061】
最後に、第4の工程では、攪拌台を回転させて、磁性ビーズを攪拌洗浄する。この工程に5秒を要している。
【0062】
これらの所要時間は、小型軽量の磁石(特開2006−218442)により実現される時間であり、従来の磁石では、分離時間が更に2倍近くかかる。結局、本実施例では、1つのB/F分離位置(キュベット停止位置)でB/F分離操作を行なうのに、都合14秒を要していることになる。
【0063】
尚、上記B/F分離工程においては、3回繰り返される磁石によるB/F分離工程のうち、初回のB/F分離工程が最も長い時間を要する。というのは、初回のB/F分離では試料中にタンパク質が多く含まれているために試料に粘性があり、磁石による吸引に時間を要するためである。従って、B/F分離を短時間に効率良く行なうためには、初段の工程(1回目の磁石による吸引)をいかに効率良く行なうかが1つのポイントとなる。
【0064】
そこで、この初回のB/F分離効率を高めるために、図5のB/F分離テーブルのポジション2において、別途用意した磁石によって固相の予備集合をあらかじめ行なわせるように構成しても良い。これにより、初回のB/F分離効率を高めることができる。
【0065】
また、本実施例ではキュベット21がターンテーブル26に保持されて回転移送される例を上げたが、キュベット21は、図7に示すように直線状の反応テーブルに保持させて移送しても良い。
【0066】
本実施例の結果、B/F分離を行なうための専用のテーブルを設け、B/F分離を行なう部分と反応を行なう部分を切り離すことができ、単純動作の繰り返しでB/F分離が行なえるようになった。
【0067】
これにより、複数の磁石、複数のノズル、複数の攪拌台をそれぞれ1つの動力で動かすことができるようになり、可動軸が削減されてコストの低減になった。
【0068】
また、B/F分離を行なうタイミングになったキュベットをB/F分離部に移送するだけでB/F分離が完了するので、生化学分析方法の多様化が容易になった。
【0069】
また、B/F分離の最後に発光補助試薬A液注入ノズルを配置したことにより、試薬分注に必要なノズルを上下に移動させる動力が不要になり、コストの低減になった。
【実施例2】
【0070】
実施例1のB/F分離装置では、キュベット停止位置の1ヶ所で、4つの分離工程を処理していたため、長い停止時間が必要であった。この停止時間は15〜30秒であり、スループットに換算すると120〜240検体/時間である。
【0071】
このサイクルタイムが15〜30秒/検体から9秒/検体に短縮されると、B/F分離装置のスループットが240検体/時間から400検体/時間にアップする。そこで、B/F分離装置の移送ステップ数を増やし、各ポジションでの待機時間を短縮平準化して、各ポジションでの待機時間(サイクルタイム)を短縮するように工夫したものが実施例2である。
【0072】
本実施例では、実施例1では1つの停止位置で行なっていた4つの工程を、前工程1〜3と後工程4の2つに2分割し、2つのポジションで並行させて実行する。図8に2分割されたB/F分離工程を示す。前工程1〜3は、磁性ビーズの集合、廃水の吸引、洗浄水の注入で、後工程4は、再懸濁より成る。前工程1〜3と後工程4を併せて、B/F分離の1回分とする。
【0073】
図9にB/F分離装置の一実施例を示す。実施例1のB/F分離装置の停止位置が全部で8ポジションだったのに対して、本実施例では2つ増えて、10ポジションとなっている。すなわち、図9では、図5のポジション3、4が前工程と後工程にそれぞれ2分割され、ポジション4、6が新たに増設されている。また、図5のポジション5での攪拌は、図9のポジション8での高速攪拌に置き換えることにより、後工程のポジション増設を省略している。
【0074】
図9に基づいて、本B/F分離装置の動作を説明する。図中、ポジション1はキュベット脱着位置である。キュベットは最初ポジション1にセットされ、ここを起点にしてターンテーブルの周上を一周する。
【0075】
この間に、図8で示した前工程1〜3に当たる磁性ビーズの集合、洗浄水の吸引、洗浄水の注入を、ポジション3、5、7で行なう。また、後工程の再懸濁を、ポジション4、6で行なう。ポジション7での発光補助試薬A液注入後の攪拌は、ポジション8の高速攪拌で兼用する。
【0076】
キュベットがターンテーブルの周上を一周する間に、ポジション3、4、ポジション5、6、ポジション7、8でB/F分離を各1回ずつ、合計3回行なう。これにより、前工程と後工程を同時並行的に行なわせ、トータルの所要時間を短縮することが可能になる。
【0077】
尚、本実施例には、変形が可能である。すなわち、本実施例ではキュベットがターンテーブルに保持されて周上を回転移送される例を上げたが、キュベットは、図7からの類推により、直線状の反応テーブルに保持させて移送しても良い。
【0078】
また、図8で示したような工程の分割ではなく、図10に示すように、B/F分離の際に磁石を使用するか使用しないかで工程を前工程と後工程とに2分割しても良い。
【0079】
また、上記B/F分離工程においては、3回繰り返される磁石によるB/F分離工程のうち、初回のB/F分離工程が最も長い時間を要する。というのは、初回のB/F分離では試料中にタンパク質が多く含まれているために試料に粘性があり、磁石による吸引に時間を要するためである。従って、B/F分離を短時間に効率良く行なうためには、初段の工程(1回目の磁石による吸引)をいかに効率良く行なうかが1つのポイントとなる。
【0080】
そこで、この初回のB/F分離効率を高めるために、図9のB/F分離テーブルのポジション2において、別途用意した磁石によって固相の予備集合をあらかじめ行なわせるように構成しても良い。これにより、初回のB/F分離効率を高めることができる。
【0081】
結局、本実施例では、キュベットの停止位置を8ポジションから10ポジションに増やし、特に時間的な負荷のかかるB/F分離ポジションを2分割した。これにより、キュベットが1ポジションに停止している時間を15秒から9秒に短縮したので、キュベットの停止位置が8ヶ所から10ヶ所に増えたにも関わらず、最終的なスループットを240検体/時間から400検体/時間にまで向上させることができた。
【実施例3】
【0082】
図3と図4のカラー28の変形例について説明しておく。図11は、2枚の平行配置された板バネでキュベットを挟む形状の弾性部材によってキュベットを挟む方式を例示したものである。
【0083】
これは、両端が開いた角度に加工され中央部にキュベットを挟み込めるような空間的なふくらみを持たせた2枚の板バネでキュベットを挟むことにより、柔らかいカラーよりも耐久性に富んだキュベット攪拌機構を提供しようとするものである。
【0084】
キュベットは、B/F分離テーブルの回転とともに、2枚の板バネの左側開放端より中央のふくらみの部分に搬送され、板バネに挟み込まれることにより固定される。固定後、回転角度を制御できるモータで板バネをキュベットごと回転させることにより、キュベット内の試料を攪拌させる。
【0085】
モータは回転角度が制御可能なので、攪拌終了時に2枚の板バネの方向をキュベットの移動方向に向けて停止させることができる。これによりキュベットは、B/F分離テーブルの回転とともに、2枚の板バネの右側開放端方向に搬送されて行き、B/F分離テーブルの次のポジションに移動することができる。
【0086】
このような板バネによる攪拌機構は、図5のポジション3、4、5、および、図9のポジション4、6にそれぞれ設けられる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
自動分析装置に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】EIA法の測定原理を示す図である。
【図2】本発明にかかる自動分析装置の一実施例を示す図である。
【図3】本発明にかかるB/F分離装置の一実施例を示す側面図である。
【図4】本発明にかかるB/F分離装置の一実施例を示す平面図である。
【図5】本発明にかかるB/F分離装置の一実施例を示す平面工程図である。
【図6】本発明にかかるB/F分離工程の所要時間を示す図である。
【図7】本発明にかかるB/F分離装置の変形例を示す図である。
【図8】本発明にかかるB/F分離工程の所要時間を示す図である。
【図9】本発明にかかるB/F分離装置の別の実施例を示す平面工程図である。
【図10】本発明にかかるB/F分離工程の所要時間を示す別の図である。
【図11】本発明にかかる攪拌機構の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1:固相(ビーズ固相)、2:固相抗体、3:固相抗体に未結合の抗原、4:抗原-抗体複合物、5:固相抗体に結合した抗原、6:抗原-抗体複合物に未結合の酵素標識抗体、7:標識酵素、8:酵素標識抗体-抗原-抗体複合物、9:抗原-抗体複合物に結合した酵素標識抗体、10:発色試薬(発色前)、10’:発色試薬(発色後)、11:反応ターンテーブル、12:サンプルターンテーブル、13:試薬1ターンテーブル、14:試薬2ターンテーブル、15:キュベット移送ハンド、16:B/F分離テーブル、17:発光検出器、18:キュベットダスト、21:キュベット、22:磁石、23:吸引ノズル、24:注入ノズル、25:発光補助試薬A液注入ノズル、26:キュベット移送テーブル、27:攪拌台、28:カラー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)サンプルと試薬を反応させるキュベットと、
(2)前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、
(3)前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、
(4)前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、
(5)反応した検出試薬を定量する検出器と
を備え、
前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記B/F分離テーブルは、
(1)磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程と、
集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程と、
洗浄水を注入する工程と、
磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程と
を行なう複数のB/F分離位置と、
(2)洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程と、
注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程と
を行なう検出試薬注入および攪拌位置と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記B/F分離テーブルは、前記磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程を、前記磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程、集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程、および洗浄水を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記B/F分離テーブルは、注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程を、前記洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記B/F分離テーブルのうち、初回のB/F分離位置の手前に、固相の予備集合を行なわせる位置を設けたことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記B/F分離テーブルでの攪拌は、2枚の弾性体でキュベットを挟んで回転させることによって行なわせることを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記B/F分離テーブルから前記検出器の位置へキュベットを移送する第2のキュベット移送手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項1】
(1)サンプルと試薬を反応させるキュベットと、
(2)前記キュベットにサンプルと試薬をそれぞれ分注するサンプル分注手段および試薬分注手段と、
(3)前記キュベットを周方向に複数個保持し、回転しながら前記サンプルと前記試薬を抗原抗体反応させる反応ターンテーブルと、
(4)前記抗原抗体反応後のキュベット内に含まれている遊離した抗原(または抗体)Fを磁性固相に結合した抗原(または抗体)Bから分離させ、該B/F分離後に、磁性固相に結合した抗原(または抗体)と反応する検出試薬を注入して反応させるB/F分離テーブルと、
(5)反応した検出試薬を定量する検出器と
を備え、
前記反応ターンテーブルと前記B/F分離テーブルとの間には、前記反応ターンテーブルから前記B/F分離テーブルへ前記キュベットを移送する第1のキュベット移送手段が存在することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記B/F分離テーブルは、
(1)磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程と、
集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程と、
洗浄水を注入する工程と、
磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程と
を行なう複数のB/F分離位置と、
(2)洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程と、
注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程と
を行なう検出試薬注入および攪拌位置と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記B/F分離テーブルは、前記磁石をキュベット壁から遠ざけて磁性固相と洗浄水を攪拌する工程を、前記磁性固相を磁石によりキュベット壁に集合させる工程、集合した磁性固相から廃液を吸引分離する工程、および洗浄水を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記B/F分離テーブルは、注入された検出試薬と磁性固相を攪拌する工程を、前記洗浄後の磁性固相に該磁性固相と結合した抗原(または抗体)の量を検出するための検出試薬を注入する工程とは別の位置で行なわせるようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記B/F分離テーブルのうち、初回のB/F分離位置の手前に、固相の予備集合を行なわせる位置を設けたことを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記B/F分離テーブルでの攪拌は、2枚の弾性体でキュベットを挟んで回転させることによって行なわせることを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記B/F分離テーブルから前記検出器の位置へキュベットを移送する第2のキュベット移送手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−32215(P2010−32215A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177960(P2008−177960)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
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