説明

自動分析装置

【課題】装置の分析処理能力を低下させずに分析の信頼性を高めることができる自動分析装置を提供すること。
【解決手段】逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構50によって検体を分注する動作状態であるか否かを判断する動作状態判断部100aと、動作状態判断部100aが検体分注機構50によって検体を分注する動作状態でないと判断した場合、検体分注機構50によって検体を分注する動作状態になるまでの間に、検体分注機構50によって色素液を反応容器30aに所定回数だけ分注し、この分注された色素液の吸光度を測定する制御を行う精度分析制御部100bと、所定回数だけ測定されたこの色素液の吸光度に基づいて検体分注機構50の分注精度が正常であるか否かを判定する精度正否判定部100cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検体と試薬とをそれぞれ反応容器内に分注し、該検体と該試薬とを反応させて、複数の検体を光学的に順次分析する自動分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、検体容器に収容された検体を検体分注機構によって反応容器に分注し、反応容器内で試薬と反応させて検体を分析する一連の分析処理を逐次受付された検体に対して行う自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、検体分注機構による検体の分注精度が正常であるか否かの判定処理を行い、この判定処理によって分注精度の低下が告知された場合に、分注精度の低下に対する処置を行って分析精度を維持している。しかしながら、分析の信頼性を高めるためにこの判定処理を頻繁に行うようにすると装置の分析処理能力が低下してしまう。このため、装置の分析処理能力を低下させないように予定されたタイミングでこの判定処理を行うようにしている。
【0003】
例えば、特許文献1には、検体分注機構の保守作業のタイミングでこの検体分注機構による検体の分注精度が正常であるか否かの判定処理を行うものが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−327779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された自動分析装置は、逐次受付される検体の一連の分析処理中に、検体分注機構による検体の分注精度が正常であるか否かの判定処理を行うことができる空き時間があったとしても、予定されたタイミング以外ではこの判定処理が行われていなかった。この結果、装置の分析処理能力を低下させずに分析の信頼性を高めることができる時間があっても分注精度の精度確認を行うことができなかったという問題点があった。
【0006】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、装置の分析処理能力を低下させずに分析の信頼性を高めることができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる自動分析装置は、検体を収容した検体容器から反応容器に検体分注機構によって分注された前記検体と、試薬を収容した試薬容器から前記反応容器に試薬分注機構によって分注された前記試薬とを前記反応容器内で反応させて吸光度を測定し、該検体を分析する一連の分析処理を行う自動分析装置において、逐次受付される前記一連の分析処理中に前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態でないと判断した場合、前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態になるまでの間に、前記検体分注機構によって分注精度確認用の液体試料を前記反応容器に所定回数だけ分注し、この分注された前記液体試料の吸光度を測定する制御を行う制御手段と、前記所定回数だけ測定された前記液体試料の吸光度に基づいて前記検体分注機構の分注精度が正常であるか否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記判断手段は、最初の前記一連の分析処理を受付された前記検体を収容した前記検体容器が前記検体分注機構によって前記検体を吸引する位置に移送されていないおよび/または前記最初の前記一連の分析処理を受付された前記検体が吐出される前記反応容器が前記検体分注機構によって前記検体を吐出される位置に移送されていない状態、あるいは次に行われる前記一連の分析処理が受付されていない状態を前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態でないと判断することを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記検体分注機構は、前記検体の吸引および吐出を行う検体分注ノズルを有し、前記検体を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する前記検体分注ノズルの軌跡上に配置され、前記液体試料を収容する保持手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記試薬分注機構は、前記試薬の吸引および吐出を行う試薬分注ノズルを有し、前記試薬を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する前記試薬分注ノズルの軌跡上に配置され、前記反応容器内で前記液体試料を希釈するための希釈液を収容する希釈液保持手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる自動分析装置は、上記発明において、前記液体試料は色素液であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、判断手段が、逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態であるか否かを判断し、制御手段が、前記判断手段が前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態でないと判断した場合、前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態になるまでの間に、前記検体分注機構によって分注精度確認用の液体試料を前記反応容器に所定回数だけ分注し、この分注された前記液体試料の吸光度を測定する制御を行い、判定手段が、前記所定回数だけ測定された前記液体試料の吸光度に基づいて前記検体分注機構の分注精度が正常であるか否かを判定しているため、逐次受付される前記検体の前記一連の分析処理中に前記検体分注機構による前記検体の分注動作に空き時間がある場合、この空き時間を利用して前記検体分注機構による前記検体の分注精度を確認することが可能となり、前記検体分注機構による前記検体の分注精度が低下していた場合に、分注精度維持のための処置を行うことができる。従って、装置の分析処理能力を低下させずに分析の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、この発明にかかる自動分析装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態にかかる自動分析装置1は、測定部2と、制御装置3とを有する。測定部2は、検体供給部10から供給された検体容器10a内の検体および第1試薬庫41から供給された第1試薬容器41a内の第1試薬、必要に応じて、さらに第2試薬庫42から供給された第2試薬容器42a内の第2試薬を反応容器30a内に分注し、反応容器30aで生じる反応を光学的に測定する。制御装置3は、測定部2を含む自動分析装置1全体の制御を行うとともに測定部2における測定結果の分析を行う。自動分析装置1は、これら各部が連携することによって複数の検体の生化学分析を順次自動的に行う。なお、自動分析装置1は、色素液保持部51に保持された色素液および希釈液保持部43に保持された希釈液を反応容器30aに分注し、この反応容器30a内の色素液を光学的に測定した結果に基づいて検体の分注精度が正常であるか否かの判定処理を行う。
【0015】
まず、測定部2について説明する。測定部2は、検体供給部10と、試料保持部20と、反応槽30と、第1試薬庫41と、第2試薬庫42と、検体分注機構50と、第1試薬分注機構61と、第2試薬分注機構62と、第1攪拌部71と、第2攪拌部72と、測光部80と、洗浄部90と、色素液保持部51と、希釈液保持部43とを有する。
【0016】
検体供給部10は、血液等の液体の検体を収容した複数の検体容器10aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック10bを備える。検体供給部10上の検体分注機構50による検体の吸引位置に移送された検体容器10a内の検体は、検体分注機構50によって反応容器30aに分注される。
【0017】
試料保持部20は、一般検体以外の各種検体(検量線作成用のスタンダード検体、精度管理検体、緊急検体、STAT検体、再検査用検体等)を収容する検体容器20aを着脱自在に複数収納できる。試料保持部20は、制御装置3の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試料保持部20の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の検体容器20aを検体分注機構50による検体の吸引位置まで移送する。
【0018】
反応槽30は、反応容器30aへの検体や試薬の分注、反応容器30a内での検体、試薬の攪拌、洗浄または測光を行うために、反応容器30aを所定の位置まで移送する。この反応槽30は、制御装置3の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応槽30の中心を通る鉛直線を回転軸として回動自在である。反応槽30の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽とがそれぞれ設けられている。
【0019】
第1試薬庫41は、反応容器30a内に分注される2種類の試薬のうち、最初に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器41aを着脱自在に複数収納できる。第1試薬庫41は、制御装置3の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、第1試薬庫41の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第1試薬容器41aを第1試薬分注機構61による試薬の吸引位置まで移送する。
【0020】
第2試薬庫42は、反応容器30a内に分注される2種類の試薬のうち、第1試薬の次に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器42aを着脱自在に複数収納できる。第2試薬庫42は、第1試薬庫41と同様に、制御装置3の制御のもと、時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の第2試薬容器42aを第2試薬分注機構62による試薬の吸引位置まで移送する。
【0021】
検体分注機構50は、検体の吸引および吐出を行う検体分注ノズル50bが先端部に取り付けられたアーム50aを備える。アーム50aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。検体分注機構50は、図2に示すように、検体分注ノズル50bから図示しない供給機構までを接続する配管50dの間に吸排シリンジを用いた吸排機構50cを備える。検体分注機構50は、弁50eを「閉」にして吸排機構50cを動作させることによって、図示しない供給機構から供給され配管50d内に充填された洗浄水等の液体Waを介して検体分注ノズル50bの先端に吸引圧または吐出圧を印加する。検体分注機構50は、検体供給部10の検体の吸引位置に移送された検体容器10a内から検体分注ノズル50bによって規定量の検体を吸引し、アーム50aを図中反時計回りに旋回させ、反応槽30上の検体を吐出する位置に移送された反応容器30aに、規定量の検体を吐出して分注する検体分注処理を行う。
【0022】
第1試薬分注機構61は、第1試薬の吸引および吐出を行う第1試薬分注ノズル61bが先端部に取り付けられたアーム61aを備える。アーム61aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。第1試薬分注機構61は、検体分注機構50と同様に、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備える。第1試薬分注機構61は、第1試薬庫41上の試薬の吸引位置に移送された第1試薬容器41a内の第1試薬を第1試薬分注ノズル61bによって吸引し、アーム61aを図中時計回りに旋回させ、反応槽30上の第1試薬を吐出する位置に移送された反応容器30aに、規定量の第1試薬を吐出して分注する。
【0023】
第2試薬分注機構62は、第1試薬分注機構61と同様に、第2試薬の吸引および吐出を行う第2試薬分注ノズル62bが先端部に取り付けられたアーム62aと、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構を備え、第2試薬庫42上の試薬の吸引位置に移送された第2試薬容器42a内の第2試薬を第2試薬分注ノズル62bによって吸引後、反応槽30上の第2試薬を吐出する位置に移送された反応容器30aに、規定量の第2試薬を吐出して分注する。
【0024】
第1攪拌部71および第2攪拌部72は、反応容器30aに分注された試薬と検体との混合液の攪拌を行い、反応を促進させる。
【0025】
測光部80は、所定の測定位置に移送された反応容器30aに光源から測定光を照射し、反応容器30a内の検体と試薬との混合液を透過した光を分光し、受光素子による各波長光の強度測定を行うことによって、分析対象である検体と試薬との混合液に特有の波長の吸光度を測定する。
【0026】
洗浄部90は、図示しないノズルによって、測光部80による測定が終了した反応容器30a内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行う。
【0027】
色素液保持部51は、分注精度確認用の液体試料としての色素液が保持される色素液収容部51aを有する。色素液収容部51aは、たとえば円筒形状の凹部で形成され、色素液が収容される保持手段として機能する。色素液収容部51aは、検体を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する検体分注ノズル50bの軌跡上に配置される。色素液収容部51aに収容された色素液は、検体分注機構50によって反応容器30aに規定量、分注される。
【0028】
希釈液保持部43は、色素液を希釈する希釈液が保持される希釈液収容部43aを有する。希釈液収容部43aは、たとえば円筒形状の凹部で形成され、希釈液保持手段として機能する。希釈液収容部43aは、第1試薬を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する第1試薬分注ノズル61bの軌跡上に配置される。希釈液収容部43aに収容された希釈液は、第1試薬分注機構61によって反応容器30aに規定量、分注される。なお、色素液収容部51aおよび希釈液収容部43aは、色素液あるいは希釈液が収容できればよい、例えば、角柱形状の凹部で実現してもよい。
【0029】
次に、制御装置3について説明する。制御装置3は、制御部100と、入力部110と、分析部120と、記憶部130と、出力部140とを備える。測定部2および制御装置3が備えるこれらの各部は、制御部100に接続される。
【0030】
制御部100は、CPU等を用いて構成され、自動分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部100は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、かつ、この情報に所定の情報処理を行う。なお、制御部100は、逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構50によって検体を分注する動作状態であるか否かを判断する動作状態判断部100aと、動作状態判断部100aが検体分注機構50によってこの検体を分注する動作状態でないと判断した場合、検体分注機構50によってこの検体を分注する動作状態になるまでの間に、検体分注機構50によって色素液を反応容器30aに所定回数だけ分注し、この分注された色素液の吸光度を測定する制御を行う精度分析制御部100bと、所定回数だけ測定されたこの色素液の吸光度に基づいて検体分注機構50の分注精度が正常であるか否かを判定する精度正否判定部100cとを有する。
【0031】
入力部110は、キーボード、マウス、入出力機能を兼ねたタッチパネル式表示画面等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を取得する。入力部110は、図示しない通信ネットワークを介し、外部装置から検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を取得してもよい。
【0032】
分析部120は、測光部80によって測定された測定結果をもとに、吸光度等を演算し検体内における検出対象物の濃度を求め、検体の成分分析等を行う。
【0033】
記憶部130は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクから読み出して電気的に記憶するメモリとを有する。記憶部130は、分析部120によって演算された吸光度等の情報を記憶する。記憶部130は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0034】
出力部140は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を有し、吸光度、検体の分析結果等を出力する。また、出力部140は、図示しない通信ネットワークを介し、外部装置に吸光度、検体の分析結果等を出力してもよい。
【0035】
以上のように構成された自動分析装置1では、順次移送される反応容器30aに対して、第1試薬分注機構61が、第1試薬容器41aから反応容器30aに第1試薬を分注し、検体分注機構50が、検体容器10aから反応容器30aに規定量の検体を分注する。続いて、第1攪拌部71が、反応容器30a内の第1試薬と検体とを撹拌して反応させた後、測光部80が、第1試薬と検体との混合液の吸光度測定を行う。また、必要に応じて第2試薬分注機構62が、第2試薬容器42aから反応容器30aに第2試薬を分注する。続いて、第2攪拌部72が、反応容器30a内の第1試薬、検体および第2試薬の混合液を撹拌して反応させた後、測光部80が、第1試薬と検体と第2試薬との混合液の吸光度測定を行う。そして、分析部120が、測定結果を分析し、検体の成分分析等を自動的に行う。また、洗浄部90が、測光部80による測定が終了した反応容器30aの洗浄・乾燥を行い、逐次受付された検体の一連の分析処理が連続して行われる。
【0036】
ここで、動作状態判断部100aは、逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構50によって検体を分注する動作状態であるか否かを判断する。精度分析制御部100bは、動作状態判断部100aが検体分注機構50によって検体を分注する動作状態でないと判断した場合、検体分注機構50によってこの検体が分注できる動作状態になるまでの間に、検体分注機構50によって色素液を反応容器30aに所定回数だけ分注し、この分注された色素液の吸光度を測定させる。精度正否判定部100cは、所定回数だけ測定されたこの色素液の吸光度に基づいて検体分注機構50の分注精度が正常であるか否かを判定し、検体分注機構50による検体の分注精度が低下していた場合に検体の一連の分析処理を停止させる。
【0037】
つぎに、図3に示すフローチャートを参照して、制御部100が実施する逐次受付される検体の一連の分析処理の手順について説明する。まず制御部100は、図3に示すように、最初の一連の分析処理として受付された検体の分析処理(以下、最初の分析処理という)を行い(ステップS100)、次の一連の分析処理として受付された検体の分析処理(以下、次の分析処理という)を行った後(ステップS200)、検体の一連の分析処理の受付が終了したか否かを判断し(ステップS1)、検体の一連の分析処理の受付が終了していない場合(ステップS1;No)、ステップS200に移行し、上述した処理を繰り返す。一方、検体の一連の分析処理の受付が終了した場合(ステップS1;Yes)、制御部100は、本処理を終了する。
【0038】
ここで、図4に示すフローチャートを参照して制御部100による最初の分析処理手順について詳細に説明する。図4に示すように、まず動作状態判断部100aは、最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態であるか否かを判断する(ステップS101)。ここで、この受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態でない場合は、この受付された検体を収容した検体容器10aが検体分注機構50によって検体を吸引する位置に移送されていない状態、あるいは検体分注機構50によって検体を吐出される位置に移送されていない状態である。最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態である場合(ステップS101;Yes)、精度分析制御部100bは、ステップS118に移行し、この受付された検体の分析処理を行った後、図3のステップS100にリターンする。
【0039】
一方、最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態でない場合(ステップS101;No)、精度分析制御部100bは、検体分注機構50による検体の分注精度を自動で診断する自己診断チェック設定であるか否かを判断する(ステップS102)。
【0040】
ここで、自己診断チェック設定は、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって自己診断チェック設定の設定項目にある「Yes」を選択することによって設定され、「No」を選択することによって設定が解除される。
【0041】
自己診断チェック設定でない場合(ステップS102;No)、精度分析制御部100bは、ステップS118に移行し、この受付された検体の分析処理を行った後、図3のステップS100にリターンする。一方、自己診断チェック設定である場合(ステップS102;Yes)、精度分析制御部100bは、色素液収容部51aから反応容器30aに色素液の分注処理を開始する(ステップS103)。これにより、逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構50による検体の分注動作に空き時間がある場合、この空き時間を利用して検体分注機構50による検体の分注精度を確認するための処理が開始される。
【0042】
ここで、反応容器30aに分注する色素液の分注量は、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって分注量の設定項目にある複数の分注量のうちから任意の分注量を選択することによって設定される。
【0043】
色素液の分注処理が開始されると、動作状態判断部100aは、最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態であるか否かの判断を行う(ステップS104)。最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態である場合(ステップS104;Yes)、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理を解除する設定であるか否かを判断する(ステップS105)。
【0044】
ここで、色素液の分注処理を解除する設定は、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって自己診断チェック設定の設定項目にある「Yes」を選択することによって設定され、「No」を選択することによって設定が解除される。
【0045】
色素液の分注処理を解除する設定である場合(ステップS105;Yes)、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理を停止し(ステップS106)、ステップS118に移行し、受付された検体に対する一連の分析処理を行った後、図3のステップS100にリターンする。これにより、色素液の分注処理よりも検体の分析処理を優先させて行うことができる。一方、色素液の分注処理を解除する設定でない場合(ステップS105;No)、ステップS107に移行する。
【0046】
一方、最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態でない場合(ステップS104;No)、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理が完了したか否かを判断する(ステップS107)。色素液の分注処理が完了した場合(ステップS107;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈液が吐出される位置に色素液が分注された反応容器30aを移送し、希釈液収容部43aから反応容器30aに規定量の希釈液の分注処理を開始する(ステップS108)。一方、色素液の分注処理が完了していない場合(ステップS107;No)、ステップS104に移行し、上述した処理を繰り返す。
【0047】
希釈液の分注処理が開始されると、動作状態判断部100aは、最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態であるか否かの判断を行う(ステップS109)。最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態である場合(ステップS109;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈液の分注処理を解除する設定であるか否かを判断する(ステップS110)。
【0048】
ここで、希釈液の分注処理を解除する設定は、色素液と同様に、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって自己診断チェック設定の設定項目にある「Yes」を選択することによって設定され、「No」を選択することによって設定が解除される。
【0049】
希釈液の分注処理を解除する設定である場合(ステップS110;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈液の分注処理を停止し(ステップS111)、ステップS118に移行し、受付された検体に対する一連の分析処理を行った後、図3のステップS100にリターンする。これにより、希釈液の分注処理よりも検体の分析処理を優先させて行うことができる。一方、希釈液の分注処理を解除する設定でない場合(ステップS110;No)、ステップS112に移行する。
【0050】
一方、最初の分析処理として受付された検体が検体分注機構50によって分注する動作状態でない場合(ステップS109;No)、精度分析制御部100bは、希釈液の分注処理が完了したか否かを判断する(ステップS112)。希釈液の分注処理が完了した場合(ステップS112;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈された色素液の吸光度の測定を行う(ステップS113)。次に、精度分析制御部100bは、色素液の分注回数が所定回数に達したか否かを判断する(ステップS114)。
【0051】
ここで、色素液の分注回数は、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって分注回数の設定項目にある入力欄に所望の回数を入力することによって設定される。
【0052】
色素液の分注回数が所定回数に達していない場合(ステップS114;No)、精度分析制御部100bは、ステップS103に移行し、上述した処理を繰り返す。一方、色素液の分注回数が所定回数に達した場合(ステップS114;Yes)、精度正否判定部100cは、所定回数だけ分析して求められた色素液の吸光度の変動係数を算出する(ステップS115)。
【0053】
次に、精度正否判定部100cは、この算出した変動係数が基準値CV未満であるか否かを判定し(ステップS116)、この算出した変動係数が基準値CV未満でない、すなわち基準値CV以上である場合(ステップS116;No)、精度正否判定部100cは、検体の分析処理を停止させる(ステップS117)。この算出した変動係数が基準値CV以上である場合、分注量のばらつきが大きくなっているとして検体の分析処理を停止させているので、検体分注機構50による検体の分注精度が低下した状態で検体の一連の分析処理を継続させてしまうことがない。
【0054】
ここで、変動係数の基準となる基準値CVは、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって基準値CVの設定項目にある入力欄に分注量に対応させた所望の基準値となる数値を入力することによって設定される。
【0055】
一方、この算出した変動係数が基準値CV未満である場合(ステップS116;Yes)、精度正否判定部100cは、検体の一連の分析処理を行った後(ステップS118)、図3のステップS100にリターンする。
【0056】
次に、図5に示すフローチャートを参照して制御部100による次の分析処理手順について詳細に説明する。図5に示すように、まず動作状態判断部100aは、検体を検体分注機構50によって分注する動作状態であるか否か、すなわち、検体の分析処理が受付されてあるか否かを判断する(ステップS201)。検体の分析処理が受付されてある場合(ステップS201;Yes)、精度分析制御部100bは、ステップS218に移行し、この受付された検体の分析処理を行った後、図3のステップS200にリターンする。一方、検体の分析処理が受付されてない場合(ステップS201;No)、精度分析制御部100bは、検体分注機構50による検体の分注精度を自動で診断する自己診断チェック設定であるか否かを判断する(ステップS202)。
【0057】
ここで、自己診断チェック設定は、最初の分析処理と同様に、例えば、図6に示すように、出力部140に出力させた入力設定画面140aによって行われる。自己診断チェック設定でない場合(ステップS202;No)、精度分析制御部100bは、図3のステップS200にリターンする。
【0058】
一方、自己診断チェック設定である場合(ステップS202;Yes)、精度分析制御部100bは、色素液収容部51aから反応容器30aに色素液の分注処理を開始する(ステップS203)。これにより、逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構50による検体の分注動作に空き時間がある場合、この空き時間を利用して検体分注機構50による検体の分注精度を確認するための処理が開始される。
【0059】
ここで、反応容器30aに分注する色素液の分注量の設定は、最初の分析処理と同様に、例えば、図6に示すように、出力部140に出力させた入力設定画面140aによって行われる。
【0060】
色素液の分注処理が開始されると、動作状態判断部100aは、検体の分析処理が受付されてあるか否かの判断を行う(ステップS204)。検体の分析処理が受付されてある場合(ステップS204;Yes)、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理を解除する設定であるか否かを判断する(ステップS205)。
【0061】
ここで、色素液の分注処理を解除する設定は、最初の分析処理と同様に、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって自己診断チェック設定の設定項目にある「Yes」を選択することによって設定され、「No」を選択することによって設定が解除される。
【0062】
色素液の分注処理を解除する設定である場合(ステップS205;Yes)、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理を停止し(ステップS206)、ステップS218に移行し、受付された検体に対する一連の分析処理を行った後、図3のステップS200にリターンする。これにより、色素液の分注処理よりも検体の分析処理を優先させて行うことができる。一方、色素液の分注処理を解除する設定でない場合(ステップS205;No)、ステップS207に移行する。
【0063】
一方、検体の分析処理が受付されてない場合(ステップS204;No)、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理が完了したか否かを判断する(ステップS207)。色素液の分注処理が完了した場合(ステップS207;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈液が吐出される位置に色素液が分注された反応容器30aを移送し、希釈液収容部43aから反応容器30aへ規定量の希釈液の分注処理を開始する(ステップS208)。一方、色素液の分注処理が完了していない場合(ステップS207;No)、ステップS204に移行し、上述した処理を繰り返す。
【0064】
希釈液の分注処理が開始されると、動作状態判断部100aは、検体の分析処理が受付されてあるか否かの判断を行う(ステップS209)。検体の分析処理が受付されてある場合(ステップS209;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈液の分注処理を解除する設定であるか否かを判断する(ステップS210)。
【0065】
ここで、希釈液の分注処理を解除する設定は、最初の分析処理と同様に、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって自己診断チェック設定の設定項目にある「Yes」を選択することによって設定され、「No」を選択することによって設定が解除される。
【0066】
希釈液の分注処理を解除する設定である場合(ステップS210;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈液の分注処理を停止し(ステップS210)、ステップS218に移行し、受付された検体に対する一連の分析処理を行った後、図3のステップS200にリターンする。これにより、希釈液の分注処理よりも検体の分析処理を優先させて行うことができる。一方、希釈液の分注処理を解除する設定でない場合(ステップS210;No)、ステップS212に移行する。
【0067】
一方、検体の分析処理が受付されてある場合(ステップS209;No)、精度分析制御部100bは、希釈液の分注処理が完了したか否かを判断する(ステップS212)。希釈液の分注処理が完了した場合(ステップS212;Yes)、精度分析制御部100bは、希釈された色素液の吸光度の測定を行う(ステップS213)。次に、精度分析制御部100bは、色素液の分注回数が所定回数に達したか否かを判断する(ステップS214)。
【0068】
ここで、色素液の分注回数は、最初の分析処理と同様に、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって分注回数の設定項目にある入力欄に所望の回数を入力することによって設定される。
【0069】
色素液の分注回数が所定回数に達していない場合(ステップS214;No)、精度分析制御部100bは、ステップS203に移行し、上述した処理を繰り返す。一方、色素液の分注回数が所定回数に達した場合(ステップS214;Yes)、精度正否判定部100cは、所定回数だけ分析して求められた色素液の吸光度の変動係数を算出する(ステップS215)。
【0070】
次に、精度正否判定部100cは、この算出した変動係数が基準値CV未満であるか否かを判断し(ステップS216)、この算出した変動係数が基準値CV未満でない、すなわち基準値CV以上である場合(ステップS216;No)、精度正否判定部100cは、検体の分析処理を停止させる(ステップS217)。この算出した変動係数が基準値CV以上である場合、分注量のばらつきが大きくなっているとして検体の分析処理を停止させているので、検体分注機構50による検体の分注精度が低下した状態で検体の一連の分析処理を継続させてしまうことがない。
【0071】
ここで、変動係数の基準となる基準値CVは、最初の分析処理と同様に、例えば、図6に示すように、入力設定画面140aを出力部140に出力させ、オペレータが入力部110によって基準値CVの設定項目にある入力欄に分注量に対応させた所望の基準値となる数値を入力することによって設定される。
【0072】
一方、この算出した変動係数が基準値CV未満である場合(ステップS216;Yes)、精度正否判定部100cは、図3のステップS200にリターンする。
【0073】
この実施の形態では、逐次受付される検体の一連の分析処理中に検体分注機構50による検体の分注動作に空き時間がある場合に、この空き時間を利用して検体分注機構50による検体の分注精度を確認することが可能となる。これにより、検体分注機構50による検体の分注精度が低下していた場合に、精度維持のための処置を行うことができる。従って、装置の分析処理能力を低下させずに分析の信頼性を高めることができる。
【0074】
また、この実施の形態では、精度分析制御部100bは、色素液の分注処理の最中あるいは希釈液の分注処理の最中に、検体分注機構50によって検体を分注する動作状態になった場合、色素液あるいは希釈液の分注処理を停止させて検体の分析処理を行わせているため、色素液あるいは希釈液の分注処理よりも優先させて検体の分析処理を行うことができる。従って、自動分析装置1の分析処理能力を低下させることがない。
【0075】
さらに、この実施の形態では、色素液収容部51aは、検体を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する検体分注ノズル50bの軌跡上に配置され、希釈液収容部43aは、第1試薬を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する第1試薬分注ノズル61bの軌跡上に配置されているため、色素液および希釈液を反応容器30aへ迅速に分注することができる。
【0076】
また、この実施の形態では、分注精度確認用の液体試料として取り扱い易く安価な色素液を用いているため、手間およびコストをかけずに検体分注機構50の分注精度が正常であるか否かを判定することができる。
【0077】
なお、この実施の形態では、分注精度確認用の液体試料として色素液を用いるものを例示したが、これに限らず、検体分注機構50の分注精度が正常である状態において、連続して複数回分注して吸光度を測定しても、略同一の吸光度の測定値が得られる液体試料であればよい。
【0078】
なお、この実施の形態では、規定量の希釈液を希釈液収容部43aから反応容器30aに分注して色素液を希釈するものを例示したが、これに限らず、測光部80で測光可能な量の色素液を反応容器30aに分注できればよい。例えば、図2に示す検体分注機構50の配管50d内に充填された液体Waを希釈液として用いるとよい。この場合、弁50eを「開」に切り替え、図示しない供給機構から配管50d内に希釈液を供給して、検体分注ノズル50bから規定量の希釈液を反応容器30aに供給する。これにより、自動分析装置4は、図7に示すように、希釈液保持部43を備えない簡易な装置構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態にかかる自動分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した検体分注機構の詳細を説明する図である。
【図3】図1に示した制御部による逐次受付される検体の一連の分析処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】図3に示した最初の分析処理を示すフローチャートである。
【図5】図3に示した次の分析処理を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した出力部に出力される入力設定画面について説明する図である。
【図7】本発明の変形例である自動分析装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0080】
1,4 自動分析装置
2 測定部
3 制御装置
10 検体供給部
10a,20a 検体容器
10b 検体ラック
20 試料保持部
30 反応槽
30a 反応容器
41 第1試薬庫
41a 第1試薬容器
42 第2試薬庫
42a 第2試薬容器
43 希釈液保持部
43a 希釈液収容部
50 検体分注機構
50a,61a,62a アーム
50b 検体分注ノズル
50c 吸排機構
50d 配管
50e 弁
51 色素液保持部
51a 色素液収容部
61 第1試薬分注機構
61b 第1試薬分注ノズル
62 第2試薬分注機構
62b 第2試薬分注ノズル
71 第1攪拌部
72 第2攪拌部
80 測光部
90 洗浄部
100 制御部
100a 動作状態判断部
100b 精度分析制御部
100c 精度正否判定部
110 入力部
120 分析部
130 記憶部
140 出力部
140a 入力設定画面
Wa 液体
S 検体
CV 基準値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を収容した検体容器から反応容器に検体分注機構によって分注された前記検体と、試薬を収容した試薬容器から前記反応容器に試薬分注機構によって分注された前記試薬とを前記反応容器内で反応させて吸光度を測定し、該検体を分析する一連の分析処理を行う自動分析装置において、
逐次受付される前記一連の分析処理中に前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態でないと判断した場合、前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態になるまでの間に、前記検体分注機構によって分注精度確認用の液体試料を前記反応容器に所定回数だけ分注し、この分注された前記液体試料の吸光度を測定する制御を行う制御手段と、
前記所定回数だけ測定された前記液体試料の吸光度に基づいて前記検体分注機構の分注精度が正常であるか否かを判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記判断手段は、最初の前記一連の分析処理を受付された前記検体を収容した前記検体容器が前記検体分注機構によって前記検体を吸引する位置に移送されていないおよび/または前記最初の前記一連の分析処理を受付された前記検体が吐出される前記反応容器が前記検体分注機構によって前記検体を吐出される位置に移送されていない状態、あるいは次に行われる前記一連の分析処理が受付されていない状態を前記検体分注機構によって前記検体を分注する動作状態でないと判断することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記検体分注機構は、前記検体の吸引および吐出を行う検体分注ノズルを有し、
前記検体を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する前記検体分注ノズルの軌跡上に配置され、前記液体試料を収容する保持手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記試薬分注機構は、前記試薬の吸引および吐出を行う試薬分注ノズルを有し、
前記試薬を吸引する位置と吐出する位置との間を移動する前記試薬分注ノズルの軌跡上に配置され、前記反応容器内で前記液体試料を希釈するための希釈液を収容する希釈液保持手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記液体試料は色素液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−48585(P2010−48585A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211057(P2008−211057)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】