自動分析装置
【課題】オペレータが自動初期準備の終了予定時間を容易に把握することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】分析対象試料を分析する自動分析装置において、分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の設定画面201の動作内容設定部204によって準備項目を選択的に設定し、準備終了予定時刻表示部203により自動初期準備の終了予定時刻を設定する。演算部13は、準備終了予定時刻表示部203によって設定した終了予定時刻と動作内容設定部204によって設定した準備項目とに基づいて自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を算出する。自動分析装置の自動初期準備は、演算部13によって算出された開始予定時刻に自動的に開始され、準備終了予定時刻表示部203によって設定した終了予定時刻に終了する。
【解決手段】分析対象試料を分析する自動分析装置において、分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の設定画面201の動作内容設定部204によって準備項目を選択的に設定し、準備終了予定時刻表示部203により自動初期準備の終了予定時刻を設定する。演算部13は、準備終了予定時刻表示部203によって設定した終了予定時刻と動作内容設定部204によって設定した準備項目とに基づいて自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を算出する。自動分析装置の自動初期準備は、演算部13によって算出された開始予定時刻に自動的に開始され、準備終了予定時刻表示部203によって設定した終了予定時刻に終了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血清や尿等の生体試料の定性・定量分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、分析対象試料(例えば、血液や尿などの生体試料)に試薬等を加え、その物性を測定することにより定性・定量分析を行うものであり、分析結果の再現性や分析速度の迅速性の良さから、特に、多数の検体の分析を行う大病院や検査センター等で普及が進んでいる。
【0003】
一方、このような自動分析装置においては、電源再投入後、或いは、スリープモード(節電を目的として夜間等の未使用時に一部電源を落とす機能)からの電源復帰後、分析処理の開始前に、分析結果の安定性や再現性を向上するための準備として、自動分析装置により自動で行われる初期準備(以降、自動初期準備と称する)や、オペレータが手動で行う初期準備(以降、手動初期準備と称する)など、多項目に亘る準備を行う必要がある。
【0004】
従来、そのような初期準備に関して各種の提案がなされており、その例として、特許文献1(特開平8−338847号公報)、特許文献2(特開2004−28932号公報)、及び特許文献3(特開2005−241612号公報)に開示されたものがある。
【0005】
特許文献1に記載の自動分析装置は、立ち上げ時刻、停止時刻をタイマーでセット可能にし、装置立ち上げ時の複数の分析準備動作をリストから選択的に実行可能とすることにより、オペレータの不在時においても自動初期準備を開始させるようにしたものである。
【0006】
特許文献2に記載の自動分析装置は、分析のためのオペレーションに先立ち必要な操作をその時の装置の状況を反映して画面表示することにより、装置操作に不慣れなオペレータでも事前に必要な準備を短時間にもれなく実行できるようにしたものである。
【0007】
特許文献3に記載の自動分析装置は、複数の分析モジュールを有する自動分析システムにおいて、複数の分析モジュールの内の一部のモジュールをシステム全体から切り離し、復帰する時間を設定し、かつ、復帰後に複数の準備動作を実行することで、操作者が不在であっても分析に必要な準備動作を実行させるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−338847号公報
【特許文献2】特開2004−28932号公報
【特許文献3】特開2005−241612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
自動分析装置における初期準備(自動初期準備、手動初期準備)は項目数が多く、これらの初期準備の全てを設定・実行することは非常に煩雑な作業であり、装置に習熟したオペレータにとっても全てを確認し実行するには時間を要する場合がある。したがって、自動初期準備に関する項目を選択式として設定時間を短縮したり、電源投入予定時間をタイマー設定可能とし、自動初期準備中のオペレータの待ち時間の短縮を図ったりし、初期準備全体の効率化を図っている。
【0010】
しかしながら、上記従来技術においては、自動初期準備の終了時間は選択した自動初期準備の設定項目に応じて変わるので、終了時間を正確に把握して設定することができない。特に、装置に不慣れなオペレータが自動初期準備の項目設定を行う場合には、自動初期準備の終了する時間を把握することが困難であり、希望通りの時間に自動初期準備が終わらないことや、そのことによる分析作業全体の効率低下が懸念される。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を把握することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、分析対象試料を分析する自動分析装置であって、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻と自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻の何れか一方を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された予定時刻を設定する予定時刻設定手段と、前記予定時刻設定手段により設定された予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目に基づいて前記選択手段により選択されない他方の予定時刻を算出する演算手段とを備えたものとする。
【0013】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、分析対象試料を分析する自動分析装置であって、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を設定する開始予定時刻設定手段と、前記開始予定時刻設定手段により設定された開始予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目とに基づいて前記自動初期準備の終了予定時刻を算出する終了予定時刻演算手段と、前記終了予定時刻演算手段により算出された終了予定時刻を表示する表示手段とを備えたものとする。
【0014】
(3)上記目的を達成するために、また本発明は、分析対象試料を分析する自動分析装置であって、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻と自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻の何れか一方を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された予定時刻を設定する予定時刻設定手段と、前記予定時刻設定手段により設定された予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目に基づいて、前記選択手段により選択されない他方の予定時刻を算出する演算手段とを備えたものとする。
【0015】
(4)上記(1)において、好ましくは、該自動分析装置は、前記分析対象試料を分析するための複数のモジュールにより構成されており、前記モジュールのそれぞれについて設定された終了予定時刻と準備項目とに基づいて、それぞれのモジュールの開始予定時刻を算出するものとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を容易、かつ正確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る記憶部のデータ格納状況を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る自動初期準備の時刻演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る自動初期準備の時刻演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る自動初期準備の時刻演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を示す概略図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0020】
図1において、本実施の形態における自動分析装置100は、操作部10と、分析部20とを備えている。
【0021】
分析部20は、分析対象試料(例えば、血液や尿などの生体試料)に試薬等を加え、その物性(光度など)を測定するものであり、分析対象試料(以下、サンプルと称する)を収容したサンプル容器21aを収納したサンプルラック21と、分析対象試料に加える第1試薬を収容した複数の試薬容器22aを収納した第1試薬ディスク22と、分析対象試料に加える第2試薬を収容した複数の試薬容器23aを収納した第2試薬ディスク23と、分析対象試料に第1及び第2試薬を加えた反応液を収容する複数の反応容器24aを収納した反応槽24と、サンプル容器21aに収容されたサンプルを予め定められた反応容器24aに分注するサンプルプローブ25と、試薬容器22aに収容された第1試薬を予め定められた反応容器24aに分注する第1試薬プローブ26と、試薬容器23aに収容された第2試薬を予め定められた反応容器24aに分注する第2試薬プローブ27と、反応容器24aに収容された反応液に光束を照射する光源ランプ28と、光源ランプ28から照射され反応容器24aを透過した光を検出する光検知器29と、反応容器24aを洗浄する洗浄機構30とを備えている。
【0022】
第1及び第2ディスク22,23の外周には、その周方向に沿って複数の試薬容器22a,23aが配置されており、図示しない回転駆動装置で回転駆動されることにより、試薬容器22a,23aは第1及び第2試薬プローブ26,27による分注位置(試薬が吸引される位置)に搬送される。また、第1及び第2試薬ディスク22,23は、試薬容器22a,23aに収容された試薬を保冷する試薬保冷庫の機能を有しており、これにより、試薬が適温に保たれ劣化が抑制される。
【0023】
反応槽24の外周には、その周方向に沿って複数の反応容器24aが配置されており、図示しない駆動装置で回転駆動されることにより、反応容器24aは、サンプルプローブ25による分注位置(サンプルが吐出される位置)、第1及び第2試薬プローブ26,27による分注位置(試薬が吐出される位置)に搬送される。また、反応槽24は、反応容器24aに収容された反応液を一定温度に保つ恒温槽の機能を有している。反応槽24は、一定温度(例えば、約37℃)に保たれた恒温液を循環するポンプ31を有しており、反応槽24内に循環させた恒温液に反応容器24aを浸した状態にすることにより、反応容器24aに収容された反応液の温度が一定温度(例えば、約37℃)となるように調整している。なお、恒温液には雑菌の繁殖を抑える成分が添加されているが、この抗菌効果は時間が経過すると低下する。したがって、雑菌の繁殖を抑えるために反応槽24内の恒温液の交換(反応槽水交換)を毎日おこなうことが推奨される。
【0024】
光源ランプ28は、操作部10からの指令に基づいた光量を反応槽24の反応容器24aに照射し、反応容器24a、及び反応容器24aに収容された反応液を透過した光速を光検知器29が測定する。測定結果は図示しない伝送手段を介して操作部10に送られる。
【0025】
洗浄機構30は、分析の終了した反応液が収容された反応容器24aを洗浄するものであり、洗浄された反応容器24aは次のサンプルの分析に再利用される。
【0026】
また、分析部20は、操作部10からの指令に基づいて、反応槽24、サンプルプローブ25、第1及び第2試薬プローブ26,27、光源ランプ28、光検知器29、洗浄機構30の電力を供給する第1電源32と、操作部10からの指令に基づいて、第1及び第2試薬ディスク22,23の電力を供給する第2電源33とを備えている。
【0027】
操作部10は、自動分析装置100全体の操作を行うためのものであり、制御装置11および表示装置15を備えている。また、制御装置11は、操作部10を含む自動分析装置100の全体の動作を制御する制御部12と、記憶部14と、演算部13とを備えている。
【0028】
記憶部14には、装置の構成や仕様、電源管理設定、初期準備設定、分析条件、測定/分析結果、各種数式などが記憶されている。ここで、電源管理設定とは、スリープモード(電源の節電を目的として夜間等の未使用時に一部電源を落とす機能)の設定や自動分析装置の電源(第1及び第2電源32,33)のON/OFFスケジュールに関する設定である。また、初期準備設定とは、自動分析装置の初期準備に関する情報であり、初期準備の実施日や準備開始予定時刻、準備終了予定時刻、準備項目などから構成されている。なお、初期準備には、各部のウォームアップ、光度計確認、反応容器等の洗浄、反応槽水交換など自動分析装置により自動で行われる初期準備(自動初期準備と称する)や、試薬の交換、試薬補充、キャリブレーション、精度管理などオペレータが手動で行う初期準備(以降、手動初期準備と称する)などがある。またなお、初期準備設定の各項目について未設定の場合は、適当な初期値が登録されている。
【0029】
演算部13は、制御部12からの指示に従って記憶部14に記憶された情報を基に演算を行い、演算結果を記憶部14や表示装置15に送る。
【0030】
制御部12は、図示しない入力手段(キーボード、GUI(Graphical User Interface)、タッチパネルなど)によって入力されるオペレータからの指示に従い、記憶部14に記憶された電源管理設定や初期準備設定に基づいて、自動分析装置100の電源(第1及び第2電源32,33)や初期準備の動作、分析動作の動作などを制御する。
【0031】
表示装置15は、各種設定画面や分析結果を表示するものであり、タッチパネルなどの入力手段としての機能を有している。
【0032】
図2は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図であり、図3は準備項目の設定画面を示す図である。
【0033】
図2において、自動初期準備の設定画面200は、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202と、準備終了予定時刻表示部203と、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206とを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200に表示された内容が初期準備設定として記憶部14に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200に表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0034】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図2では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0035】
(2)準備開始予定時刻表示部202
準備開始予定時刻表示部202には、後述する準備終了予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備開始予定時刻が表示される。
【0036】
(3)準備終了予定時刻表示部203
準備終了予定時刻表示部203は、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備終了予定時刻を入力する部分であり、入力した準備終了予定時刻が表示される。
【0037】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0038】
(4−1)設定画面300
図3において、準備項目の設定画面300は、選択可能な準備項目を表示する準備項目リスト表示部301と、準備項目として実際に選択した項目を表示する準備実行項目リスト表示部302と、準備項目リスト表示部301で選択した準備項目を準備実行項目リスト表示部302に追加する追加ボタン303と、準備実行項目リスト表示部302に表示された準備項目を決定する設定ボタン304と、準備実行項目リスト表示部302に表示された準備項目を取り消す取消ボタン305とを備えている。図3に示す準備項目リスト表示部301には、反応槽水交換、光度計確認、エアパージなどの項目が準備項目の選択支の一例として挙げており、準備項目として反応槽水交換、光度計確認を選択した場合を示している。オペレータにより所望の準備項目が選択されて準備実行項目リスト表示部302に追加され、設定ボタン304が選択されると、準備項目と所要時間の関係を示すデータ(以下、所要時間データと称する)と準備終了予定時刻表示部203に入力し表示された準備終了予定時刻に基づいて準備開始予定時刻が算出され、記憶部14に記憶された初期準備設定の準備開始予定時刻に反映される(更新される)とともに、自動初期準備の設定画面200の準備開始予定時刻表示部202が更新される(時刻演算処理)。
【0039】
図4は、記憶部14に記憶された所要時間データの構成例を示す図である。
【0040】
図4において、所要時間データ400は、自動初期準備の複数の準備項目411,412,413,・・・からなる準備項目リスト情報401と、準備項目リスト情報401の各準備項目に対応する所要時間421,422,423,・・・からなる所要時間情報402とで構成されている。図4には、準備項目リスト情報401の準備項目の一例として、反応槽水交換411、光度計確認412、エアパージ413を示しており、各準備項目に対応する所要時間情報402の一例として30分15秒(所要時間421)、5分12秒(所要時間422)、12分5秒(所要時間423)を示している。つまり、自動初期準備における反応槽水交換は30分15秒、光度計確認は5分12秒、エアパージは12分05秒がそれぞれ所要時間であることを示している。
【0041】
ここで、反応槽水交換とは、反応槽24内の恒温液の交換を交換することであり、これにより雑菌の繁殖を抑える。光度計確認とは、光源ランプ28からの照射光の光量及び光検知器29の検知精度を確認するものであり、これにより光量不良や検知不良による測定結果への悪影響を抑制する。エアパージとは、サンプルプローブ25や試薬プローブ26,27などの内部に混入した気泡等を排除することであり、これにより試料や試薬の分注量のばらつきを抑制し、測定結果への悪影響を抑制する。なお、気泡等の排除に加え気泡が混入していないかどうかの確認までを含めてエアパージと称することもある。
【0042】
次に自動初期準備の準備開始予定時刻に関する時刻演算処理の詳細を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0043】
制御装置11の制御部12は、図示しない入力手段により自動初期準備の終了予定時刻が設定画面200の準備終了予定時刻表示部202に入力されるか、設定画面300で登録ボタンが押されるかすると、演算部13に時刻演算処理の開始を指示する。
【0044】
まず、演算部13は、記憶部14に初期準備設定として記憶された準備実行項目を確認する(ステップS101)。
【0045】
次に、準備実行項目の各準備項目に対応する所要時間を記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS102)。
【0046】
次に、記憶部14の初期準備設定の準備実行項目の全てを終了するのに必要な時間を計算し、準備終了予定時刻表示部203で設定して表示された準備終了予定時刻から逆算することにより、準備開始予定時刻を算出し、記憶部14に初期準備設定として記憶させる(ステップS103)。
【0047】
そして、初期準備設定の準備開始予定時刻を準備開始予定時刻表示部202に表示して処理を終了する(ステップS104)。
【0048】
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
自動分析装置において、制御部12は、記憶部14に記憶された電源管理設定などに基づいて、夜間や休日など、分析処理を数時間以上に亘って実施しない場合、待機電力を削減するため一部電源(第1電源32)が停止の状態(スリープモード)となるように制御する。ただし、スリープモードにおいても操作部10、第1及び第2試薬ディスク22,23(試薬容器22a,23aに収容された試薬を保冷する試薬保冷庫の機能)の電源(第2電源33)は停止しない。
【0049】
このようなスリープモードからの電源復帰後(或いは、電源再投入後)、分析処理の開始前に、自動分析装置により自動で行われる自動初期準備や、オペレータが手動で行う手動初期準備など、多項目に亘る準備を行う。
【0050】
(自動初期準備設定)
オペレータは、操作部10の表示装置15に表示された自動初期準備の設定画面200において自動初期準備の設定を行う。オペレータは、まず、設定する実施曜日を実施日設定部201により選択する。次に、準備終了予定時刻表示部203に自動初期準備の終了予定時刻を入力し、動作内容設定部204を選択して設定画面300を表示させて準備項目の設定を行う。このとき、準備開始予定時刻表示部202に開始予定時刻が表示され、登録ボタン205を選択することにより記憶部14に初期準備設定として記憶される。例えば、初期準備の項目として反応槽水交換(所要時間30分15秒:図4参照)と光度計確認(所用時間5分12秒:図4参照)を選択し、準備終了予定時刻を7時50分とした場合(図2に示す場合)、準備開始予定時刻は7時15分となる。このとき、秒単位は切り捨てる。また、複数の準備項目が並行して実行可能である場合は、それらの項目のうち最長の所要時間から計算する。例えば、反応槽水交換と光度計確認が並行して実行可能な場合、所要時間は30分15秒を用いて計算し、準備開始予定時刻は7時20分となる。
【0051】
(自動初期準備動作)
自動分析装置がスリープモードである場合において、記憶部14に記憶された初期準備設定の準備開始予定時刻になると、自動初期準備が開始され、準備終了予定時刻として設定した時間、すなわち、オペレータの所望の時間に自動初期準備が終了する。
【0052】
(手動初期準備実施)
オペレータは、自動初期準備が終了したことを確認し、試薬の交換、試薬補充、キャリブレーション、精度管理など、手動で行う手動初期準備を実行する。その後、必要な分析処理を開始する。
【0053】
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
【0054】
従来技術の自動分析装置における初期準備(自動初期準備、手動初期準備)は項目数が多く、これらの初期準備の全てを設定・実行することは非常に煩雑な作業であり、装置に習熟したオペレータにとっても全てを確認し実行するには時間を要する場合がある。したがって、自動初期準備に関する項目を選択式として設定時間を短縮したり、電源投入予定時間をタイマー設定可能とし、自動初期準備中のオペレータの待ち時間の短縮を図ったりし、初期準備全体の効率化を図っている。しかしながら、自動初期準備の終了時間は選択した自動初期準備の設定項目に応じて変わるので、終了時間を正確に把握して設定することができない。特に、装置に不慣れなオペレータが自動初期準備の項目設定を行う場合には、自動初期準備の終了する時間を把握することが困難であり、希望通りの時間に自動初期準備が終わらないことや、そのことによる分析作業全体の効率低下が懸念される。
【0055】
これに対し、本実施の形態においては、準備終了予定時刻と準備項目とに基づいて自動初期準備を自動的に開始する準備開始予定時刻を算出するように構成したので、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を把握することができ、分析作業全体の効率低下を抑制することができる。
【0056】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図6及び図7を用いて説明する。本実施の形態は、準備開始予定時刻と準備項目を設定するようにし、それらから準備終了予定時刻を算出して表示するように構成したものである。図中、第1の実施の形態で示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0057】
図6は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【0058】
図6において、自動初期準備の設定画面200Aは、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202Aと、準備終了予定時刻表示部203Aと、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206とを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200Aに表示された内容が初期準備設定として記憶部14に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200Aに表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0059】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図6では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0060】
(2)準備開始予定時刻表示部202A
準備終了予定時刻表示部202Aは、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備開始予定時刻を入力する部分であり、入力した準備開始予定時刻が表示される。
【0061】
(3)準備終了予定時刻表示部203A
準備終了予定時刻表示部203Aには、準備開始予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備終了予定時刻が表示される。
【0062】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0063】
次に自動初期準備の準備開始予定時刻に関する時刻演算処理の詳細を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
制御装置11の制御部12は、図示しない入力手段により自動初期準備の開始予定時刻が設定画面200Aの準備開始予定時刻表示部202Aに入力されるか、設定画面300で登録ボタンが押されるかすると、演算部13に時刻演算処理の開始を指示する。
【0065】
まず、演算部13は、記憶部14に初期準備設定として記憶された準備実行項目を確認する(ステップS101)。
【0066】
次に、準備実行項目の各準備項目に対応する所要時間を記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS102)。
【0067】
次に、記憶部14の初期準備設定の準備実行項目の全てを終了するのに必要な時間を計算し、準備開始予定時刻表示部202Aで設定して表示された準備開始予定時刻に加算することにより、準備終了予定時刻を算出し、記憶部14に初期準備設定として記憶させる(ステップS103A)。
【0068】
そして、初期準備設定の準備終了予定時刻を準備終了予定時刻表示部203Aに表示して処理を終了する(ステップS104)。
【0069】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0070】
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
自動分析装置において、制御部12は、記憶部14に記憶された電源管理設定などに基づいて、夜間や休日など、分析処理を数時間以上に亘って実施しない場合、待機電力を削減するため一部電源(第1電源32)が停止の状態(スリープモード)となるように制御する。ただし、スリープモードにおいても操作部10、第1及び第2試薬ディスク22,23(試薬容器22a,23aに収容された試薬を保冷する試薬保冷庫の機能)の電源(第2電源33)は停止しない。
【0071】
このようなスリープモードからの電源復帰後(或いは、電源再投入後)、分析処理の開始前に、自動分析装置により自動で行われる自動初期準備や、オペレータが手動で行う手動初期準備など、多項目に亘る準備を行う。
【0072】
(自動初期準備設定)
オペレータは、操作部10の表示装置15に表示された自動初期準備の設定画面200において自動初期準備の設定を行う。オペレータは、まず、設定する実施曜日を実施日設定部201により選択する。次に、準備開始予定時刻表示部202Aに自動初期準備の開始予定時刻を入力し、動作内容設定部204を選択して設定画面300を表示させて準備項目の設定を行う。このとき、準備終了予定時刻表示部203Aに終了予定時刻が表示される。オペレータは、準備終了予定時刻表示部203Aに表示される終了予定時刻を確認しながら準備開始予定時刻表示部202Aに入力する準備開始予定時刻を調整し、終了予定時刻が所望の時刻となるように調整する。そして、登録ボタン205を選択することにより記憶部14に初期準備設定として記憶される。例えば、初期準備の項目として反応槽水交換(所要時間30分15秒:図4参照)と光度計確認(所用時間5分12秒:図4参照)を選択し、準備開始予定時刻を7時15分とした場合(図2に示す場合)、準備終了予定時刻は7時50分となる。
【0073】
(自動初期準備動作)
自動分析装置がスリープモードである場合において、記憶部14に記憶された初期準備設定の準備開始予定時刻になると、自動初期準備が開始され、準備終了予定時刻として設定した時間、すなわち、オペレータの所望の時間に自動初期準備が終了する。
【0074】
(手動初期準備実施)
オペレータは、自動初期準備が終了したことを確認し、試薬の交換、試薬補充、キャリブレーション、精度管理など、手動で行う手動初期準備を実行する。その後、必要な分析処理を開始する。
【0075】
以上のように構成した本実施の形態においては、準備開始予定時刻と準備項目とに基づいて自動初期準備を終了する準備終了予定時刻を算出して表示するように構成したので、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を把握することができ、分析作業全体の効率低下を抑制することができる。
【0076】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図8及び図9を用いて説明する。本実施の形態は、準備開始予定時刻と準備終了予定時刻のどちらを設定するかを選択し、選択し入力した予定時刻と準備項目とから選択していない方の予定時刻を算出して表示するように構成したものである。図中、第1の実施の形態で示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0077】
図8は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【0078】
図8において、自動初期準備の設定画面200Bは、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202Bと、準備終了予定時刻表示部203Bと、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206と、準備開始予定時刻と準備終了予定時刻の何れかを選択する選択部207a,207bとを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200Bに表示された内容が初期準備設定として記憶部14に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200Bに表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0079】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図8では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0080】
(2)準備開始予定時刻表示部202B/選択部207a
選択部207aが選択された場合、準備終了予定時刻表示部202Bは、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備開始予定時刻を入力する部分となり、入力した準備開始予定時刻が表示される。また、選択部207aが選択されない場合(選択部207bが選択された場合)、準備開始予定時刻表示部202Bには、準備終了予定時刻表示部203Bに入力された準備終了予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備開始予定時刻が表示される。
【0081】
(3)準備終了予定時刻表示部203B/選択部207b
選択部207bが選択された場合、準備終了予定時刻表示部203Bは、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備終了予定時刻を入力する部分となり、入力した準備終了予定時刻が表示される。また、選択部207bが選択されない場合(選択部207aが選択された場合)、準備終了予定時刻表示部203Bには、準備開始予定時刻表示部202Bに入力された準備開始予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備終了予定時刻が表示される。
【0082】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0083】
次に自動初期準備の準備開始予定時刻に関する時刻演算処理の詳細を図9のフローチャートを用いて説明する。
【0084】
制御装置11の制御部12は、図示しない入力手段により自動初期準備の開始予定時刻が設定画面200Bの準備開始予定時刻表示部202Bに入力されるか、設定画面300で登録ボタンが押されるかすると、演算部13に時刻演算処理の開始を指示する。
【0085】
まず、演算部13は、記憶部14に初期準備設定として記憶された準備実行項目を確認する(ステップS101)。
【0086】
次に、準備実行項目の各準備項目に対応する所要時間を記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS102)。
【0087】
次に、選択部207a,207bのどちらが選択されたかを記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS1020)。
【0088】
次に、記憶部14の初期準備設定の準備実行項目の全てを終了するのに必要な時間を計算し、選択部207aが選択された場合には準備開始予定時刻表示部202Bで設定して表示された準備開始予定時刻に加算することにより準備終了予定時刻を算出し、また、選択部207bが選択された場合には準備終了予定時刻表示部203Bで設定して表示された準備終了予定時刻から逆算することにより準備開始予定時刻を算出し、記憶部14に初期準備設定として記憶させる(ステップS103B)。
【0089】
そして、初期準備設定の準備終了予定時刻及び準備開始予定時刻を準備終了予定時刻表示部203B及び準備開始予定時刻表示部202Bに表示して処理を終了する(ステップS104)。
【0090】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0091】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を図10及び図11を用いて説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態において、複数の分析モジュールのそれぞれに関して、準備終了予定時刻と準備項目を設定するように構成したものである。図中、第1の実施の形態で示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図10は、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0093】
図10において、本実施の形態における自動分析装置100Cは、操作部10と、分析部20と同様の構成を有する複数(例えば3つ)のモジュール20a,20b,20cと、サンプルを収容したサンプル容器21aを収納したサンプルラック21(図1参照)を自動分析装置100Cに投入する投入部90と、サンプルラック21を収納する収納部91と、サンプルラック21を自動分析装置100Cの各部に搬送する搬送部92とから構成されている。
【0094】
図11は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【0095】
図11において、自動初期準備の設定画面200Cは、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202と、準備終了予定時刻表示部203と、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206と、自動初期設定の設定対象となるモジュールを選択するモジュール選択部208a,208b,208cとを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200Cに表示された内容が初期準備設定として操作部10の記憶部14(図1参照)に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200Cに表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0096】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図2では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0097】
(2)準備開始予定時刻表示部202
準備開始予定時刻表示部202には、後述する準備終了予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備開始予定時刻が表示される。
【0098】
(3)準備終了予定時刻表示部203
準備終了予定時刻表示部203は、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備終了予定時刻を入力する部分であり、入力した準備終了予定時刻が表示される。
【0099】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0100】
(5)設定対象選択部208a,208b,208c
設定対象選択部208a,208b,208cは、自動初期設定の設定対象となるモジュールを選択するものであり、オペレータが自動初期設定を行いたいモジュールを選択することにより、所望のモジュールについて設定を行うことができる。
【0101】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0102】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0103】
10,10C・・・操作部、11・・・制御装置、12・・・制御部、13・・・演算部、14・・・記憶部、15・・・表示装置、20・・・分析部、21・・・サンプルラック、21a・・・サンプル容器、22・・・第1試薬ディスク、22a・・・試薬容器、23・・・第2試薬ディスク、23a・・・試薬容器、24・・・反応槽、24a・・・反応液、25・・・サンプルプローブ、26・・・第1試薬プローブ、27・・・第2試薬プローブ、28・・・光源ランプ、29・・・光検知器、30・・・洗浄機構、31・・・ポンプ、90・・・投入部、91・・・収納部、92・・・搬送部、100,100C・・・自動分析装置、200,200A,200B,200C・・・設定画面、201・・・実施日設定部、202・・・準備開始予定時刻表示部、203・・・準備終了予定時刻表示部、204・・・動作内容設定部、205・・・登録ボタン、206・・・取消ボタン、300・・・設定画面、301・・・準備項目リスト表示部、302・・・準備実行項目リスト表示部、303・・・追加ボタン、304・・・設定ボタン、305・・・取消ボタン、400・・・所要時間データ400、401・・・準備項目リスト情報、402・・・所要時間情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、血清や尿等の生体試料の定性・定量分析を行う自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、分析対象試料(例えば、血液や尿などの生体試料)に試薬等を加え、その物性を測定することにより定性・定量分析を行うものであり、分析結果の再現性や分析速度の迅速性の良さから、特に、多数の検体の分析を行う大病院や検査センター等で普及が進んでいる。
【0003】
一方、このような自動分析装置においては、電源再投入後、或いは、スリープモード(節電を目的として夜間等の未使用時に一部電源を落とす機能)からの電源復帰後、分析処理の開始前に、分析結果の安定性や再現性を向上するための準備として、自動分析装置により自動で行われる初期準備(以降、自動初期準備と称する)や、オペレータが手動で行う初期準備(以降、手動初期準備と称する)など、多項目に亘る準備を行う必要がある。
【0004】
従来、そのような初期準備に関して各種の提案がなされており、その例として、特許文献1(特開平8−338847号公報)、特許文献2(特開2004−28932号公報)、及び特許文献3(特開2005−241612号公報)に開示されたものがある。
【0005】
特許文献1に記載の自動分析装置は、立ち上げ時刻、停止時刻をタイマーでセット可能にし、装置立ち上げ時の複数の分析準備動作をリストから選択的に実行可能とすることにより、オペレータの不在時においても自動初期準備を開始させるようにしたものである。
【0006】
特許文献2に記載の自動分析装置は、分析のためのオペレーションに先立ち必要な操作をその時の装置の状況を反映して画面表示することにより、装置操作に不慣れなオペレータでも事前に必要な準備を短時間にもれなく実行できるようにしたものである。
【0007】
特許文献3に記載の自動分析装置は、複数の分析モジュールを有する自動分析システムにおいて、複数の分析モジュールの内の一部のモジュールをシステム全体から切り離し、復帰する時間を設定し、かつ、復帰後に複数の準備動作を実行することで、操作者が不在であっても分析に必要な準備動作を実行させるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−338847号公報
【特許文献2】特開2004−28932号公報
【特許文献3】特開2005−241612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
自動分析装置における初期準備(自動初期準備、手動初期準備)は項目数が多く、これらの初期準備の全てを設定・実行することは非常に煩雑な作業であり、装置に習熟したオペレータにとっても全てを確認し実行するには時間を要する場合がある。したがって、自動初期準備に関する項目を選択式として設定時間を短縮したり、電源投入予定時間をタイマー設定可能とし、自動初期準備中のオペレータの待ち時間の短縮を図ったりし、初期準備全体の効率化を図っている。
【0010】
しかしながら、上記従来技術においては、自動初期準備の終了時間は選択した自動初期準備の設定項目に応じて変わるので、終了時間を正確に把握して設定することができない。特に、装置に不慣れなオペレータが自動初期準備の項目設定を行う場合には、自動初期準備の終了する時間を把握することが困難であり、希望通りの時間に自動初期準備が終わらないことや、そのことによる分析作業全体の効率低下が懸念される。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を把握することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、分析対象試料を分析する自動分析装置であって、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻と自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻の何れか一方を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された予定時刻を設定する予定時刻設定手段と、前記予定時刻設定手段により設定された予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目に基づいて前記選択手段により選択されない他方の予定時刻を算出する演算手段とを備えたものとする。
【0013】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、分析対象試料を分析する自動分析装置であって、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を設定する開始予定時刻設定手段と、前記開始予定時刻設定手段により設定された開始予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目とに基づいて前記自動初期準備の終了予定時刻を算出する終了予定時刻演算手段と、前記終了予定時刻演算手段により算出された終了予定時刻を表示する表示手段とを備えたものとする。
【0014】
(3)上記目的を達成するために、また本発明は、分析対象試料を分析する自動分析装置であって、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻と自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻の何れか一方を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された予定時刻を設定する予定時刻設定手段と、前記予定時刻設定手段により設定された予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目に基づいて、前記選択手段により選択されない他方の予定時刻を算出する演算手段とを備えたものとする。
【0015】
(4)上記(1)において、好ましくは、該自動分析装置は、前記分析対象試料を分析するための複数のモジュールにより構成されており、前記モジュールのそれぞれについて設定された終了予定時刻と準備項目とに基づいて、それぞれのモジュールの開始予定時刻を算出するものとする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を容易、かつ正確に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る記憶部のデータ格納状況を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る自動初期準備の時刻演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る自動初期準備の時刻演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る自動初期準備の時刻演算処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を示す概略図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る項目の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0020】
図1において、本実施の形態における自動分析装置100は、操作部10と、分析部20とを備えている。
【0021】
分析部20は、分析対象試料(例えば、血液や尿などの生体試料)に試薬等を加え、その物性(光度など)を測定するものであり、分析対象試料(以下、サンプルと称する)を収容したサンプル容器21aを収納したサンプルラック21と、分析対象試料に加える第1試薬を収容した複数の試薬容器22aを収納した第1試薬ディスク22と、分析対象試料に加える第2試薬を収容した複数の試薬容器23aを収納した第2試薬ディスク23と、分析対象試料に第1及び第2試薬を加えた反応液を収容する複数の反応容器24aを収納した反応槽24と、サンプル容器21aに収容されたサンプルを予め定められた反応容器24aに分注するサンプルプローブ25と、試薬容器22aに収容された第1試薬を予め定められた反応容器24aに分注する第1試薬プローブ26と、試薬容器23aに収容された第2試薬を予め定められた反応容器24aに分注する第2試薬プローブ27と、反応容器24aに収容された反応液に光束を照射する光源ランプ28と、光源ランプ28から照射され反応容器24aを透過した光を検出する光検知器29と、反応容器24aを洗浄する洗浄機構30とを備えている。
【0022】
第1及び第2ディスク22,23の外周には、その周方向に沿って複数の試薬容器22a,23aが配置されており、図示しない回転駆動装置で回転駆動されることにより、試薬容器22a,23aは第1及び第2試薬プローブ26,27による分注位置(試薬が吸引される位置)に搬送される。また、第1及び第2試薬ディスク22,23は、試薬容器22a,23aに収容された試薬を保冷する試薬保冷庫の機能を有しており、これにより、試薬が適温に保たれ劣化が抑制される。
【0023】
反応槽24の外周には、その周方向に沿って複数の反応容器24aが配置されており、図示しない駆動装置で回転駆動されることにより、反応容器24aは、サンプルプローブ25による分注位置(サンプルが吐出される位置)、第1及び第2試薬プローブ26,27による分注位置(試薬が吐出される位置)に搬送される。また、反応槽24は、反応容器24aに収容された反応液を一定温度に保つ恒温槽の機能を有している。反応槽24は、一定温度(例えば、約37℃)に保たれた恒温液を循環するポンプ31を有しており、反応槽24内に循環させた恒温液に反応容器24aを浸した状態にすることにより、反応容器24aに収容された反応液の温度が一定温度(例えば、約37℃)となるように調整している。なお、恒温液には雑菌の繁殖を抑える成分が添加されているが、この抗菌効果は時間が経過すると低下する。したがって、雑菌の繁殖を抑えるために反応槽24内の恒温液の交換(反応槽水交換)を毎日おこなうことが推奨される。
【0024】
光源ランプ28は、操作部10からの指令に基づいた光量を反応槽24の反応容器24aに照射し、反応容器24a、及び反応容器24aに収容された反応液を透過した光速を光検知器29が測定する。測定結果は図示しない伝送手段を介して操作部10に送られる。
【0025】
洗浄機構30は、分析の終了した反応液が収容された反応容器24aを洗浄するものであり、洗浄された反応容器24aは次のサンプルの分析に再利用される。
【0026】
また、分析部20は、操作部10からの指令に基づいて、反応槽24、サンプルプローブ25、第1及び第2試薬プローブ26,27、光源ランプ28、光検知器29、洗浄機構30の電力を供給する第1電源32と、操作部10からの指令に基づいて、第1及び第2試薬ディスク22,23の電力を供給する第2電源33とを備えている。
【0027】
操作部10は、自動分析装置100全体の操作を行うためのものであり、制御装置11および表示装置15を備えている。また、制御装置11は、操作部10を含む自動分析装置100の全体の動作を制御する制御部12と、記憶部14と、演算部13とを備えている。
【0028】
記憶部14には、装置の構成や仕様、電源管理設定、初期準備設定、分析条件、測定/分析結果、各種数式などが記憶されている。ここで、電源管理設定とは、スリープモード(電源の節電を目的として夜間等の未使用時に一部電源を落とす機能)の設定や自動分析装置の電源(第1及び第2電源32,33)のON/OFFスケジュールに関する設定である。また、初期準備設定とは、自動分析装置の初期準備に関する情報であり、初期準備の実施日や準備開始予定時刻、準備終了予定時刻、準備項目などから構成されている。なお、初期準備には、各部のウォームアップ、光度計確認、反応容器等の洗浄、反応槽水交換など自動分析装置により自動で行われる初期準備(自動初期準備と称する)や、試薬の交換、試薬補充、キャリブレーション、精度管理などオペレータが手動で行う初期準備(以降、手動初期準備と称する)などがある。またなお、初期準備設定の各項目について未設定の場合は、適当な初期値が登録されている。
【0029】
演算部13は、制御部12からの指示に従って記憶部14に記憶された情報を基に演算を行い、演算結果を記憶部14や表示装置15に送る。
【0030】
制御部12は、図示しない入力手段(キーボード、GUI(Graphical User Interface)、タッチパネルなど)によって入力されるオペレータからの指示に従い、記憶部14に記憶された電源管理設定や初期準備設定に基づいて、自動分析装置100の電源(第1及び第2電源32,33)や初期準備の動作、分析動作の動作などを制御する。
【0031】
表示装置15は、各種設定画面や分析結果を表示するものであり、タッチパネルなどの入力手段としての機能を有している。
【0032】
図2は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図であり、図3は準備項目の設定画面を示す図である。
【0033】
図2において、自動初期準備の設定画面200は、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202と、準備終了予定時刻表示部203と、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206とを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200に表示された内容が初期準備設定として記憶部14に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200に表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0034】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図2では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0035】
(2)準備開始予定時刻表示部202
準備開始予定時刻表示部202には、後述する準備終了予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備開始予定時刻が表示される。
【0036】
(3)準備終了予定時刻表示部203
準備終了予定時刻表示部203は、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備終了予定時刻を入力する部分であり、入力した準備終了予定時刻が表示される。
【0037】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0038】
(4−1)設定画面300
図3において、準備項目の設定画面300は、選択可能な準備項目を表示する準備項目リスト表示部301と、準備項目として実際に選択した項目を表示する準備実行項目リスト表示部302と、準備項目リスト表示部301で選択した準備項目を準備実行項目リスト表示部302に追加する追加ボタン303と、準備実行項目リスト表示部302に表示された準備項目を決定する設定ボタン304と、準備実行項目リスト表示部302に表示された準備項目を取り消す取消ボタン305とを備えている。図3に示す準備項目リスト表示部301には、反応槽水交換、光度計確認、エアパージなどの項目が準備項目の選択支の一例として挙げており、準備項目として反応槽水交換、光度計確認を選択した場合を示している。オペレータにより所望の準備項目が選択されて準備実行項目リスト表示部302に追加され、設定ボタン304が選択されると、準備項目と所要時間の関係を示すデータ(以下、所要時間データと称する)と準備終了予定時刻表示部203に入力し表示された準備終了予定時刻に基づいて準備開始予定時刻が算出され、記憶部14に記憶された初期準備設定の準備開始予定時刻に反映される(更新される)とともに、自動初期準備の設定画面200の準備開始予定時刻表示部202が更新される(時刻演算処理)。
【0039】
図4は、記憶部14に記憶された所要時間データの構成例を示す図である。
【0040】
図4において、所要時間データ400は、自動初期準備の複数の準備項目411,412,413,・・・からなる準備項目リスト情報401と、準備項目リスト情報401の各準備項目に対応する所要時間421,422,423,・・・からなる所要時間情報402とで構成されている。図4には、準備項目リスト情報401の準備項目の一例として、反応槽水交換411、光度計確認412、エアパージ413を示しており、各準備項目に対応する所要時間情報402の一例として30分15秒(所要時間421)、5分12秒(所要時間422)、12分5秒(所要時間423)を示している。つまり、自動初期準備における反応槽水交換は30分15秒、光度計確認は5分12秒、エアパージは12分05秒がそれぞれ所要時間であることを示している。
【0041】
ここで、反応槽水交換とは、反応槽24内の恒温液の交換を交換することであり、これにより雑菌の繁殖を抑える。光度計確認とは、光源ランプ28からの照射光の光量及び光検知器29の検知精度を確認するものであり、これにより光量不良や検知不良による測定結果への悪影響を抑制する。エアパージとは、サンプルプローブ25や試薬プローブ26,27などの内部に混入した気泡等を排除することであり、これにより試料や試薬の分注量のばらつきを抑制し、測定結果への悪影響を抑制する。なお、気泡等の排除に加え気泡が混入していないかどうかの確認までを含めてエアパージと称することもある。
【0042】
次に自動初期準備の準備開始予定時刻に関する時刻演算処理の詳細を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0043】
制御装置11の制御部12は、図示しない入力手段により自動初期準備の終了予定時刻が設定画面200の準備終了予定時刻表示部202に入力されるか、設定画面300で登録ボタンが押されるかすると、演算部13に時刻演算処理の開始を指示する。
【0044】
まず、演算部13は、記憶部14に初期準備設定として記憶された準備実行項目を確認する(ステップS101)。
【0045】
次に、準備実行項目の各準備項目に対応する所要時間を記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS102)。
【0046】
次に、記憶部14の初期準備設定の準備実行項目の全てを終了するのに必要な時間を計算し、準備終了予定時刻表示部203で設定して表示された準備終了予定時刻から逆算することにより、準備開始予定時刻を算出し、記憶部14に初期準備設定として記憶させる(ステップS103)。
【0047】
そして、初期準備設定の準備開始予定時刻を準備開始予定時刻表示部202に表示して処理を終了する(ステップS104)。
【0048】
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
自動分析装置において、制御部12は、記憶部14に記憶された電源管理設定などに基づいて、夜間や休日など、分析処理を数時間以上に亘って実施しない場合、待機電力を削減するため一部電源(第1電源32)が停止の状態(スリープモード)となるように制御する。ただし、スリープモードにおいても操作部10、第1及び第2試薬ディスク22,23(試薬容器22a,23aに収容された試薬を保冷する試薬保冷庫の機能)の電源(第2電源33)は停止しない。
【0049】
このようなスリープモードからの電源復帰後(或いは、電源再投入後)、分析処理の開始前に、自動分析装置により自動で行われる自動初期準備や、オペレータが手動で行う手動初期準備など、多項目に亘る準備を行う。
【0050】
(自動初期準備設定)
オペレータは、操作部10の表示装置15に表示された自動初期準備の設定画面200において自動初期準備の設定を行う。オペレータは、まず、設定する実施曜日を実施日設定部201により選択する。次に、準備終了予定時刻表示部203に自動初期準備の終了予定時刻を入力し、動作内容設定部204を選択して設定画面300を表示させて準備項目の設定を行う。このとき、準備開始予定時刻表示部202に開始予定時刻が表示され、登録ボタン205を選択することにより記憶部14に初期準備設定として記憶される。例えば、初期準備の項目として反応槽水交換(所要時間30分15秒:図4参照)と光度計確認(所用時間5分12秒:図4参照)を選択し、準備終了予定時刻を7時50分とした場合(図2に示す場合)、準備開始予定時刻は7時15分となる。このとき、秒単位は切り捨てる。また、複数の準備項目が並行して実行可能である場合は、それらの項目のうち最長の所要時間から計算する。例えば、反応槽水交換と光度計確認が並行して実行可能な場合、所要時間は30分15秒を用いて計算し、準備開始予定時刻は7時20分となる。
【0051】
(自動初期準備動作)
自動分析装置がスリープモードである場合において、記憶部14に記憶された初期準備設定の準備開始予定時刻になると、自動初期準備が開始され、準備終了予定時刻として設定した時間、すなわち、オペレータの所望の時間に自動初期準備が終了する。
【0052】
(手動初期準備実施)
オペレータは、自動初期準備が終了したことを確認し、試薬の交換、試薬補充、キャリブレーション、精度管理など、手動で行う手動初期準備を実行する。その後、必要な分析処理を開始する。
【0053】
以上のように構成した本実施の形態の効果を説明する。
【0054】
従来技術の自動分析装置における初期準備(自動初期準備、手動初期準備)は項目数が多く、これらの初期準備の全てを設定・実行することは非常に煩雑な作業であり、装置に習熟したオペレータにとっても全てを確認し実行するには時間を要する場合がある。したがって、自動初期準備に関する項目を選択式として設定時間を短縮したり、電源投入予定時間をタイマー設定可能とし、自動初期準備中のオペレータの待ち時間の短縮を図ったりし、初期準備全体の効率化を図っている。しかしながら、自動初期準備の終了時間は選択した自動初期準備の設定項目に応じて変わるので、終了時間を正確に把握して設定することができない。特に、装置に不慣れなオペレータが自動初期準備の項目設定を行う場合には、自動初期準備の終了する時間を把握することが困難であり、希望通りの時間に自動初期準備が終わらないことや、そのことによる分析作業全体の効率低下が懸念される。
【0055】
これに対し、本実施の形態においては、準備終了予定時刻と準備項目とに基づいて自動初期準備を自動的に開始する準備開始予定時刻を算出するように構成したので、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を把握することができ、分析作業全体の効率低下を抑制することができる。
【0056】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図6及び図7を用いて説明する。本実施の形態は、準備開始予定時刻と準備項目を設定するようにし、それらから準備終了予定時刻を算出して表示するように構成したものである。図中、第1の実施の形態で示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0057】
図6は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【0058】
図6において、自動初期準備の設定画面200Aは、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202Aと、準備終了予定時刻表示部203Aと、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206とを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200Aに表示された内容が初期準備設定として記憶部14に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200Aに表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0059】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図6では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0060】
(2)準備開始予定時刻表示部202A
準備終了予定時刻表示部202Aは、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備開始予定時刻を入力する部分であり、入力した準備開始予定時刻が表示される。
【0061】
(3)準備終了予定時刻表示部203A
準備終了予定時刻表示部203Aには、準備開始予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備終了予定時刻が表示される。
【0062】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0063】
次に自動初期準備の準備開始予定時刻に関する時刻演算処理の詳細を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0064】
制御装置11の制御部12は、図示しない入力手段により自動初期準備の開始予定時刻が設定画面200Aの準備開始予定時刻表示部202Aに入力されるか、設定画面300で登録ボタンが押されるかすると、演算部13に時刻演算処理の開始を指示する。
【0065】
まず、演算部13は、記憶部14に初期準備設定として記憶された準備実行項目を確認する(ステップS101)。
【0066】
次に、準備実行項目の各準備項目に対応する所要時間を記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS102)。
【0067】
次に、記憶部14の初期準備設定の準備実行項目の全てを終了するのに必要な時間を計算し、準備開始予定時刻表示部202Aで設定して表示された準備開始予定時刻に加算することにより、準備終了予定時刻を算出し、記憶部14に初期準備設定として記憶させる(ステップS103A)。
【0068】
そして、初期準備設定の準備終了予定時刻を準備終了予定時刻表示部203Aに表示して処理を終了する(ステップS104)。
【0069】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0070】
以上のように構成した本実施の形態の動作を説明する。
自動分析装置において、制御部12は、記憶部14に記憶された電源管理設定などに基づいて、夜間や休日など、分析処理を数時間以上に亘って実施しない場合、待機電力を削減するため一部電源(第1電源32)が停止の状態(スリープモード)となるように制御する。ただし、スリープモードにおいても操作部10、第1及び第2試薬ディスク22,23(試薬容器22a,23aに収容された試薬を保冷する試薬保冷庫の機能)の電源(第2電源33)は停止しない。
【0071】
このようなスリープモードからの電源復帰後(或いは、電源再投入後)、分析処理の開始前に、自動分析装置により自動で行われる自動初期準備や、オペレータが手動で行う手動初期準備など、多項目に亘る準備を行う。
【0072】
(自動初期準備設定)
オペレータは、操作部10の表示装置15に表示された自動初期準備の設定画面200において自動初期準備の設定を行う。オペレータは、まず、設定する実施曜日を実施日設定部201により選択する。次に、準備開始予定時刻表示部202Aに自動初期準備の開始予定時刻を入力し、動作内容設定部204を選択して設定画面300を表示させて準備項目の設定を行う。このとき、準備終了予定時刻表示部203Aに終了予定時刻が表示される。オペレータは、準備終了予定時刻表示部203Aに表示される終了予定時刻を確認しながら準備開始予定時刻表示部202Aに入力する準備開始予定時刻を調整し、終了予定時刻が所望の時刻となるように調整する。そして、登録ボタン205を選択することにより記憶部14に初期準備設定として記憶される。例えば、初期準備の項目として反応槽水交換(所要時間30分15秒:図4参照)と光度計確認(所用時間5分12秒:図4参照)を選択し、準備開始予定時刻を7時15分とした場合(図2に示す場合)、準備終了予定時刻は7時50分となる。
【0073】
(自動初期準備動作)
自動分析装置がスリープモードである場合において、記憶部14に記憶された初期準備設定の準備開始予定時刻になると、自動初期準備が開始され、準備終了予定時刻として設定した時間、すなわち、オペレータの所望の時間に自動初期準備が終了する。
【0074】
(手動初期準備実施)
オペレータは、自動初期準備が終了したことを確認し、試薬の交換、試薬補充、キャリブレーション、精度管理など、手動で行う手動初期準備を実行する。その後、必要な分析処理を開始する。
【0075】
以上のように構成した本実施の形態においては、準備開始予定時刻と準備項目とに基づいて自動初期準備を終了する準備終了予定時刻を算出して表示するように構成したので、オペレータが自動初期準備の終了予定時間を把握することができ、分析作業全体の効率低下を抑制することができる。
【0076】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図8及び図9を用いて説明する。本実施の形態は、準備開始予定時刻と準備終了予定時刻のどちらを設定するかを選択し、選択し入力した予定時刻と準備項目とから選択していない方の予定時刻を算出して表示するように構成したものである。図中、第1の実施の形態で示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0077】
図8は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【0078】
図8において、自動初期準備の設定画面200Bは、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202Bと、準備終了予定時刻表示部203Bと、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206と、準備開始予定時刻と準備終了予定時刻の何れかを選択する選択部207a,207bとを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200Bに表示された内容が初期準備設定として記憶部14に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200Bに表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0079】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図8では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0080】
(2)準備開始予定時刻表示部202B/選択部207a
選択部207aが選択された場合、準備終了予定時刻表示部202Bは、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備開始予定時刻を入力する部分となり、入力した準備開始予定時刻が表示される。また、選択部207aが選択されない場合(選択部207bが選択された場合)、準備開始予定時刻表示部202Bには、準備終了予定時刻表示部203Bに入力された準備終了予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備開始予定時刻が表示される。
【0081】
(3)準備終了予定時刻表示部203B/選択部207b
選択部207bが選択された場合、準備終了予定時刻表示部203Bは、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備終了予定時刻を入力する部分となり、入力した準備終了予定時刻が表示される。また、選択部207bが選択されない場合(選択部207aが選択された場合)、準備終了予定時刻表示部203Bには、準備開始予定時刻表示部202Bに入力された準備開始予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備終了予定時刻が表示される。
【0082】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0083】
次に自動初期準備の準備開始予定時刻に関する時刻演算処理の詳細を図9のフローチャートを用いて説明する。
【0084】
制御装置11の制御部12は、図示しない入力手段により自動初期準備の開始予定時刻が設定画面200Bの準備開始予定時刻表示部202Bに入力されるか、設定画面300で登録ボタンが押されるかすると、演算部13に時刻演算処理の開始を指示する。
【0085】
まず、演算部13は、記憶部14に初期準備設定として記憶された準備実行項目を確認する(ステップS101)。
【0086】
次に、準備実行項目の各準備項目に対応する所要時間を記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS102)。
【0087】
次に、選択部207a,207bのどちらが選択されたかを記憶部14に記憶された所要時間データ400から読み出す(ステップS1020)。
【0088】
次に、記憶部14の初期準備設定の準備実行項目の全てを終了するのに必要な時間を計算し、選択部207aが選択された場合には準備開始予定時刻表示部202Bで設定して表示された準備開始予定時刻に加算することにより準備終了予定時刻を算出し、また、選択部207bが選択された場合には準備終了予定時刻表示部203Bで設定して表示された準備終了予定時刻から逆算することにより準備開始予定時刻を算出し、記憶部14に初期準備設定として記憶させる(ステップS103B)。
【0089】
そして、初期準備設定の準備終了予定時刻及び準備開始予定時刻を準備終了予定時刻表示部203B及び準備開始予定時刻表示部202Bに表示して処理を終了する(ステップS104)。
【0090】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0091】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を図10及び図11を用いて説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態において、複数の分析モジュールのそれぞれに関して、準備終了予定時刻と準備項目を設定するように構成したものである。図中、第1の実施の形態で示した部材と同等の部材には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
図10は、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を概略的に示す図である。
【0093】
図10において、本実施の形態における自動分析装置100Cは、操作部10と、分析部20と同様の構成を有する複数(例えば3つ)のモジュール20a,20b,20cと、サンプルを収容したサンプル容器21aを収納したサンプルラック21(図1参照)を自動分析装置100Cに投入する投入部90と、サンプルラック21を収納する収納部91と、サンプルラック21を自動分析装置100Cの各部に搬送する搬送部92とから構成されている。
【0094】
図11は本実施の形態に係る自動初期準備の設定画面を示す図である。
【0095】
図11において、自動初期準備の設定画面200Cは、設定する実施曜日を設定する実施日設定部201と、準備開始予定時刻表示部202と、準備終了予定時刻表示部203と、準備項目としての動作内容を設定する動作内容設定部204と、登録ボタン205と、取消ボタン206と、自動初期設定の設定対象となるモジュールを選択するモジュール選択部208a,208b,208cとを備えている。オペレータが登録ボタン205を選択すると設定画面200Cに表示された内容が初期準備設定として操作部10の記憶部14(図1参照)に記憶され、取消ボタン206を選択すると設定画面200Cに表示された内容が破棄されて、入力前の初期準備設定の内容に戻る。
【0096】
(1)実施日設定部201
実施日設定部201では、自動初期準備の設定を行う日を曜日により指定する。設定したい曜日を選択することにより、その曜日の初期準備設定を行うことができる。図2では、木曜日の自動初期準備を設定する場合を一例として示している。なお、設定方法は上記に限られず、日付による設定や、カレンダー等により選択的に設定する構成としてもよい。
【0097】
(2)準備開始予定時刻表示部202
準備開始予定時刻表示部202には、後述する準備終了予定時刻及び自動初期準備の実行項目に基づいて演算された自動初期準備の準備開始予定時刻が表示される。
【0098】
(3)準備終了予定時刻表示部203
準備終了予定時刻表示部203は、オペレータが操作部10の図示しない入力手段によって希望する準備終了予定時刻を入力する部分であり、入力した準備終了予定時刻が表示される。
【0099】
(4)動作内容設定部204
動作内容設定部204は、自動初期準備で行う準備項目を設定するものであり、オペレータが動作内容設定部を選択することにより、表示装置15に準備項目の設定画面300(図3参照)が表示される。
【0100】
(5)設定対象選択部208a,208b,208c
設定対象選択部208a,208b,208cは、自動初期設定の設定対象となるモジュールを選択するものであり、オペレータが自動初期設定を行いたいモジュールを選択することにより、所望のモジュールについて設定を行うことができる。
【0101】
その他の構成は本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0102】
以上のように構成した本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0103】
10,10C・・・操作部、11・・・制御装置、12・・・制御部、13・・・演算部、14・・・記憶部、15・・・表示装置、20・・・分析部、21・・・サンプルラック、21a・・・サンプル容器、22・・・第1試薬ディスク、22a・・・試薬容器、23・・・第2試薬ディスク、23a・・・試薬容器、24・・・反応槽、24a・・・反応液、25・・・サンプルプローブ、26・・・第1試薬プローブ、27・・・第2試薬プローブ、28・・・光源ランプ、29・・・光検知器、30・・・洗浄機構、31・・・ポンプ、90・・・投入部、91・・・収納部、92・・・搬送部、100,100C・・・自動分析装置、200,200A,200B,200C・・・設定画面、201・・・実施日設定部、202・・・準備開始予定時刻表示部、203・・・準備終了予定時刻表示部、204・・・動作内容設定部、205・・・登録ボタン、206・・・取消ボタン、300・・・設定画面、301・・・準備項目リスト表示部、302・・・準備実行項目リスト表示部、303・・・追加ボタン、304・・・設定ボタン、305・・・取消ボタン、400・・・所要時間データ400、401・・・準備項目リスト情報、402・・・所要時間情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象試料を分析する自動分析装置であって、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻を設定する終了予定時刻設定手段と、
前記終了予定時刻設定手段により設定された終了予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目とに基づいて前記自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を算出する開始予定時刻演算手段と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
分析対象試料を分析する自動分析装置であって、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を設定する開始予定時刻設定手段と、
前記開始予定時刻設定手段により設定された開始予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目とに基づいて前記自動初期準備の終了予定時刻を算出する終了予定時刻演算手段と、
前記終了予定時刻演算手段により算出された終了予定時刻を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
分析対象試料を分析する自動分析装置であって、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻と自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻の何れか一方を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された予定時刻を設定する予定時刻設定手段と、
前記予定時刻設定手段により設定された予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目に基づいて、前記選択手段により選択されない他方の予定時刻を算出する演算手段と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動分析装置において、
該自動分析装置は、前記分析対象試料を分析するための複数のモジュールにより構成されており、
前記モジュールのそれぞれについて設定された終了予定時刻と準備項目とに基づいて、それぞれのモジュールの開始予定時刻を算出することを特徴とする自動分析装置。
【請求項1】
分析対象試料を分析する自動分析装置であって、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻を設定する終了予定時刻設定手段と、
前記終了予定時刻設定手段により設定された終了予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目とに基づいて前記自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を算出する開始予定時刻演算手段と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
分析対象試料を分析する自動分析装置であって、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻を設定する開始予定時刻設定手段と、
前記開始予定時刻設定手段により設定された開始予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目とに基づいて前記自動初期準備の終了予定時刻を算出する終了予定時刻演算手段と、
前記終了予定時刻演算手段により算出された終了予定時刻を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
分析対象試料を分析する自動分析装置であって、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の準備項目を選択的に設定する項目設定手段と、
前記分析対象試料を分析するための準備を行う自動初期準備の終了予定時刻と自動初期準備を自動的に開始する開始予定時刻の何れか一方を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された予定時刻を設定する予定時刻設定手段と、
前記予定時刻設定手段により設定された予定時刻と前記項目設定手段により設定された準備項目に基づいて、前記選択手段により選択されない他方の予定時刻を算出する演算手段と
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動分析装置において、
該自動分析装置は、前記分析対象試料を分析するための複数のモジュールにより構成されており、
前記モジュールのそれぞれについて設定された終了予定時刻と準備項目とに基づいて、それぞれのモジュールの開始予定時刻を算出することを特徴とする自動分析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−149905(P2011−149905A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13333(P2010−13333)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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